説明

RFIDラベル発行装置

【課題】本発明は、不良RFIDラベルを容易に破棄することができるRFIDラベル発行装置を提供することを課題とする。
【解決手段】通常時には非粘着性を示すが加熱されることにより熱活性されて粘着性を発現する熱活性粘着剤層が裏面に塗布されたRFIDラベル5を用い、RFIDが使用可能と判定された場合には、熱活性ヘッド18によって熱活性粘着剤層9に熱活性処理を行ったRFIDラベル5を発行し、RFIDが使用不能と判定された場合には、熱活性粘着剤層に熱活性処理を行うことなくRFIDラベル5を発行することにより、粘着性を帯びていない状態で不良RFIDラベルを排出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFID(Radio Frequency Identification)が内蔵されたRFIDラベルに対して書き込み処理を行うRFIDラベル発行装置に関し、特に書き込み処理を施したRFIDラベルを1枚ずつ発行するRFIDラベル発行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ICチップおよび当該ICチップに接続されたアンテナからなるRFIDの普及により、RFIDをラベルとして加工したRFIDラベルを商品に貼付することで商品管理が行われている。RFIDラベルには、RFIDに情報を書き込む機能を有するRFIDラベル発行装置を用いて印字が行われるが、RFIDのICチップは、静電気などの衝撃に弱く、製造工程の途中や使用する前に破損して使用不能になっている恐れがあるため、RFIDラベル発行装置で印字を行うに際し、使用不能な不良RFIDラベルを識別する必要がある。
【0003】
使用不能な不良RFIDラベルの識別方法としては、RFIDラベルのRFIDへの書き込み処理が正常に行われたか否かを判定し、書き込み処理が正常に行われたRFIDラベルを3枚毎に切断し、書き込み処理が正常に行われなかった不良RFIDラベルを1枚毎に切断することで仕分けが可能なプリンタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、不良RFIDラベルをゴミ箱に破棄した場合に剥離紙が剥がれてゴミ箱に貼りついたりして破棄が面倒であるという問題がある。また、省資源への配慮として注目されている台紙を有さないRFIDラベルとすると粘着剤が表出するため特に上述した問題がある。
【0005】
【特許文献1】特開2004−70784号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は斯かる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、発行された不良RFIDラベルを人手によって取り除く必要がないと共に、不良RFIDラベルを容易に破棄することができるRFIDラベル発行装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
請求項1記載の発明の要旨は、RFIDが内蔵されたRFIDラベルに対して書き込み処理を行い、書き込み処理を施した前記RFIDラベルを1枚ずつ発行するRFIDラベル発行装置であって、
前記RFIDラベルの裏面には、通常時には非粘着性を示すが加熱されることにより熱活性されて粘着性を発現する熱活性粘着剤層が塗布されており、前記RFIDが使用可能か否かを判定する判定手段と、前記熱活性粘着剤層を熱活性させて粘着性を発現させる熱活性処理を行う熱活性手段とを具備し、前記判定手段によって前記RFIDが使用可能であると判定された場合には、前記熱活性手段によって前記熱活性粘着剤層に熱活性処理を行った前記RFIDラベルを発行し、前記判定手段によって前記RFIDが使用不能であると判定された場合には、前記熱活性手段によって前記熱活性粘着剤層に熱活性処理を行うことなく前記RFIDラベルを発行することを特徴とするRFIDラベル発行装置に存する。
また請求項2記載の発明の要旨は、前記判定手段によって前記RFIDが使用可能であると判定された場合には、前記RFIDラベルを排出口から突出させて保持させ、前記判定手段によって前記RFIDが使用不能であると判定された場合には、前記RFIDラベルを装置外に排出させる排出手段を更に具備することを特徴とする請求項1記載のRFIDラベル発行装置に存する。
また請求項3記載の発明の要旨は、前記判定手段によって前記RFIDが使用可能であると判定された場合には、前記RFIDラベルの表面に通常印字処理を行い、前記判定手段によって前記RFIDが使用不能であると判定された場合には、前記RFIDラベルの表面に前記通常印字処理とは異なるエラー印字処理を行う印字手段を更に具備することを特徴とする請求項1又は2記載のRFIDラベル発行装置に存する。
【発明の効果】
【0008】
本発明のRFIDラベル発行装置は、通常時には非粘着性を示すが加熱されることにより熱活性されて粘着性を発現する熱活性粘着剤層が裏面に塗布されたRFIDラベルを用い、RFIDが使用可能と判定された場合には、熱活性粘着剤層に熱活性処理を行ったRFIDラベルを発行し、RFIDが使用不能と判定された場合には、熱活性粘着剤層に熱活性処理を行うことなくRFIDラベルを発行するように構成することにより、不良RFIDラベルが粘着性を帯びていない状態で発行されるため、不良RFIDラベルを容易に破棄することができるという効果を奏する。
【0009】
さらに、本発明のRFIDラベル発行装置は、RFIDが使用可能と判定された場合には、RFIDラベルを排出口から突出させて保持させ、RFIDが使用不能と判定された場合には、RFIDラベルを装置外に排出させるように構成することにより、不良RFIDラベルが装置外まで排出されるため、発行された不良RFIDラベルを人手によって取り除く必要がなく、作業者の手間を軽減させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明に係るRFIDラベル発行装置の実施の形態の構成を示す構成図であり、図2は、本発明に係るRFIDラベル発行装置の実施の形態に用いられるラベル連続体の形態を示す図であり、(a)は、斜視図であり、(b)は、(a)に示すA−A’断面図である。図3は、図1に示す制御部の構成を示すブロック図である。
【0012】
本実施の形態のRFIDラベル発行装置100は、図1を参照すると、印字用プラテンローラ10と、発熱体が印字用プラテンローラ10に対向する面に形成されているサーマルヘッド11とを有し、感熱発色層が形成されたラベル連続体1の表面側がサーマルヘッド11の発熱体に接触するように、ラベル連続体1を印字用プラテンローラ10とサーマルヘッド11との間に挟持搬送し、サーマルヘッド11の発熱体を選択的に発熱させることにより、ラベル連続体1の感熱発色層を感熱発色させて所望の文字、バーコード等の印字を施すように構成されている。なお、感熱発色層を設けずに熱転写リボンとラベル連続体1を印字用プラテンローラ10とサーマルヘッド11との間に挟持搬送し、熱転写リボンのインクをラベル連続体1に転写させて印字を施すようにしても良い。
【0013】
RFIDラベル発行装置100に用いられるラベル連続体1は、図2(a)および(b)に示すように、ICチップ2および当該ICチップ2に接続されたアンテナ3からなるRFID4が内蔵されたRFIDラベル5が連続して形成されており、ロール状に巻き回された状態で用紙供給部12に装填される。ラベル連続体1をカット位置Cでカットすることにより、RFIDラベル5が切り離され、RFIDラベル5は、感熱発色層が形成されているシート基材6と、RFID4が実装されているインレット8とが、シート基材6の裏面に塗布された粘着剤層7によって貼り合わされていると共に、インレット8の裏面側に通常時(常温状態)には非粘着性を示すが加熱されることにより熱活性されて粘着性を発現する熱活性粘着剤層9が塗布されている。なお、RFID4とは、電波を用いて無線(非接触)で情報通信が可能な手段であり、非接触IC回路、無線IC回路等の他の呼称で表される場合もあるが、本発明では、代表してRFID4と表現する。また、熱活性粘着剤層9としては、例えば、熱可塑性樹脂、固体可塑性樹脂等を主成分とする感熱性粘着剤を用いることができる。
【0014】
用紙供給部12から印字用プラテンローラ10とサーマルヘッド11との間に搬送されるラベル連続体1の裏面側には、ラベル連続体1の裏面に印刷等によって形成されたアイマーク(黒の矩形のマーク)を検出し、アイマークの検出信号を出力するラベル位置検出センサ13が設けられている。アイマークの検出信号は、ラベル位置検出センサ13から制御部30に入力され、制御部30は、アイマークの検出信号に基づく印字タイミングで、サーマルヘッド11と、印字用プラテンローラ10を回転駆動する第1搬送モータ14とを制御して印字を行う。
【0015】
また、用紙供給部12から印字用プラテンローラ10とサーマルヘッド11との間に搬送されるラベル連続体1の裏面側には、ラベル連続体1(RFIDラベル5)に内蔵されたRFID4と通信を行うリーダライタ15に接続されたアンテナ151が設けられている。リーダライタ15は、ICチップ2とアンテナ3とからなるRFID4に一定の周波数の呼出し電波を送信して、RFID4(ICチップ2のメモリ)に記憶されている情報を非接触で読み出す機能と、RFID4(ICチップ2のメモリ)に情報を非接触で書き込む機能とを有する。
【0016】
印字が行われたラベル連続体1は、一対の引き出しローラ16に案内されて、熱活性用プラテンローラ17と、発熱体が熱活性用プラテンローラ17に対向する面に形成され、ラベル連続体1(RFIDラベル5)の熱活性粘着剤層9に接触する熱活性ヘッド18との間に供給され、カッタ19によって連続したRFIDラベル5間のカット位置Cでカットされる。
【0017】
熱活性用プラテンローラ17と熱活性ヘッド18との間に供給されたRFIDラベル5は、熱活性用プラテンローラ17と熱活性ヘッド18との間に挟持搬送され、熱活性ヘッド18の発熱体を発熱させることにより、熱活性処理、すなわち熱活性粘着剤層9が熱活性されて粘着性が発現される。なお、制御部30は、アイマークの検出信号に基づいてRFIDラベル5が熱活性用プラテンローラ17と熱活性ヘッド18との間に供給されるタイミングを判断することで、熱活性ヘッド18と、熱活性用プラテンローラ17を回転駆動する第2搬送モータ20とを制御して熱活性処理を行う。
【0018】
熱活性処理が施されたRFIDラベル5は、一対の排出ローラ21に挟持搬送されることで排出口22から排出される。排出口22には、ラベル有無検出センサ23が設けられており、ラベル有無検出センサ23によってRFIDラベル5が検出されると、制御部30は、排出ローラ21を回転駆動する排出モータ24の駆動を所定のタイミングで停止させ、RFIDラベル5の後端側が排出ローラ21に挟持され、RFIDラベル5の先端側が排出口22から突出されて保持される。RFIDラベル5が排出口22から突出されて保持された状態では、後続する印字動作および熱活性動作は、待機状態となる。なお、一対の排出ローラ21のうち熱活性粘着剤層9に接するローラにはRFIDラベル5の貼り付きを防止するための非粘着加工が施されている。
【0019】
排出口22から突出されて保持されたRFIDラベル5が取り除かれると、制御部30によって、後続する印字動作および熱活性動作が行われる。
【0020】
制御部30には、パーソナルコンピュータ等のホスト50が外部インタフェース(外部I/F)25を介して接続され、外部I/F25を介して、外部に接続されたホスト50との間で各種データやコマンドの送受信を行うことができるようになっており、ホスト50からRFIDラベル5に印字する印字データ、RFID4に記憶させる書き込みデータ等が送信される。
【0021】
制御部30は、図3を参照すると、所定の制御プログラムとフォントデータとを記憶するROM(read only memory)31と、ROM31に記憶されている制御プログラムに従って動作し、各部を制御するCPU(central processing unit)32と、CPU32が動作する上で必要となる各種データを記憶するRAM(random access memory)33と、第1搬送モータ14、第2搬送モータ20および排出モータ24にパルス信号等の駆動信号を供給し、第1搬送モータ14、第2搬送モータ20および排出モータ24を回転させる搬送制御部34と、CPU32からの指示に基づいてサーマルヘッド11に印字動作を行わせる印字制御部35と、CPU32の制御下、ラベル位置検出センサ13からアイマークの検出信号を受け取り、デジタルのデータに変換することでピッチ信号としてCPU32に供給すると共に、ラベル有無検出センサ23によってRFIDラベル5が検出されるとラベル検出信号を、ラベル有無検出センサ23によってRFIDラベル5が検出されなくなるとラベル除去信号をそれぞれCPU32に供給するラベル検出部36と、CPU32からの指示に基づいてカッタ19を駆動してラベル連続体1をカット位置Cでカットさせるカッタ制御部37と、CPU32からの指示に基づいて熱活性ヘッド18に熱活性動作を行わせる熱活性制御部38とを備えている。
【0022】
CPU32は、外部I/F25を介してホスト50から送信されてきた書き込みデータおよび印字データを受信すると、受信した書き込みデータをリーダライタ15によってRFID4に書き込むと共に、受信した印字データに含まれる文字コードに対応するフォントデータをROM31から読み出し、ホスト50より送信されてきた印字データに対応するビットマップイメージデータをRAM33の描画領域に展開する。
【0023】
次に、CPU32は、RAM33の描画領域に展開したビットマップイメージデータの印字を印字制御部35に指示すると共に、搬送制御部34に対してラベル連続体1を搬送方向に搬送するよう指示する。
【0024】
印字制御部35は、CPU32からの指示に基づいて、RAM33の描画領域に展開されているビットマップイメージデータに対応して、サーマルヘッド11に対して制御信号を供給し、印字処理を行う。また、搬送制御部34は、CPU32からの指示に基づいて、第1搬送モータ14に対して所定の駆動信号を供給し、第1搬送モータ14を駆動させる。これにより、印字用プラテンローラ10とサーマルヘッド11とで挟持搬送されながらラベル連続体1に印字データが印字される。
【0025】
次に、CPU32は、印字が施されたラベル連続体1のカット位置Cがカッタ19に到達すると、搬送制御部34に第1搬送モータ14の駆動停止を指示してラベル連続体1の搬送を停止させると共に、カッタ制御部37にカッタ19の駆動を指示してカット位置Cを切断して印字が施されたRFIDラベル5を切り離させる。
【0026】
また、CPU32は、RFIDラベル5が熱活性用プラテンローラ17と熱活性ヘッド18との間に供給されると、熱活性制御部38に熱活性処理を指示すると共に、搬送制御部34に対してRFIDラベル5を搬送方向に搬送するように指示する。
【0027】
熱活性制御部38は、CPU32からの指示に基づいて、発熱体を発熱させて熱活性処理を行うと共に、搬送制御部34は、CPU32からの指示に基づいて、第2搬送モータ20に対して所定の駆動信号を供給し、第2搬送モータ20を駆動させることで、熱活性用プラテンローラ17と熱活性ヘッド18とで挟持搬送されながらRFIDラベル5の熱活性粘着剤層9が熱活性される。
【0028】
次に、CPU32は、搬送制御部34に排出モータ24の駆動を指示して、RFIDラベル5を排出口22から排出させる。ラベル有無検出センサ23によってRFIDラベル5が検出されると、ラベル検出部36は、CPU32にラベル検出信号を出力し、CPU32は、ラベル検出信号の入力からRFIDラベル5を所定距離搬送した後に、搬送制御部34に排出モータ24の駆動停止を指示してRFIDラベル5の搬送を停止させ、RFIDラベル5を排出口22から突出させた状態で保持させる。
【0029】
次に、CPU32は、排出口22から突出されて保持されたRFIDラベル5が作業者によって取り除かれて、ラベル有無検出センサ23によってRFIDラベル5が検出されなくなり、ラベル検出部36からラベル除去信号が入力されるまで後続するRFIDラベル5に対する書き込み動作、印字動作および熱活性動作を待機させ、ラベル検出部36からラベル除去信号が入力されると、後続する書き込み動作、印字動作および熱活性動作を実行する。
【0030】
次に、本実施の形態におけるRFIDラベル5の発行動作について図4および図5を参照して詳細に説明する。
図4は、本発明に係るRFIDラベル発行装置100の実施の形態におけるRFIDラベル5の発行動作を説明するためのフローチャートであり、図5は、RFIDラベル5の排出状態を説明するための説明図である。
【0031】
外部I/F25を介してホスト50から送信されてきた書き込みデータおよび印字データを受信すると、CPU32は、受信した書き込みデータをリーダライタ15によってRFID4に書き込む書き込み処理を行う。
【0032】
書き込み処理は、まず、リーダライタ15によってRFID4に予め記憶されているユニークIDの読み取りを実行する(ステップA1)。次に、RFID4からユニークIDが正しく読み取れたか否かを判断し(ステップA2)、RFID4からユニークIDが正しく読み取れた場合には、リーダライタ15によってRFID4に書き込みデータを書き込む(ステップA3)。次に、RFID4に書き込みデータを正しく書き込めたか否かを判断し(ステップA4)、RFID4に書き込みデータを正しく書き込めた場合には、RFID4に書き込んだ書き込みデータを読み込み(ステップA5)、RFID4から書き込みデータが正しく読み込めたか否かを判断する(ステップA6)。また、ステップA6において書き込みするデータと読み込んだデータとが一致するか否かを判断しても良い。
【0033】
ステップA6でRFID4から書き込みデータが正しく読み込めた場合には、CPU32は、RFID4への書き込み処理が正常に行われ、RFID4が使用可能であると判定し、通常印字処理、すなわちホスト50から送信されてきた印字データの印字を印字制御部35および搬送制御部34に指示することで、印字用プラテンローラ10とサーマルヘッド11とで挟持搬送しながらラベル連続体1に印字データを印字する通常印字処理を行う(ステップA7)。
【0034】
次に、印字が施されたラベル連続体1のカット位置Cがカッタ19に到達すると、CPU32は、カッタ制御部37にカッタ19の駆動を指示することで、ラベル連続体1をカット位置Cで切断する切断処理を行い(ステップA8)、RFID4への書き込みが正常に行われ、且つ通常印字処理を行ったRFIDラベル5を切り離す。
【0035】
次に、CPU32は、RFIDラベル5が熱活性用プラテンローラ17と熱活性ヘッド18との間に供給されると、搬送制御部34および熱活性制御部38に熱活性処理を指示することで、熱活性用プラテンローラ17と熱活性ヘッド18とで挟持搬送しながらRFIDラベル5の熱活性粘着剤層9を熱活性させて粘着性を発現させる熱活性化処理を行う(ステップA9)。
【0036】
次に、CPU32は、搬送制御部34に排出モータ24の駆動を指示することで、RFIDラベル5を排出口22から排出させる排出動作を開始すると共に(ステップA10)、ラベル有無検出センサ23によるRFIDラベル5の検出、すなわちラベル検出信号の入力を監視し(ステップA11)、ラベル有無検出センサ23によってRFIDラベル5が検出、すなわちラベル検出信号が入力されると、ラベル検出信号の入力からRFIDラベル5を所定距離搬送した後に、搬送制御部34に排出モータ24の駆動停止を指示してRFIDラベル5の搬送を停止させ、図5に矢印Aで示すように、RFIDラベル5を排出口22から突出させた状態で保持させる(ステップA12)。
【0037】
次に、CPU32は、排出口22から突出されて保持されたRFIDラベル5の除去、すなわちラベル除去信号の入力を監視し(ステップA13)、ラベル除去信号が入力されると、ステップA1に戻って後続するRFIDラベル5の発行動作を行う。
【0038】
ステップA2でRFID4からユニークIDが正しく読み取れなかった場合と、ステップA4でRFID4に書き込みデータを正しく書き込めなかった場合と、ステップA6でRFID4から書き込みデータが正しく読み込めなかった場合とには、RFID4が何らかの要因によって破損し、RFID4への書き込み処理を正常に行うことができないため、CPU32は、RFID4が使用不能であると判定し、エラー印字処理、すなわち予めROM31に記憶している×印等のエラーパターンの印字を印字制御部35および搬送制御部34に指示することで、印字用プラテンローラ10とサーマルヘッド11とで挟持搬送しながらラベル連続体1にエラーパターンを印字するエラー印字処理を行う(ステップA14)。なお、本実施の形態では、ステップA14でエラーパターンを印字するエラー印字処理を行うように構成したが、エラー印字処理としてラベル連続体1を白紙のまま空送りするようにしても良い。また、ステップA6において書き込みするデータと読み込んだデータとが一致するか否かを判断するようにした場合には、書き込みデータと読み込みデータが不一致の場合にステップA14に進み、一致の場合はステップA7に進む。
【0039】
次に、印字が施されたラベル連続体1のカット位置Cがカッタ19に到達すると、CPU32は、カッタ制御部37にカッタ19の駆動を指示することで、ラベル連続体1をカット位置Cで切断する切断処理を行い(ステップA15)、RFID4が破損して正常な書き込みが行われず、且つエラー印字処理を行ったRFIDラベル5を切り離す。
【0040】
次に、CPU32は、搬送制御部34に排出モータ24の駆動を指示することで、RFIDラベル5を排出口22から排出させる排出動作を開始し(ステップA16)、図5に矢印Bで示すように、熱活性化処理が行われず、熱活性粘着剤層9が粘着性を帯びていないRFIDラベル5を排出口22から装置外に排出させ(ステップA17)、ステップA1に戻る。なお、ステップA17からステップA1に戻る場合、すなわち正常な書き込み処理および通常印字処理が行われなかった場合には、後続のRFIDラベル5に対して再度同一の書き込みデータおよび印字データにそれぞれ基づく書き込み処理および印字処理が行われる。
【0041】
以上説明したように、本実施の形態によれば、通常時には非粘着性を示すが加熱されることにより熱活性されて粘着性を発現する熱活性粘着剤層9が裏面に塗布されたRFIDラベル5を用い、RFID4が使用可能と判定された場合には、熱活性ヘッド18によって熱活性粘着剤層9に熱活性処理を行ったRFIDラベル5を発行し、RFID4が使用不能と判定された場合には、熱活性粘着剤層9に熱活性処理を行うことなくRFIDラベル5を発行するように構成することにより、不良RFIDラベルが粘着性を帯びていない状態で発行されるため、不良RFIDラベルを容易に破棄することができるという効果を奏する。
【0042】
さらに、本発明のRFIDラベル発行装置は、RFID4が使用可能と判定された場合には、RFIDラベル5を排出口22から突出させて保持させ、RFID4が使用不能と判定された場合には、RFIDラベル5を装置外に排出させるように構成することにより、不良RFIDラベルが装置外まで排出されるため、発行された不良RFIDラベルを人手によって取り除く必要がなく、作業者の手間を軽減させることができるという効果を奏する。
【0043】
なお、本実施の形態においては、ラベル連続体1を搬送する手段として第1の搬送モータ14、第2の搬送モータ20および排出モータ24の3つのモータを設けた例を説明したが、これに限定するものではなく、例えば、排出モータ24をなくし、ベルト等の動力伝達手段を介して熱活性用プラテンローラ17および排出ローラ21のギアを接続することで、第2の搬送モータ20によって熱活性用プラテンローラ17および排出ローラ21を回転駆動させるようにしても良い。
【0044】
また、本実施の形態においては、排出ローラ21によってRFIDラベル5を排出させるように構成したが、排出モータ24をなくし、熱活性用プラテンローラ17によってRFIDラベル5を排出させるようにしても良い。
【0045】
さらに、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付している。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係るRFIDラベル発行装置の実施の形態の構成を示す構成図である。
【図2】本発明に係るRFIDラベル発行装置の実施の形態に用いられるラベル連続体の形態を示す図であり、(a)は、斜視図であり、(b)は、(a)に示すA−A’断面図である。
【図3】図1に示す制御部の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明に係るRFIDラベル発行装置の実施の形態におけるRFIDラベルの発行動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】図2に示すRFIDラベルの排出状態を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0047】
1 ラベル連続体
2 ICチップ
3 アンテナ
4 RFID
5 RFIDラベル
6 シート基材
7 粘着剤層
8 インレット
9 熱活性粘着剤層
10 印字用プラテンローラ
11 サーマルヘッド(印字手段)
12 用紙供給部
13 ラベル位置検出センサ
14 第1搬送モータ
15 リーダライタ
16 引き出しローラ
17 熱活性用プラテンローラ
18 熱活性ヘッド(熱活性手段)
19 カッタ
20 第2搬送モータ
21 排出ローラ(排出手段)
22 排出口
23 ラベル有無検出センサ
24 排出モータ
25 外部インタフェース(外部I/F)
30 制御部
31 ROM
32 CPU(判定手段)
33 RAM
34 搬送制御部
35 印字制御部
36 ラベル検出部
37 カッタ制御部
38 熱活性制御部
50 ホスト
100 RFIDラベル発行装置
151 アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDが内蔵されたRFIDラベルに対して書き込み処理を行い、書き込み処理を施した前記RFIDラベルを1枚ずつ発行するRFIDラベル発行装置であって、
前記RFIDラベルの裏面には、通常時には非粘着性を示すが加熱されることにより熱活性されて粘着性を発現する熱活性粘着剤層が塗布されており、
前記RFIDが使用可能か否かを判定する判定手段と、
前記熱活性粘着剤層を熱活性させて粘着性を発現させる熱活性処理を行う熱活性手段とを具備し、
前記判定手段によって前記RFIDが使用可能であると判定された場合には、前記熱活性手段によって前記熱活性粘着剤層に熱活性処理を行った前記RFIDラベルを発行し、前記判定手段によって前記RFIDが使用不能であると判定された場合には、前記熱活性手段によって前記熱活性粘着剤層に熱活性処理を行うことなく前記RFIDラベルを発行することを特徴とするRFIDラベル発行装置。
【請求項2】
前記判定手段によって前記RFIDが使用可能であると判定された場合には、前記RFIDラベルを排出口から突出させて保持させ、前記判定手段によって前記RFIDが使用不能であると判定された場合には、前記RFIDラベルを装置外に排出させる排出手段を更に具備することを特徴とする請求項1記載のRFIDラベル発行装置。
【請求項3】
前記判定手段によって前記RFIDが使用可能であると判定された場合には、前記RFIDラベルの表面に通常印字処理を行い、前記判定手段によって前記RFIDが使用不能であると判定された場合には、前記RFIDラベルの表面に前記通常印字処理とは異なるエラー印字処理を行う印字手段を更に具備することを特徴とする請求項1又は2記載のRFIDラベル発行装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−179467(P2007−179467A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−379818(P2005−379818)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】