説明

SMSメッセージ作成方法及び装置

携帯電話(20)のユーザが、ディスプレイ画面(21)内の仮想キーパッド(23)のキー群に対応した様々なエリアに様々な荷重レベルの荷重を選択的に掛けることによって、携帯電話(20)のディスプレイ画面(21)上にメッセージを作成する。キー群のうちの1つのキーの局部エリアに荷重を掛けると、当該キーに関連付けられた複数の文字のうちの1つが表示される。掛けられた荷重のレベルが感知・測定され、これにより上記複数の文字のうちいずれの文字がディスプレイ画面(21)上に表示されるかが決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ワイヤレス通信機器に係り、特に、携帯電話のショートメッセージサービス(Short Messaging Service:SMS)に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、標準的なキーパッド11と、ディスプレイ画面12とを備えた携帯電話10を示している。下記の表1は、アルファベット、数字、及び、記号の各々を表示させるためのキーパッド11のボタン押下回数を示している。
【0003】
【表1】

【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この結果、図示するような「HAVE A NICE DAY(良い1日を)」というメッセージを送信するのに、携帯電話10のユーザは、合計で27回のキー押下を実行しなければならない(H→2回押下、A→1回押下、V→3回押下、E→2回押下、スペース、A→1回押下、スペース、N→2回押下、I→3回押下、C→3回押下、E→2回押下、スペース、D→1回押下、A→1回押下、Y→3回押下)。より長い及び/又はより複雑なメッセージを送信することは、携帯電話10のユーザにとって時間が掛かり、煩わしいものとなり得るのは明らかである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第一の形は、メッセージを作成するワイヤレス通信機器(例えば、携帯電話、PDA、など)である。この機器は、ディスプレイ画面と、このディスプレイ画面上に表示された複数のキーを備えた仮想(バーチャル)キーパッドと、を有する。仮想キーパッドは、第一のキーを含み、この第一のキーは、ディスプレイ画面内の第一のキーに対応した局部エリアに第一の荷重レベルが掛けられたのに応じて、ディスプレイ画面上の表示されたメッセージ内に第一のキーに関連付けられた第一の文字を表示するように動作する。第一のキーは、更に、ディスプレイ画面内の第一のキーに対応した局部エリアに第二の荷重レベルが掛けられたのに応じて、ディスプレイ画面上の表示されたメッセージ内に第一のキーに関連付けられた第二の文字を表示するように動作する。
【0006】
本発明の第二の形は、メッセージを作成する際のワイヤレス通信機器の作動方法である。このワイヤレス通信機器は、ディスプレイ画面と、このディスプレイ画面上に表示された複数のキーを備えた仮想キーパッドとを有する。まず、ディスプレイ画面内の仮想キーパッドの第一のキーに対応した局部エリアに掛けられた荷重が感知・測定される。次いで、第一の荷重レベルに相当する荷重に応じて、メッセージ内に第一のキーに関連付けられた第一の文字が表示される。さらに、第二の荷重レベルに相当する荷重に応じて、メッセージ内に第一のキーに関連付けられた第二の文字が表示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の上記及び他の形、特徴、及び利点は、添付図面と共に以下の現時点での好ましい実施形態の詳細な説明を読むことによって更に明らかにされる。詳細な説明及び図面は、本発明の単なる一例に過ぎず、請求項及びその均等物によって定義される本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0008】
図2は、タッチパネル式ディスプレイ画面21と標準的なキーパッド22とを備えた携帯電話20を示している。タッチパネル式ディスプレイ画面21は、ディスプレイ画面21のあるエリアに荷重(例えば、図2に示すようなスタイラス(ペン)30を通じてディスプレイ画面21に掛けられた下向きの荷重、など)が掛けられることに感応する。この下向きの荷重は、例えば携帯電話20のユーザの指など、当業者が思いつく他の手段によって掛けられてもよい。一実施形態として、このタッチパネル式ディスプレイ画面21は、ここに参考文献として組み込まれる欧州特許出願第02076461.9号(タイトル:「Touch Sensitive Display Device」、出願日:2002年4月15日)に従って製造され、動かされる。
【0009】
図3は、タッチパネル式ディスプレイ画面21上の仮想キーパッド23の表示を示している。仮想キーパッド23の図示された各キーは、1以上の文字(例えば、アルファベット、数字、又は、記号)に関連付けられている。仮想キーパッド23の各キーは、更に、タッチパネル式ディスプレイ画面21の局部エリア(例えば、ディスプレイ画面21のうちキーのすぐ上のエリア)に割り当てられている。したがって、携帯電話20のユーザはメッセージを作成したいとき、ユーザは、メッセージを作成するのに必要なキーに対応した局部エリアに様々な荷重を順次掛ける。いずれのキーについても、感知・測定された荷重レベルが、そのキーに関連付けられた文字のうちいずれの文字がディスプレイ画面21上のメッセージ内に表示されるか、を決定する。
【0010】
図4は、タッチパネル式ディスプレイ画面21の容量性ベースの実施形態のプロファイルを示している。図4から、各キーについてディスプレイ画面21の局部エリアの座標を確認することができる。各キーの静電容量は、対応する局部エリアに荷重が掛けられていないときのベースレベル(例えば、図4では0.5pF)と等しい。各キーの静電容量は、図4に示した「jkl5」キーの静電容量プロファイルのように、対応する局部エリアに荷重が掛けられると増加する。静電容量が増加する度合は、対応する局部エリアに掛けられている荷重量によって表される。1つのキーに関連付けられた各文字は、更に、異なる荷重レベルにも関連付けられているため、携帯電話20のユーザがある文字をディスプレイ画面21上のメッセージ内に含ませたいと思っていることがわかる。
【0011】
図5は、仮想キーパッド23(図3)のキーの局部エリア上に掛けられた5つの異なる荷重レベルを表す荷重レベル横断面図を示している。これら5つの荷重レベルは、キー静電容量の10%増加、キー静電容量の30%増加、キー静電容量の50%増加、キー静電容量の80%増加、及び、キー静電容量の100%増加、である。下記の表2は、各荷重レベルと1以上の文字との関連付けの一例を示している。
【0012】
【表2】

この結果、図示したような「HAVE A NICE DAY(良い1日を)」というメッセージを送信するのに、携帯電話10のユーザは、合計で15回のキー押下を実行すればよく(H→1回押下、A→1回押下、V→1回押下、E→1回押下、スペース、A→1回押下、スペース、N→1回押下、I→1回押下、C→1回押下、E→1回押下、スペース、D→1回押下、A→1回押下、Y→1回押下)、押下回数が12回分削減される。より長い及び/又はより複雑なメッセージを送信することが、携帯電話20のユーザにとってより時間が掛からず、より煩わしくないものとなるのは明らかである。
【0013】
一実施形態として、上記表1の各荷重レベルは、その荷重レベルを包含するレンジ内の最小荷重レベルを表すものとしてもよい。したがって、荷重測定値LMが10%≦LM<30%の範囲内のときに荷重測定値は10%とされ、荷重測定値LMが30%≦LM<50%の範囲内のときに荷重測定値は30%とされ、・・・以下同様。
【0014】
別の実施形態として、上記表1の各荷重レベルは、その荷重レベルを包含するレンジ内の最大荷重レベルを表すものとしてもよい。したがって、荷重測定値LMが0%<LM≦10%の範囲内のときに荷重測定値は10%とされ、荷重測定値LMが10%<LM≦30%の範囲内のときに荷重測定値は30%とされ、・・・以下同様。
【0015】
更に別の実施形態として、上記表1の各荷重レベルは、その荷重レベルを包含するレンジ内の荷重レベルを表すものとしてもよい。したがって、荷重測定値LMが0%<LM≦20%の範囲内のときに荷重測定値は10%とされ、荷重測定値LMが20%<LM≦40%の範囲内のときに荷重測定値は30%とされ、・・・以下同様。
【0016】
1つのキーに関連付けられる荷重の数に制限はない。下記の表3は、各荷重レベルと1以上の文字との関連付けの別の一例を示している。
【0017】
【表3】

重要なことは、図2〜5は、本発明の具体的用途及び実施形態を例示したものであり、本願の開示又は請求項の範囲をここに提示されたものに限定することが意図されたものではない、ということである。本明細書及び図面を読めば、本発明の他の無数の実施形態が考え得ること、及び、それら実施形態は請求項記載の発明の範囲内に考慮され、含まれること、が当業者には直ちに明らかとなるであろう。
【0018】
ここに開示された本発明の実施形態は現時点で好ましいと考えられたものであり、本発明の意図及び範囲を逸脱することなく、様々な変更及び修正を行うことが可能である。本発明の範囲は、請求項に表されており、均等物の意味及び範囲内に入るすべての変更は、請求項中に包含されていることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】標準的な携帯電話の前面図である。
【図2】本発明に係る携帯電話の一実施形態の前面図である。
【図3】図2の携帯電話のディスプレイ画面及び仮想キーパッドの一実施形態の前面図である。
【図4】図3のディスプレイ画面の静電容量プロファイルの一実施形態を示す図である。
【図5】図3の仮想キーパッドのうちの1つのキーの横断面静電容量の一実施形態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッセージを作成するワイヤレス通信機器であって、
ディスプレイ画面と、
前記ディスプレイ画面上に表示された複数のキーを備えた仮想キーパッドとを有し、
前記仮想キーパッドは、第一のキーを含み、
前記第一のキーは、
前記ディスプレイ画面内の該第一のキーに対応した局部エリアに第一の荷重レベルが掛けられたのに応じて、前記ディスプレイ画面上の表示されたメッセージ内に前記第一のキーに関連付けられた第一の文字を表示するように動作すると共に、
前記ディスプレイ画面内の該第一のキーに対応した局部エリアに第二の荷重レベルが掛けられたのに応じて、前記ディスプレイ画面上の表示されたメッセージ内に前記第一のキーに関連付けられた第二の文字を表示するように動作する、ことを特徴とするワイヤレス通信機器。
【請求項2】
請求項1記載のワイヤレス通信機器であって、
前記第一のキーは、更に、前記ディスプレイ画面内の該第一のキーに対応した局部エリアに第三の荷重レベルが掛けられたのに応じて、前記ディスプレイ画面上の表示されたメッセージ内に前記第一のキーに関連付けられた第三の文字を表示するように動作する、ことを特徴とするワイヤレス通信機器。
【請求項3】
請求項2記載のワイヤレス通信機器であって、
前記第一のキーは、更に、前記ディスプレイ画面内の該第一のキーに対応した局部エリアに第四の荷重レベルが掛けられたのに応じて、前記ディスプレイ画面上の表示されたメッセージ内に前記第一のキーに関連付けられた第四の文字を表示するように動作する、ことを特徴とするワイヤレス通信機器。
【請求項4】
請求項5記載のワイヤレス通信機器であって、
前記第一のキーは、更に、前記ディスプレイ画面内の該第一のキーに対応した局部エリアに第五の荷重レベルが掛けられたのに応じて、前記ディスプレイ画面上の表示されたメッセージ内に前記第一のキーに関連付けられた第五の文字を表示するように動作する、ことを特徴とするワイヤレス通信機器。
【請求項5】
ディスプレイ画面と、該ディスプレイ画面上に表示された複数のキーを備えた仮想キーパッドとを有するワイヤレス通信機器において、メッセージを作成する方法であって、
前記ディスプレイ画面内の前記仮想キーパッドの第一のキーに対応した局部エリアに掛けられた荷重を感知・測定し、
第一の荷重レベルに相当する荷重が測定されたときに前記ディスプレイ画面上に表示されたメッセージ内に前記第一のキーに関連付けられた第一の文字を表示し、
第二の荷重レベルに相当する荷重が測定されたときに前記ディスプレイ画面上に表示されたメッセージ内に前記第一のキーに関連付けられた第二の文字を表示する、ことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項5記載の方法であって、更に、
第三の荷重レベルに相当する荷重が測定されたときに前記ディスプレイ画面上に表示されたメッセージ内に前記第一のキーに関連付けられた第三の文字を表示する、ことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6記載の方法であって、更に、
第四の荷重レベルに相当する荷重が測定されたときに前記ディスプレイ画面上に表示されたメッセージ内に前記第一のキーに関連付けられた第四の文字を表示する、ことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項7記載の方法であって、更に、
第五の荷重レベルに相当する荷重が測定されたときに前記ディスプレイ画面上に表示されたメッセージ内に前記第一のキーに関連付けられた第五の文字を表示する、ことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−510981(P2006−510981A)
【公表日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−561845(P2004−561845)
【出願日】平成15年12月11日(2003.12.11)
【国際出願番号】PCT/IB2003/005964
【国際公開番号】WO2004/057844
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】