説明

VHG固定装置及びVHGシステム

【課題】グレーティングを従来の微細な溝構造による問題点を解消した構造とすると共に、グレーティングのあおり角を容易且つ正確に調節できるようにしたVHG固定装置を提供する。
【解決手段】VHG装着体は、両側裁断球状部を揺動軸支部として他端の柱状部の揺動操作だけによって容易にあおり角を調節できるように、一端を回動可能な両側裁断回転部(例えば、両側裁断球状部)に形成し、該部に円筒部を連設する。基体に両側裁断回転部を適切な回動位置に位置決め固定する粗調整ネジを設け、リングガイドに柱状部を適切な回動位置に位置決め固定する微調整ネジを設ける

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、狭帯域化半導体レーザーアレイ光源に用いることができるVHGを装着したVHG固定装置及びVHGシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、グレーティングによってレーザー光の波長を狭帯域化したレーザー装置は知られている。例えば特許文献1に開示されている。この特許文献1に示されている従来のVHG固定装置は図16、図17に示されるように構成されていた。
【0003】
図16は従来のレーザー装置の構成図を示す。
図16において、レーザーチャンバ112の内部には、一対の主電極114,115が対向して配置されている。エキシマレーザー装置111は、図示しない高圧電源から、主電極114,115間にパルス状の高電圧を印加し、レーザーガスを励起してレーザー光121を発生させる。
【0004】
レーザーチャンバ112の内部で発生したレーザー光121は、リアウィンドウ119を透過し、レーザーチャンバ112後方(図16中左方)に設けられた、レーザー光121を狭帯域化する狭帯域化ユニット130の内部に入射する。
【0005】
狭帯域化ユニット130は、レーザー光121のビーム幅を広げる2個のエキスパンダプリズム132,132と、レーザー光121を回折する例えば略直方体形状のグレーティング133とを備えている。グレーティング133の1面には、微細な溝が図16中紙面と垂直方向に多数設けられており、レーザー光121を回折してその波長に応じた角度に反射する。
【0006】
グレーティング133は、レーザー光121の特定の波長のみを、入射方向と逆向きに反射し、レーザーチャンバ112に戻す。従って、レーザー光121のうち、特定の波長及びその近傍の波長のみが、グレーティング133と、レーザー光121を部分透過するフロントミラー116との間で反射され、増幅される。これにより、レーザー光121のスペクトル線幅が狭帯域化される。レーザー光121の一部は、フロントミラー116を部分透過してエキシマレーザー装置111の前方に出射し、ステッパなどの露光機125の露光用光として用いられる。
狭帯域化ユニット130は、狭帯域化ボックス131によって囲繞されている。
【0007】
図17は従来のVHG固定装置の斜視図である。
図18は従来のVHG固定装置の正面図である。
図19は従来のVHG固定装置の側面図である。
【0008】
図17〜19において、VHG固定装置137は、狭帯域化ボックス131の底板147に対して回転自在の回転ステージ138を備えている。回転ステージ138は、図示しないボルトにより、底板147に対して固定できるようになっている。回転ステージ138の上方には、グレーティング133を搭載する搭載台139が設けられている。
【0009】
また、VHG固定装置137は、グレーティング133の裏側面を押圧する波面調整スクリュー140を備えている。この波面調整スクリュー140で、グレーティング133の裏側面を押圧し、溝が刻まれた回折面133Aの形状を変化させることにより、レーザー光121の波面を調整して最適化する。
【0010】
回転ステージ138と搭載台139との間には、球状のボール141,141、引きバネ142,142、及びあおりスクリュー143を備えたあおり機構166が介在している。搭載台139は、引きバネ142,142の付勢力によって回転ステージ138へ引かれ、回転ステージ138にねじ込まれたあおりスクリュー143によって、上方へ押されている。あおりスクリュー143のねじ込み度合いを調整することにより、図19中矢印144に示したように、搭載台139の傾き角度が変わり、レーザー光軸120に対するグレーティング133のあおり角度を調整自在となっている。
【0011】
狭帯域化ボックス131の底板147には、あおりスクリュー143を回転させてレーザー光軸120に対するグレーティング133のあおり角度を調整するための、開口部145が設けられている。調整を行なわない時は、この開口部145は、図示しないネジによってネジ止めされた蓋146によって封止されている。
【0012】
グレーティング133を搭載台139に固定する固定ブラケット148は、L字型の形状を有しており、グレーティング133の裏側で、搭載台139にその一端部148Aが固着されている。固定ブラケット148の他端部148Bは、グレーティング133の左右両側端部に上方からかぶさるようになっており、固定ネジ168によって弱めの力(例えば約1kg)でグレーティング133を下方へ押さえつけて固定している。
【0013】
そしてVHG固定装置137は、グレーティング133及び搭載台139を回転ステージ138に対して強固に固定する、圧接機構167を備えている。圧接機構167は、L字型の形状をした圧接ブラケット149を備えている。圧接ブラケット149の一端部149Aは、グレーティング133の裏側で、回転ステージ138に図示しないネジなどで固定されている。圧接ブラケット149の他端部149Bは、固定ブラケット148の間の、グレーティング133の略中央部に、上方からかぶさるようになっている。
【0014】
グレーティング133の上面には、緩衝プレート150が敷設されている。圧接ブラケット149と緩衝プレート150との間には、皿バネ152が介挿されている。皿バネ152は、圧接ブラケット149にねじ込まれた圧接スクリュー151によって上方から押され、そのたわみによって、グレーティング133を回転ステージ138に対して強固に押さえつける。この実施形態では、例えば3個の皿バネ152を備えており、それぞれが約60kgの力でグレーティング133を押さえつけているため、押さえつける力の総計は約180kgとなっている。
【0015】
グレーティング133を押さえつける力としては、180kgに限られるものではなく、次の2つの条件を、共に満足するように定められる。即ち、1)あおり機構166の可動部を強固に押さえつけ、グレーティング133の振動を許容値よりも小さくするだけの、充分な大きさの力であること。2)グレーティング133の回折面33Aを歪ませてレーザー光21の波面に影響を与えるほど、大きくない力であること。
【0016】
次に、このVHG固定装置137を用いて、グレーティング133をレーザー光軸120に対して位置合わせを行ない、グレーティング133を強固に固定する手順について説明する。尚、グレーティング133は、すでに固定ブラケット148により、回転ステージ138に固定されているものとする。
【0017】
まず、回転ステージ138により、グレーティング133の水平面内(図16中紙面と平行な面内)における、レーザー光軸120に対する回転角度を合わせる。
次に、あおりスクリュー143を回転させて、グレーティング133のレーザー光軸120に対するあおり角度を概略調整する。
【0018】
そして、波面調整スクリュー140を回転させ、グレーティング133の回折面133Aの形状を歪めてレーザー光121の波面が最適となるように、波面調整を行う。その後、圧接スクリュー151をねじ込み、グレーティング133を強固に固定する。
【0019】
皿バネ152は、JIS等に、例えばその高さを2分の1までたわめると、どれだけの力がかかるかが規定されている。従って、グレーティング133を押さえつける作業時には、まず弱い力で、圧接スクリュー151を皿バネ152に当たるまでねじ込む。そして、そこから何回転させるかを予め定めておくことにより、グレーティング133を押さえつける力を、常に一定の力とすることが可能である。
【0020】
そして、グレーティング133を強固に固定した後、再度あおりスクリュー143を微動させて、あおり角度を微調整する。皿バネ152によってグレーティング133を強固に固定しても、あおりスクリュー143を1回転の何分の1か程度は動かすことができる。
【0021】
これにより、グレーティング133のあおり角度、回転角度、及び波面調整をすべて合わせた状態で、グレーティング133が、狭帯域化ボックス131に対して強固に固定される。狭帯域化ボックス131は、キャビティ板153Bに固定されており、送風機などの振動によって、グレーティング133が振動することが非常に少なくなる。その結果、グレーティング133とレーザー光軸120との位置関係がずれることが少なくなり、レーザー光121の中心波長やパルスエネルギーの変動が小さくなる。
【特許文献1】特開2003−174221号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
上記特許文献1のVHG固定装置は、以下のような問題点を含んでいる。
グレーティング133を搭載した搭載台139と回転ステージ138との間には、球状のボール141、141、引きバネ142,142、及びあおりスクリュー143を備えたあおり機構166が介在している。搭載台139は、引きバネ142、142の付勢力によって回転ステージ138へ引かれ、回転ステージ138にねじ込まれたあおりスクリュー143によって、上方へ押されている。あおりスクリュー143のねじ込み度合いを調整することにより、図19中矢印144に示したように、搭載台139の傾き角度が変わり、レーザー光軸120に対するグレーティング133のあおり角度を調整自在となっている。
【0023】
しかしながら、上記従来例は、図18に示すように、搭載台139はスクリュー143、引きバネ142、142、ボール141、141の5点により回転ステージ138上に微妙なバランスで支持されている。
1点でも所定の支持位置からずれる場合、例えば、(1)搭載台139に当接するスクリュー143の先端の位置がいずれかのスクリュー143に近い位置へずれた場合、(2)いずれかの引きバネ142の係止位置がスクリュー143に近い場合、(3)引きバネ142、142のバネ力がアンバランスになっている場合、(4)ボール141、141の当接位置が、引きバネ142、142やスクリュー143の係止位置や当接位置に対し偏倚している場合、グレーティング133のあおり角度を正しく調節することが困難になる問題があった。
【0024】
従来例は、図19に示すように、搭載台139に対するボール141、141、引きバネ142、142及びスクリュー143の係止又は当接位置が、グレーティング133の中心からずれているので、調節することにより、光軸120に対するグレーティング133の解析面の変化が大きく変動し、微調整が困難になっている。
【0025】
また、レーザー光の内、狭帯域化するためにグレーティングで反射される特定波長以外の波長のレーザー光は、グレーティング133の内部等で熱に変わる。この結果、グレーティング133が加熱され温度が上がり、予測できない特性の変動を生じる問題が発生するおそれが高かった。
さらに、グレーティング133は、微細な溝が多数設けられた構造のため、物理的な反射面の特性が問題となり、反射角の微調整が困難になると共に、制御する波長が1つに限定されてしまい、使い勝手が悪いという問題があった。
【0026】
本発明の目的は、上記従来例の問題点に鑑み、グレーティング自体を従来の微細な溝構造による問題点を解消した構造とすると共に、グレーティングのあおり角を容易且つ正確に調節できるようにすると共に温度調節できるようにしたVHG固定装置及びVHGシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明は、グレーティングとしてボリューム ホログラフィック グレーティング(Volume Holographic Grating;VHG)を用いる。VHGは、レーザー光の入射(incidence)ベクトルをKi、回折(diffraction)ベクトルをKd、回折格子(grating)ベクトルをGとすると、Ki−Kd=Gとなり、従来のような物理的な反射面とは異なり、あおり角度だけの調整で済むようにできる。但し、|Ki|=|Kd|=2πn/λ、|G|=2π/Λ、このΛは回折格子周期(grating period )。また、VHGを用いて、制御波長を複数にすることができる。
【0028】
本発明のVHG装着体は、基体の受け部に回動自在に軸支される遥動軸部と、長さ方向の一端を遥動軸部に一体に連設した遥動部とからなる。
基体の受け部は、遥動部が位置決め用のガイドリング内で自由に遥動動作できるように、遥動軸部を回動自在に受ける形状に形成されている。受け部は、例えば、球形凹部、一対の弧状凹部を対向配置した形状の凹部等として構成する。
遥動軸部は、基体の受け部内で回転動作自在の形状であれば任意の形状とすることができる。遥動軸部は、例えば、球形、半球形、或いは、球形から任意の部分的な形状を削除した変形球形、例えば、裁断面を有する球形等とすることもできる。
遥動部は、その長さ方向に任意数の開孔を有する柱状体からなる。この開孔の内、遥動部の軸中心をその長さ方向に遥動軸部まで貫通する段付筒状開孔に、VHGを装着する。残りの複数の開孔には、ヒーター等の加熱器、サーミスタ等の温度検出器を収納する。システムとして、加熱器は、温度検出器の検出温度に基づき別に設ける制御装置の制御により温度調節器を介して制御される。
遥動軸部は基体に設けた粗調整ネジにより大まかに位置決め係止する。遥動部はガイドリングに設けた複数の微調整ネジにより微細に位置決め係止する。
【0029】
以上の説明は、VHG装着体の基本的な構成の説明になる。
次に、VHG装着体の好ましい具体例について説明する。
遥動軸部の好ましい具体例としては、球体の対向側を裁断した両側裁断回転部の形状になる。
遥動部の好ましい具体例としては、柱の形状の柱状部になる。柱の形状としては、断面が円形の円柱、断面が多角形の多角柱等任意の断面のものが対象になる。
両側裁断回転部の形状は、柱状部がリングガイド内で回動できる角度範囲内において、両側裁断回転部が基体内において自由に回動できる形状を意味する。その両側裁断回転部の形状は、例えば、球の中心から等距離で、球の中心を通る直線に直角な平面で、球の両側を裁断した形状(「両側裁断球状部」という)や、この「両側裁断球状部」を両側裁断面と平行で且つ球の中心を通る面で裁断した形状(いわば「両側裁断半球状部」という)等を意味する。この場合、両側裁断回転部を接触状態に収納する基体の凹部形状は、断面が弧状の面形状(「弧状凹部」形状)や裁断球面形状(球の一部を平面で裁断した形状)等を意味する。
【0030】
また、基体中に両側裁断回転部を接触状態で回動自在に配置し、柱状部をリングガイド中に回動自在に遊挿し、基体に両側裁断回転部を適切な回動位置に位置決め固定する粗調整ネジを設け、リングガイドに柱状部を適切な回動位置に位置決め固定する微調整ネジを設ける。更に、両側裁断回転部は両側裁断球状部に構成するのがより好ましい。
【0031】
また、両側裁断回転部(例えば、両側裁断球状部)を揺動軸として回動動作させるときにも、VHGの中心が両側裁断回転部の略中心になり、あおり角調節時にもVHGの中心のぶれが少なくなり、調節が容易になると共に正確に行えるように、VHGを両側裁断回転部(例えば、両側裁断球状部)の略中心に装着する。
基体には両側裁断回転部を接触状態で回動自在に収納する
【0032】
また、VHG装着体に、VHGを装着すると共にレーザー光を導光および透過導出する開孔(例えば、段付筒状開孔および小径開孔を連設した開孔)を設ける。この開孔は、レーザー光に基づいて発生した熱を外部へ放散する。
本発明のVHG固定装置は、あおり角の粗調整を容易に行うことができるように、基体に設けた粗調節ネジによってVHG装着体の両側裁断回転部(例えば、両側裁断球状部)を適正な回動位置に粗係止する。
【0033】
更に、VHG固定装置のガイドリングに、ガイドリング中心軸に向かってガイドリング外側から対称な中心角位置に偶数本の微調節ネジを螺着・螺脱自在に設ける。
この微調整ネジの調整により、ガイドリング内に配置される柱状部を対称な方向からバランス良く微細に位置決め調節できるようになる。
本発明のVHG固定装置を、VHG装着体と支持体の簡単な構成要素により構成する。
【0034】
VHG装着体の有底筒状開孔内に加熱器、例えばヒーターおよび温度検出器、例えばサーミスタを挿入配置し、このヒーターおよびサーミスタを用いてVHG用温度調節器により、VHG装着体およびVHGの温度をコントロールする。VHGの回折格子周期は、昇温によりVHG素子が膨張することにより大きくなり、降温により小さくなる。このため、回折するレーザー光の波長は温度に応じて変化するので、温度を制御することにより回折光の波長を制御することができるVHGシステムを構成できる。
VHGシステムは、波長計測手段でVHGを介して回折するレーザー光の波長を計測し、この計測した波長に応じてVHG用温度調節器でVHGの加熱温度を調節する。
また、VHGシステムは、レーザーダイオードアレイLDA及びレーザーダイオードアレイLDA用温度調節器を設け、制御装置によりVHG用温度調節器およびレーザーダイオードアレイLDA用温度調節器を制御する。
【発明の効果】
【0035】
本発明のVHG装着体は、VHGを用いるので、制御波長を複数にすることができるようになると共に、角度だけの調整ですむようになる。
また、本発明のVHGを装着したVHG装着体は、一端が回動可能な遥動軸部に形成され、この遥動軸部に遥動部の一端が一体に連設されているので、遥動軸部を揺動軸支し、遥動部の自由端を揺動操作するだけで、容易にあおり角を調節することができるようになる。
【0036】
また、VHGを遥動軸部の軸中心を含むように装着することにより、遥動軸部を揺動軸支して、遥動部を揺動動作させるときにも、VHGが遥動軸部の軸中心を含むようになるので、あおり角調節時にもVHGの中心のぶれが基本的になくなり、調節が容易になると共に正確に行えるようになる。
【0037】
また、VHG装着体に、VHGを装着すると共にレーザー光を導光する段付筒状開孔を設けるので、レーザー光に基づいて発生した熱を開孔を介して放散することができる。
本発明のVHG固定装置は、上下基体に設けた粗調節ネジによってVHG装着体の遥動軸部となる両側裁断球状部を粗係止するので、あおり角の粗調整を容易に行うことができるようになる。
【0038】
また、VHG固定装置のガイドリングは、ガイドリング中心軸に向かってガイドリング外側から複数本の微調節ネジを螺合自在に設けたので、該ガイドリング内に配置されるVHG装着体の柱状部の取り付け位置を微細に調節することができるようになる。
本発明のVHG固定装置は、VHG装着体と支持体により構成できるので、簡単な構造で、省スペースに構成することができるようになる。
本発明のVHGシステムは、VHG装着体の有底筒状開孔内に加熱器、例えばヒーターや、温度検出器、例えばサーミスタを挿入配置し、このヒーターおよびサーミスタを用いて、制御装置によりVHG用温度調節器を介して、VHG装着体およびVHGの温度をコントロールすることができる。このときVHGの回折格子周期は、昇温によりVHG素子が膨張することにより大きくなり、降温により小さくなる。このため、回折する光の波長は可変となり、制御することができる。
VHGシステムは、制御装置の制御により、波長計測手段でVHGを介して回折するレーザー光の波長を計測し、この計測した波長に応じてVHG用温度調節器でVHGの加熱温度を調節することができる。
VHGシステムは、レーザーダイオードアレイLDA及びレーザーダイオードアレイLDA用温度調節器を設け、制御装置によりVHG用温度調節器およびレーザーダイオードアレイLDA用温度調節器を制御する。そのときの制御温度は計測したレーザー光の波長に応じて設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
本発明の実施の形態を図に基づいて詳細に説明する。
本発明はグレーティングとして、従来の断面鋸歯状の溝が刻まれた回折面を有するものの代わりに、ボリューム ホログラフィック グレーティング(Volume Holographic Grating;VHG)を用いる。このVHGは、グレーティングの一方測から入射したレーザー光を透過し、他方測から回折したレーザー光として出射する。このとき、1つのグレーティングを多波長に兼用して2波長又は3波長を制御することができる。これにより、発信機と受信機を同じサイドに配置することができるようになる。また、このように兼用できるので、部品点数を減らすことができるようにもなる。さらに、1つのグレーティングにより2波長又は3波長の回折が行えるので、省スペース化が図れるようになる。
VHGは、内部のグレーティングによって特定波長を回折させるので、従来例のように劣化し易い多層膜コーティングが外部雰囲気に曝されて問題を発生するような欠点がなくなる。
VHGは遥動軸部の軸中心を含むように配置し、遥動部の遥動時、軸中心のVHGが位置ずれを起こさないようにし、回折光の計測を精度よく行うようにする。
【実施例1】
【0040】
本発明の実施例1は、VHG装着体における保持体の遥動軸部である両側裁断回転部を球体の両側を平行に裁断した両側裁断球状部とし、この両側裁断球状部をそれぞれ弧状凹部が設けられた上基体および下基体で回動自在に保持する。
保持体の遥動部を柱形状の柱状部とし、柱状部をガイドリング内に遊挿配置する。保持体に入射したレーザー光をVHGで回折させて出力する開孔を段付筒状開孔の連通孔として設け、保持体の柱状部に設けた有底筒状開孔に温度制御用の加熱器、例えばヒーターと温度検出器、例えばサーミスタを配置し、この保持体をガイドリングにより位置決め自在に案内する例を示す。VHGは遥動軸部の軸中心を含むように配置する。
【0041】
本発明の実施例1の全体を図1に基づき、各部品を図2〜8に基づき詳細に説明する。
図1は本発明のVHG固定装置の実施例1を筒体側からみた斜視図である。
図2は本発明のVHG装着体の構成図である。図2(a)はVHG透過光の出射側からみたVHG装着体の斜視図、図2(b)はVHG装着体の側面図、図2(c)は図2(b)のa−a側から見た側面図、図2(d)は図2(c)のc−c断面図、図2(e)は図2(b)のb−b側から見た側面図である。
図3は本発明の上基体の一例であって、図1の上基体の構成図である。
図3(a)は平面図、図3(b)は図3(a)のd1−d1線での断面図、図3(c)は図3(a)のd2−d2線での正面図、図3(d)は図3(a)のd3−d3線での側面図、図3(e)は斜視図である。
【0042】
図4は本発明の下基体の一例であって、図1の下基体の構成図である。
図4(a)は平面図、図4(b)は図4(a)のe1−e1線での断面図、図4(c)は図4(a)のe2−e2線での正面図、図4(d)は図4(a)のe3−e3線での側面図、図4(e)は斜視図である。
図5は本発明のガイドリングの一例であって、図1のガイドリングの構成図である。
図5(a)は正面図である図5(b)のg−g線での断面図、図5(b)は正面図、図5(c)は図5(b)のf−f線での断面図である。
図6は本発明の粗調整ネジ用ネジの一例であって、図1の粗調整ネジ用ネジの構成図である。
図6(a)は平面図、図6(b)は図6(a)のh−h線での断面図である。
【0043】
図7は本発明の取付台の一例であって、図1の取付台の構成図である。
図7(a)は平面図、図7(b)は側面図である。
図8は本発明のリングの一例であって、図1のリングの構成図である。
図8(a)は図8(b)のi−i線での断面図、図8(b)は平面図である。
【0044】
図1に示すように、VHG固定装置1は、VHG装着体2と、このVHG装着体2を可動自在に支持する支持体7と基体6からなる支持体3を備える。
図2に示すように、VHG装着体2は、VHG4と、このVHG4を位置決め状態に収納保持する保持体5を備える。VHGは遥動軸部の軸中心を含むように配置する。
保持体5は、この保持体5全体の揺動軸部として機能する両側裁断球状部8と、この両側裁断球状部8の一側裁断面に一体に形成した柱状部9を備える。
【0045】
保持体5には、その柱状部9の長さ方向に沿って、柱状部9の一端から両側裁断球状部8の内部に向かって段付筒状開孔13と、該段付筒状開孔13の周囲に有底筒状開孔12A、12B、12Cが設けられている。段付筒状開孔13は、両側裁断球状部8の柱状部9側と反対側の裁断面に開口する。この開口を出射口部14という。段付筒状開孔13の断面形状(柱状部9の長さ方向と直交する方向の面形状)は、対応して、横方向に細長い形状に構成されている。実施例1では、段付筒状開孔13の広幅開孔の断面は略長円形状で、狭幅の出射口部14の断面はI字状形状に形成されている。
【0046】
この出射口部14の開口径と比べ段付筒状開孔13の広幅の開口径は大経に形成する。
段付筒状開孔13の底部には出射口部14によって段部15が構成される。段付筒状開孔13内には、この段部15に当接するようにして位置決めされる状態で、VHGからなるVHG4が位置決め固定される。VHG4は、両側裁断球状部8の球形の中心を占めるように配置される。両側裁断球状部8の両側裁断面は、この球状部の球形の中心から、該中心を通って延ばした垂線が裁断面と交わる点までの距離が等しくなるように形成することが好ましい。
【0047】
VHG装着体2には、図2(d)に示すように、その長さ方向に、段付筒状開孔13と出射口部14が連設され、これら両孔と平行に有底筒状開孔12a、12b、12cがそれぞれ設けられている。
この構成を、見方を変えて、図2(c)に示すようにVHG装着体2の長さ方向と直行する半径方向で見ると、径が直行する一方向に長い段付筒状開孔13と出射口部14が軸中心に設けられ、有底筒状開孔12aと12bが段付筒状開孔13の短い径の辺に対向して設けられ、有底筒状開孔12cが有底筒状開孔12bに近接して設けられる。
段付筒状開孔13と出射口部14は、両孔の成す段部にVHG4を位置決め保持すると共に、レーザー光がVHG4を介して回折するように導光する。
【0048】
図1の支持体3は基体6とガイドリング7を備える。基体6は、上基体6aと、下基体6bを備える。
図3の上基体6aは、長方形のブロックの1側面側からこれに対向する対向側面側方向に弧状形状で切り欠いて弧状凹部19aを形成し、この弧状凹部19aの頂部に雌ねじとなる粗調整ネジ用ネジ穴24aを形成し、この粗調整ネジ用ネジ穴24aと平行で且つ弧状凹部19aにかからない位置に互いに離間して型締めネジ用孔25a、25bを2つ設けてある。弧状凹部19aの両側に連なる平面は、下基体6bに対する突き合わせ面になる。
【0049】
図6の粗調整ネジ21aは、回動操作するヘッド34とは反対の押さえ部35には、リング状の凸部が形成されている。このリング状の凸部は、両側裁断球状部8の球面の頂部およびその近傍に圧接する。この構成により、粗調整ネジ21aは両側裁断球状部8の球面と点接触でなく円形の線接触又は多少の幅を有する円形の面接触を構成し、より適切に押さえることができるようになる。図1の粗調整ネジ21bも粗調整ネジ21aと同じ構成を有し、同じく圧接するので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0050】
図4の下基体6bは、上記上基体6aと両者の弧状凹部が円を構成するように対向する長方形(平面図でみて)のブロック部と、このブロック部から突設した取付部27a、27bを有する。この下基体6bは、上記上基体6aと同様に1側面側からこれに対向する対向側面側方向に弧状に切り欠いて弧状凹部19bを形成し、この弧状凹部19bの頂部に雌ねじとなる粗調整ネジ用ネジ穴24bを形成し、弧状凹部19bに近い場所で粗調整ネジ用ネジ穴24bの長さ方向と直交する向きにガイドリング取付ネジ用ネジ孔29a、29bを設け、この粗調整ネジ用ネジ穴24bと平行で且つ弧状凹部19bにかからない位置に互いに離間して有底の型締めネジ用ネジ穴26a、26bを2つ設けてある。また、各取付部27a、27bには取付ネジ用孔28a、28bが設けてある。弧状凹部19bの両側に連なる平面は、上基体6aに対する突き合わせ面になる。
【0051】
上基体6aと下基体6bは、金属材料、特に温度変化の少ない金属材料で構成することが好ましいが、温度変化が少なく、締め付け固着可能な材料であれば金属以外でも可能である。
上基体6aと下基体6bは、図8に示すようなテフロン(登録商標)樹脂のリング38を介して、両部の突き合わせ面を突き合わせし、型絞めネジ22a、22bを型締めネジ用孔25a、25bを挿通して型絞めネジ用ネジ穴26a、26bに螺合型絞めする。なお、リング38の形状は、中央に貫通孔を有し、狭持するとき均等に圧縮するように構成されている限り、リング形状以外の形状を取り得る。
下基体6bの下側には、必要に応じて、下基体6bを任意の取り付け対象に取り付け易くするために図7の取付台17を設ける。
【0052】
取付台17は、図7に示すように、下基体6bの外形寸法に対応した長方形の板体に、粗調整ネジ21bの頭が収納できる凹部18と、下基体6bの取付ネジ用孔28a、28bに対応した取付ネジ用ネジ穴36a、36bと、この取付台17を図示しない取付対象機器へ取り付けるための凹部付きの固定ネジ用孔37a、37bを備える。
ガイドリング7は、図5に示すように、中央の軸方向に円筒状開孔39を有し、外側の円周面の一部に軸方向に延びる平坦面31a、31bを中心角で90度離間した位置に有し、全体が半径方向に厚みのある略円筒形状に形成されている。また、内側面と外側面の間に軸方向に延びるガイドリング取付ネジ用孔32a、32bが2個これらから遠い方の平坦面31aの中心と円筒状開孔39の軸中心30を通る線を中心として対称な位置に形成されている。
【0053】
ガイドリング7の軸中心30で直交する方向、即ち、両平坦面31a、31bの中心から軸中心30を通る方向である、図7(b)のf−f線とg−g線の方向に、微調整ネジ用ネジ穴33a、33b、33c、33dを設けてある。
微調整ネジ用ネジ穴33a、33b、33c、33dは、軸中心30における中心角で90度ずつずれている。
図7(b)のf−f線方向には、図7(c)に断面図を示すように微調整ネジ用ネジ穴33aと33cが設けられ、図7(b)のg−g線方向には、図7(a)に断面図を示すように微調整ネジ用ネジ穴33bと33dが設けられている。
微調整ネジ用ネジ穴33a、33b、33c、33dのネジ山のピッチは要求される締め付け調節の程度に応じて広く又は狭くする。
【0054】
図1のVHG装着体2は、図2の柱状部9が図5のガイドリング7の円筒状開孔39内に遊びを持って配置され、図2の両側裁断球状部8が図3および図4に示す上基体6aと下基体6bの弧状凹部19aおよび19b内に回動可能に配置される。図2に示すように保持体5の柱状部9の解放端には有底筒状開孔12a、12b、12cおよび段付筒状開孔13が開口している。
VHG装着体2は、VHGであるVHG4と、有底筒状開孔12aおよび12b内に配置される加熱器、例えばヒーター40および40bと、有底筒状開孔12c内に配置される温度測定器、例えばサーミスタ41と、VHG4を位置決め状態に収納保持する保持体5を備える。
加熱器は、加熱素子を含み、抵抗加熱のヒーター、誘導加熱のコイル、誘電加熱の導波管等から構成される。
温度測定器は、温度検出素子を含み、正の温度係数をもつ抵抗器である正特性サーミスタ(positive characteristic thermistor),PTC(positive temperature coefficient of resistor)、負の温度係数をもつ抵抗器であるサーミスタ、NTC(negative temperature coefficient register)からなる。
保持体5は熱膨張係数の小さい材料で形成するのが好ましい。
【0055】
VHG4の形状は入射面と出射面が平面として確保できれば他の面、例えば側面等は任意の面形状を採り得る。VHG4は段付筒状開孔13内に任意の固着手段、例えば圧入、接着剤を用いた貼着等により固着する。
保持体5は、この保持体5全体の揺動軸支部として機能する両側裁断球状部8と、この両側裁断球状部8の一側裁断面に一体的に形成された柱状部9を備える。
【0056】
保持体5には、その柱状部9の長さ方向に沿って、柱状部9の一端から両側裁断球状部8の内部に向かって段付筒状開孔13と、この段付筒状開孔13の周囲に有底筒状開孔12A、12B、12Cが設けられている。段付筒状開孔13には、両側裁断球状部8の柱状部9側と反対側の裁断面に開口する出射口部14が連設されている。
【0057】
段付筒状開孔13の断面形状と出射口部14の断面形状は、両開孔13と14がレーザー光の光軸と交わる条件を満たす限り、任意の形状を採り得る。好ましくは、段付筒状開孔13と出射口部14の断面形状(柱状部9の長さ方向と直交する方向の面形状)は、対応して、細長い形状に構成される。さらに好ましい例として、実施例1では、段付筒状開孔13の断面形状は略長円形状(円を一軸方向に引っ張って伸ばした形状)で、出射口部14の断面形状はI字状形状に形成されている。
【0058】
入射光を効率よく取り込むために、段付筒状開孔13の柱状部側の開口径は出射口部14の開口径と比べ大径に形成される。出射口部14は透過光が再度VHG4に入射することを抑制するために小径に形成されている。
【0059】
段付筒状開孔13の底部には段部15が形成されている。段付筒状開孔13内には、この段部15に当接するようにしてVHG4が位置決め固定される。VHG4は、両側裁断球状部8の球形の略中心を占めるように配置される。この構成により、あおり角調整時、両側裁断球状部8が上下基体6a、6b内の弧状凹部19a、19b内で回動しても、ほとんどその位置が変動しない両側裁断球状部8の球形の中心にVHG4が配置されることになるので、あおり角調整時の位置ずれ変動が少なくなり、調整がより容易且つより正確に行うことができるようになる。
【0060】
このような調整時の都合から、両側裁断球状部8の両側裁断面は、この球状部の球形の中心から、この中心を通って延ばした垂線が裁断面と交わる点までの距離が等しくなるように形成することが好ましい。
【0061】
柱状部9は、その長さ方向の一端を両側裁断球状部8の一方の裁断側に一体成形する。なお、保持体5は1体成形品であるが、説明の都合上、保持体5を両側裁断球状部8と 柱状部9に分離している。
これにより、両側裁断球状部8を揺動軸とすることにより、VHG4の位置ずれを少なくすると共に、他端の柱状部9の揺動操作だけによってあおり角調節をより容易に且つより正確に行えるようにできる。
【0062】
以上述べたように、本発明の実施例1のVHG固定装置1は、上基体6aと下基体6bに設けた粗調節ネジ21aと21bによってVHG装着体2の両側裁断球状部8を粗係止することができるので、あおり角の粗調整を容易に行うことができるようになる。
また、VHG固定装置1のガイドリング7に、ガイドリング7の中心軸に向かってガイドリング7外側から対称に複数本の微調節ネジ23a、23b、23c、23dを螺合自在に設けたので、ガイドリング7内に配置されるVHG装着体2の柱状部9を対称な方向からバランス良く微細に位置調節できるようになる。
【0063】
(あおり角調整)
予め粗調整ネジおよび微調整ネジを適宜ゆるめておき、まず、有底筒状開孔L1〜L3の内の任意の1つ内に棒状の操作具(例えば、鉛筆等)を挿入し、両側裁断球状部8を回動中心として柱状部を適宜角度揺動し、段付筒状開孔13から入射したレーザー光がVHG4で反射してレーザー光を増幅することができる角度(レーザー光をモニターしながら揺動角度を測定する等の手段によっておおよその高出力角度を求める)にする。
この状態で粗調整ネジを締め付ける。
次に、4本の微調整ネジを調整して上記モニター出力が最高出力になるようにする。
【0064】
(温度調節構造)
図2(c)〜(e)に示すように、VHG装着体2の有底筒状開孔12aおよび12bには、内部にヒーター40a、40bを挿入配置する。有底筒状開孔12cには、サーミスタ41を挿入配置する。
このヒーター40a、40bおよびサーミスタ41を制御装置に電気的に接続して温度制御回路を構成する。
ヒーター40a、40bおよびサーミスタ41を用いて制御装置により、VHG装着体2およびVHG4の温度をコントロールする。VHG4の回折格子周期は、昇温によりVHG素子が膨張することにより大きくなり、降温によりVHG素子が収縮することにより小さくなる。このため、回折する光の波長は可変となり、制御することができるようになる。
【0065】
図9は、本発明のVHGシステムを構成する制御装置の制御態様を説明する説明図である。
本発明のVHGシステムは、図9や図11に示すように、VHG固定装置1を用いて回折光の諸特性を測定するために、制御装置により各種制御や測定データの送受信等が実行される各種温度調節器、加熱器、温度計測器、波長計測手段、光パワー計測手段、角度計測手段や角度調節手段等を必要に応じて適宜含む。
図9のVHGシステムにおける制御装置44は、少なくとも入出力機能と演算機能を有するもので構成され、例えばマイクロコンピュータが好ましい。
制御装置44には、以下の(1)〜(6)の回路が必要に応じて接続される。
(1) 制御装置44には、VHG用温度調節器54を介してヒーター40a、40bおよびサーミスタ41が制御可能に接続される。VHG用温度調節器54は、コントローラ54a、変換器54b、電源54cからなる。コントローラ54aは、サーミスタ41からの温度測定データを制御装置44へ伝送し、制御装置44からの制御信号を変換器54bへ伝送して電源54cからの加熱用電力を適切に制御してヒーター40a、40bへ給電する。変換器54bとして、インバータやAC−DC変換器等が適宜適用できる。また、電源を直流とした場合には、DCコンバータやチョッパー等が適宜適用できる。
【0066】
(2) 制御装置44には、LDA用温度調節器53を介してヒーター40c、40dおよびサーミスタ41bが制御可能に接続される。LDA用温度調節器53は、コントローラ53a、変換器53b、電源53cからなる。コントローラ53aは、サーミスタ41bからの温度測定データを制御装置44へ伝送し、制御装置44からの制御信号を変換器53bへ伝送して電源53cからの加熱用電力を適切に制御してヒーター40c、40dへ給電する。変換器53bは上記変換器54bと同様のものが適宜適用可能である。
(3) 制御装置44には、波長計測手段57、例えば、ファイバー分光計が接続される。VHG4を透過回折した光の光波長スペクトルをこの波長計測手段57で採取し、制御装置44へ伝送する。
【0067】
(4) 制御装置44には、必要に応じて、光パワー計測手段56、例えば、光パワーメーターが接続される。VHG4を透過回折した光の光パワーをこの光パワー計測手段56で採取し、制御装置44へ伝送する。
(5) 制御装置44には、必要に応じて、角度計測手段45が接続される。角度計測手段45として、基体3およびガイドリング7に対するVHG装着体2の位置決め角度を、粗調整ネジ21a、21bおよび微調整ネジ23a、23b、23c、23dの螺入長さの組合せデータとして自動で測定する。例えば、極微小な長さを測定できる光学的手段やマイクロゲージ等で自動的に測定する。測定対象はネジの頭の位置が好ましい。螺入及び螺脱操作は、手動操作又はモータ等による電動操作が可能である。
【0068】
(6) 制御装置44には、必要に応じて、角度調節手段46が接続される。角度調節手段46は、粗調整ネジ21a、21bおよび微調整ネジ23a、23b、23c、23dの螺入(ネジ込み及びネジはずし)操作を、角度計測手段45のデータに基づいてフィードバック制御等の所定の制御を伴ってモータ等による電動で行う機能を有する。
【0069】
(温度制御動作)
この制御装置における、希望するレーザー回折波長を出力させるための温度制御動作は、例えば、以下のような制御フローで行われる。
図10に本発明の制御装置の制御フローを示す。
まず、予め、VHG4を取り付けたVHG装着体2に対し、少なくともサーミスタ41の計測温度、VHG4を透過した回折光の波長、等を測定し、これらの測定値の対応関係を示す温度−波長特性テーブルを作成し適宜記憶しておく。更に、必要に応じて、ヒーター41a、41bの通電電力値、回折光の光パワー値等も相関テーブルに記憶しておく。ステップ(手順)はSと略記する。
【0070】
スタート
(1) 予め採取してあったサーミスタ41の計測温度Tiとレーザー回折光の波長Wの対応関係を示す温度−波長相関テーブルを読み込む(S1)。
(2) 任意の回折光の波長Wsを設定する(S2)。
(3) 温度−波長相関テーブルから設定波長Wsに対応するサーミスタ温度Tsを読み込み、設定する(S3)。
(4) サーミスタ41の測定温度Tを取り込む(S4)。
(5) Ts−T≧0か(Yes)、否か(No)を判断し、Yesの場合、次のS6へ進み、Noの場合、S12へ進む(S5)。
(6) Ts−T=0か(Yes)、否か(No)を判断し、Yesの場合、次のS7へ進み、Noの場合、S11へ進む(S6)。
(7) 増減のない、同じ電力をヒーター41a、41bへ給電する(S7)。
(8) 測定されたVHGを透過して出力された回折光の波長Wを取り込む(S8)。
(9) Ws−W=0か(Yes)、否か(No)を判断し、Yesの場合、次のS10へ進み、Noの場合、S5へ進む。
(10) この回折光の取得を行うための計測スイッチがONか(Yes)、OFFか(No)を判断し、Yesの場合、S7へ進み、Noの場合、終了する。
(11) ヒーター41a、41bへの加熱用の電力を増加させる。増加方法は、「Ts−T」の偏差に応じて増加させる態様、一定値で増加させる態様、フィードバック、フィードフォワード等の任意の態様をとることができる。
(12) ヒーター41a、41bへの加熱用の電力を減少させる。減少方法は、「Ts−T」の偏差に応じて減少させる態様、一定値で減少させる態様、フィードバック、フィードフォワード等の任意の態様をとることができる。
終了
【0071】
(実験結果)
図11は、図1の本発明のVHG固定装置を用いたLDAの狭帯域化の実験回路図である。
レーザーダイオードアレイ(LDA)51を備えたペルチェクーラー52は、LDA用温度調節器53により温度調節される。VHGを有するVHG装着体2を可動自在に収納したガイドリング7および基体6は、VHG固定装置として組み立てられ、VHG装着体2のヒーター40aおよび40bや、サーミスタ40にはVHG用温度調節器54が接続される。
LDA51からのレーザー光は、VHG装着体2の段付筒状開孔13に設けたVHG4を透過し出射口部14からレーザー発振光59となって出射し、オプティカルウェッジ基板55で一部反射および一部透過する。オプティカルウェッジ基板55を透過したレーザー光は光パワーメーター56で計測する。また、オプティカルウェッジ基板55で一部反射させたレーザー発振光59は、受光器60で受光し、ファイバー分光計57で光波長のスペクトル分析を行う。その分析結果を光波長スペクトル表示装置58で表示する。
【0072】
LDA用温度調節器53やVHG用温度調節器54は、それぞれ単体で温度調節機能を備えるように構成するか、又は、図11中に点線で示されているように温度調節プログラムを備えた制御装置44に信号ケーブルで接続し、温度調節プログラムにより所定波長となるように温度制御されるように構成することができる。
半導体レーザーアレイ(LDA)から光出力を得るには、LDAモジュール51の陽極−陰極間に数十Aの電流を流す。好ましくは、LDAモジュール51全体の温度を一定に保つことで、安定した出力を得るようにする。
LDAモジュール51のエミッターからの発振中心波長はモジュールの温度によって変化する。ここでは、コヒーレント社のH型パッケージLDA(B1−79−40.0C−19−30−A)の30W出力のものを用いたが、LDAの温度を30℃から42℃まで変化させると、793.5nmから797.2nmまで変わる。また、VHGを作用させる前のLDAの発振スペクトルは、線幅は、5nm(FWHM)あり、Rb(ルビジウム)原子の遷移を励起に用いるには、かなり広幅である。
【0073】
LDA温度調節には、例えば熱電子工業(株)製のペルチェクーラー52、LDA用温度調節器53を使用した。このペルチェクーラー52の上に上記30W LDAモジュール51をマウントした。また、LDA発光面の前に図1のVHG固定装置(VHGホルダー)1を設置した。こうしてLDAからの出射光のうち、VHGによる0次回折光(反射光)を、直接に発光点に戻す。
ここで用いているVHG素子には、例えばONDAX(TM)社製の794.5nm(室温で)用で、反射率22.5%のものを使用した。
また、図1のVHG固定装置(VHGホルダー)1のVHG装着体2には、ヒーター40a、40bとサーミスタ41が挿入配置されており、VHG用温度調節器54により、回折光波長の微調整が可能となっている。この戻り光がLDAの発光点に作用して、LDAの各発光点の発振波長が戻り光の波長にロックされる(インジェクション)。
【0074】
一方、VHGを透過してくる光は、殆どを占めるので、狭帯域化LDAの発振光59として、トータルパワーと光波長スペクトルを測定できる。ここでは、光パワーメーター56で、全出力をモニターしながら、オプティカルウェッジ基板55で一部、反射させて取り出してファイバー分光計57、例えば、オーシャンフォトニクスHR−4000を使用して、光波長スペクトルを採取し、モニターとなる光波長スペクトル表示装置58に表示した。
【0075】
図12および図13に、本発明のVHG装着体を用いた狭帯域化LDAの光波長スペクトルと、VHGを作用させないLDAのみの同スペクトルを示す。
図12は、本発明のVHG装着体を用いた34℃でのLDAのみとVHG狭帯域化後のスペクトルを示す。図12の特性データのサンプリング値を下記表1に示す。表中の「Wave length/nm」はnm単位の波長、「intensity(a.u.)」は任意単位の強度、「LDA with VHG」はVHGを備えたLDA、「LDA bare」はLDAのみを意味する。
【0076】
【表1】


図13は、本発明のVHG装着体を用いた42℃でのLDAのみとVHG狭帯域化後のスペクトルを示す。図13の特性データのサンプリング値を下記表2に示す。
【0077】
【表2】



図12の34℃の特性の場合は、LDAのみ(LDA bare)の特性の中心波長は、VHGを用いたLDA(LDA with VHG)の特性の中心波長とほぼ一致している。
【0078】
図13の42℃の特性の場合では、LDAのみ(LDA bare)の中心波長は、VHGを用いたLDA(LDA with VHG)の特性の中心波長から大きくずれているにも関わらず、VHGを用いたLDA(LDA with VHG)の特性は794.5nmにピークがあり、図12のVHGを用いたLDA(LDA with VHG)の特性の中心波長とほぼ一致する。
このように図12と図13のVHGを用いたLDA(LDA with VHG)の特性の中心波長の特徴は、ほぼ一致することから、VHGを用いたLDAはVHGによるインジェクションと狭帯域化の効果を現しているといえる。
【実施例2】
【0079】
本発明の実施例2は、実施例1と比べ、基体を隙間を設けた形状に一体成形し、VHG装着体の保持体を上下に2分割し、微調整ネジの配置を上下左右とした例を示す。
本発明の実施例2の全体を図14および図15に基づき説明する。
図14は本発明のVHG固定装置の実施例2を筒体側からみた斜視図である。
図15は図14の実施例2を両側裁断球状部側からみた斜視図である。
実施例2は実施例1と比べ以下の構成に特徴を有する。
【0080】
実施例2の一体型基体47は、実施例1の分離型基体の上基体と下基体を弧状凹部の一方側にある突き合わせ面のみで一体成形等の手段により一体的に連結し、他方側にある突き合わせ面間に隙間42を形成するように構成する。この結果、連結する前の上基体と下基体に相当する部分の上基体部47aと下基体部47bにより一体型基体47が構成される。この隙間42が変化するように上基体部47aと下基体部47bをネジで締め付け固定する。この隙間42の間隔調整により上基体部47aと下基体部47bによる保持体5a、5bの締め付け固着の程度を調整する。
【0081】
このように、基体を一方側にある突き合わせ面で一体的に略コ字状に連結した形状に一体形成したので、実施例1に於けるようにリングを介して別体の上基体部6aと下基体部6bをネジで締め付け固定する手間を省くことができ、かつ精度良く一体に構成することができる。
また、隙間42を介して上基体部6aと下基体部6bをネジ22で締め付け固定するので、その際、保持体5を容易に仮止めすることができる。
【0082】
ガイドリング7aは、半径方向の厚みが比較的厚い(微調整ネジが柱状部を締め付け固定できる程度の雌ねじ部を形成できる程度の厚さ)リング状の板体からなり、その側面に斜めに中心角90度間隔で交差する位置に合計4本の微調整ネジ23e、23f、23g、23hが設けてある。このように、微調整ネジネジ23e、23f、23g、23hが一体型基体47の四隅へ伸びるように斜めに設けられているので、ガイドリング7および4本の微調整ネジが占める空間の面積を、一体型基体47の面積内に収めることができ、実施例1のものより小さくすることができる。
【0083】
ガイドリング7aの微調整ネジ23fと23gの間には、ガイドリング7aを一体型基体47の下基体部47bに締着するためのボルト締着孔16e、16fが設けられている。ボルト締着孔16e、16fは、下基体部47bにも連続して設けられる。
【0084】
保持体5a、5bは段付筒状開孔43の長さ方向に沿って等しく2分割されている。段付筒状開孔43の断面形状を長方形にし、入射側開口と出射側の出射口部48の形状を略揃えてある。図14の両側裁断球状部の端面には、有底筒状開孔12a、12b、12cが形成されている。このように、保持体5a、5bは段付筒状開孔43の長さ方向に沿って2分割されているので、段付筒状開孔43の構成が実施例1のような孔ではなく凹溝となる。このため、実施例2の保持体は製造容易になると共に、VHGの段付筒状開孔内への配置が実施例1の孔ではなく凹溝内への簡単な押し込みで済むようになり容易になる。
【0085】
(あおり角調整)
予め、型絞めネジ22a、22b及び22c、粗調整ネジ21a、21bおよび微調整ネジ23a〜23hを適宜ゆるめておき、まず、有底筒状開孔12a、12b、12c内にヒーターやサーミスタ等に接触せずに棒状の操作具(例えば、鉛筆等)を挿入し、両側裁断球状部8を回動中心として柱状部9を適宜角度揺動し、段付筒状開孔13から入射したレーザー光がVHG4で反射してレーザー光を増幅することができる角度(レーザー光をモニターしながら揺動角度を測定する等の手段によっておおよその高出力角度を求める)にする。
【0086】
この状態で粗調整ネジ21a、21bを締め付ける。次に、4本の微調整ネジ23a〜23hを調整して上記モニター出力が最高出力になるようにする。
(その他)
以上述べた各実施例は、本発明の一部を例示するものであり、本発明を構成する部品は、その所期の機能を奏するように組み合わせる限りにおいて、各実施例の組合せを越えて開示の範囲において適宜組み合わせることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明のVHG固定装置の実施例1を筒体側からみた斜視図である。
【図2】本発明のVHG装着体の構成図である。図2(a)はVHG透過光の出射側からみたVHG装着体の斜視図、図2(b)はVHG装着体の側面図、図2(c)は図2(b)のa−a側から見た側面図、図2(d)は図2(c)のc−c断面図、図2(e)は図2(b)のb−b側から見た側面図である。
【図3】本発明の上基体の一例であって、図1の上基体の構成図である。図3(a)は平面図、図3(b)は図3(a)のd−d線での断面図、図3(c)は正面図、図3(d)は側面図、図3(e)は斜視図である。
【図4】本発明の下基体の一例であって、図1の下基体の構成図である。図4(a)は平面図、図4(b)は図4(a)のe−e線での断面図、図4(c)は正面図、図4(d)は側面図、図4(e)は斜視図である。
【図5】本発明のガイドリングの一例であって、図1のガイドリングの構成図である。図5(a)は正面図である図5(b)のg−g線での断面図、図5(b)は正面図、図5(c)は図5(b)のf−f線での断面図である。
【図6】本発明の粗調整ネジ用ネジの一例であって、図1の粗調整ネジ用ネジの構成図である。図6(a)は平面図、図6(b)は図6(a)のh−h線での断面図である。
【図7】本発明の取付台の一例であって、図1の取付台の構成図である。図7(a)は平面図、図7(b)は側面図である。
【図8】は本発明のリングの一例であって、図1のリングの構成図である。図8(a)は図8(b)のi−i線での断面図、図8(b)は平面図である。
【図9】は、本発明のVHGシステムにおける制御装置の制御態様を説明する説明図である。
【図10】本発明の制御装置の制御フローである。
【図11】図1の本発明のVHG固定装置を用いたLDAの狭帯域化の実験回路図である。
【図12】本発明のVHG装着体を用いた34℃でのLDAのみとVHG狭帯域化後のスペクトルを示す。
【図13】本発明のVHG装着体を用いた42℃でのLDAのみとVHG狭帯域化後のスペクトルを示す。
【図14】本発明のVHG固定装置の実施例2を筒体側からみた斜視図である。
【図15】図9の実施例2を両側裁断球状部側からみた構成図である。
【図16】従来のレーザー装置の構成図を示す。
【図17】従来のVHG固定装置の斜視図である。
【図18】従来のVHG固定装置の正面図である。
【図19】従来のVHG固定装置の側面図である。
【符号の説明】
【0088】
1 VHG固定装置
2 VHG装着体
3 支持体
4 VHG
5 保持体
6 分離型基体
6a 上基体
6b 下基体
7 ガイドリング
8 遥動軸部
9 遥動部
12a〜c 有底筒状開孔
13、43 段付筒状開孔
14、48 出射口部
15 段部
16a〜f ボルト締着孔
17 取付台
18 凹部
19a、19b 弧状凹部
21a、21b 粗調整ネジ
22a、22b、22c 型締めネジ
23a〜h 微調整ネジ
24a、24b 粗調整ネジ用ネジ穴
25a、25b 型締めネジ用孔
26a、26b 型締めネジ用ネジ穴
27a、27b 取付部
28a、28b 取付ネジ用孔
29a、29b ガイドリング取付ネジ用ネジ孔
30 軸中心
31a、31b 平坦面
32a、32b ガイドリング取付ネジ用孔
33a、33b 微調整ネジ用ネジ穴
34 ヘッド
35 押さえ部
36a、36b 取付ネジ用ネジ穴
37a、37b 固定ネジ用孔
38 リング
39 円筒状開孔
40a、40b、40c、40d ヒーター
41、41b サーミスタ
42 隙間
43 筒状開孔
44 制御装置
45 角度計測手段
46 角度調節手段
47 一体型基体
47a 上基体部
47b 下基体部
51 LDA(レーザーダイオードアレイ)
52 ペルチェクーラー
53、53a、53b、53c LDA用温度調節器
54、54a、54b、54c VHG用温度調節器
55 オプティカルウェッジ基板
56 光パワーメーター
57 ファイバ−分光計
58 光波長スペクトル表示装置
59 レーザー発振光
60 受光器


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体と、ガイドリングと、VHG装着体を備え、VHG装着体は、内部にVHGを設けた遥動軸部と、該遥動軸部の一方の裁断面に設けた遥動部を有し、該遥動部の端部から前記VHGを介して前記遥動軸部の他端裁断面に渡って開孔を設け、前記基体に前記リングガイドを設け、前記基体の凹部内に前記遥動軸部を回動自在に軸支し、前記遥動部を前記リングガイド中に移動自在に遊挿し、前記遥動軸部を前記基体に位置決め螺着し、前記遥動部を前記リングガイド中に位置決め螺着したことを特徴とするVHG固定装置。
【請求項2】
前記VHG装着体に、前記開孔に沿って複数の有底開孔を設けたことを特徴とする請求項1記載のVHG固定装置。
【請求項3】
前記VHGを前記遥動軸部の軸中心を含むように配置したことを特徴とする請求項1又は2記載のVHG固定装置。
【請求項4】
前記遥動部を前記リングガイド内に位置決め固定する微調整ネジを、前記リングガイドの周囲に配置したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のVHG固定装置。
【請求項5】
前記遥動軸部を両側裁断回転部とし、前記遥動部を柱状部としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のVHG固定装置。
【請求項6】
前記両側裁断回転部を両側裁断球状部としたことを特徴とする請求項5記載のVHG固定装置。
【請求項7】
前記基体を、前記凹部を分割して備えるように2分割したことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載のVHG固定装置。
【請求項8】
前記基体は、前記凹部に繋がる隙間を除いて一体成形したことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載のVHG固定装置。
【請求項9】
前記VHG装着体は前記開孔を含んで2分割したことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載のVHG固定装置。
【請求項10】
前記複数の有底開孔のそれぞれに加熱器又は温度検出器を配置したことを特徴とする請求項2記載のVHG固定装置。
【請求項11】
請求項10記載のVHG固定装置における前記加熱器および前記温度検出器にVHG用温度調節器を介して制御装置を接続し、前記制御装置により前記VHG用温度調節器を介して前記温度検出器の検出温度に応じて前記加熱器を制御するようにしたことを特徴とするVHGシステム。
【請求項12】
前記制御装置に波長計測手段を接続し、前記波長計測手段により前記VHGで回折したレーザー光の波長を測定し、前記制御装置により前記測定波長に応じて前記加熱器の加熱温度を制御するようにしたことを特徴とする請求項11記載のVHGシステム。
【請求項13】
レーザーダイオードアレイを設け、前記制御装置にレーザーダイオードアレイ用温度調節器、レーザーダイオードアレイ用加熱器およびレーザーダイオードアレイ用温度検出器を接続し、前記制御装置により前記レーザーダイオードアレイ用温度調節器を介して前記レーザーダイオードアレイ用温度検出器の検出温度に応じて前記レーザーダイオードアレイ用加熱器を制御するようにしたことを特徴とする請求項11又は12記載のVHGシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−218454(P2009−218454A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−61914(P2008−61914)
【出願日】平成20年3月11日(2008.3.11)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(508074468)フェリア有限会社 (1)
【Fターム(参考)】