説明

sGC刺激剤又はsGC活性化剤単独及びPDE5阻害剤と組合せた嚢胞性線維症処置

本発明は、可溶性グアニレートシクラーゼ (sGC)及びホスホジエステラーゼ (PDEs)及びsGC刺激剤、sGC活性化剤及びPDE阻害剤の薬理に関する。より具体的には、本発明は、嚢胞性線維症 (CF)の処置のための治療剤の製造のための、sGC刺激剤及びsGC活性化剤とPDE5阻害剤の組合せにの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可溶性グアニレートシクラーゼ (sGC)及びホスホジエステラーゼ (PDEs)及びsGC刺激剤、sGC活性化剤及びPDE阻害剤の薬理に関する。特に、本発明は、嚢胞性線維症 (CF)の処置剤の製造のための、sGC刺激剤及びsGC活性化剤単独又はPDE5阻害剤と組み合わせた使用に関する。
【背景技術】
【0002】
環状ヌクレオチドである環状アデノシン一リン酸(cAMP)及び環状グアノシン一リン酸 (cGMP)は、数十年前に発見され、細胞内のセカンドメッセンジャー経路の最も重要なものの1つを表す。細胞内cGMPプールの制御は、生理学及び病態生理学に実質的な影響を与え、薬理学的介入における一つの基本的な原理であることが確立されている(Eugenov et al. 2006;Schmidt et al. 2009)。細胞内cGMPレベルを増加させる硝酸薬及びPDE5阻害剤 (PDE5i)は、それゆえ、すでに狭心症及び肺性動脈性高血圧症 (PAH)又は勃起機能障害 (ED)の治療にそれぞれ承認されている。より最近発見されたsGC刺激剤及び活性化剤は、PAH及び心不全に対する臨床開発の進んだ段階にある。それゆえ、cGMP生産 (硝酸薬、sGC刺激剤、sGC活性化剤)又はcGMP分解 (PDE5i)によるNO/cGMP経路を標的とすることは、様々な疾患において非常に有効な薬理学的介入戦略となってきている。
【0003】
分子レベルでは、NO産生は、可溶性グアニレートシクラーゼ (sGC)の刺激をもたらし、cGMP生成を促進させる。続いてcGMPは、主として、cGMP制御タンパク質キナーゼ(G-キナーゼs)、cGMP-制御ホスホジエステラーゼ (PDEs)、及びNOシグナルを翻訳しcGMPを上昇させ、細胞内遊離カルシウムを減少させるcGMP制御イオンチャネルである種々の下流の標的を制御する。それゆえ、特に平滑筋細胞 (SMC)における細胞内cGMPの増加による最も顕著な応答は、弛緩である。加えて、cGMPの抗増殖効果、抗線維化効果又はアポトーシス促進効果が記載され、PDE5阻害剤についての処置選択肢は広がるはずである (Sandner et al. 2007, Schmidt et al. 2009)。より最近では、ある証拠により、PDE5阻害剤はまたクロライドチャネルCFTRを介して塩化物イオンの分泌に影響し、嚢胞性線維症の処置に有用である可能性が示された (Clarke 2008)。
【0004】
嚢胞性線維症 (CF)は、新生児の2500-3000人に1人に発症する、CFTRチャネルにおける一遺伝子の突然変異によって引き起こされる、最も一般的な遺伝子疾患の1つである。この疾患では、呼吸器上皮細胞を通過するイオン輸送異常が、気道表面の脱水と粘性でかつ浄化され難い粘液をもたらす。これが、気道の慢性感染及び高い罹患率及び早期の死亡に関与する。現在のところ、処置は主に抗感染症処置及び肺移植に焦点は絞られており、障害されたCFTR機能の矯正及び増強に焦点を絞った原因療法は利用可能ではない。
【0005】
分子レベルでは、CFTR遺伝子の突然変異はCFを導く。CFTR遺伝子における多様なCF原因突然変異が特定されている。しかし、最も一般的な突然変異は、CFTRアミノ酸配列の508位フェニルアラニンの欠損であり、これは、ΔF508-CFTRと呼ばれる。この突然変異は、CFの約70%-80%に起こり、重症な疾患と関連している。
【0006】
ΔF508-CFTRにおける508残基の欠損は、成熟タンパク質における、正しいプロセシング及び折りたたみを阻害する。このミスフォールドされたCFTRは、ERから出て、血漿膜に輸送されることができないか、または完全にはできないことがある。結果として、CFTR患者の膜に存在するチャネル数は、野生型CFTRを発現する細胞で観測されるよりもはるかに少ない。加えて、変異したチャネルは、チャネルの活性も減少している。上皮膜におけるチャネル数の減少及びチャネル活性の減少の両方が、上皮膜を通過するアニオン輸送を顕著に障害し、イオン及び体液の輸送の減少を引き起こす。これが肺上皮における体液輸送のアンバランスを、そして最終的には肺ににおける粘性粘液の過剰な蓄積を引き起こす。さらに、CFTR機能不全は、また例えば、膵臓機能、胃腸機能、肝臓機能、分泌腺機能又はインスリン分泌に影響を与える。
【0007】
まとめると、いくつかの突然変異によるCFTR機能不全が嚢胞性線維症を引き起こす。それゆえ、これらの突然変異によるCFTR機能の矯正及び/又は増強は、嚢胞性線維症 (CF)の原因処置の選択肢となりうる。
【0008】
加えて、CFTR機能の矯正及び/又は増強は、膵臓機能障害、肝臓機能障害、口渇、ドライアイ、シェーグレン症候群(Sojegren’s syndrome)及びCF誘発糖尿病の原因処置の選択肢となりうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
肺上皮細胞において、シルデナフィル-強力で選択的なPDE5i-がCFTR駆動性塩化物イオン分泌を上昇させることが示された (Cobb et. al 2003)。加えて、細胞膜における変異したCFTRチャネルの輸送及び機能活性は、インビトロでPDE5iにより影響を受けうる (Dormer et. al 2005, Carlile et al. 2007, Robert et al. 2008)。これらの発見に沿って、PDE5阻害剤を嚢胞性線維症 (CF)の動物モデルにおいて用いると、ムチン分泌を減少させ (Mc Pherson 1999)、塩化物イオン分泌に影響を与えうることが証明された (Lubamba et al. 2008)。それゆえ、PDE5阻害剤は、嚢胞性線維症の処置に用いられるとの仮説が立てられた (Cobb 1999, Lubamba et. al. 2008, Clarke 2008)。
【0010】
しかし、cGMP分解しか阻害できないため、PDE5阻害剤の用途は限定されている。NO依存性cGMP産生が低い場合、それらの有効性は少なくとも部分的に損なわれる。非常に興味深いことに、sGCの直接の刺激又は活性化により、このPDE5阻害剤の限定を克服する化合物が近年述べられている。sGCをNO非依存的に活性化する、ヘム依存性sGC刺激剤、例えば式(4a)で示される化合物BAY 41-2272、式(1)で示される化合物BAY 41-8543及び式(3)で示される化合物BAY 63-2521、及びヘム非依存性sGC活性化剤、例えば式(5)で示される化合物BAY 58-2667、及び式(6)で示される化合物HMR-1766の2種の化合物群が同定されている (Stasch et al. 2001, 総説はEvgenov et al. 2006を参照)。
【課題を解決するための手段】
【0011】
それゆえ我々は、sGC刺激剤及びsGC活性化剤、すなわち式(4a,4)で示される化合物BAY 41-2272、BAY 60-4552を、単独で又はPDE5阻害剤、すなわちバルデナフィルと組み合わせて、インビトロで細胞及びヒト組織サンプルで及びインビボでCFTR遺伝子組み換え動物モデルで試験した。
【0012】
特に、sGC刺激剤及びsGC活性化剤を単独で又はPDE5阻害剤と組み合わせて、以下の試験をした。
・ 変異型CFTRチャネルすなわち標識したΔF508CFTRチャネルを発現するBHK細胞において、細胞表面におけるΔF508CFTRチャネル発現
・ 変異型CFTRチャネルすなわちΔF508CFTRを発現するHEK-293細胞において、蛍光によるヨウ素流入量の測定によるCFTR機能
・ 変異型CFTRチャネルすなわちΔF508CFTRを発現するHEK-293細胞において、生合成(バンドB)及びプロセシング(バンドC)の促進
・ 変異型CFTRチャネルすなわちΔF508CFTRを発現するCFBE410-細胞において、ussingチャンバー試験(chamber experiments)における経上皮伝導率
・ CF患者の直腸生検におけるussingチャンバー試験における経上皮伝導率と非CF患者の直腸生検との比較
・ ΔF508CFTRチャネルを発現するトランスジェニックマウスにおける、鼻における電位差及び唾液分泌
・ CFTRを発現しないトランスジェニックマウスにおける、鼻における電位差及び唾液分泌
【0013】
我々は、初めて、可溶性グアニレートシクラーゼの刺激剤及び活性化剤がCFTR機能を矯正および増強し、これがCF患者における新規な原因処置の選択肢となることを証明できた。加えて、我々は、全く予期せぬことに、sGC刺激剤又はsGC活性化剤をPDE5iと組み合せることにより、矯正及び増強において、相加効果以上のものを示すことを見出した。それゆえ、この組合せは、嚢胞性線維症 (CF)の処置において、最初の原因的及び効果的な治療となりうる。
特に、我々は、PDE5阻害剤は、CFTR機能すなわちΔF508CFTR機能をインビトロにおいて矯正及び増強することを発見した。加えて、sGC刺激剤及び活性化剤-これまでに用いられていない-がCFTR機能すなわちΔF508CFTR機能を矯正及び増強することを見出した。最後に、我々は、sGC刺激剤又はsGC活性化剤とPDE5阻害剤との組合せが、単剤治療よりも優れていることを見出し、CFTR機能すなわちΔF508CFTR機能において相加効果以上のものを示すことを見出した。
【0014】
まとめると、sGC刺激剤又はsGC活性化剤の、単剤及びPDE5阻害剤との併用剤による組合せは、CFTR機能をインビトロ及びインビボにおいて矯正及び増強をすることを見出した。sGC刺激剤又はsGC活性化剤、及びsGC刺激剤又はsGC活性化剤とPDE5阻害剤を組み合わせた場合のこの効果により、これらの単剤又は組み合わせ処置は嚢胞性線維症 (CF)の処置として使用できる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
発明の開示
上述のsGC刺激剤又はsGC活性化剤単独で又はPDE5阻害剤と組み合わせて処置することにより、特にそして実質的に有利に処置できる、本発明の治療剤で処置できる肺障害は、嚢胞性線維症 (CF)を含む肺疾患である。
【0016】
上述のsGC刺激剤又はsGC活性化剤単独で、又はPDE5阻害剤と組み合わせて処置することにより、特にそして実質的に有利に処置できる、本発明の治療剤で処置できる分泌疾患は、以下に限られないが、膵機能障害、胃消化管機能障害、肝臓疾患及び嚢胞性線維症関連糖尿病 (CFRD)を含む。
上述のsGC刺激剤又はsGC活性化剤単独で、又はPDE5阻害剤と組み合わせて処置することにより、特にそして実質的に有利に処置できる、本発明の治療剤で処置できる他の疾患は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、ドライアイ、口渇及びシェーグレン症候群を含むが、これらに限定されない。
上述のsGC刺激剤又はsGC活性化剤単独で、又はPDE5阻害剤と組み合わせて処置することにより、特にそして実質的に有利に処置できる、本発明の治療剤で処置できる全ての疾患は、CFTRを介する塩化物イオン分泌変更が原因として関与する疾患である。
【0017】
本発明は、嚢胞性線維症 (CF)の処置に有効であり、これまで知られている処置方法よりも有効性に優れた、sGC刺激剤又はsGC活性化剤単剤又はPDE5阻害剤との組み合わせを提供する。
【0018】
本発明は、嚢胞性線維症 (CF)の処置に有効であり、これまで知られている処置方法よりも副作用プロファイルにおいて優れた、sGC刺激剤又はsGC活性化剤の単剤又はPDE5阻害剤との組み合わせを提供する。
【0019】
グアニレートシクラーゼ(sGC)刺激剤及びsGC活性化剤は、好ましくは、次のものから成る群から選択される:
・ ここに参照として組み込まれる国際公開第00/06569号の実施例 16にも記載される2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-(4-モルホリニル)-4,6-ピリミジンジアミン (1)、
・ ここに参照として組み込まれる国際公開第02/42301号の実施例 1にも記載される2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-(4-ピリジニル)-4-ピリミジンアミン (2)、
・ ここに参照として組み込まれる国際公開第03/095451号の実施例 8にも記載されるメチル-4,6-ジアミノ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-ピリミジニル(メチル)カルバメート (3)、
・ ここに参照として組み込まれる国際公開第03/095451号の実施例 5にも記載されるメチル-4,6-ジアミノ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン−3-イル]-5-ピリミジニルカルバメート (4)、
・ ここに参照として組み込まれる国際公開第00/06568号の実施例 1にも記載される3-(4-アミノ-5-シクロプロピルピリミジン-2-イル)-1-(2-フルオロベンジル)1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン (4a)、
及び
【0020】
・ ここに参照として組み込まれる国際公開第01/019780号の実施例 8a にも記載される4-({(4-カルボキシブチル)[2-(2-{[4-(2-フェニルエチル)ベンジル]オキシ}フェニル)エチル]アミノ}メチル)安息香酸 (5)、
・ 国際公開第00/02851号に記載される5-クロロ-2-(5-クロロチオフェン-2-スルホニルアミノ-N-(4-(モルホリン-4-スルホニル)-フェニル)-ベンズアミドナトリウム塩 (6)、
・ 国際公開第00/02851号に記載される2-(4-クロロ-フェニルスルホニルアミノ)-4,5-ジメトキシ-N-(4-(チオモルホリン-4-スルホニル)-フェニル)-ベンズアミド (7)、
・ 国際公開第2009/032249号に記載される1-{6-[5-クロロ-2-({4-トランス-4-}トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンジル}オキシ)フェニル]ピリジン−2-イル}-5-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (8)、
・ 国際公開第2009/071504号に記載される1-[6-(2-(2-メチル-4-(4-トリフルオロメトキシフェニル)ベンジルオキシ)-フェニル)ピリジン-2-イル]-5-トリフルオロメチル-ピラゾール-4-カルボン酸 (9)、
・ 国際公開第2009/068652号に記載される1-[6-(3,4-ジクロロフェニル)-2-ピリジニル-5-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (10)、
・ 国際公開第2009/123316号に記載される1-({2-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-1,3-チアゾール-4-イル}メチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (11)、4-({2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-4-イル}メチル)安息香酸 (12)及び1-({2-[2-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-1,3-チアゾール-4-イル}メチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (13)
からなる群から選択される。
【0021】
【化1】


【化2】

(4a)
【化3】

(5)
【化4】

(6)
【化5】

(7)
【0022】
【化6】

(8)
【化7】

(9)
【化8】

(10)
【化9】

(11)
【化10】

(12)
【化11】

(13)
【0023】
化合物(1)、(2)、(3)、(4)及び(4a)は、安定型狭心症又は勃起機能障害の処置において以前に記載されている可溶性グアニレートシクラーゼ (sGC)刺激剤である。
【0024】
化合物(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)及び(13)は、sGC活性化剤として知られる。泌尿器系疾患の組合せ処置に用いるのに有用なPDE5阻害剤は、特にタダラフィル ((6R,12aR)-2,3,6,7,12,12a-ヘキサヒドロ-2-メチル-6-(3,4-メチレン-ジオキシフェニル)ピラジノ(1’,2’:1,6)ピリド(3,4-b)インドール-1,4-ジオン)、バルデナフィル (2-(2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イル-1-スルホニル)フェニル)-5-メチル-7-プロピル-3H-イミダゾ (5,1-f) (1,2,4)トリアジン-4-オン)、シルデナフィル (3-[2-エトキシ-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル-フェニル]-7-メチル-9-プロピル-2,4,7,8-テトラアザビシクロ[4.3.0]ノナ-3,8,10-トリエン-5-オン)、ウデナフィル 5-[2-プロピルオキシ-5-(1-メチル-2-ピロリジニルエチルアミドスルホニル)フェニル]-メチル-3-プロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ(4,3-d)ピリミジン-7-オン、ダサンタフィル(Dasantafil)7-(3-ブロモ-4-メトキシベンジル)-1-エチル-8-[[(1,2)-2-ヒドロキシシクロペンチル]アミノ]-3-(2-ヒドロキシエチル)-3,7-ジヒドロ-1-プリン-2,6-ジオン、アバナフィル 4-{[(3-クロロ-4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-2-[(2S)-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-イル]-N-(ピリミジン−2-イルメチル)ピリミジン-5-カルボキサミド、ミロデナフィル(Mirodenafil)、ロデナフィル(Lodenafil)、UK 369.003、UK 371.800、サーフェスロジックス社(Surface Logix)のSLx 2101、LAS 34179トリアゾロ[1,2-]キサンチン、6-メチル-4-プロピル-2-[2-プロポキシ-5-(4-メチルピペラジノ)スルホニル]フェニル-、又は上記PDE5阻害剤の塩、水和物又は水和物の塩がある。
【0025】
本発明の医薬組成物は意図した投与経路と適合性のある製剤に製剤化される。投与経路の例としては、非経腸、例えば、静脈内、皮内、皮下、経口(例えば吸入)、経皮(局所的な)、経粘膜及び直腸投与を含む。注射に適した医薬組成物は、滅菌水性溶液(水溶性)又は分散剤、及び滅菌注射用溶液又は分散剤の即時調製製剤のための滅菌粉末がある。担体は、溶媒又は分散媒体、例えば、水、エタノール、薬学的に許容可能なポリオール、例えばグリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール、及びそれらの混合物を含むものでありうる。レシチンのようなコーティングを用いること、分散剤の場合には必要な粒子サイズを維持すること、及び界面活性剤を使用することにより適切な流動性が維持される。微生物の活動を抑制するため、様々な抗バクテリア及び抗菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサール等が用いられる。多くの場合には、等張剤、例えば、糖類、ポリアルコール類、例えば、マイトール、ソルビトール、塩化ナトリウムを組成物に含むのが好ましい。
【0026】
経口製剤は一般に、不活性な希釈剤又は食用の担体を含む。それらは、ゼラチンカプセル剤に封入され又は錠剤に打錠されうる。経口治療剤投与の目的においては、活性化合物は、賦形剤と共に組み込まれ、錠剤、トローチ剤、又はカプセル剤の形態で用いられる。また経口組成物は、口腔洗浄剤に用いられる液体の担体を用いて調製してもよく、液体担体中の化合物は、経口的に適用され、うがいして吐き出すか又は嚥下する。
【0027】
医薬的に適合性のある結合剤及び/又はアジュバント物質は、組成物の一部に含まれていてもよい。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ等は次の成分のいずれか、又は類似の性質の化合物を含んでよい:結合剤、例えば微結晶セルロース、ガムトラガント又はゼラチン;賦形剤、例えばデンプン又は乳糖、崩壊剤、例えばアルギン酸、プリモゲル(Primogel)、又はトウモロコシデンプン(con1starch);滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム又はステロテス(sterotes);流動促進剤、例えばコロイド状二酸化ケイ素;甘味剤、例えばショ糖又はサッカリン;又は風味剤、例えばペパーミント、サリチル酸メチル又はオレンジ風味剤。
【0028】
吸入投与では、化合物は、圧縮コンテナ又は適切な噴射剤、例えば二酸化炭素のようなガスを含有するディスペンサー、又はネブライザーから、エアロゾルスプレーの形態で送達される。
【0029】
全身投与は、経粘膜又は経皮の方法によっても行われうる。経粘膜又は経皮投与には、透過すべきバリアに対する適切な浸透剤が製剤において用いられる。そのような浸透剤は、一般に当該分野において知られており、例えば、経粘膜投与には、界面活性剤、胆汁酸塩、及びフシジン酸誘導体を含む。経粘膜投与は、経鼻スプレー又は坐剤の使用により行われる。経皮投与には、活性化合物は、当該分野において通常知られるように軟膏剤(ointments)、膏薬(salves)、ゲル剤、又はクリーム剤に製剤される。
【0030】
化合物は、(例えば、従来の坐剤基剤、例えばココアバター及び他のグリセリドを用いて)坐剤又は直腸送達のための停留浣腸の形態としても製剤化される。
【0031】
1つの態様において、活性化合物は、例えば埋め込み製剤及びミクロカプセル化送達システムを含む放出制御製剤のような、急速な消失から保護するための担体と共に調製される。生物分解性、生体適合性ポリマー、例えば、エチレンビニルアセテート、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル及びポリ乳酸が用いられうる。
【0032】
本発明の他の態様において、PDE5阻害剤と組合せたsGC刺激剤又はsGC活性化剤及びそれらの嚢胞性線維症 (CF)のための医薬組成物の製造のための使用が提供され、ここで、この組合せは、i) sGC刺激又は活性及びPDE-5阻害活性を有する化合物を含む医薬組成物又は、ii) 1つの投与ユニットに、少なくとも1つのsGC刺激剤及びsGC活性化剤及び少なくとも1つのPDE5阻害剤を固定の組合せとして含む医薬組成物又は、iii) 少なくとも2つの医薬組成物のセットを含有するキットであり、各セットは、少なくとも1用量のユニットにPDE5阻害剤を含む少なくとも1つの医薬製剤、及び少なくとも1用量のユニットにsGC活性化剤又はsGC刺激剤を含む少なくとも1つの医薬製剤を含むものであり、ここで、該医薬組成物の各適用ユニットは、組み合わせて、連続的に、単回で又は複数回で投与される。
【0033】
特に、本発明は次のものを提供する:
嚢胞性線維症 (CF)からなる疾患群を含む疾患の処置ための医薬組成物であり:
2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-(4-モルホリニル)-4,6-ピリミジンジアミン (1)、
2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-(4-ピリジニル)-4-ピリミジンアミン (2)、
メチル-4,6-ジアミノ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-ピリミジニル(メチル)カルバメート (3)、及び
メチル-4,6-ジアミノ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-ピリミジニルカルバメート (4)、
3-(4-アミノ-5-シクロプロピルピリミジン-2-イル)-1-(2-フルオロベンジル)1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン (4a)、
及び
5-クロロ-2-(5-クロロチオフェン-2-スルホニルアミノ-N-(4-(モルホリン-4-スルホニル)-フェニル)-ベンズアミド ナトリウム塩 (6)、
2-(4-クロロ-フェニルスルホニルアミノ)-4,5-ジメトキシ-N-(4-(チオモルホリン-4-スルホニル)-フェニル)-ベンズアミド (7)、
及び
4-({(4-カルボキシブチル)[2-(2-{[4-(2-フェニルエチル)ベンジル]オキシ}フェニル)エチル]アミノ}メチル) 安息香酸 (5)
1-{6-[5-クロロ-2-({4-トランス-4-}トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンジル}オキシ)フェニル] ピリジン−2-イル}-5-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (8)
1-[6-(2-(2-メチル-4-(4-トリフルオロメトキシフェニル)ベンジルオキシ)-フェニル)ピリジン−2-イル]-5-トリフルオロメチル-ピラゾール-4-カルボン酸 (9)
1-[6-(3,4-ジクロロフェニル)-2-ピリジニル-5-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (10)
1-({2-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-1,3-チアゾール-4-イル}メチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (11)
4-({2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-4-イル}メチル)安息香酸 (12)
1-({2-[2-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-1,3-チアゾール-4-イル}メチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (13)
からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含有し、かつ
【0034】
タダラフィル ((6R,12aR)-2,3,6,7,12,12a-ヘキサヒドロ-2-メチル-6-(3,4-メチレン-ジオキシフェニル)ピラジノ(1’,2’:1,6)ピリド(3,4-b)インドール-1,4-ジオン)、バルデナフィル (2-(2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イル-1-スルホニル)フェニル)-5-メチル-7-プロピル-3H-イミダゾ (5,1-f) (1,2,4)トリアジン-4-オン)、シルデナフィル (3-[2-エトキシ-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル-フェニル]-7-メチル-9-プロピル-2,4,7,8-テトラアザビシクロ[4.3.0]ノナ-3,8,10-トリエン-5-オン)、ウデナフィル 5-[2-プロピルオキシ-5-(1-メチル-2-ピロリジニル-エチル-アミドスルホニル)フェニル]-メチル-3-プロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ(4,3-d)ピリミジン-7-オン、ダサンタフィル(Dasantafil) 7-(3-ブロモ-4-メトキシベンジル)-1-エチル-8-[[(1,2)-2-ヒドロキシシクロペンチル]アミノ]-3-(2-ヒドロキシエチル)-3,7-ジヒドロ-1-プリン-2,6-ジオン、アバナフィル 4-{[(3-クロロ-4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-2-[(2S)-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-イル]-N-(ピリミジン-2-イルメチル)ピリミジン-5-カルボキサミド、ミロデナフィル、ロデナフィル、UK 369.003、UK 371.800、サーフェスロジックス社(Surface Logix)のSLx 2101、及び/又は LAS 34179トリアゾロ[1,2-]キサンチン、6-メチル-4-プロピル-2-[2-プロポキシ-5-(4-メチルピペラジノ)-スルホニル]フェニル又は前述のPDE5阻害剤の塩、水和物又は塩の水和物
からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含有するもの。
【0035】
膵臓疾患、胃消化管疾患、肝臓疾患、嚢胞性線維症-関連糖尿病 (CFRD)、ドライアイ、口渇、シェーグレン症候群を含むが、これらに限定されないCFTR機能変化が原因として関与する疾患群を含む疾患の処置のための医薬組成物であり、
2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-(4-モルホリニル)-4,6-ピリミジンジアミン (1)、
2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-(4-ピリジニル)-4-ピリミジンアミン (2)、
メチル-4,6-ジアミノ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン−3-イル]-5-ピリミジニル(メチル)カルバメート (3)、及び
メチル-4,6-ジアミノ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン−3-イル]-5-ピリミジニルカルバメート (4)、
3-(4-アミノ-5-シクロプロピルピリミジン-2-イル)-1-(2-フルオロ(fluor)ベンジル)1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン (4a)、
及び
【0036】
5-クロロ-2-(5-クロロチオフェン-2-スルホニルアミノ-N-(4-(モルホリン-4-スルホニル)-フェニル)-ベンズアミド ナトリウム塩(6)、
2-(4-クロロ-フェニルスルホニルアミノ)-4,5-ジメトキシ-N-(4-(チオモルホリン-4-スルホニル)-フェニル)-ベンズアミド (7)、
及び
4-({(4-カルボキシブチル)[2-(2-{[4-(2-フェニルエチル)ベンジル]オキシ}フェニル)エチル]アミノ}メチル)安息香酸 (5)
1-{6-[5-クロロ-2-({4-トランス-4-}トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンジル}オキシ)フェニル] ピリジン−2-イル}-5-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (8)
1-[6-(2-(2-メチル-4-(4-トリフルオロメトキシフェニル)ベンジルオキシ)-フェニル)ピリジン−2-イル]-5-トリフルオロメチル-ピラゾール-4-カルボン酸 (9)
1-[6-(3,4-ジクロロフェニル)-2-ピリジニル-5-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (10)
1-({2-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-1,3-チアゾール-4-イル}メチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (11)
4-({2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-4-イル}メチル)安息香酸 (12)
1-({2-[2-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-1,3-チアゾール-4-イル}メチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (13)
からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含有し、
及び
【0037】
タダラフィル ((6R,12aR)-2,3,6,7,12,12a-ヘキサヒドロ-2-メチル-6-(3,4-メチレン-ジオキシフェニル)ピラジノ(1’,2’:1,6) ピリド(3,4-b)インドール-1,4-ジオン)、バルデナフィル (2-(2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イル-1-スルホニル)フェニル)-5-メチル-7-プロピル-3H-イミダゾ (5,1-f) (1,2,4)トリアジン-4-オン)、シルデナフィル (3-[2-エトキシ-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル-フェニル]-7-メチル(methy-l)-9-プロピル-2,4,7,8-テトラアザビシクロ[4.3.0]ノナ-3,8,10-トリエン-5-オン)、ウデナフィル 5-[2-プロピルオキシ-5-(1-メチル-2-ピロリジニル-エチル-アミドスルホニル)フェニル]-メチル-3-プロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ(4,3-d)ピリミジン-7-オン、ダサンタフィル 7-(3-ブロモ-4-メトキシベンジル)-1-エチル-8-[[(1,2)-2-ヒドロキシシクロペンチル]アミノ]-3-(2-ヒドロキシエチル)-3,7-ジヒドロ-1-プリン-2,6-ジオン、アバナフィル 4-{[(3-クロロ-4-メトキシ フェニル)メチル]アミノ}-2-[(2S)-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-イル]-N-(ピリミジン−2-イルメチル)ピリミジン-5-カルボキサミド、ミロデナフィル、ロデナフィル、UK 369.003、UK 371.800、サーフェスロジックス社(Surface Logix)のSLx 2101及び/又は LAS 34179トリアゾロ[1,2-]キサンチン、6-メチル-4-プロピル-2-[2-プロポキシ-5-(4-メチルピペラジノ)-スルホニル]フェニル又は前述のPDE5阻害剤の塩、水和物又は塩の水和物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含有するもの。嚢胞性線維症 (CF)の処置のための医薬組成物の製造のためのsGC刺激剤及び活性化剤の使用。
【0038】
膵臓疾患、胃消化管疾患、肝臓疾患、嚢胞性線維症関連糖尿病 (CFRD)、ドライアイ、口渇、シェーグレン症候群の処置のための医薬組成物の製造のためのsGC刺激剤及び活性化剤の使用。
【0039】
嚢胞性線維症 (CF)の処置のための医薬組成物の製造のための、少なくとも1つのsGC 刺激剤又は活性化剤及び少なくともPDE5阻害剤の組合せ剤の使用。
【0040】
膵臓疾患、肝臓疾患、嚢胞性線維症関連糖尿病 (CFRD)、ドライアイ、口渇、シェーグレン症候群の処置のための医薬組成物の製造のための、少なくとも1つのsGC刺激剤又は活性化剤及び少なくとも1つのPDE5阻害剤の組合せ剤の使用。
【0041】
嚢胞性線維症 (CF)の処置のための医薬組成物の製造のための、sGC刺激剤及び活性化剤2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン−3-イル]-5-(4-モルホリニル)-4,6-ピリミジンジアミン(1)、2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン−3-イル]-5-(4-ピリジニル)-4-ピリミジンアミン (2)、メチル-4,6-ジアミノ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン−3-イル]-5-ピリミジニル(メチル)カルバメート (3)、メチル-4,6-ジアミノ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン−3-イル]-5-ピリミジニルカルバメート (4)、5-クロロ-2-(5-クロロチオフェン-2-スルホニルアミノ-N-(4-(モルホリン-4-スルホニル)-フェニル)-ベンズアミド ナトリウム塩(6)、2-(4-クロロ-フェニルスルホニルアミノ)-4,5-ジメトキシ-N-(4-(チオモルホリン-4-スルホニル)-フェニル)-ベンズアミド (7)、4-({(4-カルボキシブチル)[2-(2-{[4-(2-フェニルエチル)ベンジル]オキシ}フェニル)エチル]アミノ}メチル)安息香酸 (5)、1-{6-[5-クロロ-2-({4-トランス-4-}トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンジル}オキシ)フェニル] ピリジン−2-イル}-5-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (8)、1-[6-(2-(2-メチル-4-(4-トリフルオロメトキシフェニル)ベンジルオキシ)-フェニル)ピリジン−2-イル]-5-トリフルオロメチル-ピラゾール-4-カルボン酸 (9)、1-[6-(3,4-ジクロロフェニル)-2-ピリジニル-5-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (10)、1-({2-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-1,3-チアゾール-4-イル}メチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (11)、4-({2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-4-イル}メチル)安息香酸 (12)、1-({2-[2-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-1,3-チアゾール-4-イル}メチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (13)からなる群から選択されるsGC刺激剤及び活性化剤の使用。
【0042】
嚢胞性線維症 (CF)の処置のための医薬組成物の製造のための、sGC刺激剤及び活性化剤2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-(4-モルホリニル)-4,6-ピリミジンジアミン (1)、2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-(4-ピリジニル)-4-ピリミジンアミン (2)、メチル-4,6-ジアミノ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-ピリミジニル(メチル)カルバメート (3)、メチル-4,6-ジアミノ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン−3-イル]-5-ピリミジニルカルバメート (4)、3-(4-アミノ-5-シクロプロピルピリミジン-2-イル)-1-(2-フルオロ(fluor)ベンジル)1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン (4a)、5-クロロ-2-(5-クロロチオフェン-2-スルホニルアミノ-N-(4-(モルホリン-4-スルホニル)-フェニル)-ベンズアミド ナトリウム塩(6)、2-(4-クロロ-フェニルスルホニルアミノ)-4,5-ジメトキシ-N-(4-(チオモルホリン-4-スルホニル)-フェニル)-ベンズアミド (7)、及び4-({(4-カルボキシブチル)[2-(2-{[4-(2-フェニルエチル)ベンジル]オキシ}フェニル)エチル]アミノ}メチル)安息香酸 (5)、1-{6-[5-クロロ-2-({4-トランス-4-}トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンジル}オキシ)フェニル]ピリジン−2-イル}-5-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (8)、1-[6-(2-(2-メチル-4-(4-トリフルオロメトキシフェニル)ベンジルオキシ)-フェニル)ピリジン−2-イル]-5-トリフルオロメチル-ピラゾール-4-カルボン酸 (9)、1-[6-(3,4-ジクロロフェニル)-2-ピリジニル-5-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (10)、1-({2-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-1,3-チアゾール-4-イル}メチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (11)、4-({2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-4-イル}メチル)安息香酸 (12)、1-({2-[2-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-1,3-チアゾール-4-イル}メチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (13)からなる群から選択される少なくとも1つのsGC刺激剤及び活性化剤、
及び、PDE5阻害剤バルデナフィル (2-(2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イル-1-スルホニル)フェニル)-5-メチル-7-プロピル-3H-イミダゾ(5,1-f) (1,2,4) トリアジン-4-オン)、シルデナフィル (3-[2-エトキシ-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル-フェニル]-7-メチル-9-プロピル-2,4,7,8-テトラアザビシクロ [4.3.0]ノナ-3,8,10-トリエン-5-オン)、及びタダラフィル ((6R,12aR)-2,3,6,7,12,12a-ヘキサヒドロ-2-メチル-6-(3,4-メチレン-ジオキシフェニル)からなる群から選択される少なくとも1つのPDE5阻害剤の組合せ剤の使用。
【0043】
上述の疾患の処置のための医薬組成物の製造方法であって、ここで可溶性グアニレートシクラーゼの刺激剤及び活性化剤が、
2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-(4-モルホリニル)-4,6-ピリミジンジアミン (1)、
2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-(4-ピリジニル)-4-ピリミジンアミン (2)、メチル-4,6-ジアミノ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-ピリミジニル(メチル)カルバメート (3)、メチル-4,6-ジアミノ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-ピリミジニルカルバメート (4)、3-(4-アミノ-5-シクロプロピルピリミジン-2-イル)-1-(2-フルオロ(fluor)ベンジル)1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン (4a)、5-クロロ-2-(5-クロロチオフェン-2-スルホニルアミノ-N-(4-(モルホリン-4-スルホニル)-フェニル)-ベンズアミド ナトリウム塩 (6)、2-(4-クロロ-フェニルスルホニルアミノ)-4,5-ジメトキシ-N-(4-(チオモルホリン-4-スルホニル)-フェニル)-ベンズアミド (7)、
4-({(4-カルボキシブチル)[2-(2-{[4-(2-フェニルエチル)ベンジル]オキシ}フェニル)エチル]アミノ}メチル)安息香酸 (5)、1-{6-[5-クロロ-2-({4-トランス-4-}-トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンジル}オキシ)フェニル]ピリジン−2-イル}-5-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (8)、1-[6-(2-(2-メチル-4-(4-トリフルオロメトキシフェニル)ベンジルオキシ)-フェニル)ピリジン−2-イル]-5-トリフルオロメチル-ピラゾール-4-カルボン酸 (9)、1-[6-(3,4-ジクロロフェニル)-2-ピリジニル-5-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (10)、1-({2-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-1,3-チアゾール-4-イル}メチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (11)、4-({2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-4-イル}メチル)安息香酸 (12)、1-({2-[2-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-1,3-チアゾール-4-イル}メチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (13)からなる群から選択される、方法。
【0044】
嚢胞性線維症 (CF)である哺乳類における可溶性グアニレートシクラーゼの刺激及び活性化のための上述の医薬組成物の使用。
【0045】
嚢胞性線維症 (CF)である哺乳類における可溶性グアニレートシクラーゼ刺激及び活性化及びPDE活性の制御のための上述の医薬組成物の使用。
【0046】
少なくともメチル-4,6-ジアミノ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-ピリミジニルカルバメート (4) 及び/又は4-({(4-カルボキシブチル)[2-(2-{[4-(2-フェニルエチル)ベンジル]オキシ}フェニル)エチル]アミノ}メチル)安息香酸 (5)及び少なくともシルデナフィル、タダラフィル、ウデナフィル、ダサンタフィル、アバナフィル、ミロデナフィル、ロデナフィル、UK 369.003、UK 371.800、SLx2101及びLAS34179、及び好ましくはバルデナフィル又は上述のPDE5阻害剤の塩、水和物または水和物の塩を含有する、嚢胞性線維症 (CF)の処置のための医薬組成物。
【0047】
sGC刺激剤及びsGC活性化剤の単独又はバルデナフィルとの組合せの効果を明確にするための試験を行った。
【0048】
特に、sGC刺激剤及びsGC活性化剤、すなわちメチル-4,6-ジアミノ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-ピリミジニルカルバメート (4)を単独で又はPDE5阻害剤、すなわちバルデナフィルと組み合わせて、インビトロ及びインビボで以下の試験を行った:
・ 変異型CFTRチャネルすなわち標識したΔF508CFTRチャネルを発現するBHK細胞において、細胞表面におけるΔF508CFTRチャネル発現
・ 変異型CFTRチャネルすなわちΔF508CFTRを発現するHEK-293細胞において、蛍光によるヨウ素流入量の測定によるCFTR機能
・ 変異型CFTRチャネルすなわちΔF508CFTRを発現するHEK-293細胞において、生合成(バンドB)及びプロセシング(バンドC)の促進
・ 変異型CFTRチャネルすなわちΔF508CFTRを発現するCFBE410-細胞において、ussingチャンバー試験における経上皮伝導率
・ CF患者の直腸生検におけるussingチャンバー試験における経上皮伝導率と非CF患者の直腸生検との比較
・ ΔF508CFTRチャネルを発現するトランスジェニックマウスにおける、鼻における電位差及び唾液分泌
・ CFTRを発現しないトランスジェニックマウスにおける、鼻における電位差及び唾液分泌
【0049】
sGC刺激剤及び活性化剤、すなわちメチル-4,6-ジアミノ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-ピリミジニルカルバメート (4)とPDE5阻害剤、すなわちバルデナフィルの組合せは安全であり、バルデナフィルに類似する血行動態プロファイルを有する。
【0050】
本発明の好ましい態様は、2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-(4-モルホリニル)-4,6-ピリミジンジアミン (1)、2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-(4-ピリジニル)-4-ピリミジンアミン (2)、メチル-4,6-ジアミノ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-ピリミジニル(メチル)カルバメート (3)、メチル-4,6-ジアミノ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン−3-イル]-5-ピリミジニルカルバメート (4)、3-(4-アミノ-5-シクロプロピルピリミジン-2-イル)-1-(2-フルオロ(fluor)ベンジル)1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン (4a)、5-クロロ-2-(5-クロロチオフェン-2-スルホニルアミノ-N-(4-(モルホリン-4-スルホニル)-フェニル)-ベンズアミド ナトリウム塩 (6)、2-(4-クロロ-フェニルスルホニルアミノ)-4,5-ジメトキシ-N-(4-(チオモルホリン-4-スルホニル)-フェニル)-ベンズアミド (7)、及び/又は4-({(4-カルボキシブチル)[2-(2-{[4-(2-フェニルエチル)ベンジル]オキシ}フェニル)エチル]アミノ}メチル) 安息香酸 (5)、1-{6-[5-クロロ-2-({4-トランス-4-}トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンジル}オキシ)フェニル]ピリジン−2-イル}-5-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (8)、1-[6-(2-(2-メチル-4-(4-トリフルオロメトキシフェニル)ベンジルオキシ)-フェニル)ピリジン−2-イル]-5-トリフルオロメチル-ピラゾール-4-カルボン酸 (9)、1-[6-(3,4-ジクロロフェニル)-2-ピリジニル-5-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (10)、1-({2-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-1,3-チアゾール-4-イル}メチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (11)、4-({2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-4-イル}メチル)安息香酸 (12)、1-({2-[2-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-1,3-チアゾール-4-イル}メチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (13)からなる群から選択される少なくとも1つのsGC刺激剤又は活性化剤と
バルデナフィル、シルデナフィル、タダラフィル、ウデナフィル、ダサンタフィル、アバナフィル、ミロデナフィル、ロデナフィル、UK 369.003、UK 371.800、SLx2101及びLAS34179からなる群から選択されるPDE5阻害剤の組合せ剤であり、
ここで、該組合せは0.1ないし1 mgのsGC刺激剤又は活性化剤及び2.5ないし20 mgのPDE5阻害剤を含むものである。
【0051】
本発明の他の好ましい態様は、sGC刺激剤がメチル-4,6-ジアミノ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-ピリミジニル(メチル)カルバメート (3)又はメチル-4,6-ジアミノ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-ピリミジニルカルバメート (4)である上述の組合せ剤である。
【0052】
本発明の他の好ましい態様としては、PDE5阻害剤がバルデナフィル又はシルデナフィルである上に開示した組合せ剤である。
【0053】
本発明の他の好ましい態様としては、sGC刺激剤がメチル-4,6-ジアミノ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-ピリミジニル(メチル)カルバメート (3)又はメチル-4,6-ジアミノ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-ピリミジニルカルバメート (4)であり、PDE5阻害剤がバルデナフィルである上述の組合せ剤である。
【0054】
本発明の他の好ましい態様としては、医薬として使用するための上に開示した態様の組み合わせである。
【0055】
本発明の他の好ましい態様としては、嚢胞性線維症 (CF)の処置用医薬の製造のための上に開示した組合せの使用である。
【0056】
本発明の他の好ましい態様としては、上に開示した少なくとも1つの組合せ剤を含む医薬製剤である。
本発明の他の好ましい態様としては、嚢胞性線維症 (CF)に使用するための上に開示した少なくとも1つの組合せ剤を含む医薬製剤である。
【0057】
図面の説明
表1:
バルデナフィル (0.07、0.14、0.42 mg/kg i.p.)及びBAY 41-2272 (式(4a)の化合物) (0.01、0.03、0.1、0.3 mg/kg i.p.)での処置後の唾液分泌率を、プラセボ処置と比較した平均増加割合として表し、*/**/***は、一元配置ANOVA分析とボンフェローニ事後解析分析によって解析したp値が<0.05/<0.01/0.001で、統計学的に有意であることを意味する。
【0058】
【表1】

【実施例1】
【0059】
ΔF508CFTRチャネルを発現する遺伝子組み換えマウスにおける、バルデナフィル及びsGC刺激剤の唾液分泌に与える効果。
【0060】
唾液分泌アッセイデルタ(Δ)508-CFTRマウス
雄及び雌のホモ接合、ヘテロ接合Δ508-CFTR(FVB遺伝的背景について12世代以上の戻し交配したもの、元々Erasmus University, Rotterdamから得た;van Doorninck et al., 1995)、10-14週齢で18-36gの両方の性別を本アッセイに用いた。
0.07、0.14及び0.42 mg/kg BWの濃度のバルデナフィル溶液を滅菌生理食塩水中で調製し、一方sGC刺激剤 BAY 41-2272は、50% ddH2O、40% PEG 400 (ポリエチレングリコール400)及び10% エタノールを含有する溶媒中に、0.01、0.03、0.1及び0.3 mg/kg BWになるように溶解させた。物質又は適切な担体を、唾液分泌アッセイの60分前に腹腔内注射(5 mL/kg BW)によりマウスに投与した。60分後、マウスをケタミン及びジアゼパムの組合せで麻酔した。溶液を、5 mg/mLジアゼパム1 mL及び100 mg/mLケタミン1 mLを含むように8 mLの滅菌生理食塩水で調製した。溶液(10 mL/kg BW)の腹腔内投与により麻酔をした。麻酔後、コリン受容体の交差刺激を避けるため、マウスの左頬に1 mMアトロピン (50 μl)を皮下注射した。注射した頬に4分間、Whatmanろ紙片を入れ、アトロピンの注射により分泌された唾液を吸収させた。この最初のろ紙片は取り除き、計量した第2のろ紙に置き換えた。その後、100 μMイソプレナリン及び1 mMアトロピンを含有する溶液50 μlを、左頬の同じ部位に注射し、アドレナリン作動性メカニズムによって唾液分泌を誘導した。イソプレナリン注射を0時とし、ろ紙片を10分毎に交換し、合計30分間集めた。各ろ紙片は即時に計量したバイアルに入れ、密封した。すべてのサンプルを集めた後、各バイアルを再び計量し、すべてのサンプルの重量を記録した。唾液の収集前後で測定したバイアル+ろ紙の総重量の差を、収集期間中に分泌された唾液の正味の重量とした。唾液分泌の合計量を収集に要した時間で割り、マウスの体重(g)で標準化した。結果は表1に示し、プラセボ処置と比較した、n匹のマウスにおける平均増加率で示す。統計は、一元配置ANOVA分析とボンフェローニ事後解析分析によって計算し、*/**/***は、p値が<0.05/<0.01/0.001であり、統計的に有意であることを意味し、n.s.は有意でないことを意味する。
【0061】
参考文献:
Carlile GW, Robert R, Zhang D (2007): Correctors of protein trafficking defects identified by a novel high-throughput screening assay. Chem Bio Chem 8: 1012-1020
Clarke LL (2008): Phosphodiesterase 5 Inhibitors and Cystic Fibrosis. Am J RRespir Crit Care Med 177: 469-472
Cobb BR, Fan L, Kovacs TE (2003): Adenosine receptors and phosphodiesterase inhibitors stimulate Cl- secretion in Calu-3 cells. Am J Respir Cell Mol Biol 29: 410-418
Dormer RL, Harris CM, Clark Z et al. (2004) : Sildenafil (Viagra) corrects ΔF508-CFTRlocation in nasal epithelia cells from patients with cystic fibrosis. Thorax 60: 55-59
Evgenov OV, Pacher P, Schmidt PM et al. (2006) NO-independent stimulators and activators of soluble guanylate cyclase: discovery and therapeutic potential. Nat Rev Drug Discov 5(9): 755-68
Lubamba B, Lecourt H, Lebacq J (2008): Preclinical evidence that sildenafil and vardenafil activate chloride transport in cystic fibrosis. Am J Respir Crit Care Med 177: 506-515
McPherson MA, Pereira MMC, Mills CL et al. (1999): A cyclic nucleotide PDE5 inhibitor corrects defective mucin secretion in submanidbular cells containing antibody directed against the cystic fibrosis transmembrane conductance regulator protein. FEBS Letters 464: 48-52
Robert R, Carlile GW, Pavel C et al. (2008): Structural analog of sildenafil identified as a novel corrector of the F508del-CFTRtrafficking defect. Mol Pharmacol 73: 478-489.
Sandner P, Huetter J, Tinel H et al. (2007): PDE5 inhibitors beyond erectile dysfunction. Int J Impot Res 19(6): 533-543
Schmidt HHHW., Hoffmann F, Stasch JP, Editors (2009): cGMP: Generators, Effectors and therapeutic implications. Handbook of Experimental Pharmacology Vol. 191
Stasch JP, Becker EM, Alonso-Alija C et al. (2001): NO-independent regulatory site on soluble guanylate cyclase. Nature 8: 212-215

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-(4-モルホリニル)-4,6-ピリミジンジアミン (1)、2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-(4-ピリジニル)-4-ピリミジンアミン (2)、メチル-4,6-ジアミノ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-ピリミジニル(メチル)カルバメート (3)、メチル-4,6-ジアミノ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-ピリミジニルカルバメート (4)、3-(4-アミノ-5-シクロプロピルピリミジン-2-イル)-1-(2-フルオロ(fluor)ベンジル)1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン (4a)、5-クロロ-2-(5-クロロチオフェン-2-スルホニルアミノ-N-(4-(モルホリン-4-スルホニル)-フェニル)-ベンズアミド ナトリウム塩 (6)、2-(4-クロロ-フェニルスルホニルアミノ)-4,5-ジメトキシ-N-(4-(チオモルホリン-4-スルホニル)-フェニル)-ベンズアミド (7)、及び/又は4-({(4-カルボキシブチル)[2-(2-{[4-(2-フェニルエチル)ベンジル]オキシ}フェニル)エチル]アミノ}メチル)安息香酸 (5)、1-{6-[5-クロロ-2-({4-トランス-4-}トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンジル}オキシ)フェニル]ピリジン−2-イル}-5-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (8)、1-[6-(2-(2-メチル-4-(4-トリフルオロメトキシフェニル)ベンジルオキシ)-フェニル)ピリジン−2-イル]-5-トリフルオロメチル-ピラゾール-4-カルボン酸 (9)、1-[6-(3,4-ジクロロフェニル)-2-ピリジニル-5-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (10)、1-({2-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-1,3-チアゾール-4-イル}メチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (11)、4-({2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-4-イル}メチル)安息香酸 (12)、及び1-({2-[2-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-1,3-チアゾール-4-イル}メチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (13)からなる群から選択される少なくとも1つのsGC刺激剤又は活性化剤と、バルデナフィル、シルデナフィル、タダラフィル、ウデナフィル、ダサンタフィル、アバナフィル、ミロデナフィル、ロデナフィル、UK 369.003、UK 371.800、SLx2101及びLAS34179からなる群から選択されるPDE5阻害剤の組合せ剤(ここで、該組合せ剤は0.01ないし10 mgのsGC刺激剤又は活性化剤及び2.5ないし20 mgのPDE5阻害剤を含む)。
【請求項2】
sGC刺激剤がメチル-4,6-ジアミノ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-ピリミジニル(メチル)カルバメート (3)又はメチル-4,6-ジアミノ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-ピリミジニルカルバメート (4)である請求項1に記載の組合せ剤。
【請求項3】
PDE5阻害剤がバルデナフィル又はシルデナフィルである請求項1または2に記載の組合せ剤。
【請求項4】
医薬として使用するための請求項1ないし3のいずれかに記載の組合せ剤。
【請求項5】
嚢胞性線維症 (CF)の処置用医薬の製造のための請求項1ないし3のいずれかに記載の組合せ剤の使用。
【請求項6】
嚢胞性線維症 (CF)の患者に使用するための請求項1ないし3のいずれかに記載の組合せ剤。
【請求項7】
請求項1ないし3のいずれかに記載の少なくとも1つの組合せを含む医薬製剤。
【請求項8】
嚢胞性線維症 (CF)の患者に使用するための請求項1ないし3のいずれかに記載の少なくとも1つの組合せを含む医薬製剤。

【公表番号】特表2013−518851(P2013−518851A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551615(P2012−551615)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際出願番号】PCT/EP2011/051532
【国際公開番号】WO2011/095534
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(512137348)バイエル・インテレクチュアル・プロパティ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (91)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Intellectual Property GmbH
【Fターム(参考)】