説明

ナビゲーションシステム

【課題】携帯端末装置において車両位置検出および周辺地図描画を行って車載装置に地図表示を行う際に車両位置検出不能時に車両位置を更新することができるナビゲーションシステムを提供すること。
【解決手段】車載装置50と携帯端末装置10とが互いに接続され、携帯端末装置10において車両位置が検出されて車両位置周辺の地図画像が車両位置画像とともに描画され、この地図画像の描画データが車載装置50に送られて車載装置50において車両位置周辺の地図画像表示が行われる。車載装置50では、車両位置検出部54によって車両の位置が検出され、走行位置マーク描画部114によって、携帯端末装置10における車両位置検出が不能になったときに、車両位置検出部54によって検出された車両位置に対応する走行位置マークを地図画像に重ねて描画する処理が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置において車両位置検出および地図画像描画を行って車載装置に地図画像を表示するようにしたナビゲーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、GPS機能を有する携帯端末装置を車載装置に接続し、携帯端末装置に備わった地図アプリケーションを実行することによりナビゲーション動作を行うようにしたナビゲーションシステムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。携帯端末装置と車載装置とを連携させることにより、携帯端末装置において車両位置検出とその周辺の地図画像描画を行い、車載装置において車両位置周辺の地図画像表示を行うことが可能となる。
【0003】
一方、最近では、携帯端末装置の表示内容をそのまま車載装置に反映させて表示を行うターミナルモードと称されるインタフェース規格が実用化段階にある。このターミナルモードでは、携帯端末装置と同じ画像が車載装置に表示され、携帯端末装置に備わったタッチパネルを用いた操作と同じ操作を、車載装置に備わったタッチパネルを用いて行うことができる。例えば、上述したナビゲーションシステムにターミナルモードを適用する場合を考えると、携帯端末装置において車両位置周辺の地図画像を表示すると、同じ地図画像が車載装置にも表示されるようになる。しかも、車載装置では、このような地図表示を実現するための特別な処理(プログラム)は必要ないため、車載装置の構成の簡略化が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−130674号公報(第4−23頁、図1−35)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、GPS機能を用いて車両位置検出を行う場合、トンネル内や高層ビル群の中を走行中は、GPS衛星からの電波が届きにくかったり、マルチパスの影響を受けたりするため、一時的に車両位置検出ができなくなる場合がある。このこと自体は、携帯端末装置に限ったことではなく、車載装置にGPS受信機が接続されている場合にも当てはまるが、車載装置の場合にはGPS装置だけでなく他に自律航法センサ等と組み合わせて車両位置検出を行うことができるため、GPS衛星からの電波が受信できなくても車両位置を更新することができる場合が多い。これに対し、携帯端末装置の場合は、携帯端末装置単体で使用することが多いため、自律航法センサと組み合わせて車両位置を更新する手法を用いることは現実的とはいえない。
【0006】
したがって、特許文献1に開示されたナビゲーションシステムにターミナルモードを適用して車載装置において地図表示を行った場合には、携帯端末装置における車両位置検出が不能状態になると、車両が走行しているにもかかわらず、地図上の車両位置が固定されるという問題があった。例えば、画面内の所定位置に車両位置を固定して周辺地図をスクロールする手法が用いられ、相対的に地図内の道路上を車両が移動しているように見せているため、この表示画面を注視すれば、車両が移動しているにもかかわらず車両位置が更新されずに固定されていることがわかるが、実際には、運転中は一瞬だけ表示画面を見ることになるため、車両位置が更新されずに固定されていることはわかりにくい。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、携帯端末装置において車両位置検出および周辺地図描画を行って車載装置に地図表示を行う際に車両位置検出不能時に車両位置を更新することができるナビゲーションシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明のナビゲーションシステムは、車載装置と携帯端末装置とが互いに接続され、携帯端末装置において車両位置が検出されて車両位置周辺の地図画像が車両位置画像とともに描画され、この地図画像の描画データが車載装置に送られて車載装置において車両位置周辺の地図画像表示が行われるナビゲーションシステムにおいて、車載装置は、地図画像の描画データを受信する描画データ受信手段と、描画データ受信手段によって受信した描画データに基づいて表示手段に地図画像を表示する表示処理手段と、車両の位置を検出する車両位置検出手段と、携帯端末装置における車両位置検出が不能になったときに、車両位置検出手段によって検出された車両位置に対応する走行位置画像を地図画像に重ねて描画する走行位置描画手段とを備えている。これにより、携帯端末装置における車両位置検出(特に、電波航法を用いた検出)が不能になって車両位置の更新ができなくなった場合であっても、表示内容が固定された地図画像内において走行中の車両位置を更新して正確な車両位置を提示することが可能となる。
【0009】
また、上述した車載装置は、描画データ受信手段によって受信した描画データに対応する地図画像に含まれる所定形状の車両位置画像を抽出する車両位置画像抽出手段をさらに備え、走行位置描画手段は、車両位置画像抽出手段によって抽出された車両位置画像の位置を基準にして走行位置画像の描画位置を決定することが望ましい。地図画像内における車両位置画像の位置は、携帯端末装置によっては、あるいは、携帯端末装置に備わった地図アプリケーションによって異なる場合があるが、車両位置画像の形状に基づいてその位置を特定することにより、これらの車両位置画像の位置が異なる場合についても地図画像に対応する車両位置を確実に知ることができ、その位置を基準にして走行位置画像の描画位置を決定することができる。
【0010】
また、上述した車両位置画像抽出手段は、地図画像の中心から所定範囲の一部の画像を用いて車両位置画像の抽出を行うことが望ましい。一般に、地図画像内での車両位置画像の位置は、中央付近あるいはその下側に設定される場合が多いため、中央部分を含む所定範囲のみを抽出対象としても確実に車両位置画像の抽出を行うことができるとともに、処理の負担を軽減することができる。
【0011】
また、上述した車載装置は、描画データ受信手段によって受信した描画データに対応する地図画像に含まれる道路画像であって、車両位置画像抽出手段によって抽出された車両位置画像に対して車両の進行方向につながる道路画像を抽出する走行道路抽出手段をさらに備え、走行位置描画手段は、車両位置画像抽出手段によって抽出された車両位置画像の位置を基準にするとともに、走行道路抽出手段によって抽出された道路画像に沿った位置に走行位置画像の描画位置を決定することが望ましい。これにより、新たに追加する走行位置画像の位置を確実に道路上とすることができ、道路からずれる場合に生じる不自然さを回避することができる。
【0012】
また、上述した地図画像は、車両の進行方向が表示画面の上部方向と一致しており、走行道路抽出手段は、車両位置画像の上部に隣接する位置から各画素の色を調べて、道路画像を構成する各画素を辿ることにより、車両の進行方向に存在する道路画像を抽出することが望ましい。あるいは、上述した車両位置画像抽出手段によって抽出される車両位置画像は、車両の進行方向に存在する道路の位置が識別可能な形状を有しており、走行道路抽出手段は、車両の進行方向に沿って車両位置画像に隣接する位置から各画素の色を調べて、道路画像を構成する各画素を辿ることにより、車両の進行方向に存在する道路画像を抽出することが望ましい。これにより、携帯端末装置による車両位置検出が不能になった後に車両が走行する道路を確実に抽出することができる。
【0013】
また、上述した車両位置検出手段によって検出された車両位置に対応する車両の進行方向が表示画面の上部方向と一致するように、地図画像を回転させる地図画像回転手段をさらに備え、表示処理手段は、地図画像回転手段によって回転させた地図画像を表示手段に表示することが望ましい。これにより、車両の進行方向を表示の上側に合わせた、いわゆるヘディングアップの地図表示を、携帯端末装置による車両位置検出が不能になった後でも継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】一実施形態のナビゲーションシステムの全体構成を示す図である。
【図2】ターミナルモードの機能に対応するUSBデバイスのソフトウエア構成を示す図である。
【図3】車載装置の詳細構成を示す図である。
【図4】携帯端末装置による車両位置検出が不能の際に車載装置側において地図画像に走行位置マークを追加するようにした車載装置の動作手順を示す流れ図である。
【図5】車両位置マーク抽出の説明図である。
【図6】走行道路抽出の説明図である。
【図7】走行道路抽出の具体的な処理内容を示す説明図である。
【図8】走行道路抽出の具体的な処理内容を示す説明図である。
【図9】走行位置マークが追加された地図画像の表示例を示す図である。
【図10】車両位置検出の不能状態が継続した場合の地図画像の表示例を示す図である。
【図11】車両の進行後方に合わせて地図画像を回転させる車載装置の変形例を動作手順を示す流れ図である。
【図12】走行位置を中心に地図画像を回転させた表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を適用した一実施形態のナビゲーションシステムについて、図面を参照しながら説明する。図1は、一実施形態のナビゲーションシステムの全体構成を示す図である。図1に示すナビゲーションシステムは、互いに接続される携帯端末装置10と車載装置50とを含んで構成されている。本実施形態のナビゲーションシステムでは、携帯端末装置10において地図アプリケーションを実行することにより、GPS機能を用いた車両位置検出動作や、検出された車両位置周辺の地図画像を車両位置画像とともに描画する動作が行われる。また、携帯端末装置10と車載装置50のそれぞれはターミナルモードに対応した動作を行い、地図画像が携帯端末装置10において表示されるとともに、この地図画像の描画データが携帯端末装置10から車載装置50に送られて、車載装置50においても同じ内容の地図画像表示が行われる。
【0016】
携帯端末装置10は、例えば一般にはスマートフォンと称される携帯端末であって、携帯電話機と携帯情報端末の機能を有する。この携帯端末装置10は、制御部12、操作部13A、タッチパネル13B、入力処理部14、表示部15、表示処理部16、電話処理部18、オーディオ処理部20、増幅器22、スピーカ24、USB(Universal Serial Bus)インタフェース部(USB I/F)26を備えている。
【0017】
制御部12は、携帯端末装置10の全体を制御するためのものであり、ROMやRAMに格納された所定のプログラムをCPUで実行することにより実現される。操作部13Aは、各種のスイッチを含んでいる。タッチパネル13Bは、表示部15の画面の一部が利用者によって指し示されたときにその指示位置を検出する。利用者は、タッチパネル13Bあるいは操作部13Aを用いて、各種の操作指示や各種の入力を行うことができる。入力処理部14は、操作部13Aおよびタッチパネル13Bの操作内容を監視し、利用者による入力内容を検出する。
【0018】
表示部15は、LCD(液晶表示装置)等で構成されている。表示処理部16は、複数の操作アイコンが含まれる操作画面や制御部12によって作成された画面(例えば、地図画像)を表示部15に表示する。電話処理部18は、携帯電話機としての処理を行う。例えば、電話処理部18は、基地局(図示せず)との間で発着信処理を行って通話処理やインターネット接続処理等を行う。
【0019】
オーディオ処理部20は、楽曲データ等を再生するためのものであり、データ形式毎の音声復号処理等を行ってオーディオ信号を出力する。このオーディオ信号は、増幅器22によって増幅され、スピーカ24から出力される。なお、比較的単純な操作音や警告音あるいは地図アプリケーションを実行することにより作成される案内音声などを再生するだけの場合には、デジタル−アナログ変換器によってオーディオ処理部20を構成するようにしてもよい。
【0020】
USBインタフェース部26は、USBデバイス(ターゲット)としての携帯端末装置10とUSBホストとしての車載装置50との間で信号の入出力を行うためのものであり、USBターゲットコントローラを含んでいる。なお、携帯端末装置10と車載装置50との間の接続は他の方法を用いるようにしてもよい。例えば、IEEE1394ケーブル等の他の有線接続手段を介して行う場合や、無線LANやブルートゥース(登録商標)などの無線接続手段を介して行う場合が考えられる。また、これらの他の接続手段を用いた場合には、USBインタフェース部26を各接続手段に対応したインタフェース部に置き換える必要がある。
【0021】
本実施形態では、携帯端末装置10は、車載装置50に接続されたときにターミナルモードで動作するととともに、所定の地図アプリケーションを実行することにより地図表示や経路探索、誘導などのナビゲーション動作を行う。このナビゲーション動作に必要な地図データについては、携帯端末装置10に格納しておいて読み出す場合の他、外部の地図配信サーバ(図示せず)から処理に必要な範囲をその都度取得する場合が考えられる。また、携帯端末装置10は、車載装置50に接続されたときにターミナルモードで動作する端末装置としての機能を有し、携帯端末装置10において地図表示が行われたときに同じ内容の地図表示が車載装置50においても行われる。
【0022】
携帯端末装置10の制御部12は、上述したナビゲーション動作およびターミナルモードの動作を行うために、車両位置検出部12A、地図表示処理部12B、車両位置情報送信部12C、縮尺情報送信部12D、TM(ターミナルモード)処理部12Fを有する。この中で、TM処理部12F以外のナビゲーション動作に対応する各処理部は、地図アプリケーションをCPUで実行することにより実現される。
【0023】
車両位置検出部12Aは、携帯端末装置10の位置(携帯端末装置10が車載装置50に接続されている場合を想定しているので、車載装置50が搭載された車両の位置)を検出する。この車両位置検出部12Aは、最近の携帯電話等に備わっているGPS機能によって実現することができる。
【0024】
地図表示処理部12Bは、車両位置検出部12Aによって検出された車両位置の周辺地図画像、あるいは、利用者によって操作部13Aやタッチパネル13Bを用いて指し示された任意位置の周辺地図画像を所定の表示縮尺で描画する。描画された周辺地図画像は、表示処理部16によって表示部15に表示される。
【0025】
車両位置情報送信部12Cは、車両位置検出部12Aによって検出された車両位置を車載装置50に向けて送信する。縮尺情報送信部12Dは、地図表示処理部12Bによる地図画像の描画処理の際に用いられた表示縮尺を車載装置50に向けて送信する。
【0026】
TM処理部12Fは、携帯端末装置10をターミナルモードで動作させるために必要な処理を行う。「携帯端末装置10がターミナルモードで動作する」ことにより、携帯端末装置10の表示画面と同じ画面が車載装置50にも表示され、携帯端末装置10のタッチパネル13Bを用いた各種の操作が車載装置50に備わったタッチパネルを用いても同様に行うことができる。なお、ターミナルモード(Terminal Mode)とは、車載電子制御ユニット(ECU)と携帯機器間のインタフェースの標準化組織CE4A(Consumer Electronics for Automotive)が定めたインタフェース規格である。
【0027】
図2は、ターミナルモードの機能に対応するUSBデバイス(携帯端末装置10)のソフトウエア(プロトコル)構成を示す図である。携帯端末装置10をターミナルモードで動作させるためには、図2に示すように、USBドライバとCDC(Communication Device Class)ドライバの他にTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet)、UPnP(Universal Plug and Play)、VNC(Virtual Network Computing)、RTP(Real-time Transport Protocol)の各プロトコルを実装する必要がある。この中のVNCによって、携帯端末装置10において表示される地図画像(描画データ)が携帯端末装置10から車載装置50に向けて送信される。また、図2に示した各プロトコルは、一部がUSBインタフェース部26によって、残りがTM処理部12Fによって実現される。
【0028】
図3は、車載装置50の詳細構成を示す図である。図3に示すように、車載装置50は、制御部52、表示画像格納部53、車両位置検出部54、操作部55A、タッチパネル55B、入力処理部56、表示部57、表示処理部58、オーディオ処理部59、増幅器60、スピーカ61、USBインタフェース部(USB IF)62を備えている。
【0029】
制御部52は、車載装置50の全体を制御するためのものであり、ROMやRAMに格納された所定のプログラムをCPUで実行することにより実現される。本実施形態では、制御部52は、携帯端末装置10がターミナルモードで動作し、ナビゲーション動作に際して地図表示を行う際に、これらの動作に対応した各種の制御を行う。制御部52の詳細については後述する。
【0030】
表示画像格納部53は、携帯端末装置10と連携してターミナルモードで動作する際に携帯端末装置10から送られてくる表示画像の描画データを格納する。なお、ターミナルモードの動作によって携帯端末装置10の地図画像を車載装置50の表示部57に表示するだけであればこの表示画像格納部53は不要であるが、本実施形態では、地図画像の中から車両位置マークを抽出したり、走行位置マークを重ねて描画したりする処理を行っており、これらの処理を行うために表示画像格納部53が追加されている。
【0031】
車両位置検出部54は、GPSを利用した電波航法と各種センサを用いた自律航法とを組み合わせて車両の位置と方向を検出する。例えば、ジャイロや加速度センサを用いたり、車両から一定距離毎に出力される車速パルス等の車速情報や、どの程度車両の進行方向が曲がったかを示す車輪差情報などが必要に応じて組み合わされて自律航法を用いた車両の位置および方向の検出が行われる。
【0032】
操作部55Aは、車載装置50の筐体に備わった各種のキーやスイッチ、操作つまみ等を含んでいる。タッチパネル55Bは、表示部57の画面の一部が利用者によって指し示されたときにその指示位置を検出する。利用者は、タッチパネル55Bあるいは操作部55Aを用いて、各種の操作指示や各種の入力を行うことができる。入力処理部56は、操作部55Aおよびタッチパネル55Bの操作内容を監視し、利用者による操作内容を検出する。表示部57は、LCD等で構成されている。表示処理部58は、複数の操作アイコンが含まれる操作画面や制御部52によって作成された画面(地図画像等の画面)を表示部57に表示する。
【0033】
オーディオ処理部59は、楽曲データ等を再生するためのものであり、データ形式毎の音声復号処理等を行ってオーディオ信号を出力する。このオーディオ信号は、増幅器60によって増幅され、スピーカ61から出力される。USBインタフェース部62は、USBホストとしての車載装置50とUSBデバイスとしての携帯端末装置10との間で信号の入出力を行うためのものであり、USBホストコントローラを含んでいる。なお、携帯端末装置10においてUSBインタフェース部26以外の接続手段を用いた場合には、車載装置50においても、USBインタフェース部62を各接続手段に対応したインタフェース部に置き換える必要がある。
【0034】
また、制御部52は、車両位置情報受信部100、縮尺情報受信部102、表示画像取得部104、検出不能判定部106、車両位置マーク抽出部108、走行道路抽出部110、走行位置決定部112、走行位置マーク描画部114、地図表示部116、表示画像回転処理部118、TM(ターミナルモード)処理部120を有する。
【0035】
車両位置情報受信部100は、携帯端末装置10の車両位置情報送信部12Cから送信された車両位置を受信する。縮尺情報受信部102は、携帯端末装置10の縮尺情報送信部12Dから送信された表示縮尺を受信する。表示画像取得部104は、携帯端末装置10がターミナルモードでナビゲーション動作中にVNCで携帯端末装置10から車載装置50に送られてくる表示画像(地図画像)を取得する。取得した地図画像は、表示画像格納部53に格納される。
【0036】
検出不能判定部106は、携帯端末装置10による車両位置検出が不能状態になったか否か(GPS衛星からの電波が届かなかったり届きにくくなって正確な車両位置検出ができなくなったか否か)を判定する。この判定は、車載装置50側(車両位置検出部54)による車両位置の検出状況と、車両位置情報受信部100によって受信した携帯端末装置10による車両位置の検出状況とを比較して行う場合が考えられる。具体的には、車両が走行して車載装置50側によって検出された車両位置が更新されたにもかかわらず、携帯端末装置10による車両位置の検出結果が更新されない場合には、携帯端末装置10による車両位置検出が不能状態になったと判断される。なお、車両位置検出部54による車両位置の検出状況の代わりに、ターミナルモードを利用した地図表示のために携帯端末装置10から車載装置50に向けて送られてくる地図画像の一部を監視し、画像の内容が更新されたにもかかわらず、携帯端末装置10による車両位置の検出結果が更新されない場合に、携帯端末装置10による車両位置検出が不能状態になったと判断するようにしてもよい。
【0037】
車両位置マーク抽出部108は、表示画像取得部104によって取得されて表示画像格納部53に格納された地図画像に含まれる所定形状の車両位置マーク(車両位置画像)を抽出する。一般には、表示対象となる地図画像内における車両位置マークの位置は、携帯端末装置10や使用される地図アプリケーションに対応してあらかじめ決められているため、その可能性のある地図画像の一部の領域を抽出の対象とすることで、処理負担の軽減を図ることができる。
【0038】
走行道路抽出部110は、表示画像取得部104によって取得されて表示画像格納部53に格納された地図画像に含まれる車両の走行道路を抽出する。抽出対象となる道路は、車両位置マークから車両の進行方向に延びる道路であり、車両位置マークに隣接する各画素の色に着目して道路を辿ることにより走行道路の抽出が行われる。
【0039】
走行位置決定部112は、車両の走行位置を決定する。この走行位置の決定は、車両位置検出部54によって検出した車両の位置および方向を用いて行われ、かつ、走行位置が走行道路抽出部110によって抽出された走行道路に沿った位置となるように行われる。
【0040】
実際には、車両の走行位置を決定する方法としてはいくつかのケースが考えられる。最初のケースは、車両位置検出部54によって検出される車両の絶対位置を利用する場合である。この場合には、表示画像取得部104によって地図画像を取得する際に、同時に車両位置情報受信部100によって車両の絶対位置を受信できれば、車両位置検出部54によって検出される車両の絶対位置のみが更新された場合に、この更新後の車両の位置(走行位置)を地図画像上で特定することができる。
【0041】
次のケースは、車両位置検出部54によって検出される車両の相対位置を利用する場合である。この場合には、携帯端末装置10による位置検出が不能になる前の時点を基準にしてその後の相対位置(車両の移動量および移動方向)を車両位置検出部54によって検出することにより、相対位置が更新された後の車両の位置(走行位置)を地図画像上で特定することができる。
【0042】
走行位置マーク描画部114は、地図画像格納部53に格納された地図画像に対して、走行位置決定部112によって決定された走行位置に、車両の走行位置マーク(走行位置画像)を追加する描画処理を行う。地図表示部116は、走行位置マークが追加された後の地図画像を表示処理部58に送って、表示部57に地図画像を表示する。
【0043】
表示画像回転処理部118は、走行位置マークが追加された地図画像を、走行位置を中心に回転する。なお、この回転処理は、走行位置を中心とする代わりに、地図画像を中心としたり、車両位置マークの位置を中心とする場合が考えられる。
【0044】
TM処理部120は、携帯端末装置10がターミナルモードで動作する場合にこれに対応する動作(ターミナルモードで動作する端末装置の動作)を行う。例えば、携帯端末装置10の表示内容を示す地図画像等の描画データが送られてきたときに同じ内容の画面を表示する処理や、携帯端末装置10のタッチパネル13Bを用いた操作と同様の操作をタッチパネル55Bを用いて実現する処理がTM処理部120によって行われる。
【0045】
上述したTM処理部120が描画データ受信手段に、表示部57が表示手段に、表示処理部58が表示処理手段に、車両位置検出部54が車両位置検出手段に、走行位置マーク描画部114が走行位置描画手段に、車両位置マーク抽出部108が車両位置画像抽出手段に、走行道路抽出部110が走行道路抽出手段に、表示画像回転処理部118が地図画像回転手段にそれぞれ対応する。
【0046】
本実施形態のナビゲーションシステムはこのような構成を有しており、次にその動作を説明する。本実施形態では、携帯端末装置10における車両位置検出が行われている間は、車載装置50は、携帯端末装置10と連携してターミナルモードで動作し、携帯端末装置10から地図画像を受信し同じ内容の地図表示を行う。一方、GPS衛星から送られてくる電波が届かなかったり届きにくくなって携帯端末装置10における車両位置検出が不能になると、車載装置50は、携帯端末装置10から受信した地図画像に対して、車両位置検出部54によって検出した車両位置に走行位置マークを追加した地図表示を行う。
【0047】
図4は、携帯端末装置10による車両位置検出が不能の際に車載装置50側において地図画像に走行位置マークを追加するようにした車載装置50の動作手順を示す流れ図である。
【0048】
TM処理部120は、ターミナルモードの動作を開始すると、携帯端末装置10からVNCの機能によって送られてくる地図画像の描画データを受信し(ステップ100)、表示処理部58を用いて地図画像を表示する(ステップ102)。なお、この地図画像には、例えば画面中央に車両位置マークが、下部領域に各種の操作ボタンが、左上領域に地図画像の表示縮尺に関する情報(例えば、地図上の単位長さと実際の距離との対応を示す画像)が含まれている。この地図画像は、携帯端末装置10において表示されるものであるが、本実施形態では、携帯端末装置10と車載装置50がターミナルモードで動作しているため、車載装置50では、タッチパネル55Bを用いて地図画像の下部領域に表示された操作ボタンを指等で直接指し示すことにより、各操作ボタンに対応した操作指示を行うことができるようになっている。
【0049】
上述したターミナルモードを利用した地図画像の表示動作と並行して、検出不能判定部106は、携帯端末装置10による車両位置検出が不能になったか否かを判定する(ステップ104)。検出不能になっていない場合には否定判断が行われ、ステップ100に戻って地図画像表示のための動作が繰り返される。
【0050】
また、携帯端末装置10による車両位置検出が不能になった場合にはステップ104の判定において肯定判断が行われる。例えば、車両位置検出部54の検出結果に基づいて車両位置の移動(車両位置の更新)を確認しているにもかかわらず、車両位置情報受信部100によって受信した車両位置が更新されない場合には、車両位置検出が不能になったと考えることができる。
【0051】
次に、表示画像取得部104は、TM処理部120によるターミナルモードの動作においてVNCの機能によって送られてくる地図画像の描画データを取得し、表示画像格納部53に格納する(ステップ106)。また、縮尺情報取得部102は、この格納された地図画像の表示縮尺を取得する(ステップ108)。なお、表示縮尺が固定の場合はこのステップ108は省略することができる。また、本実施形態では縮尺情報送信部12Dと縮尺情報受信部102との間で表示縮尺を送受信しているが、表示画像格納部53に格納された地図画像の左上領域に含まれる表示縮尺に関する情報の内容を画像認識によって調べることにより、表示縮尺を抽出するようにしてもよい。
【0052】
次に、車両位置検出部54は、車両位置を検出する(ステップ110)。また、車両位置マーク抽出部108は、表示画像格納部53に格納された地図画像の一部を読み出し、読み出した一部の地図画像に含まれる所定形状の車両位置マークを抽出する(ステップ112)。
【0053】
図5は、車両位置マーク抽出の説明図である。図5において、Aで示される範囲が表示画像格納部53に格納された地図画像の範囲であり、この中からBで示される一部の範囲に対応した地図画像が車両位置マークの抽出範囲として読み出される。一般に、車両位置マークの位置は画面中央あるいはその下側の所定位置に設定されるため、表示用の地図画像の全体を調べる必要はなく、車両位置マークが存在する可能性のある範囲を狭くしても特に問題はない。また、車載装置50と接続可能な携帯端末装置10の候補やこれらの携帯端末装置10において実行可能な地図アプリケーションの候補があらかじめ決まっているため、抽出対象となる車両位置マークの形状も一あるいは複数に限定することが可能であり、これら複数の形状を用いてパターンマッチングを行うことにより、地図画像に含まれる車両位置マークを抽出することができる。図5に示す例では、Cで示される丸と三角を組み合わせた車両位置マークが用いられている。
【0054】
次に、走行道路抽出部110は、表示画像格納部53に格納された地図画像の一部を読み出し、読み出した一部の地図画像に含まれる車両の走行道路を抽出する(ステップ114)。なお、走行道路抽出に用いられる地図画像は車両位置マークの抽出に用いられた地図画像をそのまま用いることができ、走行道路抽出用に新たに読み出す必要はない。
【0055】
図6は、走行道路抽出の説明図である。図6において、c1は、車両位置マークの中央位置(三角の上部の頂点位置)を示しており、この地図画像における車両位置に対応している。また、車両位置マークの円に向かう三角の向きが車両の進行方向を示している。図6に示す例では、車両の進行方向が表示画面の上方向を向くように設定されている(ヘディングアップ)。また、d1、d2、d3、d4は、車両の進行方向に存在する走行道路を示している。d1は車両の現在位置から進行方向に沿って次の分岐までの道路を、d2は分岐を過ぎて直進する道路を、d3は分岐で右折した場合の道路を、d4は分岐を左折した場合の道路を、d5は分岐して斜め右上方向に存在する道路をそれぞれ示している。
【0056】
図7は、走行道路抽出の具体的な処理内容を示す説明図である。なお、図7に示す例では、道路の幅を1画素としたが、実際には数画素で道路が構成されている。図7において、c2は、抽出対象となる走行道路d1の起点(例えば、車両位置マークの中央位置c1(図6)に対して車両の進行方向に1画素分ずれた位置にある画素)を示している。走行道路の抽出は、起点c2に対して車両の進行方向と交差する向きに1画素分ずらして数画素をラインスキャンすることにより起点c2と同じ色の画素を抽出する動作を繰り返すことにより行う。例えば、図6に示す道路d1、d2が同じ色で描画されているものとすると、この動作により道路d1、d2が抽出される。また、道路d3、d4が異なる色で描画されているものとすると、色が異なる数画素の幅を有する直線部分あるいは曲線部分が走行予定の道路に連続している場合にはこれらの部分も抽出対象に含ませることにより(図8)、道路d3、d4が抽出される。
【0057】
また、走行位置決定部112は、ステップ110において車両位置検出部54によって検出した車両位置と、ステップ114において走行道路抽出部110によって抽出した走行道路とに基づいて、その時点における車両の走行位置を決定する(ステップ116)。具体的には、抽出した走行予定の道路上に、検出した車両位置が正確に載っている場合には、この検出した車両位置が車両の走行位置として決定される。また、抽出した走行予定の道路から、検出した車両位置がずれていた場合には、検出した車両位置に最も近い道路上の位置が車両の走行位置として決定される。
【0058】
なお、上述した例では、走行予定道路の抽出(ステップ114)と車両の走行位置の決定(ステップ116)とを別々に行う場合について説明したが、これらは並行して行うようにしてもよい。この場合には、道路に分岐がある場合に、分岐後の車両の検出位置が道路を抽出する際にわかるため、分岐後に車両が走行する道路のみを抽出することが可能であり、道路抽出の処理負担を軽減することができる。例えば、図6においてd5で示す道路に車両が進行した場合には、d2、d3、d4で示される道路の抽出を中止することができる。また、走行予定道路の抽出は、最初は図6のBで示した範囲内で行われるが、道路の抽出が進むにしたがってBの範囲を超えて行われる。
【0059】
次に、走行位置マーク描画部114は、地図画像格納部53に格納された地図画像に対して車両の走行位置マークを追加する描画処理を行う(ステップ118)。また、地図表示部116は、この描画処理によって得られた地図画像を表示処理部58に送って、走行位置マークが追加された地図画像を表示する(ステップ120)。
【0060】
図9は、走行位置マークが追加された地図画像の表示例を示す図である。図9において、E1は追加された走行位置マークを示している。図9に示す地図画像は、地図画像格納部53から読み出されて走行位置マークE1が追加されたものであるが、走行位置マークE1以外の部分は、直前まで表示されていた地図画像と同じである。
【0061】
携帯端末装置10による車両位置検出が不能になって地図画像の表示内容の更新が停止された後、車両の走行位置に対応するように走行位置マークE1が追加されるため、利用者は、地図画像内における車両の走行位置を確認することができる。
【0062】
次に、検出不能判定部106は、携帯端末装置10による車両位置検出の不能状態が継続しているか否かを判定する(ステップ122)。継続している場合には肯定判断が行われ、ステップ110に戻って車両位置検出部54による車両位置検出以降の動作が繰り返される。
【0063】
図10は、車両位置検出の不能状態が継続した場合の地図画像の表示例を示す図である。図10に示すように、携帯端末装置10における車両位置検出の不能状態が続くと、地図画像に車両の走行にしたがって走行位置マークE2、E3、・・・が追加されるため、利用者は、地図画像内における車両の走行位置の変化の様子を確認することができる。
【0064】
また、車両位置検出の不能状態が継続していない場合、すなわち、携帯端末装置10による位置検出機能が回復した場合にはステップ122の判定において否定判断が行われ、ステップ100に戻ってターミナルモードの動作による描画データ受信や地図画像表示が再開される。
【0065】
このように、本実施形態のナビゲーションシステムでは、携帯端末装置10における車両位置検出が不能になって車両位置の更新ができなくなった場合であっても、表示内容が固定された地図画像内において走行中の車両位置を更新して正確な車両位置を提示することが可能となる。
【0066】
また、地図画像内における車両位置マークの位置は、携帯端末装置10によっては、あるいは、携帯端末装置10に備わった地図アプリケーションによって異なる場合があるが、車両位置マークの形状に基づいてその位置を特定することにより、これらの車両位置マークの位置が異なる場合についても各地図画像に対応する車両位置を確実に知ることができ、その位置を基準にして走行位置マークの描画位置を決定することができる。
【0067】
また、地図画像の中央部分を含む所定範囲のみを車両位置マークの抽出対象とすることにより、確実に車両位置マークの抽出を行うことができるとともに、処理の負担を軽減することが可能となる。また、車両位置マークにつながる道路を車両の走行予定道路として抽出し、この道路に沿って走行位置マークの描画位置を決定することにより、新たに追加する走行位置マークの位置を確実に道路上とすることができ、道路からずれる場合に生じる不自然さを回避することができる。
【0068】
また、図6に示すように、車両の進行方向が表示画面の上部方向と一致する場合(ヘディングアップ表示の場合)には車両位置マークの上部に隣接する位置から画素の色に着目して各画素を辿っていくことにより、携帯端末装置10による車両位置検出が不能になった後に車両が走行予定の道路を確実に抽出することができる。同様に、図6に示すように、車両位置マークが、車両の進行方向に存在する道路の位置が識別可能な形状を有している場合には、その形状に基づいて、車両の進行後方に車両位置マークに隣接する位置から画素の色に着目して各画素を辿っていくことにより、携帯端末装置10による車両位置検出が不能になった後に車両が走行予定の道路を確実に抽出することができる。
【0069】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、携帯端末装置10による車両位置検出の不能状態が継続した際にそれ以前の走行位置マークを残した状態で新たに別の走行位置マークを追加するようにしたが、最新の走行位置マークが描画された時点でそれ以前に描画されていた走行位置マークを削除して地図画像の表示を行うようにしてもよい。例えば、図10に示した地図画像で説明すると、走行位置マークE2が描画された時点で、その以前の走行位置マークE1が削除される。また、次の走行位置マークE3が描画された時点で、その以前の走行位置マークE2が削除される。
【0070】
また、上述した実施形態では、携帯端末装置10による車両位置検出が不能になった後に、地図画像から車両の走行予定道路を抽出してその道路上に沿った位置に走行位置マークを描画するようしたが、走行予定道路を抽出する処理を省略するようにしてもよい。この場合には道路から外れた位置に走行位置マークが描画される場合も起こりうるが、それでも車両の走行位置を概略的に示すことができるため、車両が走行しているにもかかわらず地図画像上の車両位置が更新されない不自然さは回避することができる。
【0071】
また、上述した実施形態では、車両の進行方向が表示画面の上方向を向くようにヘディングアップ表示の設定がされている場合であっても、携帯端末装置10による車両位置検出が不能状態になると地図画像の表示状態が固定されるため、車両の進行方向が変化しても地図画像の向きが変更されない。このような場合に、車両の進行方向に合わせて地図画像を回転させ、常に車両の進行方向が表示画面の上方向の向くようにしてもよい。
【0072】
図11は、車両の進行後方に合わせて地図画像を回転させる車載装置50の変形例を動作手順を示す流れ図である。図11に示す動作手順は、図4に示した動作手順に対して、ステップ118とステップ120の間にステップ119を追加した点が異なっている。このステップ119では、表示画像回転処理部118は、走行位置マークが追加された地図画像を、走行位置(最後に走行位置マークが追加された位置)を中心に回転する。この回転は、車両の進行方向が表示画面の上方向と一致するまで行われる。その後、このようにして回転した地図画像が表示処理部58に送られて回転後の地図画像が表示される(ステップ120)。図12は、走行位置を中心に地図画像を回転させた表示例を示す図である。このように地図画像を回転させることにより、車両の進行方向を表示の上側に合わせた、いわゆるヘディングアップの地図表示を、携帯端末装置10による車両位置検出が不能になった後でも継続することができる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
上述したように、本発明によれば、携帯端末装置10における車両位置検出が不能になって車両位置の更新ができなくなった場合であっても、表示内容が固定された地図画像内において走行中の車両位置を更新して正確な車両位置を提示することが可能となる。
【符号の説明】
【0074】
10 携帯端末装置
12、52 制御部
12A 車両位置検出部
12B 地図表示処理部
12C 車両位置情報送信部
12D 縮尺情報送信部
12F、120 TM処理部
13A、55A 操作部
13B、55B タッチパネル
14、56 入力処理部
15、57 表示部
16、58 表示処理部
18 電話処理部
26、62 USBインタフェース部(USB I/F)
50 車載装置
53 表示画像格納部
54 車両位置検出部
100 車両位置情報受信部
102 縮尺情報受信部
104 表示画像取得部
106 検出不能判定部
108 車両位置マーク抽出部
110 走行道路抽出部
112 走行位置決定部
114 走行位置マーク描画部
116 地図表示部
118 表示画像回転処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載装置と携帯端末装置とが互いに接続され、前記携帯端末装置において車両位置が検出されて車両位置周辺の地図画像が車両位置画像とともに描画され、この地図画像の描画データが前記車載装置に送られて前記車載装置において車両位置周辺の地図画像表示が行われるナビゲーションシステムにおいて、
前記車載装置は、
前記地図画像の描画データを受信する描画データ受信手段と、
前記描画データ受信手段によって受信した描画データに基づいて表示手段に地図画像を表示する表示処理手段と、
車両の位置を検出する車両位置検出手段と、
前記携帯端末装置における車両位置検出が不能になったときに、前記車両位置検出手段によって検出された車両位置に対応する走行位置画像を前記地図画像に重ねて描画する走行位置描画手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
請求項1において、
前記車載装置は、前記描画データ受信手段によって受信した描画データに対応する地図画像に含まれる所定形状の車両位置画像を抽出する車両位置画像抽出手段をさらに備え、
前記走行位置描画手段は、前記車両位置画像抽出手段によって抽出された車両位置画像の位置を基準にして前記走行位置画像の描画位置を決定することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項3】
請求項2において、
前記車両位置画像抽出手段は、前記地図画像の中心から所定範囲の一部の画像を用いて前記車両位置画像の抽出を行うことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項4】
請求項2または3において、
前記車載装置は、前記描画データ受信手段によって受信した描画データに対応する地図画像に含まれる道路画像であって、前記車両位置画像抽出手段によって抽出された車両位置画像に対して車両の進行方向につながる道路画像を抽出する走行道路抽出手段をさらに備え、
前記走行位置描画手段は、前記車両位置画像抽出手段によって抽出された車両位置画像の位置を基準にするとともに、前記走行道路抽出手段によって抽出された道路画像に沿った位置に前記走行位置画像の描画位置を決定することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項5】
請求項4において、
前記地図画像は、車両の進行方向が表示画面の上部方向と一致しており、
前記走行道路抽出手段は、前記車両位置画像に上部の隣接する位置から各画素の色を調べて、道路画像を構成する各画素を辿ることにより、車両の進行方向に存在する道路画像を抽出することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項6】
請求項4において、
前記車両位置画像抽出手段によって抽出される前記車両位置画像は、車両の進行方向に存在する道路の位置が識別可能な形状を有しており、
前記走行道路抽出手段は、車両の進行方向に沿って前記車両位置画像に隣接する位置から各画素の色を調べて、道路画像を構成する各画素を辿ることにより、車両の進行方向に存在する道路画像を抽出することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかにおいて、
前記車両位置検出手段によって検出された車両位置に対応する車両の進行方向が表示画面の上部方向と一致するように、前記地図画像を回転させる地図画像回転手段をさらに備え、
前記表示処理手段は、前記地図画像回転手段によって回転させた前記地図画像を前記表示手段に表示することを特徴とするナビゲーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−83593(P2013−83593A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224801(P2011−224801)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】