三次元基板間接続部品及びその実装構造
【課題】 導電体接続端子の部品電極部を高密度で配備できるうえ、基板と部品電極部との半田付け部分における半田クラックの発生を回避できる。
【解決手段】 同一形状の複数の部品電極部12が、柱状絶縁体11のうちの部品電極部12が並ぶ中央軸部15の両側面からその上下面に接続して形成されると共にその柱状絶縁体11の長さ方向に平行に並べて配置され、かつ柱状絶縁体11の両端部分を固定接続部14とし、基板1、2の貫通孔に嵌め込んで固定する補強用凸部13を固定接続部14に備え、更に柱状絶縁体11の中央軸部15が基板1、2の撓みに応じることの可能な柔軟性を有する部材からなり、接続し固定される基板1,2の衝撃による撓みを吸収する。
【解決手段】 同一形状の複数の部品電極部12が、柱状絶縁体11のうちの部品電極部12が並ぶ中央軸部15の両側面からその上下面に接続して形成されると共にその柱状絶縁体11の長さ方向に平行に並べて配置され、かつ柱状絶縁体11の両端部分を固定接続部14とし、基板1、2の貫通孔に嵌め込んで固定する補強用凸部13を固定接続部14に備え、更に柱状絶縁体11の中央軸部15が基板1、2の撓みに応じることの可能な柔軟性を有する部材からなり、接続し固定される基板1,2の衝撃による撓みを吸収する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メイン基板上に他の実装基板を重ねて実装する場合、基板間に挿入して上下基板を、その電極部の半田付けにより接続し固定する三次元基板間接続部品及びその実装構造に関する。特に、本発明は、小面積に低コストでかつ多数の接続配線を可能にすると共に、部品が実装された基板が、携帯電話のように実使用上において落下衝撃、キー打鍵などにより半田付け部分に応力が加わった際に、基板の撓みなどにより半田付け部分にクラックが発生することを防止できる三次元基板間接続部品及びその実装構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の三次元基板間接続部品の実装構造としては、例えば、実開平5−55575号公報(特許文献1)に、母回路基板に対して上下方向に曲げる力が加わった場合でも、母回路基板と集積回路基板との電気的および機械的な取付け強度に影響しない実装構造を提供することを目的として、図9及び図10に示されるような構造が開示されている。
【0003】
図10では、直方体の耐熱樹脂111の長さ方向に垂直に平行に並んで外部接続端子112となる多数のコ字型導電体を、直方体の3面を囲んで差し込まれたリードアレイ103が示されている。コ字型導電体による外部接続端子112は母回路基板101の側で耐熱樹脂111の外側に延びており、この延びている部分と母回路基板101におけるランド電極104とが半田付け部106により半田付け固定されている。一方、リードアレイ103を介して母回路基板101と接続される集積回路基板102は集積回路基板102におけるランド電極105と外部接続端子112における接続部において半田付け部107により半田付けされている。
【0004】
上述したように母回路基板101におけるランド電極104は、外部接続端子112の耐熱樹脂111から外側に延びている部分で半田付け部106により接続されているので、実使用上において落下衝撃、キー打鍵により半田付け部分に応力が加わる場合、基板の撓みなどが半田付け部106を有し外部接続端子112の耐熱樹脂111から外側に延びている部分により吸収されるので、半田付け部分にクラックが発生することを防止できる。
【0005】
しかし、図10で示されるように、基板の撓みSが接続部品の長さ方向、すなわち耐熱樹脂111の長さ方向で、接続する二つの基板が離れる方向に生じた場合、基板間接続部品の両端に位置する外部接続端子112ではその半田付け部分(図9における)107に応力がかかり、クラックの生じる危険性があるという欠点があった。
【0006】
また、一つの基板間接続部品で、各接続端子が平行して並べられるのでスペースファクターが悪く、更に小型化を検討する必要があった。
【0007】
【特許文献1】実開平5−55575公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする課題は、平行して並べられる複数の導電体接続端子を長さ方向に有する基板間接続部品において、接続する二つの基板がその長さ方向で撓む際に生じる応力により、両端付近の接続端子の半田付け部分にクラックの発生を回避できないこと、及び、接続端子の実装密度を更に高くして部品の小型化を図る必要性があることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
まず、導電体接続端子の実装密度を高くして部品の小型化を図るため、実施例1に適用する三次元基板間接続部品の中央部分(中央軸部と称する)における外観を斜視した一例を図11の説明図に示す。
【0010】
本発明では、図11に示されるように、柱状絶縁体121の中央軸部に、複数の「コ」字型導電体122が、中央軸部の両側面それぞれから同一平面上または交互に位置をずらせて平行に、一方を表面に、他方を裏面にそれぞれ位置させて配備されることを主要な特徴の一つとする。従って、図10に示される従来例と比較して導電体接続端子が倍数配置でき、実装密度を倍増することができる。更に、導電体接続端子は表裏面両端に部品電極を形成しその間を側面に沿って印刷配線を含む導電体配線により接続する部品電極部として形成される。
【0011】
また、図12に、図11における三次元基板間接続部品を装置に形成した際のその周辺を含んだ正面説明図を示す。図示されるように、柱状絶縁体121の幅方向の撓みに対しては、対応する半田付け部分が柱状絶縁体121の幅の範囲で両側面に対応して存在し、その長さ及びその間の距離が小さいので、半田付け部分にクラックを発生させるような大きな撓みが発生することはない。
【0012】
しかし、基板間接続部品の長さ方向については、上述したようなクラック発生の危険性がある。
【0013】
従って、本発明は、長さ方向に平行して並べられる複数の部品電極部を有する基板間接続部品がその長さ方向で撓む際に生じる応力により部品電極部の半田付け部分でのクラックの発生を回避するため、二つの基板間に配置され両基板に接続する接続部品がその長さ方向で両端を固定接続部により両基板に固定することを主要な第一の特徴とする。更に、両端の固定接続部を結ぶ中央部材が中央軸部として、基板面に対して少なくとも垂直方向で柔軟性を有することを主要な第二の特徴とする。
【0014】
この構造により、二つの基板のうち、一方に撓みが発生しても基板間接続部品両端の固定接続部により、または、中央軸部の柔軟性と部品電極部を含む多数の半田付け部分とにより他方の基板を撓ませて、基板間接続部品の端部近辺における部品電極部の半田付け部分でのクラックを防止することができる。また、上記基板間接続部品両端の固定接続部は、二つの基板間接続部品が二つの基板の両端辺近辺に配備される場合、基板の撓みを強力に抑えることができる。
【0015】
具体的には、本発明による三次元基板間接続部品は、上面、下面、及び両側面を有する柱状絶縁体を主体とし、二つの基板間に挿入して当該基板の電極部と半田付けにより接続し固定する三次元基板間接続部品において、その長さ方向の両端部分を固定接続部、かつその中間部分を中央軸部とし、前記中央軸部には前記柱状絶縁体の上下各面に位置する基板の電極部を電気的に接続する導電体接続端子として部品電極部を備え、かつ前記固定接続部には前記基板の電極部との接続を固定する固定接続構造を有することを特徴としている。
【0016】
ここで、前記柱状絶縁体が、少なくとも前記中央軸部で、断面が例えば、細身の円形、または上下方向を側面方向と比較してより薄くした長方形もしくは楕円形を有し、前記上下基板の撓みを吸収可能とする柔軟性を有する部材で構成される場合には前記固定接続部に前記基板の電極部との接続を固定する特別な固定接続構造を有せずとも半田付け部クラック回避の大幅な改善が見込まれる。
【0017】
また、この三次元基板間接続部品の固定接続部は、前記固定接続構造として、前記上下基板を接続した際に、当該上下基板それぞれに嵌め込まれる補強用凸部を有している。この補強用凸部は、前記柱状絶縁体と金型により一体化構造を有することが製造を容易にし、かつ基板間接続部品の位置決めを正確にするために望ましい。また、この補強用凸部は、断面が例えば円形、楕円形、多角形、またはピン状を有する柱状体とすることができる。これら柱状体は柱状絶縁体に圧入することにより成型されることでもよい。更に、この補強用凸部は、前記上下基板を接続した際に当該上下基板それぞれと完全な半田付けとするため、外面が金属メッキされていることが望ましい。また、補強用凸部の嵌め込み及び開口部からの半田付けのため、先端部は半球状のように丸みを有することが好ましい。
【0018】
また、上記三次元基板間接続部品において、補強用凸部を有しない前記固定接続部は、前記固定接続構造として、前記上下基板を接続した際に、当該上下基板それぞれに半田付けされる金属メッキ面積が前記部品電極部の基板に対する半田付け面積より大きいことでもよい。
【0019】
また、前記部品電極部は、前記中央軸部の一方の側面に沿って上面及び下面で上下基板の電極部と接続する電極部に接続する形状を有し、それぞれが前記中央軸部で軸方向に平行をなすこと、前記中央軸部の一方の側面に沿った印刷配線もしくは導電線配線により形成され、または側面形状に沿って凹部を深く欠かした「コ」字形導電体接続端子により構成されること、更に、前記中央軸部の上下方向に平行に並び、その内部で上下を導電体で接続し、その上下面で前記基板に接続する複数のスルーホールにより形成されることを特徴とすることができる。
【0020】
また、上述した三次元基板間接続部品を二つの基板に挟み形成される三次元基板間接続部品の実装構造では、前記第1及び第2の基板それぞれが前記三次元基板間接続部品と接続される際に前記補強用凸部を嵌め込み固定するための貫通孔を備え、前記三次元基板間接続部品の上下面のいずれか一方の面に前記第1の基板の電極部を前記部品電極部と接続する際に前記補強用凸部と前記貫通孔とが嵌め込み固定され、かつ、前記三次元基板間接続部品の上下面の他方の面に前記第2の基板の電極部を前記部品電極部と接続する際に前記補強用凸部と前記貫通孔とが嵌め込み固定された構造を有することを特徴としている。この嵌め込みの際に両者を半田付けにより固定することができる。この際の半田付けのため接触部分が金属メッキされていることが望ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の三次元基板間接続部品は、一つの柱状絶縁体の中央軸部両側面それぞれで同一形状の部品電極部を、その柱状絶縁体の長さ方向に平行に並べて配置しているので、所定の広さで部品電極部を上述した従来の接続部品と比較し倍増して配備できる。更に、柱状絶縁体の両端部分に二つの基板を固定する固定接続部を備えることにより、二つのうちの一方の基板が撓みを生じても、他方の基板も同様な撓みを生じ、二つの基板間で基板を接続する半田付け部分での撓み応力はほとんど解消される。または、柱状絶縁体の中心軸部が基板の撓みに応じ吸収することの可能な柔軟性部材であることにより、固定接続部の中間に位置する接続端子の半田付け部分でも基板の撓みに対応して撓むので、接続端子の半田付け部分に余計な応力をかけることがなく、半田付け部分のクラック発生を回避できるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
導電体接続端子である部品電極部を、上述した従来の基板間接続部品と比較して高密度に配備できると共に、基板と部品電極部とを接続固定する半田付け部分における半田のクラック発生回避という目的を、一つの柱状絶縁体の中央軸部両側面それぞれで、同一形状の部品電極部を、その表裏面まで接続させ、かつその柱状絶縁体の長さ方向に平行に並べて配置すること、並びに、柱状絶縁体の両端部分に二つの基板を固定する固定接続部を備えるか、及び/または、柱状絶縁体の中心軸部が基板の撓みに応じることの可能な柔軟性を有する部材であることにより実現した。
【0023】
ここで、本発明による三次元基板間接続部品の成型には、主に樹脂モールドを金型により成型する方法、すなわち、MID(Molded Interconnect Device)工法が用いられている。
【0024】
部品電極部は、この基板間接続部品の側面にメッキによって形成され、その表裏面が上下に位置して基板を接続する場合、部品電極部の上側と下側とが基板電極それぞれと半田付けされることにより、上下基板それぞれに電気的に接続すると共にそれぞれが固定される。すなわち、部品電極部は、例えば中央軸部表面への印刷配線もしくは導線型接続によるもの、または中央軸部を挟み込む「コ」字形状導電体接続端子によるものがある。
【0025】
接続工程は、まず、基板間接続部品に上下基板の何れか一方を半田付けにより固着し、次いで、残る方を半田付けにより固着することとなる。
【0026】
次に、図面を参照して、各実施例について説明する。説明で参照の図面は、本発明の理解を容易にするため、部分的に誇張して示しているのでその相対的な寸法は実際とは相違する。
【実施例1】
【0027】
本発明の実施例1について図1から図4までを併せ参照して説明する。
【0028】
図1は、本発明の実施例1による三次元基板間接続部品3を実装した装置正面の実施の一形態を示した説明図である。
【0029】
図2は、実施例1による三次元基板間接続部品3の外観を斜視により実施の一形態に示した説明図である。
【0030】
図3は、実施例1による三次元基板間接続部品3の軸方向における縦断面を示す説明図である。
【0031】
図4は、図3の端部、固定接続部14の近辺を詳細に示す説明図である。
【0032】
図1に示される基板間接続部品3は、下側にメイン基板1、上側にサブ基板2それぞれを配置して接続する。メイン基板1とはメイン基板回路の基板電極4、サブ基板2とはサブ基板回路の基板電極5、それぞれと、図2に示される部品電極部12の上下両端電極部分それぞれとが、半田付け部6,7により半田付けされている。また、図示されるサブ基板2は、例えば点線で示されるように、回路部品が半田付けされている実装基板である。
【0033】
また、図2に示されるように、基板間接続部品3は、長方形の柱状絶縁体11を主体とする中央部材に樹脂モールドを用い、柱状絶縁体11の中心軸に対して同一垂直面内で二つ一組で対峙する「コ」字形状の部品電極部12を並列に複数備え、かつ、中央部材の両端部分に円柱状の補強用凸部13を備えている。柱状絶縁体11では、補強用凸部13を備える部分を固定接続部14、また部品電極部12を備える部分を中央軸部15とそれぞれ呼称するものとする。
【0034】
柱状絶縁体11と補強用凸部13とは一つの樹脂モールドをMID工法により成型して作成されている。一つの部品電極部12は、柱状絶縁体11の上面から側面を介して下面までに達する「コ」字型をなし、図面上では二つの部品電極部12が左右の両側面それぞれに沿って同一面上に配備されている。補強用凸部13は、固定接続部14にあって、長方形の柱状絶縁体11の上下面から突出しており、図1に示されるように、その実装構造は、上側がサブ基板2、下側がメイン基板1それぞれに嵌め込まれている。
【0035】
すなわち、図11を参照して説明したように、図9に示される従来例と比較して、二つの基板間を接続する接続端子を高密度に配備することができる。
【0036】
次に、図3及び図4を併せ参照して基板と基板間接続部品との接続と、半田付け部のクラック防止構造とについて、その詳細を説明する。
【0037】
図示されるように、三次元基板間接続部品3の軸方向における両端部近辺に固定接続部14が設けられる。メイン基板1及びサブ基板2は両者とも補強用凸部13を貫通する孔を備えており、内面が金属メッキによりコーティングされている。補強用凸部13もまた、基板の貫通孔に嵌め込まれた際に接触する面が金属メッキによりコーティングされている。この構成により、補強用凸部13と基板1,2との間で十分な接着力を持つ半田付けを実現することができる。
【0038】
例えば、三次元基板間接続部品3をメイン基板1に接続する際には、メイン基板1の二つの貫通孔に両端部分の補強用凸部13それぞれを嵌め込み、メイン基板1の基板電極4と部品電極部12の電極との位置合わせを行って半田付け部6による半田付けが実行される。同時または順序を付けてメイン基板1の貫通孔で補強用凸部13と金属メッキ間を半田付け部8により半田付けする。次いで、三次元基板間接続部品3は同様の手順でサブ基板2を半田付けにより電気的に接続すると共に固着する。
【0039】
メイン基板1及びサブ基板2それぞれと二つの補強用凸部13との固定は半田付け面積が広いので、基板電極4,5と部品電極部12とによる単独の固定より強力である。すなわち、メイン基板1とサブ基板2とが基板間接続部品3により強力に結合されている。従って、図3に示されるような応力Sがメイン基板1にかけられたとしても、基板間接続部品3の固定接続部14とサブ基板2とでメイン基板1の撓みを抑止できる。また、メイン基板1に撓みが生じた場合には、補強用凸部13の接続固定力によりサブ基板2にもその応力を伝えるので、メイン基板1の撓みはサブ基板2にも伝わり、サブ基板2も同量の撓みを生じるので、基板電極4,5と部品電極部12との半田付け部にかかる応力は微量である。従って、半田付け部にクラックが生じることはない。
【0040】
上記説明では、柱状絶縁体の断面を長方形とする四角柱としているが、上下の基板電極に対応する部品電極部を形成できるものであれば、その断面形状は楕円形、円形、または多角形の何れでもよい。また、導電体接続端子となる部品電極部は「コ」字形状有して、同一平面で対峙させ、柱状絶縁体の上下面の電極を側面で接続しているが、同一面で対峙させる必要はなく、上下面及び二つの側面それぞれで平行に配置されていればよい。従って、「コ」字形状の各面導電配線は交差または接触がない線状であればよく、直線に限定されることはない。
【0041】
また、補強用凸部は円柱を図示しているが、円柱に限定されることはない。しかし、これは、基板の貫通孔の形状に一致する柱状または筒状であることが望ましい。また、上下両面に位置する補強用凸部を導電体で接続し、一つの導電体接続端子を形成することができる。これにより、更に、導電体接続端子数を増加させることができる。また、その先端部は、基板貫通孔への嵌め込みと嵌め込み後の開口部からの半田付けとの便宜を配慮し、例えば半球状のような丸みを有することが望ましい。
【0042】
このような構造形態を採用したので、導電体接続端子を高密度に配備できると共に、この両端の固定接続部で固定することによって導電体接続端子の位置決めが正確に容易に可能となり、かつ、この両端の固定接続部で固定することによって、基板変形による撓みによって生じる部品電極部に加わる応力を緩和でき、部品電極部での半田付け部における半田のクラックを防止することができる。
【実施例2】
【0043】
本発明の実施例2について図5から図7までを併せ参照して説明する。
【0044】
図5は、本発明の実施例2による三次元基板間接続部品23を実装した装置正面の実施の一形態を示した説明図である。
【0045】
図6は、実施例2による三次元基板間接続部品23の外観を斜視により実施の一形態に示した説明図である。
【0046】
図7は、図6の端部34を図5における正面図で拡大して示す説明図である。
【0047】
図示される実施例2が上記実施例1と相違する点は、柱状絶縁体31が、複数の部品電極部32を備える中央部のみに細めの太さを有する円柱状絶縁体の中央軸部33を形成していること、及び、その両端部34が柱状絶縁体31の端部と両端一組の部品電極部32により形成されていることである。中央軸部33は、細めの太さを有する円柱状絶縁体であるため、その柔軟性が大きい。
【0048】
また、図5及び図7に示されるように、メイン基板21とサブ基板22とのそれぞれは、上記実施例1と同様に、基板間接続部品23の部品電極部32と半田付けされ、半田付け部26,27により基板電極24,25それぞれと電気的に接続され固着されている。すなわち、メイン基板21とサブ基板22とは、基板間接続部品23の複数の部品電極部32を介して、半田付け部26,27により固定されている。
【0049】
従って、基板間接続部品23は、例えば接続するメイン基板21に撓みが生じても、その撓みに応じて撓み、その撓みを全ての半田付け部26,27で分担してサブ基板22に伝達している。すなわち、メイン基板1の変形に、柔軟性を有する中央軸部33のモールドが追従することにより、部品電極部32の半田付け部に発生する応力を緩和している。
【0050】
実施例2が上記実施例1と同様に、両端部34を固定接続部とすることもできる。例えば、固定接続部として、最両端の部品電極部位置でのみ、より大きな接触面積を有する形状及び構造として金属メッキを基板側と共に施行することにより、基板間接続部品における両端接続部の固定接続力を上げることができる。
【0051】
上記説明では、円柱状絶縁体の中央軸部を、断面を円形とする細め円柱としているが、その断面形状は楕円形、菱形、平板形など、基板の撓み方向、すなわち基板面に垂直方向に撓むことの可能な柔軟性を有する材質と形状であれば何れでもよく、上記説明に限定されるものではない。
【0052】
また、部品電極部は、上下の基板電極に対応し、かつ円柱状絶縁体の中央軸部に密着して形成できる導電体接続端子であれば、図示されるような成型物でも、表面配線でもよく、その形状は上記説明で限定されるものではない。部品電極部は中央軸部に接する中央部分が凹部状に深く欠けた形状の「コ」字形状を有して同一平面で対向し、柱状絶縁体の上下面の電極を側面で接続しているが、同一面で対向させる必要はなく、また、二つの側面それぞれで平行に並び配置されていればよい。従って、上述したように「コ」字形状の側面配線は直線に限定されることはない。
【0053】
このような構造形態を採用したので、導電体接続端子を高密度に配備できると共に、基板変形による撓みを、中央軸部の柔軟性で吸収することによって、部品電極部に加わる応力を緩和でき、部品電極部での半田クラックを防止することができる。
【実施例3】
【0054】
本発明の実施例3について図8を参照して説明する。
【0055】
図8は、本発明の実施例3による三次元基板間接続部品の外観を斜視により実施の一形態に示した説明図である。
【0056】
図示される実施例3が、上記実施例1と相違する点は、柱状絶縁体41がガラスエポキシ基板を用いており、柱状絶縁体41の両端で形成される補強用凸部42が、ピン形状をなし、長方形の断面を有する柱状絶縁体41に圧入により、上下の両面に成型されていること、及び部品電極部位置には部品電極部の代わり貫通するスルーホール43が配備されていることである。
【0057】
スルーホール43は、所望のピッチで配置され、その内面に金属メッキによる配線を備えること、または内部を導体で埋め込むことにより、導電体接続端子として上下の両側で基板を接続することができる。接続の際には、基板の電極パッドと半田付けされる。
【0058】
上記説明では、スルーホールが二列構成であるが、更に多数列による構成であってもよい。また、補強用凸部は円柱形状を図示しているが、円柱形状に限定されることはない。しかし、これは、基板の貫通孔の形状に一致する柱状または筒状であることが望ましい。また、上下両面に位置する補強用凸部を導電体で接続し、一つの導電体接続端子を形成することにより、更に、導電体接続端子数を増加させることができる。
【0059】
このような構造形態を採用したので、導電体接続端子を高密度に配備できると共に、この両端の固定接続部で固定することによって、導電体接続端子の位置決めが正確に容易に可能となり、かつ、基板変形による撓みによって生じる部品電極部に加わる応力を緩和でき、部品電極部での半田クラックを防止することができる。
【0060】
[その他の実施例]
例えば、上記実施例1と実施例2との組合せがある。
【0061】
すなわち、実施例1において、柱状絶縁体が固定接続部のみ直方体で、部品電極部の配列される中央軸部は、上下方向の厚さを薄くして基板の面と平行面をなして上下方向に柔軟性をもたせ、基板の撓みに沿って撓むという撓み吸収構造を実現することができる。
【0062】
また、例えば、実施例2において、柱状絶縁体の両端部に幅をもたせ、固定接続部として補強用凸部を備えること、または、両端で半田付け面積を拡大した部品電極部を備えることができる。すなわち、固定接続構造として、上下基板を接続した際に、これら上下基板それぞれに半田付けされる金属メッキ面積が部品電極部の基板に対する半田付け面積より大きくすればよい。この結果、基板の撓みにより二つの基板の端辺で両者が引き離されるような状態が発生した場合でも、基板間接続部品の端部近辺における半田付け部の強力な接着力により半田付け部のクラックを防止することができる。
【0063】
また、柱状絶縁体に、実施例1,2では樹脂モールド、実施例3ではガラスエポキシ基板が用いられるとしているが、成型性、絶縁性、柔軟性などで適切であれば、何れの材質でもよい。更に、柱状絶縁体は、全体または中央軸部で、断面が長方形または円形と説明されたが、上下方向を側面方向と比較してより薄くした長方形もしくは楕円形を有し、前記上下基板の撓みを吸収可能とする柔軟性を有する形状が採用できる。
【0064】
また、補強用凸部は、前記柱状絶縁体と金型による一体化成型、または前記柱状絶縁体への圧入成型の何れを採用してもよい。また、補強用凸部は、前記上下基板を接続した際に当該上下基板それぞれと半田付けするため、外面が金属メッキされていること、断面が円形、楕円形、多角形、またはピン状を有する柱状体とすることができる。
【0065】
部品電極部は、前記中央軸部の一方の側面に沿って上面及び下面で上下基板の電極部と接続する電極部に接続する形状を有し、それぞれが中央軸部で軸方向に平行をなすこと、中央軸部の一方の側面に沿った印刷配線もしくは導線配線により形成され、または側面形状に沿って欠けた「コ」字形導電体接続端子により構成することができる。
【0066】
このように、上述した説明の組合せで上記機能を実現できるものがあり、上記説明が本発明を限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0067】
柱状絶縁体で、二つの基板に挟まれその基板間を電気的に接続する導電体接続端子を中央軸部に並列に配備し、それらの基板を固定する固定接続部を両端部分に設け、更に中央軸部に基板の撓みを吸収できる柔軟性を有する形状及び材質を備えるという構造を用いることによって、導電体接続端子の配置密度の高い、かつ、基板が撓むような衝撃を容易に吸収できることが必要な、重ねられる複数基板間の接続用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明による二つの三次元基板間接続部品を平行させて実装した装置正面の実施の一形態を示した説明図である。(実施例1)
【図2】図1における一つの三次元基板間接続部品の外観を斜視により実施の一形態に示した説明図である。(実施例1)
【図3】図1の実装された装置において三次元基板間接続部品の軸方向における縦断面を示す説明図である。(実施例1)
【図4】図3の固定接続部近辺を詳細に示す説明図である。(実施例1)
【図5】本発明による二つの三次元基板間接続部品を平行させて実装した装置正面の実施の一形態を示した説明図である。(実施例2)
【図6】図5における一つの三次元基板間接続部品の外観を斜視により実施の一形態に示した説明図である。(実施例2)
【図7】図5における実装された一つの三次元基板間接続部品およびその周辺の正面を示す説明図である。(実施例2)
【図8】本発明による一つの三次元基板間接続部品の外観を斜視により実施の一形態に示した説明図である。(実施例3)
【図9】従来における二つの三次元基板間接続部品を実装した装置正面の一例を示した説明図である。
【図10】図9における一つの三次元基板間接続部品の外観を斜視により一例に示した説明図である。
【図11】実施例1に適用する三次元基板間接続部品の中央軸部外観を、斜視による一例として示した説明図である。
【図12】図11における三次元基板間接続部品を装置に形成した際のその周辺を含んだ正面を示す説明図である。
【符号の説明】
【0069】
1、21 メイン基板
2、22 サブ基板
3、23 基板間接続部品
4、5、24、25 基板電極
6、7、8、26、27 半田付け部
11、31、41 柱状絶縁体
12、32 部品電極部
13、42 補強用凸部
14 固定接続部
33 中央軸部
34 端部
43 スルーホール
【技術分野】
【0001】
本発明は、メイン基板上に他の実装基板を重ねて実装する場合、基板間に挿入して上下基板を、その電極部の半田付けにより接続し固定する三次元基板間接続部品及びその実装構造に関する。特に、本発明は、小面積に低コストでかつ多数の接続配線を可能にすると共に、部品が実装された基板が、携帯電話のように実使用上において落下衝撃、キー打鍵などにより半田付け部分に応力が加わった際に、基板の撓みなどにより半田付け部分にクラックが発生することを防止できる三次元基板間接続部品及びその実装構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の三次元基板間接続部品の実装構造としては、例えば、実開平5−55575号公報(特許文献1)に、母回路基板に対して上下方向に曲げる力が加わった場合でも、母回路基板と集積回路基板との電気的および機械的な取付け強度に影響しない実装構造を提供することを目的として、図9及び図10に示されるような構造が開示されている。
【0003】
図10では、直方体の耐熱樹脂111の長さ方向に垂直に平行に並んで外部接続端子112となる多数のコ字型導電体を、直方体の3面を囲んで差し込まれたリードアレイ103が示されている。コ字型導電体による外部接続端子112は母回路基板101の側で耐熱樹脂111の外側に延びており、この延びている部分と母回路基板101におけるランド電極104とが半田付け部106により半田付け固定されている。一方、リードアレイ103を介して母回路基板101と接続される集積回路基板102は集積回路基板102におけるランド電極105と外部接続端子112における接続部において半田付け部107により半田付けされている。
【0004】
上述したように母回路基板101におけるランド電極104は、外部接続端子112の耐熱樹脂111から外側に延びている部分で半田付け部106により接続されているので、実使用上において落下衝撃、キー打鍵により半田付け部分に応力が加わる場合、基板の撓みなどが半田付け部106を有し外部接続端子112の耐熱樹脂111から外側に延びている部分により吸収されるので、半田付け部分にクラックが発生することを防止できる。
【0005】
しかし、図10で示されるように、基板の撓みSが接続部品の長さ方向、すなわち耐熱樹脂111の長さ方向で、接続する二つの基板が離れる方向に生じた場合、基板間接続部品の両端に位置する外部接続端子112ではその半田付け部分(図9における)107に応力がかかり、クラックの生じる危険性があるという欠点があった。
【0006】
また、一つの基板間接続部品で、各接続端子が平行して並べられるのでスペースファクターが悪く、更に小型化を検討する必要があった。
【0007】
【特許文献1】実開平5−55575公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする課題は、平行して並べられる複数の導電体接続端子を長さ方向に有する基板間接続部品において、接続する二つの基板がその長さ方向で撓む際に生じる応力により、両端付近の接続端子の半田付け部分にクラックの発生を回避できないこと、及び、接続端子の実装密度を更に高くして部品の小型化を図る必要性があることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
まず、導電体接続端子の実装密度を高くして部品の小型化を図るため、実施例1に適用する三次元基板間接続部品の中央部分(中央軸部と称する)における外観を斜視した一例を図11の説明図に示す。
【0010】
本発明では、図11に示されるように、柱状絶縁体121の中央軸部に、複数の「コ」字型導電体122が、中央軸部の両側面それぞれから同一平面上または交互に位置をずらせて平行に、一方を表面に、他方を裏面にそれぞれ位置させて配備されることを主要な特徴の一つとする。従って、図10に示される従来例と比較して導電体接続端子が倍数配置でき、実装密度を倍増することができる。更に、導電体接続端子は表裏面両端に部品電極を形成しその間を側面に沿って印刷配線を含む導電体配線により接続する部品電極部として形成される。
【0011】
また、図12に、図11における三次元基板間接続部品を装置に形成した際のその周辺を含んだ正面説明図を示す。図示されるように、柱状絶縁体121の幅方向の撓みに対しては、対応する半田付け部分が柱状絶縁体121の幅の範囲で両側面に対応して存在し、その長さ及びその間の距離が小さいので、半田付け部分にクラックを発生させるような大きな撓みが発生することはない。
【0012】
しかし、基板間接続部品の長さ方向については、上述したようなクラック発生の危険性がある。
【0013】
従って、本発明は、長さ方向に平行して並べられる複数の部品電極部を有する基板間接続部品がその長さ方向で撓む際に生じる応力により部品電極部の半田付け部分でのクラックの発生を回避するため、二つの基板間に配置され両基板に接続する接続部品がその長さ方向で両端を固定接続部により両基板に固定することを主要な第一の特徴とする。更に、両端の固定接続部を結ぶ中央部材が中央軸部として、基板面に対して少なくとも垂直方向で柔軟性を有することを主要な第二の特徴とする。
【0014】
この構造により、二つの基板のうち、一方に撓みが発生しても基板間接続部品両端の固定接続部により、または、中央軸部の柔軟性と部品電極部を含む多数の半田付け部分とにより他方の基板を撓ませて、基板間接続部品の端部近辺における部品電極部の半田付け部分でのクラックを防止することができる。また、上記基板間接続部品両端の固定接続部は、二つの基板間接続部品が二つの基板の両端辺近辺に配備される場合、基板の撓みを強力に抑えることができる。
【0015】
具体的には、本発明による三次元基板間接続部品は、上面、下面、及び両側面を有する柱状絶縁体を主体とし、二つの基板間に挿入して当該基板の電極部と半田付けにより接続し固定する三次元基板間接続部品において、その長さ方向の両端部分を固定接続部、かつその中間部分を中央軸部とし、前記中央軸部には前記柱状絶縁体の上下各面に位置する基板の電極部を電気的に接続する導電体接続端子として部品電極部を備え、かつ前記固定接続部には前記基板の電極部との接続を固定する固定接続構造を有することを特徴としている。
【0016】
ここで、前記柱状絶縁体が、少なくとも前記中央軸部で、断面が例えば、細身の円形、または上下方向を側面方向と比較してより薄くした長方形もしくは楕円形を有し、前記上下基板の撓みを吸収可能とする柔軟性を有する部材で構成される場合には前記固定接続部に前記基板の電極部との接続を固定する特別な固定接続構造を有せずとも半田付け部クラック回避の大幅な改善が見込まれる。
【0017】
また、この三次元基板間接続部品の固定接続部は、前記固定接続構造として、前記上下基板を接続した際に、当該上下基板それぞれに嵌め込まれる補強用凸部を有している。この補強用凸部は、前記柱状絶縁体と金型により一体化構造を有することが製造を容易にし、かつ基板間接続部品の位置決めを正確にするために望ましい。また、この補強用凸部は、断面が例えば円形、楕円形、多角形、またはピン状を有する柱状体とすることができる。これら柱状体は柱状絶縁体に圧入することにより成型されることでもよい。更に、この補強用凸部は、前記上下基板を接続した際に当該上下基板それぞれと完全な半田付けとするため、外面が金属メッキされていることが望ましい。また、補強用凸部の嵌め込み及び開口部からの半田付けのため、先端部は半球状のように丸みを有することが好ましい。
【0018】
また、上記三次元基板間接続部品において、補強用凸部を有しない前記固定接続部は、前記固定接続構造として、前記上下基板を接続した際に、当該上下基板それぞれに半田付けされる金属メッキ面積が前記部品電極部の基板に対する半田付け面積より大きいことでもよい。
【0019】
また、前記部品電極部は、前記中央軸部の一方の側面に沿って上面及び下面で上下基板の電極部と接続する電極部に接続する形状を有し、それぞれが前記中央軸部で軸方向に平行をなすこと、前記中央軸部の一方の側面に沿った印刷配線もしくは導電線配線により形成され、または側面形状に沿って凹部を深く欠かした「コ」字形導電体接続端子により構成されること、更に、前記中央軸部の上下方向に平行に並び、その内部で上下を導電体で接続し、その上下面で前記基板に接続する複数のスルーホールにより形成されることを特徴とすることができる。
【0020】
また、上述した三次元基板間接続部品を二つの基板に挟み形成される三次元基板間接続部品の実装構造では、前記第1及び第2の基板それぞれが前記三次元基板間接続部品と接続される際に前記補強用凸部を嵌め込み固定するための貫通孔を備え、前記三次元基板間接続部品の上下面のいずれか一方の面に前記第1の基板の電極部を前記部品電極部と接続する際に前記補強用凸部と前記貫通孔とが嵌め込み固定され、かつ、前記三次元基板間接続部品の上下面の他方の面に前記第2の基板の電極部を前記部品電極部と接続する際に前記補強用凸部と前記貫通孔とが嵌め込み固定された構造を有することを特徴としている。この嵌め込みの際に両者を半田付けにより固定することができる。この際の半田付けのため接触部分が金属メッキされていることが望ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の三次元基板間接続部品は、一つの柱状絶縁体の中央軸部両側面それぞれで同一形状の部品電極部を、その柱状絶縁体の長さ方向に平行に並べて配置しているので、所定の広さで部品電極部を上述した従来の接続部品と比較し倍増して配備できる。更に、柱状絶縁体の両端部分に二つの基板を固定する固定接続部を備えることにより、二つのうちの一方の基板が撓みを生じても、他方の基板も同様な撓みを生じ、二つの基板間で基板を接続する半田付け部分での撓み応力はほとんど解消される。または、柱状絶縁体の中心軸部が基板の撓みに応じ吸収することの可能な柔軟性部材であることにより、固定接続部の中間に位置する接続端子の半田付け部分でも基板の撓みに対応して撓むので、接続端子の半田付け部分に余計な応力をかけることがなく、半田付け部分のクラック発生を回避できるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
導電体接続端子である部品電極部を、上述した従来の基板間接続部品と比較して高密度に配備できると共に、基板と部品電極部とを接続固定する半田付け部分における半田のクラック発生回避という目的を、一つの柱状絶縁体の中央軸部両側面それぞれで、同一形状の部品電極部を、その表裏面まで接続させ、かつその柱状絶縁体の長さ方向に平行に並べて配置すること、並びに、柱状絶縁体の両端部分に二つの基板を固定する固定接続部を備えるか、及び/または、柱状絶縁体の中心軸部が基板の撓みに応じることの可能な柔軟性を有する部材であることにより実現した。
【0023】
ここで、本発明による三次元基板間接続部品の成型には、主に樹脂モールドを金型により成型する方法、すなわち、MID(Molded Interconnect Device)工法が用いられている。
【0024】
部品電極部は、この基板間接続部品の側面にメッキによって形成され、その表裏面が上下に位置して基板を接続する場合、部品電極部の上側と下側とが基板電極それぞれと半田付けされることにより、上下基板それぞれに電気的に接続すると共にそれぞれが固定される。すなわち、部品電極部は、例えば中央軸部表面への印刷配線もしくは導線型接続によるもの、または中央軸部を挟み込む「コ」字形状導電体接続端子によるものがある。
【0025】
接続工程は、まず、基板間接続部品に上下基板の何れか一方を半田付けにより固着し、次いで、残る方を半田付けにより固着することとなる。
【0026】
次に、図面を参照して、各実施例について説明する。説明で参照の図面は、本発明の理解を容易にするため、部分的に誇張して示しているのでその相対的な寸法は実際とは相違する。
【実施例1】
【0027】
本発明の実施例1について図1から図4までを併せ参照して説明する。
【0028】
図1は、本発明の実施例1による三次元基板間接続部品3を実装した装置正面の実施の一形態を示した説明図である。
【0029】
図2は、実施例1による三次元基板間接続部品3の外観を斜視により実施の一形態に示した説明図である。
【0030】
図3は、実施例1による三次元基板間接続部品3の軸方向における縦断面を示す説明図である。
【0031】
図4は、図3の端部、固定接続部14の近辺を詳細に示す説明図である。
【0032】
図1に示される基板間接続部品3は、下側にメイン基板1、上側にサブ基板2それぞれを配置して接続する。メイン基板1とはメイン基板回路の基板電極4、サブ基板2とはサブ基板回路の基板電極5、それぞれと、図2に示される部品電極部12の上下両端電極部分それぞれとが、半田付け部6,7により半田付けされている。また、図示されるサブ基板2は、例えば点線で示されるように、回路部品が半田付けされている実装基板である。
【0033】
また、図2に示されるように、基板間接続部品3は、長方形の柱状絶縁体11を主体とする中央部材に樹脂モールドを用い、柱状絶縁体11の中心軸に対して同一垂直面内で二つ一組で対峙する「コ」字形状の部品電極部12を並列に複数備え、かつ、中央部材の両端部分に円柱状の補強用凸部13を備えている。柱状絶縁体11では、補強用凸部13を備える部分を固定接続部14、また部品電極部12を備える部分を中央軸部15とそれぞれ呼称するものとする。
【0034】
柱状絶縁体11と補強用凸部13とは一つの樹脂モールドをMID工法により成型して作成されている。一つの部品電極部12は、柱状絶縁体11の上面から側面を介して下面までに達する「コ」字型をなし、図面上では二つの部品電極部12が左右の両側面それぞれに沿って同一面上に配備されている。補強用凸部13は、固定接続部14にあって、長方形の柱状絶縁体11の上下面から突出しており、図1に示されるように、その実装構造は、上側がサブ基板2、下側がメイン基板1それぞれに嵌め込まれている。
【0035】
すなわち、図11を参照して説明したように、図9に示される従来例と比較して、二つの基板間を接続する接続端子を高密度に配備することができる。
【0036】
次に、図3及び図4を併せ参照して基板と基板間接続部品との接続と、半田付け部のクラック防止構造とについて、その詳細を説明する。
【0037】
図示されるように、三次元基板間接続部品3の軸方向における両端部近辺に固定接続部14が設けられる。メイン基板1及びサブ基板2は両者とも補強用凸部13を貫通する孔を備えており、内面が金属メッキによりコーティングされている。補強用凸部13もまた、基板の貫通孔に嵌め込まれた際に接触する面が金属メッキによりコーティングされている。この構成により、補強用凸部13と基板1,2との間で十分な接着力を持つ半田付けを実現することができる。
【0038】
例えば、三次元基板間接続部品3をメイン基板1に接続する際には、メイン基板1の二つの貫通孔に両端部分の補強用凸部13それぞれを嵌め込み、メイン基板1の基板電極4と部品電極部12の電極との位置合わせを行って半田付け部6による半田付けが実行される。同時または順序を付けてメイン基板1の貫通孔で補強用凸部13と金属メッキ間を半田付け部8により半田付けする。次いで、三次元基板間接続部品3は同様の手順でサブ基板2を半田付けにより電気的に接続すると共に固着する。
【0039】
メイン基板1及びサブ基板2それぞれと二つの補強用凸部13との固定は半田付け面積が広いので、基板電極4,5と部品電極部12とによる単独の固定より強力である。すなわち、メイン基板1とサブ基板2とが基板間接続部品3により強力に結合されている。従って、図3に示されるような応力Sがメイン基板1にかけられたとしても、基板間接続部品3の固定接続部14とサブ基板2とでメイン基板1の撓みを抑止できる。また、メイン基板1に撓みが生じた場合には、補強用凸部13の接続固定力によりサブ基板2にもその応力を伝えるので、メイン基板1の撓みはサブ基板2にも伝わり、サブ基板2も同量の撓みを生じるので、基板電極4,5と部品電極部12との半田付け部にかかる応力は微量である。従って、半田付け部にクラックが生じることはない。
【0040】
上記説明では、柱状絶縁体の断面を長方形とする四角柱としているが、上下の基板電極に対応する部品電極部を形成できるものであれば、その断面形状は楕円形、円形、または多角形の何れでもよい。また、導電体接続端子となる部品電極部は「コ」字形状有して、同一平面で対峙させ、柱状絶縁体の上下面の電極を側面で接続しているが、同一面で対峙させる必要はなく、上下面及び二つの側面それぞれで平行に配置されていればよい。従って、「コ」字形状の各面導電配線は交差または接触がない線状であればよく、直線に限定されることはない。
【0041】
また、補強用凸部は円柱を図示しているが、円柱に限定されることはない。しかし、これは、基板の貫通孔の形状に一致する柱状または筒状であることが望ましい。また、上下両面に位置する補強用凸部を導電体で接続し、一つの導電体接続端子を形成することができる。これにより、更に、導電体接続端子数を増加させることができる。また、その先端部は、基板貫通孔への嵌め込みと嵌め込み後の開口部からの半田付けとの便宜を配慮し、例えば半球状のような丸みを有することが望ましい。
【0042】
このような構造形態を採用したので、導電体接続端子を高密度に配備できると共に、この両端の固定接続部で固定することによって導電体接続端子の位置決めが正確に容易に可能となり、かつ、この両端の固定接続部で固定することによって、基板変形による撓みによって生じる部品電極部に加わる応力を緩和でき、部品電極部での半田付け部における半田のクラックを防止することができる。
【実施例2】
【0043】
本発明の実施例2について図5から図7までを併せ参照して説明する。
【0044】
図5は、本発明の実施例2による三次元基板間接続部品23を実装した装置正面の実施の一形態を示した説明図である。
【0045】
図6は、実施例2による三次元基板間接続部品23の外観を斜視により実施の一形態に示した説明図である。
【0046】
図7は、図6の端部34を図5における正面図で拡大して示す説明図である。
【0047】
図示される実施例2が上記実施例1と相違する点は、柱状絶縁体31が、複数の部品電極部32を備える中央部のみに細めの太さを有する円柱状絶縁体の中央軸部33を形成していること、及び、その両端部34が柱状絶縁体31の端部と両端一組の部品電極部32により形成されていることである。中央軸部33は、細めの太さを有する円柱状絶縁体であるため、その柔軟性が大きい。
【0048】
また、図5及び図7に示されるように、メイン基板21とサブ基板22とのそれぞれは、上記実施例1と同様に、基板間接続部品23の部品電極部32と半田付けされ、半田付け部26,27により基板電極24,25それぞれと電気的に接続され固着されている。すなわち、メイン基板21とサブ基板22とは、基板間接続部品23の複数の部品電極部32を介して、半田付け部26,27により固定されている。
【0049】
従って、基板間接続部品23は、例えば接続するメイン基板21に撓みが生じても、その撓みに応じて撓み、その撓みを全ての半田付け部26,27で分担してサブ基板22に伝達している。すなわち、メイン基板1の変形に、柔軟性を有する中央軸部33のモールドが追従することにより、部品電極部32の半田付け部に発生する応力を緩和している。
【0050】
実施例2が上記実施例1と同様に、両端部34を固定接続部とすることもできる。例えば、固定接続部として、最両端の部品電極部位置でのみ、より大きな接触面積を有する形状及び構造として金属メッキを基板側と共に施行することにより、基板間接続部品における両端接続部の固定接続力を上げることができる。
【0051】
上記説明では、円柱状絶縁体の中央軸部を、断面を円形とする細め円柱としているが、その断面形状は楕円形、菱形、平板形など、基板の撓み方向、すなわち基板面に垂直方向に撓むことの可能な柔軟性を有する材質と形状であれば何れでもよく、上記説明に限定されるものではない。
【0052】
また、部品電極部は、上下の基板電極に対応し、かつ円柱状絶縁体の中央軸部に密着して形成できる導電体接続端子であれば、図示されるような成型物でも、表面配線でもよく、その形状は上記説明で限定されるものではない。部品電極部は中央軸部に接する中央部分が凹部状に深く欠けた形状の「コ」字形状を有して同一平面で対向し、柱状絶縁体の上下面の電極を側面で接続しているが、同一面で対向させる必要はなく、また、二つの側面それぞれで平行に並び配置されていればよい。従って、上述したように「コ」字形状の側面配線は直線に限定されることはない。
【0053】
このような構造形態を採用したので、導電体接続端子を高密度に配備できると共に、基板変形による撓みを、中央軸部の柔軟性で吸収することによって、部品電極部に加わる応力を緩和でき、部品電極部での半田クラックを防止することができる。
【実施例3】
【0054】
本発明の実施例3について図8を参照して説明する。
【0055】
図8は、本発明の実施例3による三次元基板間接続部品の外観を斜視により実施の一形態に示した説明図である。
【0056】
図示される実施例3が、上記実施例1と相違する点は、柱状絶縁体41がガラスエポキシ基板を用いており、柱状絶縁体41の両端で形成される補強用凸部42が、ピン形状をなし、長方形の断面を有する柱状絶縁体41に圧入により、上下の両面に成型されていること、及び部品電極部位置には部品電極部の代わり貫通するスルーホール43が配備されていることである。
【0057】
スルーホール43は、所望のピッチで配置され、その内面に金属メッキによる配線を備えること、または内部を導体で埋め込むことにより、導電体接続端子として上下の両側で基板を接続することができる。接続の際には、基板の電極パッドと半田付けされる。
【0058】
上記説明では、スルーホールが二列構成であるが、更に多数列による構成であってもよい。また、補強用凸部は円柱形状を図示しているが、円柱形状に限定されることはない。しかし、これは、基板の貫通孔の形状に一致する柱状または筒状であることが望ましい。また、上下両面に位置する補強用凸部を導電体で接続し、一つの導電体接続端子を形成することにより、更に、導電体接続端子数を増加させることができる。
【0059】
このような構造形態を採用したので、導電体接続端子を高密度に配備できると共に、この両端の固定接続部で固定することによって、導電体接続端子の位置決めが正確に容易に可能となり、かつ、基板変形による撓みによって生じる部品電極部に加わる応力を緩和でき、部品電極部での半田クラックを防止することができる。
【0060】
[その他の実施例]
例えば、上記実施例1と実施例2との組合せがある。
【0061】
すなわち、実施例1において、柱状絶縁体が固定接続部のみ直方体で、部品電極部の配列される中央軸部は、上下方向の厚さを薄くして基板の面と平行面をなして上下方向に柔軟性をもたせ、基板の撓みに沿って撓むという撓み吸収構造を実現することができる。
【0062】
また、例えば、実施例2において、柱状絶縁体の両端部に幅をもたせ、固定接続部として補強用凸部を備えること、または、両端で半田付け面積を拡大した部品電極部を備えることができる。すなわち、固定接続構造として、上下基板を接続した際に、これら上下基板それぞれに半田付けされる金属メッキ面積が部品電極部の基板に対する半田付け面積より大きくすればよい。この結果、基板の撓みにより二つの基板の端辺で両者が引き離されるような状態が発生した場合でも、基板間接続部品の端部近辺における半田付け部の強力な接着力により半田付け部のクラックを防止することができる。
【0063】
また、柱状絶縁体に、実施例1,2では樹脂モールド、実施例3ではガラスエポキシ基板が用いられるとしているが、成型性、絶縁性、柔軟性などで適切であれば、何れの材質でもよい。更に、柱状絶縁体は、全体または中央軸部で、断面が長方形または円形と説明されたが、上下方向を側面方向と比較してより薄くした長方形もしくは楕円形を有し、前記上下基板の撓みを吸収可能とする柔軟性を有する形状が採用できる。
【0064】
また、補強用凸部は、前記柱状絶縁体と金型による一体化成型、または前記柱状絶縁体への圧入成型の何れを採用してもよい。また、補強用凸部は、前記上下基板を接続した際に当該上下基板それぞれと半田付けするため、外面が金属メッキされていること、断面が円形、楕円形、多角形、またはピン状を有する柱状体とすることができる。
【0065】
部品電極部は、前記中央軸部の一方の側面に沿って上面及び下面で上下基板の電極部と接続する電極部に接続する形状を有し、それぞれが中央軸部で軸方向に平行をなすこと、中央軸部の一方の側面に沿った印刷配線もしくは導線配線により形成され、または側面形状に沿って欠けた「コ」字形導電体接続端子により構成することができる。
【0066】
このように、上述した説明の組合せで上記機能を実現できるものがあり、上記説明が本発明を限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0067】
柱状絶縁体で、二つの基板に挟まれその基板間を電気的に接続する導電体接続端子を中央軸部に並列に配備し、それらの基板を固定する固定接続部を両端部分に設け、更に中央軸部に基板の撓みを吸収できる柔軟性を有する形状及び材質を備えるという構造を用いることによって、導電体接続端子の配置密度の高い、かつ、基板が撓むような衝撃を容易に吸収できることが必要な、重ねられる複数基板間の接続用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明による二つの三次元基板間接続部品を平行させて実装した装置正面の実施の一形態を示した説明図である。(実施例1)
【図2】図1における一つの三次元基板間接続部品の外観を斜視により実施の一形態に示した説明図である。(実施例1)
【図3】図1の実装された装置において三次元基板間接続部品の軸方向における縦断面を示す説明図である。(実施例1)
【図4】図3の固定接続部近辺を詳細に示す説明図である。(実施例1)
【図5】本発明による二つの三次元基板間接続部品を平行させて実装した装置正面の実施の一形態を示した説明図である。(実施例2)
【図6】図5における一つの三次元基板間接続部品の外観を斜視により実施の一形態に示した説明図である。(実施例2)
【図7】図5における実装された一つの三次元基板間接続部品およびその周辺の正面を示す説明図である。(実施例2)
【図8】本発明による一つの三次元基板間接続部品の外観を斜視により実施の一形態に示した説明図である。(実施例3)
【図9】従来における二つの三次元基板間接続部品を実装した装置正面の一例を示した説明図である。
【図10】図9における一つの三次元基板間接続部品の外観を斜視により一例に示した説明図である。
【図11】実施例1に適用する三次元基板間接続部品の中央軸部外観を、斜視による一例として示した説明図である。
【図12】図11における三次元基板間接続部品を装置に形成した際のその周辺を含んだ正面を示す説明図である。
【符号の説明】
【0069】
1、21 メイン基板
2、22 サブ基板
3、23 基板間接続部品
4、5、24、25 基板電極
6、7、8、26、27 半田付け部
11、31、41 柱状絶縁体
12、32 部品電極部
13、42 補強用凸部
14 固定接続部
33 中央軸部
34 端部
43 スルーホール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面、下面、及び両側面を有する柱状絶縁体を主体とし、二つの基板間に挿入して前記上面、下面を当該基板それぞれの電極部と半田付けにより接続し固定する三次元基板間接続部品において、その長さ方向の両端部分を固定接続部、かつその中間部分を中央軸部とし、前記中央軸部には前記柱状絶縁体の上下面それぞれに位置する基板の電極部を電気的に接続する導電体接続端子として部品電極部を備え、かつ前記固定接続部には前記基板の電極部との接続を固定する固定接続構造を有することを特徴とする三次元基板間接続部品。
【請求項2】
請求項1に記載の三次元基板間接続部品において、前記固定接続部は、前記固定接続構造として、前記上下面の基板を接続する際に当該基板それぞれが有する貫通孔に嵌め込まれる、補強用凸部を有することを特徴とする三次元基板間接続部品。
【請求項3】
請求項2に記載の三次元基板間接続部品において、前記補強用凸部は、前記柱状絶縁体と金型による一体化成型、または前記柱状絶縁体への圧入成型により形成されることを特徴とする三次元基板間接続部品。
【請求項4】
請求項2に記載の三次元基板間接続部品において、前記補強用凸部は、断面が円形、楕円形、多角形、またはピン状を有する柱状体であることを特徴とする三次元基板間接続部品。
【請求項5】
請求項2に記載の三次元基板間接続部品において、前記補強用凸部は、前記基板を接続する際に当該基板と半田付けするため、外面が金属メッキされていることを特徴とする三次元基板間接続部品。
【請求項6】
請求項2に記載の三次元基板間接続部品において、前記補強用凸部は、その先端形状が半球状のように丸みを有することを特徴とする三次元基板間接続部品。
【請求項7】
請求項2に記載の三次元基板間接続部品において、前記補強用凸部は、その先端形状が半球状のように丸みを有し、かつ前記基板を接続する際に当該基板半田付けするためにその外面が金属メッキされていることを特徴とする三次元基板間接続部品。
【請求項8】
請求項1に記載の三次元基板間接続部品において、前記固定接続部は、前記固定接続構造として、前記基板を接続する際に、当該基板に半田付けされる金属メッキ面積が前記部品電極部の基板に対する半田付け面積より大きいことを特徴とする三次元基板間接続部品。
【請求項9】
請求項1から請求項8までのうちの一つに記載の三次元基板間接続部品において、前記柱状絶縁体は、少なくとも前記中央軸部で、断面が細身の円形、または上下方向を側面方向と比較してより薄くした長方形もしくは楕円形を有し、前記上下基板の撓みを吸収可能とする柔軟性を有する部材で構成されることを特徴とする三次元基板間接続部品。
【請求項10】
請求項1から請求項9までのうちの一つに記載の三次元基板間接続部品において、前記部品電極部は、前記中央軸部の一方の側面に沿って上面及び下面それぞれで基板の電極部と接続する電極部形状を有し、それぞれが前記中央軸部で軸方向に平行をなして配備されることを特徴とする三次元基板間接続部品。
【請求項11】
請求項10に記載の三次元基板間接続部品において、前記部品電極部は、前記中央軸部の一方の側面に沿った印刷配線もしくは導電線配線により形成され、または側面形状に沿って欠けた「コ」字形導電体接続端子により構成されることを特徴とする三次元基板間接続部品。
【請求項12】
請求項1から請求項8までのうちの一つに記載の三次元基板間接続部品において、前記部品電極部は、前記中央軸部の上下方向に平行に並び、その内部で上下を導電体で接続し、その上下面で前記基板に接続する複数のスルーホールを有することを特徴とする三次元基板間接続部品。
【請求項13】
上面、下面、及び両側面を有する柱状絶縁体を主体とし、二つの基板間に挿入して前記上面、下面を当該基板それぞれの電極部と半田付けにより接続し固定する三次元基板間接続部品において、その長さ方向の両端部分を固定接続部、かつその中間部分を中央軸部とし、前記中央軸部には前記柱状絶縁体の上下面それぞれに位置する基板の電極部を電気的に接続する導電体接続端子として部品電極部を備え、かつ、前記柱状絶縁体は、少なくとも前記中央軸部で、断面が細身の円形、または上下方向を側面方向と比較してより薄くした長方形もしくは楕円形を有し、前記上下基板の撓みを吸収可能とする柔軟性を有する部材で構成されることを特徴とする三次元基板間接続部品。
【請求項14】
請求項2から請求項7までのうちの一つに記載の三次元基板間接続部品を第1及び第2の基板に挟み形成される三次元基板間接続部品の実装構造において、前記第1及び第2の基板それぞれが前記三次元基板間接続部品と接続される際に前記補強用凸部を嵌め込み固定するための貫通孔を備え、前記三次元基板間接続部品の上下面のいずれか一方の面に前記第1の基板の電極部を前記部品電極部と接続する際に前記補強用凸部と前記貫通孔とが嵌め込み固定され、かつ、前記三次元基板間接続部品の上下面の他方の面に前記第2の基板の電極部を前記部品電極部と接続する際に前記補強用凸部と前記貫通孔とが嵌め込み固定される構造を有することを特徴とする三次元基板間接続部品の実装構造。
【請求項15】
請求項5または請求項7に記載の三次元基板間接続部品を第1及び第2の基板に挟み形成される三次元基板間接続部品の実装構造において、前記第1及び第2の基板それぞれが前記三次元基板間接続部品と接続される際に前記補強用凸部を嵌め込み半田付けするための貫通孔を備え、前記三次元基板間接続部品の上下面のいずれか一方の面に前記第1の基板の電極部を前記部品電極部と半田付けする際に、嵌め込まれた前記補強用凸部と前記貫通孔とが半田付け固定され、かつ、前記三次元基板間接続部品の上下面の他方の面に前記第2の基板の電極部を前記部品電極部と半田付けする際に、嵌め込まれた前記補強用凸部と前記貫通孔とが半田付け固定される構造を有することを特徴とする三次元基板間接続部品の実装構造。
【請求項1】
上面、下面、及び両側面を有する柱状絶縁体を主体とし、二つの基板間に挿入して前記上面、下面を当該基板それぞれの電極部と半田付けにより接続し固定する三次元基板間接続部品において、その長さ方向の両端部分を固定接続部、かつその中間部分を中央軸部とし、前記中央軸部には前記柱状絶縁体の上下面それぞれに位置する基板の電極部を電気的に接続する導電体接続端子として部品電極部を備え、かつ前記固定接続部には前記基板の電極部との接続を固定する固定接続構造を有することを特徴とする三次元基板間接続部品。
【請求項2】
請求項1に記載の三次元基板間接続部品において、前記固定接続部は、前記固定接続構造として、前記上下面の基板を接続する際に当該基板それぞれが有する貫通孔に嵌め込まれる、補強用凸部を有することを特徴とする三次元基板間接続部品。
【請求項3】
請求項2に記載の三次元基板間接続部品において、前記補強用凸部は、前記柱状絶縁体と金型による一体化成型、または前記柱状絶縁体への圧入成型により形成されることを特徴とする三次元基板間接続部品。
【請求項4】
請求項2に記載の三次元基板間接続部品において、前記補強用凸部は、断面が円形、楕円形、多角形、またはピン状を有する柱状体であることを特徴とする三次元基板間接続部品。
【請求項5】
請求項2に記載の三次元基板間接続部品において、前記補強用凸部は、前記基板を接続する際に当該基板と半田付けするため、外面が金属メッキされていることを特徴とする三次元基板間接続部品。
【請求項6】
請求項2に記載の三次元基板間接続部品において、前記補強用凸部は、その先端形状が半球状のように丸みを有することを特徴とする三次元基板間接続部品。
【請求項7】
請求項2に記載の三次元基板間接続部品において、前記補強用凸部は、その先端形状が半球状のように丸みを有し、かつ前記基板を接続する際に当該基板半田付けするためにその外面が金属メッキされていることを特徴とする三次元基板間接続部品。
【請求項8】
請求項1に記載の三次元基板間接続部品において、前記固定接続部は、前記固定接続構造として、前記基板を接続する際に、当該基板に半田付けされる金属メッキ面積が前記部品電極部の基板に対する半田付け面積より大きいことを特徴とする三次元基板間接続部品。
【請求項9】
請求項1から請求項8までのうちの一つに記載の三次元基板間接続部品において、前記柱状絶縁体は、少なくとも前記中央軸部で、断面が細身の円形、または上下方向を側面方向と比較してより薄くした長方形もしくは楕円形を有し、前記上下基板の撓みを吸収可能とする柔軟性を有する部材で構成されることを特徴とする三次元基板間接続部品。
【請求項10】
請求項1から請求項9までのうちの一つに記載の三次元基板間接続部品において、前記部品電極部は、前記中央軸部の一方の側面に沿って上面及び下面それぞれで基板の電極部と接続する電極部形状を有し、それぞれが前記中央軸部で軸方向に平行をなして配備されることを特徴とする三次元基板間接続部品。
【請求項11】
請求項10に記載の三次元基板間接続部品において、前記部品電極部は、前記中央軸部の一方の側面に沿った印刷配線もしくは導電線配線により形成され、または側面形状に沿って欠けた「コ」字形導電体接続端子により構成されることを特徴とする三次元基板間接続部品。
【請求項12】
請求項1から請求項8までのうちの一つに記載の三次元基板間接続部品において、前記部品電極部は、前記中央軸部の上下方向に平行に並び、その内部で上下を導電体で接続し、その上下面で前記基板に接続する複数のスルーホールを有することを特徴とする三次元基板間接続部品。
【請求項13】
上面、下面、及び両側面を有する柱状絶縁体を主体とし、二つの基板間に挿入して前記上面、下面を当該基板それぞれの電極部と半田付けにより接続し固定する三次元基板間接続部品において、その長さ方向の両端部分を固定接続部、かつその中間部分を中央軸部とし、前記中央軸部には前記柱状絶縁体の上下面それぞれに位置する基板の電極部を電気的に接続する導電体接続端子として部品電極部を備え、かつ、前記柱状絶縁体は、少なくとも前記中央軸部で、断面が細身の円形、または上下方向を側面方向と比較してより薄くした長方形もしくは楕円形を有し、前記上下基板の撓みを吸収可能とする柔軟性を有する部材で構成されることを特徴とする三次元基板間接続部品。
【請求項14】
請求項2から請求項7までのうちの一つに記載の三次元基板間接続部品を第1及び第2の基板に挟み形成される三次元基板間接続部品の実装構造において、前記第1及び第2の基板それぞれが前記三次元基板間接続部品と接続される際に前記補強用凸部を嵌め込み固定するための貫通孔を備え、前記三次元基板間接続部品の上下面のいずれか一方の面に前記第1の基板の電極部を前記部品電極部と接続する際に前記補強用凸部と前記貫通孔とが嵌め込み固定され、かつ、前記三次元基板間接続部品の上下面の他方の面に前記第2の基板の電極部を前記部品電極部と接続する際に前記補強用凸部と前記貫通孔とが嵌め込み固定される構造を有することを特徴とする三次元基板間接続部品の実装構造。
【請求項15】
請求項5または請求項7に記載の三次元基板間接続部品を第1及び第2の基板に挟み形成される三次元基板間接続部品の実装構造において、前記第1及び第2の基板それぞれが前記三次元基板間接続部品と接続される際に前記補強用凸部を嵌め込み半田付けするための貫通孔を備え、前記三次元基板間接続部品の上下面のいずれか一方の面に前記第1の基板の電極部を前記部品電極部と半田付けする際に、嵌め込まれた前記補強用凸部と前記貫通孔とが半田付け固定され、かつ、前記三次元基板間接続部品の上下面の他方の面に前記第2の基板の電極部を前記部品電極部と半田付けする際に、嵌め込まれた前記補強用凸部と前記貫通孔とが半田付け固定される構造を有することを特徴とする三次元基板間接続部品の実装構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−108367(P2006−108367A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−292667(P2004−292667)
【出願日】平成16年10月5日(2004.10.5)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【出願人】(000175504)三共化成株式会社 (28)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月5日(2004.10.5)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【出願人】(000175504)三共化成株式会社 (28)
【Fターム(参考)】
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