説明

へテロアリール化合物およびその使用

本発明は、化合物、その薬学的に許容される組成物およびそれらを使用する方法を提供する。本発明の化合物およびその薬学的に許容される組成物は、プロテインキナーゼ媒介性事象によって誘発される異常な細胞応答と関連する、種々の疾患、障害または状態を治療するのに有用である。このような疾患、障害または状態は、本明細書に記載されるものを含む。本発明によって提供される化合物はまた、生物学的および病理学的現象におけるキナーゼの研究、このようなキナーゼによって媒介される細胞内シグナル伝達経路の研究および新規キナーゼ阻害剤の比較評価にとって有用である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下からなる群から選択される化合物またはその薬学的に許容される塩:
【化181】

【化182】


【請求項2】
請求項1に記載の化合物と、薬学的に許容されるアジュバント、担体またはビヒクルとを含む組成物。
【請求項3】
さらなる治療薬と組み合わせた、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記さらなる治療薬が化学療法薬である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
患者において、または生体サンプルにおいて、ErbB1、ErbB2、ErbB3もしくはErbB4またはそれらの変異体のうち1種または複数の活性を阻害する方法であって、前記患者に請求項1に記載の化合物を投与するステップまたは前記生体サンプルを請求項1に記載の化合物と接触させるステップを含む方法。
【請求項6】
前記ErbB1、ErbB2もしくはErbB4またはそれらの変異体のうち1種または複数の活性が、不可逆的に阻害される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ErbB1のCys797、ErbB2のCys805またはErbB4のCys803を共有結合によって修飾することによって、前記ErbB1、ErbB2もしくはErbB4またはそれらの変異体のうち1種または複数の活性が、不可逆的に阻害される、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
ErbB1媒介性、ErbB2媒介性、ErbB3媒介性またはErbB4媒介性障害を、治療を必要とする患者において治療する方法であって、前記患者に請求項1に記載の化合物を投与するステップを含む方法。
【請求項9】
前記障害が、乳がん、膠芽腫、肺がん、頭頸部のがん、結腸直腸がん、膀胱がん、非小細胞肺がん、扁平上皮癌、唾液腺癌、卵巣癌または膵臓がんから選択される癌腫である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記障害が、神経線維腫症I型(NF1)シュワン細胞新生物、神経線維腫症II型(NF2)シュワン細胞新生物(例えば、MPNSTの)またはシュワン腫から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
患者において、または生体サンプルにおいて、1種または複数のTEC−キナーゼまたはその変異体の活性を阻害する方法であって、前記患者に請求項1に記載の化合物を投与するステップまたは前記生体サンプルを請求項1に記載の化合物と接触させるステップを含む方法。
【請求項12】
前記TEC−キナーゼまたはその変異体の活性が、不可逆的に阻害される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記TEC−キナーゼが、TEC、ITKまたはBMXのうち1種または複数から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
TECのCys449、ITKのCys442またはBMXのCys496を共有結合によって修飾することによって、前記TEC、ITKまたはBMXの活性のうち1種または複数が、不可逆的に阻害される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
TEC−キナーゼ媒介性障害を、治療を必要とする患者において治療する方法であって、前記患者に請求項1に記載の化合物を投与するステップを含む方法。
【請求項16】
前記障害が、自己免疫障害、炎症性障害、増殖性障害、過剰増殖性疾患、免疫学的に媒介される疾患、気道の疾患、骨および関節の疾患、皮膚障害、胃腸障害、全身疾患または同種移植片拒絶である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
患者において、または生体サンプルにおいて、BTKまたはその変異体の活性を阻害する方法であって、前記患者に請求項1に記載の化合物を投与するステップまたは前記生体サンプルを請求項1に記載の化合物と接触させるステップを含む方法。
【請求項18】
前記BTKまたはその変異体の活性が、不可逆的に阻害される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
BTKのCys481を共有結合によって修飾することによって、前記BTKまたはその変異体の活性が、不可逆的に阻害される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
BTK媒介性障害を、治療を必要とする患者において治療する方法であって、前記患者に請求項1に記載の化合物を投与するステップを含む方法。
【請求項21】
前記障害が、自己免疫疾患、異種免疫疾患、炎症性疾患、がん、骨および関節の疾患または血栓塞栓性障害である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記障害が、関節リウマチ、多発性硬化症、B細胞慢性リンパ性白血病、急性リンパ性白血病、ヘアリー細胞白血病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、骨がん、骨転移、骨粗しょう症、過敏性腸症候群、クローン病、狼瘡または腎移植と関連する障害から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
患者において、または生体サンプルにおいて、JAK3またはその変異体の活性を阻害する方法であって、前記患者に請求項1に記載の化合物を投与するステップまたは前記生体サンプルを請求項1に記載の化合物と接触させるステップを含む方法。
【請求項24】
前記JAK3またはその変異体の活性が、不可逆的に阻害される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
JAK3のCys909を共有結合によって修飾することによって、前記JAK3またはその変異体の活性が、不可逆的に阻害される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
JAK3媒介性障害を、治療を必要とする患者において治療する方法であって、前記患者に請求項1に記載の化合物を投与するステップを含む方法。
【請求項27】
前記障害が、自己免疫障害、炎症性障害、神経変性障害、固形悪性腫瘍または血液系悪性腫瘍から選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
式V:
【化183】

[式中、
環Aは、フェニル、8〜10員の二環式部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール環または窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されていてもよい基であり;
環Bは、フェニルであるか、N、OもしくはSから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員のヘテロアリール環、N、OもしくはSから独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和複素環式環またはN、OもしくはSから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、8〜10員の二環式部分不飽和もしくはアリール環であり;
1’は、二価の弾頭基であり;
は、水素、ハロゲン、CN、低級アルキルまたは低級ハロアルキルであり;
Wは、Wの1つのメチレン単位が、−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)SO−、−SON(R)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−または−SO−によって場合により置き換えられていてもよい、二価のC1〜3アルキレン鎖であり;
は、水素もしくは場合により置換されていてもよいC1〜6脂肪族であるか、または
および環A上の置換基は、その間にある原子と一緒になって、4〜6員の飽和環を形成するか、または
およびRは、その間にある原子と一緒になって、4〜7員の炭素環式環を形成し;
mは、0〜4であり;
各Rは、−R、ハロゲン、−OR、−CN、−NO、−SOR、−SOR、−C(O)R、−COR、−C(O)N(R)、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRSORもしくは−N(R)から独立に選択されるか;または
およびRは、その間にある原子と一緒になって、窒素、酸素または硫黄から独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、5〜7員の飽和、部分不飽和またはアリール環を形成し、ここで、前記環は、弾頭基、およびオキソ、ハロゲン、CNまたはC1〜6脂肪族から独立に選択される0〜3個の基で置換されており;
各R基は独立に、水素であるか、またはC1〜6脂肪族、フェニル、窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する4〜7員の複素環式環または窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されていてもよい基であり、
Tは、二価のテザー部分であり;
は、検出可能な部分である]
で示される化合物。
【請求項29】
式VIまたはVII:
【化184】

[式中、
環Aは、フェニル、8〜10員の二環式部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール環または窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されていてもよい基であり;
環Bは、フェニルであるか、N、OもしくはSから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員のヘテロアリール環、N、OもしくはSから独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和複素環式環またはN、OもしくはSから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、8〜10員の二環式部分不飽和もしくはアリール環であり;
は、弾頭基であり;
は、水素、ハロゲン、CN、低級アルキルまたは低級ハロアルキルであり;
Wは、Wの1つのメチレン単位が、−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)SO−、−SON(R)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−または−SO−によって場合により置き換えられていてもよい、二価のC1〜3アルキレン鎖であり;
は、水素もしくは場合により置換されていてもよいC1〜6脂肪族であるか、または
および環A上の置換基は、その間にある原子と一緒になって、4〜6員の飽和環を形成するか、または
およびRは、その間にある原子と一緒になって、4〜7員の炭素環式環を形成し;
mは、0〜4であり;
各Rは、−R、ハロゲン、−OR、−CN、−NO、−SOR、−SOR、−C(O)R、−COR、−C(O)N(R)、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRSORもしくは−N(R)から独立に選択されるか;または
およびRは、その間にある原子と一緒になって、窒素、酸素または硫黄から独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、5〜7員の飽和、部分不飽和またはアリール環を形成し、ここで、前記環は、弾頭基およびオキソ、ハロゲン、CNまたはC1〜6脂肪族から独立に選択される0〜3個の基で置換されており;
各R基は独立に、水素であるか、またはC1〜6脂肪族、フェニル、窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する4〜7員の複素環式環または窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されていてもよい基であり、
Tは、二価のテザー部分であり;
は、検出可能な部分である]
で示される化合物。
【請求項30】
Tが以下:
【化185】

から選択される、請求項28または29に記載の化合物。
【請求項31】
がビオチンである、請求項28または29に記載の化合物。
【請求項32】
が、ビオチンスルホキシドである、請求項28または29に記載の化合物。
【請求項33】
が放射性同位元素である、請求項28または29に記載の化合物。
【請求項34】
が蛍光標識である、請求項28または29に記載の化合物。
【請求項35】
以下の構造:
【化186】

のうち1種を有する、請求項28に記載の化合物。
【請求項36】
(a)式I:
【化187】

[式中、
環Aは、フェニル、8〜10員の二環式部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール環または窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されていてもよい基であり;
環Bは、フェニルであるか、N、OもしくはSから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員のヘテロアリール環、N、OもしくはSから独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和複素環式環またはN、OもしくはSから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、8〜10員の二環式部分不飽和もしくはアリール環であり;
は、弾頭基であり;
は、水素、ハロゲン、CN、低級アルキルまたは低級ハロアルキルであり;
Wは、Wの1つのメチレン単位が、−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)SO−、−SON(R)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−または−SO−によって場合により置き換えられていてもよい、二価のC1〜3アルキレン鎖であり;
は、水素もしくは場合により置換されていてもよいC1〜6脂肪族であるか、または
および環A上の置換基は、その間にある原子と一緒になって、4〜6員の飽和環を形成するか、または
およびRは、その間にある原子と一緒になって、4〜7員の炭素環式環を形成し;
mは、0〜4であり;
各Rは、−R、ハロゲン、−OR、−CN、−NO、−SOR、−SOR、−C(O)R、−COR、−C(O)N(R)、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRSORもしくは−N(R)から独立に選択されるか;または
およびRは、その間にある原子と一緒になって、窒素、酸素または硫黄から独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、5〜7員の飽和、部分不飽和またはアリール環を形成し、ここで、前記環は、弾頭基およびオキソ、ハロゲン、CNまたはC1〜6脂肪族から独立に選択される0〜3個の基で置換されており;
各R基は独立に、水素であるか、またはC1〜6脂肪族、フェニル、窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する4〜7員の複素環式環または窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されていてもよい基である]
で示される化合物またはその薬学的に許容される塩の少なくとも1用量を投与された患者から得た、1種または複数の組織、細胞種またはその溶解物を提供するステップと、
(b)前記の組織、細胞種またはその溶解物を、検出可能な部分にテザーされた、式Iの化合物と接触させて、プローブ化合物を形成し、前記の組織、細胞種またはその溶解物中に存在する少なくとも1種のプロテインキナーゼを共有結合によって修飾するステップと、
(c)前記プローブ化合物によって共有結合によって修飾された前記プロテインキナーゼの量を測定して、前記の式Iの化合物による前記プロテインキナーゼの占有率を、前記プローブ化合物による前記プロテインキナーゼの占有率と比較して決定するステップと
を含む方法。
【請求項37】
前記プロテインキナーゼの占有率を高めるために、前記式Iの化合物の前記用量を調整するステップをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記プロテインキナーゼの占有率を低下させるために、前記式Iの化合物の前記用量を調整するステップをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記測定するステップが、以下:フローサイトメトリー、ウエスタンブロットまたはELISAのうち1種によって実施される、請求項36に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2012−524123(P2012−524123A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507302(P2012−507302)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/031714
【国際公開番号】WO2010/123870
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(509333597)アビラ セラピューティクス, インコーポレイテッド (11)
【Fターム(参考)】