説明

アッパーマウント及びそれを用いたショックアブソーバ

【課題】小型化可能であって全体として高い強度を有し、かつ、良好な整備性を有するアッパーマウントを提供する。
【解決手段】アッパーマウント10は、取付プレート30と、ロワプレート50と、ピロボール95を保持し、取付プレート30とロワプレート50とで挟まれるスライドプレート70と、ロワプレート50を取付プレート30に固定する調整ボルト91とを備えている。調整ボルト91は、取付プレート30のボルト孔35及びスライドプレート70の長穴73を貫通し、ロワプレート50に螺結される。調整ボルト91を締緩して取付プレート30に対するスライドプレート70の位置を調整することができる。調整ボルト91の座面が確保されており、アッパーマウント10は全体として高い強度を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、アッパーマウント及びそれを用いたショックアブソーバに関し、特に、自動車などの車両において車輪の懸架装置に用いられるショックアブソーバをその取付位置を調整可能にして車体に取り付けるためのアッパーマウント及びそれを用いたショックアブソーバに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車などの車両において、ショックアブソーバの車体に対する取付位置を調整可能にしたアッパーマウントが用いられることがある。アッパーマウントは、車輪の懸架装置に用いられるショックアブソーバを車体に取り付けるために用いられる。ショックアブソーバの車体に対する取付位置を調整して所望のサスペンションジオメトリを得ることにより、ホイールアライメントなどを調整することができる。
【0003】
特許文献1には、スフェリカルベアリングを取り付けたアッパーマウントユニット(保持部)を、車体に取り付けられるセットプレートに固定して構成されたアッパーマウントが開示されている。アッパーマウントユニットは、セットプレートの下面に固定されている。セットプレートには、長孔が形成されている。アッパーマウントユニットは、セットプレートの上方から長孔を貫通するように配されたアジャストボルトによりセットプレートに螺結されている。このアッパーマウントでは、アジャストボルトが長孔を貫通可能な範囲で、セットプレートに対するアッパーマウントユニットの長孔の長手方向の位置を調整し、キャンバ調整を行うことができる。
【0004】
また、特許文献2には、ストラットの上端を保持するブッシュに設けられたフランジを、シャシ部材とシャシ部材に貫通するスタッドが設けられた締め板とで挟んで固定する構造を有する懸架装置の支持装置が開示されている。この支持装置のフランジには、締め板のスタッドが貫通しそのスタッドの直径より大きい開口部が形成されている。締め板とシャシ部材とを締め込むナットをスタッドに緩く螺合させた状態で、スタッドが開口部を貫通可能な範囲で、シャシ部材に対してフランジを変位させることができる。したがって、この支持構造では、キャスタの調整とキャンバの調整とを行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−58933号公報
【特許文献2】特表平6−508583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、例えば上記特許文献1に記載されているように、セットプレートに長孔を形成してサスペンションジオメトリを変更可能とした構造では、種々の問題が生じることがある。
【0007】
例えば、ショックアブソーバを保持する保持部をセットプレートに固定するためのボルトやナットなどのねじの座面は、長孔の側縁部に接するため、ねじの座面の面積は狭くなる。したがって、ねじの軸力が発生したりショックアブソーバや車体に力が加わったりすると、ねじの座面部分に応力が集中するため、アッパーマウント全体としての強度を確保することが比較的困難になる。アッパーマウント全体として十分な強度を確保するためには、例えば、ねじの径を大きくして座面を広くしたり、セットプレートなどの材質や厚みなどを変更したりする必要がある。しかしながら、この場合、アッパーマウントの重量が増加したり、アッパーマウントが大型化するという問題が生じる。
【0008】
また、例えば、保持部をセットプレートに固定するためのねじは保持部に螺結されているので、そのねじの位置は保持部の位置に応じて変位する。そのため、ショックアブソーバの取付位置の調整範囲を広くしようとすると、長孔を大きくしなければならず、セットプレートが大型化する。換言すると、車体のアッパーマウント取付部(ストラットタワーなど)の形状や周囲の部品等との関係でセットプレートのサイズが制限される場合、ショックアブソーバの取付位置の調整範囲も制限される。また、保持部をセットプレートに固定するためのねじの端部は、セットプレートの上面から突出している。アッパーマウントは、ねじがアッパーマウント取付部に干渉しないようにし、セットプレートがアッパーマウント取付部の座面に接触するようにして配置しなければならない。そのため、ショックアブソーバの取付位置の調整範囲は、ねじが車体に干渉しないような範囲に制限される。
【0009】
また、ねじの位置がアッパーマウント取付部に対して変位するので、アッパーマウントを車体に取り付けた状態で、メンテナンス穴を介してねじを締緩する場合に、ショックアブソーバの取付位置の調整範囲が制限される。すなわち、長孔が大きくても、調整範囲は、上述と同様にねじが車体に干渉しないような範囲に制限されることがある。また、調整を行うための工具が車体に干渉する場合は、アッパーマウントを車体から取り外して調整作業を行う必要があるため、メンテナンス穴を介して調整作業を行う場合に比べて、整備性に劣ることになる。したがって、容易に作業を行うための調整範囲は、さらに、ねじを締緩するための工具が車体に干渉しないような範囲に制限される。
【0010】
なお、上記構造においてホイールアライメントの調整範囲を広くするために、保持部に、1つのねじに対応するねじ孔を複数設け、ねじを差し替えて所望の調整範囲を得られるようにすることも考えられる。しかしながら、この場合、ねじを差し替える手間がかかり整備性が低くなる。
【0011】
特に、近年では、大きさが小さいメンテナンス穴を有する車両が多く製造されており、上記のようなショックアブソーバの取付位置の調整範囲に関する問題点は相当深刻なものになっている。
【0012】
また、上記のような構造においては、長孔はアッパーマウントの上方に開口するため、上方から砂塵や埃などの異物が長孔の内部に入り、長孔の内部に溜まることがある。また、ホイールアライメントの調整範囲を広く、すなわち長孔の大きさを大きくすると、長孔の一部が貫通したままの状態になる。この場合、例えば、車輪やショックアブソーバが配置されているホイールハウス内から、上方のエンジンルームやトランクルームなどに異物が侵入する可能性がある。
【0013】
なお、特許文献2の構造では、アッパーマウントを車体に取り付けるためのねじを用いてショックアブソーバの位置を固定することができるため、上記問題は生じない。しかしながら、この構造では、車体からアッパーマウントを取り外した状態で、車体に対するショックアブソーバの取付位置を調整することができないため、整備性に難がある。すなわち、ショックアブソーバの取付位置の調整は、常にアッパーマウントを車体に取り付けた状態で行う必要がある。また、一旦アッパーマウントを車体から取り外すと、再度アッパーマウントを車体に取り付ける際に、再度車体に対するショックアブソーバの取付位置を調整する必要があり、アッパーマウントの取り外し以前の取付状態を再現することが極めて困難である。
【0014】
この発明はそのような問題点を解決するためになされたものであり、小型化可能であって全体として高い強度を有し、かつ、良好な整備性を有するアッパーマウント及びそれを用いたショックアブソーバを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するためこの発明のある局面に従うと、車両において車輪の懸架装置に用いられるショックアブソーバをその取付位置を調整可能にして車体に取り付けるためのアッパーマウントは、取付手段により車体に取り付けられる取付プレートと、取付手段とは異なる固定ねじにより、取付プレートに対して固定される固定部材と、ショックアブソーバの一部を保持する保持部材を有し、取付プレートと固定部材との間に挟まれて固定される調整部材とを備え、固定ねじを締緩して、調整部材の取付プレート、固定ねじ、及び固定部材に対する取付プレートに略平行な面内方向の位置を調整可能である。
【0016】
好ましくは調整部材は、固定ねじが貫通する長孔を有し、取付プレート、固定ねじ、及び固定部材に対し、長孔の長手方向にスライド可能である。
【0017】
好ましくは取付プレート及び調整部材と、固定部材及び調整部材とのうち少なくとも一組は、取付プレートに対する調整部材の位置を規制するガイド機構を構成し、ガイド機構は、調整部材を、取付プレート、固定ねじ、及び固定部材に対し、所定の一方向にスライド可能にする。
【0018】
好ましくは固定ねじは、取付プレートに形成された孔部を貫通して固定部材に螺結されるボルトであり、固定ねじの頭部は、孔部の周囲に形成された座繰部に埋入される。
【0019】
好ましくは固定ねじは、車体のアッパーマウントの取付部に形成されたメンテナンス穴を介してユーザが締緩作業を行うことができる位置に配されている。
【0020】
好ましくは保持部材は、調整部材に形成されたケース部に、取付プレートに対して略垂直方向に挿入されており、保持部材のケース部への挿入方向とは逆側の端面の一部は、取付プレート又は固定部材により覆われており、それにより保持部材のケース部に保持されている。
【0021】
この発明の他の局面に従うと、ショックアブソーバは、上記いずれかのアッパーマウントを有し、保持部材に一部が保持されている。
【発明の効果】
【0022】
これらの発明に従うと、固定ねじを締緩して、取付プレート、固定ねじ、及び固定部材に対する調整部材の位置を調整し、ショックアブソーバの取付位置を変更可能である。また、固定ねじは調整部材に固定されないので、固定ねじの座面の面積を確保することができる。したがって、小型化可能であって全体として高い強度を有し、かつ、良好な整備性を有するアッパーマウント及びそれを用いたショックアブソーバを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施の形態におけるショックアブソーバを示す平面図である。
【図2】ショックアブソーバのアッパーマウントの斜視図である。
【図3】図2を異なる角度から見た斜視図である。
【図4】アッパーマウントの構造を示す分解斜視図である。
【図5】図4を異なる角度から見た分解斜視図である。
【図6】アッパーマウントの上面図である。
【図7】アッパーマウントの下面図である。
【図8】図6のA−A線断面図である。
【図9】図6のB−B線断面図である。
【図10】ストラットタワー部のショックアブソーバが取り付けられている状態を示す軸部を通る平面における断面図である。
【図11】ストラットタワー部のショックアブソーバが取り付けられている状態を示す上面図である。
【図12】図11のC−C線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態の1つにおけるショックアブソーバについて説明する。
【0025】
本実施の形態において、ショックアブソーバは、例えば、フロントエンジン車である自動車の前輪のストラット式の懸架装置に用いられる。このショックアブソーバは、いわゆる倒立式のストラットを有している。
【0026】
なお、以下において参照する図において、ねじ山の図示は省略している。
【0027】
[実施の形態]
【0028】
図1は、本実施の形態におけるショックアブソーバを示す平面図である。
【0029】
[全体の構成]
【0030】
図を参照してショックアブソーバ1は、アッパーマウント10にストラット100が取り付けられて構成されている。ストラット100は、シェルケース103と、シールキャップ107と、下部スプリングシート113及びそのロックナット115と、上部スプリングシート117及びその取付カラー119と、シリンダ130と、アッパーキャップ150とを備える。シェルケース103は、シェルパイプ105と、ブラケット部109及びそのロックナット111とを有する。シェルパイプ105は、シリンダ130が挿入可能である。ブラケット部109は、車輪が取り付けられるナックル(スピンドル部)が取付け可能に形成されている。シェルパイプ105の外周面には、図示しないねじ山が形成されている。ブラケット部109及び下部スプリングシート113は、シェルパイプ105にねじ込まれ、それぞれロックナット111,115を用いてシェルパイプ105の所定位置に固定されている。
【0031】
シリンダ130の内部には、作動流体としてのオイルや高圧ガスが封入されている。シリンダ130の一端部からは、ピストンロッド(図示せず)が突出している。シリンダ130は、シェルパイプ105にシェルパイプ105の上部から挿入されている。シリンダ130は、ピストンロッドが下方に突出する向きで、すなわちシリンダ130の底部が上方に位置する倒立姿勢で、シェルパイプ105に挿入されている。すなわち、アッパーキャップ150は、シリンダ130の底部に位置する。シールキャップ107は、シェルパイプ105の上端部とシリンダ130との隙間をカバーするように、シェルパイプ105に螺結されている。
【0032】
上部スプリングシート117と下部スプリングシート113との間には、所定のばね定数を有するコイルスプリング200が挟まれる。コイルスプリング200は、車台を支持する。上部スプリングシート117は、取付カラー119をアッパーキャップ150との間で挟み、アッパーキャップ150の上方にアッパーキャップ150から抜けないようにして配置される。上部スプリングシート117は、コイルスプリング200の復元力により上方に付勢された状態で保持される。
【0033】
アッパーキャップ150の上部には、軸部150bが形成されている。ストラット100は、後述するようにアッパーマウント10に軸部150bが保持されている。
【0034】
ここで、車体500のエンジンルームの側部に設けられた車輪が納まるホイールハウスの上部には、ストラットタワー部(アッパーマウント10の取付部の一例)510が設けられている。また、ストラットタワー部510には、ショックアブソーバ1の上部が貫通するように形成されたメンテナンス穴520が形成されている。ストラットタワー部510には、下方から(ホイールハウス側から)アッパーマウント10が取り付けられる。アッパーマウント10は、後述のように取付プレート30に設けられた3つのスタッドボルト(取付手段の一例)45を有しており、このスタッドボルト45がストラットタワー部510を貫通するようにして、ストラットタワー部510に固定される。このように、ショックアブソーバ1は、アッパーマウント10を介して車体500に取り付けられ、懸架装置の一部として機能する。
【0035】
本実施の形態において、アッパーキャップ150の上方には、アッパーキャップ150を貫通する調整ロッド140と、調整ノブ141とが配置されている。調整ロッド140は、軸部150bの略中央を貫通し、アッパーマウント10の上方に突出している。調整ノブ141は、調整ロッド140の上端部に取り付けられた状態で、セットねじ(図示せず)などを用いて調整ロッド140に固定されている。調整ロッド140は、シリンダ130の内部で、減衰力調整機構(図示せず)に接続されている。ユーザは、ショックアブソーバ1が車体500に取り付けられて車載された状態で、ストラットタワー部510の上方(例えばエンジンルームの上方)から調整ノブ141を操作し、ショックアブソーバ1の減衰力調整を行うことができる。
【0036】
ショックアブソーバ1においては、下部スプリングシート113の位置を変更することにより、コイルスプリング200のプリロードを加減可能である。また、ブラケット部109の位置を変更することにより、ショックアブソーバ1の全長を変更し、コイルスプリング200のプリロードとは独立して車高などを調整可能である。
【0037】
なお、シェルケース103は、シェルパイプ105に相当する部位、ブラケット部109に相当する部位、及び下部スプリングシート113に相当する部位などを一体に有するように構成されていてもよい。
【0038】
[アッパーマウント10の構造]
【0039】
図2は、ショックアブソーバ1のアッパーマウント10の斜視図である。また、図3は、図2を異なる角度から見た斜視図である。
【0040】
図2を参照して、アッパーマウント10は、おおまかに、取付プレート30と、ロワプレート(固定部材の一例)50と、スライドプレート(調整部材の一例)70と、調整ボルト(固定ねじの一例)91と、ピロボール(Pillow Ball;保持部材の一例)95とを備えている。図3を参照して、アッパーマウント10は、上方の取付プレート30と取付プレート30の下方に配置されたロワプレート50とでスライドプレート70を挟むように保持して構成されている。
【0041】
図4は、アッパーマウント10の構造を示す分解斜視図である。また、図5は、図4を異なる角度から見た分解斜視図である。
【0042】
図4を参照して、取付プレート30は、例えば、おおまかに、互いに略合同な3つの円弧を凸閉曲線を構成するように組み合わせてなる平面形状を有している。取付プレート30の3つの頂点の近傍部位には、それぞれ、スタッドボルト45が設けられている。スタッドボルト45は、合計で3本設けられている。取付プレート30は、このようにスタッドボルト45が頂点部分に位置する略三角形様の平面形状を有することにより、必要な強度及び剛性を有するように、かつ、比較的軽量になるように形成されている。
【0043】
図5に示すように、各スタッドボルト45は、取付プレート30の上面側に突出するように、取付プレート30の下面側から取付プレート30に圧入されて、取付プレート30に固定されている。なお、取付プレート30は、円形など他の形であってもよく、スタッドボルト45の数や位置も、上記に限られるものではない。取付プレート30の形状や、スタッドボルト45の数や位置などは、例えば、取付プレート30が取り付けられる車両のストラットタワー部510の形状などに適合するように、適宜設定すればよい。
【0044】
図6は、アッパーマウント10の上面図である。
【0045】
図6において、2点鎖線は、ショックアブソーバ1の車載状態におけるメンテナンス穴(車体側開口部)520の位置を示す。図を参照して、取付プレート30の略中央部には、長さが互いに等しい2つの平行線分を2つの半円弧で結んだ角丸長方形型の調整ホール31が形成されている。後述するように、この調整ホール31の平行線分部分の長さは、スライドプレート70の調整範囲、すなわちキャンバ調整範囲となる。調整ホール31は、メンテナンス穴520からその略全体が露出するような位置及び大きさに形成されている。取付プレート30の上面のうち、調整ホール31の2つの平行線分部分の側縁近傍部位には、調整ホール31の長手方向(平行線分に平行な方向;図の矢印X方向(以下の図において同じ))に沿うように所定の間隔で目盛41が刻印されている。目盛41は、平行線分の略全長にわたり形成されている。
【0046】
図4に示すように、調整ホール31の周辺部には、4つのボルト孔(孔部の一例)35が設けられている。各ボルト孔35は、例えば、調整ホール31の平行線分の端部の近傍部位に位置している。各ボルト孔35は、メンテナンス穴520の端縁部近傍に位置している。なお、後述するように、調整ホール31の位置や、その長手方向の向きなどは、アッパーマウント10が取り付けられる車両におけるサスペンションジオメトリなどを考慮して設定されている。また、各ボルト孔35の位置などは、アッパーマウント10が取り付けられる車両の車体500の形状、特に、後述するように、メンテナンス穴520の形状や大きさなどに応じて設定されている。
【0047】
図7は、アッパーマウントの下面図である。
【0048】
図7を参照して、ロワプレート50は、軽量化及び小型化のために各頂点が面取された略矩形の平面形状を有している。ロワプレート50には、調整ホール31と同様の角丸長方形型の貫通孔51が形成されている。また、ロワプレート50のうち取付プレート30の各ボルト孔35に対応する位置には、調整ボルト91が螺結されるねじ孔が形成されている。ロワプレート50には調整ボルト91が螺結される。ロワプレート50は、調整ボルト91が螺結されることにより、取付プレート30に圧着されて固定される。ロワプレート50は、取付プレート30に固定された状態で、貫通孔51の長手方向が調整ホール31の長手方向に略一致するように構成されている。
【0049】
貫通孔51は、調整ホール31よりも幅が狭く、半円弧部分の半径が、ピロボール95のレース部(図8に図示)95bの半径よりも小さくなるように形成されている。これにより、ロワプレート50がスライドプレート70を挟んで取付プレート30に固定された状態で、下方から見て、ピロボール95のレース部95bの一部がロワプレート50により覆われる。
【0050】
図4を参照して、スライドプレート70は、略矩形形状に形成されている。スライドプレート70は、ケース部71と、4つの長孔73とを有している。ケース部71は、スライドプレート70の略中央部に形成されている。ケース部71は、上方すなわち取付プレート30に向けて突出する円柱形状に形成されている。各長孔73は、図に示すように、長手方向が共に略同一の方向になるように形成されている。各長孔73は、例えば、調整ホール31の平行線分部分の長さと同じかそれより長い寸法を有するように形成されている。各長孔73は、取付プレート30の各ボルト孔35に対応し、調整ボルト91が貫通可能に形成されている。なお、長穴73は、その長手方向に並ぶ2つが繋がって1つとなるように形成されていてもよい。
【0051】
図8は、図6のA−A線断面図である。
【0052】
図の断面は、ピロボール95の中心を通り、調整ホール31の長手方向に垂直な平面におけるものである。図を参照して、本実施の形態において、ピロボール95は、いわゆるスフェリカルベアリング(球面滑り軸受)であり、そのボール95aを、レース部95bで傾斜動可能に支持して構成されている。
【0053】
ケース部71は、下方に開口する圧入孔75を有している。圧入孔75は、圧入されたピロボール95がケース部71に保持されるように設定された内径を有している。また、圧入孔75の深さは、ピロボール95のレース部95bの厚みと略同じか、それよりわずかに浅くなるように形成されている。ピロボール95は、圧入孔75に、上方にすなわち取付プレート30に対して略垂直方向に挿入されている。上述したように貫通孔51の幅寸法はピロボール95のレース部95bの直径よりも小さいので、ロワプレート50が取付プレート30に固定された状態では、ピロボール95のレース部95bの一部がロワプレート50に当接する。すなわち、レース部95bの下面(ピロボール95のケース部71への挿入方向とは逆側の端面)の一部は、ロワプレート50により覆われており、それにより、ピロボール95はケース部71の内部に圧入された状態で確実に保持され、ケース部71からの脱落が防止されている。なお、本実施の形態において、車輪が接地している場合にピロボール95には上方に荷重が加わる。ピロボール95に下方に加わる荷重はそれほど大きくなく、また、荷重が加わる時間も少ないので、レース部95bの一部のみがロワプレート50に当接している状態でも、ピロボール95は十分にケース部71に保持される。
【0054】
なお、スライドプレート70の下面において、圧入孔75の開口端縁の周囲には、開口端縁の同心円に沿うように形成されたV溝部77が設けられている。これにより、圧入孔75にピロボール95を圧入した後、V溝部77を工具により開くことにより、そのピロボール95をスライドプレート70にかしめることができる。したがって、調整ボルト91が緩められるなどしてロワプレート50によりピロボール95を押さえつける力が一時的になくなったとしても、ピロボール95は、スライドプレート70に確実に保持される。これにより、後述のショックアブソーバ1の取付位置の調整作業を容易に行うことができる。
【0055】
また、本実施の形態において、取付プレート30及びスライドプレート70は、取付プレート30に対するスライドプレート70の位置を規制するガイド機構を構成する。すなわち、ケース部71の外周面の半径は、調整ホール31の半円弧部分の半径と略同一である。また、図に示すように、スライドプレート70は、ケース部71を調整ホール31にスライド可能に貫入させて取付プレート30に取り付けられる。したがって、スライドプレート70は、各調整ボルト91が各ボルト孔35及び各長孔73を貫通するように配された状態で、調整ボルト91、取付プレート30、及びロワプレート50に対し、所定の一方向、すなわち調整ホール31の長手方向にスライド可能である。なお、この取付プレート30のスライド可能な所定の一方向は、長孔73の長手方向と一致する。
【0056】
なお、図2に示すように、ケース部71の側面のうち、調整ホール31の内側面に接触しうる部位には、目盛41に対応するように、線状の刻印81が形成されている。これにより、ユーザは、刻印81の目盛41中における位置を視認し、スライドプレート70の取付プレート30に対する位置を容易に把握することができる。また、アッパーマウント10を一旦分解して再度組み立てを行うような場合に、刻印81を分解前の位置に位置させることにより、分解前後でスライドプレート70の取付プレート30に対する位置を容易に維持することができ、再度の調整作業を不要にすることができる。
【0057】
図9は、図6のB−B線断面図である。
【0058】
図の断面は、調整ホール31の長手方向に並ぶ2つの調整ボルト91の中心軸を通る平面におけるものである。図9を参照して、調整ボルト91は、例えば六角穴付低頭ボルト(Hexagon socket head cap screws with low head)である。調整ボルト91は、アッパーマウント10の上方から各ボルト孔35及び長穴73を貫通し、後述するようにロワプレート50に螺結されている。
【0059】
ここで、本実施の形態において、各ボルト孔35の周囲には、座繰部35aが形成されている。座繰部35aは、調整ボルト91の頭部の径よりもわずかに大きい内径を有し、調整ボルト91の頭部の高さよりも若干深く形成されている。調整ボルト91がロワプレート50に螺結された状態において、調整ボルト91の頭部は座繰部35aに埋入する。これにより、取付プレート30の上面は、スタッドボルト45及び調整ホール31を除き、略フラットになる。
【0060】
図10は、ストラットタワー部510のショックアブソーバ1が取り付けられている状態を示す軸部150bを通る平面における断面図である。また、図11は、ストラットタワー部510のショックアブソーバ1が取り付けられている状態を示す上面図である。
【0061】
図10を参照して、ストラット100は、以下に示すようにしてアッパーマウント10に取り付けられている。すなわち、アッパーマウント10の下方から、軸部150bがピロボール95のボール95aに差し込まれる。また、アッパーマウント10の上方から、軸部150bの上部に形成されたねじに、締付ナット121が螺結される。締付ナット121の下部は、ボール95aに嵌め込まれる。これにより、ボール95aが軸部150bと締付ナット121との間で挟み込まれ、それにより、ストラット100がピロボール95に固定される。
【0062】
ストラット100がピロボール95に固定されることにより、ストラット100がアッパーマウント10に対し傾動自在に固定される。ここで、ケース部71に形成された軸部150bが貫通する孔部の上縁部には、面取部71aが設けられており、ロワプレート50の貫通孔51の下縁部には、面取部51aが設けられている。これにより、ストラット100が傾動しても軸部150bや締付ナット121がアッパーマウント10に干渉しにくく、ストラット100は、アッパーマウント10に対してより広い傾動角を有している。
【0063】
アッパーマウント10は、ストラットタワー部510にスタッドボルト45を貫通させて、ナット97をスタッドボルト45に締め込むことにより、ストラットタワー部510に固定される。これにより、ショックアブソーバ1が、ストラットタワー部510に取り付けられて車載状態となる。
【0064】
図11を参照して、ショックアブソーバ1が車載状態であるとき、ストラットタワー部510の上方からメンテナンス穴520を介して調整ホール31を望むことができる。また、すべての調整ボルト91について、メンテナンス穴520の上方から、各調整ボルト91の頭部の六角穴部分(穴部と称することがある)を望むことができる。換言すると、各調整ボルト91は、メンテナンス穴520を介してユーザが締緩作業を行うことができる位置に配されている。
【0065】
図12は、図11のC−C線断面図である。
【0066】
図の断面は、調整ホール31の長手方向に直行する方向に並ぶ2つの調整ボルト91の中心軸を通る平面におけるものである。ユーザは、ショックアブソーバ1を車載した状態で、メンテナンス穴520の上方から、調整ボルト91の締緩作業を行うことができる。すなわち、各調整ボルト91の穴部が上方に露出しているので、ユーザは、各穴部に工具600を差し込み、調整ボルト91を回転させることができる。
【0067】
調整ボルト91が緩められると、取付プレート30に対するロワプレート50の圧着力が小さくなり、スライドプレート70と取付プレート30との間の摩擦力及びスライドプレート70とロワプレート50との間の摩擦力が小さくなる。これにより、ユーザは、ショックアブソーバ1の取付位置の調整作業を行うことができる。すなわち、ユーザは、スライドプレート70を、取付プレート30、調整ボルト91、及びロワプレート50に対してスライドさせることができる。スライドプレート70は、取付プレート30に略平行な面内において、調整ホール31の長手方向(図11において矢印Xで示す方向)に、スライド可能である。本実施の形態において、ショックアブソーバ1は、調整ホール31の長手方向すなわちスライドプレート70の調整可能な方向が車幅方向と一致するように、ストラットタワー部510に取り付けられている。したがって、ユーザは、調整ボルト91を締緩することにより、スライドプレート70の車幅方向の位置を調整し、車輪のキャンバ調整を行うことができる。ショックアブソーバ1を車載した状態で調整ボルト91を締緩可能であるので、ユーザは、容易にショックアブソーバ1の取付位置の調整作業を行うことができる。
【0068】
ここで、各調整ボルト91は、頭部の一部がメンテナンス穴520の周縁部により覆われていなくても、穴部のみが上方に露出していれば締緩可能である。メンテナンス穴520の上方から調整ボルト91まで若干離れていても、図に示すように、穴部と同程度の太さを有する部分が長い工具600を用いれば、工具600とストラットタワー部510とが干渉しないようにして工具600を穴部に差し込むことができる。また、調整ボルト91の頭部は座繰部35aに埋入されているので、調整ボルト91は、ストラットタワー部510に干渉することがない。したがって、各調整ボルト91を、上記のようにメンテナンス穴520を介してユーザが締緩作業を行うことができる範囲のうち、最もメンテナンス穴520の縁部に近い部位に配置することができる。これにより、ショックアブソーバ1を車載した状態で調整作業を行えるようにしながら、調整ホール31を大きくし、スライドプレート70の調整可能範囲をより広く確保することができる。
【0069】
なお、ショックアブソーバ1を車両から取り外した状態で調整ボルト91を締緩してキャンバの調整作業を行うことも当然に可能である。
【0070】
[実施の形態における効果]
【0071】
以上のように構成されたショックアブソーバでは、調整ボルトの座面が長孔であるときと比較して、調整ボルトの座面の面積が確保されている。すなわち、アッパーマウントは、調整ボルトが螺結されたときに生じる応力が比較的小さい、より合理的な構造を有している。したがって、アッパーマウントは全体として高い強度を有するので、太い調整ボルトを用いたり取付プレートなどの厚みを厚くしたりする必要がなく、アッパーマウントを小型化したり軽量化したりすることができる。
【0072】
また、調整ボルトは、ショックアブソーバの取付プレートに対する位置が変更されても、取付プレートの上面から見て移動しない。したがって、従来のように取付プレートに長穴を設ける必要がなく、アッパーマウントを小型化し、かつ、より広い調整可能範囲を確保することができる。また、それと同時に、調整ボルトを、常にメンテナンス穴を介して締緩可能な位置に配置し、車載状態で容易にキャンバ調整を実行可能にして高い整備性を確保することができる。スライドプレートは、調整ボルトを緩めるだけで、調整可能な全範囲にスライドさせることができるので、キャンバ調整を行うために調整ボルトをアッパーマウントから抜き差しする必要がなく、容易に調整作業を行うことができる。また、調整作業時に、ロワプレート及びスライドプレートは取付プレートから脱落しないので、より容易にかつ安全に調整作業を行うことができる。
【0073】
また、取付プレートの上面は、調整ボルトが配された状態で、スタッドボルト及び調整ホールを除いて略フラットになる。したがって、アッパーマウントの外観の美感を向上させることができる。また、アッパーマウントの上部にゴミ、土砂や粉塵などが溜まりにくく、メンテナンスを行うことも容易である。また、取付プレートの上面に長穴が設けられていないので、ホイールハウスとストラットタワー部の上方との間に隙間が生じにくく、ホイールハウス内からストラットタワー部の上方への、粉塵や騒音の侵入が少なくなる。
【0074】
[その他]
【0075】
なお、ボルト孔に座繰部は設けられていなくてもよい。この場合であっても、取付プレートに対する調整ボルトの位置が変わらないので、上述と同様の効果を得ることができる。
【0076】
また、取付プレートにロワプレートを固定するためのねじとしては、六角穴付ボルトに限られず、例えばヘクサロビュラ穴(Hexalobular internal driving feature)を有するボルトなど、他の種類のボルトを用いてもよい。また、ボルトではなく、ロワプレートから突設されたスタッドに取付プレート30の上方からナットを螺結するようにしてもよい。このような場合であっても、上述のように工具がストラットタワー部に干渉しないようして、調整可能範囲を広くし、また、良好な整備性を確保することができる。
【0077】
また、上述の実施の形態において、スライドプレートと取付プレートとがスライドプレートのガイド機構を構成していたが、これと共に又はこれに代えて、ロワプレートとスライドプレートとの間でガイド機構を構成してもよい。また、例えば、ガイド機構は、スライドプレートのケース部が取付プレートなどに貫入して構成されるものに限られない。例えば、ガイド機構としては、一方の部材に設けられた突起部が、他方の部材に形成された凹部又は孔部に接触することによりスライドプレートの位置が規制されるようにしたものなどを用いることができる。また、ガイド機構を設けず、スライドプレートの長孔と調整ボルトとによりスライドプレートが案内されるようにしてもよい。
【0078】
また、ピロボールは、ロワプレートに当接するように配置されているものに限られず、例えばストッパリングなどを用いてスライドプレートに保持されるようにしてもよい。また、ピロボールに代えて、樹脂製のブッシュ(保持部材の一例)などを用いてもよい。また、ストラットは、いわゆる正立式であって、ピストンロッドがピロボールなどに保持されてアッパーマウントに取り付けられていてもよい。
【0079】
また、アッパーマウントは、車輪のキャンバ調整でなく、例えばキャスタ調整などを行うことができるように車体に取付け可能に構成されていてもよい。また、スライドプレートには、長穴が設けられていなくてもよいし、このとき、ガイド機構を採用しなくてもよい。すなわち、スライドプレートに長穴を設けず、ガイド機構を採用しない場合、取付プレートに対するスライドプレートの位置を2次元的に調整可能にしてもよい。これにより、スライドプレートの位置を調整可能な範囲で、車体に対するショックアブソーバの取付位置を自在に変更することができる。また、スライドプレートには、長穴に代えて、長穴の一端が開口した形状を有しており調整ボルトに当接することにより取付プレートに対するスライドプレートの位置を規制するような溝部など、種々のガイド形状を設けてもよい。
【0080】
また、取付プレートに取り付けられるスライドプレートやロワプレートに代えて、それらと同様の機能を有する板状でない部材、例えばブロック状の部材などを用いてもよい。
【0081】
また、アッパーマウント及びショックアブソーバは、前輪の懸架装置に限られず、後輪など他の車輪の懸架装置に用いてもよい。また、ショックアブソーバは、スプリングを有しなくてもよい。また、アッパーマウントは、ストラット式でない他の懸架方式において、ショックアブソーバを車体に取り付けるために用いられるものであってもよい。また、アッパーマウントは、ホイールアライメント調整に限らない目的で、ショックアブソーバの車体に対する取付位置を変更可能にするために用いられるものであってもよい。また、アッパーマウントが用いられる車両は、自動車に限られず、他の種類の車両、例えば農業機械、産業機械、建設機械、軍用車両などにおいても適用可能である。
【0082】
なお、上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0083】
1 ショックアブソーバ
10 アッパーマウント
30 取付プレート
31 調整ホール(ガイド機構の一例)
35 ボルト孔(孔部の一例)
35a 座繰部
45 スタッドボルト(取付手段の一例)
50 ロワプレート(固定部材の一例)
70 スライドプレート(調整部材の一例)
71 ケース部(ガイド機構の一例)
73 長孔
91 調整ボルト(固定ねじの一例)
95 ピロボール(保持部材の一例)
100 ストラット
150b 軸部
500 車体
510 ストラットタワー部(アッパーマウントの取付部の一例)
520 メンテナンス穴
600 工具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両において車輪の懸架装置に用いられるショックアブソーバをその取付位置を調整可能にして車体に取り付けるためのアッパーマウントであって、
取付手段により車体に取り付けられる取付プレートと、
前記取付手段とは異なる固定ねじにより、前記取付プレートに対して固定される固定部材と、
前記ショックアブソーバの一部を保持する保持部材を有し、前記取付プレートと前記固定部材との間に挟まれて固定される調整部材とを備え、
前記固定ねじを締緩して、前記調整部材の前記取付プレート、前記固定ねじ、及び前記固定部材に対する前記取付プレートに略平行な面内方向の位置を調整可能である、アッパーマウント。
【請求項2】
前記調整部材は、前記固定ねじが貫通する長孔を有し、前記取付プレート、前記固定ねじ、及び前記固定部材に対し、前記長孔の長手方向にスライド可能である、請求項1に記載のアッパーマウント。
【請求項3】
前記取付プレート及び前記調整部材と、前記固定部材及び前記調整部材とのうち少なくとも一組は、前記取付プレートに対する前記調整部材の位置を規制するガイド機構を構成し、
前記ガイド機構は、前記調整部材を、前記取付プレート、前記固定ねじ、及び前記固定部材に対し、所定の一方向にスライド可能にする、請求項1又は2に記載のアッパーマウント。
【請求項4】
前記固定ねじは、前記取付プレートに形成された孔部を貫通して前記固定部材に螺結されるボルトであり、
前記固定ねじの頭部は、前記孔部の周囲に形成された座繰部に埋入される、請求項1から3のいずれかに記載のアッパーマウント。
【請求項5】
前記固定ねじは、前記車体のアッパーマウントの取付部に形成されたメンテナンス穴を介してユーザが締緩作業を行うことができる位置に配されている、請求項1から4のいずれかに記載のアッパーマウント。
【請求項6】
前記保持部材は、前記調整部材に形成されたケース部に、前記取付プレートに対して略垂直方向に挿入されており、
前記保持部材の前記ケース部への挿入方向とは逆側の端面の一部は、前記取付プレート又は前記固定部材により覆われており、それにより前記保持部材の前記ケース部に保持されている、請求項1から5のいずれかに記載のアッパーマウント。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載のアッパーマウントを有し、前記保持部材に一部が保持されているショックアブソーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−264779(P2010−264779A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−115484(P2009−115484)
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【出願人】(391021329)株式会社童夢 (7)
【Fターム(参考)】