説明

インタフェース装置、主装置及びインタフェース装置に用いられる制御方法

【課題】SIP網上の通信に係わる障害発生に対し効果的に対処し得るインタフェース装置、主装置及びインタフェース装置に用いられる制御方法を提供する。
【解決手段】SIP通信部14において、SIPサーバSV1に対するSIPURIの登録中に障害が発生してSIPURIテーブルに設定されるSIPURIの登録が失敗した場合に、次のRegister周期を待つことなく、Register周期より短い復旧周期でSIPサーバSV1に対するSIPURIの登録処理を自動的に実行するようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、SIP(Session Initiation Protocol)で規定される通信機能を備えた複数の通信端末とSIP網との間を接続するためのインタフェース装置、このインタフェース装置を収容する主装置及びインタフェース装置に用いられる制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IP(Internet Protocol)網を介して、双方向に画像や音声をパケットデータとして、リアルタイムに送受信するIP電話システムが普及し始めている。このIP電話システムでは、IP網に接続される主装置ごとに内線間通信や外線発着信を行えることは勿論のこと、IP網を経由した主装置間での内線通信や外線発着信を行うことができる。また、このIP電話システムでは、そのプロトコルとしてSIP(Session Initiation Protocol)が広く使われている。
【0003】
この種のシステムでは、主装置ごとのSIP端末のURI(接続ID)をSIP網上の事業者の登録サーバに予め登録しておき、SIP端末にてSIP網を使用して通話を行う際に、上記登録されたURIを基に登録サーバがSIP端末の認証を行うようにしている。
【0004】
ところで、上記システムでは、SIP網や登録サーバ上に障害が発生することが十分に予想される。この障害発生に対する対応策としては、登録サーバに障害が発生したことを検知した後に、登録サーバに対して登録シーケンスを登録周期より短い周期で実行する手法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2006−33732公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記手法では、登録サーバに障害が発生した場合の対応策が講じられているだけであり、その他の障害発生に対する対応策については、まだ検討段階であって実現されていないのが現状である。
【0006】
そこで、この発明の目的は、SIP網上の通信に係わる障害発生に対し効果的に対処し得るインタフェース装置、主装置及びインタフェース装置に用いられる制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明は、複数の通信端末を収容し、かつSIP(Session Initiation Protocol)網を接続可能とし、当該SIP網上の登録サーバに対し登録テーブルに登録されている複数の通信端末それぞれの接続IDを予め決められた登録周期で登録することで、複数の通信端末と前記SIP網との間を接続し通信を可能とする主装置において、登録サーバとの通信が行なわれている状態で当該通信に係わる障害を検出する検出手段と、障害が検出されたときに、登録周期に比して短い復旧周期で登録サーバとの通信を行なうことで、登録サーバとの接続を復旧させる制御手段とを備えるようにしたものである。
【0008】
なお、検出手段は、登録テーブルに登録されている複数の接続IDを登録サーバに登録する際に、接続IDの登録に対し登録サーバが異常なデータを返送した場合に、障害を検出し、制御手段は、障害が検出されたときに、登録サーバに対し接続IDの登録を復旧周期で実行することを特徴とする。また、検出手段は、登録テーブルに登録されている複数の接続IDを登録サーバに登録する際に、接続IDの登録に対し登録サーバが無応答な場合に、障害を検出することを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、登録サーバに対する接続IDの登録中に障害が発生して登録テーブル中の接続IDの登録が失敗した場合に、次の登録周期を待つことなく、登録周期より短い復旧周期で登録サーバとの接続の復旧が自動的に行なわれる。このため、例えば登録サーバやSIP網の障害が一時的なものでその後正常に戻った場合や、登録サーバの部品交換などが行われて正常に状態に戻った場合に、登録サーバとの間の接続を保守員の復旧操作を待たずに迅速に復旧させることができる。
【0010】
検出手段は、通信端末のユーザの発信操作時に、登録サーバが無応答な場合に、障害を検出することを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、登録サーバに対する接続IDの登録時だけでなく、通信端末のユーザの発信操作時にも、障害発生に対し次の登録周期を待つことなく、登録周期より短い復旧周期で登録サーバとの接続の復旧が自動的に行なわれる。
【0012】
制御手段は、登録サーバが異常なデータを返送した場合に、第1の復旧周期で登録サーバとの通信を行なうことで、登録サーバとの接続を復旧させ、登録サーバが無応答な場合に、第1の復旧周期とは異なる第2の復旧周期で登録サーバとの通信を行なうことで、登録サーバとの接続を復旧させることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、登録サーバが異常なデータを返送した場合つまりSIP網上の何らかの障害の場合に、第1の復旧周期で登録サーバとの通信を行なうことで、登録サーバとの接続を復旧させ、登録サーバが無応答な場合つまり登録サーバが完全にダウンした場合に、第1の復旧周期より長い第2の復旧周期で登録サーバとの通信を行なうというように、障害発生の要因ごと復旧周期を可変して最適な復旧処理を行うことができる。
【0014】
登録サーバへの複数の発信ルートと閉塞、閉塞解除を示す設定情報とを対応付けたルートテーブルを記憶する記憶手段をさらに備え、制御手段は、ルートテーブル中の障害が発生した発信ルートに対応する設定情報を閉塞に更新し、障害ルートに対し前記復旧周期で復旧させることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、発信ルートに障害が発生した場合に、ルートテーブル中の該当する発信ルートに対応する設定情報を閉塞に変更することで、LCR(Low Cost Route)発信時にSIPトランクが選択された場合に、ルートテーブルを用いて発信可否を容易に判断でき、次優先度以降に設定されたトランクへのルート迂回を即座に行うことが可能となる。また、障害発生ルートに対して、復旧周期で再度通信を継続して行なうため、障害状態の復旧が容易に検出可能となる。
【発明の効果】
【0016】
以上詳述したようにこの発明によれば、SIP網上の通信に係わる障害発生に対し効果的に対処し得るインタフェース装置、主装置及びインタフェース装置に用いられる制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、この発明の第1の実施形態に係わる電話システムの概略構成図であり、1は主装置を示している。
【0018】
この主装置1は、複数のボタン電話端末T1〜Tn(nは自然数)を収容している。また、主装置1には、SIP網NW1を介してSIPサーバSV1〜SV3が接続されている。
【0019】
図2は、主装置1の機能ブロック図である。
【0020】
主装置1は、ボタン電話制御部11と、アナログ通信部12と、ISDN通信部13と、SIP通信部14と、保守制御部15と、呼制御部16と、データベース17とを備え、これらボタン電話制御部11、アナログ通信部12、ISDN通信部13、SIP通信部14、保守制御部15、呼制御部16、データベース17は制御バス18を介して相互に接続されている。なお、データベース17には、SIPURIテーブル171と、LCR(Low Cost Route)ルートテーブル172とが設けられている。
【0021】
SIPURIテーブル171には、図3に示すように、SIP網NW1のサービスプロバイダから各ボタン電話端末T1〜Tnに対し付与された複数のSIPURIが記憶されている。
【0022】
LCRルートテーブル172には、図4に示すように、LCR発信ルートを示す情報と、SIPトランクやアナログトランク、ISDNトランクの閉塞/閉塞解除を示す情報との対応関係を表すデータが記憶されている。
【0023】
ボタン電話制御部11には複数のボタン電話端末T1〜Tnが収容されている。そして、ボタン電話制御部11は、ボタン電話機T1〜Tnに対する発着信処理やデジタル信号の転送処理等を行なう。
【0024】
アナログ通信部12は、呼制御部16による制御の下、アナログの公衆網NW2との間でインタフェース処理を行うものである。
【0025】
ISDN通信部13は、呼制御部16による制御の下、ISDN網NW3との間でインタフェース処理を行うものである。
【0026】
SIP通信部14は、保守制御部15及び呼制御部16による制御の下、SIP網NW1との間でインタフェース処理を行うものである。また、SIP通信部14は、障害監視部141と、障害対応部142とを備えている。障害監視部141は、SIPサーバSV1〜SV3との間で通信が行なわれている最中に、この通信に係わる障害発生を監視する。
【0027】
障害対応部142は、上記障害監視部141にて障害が検出されると、SIPサーバSV1〜SV3に対しSIPURIのRegister周期より短い復旧周期でRegisterメッセージを送信し、保守制御部15との間で障害に対する処理を実行する。
【0028】
保守制御部15は、SIP通信部14に対しSIPURIテーブル171に登録されている全SIPURIを予め決められたRegister周期でSIP網NW1上のSIPサーバSV1〜SV3に登録させる。また、SIP網NW1上の通信に係わる障害発生時に、LCRルートテーブル172中の該当するLCR発信ルートを「閉塞」に設定する。そして、障害復旧後に、LCRルートテーブル172中の該当するLCR発信ルートを「閉塞解除」に設定する。
【0029】
呼制御部16は、各ボタン電話端末T1〜Tnの発呼要求に伴う発信処理や、通常の着信処理やボタン電話端末T1〜Tn間の転送処理等の通常の制御機能を備えている。
【0030】
次に、以上のように構成されたシステムの動作について説明する。
図5は、SIPURI登録時に、SIPサーバSV1から異常なデータが返送される場合の保守制御部15とSIP通信部14とSIPサーバSV1との間の信号の送受信動作を示すシーケンス図である。
【0031】
まず、主装置1のSIPURIテーブル171に予め設定されたSIPURIは、Register周期が満了する前に登録状態を更新する必要があるため、サービスプロバイダのネットワーク(SIP網NW1)に配置されたSIPサーバSV1に対してSIP通信部14からREGISTERメッセージを送信する。
【0032】
SIPサーバSV1からREGISTERメッセージに対する何らかのレスポンスを受信した場合、SIP通信部14はSIPURIテーブル171から次のSIPURIを取得して、該当するSIPURIに関するREGISTERメッセージをSIPサーバSV1に対して送信する。この処理は、SIPURIテーブル171に設定された全SIPURIに対して順次実行する。
【0033】
最終的に、SIPURIテーブル171に設定された全SIPURIに関するREGISTERメッセージに対して、SIPサーバSV1からエラーレスポンス(図5では4xx)を受信した場合、SIP通信部14は保守制御部15に対して障害発生メッセージを送信する。
【0034】
保守制御部15は、障害発生メッセージを受信すると、LCRルートテーブル172に対して該当SIPトランクの閉塞状態を「閉塞」に更新し、本トランクによる発着信動作を使用不可能とする。
【0035】
SIP通信部14は、Register障害状態を復旧させるため、データベース17に設定されたRegister周期に関わらず、全SIPURIに対するREGISTERメッセージ送信をRegister周期に比して短い復旧周期(2秒間隔)で順次行う。
【0036】
以後、SIPサーバSV1から200OKメッセージを受信した場合に、SIP通信部14は保守制御部15に対して障害復旧メッセージを送信し、LCRルートテーブル172の該当SIPトランクの閉塞状態を「閉塞解除」に更新し、本トランクによる発着信動作を使用可能とする。
【0037】
以上のように、全SIPURIのRegisterが失敗した場合、通常はRegister周期満了時に行う再Register処理が正常終了するまで該当SIPトランクを使用できないが、障害が発生した場合に全SIPURI登録NG復旧用に、本来のRegister周期よりも短い復旧周期で再Register処理を継続して行うため、SIPURIのRegister障害状態を早急に復旧することができる。
【0038】
図6は、SIPURI登録時に、SIPサーバSV1から無応答が返送される場合の保守制御部15とSIP通信部14とSIPサーバSV1〜SV3との間の信号の送受信動作を示すシーケンス図である。
【0039】
まず、主装置1のSIPURIテーブル171に予め設定されたSIPURIは、Register周期が満了する前に登録状態を更新する必要があるため、サービスプロバイダのネットワーク(SIP網NW1)に配置されたSIPサーバSV1〜SV3に対してSIP通信部14からREGISTERメッセージを送信する。
【0040】
ネットワーク障害やSIPサーバSV1〜SV3の障害等により、SIPサーバSV1〜SV3からREGISTERメッセージに対するレスポンスを受信できない場合、SIP通信部14はRegister処理を中断して保守制御部15に対して障害発生メッセージを送信する。
【0041】
保守制御部15は、障害発生メッセージを受信すると、LCRルートテーブル172に対して該当SIPトランクの閉塞状態を「閉塞」に更新し、本トランクによる発着信動作を使用不可能とする。
【0042】
SIP通信部14は、Register障害状態を復旧させるため、データベース17に設定された復旧周期(2秒〜3600秒間隔)で全SIPURIに対するREGISTERメッセージ送信を順次行う。
【0043】
以後、SIPサーバSV1から200OKメッセージを受信した場合に、SIP通信部14は保守制御部15に対して障害復旧メッセージを送信し、LCRルートテーブル172の該当SIPトランクの閉塞状態を「閉塞解除」に更新し、本トランクによる発着信動作を使用可能とする。
【0044】
以上のように、ネットワーク障害やSIPサーバSV1〜SV3の障害等でSIPURIのRegisterが失敗した場合、通常はRegister周期満了時に行う再Register処理が正常終了するまで該当SIPURIに関する発着信ができないが、障害復旧検出用のRegister周期を適用して一定時間毎に再Register処理を継続して行うため、障害状態の復旧が容易に検出可能となり、該当SIPURIのRegister障害状態も早急に復旧することができる。
【0045】
以上のように上記第1の実施形態では、主装置1において、SIPサーバSV1に対するSIPURIの登録中に障害が発生してSIPURIテーブル171に設定されるSIPURIの登録が失敗した場合に、次のRegister周期を待つことなく、Register周期より短い復旧周期でSIPサーバSV1に対するSIPURIの登録処理を自動的に実行するようにしている。
【0046】
従って、例えばSIPサーバSV1やSIP網の障害が一時的なものでその後正常に戻った場合や、SIPサーバSV1の部品交換などが行われて正常な状態に戻った場合に、SIPサーバSV1との間の接続を保守員の復旧操作を待たずに迅速に復旧させることができる。
【0047】
また、上記第1の実施形態では、SIPサーバSV1が異常なデータを返送した場合に、復旧周期(2sec)でSIPサーバSV1に対するSIPURIの登録処理を実行し、一方SIPサーバSV1が無応答な場合つまりSIPサーバSV1が完全にダウンした場合に、長い復旧周期(3600sec)でSIPサーバSV1に対するSIPURIの登録処理を実行するというように、障害発生の要因ごと復旧周期を可変して最適な復旧処理を行うことができる。
【0048】
(第2の実施形態)
図7は、この発明の第2の実施形態として、LCR発信動作を説明するために示すブロック図であり、図8はLCR発信時の保守制御部15とSIP通信部14とSIPサーバSV1〜SV3との間の信号の送受信動作を示すシーケンス図である。
【0049】
図7において、主装置1に収容されたボタン電話端末T1にてLCR発信操作が行われたとする。そうすると、主装置1は、呼制御部16においてボタン電話端末T1から入力されたダイヤル情報を元に、LCRルートテーブル172から、優先度順に捕捉可能なトランクを全て取得する。その結果、第1ルートがSIPトランクである場合、SIP通信部14に発信接続メッセージを送信する。
【0050】
SIP通信部14は、SIPサーバSV1に対してINVITEメッセージを送信するが、SIPサーバSV1から一定時間経過してもレスポンスを受信できない場合に、INVITEメッセージの送信をSIPサーバSV2,SV3に対して実行する。
【0051】
最終的に、全SIPサーバSV1〜SV3からINVITEメッセージに対するレスポンスを受信できない場合、SIP通信部14は保守制御部15に対して障害発生メッセージを送信し、呼制御部16に対してはSIPトランク発信NGを通知する。
【0052】
呼制御部15は、SIPトランク発信NGを受信すると、次優先度のトランクを捕捉して再度発信を試みる。本トランク種別がアナログの公衆網NW2の場合はアナログ通信部12へ、ISDN網NW3の場合はISDN通信部13へ発信接続メッセージを送信する。また、障害発生メッセージを受信した保守制御部15は、LCRルートテーブル172の該当SIPトランクの閉塞状態を「閉塞」に更新し、本トランクによる発着信動作を使用不可能にする。
【0053】
再度ボタン電話端末T1からLCR発信した場合は、第1ルートのSIPトランクが「閉塞」状態であるため、即座に第2ルート以降のトランクを使用して発信処理を実行する。
【0054】
SIP通信部14は、本障害状態の復旧検出のため、データベース17に設定された復旧検出用Register周期に従い、全SIPURIに対するREGISTERメッセージ送信を順次行う。
【0055】
以後、SIPサーバSV1から200OKメッセージを受信した場合に、SIP通信部14は保守制御部15に対して障害復旧メッセージを送信し、LCRルートテーブル172の該当SIPトランクの閉塞状態を「閉塞解除」に更新し、本トランクによる発着信動作を使用可能とする。
【0056】
これにより以降のLCR発信時は、通常通り第1ルートであるSIPトランクから発信接続を行うことが可能となる。
【0057】
以上のように上記第2の実施形態では、主装置1において、LCR発信時に選択されたルートに障害が発生した場合に、LCRルートテーブル172中の該当するルートに対応する設定情報を「閉塞」に変更することで、LCR発信時にSIPトランクが選択された場合に、LCRルートテーブル172を参照して発信可否を容易に判断でき、次優先度以降に設定されたトランクへのルート迂回を即座に行うことが可能となる。また、障害発生ルートに対して、復旧周期で再度SIPサーバSV1〜SV3に対するREGISTERメッセージの送信を継続して行なうため、障害状態の復旧が容易に検出可能となる。
【0058】
(その他の実施形態)
この発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。例えば上記第2の実施形態では、SIP網、アナログ公衆網、ISDN網を発信ルートとして選択する例について説明したが、SIP網、ISDN網、公衆網以外の新たな通信プロトコルを要求する通信回線を主装置に接続するようにしてもよい。
【0059】
また、各実施形態において、ボタン電話端末を主装置に収容する例について説明したが、電話アプリケーションを搭載したパーソナル・コンピュータ等の通信端末であってもよい。
【0060】
その他、電話システムの種類、主装置の機能構成、主装置に収容される電話端末の種類、障害に対する復旧制御の手順とその内容等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】この発明の第1の実施形態に係わる電話システムの概略構成図。
【図2】上記図1に示した主装置の機能ブロック図。
【図3】上記図2に示したSIPURIテーブルの記憶内容の一例を示す図。
【図4】上記図2に示したLCRルートテーブルの記憶内容の一例を示す図。
【図5】同第1の実施形態において、SIPURI登録時に、SIPサーバから異常なデータが返送される場合の保守制御部とSIP通信部とSIPサーバとの間の信号の送受信動作を示すシーケンス図。
【図6】同第1の実施形態において、SIPURI登録時に、SIPサーバから無応答が返送される場合の保守制御部とSIP通信部とSIPサーバとの間の信号の送受信動作を示すシーケンス図。
【図7】この発明の第2の実施形態として、LCR発信動作を説明するために示すブロック図。
【図8】同第2の実施形態において、保守制御部とSIP通信部とSIPサーバとの間の信号の送受信動作を示すシーケンス図。
【符号の説明】
【0062】
1…主装置、11…ボタン電話制御部、12…アナログ通信部、13…ISDN通信部、14…SIP通信部、15…保守制御部、16…呼制御部、17…データベース、18…制御バス、141…障害監視部、142…障害対応部、171…SIPURIテーブル、172…LCRルートテーブル、T1〜Tn…ボタン電話端末、SV1〜SV3…SIPサーバ、NW1…SIP網、NW2…公衆網、NW3…ISDN網。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信端末を収容する主装置に備えられ、SIP(Session Initiation Protocol)網を接続可能とし、当該SIP網上の登録サーバに対し前記主装置の登録テーブルに登録されている前記複数の通信端末それぞれの接続IDを予め決められた登録周期で登録することで、前記複数の通信端末と前記SIP網との間を接続し通信を可能とするインタフェース装置において、
前記登録サーバとの通信が行なわれている状態で当該通信に係わる障害を検出する検出手段と、
前記障害が検出されたときに、前記登録周期に比して短い復旧周期で前記登録サーバとの通信を行なうことで、前記登録サーバとの接続を復旧させる制御手段とを具備したことを特徴とするインタフェース装置。
【請求項2】
前記検出手段は、前記登録テーブルに登録されている複数の接続IDを登録サーバに登録する際に、前記接続IDの登録に対し前記登録サーバが異常なデータを返送した場合に、前記障害を検出し、
前記制御手段は、前記障害が検出されたときに、前記登録サーバに対し前記接続IDの登録を前記復旧周期で実行することを特徴とする請求項1記載のインタフェース装置。
【請求項3】
前記検出手段は、前記登録テーブルに登録されている複数の接続IDを登録サーバに登録する際に、前記接続IDの登録に対し前記登録サーバが無応答な場合に、前記障害を検出することを特徴とする請求項1記載のインタフェース装置。
【請求項4】
前記検出手段は、通信端末のユーザの発信操作時に、前記登録サーバが無応答な場合に、前記障害を検出することを特徴とする請求項1記載のインタフェース装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記登録サーバが異常なデータを返送した場合に、第1の復旧周期で前記登録サーバとの通信を行なうことで、前記登録サーバとの接続を復旧させ、前記登録サーバが無応答な場合に、前記第1の復旧周期とは異なる第2の復旧周期で前記登録サーバとの通信を行なうことで、前記登録サーバとの接続を復旧させることを特徴とする請求項1記載のインタフェース装置。
【請求項6】
複数の通信端末を収容し、かつSIP(Session Initiation Protocol)網を接続可能とし、当該SIP網上の登録サーバに対し登録テーブルに登録されている前記複数の通信端末それぞれの接続IDを予め決められた登録周期で登録することで、前記複数の通信端末と前記SIP網との間を接続し通信を可能とする主装置において、
前記登録サーバとの通信が行なわれている状態で当該通信に係わる障害を検出する検出手段と、
前記障害が検出されたときに、前記登録周期に比して短い復旧周期で前記登録サーバとの通信を行なうことで、前記登録サーバとの接続を復旧させる制御手段とを具備したことを特徴とする主装置。
【請求項7】
前記検出手段は、前記登録テーブルに登録されている複数の接続IDを登録サーバに登録する際に、前記接続IDの登録に対し前記登録サーバが異常なデータを返送した場合に、前記障害を検出し、
前記制御手段は、前記障害が検出されたときに、前記登録サーバに対し前記接続IDの登録を前記復旧周期で実行することを特徴とする請求項6記載の主装置。
【請求項8】
前記検出手段は、前記登録テーブルに登録されている複数の接続IDを登録サーバに登録する際に、前記接続IDの登録に対し前記登録サーバが無応答な場合に、前記障害を検出することを特徴とする請求項6記載の主装置。
【請求項9】
前記検出手段は、通信端末のユーザの発信操作時に、前記登録サーバが無応答な場合に、前記障害を検出することを特徴とする請求項6記載の主装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記登録サーバが異常なデータを返送した場合に、第1の復旧周期で前記登録サーバとの通信を行なうことで、前記登録サーバとの接続を復旧させ、前記登録サーバが無応答な場合に、前記第1の復旧周期とは異なる第2の復旧周期で前記登録サーバとの通信を行なうことで、前記登録サーバとの接続を復旧させることを特徴とする請求項6記載の主装置。
【請求項11】
前記登録サーバへの複数の発信ルートと閉塞、閉塞解除を示す設定情報とを対応付けたルートテーブルを記憶する記憶手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記ルートテーブル中の障害が発生した発信ルートに対応する設定情報を閉塞に更新し、障害ルートに対し前記復旧周期で復旧させることを特徴とする請求項6記載の主装置。
【請求項12】
前記制御手段は、障害ルートが復旧した場合に、前記ルートテーブル中の障害が発生した発信ルートに対応する設定情報を閉塞解除に更新することを特徴とする請求項11記載の主装置。
【請求項13】
複数の通信端末を収容する主装置に備えられ、SIP(Session Initiation Protocol)網を接続可能とし、当該SIP網上の登録サーバに対し前記主装置の登録テーブルに登録されている前記複数の通信端末それぞれの接続IDを予め決められた登録周期で登録することで、前記複数の通信端末と前記SIP網との間を接続し通信を可能とするインタフェース装置で使用される制御方法において、
前記登録サーバとの通信が行なわれている状態で当該通信に係わる障害を検出し、
前記障害が検出されたときに、前記登録周期に比して短い復旧周期で前記登録サーバとの通信を行なうことで、前記登録サーバとの接続を復旧させるようにしたことを特徴とする制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−33447(P2009−33447A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−194830(P2007−194830)
【出願日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】