説明

インダクタンス式回転角度検出装置及びそれを備えたモータ駆動式の絞り弁制御装置

【課題】
スロットルシャフトの端部にインダクタンス式の非接触式回転角度検出装置をコンパクトに形成した信頼性の高いモータ駆動式の絞り弁制御装置を得る。
【解決手段】
本発明は絞り弁が取付けられた回転軸の先端部に励起導体を取付け、ギアカバーに窓孔を設け、この窓孔から回転軸側の励起導体に対面するようにして励磁導体と信号発生導体が形成された固定基板をギアカバーに取付け、ギアカバーの窓孔部を薄い遮蔽部材で覆う。励磁導体と信号発生導体を回転体側の励起導体が配置された空間から遮蔽でき、回転体側の環境に影響されることのない信頼性の高いインダクタンス式の非接触式回転角度検出装置を備えたモータ駆動式の絞り弁制御装置が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転体の回転軸に取付けられた導体とこれに対面する固定子に取付けたコイル導体との間のインダクタンスが両者の位置関係に応じて変化することを利用して、回転する導体の回転位置を検出する回転角度検出装置に関する。
【0002】
また、モータによって駆動される絞り弁で内燃機関の空気通路の開口面積を電気的に制御するモータ駆動式の絞り弁制御装置であって、絞り弁の回転角度を検出するために上記した回転角度検出装置を備えたものに関する。
【背景技術】
【0003】
インダクタンスの変化によって回転体の位置あるいは回転角度を検出するいわゆる非接触式の回転角度検出装置としては、特開2003−254782号公報に記載したものが知られている。
【0004】
この回転角度検出装置は、半径方向にそれぞれスリットを有してスリット部で交差する磁性体円板,導体円板を一方は固定し、他方は回転軸に取付け、回転と共に軸方向の一方から見た磁性体円板,導体円板の露出面積を変え、近傍に配置されたコイルのインダクタンスを変えさせ、インダクタンスの変化から回転軸の角度位置を検出するよう構成されている。
【0005】
また、モータ駆動式の絞り弁制御装置の回転角度検出装置としてこの種回転角度検出装置を用いることが提案されている。
【0006】
【特許文献1】特開2003−189546号公報
【特許文献2】米国特許第6886800号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のこの種、非接触式の回転角度検出装置は固定子に設けた2組の検出コイルの間に一方が回転体に取付けられ、他方が固定子に取付けられた磁性体円板と、導体円板を設ける必要があり、装置が大きくなる問題があった。
【0008】
また、後者の従来技術のようにモータ駆動式の絞り弁制御装置に採用するに際しては電子部品を搭載した基板が吸気通路からの水分や化学物質あるいは、ギアや軸受部の摩耗粉である樹脂粉や金属粉に晒され、酸化や腐食あるいは電磁気的劣化を生じる可能性がある。このためこのような要因で信頼性が低下するという問題を考慮する必要がある。
【0009】
また、回転する導体と固定(検出)側のコイル部を有する基板との間のクリアランスが大きくなると、電磁誘導作用が弱くなり、位置検出精度が悪化する可能性がある。
【0010】
本発明の目的の一つは、小型のインダクタンス式回転角度検出装置を得ることである。
【0011】
また第2の目的は、モータ駆動式の絞り弁制御装置に搭載しても十分な信頼性と検出精度が確保できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記第一の目的を達成するために回転体の回転軸に取付けられた励起導体と、その回転体に近接して設けられた固定基板に取付けられ、上記励起導体と電磁的に協働して励起導体に電流を励起させる励磁導体と、この励磁導体と共に固定基板に取付けられ、上記励起導体に発生した電流によって、交流信号が誘起される信号発生導体とを備え、上記励起導体の回転によるインダクタンスの変化によって変化する上記交流信号の変化から上記励起導体の回転位置を検出するよう構成した。
【0013】
好適には固定基板が固定されるケースに窓孔を設け、この窓孔から回転体側の励起導体に励磁導体と信号発生導体とが対面するように固定基板をケースに取付け、ケースの窓孔部を薄い遮蔽部材で覆い、励磁導体と信号発生導体を回転体側の励起導体が配置された空間から遮蔽する。
【0014】
また第2の目的を達成するために、絞り弁が取付けられた回転軸の先端部に励起導体を取付け、モータの回転力を回転軸に伝えるギア機構を覆うようにして絞り弁制御装置本体にギアカバーを取付け、このギアカバーには励起導体に近接して当該励起導体と電磁的に協働して励起導体に電流を励起させる励磁導体と、この励磁導体と共にギアカバーに取付けられ、上記励起導体に発生した電流によって交流信号が誘起される信号発生導体とを設け、上記励起導体の回転によるインダクタンスの変化によって変化する上記交流信号の変化から上記励起導体が取付けられた回転軸の回転位置を検出して、絞り弁の回転角度を検出するよう構成した。
【0015】
好適にはギアカバーに窓孔を設け、この窓孔から回転軸側の励起導体に対面するようにして励磁導体と信号発生導体が形成された固定基板をギアカバーに取付け、ギアカバーの窓孔部を薄い遮蔽部材で覆い、励磁導体と信号発生導体を回転体側の励起導体が配置された空間から遮蔽する。
【発明の効果】
【0016】
本発明に拠れば、被回転体の回転軸の端部にインダクタンス式の非接触式回転角度検出装置をコンパクトに形成でき、小型の回転角度検出装置あるいはそれを備えたモータ駆動式の絞り弁制御装置が得られる。
【0017】
好適な構成に拠れば、信号検出部が回転体の部屋から隔離でき、回転体側の環境に影響されることのない信頼性の高い回転角度検出装置あるいはそれを備えたモータ駆動式の絞り弁制御装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下図面に基づいて本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0019】
図1,図2に基づき本発明になる回転角度検出装置の一実施例を説明する。
【0020】
図1に示すように、回転軸1Aの先端に樹脂成形体で構成される有低筒状(カップ状)のホルダ1Bが取付けられている。ホルダ1Bの先端面には絶縁材製の円板1Cが接着により固定される。ホルダ1Bの先端面には環状の窪み1Eが形成されており、この窪み
1Eに接着剤が流し込まれ円板1Cがその上に載せられ、接着される。円板1Cの表面
(接着面の反対側の面)には後述する励起導体1Dが印刷されている。
【0021】
ホルダ1Bの筒状部の周囲には軸方向に延びる溝と、軸方向に延びる凸条が交互に形成されており、回転体1Aの内周面にはホルダ1Bの周囲の溝と凸条に対して嵌め合い部
1Kを構成するように凹凸部が形成されている。両者は嵌め合い面で、接着剤によって接着してもよい。かくして、嵌め合い部1Kはホルダ1Bの周り止めとなり、また位置決めとしても機能する。
【0022】
励起導体1Dは3本一組の放射状に延びる直線部分1D1と、互いに隣接する直線部分1D1の内周側と外周側を接続するように設けられた弧状部分1D2,1D3とから構成されている。直線部分1D1は互いに60度の間隔を置いて6箇所配置されている。
【0023】
センサのケース2Aにはホルダ1Bの直径より少し大きい直径の円形の窓孔2Bが設けられている。窓孔2Bの周囲には小さな環状突起2Cが形成されている。ケース2Aには窓孔2Bの周囲に検出部を収納する空間を形成する壁部2Dが樹脂成形により形成されている。
【0024】
環状突起2Cと壁部2Dによって形成される凹部には接着剤2Eが流し込まれる。環状の窓孔2Bを閉塞するようにして、この接着剤2Eの上に、図3に示すような樹脂フィルム2Gが設置される。樹脂フィルム2Gの周囲にはいくつかの切込み2Gが設けてあり、この部分では接着剤が露出している。
【0025】
この樹脂フィルム2Fの上に、後述する励磁導体部3A,3a及び信号検出導体部3B,3bが印刷された固定基板3が設置され、樹脂フィルム2Fの周囲に露出した接着剤
2Eによって、その周囲が樹脂フィルム2Fと共にケース2Aの底面部に固定される。
【0026】
フィルム2Fに設けた2つの角型の窓孔2Hは接着剤2Eと樹脂フィルム2F及び固定基板3との間にたまった気泡を抜くためのものである。樹脂フィルム2Fは少なくとも固定基板の裏面に印刷された励磁導体部3a,信号検出導体部3bを覆い隠す面積を持ち、さらに、接着剤が固定基板3と樹脂フィルム2Fの間から励磁導体部3a、信号検出導体部3bに流れ込まないようにその距離が管理されている。また、固定基板3に励磁導体部3aの周囲を囲うように溝を設け、この溝が樹脂フィルム2Fで覆われるように構成してもよい。このように構成すれば、仮に接着剤が固定基板3と樹脂フィルム2Fの間から進入しても、励磁導体部3aまで到達できなくなる。
【0027】
ケース2Aの収納空間は蓋板2Jで覆われており、蓋板2Jを接着剤でケース2に接着することで外気と遮断する。
【0028】
固定基板3にはケース2Aにモールド成型された端子3K1−3K4が電気的に接続されている。
【0029】
図1に示すように絶縁基板である固定基板3には、環状の励磁導体3Aが4本印刷されている。またその内側には放射状に延びる信号検出導体3Bが複数本印刷されている。固定基板3の裏側にもこれと同様の励磁導体3Aおよび信号検出導体3Bが印刷されており、表裏の励磁導体3Aおよび信号検出導体3Bがスルーホール3C−3Fによって繋がっている。
【0030】
この実施例では、120度位相がずれた3相の交流信号が信号検出導体3Bから得られるように構成されている。
【0031】
また、同じ非接触型の回転検出装置が2組形成され、相互の信号を比較することで、センサの異常を検出したり、異常時には相互にバックアップするよう構成されている。
【0032】
3L,3Mはマイクロコンピュータで、それぞれの非接触型の回転角度検出装置の駆動制御と信号処理機能を有する。
【0033】
端子3K1−3K4は1本が電源端子(例えば3K1)で、1本がグランド端子(例えば3K3)、残りの2本3K2,3K4がそれぞれの角度検出装置の信号出力端子として機能する。信号端子の間にグランド端子を配置することで信号端子同士がsy−として両方の信号が同時に異常状態になるのを防ぐことができる。
【0034】
マイクロコンピュータ3L,3Mは電源端子3K1から励磁導体3Aに電流を供給し、信号検出導体3Bに発生する3相の交流電流波形を処理して、励起導体1Dが取付けられた円板1Cの回転位置を検出し、結果的に回転軸1Aの回転角度を検出する。
【0035】
以下実施例の非接触型のインダクタンス式回転角度検出装置の動作について説明する。
【0036】
マイクロコンピュータ3Mは基本的に図1の表裏に形成された第1回転角度検出装置を構成する導体パターン群3A,3Bを制御するものと考えてよい。
【0037】
一方マイクロコンピュータ3Lは基本的に図1の表裏に形成された第2回転角度検出装置を構成する導体パターン群3A,3Bを制御するものと考えてよい。それぞれのコンピュータ3L,3Mは電源端子3K1から励磁導体3Aに直流電流Iaを供給する。
【0038】
励磁導体3Aに直流電流Iaが流れると、この励磁導体3Aに対面する円板1Cの励起導体1Dの外周弧状導体1D3に電流Iaと逆向きの電流IAが励起される。この励起された電流IAは、励起導体ID全体に矢印の方向に流れる。放射方向導体1D1に流れる電流IRはこの部分に対面する信号検出導体3Bの放射状導体部に電流IRに対して逆向きの電流Irを誘起する。この電流Irは交流電流となる。
【0039】
放射状に等間隔で配置された表36本,裏36本の信号検出導体3Bによって第1回転角度検出装置用の3組の相(U,V,W層)パターンと、第2回転角度検出装置の3組の相(U,V,W層)パターンとが形成される。
【0040】
交流電流Irは円板1Cが特定の回転位置、例えばスタート位置(回転角度がゼロの位置)のときU,V,W層のそれぞれの層で120度位相がずれた交流電流となる。
【0041】
円板が回転するとこれら3相の交流電流の位相が相互にずれる。マイクロコンピュータ3L,3Mがこの位相のずれを検出し、位相のずれから、円板1Cがどれだけ回転したかを検出する。
【0042】
信号検出導体3Bからマイクロコンピュータ3L,3Mに入力される第1,第2回転角度検出装置信号の2つの信号電流は基本的には同じ値を示す。マイクロコンピュータ3L,3Mはその同じ信号電流を処理して、信号端子3K1−3K4からは互いに傾きが逆で変化量が等しい信号電圧を出力する。この信号は円板の回転角度に比例する信号である。この信号を受け取った外部装置は両信号を監視し、第1、第2回転角度検出装置が正常かどうかを判断する。どちらかが異常を示す場合には、残余の検出装置の信号を制御信号として用いる。
【0043】
次に上記非接触式の回転角度検出装置をディーゼルエンジン用のモータ駆動式絞り弁
(スロットル弁)制御装置に適用した例を図4〜図9を参照して具体的に説明する。
【0044】
図4はその主要断面図であり、図5〜図9は詳細構造を説明する為の分解斜視図である。
【0045】
以下モータ駆動式の絞り弁制御装置の構成について説明する。
【0046】
アルミダイキャスト製の絞り弁組体(以下スロットルボディと呼ぶ)6には吸気通路1(以下ボアと呼ぶ)とモータ20収納用のモータハウジング20Aが一緒に成型されている。
【0047】
スロットルボディ6にはボア1の一つの直径線に沿って金属製の回転軸(以下スロットルシャフトと呼ぶ)3が配置されている。スロットルシャフト3の両端はボールベアリング9,10の内輪に嵌合固定されている。ボールベアリング9,10の外輪はスロットルボディ6に設けた軸受ボス部7、8に圧入固定されている。
【0048】
かくしてスロットルシャフト3は回スロットルボディ6に対して転可能に支持されている。スロットルシャフト3には金属材製の円板で構成される絞り弁(以下スロットル弁と呼ぶ)2がスロットルシャフト3に設けたスリットに差し込まれ、ねじ4,5でスロットルシャフト3に固定されている。
【0049】
かくして、スロットルシャフト3が回転するとスロットル弁2が回転し、結果的に吸気通路の断面積が変化してエンジンへの吸入空気流量が制御される。
【0050】
モータハウジング20Aはスロットルシャフト3とほぼ並行に形成されており、ブラシ式直流モータで構成されるモータ20がモータハウジング20A内に差込まれ、スロットルボディ6の側壁6Aにモータ20のブラケット20Bのフランジ部をねじ21でねじ止めすることで固定されている。
【0051】
軸受ボス部8の開口はキャップ11で封止されており、軸受ボス部9側はスロットルシャフト3と軸受ボス部9の内壁との間にシールリング12を配置して、シャフトシール部を構成し、機密を保つよう構成されている。
【0052】
これにより、軸受部からの空気の漏れ、あるいは軸受の潤滑用のグリースが外気中や、後述するセンサ室に漏れ出すのを防止している。
【0053】
モータ20の回転軸端部には歯数の最も少ない金属製のギア22が固定されている。このギア22が設けられた側のスロットルボディ側面部にはスロットルシャフト3を回転駆動するための減速歯車機構やばね機構が纏めて配置されている。そして、これら機構部は、スロットルボディ6の側面部に固定される樹脂材製のカバー(以下ギアカバーと呼ぶ)で覆われている。そして、このギアカバーで覆われた、いわゆるギア収納室30に図1乃至図3で説明したインダクタンス式の非接触型回転角度検出装置(以下スロットルセンサと呼ぶ)が設けられ、スロットルシャフト3の回転角度、結果的にはスロットル弁2の開度が検出される。
【0054】
上記した回転角度検出装置を適用したモータ駆動式の絞り弁制御装置では、シャフトシール12からギア収納室30に漏れる窒素や、水分のような化学物質や、グリースやギアの摩耗粉などの付着からスロットルセンサの特に信号検出導体や励磁導体を保護できる。
【0055】
ギア収納室30側のスロットルシャフト3の端部にはスロットルギア13が固定されている。スロットルギア13は金属プレート14と、この金属プレート14に樹脂成形された樹脂材製ギア部15とから構成されている。金属プレート14の中心部にはカップ状の凹部を備えられ、凹部の開放側端部にギア成型用のフランジ部を有する。このフランジ部に樹脂成形によって樹脂材製ギア部15がモールド成型されている。
【0056】
金属プレート14は凹部の中央に孔を有する。スロットルシャフト3の先端部の周囲にはねじ溝が刻まれている。金属プレート14の凹部の孔にスロットルシャフト3の先端を差込み、ねじ部にナット17を螺合することでスロットルシャフト3に金属プレート14を固定する。かくして、金属プレート14及び、そこに成形された樹脂材製ギア部15はスロットルシャフト3と一体に回転する。
【0057】
スロットルギア13の背面とスロットルボディ6の側面との間に弦巻ばねで形成されたリターンスプリング16が軸方向に圧縮された状態で挟持されている。その結果、スロットルシャフト3は常時、図4の右方向に予荷重が作用し、これにより、ボールベアリングのギャップによる軸方向のがたつきが抑制されている。
【0058】
リターンスプリング16の片側は軸受ボス7の周囲を取巻き、その先端がスロットルボディ6に形成された切欠きに係止され、端部は回転方向には回転できないように構成されている。他端は金属プレート14のカップ状部を取巻き、その先端が金属プレート14に形成された孔に係止され、こちらの端部も回転方向には回転できないように構成されている。
【0059】
本実施例はディーゼルの絞り弁制御装置に関するため、スロットル弁2のイニシャル位置、つまりモータ20の電源が切断されているときにスロットル弁2が初期位置として、与えられている開度位置は全開位置である。
【0060】
このため、リターンスプリング16はモータ20が通電されていないときスロットル弁2が全開位置を維持するよう回転方向に予荷重が与えられている。
【0061】
モータ20の回転軸に取付けられたギア22とスロットルシャフト3に固定されたギア25との間にはスロットルボディ6の側面に圧入固定された金属材製の軸24に回転可能に支持された中間ギア23が噛み合っている。中間ギア23はギア22と噛み合う大径ギア23Aとスロットルギア13と噛み合う小径ギア23Bとから構成されている。両ギアは樹脂成形により一体に成型される。これらギア22,23A,23B,15は2段の減速歯車機構を構成している。
【0062】
かくして、モータ20の回転はこの減速歯車機構を介してスロットルシャフト3に伝達される。
【0063】
これら減速機構やばね機構は樹脂材製のギアカバー25によって覆われている。ギアカバー25の開口端側周縁にはシール部材32を挿入する溝が形成されており、シール部材32がこの溝に装着された状態で、ギアカバー25をスロットルボディ6に被せると、シール部材32がスロットルボディ6の側面に形成されているギア収納室30の周囲のフレームの端面に密着してギア収納室30内を外気から遮蔽する。この状態でギアカバー25をスロットルボディ6に6本のねじ26で固定する。
【0064】
このように構成された減速歯車機構とこれを覆うギアカバーとの間に形成された回転角度検出装置すなわちスロットルセンサについて以下具体的に説明する。
【0065】
スロットルギア13のカップ状部の内周部に、樹脂ホルダ19の筒状部の外周が上記で説明した凹凸嵌め合い状態で固定される。樹脂ホルダ19の先端の平面部には導電板18が印刷された円板18Aが接着により取付けられている。
【0066】
したがって、モータ20が回転してスロットル弁2が回転すると、導電板18も一体に回転する。
【0067】
ギアカバー25にはスロットルセンサの固定基板27が導電板18に対面する位置にフィルム(以下薄肉樹脂板と呼ぶ)28を挟んで固定されている。
【0068】
このギア収納室30にセンサの電子部品を搭載した基板を配すると、ギア等機構部品の摩耗粉及びギア収納室30の空気の膨張圧縮による結露にさらされる。
【0069】
さらに、ディーゼルエンジンに電子制御スロットルボディを搭載することを考慮すると、SO2 (二酸化硫黄)やS8 (硫黄)等の硫黄系の化学物質がボア1から、軸受9,シールリング12部を通りギア収納室30へ流入し、硫化物によって固定基板27の導体が腐食する虞がある。
【0070】
そこで本実施例は前記課題を解決する為に、図4及び図5に示すようにギアカバー25に薄肉樹脂板28を設けて、基板搭載部空間31をギア収納室30と遮断する。
【0071】
その上に固定基板27を搭載し、基板搭載部空間31を樹脂カバー29で蓋をすることで、外気とも遮断し、固定基板27をギア収納室30及び外気に対し気密性を有する基板搭載部空間31に配することができ、上記課題を克服できる。
【0072】
また、ギア収納室30と基板搭載部空間31を薄肉樹脂板28で遮断することで、非接触式回転角度検出装置の精度に影響を及ぼす導電体18と固定基板27のクリアランスを必要以上に大きくしなくてもよい構造となるため、スラスト寸法に関連する部品の公差もラフにでき、結果として小型で安価な電子制御スロットルボディを提供することができる。
【0073】
ここで、リターンスプリング16は導電板18を薄肉樹脂板28の直近まで押し、そこで導電板18が軸方向に必要以上にがたつかないように保持する機能を奏する。これにより導電板18と固定基板27との小さなクリアランスが、長期的に維持できるので、非接触式回転角度検出装置の精度の維持が可能となる。
【0074】
接着剤による薄肉樹脂板28及び固定基板27の接合構造のベストモードは、図1〜図3で説明したものと同じである。
【0075】
図9にはギア収納室30の平面図が示されている。ギアカバー29が固定されるフレーム6Fによってギア収納室30は区画されている。フレーム6Fの内側にはギアカバー
29をねじ止めするためのねじ孔が6箇所見える。6P1−6P3はギアカバー29の位置決め用の壁で、この3箇所の壁にギアカバー29の位置決め突起が係死することで固定基板27の導体が回転側の導体と位置決めされ要求される許容範囲内の信号を出力することができる。全開ストッパ13Aはスロットルギア13のイニシャル位置(つまり、全開位置)を機械的に決めるもので、スロットルボディの側壁に一体に形成された突起で構成されている。
【0076】
この突起にスロットルギア13の切欠き終端部が当接することで、スロットルシャフト3は全開位置を越えて回転できない。
【0077】
全閉ストッパ13Bはスロットルシャフト3の全閉位置を規制するもので、スロットルギア13の反対側の終端13Cが全閉位置において、全閉ストッパ13Bに衝突し、全閉位置以上にスロットルシャフト3が回転するのを阻止する。これにより、スロットルシャフト3の端部に固定した固定側の導体(励起導体18)の回転方向の位置の最大値が決定される。
【0078】
これらストッパの位置における。信号検出導体(図2の符号1Cで示されたものに対応する)の出力が全閉,全開値を示す。20Bはモータブラケットを、20Fはモータブラケット20Bのフランジ部を示す。
【実施例2】
【0079】
固定基板27の固定構造の代案構造を図10で説明する。
【0080】
ギアカバー25には位置決めピン36が設けられている。
【0081】
当該位置決めピン36はすり割部37が設けられており、当該位置決めピン36の径は、固定基板27に設けられている取付け穴の径よりも大きくできている。
【0082】
この構造を採用することにより、固定基板27の取付け穴に位置決めピン36による樹脂のバネ力が働くことにより固定基板27をギアカバー25に固定することが可能になる。
【0083】
一方、樹脂カバー29には脱落防止用ピン38が設けられている。
【0084】
脱落防止用ピン38には位置決めピン36より少し大きな穴が設けられており、ギアカバー25に樹脂カバー29を結合することにより、位置決めピン36と脱落防止用ピン
38が結合される。
【0085】
当該脱落防止用ピン38と固定基板27の間には一定のクリアランスがもたれており、位置決めピン36による固定基板27の結合が外れたとしても、固定基板27の位置はこのクリアランス内に保たれ、固定基板27が脱落することを阻止できる。
【実施例3】
【0086】
図11に示すように、ギア収納室30と基板搭載空間31はギアカバー25を樹脂成形した直後の時点では繋がっている。
【0087】
この繋がっている部分に薄肉樹脂板28を接着剤33によりギアカバー25に固定して窓孔を塞ぐ。これで、ギア収納室30と基板搭載部空間31は遮断される。なお、次に薄肉樹脂板28と固定基板27も同様に接着剤33で固定し、ギアカバー25のコネクタと固定基板27の電気的結合作業を行った後、ギアカバー25に樹脂カバー29を接着剤
33で固定することで、外気と基板搭載空間31を遮断する。
【0088】
上記実施例は薄肉樹脂板28をギアカバー25に接着する手法を記載しているが、固定基板27に接着し、その後ギアカバー25に薄肉樹脂板28が組みついた固定基板27ごと接着してもよい。
【0089】
つまり接着順は、組立て作業性には影響を与えるが、本構造が目的としている各空間を遮断するという機能にはなんら影響を与えない。
【実施例4】
【0090】
図12は図11の構造に対し、耐水性,耐化学薬品性のいずれか一方もしくは両方の性能を有するコーティング剤35を固定基板27の薄肉樹脂板28と反対側の面に塗布し、更に信頼性を向上した実施例である。
【0091】
主たる目的は、基板搭載空間31内の結露に対して基板を保護することであるが、最悪化学薬品が基板搭載空間31に流入しても問題が発生しないように考慮した構成である。
【実施例5】
【0092】
図13は図11に対し、薄肉樹脂板28をギアカバー25成形時にギアカバー25の材料自身で形成した実施例である。
【0093】
図13に示すように固定基板27の導体が形成されている中央部に対面する部位を他部位より肉厚を低下させている。これによりギア収納室30と基板搭載空間31を遮断しつつ、小さなクリアランスを確保している。
【0094】
本実施例のメリットは部品点数を低減できること、上記実施例1−4よりも安価なモータ駆動式の絞り弁制御装置を提供できる可能性があることである。
【実施例6】
【0095】
図14は図13に対して、実施例4と同様の観点からコーティング材35を固定基板
27に塗布した実施例である。
【実施例7】
【0096】
図15は図11に対して、薄肉樹脂板28をギアカバー25とは別部材として用意し、ギアカバーの成型時に一体成形で窓孔部に固定する実施例である。
【0097】
本実施例のメリットは、実施例3に対して固定基板27固定用の接着剤を減らしている為、図11より安価である。
【0098】
また、図13に示す実施例4は、成形で他部位よりも明らかに肉厚の薄い部分を安定的に成形できなければならず、品質の維持という観点からすると、とても難しい技術である。
【0099】
それに対して薄肉樹脂板28とギアカバー25を一体成形する技術は、上記に比べ品質の安定性を図り安いメリットがある。
【実施例8】
【0100】
図16は図15に対して、実施例2と同様の観点からコーティング材35を固定基板
27に塗布した実施例である。
【実施例9】
【0101】
上記は、ギア収納室30をギアカバー25,シール部材32及びスロットルボディ6で形成し、基板搭載空間31をギアカバー25と樹脂カバー29で形成し、各々の空間境界部に薄肉樹脂板28を接着する構造、すなわち固定基板27をギアカバー25の外側から組み込む構造について説明してきたが、ここからは、固定基板27をギアカバー25の内側から組み込む構造体の実施例を図17〜図20で説明する。
【0102】
図17に示す第9実施例と、図16までのすべての実施例との違いは樹脂カバー29の有無である。
【0103】
図17には樹脂カバー29が無いため、部品低減及び樹脂カバー29をギアカバー25に組付ける接着剤等の工程が不必要になるため、図16までのすべての実施例に比べ安価にできるというメリットが存在する。
【0104】
図18に分解斜視図を示す。
【0105】
ギアカバー25には、固定基板27の四辺を囲むような壁25aを設けてある。
【0106】
固定基板27を壁25aで囲まれた直方体形状部に組付け、ギアカバー25のコネクタと固定基板27の電気的結合作業を行った後、薄肉樹脂板28とギアカバー25の壁25aを接着することで、ギア収納室30と基板搭載空間31を遮断する。
【0107】
図19は遮断部分の構造を示す部分断面図である。
【0108】
これにより実施例1−8と同様に基板搭載空間31は、ギア収納室30及び外気と遮断された空間となり、固定基板27をギアの摩耗粉やSO2 等の化学物質から保護することができる。
【実施例10】
【0109】
図20は図19に対して、実施例3と同様の観点からコーティング材35を固定基板
27に塗布した実施例である。
【0110】
これら実施例の実施の態様は以下の通りである。
1.スロットルバルブの位置を検出する非接触式位置検出手段の可動側部品がスロットルシャフトに固定され、電子部品を搭載した固定側部品をギアカバーに配置した電子制御モータ駆動式絞り弁制御装置において、前記位置検出手段の固定側部品はスロットルバルブを動かす駆動系部品が配置される空間とは遮蔽された空間に配置され、前記位置検出手段の固定側部品が搭載される部分の前記ギアカバー肉厚が他の部分に比べ薄肉となっており、前記位置検出手段の可動側部品が前記薄肉部に近接して配置されていることを特徴とするモータ駆動式の絞り弁制御装置。
2.実施態様1に対し、前記ギアカバー薄肉部を前記ギアカバーとは別材質で且つ前記ギアカバーと一体成形することで前記駆動側部品が配される空間と遮蔽されることを特徴とするモータ駆動式の絞り弁制御装置。
3.実施態様1に対し、前記ギアカバー薄肉部をフィルム状の部品で形成し、前記フィルム状部品は前記ギアカバー及び前記位置検出手段の固定側部品の間に配置することで前記駆動側部品が配される空間と遮蔽されることを特徴とするモータ駆動式の絞り弁制御装置。
4.実施態様3において、前記フィルム状部品としてPI樹脂製のフィルムを使用したことを特徴とするモータ駆動式の絞り弁制御装置。
5.実施態様1,実施態様2及び、実施態様3及び実施態様4に記載する構造を有するモータ駆動式の絞り弁制御装置において、前記位置検出手段の前記固定側部品の薄肉部とは反対側の面に耐水及び耐化学薬品等のコーティングを施さないことを特徴とするモータ駆動式絞り弁制御装置。
6.実施態様1,実施態様2,実施態様3及び実施態様4に記載する構造を有するモータ駆動式の絞り弁制御装置において、前記位置検出手段の前記固定側部品の薄肉部とは反対側の面に耐水及び耐化学薬品の両方に耐性を有するもしくはどちらか一方の耐性を有するコーティングを施したことを特徴とするモータ駆動式絞り弁制御装置。
7.スロットルバルブの位置を検出する非接触式位置検出手段の可動側部品がスロットルシャフトに固定され、電子部品を搭載した固定側部品をギアカバーに配置した電子制御モータ駆動式絞り弁制御装置において、前記ギアカバーは前記位置検出手段の固定部品の四方を覆う壁面を有し、その空間内に前記位置検出手段の固定側部品を搭載後、フィルム状部材で覆うことで、スロットルバルブを動かす駆動系部品が配置される空間とは遮蔽された空間つくることを特徴とするモータ駆動式の絞り弁制御装置。
8.実施態様7において、前記フィルム状部品としてPI樹脂製のフィルムを使用したことを特徴とするモータ駆動式の絞り弁制御装置。
9.実施態様7及び実施態様8に記載する構造を有するモータ駆動式の絞り弁制御装置において、前記位置検出手段の前記固定側部品に耐水及び耐化学薬品等のコーティングを施さないことを特徴とするモータ駆動式絞り弁制御装置。
10.実施態様7及び実施態様8に記載する構造を有するモータ駆動式の絞り弁制御装置において、前記位置検出手段の前記固定側部品の片面もしくは両面に耐水及び耐化学薬品等のコーティングを施さないことを特徴とするモータ駆動式絞り弁制御装置。
11.スロットルバルブの位置を検出する非接触式位置検出手段の可動側部品がスロットルシャフトに固定され、電子部品を搭載した固定側部品をギアカバーに配置したモータ駆動式絞り弁制御装置において、前記位置検出手段の固定部品に耐水性及び耐化学薬品性に優れたコーティング材を塗布して、前記ギアカバーに搭載すること特徴とするモータ駆動式の絞り弁制御装置。
12.実施態様1,実施態様2及び、実施態様3及び実施態様4に記載する構造を有するモータ駆動式の絞り弁制御装置において、電子部品を搭載した固定部品がギアカバーに設けられたピンによって固定されるモータ駆動式の絞り弁制御装置。
13.実施態様1,実施態様2及び、実施態様3及び実施態様4に記載する構造を有するモータ駆動式の絞り弁制御装置において、ギアカバーとは別の部材により電子部品を搭載した固定部品が脱落することを防止されたモータ駆動式の絞り弁制御装置。
【0111】
以上の実施例によれば、インダクタンス式センサの電子部品を搭載した基板をモータ駆動式の絞り弁制御装置に搭載するに当たり、ギアや軸受部の摺動に伴う金属や樹脂の摩耗粉,吸気通路から進入する化学物質や水分に対する耐久性,耐腐食性を向上させることができる。
【0112】
特に、複雑な形状で基板の表裏に印刷され、その隣接する導体同士の間隔が狭く、且つ自体の導体の幅が狭い信号導体や環状の励磁導体は酸化や腐食に対して敏感であるが、本実施例に拠れば、導体の酸化や腐食が抑制され、長期の使用においてもその出力信号が劣化することがなくなった。
【0113】
上記実施例に拠れば、非接触の回転角度検出装置の可動側部品と固定側部品の間にケース又はギアカバーとは別体の薄肉の遮蔽部材を配置すること、または、薄肉の部材をケース又はギアカバーと同時成形することにより、可動側部品と固定側部品のクリアランスを小さくすることができる。
【0114】
その結果、可動側部品と固定側部品のクリアランスを必要以上に大きくすることなく、駆動部品が配される空間と固定側部品の配される空間を遮断することができる。
【0115】
本実施例によれば、インダクタンス方式の位置検出装置だけではなく、電子部品が搭載された基板をモータ駆動式の絞り弁制御装置のような使用環境の厳しい部品に搭載する際、非常に薄い部材でギア等が配置される空間に対し、別の空間を作ることができるため容易に小型化が可能である。
【0116】
また、この薄い部材を接着剤等で固定することにより、ギア等が配置される空間と分離された空間を作るだけでなく、分離された空間の気密性を確保できる。
【0117】
したがって、電子部品が搭載された基板をギア等が配置された空間から分離し、且つ気密性が確保された空間に取付けることができるため、ギア等機械部品摩耗粉だけでなく、エンジンの空気通路からスロットルシャフト軸受部を通り進入してくる化学成分、特に
SO2 やS8 のような腐食性ガスや水分による基板の導電部が酸化したり腐食したりしてダメージを受けるというような課題を解決したモータ駆動式の絞り弁制御装置を提供できる。
【0118】
本実施例ではスロットルボディ6はアルミ代キャストを用いたものについて説明したが、樹脂材で成型することもできる。スロットル弁についても、門実施例では金属材製のものについて説明したが、樹脂材で成型することができる。
【0119】
本実施例ではモータとして、ブラシ式直流モータを用いたものを説明したが、例えばブラシレスモータ,ステップモータ,トルクモータ,超音波モータなどの回転トルクを利用するアクチュエータを用いることもできる。
【0120】
また、本実施例の装置では、ボールベアリングを用いた構成を記載しているが、軸受はニードルベアリングや樹脂性のプレーンベアリング等の軸受を用いることもできる。
【0121】
本実施例では直流モータのトルクは2段の減速機構を介してスロットルシャフトに伝達するよう構成したが、中間ギア23A,23Bを介さずに伝達しても良く、また、モータとスロットルシャフト3を同軸に配置し、ギアを介さずに直接伝達しても良い。
【0122】
また、本実施例では、ギアカバー25と樹脂カバー29の結合手法については、接着剤によるものを説明したが、本結合部の目的は外気と基板搭載空間31との遮断であるので、その遮断方法はレーザー溶接,熱カシメ及びゴム等のシール部材を用い、ねじで樹脂カバー29をギアカバー25に固定するといった構造でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0123】
実施例は、ディーゼルエンジン車用モータ駆動式の絞り弁制御装置(モータ駆動式の絞り弁制御装置)にインダクタンス式の非接触型回転検出装置を搭載したものについて説明したが、電子制御スロットル(モータ駆動式の絞り弁制御装置)に限らず電子部品を有する基板を搭載し、腐食もしくは金属摩耗粉等がふりかかる等の問題がある構成部品に適用することができる。
【0124】
また、ディーゼルエンジン車用のモータ駆動式の絞り弁制御装置(電子制御スロットル装置)について説明したが、ガソリンエンジン車用のモータ駆動式の絞り弁制御装置にも適用できる。
【0125】
さらに、回転角度検出センサとして、例えば、アクセルの回転角度を検出するセンサにも適用できる。
【0126】
ターボチャージャの可動翼制御用アクチュエータの回転角度検出装置にも適用できる。
【0127】
自動変速機のギアシフトアクチュエータの回転角度検出装置にも適用できる。
【0128】
2駆,4駆切り替えアクチュエータの回転角度検出装置にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】インダクタンス式の非接触型回転角度検出装置の要部拡大断面図。
【図2】インダクタンス式の非接触型回転角度検出装置の主要部分解斜視図。
【図3】インダクタンス式の非接触型回転角度検出装置の主要部品拡大平面図。
【図4】ディーゼルエンジン車に用いるモータ駆動式の絞り弁制御装置の断面図。
【図5】ディーゼルエンジン車に用いるモータ駆動式の絞り弁制御装置のギアカバーの分解斜視図。
【図6】ディーゼルエンジン車に用いるモータ駆動式の絞り弁制御装置の外観斜視図。
【図7】ディーゼルエンジン車に用いるモータ駆動式の絞り弁制御装置のギアカバーをはずした斜視図。
【図8】ディーゼルエンジン車に用いるモータ駆動式の絞り弁制御装置のスロットルボディ側分解斜視図。
【図9】ディーゼルエンジン車に用いるモータ駆動式の絞り弁制御装置のギア収納室の平面図。
【図10】固定基板搭載部の構成の第2実施例一部を説明するための断面図。
【図11】固定基板搭載部の第3実施例の断面図。
【図12】固定基板搭載部の第4実施例の断面図。
【図13】固定基板搭載部の第5実施例の断面図。
【図14】固定板搭載部の第6実施例の断面図。
【図15】固定基板搭載部の第7実施例の断面図。
【図16】固定基板搭載部の第8実施例の断面図。
【図17】固定基板をギアカバーの内側に搭載したモータ駆動式絞り弁制御装置の断面図。
【図18】固定基板をギアカバーの内側に搭載したモータ駆動式絞り弁制御装置のギアカバー部の分解斜視図。
【図19】固定基板搭載部の第9実施例の断面図。
【図20】固定基板搭載部の第10実施例の断面図。
【符号の説明】
【0130】
1 ボア
2 スロットル弁
3 スロットルシャフト
4,5,17,21,26 ねじ
6 スロットルボディ
7,8 軸受ボス部
9,10 軸受
11 キャップ
12 シールリング
13 スロットルギア
14 金属プレート
15 樹脂成形部
16 リターンスプリング
18 導電体
19 樹脂ホルダ
20 モータ
22 モータギア
23 中間ギア
24 ギアシャフト
25 ギアカバー
25a 隔壁
27 固定基板
28 薄肉樹脂板
29 樹脂カバー
30 ギア収納室
31 基板搭載部空間
32 シール部材
33 接着剤
35 コーティング剤
36 位置決めピン
37 すり割部
38 脱落防止ピン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被回転検出体を覆うと共に、基板が取付けられたケース部材、
前記基板上に環状に配設されると共に、電流の印加によって磁界を発生する励磁導体部、
前記被回転検出体に固定されると共に、前記励磁コイル部と間隔を保って非接触状態に配置され、電磁作用によって前記被回転検出体の回転位置に応じた電流を発生する励起導体部、
前記基板上に配設されると共に、前記励起導体に流れる電流に応じた電流が発生する受信導体部
を備えた回転検出装置であって、
前記基板に配設された前記励磁導体部と受信導体部とを覆って外気から遮蔽する樹脂材製遮蔽部材を、前記被回転検出部に設けられた前記励起導体部と前記基板上に設けた前記励磁導体部と受信導体部との間に配置した
回転検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載したものにおいて、
前記ケース部材に窓孔が形成されており、当該窓孔部において前記励磁導体部と前記受信導体部とが前記励起導体部に対面するように位置づけられて前記基板が前記ケース部材に固定されており、
前記樹脂材製遮蔽部材が前記基板と前記ケース部材との間に挟持されている
回転検出装置。
【請求項3】
請求項1に記載したものにおいて、
前記ケース部材に窓孔が形成されており、当該窓孔部において前記励磁導体部と前記受信導体部とが前記励起導体部に対面するように位置づけられて前記基板が前記ケース部材に固定されており、
前記樹脂材製遮蔽部材が前記ケース部材の窓孔を覆うようにして、前記ケース部材の前記励磁導体部側の面に取付けられている
回転検出装置。
【請求項4】
請求項1に記載したものにおいて、
前記樹脂材製遮蔽部材は前記前記励磁導体部と前記受信導体部とを覆う、コーティング膜として、前記基板に形成されている
回転検出装置。
【請求項5】
請求項2に記載したものにおいて、
前記ケース部材は、前記励磁導体部側とは反対の面に前記窓孔の周囲を囲う収納壁部が形成されており、
当該収納壁部に前記基板が収納され、
前記収納壁部にはさらに、前記基板を外気から隔離するための蓋板が取付けられている
回転検出装置。
【請求項6】
請求項5に記載したものにおいて、
前記ケース部材には、コネクタ部が一体に形成されており、当該コネクタ部には一端が外気に露出し、他端が前記収納部に露出する端子導体が、樹脂成形によって一体に設けられており、
前記基板上の前記励磁導体部と前記受信導体部が前記端子導体の他端に電気的に接続されている
回転検出装置。
【請求項7】
請求項1に記載したものにおいて、
前記受信導体部は前記励磁導体部の内側に配線されており、周方向に間隔を置いて放射状に延びる部分と当該放射状に延びる部分の内周端側を接続する内周弧状部と外周端側を接続する外周弧状部とからなり、
前記励起導体部は前記受信導体部の放射状に延びる部分に対応する放射状導体部と環状の前記励磁導体に対応する弧状導体部とを備える
回転検出装置。
【請求項8】
請求項2に記載したものにおいて、
前記窓孔の周囲に窪みが形成されており当該窪みに用意された接着剤によって前記樹脂材製遮蔽部材と前記ケース部材とが固定されている
回転検出装置。
【請求項9】
請求項8に記載したものにおいて、
前記樹脂材製遮蔽部材の周囲には切欠き部が形成されており、当該切欠き部において前記接着剤が前記基板と密着し、前記基板を前記ケース部材に固定している
回転検出装置。
【請求項10】
請求項9に記載したものにおいて、
前記樹脂材製遮蔽部材の前記窓孔の周囲の接着剤部に切抜き部が形成されており、当該切抜き部を前記基板が覆っている
回転検出装置。
【請求項11】
モータの回転を減速ギアを介して絞り弁軸に伝え、当該絞り弁軸に固定された絞り弁をモータによって制御するであって、前記絞り弁軸の前記減速ギア側端部に当該絞り弁軸の回転位置を検出する回転検出装置を備えたものにおいて、
当該回転検出装置は、
基板上に環状に配設されると共に、電流の印加によって磁界を発生する励磁導体部と、
被回転検出体に固定されると共に、前記励磁コイル部と間隔を保って非接触状態に配置され、電磁的作用によって前記被回転検出体の回転位置に応じた電流を発生する励起導体部と、
前記基板上に配設されると共に、前記励起導体に流れる電流に応じた電流が発生する受信導体部を備え、
前記基板は前記減速ギアを覆う樹脂材製ギアカバーに取付けられており、
前記基板に配設された前記励磁導体部と受信導体部とを覆って外気から遮蔽する樹脂材製遮蔽部材を、前記被回転検出部に設けられた前記励起導体部と前記基板上に設けた前記励磁導体部と受信導体部との間に配置した
モータ駆動式の絞り弁制御装置。
【請求項12】
請求項11に記載したものにおいて、
前記樹脂材製ギアカバーに窓孔が形成されており、当該窓孔部において前記励磁導体部と前記受信導体部とが前記励起導体部に対面するように位置づけられて前記基板が前記樹脂材製ギアカバーに固定されており、
前記樹脂材製遮蔽部材が前記基板と前記樹脂材製ギアカバーとの間に挟持されている
モータ駆動式の絞り弁制御装置。
【請求項13】
請求項11に記載したものにおいて、
前記樹脂材製ギアカバーに窓孔が形成されており、当該窓孔部において前記励磁導体部と前記受信導体部とが前記励起導体部に対面するように位置づけられて前記基板が前記樹脂材製ギアカバーに固定されており、
前記樹脂材製遮蔽部材が前記樹脂材製ギアカバーの窓孔を覆うようにして、前記樹脂材製ギアカバーの前記励磁導体部側の面に取付けられている
モータ駆動式の絞り弁制御装置。
【請求項14】
請求項11に記載したものにおいて、
前記樹脂材製遮蔽部材は前記前記励磁導体部と前記受信導体部とを覆う、コーティング膜として、前記基板に形成されている
モータ駆動式の絞り弁制御装置。
【請求項15】
請求項12に記載したものにおいて、
前記樹脂材製ギアカバーは、前記励磁導体部側とは反対の面に前記窓孔の周囲を囲う収納壁部が形成されており、
当該収納壁部に前記基板が収納され、
前記収納壁部にはさらに、前記基板を外気から隔離するための蓋板が取付けられている
モータ駆動式の絞り弁制御装置。
【請求項16】
請求項15に記載したものにおいて、
前記樹脂材製ギアカバーには、コネクタ部が一体に形成されており、当該コネクタ部には一端が外気に露出し、他端が前記収納部に露出する端子導体が、樹脂成形によって一体に設けられており、
前記基板上の前記励磁導体部と前記受信導体部が前記端子導体の他端に電気的に接続されている
モータ駆動式の絞り弁制御装置。
【請求項17】
請求項11に記載したものにおいて、
前記受信導体部は前記励磁導体部の内側に配線されており、周方向に間隔を置いて放射状に延びる部分と当該放射状に延びる部分の内周端側を接続する内周弧状部と外周端側を接続する外周弧状部とからなり、
前記励起導体部は前記受信導体部の放射状に延びる部分に対応する放射状導体部と環状の前記励磁導体に沿って周方向に配置される弧状導体部とを備える
モータ駆動式の絞り弁制御装置。
【請求項18】
請求項12に記載したものにおいて、
前記窓孔の周囲に窪みが形成されており当該窪みに用意された接着剤によって前記樹脂材製遮蔽部材と前記ケース部材とが固定されている
モータ駆動式の絞り弁制御装置。
【請求項19】
請求項18に記載したものにおいて、
前記樹脂材製遮蔽部材の周囲には切欠き部が形成されており、当該切欠き部において前記接着剤が前記基板と密着し、前記基板を前記ケース部材に固定している
モータ駆動式の絞り弁制御装置。
【請求項20】
請求項19に記載したものにおいて、
前記樹脂材製遮蔽部材の前記窓孔の周囲の接着剤部に切抜き部が形成されており、当該切抜き部を前記基板が覆っている
モータ駆動式の絞り弁制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−96231(P2008−96231A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−277101(P2006−277101)
【出願日】平成18年10月11日(2006.10.11)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】