説明

インプラント型医療装置向け通信用リピータ装置

【課題】改良型患者管理システムにおいて、インプラント型医療装置から収集したデータをデータ用リポジトリに転送するリピータ装置を提供すること。
【解決手段】リピータ装置は医療装置から収集したデータを一旦リピータ装置内のメモリに格納する。その後、リポジトリにデータを転送するが、以下の調整を行いながら転送を実行する。一実施形態では、リピータ装置とリポジトリとの間にある通信媒体の状態を基にして行う。通信媒体の状態を検知して、通信媒体の状態がデータ伝送に適切な状態にあるときに、リピータ装置は通信媒体を介してリポジトリにデータを転送する。他の実施形態では、医療装置から収集したデータの緊急度を基にして行う。収集データを分析して、患者がまさに緊急状態に入るか、既に緊急状態に入ったかを判断して緊急の度合いを決定する。次にリピータ装置は緊急の度合いに基づいてリポジトリにデータを転送する時刻を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の伝送装置は、一般には、改良型患者管理システムに関わるもので、より詳しくいえば、リピータ装置を通して、医療装置と改良型患者管理システムのリポジトリとの間の情報交換に関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療装置およびそれから得られるデータをモニターして、追跡するのに必要な設備数を節減させるためには、改良型患者管理システムは、通信のインフラストラクチャを提供する必要がある。この通信のインフラストラクチャは、インプラント型医療装置が、長距離でかつ常に接続可能な通信を、前記医療装置と患者とをモニターするバックエンドシステムと協働して行うことで可能にしている。さらに、このバックエンドシステムは、通常のフォローアップが実際に行ない得る頻度以上に、患者をモニターすることを可能にしている。バックエンドシステムは、インプラント型医療装置と通信するのに、リピータ装置を介することにより、患者が、より身近に居るようにすることができる。従来型のリピータ装置は、医療装置に問い合わせをするのに、誘導結合のような無線通信での、いくつかの構成を介して行っている。従来型のリピータ装置は、医療装置からデータを収集してから、別の通信媒体を介して、遠方の場所にデータを送信しており、別の通信媒体とは、標準の電話回線のような媒体が該当する。
【0003】
従来型のリピータ装置のいくつかは、医療装置と遠隔な場所との直結の通信形態を形成して、データを流すパイプの役目を果たしている。一般には、患者がこれらの従来型のリピータ装置を操作して、適切な時刻にデータ通信を開始させなければならなかった。他の従来型のリピータ装置は、適切な時刻に、医療装置からデータを収集し、遠隔地にデータを送信すべき別の適切な時刻まで、上記データを保管している。しかしながら、患者は、また従来型のリピータ装置と遠隔地との間での通信を開始させなければならず、さもなければ、リピータ装置がプリセットタイマーを使って、追加すべき事項の有無を考慮することなく、送信することになる。
【0004】
患者に対して、遠隔地への通信を開始させることを要求することは、非常に耐え難い負担であり、リピータ装置が一旦データを収集した後の数時間後に、遠隔地に送信する場合は、特に耐え難い負担となっている。さらに、患者に対して、遠隔地との通信を開始させることを要求することは、改良型患者管理システムに、人間のエラーに起因するシステムへの脆弱性をもたらすことになる。プリセットされた時刻だけを頼りにして、遠隔地への送信を開始することも、問題がある。例えば、リピータ装置が依存している電話ラインが使用中かもしれず、さもなければ、プリセット時刻に利用できないこともある。または、緊急の状態が発生し、その状態はプリセット時刻時に連絡した通信情報以上に緊急の注意が必要とされ、かつ、プリセット時刻の報告後に発生するかもしれないのである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記で述べた問題点および他の類似問題点を、種々の実施形態によって、本発明は解決を図るものである。ここでの実施形態では、患者のデータを送信する際に、遠隔地との通信をリピータ装置が自動的に開始することを可能にしている。リピータ装置が、遠隔地との通信を自動的に開始するにあたり、通信準備を行うが、その準備の前に、データを通過させる通信媒体のアクセス性と通信条件、および/または、患者の状態が緊急の注意を必要としているか否かのような付加的要素を検討してから、行うようにする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの実施形態において、リピータ装置は、医療装置のデータをデータ用リポジトリに送信する際、調整をとりながら送信するが、送信するときの調整は、リピータ装置と前記リポジトリとの間にある通信媒体の条件をもとにして行う。リピータ装置は、インプラント型医療装置からデータを収集した後、そのデータをメモリに格納し、そして、通信媒体の状況の検知を開始する。検知する内容は、電話回線が既に使用中か否か、または通話申し込みが可能か否かである。一旦、通信媒体の状態が、データ伝送に対して適切な状態になれば、リピータ装置は通信媒体を介して、前記リポジトリにデータを転送することになる。
【0007】
他の実施形態において、リピータ装置は、医療装置のデータをデータ用リポジトリに送信する際、調整をとりながら送信するが、送信するときの調整は、医療装置から収集したデータの緊急度をもとにして行う。リピータ装置は、インプラント型装置からデータを収集した後、データをメモリに格納し、その後に、前記データの分析を開始して、患者がまさに緊急状態に入るか、既に緊急状態に入ったかを判断して、緊急の度合いを決定する。そして、リピータ装置は、緊急の度合いにもとづき、リポジトリにデータを送信する時刻を決定する。
【0008】
本発明を特徴づけるような、本願明細書に記載の特徴と他の種々の特徴、種々の利点は、以下の詳細な説明を読むことと、関連する図面を参照することにより、明白になるであろう。
例えば、本発明は以下を提供する。
(項目1)
患者に結合される医療装置から、データをリポジトリに中継するためのリピータ装置において、
データを得るために医療装置と通信するように構成される受信装置と、
受信したデータを一旦保持するメモリと、
通信媒体を介して前記データを送信するように構成される送信装置と、
前記通信媒体の状態を検出し、前記通信媒体が送信に充分対応できる状態のときに、送信装置にデータ送信するためのトリガを与えるように構成される処理装置とを備えることを特徴とするリピータ装置。
(項目2)
前記通信媒体が、公衆交換電話網に接続される地上の通信回線を有しており、前記処理装置は、前記地上の通信回線が使用中か否かを検出することにより、前記通信媒体の状態を検出する項目1に記載のリピータ装置。
(項目3)
前記通信媒体が、無線周波通信手段を有しており、前記処理装置は、前記無線周波通信手段を通して得られる該信号の強度を検出することにより、前記通信媒体の状態を検出する処理装置からなる項目1に記載のリピータ装置。
(項目4)
前記受信装置が、誘導性結合により前記医療装置からの情報を受信する項目1に記載のリピータ装置。
(項目5)
前記受信装置が、人間の皮下にある前記医療装置からの情報を受信する項目1に記載のリピータ装置。
(項目6)
患者に結合される医療装置とリポジトリとの間で相互にデータを提供する方法において、
前記医療装置からの前記データを受信するステップと、
受信した前記データを一旦格納するステップと、
前記データを全て送信できるようにするための通信媒体の状態を検出するステップと、
前記通信媒体が送信に充分対応できる状態のときに、前記通信媒体を介して、前記データを全て送信するステップとを有することを特徴とするデータを提供する方法。
(項目7)
前記通信媒体が、公衆交換電話網に接続される地上の通信回線を有しており、前記地上の通信回線が使用中か否かを検出するステップが、前記通信媒体の状態を検出することを含む項目6に記載のデータを提供する方法。
(項目8)
前記通信媒体が、無線周波通信手段を有しており、前記通信媒体の状態を検出するステップが、前記無線周波通信手段を通して、適切な信号の強さが得られているか否かを検出することを含む項目6に記載のデータを提供する方法。
(項目9)
前記データを収集するステップが、前記リピータ装置と前記医療装置との間で、誘導性結合を行うことを含む項目6に記載のデータを提供する方法。
(項目10)
前記データを収集するステップが、人間の皮下にある前記医療装置からの情報を受信することを含む項目6に記載のデータを提供する方法。
(項目11)
患者に結合される医療装置と治療との間で相互にデータを提供するリピータ装置において、
前記医療装置から前記データを収集する手段と、
受信した前記データを一旦格納する手段と、
前記データを全て送信できるようにするための通信媒体の状態を検出する手段と、
前記通信媒体が送信に充分対応できる状態のときに、前記通信媒体を介して、前記データを全て送信する手段とを備えることを特徴とするリピータ装置。
(項目12)
前記通信媒体が、公衆交換電話網に接続される地上の通信線を有しており、前記地上の通信回線が使用中か否かを検出する手段が、前記通信媒体の状態を検出する項目11に記載のリピータ装置。
(項目13)
前記通信媒体が、無線周波通信手段を有しており、前記通信媒体の状態を検出するステップが、前記無線周波通信手段を通して、適切な信号の強さが得られているか否かを検出することを含む項目11に記載のリピータ装置。
(項目14)
前記データを収集する手段が、前記リピータ装置と前記医療装置との間での誘導性結合から得られる、項目11に記載のリピータ装置。
(項目15)
前記データを収集する手段が、人間の皮下にある前記医療装置からの情報を受信する請求項11に記載のリピータ装置。
(項目16)
患者に結合された医療装置から、データをリポジトリに中継するためのリピータ装置において、
データを得るために前記医療装置と通信するように構成される受信装置と、
受信した前記データを一旦保持するメモリと、
通信媒体を介して前記データを送信するように構成される送信装置と、
前記データの緊急の度合いを検出し、前記緊急の度合いに基づいて設定された時刻に、前記送信装置に対して、前記データを送信するためのトリガを与えるように構成される処理装置とを備えることを特徴とするリピータ装置。
(項目17)
前記通信媒体が、公衆交換電話網に接続される地上の通信線を有する項目16に記載のリピータ装置。
(項目18)
前記通信媒体が、無線周波通信手段を有する項目16に記載のリピータ装置。
(項目19)
前記受信装置が、誘導性結合により、前記医療装置からの情報を受信する項目16に記載のリピータ装置。
(項目20)
前記受信装置が、人間の皮下にある前記医療装置からの情報を受信する項目16に記載のリピータ装置。
(項目21)
前記処理装置が、前記患者の健康状態を診断するための前記データを分析することにより、前記緊急の度合いを検出する項目16に記載のリピータ装置。
(項目22)
前記処理装置が、前記患者から送られてくる入力信号を受信することにより、前記緊急の度合いを検出する項目16に記載のリピータ装置。
(項目23)
患者に結合される医療装置とリポジトリとの間で相互にデータを提供する方法であって、
前記医療装置からのデータを収集するステップと、
受信した前記データを一旦格納するステップと、
前記データの緊急の度合いを検出するステップと、
検出した前記緊急の度合いに基づいて、前記通信媒体に前記データを全て送信する時刻を決定するステップとを有することを特徴とするデータを提供する方法。
(項目24)
前記通信媒体が、公衆交換電話網に接続される地上の通信線を有する項目23に記載のデータを提供する方法。
(項目25)
前記通信媒体が、無線周波通信手段を有する項目23に記載のデータを提供する方法。
(項目26)
前記データを収集するステップが、前記リピータ装置と、前記医療装置との間で誘導性結合を行うことを含む項目23に記載のリピータ装置。
(項目27)
前記データを収集するステップが、人間の皮下にある前記医療装置からの情報を受信する項目23に記載のデータを提供する方法。
(項目28)
前記緊急の度合いを検出するステップが、前記患者の健康状態を診断するための前記データを分析することを含む項目23に記載のデータを提供する方法。
(項目29)
前記緊急の度合いを検出するステップが、前記患者から送られてくる入力信号を受信することを含む項目23に記載のデータを提供する方法。
(項目30)
患者に結合される医療装置とリポジトリとの間で相互にデータを提供するリピータ装置において、
前記医療装置からのデータを収集する手段と、
受信した前記データを一旦格納する手段と、
前記データの緊急の度合いを検出する手段と、
検出した前記緊急の度合いに基づいて、前記通信媒体に前記データを全て送信する時刻を決定する手段とを備えることを特徴とするリピータ装置。
(項目31)
前記通信媒体が、公衆交換電話網に接続される地上の通信線を有する項目30に記載のリピータ装置。
(項目32)
前記通信媒体が、無線周波通信手段を有する項目30に記載のリピータ装置。
(項目33)
前記データを収集する手段が、前記リピータ装置と前記医療装置との間で、誘導性結合を行う項目30に記載のリピータ装置。
(項目34)
前記データを収集する手段が、人間の皮下にある前記医療装置からの情報を受信する請求項30に記載のリピータ装置。
(項目35)
前記緊急の度合いを検出する手段が、患者の健康状態を診断するための前記データを分析する項目30に記載のリピータ装置。
(項目36)
前記緊急の度合いを検出する手段が、前記患者から送られてくる入力信号を受信する項目30に記載のリピータ装置。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】改良形医療管理システムの一例を、説明する図である。
【図2】改良形医療管理システムに適用される計算機システムの一例を、説明する図である。
【図3】改良形医療管理システムに使用される問い合せ装置/トランシーバ装置の一例を、説明する図である。
【図4】改良形医療管理システムに使用される通信システムの一例を、説明する図である。
【図5】インプラント型医療装置、外置きのリピート装置およびリポジトリ間の通信を、説明する図である。
【図6】図5の典型的な外置きのリピータ装置について、詳細に説明する図である。
【図7】典型的なリピータ装置の構成要素について説明する図である。
【図8】インプラント型医療装置、外置きのリピート装置およびリポジトリの通信の典型的な処理フローを説明する図であって、リポジトリへのデータの転送に関連して、データの緊急度が決定され、転送手順が検討されている図である。
【図9】インプラント型医療装置、外置きのリピート装置およびリポジトリ間における情報コミュニケーションの典型的な処理フローを説明する図であって、リポジトリへのデータの転送に関連して、通信媒体の状態が決定され、転送手順が検討されている図である。
【図10】インプラント型医療装置、外置きのリピート装置およびリポジトリ間における情報コミュニケーションの典型的な処理フローを説明する図であって、リポジトリへのデータの転送に関連して、データの緊急度および通信媒体の状態が決定され、転送手順が検討されている図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面において、スケールを書く必要がある図面は無く、前述した構成要素とほぼ同様なものについては、全図面において、同一の参照番号を付して表わしている。異なった数字の添え字があるものは、類似ではあるが、異なった構成要素を表している。添付図面は、全般的に、具体的な例によって、本願明細書に記述されている種々の実施形態を例示しているが、本発明の範囲は、それに限定されるものではない。
【0011】
本発明の実施形態に係る装置と通信プロトコルとを記述するに先立ち、改良型患者管理システムの例について記述する。それは、本発明の実施形態に関連した背景技術の例を理解してもらうためである。しかしながら、ここで、本発明の実施形態に関連して記述される改良型患者管理システムとは、背景技術の単なる一例であること、および、本発明の実施形態は、記述される改良型患者管理システムに含まれるか否かにかかわらず、他の背景技術にも適用されることが可能であることを理解していただきたい。本発明の実施形態に係る装置および通信プロトコルは、図5から図10および5項のリピート通信の箇所に関連して、以下の文面にて説明していく。
【0012】
改良型患者管理システムは、患者固有の情報を収集し、格納し、その情報を整理し、患者の予知的管理が可能にするために、有益な助言が生み出される構成になっている。また、一方で改良型患者管理システムでは、遠方の通信のインフラストラクチャが利用できる構成になっているので、収集データが追跡できる自動的な装置を提供することができ、治療活動とも協働することができ、遠隔の装置が適切に機能しているか否かも判断できるようになっている。ここでは、「患者」という用語は、情報が収集されている各個人を意味している。ここでは、「介護者」という用語は、健康介護に関連したサービスを行う人の全てを意味し、看護婦、医者、および他の医療スタッフには限定していない。
【0013】
図1に、改良型患者管理システム100の例を示す。改良型患者管理システム100では、一般的には、下記の構成要素を含むものとする。その構成要素とは、1台または複数台からなる装置102、104および106、1台または複数台からなる問合せユニット/トランシーバユニット108、1台の通信システム110、1台または複数台からなる遠隔周辺装置109および1台のホスト計算機112である。
【0014】
改良型患者管理システム100の各構成要素は、通信システム110を使用して、通信ができるようになっている。また、いくつかの構成要素は、他の構成要素と、直接的に情報交換ができる場合もある。例えば、装置102と装置104は、相互に、直接的に通信できるように配置されている。改良型患者管理システム100の例として、ここに挙げた種々の構成要素については、以下のところで説明する。
【0015】
1.装置
装置102、104および106は、インプラント型装置または外部型装置(非インプラント型)で、患者に関する下記の一つの機能または複数の機能を有している。その機能とは、(1)検査、(2)データ分析、および(3)治療を意味する。例えば、一つの実施例では、装置102、104および106は、インプラント型装置または外部型装置のいずれに関しても、患者に関する生理的条件、自覚症状のある条件および環境条件の変化を測定するのに、電気的、機械的、化学的な手段のいずれか、または全てを使用している。装置102、104および106は、自動的にデータを収集できるような構成にすることもでき、または、患者による人的操作を必要とすることもある。装置102、104および106は、患者に関する生理的な計測および/または自覚症状的な測定のデータを格納すること、および/または、情報通信システム110へ送信することができるように構成されている。この情報通信システムによる送信手段は、種々の方法があり、以下に詳細に説明する。ここでは、装置102、104および106の3台で、実施例を説明したが、患者数によっては、装置の台数は、上記3台より多くなる場合も少なくなる場合もありえる。
【0016】
装置102、104および106が、測定データを分析して、分析したデータに基づいて行動するような構成にすることができる。例えば、装置102、104および106が、データ分析に基づいて、治療方法を修正するか、または警告表示を行うような構成にする。
【0017】
ある実施例では、装置102、104および106は、治療をすることができる。治療は、自動的または外部との通信に対応して実施することができる。装置102、104および106は、各々の検査、治療(例えば、継続期間や間隔)または通信の特徴となるものは、プログラムで設定することができるので、上記装置間での通信、および、改良型患者管理システム100の他の構成要素との間の通信によっても、変更することができる。また、装置102、104および106は、またセルフチェックができ、通信システム110からも、問い合わせることができるので、上記装置が正常に機能しているか否かを検証することができる。装置102、104および106の異なった実施例を、以下に説明する。
【0018】
患者の体内にインプラント(埋め込み)する装置は、検査する機能、通信する機能、また同様に、治療する機能も持っている。インプラント型装置は体の特徴を直接的に測定する機能を持ち、特に限定するわけではないが、電気的心臓活性(例えば、ペースメーカ、心臓再同期管理装置、心臓細動除去器、等)体の動作、体温、心拍数、活性度、血圧、呼吸パターン、放出物、血液の粘度、血液の化学的特性、血糖値、および他の患者固有の医療用生理的パラメーターが含まれる。また、一方で、患者の受け入れる必要な機能件数は最小限にすべきである。
【0019】
心拍数用センサは、ペースメーカまたは心臓細動除去器内で典型的に見られる、インプラント型装置の一例である。心臓においては、電気的波形の方が、自然収縮より先に、心臓の筋肉を活性化させることができる。技術的に知られているように、電気回路と導線は、心臓の活動事象を伝達し、他の本質的でない電気的事象を拒否する。活動事象の時間間隔を測定することにより、心臓のリズムを決定することができる。経胸腔的なインピーダンスセンサは、インプラント型装置内にあるセンサの、もう1つの例である。呼吸サイクル中は、大量の空気が、体の中に入ったり、出たりする。胸部の電気的抵抗は、空気の収納量と体内組織の大きい変化の結果として、著しく変化することになる。胸部の抵抗は、呼吸の間に測定することができ、測定可能な電気的信号(すなわち、インピーダンス)に変換されるので、呼吸の比率と特徴は、近似することができる。また、インプラント型装置では、化学的な状態が測定でき、例えば、ブドウ糖のレベル値、血液内の酸素量等が、測定できる。さらに、改良型患者管理システム100では、他のインプラント型装置も利用することができ、その上、患者の生理学的測定もすることができ、例えば、薬ポンプ、神経学的な装置(例えば、刺激装置)、酸素センサ等が挙げられる。
【0020】
その他の派生的な測定も、インプラント型装置のセンサから決定され得る。例えば、睡眠センサは、体の活動レベルを測定するような、インプラント型の加速度計による測定に依存することができる。睡眠センサは、測定した活動レベルをもとにして、睡眠パターンを評価することができる。他の派生的測定としては、特に限定するわけではないが、機能的容量指示計、自動音程指示計、睡眠品質指示計、咳の指示計、不安指示計、および心臓血管の状況指示計が含まれ、生活指示計として品質が算出可能となる。それは、身体的健康と精神的健康とを、患者の全体評価として、定量化することができるからである。
【0021】
また、装置102、104および106は、外部の装置となることもあって、人間の体にインプラントするものではないが、生理学的データを測定するために使用できる。このような装置には、多数の装置が含まれ、人間の体に関するデータを測定するものとしては、体温(例として、温度計)、血圧(例としては、血圧計)、血の性質(例としては、ブドウ糖レベル)、体重、肉体的強度、精神活動、食生活、心臓の性質、および相対的地理的位置(例えば、広域位置決めシステム(GPS))が挙げられる。
【0022】
また、装置102、104および106は、環境用センサでもよい。これらの装置は、地理的位置(患者に近い場所、または人口に合わせた分散)をいろいろと変えて配置させることが可能であり、そして、患者固有の性質以外の情報も記録することができ、特に限定するわけではないが、このような情報として、温度、空気の品質、湿度、一酸化炭素のレベル、酸素レベル、大気圧、光の強度、および音が該当する。
【0023】
一台または複数台の、装置102、104および106(例えば、106)が、外部装置で、自覚また知覚に関するデータを、患者から測定することもできる。自覚的なデータは、患者の感情と理解力に関する情報および/または患者の意見情報であり、客観的な生理学データとは反するような情報である。例えば、自覚的装置は、患者の質問への反応を測定するもので、質問は、「どう、感じますか。」とか「どう、痛いですか。」のような質問である。装置は、患者を指示しながら、視覚的手段または聴覚的手段を使いながら、患者からの自覚的データを記録することになる。例えば、患者は、コード化された応答ボタンを押すか、キーパッドの上で適切と思う応答キーを叩くことになる。代替案としては、自覚的なデータを、患者がマイクロホンに話しかけるのを可能にしながら、収集する方法が考えられる。この方法では、会話形の認識用ソフトウェアを使って、自覚的なデータ収集を進行させることができる。
【0024】
一つの実施例では、自覚的用装置は、患者に対して、比較的少数の反応を示すような各質問を患者に課しながら、提示していく。例えば、患者にとって有効な反応は、3種類の顔を含んでいて、幸福、無感動および不幸の感情を現す顔である。平均時間以上が経過すると、患者の健康状態を示す傾向が、3種類の反応数以上で現れてくることがある。
【0025】
自覚的なデータは、決められた時間に、患者から収集することができるし、あるいは、代替的に、患者が自覚的なデータを提供したいと感じるときは、いつでも収集することができる。自覚的なデータは、生理学的データと一緒に、充分に収集できれば、患者の全体的な健康状態に対して、より深く内部観察をすることが可能となる。自覚的な装置106は、患者または他の関係する個人からの入力を許可できるような装置であって、および/または、患者に関すると認められる情報をある形式のフォーマットで提供できる装置であればよい。装置106は、典型例としては、キーパッド、マウス、ディスプレイ、携帯型の装置、双方向TV、携帯電話または他の無線周波(“RF”)通信装置、無線電話、有線電話、スピーカ、マイクロホン、電子メイルによるメッセージ、および物理的刺激が含まれる。
【0026】
一つの実施例では、自覚的な装置106は、図2に示すような、計算機システム200の全体を含むか、または、その一部分となる。計算機システム200の例では、中央処理ユニット212、とシステムメモリ214を含む。さらに、計算機システム200は、データを読出し、書込むための、1台または複数台の駆動部223以外に、キーボード、マウスのような一台の入力装置244、および一台のモニター252、または他のタイプの表示装置を含んでいる。多数のプログラム・モジュールが、駆動部223に格納されており、上記モジュールには、演算システム236、一つまたは複数の応用プログラム238、他のプログラム・モジュール240およびプログラム・データ242が含まれる。計算機システム200は、ネットワーク環境下で動作しており、1台または複数台の遠隔の計算機、または、外部計算機システム256への論理的な接続を使用することができる。また、計算機システム200は、PDA計算機のような、携帯型の計算機であってもよい。
【0027】
改良型患者管理システム100は、1つまたは複数の遠隔周辺装置109を含む場合もある。一例として、特に限定するわけではないが、遠隔周辺装置109は、携帯電話、ポケットベル(登録商標)、PDA装置、ファクシミリ、遠隔の計算機、プリンター、ビデオおよび/または音声装置等を含む。遠隔周辺装置109は、有線または無線の技術を使って通信することができ、患者や介護者の使用によって、通信システム110および/またはホスト計算機112との通信をすることができる。例えば、遠隔周辺装置109は、介護者が使用することによって、患者から収集したデータに基づいたホスト計算機112からの注意事項を受信することができ、さらに、介護者からの指示説明を、患者または他の医療スタッフに送信することができる。他の例においては、遠隔周辺装置109は、患者が使用することによって、周期的または実時間の最新データ、および患者の健康と幸福に関する注意事項を受信することができる。
【0028】
2.問い合せ/トランシーバユニット 図3に関連して、改良型患者管理システム100の例では、1つまたは複数のITU108のような問い合せ/トランシーバユニット(ITUs)を有する。上記ITU108(以下、ITU108または、ITUと表記する。)は、問い合せモジュール152、データを格納するメモリモジュール154およびトランシーバモジュール156からなる。問い合せモジュールは、装置102、104および106との送受信機能をもち、トランシーバモジュールは、他のAPM(advancedpatient management)システム100からのデータを送受信する機能を有する。また、トランシーバモジュールは、装置102、104および106への問い合せモジュールとして、機能することもできる。また、ITU108は、パワーを供給するパワーモジュール158も含む。
【0029】
ITU108は、一つまたは複数の以下の機能を有する。その機能とは、(1)データ格納、(2)データ分析、(3)データ転送、(4)患者相互作用、(5)患者フィードバックおよび(6)データ交換である。例えば、ITU108は、装置102、104および106と通信システム110との間の通信を促進することができる。ITU108は、定期的かまたは実時間で問い合わせし、メモリにデータをダウンロードすることができ、そのデータは、装置102、104および/または106からの医療に関連した患者のデータである。このデータには、心臓用センサの検出状況における、例えば、P波およびR波による測定結果、ペーシング、ショック事象、リードインピーダンス、ペーシングの閾値、バッテリー電圧、キャパシタ蓄積時間、電気図によるATR症状、電気図による脈拍異状、ヒストグラム情報、および、患者の健康維持と適切な医療装置の機能を発揮させるのに必要な他の医療情報が含まれる。上記データは、装置102、104および106によって、ITU108に送信されるが、各装置のバッファから、実時間または定期的にアップロードされて、送信されることになる。
【0030】
また、ITU108は、患者からの相互作用を許容することができる。例えば、ITU108は、患者とのインターフェイスを有しており、患者からの自覚的データを入力することを許容することができる。それに加えて、ITU108は、患者に対してフィードバックとなるデータを送信することができ、このデータは、分析結果にもとづいたもの、または、通信システム110によって送受信された情報にもとづいたものである。
【0031】
他の実施例では、ITU108は、テレメトリーの接続リンクも有し、患者の自宅にある無線LANの基礎部分を形成しているネットワークの装置に接続されている。ITU108は、装置102、104および/または106からの情報を、組織的にアップロードすることができるので、例えば、患者が寝ている間にも実行することができる。アップロードしたデータは、通信システム110を介してまたは直接的に、ホスト計算機110に伝送される。これに加えて、一つの実施例においては、ITU108は、ハイブリッド構成で機能しており、通常は無線通信を利用してローカルな無線ポータルに初期接続しておき、そして無線通信が使用できなくなったときに、有線に接続するようにしている。
【0032】
数台の装置では、心臓リズム管理(CRM)装置のような従来のインプラントな装置であるが、内部のテレメトリートランシーバを経由して、外部のプログラマーと通信することができる。上記装置の通信の範囲は、標準的には1から4インチ程度である。ITU108は、特別に短距離内の問い合せ装置とすることができ、従来の装置と通信することができる。
【0033】
問い合せ装置152が、無線周波数を使用して、装置102、104および106と通信する場合は、ITU108は、小さな装置にすることができ、患者の住居内の目立たない場所に設置することができる。あるいは、ITU108は、患者の住居内で、日常使用する電化品の一部に、装着することができる。例えば、ITUを、患者のベッド近くに置かれる時報用時計に、組み込むことができる。他の実施例として、ITUを、患者のパソコンシステムの一部として組み込むことができる。他の実施方法も、また可能である。
【0034】
他の実施例では、ITU108には、携帯型の装置、例えば、PDA装置、携帯電話、または、他の類似の装置も含まれており、無線により、装置102、104および106との間で通信を行うことができる。携帯型の装置は、データを、通信システム110に、無線でアップロードすることができる。代替的な例として、携帯型の装置を、定期的にクレードル(送受信用受け台)または、他の類似装置に設置することにより、通信システム110にデータを送信するように設定することもできる。
【0035】
一つの実施例では、ITU108は、データの分析を行い、即時にフィードバックを与えることができる。また、同様に、ITU108は、さまざまな自己診断テストを行えるので、正常に機能しているか、または通信システム110との通信が不完全になっていないか、を検証することができる。例えば、ITU108は、ホスト計算機112が設定した時刻に、自己診断のループバックテストを実施することができ、テスト内容には、通信システム110を介して、ホスト計算機112に、要求信号を送信することも含まれている。ホスト計算機112は、通信システム110を介して、ITU108への応答信号で対応することになる。もし、ITU108が、ホスト計算機112からの応答を受信する前に、特定な期間が経過した場合、または、ITU108が期待していない応答を受信した場合、または、ホスト計算機112が自己診断テスト情報を受信しなかった場合、ITU108は、システムが正常に動作していないことを表示することができ、ホスト計算機112は、ITU108に関連して正常でない通信状況であることを操作員に警告をすることができる。例えば、ITU108と通信システム110との間の無線通信で、障害が発生した場合、ITU108は、自己診断テストを行い、失敗することになるので、患者に対して、修正作業を行うように警告することになる。警告は、音による方法、または、視覚および/また音響の警報装置により、患者に通信に障害が発生していることを警告することになる。他の実施方法では、ITU108は、失敗時は、自動的に有線通信に戻すことができ、通信システム110との間の通信を行い、同一の通信状況の自己診断テストの機能も果たすことができる。
【0036】
改良型患者管理システム100の他の実施例では、ITU108の機能は、装置102、104および106に搭載することができる。そうすれば、上記装置は、通信システム110および/またはホスト計算機112と、直接通信することができる。装置102、104および106が、携帯電話、Bluetooth(登録商標)、または、IEEE802.11Bのような複数モードの無線通信手段を組み込めば、通信システム110とは直接に通信をすることができるし、無線を介して、患者の自宅にある有線のポータルと通信を行うこともできる。例えば、装置102が、無線通信ができる小型の携帯電話を包含すると、医療用データは、装置側から、定期的にアップロードすることができるようになる。これは、移動する医療装置(例えば、旅行している患者用インプラント型医療設備)として、特に有利である。
【0037】
装置102、104および106のエネルギーを節約するためには、特に装置(例えば、装置102)が、ITU108を使用することなしに、通信システム110に直接に通信できるように配置される場合、一つの実施例においては、装置は、あらかじめ定められた時間の周期で、通信するように設定することができる。例として、装置102は、通信システム110との通信を、定められた間隔に設定することができ、例えば、1週間に1回のように設定する。装置102は、一定期間(例えば、1週間)データを記録し、通信システム110には、一定期間の一部のときのみ、記録データを送信するので、送信時は活性化するが、残りのサイクルはエネルギーを節約することになる。他の例では、装置102は、エネルギーを節約し、心臓の不整脈のような注意すべき事件が起ったときのみ、通信システム110との通信を行うようにしている。このような方法では、装置102は、通信システム110および/またはホスト計算機112との通信を、直接行うことができ、ITU108を必要とすることなく、定められた定期間隔の通信なので、装置のエネルギーを節約することができる。
【0038】
ITU108の問い合せの時間比率は、病気の状態および他の関連する要素によって、変更することができる。加えて、装置102、104および106には、度々(例えば、2分に1回)「起動させる(wake up)」ことを設定できるので、ITU108が、装置102、104および106へのデータ要求指令を出すアクセス窓口となって、各装置からのデータをアップロードすることができる。
【0039】
もし、装置102、104および106のように、複合機能をもった装置が、患者に与えられたならば、各々の装置は、ITU108または通信システム110との通信方法として、独自の手段を持つことになる。代替案としては、単独のテレメトリーシステムを、装置の一部とするか、または装置から離れた形で持つかのいずれか一方の構成で配備して、装置102、104および106の各装置は、単独のテレメトリーシステムを使用して、ITU108または、通信システム110と通信することとする。
【0040】
さらに、他の実施例としては、装置102、104および106に、延長したワイヤまたリードを装着して、自身の装置から、患者のエリアまで延長して、直接的に物理的接続を行う方法がある。外部に延長したリードは、例えば、ITU108または類似装置に接続して、装置102、104および106と改良型患者管理システム100の他の構成要素との間で通信を行えるようにする。
【0041】
改良型患者管理システム100には、また、ITU108を使用したハイブリッド使用を含むこともできる。例えば、装置102、104および106を、ITU付の短距離のテレメタリーを経由して、高機能での通信ができるようにすれば、患者が自宅内に居る場合には、テレメタリー経由で利用でき、患者が旅行中には、装置102、104および106は、通信システム110またはホスト計算機112とは、直接に通信することもできるので、無線を利用することができる。これは、例えば装置をITUの近くに置いたときは、バッテリーのパワーを節約することになるので有利である。
【0042】
3.通信システム
通信システム110は、改良型患者管理システム100内にある各種の構成要素の間での通信を行うもので、管理システム内の構成要素としては、装置102、104および106、ホスト計算機112、および遠隔周辺装置109が含まれる。図4に、通信システム110の一実施例を表す。通信システム110には、多数の計算機システム304、306、308および310を含まれ、かつ、装置102、ホスト計算機112および遠隔周辺装置109も含まれ、通信ネットワーク300により、互いに接続されている。通信ネットワーク300は、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)または、インターネットのいずれでもよい。各種の構成要素間での通信は、下記に詳細に記述するが、有線または無線のいずれの技術も使用している。
【0043】
図4に示した実施例において、ホスト計算機112は、サーバ計算機318および322を保有し、計算機304、306、308および310とは通信することができ、種々の通信プロトコルを使用しているが、詳細については、以下で説明する。サーバ計算機318および322は、データベース316および320に、情報を格納する。この情報は、分散する方法により、1台または複数の増設したサーバ計算機にも、格納することができる。
【0044】
種々の通信方法および通信プロトコルが、装置102、104および106、ITU108、通信システム110、ホスト計算機112、および遠隔周辺装置109の相互間の通信を促進させるのに使用することができる。例えば、有線または無線の通信手段も使うことができる。
有線の通信手段としては、特に限定するわけではないが、例としてはDSLのような伝統的な銅線ラインによる通信、ISDNのような広帯域の通信技術、ケーブル用モデム、および光ケーブルが含むことができ、また、一方で無線の通信としては、携帯電話、サテライト、無線周波通信(RF)、赤外線等を含むことができる。
【0045】
所定の通信によっては、数多くの標準および/または特許権のある、通信プロトコルが使用されることになる。特に限定するわけではないが、例としては無線周波通信でのパルスコーディング、スペクトラム拡散、直接シーケンス、タイムホッピング、周波数ホッピング、SMTP、FTPとTCP/IPのような通信接続プロトコルを使うことができる。また、他の特許権のある通信手段と接続プロトコルを使用することもできる。さらに、2つまたはそれ以上の通信手段と接続プロトコルとを組み合わせて、使用することもできる。
【0046】
改良型患者管理システム100の構成要素間での種々の通信は、さまざまな種類の異なった通信技術を使うことにより、確保されることになる。例えば、暗号化および/またはトンネリング技法が、データ送信から守るのに使用され得る。他の方法として、優先データのフォーマット変更、または、秘密としているインターフェイスも、また使用され得る。認証は、使用できる手段で、例えば、既知のキー構造(例えば、PGPまたは、RSA)に基づくディジタルによる署名を使用することによって遂行され、他の物理的セキュリティとか認証方法も使用できる。この例として、セキュリティカードおよび生物学的なセキュリティ装置(例えば、網膜スキャン、虹彩スキャン、指紋スキャン、静脈血管スキャン、音声、顔の形状認識等)のような方法が挙げられる。ファイアウォールのような、従来からのセキュリティ手段は、改良型患者管理システム100の中にある、1台または複数台の記憶媒体に保管されている情報の保護に使用することができる。暗号化、認証および識別技術は、また、送信データのエラーの検出および修正にも使用することができる。改良型患者管理システム100にある種々の構成要素の間での通信は、データの圧縮技術の使用を拡張することにより、多量のデータを送信することを許容することになり、効率良い伝送が可能となる。例えば、装置102、104および106またはITU108は、送信前に、記録している情報を圧縮して、ITU108に情報を送信するか、または、
直接的に通信システム110に送信すればよい。
【0047】
上記で述べた通信手段およびプロトコルにより、定期的および/または実時間でのデータ供給を、促進することができる。
【0048】
4.ホスト計算機
本実施例のホスト計算機112は、データベースモジュール114、分析モジュール116およびデータ分配モジュール118を含んでいる(図1参照)。ホスト計算機112は、好ましくは、充分な処理能力を有しており、各患者から集められた多量のデータを分析して、処理することができ、さらに、統計データを処理して、大きな人口の分析も実行できるようにする。例えば、ホスト計算機112としては、大型汎用計算機、または、マルチプロセッサタイプのワークステーションが含まれる。または、ホスト計算機112は、充分な計算能力とメモリを持った、パーソナル計算機の1台または複数台のシステムを意味することもある。ホスト計算機112は、記憶媒体(例えば、ハードディスク、光学的データ記憶装置等)を有し、その記憶媒体は、患者から収集した高分解能データを多量に保有し、分析するのに充分な容量があるものとする。
【0049】
ホスト計算機112は、また、このホスト計算機と通信する種々の装置に対して、識別情報と関係情報(例えば、IPアドレス、電話番号、または製造時の連続番号)をもっている。ホスト計算機の通信相手としては、ITU108このホスト計算機および遠隔周辺装置109が該当する。例えば、各々のITU108には、ハード化したコード、または固定の識別子(例えば、IPアドレス、電話番号、他)が定められており、そのコード等により、ホスト計算機112は、任意の時間に受信している情報が、どの患者の情報かを、認識することができる。代替案として、装置102、104および106に固有の識別番号を付与するか、または、固有の患者識別番号を、各患者の医療データ送信時に、一緒にして送信することでも可能である。
【0050】
ある装置が、最初に起動されたとき、種々の方法が、改良型患者管理システム100が受信するデータと任意の患者とを関連づけるために、使用されることになる。例えば、各装置は、固有の識別番号と登録書式を持ち、登録書式の記入箇所は、患者、看護者または現場代表者によって、記入されることになる。登録書式は、必要な情報を集めるために使用することができ、使用のためには、収集した情報と各患者とを関連づける必要がある。代替案として、使用者が、ウェブサイトにログオンして、収集した情報を登録することを許可する方法もある。他の実現例としては、バーコードを、各々の装置に貼り付けておき、事前にスキャンする方法、または、装置を連結した配置しておき、記録データと特定の患者とを関連づけるのに必要な情報を提供する方法がある。
【0051】
再び、図1に関連して、実施例でのデータベースモジュール114は、患者データべース400、人口データべース402、医療データデース404および一般データべース406を含んでおり、各データベースについては、以下で述べる。
【0052】
患者データべース400には、患者の固有データを含み、固有データには、装置102、104と106によって収集されたものも含む。また、患者データデース400には、患者の医療記録も含まれる。患者データべース400には、装置102、104および106に関する履歴的な情報も含むことができる。例えば、装置102が、インプラント可能な除細動機(ICD)の場合、 患者データべース400は、次のような装置情報を記録している。その情報とは、P波とR波測定、動悸周波数、動悸限界、衝撃的事象、再充電時間、リード線インピーダンス、バッテリー電圧/残寿命、ATR症状、複数のEMG、ヒストグラム情報、および他の装置固有の情報がある。患者データべース400に格納される情報は、さまざまな時間に記録されるが、患者または装置が必要とするときに、記録されることになる。例えば、患者データべース400は、一定の周期間隔で、更新されていくが、その周期は、患者が、装置からデータをダウンロードするタイミングに同期させることもある。他の方法としては、患者データべース400のデータを、実時間で、更新させることもできる。典型的な例としては、サンプリング周期が、モニターしている患者の健康状態、または共通疾病の患者グループ毎に、決定されることがある。
【0053】
人口データべース402は、対象としている患者の固有で無いデータが含まれており、例えば、別の患者とか人口の傾向とかのデータである。また、人口データべース402は、流行病に対応した装置の統計的データとか、患者の統計的データとかを記録している。人口データべース402にはまた、健康介護プロバイダーの保有する人材、環境データ、医薬品等に関するデータも含まれる。医療データべース404の例では、病気の処理に関係する医療データが含まれる。例えば、医療データべース404の例には、多数の患者の履歴的傾向のデータを、重大な事象の指標に沿って、患者の病気の進行を記録形式にして、残したものが含まれる。
【0054】
一般データべース406は、患者に関係するが、医療には関係無いデータが含まれる。
このデータに含めることができる関係情報としては、ニュース、資産状況、買い物、技術、娯楽および/またはスポーツが該当する。一般データべース406は、患者の特別な興味に関連する一般情報を提供できるように、カスタマイズすることができる。例えば、株価情報を、患者の最新の健康情報と、一緒に表示することができ、健康情報は、装置102、104および106で検出した健康情報である。
【0055】
他の実施方法として、前記情報は、外部資源から、引き出されることもあり、外部資源は、外部データベース600の場合もある。例えば、外部データベース600は、外部の医療記録を含んでおり、外部の第三者によって、維持されているが、薬局によって維持されている薬の処方記録には、患者に処方が行われている薬のタイプに関する情報も含まれている。
【0056】
分析モジュール116の例では、患者分析モジュール500、装置分析モジュール502、人口分析モジュール504および学習モジュール506が含まれる。
【0057】
患者分析モジュール500は、改良型患者管理システム100によって集められた情報と、関連した他からの情報源の両方を活用することができ、患者の関連したデータを分析して、患者の健康状態を、タイムリーに、かつ、予測的評価をすることができる。この分析を果たすために、患者分析モジュール500は、いろいろな情報源から集めたデータを活用する。そのデータには、改良型患者管理システム100によって集められた患者固有の生理学的情報と自覚情報、医療記録と履歴記録(例えば、実験室での試験結果、病気の履歴、等、現在または過去に投与された薬等)の他に、外部情報源から改良型患者管理システム100に提供されるような人口の傾向に関する情報が含まれる。
【0058】
例えば、一実施例では、患者分析モジュール500は、近づいている事象の予測的な診断をしており、それは、データベースモジュール114に格納されている情報をもとにして行っている。例えば、ある患者の装置から連続して収集しているデータについては、慢性的な病気の症状(心臓麻痺による不全のような)のリスクが増大しているので、分析がなされている。この分析結果にもとづいて、通常の装置による治療、または、薬剤による治療が、装置または臨床診断を介して、患者に適用される。
【0059】
別の実施例では、患者分析モジュール500は、患者の健康状態診断と、装置から集まった現時点の最新履歴データから患者の傾向予測とを行うが、予測は、治療時に行う実作業から得られた専門家による知識システムによる解釈をもとに行われる。 例えば、患者分析モジュール500は、最近の収集情報と、定期的に収集してきた履歴情報とを使って、確率計算を行い、患者の健康悪化を予測する。
【0060】
他の実施例では、患者分析モジュール500は、入力データの動向から、事前の評価をするが、事前評価は、患者の履歴情報と、類似病気の患者の状態に関する情報とを、組み合わせて行う。事前評価システムは、医療作業の実行動から得られたデータと、その結果の記録をベースにしている。装置等から収集されたデータは、ニューラルネットワーク、ファジィーロジックシステム、または、等価システムにて処理され、医療活動に反映される。さらに、患者分析モジュール500は、現在と履歴のデータを定期的に処理する手段を提供することができるので、病気の傾向予測と一緒に多次元的な健康状態の指示、合併症による次の段階、何か他に可能な病気が含まれているかの推論を生み出すことができる。また、患者分析モジュール500は、内外の装置から集まったデータと自覚症状データとを統合して、患者の健康を全体として最適管理できるようにする。
【0061】
装置分析モジュール502は、装置102、104および106、およびITU108のデータを分析し、装置の問題や故障を予測し、判断する。例えば、インプラント型装置102が、予定時間に通信ができなかった場合、装置分析モジュール502は、故障の原因を判断し、装置102が修復するように動作する。また、装置分析モジュール502は、付加的な確定的計算と確率的計算を行う。例えば、装置分析モジュール502は、ICDのような装置内の充電レベルに関するデータを収集し、分析を行い、もしもの場合は、この分析情報に基づき、交換指示を与える。もしもの場合とは、例えば、充電レベルが、装置および/またはバッテリーの交換が、必要なレベルまでに達している場合である。同様に、インプラント型装置の初期劣化、または、切迫した故障は認識できるし、事前に処理することができるので、リスクの予測される装置は、念入りにモニターすべきである。
【0062】
人口分析モジュール504は、データベース114内に集めたデータを利用し、母集団の健康を管理する。例えば、医療の管理中の心臓患者は、改良型患者管理システム100にアクセスでき、そこで、装置に関する最新情報を得ることができて、資源配給の予測と最適化ができるのは、即日の治療と、将来必要となる特別な訓練を予測する基準の情報があるからである。他の例では、遠方の住民で、病気が拡散した場合、さらに拡大する前に、早急に隔離することができる。
【0063】
一つの実施例では、人口分析モジュール504は、患者母集団の治療と管理を追跡でき、装置と直接的な健康看護情報が記録されているので、患者母集団が必要なものに対しての満足度を最大にさせることができる。情報資源としては、人々、施設、供給および/または医薬品を含むことができる。他の実施例では、人口分析モジュール504は、大きい母集団グループに影響するような治療方法および他の事象を発見することができる。人口分析モジュール504は、集団隔離を開始させるような警告を発したり、現在の患者母集団とスタッフとの人員が合うように、資源を変更したり、さらに、資格を有するスペシャリストの将来のニーズを予測することができる。
【0064】
人口分析モジュール504は、特性の種類によって、分類することができるので、患者を同類項に識別することができ、例えば、性、年齢、遺伝子構造等の形で、識別することができる。人口分析モジュール504は、与えられた母集団のデータ規模の大きさを発展させることができ、それは、改良型患者管理システム100によって収集された情報量に基づいて、データ規模を決定する。これに加えて、人口分析モジュール504は、他のさまざまな情報源からも、情報を統合することができる。例えば、人口分析モジュール504は、公共のデータベース(例えば、the National Institute of Health)、公共で政府系の健康機関のデータベース、私立の保険会社、医療協会(例えば、theAmerican Heart Association)および遺伝情報記録団体(例えば、DNA sequences)からのデータを利用することができる。
【0065】
本発明の一実施例において、ホスト計算機112が、「データの手形交換所」として利用できるのは、装置102、104および106から収集したデータを集め、統合しており、さらに、改良型患者管理システム100の外の情報源からも、データを集め、統合しているからによる。統合したデータは、他の興味ある団体とも共有することができるので、私的制限事項に従うことにはなるが、利用できるデータの品質と統合度を高めることができる。
【0066】
学習モジュール506は、種々の情報源から得たデータを分析するが、データは改良型患者管理システム100および外部の情報源で集められたものである。例えば、学習モジュール506は、履歴的な症状、診断および結果を、病気と合併症の時間的進展に沿って分析する。学習モジュール506は、ニューラルネットワーク(または、同等)のシステムを経由して構築することができる。
【0067】
学習モジュール506は、部分的に訓練することができるし(すなわち、学習モジュール506は、プリセットされている既存の組み合わせと一緒に実装できるので、改良型患者管理システムの機能として学べる)、または、訓練できない(すなわち、学習モジュール506は、何の価値もプリセットされていない状態なので、改良型患者管理システムの機能として、最初から学ぶ必要がある)こともある。他の代替的な実施例では、学習モジュール506は、学習を続け、改良型患者管理システムの機能(すなわち、実時間対応で)として調整することができ、さもなければ、学習モジュール506は、学習レベルは与えられたときのままで、手動で動作が許されたときのみ、理解のレベルを高いレベルに向上させることができる。
【0068】
ニューラルネットワークでの実施例では、新しい治療情報は、新しいニューラルネットワークの係数を作りだすことに寄与し、新しいニューラルネットワークの係数は、ニューラルネットワークの知識向上に貢献する。学習モジュール506は、ニューラルネットによる推定を検証するモジュールを含むことができ、その推定は、医療の緊急度と重大性を評価するものである。学習モジュール506は、試験事例のデータべースを分析でき、得られた結果と固有の結果から誤推定が生じた相対的事象から、補正ができる。いくつかの実施例では、学習モジュール506は分析モジュール116を更新することができ、更新できたときは、分析アルゴリズムが、許容される誤推定の閾値を超えたときである。
【0069】
学習モジュール506のある例では、種々のアルゴリズムと数式モデルを使用しているが、例えば、トレンド分析、統計的分析、データ検索、パターン認識、クラスタ分析、ニューラルネットワークおよびファジィーロジックが上記の例に該当する。学習モジュール506は、決定論的でかつ確率的な計算を求めることができる。決定論的な計算は、分析すべきデータと与えられる結果の間に明快な関係が知られている場合のアルゴリズムである。例えば、インプラント型医療装置のバッテリー内に残っているエネルギー量と、バッテリーを交換すべき時に残っているエネルギー量との間には、明快な関係がある。
【0070】
確率的な計算は、データと既知の結果との相関関係が、明らかに100%以下になるものに対して使用される。確率的な結論は、いくつかの可能性がある結果の分析と結果から得られる確率の割当てとを、要求することになる(例えば、患者の体重が増加中で、25%の確率において、切迫した補強作業の停止を示唆するおよび/または別のテストが必要であることを示している)。学習モジュール506は、確率的計算を行い、100%以下の確率に基づいて、与えられた応答から選択することになる。さらに、学習モジュール506は、前回の決定(例えば、ニューラルネットワーク構成を使用)から「学ぶ」ことができ、同モジュール506は、与えられたデータパターンの確率を指示することで、より上達していき、その結果、より確証をもって、与えられた応答を選択することができるようになっていく。
学習モジュール506によって、分析されるデータ量が増えていくにつれ、学習モジュール506は、データのパターンに基づく、指定する確率は、ますます正確になっていく。二分岐分析は、類似症状を現す病気の分析に有効である。データ量が増加して集められ、所定の病気の状態の理解が進むにつれ、病気の分析は、精緻化され、従来は一階層であったものが、二またはそれ以上の下位のクラスに分割されるようになる。
【0071】
これに加えて、患者固有の情報は蓄積され、各患者の数千人の内、数百人は追跡され、患者の医療状態に関しての第一段階の電気的医療分析が行うことができ、そして、患者の短時間の医療的予後診断の知的推定も行うことができる。学習モジュール506は、患者の診療状態を、追跡することと予測することを、合併症に相互作用する数種の測定によって、洗練された向上したレベルでできるので、それら全てが、個人としてまた集団として、患者の健康を弱めるのに寄与することになる。これは、学習モジュール506と看護者に対し、以下のことを可能にさせる。慢性病で起こる、来るべき緊急発生時の患者対応を、予測的医療対応として定型化することができる。慢性病としては、心臓疾患、糖尿病、疼痛、癌、および喘息/COPDのような病気が該当する。さらに、心筋梗塞(MI)や脳卒中のような、緊急で破壊的な状態を阻止するのにも、定型化することが可能となる。
【0072】
データ分配モジュール118は、ホスト計算機112が行う分析結果に基づいたフィードバックの分配を調整して行う。分析モジュール116の結果に対応して、データ分配モジュール118は、装置102、104および106を管理し、診断用データの回復を行い、装置をプログラム化する、一方では、必要に応じて、情報を分配する。いくつかの実施例では、データ分配モジュール118は、ウェブとのインターフェイスを管理し、患者や看護者からのアクセスを可能にしている。インプラント型装置によって集められた情報は、定期的にウェブサイトに送信することができるので、ウェブサイトには、看護者および/または患者から、適切な時間と方法で、安全にアクセスすることができる。他の実施例では、患者が、詳細な健康情報を、診断提言書と一緒に、アクセスでき、診断提言書は、指導的な健康看護組織から出されている分析アルゴリズムを基礎にしたものである。
【0073】
例えば、看護者および/または患者は、データとデータの分析結果へアクセスすることができ、アクセス時は、一つまたは複数の一般的なコンテンツプロバイダーを利用している。一つの例では、患者の健康情報は、一般的なポータルを介してアクセスすることができる。一般的なポータルとしては、カルフォルニヤ、サニーバレーにあるYahoo!Inc.(ヤフー株式会社)が提供しているMyYahooがある。患者は、MyYahooのホームページをアクセスでき、最新の健康および傾向に関する情報を受信でき、その情報には、装置102、104および106から集められた情報があり、また、他の情報源からも集められた健康情報についても、受信することができる。また、患者は、MyYahooのウェブサイト上で、健康情報に加えて、他の情報にもアクセスでき、他の情報としては、天気とか株価とかの情報がある。他の電子的情報配布手段、すなわち、E―メイル、ファクシミリ等の手段も、警報配布手段として、また、利用できる。
【0074】
ある代替案による実施例では、改良型患者管理システム100によって、集められ、統合されたデータ、および、前記システム100で分析されたデータは、データ分配モジュール118によって、看護者の居る病院の計算機システムに配布され、看護者がアクセスできるようになる。標準または特注のインターフェイスが、改良型患者管理システム100と、看護者が使用する従来の病院システムとの間での通信を行うことにより、看護者は、慣れ親しんだシステムを使用して、すべての関連情報にアクセスできるようになる。
【0075】
改良型患者管理システム100は、また、システム内の種々の構成要素(例えば、ITU108、通信システム110および/またはホスト計算機112)が、種々の各個人(例えば、患者および/または看護者)に報告するように、構成することができる。例えば、異なったレベルの報告が、(1)ITU108、(2)ホスト計算機112によって、行うことができる。ITU108は、装置102、104および106から集めたデータから、基礎的なデータ分析を実施し、もし、緊急事態が認知された場合は、報告をするように、配置することができる。例えば、もし、ITU108は、重大な心臓不整脈が、近々または今起ろうとしていることを検出したら、ITU108は、患者に対して、聴覚または視覚による警告方法で、報告しなければならない。
【0076】
ホスト計算機112には、より洗練された報告システムにすることができる。例えば、ホスト計算機112が、除外的な報告内容を準備しているときは、重要度によっては、異なった分類の報告事項に、報告内容を変えることができる。いくつかの報告事項は、看護者の干渉を必要とすることは無く、そこで、自動的に報告することができる。緊急度が高くなったような別の場合には、看護者および/または緊急対応人物が必要となってくる。例えば、改良型患者管理システム100によって集められたデータに基づき、データ分配モジュール118は、直接、装置102、104および106と通信することができ、薬局にコンタクトして、患者向けの薬物治療を注文し、および/または、緊急応答911へコンタクトすることができる。代替的な実施例としては、データ分配モジュール118および/または患者が、患者と看護者との間に、音声による通信リンクを確立することができる。ただし、上記実施例は、リンク確立が保証できる場合に遂行できる。
【0077】
視覚的および/または聴覚的による情報を含んだ報告の構成を追加した場合、改良型患者管理システム100は、追加構成とも通信することができるようにし、装置102、104および106を、1台または複数台を追加し、再構成することができる。例えば、もし、装置102が心調律システムの一部である場合、ホスト計算機112は、装置102と通信することができ、心調律システムによる治療内容を再構成することになり、心調律システムは、追加した1台または複数台の装置102、104および106から集めるデータを基礎とすることになる。他の実施例では、データ分配モジュール118は、ITU108にデータを配信することができ、このデータとしては、記録データ、典型範囲のデータ、記録データに基づく結論、および行動への推奨コースが挙げられる。この情報は、患者が再確認できるように、ITU108の上で表示されか、または、患者および/または再検討する臨床医者のために、遠隔周辺装置109で使用できるようにされる。
【0078】
1つまたはそれ以上の項目について、上記に記載してきたが、それは、種々の実施例について補助するものである。使用項目および使用に関して記述した結果の部分は、本発明に関して限定するものではない。1つの項目に関連して記載された主題は、所望の範囲が制限されることなく、1つまたはそれ以上の他の項目に関連して、記載された主題と組み合わせることが可能である。
【0079】
5.リピータ通信
図5に患者602(説明上、使用者602と表記する場合もある。)を示すが、この患者は、医療装置604と結合された状態で、上記医療装置を持っている。この例では、医療装置604は、ペースメーカのようなインプラント可能な装置である。医療装置604は、リピータ装置610と双方向に通信することができ、通信方式は、上記で説明したITU108のような方式で、信号606をリピータ装置610に送信し、リピータ装置610からの信号608を受信する。信号606、608は、誘導性結合を通して、獲得することができ、その結合には、RFの電磁信号、音響信号、または、他の技術的に既知の信号技術が適用できる。さらに、信号技術は、無線または線接続での実現が考えられるが、それは、装置604がインプラント型かまたは患者602の体から離れたものかで決まる。
【0080】
典型的には、インプラント型医療装置604は、既存技術の基板搭載型のテレメトリーを利用して、通信することができる。インプラント型医療装置604の基板搭載型のテレメトリーは、リピータ装置610のような外部装置とハンドシェイクを行って、通信プロトコルを確立させることができる。リピータ装置610は、医療装置604に問い合わせし、医療装置604が搭載基板のメモリに保管しているデータを収集する。例えば、インプラント型装置604は、心臓特有の現象が起るごとに、数回分のデータを格納しており、そのデータは、前回、リピータ装置610が、データをダウンロードした後に発生したものである。
【0081】
リピータ装置610は、データを獲得して、搭載基盤のメモリに格納するが、より詳しいことについては、以下に説明する。引き続いて、リピータ装置610は、通信媒体612を介して、データ用リポジトリ614へデータを送信する。ここで言うデータ用リポジトリとは、改良型患者管理システムが、患者情報のデータベースを保持するところで、以前に説明をしている。通信媒体612、リピータ装置610間での通信結合方法、リポジトリ614は、技術的に知られている種々の実現方法があり、図1と図4の通信システム110に関連して、既に述べているところである。
【0082】
例えば、公衆交換電話網(PSTN)を使用することもできる。これによって、リピータ装置610は、患者宅の電話回線をアクセスし、リポジトリ用電話番号に通話を申し込み、PSTNを経由した接続を、確実に確立させることができる。他の代替案では、リピータ装置610が、ダイアル接続、または、常時接続でのインターネットサービスプロバイダー(ISP)を利用する。インターネットサービスプロバイダーを利用する場合は、リポジトリ614は、インターネット経由で、アクセスされることになる。加えるに、既に述べたように、リピータ装置610には、無線通信機能を組み込むことができるので、リピータ装置610は、無線でPSTNへ、または、携帯電話の基地局を介して、無線でインターネットへ、データを送信することができる。
【0083】
前述したように、リピータ装置610と医療装置604との通信は双方向にできるので、リピータ装置610からも、医療装置604へデータを送信することができる。さらに、リピータ装置610とリポジトリ614との通信も、双方向にできる。これは、リピータ装置610が、医療装置604からのデータを、リポジトリ614へ転送すること、さらに、リポジトリ614からのデータを装置604へ転送できることを可能とする。
【0084】
例えば、リピータ装置610が、医療装置604からのデータを、リポジトリ614へ転送することができる。リポジトリ614で分析した後で、医療装置604内のプログラムの再プログラミングが、患者の状態変化を補償するために必要であると決められたとする。新しいプログラムは、リポジトリ614より、リピータ装置610を介して、医療装置604に送られ、そこで、実行することができる。
【0085】
図6は、リピータ装置610を示した、典型的な図である。リピータ装置610には、聴覚および/または視覚による報知機能が含まれ、患者602との情報交換または警告連絡を可能としている。例えば、液晶表示装置(LCD)704は、患者に対して、視覚による報告手段を含んでいるので、医療装置604からのアップロードのデータ進行と、リポジトリ614へのダウンロードのデータ進行とを、視覚的に見せることができる。さらに、LCD704は、機器の使用方法に関する説明にも使え、医療装置604および/またはリピータ装置610の使用方法の説明に使うことができ、かつ、変更時の説明にも使うことができる。同様に、音響スピーカ702は聴覚手段を提供できるので、進行状況報告と警告とを、音で患者602に伝えることができる。また、他にも種々の報知手段が適用でき、発光ダイオード(LEDs)等もある。
【0086】
いくつかの実施例では、リピータ装置610が、知能を有しており、医療装置604から収集したデータを分析することができる。例えば、リピータ装置610が、心臓活動に関わる症状のデータを分析するプログラムを含むことができ、心臓にとって重大な事象となる前兆を検知できることになる。この場合、リピータ装置610は、患者602に対して、一度、医師を訪問する必要があることを警告することができ、そして、リポジトリ614には、即座に、緊急状態であることを知らせることができる。同じように、医療装置604からのデータは、装置自身が問題ある場合も知らせることができ、それは、心臓へのリード線が破損した場合が相当する。リピータ装置610に、プログラミングすることができるので、収集したデータから、医療装置に問題あることが認識でき、一度医師を訪問する必要があることを、患者602に警告することができる。
【0087】
図7は、構成要素を示した図で、図5に掲載した典型的なリピータ装置610の主な構成要素を示している。このリピータ装置610は、テレメトリー802を具備し、それが、医療装置604との通信を可能としており、医療装置は、インプラント可能な装置(IMD)のようなものである。上記で述べたように、テレメトリー802は、誘導性の結合技術を採用しており、リピータ装置610との双方向の無線通信を可能としている。RF通信は、誘導性結合に代わる無線方式で、医療装置604とリピータ装置610との間での通信に、より広域での通信を可能とする。医療装置604からテレメトリー802へ接続するのに有線による接続は、医療装置604にとっては他の代替的な案ではあるが、外部で電線が磨耗していくことになる。
【0088】
テレメトリー802は、医療装置604からのデータを、復調または再生させて、プロセッサ808へ伝達する。代替案として、テレメトリー802が、そのまま受信信号を、プロセッサ808へ伝達して、プロセッサ808が復調および再生させる方法もある。プロセッサ808は、データをメモリ812に格納する。メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)を使用し、後でアクセスして、データが読み出せるようにする。ある実施例では、プロセッサ808は、データを分析し、データの緊急度を決定することができる。
【0089】
リピータ装置610によるデータ分析は、医療装置604に記録された生のデータから行い、医療条件と固有の症状に分析することができるようにする。また、データ分析は、医療装置604で発生したデータを解釈することであるが、そのデータには、存在した条件と症状のデータが示されているので、医療装置604は、生データから、存在した条件と症状を決定するための分析を行ってから、リピータ装置610に送信している。生データから、医療条件と固有の症状へ決定するデータ分析は、技術的にはよく知られていることだが、実施例では、心臓不全、伝導不良、パルス比、頻脈と徐脈の症状、および、他の医療条件を、検出することも含んでいる。
【0090】
プロセッサ808は、メモリ812からのデータを、外部通信装置806(説明上、電話回線インターフェイス806と表記する場合もある。)に送るが、この外部通信装置806としては、電話回線インターフェイス(モデム)、無線のディジタルまたはアナログのRFトランシーバ、および/または、常時接続のインターネット接続(すなわち、ケーブルまたは、DSLモデム)が挙げられる。外部通信装置806には、通信媒体612とのインターフェイスがあり、リポジトリ614に、データを送信することができる。データ伝送に関して、技術上よく知られた手法が考えられるが、この手法に含まれるものとしては、標準の変調技術、回路切換接続および/またはパケット切換接続があり、適切に使用することができる。また、外部通信装置806は、リポジトリ614からのデータを受信するように構成することもでき、通信媒体612を介した構成となる。
【0091】
プロセッサ808が、報知装置を制御しており、上記装置には、表示回路804およびオーディオ回路810が含まれ、使用者602に情報を提供する。表示回路804は、LCD表示704を制御して、視覚情報を提供しており、使用時の取扱い説明、リピータ装置610または医療装置604での問題、または緊急の警告の情報が提供される。同様に、オーディオ回路810は、スピーカ702を制御して、聴覚情報を提供している。
【0092】
プロセッサ808の論理上の処理と、上記プロセッサと、図7に示した種々の構成要素との相互作用について、異なった数例の実施例を、図9から図11に示す。本発明の種々の実施方法の論理的処理は、(1)計算機が実施する処理、または、プログラムのモジュールの実行順序としておよび/または(2)相互接続されている機械的論理回路、または回路モジュールとして実行される。その実行は、リピータ装置610が必要としている機能をもとにして、選択することで行われる。したがって、本発明で述べた実施例を作りあげる論理的処理は、ここでは、種々の処理、構造的仕掛け、動作、モジュールに関係することとなる。当業者の方は、ここでの処理、構造的仕掛け、動作およびモジュールが、ソフトウェア、ファームウェア、特別な場合は、ディジタルロジック、そして、それらのどのような組み合せで、実現されていても、本発明の精神および範囲からは逸脱することなく、特許請求の範囲の請求項に記載した内容を理解されるであろう。
【0093】
図8は、典型的な論理処理を示しており、リピータ装置610は、データの緊急度合いを考慮しながら、リポジトリ614へのデータ送信を協調しながら、行っている。その処理は、プロセッサ808と一緒に始まり、該プロセッサが、テレメトリー802を介して、医療装置604との通信に着手する処理で、通信処理902が該当する。データ処理904のところでは、プロセッサ808は、テレメトリー802を介して、装置604からのデータを収集し、メモリ812に格納する。分析処理906のところでは、プロセッサ808は、データを査定し、緊急の度合いを決定する。以前、述べたように、プロセッサ808は、データを評価し、医療装置604が特定の条件と症状があることを発見しているかどうか、または、プロセッサ808が、装置604によって記録された生のデータを、分析用に採用して、特定な条件と症状を発見するようにするかどうかを決定する。それに加えるか、またはデータの分析に基づいた緊急の度合いを決定する代替案として、上記プロセッサが、使用者からの入力を受信することで、緊急の度合いを検知することができる。例えば、患者がリピータ装置のボタンを押すことがあれば、それがプロセッサ808に信号として送られ、その信号は、患者自身もそのデータは緊急として扱うべきと知っており、患者が認識している特別な症状が起った場合に該当する。
【0094】
問い合せ処理908では、プロセッサ808は、データの分析または他の方法から、検知するが、それは、データからの緊急度合いが非常事態を示しており、そこでのデータ分析が、使用者602が早急の医療的注意を必要することを、切迫した心臓停止が原因として示している場合、さもなければ、患者が、データが緊急状態にあると表示している場合である。緊急の度合いが、緊急状態を示した場合、リピータ装置610は、すぐに、通信処理910で、通信開始を進める。緊急状態の警告が、リポジトリ614に、警告処理912で送信されると、警告がトリガとなって、リポジトリの監視員は、緊急の行動をとるが、その行動には、使用者の居場所に、緊急医療師を派遣することが含まれる。
【0095】
また、リピータ装置610は、使用者602にも、視覚的および/または聴覚的な方法で警告をするが、その処理は、警告処理914となる。データは、メモリ812に格納されるが、少なくとも、緊急状態を告げるデータも含まれるが、リポジトリ614にも送信される。その処理は、送信処理916となる。リポジトリの監視員は、データを評価して、さらに状態に見極めながら、緊急医療師を支援することになる。
【0096】
問い合せ処理908が、緊急ではないことを検知した場合、次の問い合せ処理918が、分析データに、問題があるか無いかをテストする。問題が検出されるのはデータからであり、医療装置604からのデータが機能不良を報告しており、それが心臓へのリード線が破損している場合、または、他の情報報告で、患者602が医療上で注意すべきことを捜し出したような場合で、直ぐではないが将来に問題になるような内容が報告された場合が該当する。そのような問題が検出された場合、リピータ装置610は、視覚的および/または聴覚的な方法で、問題の警告を使用者602に伝える。その処理は、警告処理920となる。
【0097】
使用者602に一度、警告が与えられるか、または、問い合せ処理918が問題無いことを検出すると、処理フローは、問い合せ処理922に移行し、そこで、リポジトリ614にデータを送信するのに適切な時刻か判断する。例えば、リピータ装置610には、電話回線の低活動な時間帯に、送信要求を発生するように設定しておき、その時間帯は午前3時頃とする。他の要素も考慮されるが、同様に追加すれば、代わりの時間帯も考えられる。もし、問い合せ処理922が、適切な時刻になったと判断した場合は、プロセッサ808は、リポジトリ614とのデータ通信を開始する。それが、通信処理926である。データが、送信処理928で、リポジトリ614に送信される。もし、送信するのに適切な時刻になっていない場合、プロセッサ808は、一定の遅延期間924が完全に終わるまで待って、再び、問い合せ処理922が適切な時刻になったか否かを検出することになる。
【0098】
図9は論理的な処理を示しており、リピータ装置610が、通信媒体の状態を考慮する場合で、リポジトリ614とのデータ通信を共同で行う際に、考慮する場合の論理的な処理を示している。論理的な処理は、通信処理1002で開始され、この通信処理は、リピータ装置610は、医療装置604との通信から開始する。リピータ装置610は、医療装置604から、データを収集し、メモリ812に格納する。それは、データ処理1004で実施される。
【0099】
データが、医療装置604から収集された後、リピータ装置610は、外部の通信媒体614の状態を、電話回線インターフェイス806を介して、チェックする。その処理は、テスト処理1006で行われる。この例では、通信媒体614をチェックすることは、電話回線が使用中か否を判断することになる。他の通信媒体を使用する場合も、同様に、状態を判断を行う。例えば、無線による接続を、リポジトリ614との通信に使用した場合、無線信号の強度が、通信を行うのに充分な強さがあるかどうかで、決定されることになる。他の実施例では、インターネットを、リポジトリ614との通信に使用した場合、インターネット接続回線で、利用できる回線容量が、データが送信できるか否かを決定することになる。
【0100】
プロセッサ808は、データが収集された後すぐに、テスト処理1006を行うか、または、後の時点で、例えば、その日の中で回線使用状態が低いような時刻に、テスト処理1006を行うか、どちらかに設定されている。テスト処理1006が実行した後、問い合せ処理1008は、通信媒体614が、通信可能な条件を満足しているか否かを、検出することができる。この例では、問い合せ処理1008は、電話回線が使用中か否かを、検出する。使用中であれば、プロセッサ808は、遅延期間1010の間、送信データを格納し、処理フローはテスト処理1006に戻り、再び、通信媒体の条件を検出することになる。
【0101】
一度、問い合せ処理1008は、電話回線が使用中でないことを検出すると、通信処理1012は、通信を開始するが、通信は、電話回線インターフェイス806を介して、リポジトリ614との通信を行う。一度、通信回線が確立すれば、データは、リピータ装置610とリポジトリ614との間で送信され、その処理は送信処理1014で行われる。
【0102】
図10は、リピータ装置610の論理的な処理の例を示しており、そこでは、データの緊急度合いおよび通信媒体の回線状況の両方を考慮しており、リポジトリ614と協働して、データ送信を行うことになる。プロセッサ808と一緒に始まる処理は、医療装置604との通信開始で、テレメトリー802を介して行い、その処理は、通信処理1102が該当する。データ処理1104では、プロセッサ808は、テレメトリー802を介して、データを収集し、メモリ812にデータを格納する。分析処理1106では、プロセッサ808は、データを評価し、データの緊急度合いを決定する。
【0103】
問い合せ処理1108では、プロセッサ808は、分析結果から、データが示した緊急状況から緊急度合いを判断する。データ分析結果は、切迫した心臓停止が原因で、使用者602が、緊急の医療上の注意を必要としているか否かを示している。緊急度合いが、非常時の状態を示しているときは、リピータ装置610は、電話回線が使用できるか、問い合せ処理1110で、即座に検出を進める。使用中であれば、電話回線インターフェイス806は、電話回線の回路を短絡させ、電話回線を占有している使用中の電話コールを切断させるようにする。
【0104】
電話回線が開放されているか、または、問い合せ処理1110が、電話回線が使用中でなければ、プロセッサ808は、通信処理1114で、通信を開始する。非常状態の警告が、リポジトリ614に、警告処理1116で伝えられると、警報が発せられ、リポジトリ監視員が、緊急の行動をとり、使用者の場所に、救急医療師を配置するような行動をとる。
【0105】
また、リピータ装置610は、使用者602に対して非常事態を警告するが、視覚的および/または聴覚的による警告手段を通して、警告処理1118で行う。メモリ812に格納されるデータは、少なくとも、非常事態の示すデータを含むが、そのデータは、送信処理1120で、リポジトリ614に送信される。リポジトリの監視員は、データを評価して、さらに状態に見極めながら、緊急医療師を支援することになる。
【0106】
問い合せ処理1108で、非常事態ではないことを検出したときは、問い合せ処理1122がデータの分析結果に、問題があるか否かをテストする。上述したように、問題として、データから検出されるのは、医療装置604が、報告する機能不良で、心臓へのリード線の破損の場合、または、他の情報報告で、患者602が医療上で注意すべきことを捜し出したような場合で、直ぐではないが将来に問題になるような内容が報告された場合が該当する。そのような問題が検出されたとき、リピータ装置610は、視覚的および/または聴覚的な方法で、問題の警告を使用者602に伝えるが、それは警告処理1124で行われる。
【0107】
使用者602に一度、警告が与えられるか、または、問い合せ処理1122が問題無いことを検出すると、処理フローは、次の問い合せ処理1126に移行し、そこで、リポジトリ614にデータを送信するのに適切な時刻か判断する。そして、回線使用状態が低いような時間帯に、送信する。もし、問い合せ処理1126が、送信する適切な時刻でなっていないと、検出したときは、プロセッサ808は、遅延期間1128で、一定時間の間は完全に待つことになる。そして、問い合せ処理1126が、再び、送信する適切な時刻でないか、検出することになる。
【0108】
もし、問い合せ処理1126が、送信する適切な時刻になったと検出したとき、問い合せ処理1130が、電話回線が使用中か否かを確認する。使用中の場合は、プロセッサ808は、一定の遅延期間1132の間待って、問い合せ処理1130が、電話回線が使用中か否かを確認する。電話回線が使用中でなければ、プロセッサ808は、リポジトリ614との通信を開始する。その処理が、通信処理1134である。データは、送信処理1136の中で、リポジトリ614に送信される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に結合される医療装置からデータをリポジトリに中継するシステムであって、
前記システムは、
患者特有の生理学的データと、患者特有の自覚的データと、人口の傾向に関する情報とのうちの少なくとも1つに基づいて、前記患者の健康状態の予測的評価を提供するように構成されている患者分析モジュールと、
リピータ装置と
を備え、
前記リピータ装置は、
前記データを得るために前記医療装置と通信するように構成されている受信装置と、
一旦受信した前記データを保持するメモリと、
通信媒体を介して前記データを送信するように構成されている送信装置と、
前記医療装置により記録された前記データを分析することと、前記通信媒体の状態を検出することと、前記通信媒体の状態が送信に適切なときに、前記送信装置に前記データを送信するようにトリガを与えることとを実行するように構成されている処理装置と
を備えている、システム。
【請求項2】
前記通信媒体が、公衆交換電話網への陸線接続を含み、前記処理装置は、前記陸線接続が使用中か否かを検出することにより、前記通信媒体の状態を検出する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記通信媒体が、無線RF接続を含み、前記処理装置は、前記無線RF接続を通して得られる信号の強度を検出することにより、前記通信媒体の状態を検出する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記受信装置が、誘導性結合により前記医療装置と通信する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記受信装置が、皮下にある前記医療装置と通信する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
患者に結合される医療装置とリポジトリとの間でデータを提供する方法であって、
前記方法は、
前記医療装置から前記データを検索するステップと、
一旦受信した前記データを格納するステップと、
前記医療装置により記録された前記データを分析するステップと、
患者特有の生理学的データと、患者特有の自覚的データと、人口の傾向に関する情報とのうちの少なくとも1つに基づいて、前記患者の健康状態の予測的評価を提供するステップと、
前記データを全て送信するために通信媒体の状態を検出するステップと、
前記通信媒体の状態が送信に適切なときに、前記通信媒体を介して、前記データを送信するステップと
を含む、方法。
【請求項7】
前記通信媒体が、公衆交換電話網への陸線接続を含み、前記通信媒体の状態を検出するステップが、前記陸線接続が使用中か否かを検出することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記通信媒体が、無線RF接続を含み、前記通信媒体の状態を検出するステップが、前記無線RF接続を通して適切な信号の強さが得られるか否かを検出することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記データを検索するステップが、リピータ装置を前記医療装置に誘導性結合させることを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記データを検索するステップが、皮下にある前記医療装置と通信することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
患者に結合される医療装置とリポジトリとの間でデータを提供するシステムであって、
前記システムは、
患者特有の生理学的データと、患者特有の自覚的データと、人口の傾向に関する情報とのうちの少なくとも1つに基づいて、前記患者の健康状態の予測的評価を提供する患者分析手段と、
リピータ装置と
を備え、
前記リピータ装置は、
前記医療装置から前記データを検索する手段と、
一旦受信した前記データを格納する手段と、
前記医療装置により記録された前記データを分析する手段と、
前記データを全て送信するために通信媒体の状態を検出する手段と、
前記通信媒体の状態が送信に適切なときに、前記通信媒体を介して、前記データを送信する手段と
を備えている、システム。
【請求項12】
前記通信媒体が、公衆交換電話網への陸線接続を含み、前記通信媒体の状態を検出する手段が、前記陸線接続が使用中か否かを検出する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記通信媒体が、無線RF接続を含み、前記通信媒体の状態を検出する手段が、前記無線RF接続を通して適切な信号の強さが得られるか否かを検出する、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記データを検索する手段が、前記リピータ装置と前記医療装置との間に誘導性結合を提供する、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記データを検索する手段が、皮下にある前記医療装置と通信する、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
患者に結合される医療装置からデータをリポジトリに中継するシステムであって、
前記システムは、
患者特有の生理学的データと、患者特有の自覚的データと、人口の傾向に関する情報とのうちの少なくとも1つに基づいて、前記患者の健康状態の予測的評価を提供するように構成されている患者分析モジュールと、
リピータ装置と
を備え、
前記リピータ装置は、
前記データを得るために前記医療装置と通信するように構成されている受信装置と、
一旦受信した前記データを保持するメモリと、
通信媒体を介して前記データを送信するように構成されている送信装置と、
前記医療装置により記録された前記データを分析することと、前記データの緊急の度合いを検出することと、前記緊急の度合いに基づいた時刻に、前記送信装置に前記データを送信するようにトリガを与えることとを実行するように構成されている処理装置と
を備えている、システム。
【請求項17】
前記通信媒体が、公衆交換電話網への陸線接続を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記通信媒体が、無線RF接続を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記受信装置が、誘導性結合により、前記医療装置と通信する、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記受信装置が、皮下にある前記医療装置と通信する、請求項16に記載のシステム。
【請求項21】
前記処理装置が、前記データを分析することにより前記患者の健康状態を検出することによって、前記緊急の度合いを検出する、請求項16に記載のシステム。
【請求項22】
前記処理装置が、前記患者により提供される入力信号を受信することにより、前記緊急の度合いを検出する、請求項16に記載のシステム。
【請求項23】
患者に結合される医療装置とリポジトリとの間でデータを提供する方法であって、
前記方法は、
前記医療装置から前記データを検索するステップと、
一旦受信した前記データを格納するステップと、
前記医療装置により記録された前記データを分析するステップと、
患者特有の生理学的データと、患者特有の自覚的データと、人口の傾向に関する情報とのうちの少なくとも1つに基づいて、前記患者の健康状態の予測的評価を提供するステップと、
前記データの緊急の度合いを検出するステップと、
前記検出された緊急の度合いに基づいて、前記通信媒体を介して前記データを送信する時刻を決定するステップと
を含む、方法。
【請求項24】
前記通信媒体が、公衆交換電話網への陸線接続を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記通信媒体が、無線RF接続を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記データを検索するステップが、リピータ装置を前記医療装置に誘導性結合させることを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記データを検索するステップが、皮下にある前記医療装置と通信することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記緊急の度合いを検出するステップが、前記データを分析することにより、前記患者の健康状態を検出することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記緊急の度合いを検出するステップが、前記患者により提供される入力信号を受信することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
患者に結合される医療装置とリポジトリとの間でデータを提供するシステムであって、
前記システムは、
患者特有の生理学的データと、患者特有の自覚的データと、人口の傾向に関する情報とのうちの少なくとも1つに基づいて、前記患者の健康状態の予測的評価を提供する患者分析手段と、
リピータ装置と
を備え、
前記リピータ装置は、
前記医療装置から前記データを検索する手段と、
一旦受信した前記データを格納する手段と、
前記医療装置により記録された前記データを分析する手段と、
前記データの緊急の度合いを検出する手段と、
前記検出された緊急の度合いに基づいて、前記通信媒体を介して前記データを送信する時刻を決定する手段と
を備えている、システム。
【請求項31】
前記通信媒体が、公衆交換電話網への陸線接続を含む、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記通信媒体が、無線RF接続を含む、請求項30に記載のシステム。
【請求項33】
前記データを検索する手段が、前記リピータ装置を前記医療装置に誘導性結合させる、請求項30に記載のシステム。
【請求項34】
前記データを検索する手段が、皮下にある前記医療装置と通信する、請求項30に記載のシステム。
【請求項35】
前記緊急の度合いを検出する手段が、前記データを分析することにより、前記患者の健康状態を検出する、請求項30に記載のシステム。
【請求項36】
前記緊急の度合いを検出する手段が、前記患者により提供される入力信号を受信する、請求項30に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−194334(P2010−194334A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−101550(P2010−101550)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【分割の表示】特願2004−562331(P2004−562331)の分割
【原出願日】平成15年12月17日(2003.12.17)
【出願人】(505003528)カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド (466)
【Fターム(参考)】