説明

インホイール型の車輪駆動装置

【課題】駆動ハブの回転軸線回りの膨出量を抑制しつつモータの出力トルクを増大させることのできるインホイール型の車輪駆動装置を提供する。
【解決手段】第1のモータ11Aと第2のモータ11Bを設け、各モータ11A,11Bの出力軸29A,29Bにモータ歯車30を設ける。第1の2連ピニオン歯車31Aと第2の2連ピニオン歯車31Bを設け、各2連ピニオン歯車31A,31Bの入力側ピニオン32を対応するモータのモータ歯車30に噛合させる。各2連ピニオン歯車31A,31Bの出力側ピニオン33は外輪ハブ21の入力歯車25に噛合させる。両モータ11A.11Bを回転軸線Pから上下に離間させて配置し、両モータ11A,11Bのモータケースの間には離間スペースSを確保する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車輪の車幅方向内側に配置されて、車輪をモータの動力で駆動するインホイール型の車輪駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車輪の車幅方向内側に個別にモータユニットを設置したインホイール型の車輪駆動装置が知られている。
このインホイール型の車輪駆動装置は、例えば、四輪車両に用いることでエンジンルームの廃止によるキャビン空間の拡大や、駆動ユニットの低重心配置による車両運動性能の向上等の多くのメリットがある。また、前輪駆動車両の従動輪(後輪)に適用すれば、FF車両のプラットフォームで容易に四輪駆動車を開発することができる等、車両開発投資の面でも大きくメリットがある。
【0003】
ところで、インホイール型の車輪駆動装置は、車輪の車幅方向内側がモータユニット(モータと減速機構)によってスペースを占有されるため、車輪に近接した部位にサスペンション取付部やディスク型ブレーキ装置のキャリパ等を設定することが難しい。そこで、これに対処にするインホイール型の車輪駆動装置が従来より開発されている。(例えば、特許文献1参照)
【0004】
特許文献1に記載のインホイール型の車輪駆動装置は、車輪のホイールハブに同軸に結合される駆動ハブに入力歯車が設けられるとともに、その入力歯車に駆動力を伝達するモータが駆動ハブの回転軸線に対して上方側にずらして配置され、駆動ハブの背部側にできた空間部にサスペンション取付部やキャリパ等が配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−44438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、この従来の車輪駆動装置は、駆動ハブの回転軸線に対してモータが径方向(上方)にずらして配置されているため、モータの出力トルクを高めようとすると、モータ径の拡大によって径方向外側への装置の膨出量が増大してしまう。このため、車体側部品との干渉を避けるためのレイアウトが難しくなり、モータの出力トルクの増大が制限されてしまう。
【0007】
そこでこの発明は、駆動ハブの回転軸線回りの膨出量を抑制しつつモータの出力トルクを増大させることのできるインホイール型の車輪駆動装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係るインホイール型の車輪駆動装置では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
請求項1に係る発明は、車輪のホイールハブ(例えば、実施形態のホイールハブ19c)に車幅方向内側で結合されるとともに車体側に軸受(例えば、実施形態の軸受24)を介して回転自在に支持される駆動ハブ(例えば、実施形態の外輪ハブ21)と、この駆動ハブの車幅方向内側に配置されて駆動力を発生するモータと、このモータと前記駆動ハブの間に介装され、このモータの回転を減速して前記駆動ハブに伝達する減速機と、を備えたインホイール型の車輪駆動装置であって、前記モータは、各出力軸にモータ歯車(例えば、実施形態のモータ歯車30)が設けられた第1のモータ(例えば、実施形態の第1のモータ11A)及び第2のモータ(例えば、実施形態の第2のモータ11B)と、から成り、前記駆動ハブには、入力歯車(例えば、実施形態の入力歯車25)が設けられ、前記減速機は、入力側ピニオン(例えば、実施形態の入力側ピニオン32)が前記第1のモータのモータ歯車に噛合されるとともに出力側ピニオン(例えば、実施形態の出力側ピニオン33)が前記駆動ハブの入力歯車に噛合される第1の2連ピニオン歯車(例えば、実施形態の第1の2連ピニオン歯車31A)と、入力側ピニオンが前記第2のモータのモータ歯車に噛合されるとともに出力側ピニオンが前記駆動ハブの入力歯車に噛合される第2の2連ピニオン歯車(例えば、実施形態の第2の2連ピニオン歯車31B)と、を備え、前記第1のモータと第2のモータは、各出力軸が前記駆動ハブの回転軸線(例えば、実施形態の回転軸線P)に対してオフセットし、かつ、各モータケース(例えば、実施形態のモータケース26A,26B)が前記駆動ハブの回転軸線を挟んで相互に離間して配置されていることを特徴とするものである。
これにより、第1のモータと第2のモータが駆動されると、これらの各回転が第1の2連ピニオン歯車と第2のピニオン歯車を介して駆動ハブに伝達され、車輪のホイールが駆動ハブと一体に回転するようになる。また、駆動ハブの車幅方向内側には、第1のモータのモータケースと第2のモータのモータケースの間の離間スペースが位置されることになる。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に係るインホイール型の車輪駆動装置において、前記第1のモータと第2のモータのモータケース(例えば、実施形態のモータケース26A,26B)は、前記駆動ハブの回転軸線を挟んで上下に離間して配置されており、前記両モータケース間にできる空間部(例えば、実施形態の離間スペースS)の車両前後方向の一方側にディスクブレーキ装置のキャリパ(例えば、実施形態のキャリパ45)が配置され、前記第1のモータと第2のモータのモータケース同士を結合するギヤケース(例えば、実施形態のギヤケース22)には、サスペンションのアーム部材(例えば、実施形態のトレーリングアーム16)が、前記空間部の車両前後方向の他方側から前記両モータケース間に延出して結合されていることを特徴とする。
これにより、第1のモータのモータケースと第2のモータのモータケースの間にできる空間部に、ディスクブレーキ装置のキャリパとサスペンションのアーム部材がコンパクトに配置されることになる。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係るインホイール型の車輪駆動装置において、前記第1のモータと第2のモータは共通のインバータ(例えば、実施形態のPDU13)によって駆動され、このインバータの制御部に回転情報をフィードバックするための回転センサ(例えば、実施形態の回転センサ35)が前記第1のモータと第2のモータのいずれか一方に設けられていることを特徴とするものである。
これにより、第1のモータと第2のモータのいずれか一方に設けられた回転センサの検出信号が共通のインバータの制御部に入力されると、制御部はその検出信号を基にして共通のインバータを制御して両モータを同様に駆動させる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、駆動ハブの車幅方向内側に、第1のモータのモータケースと第2のモータのモータケースに挟まれた空間部を確保しつつ、両モータの合成トルクを駆動ハブに出力することができる。したがって、この発明によれば、駆動ハブの回転軸線回りのモータの膨出量を増大させることなく、モータの総出力トルクを増大させることができる。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、第1のモータのモータケースと第2のモータのモータケースの間にできる空間部に、ディスクブレーキ装置のキャリパとサスペンションのアーム部材がそれぞれ車体前後方向の一方と他方から配置されるため、ブレーキ部品とサスペンション部品とのレイアウトをコンパクトなものとすることができる。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、第1のモータと第2のモータに対し、一つの回転センサと共通の一つのインバータを用いて駆動制御を行うことができるため、部品点数を削減して、車両の軽量化と低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の一実施形態の車両駆動装置が適用される車両の概略構成図である。
【図2】この発明の一実施形態の車両駆動装置が適用される車両の裏面側から見た斜視図である。
【図3】この発明の一実施形態の車両駆動装置の配置を説明するためのホイール部の概略断面図である。
【図4】この発明の一実施形態の車両駆動装置の図6のA−A断面に対応する模式的な断面図である。
【図5】この発明の一実施形態の車両駆動装置の図6のA−A断面に対応する断面図である。
【図6】この発明の一実施形態の車両駆動装置の背面図である。
【図7】この発明の一実施形態の車両駆動装置の模式的な背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図中矢印Fは,車両前方側を指すものとする。
図1は、モータを動力源とする四輪駆動の電気自動車1の概略構成を示すものであり、この電気自動車1の左右の前輪Wfは、キャビンの前方に配置されているメインモータユニット2によって駆動されるようになっている。メインモータユニット2のモータ3は、PDU4(パワー・ドライブ・ユニット)を介して車両後部に配置された高圧バッテリ5に接続されている。左右の各後輪Wr(車輪)の車幅方向内側の後輪支持部には、それぞれインホイール型の車輪駆動装置10が設置されている。各車輪駆動装置10は、後に詳述するようにモータ動力を駆動源とし、インバータを備えたPDU13(パワー・ドライブ・ユニット)を介して高圧バッテリ5から電力を供給されるようになっている。
なお、左右の後輪Wrの各車輪駆動装置10は同様の構成であるため、以下では一方の車輪駆動装置10についてのみ説明する。また、各モータは、高圧バッテリ5の電力を受けて駆動を行うだけでなく、車両の制動時等には適宜回生発電も行う。
【0016】
図2は、車両後部を背面側から見た図である。
図1,図2に示すように、この電気自動車1では、後輪Wr側のサスペンションとしてトレーリングアーム式のものが用いられ、車幅方向に亙って延出するトーションビーム14の左右の端部の車両前方側がピボット軸15を介して車体に取り付けられるとともに、トーションビーム14の左右の端部にピボット軸15から車体後方側に延出するトレーリングアーム16(アーム部材)が連結されている。各トレーリングアーム16と車体の間には、サスペンションスプリング17とショックアブソーバ50(図6参照)が介装されている。車輪駆動装置10と後輪Wrは、左右のトレーリングアーム16に取り付けられている。
また、車両の図示しないトランクルームの下方位置には、PDU13やその他の電装装置を収容する電装収容室18が、図2に示すように、車体の下方側に膨出して設けられている。左右の各トレーリングアーム16と後輪Wr及び車輪駆動装置10は、この電装収容室18の車幅方向外側に隣接して配置されている。
【0017】
図3は、トレーリングアーム16と後輪Wrと車輪駆動装置10の配置関係を示す概略断面図である。
後輪Wrのホイール19は、外周面でタイヤTを保持するホイールリム19aと、ホイールリム19aの車外側の端面に設けられたホイールディスク19bと、ホイールディスク19bの径方向内側に設けられたホイールハブ19cと、を備え、このホイールハブ19cの車幅方向内側に車輪駆動装置10が配置されている。
【0018】
図4は、後輪Wrのホイール19と車輪駆動装置10の模式的な断面図であり、図5は、ホイール19と車輪駆動装置10の詳細な断面図である。また、図6は、後輪Wrと車輪駆動装置10をサスペンション部品とともに車幅方向内側から見た図であり、図7は、後輪Wrと車輪駆動装置10の模式的な背面図である。
車輪駆動装置10は、ホイールハブ19cの車幅方向内側にディスブレーキ装置のブレーキディスク20とともに外輪ハブ21(駆動ハブ)が一体に結合されている。外輪ハブ21は、ギヤケース22の軸心部に突設されたスピンドル23の先端部に軸受24を介して回転自在に支持されている。ギヤケース22は、後述するようにトレーリングアーム16に結合されている。外輪ハブ21は、軸受24に支持される円筒部21aを備え、その円筒部21aの後端(ホイールハブ19cと逆側の端部)の外周には入力歯車25が設けられている。
【0019】
この車輪駆動装置10の場合、駆動源として第1のモータ11Aと第2のモータ11Bが採用されている。この第1のモータ11Aと第2のモータ11Bはギヤケース22の上部側と下部側(鉛直上方側と下方側)に配置され、各モータケース26A,26Bがギヤケース22に結合されている。なお、図1においては、図示の都合上、第1のモータ11Aと第2のモータ11Bは車体の前後方向に並べて描かれている。
【0020】
第1のモータ11Aと第2のモータ11Bは同様の基本構造とされ、円環状のステータ27の内側にロータ28が配置されたインナロータ型とされている。この実施形態の場合、後輪Wrが非駆動のときの引き摺りを低減するために、両モータ11A,11Bは、誘導機やリダクタンスモータ等の永久磁石を持たないタイプのモータが採用されている。第1のモータ11Aと第2のモータ11Bの各出力軸29A,29Bは、外輪ハブ21の回転軸線Pに対して鉛直方向上下に等間隔離間して配置され、第1のモータ11Aと第2のモータ11Bのモータケース26A,26Bの間には上下方向に離間スペースSが確保されている。また、両モータ11A,11Bの各出力軸29A,29Bの前端部にはモータ歯車30が設けられている。
なお、第1のモータ11Aと第2のモータ11B(モータケース26A,26B)の外径は、少なくとも前端部側がホイールリム19aの内周側に収容し得る外径であることが望ましい。この実施形態の場合、第1のモータ11Aと第2のモータ11Bの前端部がホイールリム19aの内周面の内側に入り込むようになっている。
【0021】
ギヤケース22の内部には、第1のモータ11Aから外輪ハブ21に回転を伝達するための第1の2連ピニオン歯車31Aと、第2のモータ11Bから外輪ハブ21に回転を伝達するための第2の2連ピニオン歯車31Bが回転可能に取り付けられている。第1の2連ピニオン歯車31Aと第2の2連ピニオン歯車31Bはともに同様の構成とされ、大径の入力側ピニオン32と小径の出力側ピニオン33が同軸に軸方向に直列に並んで配置されている。
第1の2連ピニオン歯車31Aの入力側ピニオン32は、第1のモータ11Aのモータ歯車30に噛合され、第2の2連ピニオン歯車31Bの入力側ピニオン32は、第2のモータ11Bのモータ歯車30に噛合されている。一方、両2連ピニオン歯車31A,31Bの出力側ピニオン33は、鉛直方向の上下で対向する位置において、外側ハブ21の入力歯車25にそれぞれ噛合されている。
【0022】
ここで、ギヤケース22の車両後方側の側面には、ディスクブレーキ装置のキャリパ45が固定設置され、キャリパ45に設けられた一対の摩擦材46(図5参照)が、ブレーキディスク20の摩擦面20aを挟持するようになっている。図6,図7に示すように、キャリパ45は、第1のモータ11Aと第2のモータ11Bのモータケース26A,26B間の車両後方側のスペースに、両モータケース26A,26Bに近接するように配置されている。
また、トレーリングアーム16は、車両前方側から第1のモータ11Aと第2のモータ11Bのモータケース26A,26Bの離間スペースSに向かって延出し、その延出端のフランジ部がギヤケース22の後部壁に重合されてボルト締結によって固定されている。
また、ギヤケース22の下端後部にはブラケット34を介してショックアブソーバ50の下端が連結されている。
【0023】
ところで、第1のモータ11Aと第2のモータ11Bは、それぞれ同規格の第1,第2の2連ピニオン歯車31A,31Bを介して、外輪ハブ21の共通の入力歯車25に噛合連結されているため、常に両者は機械的に同期回転する。このため、この実施形態の場合、PDU13の制御部に回転信号を出力するための回転センサ35は第1のモータ11Aにのみ設けられている。そして、制御部は、この回転信号を基にして一つのPDU13を制御し、そのPDU13が両モータ11A,11Bを同様に(同時に)駆動するようになっている。
【0024】
以上の構成において、車輪駆動装置10によって後輪Wrを駆動する場合には、PDU13を介して第1のモータ11Aと第2のモータ11Bを同時に駆動し、これらの回転を第1,第2の2連ピニオン歯車を31A,31Bを介して減速しつつ、外輪ハブ21に伝達する。これにより、後輪Wrのホイール19は外輪ハブ21と一体に回転する。このとき、後輪Wrのホイール19は、第1のモータ11Aと第2モータ11Bの合成トルクを受けて回転する。
【0025】
この車輪駆動装置10は、駆動用のモータが第1のモータ11Aと第2のモータ11Bとに分割して構成され、両モータ11A,11Bの出力軸29A,29Bがそれぞれ第1の2連ピニオン歯車31Aと第2の2連ピニオン歯車31Bを介して共通の外輪ハブ21に連動可能に係合されるとともに、第1のモータ11Aのモータケース26Aと第2のモータ11Bのモータケース26Bが外輪ハブ21の回転軸線Pを挟んで上下に離間するようにギヤケース22に連結されているため、両モータ11A,11Bの径を拡大して総出力トルクを増大させても、両モータ11A,11Bを回転軸線Pから外側に大きく膨出させることなく、回転軸線P上で外輪ハブ21に近接する部位に比較的大きなスペース(離間スペースS)を容易に確保することができる。したがって、この車輪駆動装置10を採用することにより、モータの総出力トルクを増大しても、外輪ハブ21の回転軸線P回りの膨出量を小さく抑え、その膨出部と周囲の部材との干渉を容易に避けることができる。
【0026】
また、この車輪駆動装置10においては、第1のモータ11Aのモータケース26Aと第2のモータ11Bのモータケース26Bとが上下に離間して配置され、そこにできた離間スペースSの車両後方側にディスクブレーキ装置のキャリパ45が配置されるとともに、離間スペースSに車両前方側から挿入するようにしてトレーリングアーム16がギヤケース22の背面に結合されているため、離間スペースSを利用してブレーキ部品とサスペンション部品とを周囲にコンパクトに設置することができる。
【0027】
さらに、この車輪駆動装置10においては、第1のモータ11Aと第2のモータ11Bのうちの、一方にのみ回転センサ35が設けられ、一つのPDU13がこの回転センサ35の検出信号をフィードバック情報として受けて両モータ11A,11Bを同様に駆動する構成とされているため、部品点数を削減し、それによって車両の軽量化と製品コストの低減を図ることができる、という利点がある。
【0028】
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0029】
10…車輪駆動装置
11A…第1のモータ
11B…第2のモータ
13…PDU(インバータ)
16…トレーリングアーム(アーム部材)
19c…ホイールハブ
20…ブレーキディスク
21…外輪ハブ(駆動ハブ)
22…ギヤケース
24…軸受
25…入力歯車
26A,26B…モータケース
29A,29B…出力軸
30…モータ歯車
31A…第1の2連ピニオン歯車
31B…第2の2連ピニオン歯車
32…入力側ピニオン
33…出力側ピニオン
35…回転センサ
45…キャリパ
P…回転軸線
S…離間スペース
Wr…後輪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪のホイールハブに車幅方向内側で結合されるとともに車体側に軸受を介して回転自在に支持される駆動ハブと、
この駆動ハブの車幅方向内側に配置されて駆動力を発生するモータと、
このモータと前記駆動ハブの間に介装され、このモータの回転を減速して前記駆動ハブに伝達する減速機と、を備えたインホイール型の車輪駆動装置であって、
前記モータは、各出力軸にモータ歯車が設けられた第1のモータ及び第2のモータと、から成り、
前記駆動ハブには、入力歯車が設けられ、
前記減速機は、入力側ピニオンが前記第1のモータのモータ歯車に噛合されるとともに出力側ピニオンが前記駆動ハブの入力歯車に噛合される第1の2連ピニオン歯車と、入力側ピニオンが前記第2のモータのモータ歯車に噛合されるとともに出力側ピニオンが前記駆動ハブの入力歯車に噛合される第2の2連ピニオン歯車と、を備え、
前記第1のモータと第2のモータは、各出力軸が前記駆動ハブの回転軸線に対してオフセットし、かつ、各モータケースが前記駆動ハブの回転軸線を挟んで相互に離間して配置されていることを特徴とするインホイール型の車輪駆動装置。
【請求項2】
前記第1のモータと第2のモータのモータケースは、前記駆動ハブの回転軸線を挟んで上下に離間して配置されており、
前記両モータケース間にできる空間部の車両前後方向の一方側にディスクブレーキ装置のキャリパが配置され、
前記第1のモータと第2のモータのモータケース同士を結合するギヤケースには、サスペンションのアーム部材が、前記空間部の車両前後方向の他方側から前記両モータケース間に延出して結合されていることを特徴とする請求項1に記載のインホイール型の車輪駆動装置。
【請求項3】
前記第1のモータと第2のモータは共通のインバータによって駆動され、このインバータの制御部に回転情報をフィードバックするための回転センサが前記第1のモータと第2のモータのいずれか一方に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のインホイール型の車輪駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−183981(P2012−183981A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50264(P2011−50264)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】