説明

ウイルスポリメラーゼ抑制剤

HCV NS5Bポリメラーゼの抑制剤としての、式I:
【化1】


(式中、A、B、R2、R3、M1、M2、M3、M4、Y1、及びZは、請求項1において定義するものである)により表される化合物の異性体、光学異性体、ジアステレオ異性体又は互変体、又はそれらの塩。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の技術分野
本発明は、RNA依存RNAポリメラーゼ、特には、フラビ・ウイルス科内のウイルスポリメラーゼの抑制剤、より特にはHCVポリメラーゼに関する。
発明の背景
約30,000の新たなケースのC型肝炎ウイルス(HCV)感染が、毎年米国内において発生していることが見積もられている(Kolykhalov, A.A; Mihalik, K.; Feinstone, S.M.; Rice, C.M.; 2000; J. Virol. 74: 2046-2051)。HCVは、宿主免疫ディフェンスにより容易にはクリアされず:HCVに感染した人々の85%が慢性的に感染するようになる。これらの持続感染の多くは、肝硬変及び肝細胞癌を含む慢性肝臓疾患を生じる(Hoofnagle, J.H.; 1997; Hepatology 26: 15S-20S*)。世界的には1億7千万人のHCV保菌者が見積もられ、及びHCV関連最終段階肝臓疾患は、現在、肝臓移植の主要原因である。米国のみにおいては、C型肝炎で、毎年、8,000〜10,000人に死者がでる。効果的な診療なしには、その数は、10〜20年後には3倍になると予期される。HCV感染を防止するワクチンはない。インターフェロン又はインターフェロン及びリバビリンを用いる慢性感染患者の長期的治療は、現在是認されている唯一の治療であるが、50%のケースより少なく持続応答を達成する(Lindsay, K.L.; 1997; Hepatology 26: 71S-77S*, and Reichard, O.; Schvarcz, R.; Weiland, O.; 1997 Hepatology 26: 108S-111S*)。
【0002】
HCVは、フラビ・ウイルス科ヘパシウイルス(hepacivirus)属に属し、それは、3属の小さなエンベロープポジティブ−ストランドRNAウイルスを含む(Rice, C.M.; 1996; “Flaviviridae: the viruses and their replication”; pp. 931-960 in Fields Virology; Fields, B.N.; Knipe, D.M.; Howley, P.M. (eds.); Lippincott-Raven Publishers, Philadelphia Pa. *)。HCVの9.6kbゲノムは、5’及び3’非翻訳領域(NTR)によりフランクされた長いオープンリーディングフレーム(ORF)からなる。HCV5’NTRは、長さが341ヌクレオチドであり、及びキャップ−独立翻訳開始についての中間リボソームエントリーサイトとして機能する(Lemon, S.H.; Honda, M.; 1997; Semin. Virol. 8: 274-288)。HCVポリプロテインは、同時−及び後−翻訳的に開裂されて、少なくとも10個のポリペプチドとなる(Reed, K.E.; Rice, C.M.; 1999; Curr. Top. Microbiol. Immunol. 242: 55-84*)。構造的タンパクは、ポリプロテインのN−末端部におけるシグナルペプチダーゼから生じる。2つのウイルスプロテアーゼは、下流開裂を介在して、HCV RNAレプリカーゼの成分として機能する非−構造的(NS)タンパクを生成する。NS2−3プロテアーゼは、NS2のC−末端2分の1及びNS2のN−末端3分の1をスパン(span)し、及びNS2/3サイトのシス開裂を触媒する。NS3の同一部分は、4つの下流サイトで開裂するNS3−4Aセリンプロテアーゼの触媒ドメインをコードする。NS3のC末端2/3は、HCV単離物の間で高度に保存(conserve)され、RNAバインディング、RNA刺激NTPアーゼ及びRNAが活性をほぐす(unwind)。NS4B及びNS5Aホスホプロテインは、また、おそらくレプリカーゼの成分であるが、それらの具体的な役割は、知られていない。C−末端ポリプロテイン開裂生成物、NS5Bは、RNA依存RNAポリメラーゼ(RdRp)活性を有するHCVレプリカーゼの伸長サブユニットである(Behrens, S.E.; Tomei, L.; DeFrancesco, R.; 1996; EMBO J. 15: 12-22*; and Lohmann, V.; Korner, F.; Herian, U.; Bartenschlager, R.; 1997; J. Virol. 71: 8416-8428*)。NS5B活性を破壊する突然変異体は、チンプモデルにおけるRNAの伝染力を廃止(abolish)することが近年証明された(Kolykhalov, A.A.; Mihalik, K.; Feinstone, S.M.; Rice, C.M.; 2000; J. Virol. 74: 2046-2051*)。
新規及び特定の抗−HCV処理の発達は、高度に優先され、及びレプリケーションに必須のウイルス特異性機能は、薬剤発達のための大抵の魅力的ターゲットである。哺乳類におけるRNA依存RNAポリメラーゼの不在、及びこの酵素がウイルスレプリケーションに必須であると思われる事実は、NS5Bポリメラーゼが抗−HCV治療についての理想ターゲットであることを示唆する。WO 00/06529、WO 00/13708、WO 00/10573、WO 00/18231、WO 01/47883、WO01/85172、WO 02/04425、WO 03/010140及びWO 03/010141は、HCVの治療を意図するNS5Bの抑制剤を報告する。
【0003】
発明の概要
従って、本発明の目的は、HCVポリメラーゼに対する抑制活性を有する新規シリーズの化合物を提供することである。
本発明の更なる目的は、以下の記載及び実施例から、当該技術分野における当業者に明らかであろう。
本発明の第1態様においては、式Iにより表される化合物の異性体、光学異性体、ジアステレオ異性体又は互変体、又はそれらの塩:
【化1】

【0004】
(式中、-----は、単結合又は二重結合のいずれかを表し;
Bは、−N−であり、及びAは、=CR1−又は=N−であり;又は
Bは、=C−であり、及びAは、O、S又はNR1であり;
1は、H、場合により以下のもので置換されていてもよい(C1-6)アルキルからなる群より選択され:ハロゲン、OR11、SR11、N(R122(式中、R11及び各R12は、独立して、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル−(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル−アリール又は(C1-6)アルキル−Hetであり、該アリール又はHetは、場合により、R160で置換されていてもよく;又は両R12は、互いに共有結合し及び窒素に対してそれらの両方が結合して、5、6又は7員の飽和ヘテロ環を形成する);
基−C(=Y1)−Zは、M2又はM3のいずれかに共有結合し、
1は、CR4aであり、
2又はM3は、−C(=Y1)−Zに結合していない場合、CR5であり、
4は、CR4bであり、
及びまた、M1、M2、M3及びM4より選択される基の1又は2は、また、Nであってもよく、但し、−C(=Y1)−Zが結合する基M2又はM3は、C−原子であり、
1は、O又はSであり;
Zは、NRN2−SO2−RC又はNRN3−SO2−N(RN2)RN1(式中、RC、RN1又はRN1及びRN2により形成されるヘテロ環のいずれかは、場合により、R60で置換されていてもよい)として定義され;
2は、ハロゲン又はR21(式中、R21は、アリール又はHetであり、該R21は、場合により、R150で置換されていてもよい)より選択され;
【0005】
3は、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキル、(C5-7)シクロアルケニル、(C1-3)アルキル−(C5-7)シクロアルケニル、(C6-10)ビシクロアルキル、(C1-3)アルキル−(C6-10)ビシクロアルキル、(C6-10)ビシクロアルケニル、(C1-3)アルキル−(C6-10)ビシクロアルケニル、HCy又は(C1-3)アルキル−HCyより選択され(式中、HCyは、O、S及びNより選択される1〜3のヘテロ原子を有する飽和又は不飽和の4〜7員のヘテロ環基であり;該アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ビシクロアルキル、ビシクロアルケニル、HCy及びアルキル−HCyは、場合により、以下のa)〜d)より選択される1〜4の置換基で置換されていてもよい:
a)ハロゲン;
b)場合により以下のもので置換されていてもよい(C1-6)アルキル:
−ハロゲンより選択される1〜3の置換基;
−OR31又はSR31(式中、R31は、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキルである);又は
−N(R322(式中、各R32は、独立して、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキルであり;又は両R32は、互いに共有結合し及び窒素に対してそれらが結合して、5、6又は7員の飽和ヘテロ環を形成する);
c)OR33又はSR33(式中、R33は、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキルである);
d)N(R352(式中、各R35は、独立して、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキルであり;又は両R35は、互いに共有結合し及び窒素に対してそれらが結合して、5、6又は7員の飽和ヘテロ環を形成する);
【0006】
4a、R4b、R5の各々は、独立して、Hであり又はR150として定義され;
60は、独立して、以下のものより選択される1〜4の置換基として定義され:
−ハロゲンより選択される1〜3の置換基;
−OPO3H、NO2、シアノ、アジド、C(=NH)NH2、C(=NH)NH(C1-6)アルキル又はC(=NH)NHCO(C1-6)アルキル、SO3Hより選択される各置換基の1つ;及び
−以下のa)〜l)より選択される1〜3の置換基;
a)場合により、N、O及びSより選択される1又は2のヘテロ原子を含んでいてもよい(C3-7)スピロシクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル;(C2-6)アルケニル、(C2-8)アルキニル、(C1-6)アルキル−(C3-7)シクロアルキル(それらの全ては、場合により、R150で置換されていてもよい);
b)ORO
c)OC(O)RO
d)SRO、SO2C、SO2N(RN2)RN1、SO2N(RN2)C(O)RC、CONRN3SO2N(RN2)RN1、又はCONRN2SO2C
e)N(RN2)RN1、N(RN2)COORC、N(RN2)SO2C又はN(RN1)ORO
f)N(RN2)CORC
g)N(RN3)CON(RN2)RN1
h)N(RN3)COCORC、N(RN3)COCOORO、N(RN3)COCON(RN2)ORO、又はN(RN3)COCON(RN2)RN1
i)CORO
j)COORO
k)CON(RN2)RN1
l)アリール、Het、(C1-4)アルキル−アリール又は(C1-4)アルキル−Het(それらの全ては、場合により、R150で置換されていてもよい);
式中、該RN1、RC及び/又はROは、場合により、定義されるようなR150で置換されていてもよく、
【0007】
150は、独立して、以下のものより選択される1〜4の置換基として定義され:
−ハロゲンより選択される1〜3の置換基;
−OPO3H、NO2、シアノ、アジド、SO3H C(=NH)NH2、C(=NH)NH(C1-6)アルキル又はC(=NH)NHCO(C1-6)アルキルより選択される各置換基の1つ;及び
−以下のa)〜k)より選択される1〜3の置換基:
a)場合により、N、O及びSより選択される1又は2のヘテロ原子を含んでいてもよい(C3-7)スピロシクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル;(C2-6)アルケニル、(C2-8)アルキニル、(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキル(それらの全ては、場合により、R160で置換されていてもよい);
b)ORO
c)OC(O)RO
d)SRO、SO2C、SO2N(RN2)RN1又はSO2N(RN2)C(O)RC
e)N(RN2)RN1、N(RN2)COORC、N(RN2)SO2C又はN(RN1)ORO
f)N(RN2)CORC
g)N(RN3)CON(RN2)RN1
h)N(RN3)COCORC、N(RN3)COCOORO、N(RN3)COCON(RN2)OH、N(RN3)COCON(RN2)O(C1-4)アルキル又はN(RN3)COCON(RN2)RN1
i)CORO
j)COORO
k)テトラゾール、トリアゾール、CONRN2SO2C、CONRN3−SO2N(RN2)RN1又はCON(RN2)RN1
式中、該RN1、RC及び/又はROは、場合により、定義されるようなR160で置換されていてもよく;
【0008】
160は、独立して、以下のものより選択される1、2又は3の置換基として定義され:
−1、2又は3のフッ素置換基;及び
−テトラゾール、トリアゾール、塩素、臭素、ヨウ素、CN、ニトロ、(C1-4)アルキル、OCF3、SCF3、CF3、COOR161、SO3H、SR161、SO2163、OR161、N(R1622、SO2N(R1622、SO2NR162COR162、NR162SO2163、-NR161−CO−COOR161、−NR161−CO−CO(NR1622、−CONR161SO2C、CONR161−SO2N(R1622又は−SO2−NR161−CORC、NR162COR162又はCON(R1622より選択される各置換基の1つ(式中、R161、R163及び各R162は、独立して、(C1-4)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキルであり;及びR161及び各R162は、各々、独立して、また、Hであってもよく;又は両R162は、互いに共有結合し及び窒素に対してそれらが結合して、5、6又は7員の飽和ヘテロ環を形成する);
O、RCは、独立して、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-4)アルキル−(C3-7)シクロアルキル、(C2-6)アルケニル、アリール、Het、(C1-4)アルキル−アリール又は(C1-4)アルキル−Hetとして定義され;又はROは、場合により、Hとして定義されてもよく;
N1は、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-4)アルキル−(C3-7)シクロアルキル、(C2-6)アルケニル、アリール、Het、(C1-4)アルキル−アリール、(C1-4)アルキル−Hetであり;及び
N2、RN3、RN4は、独立して、H、CH3、(C2-6)アルキル、(C3-6)シクロアルキル、(C1-4)アルキル−(C3-6)シクロアルキルであり;それらの全ては、場合により、ハロゲン、カルボキシ又は(C1-6)アルコキシカルボニルで置換されていてもよく;及び/又はここで、該アルキル、シクロアルキル又はアルキルシクロアルキルは、場合により、ヒドロキシ、(C1-6)アルキル、(C1-6)アルコキシ、アミノ、−NH(C1-4)アルキル及び/又は−N((C1-4)アルキル)2で置換されていてもよく;又は
a)基N(RN2)RN1の場合の置換基RN2及びRN1;又は
b)基NRN3−N(RN2)RN1の場合の置換基RN3及びRN1又はRN2及びRN1;は、互いに共有結合して、4−、5−、6−又は7−員の飽和又は不飽和のN含有ヘテロ環又は8−、9−、10−又は11−員のN含有ヘテロ二環を形成してもよく、各々は、場合により、更に、O、N及びSより選択される1〜3のヘテロ原子を有していてもよく;
ここで、Hetは、O、N及びSより選択される1〜4のヘテロ原子を有する4−、5−、6−又は7−員のヘテロ環、又はO、N及びSより選択される1〜5のヘテロ原子を有する8−、9−、10−又は11−員のヘテロ二環として定義される)が提供される。
【0009】
それに、“探知できるラベル(detectable label)”、“親和性タッグ(affinity tag)”又は“光反応性基”が結合する、前述したような式(I)の化合物は本発明の範囲内にある。
本発明の化合物は、一般に、HCVポリメラーゼに対して抑制活性を示す。特には、本発明の化合物は、RNA合成を、HCVの、特には、HCVによりコードされる酵素NS5BのRNA依存RNAポリメラーゼにより抑制する。更に、細胞培養において活性である化合物が提供される。本発明により提供される化合物の更なる利点は、他のポリメラーゼに対するそれらの活性が低〜極低又は更には有意ではないことである。
本発明の第2の態様においては、本発明の式Iの化合物、又はそれらの医薬的に許容可能な塩の、HCVポリメラーゼ抑制剤としての使用が提供される。
本発明の第3の態様においては、本発明の式Iの化合物、又はそれらの医薬的に許容可能な塩の、HCVによりコードされる酵素NS5BのRNA依存RNAポリメラーゼ活性の抑制剤としての使用が提供される。
本発明の第4の態様においては、本発明の式Iの化合物、又はそれらの医薬的に許容可能な塩の、HCVレプリケーションの抑制剤としての使用が提供される。
本発明の第5の態様においては、哺乳類におけるHCV感染を治療又は予防する方法であって、哺乳類に対して、有効量の本発明の式Iの化合物、又はそれらの医薬的に許容可能な塩を投与することを含む方法が提供される。
【0010】
本発明の第6の態様においては、哺乳類におけるHCV感染を治療又は予防する方法であって、哺乳類に対して、有効量の式1の化合物、又はそれらの医薬的に許容可能な塩を、他の抗ウイルス剤と組み合せて投与することを含む方法が提供される。
本発明の第7の態様においては、HCV感染を治療又は予防するための医薬組成物であって、有効量の本発明の式Iの化合物、又はそれらの医薬的に許容可能な塩、及び医薬的に許容可能なキャリヤを含む組成物が提供される。
更に具体的な態様によれば、本発明の医薬組成物は、治療的に有効量の1又は2以上の抗ウイルス剤を含む。抗ウイルス剤の例としては、リバビリン及びアマンタジンが挙げられる。
更に具体的な態様によれば、本発明の医薬組成物は、他の抗HCV剤を抗ウイルス剤として含む。
より具体的な態様によれば、本発明の医薬組成物は、更なる免疫調整剤を他の抗HCV剤として含む。更なる免疫調整剤の例としては、α−、β−、δ−、γ−、タウ−及びω−インターフェロンが挙げられるが、これらに制限される訳ではない。
別のより具体的な態様によれば、本発明の医薬組成物は、HCVポリメラーゼのほかの抑制剤を他の抗HCV剤として含む。
別のより具体的な態様によれば、本発明の医薬組成物は、HCV NS3プロテアーゼの抑制剤を他の抗HCV剤として含む。
更に別のより具体的な態様によれば、本発明の医薬組成物は、HCVライフサイクルにおける別のターゲットを他の抗HCV剤として含む。そのような他のターゲットの例は、HCVヘリカーゼ、HCV NS2/3プロテアーゼ又はHCV IRESである。
本発明の第8の態様においては、フラビ・ウイルス科のウイルス感染、好ましくはHCV感染の治療及び/又は予防用医薬を製造するための、本発明の式Iの化合物、又はそれらの医薬的に許容可能な塩の使用が提供される。
【0011】
発明の詳細な記載
定義
他に記載のない限り以下の定義が適用される:
本願明細書に使用されるような用語(C1-n)アルキル又はC1-nアルキル(式中、nは、整数である)は、単独又は他の基との組み合わせのいずれかで、1〜n個の炭素原子をそれぞれ含む脂環式直鎖又は分枝鎖アルキル基を意味することが意図される。そのような基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル(i−プロピル)、n−ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル(tert−ブチル)、n−ペンチルなどが挙げられる。以下のおいては、用語Meは、メチル基を示す。
アルキル基がハロゲンで置換される場合、それは、好ましくは、フッ素でモノ−、ジ−又はトリ置換され又は塩素又は臭素でモノ置換されている。フッ素でトリ置換されている好ましいアルキル基は、末端CF3基を有する。
本願明細書において使用されるような用語(C2-n)アルケニル(式中、nは、整数である)は、単独又は他の気との組み合わせのいずれかで、2〜n個の炭素原子を含む不飽和の、脂環式直鎖アルケニル基を意味することが意図されており、その炭素原子の少なくとも2つは、互いに、二重結合により結合している。そのような基の例は、エテニル(ビニル)、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニルなどである。
【0012】
本願明細書において使用されるような用語(C2-n)アルキニル(式中、nは、整数である)は、単独又は他の基との組み合わせでのいずれかで、2〜n個の炭素原子を含む不飽和の、脂環式直鎖アルキニル基を意味することが意図されており、その炭素原子の少なくとも2つは、互いに、三重結合により結合している。そのような基の例は、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニルなどである。
本願明細書において使用されるような用語(C3-n)シクロアルキル(式中、nは、整数である)は、単独又は他の基との組み合わせでのいずれかで、3〜n個の炭素原子を含むシクロアルキル基を意味し、及びシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルを含む。
本願明細書において使用されるような用語(C5-n)シクロアルケニル(式中、nは、整数である)は、単独又は他の基との組み合わせでのいずれかで、5〜n個の炭素原子を含む不飽和脂環式基を意味する。例は、シクロペンテニル及びシクロヘキセニルである。
本願明細書において使用されるような用語(C1-n)アルキル−(C3-m)シクロアルキル(式中、n及びmは、整数である)は、単独で又は他の基との組み合わせでのいずれかで、それに、3〜m個の炭素原子を含むシクロアルキル基が共有結合している1〜n個のC原子を有する分枝又は直鎖アルキル基を意味する。好ましくは、アルキル基は、直鎖であり、及びシクロアルキル基は、その末端C原子に結合している。(C1-3)アルキル−(C3-6)シクロアルキルの例としては、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、2−シクロプロピルエチル、2−シクロブチルエチル、2−シクロペンチルエチル、2−シクロヘキシルエチル、3−シクロプロピルプロピル、3−シクロブチルプロピル、3−シクロペンチルプロピル、3−シクロヘキシルプロピルなどが挙げられる。
【0013】
本願明細書において使用されるような用語アルキル−アリール、アルキル−HCy、アルキル−Hetアリール、アルキル−Hetなどは、アリール、HCy、Hetアリール、Het基がそれぞれ結合するアルキル基を意味する。(C1-3)アルキル−アリールの例は、ベンジル(フェニルメチル)、フェニルエチル及びフェニルプロピルである。
本願明細書において使用されるような用語“カルボキシ保護基”(CPG)は、合成変換の間に使用され得る保護基を定義し、及びGreene, “Protective Groups in Organic Chemistry”, John Wiley & Sons, New York (1981) and “The Peptides: Analysis, Synthesis, Biology”, Vol. 3, Academic Press, New York (1981)に記載されている。
カルボキシル基は、通常、開裂してカルボン酸を提供しうるエステルとして保護される。使用され得る保護基としては、1)アルキルエステル、例えばメチル、トリメチルシリルエチル及びt−ブチル、2)アラルキルエステル、例えばベンジル及び置換ベンジル、又は3)マイルドな塩基処理又はマイルドな還元手段により開裂し得るエステル、例えばトリクロロエチル及びフェニルアシルエステルが挙げられる。
本願明細書において使用されるような用語“アリール”は、単独で、又は他の基との組み合わせでのいずれかで、6−又は10−員のアリール、即ち、6又は10個の炭素原子を含む芳香族基、例えばフェニル、1−ナフチル又は2−ナフチルを意味する。アリールの最も好ましい意味は、フェニルである。
【0014】
本願明細書において使用されるような用語ヘテロ原子は、O、S又はNを意味する。
本願明細書において使用されるような用語“ヘテロサイクル”は、単独で又は他の基との組み合わせでのいずれかで、窒素、酸素及び硫黄より選択される1〜4個のヘテロ原子を含む5−、6−又は7−員の飽和又は不飽和(芳香族を含む)ヘテロサイクルから水素を除去することにより誘導される1価の基を意味する。そのようなヘテロサイクルの例としては、アゼチジン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、チアゾリジン、ピロール、チオフェン、ヒダントイン、ジアゼピン、1H−イミダゾール、イソキサゾール、チアゾール、テトラゾール、ピペリジン、ピペラジン、ホモピペリジン、ホモピペラジン、1,4−ジオキサン、4−モルホリン、4−チオモルホリン、ピリジン、ピリジン−N−オキシド又はピリミジン、又は以下のヘテロサイクル:
【化2】

が挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
【0015】
本願明細書において使用されるような用語“9−又は10−員のヘテロビサイクル(heterobicycle)”又は“ヘテロビサイクル”は、単独で又は他の基との組み合わせでのいずれかで、1又は2以上の他の環(ヘテロサイクル又は他の環)に融合した上記で定義されるようなヘテロサイクルを意味する。そのようなヘテロビサイクルの例としては、インドール、ベンズイミダゾール、チアゾロ[4,5−b]−ピリジン、キノリン又はクマリン又は以下のもの:
【化3】

が挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
本願明細書において使用されるような用語“Het”は、特に記載のない限り、飽和、不飽和又は芳香族であってもよい、O、N及びSより選択される1〜4個のヘテロ原子を有する4−、5−、6−又は7−員のヘテロ環、又は飽和、不飽和又は芳香族であってもよい、可能な限りO、N及びSより選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8−、9−、10−又は11−員のヘテロ二環を定義する。
【0016】
本願明細書において使用されるような用語“HCy”は、他に記載のない限り、O、N及びSより選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、飽和又は不飽和の4−、5−、6−又は7−員の単環ヘテロ環を定義する。
本願明細書において使用されるような用語“Hetアリール”は、O、N及びSより選択される1又は2個のヘテロ原子を有する、芳香族5−又は6−員の単環ヘテロ環、又はO、N及びSより選択される1〜4個のヘテロ原子を有する9−又は10−員の芳香族ヘテロ二環(heterobicycle)を定義する。
本願明細書において使用されるような用語“ハロ”は、ハロゲン原子を意味し、及びフッ素、塩素、臭素及びヨウ素を含む。
本願明細書において使用されるような用語“OH”は、ヒドロキシル基を意味する。ヒドロキシル基は、官能基同等物により置換されていてもよいことが当該技術分野における当業者によく知られている。本発明により意図されるそのような官能基同等物の例としては、エーテル、スルフヒドリル、及び第1級、第2級又は第3級アミンが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
本願明細書において使用されるような用語“SH”は、スルフヒドリル基を意味する。“SH”又は“SR”基が存在する場合、それは、また、他の適切な酸化状態、例えばSOR、SO2R又はSO3Rにより置換されていてもよいことが本発明の範囲内である。
【0017】
用語“置換された”は、1より多くの基、例えばC1-6アルキル−アリール又はC1-6アルキル−Hetに関連して適用される場合、そのような置換は、両方の基に適用され、即ちアルキル及びアリール又はHet基の両方が、定義される置換基で置換され得る。
本願明細書において使用されるような用語“COOH”は、カルボン酸基を意味する。カルボン酸基は、官能基同等物により置換されていてもよいことが当該技術分野における当業者によく知られている。本発明により意図されるそのような官能基同等物の例としては、エステル、アミド、イミド、ボロン酸、テトラゾール、トリアゾール、N−アシルスルホニルジアミド(RCONHSO2NR2)、及びアシルスルホンアミド(RCONHSO2R)が挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
本願明細書において使用されるような用語“官能基同等物”は、同様の電子的特性、混成特性又は結合特性を有する他の要素により置換可能な要素又は置換されたそれらの誘導体を意味することが意図される。
本願明細書において使用されるような“金属触媒”は、クロスカップリング反応において使用するための金属、例えばパラジウム(0)又はパラジウム(2)を意味することが意図される。そのようなパラジウム触媒の例としては、Pd(PPh34、Pd/C、Pd(OAc)2、PdCl2などが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。クロスカップリング反応を触媒し得る代替金属としては、Ni、Rh、Ru及びIrなどの複合体、例えば:Ni(acac)2、Ni(OAc)2、又はNiCl2が挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
【0018】
用語“検知可能なラベル”は、ポリメラーゼに又は本発明の化合物に結合可能ないずれかの基を意味し、化合物がポリメラーゼターゲットに関連する場合、そのようなラベルにより、検知、測定及び定量化可能な化合物の直接的又は間接的な確認が可能となる。そのようなラベルの例は、蛍光ラベル、化学発光ラベル、比色分析ラベル、酵素マーカー、放射性同位体及び親和性タッグ、例えばビオチンを含むが、これらに限定されないことが意図される。そのようなラベルは、よく知られる方法により化合物に又はポリメラーゼに結合する。
用語“親和性タッグ(affinity tag)”は、レセプターに対するその強い親和性が使用されて、溶液からリガンドが結合した構成要素を抽出するリガンド(ポリメラーゼに又は本発明の化合物に結合する)を意味する。そのようなリガンドの例としては、ビオチン又はその誘導体、ヒスチジンポリペプチド、ポリアルギニン、アミロース糖成分又は特定の抗体により認識可能な、定義されるエピトープが挙げられる。そのような親和性タッグは、よく知られる方法により、化合物に又はポリメラーゼに結合する。
用語“光反応性基”は、光による活性化の際に、不活性基から反応性種、例えばフリーラジカルへとなる基を意味する。そのような基の例としては、ベンゾフェノン、アジドなどが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
用語“それらの塩”は、本発明の化合物の酸及び/又は塩基付加塩;好ましくは医薬的に許容可能なそれらの塩を意味する。
【0019】
用語“医薬的に許容可能な塩”は、正当な利益/危険比に相応の、一般には、水又は油溶解性又は分散性で、及びそれらの意図される使用に有効な、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などなしにヒト及び下等動物の組織に接触して使用するのに、サウンドメディカルジャッジメントの範囲内において適する式(I)の化合物の塩を意味する。その用語は、医薬的に許容可能な酸付加塩及び医薬的に許容可能な塩基付加塩を含む。適切な塩のリストは、例えば、S.M. Birge et al., J. Pharm. Sci., 1977, 66, pp. 1-19にみられ、その全内容は参考文献として本願明細書に組み込まれるものとする。
用語“医薬的に許容可能な酸付加塩”は、遊離塩基の生物学的効果及び特性を保持し及び他の望ましくない又は生物学的ではない以下のものより形成される塩を意味する:無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、硝酸、リン酸など、及び有機酸、例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、酪酸、ショウノウ酸、カンファースルホン酸、経皮酸、クエン酸、ジグルコン酸、エタンスルホン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グリセロリン酸、ヘミスルフィック酸(hemisulfic acid)、ヘキサン酸、ギ酸、フマル酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸(イセチオン酸)、乳酸、ヒドロキシマレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メシチレンスルホン酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ニコチン酸、2−ナフタレンスルホン酸、シュウ酸、パモン酸、ペクチン酸、フェニル酢酸、2−フェニルプロピオン酸、ピバリン酸、プロピオン酸、ピルビン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、ウンデカン酸など。
【0020】
用語“医薬的に許容可能な塩基付加塩”は、遊離酸の生物学的効果及び特性を保持し及び他の望ましくない又は生物学的ではない以下のものより形成される塩を意味する:無機塩基、例えばアンモニア又は、アンモニウム又は金属カチオン、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムなどの水酸化物、カーボネート、又はビカーボネート。特に好ましいものは、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム及びマグネシウム塩である。医薬的に許容可能な有機無毒塩基より誘導される塩としては、以下のものの塩が挙げられる:第1級、第2級及び第3級、第4級アミン化合物、天然発生置換アミンを含む置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、ヒドラバミン(hydrabamine)、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N−エチルピペリジン、テトラメチルアンモニウム化合物、テトラエチルアンモニウム化合物、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、N,N−ジベンジルフェネチルアミン、1−エフェナミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ポリアミン樹脂など。特に好ましい有機無毒性塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン及びカフェインである。
【0021】
本願明細書において使用されるような用語“抗ウイルス剤”は、哺乳類においてウイルスの形成及び/又は複製を抑制するのに効果的である薬剤(化合物又は生物学的なもの)を意味する。これは、哺乳類においてウイルスの形成及び/又は複製に必要な宿主又はウイルスメカニズムを妨害する薬剤を含む。抗ウイルス剤としては、例えば、リバビリン、アマンタジン、VX−497(メリメボジブ(merimepodib)、ベルテックス(Vertex)ファーマシューティカルズ)、VX−498(ベルテックスファーマシューティカルズ)、レボビリン(Levovirin)、ビラミジン(Viramidine)、セプレン(Ceplene)(マキシマミン(Maxamine))、XTL−001及びXTL−002(XTLバイオファーマシューティカルズ)が挙げられる。
本願明細書において使用されるような用語“他の抗HCV剤”は、疾患のC型肝炎関連症状の進行を低下又は防止するのに効果的な薬剤を意味する。そのような薬剤は、免疫調節剤、HCV NS3プロテアーゼの抑制剤、HCVポリメラーゼの他の抑制剤又はHCVライフサイクルにおける他のターゲットの抑制剤より選択され得る。
本願明細書において使用されるような用語“免疫調整剤”は、哺乳類において免疫系応答を強化又は増強するのに効果的な薬剤(化合物又は生物学的なもの)を意味する。免疫調整剤としては、例えば、クラスIインターフェロン(例えば、α−、β−、δ−及びオメガインターフェロン、タウ−インターフェロン、コンセンサスインターフェロン及びアシアロインターフェロン)、クラスIIインターフェロン(例えば、γ−インターフェロン)及びペジレート化(pegylated)インターフェロンが挙げられる。
【0022】
本願明細書において使用されるような用語“HCV NS3プロテアーゼの抑制剤”は、哺乳類においてHCV NS3プロテアーゼの機能を抑制するのに効果的な薬剤(化合物又は生物学的なもの)を意味する。HCV NS3プロテアーゼの抑制剤としては、例えば、WO 99/07733、WO 99/07734、WO 00/09558、WO 00/09543、WO 00/59929又はWO 02/060926に記載される化合物、BILN2061として同定されるベーリンガーインゲルヘイム臨床候補及びVX−950として同定されるベルテックス前開発候補が挙げられる。特に、WO 02/060926における224〜226頁の表に開示された化合物#2、3、5、6、8、10、11、18、19、29、30、31、32、33、37、38、55、59、71、91、103、104、105、112、113、114、115、116、120、122、123、124、125、126及び127を、本発明の化合物と組み合せて使用することができる。
本願明細書において使用されるような用語“HCVポリメラーゼの他の抑制剤”は、哺乳類においてHCVポリメラーゼの機能を抑制するのに効果的な薬剤(化合物又は生物学的なもの)を意味し、それにより、薬剤は、本発明の化合物とは異なる構造を有し、及び好ましくは、本発明の化合物により標的とされるサイトとは異なるHCVポリメラーゼのサイトに結合する。HCVポリメラーゼの他の抑制剤は、非ヌクレオシド、例えば、WO 03/040112 (Rigel)、WO 02/100846 A1 (Shire)、WO 02/100851 A2 (Shire)、WO 01/85172 A1 (GSK)、WO 02/098424 A1 (GSK)、WO 00/06529 (Merck)、WO 02/06246 A1 (Merck)、EP 1 256 628 A2 (Agouron)に記載されている化合物を含む。更に、HCVポリメラーゼの他の抑制剤は、また、ヌクレオシド類縁体、例えば、WO 01/90121 A2 (Idenix)、WO 02/069903 A2 (Biocryst Pharmaceuticals Inc.)、WO 02/057287 A2 (Merck/Isis)及びWO 02/057425 A2 (Merck/Isis)に記載された化合物を含む。
【0023】
本願明細書において使用されるような用語“HCVライフサイクルにおける保管おターゲットの抑制剤”は、HCVのRNA依存RNAポリメラーゼを抑制する以外に、哺乳類においてHCVの形成及び/又は複製を抑制するのに効果的な薬剤(化合物又は生物学的なもの)を意味する。これは、哺乳類におけるHCVの形成及び/又は複製に必要な宿主又はHCVウイルスメカニズムを妨害する薬剤を含む。HCVライフサイクルにおける他のターゲットの抑制剤は、例えば、HCVヘリカーゼ、HCV NS2/3プロテアーゼ及びHCV IRESより選択されるターゲットを抑制する薬剤を含む。HCVライフサイクルにおける他のターゲットの抑制剤の具体例は、ISIS14803(ISIS Pharmaceuticals)を含む。
本願明細書において使用されるような用語“HIV抑制剤”は、哺乳類においてHIVの形成及び/又は複製を抑制するのに効果的な薬剤(化合物又は生物学的なもの)を意味する。これは、哺乳類においてHIVの形成及び/又は複製に必要な宿主又はウイルスメカニズムを妨害する薬剤を含む。HIV抑制剤は、例えば、ヌクレオシド抑制剤、非ヌクレオシド抑制剤、プロテアーゼ抑制剤、融合抑制剤及びインテグラーゼ抑制剤を含む。
本願明細書において使用されるような用語“HAV抑制剤”は、哺乳類においてHAVの形成及び/又は複製を抑制するのに効果的な薬剤(化合物又は生物学的なもの)を意味する。これは、哺乳類においてHAVの形成及び/又は複製に必要な宿主又はウイルスメカニズムを妨害する薬剤を含む。HAV抑制剤は、A型肝炎ワクチン、例えばHavrix(登録商標)(GlaxoSmithKline), VAQTA(登録商標)(Merck)及びAvaxim(登録商標)(Aventis Pasteur)を含む。
【0024】
本願明細書において使用されるような用語“HBV抑制剤”は、哺乳類においてHIVの形成及び/又は複製を抑制するのに効果的な薬剤(化合物又は生物学的なもの)を意味する。これは、哺乳類においてHIVの形成及び/又は複製に必要な宿主又はウイルスメカニズムを妨害する薬剤を含む。HBV抑制剤は、例えば、HBVウイルスDNAポリメラーゼ又はHBVワクチンを抑制する薬剤を含む。HBV抑制剤の具体例としては、Lamivudine (Epivir-HBV(登録商標))、Adefovir Dipivoxil、Entecavir、FTC (Coviracil(登録商標))、DAPD (DXG)、L-FMAU (Clevudine(登録商標))、AM365 (Amrad)、Ldt (Telbivudine)、monoval-LdC (Valtorcitabine)、ACH-126,443 (L-Fd4C) (Achillion)、MCC478 (Eli Lilly)、Racivir (RCV)、Fluoro-L and D nucleosides、Robustaflavone、ICN 2001-3 (ICN)、Bam 205 (Novelos)、XTL-001 (XTL)、Imino-Sugars (Nonyl-DNJ) (Synergy)、HepBzyme;及び免疫調整剤生成物例えば: interferon alpha 2b、HE2000 (Hollis-Eden)、Theradigm (Epimmune)、EHT899 (Enzo Biochem)、Thymosin alpha-1 (Zadaxin(登録商標))、HBV DNA vaccine (PowderJect)、HBV DNA vaccine (Jefferon Center)、HBV antigen (OraGen)、BayHep B(登録商標)(Bayer)、Nabi-HB(登録商標)(Nabi)及びAnti-hepatitis B (Cangene); 及びHBVワクチン生成物例えば以下のもの:Engerix B、Recombivax HB、GenHevac B、Hepacare、Bio-Hep B、TwinRix、Comvax、Hexavacが挙げられる。
【0025】
本願明細書において使用されるような用語“クラスIインターフェロン”は、全てレセプタータイプIに結合するインターフェロンの群より選択されるインターフェロンを意味する。これは、天然的に及び合成的にの両方で生成されるクラスIのインターフェロンを含む。クラスIインターフェロンの例としては、α−、β−、δ−、オメガインターフェロン、タウ−インターフェロン、コンセンサスインターフェロン、アシアロインターフェロンが挙げられる。
本願明細書において使用されるような用語“クラスIIインターフェロン”は、全てレセプタータイプIIに結合するインターフェロンの群より選択されるインターフェロンを意味する。クラスIIインターフェロンの例としては、γ−インターフェロンが挙げられる。
これらの薬剤のいくつかの具体的に好ましい例を以下に記載する:
・抗ウイウル剤:リバビリン及びアマンタジン;
・免疫調整剤:クラスIインターフェロン、クラスIIインターフェロン及びペジレート化インターフェロン;
・HCV NS3プロテアーゼ抑制剤;
・HCVポリメラーゼの他の抑制剤:ヌクレオシド及び非ヌクレオシド抑制剤;
・NS3ヘリカーゼ、HCV NS2/3プロテアーゼ又はインターナルリボソームエントリーサイト(IRES)より選択されるターゲットを抑制するHCVライフサイクルにおける他のターゲットの抑制剤;
・HIV抑制剤:ヌクレオシド抑制剤、非ヌクレオシド抑制剤、プロテアーゼ抑制剤、融合抑制剤及びインテグラーゼ抑制剤;又は
・HBV抑制剤:ウイルスDNAポリメラーゼを抑制し又はHBVワクチンである薬剤。
【0026】
上述したように、組み合わせ治療が意図され、その中においては、式(I)の化合物又はそれらの医薬的に許容可能な塩を、抗ウイルス剤、免疫調整剤、HCV NS3プロテアーゼの抑制剤、HCVポリメラーゼの他の抑制剤、HCVライフサイクルにおける他のターゲットの抑制剤、HIV抑制剤、HAV抑制剤及びHBV抑制剤より選択される少なくとも1つの付加的な薬剤と共投与される。そのような薬剤の例は、上記定義のセクションにおいて記載される。これらの付加的な薬剤は、本発明の化合物と組み合せて、単一の医薬投与形態を生成することができる。あるいはまた、これらの付加的な薬剤を、別々に、患者に対して、複数投与形態の一部として、例えばキットを用いて投与することができる。そのような付加的な薬剤は、式(I)の化合物又はそれらの医薬的に許容可能な塩の投与の前、それと同時、又はその後に投与することができる。
本願明細書において使用されるような用語“治療”は、C型肝炎の症状を軽減又は除去する又は患者におけるウイルス量を低減するための、本発明の化合物又は組成物の投与を意味する。
本願明細書において使用されるような用語“防止”は、個体のウイルスへの暴露後であるが、疾患の症状が現れる前、及び/又は血液中におけるウイルスの検知前の、本発明の化合物又は組成物の投与を意味する。
以下の記号----及び/\/\/\は、サブフォーミュラにおいて同義的に、結合を示すために、又はスピロ環基のケースにおいては、定義される分子の残部に結合する原子を示すために使用される。
【0027】
本願明細書において使用されるような、環の中心から出て置換基Rへ結合する記号、例えば、
【化4】

は、置換基Rが、特に記載のない限り、別の方法でハロゲン原子により置換されているであろう環上における任意の自由な位置に結合していてもよいことを意味する。
【0028】
好ましい態様
他に記載のない限り、全ての基、置換基及びインデックスなど、例えば、R1、R2、R2h、R3、R4a、R4b、R5、R11、R12、R13、R21、R31、R32、R33、R35、R60、R111、R112、R117、R150、R160、R161、R162、R163、RO、RC、RN1、RN2、RN3、RN4、A、B、M1、M2、M3、M4、Y1、Z、HCy、及びHetは、前述又は後述で定義する定義を有する。以下においては、本発明の好ましい態様、基、置換基及びインデックスを記載する。
本発明の第1の態様の好ましい実施態様においては、式Iにより表される化合物の異性体、光学異性体、ジアステレオ異性体又は互変体、又はそれらの塩が提供される:
【化5】

【0029】
(式中、-----は、単結合又は二重結合のいずれかを表し;
Bは、−N−であり、及びAが、CR1又は=N−であり;又は
Bは、=C−であり、及びAが、O、S又はNR1であり;
1は、H、場合により以下のもので置換されていてもよい(C1-6)アルキルからなる群より選択され:ハロゲン、OR11、SR11又はN(R122(式中、R11及び各R12は、独立して、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル−(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル−アリール又は(C1-6)アルキル−Hetであり、該アリール又はHetは、場合により、R160で置換されていてもよく;又は両R12は、互いに共有結合し及び窒素に対してそれらの両方が結合して、5、6又は7員の飽和ヘテロ環を形成する);
基−C(=Y1)−Zは、M2又はM3のいずれかに共有結合し、
1は、CR4aであり、
2及びM3の1つは、CR5であり、
4は、CR4bであり、
及びまた、M1、M2、M3及びM4より選択される基の1又は2は、また、Nであってもよく、但し、−C(=Y1)−Zが結合する基M2又はM3は、C−原子であり、
1は、O又はSであり;
Zは、NRN2−SO2−RC(式中、RCは、場合により、R60で置換されていてもよい)として定義され;
【0030】
2は、ハロゲン又はR21(式中、R21は、アリール又はHetであり、該R21は、場合により、R150で置換されていてもよい)より選択され;
3は、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキル、(C5-7)シクロアルケニル、(C1-3)アルキル−(C5-7)シクロアルケニル、(C6-10)ビシクロアルキル、(C1-3)アルキル−(C6-10)ビシクロアルキル、(C6-10)ビシクロアルケニル、(C1-3)アルキル−(C6-10)ビシクロアルケニル、HCy又は(C1-3)アルキル−HCyより選択され(式中、HCyは、O、S及びNより選択される1〜3のヘテロ原子を有する飽和又は不飽和の4〜7員のヘテロ環基であり;該アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ビシクロアルキル、ビシクロアルケニル、HCy及びアルキル−HCyは、場合により、以下のa)〜d)より選択される1〜4の置換基で置換されていてもよい:
a)ハロゲン;
b)場合により以下のもので置換されていてもよい(C1-6)アルキル:
−OR31又はSR31(式中、R31は、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキルである);又は
−N(R322(式中、各R32は、独立して、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキルであり;又は両R32は、互いに共有結合し及び窒素に対してそれらが結合して、5、6又は7員の飽和ヘテロ環を形成する);
c)OR33又はSR33(式中、R33は、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキルである);
d)N(R352(式中、各R35は、独立して、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキルであり;又は両R35は、互いに共有結合し及び窒素に対してそれらが結合して、5、6又は7員の飽和ヘテロ環を形成する);
【0031】
4a、R4b、R5の各々は、独立して、Hであり又はR150として定義され;
60は、独立して、以下のものより選択される1〜4の置換基として定義され:
−ハロゲンより選択される1〜3の置換基;
−OPO3H、NO2、シアノ、アジド、C(=NH)NH2、C(=NH)NH(C1-6)アルキル又はC(=NH)NHCO(C1-6)アルキル、SO3Hより選択される各置換基の1つ;及び
−以下のa)〜l)より選択される1〜3の置換基;
a)場合により、N、O及びSより選択される1又は2のヘテロ原子を含んでいてもよいC3-7スピロシクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル;(C2-6)アルケニル、(C2-8)アルキニル、(C1-6)アルキル−(C3-7)シクロアルキル(それらの全ては、場合により、R150で置換されていてもよい);
b)ORO
c)OC(O)RO
d)SRO、SO2C、SO2N(RN2)RN1、SO2N(RN2)C(O)RC又はCONRN2SO2C
e)N(RN2)RN1、N(RN2)COORC又はN(RN2)SO2C
f)N(RN2)CORC
g)N(RN3)CON(RN2)RN1
h)N(RN3)COCORC、N(RN3)COCOORO又はN(RN3)COCON(RN2)RN1
i)CORO
j)COORO
k)CON(RN2)RN1
l)アリール、Het、(C1-4)アルキル−アリール又は(C1-4)アルキル−Het(それらの全ては、場合により、R150で置換されていてもよい);
式中、該RN1、RC及び/又はROは、場合により、定義されるようなR150で置換されていてもよく、
【0032】
150は、独立して、以下のものより選択される1〜4の置換基として定義され:
−ハロゲンより選択される1〜3の置換基;
−OPO3H、NO2、シアノ、アジド、C(=NH)NH2、C(=NH)NH(C1-6)アルキル又はC(=NH)NHCO(C1-6)アルキルより選択される各置換基の1つ;及び
−以下のa)〜k)より選択される1〜3の置換基:
a)場合により、N、O及びSより選択される1又は2のヘテロ原子を含んでいてもよいC3-7スピロシクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル;(C2-6)アルケニル、(C2-8)アルキニル、(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキル(それらの全ては、場合により、R160で置換されていてもよい);
b)ORO
c)OC(O)RO
d)SRO、SO2C、SO2N(RN2)RN1又はSO2N(RN2)C(O)RC
e)N(RN2)RN1、N(RN2)COORC又はN(RN2)SO2C
f)N(RN2)CORC
g)N(RN3)CON(RN2)RN1
h)N(RN3)COCORC、N(RN3)COCOORO又はN(RN3)COCON(RN2)RN1(式中、RN1は、定義されるようなものであり又はOH、Oアルキルである);
i)CORO
j)COORO
k)テトラゾール又はCON(RN2)RN1
式中、該RN1、RC及び/又はROは、場合により、定義されるようなR160で置換されていてもよく;
【0033】
160は、独立して、以下のものより選択される1、2又は3の置換基として定義され:
−1、2又は3のフッ素置換基;及び
−テトラゾール、塩素、臭素、ヨウ素、CN、ニトロ、C1-4アルキル、CF3、COOR161、SO3H、SR161、SO2163、OR161、N(R1622、SO2N(R1622、SO2NR162COR162、NR162SO2163、NR162COR162又はCON(R1622より選択される各置換基の1つ(式中、R161、R163及び各R162は、独立して、(C1-4)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキルであり;及びR161及び各R162は、各々、独立して、また、Hであってもよく;又は両R162は、互いに共有結合し及び窒素に対してそれらが結合して、5、6又は7員の飽和ヘテロ環を形成する);
O、RCは、独立して、(C1-6)アルキル、(C3-6)シクロアルキル、(C1-4)アルキル−(C3-6)シクロアルキル、(C2-6)アルケニル、アリール、Het、(C1-4)アルキル−アリール又は(C1-4)アルキル−Hetとして定義され; RN1は、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-4)アルキル−(C3-6)シクロアルキル、(C2-6)アルケニル、アリール、Het、(C1-4)アルキル−アリール、(C1-4)アルキル−Hetであり;又は
N2、RN3、RN4は、独立して、H、CH3、(C2-6アルキル)、(C3-6)シクロアルキル、(C1-4)アルキル−(C3-6)シクロアルキルであり;それらの全ては、場合により、ハロゲン、カルボキシ又はC1-6アルコキシカルボニルで置換されていてもよく;及び/又はここで、該アルキル、シクロアルキル又はアルキルシクロアルキルは、場合により、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、アミノ、−NH(C1-4アルキル)及び/又は−N(C1-4アルキル)2で置換されていてもよく;及び
a)基N(RN2)RN1の場合の置換基RN2及びRN1;又は
b)基NRN3−N(RN2)RN1の場合の置換基RN3及びRN1又はRN2及びRN1;は、互いに共有結合して、4−、5−、6−又は7−員の飽和又は不飽和のN含有ヘテロ環又は8−、9−、10−又は11−員のN含有ヘテロ二環を形成してもよく、各々は、場合により、更に、O、N及びSより選択される1〜3のヘテロ原子を有していてもよく、該ヘテロ環又はヘテロ二環は、場合により、定義されるように置換されていてもよく;
ここで、Hetは、O、N及びSより選択される1〜4のヘテロ原子を有する4−、5−、6−又は7−員のヘテロ環、又はO、N及びSより選択される1〜5のヘテロ原子を有する8−、9−、10−又は11−員のヘテロ二環として定義される)。
【0034】
コア:
本発明は、式Ia及びIb:
【化6】

の化合物を含む。
【0035】
更に、本発明は、式I.1〜I.5:
【化7】

の化合物を含む。
好ましくは、基M1及びM4は、CR4a及びCR4bのそれぞれである。基−C(=Y1)−Zが共有結合するM2及びM3の1つの基は、好ましくはCであり、M3及びM2の他方の基は、好ましくはCR5である。
【0036】
従って、以下の式により記載される化合物が好ましい:
【化8】

(式中、融合されるフェニル環は、R150で、モノ−、ジ−又はトリ−置換されていてもよく、好ましくはモノ−又はジ−置換されている)。
【0037】
前述の式の最も好ましい化合物は、以下の式により表される:
【化9】

(式中、融合されるフェニル環は、R150で、モノ−、ジ−又はトリ−置換されていてもよく、好ましくはモノ−又はジ−置換されている)。
【0038】
更に、以下の式により定義される化合物もまた本発明に属する。
【化10】

【0039】
更に、以下の式により定義される化合物もまた本発明に属する。
【化11】

【0040】
1
本発明の好ましい実施態様によれば、R1は、H及び(C1-6)アルキルからなる、特に、H、CH3、エチル及びイソブチルからなる群より選択される。最も好ましくは、R1は、H又はメチルであり、特にはメチルである。
1
1の好ましい定義は、Oである。
Z:
好ましい実施態様によれば、Zは、NRN3−SO2−N(RN2)RN1として定義され、式中、RN1、RN2及びRN3は、前述で定義したものであり及びRN1又はRN1及びRN2で形成されるヘテロ環は、場合により、R60で置換されていてもよい。
第2の好ましい実施態様によれば、Zは、NRN2−SO2−RC(式中、RC及びRN2は、前述に定義するものであり及びRCは、場合により、R60で置換されていてもよい)。最も好ましくは、Zは、NRN2−SO2−RCとして定義され、式中、RN2及びRCは、以下に定義するものである:
N2は、H、(C1-4)アルキル、(C3-6)シクロアルキル又は(C1-3)アルキル−(C3-6)シクロアルキル;特にはH又はメチル;最も好ましくはHであり;及び
Cは、(C1-6)アルキル、(C3-6)シクロアルキル、(C1-3)アルキル−(C3-6)シクロアルキル、(C2-6)アルケニル、フェニル、ナフチル、Het、(C1-3)アルキル−フェニル、(C1-3)アルキル−ナフチル、(C1-3)アルキル−Het(式中、該アルキル、シクロアルキル、アルキル−シクロアルキル、アルケニル、フェニル、ナフチル、Het、アルキル−フェニル、アルキル−ナフチル、又はアルキル−Hetは、全て、場合により、R60より選択される;好ましくはR150より選択される1〜4の置換基で置換されていてもよい)である。
【0041】
この実施態様においては、好ましいRCの定義は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、ピロリジン、ピペリジン、モルホリンチオモルホリン、ピペラジン、フェニル、ナフチル、ベンジル、チオフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ジアゼピン、アゼピン、キノリン、イソキノリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾチアゾール、プリン、プテリジン、
【化12】

(それらの全ては、場合により、R60より選択される;好ましくはR150より選択される1〜3の置換基で置換されていてもよい)である。それらの最も好ましい置換基は、ハロゲン、ニトロ、(C1-3)アルキル、O(C1-3)アルキル、カルボキシ、COO(C1-3)アルキル、NHCO(C1-3)アルキル(式中、アルキル基は、ハロゲンにより置換されていてもよい)である。
【0042】
2
好ましくは、R2は、R21であり、式中、R21は、フェニル又は以下の式からなる群より選択されるHetである:
【化13】

(該R21は、R150で置換されていても置換されていなくてもよい)。
【0043】
2の最も好ましい定義は、
【化14】

(それらの全ては、定義されるように置換されていても置換されていなくてもよい)である。
【0044】
上記で定義されるようなR2が置換されている場合、それは、好ましくは、以下のものより選択される1、2又は3の置換基で置換されている:
−ハロゲンより選択される1〜3の置換基;
−NO2、シアノ、アジドより選択される各置換基の1つ;及び
−以下のa)、b)、c)及びe)より選択される1〜2の置換基:
a)(C1-4)アルキル又は(C1-4)アルコキシ(双方とも、場合により、OH、O(C1-4)アルキル、SO2(C1-4)アルキル、1〜3のハロゲン原子、アミノ、NH(CH3)又はN(CH32で置換されていてもよい);
b)NR111112(両R111及びR112は、独立して、H、(C1-4)アルキルであり、又はR112は、(C3-7)シクロアルキル、(C1-3)アルキル(C3-7)シクロアルキル、フェニル、ベンジルであり;又は両R111及びR112は、互いに共有結合し及び窒素に対してそれらが結合して、窒素含有ヘテロ環を形成し、該アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、フェニル及びベンジルの各々は、場合により、ハロゲン又は:−OR2h又はN(R2h2(式中、各R2hは、独立して、H、(C1-4)アルキルであり、又は両R2hは、互いに共有結合し及び窒素に対してそれらが結合して、窒素含有ヘテロ環を形成する)で置換されていてもよい)
c)NHCOR117(式中、R117は、(C1-4)アルキル、O(C1-4)アルキル又はO(C3-7)シクロアルキルである)及び
e)CONH2、CONH(C1-4)アルキル)、CON((C1-4)アルキル)2)。
【0045】
2の最も好ましい置換基は、以下のものより選択される:
−フッ素より選択される1又は2の置換基;
−塩素、臭素、NO2、シアノより選択される各置換基の1つ;及び
−以下のa)、b)、c)及びe)より選択される1又は2の置換基:
a)メチル、トリフルオロメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ又はi−プロポキシ(式中、該メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、エトキシ、n−プロポキシ及びi−プロポキシは、場合により、OH、メトキシ、アミノ、NH(CH3)又はN(CH32で置換されていてもよい);
b)NR111112(式中、両R111及びR112は、独立して、H又はメチルであり、又はR112は、フェニル又はベンジルである);
c)NHCOR117(R117は、メチル又はメトキシである);及び
e)CONH2、CONH(CH3)、CON(CH32
【0046】
3
3は、好ましくは、(C3-7)シクロアルキル、(C5-7)シクロアルケニル、(C6-10)ビシクロアルキル、(C6-10)ビシクロアルケニル又はHCy(前記基は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1-4)アルキル及び/又はO−(C1-4)アルキルで置換されていても置換されていなくてもよく、アルキル基は、フッ素化されていてもよい)より選択される。
最も好ましくは、R3は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチル又は以下のもの:
【化15】

(式中、全ての該環基は、フッ素、(C1-3)アルキル又はCF3により置換されていても置換されていなくてもよい)より選択される基である。
最も好ましいR3の定義は、シクロペンチル又はシクロヘキシルである。
【0047】
4a、R4b、R5
好ましくは、R4a、R4b、R5の各々は、独立して、H、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、(C1-4)アルキル、CF3、(C1-4)アルコキシ、−O−(C3-7)シクロアルキル、−O−(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキル、−O−アリール、−O−(C1-3)アルキル−アリール、−O−Het、−O−(C1-3)アルキル−Het、NRN1N2、又はCORO、NRN2CORC、CONRN2N1又はNRN3CONRN1N2、特には、NCO(C1-4)アルキル又はCONHRN1、NHCONHRN1であり;式中、RC、RO、RN1、RN2、RN3は定義するものであり;好ましくはRC、RO及びRN1は、各々独立して、H、(C1-4)アルキル、アリール、(C1-3)アルキル−アリールであり、アリールは、好ましくは、場合により置換されたフェニルであってもよく;及び好ましくは、RN2及びRN3は、独立して、H又はメチルであり;全ての該アルキル基(アルコキシを含む)は、フッ素で、モノ−、ジ−又はトリ−置換されていてもよく又は塩素又は臭素で、モノ−置換されていてもよい。
最も好ましい各置換基R4a、R4b、R5は、独立して、H、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、メチル、CF3、メトキシ、カルボキシ、アミノ、−NMe2、−CONH2、−NHCONH2、−CO−NHMe、−CO−NMe2又は−NHCONMe2;特には、H、メチル又はメトキシである。好ましくは、R4aは、H又はメチルである。特に好ましくは、R4a、R4b、R5より選択される置換基の少なくとも2つがHである。
【0048】
置換基R60は、好ましくは、各々、独立して、以下のものより選択される1〜4の置換基として定義される:
−ハロゲンより選択される1〜3の置換基;
−NO2、シアノ、アジドより選択される各置換基の1つ;
−以下のa)、b)、e)、f)、j)、k)又はl)より選択される1〜3の置換基:
a)(C1-4)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C2-4)アルケニル、(C2-4)アルキニル、(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキル(それらの全ては、場合により、R150で置換されていてもよい);
b)ORO
e)N(RN2)RN1
f)N(RN2)CORC
j)COORO
k)CON(RN2)RN1
l)フェニル、Het、(C1-3アルキル)フェニル又は(C1-3アルキル)Het(式中、Hetは、フラン、テトラヒドロフラン、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロピラン、ピリジニル、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、ホモピペリジン及びホモピペラジンより選択され、該RN1、RC及び/又はROは、場合により、定義されるようなR150で置換されていてもよい)。
【0049】
150
150は、好ましくは、独立して、以下のものより選択される1〜4の置換基として定義される:
−1〜3のフッ素置換基;
−塩素、臭素、ヨウ素、NO2、シアノ、アジドより選択される各置換基の1つ;及び
−以下のa)、b)、e)、f)、j)又はk)より選択される1〜3の置換基:
a)(C1-3)アルキル、CF3、(C3-6)シクロアルキル、(C1-3)アルキル−(C3-6)シクロアルキル(それらの全ては、場合により、R160で置換されていてもよい);
b)ORO
e)N(RN2)RN1
f)N(RN2)CORC
j)COORO
k)CON(RN2)RN1(式中、該RN1、RC及び/又はROは、場合により、定義されるようなR160で置換されていてもよい)。
【0050】
160
160は、好ましくは、独立して、以下のものより選択される1、2又は3の置換基として定義される:
−1、2又は3のフッ素置換基;及び
−塩素、臭素、ヨウ素、CN、ニトロ、メチル、トリフルオロメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、COOH、COOCH3、OH、OCH3、OCF3、NH2、NHCH3、N(CH32、SO2NH2、SO2NHCOCH3、NHCOCH3又はCONH2、CONHCH3及びCON(CH32より選択される各置換基の1つ。
O、RC
好ましくは、RO、RCは、独立して、(C1-4)アルキル、(C3-6)シクロアルキル、(C1-3)アルキル−(C3-6)シクロアルキル、フェニル、ベンジル、Het、(C1-3)アルキル−Het(それらの全ては、場合により、定義されるように置換されていてもよく、ROは、また、Hであってもよい)より選択される。
N1、RN2、RN3、RN4
N1は、好ましくは、H、(C1-4)アルキル、(C3-6)シクロアルキル、(C1-3)アルキル−(C3-6)シクロアルキル、フェニル、ベンジルフェニルエチル、Het、(C1-3)アルキル−Hetより選択され;ここで、該アルキル、シクロアルキル、アルキル−シクロアルキル、フェニル、ベンジル、フェニルエチル、Het及びアルキル−Hetは、場合により、定義されるように置換されていてもよく;又は
N2、RN3、RN4は、独立して、H、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、シクロプロピル、シクロプロピルメチルより選択され;それらの全ては、場合により、メチル、フッ素、カルボキシ又はメトキシカルボニルで置換されていてもよく;及び/又は該エチル、n−プロピル又はi−プロピル(しかし、好ましくは、それらのC原子がN原子に直接結合していない)は、場合により、ヒドロキシ、メチル、メトキシ、アミノ、−NH(CH3)及び/又は−N(CH32で置換されていてもよく;及び
a)基N(RN2)RN1の場合の置換基RN2及びRN1;又は
b)基NRN3−N(RN2)RN1の場合の置換基RN3及びRN1又はRN2及びRN1;は、互いに共有結合して、O、N及びSより選択される1つのヘテロ原子を有していてもよい、4−、5−、6−又は7−員の飽和ヘテロ環を形成してもよく、該ヘテロ環は、場合により、定義されるように置換されていてもよい。
表1及び2に表される式Iの全ての化合物が本発明の範囲内にある。これらの表の好ましい化合物は、1μM未満のIC50値(以降に定義されるような範囲B)を示す。
【0051】
ポリメラーゼ活性
HCVのRNA依存RNAポリメラーゼによるRNA合成を抑制する式(I)の化合物の能力は、RNA依存RNAポリメラーゼ活性を測定することが可能なアッセイにより証明することができる。適切なアッセイは、実施例に記載する。
RNA依存RNAポリメラーゼ活性の特異性
HCVポリメラーゼの特異的抑制により本発明の化合物が作用することを証明するために、化合物を、DNA依存RNAポリメラーゼアッセイにおいて又はHCVポリメラーゼ以外のRNA依存RNAポリメラーゼの活性を測定するアッセイにおいて抑制活性について試験し得る。
式(I)の化合物又はその医薬的に許容可能な塩の1つが抗ウイルス剤として使用される場合、それは、経口的に、局所的に又は全身的に、哺乳類、例えばヒト、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ、ネズミ又はマウスに対して、1又は2以上の医薬的に許容可能なキャリヤを含むビヒクル中において投与され、その割合は、化合物の溶解性及び化学的性質、選択される投与ルート及び標準生物学的プラクティスにより決定される。
経口投与のために、化合物又はそれらの医薬的に許容可能な塩は、医薬的に許容可能なキャリヤ中に約25〜500mgの範囲の所定量の活性成分を各々含む、カプセル又はタブレットなどの単位投与形態中に配合することができる。
局所投与のために、化合物は、0.1〜5%、好ましくは0.5〜5%の活性剤を含む医薬的に許容可能なビヒクル中に配合することができる。
【0052】
非経口投与のために、式(I)の化合物は、静脈、皮下又は筋肉内注入のいずれかにより、医薬的に許容可能なビヒクル又はキャリヤと共に投与される。注入による投与のために、十分な量の、溶液を等張にするためのグルコース又は医薬的に許容可能な塩及びバッファー又は防腐剤などの他の溶質を含んでいてもよい無菌水性ビヒクル中における溶液中において化合物を使用するのが好ましい。
上記配合物のための適切なビヒクル又はキャリヤは、医薬テキスト、例えば、“Remington's The Science and Practice of Pharmacy”, 19th ed., Mack Publishing Company, Easton, Penn., 1995又は“Pharmaceutical Dosage Forms And Drugs Delivery Systems”, 6th ed., H.C. Ansel et al., Eds., Williams & Wilkins, Baltimore, Maryland, 1995に記載されている。
化合物の投与量は、投与形態及び選択される特定の活性剤で変動するであろう。更に、それは、治療下における特定の宿主で変動するであろう。一般に、治療は、その環境下で最適の効果が得られるまで少量ずつの増加で開始される。一般に、式Iの化合物は、最も望ましくは、一般に、害になる又は有害な副作用を生じることなく抗ウイルス効果を提供するであろう濃度レベルで投与される。
経口投与のために、化合物又はその医薬的に許容可能な塩は、1日あたり体重のkgあたりで10〜200mgの範囲、好ましくは25〜150mgの範囲で投与される。
全身的投与のために、式(I)の化合物は、1日あたり体重のkgあたりで10〜150mgの投与量で投与されるが、上記変更も生じるであろう。1日あたりの体重のkgで約10〜100mgの範囲での投与レベルは、最も望ましくは、有効な結果を達成するために使用される。
【0053】
本発明の組成物が、式Iの化合物と1又は2以上の付加的な治療又は予防剤の組み合わせを含む場合、化合物及び付加的剤の両方は、約10〜100%の投与レベル、及びより好ましくは約10〜80%の通常の単剤療法において投与される投与量で存在すべきである。これらの化合物又はそれらの医薬的に許容可能な塩が医薬的に許容可能なキャリヤと一緒に配合される場合には、得られる組成物は、インビボで、哺乳類、例えばヒトに対して投与されて、HCVポリメラーゼを阻害し又はHCVウイルス感染を治療又は予防することができる。そのような治療は、本発明の化合物を、以下のものを含むがこれらに限定されない薬剤と組み合せて用いることにより達成することができる:免疫調整剤、例えばα−、β−又はγ−インターフェロン;他の抗ウイルス剤、例えばリバビリン、アマンタジン;HCV NS5Bポリメラーゼの他の抑制剤;ヘリカーゼ、NS2/3プロテアーゼ、NS3プロテアーゼ又はインターナルリボソームエントリーサイト(IRES)を含むがこれらに限定されないHCVライフサイクルにおける他のターゲットの抑制剤;又はそれらの組み合わせ。更なる薬剤は、本発明の化合物と組み合せて、単一投与形態を生じることができる。あるいはまた、これらの付加的な剤は、別に、哺乳類に対して、複数投与形態の一部として投与することができる。
手順及び合成
本発明の化合物の合成は、好ましくは、実施例に概略する手段を適用すること、これらの手段を適合させること及び/又は当該技術分野における当業者に知られる更なる合成工程を適用することにより達成される。例えば、式Iの化合物の製造において必要なカルボン酸又はチオカルボン酸中間体(後述される式中のI”)は、WO 03/010141又はWO 02/04425に記載される手段又はそれらの適合により製造することができる。
【0054】
実施例
本発明を、以下の非制限的実施例により更に詳細に説明する。全ての反応は、窒素又はアルゴン雰囲気下で行う。温度は、摂氏温度で記載する。フラッシュクロマトグラフィーはシリカゲルにおいて行う。溶液の割合又は比は、特に記載のない限り、容積対容積の関係を表す。質量スペクトル分析は、エレクトロスプレー質量分析を用いて記載する。前述及び後述においては、以下の略称及びシンボルを使用する:
AcOH: 酢酸;
BOP: ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート;
BroP: ブロモトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート;
Bu: ブチル;
DCC: 1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミド;
DCM: ジクロロメタン;
DIEA: ジイソプロピルエチルアミン;
DMAP: 4-(ジメチルアミノ)ピリジン;
DMF: N,N-ジメチルホルムアミド;
DMSO: ジメチルスルホキシド;
EDAC: EDC参照;
EDC: 1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩;
ES-: 電気スプレー(負のイオン化);
ES+: 電気スプレー(正のイオン化);
【0055】
Et: エチル;
Et2O: ジエチルエーテル;
EtOAc: 酢酸エチル;
EtOH: エタノール;
HATU: O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N/,N/-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート;
HPLC: 高速液体クロマトグラフィー;
iPr: イソプロピル;
iPrOH: イソプロパノール;
Me: メチル;
MeCN: アセトニトリル;
MeOH: メタノール;
MS (ES): 電気スプレー質量分析;
Ph: フェニル;
Ra-Ni: ラネーニッケル;
RT: 室温(約25℃)
TBME: tert-ブチルメチルエーテル;
TBTU: 2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート;
tBu: tert.-ブチル;
TFA: トリフルオロ酢酸;
THF: テトラヒドロフラン;
TLC:薄層クロマトグラフィー;
【0056】
一般式Iのアシルスルホンアミドの製造のための一般的手段:
本発明の一般式I(Z=NRN2SO2C)のアシルスルホンアミド誘導体は、好ましくは、第1に、式I’の対応カルボン酸誘導体(又はチオ類縁体)のカルボキシル基(又はチオ類縁体)を活性化し、第2に、活性化されたカルボン酸誘導体(又はチオ類縁体)をスルホンアミドと、以下の式に示されるような標準的手段を用いて縮合することにより製造される。
【化16】

(式中、A、B、M1〜M4、R2、R3、Y1、Z、RN2及びRCは、前述に定義するものであり、Zは、NRN2SO2Cとして定義され及び---は、単結合又は二重結合のいずれかを表す)。
カルボン酸、例えば上記式において記載されるものの活性化は、標準的なアミン結合形成試薬、例えばTBTU、HATU、BOP、BroP、EDAC、DCC、イソブチルクロロホルメートなどを用いて達成することができる。あるいはまた、カルボキシル基の活性化は、スルホンアミドでの縮合前に対応の酸塩化物への転化により達成される。スルホンアミドは、商業的供給源から得ることができ、又は不活性溶剤、例えばジオキサン、THFなどにおけるアンモニア溶液を用いて対応のスルホニル塩化物から製造することができる。
【0057】
実施例2
一般式Iのアシルスルホニルジアミドの製造のための一般的手段:
一般式I(Z=NRN3SO2N(RN2)RN1)のアシルスルホニルジアミド誘導体は、以下の式に記載されるような標準的手段を用いる、スルホニルジアミドでの一般式I’(又はチオ類縁体)のカルボン酸誘導体の縮合により製造される。
【化17】

(式中、A、B、M1〜M4、R2、R3、Y1、RN1、RN2及びRN3は、前述に定義するものであり、Zは、NRN3SO2N(RN2)RN1として定義され及び---は、単結合又は二重結合のいずれかを表す)。
それらのエステルを含む式’のカルボン酸誘導体(又はチオ類縁体)は、好ましくは、WO 03/010141及びWO 02/04425において概略される手段に従って、又はそれに類似して合成される。
カルボン酸、例えば式に記載されるものの活性化は、標準アミド結合形成試薬、例えばTABU、HATU、BOP、BroP、EDAC、DCC、イソブチルクロロホルメートなどを用いて達成される。あるいはまた、カルボキシル基の活性化は、スルホニルジアミドでの縮合前に対応の酸塩化物への転化により達成される。式の第2工程において必要とされるような式HNRN3SO2N(RN2)RN1のスルホニルジアミドは、既知の方法、例えば、式RN3NH2のアミンをスルファミドと共に適切な溶媒(例えばジオキサン)中で、80〜160℃の温度で加熱することにより製造される。そのような手段は、文献(例えば、Sarges Journal of Medicinal Chemistry 1976, 19, 695-709)に例示されている。


















【0058】
実施例3
【化18】

メチル4−アミノ−3−ヨードベンゾエート:
メチル4−アミノベンゾエート(30.23g、200mmol)を、1Lのエタノール中のヨウ素(60.91g、240mmol)及び銀硫酸塩(81.07g、260mmol)の混合物に室温で添加した。混合物を、室温で18時間攪拌し、セライト(Celite)でろ過し、及びろ液を減圧下で蒸発させて乾燥物とした。残留物を、シリカゲルでのクロマトグラフィー(230〜400メッシュ)にかけ及びヘキサン中の1%酢酸エチルで溶出して、35g(63%)を得た。
【0059】
メチル4−(N−シクロペンチルアミノ)−3−ヨードベンゾエート:
上記のもの(27.69g、100mmol)からの4−アミノ−3−ヨードベンゾエート、シクロペンタノン(52.8mL、600mmol)及び無水硫酸ナトリウム(1000g、142mmol)(500mLの氷酢酸中)の混合物を2時間攪拌した。固形のナトリウムトリアセトキシボロヒドライド(76.92、345mmol)を部分的に添加し及び室温で16時間攪拌した。混合物を、900mLの冷飽和水性ナトリウムビカーボネート溶液に慎重に注入し及び150mL(3×)の酢酸エチルで抽出した。酢酸エチルフラクションを乾燥し蒸発させた。シリカゲル及び0.5%酢酸エチル(ヘキサン中)での生成により、24g(70%)を得た。
メチル1−シクロペンチル−3−メチル−2−トリメチルシリルインドール−5−カルボキシレート:
上記(22.42g、65mmol)からのメチル4−(N−シクロペンチルアミノ)−3−インドベンゾエート、パラジウムアセテート(738mg、3.28mmol)、塩化リチウム(2.757g、65mmol)、酢酸カリウム(12.757g、92.30mmol)及び1−トリメチルシリル−1−プロピン(propyne)(28.70mL、192.56mmol)(390mLのDMF中)を100℃で6時間加熱した。混合物を500mLの飽和水性アンモニウム塩化物溶液に添加し及び酢酸エチルで抽出した。酢酸エチルフラクションを乾燥させ、蒸発させ、及びシリカゲル及び0.1%酢酸エチル(ヘキサン中)を用いてフラッシュクロマトグラフィーにより半精製(semi-purify)させた。ヘキサンを半精製化合物に添加することにより、16gの白色結晶を得た(75%)。
メチル2−ブロモ−1−シクロペンチル−3−メチルインドール−5−カルボキシレート:
上記(16.45g、50mmol)からの1−シクロペンチル−3−メチル−2−トリメチルシリルインドール−5−カルボキシレートを、500mLのジクロロメタン中に溶解し、0℃で冷却した。ジクロロメタン中の臭素溶液(1M、45mL、45mmol)をゆっくりと添加し及び30分間攪拌した。溶剤を減圧下で蒸発させ、0.1%の酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけて、半純粋な化合物を得た。ヘキサンの添加により、12gを得た(71%)。
メチル1−シクロペンチル−3−メチル−2−(2−ピリジル)インドール−5−カルボキシレート:
【0060】
上記(1.53g、4.55mmol、1当量)からの2−ブロモインドールを、無水THF(20mL)中に溶解し、及び溶液を−78℃にアルゴン雰囲気下で冷却した。N−BuLi(ヘキサン中の溶液、4.78mmol、1.05当量)を滴下し、及び混合物を冷却下に30分間攪拌した。トリメチルボレート(0.62mL、5.46mmol、1.2当量)を滴下し、及び溶液を−78℃で40分間攪拌し、及び次いで0℃で1時間攪拌した。最終的に、反応混合物を室温まで温め、及び付加的なTHF(20mL)を添加した。p−トリルホスフィン(0.083g、0.27mmol、0.06当量)及び2−ブロモピリジン(0.86g、5.46mmol、1.2当量)を、次いで添加し、及び溶液を、30分間にわたりアルゴンをバブリングすることにより脱気した。パラジウムアセテート(10mg、0.046mmol、0.01当量)、無水炭酸カリウム(1.26g、9.1mmol、2当量)及びMeOH(20mL)を添加し、及び混合物を一晩アルゴン雰囲気下で還流させた。室温に冷却後、TBME(12mL)及び水(12mL)を添加し、有機相を分離し、及び水性相を更なるTBME(2×25mL)で抽出した。組み合わせ有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、及び濃縮して、溶離剤としてヘキサン中の5〜10%EtOAcを用いるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製された残留物を得た:1.21g(79%)。
1−シクロペンチル−3−メチル−2−(2−ピリジル)インドール−5−カルボン酸:
上記(1.10g、3.29mmol)からのメチルエステルを、1:1THF−MeOH(10mL)中に溶解させ、及び6N水性NaOH(4.2mL、5当量)を添加した。混合物を、3時間60℃で攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し及び水(15mL)を添加した。サスペンションをろ過し、黄色ろ液をTBME(2×20mL)及びヘキサン(20mL)で洗浄した。濃HCl(1.9mL)を攪拌を伴ってpH8まで滴下し、次いでAcOH(3mL)でpH2までにした。サスペンションを冷却し、及び白色固体をろ過により収集した。生成物を次いで減圧下に乾燥した:0.90g(86%)。















【0061】
実施例4
3−シクロヘキシル−2−フラン−3−イル−7−メチル−1H−インドール−6−カルボン酸メチルエステル
【化19】

工程1:3−アミノ−2−メチル安息香酸(15.00g、0.099mmol)をMeOH(150mL)中に懸濁し、及び塩化チオニル(25.33mL、0.347モル、3.5当量)を滴下した。混合物を一晩70℃で加熱した。室温に冷却後、揮発物を減圧下に除去し、及び残留物をエーテル(150mL)で粉末化した。固体をろ過除去し、及び乾燥した(18.36g)。固体をDCM(600mL)中に懸濁し、及び飽和水性NaHCO3(250mL)を添加した。15分間の攪拌後、有機層を分離し、及びNaHCO3溶液(2×250mL)、水(250mL)及び食塩水(250mL)で引き続いて洗浄した。溶液を乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、及び蒸発させて乾燥物にして、所望のアニリンを得た(14.8g、90%収量)。
【0062】
工程2及び3:前述の工程において得られたエステルをDCM(190mL)中に溶解し及びメチルチオアセトアルデヒドジメチルアセタール(10.1mL、75.6mmol)を添加した。溶液を−30℃まで冷却した。N−クロロスクシニミド(10.10g、75.6mmol)を6部で60分間かけて添加した。トリエチルアミン(10,6mL、75.6mmol)を、次いで、10分かけて、及び更なる15分の攪拌後に滴下し、冷却槽を除去し、その温度で還流させた。5時間後、反応混合物を室温まで冷却し及び蒸発させて乾燥物にした。残留物をエーテル(750mL)中に溶解し及び2M HCl(303mL)を添加した。室温で1.5時間攪拌した後、エーテル層を分離し及びNaHCO3溶液(2×150mL)及び食塩水(250mL)で洗浄した。オリジナルの酸性水性層をDCM(2×100mL)で抽出し、及び抽出物を上述のように洗浄し及び次いで最初のエーテル層と組み合せた。組み合せられた有機層を乾燥(Na2SO4)させ、及び蒸発させて乾燥物にし、及び材料を、溶離剤としてのDCM中の30〜0%ヘキサンを用いるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィにより精製して、所望の3−チオメチルインドール誘導体を得た(9.37g)。
工程4:前述の工程において得たチオメチルインドール(8.37g、35.4mmol)を無水EtOH(220mL)中に溶解し、及びラネー−ニッケル(Ra−Ni、25g)を添加した。室温で3時間の攪拌後、別の部のRa−Ni(15g)を添加し、更に45分間攪拌した。混合物をろ過し、及びろ液を蒸発させて乾燥物にして、所望のインドールを得た(6.26g、93%)。
【0063】
工程5:前述の工程により得られたインドールエステル(4.00g、21mmol)を、MeOH(18mL)及び水(18mL)の混合物中に溶解させた。KOH(11.86g、210mmol)を添加し、混合物を75℃で2時間攪拌した。シクロヘキサノン(7.26g、74mmol、3当量)を15分間かけて滴下し、75℃での攪拌を一晩継続した。MeOHを減圧下で除去し、及び水(500mL)を残留物に添加した。不溶性材料をろ過により除去し、及び水性相を、次いで、TBME(200mL)で洗浄した。水性相をギ酸でpH4に酸性化して、ろ過により収集され、水で洗浄され及び乾燥された白色固体を得た。所望のシクロヘキサンが得られた(4.77g、89%)。
工程6:上記からのシクロヘキサン誘導体(4.70g、18mmol)をMeOH(1L)中に溶解し及びC(0.24g)上の20%Pd(OH)2を添加した。混合物を7時間水素化(60psiのH2ガス)し、ろ過し、及び次いで減圧下に濃縮した。残留物をMeOH(100mL)で粉末化し、及び固形物をろ過により収集し及び乾燥した(3.50g)。
工程7:工程6からのカルボン酸(3.44g、13mmol)をDMF(22mL)中に溶解し、及び無水K2CO3(2.55g、18mmol)及び次いでヨードメタン(2.09g、15mmol)を添加した。混合物を室温で一晩攪拌し、及び次いで、水(60mL)に注入し、及び4N HCl(10mL)でpH4に酸性化した。生成物をエーテル(3×150mL)で抽出し、及び水(4×90mL)及び食塩水(90mL)で洗浄した。乾燥(Na2SO4)及び溶剤の除去後、所望のメチルエステルを白色固体として得た(3.44g)。
【0064】
工程8:工程7のインドール誘導体(3.20g、12mmol)を、THF(30mL)及びCHCl3(30mL)の混合物中に溶解し及びその溶液を−5℃に冷却した。ピリジニウムトリブロミド(5.17g、16mmol)を内部温度を−5℃に保持して部分的に添加した。−5℃で1時間の攪拌後、反応体を室温にまで温めて及び濃縮して乾燥物にした。水(50mL)を添加し、生成物をエーテル(3×100mL)で抽出した。抽出物を、水(2×90mL)及び食塩水(90mL)で洗浄し及び乾燥させた(Na2SO4)。減圧下で溶剤を除去することにより、溶離剤としてのヘキサン中の10%EtOAcを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製された残留物を得た。
工程9:工程8のブロモインドール(3.10g、8.9mmol)を、トルエン(20mL)、EtOH(20mL)及び水(14mL)の混合物中に溶解した。3−フリルボロン酸(1.27g、11.3mmol)、LiCl(0.75g、17.7mmol)及びNa2CO3(2.35g、22.1mmol)を添加した。溶液を、30分間アルゴンガスをバブリングすることにより脱気し及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム°(0.41g、0.35mmol)を添加した。混合物を80℃で3時間加熱し、室温まで冷却し及び不溶解性固体のリンス用水(90mL)を用いてTBME(350mL)で抽出した。有機層を分離し及び水性相をTBME(2×150mL)で2回抽出した。組み合せられた抽出物を、水(2×100mL)及び食塩水(100mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)及び濃縮して乾燥物にした。残留物を、溶離剤(3.0g)としてのヘキサン中の5〜15%EtOAcを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。上記からの保護されたインドールは、鹸化して、実施例3に記載したような遊離カルボン酸とすることができる。
【0065】
実施例5:
メチル2−ブロモ−3−シクロヘキシル−1H−インドール−5−カルボキシレート及び3−シクロヘキシル−2−フラン−3−イル−1H−インドール−5−カルボン酸:
【化20】

WO 03/010141の実施例2に記載された反応と同一のシリーズを用いるが、インドール5−カルボン酸から出発して、メチル2−ブロモ−3−シクロヘキシル−1H−インドール−5−カルボキシレートを得て、プロトコール、例えば実施例3及び4に記載されたものを用いて3−シクロヘキシル2−フラン−3−イル−1H−インドール−5−カルボン酸に合成した。
【0066】
実施例6:
7−メトキシ−1H−インドール−6−カルボン酸メチルエステル:
【化21】

工程1:4−メチルサリチル酸(32.1g、0.21mol)及び炭酸カリウム(62.1g、0.44mol)をアセトン(300mL)中に懸濁し及び混合物を還流温度にした。ジメチルスルフェート(66.5g、0.53mol)を1時間以内に滴下し及び攪拌を一晩還流させて行った。更なるジメチルスルフェート(30mL)及び炭酸カリウム(2×15g)を添加し、更なる24時間の還流が、反応を完全とするために必要とされた。反応混合物を次いで室温にまで冷却し及び無機塩を、洗浄用アセトンを用いるろ過により除去した。ろ液を減圧下で蒸発させ及び油性残留物をMeOH(300mL)中に溶解させた。濃縮された水酸化アンモニウム(90mL)を添加し、及び混合物を30分間室温で攪拌した。メタノールを真空下に除去し及び残留物をエーテル(300mL)及び水(200mL)間に分割(portion)した。有機層を分離し、食塩水で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。エーテルの蒸発により、所望のジメチル化生成物を黄色油(38.1g)として得て、これを直接次工程に用いた。
【0067】
工程2:前述の工程において得られたエステル(38.0g、0.21mol)を、AcOH(250mL)中に溶解し、及び臭素(37.2g、0.23mol、1.1当量)を30分間かけて攪拌を伴って室温で滴下した。完了後、更に1時間攪拌し、その時点でTLC分析は、完全な転化を示した。反応混合物を水(1L)に注入し、及び固形Na2CO3を、慎重に攪拌を伴って混合物が中性となるまで添加した。形成されたオフ−ホワイトの沈殿物をろ過により収集し、水で洗浄し及び乾燥して、所望のブロモ誘導体を得た(47.2g)。
工程3:前述の工程において得られたブロモ誘導体(44.5g、0.17mol)を、小割合で濃H2SO4(170mL)に添加し、及び混合物を氷−塩浴中において全ての固形物が溶解されるまで攪拌した。濃HNO3(17mL)を、次いで、20分間かけて添加し、及び攪拌をその氷浴中において更に1時間継続した。反応混合物を、次いで、ゆっくりと、氷−水(2L)に添加し、及び沈殿した黄色固体をろ過により収集した。固形物を、水、NaHCO3、及び再び水で洗浄した。乾燥後、所望のニトロ誘導体を橙色固体として得た(36.8g)。
工程4:前述の工程において得られた生成物(129.0g、0.42mol)をDMF(400mL)中に溶解し、及びDMF−ジメチルアセタール(151.6g、1.27mole、3当量)を一回で(in one portion)添加した。混合物を、110〜120℃で、アルゴン雰囲気下で、転化がTLCにより完全であるとされるまで加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、揮発物を減圧下で除去して、暗色残留物を得た(〜180g)。エーテル−THFによる粉末化により、所望のエナミンを赤色結晶として得た(72g)。
【0068】
工程5:前述の工程において得られたエナミン(72.0g、0.20mol)を、THF(600mL)及びMeOH(600mL)の混合物中に溶解した。暗赤色溶液を30℃に加熱し及びラネー−ニッケル(18g)を溶液に添加した。ヒドラジン水和物(11.6g、0.23mole、1.15当量)を、次いで、30分間かけて滴下した。反応温度が50℃まで高められ、及び第2のヒドラジン水和物(11.6g、0.23mole、1.15当量)が30分間かけて添加された。一晩50℃で攪拌した後、更なるラネー−ニッケル(20g)及びヒドラジン水和物(11.6g、0.23mole、1.15当量)を添加し、及び更なる7時間の50℃での攪拌後、反応は、TLCにより完了したとされた。冷却後、触媒を、セライトのパッドによるろ過により除去し、ろ液を減圧下で蒸発させた。暗褐色残留物を、EtOAc(3L)中に溶解し、及び溶液を、水(1.5L)、10%HCl(1L)及び食塩水(700mL)で洗浄した。乾燥(Na2SO4)後、溶剤の除去により、所望のブロモインドール誘導体を褐色固体として得た(35g)。
工程6:前述の工程において得られたブロモインドール誘導体(35g)をMeOH(1L)中に溶解し、及びトリエチルアミン(16.3g、1.2当量)及び次いで10%Pd/C(1.06g)を添加した。混合物を水素下で(35psi)、反応の完了まで(7時間)攪拌した。触媒を次いでろ過により除去し、及び揮発物を減圧下で除去した。残留物をEtOAc(700mL)中に溶解し、及び溶液を10%HCl(300mL)、水(350mL)、NaHCO3(350mL)及び食塩水で洗浄した。溶液を乾燥(Na2SO4)し、減圧下で濃縮して、所望のインドールを明褐色固体として得た(25g)。
このインドール誘導体を、標準条件下で鹸化し、及び実施例3及び4において記載されたような最終抑制剤に合成した。
【0069】
実施例7
NS5B RNA依存RNAポリメラーゼ活性の抑制
本発明の化合物を、WO 03/010141に記載されたプロトコールに従って、C型肝炎ウイルスRNA依存ポリメラーゼ(NS5B)に対する抑制活性について試験した。
実施例8
NS5B RNA依存RNAポリメラーゼ抑制の特異性
HCV NS5Bポリメラーゼに代えて他のポリメラーゼを使用した以外は、HCVポリメラーゼについてのWO 03/010141に記載されたフォーマットにおいてポリオウイルスRNA依存RNAポリメラーゼ及び仔ウシ胸腺DNA依存RNAポリメラーゼIIに対する抑制活性について本発明の化合物を試験した。
以下の表1及び2においては、以下の範囲が適用される:
IC50:A=20μM〜1μM及びB<1μM
表1に従ったA、B、R2、R3及びZにより定義される以下の化合物を製造した:
【表1】






【0070】
【表2】



【0071】
【表3】



【0072】
【表4】

【0073】
表2に従ったR2、R3、R4a及びZにより定義される以下の化合物を製造した。2又は3である位置番号pは、基C(=O)−Zが結合されるC原子がいずれのものであるかを示す。
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iにより表される化合物の異性体、光学異性体、ジアステレオ異性体又は互変体、又はそれらの塩:
【化1】

(式中、-----は、単結合又は二重結合のいずれかを表し;
Bは、−N−であり、及びAは、=CR1−又は=N−であり;又は
Bは、=C−であり、及びAは、O、S又はNR1であり;
1は、H、場合により以下のもので置換されていてもよい(C1-6)アルキルからなる群より選択され:ハロゲン、OR11、SR11、N(R122(式中、R11及び各R12は、独立して、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル−(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル−アリール又は(C1-6)アルキル−Hetであり、該アリール又はHetは、場合により、R160で置換されていてもよく;又は両R12は、互いに共有結合し及び窒素に対してそれらの両方が結合して、5、6又は7員の飽和ヘテロ環を形成する);
基−C(=Y1)−Zは、M2又はM3のいずれかに共有結合し、
1は、CR4aであり、
2又はM3は、−C(=Y1)−Zに結合していない場合、CR5であり、
4は、CR4bであり、
及びまた、M1、M2、M3及びM4より選択される基の1又は2は、また、Nであってもよく、但し、−C(=Y1)−Zが結合する基M2又はM3は、C−原子であり、
1は、O又はSであり;
Zは、NRN2−SO2−RC又はNRN3−SO2−N(RN2)RN1(式中、RC、RN1又はRN1及びRN2により形成されるヘテロ環のいずれかは、場合により、R60で置換されていてもよい)として定義され;
2は、ハロゲン又はR21(式中、R21は、アリール又はHetであり、該R21は、場合により、R150で置換されていてもよい)より選択され;
3は、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキル、(C5-7)シクロアルケニル、(C1-3)アルキル−(C5-7)シクロアルケニル、(C6-10)ビシクロアルキル、(C1-3)アルキル−(C6-10)ビシクロアルキル、(C6-10)ビシクロアルケニル、(C1-3)アルキル−(C6-10)ビシクロアルケニル、HCy又は(C1-3)アルキル−HCyより選択され(式中、HCyは、O、S及びNより選択される1〜3のヘテロ原子を有する飽和又は不飽和の4〜7員のヘテロ環基であり;該アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ビシクロアルキル、ビシクロアルケニル、HCy及びアルキル−HCyは、場合により、以下のa)〜d)より選択される1〜4の置換基で置換されていてもよい:
a)ハロゲン;
b)場合により以下のもので置換されていてもよい(C1-6)アルキル:
−ハロゲンより選択される1〜3の置換基;
−OR31又はSR31(式中、R31は、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキルである);又は
−N(R322(式中、各R32は、独立して、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキルであり;又は両R32は、互いに共有結合し及び窒素に対してそれらが結合して、5、6又は7員の飽和ヘテロ環を形成する);
c)OR33又はSR33(式中、R33は、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキルである);
d)N(R352(式中、各R35は、独立して、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキルであり;又は両R35は、互いに共有結合し及び窒素に対してそれらが結合して、5、6又は7員の飽和ヘテロ環を形成する);
4a、R4b、R5の各々は、独立して、Hであり又はR150として定義され;
60は、独立して、以下のものより選択される1〜4の置換基として定義され:
−ハロゲンより選択される1〜3の置換基;
−OPO3H、NO2、シアノ、アジド、C(=NH)NH2、C(=NH)NH(C1-6)アルキル又はC(=NH)NHCO(C1-6)アルキル、SO3Hより選択される各置換基の1つ;及び
−以下のa)〜l)より選択される1〜3の置換基;
a)場合により、N、O及びSより選択される1又は2のヘテロ原子を含んでいてもよい(C3-7)スピロシクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル;(C2-6)アルケニル、(C2-8)アルキニル、(C1-6)アルキル−(C3-7)シクロアルキル(それらの全ては、場合により、R150で置換されていてもよい);
b)ORO
c)OC(O)RO
d)SRO、SO2C、SO2N(RN2)RN1、SO2N(RN2)C(O)RC、CONRN3SO2N(RN2)RN1、又はCONRN2SO2C
e)N(RN2)RN1、N(RN2)COORC、N(RN2)SO2C又はN(RN1)ORO
f)N(RN2)CORC
g)N(RN3)CON(RN2)RN1
h)N(RN3)COCORC、N(RN3)COCOORO、N(RN3)COCON(RN2)ORO、又はN(RN3)COCON(RN2)RN1
i)CORO
j)COORO
k)CON(RN2)RN1
l)アリール、Het、(C1-4)アルキル−アリール又は(C1-4)アルキル−Het(それらの全ては、場合により、R150で置換されていてもよい);
式中、該RN1、RC及び/又はROは、場合により、定義されるようなR150で置換されていてもよく、
150は、独立して、以下のものより選択される1〜4の置換基として定義され:
−ハロゲンより選択される1〜3の置換基;
−OPO3H、NO2、シアノ、アジド、SO3H C(=NH)NH2、C(=NH)NH(C1-6)アルキル又はC(=NH)NHCO(C1-6)アルキルより選択される各置換基の1つ;及び
−以下のa)〜k)より選択される1〜3の置換基:
a)場合により、N、O及びSより選択される1又は2のヘテロ原子を含んでいてもよい(C3-7)スピロシクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル;(C2-6)アルケニル、(C2-8)アルキニル、(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキル(それらの全ては、場合により、R160で置換されていてもよい);
b)ORO
c)OC(O)RO
d)SRO、SO2C、SO2N(RN2)RN1又はSO2N(RN2)C(O)RC
e)N(RN2)RN1、N(RN2)COORC、N(RN2)SO2C又はN(RN1)ORO
f)N(RN2)CORC
g)N(RN3)CON(RN2)RN1
h)N(RN3)COCORC、N(RN3)COCOORO、N(RN3)COCON(RN2)OH、N(RN3)COCON(RN2)O(C1-4)アルキル又はN(RN3)COCON(RN2)RN1
i)CORO
j)COORO
k)テトラゾール、トリアゾール、CONRN2SO2C、CONRN3−SO2N(RN2)RN1又はCON(RN2)RN1
式中、該RN1、RC及び/又はROは、場合により、定義されるようなR160で置換されていてもよく;
160は、独立して、以下のものより選択される1、2又は3の置換基として定義され:
−1、2又は3のフッ素置換基;及び
−テトラゾール、トリアゾール、塩素、臭素、ヨウ素、CN、ニトロ、(C1-4)アルキル、OCF3、SCF3、CF3、COOR161、SO3H、SR161、SO2163、OR161、N(R1622、SO2N(R1622、SO2NR162COR162、NR162SO2163、-NR161−CO−COOR161、−NR161−CO−CO(NR1622、−CONR161SO2C、CONR161−SO2N(R1622又は−SO2−NR161−CORC、NR162COR162又はCON(R1622より選択される各置換基の1つ(式中、R161、R163及び各R162は、独立して、(C1-4)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキルであり;及びR161及び各R162は、各々、独立して、また、Hであってもよく;又は両R162は、互いに共有結合し及び窒素に対してそれらが結合して、5、6又は7員の飽和ヘテロ環を形成する);
O、RCは、独立して、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-4)アルキル−(C3-7)シクロアルキル、(C2-6)アルケニル、アリール、Het、(C1-4)アルキル−アリール又は(C1-4)アルキル−Hetとして定義され;又はROは、場合により、Hとして定義されてもよく;
N1は、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-4)アルキル−(C3-7)シクロアルキル、(C2-6)アルケニル、アリール、Het、(C1-4)アルキル−アリール、(C1-4)アルキル−Hetであり;及び
N2、RN3、RN4は、独立して、H、CH3、(C2-6)アルキル、(C3-6)シクロアルキル、(C1-4)アルキル−(C3-6)シクロアルキルであり;それらの全ては、場合により、ハロゲン、カルボキシ又は(C1-6)アルコキシカルボニルで置換されていてもよく;及び/又はここで、該アルキル、シクロアルキル又はアルキルシクロアルキルは、場合により、ヒドロキシ、(C1-6)アルキル、(C1-6)アルコキシ、アミノ、−NH(C1-4)アルキル及び/又は−N((C1-4)アルキル)2で置換されていてもよく;又は
a)基N(RN2)RN1の場合の置換基RN2及びRN1;又は
b)基NRN3−N(RN2)RN1の場合の置換基RN3及びRN1又はRN2及びRN1;は、互いに共有結合して、4−、5−、6−又は7−員の飽和又は不飽和のN含有ヘテロ環又は8−、9−、10−又は11−員のN含有ヘテロ二環を形成してもよく、各々は、場合により、更に、O、N及びSより選択される1〜3のヘテロ原子を有していてもよく;
ここで、Hetは、O、N及びSより選択される1〜4のヘテロ原子を有する4−、5−、6−又は7−員のヘテロ環、又はO、N及びSより選択される1〜5のヘテロ原子を有する8−、9−、10−又は11−員のヘテロ二環として定義される)。
【請求項2】
-----は、単結合又は二重結合のいずれかを表し;
Bは、−N−であり、及びAが、CR1又は=N−であり;又は
Bは、=C−であり、及びAが、O、S又はNR1であり;
1は、H、場合により以下のもので置換されていてもよい(C1-6)アルキルからなる群より選択され:ハロゲン、OR11、SR11又はN(R122(式中、R11及び各R12は、独立して、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル−(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル−アリール又は(C1-6)アルキル−Hetであり、該アリール又はHetは、場合により、R160で置換されていてもよく;又は両R12は、互いに共有結合し及び窒素に対してそれらの両方が結合して、5、6又は7員の飽和ヘテロ環を形成する);
基−C(=Y1)−Zは、M2又はM3のいずれかに共有結合し、
1は、CR4aであり、
2及びM3の1つは、CR5であり、
4は、CR4bであり、
及びまた、M1、M2、M3及びM4より選択される基の1又は2は、また、Nであってもよく、但し、−C(=Y1)−Zが結合する基M2又はM3は、C−原子であり、
1は、O又はSであり;
Zは、NRN2−SO2−RC(式中、RCは、場合により、R60で置換されていてもよい)として定義され;
2は、ハロゲン又はR21(式中、R21は、アリール又はHetであり、該R21は、場合により、R150で置換されていてもよい)より選択され;
3は、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキル、(C5-7)シクロアルケニル、(C1-3)アルキル−(C5-7)シクロアルケニル、(C6-10)ビシクロアルキル、(C1-3)アルキル−(C6-10)ビシクロアルキル、(C6-10)ビシクロアルケニル、(C1-3)アルキル−(C6-10)ビシクロアルケニル、HCy又は(C1-3)アルキル−HCyより選択され(式中、HCyは、O、S及びNより選択される1〜3のヘテロ原子を有する飽和又は不飽和の4〜7員のヘテロ環基であり;該アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ビシクロアルキル、ビシクロアルケニル、HCy及びアルキル−HCyは、場合により、以下のa)〜d)より選択される1〜4の置換基で置換されていてもよい:
a)ハロゲン;
b)場合により以下のもので置換されていてもよい(C1-6)アルキル:
−OR31又はSR31(式中、R31は、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキルである);又は
−N(R322(式中、各R32は、独立して、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキルであり;又は両R32は、互いに共有結合し及び窒素に対してそれらが結合して、5、6又は7員の飽和ヘテロ環を形成する);
c)OR33又はSR33(式中、R33は、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキルである);
d)N(R352(式中、各R35は、独立して、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキルであり;又は両R35は、互いに共有結合し及び窒素に対してそれらが結合して、5、6又は7員の飽和ヘテロ環を形成する);
4a、R4b、R5の各々は、独立して、Hであり又はR150として定義され;
60は、独立して、以下のものより選択される1〜4の置換基として定義され:
−ハロゲンより選択される1〜3の置換基;
−OPO3H、NO2、シアノ、アジド、C(=NH)NH2、C(=NH)NH(C1-6)アルキル又はC(=NH)NHCO(C1-6)アルキル、SO3Hより選択される各置換基の1つ;及び
−以下のa)〜l)より選択される1〜3の置換基;
a)場合により、N、O及びSより選択される1又は2のヘテロ原子を含んでいてもよいC3-7スピロシクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル;(C2-6)アルケニル、(C2-8)アルキニル、(C1-6)アルキル−(C3-7)シクロアルキル(それらの全ては、場合により、R150で置換されていてもよい);
b)ORO
c)OC(O)RO
d)SRO、SO2C、SO2N(RN2)RN1、SO2N(RN2)C(O)RC又はCONRN2SO2C
e)N(RN2)RN1、N(RN2)COORC又はN(RN2)SO2C
f)N(RN2)CORC
g)N(RN3)CON(RN2)RN1
h)N(RN3)COCORC、N(RN3)COCOORO又はN(RN3)COCON(RN2)RN1
i)CORO
j)COORO
k)CON(RN2)RN1
l)アリール、Het、(C1-4)アルキル−アリール又は(C1-4)アルキル−Het(それらの全ては、場合により、R150で置換されていてもよい);
式中、該RN1、RC及び/又はROは、場合により、定義されるようなR150で置換されていてもよく、
150は、独立して、以下のものより選択される1〜4の置換基として定義され:
−ハロゲンより選択される1〜3の置換基;
−OPO3H、NO2、シアノ、アジド、C(=NH)NH2、C(=NH)NH(C1-6)アルキル又はC(=NH)NHCO(C1-6)アルキルより選択される各置換基の1つ;及び
−以下のa)〜k)より選択される1〜3の置換基:
a)場合により、N、O及びSより選択される1又は2のヘテロ原子を含んでいてもよいC3-7スピロシクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル;(C2-6)アルケニル、(C2-8)アルキニル、(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキル(それらの全ては、場合により、R160で置換されていてもよい);
b)ORO
c)OC(O)RO
d)SRO、SO2C、SO2N(RN2)RN1又はSO2N(RN2)C(O)RC
e)N(RN2)RN1、N(RN2)COORC又はN(RN2)SO2C
f)N(RN2)CORC
g)N(RN3)CON(RN2)RN1
h)N(RN3)COCORC、N(RN3)COCOORO又はN(RN3)COCON(RN2)RN1(式中、RN1は、定義されるようなものであり又はOH、Oアルキルである);
i)CORO
j)COORO
k)テトラゾール又はCON(RN2)RN1
式中、該RN1、RC及び/又はROは、場合により、定義されるようなR160で置換されていてもよく;
160は、独立して、以下のものより選択される1、2又は3の置換基として定義され:
−1、2又は3のフッ素置換基;及び
−テトラゾール、塩素、臭素、ヨウ素、CN、ニトロ、C1-4アルキル、CF3、COOR161、SO3H、SR161、SO2163、OR161、N(R1622、SO2N(R1622、SO2NR162COR162、NR162SO2163、NR162COR162又はCON(R1622より選択される各置換基の1つ(式中、R161、R163及び各R162は、独立して、(C1-4)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキルであり;及びR161及び各R162は、各々、独立して、また、Hであってもよく;又は両R162は、互いに共有結合し及び窒素に対してそれらが結合して、5、6又は7員の飽和ヘテロ環を形成する);
O、RCは、独立して、(C1-6)アルキル、(C3-6)シクロアルキル、(C1-4)アルキル−(C3-6)シクロアルキル、(C2-6)アルケニル、アリール、Het、(C1-4)アルキル−アリール又は(C1-4)アルキル−Hetとして定義され; RN1は、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-4)アルキル−(C3-6)シクロアルキル、(C2-6)アルケニル、アリール、Het、(C1-4)アルキル−アリール、(C1-4)アルキル−Hetであり;又は
N2、RN3、RN4は、独立して、H、CH3、(C2-6アルキル)、(C3-6)シクロアルキル、(C1-4)アルキル−(C3-6)シクロアルキルであり;それらの全ては、場合により、ハロゲン、カルボキシ又はC1-6アルコキシカルボニルで置換されていてもよく;及び/又はここで、該アルキル、シクロアルキル又はアルキルシクロアルキルは、場合により、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、アミノ、−NH(C1-4アルキル)及び/又は−N(C1-4アルキル)2で置換されていてもよく;及び
a)基N(RN2)RN1の場合の置換基RN2及びRN1;又は
b)基NRN3−N(RN2)RN1の場合の置換基RN3及びRN1又はRN2及びRN1;は、互いに共有結合して、4−、5−、6−又は7−員の飽和又は不飽和のN含有ヘテロ環又は8−、9−、10−又は11−員のN含有ヘテロ二環を形成してもよく、各々は、場合により、更に、O、N及びSより選択される1〜3のヘテロ原子を有していてもよく、該ヘテロ環又はヘテロ二環は、場合により、定義されるように置換されていてもよく;
ここで、Hetは、O、N及びSより選択される1〜4のヘテロ原子を有する4−、5−、6−又は7−員のヘテロ環、又はO、N及びSより選択される1〜5のヘテロ原子を有する8−、9−、10−又は11−員のヘテロ二環として定義される、
請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項3】
以下の式I.1〜I.5:
【化2】

(式中、R1、R2,R3、Y1、Z、M1、M2、M3及びM4は、請求項1において定義したものである)
からなる群より選ばれる請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
1が、H及び(C1-6)アルキルからなる群より選択される請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
1が、H、CH3、エチル又はイソブチルである請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
1が、H又はCH3である請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
1が、CH3である請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
1が、Oである請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
Zが、NRN3−SO2−N(RN2)RN1(式中、RN1又はRN1及びRN2により形成されるヘテロ環のいずれかは、場合により、R60で置換されていてもよく、ここで、RN3、RN2、RN1及びR60は、請求項1において定義したものである)である請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
Zが、NRN2−SO2−RC(式中、RCは、場合により、R60で置換されていてもよく、ここで、RN2、RC及びR60は、請求項1において定義したものである)である請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
Zが、NH−SO2−RC(式中、RCは、(C1-6)アルキル、(C3-6)シクロアルキル、(C1-3)アルキル−(C3-6)シクロアルキル、(C2-6)アルケニル、フェニル、ナフチル、Het、(C1-3)アルキル−フェニル、(C1-3)アルキル−ナフチル、(C1-3)アルキル−Hetからなる群より選択され、該アルキル、シクロアルキル、アルキル−シクロアルキル、アルケニル、フェニル、ナフチル、Het、アルキル−フェニル、アルキル−ナフチル又はアルキル−Hetは、全て、場合により、R60より選択される1〜4の置換基で置換されていてもよく、ここで、R60及びHetは、請求項1において定義したものである)である請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
Zが、NH−SO2−RC(式中、RCが、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、フェニル、ナフチル、ベンジル、チオフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ジアゼピン、アゼピン、キノリン、イソキノリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾチアゾール、プリン、プテリジン、
【化3】

からなる群より選択され、それらの全てが、場合により、R60より選択される1〜3の置換基で置換されていてもよく、ここで、R60は、請求項1において定義したものである)である請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
2が、R21(式中、R21は、フェニル又は以下の式:
【化4】

からなる群より選択されるHetであり、ここで、該R21は、請求項1に定義されているR150で置換されていても置換されていなくてもよい)である請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
2が、R21(式中、R21は、請求項1〜13において定義されるものであり、及びR21は、場合により、以下のものより選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい:
−ハロゲンより選択される1〜3の置換基;
−NO2、シアノ、アジドより選択される各置換基の1つ;及び
−以下のa)〜e)より選択される1又は2の置換基:
a)場合により、OH、O(C1-4)アルキル、SO2(C1-4)アルキル)、1〜3のハロゲン原子、アミノ、NH(C1-4)アルキル)又はN((C1-4)アルキル)2で置換されていてもよい(C1-4)アルキル又は(C1-4)アルコキシ;
b)NR111112(両R111及びR112は、独立して、H、(C1-4)アルキルであり、又はR112は、(C3-7)シクロアルキル、(C1-3)アルキル(C3-7)シクロアルキル、フェニル、ベンジルであり;又は両R111及びR112は、互いに共有結合し及び窒素に対してそれらが結合して、窒素含有ヘテロ環を形成し、該アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、フェニル及びベンジルの各々は、場合により、ハロゲン又は:−OR2h又はN(R2h2(式中、各R2hは、独立して、H、(C1-4)アルキルであり、又は両R2hは、互いに共有結合し及び窒素に対してそれらが結合して、窒素含有ヘテロ環を形成する)で置換されていてもよい)
c)NHCOR117(式中、R117は、(C1-4)アルキル、O(C1-4)アルキル又はO(C3-7)シクロアルキルである)及び
d)CONH2、CONH(C1-4)アルキル、CON((C1-4)アルキル)2)である請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
3は、(C3-7)シクロアルキル、(C5-7)シクロアルケニル、(C6-10)ビシクロアルキル、(C6-10)ビシクロアルケニル、又はHetより選択され、該基は、未置換又はハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、(C1-4)アルキル及び/又はO−(C1-4)アルキル(式中、アルキル基はフッ素化されていてもよい)によりモノ又はジ置換されている、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
3は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチル、又は
【化5】

より選択される基(該基の全ては、未置換であるか又はフッ素、C1-3アルキル又はCF3により置換されている)である請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
3は、シクロペンチル又はシクロヘキシルである請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
4a、R4b、R5の各々は、独立して、H、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、(C1-4)アルキル、CF3、(C1-4)アルコキシ、−O−(C3-7)シクロアルキル、−O−(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキル、−O−アリール、−O−(C1-3)アルキル−アリール、−O−Het、−O−(C1-3)アルキル−Het、NRN1N2、CORO、NRN2CORC、CONRN2N1又はNRN3CONRN1N2であり;ここで、Het、RC、RO、RN1、RN2、RN3は、請求項1において定義したものであり;及びアルコキシを含む全ての該アルキル基は、フッ素によりモノ、ジ又はトリ置換されていてもよく又は塩素又は臭素によりモノ置換されていてもよい、請求項1〜17のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項19】
C、RO及びRN1は、互いに独立して、H、(C1-4)アルキル、アリール、(C1-3)アルキル−アリールであり;ここで、アリールは、場合により、R160(R160は、請求項1において定義したものである)で置換されていてもよいフェニルとして定義され;及びここで、前記アルキル基の全ては、フッ素によりモノ、ジ又はトリ置換されていてもよく又は塩素又は臭素によりモノ置換されていてもよく;及びここでRN2及びRN3は、独立して、H又はメチルである、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
4a、R4b、R5の各々は、独立して、H、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、メチル、CF3、メトキシ、カルボキシ、アミノ、−NMe2、−CONH2、−NHCONH2、−CO−NHMe、−NHCONHMe、−CO−NMe2又は−NHCONMe2である請求項18に記載の化合物。
【請求項21】
4a、R4b、R5の各々は、H、メチル又はメトキシである請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
4aは、H又はメチルである請求項1〜21のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項23】
4a、R4b、R5より選ばれる置換基の少なくとも2つがHである請求項1〜22のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項24】
60は、各々、独立して、以下のものより選択される1〜4の置換基として定義される請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物:
−ハロゲンより選択される1〜3の置換基;
−NO2、シアノ、アジドより選択される各置換基の1つ;
−以下のa)、b)、e)、f)、j)、k)又はl)より選択される1〜3の置換基:
a)(C1-4)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C2-4)アルケニル、(C2-4)アルキニル、(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキル(それらの全ては、場合により、R150で置換されていてもよい);
b)ORO
e)N(RN2)RN1
f)N(RN2)CORC
j)COORO
k)CON(RN2)RN1
l)フェニル、Het、(C1-3アルキル)フェニル又は(C1-3アルキル)Het(式中、Hetは、フラン、テトラヒドロフラン、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロピラン、ピリジニル、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、ホモピペリジン及びホモピペラジンより選択され、それらの全ては、場合により、R150で置換されていてもよく、ここで、該RN1、RC及び/又はROは、場合により、定義されるようなR150で置換されていてもよく、及びR150、RN1、RN2、RC及びROは、請求項1に定義されるものである)。
【請求項25】
150は、独立して、以下のものより選択される1〜4の置換基として定義される請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物:
−1〜3のフッ素置換基;
−塩素、臭素、ヨウ素、NO2、シアノ、アジドより選択される各置換基の1つ;及び
−以下のa)、b)、e)、f)、j)又はk)より選択される1〜3の置換基:
a)(C1-3)アルキル、CF3、(C3-6)シクロアルキル、(C1-3)アルキル−(C3-6)シクロアルキル(それらの全ては、場合により、R160で置換されていてもよい);
b)ORO
e)N(RN2)RN1
f)N(RN2)CORC
j)COORO
k)CON(RN2)RN1(式中、該RN1、RC及び/又はROは、場合により、定義されるようなR160で置換されていてもよく;及びR160、RN1、RN2、RC及びROは、請求項1において定義されるものである)。
【請求項26】
160は、独立して、以下のものより選択される1、2又は3の置換基として定義される請求項1〜25のいずれか1項に記載の化合物:
−1、2又は3のフッ素置換基;及び
−塩素、臭素、ヨウ素、CN、ニトロ、メチル、トリフルオロメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、COOH、COOCH3、OH、OCH3、OCF3、NH2、NHCH3、N(CH32、SO2NH2、SO2NHCOCH3、NHCOCH3又はCONH2、CONHCH3及びCON(CH32より選択される各置換基の1つ。
【請求項27】
O、RCは、独立して、(C1-4)アルキル、(C3-6)シクロアルキル、(C1-3)アルキル−(C3-6)シクロアルキル、フェニル、ベンジル、Het、(C1-3)アルキル−Het(それらの全ては、場合により定義されるように置換されていてもよく;及びROは、また、Hであってもよい)として定義され;
N1は、H、(C1-4)アルキル、(C3-6)シクロアルキル、(C1-3)アルキル−(C3-6)シクロアルキル、フェニル、ベンジル、フェニルエチル、Het、(C1-3)アルキル−Het(式中、該アルキル、シクロアルキル、アルキル−シクロアルキル、フェニル、ベンジル、フェニルエチル、Het及びアルキル−Hetは、場合により、定義されるように置換されていてもよい)であり;
N2、RN3、RN4は、独立して、H、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル(それらの全ては、場合により、フッ素、カルボキシ又はメトキシカルボニルで置換されていてもよく;及び/又は式中、エチル、n−プロピル又はi−プロピルは、場合により、ヒドロキシ、メチル、メトキシ、アミノ、−NH(CH3)及び/又は−N(CH32で置換されていてもよい)であり;
a)基N(RN2)RN1の場合の置換基RN2及びRN1;又は
b)基NRN3−N(RN2)RN1の場合の置換基RN3及びRN1又はRN2及びRN1;は、互いに共有結合して、5−、6−又は7−員の飽和ヘテロ環を形成してもよく、それは、更に、O、N及びSより選択される1のヘテロ原子を有していてもよく、ここで、ヘテロ環は、場合により、定義されるように置換されていてもよく;
ここで、Hetは、請求項1において定義したものである、
請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項28】
請求項1〜27のいずれか1項に記載の式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩の、HCVポリメラーゼの抑制剤としての使用。
【請求項29】
請求項1〜27のいずれか1項に記載の式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩の、HCVによりコードされる酵素NS5BのRNA依存RNAポリメラーゼ活性の抑制剤としての使用。
【請求項30】
請求項1〜27のいずれか1項に記載の式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩の、HCV複製の抑制剤としての使用。
【請求項31】
哺乳類におけるHCV感染を治療又は予防する方法であって、哺乳類に対して、有効量の請求項1〜27のいずれか1項に記載の式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩を投与することを含む方法。
【請求項32】
哺乳類におけるHCV感染を治療又は予防する方法であって、哺乳類に対して、有効量の請求項1〜27のいずれか1項に記載の式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩を、他の抗ウイルス剤と組み合せて投与することを含む方法。
【請求項33】
HCV感染を治療又は予防するための医薬組成物であって、有効量の請求項1〜27のいずれか1項に記載の式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩、及び医薬的に許容可能なキャリヤを含む組成物。
【請求項34】
更に、治療的に有効量の1又は2以上の抗ウイルス剤を含む請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
前記抗ウイルス剤が、リバビリン及びアマンタジンより選択される請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
抗ウイルス剤が、他の抗HCV剤である請求項34に記載の組成物。
【請求項37】
他の抗HCV剤が、特には、β−、δ−、γ−及びω−インターフェロンより選択される免疫調節剤である請求項36に記載の医薬組成物。
【請求項38】
前記抗HCV剤が、他のHCVポリメラーゼ抑制剤である請求項36に記載の組成物。
【請求項39】
他の抗HCV剤が、HCV NS3プロテアーゼの抑制剤である請求項36に記載の組成物。
【請求項40】
他の抗HCV剤が、HCVライフサイクルにおける他のターゲットの抑制剤である請求項36に記載の組成物。
【請求項41】
HCVライフサイクルにおける他のターゲットの前記抑制剤が、HCVヘリカーゼ、HCV NS2/3プロテアーゼ及びHCV IRESより選択されるターゲットを抑制する薬剤である請求項40に記載の組成物。
【請求項42】
ウイルス感染、好ましくはHCV感染の治療及び/又は予防用医薬を製造するための、請求項1〜27のいずれか1項に記載の式Iの化合物、又はそれらの医薬的に許容可能な塩の使用。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iにより表される化合物の異性体、光学異性体、ジアステレオ異性体又は互変体、又はそれらの塩:
【化1】

(式中、-----は、単結合又は二重結合のいずれかを表し;
Bは、−N−であり、及びAは、=CR1−又は=N−であり;又は
Bは、=C−であり、及びAは、O、S又はNR1であり;
1は、H、場合により以下のもので置換されていてもよい(C1-6)アルキルからなる群より選択され:ハロゲン、OR11、SR11、N(R122(式中、R11及び各R12は、独立して、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル−(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル−アリール又は(C1-6)アルキル−Hetであり、該アリール又はHetは、場合により、R160で置換されていてもよく;又は両R12は、互いに共有結合し及び窒素に対してそれらの両方が結合して、5、6又は7員の飽和ヘテロ環を形成する);
基−C(=Y1)−Zは、M2又はM3のいずれかに共有結合し、
1は、CR4aであり、
2又はM3は、−C(=Y1)−Zに結合していない場合、CR5であり、
4は、CR4bであり、
及びまた、M1、M2、M3及びM4より選択される基の1又は2は、また、Nであってもよく、但し、−C(=Y1)−Zが結合する基M2又はM3は、C−原子であり、
1は、O又はSであり;
Zは、NRN2−SO2−RC又はNRN3−SO2−N(RN2)RN1(式中、RC、RN1又はRN1及びRN2により形成されるヘテロ環のいずれかは、場合により、R60で置換されていてもよい)として定義され;
2は、ハロゲン又はR21(式中、R21は、アリール又はHetであり、該R21は、場合により、R150で置換されていてもよい)より選択され;
3は、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキル、(C5-7)シクロアルケニル、(C1-3)アルキル−(C5-7)シクロアルケニル、(C6-10)ビシクロアルキル、(C1-3)アルキル−(C6-10)ビシクロアルキル、(C6-10)ビシクロアルケニル、(C1-3)アルキル−(C6-10)ビシクロアルケニル、HCy又は(C1-3)アルキル−HCyより選択され(式中、HCyは、O、S及びNより選択される1〜3のヘテロ原子を有する飽和又は不飽和の4〜7員のヘテロ環基であり;該アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ビシクロアルキル、ビシクロアルケニル、HCy及びアルキル−HCyは、場合により、以下のa)〜d)より選択される1〜4の置換基で置換されていてもよい:
a)ハロゲン;
b)場合により以下のもので置換されていてもよい(C1-6)アルキル:
−ハロゲンより選択される1〜3の置換基;
−OR31又はSR31(式中、R31は、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキルである);又は
−N(R322(式中、各R32は、独立して、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキルであり;又は両R32は、互いに共有結合し及び窒素に対してそれらが結合して、5、6又は7員の飽和ヘテロ環を形成する);
c)OR33又はSR33(式中、R33は、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキルである);
d)N(R352(式中、各R35は、独立して、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキルであり;又は両R35は、互いに共有結合し及び窒素に対してそれらが結合して、5、6又は7員の飽和ヘテロ環を形成する);
4a、R4b、R5の各々は、独立して、Hであり又はR150として定義され;
60は、独立して、以下のものより選択される1〜4の置換基として定義され:
−ハロゲンより選択される1〜3の置換基;
−OPO3H、NO2、シアノ、アジド、C(=NH)NH2、C(=NH)NH(C1-6)アルキル又はC(=NH)NHCO(C1-6)アルキル、SO3Hより選択される各置換基の1つ;及び
−以下のa)〜l)より選択される1〜3の置換基;
a)場合により、N、O及びSより選択される1又は2のヘテロ原子を含んでいてもよい(C3-7)スピロシクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル;(C2-6)アルケニル、(C2-8)アルキニル、(C1-6)アルキル−(C3-7)シクロアルキル(それらの全ては、場合により、R150で置換されていてもよい);
b)ORO
c)OC(O)RO
d)SRO、SO2C、SO2N(RN2)RN1、SO2N(RN2)C(O)RC、CONRN3SO2N(RN2)RN1、又はCONRN2SO2C
e)N(RN2)RN1、N(RN2)COORC、N(RN2)SO2C又はN(RN1)ORO
f)N(RN2)CORC
g)N(RN3)CON(RN2)RN1
h)N(RN3)COCORC、N(RN3)COCOORO、N(RN3)COCON(RN2)ORO、又はN(RN3)COCON(RN2)RN1
i)CORO
j)COORO
k)CON(RN2)RN1
l)アリール、Het、(C1-4)アルキル−アリール又は(C1-4)アルキル−Het(それらの全ては、場合により、R150で置換されていてもよい);
式中、該RN1、RC及び/又はROは、場合により、定義されるようなR150で置換されていてもよく、
150は、独立して、以下のものより選択される1〜4の置換基として定義され:
−ハロゲンより選択される1〜3の置換基;
−OPO3H、NO2、シアノ、アジド、SO3H C(=NH)NH2、C(=NH)NH(C1-6)アルキル又はC(=NH)NHCO(C1-6)アルキルより選択される各置換基の1つ;及び
−以下のa)〜k)より選択される1〜3の置換基:
a)場合により、N、O及びSより選択される1又は2のヘテロ原子を含んでいてもよい(C3-7)スピロシクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル;(C2-6)アルケニル、(C2-8)アルキニル、(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキル(それらの全ては、場合により、R160で置換されていてもよい);
b)ORO
c)OC(O)RO
d)SRO、SO2C、SO2N(RN2)RN1又はSO2N(RN2)C(O)RC
e)N(RN2)RN1、N(RN2)COORC、N(RN2)SO2C又はN(RN1)ORO
f)N(RN2)CORC
g)N(RN3)CON(RN2)RN1
h)N(RN3)COCORC、N(RN3)COCOORO、N(RN3)COCON(RN2)OH、N(RN3)COCON(RN2)O(C1-4)アルキル又はN(RN3)COCON(RN2)RN1
i)CORO
j)COORO
k)テトラゾール、トリアゾール、CONRN2SO2C、CONRN3−SO2N(RN2)RN1又はCON(RN2)RN1
式中、該RN1、RC及び/又はROは、場合により、定義されるようなR160で置換されていてもよく;
160は、独立して、以下のものより選択される1、2又は3の置換基として定義され:
−1、2又は3のフッ素置換基;及び
−テトラゾール、トリアゾール、塩素、臭素、ヨウ素、CN、ニトロ、(C1-4)アルキル、OCF3、SCF3、CF3、COOR161、SO3H、SR161、SO2163、OR161、N(R1622、SO2N(R1622、SO2NR162COR162、NR162SO2163、-NR161−CO−COOR161、−NR161−CO−CO(NR1622、−CONR161SO2C、CONR161−SO2N(R1622又は−SO2−NR161−CORC、NR162COR162又はCON(R1622より選択される各置換基の1つ(式中、R161、R163及び各R162は、独立して、(C1-4)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキルであり;及びR161及び各R162は、各々、独立して、また、Hであってもよく;又は両R162は、互いに共有結合し及び窒素に対してそれらが結合して、5、6又は7員の飽和ヘテロ環を形成する);
O、RCは、独立して、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-4)アルキル−(C3-7)シクロアルキル、(C2-6)アルケニル、アリール、Het、(C1-4)アルキル−アリール又は(C1-4)アルキル−Hetとして定義され;又はROは、場合により、Hとして定義されてもよく;
N1は、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-4)アルキル−(C3-7)シクロアルキル、(C2-6)アルケニル、アリール、Het、(C1-4)アルキル−アリール、(C1-4)アルキル−Hetであり;及び
N2、RN3、RN4は、独立して、H、CH3、(C2-6)アルキル、(C3-6)シクロアルキル、(C1-4)アルキル−(C3-6)シクロアルキルであり;それらの全ては、場合により、ハロゲン、カルボキシ又は(C1-6)アルコキシカルボニルで置換されていてもよく;及び/又はここで、該アルキル、シクロアルキル又はアルキルシクロアルキルは、場合により、ヒドロキシ、(C1-6)アルキル、(C1-6)アルコキシ、アミノ、−NH(C1-4)アルキル及び/又は−N((C1-4)アルキル)2で置換されていてもよく;又は
a)基N(RN2)RN1の場合の置換基RN2及びRN1;又は
b)基NRN3−N(RN2)RN1の場合の置換基RN3及びRN1又はRN2及びRN1;は、互いに共有結合して、4−、5−、6−又は7−員の飽和又は不飽和のN含有ヘテロ環又は8−、9−、10−又は11−員のN含有ヘテロ二環を形成してもよく、各々は、場合により、更に、O、N及びSより選択される1〜3のヘテロ原子を有していてもよく;
ここで、Hetは、O、N及びSより選択される1〜4のヘテロ原子を有する4−、5−、6−又は7−員のヘテロ環、又はO、N及びSより選択される1〜5のヘテロ原子を有する8−、9−、10−又は11−員のヘテロ二環として定義される)。
【請求項2】
以下の式I.1〜I.5:






















【化2】

(式中、R1、R2,R3、Y1、Z、M1、M2、M3及びM4は、請求項1において定義したものである)
からなる群より選ばれる請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
1が、H及び(C1-6)アルキルからなる群より選択される請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
Zが、NH−SO2−RC(式中、RCは、(C1-6)アルキル、(C3-6)シクロアルキル、(C1-3)アルキル−(C3-6)シクロアルキル、(C2-6)アルケニル、フェニル、ナフチル、Het、(C1-3)アルキル−フェニル、(C1-3)アルキル−ナフチル、(C1-3)アルキル−Hetからなる群より選択され、該アルキル、シクロアルキル、アルキル−シクロアルキル、アルケニル、フェニル、ナフチル、Het、アルキル−フェニル、アルキル−ナフチル又はアルキル−Hetは、全て、場合により、R60より選択される1〜4の置換基で置換されていてもよく、ここで、R60及びHetは、請求項1において定義したものである)である請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
2が、R21(式中、R21は、フェニル又は以下の式:





































【化3】

からなる群より選択されるHetであり、ここで、該R21は、請求項1に定義されているR150で置換されていても置換されていなくてもよい)である請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
3は、(C3-7)シクロアルキル、(C5-7)シクロアルケニル、(C6-10)ビシクロアルキル、(C6-10)ビシクロアルケニル、又はHetより選択され、該基は、未置換又はハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、(C1-4)アルキル及び/又はO−(C1-4)アルキル(式中、アルキル基はフッ素化されていてもよい)によりモノ又はジ置換されている、請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
4a、R4b、R5の各々は、独立して、H、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、(C1-4)アルキル、CF3、(C1-4)アルコキシ、−O−(C3-7)シクロアルキル、−O−(C1-3)アルキル−(C3-7)シクロアルキル、−O−アリール、−O−(C1-3)アルキル−アリール、−O−Het、−O−(C1-3)アルキル−Het、NRN1N2、CORO、NRN2CORC、CONRN2N1又はNRN3CONRN1N2であり;ここで、Het、RC、RO、RN1、RN2、RN3は、請求項1において定義したものであり;及びアルコキシを含む全ての該アルキル基は、フッ素によりモノ、ジ又はトリ置換されていてもよく又は塩素又は臭素によりモノ置換されていてもよい、請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
O、RCは、独立して、(C1-4)アルキル、(C3-6)シクロアルキル、(C1-3)アルキル−(C3-6)シクロアルキル、フェニル、ベンジル、Het、(C1-3)アルキル−Het(それらの全ては、場合により定義されるように置換されていてもよく;及びROは、また、Hであってもよい)として定義され;
N1は、H、(C1-4)アルキル、(C3-6)シクロアルキル、(C1-3)アルキル−(C3-6)シクロアルキル、フェニル、ベンジル、フェニルエチル、Het、(C1-3)アルキル−Het(式中、該アルキル、シクロアルキル、アルキル−シクロアルキル、フェニル、ベンジル、フェニルエチル、Het及びアルキル−Hetは、場合により、定義されるように置換されていてもよい)であり;
N2、RN3、RN4は、独立して、H、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル(それらの全ては、場合により、フッ素、カルボキシ又はメトキシカルボニルで置換されていてもよく;及び/又は式中、エチル、n−プロピル又はi−プロピルは、場合により、ヒドロキシ、メチル、メトキシ、アミノ、−NH(CH3)及び/又は−N(CH32で置換されていてもよい)であり;
a)基N(RN2)RN1の場合の置換基RN2及びRN1;又は
b)基NRN3−N(RN2)RN1の場合の置換基RN3及びRN1又はRN2及びRN1;は、互いに共有結合して、5−、6−又は7−員の飽和ヘテロ環を形成してもよく、それは、更に、O、N及びSより選択される1のヘテロ原子を有していてもよく、ここで、ヘテロ環は、場合により、定義されるように置換されていてもよく;
ここで、Hetは、請求項1において定義したものである、
請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
請求項1〜のいずれか1項に記載の式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩の、HCV複製の抑制剤としての使用。
【請求項10】
哺乳類におけるHCV感染を治療又は予防する方法であって、哺乳類に対して、有効量の請求項1〜のいずれか1項に記載の式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩を投与することを含む方法。
【請求項11】
哺乳類におけるHCV感染を治療又は予防する方法であって、哺乳類に対して、有効量の請求項1〜のいずれか1項に記載の式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩を、他の抗ウイルス剤と組み合せて投与することを含む方法。
【請求項12】
HCV感染を治療又は予防するための医薬組成物であって、有効量の請求項1〜のいずれか1項に記載の式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩、及び医薬的に許容可能なキャリヤを含む組成物。
【請求項13】
更に、治療的に有効量の1又は2以上の抗ウイルス剤を含む請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
ウイルス感染、好ましくはHCV感染の治療及び/又は予防用医薬を製造するための、請求項1〜のいずれか1項に記載の式Iの化合物、又はそれらの医薬的に許容可能な塩の使用。

【公表番号】特表2006−515364(P2006−515364A)
【公表日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−500428(P2006−500428)
【出願日】平成16年1月19日(2004.1.19)
【国際出願番号】PCT/CA2004/000017
【国際公開番号】WO2004/064925
【国際公開日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】