説明

ウェーハ収納容器およびウェーハのハンドリング方法

【課題】部品点数が増加せず、かつウェーハに傷をつけることなく簡易に収納できるウェーハ収納容器およびウェーハの品質を高く保持したまま容易にウェーハをハンドリングすることが可能なウェーハのハンドリング方法を提供すること。
【解決手段】ウェーハ44の外周縁より外側にある外周部14と、外周部14からウェーハ44の径方向内側に延出する載置部12とを備えるウェーハ収納容器10であって、載置部12は、ウェーハ44の径方向内側に向かって延出すると共に、その上面にはウェーハ44の外周縁とのみ接触できるように径方向内方に向かって斜め下方に傾斜する第1の傾斜面28を有し、外周部14の周方向に沿った複数の箇所からは、径方向内方に向かって切り欠かれた切欠部20が形成されており、ウェーハ収納容器10を複数重ねた際に、下方のウェーハ収納容器10に対してその上に重ねられたウェーハ収納容器10が位置決めされるものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハを収納し、運搬または保管等するためのウェーハ収納容器およびウェーハのハンドリング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェーハ(以後、単に「ウェーハ」という。)は、極めて高価であり、しかも、破損しやすい製品であるため、通常、ウェーハの収納、搬送または保管には、専用の収納容器が使用される。専用のウェーハ収納容器として、ウェーハの口径に対応する凹状の収容凹部にウェーハを収容し、該ウェーハ収納容器を複数個積み重ねるものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
さらに、ウェーハを搬送または保管した後には、ウェーハ収納容器からウェーハを取り出す必要がある。従来では、ウェーハ収納容器からウェーハを作業者による手作業で取り出していた。しかし、近年の技術の進歩により、半導体装置の製造工程においては、ロボットを導入することによって、製造効率が高まると共に、手作業によるミスも低減してきている。特に、パドル式搬送機構を用いると、略U字状のウェーハ保持部材を介して、ウェーハの周縁部を下方から保持した状態でウェーハ収納容器からウェーハを取り出すことができる(例えば、特許文献2を参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−77512号公報(図2〜図6)
【特許文献2】特開2002−319612号公報(段落0002)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されているウェーハ収納容器は、ウェーハを収容凹部に単に載置する構成であるため、ウェーハとウェーハ収納容器とが面接触してしまう。このようにウェーハが面接触すると、ウェーハに傷が付いてしまうという問題がある。また、特許文献1に開示されているウェーハ収納容器では、ウェーハに傷がつくのを防止するために、ウェーハと収容凹部との間にクッションシートを配置する方法も提案されている。しかし、このような構成を採用すると、部品点数および作業工程が増加してしまうといった問題がある。
【0006】
また、特許文献2に開示されているウェーハのハンドリング方法には、次のような問題がある。パドル式搬送機構を用いる方法の場合には、直接、パドルでウェーハを下方より持ち上げてから取り出しを行う。ウェーハを取り出す際、ウェーハ収納容器とウェーハが接触しやすいため、ウェーハに傷が付いてしまったり、ウェーハの表面が汚染されたりする恐れがある。さらに、かかる接触によりウェーハの取り出しが適正に行なわれなくなってしまう問題もある。特に、ウェーハが300mm、さらに450mmと大型化してくると、ウェーハを取り出す際に、ウェーハの自重に起因してウェーハのハンドリングのコントロールがより難しくなるといった問題がある。また、複数枚のウェーハを収納したウェーハ収納容器からウェーハを取り出す際に、ウェーハとウェーハの間に、搬送機構が入り込みウェーハを吸着もしくはエッジグリップして移しかえる事を繰り返すので、取り出し中に発生したりあるいは混入したパーティクル等が下段のウェーハ上に落下して、ウェーハを汚染してしまう恐れもあった。
【0007】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、部品点数が増加せず、かつウェーハに傷をつけることなく簡易に収納できるウェーハ収納容器およびウェーハの品質を高く保持したまま容易にウェーハをハンドリングすることが可能なウェーハのハンドリング方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、ウェーハの外周縁より外側にある外周部と、外周部の最上面よりも低い位置からウェーハの径方向内側に延出し、ウェーハを外周部の最上面よりも低い位置で載置する載置部と、を備えるウェーハ収納容器であって、載置部は、ウェーハの径方向内側に向かって延出すると共に、その上面にはウェーハを載置した際にウェーハの外周縁とのみ接触できるように径方向内方に向かって斜め下方に傾斜する第1の傾斜面を有し、外周部の周方向に沿った複数の箇所からは、当該外周部の外周縁から載置部に至るまで径方向内方に向かって切り欠かれた切欠部が形成されており、ウェーハ収納容器を複数重ねた際に、外周部同士が接触することにより、下方のウェーハ収納容器に対してその上に重ねられたウェーハ収納容器が位置決めされるものである。
【0009】
このように構成した場合には、ウェーハを載置部に載置した状態では、ウェーハの外周縁のみが第1の傾斜面と接触する。すなわち、ウェーハの外周縁が第1の傾斜面と線接触した状態となる。したがって、ウェーハの下面は載置部と面接触することがなくなり、ウェーハの下面と載置部との間には隙間が形成される。その結果、ウェーハの下面に傷がつくのを防止できる。また、ウェーハ収納容器を上下方向に積み重ねた場合、その外周部同士が接触することにより、上下に積み重ねられたそれぞれのウェーハ収納容器が位置決めされる。そのため、ウェーハ収納容器を積み重ねた状態で、積み重ねられたウェーハ収納容器がガタつくのを防止できる。また、ウェーハ収納容器の外周部には切欠部が形成されているため、ウェーハ収納容器にウェーハを収納した状態では、ウェーハの外周が切欠部から露出した状態となる。したがって、ウェーハの外周を直接チャックして、ウェーハをウェーハ収納容器から取り出したり、収納したりすることが可能となる。
【0010】
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、切欠部は、ウェーハ収納容器の周方向に沿って所定の間隔を隔てて設けられているものである。このように構成した場合には、ウェーハを安定した状態でウェーハ収納容器に収納することができる。また、ウェーハ収納容器を安定した状態で積み重ねることができる。このため、ウェーハ収納容器がガタつくのをより防止できる。
【0011】
さらに、他の発明は、上述の発明に加えて更に、外周部は、その裏側に空間となる空間部を有する状態で上方に向かって突出する凸状の形態を有しており、ウェーハ収納容器を複数重ねた場合、下方のウェーハ収納容器の外周部がその上に重ねられたウェーハ収納容器の空間部に嵌まり、下方のウェーハ収納容器における外周部の両側壁と、その上に重ねられたウェーハ収納容器の外周部の両側壁とが接触することによって位置決めがなされるものである。
【0012】
このように構成した場合には、上方に積み重ねられたウェーハ収納容器の外周部の両側壁によって、上方に積み重ねられたウェーハ収納容器の外周部を挟み込んだ状態となるため、積み重ねられたウェーハ収納容器の位置決めを確実に行うことができると共に、積み重ねられたウェーハ収納容器がガタつくのを確実に防止できる。
【0013】
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、ウェーハ収納容器は、中央が貫通したリング状の形態を有するものである。このように構成した場合には、ウェーハ収納容器に収納されたウェーハが自重によって撓んだ場合、ウェーハがウェーハ収納容器と接触するのを防止できる。また、貫通孔を設けた部分の容積だけウェーハ収納容器の軽量化を図ることが可能となる。
【0014】
さらに、他の発明は、ウェーハの外周縁より外側にある外周部と、外周部の最上面よりも低い位置からウェーハの径方向内側に延出すると共に、その上面には径方向内側に向かって斜め下方に傾斜する第1の傾斜面を有し、ウェーハを外周部の最上面よりも低い位置で載置する載置部と、外周部の周方向に沿った複数の箇所に、当該外周部の外周縁から載置部に至るまで径方向内方に向かって切り欠かれた切欠部と、を備えるウェーハ収納容器からウェーハを取り出し、あるいは該ウェーハ収納容器にウェーハを収納するウェーハのハンドリング方法であって、切欠部の位置に対応して、切欠部のウェーハ外周縁より外側からウェーハの径方向内側に向かって斜め下方に傾斜する第2の傾斜面を有する先端面を備えた突出部を複数有する冶具を切欠部の下方から挿入することにより、第2の傾斜面をウェーハ収納容器に収納されたウェーハの外周縁に接触させてウェーハを保持し、ウェーハをウェーハ収納容器から上方に浮かせてから取り出すものである。
【0015】
このような方法を採用すると、ウェーハの品質を高く保持したままウェーハ収納容器からウェーハを適正に取り出すことができる。
【0016】
また、他の発明は、ウェーハの外周縁より外側にある外周部と、外周部の最上面よりも低い位置からウェーハの径方向内側に延出すると共に、その上面には径方向内側に向かって斜め下方に傾斜する第1の傾斜面を有し、ウェーハを外周部の最上面よりも低い位置で載置する載置部と、外周部の周方向に沿った複数の箇所に、当該外周部の外周縁から載置部に至るまで径方向内方に向かって切り欠かれた切欠部と、を備えるウェーハ収納容器からウェーハを取り出し、あるいは該ウェーハ収納容器にウェーハを収納するウェーハのハンドリング方法であって、切欠部の位置に対応して、切欠部のウェーハ外周縁より外側からウェーハの径方向内側に向かって斜め下方に傾斜する第2の傾斜面を有する先端面を備えた突出部を複数有する冶具の内側に、切欠部内に突出部が収まるようウェーハ収納容器をセットした状態で、ウェーハの外周縁を第2の傾斜面に載置し、ウェーハ収納容器をウェーハの外周縁と接触するまで上昇することによりウェーハをウェーハ収納容器に収納するものである。
【0017】
このような方法を採用すると、ウェーハを冶具の突出部に載置した後、ウェーハ収納容器のみを移動することによりウェーハ収納容器にウェーハを収納できる。従って、ウェーハの破損を防止できる。その結果、ウェーハの品質を高く保持したまま容易にウェーハをハンドリングすることが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、部品点数が増加せず、かつウェーハに傷をつけることなく簡易に収納できるウェーハ収納容器およびウェーハの品質を高く保持したまま容易にウェーハをハンドリングすることが可能なウェーハのハンドリング方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施の形態に係るウェーハ収納容器10およびウェーハのハンドリング方法について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1は、ウェーハ収納容器10の斜視図である。図2は、図1中おけるウェーハ収納容器10を矢示A方向から見た正面図である。なお、以下の説明において、図1〜図6に示す矢示Z1方向を上方および矢示Z2方向を下方とそれぞれ規定する。
【0021】
図1に示すように、ウェーハ収納容器10の形態は、上方から見て略リング状で四方に突出する部分を有する形態である。ウェーハ収納容器10は、ウェーハが載置される載置部12と、載置部12の外周側に突出して設けられる4つの外周部14と、載置部12よりも径方向内側であって、該載置部12よりも低い位置に設けられる内周部16と、載置部12と内周部16との間を円周状に連接する連接部18とを有する。ウェーハ収納容器10の素材としては、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルサルフォン(PES)若しくはポリエーテルイミド(PEI)等のエンジニアリングプラスチックが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1つの樹脂にガラスファイバーを添加したり、カーボンファイバーや導電樹脂等による導電性を付与したものでも良い。例えば、ウェーハの外径を450mmとすると、ウェーハ収納容器10の径方向の外寸は、500〜550mmの範囲が好適であるが、ウェーハ収納容器10に載置されるウェーハの外径に対応して、その大きさは適宜変更することができる。また、ウェーハ収納容器10は、射出成形によって製造するのが好ましいが、この製造方法に限定されるものではない。また、載置部12と外周部14とを異なる材料から形成するようにしても良い。この場合、2色成形、熱溶着、超音波溶着、摩擦係合等により、載置部12と外周部14とを一体化することが可能である。さらに、ウェーハ収納容器10の全体または一部、特に載置部12に、導電性塗料を塗布したり、ダイヤモンドライクコーティング、セラミックスコーティング、炭化珪素コーティング、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂コーティングもしくはPEEK樹脂コーティング等を施すことも可能である。
【0022】
ウェーハ収納容器10の外周部近傍には、周方向に向かって90度おきに合計4つの切欠部20が形成されている。当該切欠部20は、ウェーハ収納容器10の外周縁から径方向内方に向かって切り欠かれている。具体的には、切欠部20は、外周部14の外周縁から載置部12の中途部分に至るまで略円弧状の形態で切り欠かれている。この切欠部20が形成されることにより、載置部12は、リング状の形態を有する周状載置部22と、周状載置部22から径方向外方に向かって突出する合計4つの外方載置部24とを有する。外方載置部24は、周方向に沿って90度おきに径方向外方に向かって突出している。また、切欠部20が形成されることにより、外周部14も周方向に沿って90度おきに設けられていることになる。
【0023】
上述したように、載置部12は、周状載置部22と、外方載置部24とを有する。載置部12は、径方向外方から径方向内方に向かって斜め下方に傾斜するように設けられている。周状載置部22の上側の面と外方載置部24の上側の面は面一となっており、これらの面は載置面28を形成している。なお、載置面28も径方向外方から径方向内方に向かって斜め下方に傾斜している。
【0024】
外周部14は、外方載置部24の最も外側に設けられている。外周部14は、載置部12より高い位置に設けられる平板状の平板部30と、平板部30と外方載置部24とを連接する斜板部32とを有している。平板部30および斜板部32は、共に平面において円弧状の形態を有している。また、斜板部32は、径方向外方から径方向内方に向かって斜め下方に傾斜している。外周部14の径方向の長さは、20〜30mmの範囲であるのが好ましいが、この範囲に限定されるものではない。
【0025】
図1および図2に示すように、外周部14および外方載置部24の側端面からは、斜め下方に向かって斜側壁34が延出している。斜側壁34は、内周部16の下面16aと同じ高さの位置に至るまで延出している(図2を参照)。また、平板部30の下面30aから下方に向かって、平板状の仕切部36が延出している(図2を参照)。この仕切部36は、平板部30を周方向に沿って略3等分する2つの箇所から延出している。仕切部36は、下面30aから外方載置部24の下面24aと同じ高さの位置に至るまで延出している(図2を参照)。仕切部36の径方向内側の端面は、斜板部32の外側面32aと繋がっている。以下の説明において、外周部14、外方載置部24、斜側壁34および仕切部36を含む周状載置部22から外方に延出する部分を外方延出部40という。また、周状載置部22の外周縁からは下方に向かって円弧状の円弧壁42が延出している。円弧壁42の周方向外方の端面は、斜側壁34の径方向内方の端面と接合している。
【0026】
連接部18は、周状載置部22の内周縁から径方向内方に向かって円周状に延出している。該連接部18は、径方向内方に向かって斜め下方に傾斜しながら延出している。内周部16は、連接部18の内周縁からさらに径方向内方に向かって円周状に延出している。該内周部16は、径方向内方に向かって水平に延出している。なお、内周部16を連接部18の内周縁から径方向内方に向かって斜め下方に緩やかに傾斜するように設けても良い。載置部12、外周部14、内周部16、連接部18、斜側壁34、仕切部36および円弧壁42の厚みは、それぞれ2〜4mmであるのが好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0027】
図3は、ウェーハ収納容器10にウェーハ44を収納し、上下方向にウェーハ収納容器10を複数積み重ねる工程を説明するための図である。図4は、図3中において重ねられたウェーハ収納容器10を矢示B方向から見た正面図である。
【0028】
図3に示すように、ウェーハ44は、ウェーハ収納容器10の載置部12に載置される。ウェーハ44は、直径300〜450mm程度の円盤状の形態を有している。ウェーハ収納容器10は、運搬時若しくは保管時には、それぞれウェーハ44を収納した状態で複数個積み重ね、使用される。ウェーハ収納容器10は、外周部同士が、それぞれ両端に設けられる斜側壁34によって位置合わせされ、他のウェーハ収納容器10の上に積み重ねられる。具体的には、下方に配置されるウェーハ収納容器10の外周部14が、その上方に重ねられるウェーハ収納容器10の外周部14の裏側(下側)に形成される空間部46に嵌まる(図4を参照)。外周部14が空間部46に嵌まった状態では、上下のウェーハ収納容器10の斜側壁34同士がそれぞれ接触した状態となっている。すなわち、上方に重ねられたウェーハ収納容器10の2つの斜側壁34で下方に配置されるウェーハ収納容器10の2つの斜側壁34の外側を狭持した状態となっている。このため、ウェーハ収納容器10同士がずれたり、ガタつくことを防止できる。また、この状態では、仕切部36の下端面が平板部30の上端面と当接するため、積み重ねられたウェーハ収納容器10の高さ方向の寸法を常時一定にすることができる。この結果、積み重ねられたウェーハ収納容器10の内周部16が、その下方に配置されるウェーハ44に接触するのを防止できる。
【0029】
図5は、図3におけるC−C線で切断した断面図である。図6は、図5における一点鎖線で囲った部分Dの拡大図である。
【0030】
図5および図6に示すように、ウェーハ収納容器10にそれぞれウェーハ44を収納し複数個積み重ねた状態では、ウェーハ44の下側の外周縁44aのみが、載置部12と接触している。具体的には、外周縁44aは斜板部32と外方載置部24との境界部である境界縁48と接触している(図6を参照)。すなわち、ウェーハ44は外方載置部24に対して線接触すると共に、ウェーハ44と外方載置部24との間には隙間Gを有する状態となっている(図6を参照)。したがって、ウェーハ44の下面44bは外方載置部24の載置面28と面接触しない。また、上述したように、ウェーハ収納容器10を積み重ねた状態では、仕切部36の下端面が平板部30の上端面と当接することで、上下に積み重ねられたウェーハ収納容器10間における高さ方向への位置決めがされている。そのため、ウェーハ44と内周部16との間には隙間Hを有する(図6を参照)。したがって、ウェーハ44の上面44cは内周部16の下面16aと面接触しない。このように、ウェーハ44を収納したウェーハ収納容器10を積み重ねても、ウェーハ44がウェーハ収納容器10と面接触することはない。
【0031】
図7は、ウェーハ44をウェーハ収納容器10から取り出す際に用いられる冶具50の構成を示す図であり、(A)は、その斜視図であり、(B)は、(A)において、冶具50の上方に設けられる突出部54を矢示E方向から見た拡大図である。
【0032】
図7(A)に示すように、冶具50は、円柱状の円柱部52と、当該円柱部52の上面の外縁からさらに上方に立設される4つの突出部54とを有する。突出部54は、円柱部52の外縁において周方向に向かって90度おきに設けられている。図7(B)に示すように、当該突出部54の上方の先端面55には、その先端面55の外縁よりも円柱部52の径方向内側が低くなるような段差56が形成されている。先端面55は、突出部54の先端部の外縁部に設けられた平面状の平面部55aと、平面部55aから径方向内方に向かって急角度で斜め下方に傾斜する急傾斜面55bと、急傾斜面55bの内縁から径方向内方に向かって緩い角度で斜め下方に傾斜する緩傾斜面55cとを有している。段差56は、急傾斜面55bと緩傾斜面55cとによって形成されている。緩傾斜面55cにウェーハ44を載置すると、ウェーハ44が横方向にずれても、急傾斜面55bによって、ウェーハ44の外側への過度のずれを防止できる。また、段差56の角部(急傾斜面55bと緩傾斜面55cとの境界部)にウェーハ44の下側の外周縁44aが接触するようにウェーハ44を載置すると、ウェーハ44が横方向にずれるのを確実に防止できる。
【0033】
次に、本発明の実施の形態に係るウェーハのハンドリング方法について説明する。
【0034】
図8および図9は、ウェーハ44をウェーハ収納容器10から取り出す方法を段階的に示す図である。
【0035】
一般的に、まず、複数積み重ねられたウェーハ収納容器10は、搬送用のケースに納められた後、指定のスペースに配置される。搬送用のケースの搬送方法は特に限定されるものではなく、例えば、地面上に走行する自走型搬送車により搬送する方法、または室内の天井に設けられたレールに沿って搬送用のケースを搬送する方法が挙げられる。ウェーハ収納容器10が目的地に搬送されると、ウェーハ搬送装置を用い、積み重ねられたウェーハ収納容器10からウェーハ収納容器10が1つずつ取り出され、該ウェーハ収納容器10からウェーハ44が取り出される。
【0036】
この実施の形態において、ウェーハ搬送装置は、ベース板上に設けられた搬送ロボットであり、機台座(図示せず)と、アーム部60とからなっている。アーム部60は、旋回基軸(図示せず)を介して機台座に対して回転自在、かつ昇降自由になる第1アーム61と、当該第1アーム61の端部に設けられた第1回転軸63を中心として第1アーム61に対して回転可能な第2アーム62と、当該第2アーム62の端部に設けられた第2回転軸64を中心として第2アーム62に対して回転可能なウェーハ収納容器保持部65とを有している。ウェーハ収納容器保持部65は、2本の挟持部66からなり、両挟持部66間の距離を調整することによって、種々の直径を有するウェーハ収納容器10の挟持に対応させることができる。各挟持部66の先端の内側には、ウェーハ収納容器10に接する接触部67が設けられている。接触部67は、リング状のウェーハ収納容器10の外周部14の裏側と接触する。各挟持部66の材質は、特に限定されるものではなく、例えば、ステンレス等の金属を好適に採用することができる。なお、取り出す際に、直接、ウェーハ収納容器10と接触する接触部67に対し、例えばフッ素樹脂等によりコーティング処理を行い、摩擦を生じにくくすることが可能である。摩擦で生じた粒子によるウェーハ44の汚染を、低減することができるからである。
【0037】
次に、図8(A)および図8(B)に示すように、ウェーハ収納容器保持部65が第2回転軸64を中心として閉じることにより、接触部67は、リング状のウェーハ収納容器10の外周部14の裏側と接触する。また、アーム部60を上昇させることにより、リング状のウェーハ収納容器10をその直下にあったウェーハ収納容器10から分離する。続いて、ウェーハ収納容器保持部65は、第1アーム61と第2アーム62の回動に伴い、冶具50の上方まで移動する。その際、ウェーハ収納容器10に設けられた切欠部20の位置が冶具50の突出部54の位置と対応するように位置調整する(配置工程)。
【0038】
続いて、図9に示すように、ウェーハ44が収納されたウェーハ収納容器10を冶具50に向けて降下させていく。すると、突出部54が切欠部20の下方から挿入される。切欠部20の下方から挿入された突出部54は、ウェーハ収納容器10に収納されたウェーハ44に当接し、ウェーハ44のみが突出部54の上方に残り、ウェーハ収納容器10は、切欠部20を介して冶具50の円柱部52の上方に落ちる(降下工程)。突出部54において、ウェーハ44の外周縁44aは4つの突出部54の緩傾斜面55cと線接触の状態となる。その結果、ウェーハ44の搬送時に、ウェーハ44の裏面に傷がつくことを防止できる。また、ウェーハ44を載置する突出部54の先端に形成される緩傾斜面55cは、ウェーハ44の径方向内側に向かって斜め下方に傾斜した形態を有しているので、ウェーハ44のハンドリング中にわずかに振動があっても、ウェーハ44を当該突出部54の先端面55上に載置し続けることができる。
【0039】
図10および図11は、ウェーハ44を突出部54に載置した後に、ウェーハ44を移動する方法を段階的に示す図である
【0040】
この実施の形態において、ウェーハ44を突出部54の上面に載置させた後、別のウェーハ搬送装置を用い、突出部54上からウェーハ44を所望の場所に移動させる。ウェーハ搬送装置は、ベース板上に設けられた搬送ロボットであり、機台座(図示せず)と、アーム部70とからなっている。アーム部70は、旋回基軸(図示せず)を介して機台座に対して回転自在、かつ昇降自由になる第1アーム71と、当該第1アーム71の端部に設けられた第1回転軸73を中心として第1アーム71に対して回転可能な第2アーム72と、当該第2アーム72の端部に設けられた第2回転軸74を中心として第2アーム72に対して回転可能なウェーハ保持部75とを有している。ウェーハ保持部75は、略U字状の挿入アーム部76からなり、冶具50において隣り合う突出部54と突出部54との間に形成された隙間から挿入することができる。挿入アーム部76の材質は、特に限定されるものではなく、例えば、ステンレス等の金属またはセラミック等を好適に採用することができる。なお、取り出す際に、直接、ウェーハ44の裏面と接触する挿入アーム部76に対し、ウェーハ44に傷つけない材質、例えばフッ素樹脂等によりコーティング処理を行うのが好ましい。
【0041】
図10(A)および図10(B)に示すように、まず、挿入アーム部76は、搬送ロボットの駆動によって、冶具50において隣り合う突出部54と突出部54との間に形成された隙間に挿入される。次に、図11(A)および図11(B)に示すように、アーム部70は、旋回基軸(図示せず)を介して上昇する。すると、挿入アーム部76は、ウェーハ44の裏面を支持しながら、冶具50の突出部54からウェーハ44をすくい上げることができる。そして、ウェーハ44を、所定の移動経路に従って搬送し、別の装置に投入して所定の処理を行う(移動工程)。このように、ウェーハ収納容器10が積載されている場合には、ウェーハ収納容器10、ウェーハ44の順に搬送することにより、スムーズにウェーハ44をウェーハ収納容器10から取り出すことができる。
【0042】
以上のように構成されたウェーハ収納容器10を積み重ねた状態では、ウェーハ44の外周縁44aは、外方載置部24と線接触している。そのため、ウェーハ44の下面44bは外方載置部24と面接触しない。すなわち、ウェーハ44と外方載置部24との間には隙間Gが形成される。また、ウェーハ収納容器10を積み重ねた状態では、仕切部36の下端面が平板部30の上端面と当接することで、上下に積み重ねられたウェーハ収納容器10間においての高さ方向への位置決めがされている。そのため、ウェーハ44と内周部16との間には隙間Hが形成される。したがって、ウェーハ44の上面44cは外方載置部24と面接触しない。その結果、ウェーハ44の表面に傷がつくのを防止できる。
【0043】
また、ウェーハ収納容器10は、外周部14同士が、それぞれ両端に設けられる斜側壁34によって位置あわせされて、他のウェーハ収納容器10の上に積み重ねられる。このため、ウェーハ収納容器10を重ね合わせた状態では、下方に配置されるウェーハ収納容器10の外周部14が、その上方に重ねられるウェーハ収納容器10の外周部14の裏側に形成される空間部46に嵌まった状態となっている。このため、ウェーハ収納容器10同士がずれたり、ガタつくのを防止できる。
【0044】
また、ウェーハ収納容器10は、中央に貫通孔を有するリング状の形態を有している。そのため、ウェーハ44が自重によって撓んだ場合、ウェーハ44が内周部16と接触するのを防止できる。また、中央が開口しているため、その開口部の容積だけウェーハ収納容器10の軽量化を図ることが可能となる。
【0045】
また、ウェーハ収納容器10には、切欠部20が設けられている。そのため、治具50の突出部54を切欠部20に挿入することで、ウェーハ収納容器10を切欠部20を介して治具50の下方に落とし込み、ウェーハ44のみを突出部54の上に残すことができる。その結果、ウェーハ44をウェーハ収納容器10から容易に取り出すことが可能となる。
【0046】
また、本実施形態に係るウェーハのハンドリング方法によれば、ウェーハ44の主表面上の領域を、搬送装置が移動することが無く、突出部54において、ウェーハ44の外周縁44aは4つの突出部54の緩傾斜面55cと線接触するだけなので、ウェーハ44が汚染されることを防止でき、ウェーハ収納容器10からウェーハ44を安全かつ高品質を保持して取り出すことができる。また、図11(B)、図11(A)、図10(B)、図10(A)、図9、図8(B)、図8(A)の順で操作して、ウェーハ44を載置するウェーハ保持部75を冶具50の突出部54に向けて降下させ、ウェーハ44を突出部54の上に載置した後、冶具50の内部に配置されたウェーハ収納容器10をウェーハ収納容器保持部65によって挟持して、該ウェーハ収納容器10を上昇させることにより、ウェーハ収納容器10にウェーハ44を収納することもできる。
【0047】
また、本実施形態に係るウェーハのハンドリング方法によれば、ウェーハ44の主表面上の領域を搬送装置等が移動することがなくなる。また、ウェーハ収納容器10および治具50は、ウェーハ44の外周縁44aと線接触するのみである。このため、ウェーハ44が汚染されるのを防止でき、ウェーハ収納容器10からウェーハ44を安全かつ高品質な状態で取り出すことができる。
【0048】
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明は上述の形態に限定されることなく、種々変形した形態にて実施可能である。
【0049】
上述の実施の形態では、ウェーハ収納容器10は、その中央に貫通孔を有する円形のリング状の形態を有しているが、この形態に限定されるものではなく、中央に開口部を有しない形態としても良い。また、ウェーハ収納容器10の外形は、円形のリング形状に限定されるものではなく、六角形、八角形または楕円形等の他の形態を有するリング形状としても良い。
【0050】
また、上述の実施の形態では、切欠部20および外方延出部40はそれぞれ4つずつ設けられているが、切欠部20および外方延出部40の数は、それぞれ4つに限定されるものではなく、それぞれの個数を3つ以下としても良いし、5つ以上としても良い。
【0051】
また、上述の実施の形態では、治具50には、4つの突出部54が設けられているが、突出部54の数は4つに限定されるものではなく、3つ以下としても良いし、5つ以上としても良い。この場合、切欠部20の形態を突出部54の個数と対応させることが必要となる。
【0052】
また、上述の実施の形態では、配置工程、降下工程および移動工程はロボット等の機械によって行われているが、これらの各工程を人が行うようにしても差しつかえない。また、ロボット等が配置工程および降下工程を行う場合、ロボット等によって、ウェーハ収納容器10の外周部14の表面を吸着させて、ウェーハ収納容器10を移動しても良い。しかし、この方法に特に限定されるものではない。
【0053】
また、上述の実施の形態では、ウェーハ収納容器保持部65およびウェーハ保持部75を移動させる手段として、2関節アームを用いたが、アームの構成は2関節に限定されるものではない。また、ウェーハ収納容器10を移動させるウェーハ収納容器保持部65は、2本の挟持部66に限らず、必要に応じて、2本以上の挟持部66を有するウェーハ収納容器保持部65としても良い。
【0054】
また、上述の実施の形態では、図7(B)に示すように、先端面55には段差56が形成されているが、図12に示すように、先端面55を、突出部54の先端部の外縁から円柱部52の径方向内側に向かって斜め下方に一定角度で傾斜する面としても良い。先端面55を一定角度で傾斜する面とした場合、ウェーハ44が横方向にずれても、先端面55の傾斜によって、ウェーハ44の過度のずれを防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、ウェーハを輸送するための収納容器を製造あるいは使用する産業において利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施の形態に係るウェーハ収納容器の斜視図である。
【図2】図1中おけるウェーハ収納容器を矢示A方向から見た正面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るウェーハ収納容器にウェーハを収納し、上下方向にウェーハ収納容器を複数積み重ねる工程を説明するための図である。
【図4】図3中において重ねられたウェーハ収納容器を矢示B方向から見た正面図である。
【図5】図3におけるC−C線で切断した断面図である。
【図6】図5における一点鎖線で囲った部分Dの拡大図である。
【図7】ウェーハをウェーハ収納容器から取り出す際に用いられる冶具の構成を示す図であり、(A)は、その斜視図であり、(B)は、(A)において、冶具の上方に設けられる突出部を矢示E方向から見た拡大図である。
【図8】ウェーハ収納容器からウェーハを取り出す方法を段階的に示す図である。
【図9】図8に続いて、ウェーハ収納容器からウェーハを取り出す方法を段階的に示す図である。
【図10】ウェーハ収納容器から取り出したウェーハを搬送する方法を段階的に示す図である。
【図11】図10に続いて、ウェーハ収納容器から取り出したウェーハを搬送する方法を段階的に示す図である。
【図12】本発明の変形例を説明するための図であり、図7に示す冶具の突出部を別の形状とした場合を示す図である。
【符号の説明】
【0057】
10…ウェーハ収納容器
12…載置部
14…外周部
16…内周部
18…連接部
20…切欠部
28…載置面(第1の傾斜面)
34…斜側壁(側壁)
40…外方延出部
44…ウェーハ
44a…外周縁
46…空間部
50…治具
52…円柱部
54…突出部
55b…急傾斜面(第2の傾斜面の一部)
55c…緩傾斜面(第2の傾斜面の一部)
60,70…アーム部
61,71…第1アーム
62,72…第2アーム
63,73…第1回転軸
64,74…第2回転軸
65…ウェーハ収納容器保持部
66…狭持部
67…接触部
75…ウェーハ保持部
76…挿入アーム部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハの外周縁より外側にある外周部と、
上記外周部の最上面よりも低い位置からウェーハの径方向内側に延出し、ウェーハを上記外周部の最上面よりも低い位置で載置する載置部と、
を備えるウェーハ収納容器であって、
上記載置部は、ウェーハの径方向内側に向かって延出すると共に、その上面にはウェーハを載置した際にウェーハの外周縁とのみ接触できるように径方向内方に向かって斜め下方に傾斜する第1の傾斜面を有し、上記外周部の周方向に沿った複数の箇所からは、当該外周部の外周縁から上記載置部に至るまで径方向内方に向かって切り欠かれた切欠部が形成されており、上記ウェーハ収納容器を複数重ねた際に、上記外周部同士が接触することにより、下方の上記ウェーハ収納容器に対してその上に重ねられた上記ウェーハ収納容器が位置決めされることを特徴とするウェーハ収納容器。
【請求項2】
前記切欠部は、前記ウェーハ収納容器の周方向に沿って所定の間隔を隔てて設けられていることを特徴とする請求項1記載のウェーハ収納容器。
【請求項3】
前記外周部は、その裏側に空間となる空間部を有する状態で上方に向かって突出する凸状の形態を有しており、前記ウェーハ収納容器を複数重ねた場合、下方の前記ウェーハ収納容器の外周部がその上に重ねられた前記ウェーハ収納容器の上記空間部に嵌まり、下方の前記ウェーハ収納容器における外周部の両側壁と、その上に重ねられた前記ウェーハ収納容器の上記外周部の両側壁とが接触することによって前記位置決めがなされることを特徴とする請求項1または2記載のウェーハ収納容器。
【請求項4】
前記ウェーハ収納容器は、中央が貫通したリング状の形態を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のウェーハ収納容器。
【請求項5】
ウェーハの外周縁より外側にある外周部と、
上記外周部の最上面よりも低い位置からウェーハの径方向内側に延出すると共に、その上面には径方向内側に向かって斜め下方に傾斜する第1の傾斜面を有し、ウェーハを上記外周部の最上面よりも低い位置で載置する載置部と、
上記外周部の周方向に沿った複数の箇所に、当該外周部の外周縁から上記載置部に至るまで径方向内方に向かって切り欠かれた切欠部と、
を備えるウェーハ収納容器からウェーハを取り出し、あるいは該ウェーハ収納容器にウェーハを収納するウェーハのハンドリング方法であって、
上記切欠部の位置に対応して、上記切欠部のウェーハ外周縁より外側からウェーハの径方向内側に向かって斜め下方に傾斜する第2の傾斜面を有する先端面を備えた突出部を複数有する冶具を上記切欠部の下方から挿入することにより、上記第2の傾斜面を上記ウェーハ収納容器に収納されたウェーハの上記外周縁に接触させてウェーハを保持し、ウェーハを上記ウェーハ収納容器から上方に浮かせてから取り出すことを特徴とするウェーハのハンドリング方法。
【請求項6】
ウェーハの外周縁より外側にある外周部と、
上記外周部の最上面よりも低い位置からウェーハの径方向内側に延出すると共に、その上面には径方向内側に向かって斜め下方に傾斜する第1の傾斜面を有し、ウェーハを上記外周部の最上面よりも低い位置で載置する載置部と、
上記外周部の周方向に沿った複数の箇所に、当該外周部の外周縁から上記載置部に至るまで径方向内方に向かって切り欠かれた切欠部と、
を備えるウェーハ収納容器からウェーハを取り出し、あるいは該ウェーハ収納容器にウェーハを収納するウェーハのハンドリング方法であって、
上記切欠部の位置に対応して、上記切欠部のウェーハ外周縁より外側からウェーハの径方向内側に向かって斜め下方に傾斜する第2の傾斜面を有する先端面を備えた突出部を複数有する冶具の内側に、上記切欠部内に上記突出部が収まるよう上記ウェーハ収納容器をセットした状態で、ウェーハの外周縁を第2の傾斜面に載置し、上記ウェーハ収納容器をウェーハの上記外周縁と接触するまで上昇することによりウェーハを上記ウェーハ収納容器に収納することを特徴とするウェーハのハンドリング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−105116(P2009−105116A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−273593(P2007−273593)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】