説明

ウエブ材料に被覆を真空蒸着する装置

【課題】金属なし領域を高精度に画定するのに適しているにもかかわらず簡単で信頼できる手段によって連続した基板上にパターンに合わせた領域又はいずれの場合にも金属なし領域を形成できる金属化装置を提供する。
【解決手段】ウエブ材料Nに被覆を真空蒸着する装置は、ウエブ材料の送り通路と、上記ウエブ材料を案内する処理ローラ19と、処理ローラと組合わされ、被覆を形成する材料の少なくとも一つの蒸発源と、予め確立したパターンに従ってウエブ材料にマスキング剤を施すアプリケータユニット51とを有する。アプリケータユニットは、上記マスキング剤の分配シリンダ55と共動する印刷シリンダ53及び上記マスキング剤の源57を備える。アプリケータユニット51は、側部に、処理ローラ19に対するアプリケータユニット51の位置を調整する互いに分離した調整手段73を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙、高分子フィルム或いはその他の材料のような連続した基板の金属化装置に関するものである。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、種々の形状の金属なし領域を形成する、例えばコンデンサを製作する非導電性材料のストリップのような完成品の特殊なパターン又は技術的・機能的特性を得る手段を備えた上記型の装置に関する。
【背景技術】
【0003】
高分子フィルムや紙などのような基板上に金属材料の層を真空蒸着するためには、普通真空金属化システムが使用され、被覆すべき基板のリールはチャンバ内に挿置され、基板は連続して繰り出されて処理ローラのまわりに供給され、処理済み製品のリールに再び巻き取られることになる。処理ローラの下方には蒸発源が位置決めされ、金属(又はその他の材料)の蒸気を発生し、蒸気はフィルム又はその他の基板の対向する面に薄い被覆層の形態で凝縮する。
【0004】
蒸発源は、例えば、電流を流すことによるジュール効果で加熱される、耐熱性の高度に導電性の焼結材料製のボートから成っている。蒸発されることになる金属はこれらのボートに供給される。連続供給システムでは、この金属は、ある量の金属を絶え間なく蒸発させるような供給速度でそれぞれのリールから繰り出されるアルミニウム又は他の適当な材料のワイヤの形態で供給される。
【0005】
この形式のシステムは特許文献1、特許文献2、特許文献3、及び特許文献4に記載されている。これらのシステムに使用するのに適した、ジュール効果で加熱されるボート即ち蒸発源の特殊な実施形態は、特許文献5に記載されている。
【0006】
例えば、コンデンサの製造用の金属化フィルム、或いは包装用の金属化フィルムを製作する或特定の応用では、パターンに合わせて金属なし領域を形成する必要がある。この目的で、特許文献6には、例として金属なしの部分を残さなければならない領域に金属が固着するのを防ぐため、金属化すべき基板にオイルを噴霧するノズルシステムが記載されている。その結果、蒸発源の前方に位置した処理ロールのまわりにフィルムが供給される際に、オイルで濡れた領域は金属なしのままである。オイルの添加量は極少量であり、通常、特殊な除去手段を設ける必要なしにフィルムから蒸発する。
【0007】
特許文献7には同じ目的のシステムが記載されており、その場合にはオイルは長手方向金属なし帯状部分を形成するように長手方向カバーストリップに施される。また特許文献8には、金属なし部分を残すフィルムの部分を覆う連続した撓み性部材で形成したマスキングによって金属なしストリップを得るようにした真空金属化装置が記載されている。これらの両システムは長手方向にのびる金属なし帯状体即ちストリップを製作するの適しているだけである。
【0008】
特許文献9及び特許文献10には、一方がフィルムにオイルを分配し、他方が源からオイルを集める一対の回転ローラによって金属で被覆すべきフィルムにオイルを施すシステムが記載されている。かかる源は巻取りローラと貯蔵タンクとによって或いはローラの表面に施すオイルを流す一連のノズル又はオリフィスによって構成され得る。
【0009】
特許文献11には、多数のノズルを備えた横断導管から成り、この横断導管からオイルを蒸発してノズルの前方に供給されるフィルム上に凝縮させるようにした、金属化すべきフィルムにオイルを施す装置が記載されている。同様なシステムは特許文献12に記載されている。
【0010】
特許文献13には、金属化すべきフィルムにオイルを施すローラシステムが記載されている。アプリケータローラは、得ようとする金属なし領域の形状に合わせて変動する形態の突起パターンを備えることができる。
【特許文献1】WO−A−03/038142
【特許文献2】EP−A−0082001
【特許文献3】US−A−4,962,725
【特許文献4】US−A−5,350,598
【特許文献5】EP−A−1408135
【特許文献6】US−A−5,223,038
【特許文献7】US−A−4,478,878
【特許文献8】US−A−5,652,022
【特許文献9】US−A−4,832,983
【特許文献10】US−A−5,136,462
【特許文献11】US−A−6,048,402
【特許文献12】US−A−5,942,283
【特許文献13】EP−A−0.447.550
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、金属なし領域を高精度に画定するのに適しているにもかかわらず簡単で信頼できる手段によって連続した基板上にパターンに合わせた領域又はいずれの場合にも金属なし領域を形成できる金属化装置又はシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
実際に、本発明は、真空環境におけるウエブ材料の送り通路と、上記送り通路に沿って設けられ、上記ウエブ材料を案内する処理ローラと、上記処理ローラと組合わされ、被覆を形成する少なくとも第1材料の少なくとも一つの蒸発源と、上記少なくとも一つの蒸発源の上流でウエブ材料の送り通路に沿って設けられ、予め確立したパターンに従ってウエブ材料にマスキング剤を施し、上記マスキング剤の分配シリンダと共動する印刷シリンダ及び上記マスキング剤の源を備えたアプリケータユニットとを有するウエブ材料に被覆を真空蒸着する装置を提供する。特徴としては、アプリケータユニットは、端部即ち側部に、処理ローラに対するアプリケータユニットの位置及び/又はアプリケータユニットと処理ローラとの間の接触力を調整する互いに分離した調整手段を備えている。
【0013】
好ましくは、蒸発源は、排他的ではないアルミニウムのような金属の蒸発源である。しかし、本発明は、酸化物のような非金属材料を堆積させる真空被覆形成システムにも応用できる。
【0014】
本発明の実際の実施形態で、調整手段は、アプリケータユニットの各側部に、印刷シリンダを処理ローラに向って押圧するアクチュエータを備えている。
【0015】
例えば、処理ローラに対して印刷シリンダの位置を画定するそれぞれの調整可能な止め部材は、アプリケータユニットの各端部に組み合わされる。
【0016】
本発明の有利な実施形態によれば、印刷シリンダは迅速に交換できるように取り外し可能に支持される。例えば、処理ローラに向って動かすため可動の二つの側部パネルに、開放可能な支持体が設けられ、例えば走行クレーン又はホイストのような適当な装置によって操作される把持部材に上記シリンダの端部を係合させることにより印刷シリンダを取外したり交換できる。
【0017】
マスキング剤の源は有利にはマスキング剤を液体の形態で収容する容器を備えることができ、分配シリンダはその中に部分的に浸される。
【0018】
マスキング剤の源は、容器及び上記容器からの上記マスキング剤を蒸発させる手段とを備えることができ、この場合分配シリンダは、上記源から蒸発したマスキング剤をそれの円筒状表面に凝縮させるように構成されている。
【0019】
代わりに、分配シリンダは、製品の吸着及び印刷シリンダへの製品の移送機能をもつようにマスキング剤のレベルより部分的に下方に配置され得る。
【0020】
本発明の別の有利な特徴及び実施形態は以下の説明及び特許請求の範囲に示される。
【0021】
本発明は、以下に、本発明を限定しない実際の実施形態を示す以下の説明及び添付図面からさらに良く理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1には、真空金属化システムの内部の垂直平面に沿った断面を概略的に示している。
【0023】
図示システムは容器即ち排気可能な主チャンバ3を有し、このチャンバ3は金属化すべきウエブ基板N、例えば高分子フィルム、紙などのストリップのリールに対する二つの支持体5、7を収容している。支持体5には処理すべき基板のリールB1が配置され、基板は駆動ローラ9、11、13、15、17で画定した送り通路に沿って送られる。支持体7には、形成されることになる第2のリールが配置され、この第2のリール上に金属化した基板が巻き取られる。
【0024】
ローラ11とローラ13との間には、直径の大きな処理ローラ19が位置決めされ、この処理ローラ19はチャンバ21内に一部突出し、このチャンバ21は分離壁23によって上方のチャンバ25と分離されており、上方のチャンバ25内には基板のリールの支持体5、7が配置されている。チャンバ21はチャンバ25より高い真空度に維持される。分離壁23およびチャンバ21、25の設けられないシステムも存在する。その場合には、繰り出しリール、巻取りリール、基板Nの通路、処理ローラ19及び蒸発源は全て同一チャンバ内に設けられる。また処理ローラに隣接してガードローラとして知られた第3のチャンバが設けられるシステムも存在する。
【0025】
リールB1から繰り出され、処理ローラ19のまわりに送られるウエブ基板Nは、支持体7におけるリールに徐々に巻き取られて金属化した基板のリールを形成する。繰り出し中、ウエブ基板Nが処理ローラ19のまわりに送られている間に、処理ローラ19の下方でチャンバ21内に位置した一連の源31から蒸発された金属は、処理ローラ19と接触しない基板の表面に堆積される。符号Vで略示した蒸発材料は、基板の送り方向fNに直角に、即ち図面の面に直角に整列して配列した互いに隣接した源31から放出される。図1にはただ一つの源のみが示されている。
【0026】
金属化システムの構造は変更でき、図1に示す実施形態は単に、本発明の実施できる可能なシステムの概略例にすぎない。
【0027】
リールB1から繰り出され、真空蒸着を行わなければならない基板Nの送り側において、処理ローラ19上にはアプリケータユニット51が位置決めされ、適当なパターンに従って、基板Nが金属化源即ち蒸発源31の前を通過する前に基板Nの表面にオイルの薄膜を施す。アプリケータユニット51の形態については、図2の線図を参照して以下に詳細に説明する。
【0028】
アプリケータユニット51は、第1の印刷シリンダ53を有し、この第1の印刷シリンダ53はその表面に、基板N上に金属なし領域で形成されることになるパターンに相応した形状及び分布の突起部からなる突起パターンを備えている。第1の印刷シリンダ53は、処理ローラ19のまわりに送られる基板Nに対して相対速度がゼロとなるように矢印f53に従って回転する。第1の印刷シリンダ53の円筒状面は弾性的に撓む材料で少なくとも一部分形成され得る。
【0029】
第1の印刷シリンダ53は、好ましくは第1の印刷シリンダ53の速度に等しい周速度で矢印f55の方向に回転するアニロックスシリンダ55に接触している。このアニロックスシリンダ55は、第1の印刷シリンダ53の突起パターンにおけるオイルの分配シリンダを形成している。アニロックスシリンダ55の表面は、例えばレーザー彫刻によって彫り込まれて、多数の小さなセル(スクリーン)を形成し、これらのセル内に、以下に詳細に説明しかつオイル源を構成する分配ユニット57によって分配されるオイルが保持される。こうしてアニロックスシリンダ55のセル内に保持されるオイルは、第1の印刷シリンダ53の突起部の前面に転移される。
【0030】
分配ユニット57は実際には抵抗61のシステムによって随意に加熱されるオイルOの入った容器59を備えている。符号63、65で示す二つのドクターブレードは、容器59の開口とアニロックスシリンダ55の円筒状面との間の空間を閉じる。二つのドクターブレード63、65の各々は、図示例では、振動軸線A又はBのまわりで振動しかつアニロックスシリンダ55及び容器59の実質的に全長手方向にわたってのびる実質的に堅固なプロフィール(輪郭)63A、65Aを備えている。これらプロフィール63A、65Aの各々には撓み性シート63B、65Bが設けられ、これらの撓み性シート63B、65Bは、装置の動作中、アニロックスシリンダ55の円筒状側面と接触する。
【0031】
プロフィール63A、65Aは圧縮ばね63C、65Cによって押圧されて撓み性シート63B、65Bをシリンダ55の円筒状面に押し当てる。圧縮ばね63C、65Cは、アニロックスシリンダ55におけるドクターブレードの圧力を調整するように調整できる。
【0032】
上記の部材、即ち分配ユニット即ち源57、アニロックスシリンダ即ち分配シリンダ55及び印刷シリンダ53は側部パネル71で支持される。これらの側部パネルは、処理ローラ19の円筒状面及び従って上記ローラのまわりに送られる基板Nに近接させたり、遠ざけたり調整でき、或いは上記ローラに対して制御された力でスラストできる。有利には、スラスト及び/又は位置の調整は二つの側部パネルについて即ち印刷シリンダ53及びアニロックスシリンダ即ち分配シリンダ55の二つの端部について別個に行うことができる。
【0033】
処理ローラ19に近付ける又は遠ざけるように側部パネル71を調整又は動かす動きは符号f71で示す。印刷シリンダ53は側部パネル71に対して固定した軸線53Aにおいて側部パネルに支持され、従って処理ローラに向って側部パネルを調整又は動かす矢印f71に沿った動きは、印刷シリンダ53が処理ローラ19に多少近づくように動かされることを意味している。代わりに、処理ローラ19と印刷シリンダ53との間の相互位置は、処理すべきウエブ材料即ち基板Nの厚さに等しいままであるが、シリンダ53によって処理ローラ19に作用するスラスト力及び従って基板Nとの接触力は適当に調整又は制御できる。
【0034】
有利な実施形態によれば、それぞれのアクチュエータ73は、二つの側部パネル71の各々に組合わされ、この例では流体または空気ピストン−シリンダアクチュエータで表されている。代わりに、ウォームねじのような機械的伝動装置を備えた電子制御型電動機のような機械的又は電気的アクチュエータを用いることもできる。さらに、別の実施形態では、簡単な男性スラスト部材が設けられ得る。
【0035】
それぞれ二つの側部パネルと組合わせて二つのアクチュエータを設けることにより、二つの各側部パネル71が処理ローラ19に向ってスラストする力を別個に調整することができる。これにより、基板Nの全幅にわたってウエブ材料即ち基板Nと印刷シリンダ53との間の接触圧に一様にさせることができる。代わりに或いは組み合わせることにより、アクチュエータ73は、処理ローラに対する印刷ローラの位置を調節するようにでき、上記シリンダの二つの端部を別個に調整する。
【0036】
可能で有利な解決手段としては、各側部パネルについて位置を電子制御しかつ任意にスラストを制御する電気アクチュエータを設けることもできる。
【0037】
本発明の有利な実施形態では、各側部パネル71に対して調整可能な止め部材72を組合わせることができ、それにより、各側部パネルの位置は互いに別々に調整でき、処理ローラ19に対して印刷シリンダの位置決めを最適にでき、しかも調整可能な止め部材72に対してアクチュエータ73のスラストを通して動作位置を維持することができる。
【0038】
二つの調整可能な止め部材72が設けられる場合には、アクチュエータ73は、それぞれの側部パネルをこれらの止め部材に安定して接触させて作動でき、処理ローラ19に対して印刷シリンダの相互に調整可能な位置が設定できる。代わりに或いは組み合わせることにより、止め部材は弾性であることができる。その場合には、アクチュエータは、止め部材72に対して側部パネル71をスラストでき、望ましくない応力を生じさせることなく、動作状態におけるあらゆる変動にシステムを適応させることができる。
【0039】
実際に以下の種々の解決手段を個々に或いは組み合わせて使用することができる。
・例えば位置エンコーダを備えた位置制御型アクチュエータ、
・例えばロードセル又は他のスラストセンサーを備えたスラスト制御型アクチュエータ、
・好ましくはそれ自体弾性であり、例えば空気力アクチュエータである堅固な調整可能な止め
部材、
・弾性又は少なくとも適度に弾性である調整可能な止め部材。
【0040】
また、例えばアクチュエータ及び動作調整リングの形式を適当に選択することにより止め部材なしでスラスト及び/又は位置制御システムを備えたアクチュエータ73のみを使用することもできる。
【0041】
アニロックスシリンダ55はそれの端部を、側部パネル71と一体のガイド(図示していない)に装着した支持ブロック75で支持される。二つの側部パネル71の各々におけるスラスト部材77は、アニロックスシリンダ55の相応した端部を印刷シリンダ53に向って別個に押圧し、この場合、上記シリンダ間の(シリンダ55、53の軸線方向伸張部に沿った)圧力を実質的に一様に分布させることができる。代わりに、好ましい実施形態によれば、それぞれの支持ブロック75に対する調整可能な止め部材76は各側部パネル71に設けられ、印刷シリンダ53に対してアニロックスシリンダ55の位置を最適に調整することができる。
【0042】
スラスト部材77は例として示すように好ましくは弾性部材であるが、例えば流体力型、空気力型、電気型或いは機械型のアクチュエータであってもよい。
【0043】
また、スラスト部材77及び調整可能な止め部材76の場合には(アクチュエータ73及び止め部材72の場合のように)、調整可能な堅固なまたは弾性止め部材と組み合わせて種々の形式のアクチュエータ又は単純な弾性スラスト部材を用いて、アニロックスシリンダ55の二つの端部で別個に調整することで、印刷シリンダ53に対してアニロックスシリンダ55の位置及び/又はスラストを調整することができる。
【0044】
分配ユニット57は好ましくは、アニロックスシリンダ55と一緒に支持ブロック75により動くように支持ブロック75と一体に構成される。アニロックスシリンダ55が容器59内のオイルOに浸されている図示したものに代えて、アニロックスシリンダ55はオイルOの自由面上に位置決めすることができ、オイルOは容器から蒸発し、そしてアニロックスシリンダ55の表面に凝縮するようにされ得る。
【0045】
上記の手段により、アプリケータユニット1の最適調整及び極めて規則的な動作が得られ、パターンの高精細度、精度及び反復性をもつ金属なし領域を作ることができる。
【0046】
アプリケータユニットの可能な形態の少なくとも幾つかでは、シリンダの一方又は他方をスラスト及び/又は相互位置にする力は、外部制御装置を用いて閉じた金属化チャンバで又必要ならば堆積処理中に調整できる。このようにして、完成品の性能および品質に関して別の利点が得られる。
【0047】
図面は純粋に本発明の実際の構成として設けた例を示すにすぎず、本発明の基礎とする概念の範囲から逸脱することなしに形状及び構成を変更できることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明が適用される金属化システム又は装置の概略断面図。
【図2】金属化すべき基板にオイルを施すシステムの細部を示す拡大図。
【図3】金属化すべき基板にオイルを施すユニット又はシステムの平面図。
【符号の説明】
【0049】
N :ウエブ材料
19:処理ローラ
31:蒸発源
51:アプリケータユニット
53:印刷シリンダ
57:マスキング剤の源
73:調整手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気可能なチャンバと、このチャンバ内に真空環境におけるウエブ材料(N)の送り通路と、上記送り通路に沿って設けられ、上記ウエブ材料を案内する処理ローラ(19)と、上記処理ローラと組合わされ、被覆を形成する少なくとも第1材料の少なくとも一つの蒸発源(31)と、上記少なくとも一つの蒸発源の上流でウエブ材料の送り通路に沿って設けられ、予め確立したパターンに従ってウエブ材料にマスキング剤を施し、上記マスキング剤の分配シリンダ(55)と共動する印刷シリンダ(53)及び上記マスキング剤の源(57)を備えたアプリケータユニット(51)とを有するウエブ材料に被覆を真空蒸着する装置において、
上記アプリケータユニット(51)が、二つの側部の各々に別個に設けられ処理ローラ(19)に対するアプリケータユニット(51)の位置及び/又はアプリケータユニット(51)と処理ローラとの間の相対接触力を調整する調整手段(73)を備えていることを特徴とする装置。
【請求項2】
上記少なくとも一つの蒸発源が、金属蒸発源であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
上記調整手段(73)が、アプリケータユニット(51)の各側部に、印刷シリンダ(53)を処理ローラ(19)に向って押圧するスラスト部材(73)を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の装置。
【請求項4】
上記スラスト部材が、弾性手段、空気力アクチュエータ、機械的アクチュエータ、流体力アクチュエータ、電気アクチュエータを含むグループから選択されることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
好ましくはアプリケータユニットの各側部に別々に設けられた位置調整手段が、上記スラスト部材と組み合わされていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の装置。
【請求項6】
好ましくはアプリケータユニットの各側部に別々に設けられた位置調整手段が、上記スラスト部材と組み合わされていることを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか一項に記載の装置。
接続ユニットが、接続ユニットの座の少なくとも部分を包囲する支持スリーブ(9)を備えていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
上記スラスト部材が弾性であることを特徴とする請求項3〜請求項6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
処理ローラに対して印刷シリンダの位置を画定するそれぞれ調整可能な止め部材(72)が、アプリケータユニット(51)の各端部に組み合わされていることを特徴とする請求項3〜7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
上記調整可能な止め部材が弾性であることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
上記印刷シリンダ、上記分配シリンダ(55)及び上記マスキング剤源(57)が、一対の側部パネル(71)によって端部に支持されていることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
上記止め部材(72)が上記側部パネル(71)と共動することを特徴とする請求項8〜請求項10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
上記スラスト部材(73)の一つが各側部パネル(71)と組み合わされていることを特徴とする請求項8〜請求項10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
上記分配シリンダ(55)が、上記側部パネル(71)に対して可動の支持ブロック(75)介在させて上記側部パネル(71)に支持されていることを特徴とする請求項10〜請求項12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
スラスト部材が、両端部において別個に上記印刷シリンダ(53)に向って上記分配シリンダ(55)を押圧するために上記支持ブロックの各々と組み合わされていることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
上記スラスト部材が、弾性スラスト手段、機械的アクチュエータ、空気力アクチュエータ、流体力アクチュエータ、電気アクチュエータを含むグループから選択された手段を備えていることを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
上記支持ブロックと組み合わさった上記スラスト部材が、上記ブロックの位置、印刷シリンダにおける分配シリンダのスラスト応力、或いはそれらの両方を調整する手段に組み合わされていることを特徴とする請求項14又は請求項15に記載の装置。
【請求項17】
上記スラスト部材が弾性であることを特徴とする請求項14〜請求項16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
印刷シリンダに対する分配シリンダの相対位置を画定するそれぞれの調整可能な止め部材(76)が、上記側部パネル(71)の各々に組み合わされていることを特徴とする請求項13〜請求項16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
上記止め部材(76)が弾性であることを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項20】
上記源(57)が、内部に上記分配シリンダののびる開口をもつタンク又は容器(59)を備えていることを特徴とする請求項1〜請求項19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
分配シリンダ(55)の円筒状面と共動する二つのドクターブレード(63、65)が上記開口に組み合わされていることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項22】
上記ドクターブレード(63、65)の各々が分配シリンダ(55)の円筒状面に対して弾性的に押圧されることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項23】
上記ドクターブレード(63、65)の各々が実質的に堅固なプロファイル(63A、65A)を備え、分配シリンダ(55)の軸線に平行な軸線のまわりで撓み性シート(63B、65B)と一緒に振動し、それぞれのドクターブレードの振動軸線に平行にのび、上記撓み性シートが使用中に分配シリンダ(55)の円筒状面に接触することを特徴とする請求項21又は請求項22に記載の装置。
【請求項24】
上記ドクターブレードの各々が、好ましくは調整可能な応力で、分配シリンダ(55)の円筒状面に対して弾性的に押圧されることを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項25】
上記源がマスキング剤を加熱する手段を備えていることを特徴とする請求項1〜請求項24のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
上記マスキング剤が油であることを特徴とする請求項1〜請求項25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
上記印刷シリンダが迅速に交換できるように取り外し可能に支持されていることを特徴とする請求項1〜請求項26のいずれか一項に記載の装置。
【請求項28】
上記印刷シリンダが複数の端部支持体で支持され、端部支持体の少なくとも一つが印刷シリンダの迅速な交換のために開放できることを特徴とする請求項27に記載の装置。
【請求項29】
上記マスキング剤の源が容器を備え、また上記分配シリンダが上記容器内に収容した液体マスキング剤に部分的に浸されることを特徴とする請求項1〜請求項28のいずれか一項に記載の装置。
【請求項30】
上記マスキング剤の源が容器と上記容器からの上記マスキング剤を蒸発させる手段とを備え、分配シリンダが上記源から蒸発したマスキング剤をそれの円筒状表面に凝縮させるように構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項28のいずれか一項に記載の装置。
【請求項31】
上記調整手段が、必要ならば蒸着処理中に、上記チャンバの外側から作動できることを特徴とする請求項1〜請求項29のいずれか一項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−186783(P2007−186783A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−316856(P2006−316856)
【出願日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【出願人】(506392333)ガリレオ バキューム システムズ ソチエタ ペル アチオーニ (1)
【Fターム(参考)】