説明

エピタキシャル薄膜の形成方法、半導体基板の製造方法、半導体素子、発光素子及び電子素子

【課題】装置コストが低く、形成される薄膜の結晶性が高くなるようなエピタキシャル薄膜の形成方法、半導体基板の製造方法、半導体素子、発光素子及び電子素子を提供すること。
【解決手段】ターゲットをパルス電圧によって間欠的にスパッタし、基板上に金属原子を間欠的に供給することにより、安定した格子位置の金属窒化物を基板上に成長させることができる。これにより、結晶性の極めて良好な半導体薄膜を形成することができる。加えて、本実施形態の一連の製造工程はスパッタ装置によって行うことが可能であるため、装置コストを低く抑えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エピタキシャル薄膜の形成方法、半導体基板の製造方法、半導体素子、発光素子及び電子素子に関する。
【背景技術】
【0002】
基板上に窒化物半導体の薄膜が設けられた半導体基板が知られている。この窒化物半導体は、有機金属及びアンモニアを原料とするMOCVD法や、超高真空中で原料を蒸着するMBE法、DCスパッタリング法などによって形成することができる。MOCVD法は、発生するガスの排ガス処理装置や安全装置が必要となるため、装置コストが高い。MBE法は、液体窒素を循環させて装置を冷却する必要があるため、この方法も装置コストが高い。DCスパッタリング法は、原理が単純であり安価なスパッタ装置が多く市販されていることから、装置コストはそれほど高くない。このため、比較的装置コストの低いDCスパッタリング法によって窒化物半導体の薄膜を形成することが多い。
【非特許文献1】Journal of Optoelectronics and Advanced Materials Vol. 7, No. 3, June 2005, p. 1421 - 1427
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、DCスパッタリング法によって形成すると、薄膜の結晶性が悪くなってしまい、良好な特性を得にくいという問題がある。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、装置コストが低く、形成される薄膜の結晶性が高くなるようなエピタキシャル薄膜の形成方法、半導体基板の製造方法、半導体素子、発光素子及び電子素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、本発明に係るエピタキシャル薄膜の形成方法は、金属窒化物からなる薄膜の形成方法であって、金属又は金属窒化物からなるターゲットを間欠的にスパッタし、窒素雰囲気中に設けられた対象物上に前記スパッタされた金属原子を堆積させることを特徴とする。
【0005】
本発明によれば、金属又は金属窒化物からなるターゲットを間欠的にスパッタすることとしたので、対象物上に金属原子を間欠的に供給することができる。対象物上に供給された金属原子は、次の金属原子が供給されるまでの間、時間的余裕を持って確実に安定な格子位置へマイグレーションすることとなる。金属原子は、安定な格子位置に移動した後、雰囲気中で活性化した窒素ラジカルと反応して金属窒化物の結晶となる。窒素ラジカルは寿命が長いため、金属原子の供給が間欠的であっても、ゆっくりと着実に金属原子と反応し続けることになる。安定な格子位置にある金属原子と窒素ラジカルとがゆっくりと着実に反応するため、形成される金属窒化物の格子位置も安定することとなる。
このように、金属又は金属窒化物からなるターゲットを間欠的にスパッタし、対象物上に金属原子を間欠的に供給することにより、安定した格子位置の金属窒化物を対象物上に成長させることができる。これにより、結晶性の極めて良好なエピタキシャル薄膜を形成することができる。加えて、本発明はスパッタリング装置によって行うことが可能であるため、装置コストを低く抑えることができる。
【0006】
上記のエピタキシャル薄膜の形成方法は、パルススパッタ法によって前記ターゲットをスパッタすることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、パルススパッタ法によってターゲットをスパッタすることとしたので、ターゲットを間欠的にスパッタする工程を容易に行うことができる。パルススパッタ法によってターゲットをスパッタすることにより、短時間で大量の金属を対象物上に供給することができる。対象物上の表面が金属リッチの状態となるため、金属原子のマイグレーションを活発にすることができる。これにより、結晶性の一層良好なエピタキシャル薄膜を形成することができる。
【0008】
上記のエピタキシャル薄膜の形成方法は、パルス放電を行う時間がパルス放電を行わない時間のほぼ5分の1以下となるように前記ターゲットをスパッタすることを特徴とする。
【0009】
本発明者らは、パルススパッタ法によってターゲットをスパッタする際に、パルス電圧を印加する時間がパルス電圧を印加しない時間のほぼ5分の1以下である場合に、特に結晶性が向上することを見出した。そこで、本発明によれば、パルス電圧を印加する時間がパルス電圧を印加しない時間のほぼ5分の1以下となるようにターゲットをスパッタすることとしたので、エピタキシャル薄膜の結晶性を更に向上させることができる。
【0010】
上記のエピタキシャル薄膜の形成方法は、前記ターゲットが13族金属又は13族金属を含む合金からなることを特徴とする。
【0011】
近年、13族金属の窒化物の薄膜は、発光素子や電子素子を構成する半導体薄膜として注目されている。本発明によれば、ターゲットが13族金属又は13族金属を含む合金からなることとしたので、結晶性の高い13族金属の窒化物のエピタキシャル薄膜を容易に形成することができる。
【0012】
上記のエピタキシャル薄膜の形成方法は、前記13族金属がアルミニウムであることを特徴とする。
【0013】
13族金属の窒化物のうちAlN(アルミニウムナイトライド)の薄膜は、発光素子や電子素子を構成する半導体薄膜として特に注目されている。このAlN薄膜は、良好な特性を得るためには結晶性の高い薄膜である必要がある。本発明によれば、13族金属がアルミニウムである金属窒化物のエピタキシャル薄膜、すなわちAlN薄膜を、結晶性が高くなるように形成することができる。
【0014】
上記のエピタキシャル薄膜の形成方法は、前記ターゲットが4族金属又は4族金属を含む合金からなることを特徴とする。
【0015】
4族金属の窒化物、例えばHfN(ハーフニウムナイトライド)やZrN(ジルコニウムナイトライド)は化学的に安定した化合物として知られている。4族金属の窒化物からなる薄膜は界面反応が生じにくいため、当該4族金属の窒化物はバリア層やバッファ層の材料として注目されている。
この4族金属の窒化物からなる薄膜は、高い化学的安定性を得るためには、結晶性の高い薄膜である必要がある。本発明によれば、ターゲットが4族金属又は4族金属を含む合金からなることとしたので、4族金属の窒化物からなるエピタキシャル薄膜についても、結晶性の高い薄膜を形成することができる。
【0016】
上記のエピタキシャル薄膜の形成方法は、前記金属原子を堆積させるときの前記対象物上の温度が800℃以下であることを特徴とする。
【0017】
通常のDCスパッタリング法では、対象物上の金属原子を安定な格子位置へとマイグレーションさせるため、対象物上の温度は1000℃以上に設定する必要がある。本発明によれば、ターゲットを間欠的にスパッタするので、金属原子を確実に安定な格子位置へとマイグレーションさせることができる。このため、金属原子を堆積させるときの対象物上の温度は通常のDCスパッタリング法に比べて低い温度、具体的には800℃以下に設定することができる。
【0018】
上記のエピタキシャル薄膜の形成方法は、前記対象物上に前記金属原子を堆積させて堆積物を形成した後、前記金属原子を堆積させるときの前記対象物上の温度よりも高い温度で前記堆積物を加熱することを特徴とする。
本発明によれば、対象物上に金属原子を堆積させて堆積物を形成した後、金属原子を堆積させるときの対象物上の温度より高い温度で堆積物を加熱することとしたので、当該堆積物の結晶性を改善することができる。これにより、エピタキシャル薄膜の結晶性を一層向上させることができる。
【0019】
本発明に係る半導体基板の製造方法は、上記の薄膜の形成方法によって、基板上に金属窒化物からなる半導体薄膜を形成することを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、上記の薄膜の形成方法によって基板上に金属窒化物からなる半導体薄膜を形成することとしたので、結晶性の高い半導体基板を低コストで製造することができる。この基板は、サファイアを主成分とする基板であっても良いし、MgOを主成分とする基板であっても良いし、6H−SiCを主成分とする基板であっても良いし、ZnOを主成分とする基板であっても良いし、Siを主成分とする基板であっても良い。
【0021】
上記の半導体基板の製造方法は、前記基板上に形成された前記半導体薄膜上に、MOCVD法、MBE法、HVPE法又はスパッタリング法によって前記金属窒化物を成長させることを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、基板上に形成された結晶性の高い半導体薄膜上に、MOCVD法、MBE法、HVPE法又はスパッタリング法によって金属窒化物を成長させるので、半導体基板が多層に構成される場合であっても、結晶性の高い半導体薄膜を得ることができる。このときMOCVD法、MBE法、HVPE法又はスパッタリング法によって成長させる金属窒化物は、上記半導体薄膜とは異なる物質であっても構わない。例えば半導体薄膜としてAlNやHfN、ZrNを形成し、その上にGaNを成長させるようにしても良い。
【0023】
本発明に係る半導体素子は、上記の半導体基板の製造方法によって製造された半導体基板を具備することを特徴とする。
本発明によれば、上記の半導体基板の製造方法によって製造された半導体基板を具備することとしたので、特性の高い安価な半導体素子を得ることができる。
【0024】
本発明に係る発光素子は、上記の半導体素子を具備することを特徴とする。
本発明によれば、上記の半導体素子を具備することとしたので、発光特性が高く安価な発光素子を得ることができる。
【0025】
本発明に係る電子素子は、上記の半導体素子を具備することを特徴とする。
本発明によれば、上記の半導体素子を具備することとしたので、電気的特性が高く安価な電子素子を得ることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、ターゲットを間欠的にスパッタすることとしたので、対象物上に金属原子を間欠的に供給することができる。対象物上に供給された金属原子は、次の金属原子が供給されるまでの間、時間的余裕を持って確実に安定な格子位置へマイグレーションすることとなる。金属原子は、安定な格子位置に移動した後、雰囲気中で活性化した窒素ラジカルと反応して金属窒化物の結晶となる。窒素ラジカルは寿命が長いため、金属原子の供給が間欠的であっても、ゆっくりと着実に金属原子と反応し続けることになる。安定な格子位置にある金属原子と窒素ラジカルとがゆっくりと着実に反応するため、形成される金属窒化物の格子位置も安定することとなる。
【0027】
また、本発明に係る上記のエピタキシャル薄膜の形成方法は、パルス占有率が20%以下となるように前記ターゲットをスパッタすることを特徴とする。
本発明者らは、ターゲットをパルススパッタ法によってスパッタする際に、1周期中でのON時間の占める割合(パルス占有率)を小さくするほど結晶性を向上させることができる点を見出した。パルス占有率を小さくすることで、ON時間に発生する13族金属リッチ状態がより瞬間的に実現され、OFF時間に発生する表面拡散の時間をその分長くすることができ、十分な表面拡散を行うことができるためであると考えられる。そこで、本発明によれば、パルス占有率が20%以下となるようにターゲットをスパッタすることとしたので、結晶性の高いエピタキシャル薄膜を得ることができる。
【0028】
また、本発明に係る上記のエピタキシャル薄膜の製造方法は、パルス電圧を印加する時間の周期が5000Hz以下となるように前記ターゲットをスパッタすることを特徴とする。
本発明者らは、ターゲットをパルススパッタ法によってスパッタする際に、1周期あたりのパルス数(パルス周波数)を小さくするほど結晶性を向上させることができる点を見出した。パルス周波数を小さくすることで、その分パルスのOFF時間を長くすることができ、当該OFF時間に十分な表面拡散を行うことができるためであると考えられる。そこで、本発明によれば、パルス電圧を印加する時間の周期が5000Hz以下となるようにターゲットをスパッタすることとしたので、結晶性の高いエピタキシャル薄膜を得ることができる。
【0029】
また、本発明に係る上記の半導体基板の製造方法は、前記基板がZnOを主成分とし、
前記金属窒化物がGaNであることを特徴とする。
本発明によれば、基板がZnOを主成分とし、金属窒化物がGaNであることとしたので、上記エピタキシャル薄膜の製造方法によって半導体薄膜を製造する場合には、室温で製造することができる。
【0030】
また、本発明に係る上記の半導体基板の製造方法は、前記基板がNiを主成分とし、前記金属窒化物がZrN又はHfNを主成分とすることを特徴とする。
本発明によれば、基板がNiを主成分とし、金属窒化物がZrN又はHfNを主成分とするので、結晶性の高い半導体薄膜を有する半導体基板を得ることができる。
【0031】
また、本発明に係る上記の半導体基板の製造方法は、前記基板がMoを主成分とし、前記金属窒化物がZrN又はHfNを主成分とすることを特徴とする。
本発明によれば、基板がMoを主成分とし、金属窒化物がZrN又はHfNを主成分とするので、結晶性の高い半導体薄膜を有する半導体基板を得ることができる。
【0032】
また、本発明に係る上記の半導体基板の製造方法は、前記基板がMo(100)又はMo(110)を主成分とすることを特徴とする。
本発明によれば、基板がMo(100)又はMo(110)を主成分とすることとしたので、ZrN又はHfNとの間で面内配向関係を安定化させることができる。これにより、結晶性のより高い半導体薄膜を有する半導体基板を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本実施形態に係る半導体基板1の構成を示す図である。
同図に示すように、半導体基板1は、基板2上に半導体薄膜3が積層された構成になっている。半導体基板1は、発光素子や電子素子などに搭載される。
【0034】
基板2は、例えばサファイア(0001)やZnO(0001)、6H−SiC(0001)などの材料からなる。また、MgO(111)やSi(111)などの材料であっても構わない。
【0035】
半導体薄膜3は、例えば13族窒化物半導体からなる薄膜である。13族窒化物としては、例えばGaN(ガリウムナイトライド)、AlN(アルミニウムナイトライド)、InN(インジウムナイトライド)などが挙げられ、一般式InGaAl1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦X+Y≦1)で表される。半導体薄膜3は、4族窒化物からなる薄膜であっても構わない。4族窒化物としては、例えばHfN(ハーフニウムナイトライド)やZrN(ジルコニウムナイトライド)などが挙げられる。
【0036】
図2は、上記の半導体薄膜3の製造装置であるスパッタ装置の構成を示す図である。
同図に示すように、スパッタ装置10は、チャンバ11と、基板電極12と、ターゲット電極13と、直流電源14と、電源制御部15と、窒素供給源16と、加熱装置17を主体として構成されている。
【0037】
チャンバ11は、外部に対して密閉可能に設けられている。チャンバ11内は図示しない真空ポンプなどによって減圧できるようになっている。
基板電極12は、チャンバ11内に配置されており、上記の基板2を保持可能になっている。
【0038】
ターゲット電極13は、チャンバ11内に基板電極12に対向して設けられており、ターゲット13aを保持可能になっている。ターゲット13aは、例えば13族金属及びその合金、や4族金属及びその合金からなる。ターゲット13aとして用いられる13族金属は、上記の13族窒化物を構成する金属であり、例えばGa(ガリウム)、Al(アルミニウム)、In(インジウム)などが挙げられる。ターゲット13aとして用いられる4族金属は、上記の4族窒化物を構成する金属であり、例えばHf(ハーフニウム)やZr(ジルコニウム)などが挙げられる。あるいは、これらの13族金属又は4族金属を含む合金、13族金属窒化物、4族金属窒化物であっても構わない。
【0039】
直流電源14は、基板電極12及びターゲット電極13にそれぞれ電気的に接続されており、基板電極12とターゲット電極13との間に直流電圧を印加する電圧源である。
制御部15は、直流電源14に接続されており、直流電源14の動作のタイミングに関する制御を行う。制御部15により、基板電極12とターゲット電極13との間にパルス電圧を印加することが可能になっている。
【0040】
窒素供給源16は、例えば供給管などによってチャンバ11内に接続されており、チャンバ11内に窒素ガスを供給する。図示しないが、窒素供給源16の他、チャンバ内にアルゴンガスを供給するアルゴンガス供給源も設けられている。
加熱装置17は、例えば基板電極12に固定されており、基板電極12上の基板2の周囲温度を調節できるようになっている。
【0041】
次に、上記のスパッタ装置10を用いて本実施形態に係る半導体基板1を製造する工程を説明する。本実施形態では、基板−ターゲット間にパルス直流電圧を印加するパルススパッタ法を例に挙げて説明する。
【0042】
まず、チャンバ11内にアルゴンガスを供給し、窒素供給源16から窒素ガスをチャンバ11内に供給する。アルゴンガス及び窒素ガスによってチャンバ11内が所定の圧力になった後、基板2を基板電極12に保持し、ターゲット13aをターゲット電極13上に設置する。
【0043】
基板2及びターゲット13aを配置した後、加熱装置17によって、基板2の周囲温度を調節する。このときの調節温度は800℃以下である。基板2の周囲温度を調節したら、基板電極12とターゲット電極13との間にパルス電圧を印加する。このとき印加するパルス電圧は、Duty比が20%以下となるようにする。すなわち、パルス電圧の印加される時間が、パルス電圧の印加されない時間の5分の1以下となるようにする。
【0044】
パルス電圧が印加されている間、アルゴンガスによるプラズマが発生し、ターゲット13aに衝突する。この衝突エネルギーを受けて、ターゲット13aを構成する金属原子がチャンバ11内に放出される。この高エネルギーを有する金属原子21は、図3に示すように、基板2上に供給される。基板2の表面では、チャンバ内の窒素が窒素ラジカル22になっている。
【0045】
基板2上には高エネルギーを有する金属原子21が大量に供給される。この状態から、図4に示すように、基板2上の金属原子21は安定な格子位置にマイグレーションする。高エネルギーを有する金属原子21が大量に供給されるため、基板2の表面は金属リッチの状態になる。金属リッチの状態では、このマイグレーションが活発に起こる。次のパルスが印加されるまでの時間的余裕があるため、金属原子21は確実に安定な格子位置にマイグレーションする。
【0046】
安定な格子位置にマイグレーションした金属原子21は、図5に示すように、チャンバ11内で活性化した窒素ラジカル22と反応して金属窒化物23の結晶となる。窒素ラジカル22は寿命が長いため、ゆっくりと着実に金属原子21と反応し続けることになる。安定な格子位置にある金属原子21と窒素ラジカル22とがゆっくりと着実に反応するため、形成される金属窒化物23の格子位置は極めて安定することとなる。
【0047】
次のパルス電圧がターゲット13aに照射されると、上記と同様に金属原子21が基板2上に供給される。基板2の表面が再び金属リッチの状態になり、金属原子21が活発にマイグレーションする。安定な格子位置にマイグレーションした金属原子21は、窒素ラジカル22と反応して、格子位置の安定した金属窒化物23が形成される。基板電極12とターゲット電極13との間にパルス電圧が印加される毎に、結晶構造の安定した金属窒化物23が堆積されることになる。
【0048】
このように、本実施形態では、ターゲット13aをパルス電圧によって間欠的にスパッタし、基板2上に金属原子21を間欠的に供給することにより、安定した格子位置の金属窒化物23を基板2上に成長させることができる。これにより、結晶性の極めて良好な半導体薄膜3を形成することができる。加えて、本実施形態の一連の製造工程はスパッタ装置10によって行うことが可能であるため、装置コストを低く抑えることができる。
【0049】
パルススパッタ法によって基板電極12とターゲット電極13との間にパルス電圧を印加すると、短時間で大量の金属原子21を基板2上に供給することができる。基板2の表面が金属リッチの状態となるため、金属原子21のマイグレーションを活発にすることができる。これにより、結晶性の良好な半導体薄膜3を形成することができる。
【0050】
本発明者らは、パルススパッタ法によってターゲット13aをスパッタする際に、パルス電圧を印加する時間がパルス電圧を印加しない時間のほぼ5分の1以下である場合に、特に結晶性が向上することを見出した。そこで、上記実施形態によれば、パルス電圧を行う時間がパルス電圧を行わない時間のほぼ5分の1以下となるようにターゲット13aをスパッタすることとしたので、半導体薄膜3の結晶性を更に向上させることができる。
【0051】
本実施形態では、半導体薄膜3を形成する際、金属原子21を堆積させるときの基板2上の温度が800℃以下に設定している。通常のDCスパッタリング法では、基板上の金属原子を安定な格子位置へとマイグレーションさせるために対象物上の温度を1000℃以上に設定する必要がある。これに対して、本実施形態では、ターゲット13aを間欠的にスパッタするので、金属原子21を確実に安定な格子位置へとマイグレーションさせることができる。このため、金属原子21を堆積させるときの基板2上の温度は通常のDCスパッタリング法に比べて低い温度、具体的には800℃以下に設定することができる。
【0052】
上記の半導体基板1は、例えば半導体素子の構成要素として用いることができる。低い装置コストで結晶性の高い半導体薄膜3を得ることができるため、特性の高い安価な半導体素子を得ることができる。この半導体素子は、例えば発光素子に搭載することができる。発光素子に搭載した場合、発光特性が高く安価な発光素子を得ることができる。上記半導体素子は、電子素子にも搭載可能である。電子素子に搭載した場合、電気的特性が高く安価な電子素子を得ることができる。
【0053】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
図6は、本実施形態に係る半導体基板101の構成を示す図である。
【0054】
同図に示すように、本実施形態に係る半導体基板101は、第1実施形態の手順によって基板102上に半導体薄膜103を形成した後、当該半導体薄膜103上に、MOCVD法、MBE法、HVPE法又はスパッタリング法などの薄膜形成手法によって金属窒化物をさらに成長させたものである(金属窒化物層104)。
【0055】
このときMOCVD法、MBE法、HVPE法又はスパッタリング法によって成長させる金属窒化物は、上記半導体薄膜103とは異なる物質であっても構わない。例えば半導体薄膜103としてAlNやHfN、ZrNを形成し、その上に金属窒化物層104としてGaNを成長させるようにしても良い。
【0056】
例えば基板102としてサファイア基板を用いたGaN/AlN/サファイアや、GaN/HfN/サファイア、GaN/ZrN/サファイアなどの半導体基板101が形成可能である。また、基板102としてSi(111)基板を用いたGaN/HfN/Si(111)などの半導体基板101も形成可能である。このような層構造を有する半導体基板101は、第1実施形態と同様に、発光素子や電子素子などに搭載される半導体素子の構成要素として用いられることとなる。
【0057】
このように、本実施形態によれば、基板102上に形成された結晶性の高い半導体薄膜103上に、MOCVD法、MBE法、HVPE法又はスパッタリング法によって金属窒化物層104を成長させるので、半導体基板101が多層に構成される場合であっても、結晶性の高い半導体薄膜103を得ることができる。これにより、特性の高い半導体基板101を得ることができる。
【0058】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、上記各実施形態に記載の手法によって半導体薄膜を形成した後、半導体薄膜の成長温度よりも高い温度で当該半導体薄膜を加熱する工程を行っても良い。当該工程を行うことにより、半導体薄膜の結晶性を改善することができる。これにより、半導体薄膜の結晶性を一層向上させることができる。
【0059】
[パルス占有率とパルス周波数]
本発明者らは、ターゲットをパルススパッタ法によってスパッタする際に、1周期中でのON時間の占める割合(パルス占有率)を小さくするほど結晶性を向上させることができる点を見出した。パルス占有率を小さくすることで、ON時間に発生する13族金属リッチ状態がより瞬間的に実現され、OFF時間に発生する表面拡散の時間をその分長くすることができ、十分な表面拡散を行うことができるためであると考えられる。
【0060】
図17はパルス占有率と結晶性との関係を示すグラフである。グラフの横軸はパルス占有率を示しており、グラフの縦軸は結晶性を示している。グラフの縦軸のうち左側の軸は0002FWHM測定による結晶性(グラフ中には左側に示される)、右側の軸は10−12FWHM測定による結晶性(グラフ中には右側に示される)をそれぞれ示している。同図に示すように、パルス占有率が小さくなるほど結晶性が向上していることが読み取れる。
【0061】
また、本発明者らは、ターゲットをパルススパッタ法によってスパッタする際に、1周期あたりのパルス数(パルス周波数)を小さくするほど結晶性を向上させることができる点を見出した。パルス周波数を小さくすることで、その分パルスのOFF時間を長くすることができ、当該OFF時間に十分な表面拡散を行うことができるためであると考えられる。
【0062】
図18はパルス周波数と結晶性との関係を示すグラフである。グラフの横軸はパルス周波数を示しており、グラフの縦軸は結晶性を示している。グラフの縦軸のうち左側の軸は0002FWHM測定による結晶性(グラフ中には左側に示される)、右側の軸は10−12FWHM測定による結晶性(グラフ中には右側に示される)をそれぞれ示している。同図に示すように、パルス周波数が小さくなるほど結晶性が向上していることが読み取れる。
【0063】
図19はパルス動作中における窒素プラズマ発光の時間変化を示すグラフである。グラフの横軸は時間を示しており、グラフの縦軸は発光の強さを示している。図20はパルス動作中における電源電圧の時間変化を示すグラフである。グラフの横軸は時間を示しており、グラフの縦軸は電源電圧の大きさを示している。また、図19及び図20中に、パルスのON期間を破線で示している。ここではパルス周波数を1kHzとし、パルス占有率を10%としている。
【0064】
図19に示すように、窒素プラズマの発光の強さはパルスのON期間に急速に増加し、ON期間の終期(0.1秒後)に最大となって徐々に強度を落としていく。窒素ラジカルの寿命は10−1秒〜10秒と更に長く、パルスOFF期間においても窒素プラズマによる反応が行われていると考えられる。
【0065】
これらの結果から、ターゲットをパルススパッタ法によってスパッタする際には、パルス占有率をより小さくし、パルス周波数をより小さくすることによって、より結晶性の高いエピタキシャル薄膜を形成することができることがわかる。上記のパルススパッタ法においては、パルス占有率を20%以下とし、パルス周波数を5000Hz以下とすることが好ましいといえる。
【0066】
[スパッタ装置]
上記実施形態においては、図2に示すスパッタ装置10を用いてパルススパッタを行う手法を例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、例えば図53に示すスパッタ装置20を用いてパルススパッタを行うようにしても構わない。
【0067】
図53に示すように、スパッタ装置20は、チャンバ21と、基板加熱機構22と、基板保持部23と、スパッタガン24と、パルス電源25と、制御部26とを有している。このスパッタ装置20においては、基板2をチャンバ21内の基板保持部23上に保持させた状態で基板加熱機構22によって当該基板2を加熱することができるようになっている。また、基板2が基板保持部23上に保持された状態で、複数のスパッタガン24からスパッタビームが基板2へ向けて射出されるようになっている。
【0068】
複数のスパッタガン24は、例えばGa及びGa合金のビームを射出するスパッタガン24a、Al及びAl合金のビームを射出するスパッタガン24b、In及びIn合金のビームを射出するスパッタガン24c、Si及びSi合金のビームを射出するスパッタガン24d、Mg及びMg合金のビームを射出するスパッタガン24eを有している。各スパッタガン24a〜24eからのビームを構成する金属の種類については、適宜交換することが可能になっている。したがって、例えばZrやHf及びこれらの金属からなるビームを射出できるように構成しても構わない。
【0069】
複数のスパッタガン24はそれぞれパルス電源25に接続されている。パルス電源25は、スパッタガン24へパルス電圧を印加する電源である。各スパッタガン24a〜24eに対応するパルス電源25a〜25eが設けられている。これらのパルス電源25a〜25eから出力されるパルス電圧の出力タイミングや出力期間、周波数、振幅などは、制御コンピュータなどの制御部26によって制御されるようになっている。
【実施例1】
【0070】
次に、本発明に係る実施例1を説明する。
本実施例では、上記実施形態の手法によってサファイア基板上にAlN薄膜を形成した。AlN成長時の基板温度を750℃、AlN成長時のチャンバ内の圧力を8×10−3Torr、アルゴンガス流量を5sccm、窒素ガス流量を2sccm、投入電力を150W、直流パルス電源の繰り返し周波数を1kHzとした。
【0071】
図7は、上記の条件において、パルス電圧のデューティー比を変えてAlN薄膜を形成したときの、デューティー比と結晶性との関係を示すグラフである。グラフの横軸がデューティー比を示しており、グラフの縦軸がFWHM(半値幅)の値を示している。グラフ中の黒四角は、0001電子線回折(EBSD0001)で測定した場合の半値幅である。グラフ中の黒丸は、0002X線回折(XDR0002)による半値幅である。
【0072】
同図に示すように、0001電子線回折による半値幅の結果、0002X線回折による半値幅の結果は、ともにデューティー比を小さくすることで値が小さくなっている。この結果より、パルス電圧を印加する期間を短くし、プラズマ照射の期間を長くすることにより、結晶品質が向上することがわかる。
【実施例2】
【0073】
次に、本発明に係る実施例2を説明する。
本実施例では、上記実施形態の手法(以下、「パルススパッタ法」という)及びDCスパッタ法によってAlN薄膜を形成し、それぞれの手法によって形成したAlN薄膜の結晶性を比較した。スパッタ装置は、パルススパッタ法及びDCスパッタ法共に、上記実施形態の構成を有する同一のスパッタ装置によって行った。
【0074】
表1は、DCスパッタ法による結果と、パルススパッタ法による結果とを比較して示した表である。
【0075】
【表1】

【0076】
同表に示すように、基板はサファイア基板を用いた。AlNの成長時の基板温度をそれぞれ1100℃、成長時のチャンバ内の圧力をそれぞれ8×10−3Torr、窒素ガス流量をそれぞれ2sccm、アルゴンガス流量をそれぞれ5sccm、投入電力をそれぞれ150Wとした。パルススパッタ法においては、直流電圧の周波数を1kHz、デューティー比を10%とした。
【0077】
このような条件においてAlN薄膜をそれぞれ形成し、形成されたAlN薄膜について0002X線回折を行った。この結果、同表に示すように、DCスパッタ法においては、0002X線回折半値幅が2520arcsecとなった。パルススパッタ法においては、半値幅が1004arcsecとなった。
【0078】
このように、本実施例の結果から、従来のDCスパッタ法によってサファイア基板上にAlN薄膜を形成する場合比べて、上記実施形態の手法によってサファイア基板上にAlN薄膜を形成する場合の方が、高い結晶性を有するAlN薄膜を得ることができるといえる。
【実施例3】
【0079】
次に、本発明に係る実施例3を説明する。
本実施例では、パルススパッタ法及びDCスパッタ法によってAlN薄膜を形成し、それぞれの手法によって形成したAlN薄膜の結晶性を比較した。スパッタ装置は、パルススパッタ法及びDCスパッタ法共に、上記実施形態の構成を有する同一のスパッタ装置によって行った。
【0080】
表2は、DCスパッタ法による結果と、パルススパッタ法による結果とを比較して示した表である。
【0081】
【表2】

【0082】
同表に示すように、基板はMgO(111)基板を用いた。AlNの成長時の基板温度をそれぞれ1100℃、成長時のチャンバ内の圧力をそれぞれ8×10−3Torr、窒素ガス流量をそれぞれ0.8sccm、アルゴンガス流量をそれぞれ1.2sccm、投入電力をそれぞれ100Wとした。パルススパッタ法においては、直流電圧の周波数を50kHz、デューティー比を50%とした。
【0083】
このような条件においてAlN薄膜をそれぞれ形成し、形成されたAlN薄膜について111X線回折を行った。この結果、同表に示すように、DCスパッタ法においては、111X線回折半値幅が1260arcsecとなった。パルススパッタ法においては、半値幅が929arcsecとなった。
【0084】
このように、本実施例の結果から、従来のDCスパッタ法によってMgO(111)基板上にAlN薄膜を形成する場合比べて、上記実施形態の手法によってMgO(111)基板上にAlN薄膜を形成する場合の方が、高い結晶性を有するAlN薄膜を得ることができるといえる。
【実施例4】
【0085】
次に、本発明に係る実施例4を説明する。
本実施例では、上記実施形態の手法によってサファイア基板上にAlN薄膜を形成した。ただし、AlN成長時の基板温度を545℃、AlN成長時のチャンバ内の圧力を7.4×10−3Torr、アルゴンガス流量を4sccm、窒素ガス流量を3sccm、投入電力を97W、直流パルス電源の繰り返し周波数を10kHzとした。また、デューティー比を5%とした。
【0086】
図8は、形成されたAlN薄膜の表面を撮影した電子顕微鏡写真図である。電子顕微鏡の倍率は1万倍とした。
同図に示すように、AlN薄膜の表面には目立った凹凸などは見られない。このことから、表面平坦性の高いAlN薄膜が成長可能であるといえる。
【0087】
図9は、形成されたAlN薄膜のRHEED像である。
同図に示すように、回折スポットが明瞭に現れていることがわかる。このことから、良質な単結晶が形成されているといえる。
【0088】
図10は、形成されたAlNの10−12EBSD極点図である。
同図に示すように、明瞭な6回回転対象性が確認できる。このことから、結晶方位の揃った良質なAlNが成長しているといえる。
【0089】
図示を省略するが、本実施例2において形成されたAlN結晶の0001電子線回折の半値幅を測定したら、2600arcsecであった。このことから、半値幅の小さい、結晶性の高いAlNが形成されているといえる。
【0090】
このように、本実施例4の結果から、パルス電圧を印加してスパッタする上記実施形態の手法を用いてAlN薄膜を形成することにより、AlN成長時の温度が545℃という低温であるにもかかわらず、結晶性の高いAlN薄膜が形成することが可能であるといえる。
【実施例5】
【0091】
次に、本発明に係る実施例5を説明する。
本実施例では、上記実施形態の手法によってサファイア基板上にAlN薄膜を形成した。ただし、AlN成長時の基板温度を336℃、AlN成長時のチャンバ内の圧力を7.3×10−3Torr、アルゴンガス流量を4sccm、窒素ガス流量を3sccm、投入電力を130W、直流パルス電源の繰り返し周波数を10kHzとした。また、デューティー比を5%とした。
【0092】
図11は、形成されたAlN薄膜の表面を撮影した電子顕微鏡写真図である。電子顕微鏡の倍率は5000倍とした。
同図に示すように、AlN薄膜の表面には目立った凹凸などは見られない。このことから、表面平坦性の高いAlN薄膜が成長可能であるといえる。
【0093】
図12は、形成されたAlN薄膜のEBSD逆極点図である。
同図に示すように、(0001)の単相のAlN結晶が成長していることがわかる。
【0094】
図13は、形成されたAlN薄膜の10−12EBSD極点図である。
同図に示すように、明瞭な6回回転対象性が確認できる。このことから、結晶方位の揃った良質なAlNが成長しているといえる。
【0095】
このように、本実施例5の結果から、パルス電圧を印加してスパッタする上記実施形態の手法を用いてAlN薄膜を形成することにより、AlN成長時の温度が336℃という低温であるにもかかわらず、結晶性の高いAlN薄膜が形成することが可能であるといえる。
【実施例6】
【0096】
次に、本発明に係る実施例6を説明する。
本実施例では、上記実施形態の手法によってZnO(000−1)基板上にAlN薄膜を形成した。ただし、AlN成長時の基板温度を室温とし、AlN成長時のチャンバ内の圧力を8.8×10−3Torr、アルゴンガス流量を4sccm、窒素ガス流量を3sccm、投入電力を34W、直流パルス電源の繰り返し周波数を10kHzとした。また、デューティー比を5%とした。
【0097】
図14は、形成されたAlN薄膜のRHEED像を示す図である。
同図に示すように、回折スポットが明瞭に現れていることがわかる。このことから、良質なAlNの単結晶が形成されているといえる。
【0098】
図15は、形成されたAlN薄膜のEBSD逆極点図である。
同図に示すように、(0001)の単相のAlN結晶が成長していることがわかる。
【0099】
図16は、形成されたAlN薄膜の10−12EBSD極点図である。
同図に示すように、明瞭な6回回転対象性が確認できる。このことから、結晶方位の揃った良質なAlNが成長しているといえる。
このように、ZnO基板上に室温においても比較的良質なAlN薄膜が形成されることがわかる。
【実施例7】
【0100】
次に、本発明に係る実施例7を説明する。
本実施例では、上記実施形態の手法によってサファイア(0001)基板上にAlN薄膜を形成し、その後、AlN薄膜をアニールした。AlN薄膜の成長条件として、AlN薄膜の成長温度を1102℃とし、成長圧力を8.1×10−3Torrとし、Arガス流量を2sccmとし、Nガス流量を5sccmとし、投入電力を185Wとし、周波数(直流パルス電源の繰り返し周波数)を1500Hzとし、Duty比を50%とした。アニールの条件として、加熱温度を1400℃とし、加熱時間を60分とし、加熱雰囲気を窒素中とし、圧力を1気圧とした。アニール処理前及びアニール処理後のそれぞれのAlN薄膜について、電子線回折を行った。
【0101】
アニール処理前では、電子線回折の半値幅が、(0002)回折において188arcsecであり、10−12回折において1708arcsecであった。一方、アニール処理後では、電子線回折の半値幅が、(0002)回折において80arcsecであり、10−12回折において1321arcsecであった。
【0102】
この結果から、アニール処理を行うことにより、AlN薄膜の結晶性を一層向上させることができるといえる。
【実施例8】
【0103】
次に、本発明に係る実施例8を説明する。
本実施例では、上記実施形態の手法によってサファイア基板上にGaN薄膜を形成した。
【0104】
図21は、形成されたGaN薄膜のRHEED像を示す図である。
同図に示すように、回折スポットが明瞭に現れていることがわかる。このことから、良質なGaNの単結晶が形成されているといえる。
【0105】
図22及び図23は、形成されたGaN薄膜のEBSD逆極点図である。図22は0001方位について、図23は10−12方位について、それぞれ示している。
図22及び図23に示すように、c軸配向の6回回転対称性を有する0001方位の単相のGaN結晶が成長していることがわかる。
【実施例9】
【0106】
次に、本発明に係る実施例9を説明する。
本実施例では、上記実施形態の手法によってサファイア基板上にAlN薄膜を形成し、その後AlN薄膜上にGaN薄膜を形成した。また、GaN薄膜の表面をKOHによってエッチングした。
【0107】
図24は、形成されたGaN/AlN/Al(サファイア)のRHEED像を示す図である。
同図に示すように、回折スポットが明瞭に現れていることがわかる。このことから、良質なGaNの単結晶が形成されているといえる。
【0108】
図25は、KOHエッチング後のGaN薄膜の表面を撮影した電子顕微鏡(SEM)像である。
同図に示すように、GaN薄膜はGa極性であることが確認できる。このことから、品質の良好なGaN薄膜が形成されているといえる。
【実施例10】
【0109】
次に、本発明に係る実施例10を説明する。
本実施例では、上記実施形態の手法によってZnO基板上にGaN薄膜を室温で形成した。
【0110】
図26は、形成されたGaN薄膜のRHEED像を示す図である。
同図に示すように、回折スポットが明瞭に現れていることがわかる。このことから、良質なGaNの単結晶が形成されているといえる。
【0111】
図27(a)は形成されたGaN薄膜のAFM像を示す図であり、図27(b)は当該GaN薄膜の断面形状を示すグラフである。グラフの横軸は基準点からの距離を示しており、グラフの縦軸は当該基準点に対する高さを示している。
図27(a)及び図27(b)に示すように、ステップテラス構造であり原子レベルで平坦なGaN薄膜が形成されていることがわかる。
【0112】
図28は当該GaN薄膜の室温PL測定の結果を示すグラフである。グラフの横軸はエネルギー値を示しており、グラフの縦軸は発光の強さを示している。
同図に示すように、室温においてGaNバンド端近傍で発光しており、良好な発光特性であることがわかる。
【実施例11】
【0113】
次に、本発明に係る実施例11を説明する。
本実施例では、上記実施形態の手法によってサファイア基板上にZrN薄膜を形成した。
【0114】
図29は、形成されたZrN(111)薄膜のEBSD極点図である。
同図に示すように、明瞭な6回回転対象性が確認できる。また、EBSDによるチルト方向の半値幅は0.15°、ツイスト方向の半値幅は0.30°であった。これらのことから、結晶方位の揃った良質なZrNが成長しているといえる。
【0115】
図30は、形成されたZrNの1−10入射のRHEED像を示す図である。
【0116】
同図に示すように、回折スポットが明瞭に現れていることがわかる。このことから、良質なZrNの単結晶が形成されているといえる。
【実施例12】
【0117】
次に、本発明に係る実施例12を説明する。
本実施例では、上記実施形態の手法によってMgO(111)基板上にZrN(111)薄膜を形成し、当該ZrN(111)薄膜上にGaN薄膜を形成した。
【0118】
図31は、形成されたZrN(111)薄膜のEBSD極点図である。
同図に示すように、明瞭な6回回転対象性が確認できる。これらのことから、結晶方位の揃った良質なZrNが成長しているといえる。
【0119】
図32は、形成されたGaN薄膜のRHEED像を示す図である。
同図に示すように、回折スポットが明瞭に現れていることがわかる。このことから、ZrN(111)薄膜上に良質のGaNの単結晶が成長しているといえる。
【0120】
図33は形成されたGaN薄膜の0001方向についてのEBSD極点図であり、図34は当該GaN薄膜の11−22方向についてのEBSD極点図である。
これらの図に示すように、c軸配向の6回回転対称性を有する0001方位の単相のGaN結晶が成長していることがわかる。また、EBSDによるチルト方向の半値幅は0.16°、ツイスト方向の半値幅は0.33°であった。このことからも、結晶方位の揃った良質なGaNが成長しているといえる。
【実施例13】
【0121】
次に、本発明に係る実施例13を説明する。
本実施例では、上記実施形態の手法によってMgO(100)基板上にZrN(100)薄膜を形成した。
【0122】
図35は、形成されたZrN(100)薄膜のEBSD極点図である。
同図に示すように、明瞭な6回回転対象性が確認できる。これらのことから、結晶方位の揃った良質なZrN(100)が成長しているといえる。
【0123】
図36は、形成されたZrN薄膜のRHEED像を示す図である。
同図に示すように、回折スポットが明瞭に現れていることがわかる。このことから、良質のZrNの単結晶が成長しているといえる。
【実施例14】
【0124】
次に、本発明に係る実施例14を説明する。
本実施例では、上記実施形態の手法によってMgO(100)基板上にHfN(100)薄膜を形成した。
【0125】
図37は、MgO(100)基板上にDCスパッタによってHfN(100)薄膜を形成したときのHfN薄膜の表面を撮影した電子顕微鏡(SEM)像である。図38は、MgO(100)基板上に上記実施形態の手法(パルススパッタ)によってHfN(100)薄膜を形成したときのHfN薄膜の表面を撮影したSEM像である。
【0126】
DCスパッタリングによるHfN薄膜については、図37に示すように、AFM−RMSが0.76nmであった。これに対して、上記実施形態の手法によるHfN薄膜については、図38に示すように、AFM−RMSが0.18nmであった。このことから、上記実施形態の手法によるHfN薄膜の方がより結晶性が高いことがわかる。
【0127】
図39及び図40は、DCスパッタリングによるHfN薄膜及び上記実施形態の手法によるHfN薄膜についてのX線ロッキングカーブを示すグラフである。図39は200の方向について、図40は111の方向についてそれぞれ測定したものである。
図39に示すように、DCスパッタリングの場合のX線ロッキングカーブから求められる半値幅は0.58°であり、上記実施形態の手法の場合のX線ロッキングカーブから求められる半値幅は0.46°であった。また、図40に示すように、DCスパッタリングの場合のX線ロッキングカーブから求められる半値幅は0.69°であり、上記実施形態の手法の場合のX線ロッキングカーブから求められる半値幅は0.36°であった。これらの結果から、DCスパッタリングによって得られたHfN薄膜よりも、上記実施形態の手法によって得られたHfN薄膜の方が、結晶性が高いことが認められる。
【実施例15】
【0128】
次に、本発明に係る実施例15を説明する。
本実施例では、上記実施形態の手法によってNi(111)基板上にHfN薄膜を1000℃の温度下において形成した。
【0129】
図41は、形成されたHfN薄膜のRHEED像を示す図である。
同図に示すように、回折スポットが明瞭に現れていることがわかる。このことから、良質のHfNの単結晶が成長しているといえる。
【0130】
図42は、形成されたHfN薄膜の<111>極点図である。
同図に示すように、明瞭な3回回転対象性が確認できる。このことから、結晶方位の揃った良質なHfNが成長しているといえる。
【0131】
図43は、Ni基板の<1−10>EBSD極点図である。図44は、形成されたHfN薄膜の<1−10>EBSD極点図である。
これらの図に示すように、図中丸印を付した極点が同一の方位であることが認められる。この結果、Ni基板とHfN薄膜との間の配向関係が安定していることがわかる。
【実施例16】
【0132】
次に、本発明に係る実施例16を説明する。
本実施例では、上記実施形態の手法によってMo基板上にHfN薄膜を1050℃の温度下において形成した。また、Mo基板として、Mo(100)基板及びMo(110)基板のそれぞれについてHfN薄膜を形成した。
【0133】
図45は、Mo(100)基板上に形成されたHfN薄膜のRHEED像を示す図である。
同図に示すように、回折スポットが明瞭に現れていることがわかる。このことから、良質のHfNの単結晶が成長しているといえる。
【0134】
図46は、Mo(100)基板上に形成されたHfN薄膜の<100>EBSD極点図とMo(100)基板の<110>EBSD極点図とを比較する図である。
同図に示すように、図中丸印を付した極点が同一の方位であることが認められる。この結果、Mo(100)基板とHfN薄膜との間の配向関係が安定していることがわかる。
【0135】
図47は、Mo(110)基板上に形成されたHfN薄膜のRHEED像を示す図である。
同図に示すように、回折スポットが明瞭に現れていることがわかる。このことから、良質のHfNの単結晶が成長しているといえる。
【0136】
図48は、Mo(110)基板上に形成されたHfN薄膜の<110>EBSD極点図とMo(110)基板の<100>EBSD極点図とを比較する図である。
同図に示すように、図中丸印を付した極点が同一の方位であることが認められる。この結果、Mo(110)基板とHfN薄膜との間の配向関係が安定していることがわかる。
【0137】
図49及び図50は、HfN/Mo界面における反応の評価について示すグラフであり、図49はGIXR測定結果、図50はXPSスペクトルをそれぞれ示している。
これらの図に示すように、Moに由来するピークが認められない。このため、1050℃という成長温度であっても、界面反応や基板原子の拡散が生じることなくHfN薄膜が成長していることがわかる。
【実施例17】
【0138】
次に、本発明の実施例17を説明する。
本実施例では、実施例16において形成したHfN/Mo上に、上記実施形態の手法によってGaNを成長させた。
【0139】
図51は、HfN(100)/Mo(100)上に成長させたGaNのRHEED像を示す図である。
同図に示すように、回折スポットが明瞭に現れていることがわかる。このことから、良質のGaNの単結晶が成長しているといえる。
【0140】
図52は、HfN(111)/Mo(110)上に成長させたGaNのRHEED像を示す図である。
同図に示すように、回折スポットが明瞭に現れていることがわかる。このことから、良質のGaNの単結晶が成長しているといえる。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】本発明の第1実施形態に係る半導体基板の構成を示す図。
【図2】本実施形態に係るスパッタ装置の構成を示す図。
【図3】本実施形態に係る半導体膜の製造過程を示す工程図。
【図4】同、工程図。
【図5】同、工程図。
【図6】本発明の第2実施形態に係る半導体基板の構成を示す図。
【図7】本発明の実施例1に係るデューティー比を示すグラフ。
【図8】本発明の実施例4に係る半導体薄膜の表面を示す電子顕微鏡写真図。
【図9】本実施例に係る半導体薄膜についてのRHEED像を示す図。
【図10】本実施例に係る半導体薄膜についての10−12EBSD極点図。
【図11】本発明の実施例5に係る半導体薄膜の表面を示す電子顕微鏡写真図。
【図12】本実施例に係る半導体薄膜についてのEBSD逆極点図。
【図13】本実施例に係る半導体薄膜についての10−12EBSD極点図。
【図14】本発明の実施例6に係る半導体薄膜のRHEED像を示す図。
【図15】本実施例に係る半導体薄膜についてのEBSD逆極点図。
【図16】本実施例に係る半導体薄膜についての10−12EBSD極点図。
【図17】パルス占有率と結晶性との関係を示すグラフ。
【図18】パルス周波数と結晶性との関係を示すグラフ
【図19】パルス動作中における窒素プラズマ発光の時間変化を示すグラフ。
【図20】パルス動作中における電源電圧の時間変化を示すグラフ。
【図21】本発明の実施例8に係る半導体薄膜のRHEED像を示す図。
【図22】本実施例に係る半導体薄膜についてのEBSD逆極点図。
【図23】本実施例に係る半導体薄膜についてのEBSD逆極点図。
【図24】本発明の実施例9に係る半導体薄膜のRHEED像を示す図。
【図25】本実施例に係る半導体薄膜についての電子顕微鏡写真。
【図26】本発明の実施例10に係る半導体薄膜のRHEED像を示す図。
【図27】本実施例に係る半導体薄膜の様子を示す図。
【図28】本実施例に係る半導体薄膜についてのPL測定結果を示すグラフ。
【図29】本発明の実施例11に係る半導体薄膜のEBSD極点図。
【図30】本実施例に係る半導体薄膜のRHEED像を示す図。
【図31】本発明の実施例12に係る半導体薄膜のEBSD極点図。
【図32】本実施例に係る半導体薄膜のRHEED像を示す図。
【図33】本実施例に係る半導体薄膜のEBSD極点図。
【図34】本実施例に係る半導体薄膜のEBSD極点図。
【図35】本発明の実施例13に係る半導体薄膜のEBSD極点図。
【図36】本実施例に係る半導体薄膜のRHEED像を示す図。
【図37】本発明の実施例14に係る半導体薄膜の電子顕微鏡写真。
【図38】本実施例に係る半導体薄膜の電子顕微鏡写真。
【図39】本実施例に係る半導体薄膜のX線ロッキングカーブを示すグラフ。
【図40】本実施例に係る半導体薄膜のX線ロッキングカーブを示すグラフ。
【図41】本発明の実施例15に係る半導体薄膜のRHEED像を示す図。
【図42】本実施例に係る半導体薄膜のEBSD極点図。
【図43】本実施例に係る半導体薄膜のEBSD極点図。
【図44】本実施例に係る半導体薄膜のEBSD極点図。
【図45】本発明の実施例16に係る半導体薄膜のRHEED像を示す図。
【図46】本実施例に係る半導体薄膜及び基板のEBSD極点図。
【図47】本実施例に係る半導体薄膜のRHEED像を示す図。
【図48】本実施例に係る半導体薄膜及び基板のEBSD極点図。
【図49】本実施例に係る半導体薄膜のGIXR測定結果を示すグラフ。
【図50】本実施例に係る半導体薄膜のXPSスペクトルを示すグラフ。
【図51】本発明の実施例17に係る半導体薄膜のRHEED像を示す図。
【図52】本実施例に係る半導体薄膜のRHEED像を示す図。
【図53】本発明に係るスパッタ装置の他の構成を示す図。
【符号の説明】
【0142】
1…半導体基板 2…基板 3…半導体薄膜 10…スパッタ装置 11…チャンバ 12…基板電極 13…ターゲット電極 13a…ターゲット 14…直流電源 15…制御部 16…窒素供給源 17…加熱装置 21…金属原子 22…窒素ラジカル 23…金属窒化物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属窒化物からなる薄膜の形成方法であって、
金属又は金属窒化物からなるターゲットを間欠的にスパッタし、
窒素雰囲気中に設けられた対象物上に前記スパッタされた金属原子を堆積させる
ことを特徴とするエピタキシャル薄膜の形成方法。
【請求項2】
パルススパッタ法によって前記ターゲットをスパッタする
ことを特徴とする請求項1に記載のエピタキシャル薄膜の形成方法。
【請求項3】
パルス電圧を印加する時間がパルス電圧を印加しない時間のほぼ5分の1以下となるように前記ターゲットをスパッタする
ことを特徴とする請求項2に記載のエピタキシャル薄膜の形成方法。
【請求項4】
前記ターゲットが13族金属又は13族金属を含む合金からなる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちにいずれか一項記載のエピタキシャル薄膜の形成方法。
【請求項5】
前記13族金属がアルミニウムである
ことを特徴とする請求項4に記載のエピタキシャル薄膜の形成方法。
【請求項6】
前記ターゲットが4族金属又は4族金属を含む合金からなる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載のエピタキシャル薄膜の形成方法。
【請求項7】
前記金属原子を堆積させるときの前記対象物上の温度が800℃以下である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちいずれか一項に記載のエピタキシャル薄膜の形成方法。
【請求項8】
前記対象物上に前記金属原子を堆積させて堆積物を形成した後、前記金属原子を堆積させるときの前記対象物上の温度よりも高い温度で前記堆積物を加熱する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のうちいずれか一項に記載のエピタキシャル薄膜の形成方法。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のうちいずれか一項に記載のエピタキシャル薄膜の形成方法によって、基板上に金属窒化物からなる半導体薄膜を形成する
ことを特徴とする半導体基板の製造方法。
【請求項10】
前記基板上に形成された前記半導体薄膜上に、MOCVD法、MBE法、HVPE法又はスパッタリング法によって前記金属窒化物を成長させる
ことを特徴とする請求項9に記載の半導体基板の製造方法。
【請求項11】
前記基板がサファイアを主成分とする
ことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の半導体基板の製造方法。
【請求項12】
前記基板がMgOを主成分とする
ことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の半導体基板の製造方法。
【請求項13】
前記基板が6H−SiCを主成分とする
ことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の半導体基板の製造方法。
【請求項14】
前記基板がZnOを主成分とする
ことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の半導体基板の製造方法。
【請求項15】
前記基板がSiを主成分とする
ことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の半導体基板の製造方法。
【請求項16】
請求項9乃至請求項15のうちいずれか一項に記載の半導体基板の製造方法によって製造された半導体基板を具備することを特徴とする半導体素子。
【請求項17】
請求項16に記載の半導体素子を具備することを特徴とする発光素子。
【請求項18】
請求項16に記載の半導体素子を具備することを特徴とする電子素子。
【請求項19】
パルス占有率が20%以下となるように前記ターゲットをスパッタする
ことを特徴とする請求項2に記載のエピタキシャル薄膜の形成方法。
【請求項20】
パルス電圧を印加する時間の周期が5000Hz以下となるように前記ターゲットをスパッタする
ことを特徴とする請求項2又は請求項19に記載のエピタキシャル薄膜の形成方法。
【請求項21】
前記基板がZnOを主成分とし、
前記金属窒化物がGaNである
ことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の半導体基板の製造方法。
【請求項22】
前記基板がNiを主成分とし、
前記金属窒化物がZrN又はHfNを主成分とする
ことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の半導体基板の製造方法。
【請求項23】
前記基板がMoを主成分とし、
前記金属窒化物がZrN又はHfNを主成分とする
ことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の半導体基板の製造方法。
【請求項24】
前記基板がMo(100)又はMo(110)を主成分とする
ことを特徴とする請求項23に記載の半導体基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【公開番号】特開2008−270749(P2008−270749A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−53562(P2008−53562)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 社団法人応用物理学会、2007年(平成19年)秋季 第68回応用物理学会学術講演会 講演要旨集、2007年9月4日
【出願人】(591243103)財団法人神奈川科学技術アカデミー (271)
【Fターム(参考)】