説明

エレベータシステム

【課題】運転中の乗籠および釣合錘の移動方向やタイミングなどの動作状況を昇降路内において迅速かつ正確に判断できるエレベータシステムを提供する。
【解決手段】エレベータシステム1は、乗籠3と制御装置4とスイッチ5と表示装置6とを備える。乗籠3は、昇降路2内を移動する。制御装置4は、乗籠3の運転を制御する。スイッチ5は、制御装置4に接続され、昇降路2内に人が立ち入る場合に入れられる。表示装置6は、昇降路2の内部に配置され、スイッチ5が入っている場合に制御装置4の運転制御信号を基に乗籠3の移動方向を昇降路2内に居る人に報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、昇降路内において乗籠の運転状況を表示するエレベータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータの保守点検作業のために、昇降路内に作業員が立ち入ることがある。作業員は、ピットに据えられた機器類をピットに下りて点検したり、ホールドア装置や昇降路の側壁に設置された機器類を乗籠の上に乗って点検したりする。このとき作業員は、運転中の乗籠および釣合錘の動きを把握するために、乗籠や釣合錘が移動するときの音を聞いたり、メインロープ、ガバナ、コンペンロープなどの周辺装置の動作を目視確認したりする。視覚および聴覚で乗籠と釣合錘の移動方向や位置を予測するため、正確な状況を判断するまでに時間がかかる。
【0003】
保守点検作業中の作業員の安全を確保するために、乗籠や釣合錘に警告灯を取り付けることが知られている。警告灯は、一定の距離まで乗籠や釣合錘が接近した場合に点灯または点滅して乗籠や釣合錘が接近していることを作業員に報知するものと、常時点灯させた状態にして移動状況を報知するものがある。また、ピットに設置されたピット灯を点滅させることによって、ピットに居る作業員に対して釣合錘がある距離まで接近したことを報知することも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭62−47580号公報
【特許文献2】実開平5−37842号公報
【特許文献3】特開平7−267530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
乗籠や釣合錘が一定の距離まで接近したときに警告灯が点灯や点滅する装置の場合、一定の距離以内に在ることは分かるが、近づいてくるのか、遠ざかっているのか、停止しているのか分からない。そして、停止している乗籠や釣合錘は、警告灯が点灯または点滅していても、次にいつどちらの方向へ動き出すか分からない。
【0006】
また、昇降路内に入る人は、点検作業をする作業員に限らず、災害などによって階間に非常停止した乗籠から乗客を救出する救助隊員である場合もある。乗籠の内部と連絡が取れなくなっている場合、乗籠に乗客がいるか確認するためには乗籠の位置まで行って直接確認するしかない。
【0007】
そこで、本発明は、運転中の乗籠および釣合錘の移動方向やタイミングなどの動作状況を昇降路内において迅速かつ正確に判断できるエレベータシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態のエレベータシステムは、乗籠と制御装置とスイッチと表示装置とを備える。乗籠は、昇降路内を移動する。制御装置は、乗籠の運転を制御する。スイッチは、制御装置に接続され、昇降路内に人が立ち入る場合に入れられる。表示装置は、昇降路の内部に配置され、スイッチが入っている場合に制御装置の運転制御信号を基に乗籠の移動方向を昇降路内に居る人に報知する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態のエレベータシステムの概略を示す斜視図。
【図2】図1に示したエレベータシステムの最上階から数階分までを示す斜視図。
【図3】図2に示したエレベータシステムを側面から見た断面図。
【図4】図1に示したエレベータシステムのピット数階分までを示す断面図。
【図5】図1に示したエレベータシステムにおいて昇降路内作業を行うときに表示装置の発光体が作動する条件を示すフローチャート。
【図6】図1に示したエレベータシステムにおいて二次消防運転を行うときに表示装置の発光体が作動する条件を示すフローチャート。
【図7】図1に示したエレベータシステムにおいて乗籠が着床階以外で停止したときに表示装置の発光体が作動する条件を示すフローチャート。
【図8】図1に示したエレベータシステムにおいて停電になったときに表示装置の発光体が作動する条件を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
第1の実施形態のエレベータシステム1は、図1から図8を参照して説明する。図1に示すエレベータシステム1は、乗籠3と制御装置4とスイッチ5と表示装置6と釣合錘7と乗場ドア装置8を備える。エレベータシステム1は、昇降路2の内部に図2に示すガイドレール31、錘用ガイドレール71の他に、メインロープ、巻上機、ガバナなど、一般のエレベータと同じ機構も備えているが、図1において省略されている。
【0011】
乗籠3は、図2に示すように昇降路2内に鉛直方向に沿って配置される一対のガイドレール31に案内されて、昇降路2内を移動する。釣合錘7は、図2および図4に示すように昇降路2内に鉛直方向に沿って配置される一対の錘用ガイドレール71に案内されて、昇降路2内を乗籠3と反対方向へ移動する。乗籠3および釣合錘7は、それぞれヒッチを設けて直接メインロープを締結することによって吊下げても良いし、シーブを取り付けてメインロープを捲き掛けることによって吊下げても良い。
【0012】
制御装置4は、各乗場22のホール呼びボタン221および乗籠3の操作盤32に設けられた籠呼びボタン321から入力される信号を基に、乗籠3を昇降路2内にメインロープで吊下げている巻上機を駆動することによって、乗籠3の運転を制御する。制御装置4は、各階のホール呼びボタン221から信号が入力されると、信号が入力された階に対して乗籠3が現在どこにいるか、乗籠3がどちらの方向に移動しているか、信号が入力された階に向けて乗籠3をどちらの方向へ移動させるか、信号が入力された階から乗籠3をどちらの方向へ移動させるかを判断する。また、制御装置4は、籠呼びボタン321から信号が入力されると、乗籠3をどちらの方向へ移動させるか判断する。判断された結果、乗籠3を移動させる方向を指令する運転制御信号が制御装置4から出力される。
【0013】
さらに、制御装置4は、荷重検知装置41と着床検出装置42と籠位置検出装置43とを備える。荷重検知装置41は、乗籠3の床に設置され、乗籠3の内部に人がいるか判断するために籠内の重量を検知する。着床検出装置42は、マイクロスイッチと検知板とを備える。マイクロスイッチは、乗籠3に取り付けられている。検知板は、昇降路2側に設けられ、乗籠3の床が各階の床に一致する位置でマイクロスイッチを作動させる。籠位置検出装置43は、乗籠3の現在位置を検出するとともに、単位時間当たりの現在位置の変化量を演算することで乗籠3の移動方向および移動速度を検出する。荷重検知装置41が籠内荷重を検出した信号や、着床検出装置42が乗籠3の着床状況を検出した信号や、籠位置検出装置43が出力する移動方向および移動速度の情報を含む信号もまた、運転制御信号として扱われる。
【0014】
スイッチ5は、保守点検のための作業員や、災害時に駆けつける消防士や救助隊員など、人が昇降路2内に立ち入る際に入れられる。このスイッチ5が入れられる、すなわち「ON」にされることによって、表示装置6は作動する。スイッチ5は、作業用スイッチ51と二次消防スイッチ52とを少なくとも含む。作業用スイッチ51は、乗籠3の操作盤32、制御装置4、およびこの建物の管理室に設けられる監視装置9の少なくとも1つに設置される。二次消防スイッチ52は、非常用エレベータに一次消防スイッチとともに設けられるスイッチであって、建物の基準階の操作盤222、乗籠3の操作盤32、制御装置4、および監視装置9の少なくとも1つに設置される。なお、制御装置が昇降路2の中に設置される場合は、スイッチ5を設置する対象から外されることもある。
【0015】
作業用スイッチ51が入れられると、ホール呼びボタン221および籠呼びボタン321から制御装置4に入る信号は無効化される。乗籠3の操作盤32および監視装置9は、それぞれ上方移動ボタンと下方移動ボタンとを備える。作業用スイッチ51が入れられた状態で上方移動ボタンが押されると、乗籠3を上方へ移動させる指令信号が制御装置4に対して直接的に入力される。この結果、制御装置4は、運転制御信号を巻上機に出力し、乗籠3を上方へ移動させる。同様に、作業用スイッチ51が入れられた状態で下方移動ボタンが押されると、乗籠3を下方へ移動させる指令信号が制御装置4に対して直接的に入力される。この結果、制御装置4は、運転制御信号を巻上機に出力し、乗籠3を下方へ移動させる。
【0016】
二次消防スイッチ52が入れられると、ホール呼びボタン221および籠呼びボタン321から制御装置4に入力される信号が無効化されるとともに、乗籠3の籠ドア装置33および乗場ドア装置8が閉じられていることを示す確認信号も無効化される。したがって、二次消防スイッチ52が入れられた状態で上方移動ボタンが押されると、籠ドア装置33または乗場ドア装置8が閉じられていなくても、制御装置4は、直接的に入力される指令信号によって運転制御信号を巻上機に出力し、乗籠3を上方へ移動させる。同様に、二次消防スイッチ52が入れられた状態で下方移動ボタンが押されると、籠ドア装置33または乗場ドア装置8が閉じられていなくても、直接的に入力される指令信号によって制御装置4は、運転制御信号を巻上機に出力し、乗籠3を下方へ移動させる。
【0017】
上方移動ボタンおよび下方移動ボタンは、乗籠を移動させるための指令信号を制御装置4に直接的に入力するための手段である。したがって、ボタンやトグルスイッチが専用に用意される以外に、特別な操作をすることで上方移動ボタンおよび下方移動ボタンの機能を果たすように籠呼びボタン321が設けられていても良い。ここで「直接的に」とは、各ボタンと制御装置4とが物理的に直結されていることではなく、ボタンによる操作がそのまま乗籠3を移動させる運転制御信号に反映されることを意味する。
【0018】
表示装置6は、図1から図4に示すように昇降路2の内部である、昇降路2の天井2aと、昇降路2の底部のピット床上2bと、乗籠3の上部3aと、乗籠3の下部3bと、釣合錘7の上部7aと、釣合錘7の下部7bと、各階の乗場ドア装置8の上部8aとに取り付けられた、発光体61,62,63,64,65,66,67を含む。表示装置6は、スイッチ5が入っている場合に籠位置検出装置43の出力信号や制御装置4が出力する運転制御信号を基に乗籠3の移動方向を、昇降路内に居る人に対して、これらの発光体61,62,63,64,65,66,67を用いて光で報知する。表示装置6は、乗籠3が上方へ移動する場合と下方へ移動する場合とで、異なる色および異なる発光パターン少なくとも一方で、各発光体61,62,63,64,65,66,67を発光させる。
【0019】
図1から図4に示すように昇降路2の天井2aに取り付けられた発光体61と昇降路2のピット床上2bに取り付けられた発光体62は、乗籠3および釣合錘7が移動する軌跡の延長上の領域よりも外側に配置される。天井2aの発光体61は、主に乗籠3よりも上に居る人に対して乗籠3の移動方向を報知する。またピット床上2bの発光体62は、主に乗籠3よりも下に居る人に対して乗籠3の移動方向を報知する。
【0020】
図1および図2に示すように乗籠3の上部3aに取り付けられた発光体63および乗籠3の下部3bに取り付けられた発光体64は、四隅に配置されている。発光体63,64は、乗籠3が移動する方向を放置する。発光体63,64は、視認しやすければ、上部3aおよび下部3bのそれぞれ1か所ずつに設けられているだけでも良いし、乗籠3の外周部に少なくとも1つ取り付けられていても良い。図1および図4に示すように釣合錘7の上部7aに取り付けられた発光体65および釣合錘7の下部7bに取り付けられた発光体66は、釣合錘7が移動する方向を報知する。
【0021】
図1から図4に示すように乗場ドア装置8の上部8aに取り付けられた発光体67は、乗籠3が移動する軌跡の外側の昇降路2の内部に設けられて鉛直方向に等間隔な複数か所に設置される発光体の一例である。発光体67は、乗籠3の移動方向を報知する。発光体67は、各階の乗場ドア装置8の下部や、それぞれ一対に設けられたガイドレール31および錘用ガイドレール71の各々の刃に対する背面31a,71aに等間隔に並べられていても良い。ガイドレール31の背面31aに発光体67を取り付ける場合、それらの発光体67は、乗籠3の移動する方向を報知する。錘用ガイドレール71の背面71aに発光体67を取り付ける場合、それらの発光体67は、釣合錘7の移動方向を報知する。
【0022】
それぞれの発光体61,62,63,64,65,66,67は、少なくとも白色と青色と赤色とに発光するための光源を有している。青と赤と緑の3色から白色と青色と赤色を作り出す発光素子を内蔵していてもよいし、青と赤と白それぞれに対応した発光素子を内蔵していても良い。表示装置6は、これらの発光体61,62,63,64,65,66,67を同時にまたは一つずつ個別に、それぞれ同じ色でまたは異なる色で点灯、消灯、点滅させることができるとともに、点滅させる速さやそのパターンを変えることもできる。
【0023】
このエレベータシステム1は、スイッチ5が入れられている状態で、乗籠3が上方へ移動する場合と、乗籠3が下方へ移動する場合と、乗籠3が停止している場合の各運転状態に応じて発光体61,62,63,64,65,66,67の発光色および発光パターンを変える。例えば、乗籠3が上方へ移動する場合は、すべての発光体61,62,63,64,65,66,67を青色にしてさらに点滅させる。乗籠3が下方へ移動する場合は、すべての発光体61,62,63,64,65,66,67を赤色にしてさらに点滅させる。乗籠3が停止している場合は、白色に点灯させる。
【0024】
また、乗籠3の発光体63,64および釣合錘7の発光体65,66は、乗籠3および釣合錘7が上方へ移動する場合に青色で点滅させ、下方へ移動する場合に赤色で点滅させるように個別に制御しても良い。これにより、点検作業のために昇降路2内に入った作業員や、災害などによって乗籠2から脱出できなくなった乗客を救助するために昇降路2内に入った救助隊員は、乗籠3および釣合錘7がどちらに向って移動しているのか、昇降路2内のどの位置にいても発光体61,62,63,64,65,66,67の発光色によってすぐに判別することができる。
【0025】
さらに、乗場ドア装置8の発光体67を乗籠3の移動方向と同じ方向に合わせて順番に少なくとも2つ以上の間隔を空けて、点灯させる発光体67を切り換えることによって、乗籠3の移動方向を報知する。乗籠3および釣合錘7の移動方向は、視覚的な効果によってさらに容易に判別しやすくなる。昇降路2に入る前に乗籠3および釣合錘7が自分に対してどこにあるのか把握していれば、乗籠3および釣合錘7の移動方向を基に、自分に向って接近してくるのか、自分から遠退いていくのかまた、容易に判断できる。また、乗籠3および釣合錘7の位置が分かっていなくても、乗籠3および釣合錘7の移動方向が分かれば、どちら側に注目すればよいのか、容易に判断できる。
【0026】
また、エレベータシステム1は、乗籠3に人が乗っているか否か、乗籠3が着床されているか否かなど、乗籠3の運転状況に応じて発光パターンを変化させる。発光体61,62,63,64,65,66,67が点灯しているのか、どのようなパターンで点滅しているのかを見るだけで、停止中の乗籠3内に乗客がいるのか否か、着床しているのか否かが、直接乗籠を見なくても区別できる。救助隊員や作業員は、非常停止した乗籠3に乗客がいるのかいないのか、昇降路2を通って救助に行くほうがよいか、乗場から救助できるかなど、すばやく判断できる。その結果、救助隊員や作業員が迅速な対応も可能になる。
【0027】
エレベータシステム1は、非常用電源44となる二次電池を備えている。建物が停電になるなど、エレベータシステム1に外部から電力が供給されなくなった場合でも移動中であった乗籠3の乗客が安全に避難できるように、非常用電源44は、乗籠3を最寄り階もしくは基準階に着床させるのに十分な電力量を有している。昇降路2に人が入っているときに停電になった場合、このエレベータシステム1は、電源が非常用電源44に切り換わると発光体61,62,63,64,65,66,67の発光色を青色、赤色、白色とは異なる色にする。
【0028】
本実施形態では、さらに非常用電源44の残留電力量に応じて、発光する色および発光パターンを変化させる。エレベータシステム1は、非常用電源44の残留電力量が放電開始時の50%以上ある間、昇降路2の天井2aの発光体61、ピット床上2bの発光体62、および乗場ドア装置8の発光体67を緑色に点灯させる。エレベータシステム1は、残留電力量が50%未満になると発光体61,62,67を黄色に発光させ、さらに残留電力量が25%未満になると発光体61,62,67を黄色で点滅させる。そして、残留電力量が乗籠3を基準階に着床させるために必要となる最低電力量に達すると、エレベータシステム1は、発光体61,62,67を点滅させる際の明滅の間隔を短くし、激しく点滅させる。
【0029】
エレベータシステム1は、上述のように停電になったときに発光体61,62,67を点灯または点滅させるだけでなく、乗籠3の発光体63,64や釣合錘7の発光体65,66も同じ色および発光パターンで発光させてもよいし、乗籠3の発光体63,64および釣合錘7の発光体65,66を移動方向に応じたい路および発光パターンで発光させてもよい。つまり、表示装置6は、発光体63,64,65,66を、乗籠3および釣合錘7が上方へ移動する場合は青色で点滅させ、下方へ移動する場合は赤色で点滅させる。
【0030】
さらに、乗籠3の発光体63,64および釣合錘7の発光体65,66は、単に明滅させるのではなく、停電していることを示す発光色と移動する方向を示す発光色を切り換えて発光させる。例えば、停電になった後で乗籠3が下方に移動する場合、乗籠3の発光体63,64を緑色と赤色で交互に発光させ、釣合錘7は上昇するので、釣合錘7の発光体65,66を緑色と青色で交互に発光させる。停電をしていることを示す発光色は、非常用電源44の残留電力量に応じて変化させる。
【0031】
このようにすることによって、昇降路2内に居る作業員や救助隊員に停電になったことを報知することで、後どれくらい乗籠を運転できるか分かる。昇降路2から待避するまで安心して作業を行えるようになる。
【0032】
以上のように、このエレベータシステム1は、乗籠3および釣合錘7の移動する方向と乗籠3に乗客がいるか否かを昇降路2内に居る人に対して報知する表示装置6を備える。そして、この表示装置6は、制御装置4を介してスイッチ5によって起動される。昇降路2内に入る人の安全を確保する安全確保装置は、制御装置4とスイッチ5と表示装置6によって構成される。
【0033】
この安全確保装置を装備するエレベータシステム1における発光体61,62,63,64,65,66,67の発光色および発光パターンを、昇降路内作業の場合、二次消防運転の場合、乗籠が階間で停止してしまった場合、および停電になった場合の4つの典型的な場合を例に図5から図8を参照して以下に説明する。
【0034】
まず、昇降路内作業を行う場合のエレベータシステム1の動作について図5を用いて説明する。作業員がメンテナンスのために昇降路2に立ち入る場合(SA1)、乗籠3の操作盤32、制御装置4、または管理室の監視装置9に設置されている安全確保装置の作業用スイッチ51が入れられる(SA2)。これにより、安全確保装置が起動すると、発光体61,62,63,64,65,66,67が白色で点灯(SA3)される。作業員は、この状態で、昇降路2の中に入り作業を行う。作業内容によって、乗籠3を移動させなければならない場合もある。乗籠3は、制御装置4または乗籠3の操作盤32から操作できる。そこで、エレベータシステム1は、安全確保装置によって外部から乗籠3が操作されないか監視(SA4)する。乗籠3の操作盤32を操作するには、乗籠3に作業員が乗り込むことになる。したがって、安全確保装置は、乗籠3に人が乗り込んだことを検出するために、荷重検知装置41で籠内荷重が検出されるか監視(SA5)している。
【0035】
籠内荷重が検出された場合、乗籠3に誰かが乗り込んだことである。そして、乗籠3の操作盤32の上方移動ボタンおよび下方移動ボタンが操作される可能性がある。したがって、乗籠3および釣合錘7が移動する可能性があることを昇降路2内部の作業員に報知するために、発光体61,62,63,64,65,66,67は、白色で点滅(SA6)するように表示が切り換わる。これによって、昇降路2内部の作業員に乗籠3が移動される可能性を喚起する。
【0036】
そして、乗籠3を上方または下方へ移動させる操作が行われた(SA7)場合、籠位置検出装置43によって移動方向がどちらであるか判断(SA8)され、乗籠3が上方へ移動していると判断された場合は、発光体61,62,63,64,65,66,67を青色で点滅(SA9)し、乗籠3が下方へ移動していると判断された場合は、発光体61,62,63,64,65,66,67を赤色で点滅(SA10)させる。
【0037】
また、安全確保装置によって外部から乗籠3が操作されないか監視(SA4)しているときに、制御装置4や監視装置9など乗籠3以外からの入力によって乗籠3が強制運転された場合、乗籠3の操作盤32から乗籠3を移動させる操作(SA7)をしたときと同様に、移動方向を籠位置検出装置43によって判断(SA8)する。そして、乗籠3が上方へ移動していると判断された場合は、発光体61,62,63,64,65,66,67を青色で点滅(SA9)し、乗籠3が下方へ移動していると判断された場合は、発光体61,62,63,64,65,66,67を赤色で点滅(SA10)させる。
【0038】
乗籠3が上方へ移動する場合、すべての発光体61,62,63,64,65,66,67を点滅させるのではなく、実際に上方に移動する乗籠3の発光体63,64を青色で点滅させ、下方に移動する釣合錘7の発光体65,66を赤色で点滅させる。同様に、乗籠3が下方に移動する場合、発光体63,64を赤色で点滅させ、上方へ移動する釣合錘7の発光体65,66を青色で点滅させる。このとき、昇降路2の天井2aの発光体61、ピット床上2bの発光体62、および乗場ドア装置8の発光体67は、白色で点滅させる。昇降路2の発光体61,62,67に対して移動している乗籠3の発光体63,64および釣合錘7の発光体65,66の発光色が異なっていることによって、どのあたりを移動しているのか、視認しやすくなる。
【0039】
また、乗場ドア装置8の発光体67を少なくとも2つ以上の間隔を空けて乗籠3の移動方向に合わせて順番に点灯させると、高層ビルにおいて、乗籠3や釣合錘7が離れていて視認しにくい場合でも、どの方向に乗籠3が移動しているのか感覚的にわかりやすい。
【0040】
次に、二次消防運転の場合のエレベータシステム1の動作について図6を用いて説明する。二次消防運転は、災害などが発生(SB1)した場合に、消防士や救助隊員によって乗籠3が操作される運転状態である。二次消防運転は、二次消防スイッチ52が入れられる(SB2)と開始される。二次消防運転では、乗籠3の籠ドア装置33および乗場ドア装置8が開放されていても、乗籠3を移動させることができる。
【0041】
二次消防運転が開始されると、発光体61,62,63,64,65,66,67を白色に点灯(SB3)させる。昇降路2に入った消防士や救助隊員が、救助すべき乗客が乗籠3に乗っているか判断できるように、また、消防士や救助隊員が乗籠3を強制運転するために乗り込んでいないか判断できるように、荷重検知装置41によって籠内荷重を検出(SB4)する。荷重が検知された場合は発光体61,62,63,64,65,66,67を点滅(SB5)させ、荷重が検出されない間は点灯(SB6)させる。
【0042】
そして、乗籠3が操作盤32によって強制運転(SB7)された場合は、移動方向を籠位置検出装置43の信号から判断(SB8)し、上方へ移動する場合は発光体61,62,63,64,65,66,67を青色で点滅(SB9)し、下方へ移動する場合は発光体61,62,63,64,65,66,67を赤色で点滅(SB10)する。操作盤32から強制運転されない場合は、籠内荷重が検出され続けているか荷重検知装置41で検出(SB4)し続ける。また、籠内荷重が検出されずに発光体61,62,63,64,65,66,67が点灯(SB6)している間は、制御装置4や監視装置9などから乗籠3が強制運転されないか監視(SB11)している。
【0043】
乗籠3が外部から強制運転されない場合は、乗籠3に人が乗り込まないか籠内荷重を検出(SB4)する動作に戻る。外部から強制運転された場合は、移動方向を籠位置検出装置43の信号から判断(SB8)し、乗籠3が上方へ移動する場合は、発光体61,62,63,64,65,66,67を青色に点滅(SB9)させ、乗籠3が下方へ移動する場合は、発光体61,62,63,64,65,66,67を赤色に点滅(SB10)させる。
【0044】
乗籠3が上方、または下方へ移動する場合、発光体61,62,63,64,65,66,67は、昇降路内作業をする場合と同様に、乗籠3の発光体63,64と、釣合錘7の発光体65,66と、昇降路2の天井2aおよびピット床上2bの発光体61,62と、乗場ドア装置8の発光体67の発光色および発光パターンをそれぞれ異ならせたり変化させたりしても良い。
【0045】
さらに、災害や故障などによって、乗籠3が階間で停止してしまった場合のエレベータシステム1の動作について図7を用いて説明する。乗籠3が階間で停止していることは、着床検出装置42によって検出(SC1)する。着床検出装置42がONになっている、つまり検出していれば、乗籠3は、いずれかの階に着床(SC2)していることである。したがって、籠ドア装置33および乗場ドア装置8を開けば乗籠3の乗客は、着床している階へ脱出できる。着床検出装置42がOFF、つまり検出していない場合、乗籠3の乗客が安全に乗籠3から降りられない範囲に乗籠3があることである。
【0046】
この場合さらに、乗籠3の位置が変化していないか籠位置検出装置43で検出(SC3)する。乗籠3の位置が変化している、すなわち移動中である場合は、着床しないか、着床検出装置42での検出(SC1)と籠位置検出装置43での検出(SC3)を続ける。着床検出装置42が検出せず、かつ、籠位置検出装置43で籠位置が変化していないと検出された場合、乗籠3は、階間に停止している(SC4)ことである。
【0047】
そこで、救助隊員によって二次消防スイッチ52が入れられて二次消防運転が開始されるか判断(SC5)し、開始されれば、発光体61,62,63,64,65,66,67を点灯(SC6)させる。二次消防スイッチ52が入れられない場合は、近くの管理センタから駆けつけた作業員によって作業用スイッチ51が入れられないか判断(SC7)し、入れられた場合は、発光体61,62,63,64,65,66,67を点灯(SC6)させる。なお、二次消防スイッチ52は、非常用エレベータに装備されるものである。非常用エレベータ以外の場合は、救助隊員によって作業用スイッチ51が操作される。
【0048】
次に荷重検知装置41によって乗籠3の荷重を検出(SC8)する。荷重が検出された場合は、発光体61,62,63,64,65,66,67を点滅(SC9)させ、荷重が検出されていない場合は、発光体61,62,63,64,65,66,67は、点灯(SC10)させたままである。したがって、点滅しているか点灯しているかによって、乗籠3に乗客が閉じ込められているかを、昇降路2内に救助隊員や作業員が入ったときに容易に判断できる。
【0049】
荷重検知装置41で荷重が検出され、発光体61,62,63,64,65,66,67が点滅(SC9)している状態で、エレベータシステム1は、乗籠3が強制運転されるか監視(SC11)している。乗籠3が強制運転された場合、移動方向を籠位置検出装置43の信号から判断(SC12)し、乗籠3を上方へ移動する場合は発光体61,62,63,64,65,66,67を青色に点滅(SC13)させ、乗籠3を下方へ移動する場合は発光体61,62,63,64,65,66,67を赤色に点滅(SC14)させる。
【0050】
乗籠3を強制運転する場合、昇降路2から乗籠3内に救助隊員や作業員が乗り込んで操作盤32を操作してもよいし、制御装置4や監視装置9から遠隔操作してもよい。また、乗籠3が上方、または下方へ移動する場合、発光体61,62,63,64,65,66,67は、昇降路内作業を行う場合と同様に、乗籠3の発光体63,64と、釣合錘7の発光体65,66と、昇降路2の天井2aおよびピット床上2bの発光体61,62と、乗場ドア装置8の発光体67の発光色および発光パターンをそれぞれ異ならせたり変化させたりしても良い。
【0051】
最後に、停電になった場合のエレベータシステム1の動作について説明する。エレベータシステム1に対する電力供給が停止し、停電(SD1)になった場合、非常用電源44に切り換わる(SD2)。停電の際に昇降路2内部に人がいる状態とは、昇降路2内部で作業中であった場合や、停電になったために乗籠3が昇降路2内で非常停止したままになっているのを救助しに行く場合などが想定される。非常用電源44が作動(SD2)すると、安全確保装置が作動しているか確認(SD3)される。
【0052】
安全確保装置が作動している場合、発光体61,62,63,64,65,66,67は、緑色で点灯(SD4)させる。その後は、非常用電源44に切り換わったときの非常用電源44の残留電力量(二次電池である場合は蓄電容量)を100%とし、残留電力量に応じた発光色および発光パターンで発光体61,62,63,64,65,66,67を発光させる。残留電力量が50%以上ある場合、緑色で点灯し続ける。残留電力量が50%未満になったか判断(SD5)し、50%未満になった場合、発光体61,62,63,64,65,66,67を黄色に点灯(SD6)させる。
【0053】
さらに残留電力量が25%未満(SD7)になった場合、発光体61,62,63,64,65,66,67を黄色で点滅(SD8)させる。そして、乗籠3が現在ある位置から、基準階まで到達するために必要な電力量まで残留電力量が低下(SD9)したら、黄色で点滅する周期を短くする(SD10)。
【0054】
発光体61,62,63,64,65,66,67は、同じ発光色で点滅させるだけでなく、乗籠3が移動する場合は、昇降路内作業の場合と同様に、籠位置検出装置43によって乗籠3の移動方向を判断し、上方へ移動する乗籠3の発光体63,64または釣合錘7の発光体65,66を青色に点滅させ、下方へ移動する乗籠3または釣合錘7の発光体65,66を赤色に点滅させる。そして、非常用電源44の残留電力量は、昇降路2の天井2aの発光体61、ピット床上2bの発光体62、および乗場ドア装置8の発光体67によって報知する。乗籠3が移動する場合、発光体61,62,67を点滅させる代わりに、移動する乗籠3の発光体63,64と同じ色および残留電力量を報知する色の2色を反転表示するようにしても良い。
【0055】
以上のように、エレベータシステム1は、乗籠3の移動方向を籠位置検出装置43の信号を基に判断し、発光体61,62,63,64,65,66,67の発光色や発光パターンによって場合分けして、昇降路2の内部に報知する。これによって、乗籠3の外部から一見しただけでは判断しにくい乗籠3の移動方向は、表示装置6の発光体61,62,63,64,65,66,67のそれぞれの発光色および発光パターンから瞬時に判断できる。
【0056】
昇降路2内において発光体61,62,63,64,65,66,67から発光される発光色や発光パターンは、乗籠3や釣合錘7を直接見ていなくても、間接的に目に入る。したがって、乗籠3や釣合錘7あるいはその周辺の装置が動きを見たり、その動きによって発生する音を聞いたりすることによって判断できるよりも正確に、かつすばやく反応できる。制御装置4から乗籠および釣合錘7を動かすための運転制御信号を出力するのに先駆けて、発光体61,62,63,64,65,66,67を発光させるための信号を表示装置6に出力しても良い。
【0057】
また、このエレベータシステム1は、発光体61,62,63,64,65,66,67の色と発光パターンを複数種類に使い分けるので、荷重検知装置41、着床検出装置42、籠位置検出装置43から得られる情報も昇降路2の中に居て判別することができる。
【0058】
このエレベータシステム1は、作業員や救助隊員など昇降路2内で人が作業している状況において、乗籠3や釣合錘7などが動くときの運転制御信号や籠位置検出装置43による信号を基に、運転状態を表示装置6の発光体61,62,63,64,65,66,67の発光色および発光パターンの少なくとも一方を異ならせて表示する。
【0059】
視覚的に報知する以外に、乗籠3の移動方向や状態を聴覚や嗅覚に報知するように、エレベータシステム1を構成してもよい。報知手段として音を採用する場合、乗籠3の移動方向に応じて音程を変える。例えば乗籠3が上方へ移動する場合は、音階が上がるように発生させ、乗籠3が下方へ移動する場合は、音階が下がるように発生させる。報知手段として臭いを採用する場合、複数種類の分かりやすい臭いを使う。特に、緊急的な回避行動を必要とする場合などにおいて、視界が悪い条件でも、危険を報知することができる。このように、光だけでなく音や臭いを併用することで、エレベータシステム1の状況判断が迅速かつ確実なものとなる。
【0060】
上述の実施形態は、エレベータシステム1が1基だけ設置されている状態で説明した。複数のエレベータシステムが並べて設置されている場合、どれか1つのエレベータシステムの昇降路に人が入って作業が行われることもある。その場合、制御装置とスイッチと表示装置とで構成される安全確保装置を起動させると、通常運行する隣接するエレベータシステムの昇降路、乗籠および釣合錘に設置される表示装置の発光体が、そのエレベータシステムの乗籠および釣合錘の移動方向に応じた発光色および発光パターンで発光するように構成する。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲は要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0062】
1…エレベータシステム、2…昇降路、3…乗籠、4…制御装置、41…荷重検知装置、44…非常用電源、5…スイッチ、51…作業用スイッチ、52…二次消防スイッチ、6…表示装置、61…(昇降路の天井の)発光体、62…(昇降路の底部のピット床上の)発光体、63,64…(乗籠の)発光体、65,66…(釣合錘の)発光体、67…(乗場ドア装置の)発光体、8…乗場ドア装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降路内を移動する乗籠と、
前記乗籠の運転を制御する制御装置と、
前記制御装置に接続され前記昇降路内に人が立ち入る場合に入れられるスイッチと、
前記昇降路の内部に配置され前記スイッチが入っている場合に前記制御装置の運転制御信号を基に前記乗籠の移動方向を前記昇降路内に居る人に報知する表示装置と
を備えることを特徴とするエレベータシステム。
【請求項2】
前記表示装置は、前記乗籠の外部に取り付けられて前記乗籠が上方へ移動する場合と下方へ移動する場合とを異なる色および異なる発光パターンの少なくとも一方で発光する発光体を含むことを特徴とする請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項3】
前記表示装置は、前記昇降路の天井および底部の少なくとも一方に設置されて前記乗籠が上方へ移動する場合と下方へ移動する場合とを異なる色および異なる発光パターンの少なくとも一方で発光する発光体を含むことを特徴とする請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項4】
前記表示装置は、前記昇降路の側壁に設置されて前記乗籠が上方へ移動する場合と下方へ移動する場合とを異なる色および異なる発光パターンの少なくとも一方で発光する発光体を含むことを特徴とする請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項5】
前記表示装置は、前記乗籠が移動する軌跡の外側の前記昇降路の鉛直方向に等間隔な複数か所に設置される発光体を有し、前記発光体が点灯する位置を前記乗籠の移動方向と同じ方向に順番に切り換えることを特徴とする請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項6】
前記発光体は、各階に設置される乗場ドア装置のそれぞれに少なくとも1つずつ配置されることを特徴とする請求項4または請求項5に記載されたエレベータシステム。
【請求項7】
前記スイッチは、前記昇降路内に入る作業員が操作する作業用スイッチであることを特徴とする請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項8】
前記制御装置は、籠内の重量を検知する荷重検知装置を備え、
前記発光体は、前記スイッチが入れられており、前記荷重検知装置が重量を検知していない場合に点灯し、前記荷重検知装置が重量を検知している場合に点滅する
ことを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載のエレベータシステム。
【請求項9】
前記発光体は、白色と青色と赤色とに発光するための光源を有し、
前記スイッチが入れられると白色で点灯し、
前記乗籠を上方へ移動させる指令信号が前記制御装置に入力されると青色で点滅し、
前記乗籠を下方へ移動させる指令信号が前記制御装置に入力されると赤色で点滅する
ことを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載のエレベータシステム。
【請求項10】
前記スイッチは、非常用エレベータに設けられて救助隊員が操作する二次消防スイッチであることを特徴とする請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項11】
前記表示装置は、前記乗籠の外部に取り付けられて異なる色および異なる発光パターンの少なくとも一方で発光することによって複数種類の状態を表現する発光体を含み、
前記制御装置は、籠内の重量を検知する荷重検知装置を備え、
前記乗籠が着床していない位置に停止している状態で前記二次消防スイッチが入れられたときに、前記荷重検知装置が重量を検知していない場合は、前記発光体が点灯し、前記荷重検知装置が重量を検知している場合は、前記発光体が点滅する
ことを特徴とする請求項10に記載のエレベータシステム。
【請求項12】
停電になった場合に前記乗籠を移動させるための電力を供給する非常用電源を備え、
前記表示装置は、前記乗籠の外部に取り付けられて異なる色および異なる発光パターンの少なくとも一方で発光することによって複数種類の状態を表現する発光体を含み、
前記停電のときに前記スイッチが入れられると、前記非常用電源の残量に応じた色および発光パターンで前記発光体が発光する
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−30942(P2012−30942A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−172541(P2010−172541)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】