説明

オルソポックスウイルス感染及び関連疾患の治療及び予防のための化学物質、組成物、及び方法

ウイルス感染及びそれに関連する疾患、特にオルソポックスウイルスによって引き起こされるウイルス感染及び関連する疾患を治療又は予防するための、ジ-、トリ-、及びテトラシクロアシルヒドラジド誘導体及びその類縁体を用いる方法、並びにそれを含む医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年6月20日に出願した米国仮出願第60/480,182号に対する優先権を主張する2004年6月18日に出願した国際特許出願PCT/2004/112718号に対する優先権を主張する2006年4月5日出願の米国特許出願番号第10/561,153号の一部継続出願である。全ての優先権主張出願は全体をあらゆる目的のために本明細書に参照により援用する。
【0002】
本明細書には、ウイルス感染及びそれに関連する疾患、特にオルソポックスウイルスによって引き起こされるそのウイルス疾患及び関連疾患の治療又は予防のための、ジ-、トリ-、及びテトラシクロアシルヒドラジド誘導体及びその類縁体、並びにそれらを含む組成物を開示する。
【背景技術】
【0003】
オルソポックス属(オルソポックスウイルス科(Orthopoxviridae))は、ポックスウイルス科及びコードポックスウイルス(Chordopoxviridae)亜科の一員である。この属は、ヒト及び動物集団に重大な疾患を引き起こす多くのウイルスからなる。オルソポックス属のウイルスには、牛痘、サル痘、ワクシニア、及び痘瘡(天然痘)が含まれ、これらの全てはヒトに感染しうる。
【0004】
天然痘(痘瘡)ウイルスは特に重要である。生物兵器としての天然痘ウイルスの使用に関する最近の懸念は、オルソポックスウイルス類を標的とする低分子治療剤の開発の必要性を強調している。痘瘡ウイルスは非常に伝染性であり、ヒトに重篤な疾患を引き起こし、高い致死率をもたらす(Hendersonら (1999) JAMA. 281:2127-2137)。そのうえ、生物兵器としての痘瘡ウイルスの使用には先例がある。フレンチインディアン戦争(1754-1765)の間に、英国の兵士が、病気を流行させるために、痘瘡患者が使用した毛布をアメリカ先住民に配布した(Stern, E. W.及びStern, A. E. 1945。アメリカインディアンの運命に対する天然痘の影響。ボストン)。その結果の発症は、いくつかのインディアン部族に50%の致死率を引き起こした(Stern, E. W. 及びStern, A. E.)。さらに最近では、ソビエト政府は、エアロゾル化した懸濁液中の高い毒性の兵器化した形態の痘瘡を製造する計画を発動した(Henderson, 上記)。さらに心配なことは、ポックスウイルスの組み換え型が開発され、これはワクチン接種した動物に病気を引き起こす潜在力をもっているという観察結果である(Jacksonら(2001) J. Virol., 75:1205-1210)。
【0005】
天然痘ワクチンプログラムは1972年に終了した。したがって、多くの人はもはや天然痘感染に対して免疫がない。ワクチン接種された人でさえ、もはや完全に保護されているわけではなく、特にウイルスの高い伝染性の株又は組み換え型の株に対してはそうである(Downie及びMcCarthy, (1958) J Hyg. 56:479-487; Jackson, 上記)。したがって、もしも、痘瘡ウイルスが、意図的にあるいは事故で人の集団に再び導入された場合には、致死率は高くなりうる。
【0006】
痘瘡ウイルスは、エアロゾル化された液滴を介して、呼吸器粘膜に感染し、そこでリンパ組織中での複製が無症状感染を引き起こし、これが1〜3日続く。ウイルスはリンパ組織から皮膚へと広がり、そこで微小皮膚血管中での複製と、それに続く近隣上皮細胞の感染及び溶解が皮膚損傷を引き起こす(B. N. Fields及びD. M. Knipe(編集), Fields Virology. Raven Press, Ltd., New York中のMoss, B. (1990) Poxviridae and Their Replication, 2079-2111)。2つの形態の疾患が痘瘡ウイルス感染に伴い、それは大痘瘡(最も一般的な形態の疾患であり、これは30%の致死率をもたらす)と小痘瘡(これはほとんど流行せず、死に至ることもまれである(<1%))である。播種性血管内凝集、低血圧症、及び心血管虚脱の結果であり、これはごくまれな出血性型の痘瘡における凝固不能によって悪化しうる(Moss、上述)。
【0007】
サル痘瘡の最近の発生は、オルソポックス属のウイルスを標的にする低分子(small molecule)治療剤の開発の必要性を強調している。アメリカ合衆国でのサル痘瘡の出現は、新興感染症を示している。サル痘瘡及び天然痘(痘瘡)は、類似した疾患をヒトに引き起こすが、サル痘瘡の致死率は低い(1%)。
【0008】
ワクチン接種は、オルソポックスウイルス疾患、特に痘瘡疾患を予防するための現状での手段である。天然痘ワクチンは、局所的に複製したワクシニアウイルスの弱毒化した株を用いて開発され、且つワクチン接種した個体の95%より多くに痘瘡ウイルスに対する防御免疫をもたらす(Modlin (2001) MMWR (Morb Mort Wkly Rep) 50:1-25)。ワクチン接種に伴う有害事象はしばしば発生し(1:5000)、それには汎発性痘瘡及びワクチン接種部位からのワクシニアの故意によらない転移が含まれる。より重篤な合併症、例えば脳炎は、1:300,000の確率で発生し、これはしばしば死に至る(Modlin、上述)。有害事象のリスクは、免疫力がない個体においてなお一層いわれている(Englerら, (2002) J Allergy Clin Immunol. 110:357-365)。したがって、ワクチン接種は、AIDS又はアレルギー性皮膚疾患をもつ人にとって禁忌である(Englerら)。防御免疫は長年持続する一方で、天然痘ウイルス接種に対する抗体応答は、接種後10〜15年で顕著に低下する(Downie、上述)。加えて、ワクチン接種は、オルソポックスウイルスの組み換え型に対しては防御できないおそれがある。最近の研究は、IL−4を発現するマウス痘ウイルスの組み換え型はワクチン接種したマウスに死をもたらすことを示した(Jackson、上述)。ワクチン接種に関連する副作用、免疫力がない個体の禁忌、及びウイルスの組み換え型株に対して防御する無力性を考慮すると、痘瘡ウイルス感染の治療のためのより良い予防薬及び/又は新しい治療薬が必要である。
【0009】
ワクシニアウイルス免疫グロブリン(VIG)は、ワクチン接種後の合併症の治療に用いられてきた。VIGは、ワクシニアウイルスのワクチン接種を受けた個体からの血漿の免疫グロブリン分画の等張滅菌溶液である。これは、種痘性湿疹及びいくつかの形態の進行性種痘疹を治療するために用いられる。この製品は限られた量でしか得られず、入手するのが困難なので、広汎な痘瘡流行の事象に用いるようには示唆されていない(Modlin、上述)。
【0010】
シドフォビル([(S)-1-(3-ヒドロキシ-2-ホスホニルメトキシプロピル)シトシン][HBMPC])は、AIDS患者のCMV網膜症の治療に認可されたヌクレオシドアナログである。シドフォビルは、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、肝炎ウイルス、ポリオーマ・ウイルス、パピローマ・ウイルス、及びオルソポックスウイルスを含む多数のDNAウイルスに対してインビトロで活性を有することが示されている(Bronsonら (1990) Adv. Exp. Med. Biol. 278:277-83; De Clercqら (1987) Antiviral Res. 8:261-272; de Oliveiraら(1996) Antiviral Res. 31:165-172; Snoeckら (2001) Clin Infect. Dis. 33:597-602)。シドフォビルは、真性の天然痘ウイルスの複製を阻害することも発見されている(Smeeら(2002) Antimicrob. Agents Chemother. 46:1329-1335)。
【0011】
しかし、シドフォビル投与には多くの問題が伴う。シドフォビルは生物学的利用性に乏しく、静脈注射により投与しなければならない(Laezariら (1997) Ann. Intern. Med. 126: 257-263)。そのうえ、シドフォビルは、静脈注射した場合に、用量を制限する腎臓毒性を生じさせる(Lalezariら)。加えて、シドフォビル耐性が、複数のウイルスに対して指摘されている。シドフォビル耐性の牛痘、サル痘、ワクシニア、及びラクダ痘のウイルス変異株が、薬剤の存在下での継代培養によって研究室で単離されている(Smee、上述)。シドフォビル耐性は、オルソポックスウイルス複製を処置するためにこの化合物を用いることの重大な限界を示している。したがって、低い生物学的利用性、静脈注射の必要性、及び耐性ウイルスの流行は、オルソポックスウイルス感染を治療するための追加の及び代替の治療法の開発の必要性を強調している。
【0012】
ウイルスポリメラーゼ阻害剤、例えば、シドフォビルに加えて、多数のその他の化合物が、オルソポックスウイルス複製を阻害することが報告されている(De Clercq. (2001) Clin Microbiol. Rev. 14:382-397)。歴史的には、メチサゾン(原型的なチオセミカルバゾン)が天然痘感染の予防的治療に用いられてきた(Bauerら(1969) Am. J Epidemiol. 90:130-145)。しかし、この化合物群は、一般に許容不能な副作用、例えば、重篤な嘔気及び嘔吐によって、天然痘の撲滅以来大きな注目を集めていない。作用機構の研究は、メチサゾンがL遺伝子群の翻訳を妨げることを示唆している(De Clercq (2001)、上述)。シドフォビルのように、メチサゾンは比較的非特異的な抗ウイルス化合物であり、アデノウイルス、ピコルナ・ウイルス、レオウイルス、アルボウイルス、及びミクソ・ウイルスを含めた多くのその他のウイルス類を阻害することができる(同上)。
【0013】
ポックスウイルスの治療に潜在的に有用な別の化合物群は、S−アデノシルホモシステイン・ヒドロラーゼ(SAH)の阻害剤によって代表される。この酵素は、S−アデノシルホモシステインのアデノシン及びホモシステインへの転化を担っており、これはウイルスのmRNAのメチル化及び成熟に必要なステップである。この酵素の阻害剤は、インビトロ及びインビボでワクシニアウイルスを阻害する効果を示している(De Clercqら(1998) Nucleosides Nucleotides. 17:625-634)。構造的には、これまでに報告された全ての活性な阻害剤は、ヌクレオシド、アデノシンの類縁体である。多くは炭素環式誘導体であって、ネオプラナシンA及び3−デアザネプラナシンAによって例示される。これらの化合物は、動物モデルにおいていくらか効果を示すが、多くのヌクレオシド類縁体同様、それらは一般毒性及び/又は劣る薬物動態学的特性の問題がある(Coulombeら(1995) Eur. J Drug Metab Pharmacokinet. 20:197-202; Obaraら(1996) J Med. Chem. 39:3847-3852)。これらの化合物を経口投与できることはとてもありそうもなく、それらが天然痘感染に対して予防的に作用しうるかどうか現在のところ不明である。SAHヒドロラーゼ及びその他の化学的に扱いやすい痘瘡ウイルスゲノム標的の非ヌクレオシド阻害剤であって、経口により生物学的に利用可能であり、且つ所望の薬物動態(PK)と、吸収、分配、代謝、排出(ADME)特性とを有するもの同定は、報告されているヌクレオシド類縁体を超える顕著な進歩であろう。まとめると、天然痘ウイルス複製を阻害する現在利用可能な化合物は、一般的に非特異的であり、毒性及び/又は不確かな効果によって使用が限定されている。
【0014】
米国特許第6,433,016号(2002年8月13日)及び米国特許出願公開2002/0193443A1(2002年12月19日発行)には、一連のイミドジスルファミド誘導体が、オルソポックスウイルス感染に有用であると記載されている。
【0015】
新しい治療法及び予防法が、オルソポックスウイルス感染によって引き起こされる感染症及び疾患に対して明らかに必要とされている。
【0016】
牛痘、サル痘、ラクダ痘、痘瘡、及びおそらく多くの他の哺乳動物のオルソポックスウイルスを含めたいくつかのオルソポックスウイルスは、細胞培養物中で容易に増殖でき、3〜5日で強い細胞変性作用(cytopathic effect, CPE)を生み出す。このCPEはウイルス複製に直接関連するので、細胞培養物中においてウイルス複製を阻害する化合物を、ウイルスによって引き起こされるCPEからの保護を比較することで容易に同定することができる(但し、ウイルス複製を阻害せずにCPEを阻害することは理論的には可能であるが)。さらに、牛痘ウイルスとヒト痘瘡ウイルスとの間の高い相同性(>95%)と、オルソポックスウイルス類の複製タンパク質は高い相同性をもつという事実を考慮すると、牛痘ウイルスに対して同定された活性を有する化合物は、ヒト痘瘡ウイルスに対しても活性であろう。一般的に、ウイルスは、免疫調節機構をコードするそれらのゲノムの領域(ホスト特異的)で分化している。加えて、細胞培養物中でのオルソポックスウイルス複製を阻害する多くの化合物が文献中で同定されてきており、ある化合物が一種類のオルソポックスウイルスに対して劇的に一層強力であるがその他のものには強力ではないという例は、たとえあるとしても、ほとんど存在しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許第6,433,016号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開2002/0193443A1
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】De Clercq. (2001) Clin Microbiol. Rev. 14:382-397
【非特許文献2】Bauerら(1969) Am. J Epidemiol. 90:130-145
【非特許文献3】De Clercqら(1998) Nucleosides Nucleotides. 17:625-634
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
[まとめ]
本明細書に記載するのは、生きている宿主におけるウイルス感染並びにウイルス感染に関連する疾患の治療及び予防のための化合物及び組成物並びに/又はその方法である。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本明細書に記載する化合物は、下記一般式の化合物、又は医薬として許容可能なその塩である。
【0021】
【化1】

【0022】
上記式中、
及びRは、水素及びアルキルからなる群から独立に選択される基を表し;
及びRは、水素及びアルキルからなる群から独立に選択される基を表し;
あるいは、R及びRはそれらが結合している炭素と一緒になって、下記の:
【化2】

(式中、R、R、R、R10、R11、及びR12は、水素及びアルキルからなる群から独立に選択される基を表す。)
からなる群から選択される環状構造を形成し;
【0023】
は、水素及びアルキルからなる群から選択される基を表し;
は、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルケニル;置換又は非置換のアリール基;置換又は非置換の、フリル、チエニル、ピリジル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、及びテトラゾリルからなる群から選択されたヘテロアリール基;置換又は非置換のアリールアルキル基;及び、置換又は非置換のヘテロアリールアルキル基(ヘテロアリールはピリジン及びチオフェンからなる群から選択される)を表し;
【0024】
Mは、下記の:
【化3】

(式中、R13、R14、R15、及びR16は、水素及びアルキルからなる群から独立に選択される。)
からなる群から選択され;
【0025】
上記アリール基の置換基及び上記アリールアルキル基の置換基は、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、ハロゲン、ポリフルオロアルキル、ポリフルオロアルコキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、アミド、アミドアルキル、カルボキサミド、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、スルホンアミド、及びメルカプトからなる群から独立に選択された1つ又は複数の基であり;
【0026】
上記ヘテロアリール基の置換基及び上記ヘテロアリールアルキル基の置換基は、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、ハロゲン、ポリフルオロアルキル、ポリフルオロアルコキシ、カルボキシ、シアノ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、ニトロ、アミド、アミドアルキル、カルボキサミド、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、スルホンアミド、及びメルカプトからなる群から独立に選択された1つ又は複数の基である。
【0027】
式Iの抗ウイルス性化合物を含む医薬組成物、及びオルソポックスウイルスによって引き起こされた感染症の治療及び予防に用いる対応する方法も本明細書に記載している。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[詳細な説明]
本明細書には、下記式I:
【化4】

の化合物が記載されている。
【0029】
上記式中、R、R、R、R、R、R、及びMは上で定義したとおりであり、但し、上記式は、
N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル-4-ピリジンカルボキサミド; 4-ブロモ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド; 3-ブロモ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド; 3-クロロ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド; N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1-イル)-4-ピリジンカルボキサミド; 4-ブロモ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド; 4-メトキシ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド; 4-ブロモ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エタノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;3-ブロモ-N-(1’,3’,3’a,4’,7’,7’a-ヘキサヒドロ-1’,3’-ジオキソスピロ[シクロプロパン-1,8’-[4,7]メタノ[2H]イソインドール]-2’-イル)-ベンズアミド; N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン-1-カルボキサミド、及び
4-ブロモ-N-(1,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1,3-ジオキソ-4,7-メタノ-2H-イソインドール-2-イル)-ベンズアミド
からなる群から選択される化合物を包含することを条件とする。
【0030】
式Iの化合物には、下記式Iaの化合物、又はその医薬として許容可能な塩が含まれる。
【0031】
【化5】

【0032】
上記式中、Rは、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルケニル;置換又は非置換のアリール基;置換又は非置換の、フリル、チエニル、ピリジル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、及びテトラゾリルからなる群から選択されたヘテロアリール基;置換又は非置換のアリールアルキル基;及び、置換又は非置換のヘテロアリールアルキル基(ヘテロアリールはピリジン及びチオフェンからなる群から選択される)を表し;
【0033】
上記アリール基の置換基及び上記アリールアルキル基の置換基は、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、ハロゲン、ポリフルオロアルキル、ポリフルオロアルコキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、アミド、アミドアルキル、カルボキサミド、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、スルホンアミド、及びメルカプトからなる群から独立に選択された1つ又は複数の基であり;
【0034】
上記ヘテロアリール基の置換基及び上記ヘテロアリールアルキル基の置換基は、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、ハロゲン、ポリフルオロアルキル、ポリフルオロアルコキシ、カルボキシ、シアノ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、ニトロ、アミド、アミドアルキル、カルボキサミド、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、スルホンアミド、及びメルカプトからなる群から独立に選択された1つ又は複数の基である。
【0035】
また、本明細書には下記式Ibの化合物、又は医薬として許容可能なその塩が記載されている。
【0036】
【化6】

【0037】
上記式中、Rは、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルケニル;置換又は非置換のアリール基;置換又は非置換の、フリル、チエニル、ピリジル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、及びテトラゾリルからなる群から選択されたヘテロアリール基;置換又は非置換のアリールアルキル基;及び、置換又は非置換のヘテロアリールアルキル基(ヘテロアリールはピリジン及びチオフェンからなる群から選択される)からなる群から選択される基を表し;
【0038】
上記アリール基の置換基及び上記アリールアルキル基の置換基は、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、ハロゲン、ポリフルオロアルキル、ポリフルオロアルコキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、アミド、アミドアルキル、カルボキサミド、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、スルホンアミド、及びメルカプトからなる群から独立に選択された1つ又は複数の基であり;
【0039】
上記ヘテロアリール基の置換基及び上記ヘテロアリールアルキル基の置換基は、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、ハロゲン、ポリフルオロアルキル、ポリフルオロアルコキシ、カルボキシ、シアノ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、ニトロ、アミド、アミドアルキル、カルボキサミド、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、スルホンアミド、及びメルカプトからなる群から独立に選択された1つ又は複数の基である。
【0040】
例示化合物には、4-トリフルオロメチル-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド; 4-ブロモ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エタノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド; 4-ブロモ-N-(オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-2-イル)-ベンズアミド; 4-フルオロ- N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド; 3-フルオロ- N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド; N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-4-ピリジンカルボキサミド; 4-ブロモ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド; 4-クロロ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド; 4-トリフルオロメチル-N-ビシクロ[2.2.2]オクタ-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド-ベンズアミド; 4-トリフルオロメチル-N-ビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3-ジカルボキシイミド-ベンズアミド、及び、2,4-ジメチル-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-チアゾール-5-カルボキサミド、が含まれる。
【0041】
さらに、本明細書には、
4-トリフルオロメチル-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド; 2-ブロモ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド; N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-3-ピリジンカルボキサミド; N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-2-ピリジンカルボキサミド; 4-ニトロ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド; 4-フルオロ- N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド; 3-フルオロ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド; 4-ブロモ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エタノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド; 4-ブロモ-N-(1,3-(2H,3aH)-ジオキソ-4,8-エテノシクロヘプタ[c]ピロリル)-ベンズアミド; 4-ブロモ-N-(オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-2-イル)-ベンズアミド; 4-ブロモ-N-ビシクロ[2.2.2]オクタ-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド-ベンズアミド; 4-ブロモ-N-ビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3-ジカルボキシイミド-ベンズアミド; 4-シアノ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド; 4-トリフルオロメチル-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド; 4-トリフルオロメチル-N-ビシクロ[2.2.2]オクタ-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド-ベンズアミド;及び、4-トリフルオロメチル-N-ビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3-ジカルボキシイミド-ベンズアミド、
からなる群から選択される化合物が記載されている。
【0042】
化合物は、上述した化合物類のいずれかから選択してよい。
【0043】
本明細書にはまた、オルソポックスウイルスに感染した又は感染が疑われる生きている宿主(例えば、ヒトを含む哺乳動物)におけるオルソポックスウイルス感染を予防及び治療するための、並びにそのような感染に関連する疾患を予防及び治療するための方法も記載し、その方法はその生きている宿主に下記式:
【化7】

(上記式中、R、R、R、R、R、R、及びMは、上で式Iの化合物について定義したとおりである。)
の化合物の治療上有効量を投与するステップ、又はそのような感染が疑われ、あるいは感染している宿主に、医薬として許容可能なその塩の治療上有効量を投与するステップを含む。
【0044】
そのような方法には、オルソポックスウイルスに感染した又は感染が疑われる生きている宿主におけるオルソポックスウイルス感染及びそのような感染に伴う疾患の予防及び治療が含まれ、その方法は、上記式Iaの化合物又は医薬として許容可能なその塩の治療上有効量を投与するステップを含む。さらに、オルソポックスウイルスに感染した又は感染が疑われる生きている宿主におけるオルソポックスウイルス感染及びそのような感染に伴う疾患の予防又は治療についても記載し、その方法は上記式Ibの化合物又は医薬として許容可能なその塩の治療上有効量を投与するステップを含む。
【0045】
さらに、本明細書には、生きている宿主(例えば、ヒトを含む哺乳動物)において、オルソポックスウイルスによって引き起こされる感染の治療又は予防方法を記載し、そのオルソポックスウイルスは、ワクシニアウイルス、牛痘ウイルス、天然痘(痘瘡)ウイルス、サル痘ウイルス、及びラクダ痘ウイルスからなる群から選択され、その方法は、本発明の上記化合物の治療上有効量を、そのような感染が疑われる宿主又は感染した宿主に投与するステップを含む。
【0046】
さらに、本明細書には、生きている宿主における、オルソポックスウイルス感染及びそのような感染に関連する疾患の治療又は予防のための医薬組成物が記載され、その医薬組成物は、下記式:
【化8】

(上記式中、R、R、R、R、R、R、及びMは、上で式Iの化合物について定義したとおりである。)
の化合物1種以上の治療上有効量と、医薬として許容可能な担体媒体とを含有する。
【0047】
本明細書に記載した化合物、その異性体、及び医薬として許容可能な塩は、抗ウイルス活性を示す。本明細書に記載した化合物は、オルソポックスウイルスに対して特に有効であり、生きている宿主において、このウイルスによる感染及びこのウイルスに関連する疾患の予防及び/又は治療に有用である。本明細書に記載したように治療又は予防しうるオルソポックスウイルスの例には以下のものが含まれるが、これらに限定されない:アラサツバウイルス(aractuba virus)、BeAn 58058ウイルス、バッファロポックスウイルス、ラクダ痘ウイルス(例えば、ラクダ痘ウイルス903、ラクダ痘ウイルスCMG、ラクダ痘ウイルスCMS、ラクダ痘ウイルスCP1、ラクダ痘ウイルスCP5、及びラクダ痘ウイルスM-96)、カンタガロオルソポックスウイルス(cantagalo orthopozvirus)、牛痘ウイルス(例えば、牛痘ウイルス株Hamburg-1985、及び牛痘ウイルス株Turkmenia-1974)、エクトロメリア(Ectromelia)ウイルス(例えば、ベロホリゾンテウイルス(Belo Horizonte virus)、ゾウ痘(elephantpox)ウイルス、サル痘ウイルス(例えば、サル痘ウイルス株シエラレオネ70-0266及びサル痘ウイルス株ザイール77-0666)、ウサギ痘ウイルス(例えば、ウサギ痘株ユトレヒト)、アライグマ痘ウイルス、スカンク痘ウイルス、タテラポックス(taterapox)ウイルス、ワクシニアウイルス(以下の株を含むがこれらに限定されない:アンカラ株、コペンハーゲン株、ダイレンI株、IHD-J株、L-IPV株、LC16M8株、LC16MO株、リスター株、LIVP株、ティアンタン(Tian Tan)株、WR65-16株、WR株、ワイス(Wyeth)株)、痘瘡ウイルス(例えば、大痘瘡ウイルス及び小痘瘡ウイルス)、及びボレポックス(volepox)ウイルス。
【0048】
インビトロの細胞に基づく研究を行い、それは本明細書に記載した化合物の抗ウイルス剤としての有用性を実証している。例えば、代表的な化合物の抗ウイルス活性は、ウイルスが引き起こすCPEから細胞を保護する、化合物の能力を測定するアッセイで評価した。特定のオルソポックスウイルス株の増殖を助ける細胞を、96ウェル組織培養処理プレートに播き、次に約3日で完全なCPEをもたらす所定量の適切なオルソポックスウイルス株で感染させる。様々な濃度の阻害化合物を添加し、プレートを最適なウイルス増殖のために適切な温度でインキュベートする。インキュベーション期間の最後に、細胞をグルタルアルデヒドで固定し、クリスタルバイオレットで染色する。細胞保護は、OD570nmにおいて分光光度法によって測定する。ウイルスが引き起こすCPEから細胞単層の50%の保護をもたらす、補間の化合物希釈を計算し、50%有効濃度又はEC50として報告する。本明細書に記載した代表的な化合物の抗ウイルス活性は、細胞増殖に対して如何なる実験的に明白な影響も示さない薬物濃度において生じており、このことはこれらの化合物が抗ウイルス機構によって特異的に作用することを示唆している。
【0049】
本明細書に記載した化合物は、まとめて、式Iの化合物、医薬として許容可能なその塩、それらの異性体、及びそれらの混合物を包含する。その化合物は本明細書中でそれらの化学構造及び/又は化学名によって特定されている。ある化合物が化学構造と化学名の両方によって言及されており、化学構造と化学名とが不一致の場合は、化学構造がその化合物が何であるかを決定する。
【0050】
「生きている宿主」の語は本明細書で用いるように、生きており、且つウイルス、例えばオルソポックスウイルスに感染しうる生命体、例えば、哺乳動物をいい、これにはヒトが含まれる。
【0051】
本明細書で用いるように「アルキル」の語は、10個の炭素原子以下の、好ましくは6個の炭素原子以下の、さらに好ましくは1〜4個の炭素原子の直鎖状又は分枝鎖状の脂肪族炭化水素基をいう。同様に、置換基を命名するための組み合わせ形で用いられている「アルキル」又はその全ての変形、例えば、アルコキシ(-O-アルキル)、アルキルチオ(-S-アルキル)、モノアルキルアミノ(-NH-アルキル)、ジアルキルアミノ(-N-(アルキル)アルキル)、アルキルスルホニル(-S(O)2-アルキル)、カルボキシアルキル(-アルキル-COOH)などもまた、1〜6の炭素原子の、好ましくは1〜4の炭素原子の脂肪族炭化水素基をいう。また、構造式中の「alk」(英語名)は、その「alk」(英語名)が対応するアルキレン基を意味する場合に二価を示すのでない限り、アルキル基を示す。加えて、「低級アルキル」の用語は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を示す。
【0052】
本明細書で用いるように「アルケニル」の用語は、1つの二重結合を含む、2〜7個の炭素原子の直鎖状又は分枝鎖状の脂肪族炭化水素基をいう。そのようなアルケニル残基は
E又はZ配置で存在しうる。本発明の化合物は両方の配置を包含する。本明細書で用いるように「アルキニル」の用語は、少なくとも1つの三重結合を有する、2〜7個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状の脂肪族炭化水素基をいう。
【0053】
本明細書で用いるように「フェニル」の用語は、下記の基をいう。
【化9】

【0054】
「置換フェニル」は、そこに示した置換基で置換されたフェニル基をいう。
【0055】
本明細書で用いるように、「アリール」の用語は、そのように用いられた場合、6〜10個の炭素原子を有する芳香族炭素環式基をいい、フェニル及びナフチルが含まれるがこれらに限定されない。
【0056】
本明細書で用いるように「ヘテロアリール」の用語は、少なくとも1個の炭素原子と1個以上の酸素、窒素、又は硫黄原子を環に有する5又は6員環芳香族環式基、例としては、フリル、チエニル、ピリジル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、テトラゾリルなどをいい、全ての位置異性体を含む。好ましいヘテロアリール基には、ピリジン、チアゾール、及びチオフェンが含まれる。
【0057】
本明細書で用いるように「シクロアルキル」の用語は、飽和炭化水素環をいう。シクロアルキルは、単環式であっても、あるいは縮合した、スピロ又は架橋ビシクロもしくはトリシクロ環システムであることができる。単環式シクロアルキル環は、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルのように、3〜10個の炭素原子、好ましくは3〜7個の炭素原子を含む。二環式(ビシクロ)及び三環式(トリシクロ)のシクロアルキル環は、7〜28個の炭素原子、好ましくは7〜19の炭素原子をその環システムに含み、例えば、アダマンチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]シクロオクタニル、トリシクロ[3.2.2.02,4]ノニル、及びノルボルニル、並びにビシクロ[3.2.2]ノニルが含まれる。本明細書で用いるように、シクロアルケニルは、不飽和炭化水素環をいう。シクロアルケニル環は非芳香族であり、少なくとも1つの(好ましくは1つだけ)炭素−炭素二重結合を含む。シクロアルケニル環は単環式であるか、あるいは縮合した、スピロ又は架橋したビシクロもしくはトリシクロ環システムである。単環式シクロアルケニル環は、5〜10個の炭素原子、好ましくは5〜7個の炭素原子を含み、例えば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、及びシクロヘキセニルが含まれる。二環式及び三環式のシクロアルケニル環は、環中に7〜28個の炭素原子、好ましくはその環システム中に7〜19個の炭素原子を含み、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エニル、ビシクロ[2.2.2]シクロオクタ-2-エニル、トリシクロ[3.2.2.02,4]ノナ-6-エニル、及びビシクロ[3.2.2]ノナ-6-エニルが含まれる。
【0058】
本明細書で用いるように「アミド」の用語は、式-NR’’C(=O)R’’’の基又は置換基をいい、式中、R’’及びR’’’は水素又はアルキルを表す。
【0059】
本明細書で用いるように「カルボキサミド」の用語は、式-C(=O)-NR’’R’’’の基又は置換基をいい、式中、R’’及びR’’’は上で定義したとおりである。
【0060】
本明細書で用いるように「スルホンアミド」の用語は、式-SO2NR’’R’’’又は-NR’’SO2R’’’の基又は置換基をいい、式中、R’’及びR’’’は上で定義したとおりである。
【0061】
本明細書で用いるように「ハロゲン」の用語は、クロロ、ブロモ、ヨード、及びフルオロからなる群から選択される基又は置換基をいう。
【0062】
本明細書で用いるように「HPLC」の用語は、高速液体クロマトグラフィーをいう。
【0063】
「置換」とは、「置換」を用いた表現中に示された原子上の1つ又は複数の水素が、示した基(1種又は複数種)から選択されたもので置き換えられていることを示し、但し、示された原子の通常の原子価を超えず且つその置換が安定な化合物をもたらすことを条件とする。置換基がオキソ(=O)基である場合は、その原子上の2つの水素が置き換えられる。
【0064】
本明細書に記載した化合物及びその医薬として許容可能な塩は、その他の活性剤と組み合わせて用いて、生きている宿主のウイルス感染及び疾患を治療及び予防するために有用であり、その他の活性剤には、インターフェロン、リバビリン、免疫グロブリン、免疫賦活剤、抗炎症剤、抗生物質、抗ウイルス剤、抗感染剤、などが含まれるがこれらに限定されない。
【0065】
本明細書に記載した化合物は、細胞、組織、又は器官の培養物、及びその他のインビトロでの応用において、オルソポックスウイルス感染を予防又は消散させるのにも有用である。例えば、細胞又は組織培地及び細胞又は組織培養成分中へ、補助剤として本発明の化合物を含ませることは、ウイルスにそれまで感染していない培養物の感染又は汚染を防止する。上述した化合物は、当業者によって決定された任意の数の処理条件下で、適切な処理期間の後、ウイルスに感染した又は汚染された培養物又はその他の生物学的材料(例えば、血液)中でのウイルス複製を排除し又は弱めるために用いることもできる。
【0066】
本明細書に記載した化合物は、無機及び有機酸類、例えば、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸などと、及び無機又は有機塩基、例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム、ピペリジン、水酸化アンモニウムなどと、有用な塩類を形成することができる。式Iの化合物の医薬として許容可能な塩は、当業者にはよく知られた方法にしたがって調製される。
【0067】
「医薬として許容可能」の語句は、適切な医学的判断の範囲内で、合理的な利益/危険割合と釣り合いがとれていて、過度な毒性、刺激、アレルギー反応、又はその他の問題もしくは合併症なしに、人間及び動物の組織に接触して用いるのに適しているこれらの化合物、材料、組成物、及び/又は投与形態をいうために本明細書において用いられる。
【0068】
本明細書中に記載した特定の化合物が少なくも1つの不斉(キラル)中心を用いる範囲において、この化合物はしたがってエナンチオマーとして存在しうる。加えて、本明細書に記載した化合物は、2つ以上の不斉中心をもっていてもよく、したがって、ジアステレオマーとして、あるいはエキソ又はエンド異性体として存在することもできる。本発明の化合物の調製方法が立体異性体の混合物をもたらす場合、これらの異性体は、従来の手法、例えば分取クロマトグラフィーによって分離することができる。したがって、本化合物は、ラセミ体混合物として調製することも、あるいはエナンチオ特異的合成又は分割によって個別のエナンチオマーとして調製することもできる。この化合物は、例えば、ラセミ体混合物からそれらのラセミ化合物成分に標準的手法よって分割でき、標準的手法は、例えば、光学活性な酸(例えば(-)-ジ-p-トルオイル-d-酒石酸及び/又は(+)-ジ-p-トルオイル-l-酒石酸)との塩の形成と、それに続く分別結晶及びフリー塩基の再生などである。ラセミ混合物は、ジアステレオマーエステル類又はアミド類の形成と、それに続くクロマトグラフィーによる分離及び光学活性補助剤の除去によって分割することもできる。あるいは、化合物は、キラルHPLCカラムを使用して分割することができる。全てのそのような異性体類及びそれらの混合物は、本明細書に記載した範囲内に含まれることが理解されるべきである。
【0069】
本明細書に記載した化合物は、生きている宿主、例えばヒトを含めた哺乳動物におけるオルソポックスウイルス感染を治療するために有用である。生きている宿主に投与する場合、本化合物は単独で、又は医薬組成物として、用いることができる
【0070】
本明細書に記載した化合物を単独で又は相互に組み合わせて含む医薬組成物は、オルソポックスウイルス感染に対する治療を提供する。本明細書に記載した抗ウイルス医薬組成物は、上記式Iの化合物の1種又は複数を活性成分として、医薬として許容可能な担体又は補助剤と組み合わせて含む。
【0071】
この組成物は、錠剤、カプレット、丸薬、又は糖衣錠を含めた、投与のための様々な形態に調製でき、あるいは適切な容器、例えば、カプセルに充填でき、又は懸濁液の場合には瓶に充填できる。本明細書で用いるように「医薬として許容可能な担体」には、任意の且つ全ての溶媒、希釈剤、又はその他の液状媒体、分散又は懸濁助剤、界面活性剤、等張剤、増粘剤又は乳化剤、保存料、固体結合剤、滑沢剤などが、所望の特定の剤形に適するように含まれる。Remington’s Pharmaceutical Sciences, 第20版、A. R. Gennaro (William and Wilkins, Baltimore, Md., 2000)は、医薬組成物を配合するのに用いられる様々な担体及びそれらの調製のための公知の手法を開示している。いずれかの従来の担体媒体が本発明の抗ウイルス化合物と、例えばいずれか望ましくない生物学的影響をもたらすか、あるいは医薬組成物のいずれかの他の成分と有害なかたちで相互作用することによって非相容性である場合を除いて、その使用は本明細書に記載した組成物の範囲内であることが意図されている。
【0072】
医薬組成物は、1種以上の、非水溶性希釈剤、水溶性希釈剤、崩壊剤、結合剤、湿潤剤、溶解剤、流動促進剤、滑沢剤、造粒溶媒を含むことができる。適切な非水溶性希釈剤は、微結晶性セルロースである。好適な水溶性希釈剤の例は、ラクトース一水和物である。好適な典型的な崩壊剤の例は、クロスカルメロースナトリウムである。好適な結合剤の例は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。好適な流動促進剤の例は、コロイダル二酸化ケイ素である。好適な滑沢剤の例は、ステアリン酸マグネシウムである。好適な造粒溶媒の例は水である。
【0073】
本明細書に記載した医薬組成物においては、活性剤は、存在するなら担体媒体及び/又は補助剤を含めた組成物の合計質量を基準にして少なくとも0.5質量%かつ一般的には90質量%以下の量で存在しうる。典型的には、活性剤の割合は、組成物の5〜50%重量の間で変わる。
【0074】
腸内又は非経口投与に適した調剤用有機又は無機固体又は液体担体媒体を、組成物を作るために用いることができる。ゼラチン、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、植物性及び動物性油脂、ガム、ポリアルキレングリコール、又はその他の公知の医薬用成分は、全て、担体媒体又は賦形剤として適しうる。
【0075】
本明細書に記載した化合物は、ウイルスの感染力を弱めるために有効な任意の量及び任意の投与経路を用いて投与することができる。したがって、本明細書で用いるように「ウイルスの感染力を弱めるために有効な量」という表現は、ウイルス感染の所望の予防及び/又は治療をもたらすための、非毒性であるが充分な量の抗ウイルス剤をいう。必要とされる正確な量は、対象ごとに、その対象の種、年齢、及び一般的条件、感染の重篤さ、その特定の抗ウイルス剤、その投与形態などに応じて変わる。
【0076】
本明細書に記載した化合物は、発症から24時間以内に投与してよく、とはいっても治療効果は投与によって発症から48時間以内に、あるいは発症から72時間以内でさえ生じうる。最初のオルソポックスウイルス感染の症状は、感染したそのウイルスに左右される。例えば、天然痘感染の最初の症状は、発熱、倦怠感、頭痛及び身体痛、そして時折嘔吐を含む。
【0077】
上記の抗ウイルス化合物は、投与及び用量の均一性を容易にするための用量単位に配合することができる。本明細書で用いるように、「単位剤形」は、治療するべき患者にとって適切な抗ウイルス剤の物理的非連続単位をいう。各用量は、所望する治療効果を生み出すように計算した活性物質量を含むべきであり、それはそのままか、又は用いる場合には選択した医薬担体媒体及び/又は補助活性剤と組み合わせて含ませる。典型的には、本発明の抗ウイルス化合物は、組成物に質量で約100mg〜約2000mgの抗ウイルス剤を含む用量単位で投与されるが、約10mg〜約10000mgを含む用量単位も用いることができる。
【0078】
上記化合物は、経口で、経直腸で、非経口で、例えば、筋肉注射で、皮下注射で、静脈内注入などで、大槽内に、膣内に、腹腔内に、局所的に、例えば、粉末、軟膏、又はドロップなどによって、あるいは吸入、例えば、エアロゾルなどによって、治療する感染の性質及び重篤さを考慮に入れて投与することができる。投与の経路に応じて、本発明の化合物は、1回当たり、対象(者)の体重1kg当たり約0.125〜約250mgの用量で、一日に1回以上、所望の治療効果が得られるように投与することができる。
【0079】
本発明の化合物は、典型的には、一日に1〜4回投与して、上述の一日当たりの用量を送達する。しかし、本明細書に記載した化合物及び組成物の投与のための正確な処方計画は、治療する個別の宿主又は患者の必要性、行う治療の種類、及び担当する医学専門家の判断に応じることが必要である。
【0080】
予防のためには、本発明の化合物を、見込まれる曝露後48時間以内に投与してよいが、有効な予防は、曝露後7日以内、曝露後14日の間までの投与によってうみだすことができる。用量は、ウイルス感染の治療であろうと予防であろうと基本的には同じであってよい。
【0081】
本明細書に記載した化合物のいずれかの製造工程の間、関係する分子のいずれかの敏感又は反応性の基を保護することが必要及び/又は望ましいことがありうる。これは、従来からの保護基、例えば、Protective Groups in Organic Chemistry, J. F. McOmie編, Plenum Press, 1973;及び、T. W. Greene及びP. G. M. Wuts, Protective Group in Organic Synthesis, John Wiley & Sons, 1999に記載された保護基を用いて達成できる。この保護基は、当分野で公知の方法を用いて、都合のよい後の段階で除去できる。
【0082】
以下の例は、さらに詳細に本発明を説明するために提供する。これらの例は本発明の代表的化合物の合成の好適な方法を説明する。しかし、合成方法は説明することを意図しており、本発明を以下に例示したものに限定することを意図していない。本発明の化合物を調製するための出発物質は、市販されているか、あるいは以下に示した例の一つにしたがって、そうでなければ公知の化学手法を用いて、都合良く調製できる。
【実施例】
【0083】
[実施例1]
4-トリフルオロメチル-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)ベンズアミド(“ST−246”)
【0084】
a.化合物1(a)の調製
【化10】

【0085】
キシレン(35 mL)中のシクロヘプタトリエン(5 g, 54.26 mmol)と無水マレイン酸(6.13 g, 62.40 mmol)の混合物を、アルゴン下で夜通し、加熱還流させた。反応物を室温に冷却し、黄褐色の沈殿物をろ過で集め、乾燥して、2.94 g(28%)の所望の生成物を得た。
【0086】
b.ST−246の調製。エタノール(10 mL)中の化合物1(a)(150 mg, 0.788 mmol)と4-トリフルオロメチルベンズヒドラジド(169 mg, 0.827 mmol)の混合物をアルゴン下で夜通し加熱した。溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。1/1のヘキサン/酢酸エチルを用いるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによる精製によって、152 mg(51%)の生成物を白色固体として得た。
【0087】
[実施例2〜14]
実施例1の上述した方法に従い、化合物1(a)を用い、それを以下のヒドラジドと反応させて、実施例2〜14の化合物を合成した:イソニコチン酸ヒドラジド、4-ブロモ安息香酸ヒドラジド、3-ブロモ安息香酸ヒドラジド、3-クロロ安息香酸ヒドラジド、2-ブロモ安息香酸ヒドラジド、2-クロロ安息香酸ヒドラジド、4-クロロ安息香酸ヒドラジド、ニコチン酸ヒドラジド、2-ピコリニルヒドラジド、4-メトキシ安息香酸ヒドラジド、4-ニトロ安息香酸ヒドラジド、4-フルオロ安息香酸ヒドラジド、及び3-フルオロ安息香酸ヒドラジド。
【0088】
[実施例15]
4-ブロモ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エタノシクロプロパ[f]-イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド
【0089】
a.化合物15(a)の調製
【化11】

【0090】
エタノール(20 mL)中の化合物1(a)(1 g, 5.26 mmol)の溶液に、10%パラジウムカーボン(100 mg, 10質量%)を添加した。この混合物を、50 psiの水素雰囲気下で3時間、Parr水素化器で振盪させた。ミクロンフィルターを通して混合物をろ過してパラジウムを除去し、濾液を濃縮して384 mg(38%)の生成物を白色固体として得た。
【0091】
b.4-ブロモ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エタノシクロプロパ[f]-イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミドの調製
エタノール(10 mL)中の化合物15(a)(350 mg, 1.82 mmol)と4-ブロモ安息香酸ヒドラジド(411 mg, 1.91 mmol)の混合物を、アルゴン下で48時間加熱した。溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。溶離液として1/1のヘキサン/酢酸エチルを用いたシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによる精製によって、444 mg(63%)の生成物を白色固体として得た。
【0092】
[実施例16]
4-ブロモ-N-(1,3-(2H,3aH)-ジオキソ-4,8-エテノシクロヘプタ[c]ピロリル)-ベンズアミドの調製
【0093】
a.化合物16(a)の調製
【化12】

【0094】
キシレン(7 mL)中の1,3-シクロヘプタジエン(0.87 mL, 10.62 mmol)及び無水マレイン酸(1.2 g, 12.24 mmol)の混合物を、アルゴン下で夜通し加熱還流させた。反応物を室温に冷却し、黄褐色沈殿物をろ過によって集め、乾燥させて1.59 g(78%)の所望の生成物を得た。
【0095】
b.4-ブロモ-N-(1,3-(2H,3aH)-ジオキソ-4,8-エテノシクロヘプタ[c]ピロリル)-ベンズアミドの調製
エタノール(5 mL)中の化合物16(a)(500 mg, 2.6 mmol)及び4-ブロモ安息香酸ヒドラジド(587 mg, 2.73 mmol)の混合物を、アルゴン下で夜通し加熱した。溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。1/1のヘキサン/酢酸エチルを用いたシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによる精製によって、683 mg(67%)の生成物を白色固体として得た。
【0096】
[実施例17]
4-ブロモ-N-(オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-2-イル)-ベンズアミドの調製
【0097】
エタノール(10 mL)中のシス-シクロヘキサンジカルボン酸無水物(150 mg, 0.97 mmol)及び4-ブロモ安息香酸ヒドラジド(220 mg, 1.02 mmol)の混合物を、アルゴン下で夜通し加熱した。溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。溶離液として1/1のヘキサン/酢酸エチルを用いたシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、179 mg(52%)の所望の生成物を白色固体として得た。
【0098】
[実施例18]
4-ブロモ-N-ビシクロ[2.2.2]オクタ-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド-ベンズアミド
【0099】
a.化合物18(a)の調製
【化13】

【0100】
キシレン(15 ml)中の1,3-シクロヘキサジエン(2.4 mL, 24.96 mmol)及び無水マレイン酸(2.81 g, 28.66 mmol)の混合物を夜通し加熱還流させた。その溶液を室温に冷却し、沈殿物を吸引ろ過によって集めた。その固体をキシレンで洗浄し、乾燥させて3.08 g(69%)の生成物を黄褐色固体として得た。
【0101】
b.4-ブロモ-N-ビシクロ[2.2.2]オクタ-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド-ベンズアミド化合物の調製
エタノール(10 mL)中の化合物18(a)(150 mg, 0.84 mmol)及び4-ブロモ安息香酸ヒドラジド(190 mg, 0.88 mmol)の混合物を、アルゴン下で夜通し加熱した。溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。1/1のヘキサン/酢酸エチルを用いたシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、210 mg(67%)の生成物を白色固体として得た。
【0102】
[実施例19〜40]
(列挙した化合物名及び構造については以下の表1及び2を参照されたい。)
【0103】
[実施例41]
2,4-ジメチル-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1R)-イル)-チアゾール-5-カルボキサミド
【0104】
エタノール(10 mL)中の化合物1(a)(150 mg, 0.788 mmol)及び2,4-ジメチルチアゾール-5-カルボン酸ヒドラジド(141 mg, 0.827 mmol)の混合物を、アルゴン下で夜通し加熱還流させた。その溶液を次に室温に冷却し、白色沈殿物をろ過によって集めた。固体をエタノールで洗浄し、風乾して183 mg(68%)の生成物を白色固体として得た。
【0105】
好適な出発物質を適切に選択することによって、本発明のその他の化合物を、上述の例に記載した方法にしたがって調製することができる。さらなる二、三、及び四環式アシルヒドラジド誘導体及び類縁体の代表例を、下の表1及び2に示す。
【0106】
【表1】

【0107】
【表2】

【0108】
【表3】

【0109】
【表4】

【0110】
【表5】

【0111】
【表6】

【0112】
【表7】

【0113】
【表8】

【0114】
【表9】

【0115】
【表10】

【0116】
【表11】

【0117】
【表12】

【0118】
【表13】

【0119】
【表14】

【0120】
【表15】

【0121】
表中、
* 全ての1H NMR及び13C NMRスペクトルはVarian Mercury VX300分光計で取得し、他に示していない限りテトラメチルシラン(TMS)を参照とした。ケミカルシフト及び結合定数はそれぞれ100万分の1(ppm)及びヘルツ(Hz)単位で表した。示した多重度は以下のとおりである:s=シングレット、d=ダブレット、t=トリップレット、q=カルテット、m=マルチプレット、dd=ダブルダブレット、及びbrはブロードシングレットを示す。
** マススペクトルデータ(表中Mass Spec)は、(M+1)又は(M-1)分子イオンのいずれかに対して、質量と電荷の比(m/z)として表される。
*** これはデータを収集していないことを示す。
【0122】
以下のデータは、本発明の化合物のさらなる例を含み、これらは上に例示したように調製できるか、及び/又は前の手順にしたがって、あるいはそうでなければ慣用の化学知識を用いて合成することができる。
【0123】
【表16】

【0124】
【表17】

【0125】
【表18】

【0126】
【表19】

【0127】
【表20】

【0128】
【表21】

【0129】
[オルソポックスウイルス複製の阻害]
【0130】
本明細書に記載した化合物のワクシニアウイルスを阻害する能力を、以下の試験法によって証明した。
【0131】
(a)ウイルス原液(ウイルスストック)の調製
ワクシニアウイルス(NYCBH)のウイルス原液は、低い複製率で感染させた(0.01プラーク形成単位(PFU)/細胞)ベロ細胞中で調製し、細胞変性効果が完了したとき(4+CPE)に集めた。この試料を凍結、融解させ、次に超音波処理して細胞結合型ウイルスを切り離した。細胞残渣を低速度遠心分離によって除去し、得られたウイルス懸濁液を1mLのアリコートに-80℃で貯蔵した。このウイルス懸濁液のPFU/mLは、ベロ及びBSC-40細胞に対する標準プラークアッセイによって定量した。
【0132】
(b)ワクシニアCPE:アッセイ
3日目に完全なCPEをうみだすのに必要なワクシニアウイルスストックの量を決定するために、96ウェルプレート上にベロ細胞の単層を播き、ワクシニアウイルスストックの2倍順次希釈系列を用いて感染させた。感染後3日に、培養物を5%のグルタルアルデヒドで固定し、0.1%のクリスタルバイオレットで染色した。ウイルスによるCPEは、OD570での分光測光法で定量した。この分析から、ワクシニアウイルスストックの1:800希釈を、HTSアッセイで用いるために選択した。この量のワクシニアウイルスは、約0.1 PFU/細胞の感染多重度を表している。この96ウェルアッセイの信号ノイズ比(S/N)を立証し、ウェルからウェルへ及びアッセイからアッセイへの変動を評価するために、6つの独立した試験を行った。ベロ細胞の単層を、ワクシニアウイルスストックの1:800希釈で感染させた。各プレートは以下の対照を含む:4通りのウイルス感染ウェル、4通りの非感染細胞ウェル、及び参照基準として、300、100、30、及び10 DAMで添加したシドフォビル(CDV)又は2100、714、210、及び71μMで添加したホスホノ酢酸(PAA)に対する2通りの用量応答曲線。感染後3日に、プレートを上述したように処理した。
【0133】
これらの試験の結果は、この96ウェルアッセイ形式は堅実で再現性があることを示した。S/N比(細胞対照ウェル(シグナル)とウイルス対照ウェル(ノイズ)との比)は9.2±1.8であった。ウェルからウェルへ及びアッセイからアッセイへの変動は20%未満だった。このアッセイを用いて、CDV及びPAAに対するEC50値は、それぞれ84±15μM及び985±85μMと決定された。これらの値は、これらの化合物に対して刊行物記載の値の範囲内であった。この分析を元に、ワクシニアウイルスの1:800希釈(箱に入れた)をこのアッセイで用いるために選択した。
【0134】
(c)化合物試験:
本発明の代表的な化合物を、ワクシニアウイルスCPEアッセイで試験した。化合物をDMSO中に溶かし、各ウェル中の最終濃度が5μMの化合物及び0.5%のDMSOとなるように媒体中に希釈した。この化合物を、Biomek.RTM.FXロボットシステムを使用して培地にロボット制御により添加した。化合物の添加に続いて、培養物をワクシニアウイルスで感染させた。3日後、プレートを処理し、上述のようにCPEを定量した。
【0135】
本発明の代表的な化合物は、ワクシニアウイルスが引き起こすCPEを、試験濃度(5μM)で50%より大きく阻害した。選択した化合物はCPEアッセイにおける有効性(EC50)と、MTTアッセイにおける細胞毒性(CC50)についてさらに評価した。MTTアッセイは、分裂細胞におけるミトコンドリア・デヒドロゲナーゼ活性を測定する。この方法は、不溶性フォルマザンを生成する、電子カップリング剤(フェナジンメトサルフェート)を用いた(3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-5-(3-カルボキシメトキシフェニル)-2-(4-スルホフェニル-)-2H-テトラゾリウム)のその場での還元を検出する。490 nmでのフォルマザンの吸光度は、50%エタノール中でのフォルマザンの可溶化に続いて、96ウェルアッセイプレートから直接測定できる。フォルマザン生成物の量は、培養物中の生細胞の数に直接比例している。
【0136】
EC50値は、コンピュータプログラムを用いて、化合物処理した細胞と化合物処理していない細胞とを比較することによって決定される。(EC50値は、ウイルス複製を50%阻害する化合物濃度を測る。)CPEアッセイにおける本発明の代表的化合物のEC50値を、下の表3に列挙した。これらの化合物は、非毒性濃度で活性である。
【0137】
【表22】

【0138】
【表23】

【0139】
【表24】

【0140】
[化合物の活性スペクトル及び特異性]
上と同様に、いくつかの追加のCPE阻害アッセイを利用して、オルソポックスウイルス属における、本発明の化合物の活性スペクトルを同定した。例えば、天然型牛痘ウイルス(USAMRIID, Fort Detrick, Frederick, Mdから入手した)での、代表的化合物の対応するEC50値は上の表3に示す。
【0141】
表4には、シドフォビル耐性の牛痘ウイルス(Brighton Red株(USAMRIID Fort Detric, Frederick, Mdから入手した)、ラクダ痘ウイルス、及びサル痘ウイルス(Zaire(V79-1-005-scab))に対するこれらのCPEアッセイにおける抗オルソポックスウイルス活性を測定した、本発明の選択した化合物のEC50値を記載している。
【0142】
【表25】

【0143】
表中、Example Number=例番号、Cidofovir-Resistant Cowpox EC50=シドフォビル耐性牛痘EC50、Monkeypox EC50=サル痘EC50、Camelpox EC50=ラクダ痘EC50である。
【0144】
オルソポックスウイルス阻害に対する代表的化合物の特異性は、それらが、ピチンデ(Pichinde)ウイルス、リフトバレー出血熱ウイルス(MP12株)、呼吸器合胞体ウイルス、及びサイトメガロウイルスを含めた非類縁ウイルスの複製を阻害しないという事実に示されている。
【0145】
[実施例42]
4-トリフルオロメチル-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド(“ST-246”)の特性分析
【0146】
物理化学的特性
外観: ST-246は白色から灰色の粉末である。
融点: DSCにより、約196℃。
浸透性: 計算したlog Pは、2.94である。分配係数に基づくと、ST-246は良好な浸透性を有することが予想される。
粒径: 胃腸液への溶解性を向上させるために、この薬物は微粉末化される。微粉化された薬物の典型的粒径は50%が5ミクロンよりも小さい。
溶解度: ST-246の溶解度は、水(0.026 mg/mL)及び胃液pH範囲の緩衝液中では低い。界面活性剤は、その溶解度をわずかに高める。ST-246は有機溶媒には非常に良く溶ける。溶解度データを表5に示す。
【0147】
【表26】

【0148】
[結晶多形]
X線回折パターンは結晶性物質を示し、さまざまなバッチに対して類似している。DSCは196℃でシャープな吸熱を示し、これは融点に対応する。115℃〜189℃の間に小さな吸熱がある。これらの吸熱の位置は2つのバッチで異なる。
【0149】
[生物薬学的分類]
ST-246は、胃液pH範囲の溶液中でのその低い溶解度と、良好な浸透性によって、BCS Class 2に分類される。
【0150】
[安定性]
短期間の強制分解研究は、ST-246が固体状態、並びに中性、酸性、及び塩基性の(50:50の水/アセトニトリル)溶液中で良好な安定性を有することを示した。少量の分解生成物が形成された。
【0151】
臨床試験を意図した、微粉化したST-246 GMPバッチ06-0503 16-04/04-24-01(バッチ# 微粉化5C020)を、ハーモナイゼーションのための国際会議(ICH)のガイドラインに準拠して現行容器(褐色ガラス瓶)中での3年の安定性試験計画にかけた。6ヶ月のデータは、ST-246が25℃/60%相対湿度及び40℃/75%相対湿度並びに光に安定であることを示している。
【0152】
外観、湿度、アッセイ、不純物、及びXRDに、時間又は温度によって左右される変化はない。25℃/60%相対湿度で2ヶ月、及び40℃/75%相対湿度で3ヶ月におけるDSCパターンは、最初の試料のものと僅かな差を示す。サイクリックDSC及びTGA分析からは、最初の試料は、115℃での広い吸熱(100〜130℃)によって示されるように自由水及び結合水の混合を有し、この吸熱の131〜134℃へのシフトによって示されるように結合水に変化すると思われる。TGAは、126℃での2%の水の喪失を示す。
【0153】
[実施例43]
4-トリフルオロメチル-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロピル[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド(“ST-246”)の製造法
【0154】
ST-246は、以下の4つのステップを含む方法で製造できる。
【0155】
ステップ1:
無水トルエン中のシクロヘプタトリエン(1)と無水マレイン酸(2)の溶液を、窒素雰囲気下で80℃に4時間加熱する。反応が完了したことをGC/MS分析が示した後、反応溶液を室温に冷却し、減圧下で溶媒蒸発させる。得られた残留物をtert-ブチルメチルエーテルから再結晶して、エンド異性体(3)を白色結晶として得る。
【0156】
ステップ2:
無水トルエン中の無水ヒドラジンの溶液に、4-(トリフルオロメチル)安息香酸メチル(4)を添加する。反応溶液を窒素雰囲気下で18時間、加熱還流させる。40〜50℃に冷却した後、溶媒を減圧下で蒸発させる。得られた固体をtert-ブチルメチルエーテルから再結晶してヒドラジド(5)を白色固体として得る。
【0157】
ステップ3:
上記エンド異性体(3)、上記ヒドラジド(5)、及びエタノールの混合物を、窒素雰囲気下で18時間、加熱還流させる。得られた溶液を室温に冷却し、減圧下(in vacuo)で濃縮する。未精製物質(6)を次のステップに直接用いる。
【0158】
ステップ4:
上記未精製物(6)を、酢酸エチル及びヘキサンから再結晶して、ST-246(7)を白色固体として得る。この物質を40℃で48時間乾燥させる。
【0159】
貯蔵のためには、この物質を褐色ガラス瓶中に詰めて、2〜8℃で貯蔵してよい。
【0160】
[実施例44]ST-246の特性分析
【0161】
ST-246の物理的形態は、白色乃至灰色の固体である。分子式はC1915である。分子量は376.33である。融点は、DSCによって196℃である。ST-246の溶解度は水中では低く(0.026 mg/mL)、胃液pH範囲の緩衝液中ではわずかである。ST-246は、有機溶媒に非常によく溶ける(60 mg/mL)。その化学構造は上の表1に示されている(例1)。
【0162】
ST-246の構造は、元素分析、赤外スペクトル、紫外スペクトル、質量スペクトル、プロトン核磁気共鳴スペクトル、及びDSCを用いて解明した。元素分析は以下の元素について行った:炭素、水素、フッ素、窒素、及び酸素。分析結果を下に表6に示す。元素分析結果は、ST-246が0.235モルの水を含むことと合致している。
【0163】
【表27】

【0164】
短期間の強制的分解研究は、ST-246が固体状態で、並びに中性、酸性、及び塩基性の溶液(50:50の水/アセトニトリル)中で、良好な安定性を有することを示している。少量の分解生成物が形成された。
【0165】
ST-246の安定性の3ヶ月長期試験を行った。40℃/75%相対湿度及び20℃/65%相対湿度条件での3ヶ月の貯蔵は、試験したいずれのパラメータの分析結果においても、いかなる変化も示さなかった。
【0166】
[実施例44]ST-246の配合物
ST-246は、例えば、25 mg又は200 mgのST-246を含むサイズ0のカプセルに経口投与のための配合をすることができる。全ての不活性成分は、GRAS及びUSPLNF賦形剤であってよい。製造方法は、高剪断ミキサー/造粒機を用いた湿式造粒法と、ハードゼラチンカプセル中への充填を含んでいてよい。
【0167】
[例示成分]
微結晶性セルロース、NF (Avicel PH 101)
ラクトース一水和物、スプレー乾燥品、NF (Fast-flo)
クロスカルメロースナトリウム、NF(Ac-Di-Sol)
ヒドロキシプロピルメチルセルロース、USP(Methocel E3)
ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、NF
コロイダル二酸化ケイ素、NF(Cab-O-Sil M5P)
ステアリン酸マグネシウム、NF(Non-bovine)
精製水、USP
ハードゼラチンカプセル不透明白 サイズ0
【0168】
[説明書及び定量的組成]
好適な剤形には、様々な量の活性成分を含むカプセルが包含される。25又は200 mgのST-246を含む2つの例示剤形の定量的組成を、以下に表6に示す。
【0169】
【表28】

【0170】
[典型的なバッチ配合]
バッチサイズは変わりうる。典型的なバッチサイズの配合を以下に表7に示す。
【0171】
【表29】

【0172】
[段階的製造法]
ST-246の25 mg及び200 mgカプセルの製造のための段階的方法を以下に示す。
1.ラウリル硫酸ナトリウムとヒドロキシプロピルメチルセルロースを精製水に溶かす。
2.ST-246、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ラクトース、及びコロイダル二酸化ケイ素を20メッシュのスクリーンを通してふるいにかけ、さらに、高剪断ミキサー中で低速で混合する。
3.撹拌しながら、ラウリル硫酸ナトリウムとヒドロキシプロピルメチルセルロースの溶液を添加する。
4.溶液の添加後、低速で撹拌する。
5.必要ならばさらに精製水を添加し、撹拌する。
6.流動床乾燥器で乾燥させる。
7.その乾燥した顆粒を#30メッシュスクリーンを通す。#30メッシュスクリーンの上に残った顆粒を、CoMilを使用して通過させる。
8.顆粒を秤量し、その他の粒状賦形剤の量を計算する。
9.粉砕した顆粒をV-ブレンダーに入れ、さらに(20メッシュを通して予めふるいにかけた)クロスカルメロースナトリウムと微結晶セルロースをブレンダーに添加し、混合する。ブレンド物の一部をとり、ステアリン酸マグネシウムと混合し、ブレンダーに添加して混合する。
10.カプセルに充填する。
当業者は、必要に応じて、1用量当たり異なる量のST-246に適合させるために、この方法を容易に変形させることができるだろう。
【0173】
本発明を特定の好ましい態様に関して説明し、例示してきたが、その他の態様は当業者に明らかであろう。本発明は、したがって、説明し且つ例示した具体的態様に限定されず、本発明の精神から離れることなく変更又は変形することができ、その全ての範囲は添付した特許請求の範囲に記載されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オルソポックスウイルスに感染した又は感染が疑われる生きている宿主においてオルソポックスウイルスが引き起こす感染の治療又は予防の方法であって、前記の生きている宿主に下記式を有する化合物又は医薬として許容可能なその塩の治療上有効量を投与するステップを含む方法。
【化1】

〔上記式中、
及びRは、水素及びアルキルからなる群から独立に選択される基を表し;
及びRは、水素及びアルキルからなる群から独立に選択される基を表し;
あるいは、R及びRはそれらが結合している炭素と一緒になって、下記の:
【化2】

(式中、R、R、R、R10、R11、及びR12は、水素及びアルキルからなる群から独立に選択される基を表す。)
からなる群から選択される環状構造を形成し;
は、水素及びアルキルからなる群から選択される基を表し;
は、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルケニル;置換又は非置換のアリール基;置換又は非置換の、フリル、チエニル、ピリジル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、及びテトラゾリルからなる群から選択されたヘテロアリール基;置換又は非置換のアリールアルキル基;及び、置換又は非置換のヘテロアリールアルキル基(ヘテロアリールはピリジン及びチオフェンからなる群から選択される)を表し;
Mは、下記の:
【化3】

(式中、R13、R14、R15、及びR16は、水素及びアルキルからなる群から独立に選択される。)
からなる群から選択され;
前記のアリール基の置換基及び前記のアリールアルキル基の置換基は、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、ハロゲン、ポリフルオロアルキル、ポリフルオロアルコキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、アミド、アミドアルキル、アミジノ、カルボキサミド、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、スルホンアミド、及びメルカプトからなる群から独立に選択された1つ又は複数の基であり;
前記のヘテロアリール基の置換基及び前記のヘテロアリールアルキル基の置換基は、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、ハロゲン、ポリフルオロアルキル、ポリフルオロアルコキシ、カルボキシ、シアノ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、ニトロ、アミド、アミドアルキル、アミジノ、カルボキサミド、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、スルホンアミド、及びメルカプトからなる群から独立に選択された1つ又は複数の基である。〕
【請求項2】
オルソポックスウイルスに感染した又は感染が疑われる生きている宿主においてオルソポックスウイルスが引き起こす感染の治療又は予防の方法であって、前記の生きている宿主に下記式を有する化合物又は医薬として許容可能なその塩の治療上有効量を投与するステップを含む方法。
【化4】

〔上記式中、Rは、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルケニル;置換又は非置換のアリール基;置換又は非置換の、フリル、チエニル、ピリジル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、及びテトラゾリルからなる群から選択されたヘテロアリール基;置換又は非置換のアリールアルキル基;及び、置換又は非置換のヘテロアリールアルキル基(ヘテロアリールはピリジン及びチオフェンからなる群から選択される)を表し;
前記のアリール基の置換基及び前記のアリールアルキル基の置換基は、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、ハロゲン、ポリフルオロアルキル、ポリフルオロアルコキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、アミド、アミドアルキル、アミジノ、カルボキサミド、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、スルホンアミド、及びメルカプトからなる群から独立に選択された1つ又は複数の基であり;
前記のヘテロアリール基の置換基及び前記のヘテロアリールアルキル基の置換基は、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、ハロゲン、ポリフルオロアルキル、ポリフルオロアルコキシ、カルボキシ、シアノ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、ニトロ、アミド、アミドアルキル、アミジノ、カルボキサミド、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、スルホンアミド、及びメルカプトからなる群から独立に選択された1つ又は複数の基である。〕
【請求項3】
オルソポックスウイルスに感染した又は感染が疑われる生きている宿主においてオルソポックスウイルスが引き起こす感染の治療又は予防の方法であって、前記の生きている宿主に下記式を有する化合物又は医薬として許容可能なその塩の治療上有効量を投与するステップを含む方法。
【化5】

〔上記式中、Rは、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルケニル;置換又は非置換のアリール基;置換又は非置換の、フリル、チエニル、ピリジル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、及びテトラゾリルからなる群から選択されたヘテロアリール基;置換又は非置換のアリールアルキル基;及び、置換又は非置換のヘテロアリールアルキル基(ヘテロアリールはピリジン及びチオフェンからなる群から選択される)からなる群から選択される基を表し;
前記のアリール基の置換基及び前記のアリールアルキル基の置換基は、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、ハロゲン、ポリフルオロアルキル、ポリフルオロアルコキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、アミド、アミドアルキル、アミジノ、カルボキサミド、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、スルホンアミド、及びメルカプトからなる群から独立に選択された1つ又は複数の基であり;
前記のヘテロアリール基の置換基及び前記のヘテロアリールアルキル基の置換基は、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、ハロゲン、ポリフルオロアルキル、ポリフルオロアルコキシ、カルボキシ、シアノ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、ニトロ、アミド、アミドアルキル、アミジノ、カルボキサミド、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、スルホンアミド、及びメルカプトからなる群から独立に選択された1つ又は複数の基である。〕
【請求項4】
前記化合物が以下の群から選択される請求項1記載の方法。
4-トリフルオロメチル-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-4-ピリジンカルボキサミド;
4-ブロモ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
3-ブロモ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
3-クロロ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
2-ブロモ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
2-クロロ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
4-クロロ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-3-ピリジンカルボキサミド;
N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-2-ピリジンカルボキサミド;
4-メトキシ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
4-ニトロ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
4-フルオロ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
3-フルオロ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
4-ブロモ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エタノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
4-ブロモ-N-(1,3-(2H,3aH)-ジオキソ-4,8-エテノシクロヘプタ[c]ピロリル)-ベンズアミド;
4-ブロモ-N-(オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-2-イル)-ベンズアミド;
4-ブロモ-N-ビシクロ[2.2.2]オクタ-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド-ベンズアミド;
4-ブロモ-N-ビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3-ジカルボキシイミド-ベンズアミド;
4-シアノ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
4-トリフルオロメチル-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
4-メチル-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
3-ブロモ-N-(1’,3’,3’a,4’,7’,7’a-ヘキサヒドロ-1’,3’-ジオキソスピロ[シクロプロパン-1,-8’-[4,7]メタノ[2H]イソインドール]-2’-イル)ベンズアミド;
N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン-1-カルボキサミド;
N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンゼンアセトアミド;
4-ブロモ-N-(1,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1,3-ジオキソ-4,7-メタノ-2H-イソインドール-2-イル)-ベンズアミド;
2,4-ジクロロ-N-(1,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1,3-ジオキソ-4,7-メタノ-2H-イソインドール-2-イル)-ベンズアミド;
4-トリフルオロメチル-N-ビシクロ[2.2.2]オクタ-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド-ベンズアミド;
4-トリフルオロメチル-N-ビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3-ジカルボキシイミド-ベンズアミド;及び、
2,4-ジメチル-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-チアゾール-5-カルボキサミド;
又は、医薬として許容可能なそれらの塩。
【請求項5】
前記化合物が下記のものからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
4-トリフルオロメチル-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-N-メチル-ベンズアミド;
4-トリフルオロメチル-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-N-エチル-ベンズアミド;
4-トリフルオロメチル-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-7,8-ジメチル-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
4-トリフルオロメチル-N-(3a,4,7,7a-テトラヒドロ-4,7-エテノ-1H-イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-7,8-ジメチル-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-アセトアミド;
N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-7,8-ジメチル-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ブタ-3-エンアミド;
N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-7,8-ジメチル-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-シクロヘキサンカルボキサミド;
4-トリフルオロメチル-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-7,8-ジメチル-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンジルアセトアミド;
4-ピリジル-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-7,8-ジメチル-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-アセトアミド;及び、
3-チエニル-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-7,8-ジメチル-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-アセトアミド;
又は、医薬として許容可能なそれらの塩。
【請求項6】
前記化合物が下記のものからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
4-トリフルオロメチル-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
4-ブロモ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エタノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
4-ブロモ-N-(オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-2-イル)-ベンズアミド;
4-フルオロ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
3-フルオロ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-4-ピリジンカルボキサミド;
4-ブロモ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
4-クロロ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
4-トリフルオロメチル-N-ビシクロ[2.2.2]オクタ-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド-ベンズアミド;及び、
4-トリフルオロメチル-N-ビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3-ジカルボキシイミド-ベンズアミド。
【請求項7】
前記の生きている宿主が哺乳動物である、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記の生きている宿主がヒトである、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記オルソポックスウイルスが、アラサツバウイルス(aractuba virus)、BeAn 58058ウイルス、バッファロポックスウイルス、ラクダ痘ウイルス、カンタガロオルソポックスウイルス(cantagalo orthopozvirus)、牛痘ウイルス、エクトロメリア(Ectromelia)ウイルス、ゾウ痘ウイルス、サル痘ウイルス、ウサギ痘ウイルス、アライグマ痘ウイルス、スカンク痘ウイルス、タテラポックス(taterapox)ウイルス、ワクシニアウイルス、痘瘡ウイルス、及びボレポックス(volepox)ウイルスからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記オルソポックスウイルスが、ワクシニアウイルス、牛痘ウイルス、痘瘡ウイルス、サル痘ウイルス、及びラクダ痘ウイルスからなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記化合物が、1日当たり、患者の体重1kg当たり約0.125〜約250mgの前記化合物を含む単位剤形で投与される、請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記単位剤形が、医薬として許容可能な担体媒体を含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記化合物が、インターフェロン、リバビリン、免疫グロブリン、免疫賦活剤、抗炎症剤、抗生物質、抗ウイルス剤、及び抗感染剤からなる群から選択される少なくとも1種の補助活性剤と組み合わせて投与される、請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記化合物と前記の少なくとも1種の補助活性剤とが同時に投与される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記投与の経路が、経口で、経直腸で、非経口で、大槽内に、膣内に、腹腔内に、局所的に、又は吸入からなる群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項16】
生きている宿主におけるオルソポックスウイルス感染及びオルソポックスウイルス感染に関連する疾患を治療するための医薬組成物であって、下記式を有する1種以上の化合物又は医薬として許容可能なその塩の治療上有効量と、医薬として許容可能な担体媒体とを含む医薬組成物。
【化6】

〔上記式中、
及びRは、水素及びアルキルからなる群から独立に選択される基を表し;
及びRは、水素及びアルキルからなる群から独立に選択される基を表し;
あるいは、R及びRはそれらが結合している炭素と一緒になって、下記の:
【化7】

(式中、R、R、R、R10、R11、及びR12は、水素及びアルキルからなる群から独立に選択される基を表す。)
からなる群から選択される環状構造を形成し;
は、水素及びアルキルからなる群から選択される基を表し;
は、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルケニル;置換又は非置換のアリール基;置換又は非置換の、フリル、チエニル、ピリジル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、及びテトラゾリルからなる群から選択されたヘテロアリール基;置換又は非置換のアリールアルキル基;及び、置換又は非置換のヘテロアリールアルキル基(ヘテロアリールはピリジン及びチオフェンからなる群から選択される)を表し;
Mは、下記の:
【化8】

(式中、R13、R14、R15、及びR16は、水素及びアルキルからなる群から独立に選択される。)
からなる群から選択され;
前記のアリール基の置換基及び前記のアリールアルキル基の置換基は、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、ハロゲン、ポリフルオロアルキル、ポリフルオロアルコキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、アミド、アミドアルキル、アミジノ、カルボキサミド、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、スルホンアミド、及びメルカプトからなる群から独立に選択された1つ又は複数の基であり;
前記のヘテロアリール基の置換基及び前記のヘテロアリールアルキル基の置換基は、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、ハロゲン、ポリフルオロアルキル、ポリフルオロアルコキシ、カルボキシ、シアノ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、ニトロ、アミド、アミドアルキル、アミジノ、カルボキサミド、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、スルホンアミド、及びメルカプトからなる群から独立に選択された1つ又は複数の基である。〕
【請求項17】
前記化合物が、
4-トリフルオロメチル-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-4-ピリジンカルボキサミド;
4-ブロモ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
3-ブロモ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
3-クロロ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
2-ブロモ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
2-クロロ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
4-クロロ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-3-ピリジンカルボキサミド;
N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-2-ピリジンカルボキサミド;
4-メトキシ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
4-ニトロ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
4-フルオロ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
3-フルオロ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
4-ブロモ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エタノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
4-ブロモ-N-(1,3-(2H,3aH)-ジオキソ-4,8-エテノシクロヘプタ[c]ピロリル)-ベンズアミド;
4-ブロモ-N-(オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-2-イル)-ベンズアミド;
4-ブロモ-N-ビシクロ[2.2.2]オクタ-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド-ベンズアミド;
4-ブロモ-N-ビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3-ジカルボキシイミド-ベンズアミド;
4-シアノ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
4-トリフルオロメチル-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
4-メチル-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
3-ブロモ-N-(1’,3’,3’a,4’,7’,7’a-ヘキサヒドロ-1’,3’-ジオキソスピロ[シクロプロパン-1,-8’-[4,7]メタノ[2H]イソインドール]-2’-イル)ベンズアミド;
N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン-1-カルボキサミド;
N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンゼンアセトアミド;
4-ブロモ-N-(1,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1,3-ジオキソ-4,7-メタノ-2H-イソインドール-2-イル)-ベンズアミド;
2,4-ジクロロ-N-(1,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1,3-ジオキソ-4,7-メタノ-2H-イソインドール-2-イル)-ベンズアミド;及び
2,4-ジメチル-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-チアゾール-5-カルボキサミド;
並びに、医薬として許容可能なそれらの塩、
からなる群から選択される化合物である、請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
下記式:
【化9】

〔上記式中、
及びRは、水素及びアルキルからなる群から独立に選択される基を表し;
及びRは、水素及びアルキルからなる群から独立に選択される基を表し;
あるいは、R及びRはそれらが結合している炭素と一緒になって、下記の:
【化10】

(式中、R、R、R、R10、R11、及びR12は、水素及びアルキルからなる群から独立に選択される基を表す。)
からなる群から選択される環状構造を形成し;
は、水素及びアルキルからなる群から選択される基を表し;
は、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルケニル;置換又は非置換のアリール基;置換又は非置換の、フリル、チエニル、ピリジル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、及びテトラゾリルからなる群から選択されたヘテロアリール基;置換又は非置換のアリールアルキル基;及び、置換又は非置換のヘテロアリールアルキル基(ヘテロアリールはピリジン及びチオフェンからなる群から選択される)を表し;
Mは、下記の:
【化11】

(式中、R13、R14、R15、及びR16は、水素及びアルキルからなる群から独立に選択される。)
からなる群から選択され;
前記のアリール基の置換基及び前記のアリールアルキル基の置換基は、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、ハロゲン、ポリフルオロアルキル、ポリフルオロアルコキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、アミド、アミドアルキル、アミジノ、カルボキサミド、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、スルホンアミド、及びメルカプトからなる群から独立に選択された1つ又は複数の基であり;
前記のヘテロアリール基の置換基及び前記のヘテロアリールアルキル基の置換基は、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、ハロゲン、ポリフルオロアルキル、ポリフルオロアルコキシ、カルボキシ、シアノ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、ニトロ、アミド、アミドアルキル、アミジノ、カルボキサミド、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、スルホンアミド、及びメルカプトからなる群から独立に選択された1つ又は複数の基である。〕
を有する化合物、又は医薬として許容可能なその塩
(但し、前記式は以下の:
N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-4-ピリジンカルボキサミド;
4-ブロモ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
3-ブロモ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
3-クロロ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-4-ピリジンカルボキサミド;
4-ブロモ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
4-メトキシ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
4-ブロモ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エタノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
3-ブロモ-N-(1’,3’,3’a,4’,7’,7’a-ヘキサヒドロ-1’,3’-ジオキソスピロ[シクロプロパン-1,-8’-[4,7]メタノ[2H]イソインドール]-2’-イル)-ベンズアミド;
N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン-1-カルボキサミド;及び
4-ブロモ-N-(1,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1,3-ジオキソ-4,7-メタノ-2H-イソインドール-2-イル)-ベンズアミド
からなる群から選択される化合物を含むことを条件とする)。
【請求項19】
4-トリフルオロメチル-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
2-ブロモ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-3-ピリジンカルボキサミド;
N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-2-ピリジンカルボキサミド;
4-ニトロ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
4-フルオロ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
3-フルオロ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
4-ブロモ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エタノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
4-ブロモ-N-(1,3-(2H,3aH)-ジオキソ-4,8-エテノシクロヘプタ[c]ピロリル)-ベンズアミド;
4-ブロモ-N-(オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-2-イル)-ベンズアミド;
4-ブロモ-N-ビシクロ[2.2.2]オクタ-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド-ベンズアミド;
4-ブロモ-N-ビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3-ジカルボキシイミド-ベンズアミド;
4-シアノ-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
4-トリフルオロメチル-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-ベンズアミド;
4-トリフルオロメチル-N-ビシクロ[2.2.2]オクタ-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド-ベンズアミド;
4-トリフルオロメチル-N-ビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3-ジカルボキシイミド-ベンズアミド;及び、
2,4-ジメチル-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)-チアゾール-5-カルボキサミド;
からなる群から選択される化合物。
【請求項20】
請求項18に記載の化合物と、
非水溶性希釈剤、水溶性希釈剤、崩壊剤、結合剤、湿潤剤、溶解剤、流動促進剤、滑沢剤、及び造粒溶媒からなる群から選択される1種以上の追加成分と、
を含む組成物。
【請求項21】
活性成分が4-トリフルオロメチル-N-(3,3a,4,4a,5,5a,6,6a-オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,6-エテノシクロプロパ[f]イソインドール-2(1H)-イル)ベンズアミドである、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
非水溶性希釈剤が微結晶性セルロースである、請求項20に記載の組成物。
【請求項23】
水溶性希釈剤がラクトース一水和物である、請求項20に記載の組成物。
【請求項24】
崩壊剤がクロスカルメロースナトリウムである、請求項20に記載の組成物。
【請求項25】
結合剤がヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項20に記載の組成物。
【請求項26】
流動促進剤がコロイダル二酸化ケイ素である、請求項20に記載の組成物。
【請求項27】
滑沢剤がステアリン酸マグネシウムである、請求項20に記載の組成物。
【請求項28】
造粒溶媒が水である、請求項20に記載の組成物。

【公表番号】特表2010−535705(P2010−535705A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506148(P2010−506148)
【出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【国際出願番号】PCT/US2007/009751
【国際公開番号】WO2008/130348
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(506388691)シガ テクノロジーズ,インコーポレーテッド (3)
【Fターム(参考)】