説明

カメラボディ、交換レンズ、カメラシステム

【課題】所定の条件下においては絞りの開き具合の制御範囲を拡張することができる利便性の高いカメラボディ、交換レンズ、カメラシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】デジタルカメラ1は、開閉制御されることにより入射する光量を調節する絞り307と、絞り307を含む光学系を介して形成された被写体像を撮像して画像データを生成するCMOSセンサ201と、被写体像の結像範囲において、画像データを生成する範囲を設定するカメラコントローラ211と、画像データを生成する範囲に応じて、絞り307を開閉制御するレンズコントローラ311と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絞りの制御範囲を変更するカメラボディ、交換レンズ、カメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
撮影を行う際に絞りの開き具合を制御し、レンズを介して撮像素子に入射する光の量を調節できるカメラが普及している。例えば、特許文献1に示すようなカメラがある。カメラが絞りの開き具合を制御することにより、レンズに入射する光の有効口径が変化する。光の有効口径および、使用するレンズの焦点距離を変化させることによって、レンズの明るさを示す指標であるF値を変更することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-299157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、使用するレンズによって設定できるF値の範囲が定められている。これは制御可能な絞りの開き具合の範囲に制限があるためである。従って、カメラは定められた範囲内においてF値を変更するよう、絞りの開き具合を制御しなくてはならなかった。すなわち、定められた範囲外のF値を設定することができなかった。
【0005】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、所定の条件下においては絞りの開き具合の制御範囲を拡張することができる利便性の高いカメラボディ、交換レンズ、カメラシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明の撮像装置は、開閉制御されることにより入射する光量を調節する絞りと、絞りを含む光学系を介して形成された被写体像を撮像して画像データを生成する撮像部と、被写体像の結像範囲において、画像データを生成する範囲を設定する範囲設定部と、画像データを生成する範囲に応じて、絞りを開閉制御する制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、所定の条件下においては絞りの開き具合の制御範囲を拡張することができる利便性の高いカメラボディ、交換レンズ、カメラシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1のデジタルカメラ1の構成図
【図2】実施の形態1のデジタルカメラ1の背面構成図
【図3】画像切り出しサイズ設定画面を説明するための図
【図4】イメージサークルに対する画像切り出しサイズを説明するための図
【図5】絞り値変更による周辺光量を説明するための図
【図6】絞り値の制御可能範囲の拡張を説明するための図
【図7】フォーカスレンズ位置による周辺フォーカス状態を説明するための図
【図8】フォーカスレンズ位置の制御可能範囲の拡張を説明するための図
【図9】ズームレンズ位置による周辺光量を説明するための図
【図10】ズームレンズ位置の制御可能範囲の拡張を説明するための図
【図11】電源ON時の初期動作フローチャート
【図12】画像切り出しサイズに応じて変更されるレンズデータを説明するための図
【図13】電源ON中に画像切り出しサイズが変更されたときの動作フローチャート
【図14】カメラボディと交換レンズの間の情報送受信の模式図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1に係るデジタルカメラ1の構成および動作について図面を参照して説明する。
【0010】
〔1.構成〕
〔1−1 全体構成の概要〕
まず、実施の形態1に係るデジタルカメラ1の全体構成の概要を説明する。図1は、本実施の形態に係るデジタルカメラ1の構成図である。
【0011】
デジタルカメラ1は、カメラボディ2と、カメラボディ2に着脱可能な交換レンズ3とから構成される。また、カメラボディ2は、交換レンズ3から通知されるレンズデータに従って、各種レンズ制御を実行する。ここで、レンズデータとは、レンズ名称、Fナンバー、焦点距離等の交換レンズ3の特性値である。
【0012】
カメラボディ2は、CMOSセンサ201、メカシャッタ202、信号処理プロセッサ203(DSP)、バッファメモリ204、液晶モニタ205、電子ビューファインダ206(EVF)、電源207、ボディマウント208、フラッシュメモリ209、カードスロット210、カメラコントローラ211、シャッタスイッチ212、ストロボ213、マイク214、およびスピーカ215を備える。カメラボディ2は、カメラコントローラ211によって生成された制御信号を交換レンズ3に送信可能に構成されている。また、カメラボディ2は、交換レンズ3からレンズデータを受信可能に構成されている。
【0013】
また交換レンズ3は、レンズマウント301、対物レンズ302、ズームレンズ303、フォーカスレンズ304を含むレンズ系、ズームレンズ303を駆動させるズーム駆動部305、フォーカスレンズ304を駆動させるフォーカス駆動部306、絞り307、絞り307を駆動させる絞り駆動部308、ズームリング309、フォーカスリング310、およびレンズコントローラ311と、レンズデータを記憶可能なフラッシュメモリ312とを備える。交換レンズ3は、フラッシュメモリ312から読み出したレンズデータをカメラボディ2に送信可能に構成されている。また、交換レンズ3は、カメラボディ2から制御信号を受信可能に構成されている。
【0014】
〔1−2. カメラボディ2の構成〕
図1を用いてカメラボディ2の構成を説明する。カメラボディ2は、交換レンズ3のレンズ系によって集光された被写体像を撮像して、画像データとして記録できるように構成されている。
【0015】
CMOSセンサ201は、受光素子と、AGC(ゲイン・コントロール・アンプ)と、ADコンバータを含んで構成される。受光素子は、レンズ系によって集光された光学的信号を電気信号に変換し、画像データを生成する。またAGCは、受光素子から出力された電気信号を増幅するものである。ADコンバータは、AGCから出力された電気信号をデジタル信号に変換するものである。なお、CMOSセンサ201は、カメラコントローラ211から受信した制御信号に従って、露光、転送、電子シャッタなどの各種の動作を行う。この各種動作は、タイミングジェネレータ等で実現可能である。
【0016】
メカシャッタ202は、レンズ系を介して入射された、CMOSセンサ201に対する光学的信号の遮断又は通過を切り替える。メカシャッタ202は、メカシャッタ駆動部によって駆動される。メカシャッタ駆動部は、モータ、バネ等の機構部品からなり、カメラコントローラ211の制御によって、メカシャッタ202を駆動する。要するに、メカシャッタ202は、開けたり閉じたりして、CMOSセンサ201に当たる光の量を時間的に調整するものである。
【0017】
信号処理プロセッサ203(DSP)は、ADコンバータによってデジタル信号に変換された画像データに、所定の画像処理を施すものである。所定の画像処理としては、ガンマ変換、YC変換、電子ズーム処理、圧縮処理、伸張処理等が考えられるが、これに限られるものではない。
【0018】
バッファメモリ204は、信号処理プロセッサ203で処理を行う際、および、カメラコントローラ211で制御処理を行う際に、ワークメモリとして作用する。バッファメモリ204は、例えば、DRAMなどで実現可能である。
【0019】
液晶モニタ205は、カメラボディ2の背面に配置されるものであり、CMOSセンサ201で生成された画像データまたはその画像データに所定の処理が施された画像データを表示可能である。ここで液晶モニタ205に入力される画像信号は、信号処理プロセッサ203から液晶モニタ205に出力される際、DAコンバータによってデジタル信号からアナログ信号に変換される。
【0020】
電子ビューファインダ206は、カメラボディ2に配置されるものであり、CMOSセンサ201で生成された画像データまたはその画像データに所定の処理が施された画像データを表示可能である。電子ビューファインダ206に入力される画像信号も同様に、信号処理プロセッサ203から電子ビューファインダ206に出力される際、DAコンバータによってデジタル信号からアナログ信号に変換される。
【0021】
ここで液晶モニタ205と電子ビューファインダ206への表示は、表示切替手段217によって、一方に表示されるようにしている。すなわち、液晶モニタ205に画像が表示されている間は、電子ビューファインダ206には何も表示されない。また、電子ビューファインダ206に画像が表示されている間は、液晶モニタ205には何も表示されないように構成されている。表示切替手段217は、例えば、切り替えスイッチなどの物理的な構造で実現することができる。例えば、信号処理プロセッサ203と液晶モニタ205が電気的に接続されている場合、切り替えスイッチが切り替えられることによって、信号処理プロセッサ203と液晶モニタ205との電気的な接続が切断され、信号処理プロセッサ203と電子ビューファインダ206とが電気的に接続される。なお上記に限られず、表示切替手段217は、カメラコントローラ211などから制御信号に基づいて、液晶モニタ205と電子ビューファインダ206への表示の切り替えを行なってもよい。
【0022】
以上のように、液晶モニタへの表示と、電気ビューファインダへの表示とを切り替えるようにしている。但し、これは、構成上の制限からくる問題であるため、液晶モニタへの表示と、電子ビューファインダへの表示を同時に行なうようにしてもかまわない。ここで、同時に表示する場合、液晶モニタに表示する画像と、電子ビューファンダへ表示する画像は、同じ画像であっても、違う画像であってもかまわない。
【0023】
電源207は、デジタルカメラ1で消費するための電力を供給する。電源207は、例えば乾電池であってもよいし、充電池であってもよい。また、電源207コードにより外部から供給される電力をデジタルカメラ1に供給するものであってもよい。
【0024】
ボディマウント208は、交換レンズ3のレンズマウント301と相俟って、交換レンズ3の着脱を可能にする部材である。ボディマウント208は、交換レンズ3と接続端子等を用い電気的に接続可能であるとともに、係止部材等のメカニカルな部材によって機械的にも接続可能である。ボディマウント208は、交換レンズ3に含まれるレンズコントローラ311からの信号をカメラコントローラ211へ出力できるとともに、カメラコントローラ211からの信号を交換レンズ3のレンズコントローラ311に出力できる。すなわち、カメラコントローラ211は、交換レンズ3側のレンズコントローラ311と制御信号やレンズ系に関する情報などを送受信可能である。
【0025】
フラッシュメモリ209は、内蔵メモリとして用いられる記憶媒体である。フラッシュメモリ209は、画像データまたはその画像データに所定の処理が施された画像データを記憶可能である。また、デジタル化された音声信号も記憶可能である。加えて、画像データや音声信号の他にカメラコントローラ211の制御のためのプログラムや設定値などを記憶可能である。
【0026】
カードスロット210は、メモリカード218を着脱するためのスロットである。メモリカード218は、画像データまたはその画像データに所定の処理が施された画像データを記憶可能である。また、デジタル化された音声信号も記憶可能である。要するにメモリカード218は、記憶媒体である。
【0027】
カメラコントローラ211は、カメラボディ2全体を制御するものである。カメラコントローラ211は、マイクロコンピュータで実現してもよく、ハードワイヤードな回路で実現してもよい。すなわち、カメラコントローラ211は、後述する本実施の形態1に係る制御動作などの各種の制御を実行する。
【0028】
シャッタスイッチ212は、カメラボディ2の上面に設けられた釦であり、使用者からの半押しおよび全押し操作を検知する操作手段である。シャッタスイッチ212は、使用者から半押し操作を受け付けると、半押し信号をカメラコントローラ211に出力する。一方、シャッタスイッチ212は、使用者から全押し操作を受け付けると、全押し信号をカメラコントローラ211に出力する。これらの信号に基づいて、カメラコントローラ211は様々な制御を行なう。
【0029】
ストロボ213は、カメラコントローラ211からの制御信号に基づいて、被写体に対して光の照射を行なうものである。例えば、ストロボ213は、キセノンランプやコンデンサ等を用いて実現できる。このように構成した場合、ストロボ213は、コンデンサに高電圧の電荷を蓄積しておき、この電荷をキセノンランプの電極に加えることによって、光の照射するようにしている。
【0030】
マイク214は、音声を電気信号に変換するものである。このマイク214から出力された電気信号は、ADコンバータによってデジタル信号に変換される。ADコンバータで変換されたデジタル信号は、カメラコントローラ211の制御に従って、フラッシュメモリ209またはメモリカード218に記憶される。
【0031】
スピーカ215は、電気信号を音声に変換するものである。ここでスピーカ215へ入力される電気信号は、DAコンバータでデジタル信号から電気信号に変換されたものである。DAコンバータへの出力は、カメラコントローラ211の制御によって、フラッシュメモリ209またはメモリカード218から読み出されたデジタル信号が出力される。
【0032】
図2は、デジタルカメラ1の背面構成図である。デジタルカメラ1の背面には、液晶モニタ205と、再生モード釦230と、選択釦231と、中央釦232とを備える。
【0033】
再生モード釦230は、デジタルカメラ1のモード設定を再生モードに移行させるための押下式の操作釦である。使用者が再生モード釦230を押下することにより、デジタルカメラ1のモード設定が再生モードに移行する。再生モードは、メモリカード218やフラッシュメモリ209にすでに記憶された画像データを液晶モニタ205に再生するモードである。再生モードにあるときに、シャッタスイッチ212の操作を受け付けると、デジタルカメラ1のモード設定が撮影モードに移行する。撮影モードは、レンズ系を介して形成された被写体像をCMOSセンサ201によって撮像するモードである。撮影モードにあるときに、シャッタスイッチ212の押下操作を受け付けると、カメラコントローラ211は、その押下のタイミングに応じて生成された画像データをメモリカード218又はフラッシュメモリ209に記憶する。
【0034】
選択釦231は、押下式の操作釦である。使用者は、選択釦231の上下方向のいずれかの釦を押下することにより、液晶モニタ205に表示される各種カーソルの表示を上下左右方向に移動することができる。
【0035】
中央釦232は、押下式の操作釦である。再生モード時又は撮影モード時において、中央釦232が押下されると、液晶モニタ205は、それぞれのモードに応じた設定項目のメニュー画面を表示する。このとき、液晶モニタ205は、メニュー画面の所定の設定項目上にカーソルを表示する。使用者は、選択釦231を押下することでカーソルを移動させ、中央釦231を押下することにより選択釦231によって移動されたカーソルの示す設定項目の選択を決定する。
【0036】
ここで図3を用いて、画像切り出しサイズ設定について説明する。図3は、液晶モニタ205に表示される画像切り出しサイズ設定画面を示す。デジタルカメラ1のモード設定が撮影モードにあるときに中央釦232の操作を受け付けると、液晶モニタ205は、撮影モードに関する各種設定項目のメニュー画面を表示する。そのメニュー画面から画像切り出しサイズ設定の項目の選択が決定されると、液晶モニタ205は、図3に示すような画像切り出しサイズ設定画面を表示する。画像切り出しサイズ設定画面において、使用者は、CMOSセンサ201から切り出すべき画像データのサイズを設定することができる。CMOSセンサ201のフル画素が1200万画素であるとしたとき、設定できる画像データのサイズとして、液晶モニタ205は、例えば「1200万画素」「800万画素」「300万画素」「100万画素」を表示する。使用者は、選択釦231および中央釦232を操作することにより、CMOSセンサ201から切り出すべき画像データのサイズを設定することができる。
【0037】
図4を用いて、イメージサークルのサイズに対する画像の切り出しサイズを説明する。イメージサークルは、レンズ系を介してデジタルカメラ1内に入射した光が結像する円形の範囲である。イメージサークルは、中心部が最も被写体像が明るくフォーカス状態が良好であり、円形の外側になるにつれて被写体像が暗くなりフォーカス状態も悪くなる。図4に示すように、CMOSセンサ201の受光面の対角線がイメージサークル内に入るようにデジタルカメラ1は設計されている。画像切り出しサイズA(1200万画素)から、画像切り出しサイズB(300万画素)、画像切り出しサイズC(100万画素)と、画像を切り出すサイズを小さくするにつれて、イメージサークルのより中央に位置する範囲であって、被写体像がより明るく、かつフォーカス状態が良好に結像している範囲で画像を撮像することができる。
【0038】
画像切り出しサイズが設定されると、カメラコントローラ211は、その設定情報をボディマウント208とレンズマウント301を介し、レンズコントローラ311に通知する。この動作の詳細は後述する。
【0039】
〔1−3. 交換レンズ3の構成〕
図1を用いて、交換レンズ3の構成を説明する。レンズ系は、対物レンズ302とズームレンズ303とフォーカスレンズ304とを含んで構成され、被写体からの光を集光する。ズームレンズ303は、ズーム駆動部305又はズームリング309によって駆動され、ズーム倍率を調整するものである。フォーカスレンズ304は、フォーカス駆動部306又はフォーカスリング310によって駆動され、ピントの調節を行なうようにしたものである。要するに、フォーカスレンズ304やズームレンズ303は可動レンズである。
【0040】
ズーム駆動部305は、レンズコントローラ311の制御にしたがって、ズームレンズ303を駆動させるようにしたものである。また、フォーカス駆動部306は、レンズコントローラ311の制御にしたがって、レンズデータの示す駆動制御範囲内でフォーカスレンズ304を駆動させる。
【0041】
絞り307は、レンズ系を通過してCMOSセンサ201に入射する光の量を調整するものである。例えば、光の調整は、5枚羽根などで構成される開口部を大きくしたり、小さくしたりすることで可能である。
【0042】
絞り駆動部308は、絞り307の開口部の大きさを変更するものである。レンズコントローラ311は、絞り307の開口部の大きさを変更するよう制御することができる。ここで開口部の大きさは、カメラコントローラ211からレンズコントローラ311に対してF値により指定可能である。
【0043】
絞り駆動部308は、レンズコントローラ311からの制御に基づいて、絞り307を駆動するようにしている。この場合、絞り駆動部308は、レンズコントローラ311から絞りを調整するための制御信号(絞り値又は駆動量)を取得する。これによって、絞り駆動部308は、この絞りを調整するための制御信号に応じて、レンズデータの示す駆動制御範囲内で絞りを駆動する。
【0044】
ズームリング309は、交換レンズ3の外装に設けられ、使用者からの操作に応じて、ズームレンズ303を駆動させるものである。また、フォーカスリング310は、交換レンズ3の外装に設けられ、使用者からの操作に応じて、フォーカスレンズ304を駆動させるものである。
【0045】
フラッシュメモリ312は、交換レンズ3のレンズ特性を表すレンズデータを記憶する。レンズデータとは、図10のように、レンズの名称やF値、焦点距離等などをカメラコントローラ211が認識可能な形態になっているデータを表す。
【0046】
レンズコントローラ311は、交換レンズ3全体を制御するものである。レンズコントローラ311は、マイクロコンピュータで実現してもよく、ハードワイヤードな回路で実現してもよい。なお、レンズコントローラ311は、交換レンズ3がカメラボディ2に装着されると、フラッシュメモリ312に記憶されたレンズデータを読み出して、カメラコントローラ211に送信する。
【0047】
また、レンズコントローラ311は、カメラコントローラ211から通知された画像切り出しサイズ設定情報に基づいて、レンズデータを生成する。
【0048】
〔1−4.本発明との対応関係〕
絞り307は、本発明の絞りの一例である。CMOSセンサ201は、本発明の撮像部の一例である。カメラコントローラ211は、本発明の範囲設定部の一例である。カメラコントローラ211とボディマウント208とからなる構成は、本発明のボディ側取得部の一例である。レンズコントローラ311は、本発明の制御部の一例である。レンズコントローラ311は、本発明の決定部の一例である。レンズコントローラ311とレンズマウント301とからなる構成は、本発明のレンズ側取得部の一例である。デジタルカメラ1は、本発明の撮像装置の一例である。カメラボディ2は、本発明のカメラボディの一例である。交換レンズ3は、本発明の交換レンズの一例である。
【0049】
〔2.動作〕
〔2−1.全体動作の概要〕
実施の形態1に係るデジタルカメラ1の全体動作の概要を説明する。
【0050】
デジタルカメラ1の電源がONされると、カメラボディ2と交換レンズ3との間でレンズ認証のための通信と、レンズ初期化のための通信を実行する。その後、カメラボディ2にて設定されている画像切り出しサイズの情報に基づいて、交換レンズ3はレンズデータを生成しカメラボディ2に通知する。カメラボディ2は、交換レンズ3から通知されたレンズデータに基づいてレンズ制御信号を生成し交換レンズに通知する。
【0051】
また、デジタルカメラ1の電源ON時において、カメラボディ2にて設定されている画像切り出しサイズの情報に変更があった場合、カメラボディ2は変更後の画像切り出しサイズ情報を交換レンズ3に通知する。交換レンズ3は、カメラボディ2から通知された変更後の画像切り出しサイズの情報に基づいてレンズデータを生成しカメラボディ2に通知する。カメラボディ2は、交換レンズ3から通知されたレンズデータに基づいてレンズ制御信号を生成し交換レンズに通知する。
【0052】
交換レンズ3は、カメラボディ2から通知される画像切り出しサイズ情報に基づいて、絞り307やフォーカスレンズ304の制御範囲を変更し、レンズデータを生成する。
【0053】
〔2−2.絞り制御範囲の変更動作について〕
図5および図6を用いて、絞り307の開閉の制御範囲の変更動作について説明する。
【0054】
図5は、絞り値の変更によるイメージサークルの周辺光量の低下を説明するための図である。図5(a)から(c)は、各絞り値に設定されたときに結像されるイメージサークルを示す。各図の四隅に記載のパーセント表示は、イメージサークルの中心光量に対する周辺光量の比率を表している。図5(a)から(c)に示されているように、絞り307の絞り値が小さくなるに従って、すなわち絞り307が開放側に行くに従って、イメージサークルの中心光量に対する周辺光量の比率が低下する。これは、デジタルカメラ1に入射する光の光軸に対して絞り307の前後の位置にレンズがあるときに、レンズに斜め入射する光の一部がけられて光量が少なくなることが一因である。絞り307を絞っていくことで、イメージサークルの周辺光量の低下は改善される。
【0055】
図5(c)に示すように、例えば、画像切り出しサイズA(1200万画素)に設定されているとき、撮像される画像データへの周辺光量低下の影響が許容可能な範囲まで絞り307を開放させたならば、絞り値がF=2.8だったとする。このとき、画像切り出しサイズ設定がサイズAに設定されている旨をカメラコントローラ211から通知を受けて、レンズコントローラ311は、絞り値の開放側の制御限界値がF=2.8になるようにレンズデータを生成する。また、絞り値がF=2.8に設定されているとき、画像切り出しサイズの設定がサイズB(300万画素)やサイズC(100万画素)であるならば、撮像される画像データに周辺光量低下の影響が現れるまでに、イメージサークルの面範囲に余裕があるため、レンズコントローラ211は、より開放側に絞り値の制御限界値が来るようにレンズデータを生成することができる。すなわち、レンズコントローラ311は、画像の切り出しサイズに応じて、絞り307の制御範囲を拡張することができる。
【0056】
図6は、絞り値の制御可能な範囲の拡張を説明するための図である。図6(a)から(c)は、画像切り出しサイズに応じて変更される絞り値の制御可能範囲の変化を示している。画像切り出しサイズの設定がサイズAのとき、上述のとおり絞り値の開放端の値がF=2.8となったとする。交換レンズ3の絞り308を最も絞ったときの絞り値をF=5.8だとすると、レンズコントローラ311は、絞り308がF=2.8からF=5.8の間で駆動させられるようにレンズデータを生成し、カメラコントローラ211に通知する。カメラコントローラ211は、通知されたレンズデータに従い、絞り値がF=2.8からF=5.8の間で絞り307を制御する。
【0057】
画像切り出しサイズの設定がサイズBやサイズCのときも同様である。サイズBやサイズCに設定されているときに撮像される画像データへの周辺光量低下の影響が許容可能な範囲まで絞り307を開放させたならば、絞り値がそれぞれF=2.0、F=1.4だったとする。このとき、レンズコントローラ311は、絞り308がそれぞれF=2.0からF=5.8までの間、F=1.4からF=5.8までの間で駆動させられるようにレンズデータを生成し、カメラコントローラ211に通知する。カメラコントローラ211は、通知されたレンズデータに従い、画像切り出しサイズ設定がサイズBのときは、絞り値がF=2.0からF=5.8の間で絞り307を制御し、画像切り出しサイズ設定がサイズCのときは、絞り値がF=1.4からF=5.8の間で絞り307を制御する。
【0058】
〔2−3.フォーカスレンズ制御範囲の変更について〕
図7および図8を用いて、フォーカスレンズ304の位置の制御範囲の変更動作について説明する。
【0059】
図7は、フォーカスレンズ位置によるイメージサークルの周辺フォーカス状態を説明するためのイメージ図である。イメージサークルの周辺の被写体像は、レンズの収差に起因してフォーカス状態がぼやけたり、にじんだりして解像度が落ちたり、像が歪んだりする。この現象による影響は、イメージサークルの結像面に位置するCMOSセンサ201に対して、フォーカスレンズ304の位置がより至近側に位置するに従って大きくなる。フォーカスレンズ304の位置をCMOSセンサ201に対してより無限遠側に位置させることで、イメージサークルの周辺解像度は改善されていく。
【0060】
図7に示すように、例えば、画像切り出しサイズA(1200万画素)に設定されているとき、撮像される画像データへの周辺解像度悪化の影響度が許容可能な範囲までフォーカスレンズ304を至近側に近づけたならば、被写体までの距離に換算してフォーカス位置がd=5cmだったとする。このとき、画像切り出しサイズ設定がサイズAに設定されている旨をカメラコントローラ211から通知を受けて、レンズコントローラ311は、フォーカスレンズ304の最至近位置がd=5cmになるようにレンズデータを生成する。また、フォーカスレンズ304の最至近位置がd=5cmに設定されているとき、画像切り出し設定がサイズB(300万画素)やサイズC(100万画素)であるならば、撮像される画像データに周辺解像度悪化の影響が現れるまでに、イメージサークルの面範囲に余裕があるため、レンズコントローラ211は、より至近側にフォーカスレンズ304が位置できるようにレンズデータを生成することができる。すなわち、レンズコントローラ311は、画像の切り出しサイズに応じて、フォーカスレンズ304の制御範囲を拡張することができる。
【0061】
図8は、フォーカスレンズ位置の制御可能な範囲の拡張を説明するための図である。図8(a)から(c)は、画像切り出しサイズに応じて変更されるフォーカスレンズ304の制御可能範囲の変化を示している。画像切り出しサイズの設定がサイズAのとき、上述のとおりフォーカスレンズ304の最至近位置がd=5cmとなったとする。このとき、レンズコントローラ311は、フォーカスレンズ304がd=5cmからd=無限遠の間で駆動させられるようにレンズデータを生成し、カメラコントローラ211に通知する。カメラコントローラ211は、通知されたレンズデータに従い、d=5cmからd=無限遠の間でフォーカスレンズ304の位置を制御する。
【0062】
画像切り出しサイズの設定がサイズBやサイズCのときも同様である。サイズBやサイズCに設定されているときに撮像される画像データへの周辺解像度低下の影響が許容可能な範囲までフォーカスレンズ304を至近側にしたならば、フォーカスレンズ位置がそれぞれd=4.5cm、d=4cmだったとする。このとき、レンズコントローラ311は、フォーカスレンズ304がそれぞれd=4.5cmからd=無限遠までの間、d=4cmからd=無限遠までの間で駆動させられるようにレンズデータを生成し、カメラコントローラ211に通知する。カメラコントローラ211は、通知されたレンズデータに従い、画像切り出しサイズ設定がサイズBのときは、フォーカスレンズ位置がd=4.5cmからd=無限遠までの間でフォーカスレンズ304を制御し、画像切り出しサイズ設定がサイズCのときは、d=4cmからd=無限遠までの間でフォーカスレンズ304を制御する。
【0063】
〔2−4.ズームレンズ制御範囲の変更について〕
図9および図10を用いて、ズームレンズ303の制御範囲の変更について説明する。
【0064】
図9は、ズームレンズ303を広角側に移行したときのイメージサークルの周辺光量の低下を説明するための図である。ズームレンズ303が広角側に移行するに従って、イメージサークルの中心光量に対する周辺光量の比率が低下する。これは、デジタルカメラ1に入射する光の一部がけられて光量が少なくなることが一因である。ズームレンズ303をより望遠側に移行することで、イメージサークルの周辺光量の低下は改善される。
【0065】
図9に示すように、例えば、画像切り出しサイズA(1200万画素)に設定されているとき、撮像される画像データへの周辺光量低下の影響が許容可能な範囲までズームレンズ303を広角側に移行したならば、焦点距離がd=14mmだったとする。このとき、画像切り出しサイズ設定がサイズAに設定されている旨をカメラコントローラ211から通知を受けて、レンズコントローラ311は、ズームレンズ303の広角側の制御限界値が焦点距離d=14mmになるようにレンズデータを生成する。また、焦点距離がd=14mmに設定されているとき、画像切り出しサイズの設定がサイズB(300万画素)やサイズC(100万画素)であるならば、撮像される画像データに周辺光量低下の影響が現れるまでに、イメージサークルの面範囲に余裕があるため、レンズコントローラ211は、より広角側にズームレンズ303による焦点距離の制御限界値が来るようにレンズデータを生成することができる。すなわち、レンズコントローラ311は、画像の切り出しサイズに応じて、ズームレンズ303の制御範囲を拡張することができる。
【0066】
図10は、ズームレンズ303による焦点距離の制御可能な範囲の拡張を説明するための図である。図10(a)から(c)は、画像切り出しサイズに応じて変更されるズームレンズ303による焦点距離の制御可能範囲の変化を示している。画像切り出しサイズの設定がサイズAのとき、上述のとおり焦点距離の広角端の値がd=14mmとなったとする。交換レンズ3のズームレンズ303を最も望遠側に移行させたときの焦点距離がd=45mmだとすると、レンズコントローラ311は、焦点距離がd=14mmからd=45mmの間で駆動させられるようにレンズデータを生成し、カメラコントローラ211に通知する。カメラコントローラ211は、通知されたレンズデータに従い、焦点距離がd=14mmからd=45mmの間でズームレンズ303を制御する。
【0067】
画像切り出しサイズの設定がサイズBやサイズCのときも同様である。サイズBやサイズCに設定されているときに撮像される画像データへの周辺光量低下の影響が許容可能な範囲までズームレンズ303を広角側に移行させたならば、焦点距離がそれぞれd=12mm、d=10mmだったとする。このとき、レンズコントローラ311は、焦点距離がそれぞれd=12mmからd=45mmまでの間、d=10mmからd=45mmまでの間で駆動させられるようにレンズデータを生成し、カメラコントローラ211に通知する。カメラコントローラ211は、通知されたレンズデータに従い、画像切り出しサイズ設定がサイズBのときは、焦点距離がd=12mmからd=45mmの間でズームレンズ303を制御し、画像切り出しサイズ設定がサイズCのときは、焦点距離がd=10mmからd=45mmまでの間でズームレンズ303を制御する。
【0068】
〔2−5.電源ON時の初期動作〕
図9を用いて、電源ON時の撮像準備のためのデジタルカメラ1の動作を説明する。図9は、実施の形態1に係るデジタルカメラ1の撮像準備動作を説明するための信号送受信を示す図である。
【0069】
カメラボディ2に交換レンズ3を装着した状態で、使用者が、カメラボディ2の電源をONすると、電源207は、ボディマウント208及びレンズマウント301を介して、交換レンズ3に電力を供給する(S11)。次に、カメラコントローラ211は、レンズコントローラ311に対して、交換レンズ3の認証情報を要求する(S12)。ここで、交換レンズ3の認証情報には、交換レンズ3が装着されているか否かに関する情報及びアクセサリが装着されているか否かに関する情報が含まれる。レンズコントローラ311は、カメラコントローラ211からのレンズ認証要求に応答する(S13)。これにより、カメラコントローラ211は、レンズ認証を行う。
【0070】
次に、カメラコントローラ211は、レンズコントローラ311に対して、初期化動作をするよう要求する(S14)。これを受けて、レンズコントローラ311は、絞り307のリセット、フォーカスレンズ304のリセット等の初期化動作を行う。そして、レンズコントローラ311は、カメラコントローラ211に対して、レンズ初期化動作が完了した旨を返信する(S15)。これにより、カメラコントローラ211は、レンズの初期化を行う。
【0071】
次に、カメラコントローラ211は、画像切り出しサイズの設定情報を読み出す。続いて、カメラコントローラ211は、レンズコントローラ311に対して、レンズデータを要求する(S16)。そして、カメラコントローラ211は、レンズコントローラ311に画像切り出しサイズの設定情報を通知する(S17)。レンズコントローラ311は、画像切り出しサイズに基づいて、絞り307やフォーカスレンズ304の制御可能範囲を変更したレンズデータを生成する。交換レンズ3の特性値としての元々のレンズデータは、フラッシュメモリ242に格納されている。そこで、レンズコントローラ240は、フラッシュメモリ242からこの元々のレンズデータを読み出して、絞り307やフォーカスレンズ304の制御可能範囲を更新したレンズデータを生成する。レンズコントローラ311は、生成したレンズデータをカメラコントローラ211に返信する(S18)。
【0072】
カメラコントローラ211が、カメラボディ2に装着されている交換レンズ3のレンズデータを把握すると、撮像可能な状態になる。この状態では、カメラコントローラ211は、レンズコントローラ311に対して、交換レンズ3の状態を示すレンズ状態データを定期的に要求する(S19)。レンズ状態データは、例えば、ズームレンズ303によるズーム倍率情報、フォーカスレンズ304の位置情報、絞り307の絞り値情報などが含まれる。この要求に応えて、レンズコントローラ311は、カメラコントローラ211に対して、要求されたレンズ状態データを返信する(S20)。
【0073】
また、この状態から、デジタルカメラ1は、CMOSセンサ201で生成した画像データが示す画像をスルー画像として液晶モニタ205に表示する制御モードで動作し得る。この制御モードをライブビューモードという。ライブビューモードでは、スルー画像が動画で液晶モニタ205に表示されるので、使用者は、液晶モニタ205を見ながら静止画像を撮像するための構図を決めることができる。このとき、露出やピントを調節するために、カメラコントローラ211は、ボディマウント208及びレンズマウント301を介して、レンズコントローラ311にフォーカスレンズ304や絞り307を駆動させるレンズ制御信号を通知する(S21)。このとき、カメラコントローラ211は、フォーカスレンズ304や、絞り307を上述した駆動制御可能な範囲にて、レンズ制御信号を生成することは言うまでもない。
【0074】
この要求に応えて、レンズコントローラ311は、通知されたレンズ制御信号に基づいてフォーカスレンズ304や絞り307を駆動させる。レンズ制御信号には、例えば、駆動を要求するフォーカスレンズの目標距離情報、駆動を要求する絞りの目標絞り値情報などが含まれる。駆動制御が完了したのち、レンズコントローラ311は、駆動制御が完了したことを通知するレンズ制御応答を、カメラコントローラ211に応答する(S22)。
【0075】
〔2−6.電源ON中に画像切り出しサイズが変更されたときの動作〕
図11を用いて、電源ON中に画像切り出しサイズが変更されたときのデジタルカメラ1の動作を説明する。図11は、画像切り出しサイズが変更されたときの動作を説明するための信号送受信を示す図である。
【0076】
使用者は、デジタルカメラ1が撮影モードにあるときに、画像切り出しサイズの設定を変更することができる。設定の変更の仕方は上述したとおりである。画像切り出しサイズの設定が変更されると、カメラコントローラ211は、レンズコントローラ311に対してレンズデータを要求する(S30)。そして、カメラコントローラ211は、レンズコントローラ311に変更後の画像切り出しサイズの設定情報を通知する(S31)。レンズコントローラ311は、変更後の画像切り出しサイズに基づいて、絞り307やフォーカスレンズ304の制御可能範囲を変更したレンズデータを生成する。
【0077】
図11におけるステップS32からステップS36までの動作は、図9におけるステップS18からステップS22の動作と同様であるため、説明を省略する。
【0078】
〔3.まとめ〕
以上のように実施の形態1のデジタルカメラ1は、開閉制御されることにより入射する光量を調節する絞り307と、絞り307を含む光学系を介して形成された被写体像を撮像して画像データを生成するCMOSセンサ201と、被写体像の結像範囲において、画像データを生成する範囲を設定するカメラコントローラ211と、画像データを生成する範囲に応じて、絞り307を開閉制御するレンズコントローラ311と、を備える。従って、デジタルカメラ1は、CMOSセンサ201にて画像データを生成する範囲に応じて、絞り307を開閉制御する。これにより、デジタルカメラ1は、設定される画像データのサイズに応じて絞り307の制御範囲を拡張することができる。
【0079】
また、実施の形態1のデジタルカメラ1において、レンズコントローラ311は、画像データを生成する範囲が小さくなるにつれて、より開放側に絞り307を開閉制御する。画像データを生成する範囲を小さくすることで、絞り307を開放していくことによる画像周辺の光量の低下の影響の少ないイメージサークルの中央部の範囲から被写体像を撮像することができる。そのため、画像切り出しサイズの面範囲において、光量の低下の影響が目立って出ないようにできる範囲まで、絞り307をより開放側に設定できるよう制御範囲を拡張することができる。
【0080】
また、実施の形態1のデジタルカメラ1において、カメラボディ2は、交換レンズ3が着脱可能なカメラボディ2であって、交換レンズ3を介して形成された被写体像を撮像して画像データを生成するCMOSセンサ201と、被写体像の結像範囲において、画像データを生成する範囲を設定するカメラコントローラ211と、画像データを生成する範囲を通知することにより、交換レンズ3から交換レンズ3が有する絞り307の制御範囲情報を取得するカメラコントローラ211とボディマウント208とからなる構成とを備える。また、交換レンズ3は、カメラボディ2に着脱可能な交換レンズ3であって、開閉制御されることにより入射する光量を調節する絞り307を含む光学系と、カメラボディ2が有するCMOSセンサ201が撮像する被写体像の結像範囲において、画像データを生成する範囲を取得するレンズコントローラ311とレンズマウント301とからなる構成と、画像データを生成する範囲に基づいて、絞り307を開閉させる制御範囲を決定するレンズコントローラ311とを備える。従って、図12に示すように、カメラボディ2が画像切り出しサイズ設定情報を交換レンズ3に通知すると、交換レンズ3は、その画像切り出しサイズ設定情報に対応したレンズデータをカメラボディ2に通知する。これにより、カメラボディ2は、画像切り出しサイズ設定情報に対応したレンズデータを自身に装着された交換レンズ3の現在のレンズ特性であるとみなし、そのレンズ特性に基づいて生成されたレンズ制御信号を交換レンズ3に通知することが可能となる。
【0081】
以上の説明したように、本実施の形態1によれば、所定の条件下においては絞りの開き具合の制御範囲を拡張することができる利便性の高い交換レンズ3、カメラボディ2、デジタルカメラ1を提供することができる。
(他の実施の形態)
本発明の実施の形態として、実施の形態1を例示した。しかし、本発明は、実施の形態1に限定されず、他の実施の形態においても実現可能である。そこで、本発明の他の実施の形態を以下まとめて説明する。
【0082】
上記実施の形態1では、受光素子、AGC、ADコンバータを備えるCMOSセンサで構成した。しかし、これに限られず、例えば、CCDイメージセンサとADコンバータを別々の部材で構成してもよい。撮像手段は、被写体像を撮像して、画像データ(デジタル信号又は電気信号)を生成できるものであれば、どのような構成であってもかまわない。なお、CMOSセンサで構成した場合、消費電力を減らすことができる。
【0083】
上記実施の形態1では、交換レンズ3と、交換レンズ3が着脱可能なカメラボディ2から構成されるデジタルカメラ1で説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、レンズとカメラボディが一体となったデジタルカメラにおいても本発明は適用可能である。
【0084】
上記実施の形態1において、レンズコントローラ311は、カメラコントローラ211から通知された画像切り出しサイズ設定情報に応じてレンズデータを生成するようにしたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、交換レンズ3のフラッシュメモリ312に、画像切り出しサイズ設定情報に応じたそれぞれのレンズデータを予め格納しておいてもよい。この場合、レンズコントローラ311は、カメラコントローラ211から通知された画像切り出しサイズ設定情報に基づいて、対応するレンズデータをフラッシュメモリ312から読み出すように構成すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明はカメラシステム1への適用に限定されず、画像切り出しサイズを変更することができる撮像装置であれば適用可能である。
【符号の説明】
【0086】
1 デジタルカメラ
2 カメラボディ
3 交換レンズ
201 CMOSセンサ
202 シャッタ
203 信号処理プロセッサ
204 バッファメモリ
205 液晶モニタ
206 電子ビューファインダ
207 電源
208 ボディマウント
209 フラッシュメモリ
210 カードスロット
211 CPU
212 シャッタスイッチ
218 メモリカード
301 レンズマウント
304 フォーカスレンズ
306 フォーカス駆動部
307 絞り
308 絞り駆動部
311 レンズコントローラ
312 フラッシュメモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉制御されることにより入射する光量を調節する絞りと、
前記絞りを含む光学系を介して形成された被写体像を撮像して画像データを生成する撮像部と、
前記被写体像の結像範囲において、前記画像データを生成する範囲を設定する範囲設定部と、
前記画像データを生成する範囲に応じて、前記絞りを開閉制御する制御部と、を備えた、
撮像装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記画像データを生成する範囲が小さくなるにつれて、より開放側に前記絞りを開閉制御する、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
交換レンズが着脱可能なカメラボディであって、
前記交換レンズを介して形成された被写体像を撮像して画像データを生成する撮像部と、
前記被写体像の結像範囲において、前記画像データを生成する範囲を設定する範囲設定部と、
前記画像データを生成する範囲を通知することにより、前記交換レンズから前記交換レンズが有する絞りの制御範囲情報を取得するボディ側取得部と、
を備えたカメラボディ。
【請求項4】
カメラボディに着脱可能な交換レンズであって、
開閉制御されることにより入射する光量を調節する絞りを含む光学系と、
前記カメラボディが有する撮像部が撮像する被写体像の結像範囲において、画像データを生成する範囲を取得するレンズ側取得部と、
前記画像データを生成する範囲に基づいて、前記絞りを開閉させる制御範囲を決定する決定部と、
を備えた交換レンズ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−150047(P2011−150047A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−9767(P2010−9767)
【出願日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】