説明

カルボニル−アミノ置換アシルフェニル尿素誘導体、その製造方法及び使用

本発明は、式(I)の化合物(式中の残基は明細書に意味を有する)、並びにその生理的に許容される塩に関する。本化合物は、例えば、II型糖尿病の予防及び治療のための医薬として使用することができる。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルボニルアミノ置換アシルフェニル尿素誘導体、そしてまた、それらの生理的に許容される塩及び生理的に機能性の誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
WO9946236(Novo Nordisk)は、II型糖尿病の場合に有効であるカルボニルアミノ置換アシルフェニル尿素誘導体(実施例1)を記載している。
【0003】
WO00/07991(PCT/GB99/02489 Astra Zeneca)は、サイトカインの形成の阻害剤としてのアミド誘導体を記載している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、II型糖尿病の予防及び治療を可能にする化合物を提供することである。この目的のために、化合物は、特に治療的に利用可能な血糖低下作用を示さなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、本発明は、式I
【化1】

の化合物
[式中、
R8、R9、R10、R11は、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、OH、NO2、CN、O−(C1−C6)アルキル、O−(C2−C6)アルケニル、O−(C2−C6)アルキニル、O−SO2−(C1−C4)−アルキル、(C1−C6)−アルキル、(C2−C6)−アルケニル又は(C2−C6)−アルキニルであり、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニルは、F、Cl又はBrで多置換されていてもよく;
R1、R2は、それぞれ独立して、H、(C1−C6)−アルキル(ここで、アルキルは、OH、O−(C1−C4)−アルキル、NH2、NH(C1−C4)−アルキル、N[(C1−C6)−アルキル] 2で置換されていてもよい)、又はO−(C1−C6)−アルキル、CO−(C1−C6)−アルキル、COO−(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキレン−COOH又は(C1−C6)−アルキレン−COO−(C1−C6)−アルキルであり;
【0006】
R3、R4、R5、R6は、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、NO2、CN、O−R12、O−フェニル、S−R12、COOR12、N(R13)(R14)、(C1−C6)−アルキル、(C2−C6)−アルケニル、(C2−C6)−アルキニル、(C3−C7)−シクロアルキル、(C3−C7)−シクロアルキル−(C1−C4)−アルキレン又はO−(C1−C5)−
アルキル−COOR12であり、ここで、アルキル、シクロアルキル、アルキレン及びアルキニルは、F、Cl、Br、OR12、COOR12又はN(R13)(R14)で多置換されていてもよく;
R7は、H、(C1−C6)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、(C3−C7)−シクロアルキル−(C1−C4)−アルキレン、(C2−C6)−アルケニル、(C2−C6)−アルキニル、(C1−C6)−アルキルカルボキシ−(C1−C6)−アルキレン、COOR12、(C6−C10)−アリール、(C6−C10)−アリール−(C1−C4)−アルキレン、ヘテロ環式基、ヘテロアリール−(C1−C4)−アルキレン又はヘテロアリールカルボニルであり、ここで、アルキル、シクロアルキル、アルキレン、アルケニル及びアルキニルは、F、Cl、Br、OR12、COOR12、CONH2、CONH(C1−C6)−アルキル、CON[(C1−C6)−アルキル]2又はN(R13)(R14) で多置換されていてもよく、そしてアリール及びヘテロアリールは、F、Cl、Br、NO2、CN、O−R12、S−R12、COOR12、N(R13)(R14)又は(C1−C6)−アルキルで多置換されていてもよく;
R12は、H、(C1−C8)−アルキル、(C2−C8)−アルケニル又は(C2−C8)−アルキニルであり、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニルは、F、Cl、Br、OH又はO−(C1−C4)−アルキルで多置換されていてもよく、
【0007】
R13、R14は、それぞれ独立して、H、(C1−C8)−アルキル、(C2−C8)−アルケニル、(C2−C8)−アルキニル、(C3−C7)−シクロアルキル、(C3−C7)−シクロアルキル−(C1−C4)−アルキレン、COO−(C1−C4)−アルキル、COO−(C2−C4)−アルケニル、フェニル又はSO2−フェニルであり、ここで、フェニル環は、F、Cl、CN、OH、(C1−C6)−アルキル、O−(C1−C6)−アルキル、CF3、OCF3、COOH、COO(C1−C6)−アルキル又はCONH2で2置換までされていてもよく;
ここで、R13及びR14は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、N、O及びSの群からのさらに2個までのヘテロ原子を含んでいてもよい3〜7員の飽和ヘテロ環式環を形成してもよく、ここで、ヘテロ環式環は、F、Cl、Br、OH、オキソ、N(R21)(R22)又は(C1−C4)−アルキルで3置換までされていてもよく;
R21、R22は、それぞれ独立して、H、(C1−C8)−アルキル、(C2−C8)−アルケニル、(C2−C8)−アルキニル、(C3−C7)−シクロアルキル、(C3−C7)−シクロアルキル−(C1−C4)−アルキレン、COO−(C1−C4)−アルキル、COO−(C2−C4)−アルケニル、フェニル又はSO2−フェニルであり、ここで、フェニル環は、F、Cl、CN、OH、(C1−C6)−アルキル、O−(C1−C6)−アルキル、CF3、OCF3、COOH、COO(C1−C6)−アルキル又はCONH2で2置まで換されていてもよく;
ただし、上記の残基が同時に下記:
R5はハロゲン又は非置換(C1−C6)−アルキルであり、R7はヘテロ環式基又はヘテロアリールである
と定義される式Iの化合物を除く];
及びそれらの生理的に許容される塩に関する。
【0008】
好ましい式Iの化合物は、式中の1個又はそれ以上の残基が下記のとおり定義される化合物である:
R8、R9、R10、R11が、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、OH、NO2、CN、O−(C1−C6)−アルキルであり、ここで、アルキルは、F、Cl又はBrで多置換されていてもよく;
R1、R2が、それぞれHであり;
R3、R4、R5、R6が、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、NO2、CN、O−R12、O−フェニル、S−R12、COOR12、N(R13)(R14)、(C1−C6)−アルキル、(C2−C6)−アルケニル、(C2−C6)−アルキニル、(C3−C7)−シクロアルキル、(C3−C7)−シクロアルキル−(C1−C4)−アルキレン又はO−(C1−C5)−アルキル−COOR12であり、ここで、アルキル、シクロアルキル、アルキレン及びアルキニルは、F、Cl、Br、OR12、COOR12又はN(R13)(R14)で多置換されていてもよく;
R7が、H、(C1−C6)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、(C2−C6)−アルケニル、(C2−C6)−アルキニル、(C1−C6)−アルキルカルボキシ−(C1−C6)−アルキレン、COOR12、(C6−C10)−アリール、(C6−C10)−アリール−(C1−C4)−アルキレン、ヘテロアリール、ヘテロアリール−(C1−C4)−アルキレン又はヘテロアリールカルボニルであり、ここで、アルキル、シクロアルキル、アルキレン、アルケニル及びアルキニルは、F、Cl、Br、OR12、COOR12、CONH2、CONH(C1−C6)−アルキル、CON[(C1−C6)−アルキル]2又はN(R13)(R14) で多置換されていてもよく、そしてアリール及びヘテロアリールは、F、Cl、Br、NO2、CN、O−R12、S−R12、COOR12、N(R13)(R14)又は(C1−C6)−アルキルで多置換されていてもよく;
R12が、H、(C1−C8)−アルキル、(C2−C8)−アルケニル又は(C2−C8)−アルキニルであり、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニルは、F、Cl、Br、OH又はO−(C1−C4)−アルキルで多置換されていてもよく、
【0009】
R13、R14が、それぞれ独立して、H、(C1−C8)−アルキル、(C2−C8)−アルケニル、(C2−C8)−アルキニル、(C3−C7)−シクロアルキル、(C3−C7)−シクロアルキル−(C1−C4)−アルキレン、COO−(C1−C4)−アルキル、COO−(C2−C4)−アルケニル、フェニル又はSO2−フェニルであり、ここで、フェニル環は、F、Cl、CN、OH、(C1−C6)−アルキル、O−(C1−C6)−アルキル、CF3、OCF3、COOH、COO(C1−C6)−アルキル又はCONH2で2置換までされていてもよく;ここで、R13及びR14は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、N、O及びSの群からのさらに2個までのヘテロ原子を含んでいてもよい3〜7員の飽和ヘテロ環式環を形成してもよく、ここで、ヘテロ環式環は、F、Cl、Br、OH、オキソ、N(R21)(R22)又は(C1−C4)−アルキルで3置換までされていてもよく;
R21、R22が、それぞれ独立して、H、(C1−C8)−アルキルであり;
ただし、上記の残基が同時に下記:
R5はハロゲン又は非置換(C1−C6)−アルキルであり、R7はヘテロ環式基又はヘテロアリールである
と定義される式Iの化合物を除く;
及びそれらの生理的に許容される塩。
【0010】
特に好ましい式Iの化合物は、式中の1個又はそれ以上の残基が下記のとおり定義される化合物である:
R8、R9、R10、R11が、それぞれ独立して、H、F又はClであり;
R1、R2、R4、R6が、それぞれHであり;
R3、R5が、それぞれ独立して、H、Cl、OR12、COOR12、N(R13)(R14)又は(C1−C6)−アルキルであり;
R7が、(C1−C6)−アルキル(ここで、アルキルは、F、OR12、COOR12又はN(R13)(R14)で多置換されていてもよい)、又は(C3−C6)−シクロアルキル、(C2−C6)−アルケニル、(C2−C6)−アルキニル、(C1−C6)−アルキルカルボキシ−(C1−C6)−アルキレン、COOR12、フェニル(ここで、フェニルは、F、OMe又はOCF3で多置換されていてもよい)、又はベンジル(そのフェニル環は、OMe、ピリジル、チエニル、フラニル、インドリルカルボニル、ベンゾフラニルで置換されていてもよく、ここで、ベンゾフラニルは、Cl又はOMeで置換されていてもよい)であり;
R12が、H又は(C1−C8)−アルキルであり、ここで、アルキルは、Fで多置換されていてもよく;
R13、R14が、それぞれ独立して、H又は(C1−C8)−アルキルであり;ここで、
R13及びR14は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5員の飽和ヘテロ環式環を形成してもよく;
ただし、上記の残基が同時に下記:
R5はハロゲン又は非置換(C1−C6)−アルキルであり、R7はヘテロ環式基又はヘテロアリールである
と定義される式Iの化合物を除く;
及びそれらの生理的に許容される塩。
【0011】
本発明は、そのラセミ体、ラセミ混合物及び純粋なエナンチオマーの形態にある式Iの化合物、そしてまた、それらのジアステレオマー及びその混合物に関する。
【0012】
置換基R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R21及びR22におけるアルキル基は、直鎖状または分枝鎖状の何れであってもよい。
【0013】
残基又は置換基、例えばO−R12が、式Iの化合物に1回より多く存在できる場合には、それらは、それぞれ独立して、定義したとおりであってよく、そして同一でも異なってもよい。
【0014】
それらの水溶性が出発又は塩基化合物と比較してより高い結果として、製薬上許容される塩は医療用途にとって特に適している。これらの塩は製薬上許容されるカチオン又はアニオンを有すべきである。本発明に係る化合物の好適な製薬上許容される酸付加塩は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸及び硫酸、そしてまた、有機酸、例えば酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グリコール酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、コハク酸、p−トルエンスルホン酸及び酒石酸の塩である。好適な製薬上許容される塩基塩は、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えばナトリウム及びカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えばマグネシウム及びカルシウム塩)、トロメタモール(2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)、ジエタノールアミン、リジン又はエチレンジアミンである。
【0015】
製薬上許容されないアニオンを有する塩、例えばトリフルオロ酢酸塩は、製薬上許容される塩の製造又は精製のため及び/又は非治療的な、例えばインビトロでの用途に使用するための有用な中間体として、同様に本発明の範囲に包含される。
【0016】
本明細書で用いられる「生理的機能性誘導体」は、本発明に係る式Iの化合物の全ての生理的に許容される誘導体、例えば、哺乳類、例えばヒトに投与したときに、式Iの化合物又はその活性代謝物を(直接又は間接的に)形成できるエステルを指す。
【0017】
生理的機能性誘導体はまた、本発明に係る化合物のプロドラッグ、例えば H. Okada et al., Chem. Pharm. Bull. 1994, 42, 57-61 に記載のものを包含する。このような化合物はインビボで本発明に係る化合物に代謝されることができる。これらのプロドラッグはそれら自身が活性であっても活性でなくてもよい。
【0018】
本発明に係る化合物はまた、異なる多形形態、例えば非晶質及び結晶質多形形態として存在することができる。本発明に係る化合物の全ての多形形態は、本発明の範囲に包含され、そして本発明のもう一つの態様である。
【0019】
以下に与えられる「式Iの化合物」への全ての言及は、上記の式Iの化合物、そしてまた、本明細書に記載するそれらの塩、溶媒和物及び生理的機能性誘導体を指す。
【0020】
この文脈において、アリール基はフェニル、ナフチル、ビフェニル、テトラヒドロナフチル、アルファ−又はベータ−テトラロン、インダニル又はインダン−1−オンイル基である。
【0021】
本明細書で用いられる「ヘテロ環式環」及び「ヘテロ環式基」という用語は、3〜10員の炭素環から誘導され、その1個又はそれ以上の炭素原子が酸素、硫黄及び窒素からなる群から選択される1個又はそれ以上の原子で置き換えられているヘテロアリール基及びへテロシクロアルキル基に関する。
【0022】
好適な「ヘテロ環式環」及び「ヘテロ環式基」は、アクリジニル、アゾシニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾテトラゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダアザリニル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]−テトラヒドロフラン、フリル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、(ベンズイミダゾリル)、イソチアゾリル、イソキサゾリル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピロアゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2H−ピロリル、ピロリル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、チアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チエニル、トリアゾリル、テトラゾリル及びキサンテニルである。
【0023】
ピリジルは2−、3−又は4−ピリジルの何れかである。チエニルは2−又は3−チエニルの何れかである。フリルは2−又は3−フリルの何れかである。
【0024】
また、これらの化合物の相当するN−オキシド、例えば1−オキシ−2−、3−又は4−ピリジルが包含される。
【0025】
また、これらのヘテロ環の1種又はそれ以上のベンゾ縮合誘導体が包含される。
【0026】
また、式(I)の化合物は他の活性成分と組み合わせて投与することができる。
【0027】
所望の生物学的効果を達成するために必要とされる式Iの化合物の量は、一連の要因、例えば選択される特定の化合物、意図する使用、投与方式及び患者の臨床症状に依存する。日用量は、一般的に体重1kg当たり毎日0.3mg〜100mg(典型的には3mg〜50mg)、例えば3〜10mg/kg/日の範囲にある。静脈内用量は、例えば0.3mg〜1.0mg/kgの範囲にあってよく、そして有利には1kg当たり毎分10ng〜100ngの注入として投与することができる。これらの目的に適する注入溶液は、例えば、1ミリリットル当たり0.1ng〜10mg、典型的には1ng〜10mgを含むことができる。個々の用量は、例えば1mg〜10gの活性成分を含むことができる。従って、注射用アンプルは、例えば1mg〜100mgを含むことができ、そして経口投与できる単一用量形態、例えば錠剤又はカプセルは、例えば1.0〜1000mg、典型的には10〜600mgを含むことができる。式Iの化合物は上記の症状を治療するためにそれら自身として使用することができるが、それらは好ましくは許容される担体との医薬組成物の形態にある。担体は、組成物の他の成分と適合性であり、かつ患者の健康を損なわないという意味で、当然ながら許容性であるべきである。担体は固体又は液体又は両方であってよく、好ましくは単一用量として、例えば0.05〜95重量%の活性成分を含んでいてよい錠剤として製剤化される。また、さらなる式Iの化合物を包含するさらなる薬学的活性物質が存在していてもよい。本発明に係る医薬組成物は、成分を製薬上許容される担体及び/又は賦形剤と混合することを本質的に含む公知の製薬方法の一つにより製造することができる。
【0028】
本発明に係る医薬組成物は、経口、直腸、局所、口腔(例えば舌下)及び非経口(例えば皮下、筋肉内、皮内又は静脈内)投与に適するものであるが、最も適する投与方式は、それぞれの各場合に治療すべき症状の性質及び重症度並びに各場合に用いられる式Iの化合物の種類に依存する。また、コート製剤及びコート除放性製剤も本発明の範囲に包含される。耐酸性及び耐胃液性製剤が好ましい。好適な耐胃液性コーティングは、酢酸フタル酸セルロース、ポリ酢酸フタル酸ビニル、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース並びにメタクリル酸及びメタクリル酸メチルのアニオン性ポリマーを包含する。
【0029】
経口投与に適する医薬組成物は、独立単位形態、例えばカプセル、カシェ剤、トローチ又は錠剤(それらの各々は一定量の式Iの化合物を含む)として;粉末又は顆粒として;水性若しくは非水性液体中の溶液若しくは懸濁液として;又は水中油滴型若しくは油中水滴型エマルジョンとして存在することができる。これらの組成物は、上記のように、活性成分及び担体(これは1種又はそれ以上の追加の成分からなっていてもよい)を接触させる段階を含む任意の好適な製薬方法により製造することができる。一般的に、組成物は、活性成分を液体及び/又は微粉砕固体担体と一様かつ均質に混合し、その後、必要に応じて生成物を成形することにより製造される。例えば、錠剤は、化合物の粉末又は顆粒を、場合により1種又はそれ以上の追加の成分と共に圧縮又は成形することにより製造することができる。圧縮錠剤は、場合により結合剤、滑剤、不活性希釈剤及び/又は1種(又はそれ以上)の界面活性剤/分散剤と混合した自由流動性形態にある化合物、例えば粉末又は顆粒を、好適な機械で打錠することにより製造することができる。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末状化合物を、好適な機械で成形することにより製造することができる。
【0030】
口腔(舌下)投与に適する医薬組成物は、式Iの化合物と香味料、通常はショ糖及びアラビアゴム又はトラガントを含むトローチ、並びに不活性基剤、例えばゼラチン及びグリセロール又はショ糖及びアラビアゴム中に化合物を含むキャンデーを包含する。
【0031】
非経口投与に適する医薬組成物は、好ましくは、式Iの化合物の滅菌水性調製物を包含し、これらは意図する受容者の血液と等張性であることが好ましい。これらの調製物は好ましくは静脈内に投与されるが、皮下、筋肉内又は皮内に注射として投与することもできる。これらの調製物は、化合物を水と混合し、得られた溶液を滅菌し、また血液と等張性にすることにより製造することができる。本発明に係る注射可能な組成物は、一般的に0.1〜5重量%の活性化合物を含有する。
【0032】
直腸投与に適する医薬組成物は、好ましくは単一用量坐剤の形態にある。これらは、式Iの化合物を1種又はそれ以上の従来の固体担体、例えばカカオ脂と混合し、得られた混合物を成形することにより製造することができる。
【0033】
皮膚上への局所使用に適する医薬組成物は、好ましくは軟膏、クリーム、ローション、ペースト、スプレー、エアゾール又はオイルの形態にある。有用な担体は、ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、アルコール及び2種又はそれ以上のこれらの物質の組み合わせを包含する。活性成分は、一般的に組成物の0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜2%の濃度で存在する。
【0034】
経皮投与も可能である。経皮使用に適する医薬組成物は、患者の上皮との長期の密接な接触に適する単一用量硬膏の形態にあってよい。このような硬膏は、活性成分を、場合により緩衝した水性溶液中に、粘着付与剤中に溶解及び/又は分散して、又はポリマー中に分散して含むことが有利である。好適な活性成分濃度は、約1%〜35%、好ましくは約3%〜15%である。活性成分を放出させる特定の手段は、例えば、Pharmaceutical Research, 2(6): 318 (1986) に記載されているように、電気輸送又はイオン導入(iontophoresis)による。
【0035】
組み合わせ生成物のための他の有用な活性成分は下記のものである:
Rote Liste 2001 の第12章に記載された全ての抗糖尿病剤。それらは、特に作用を相乗的に上昇させるために、本発明に係る式Iの化合物と組み合わせることができる。活性成分の組み合わせは、活性成分を別々に、又は複数の活性成分が一つの医薬調製物中に存在する組み合わせ生成物の形態で患者に投与することにより、投与することができる。以下に挙げる活性成分の大部分は、USP Dictionary of USAN and International Drug Names、米国薬局方、Rockville 2001 に開示されている。
【0036】
抗糖尿病剤は、インスリン及びインスリン誘導体、例えばLantus(登録商標)(www.lantus.com 参照)又はHMR1964、即効性インスリン(US6,221,633参照)、GLP−1誘導体、例えば Novo Nordisk A/S のWO98/08871に開示されたもの及び経口血糖降下活性成分を包含する。
【0037】
経口血糖降下活性成分は、好ましくはスルホニル尿素、ビグアニジン、メグリチニド、オキサジアゾリジンジオン、チアゾリジンジオン、グルコシダーゼ阻害剤、グルカゴン拮抗剤、GLP−1作用剤、カリウムチャンネル開口剤、例えば Novo Nordisk A/S のWO97/26265及びWO99/03861に開示されたもの、インスリン増感剤、グルコース新生及び/又はグリコーゲン分解の刺激に関与する肝臓酵素の阻害剤、グルコース取り込みのモジュレーター、脂質代謝を変更する化合物、例えば抗高脂血活性成分及び抗脂血活性成分、食物摂取を減少させる化合物、PPAR及びPXR作用剤並びにベータ細胞のATP依存性カリウムチャンネルに作用する活性成分を包含する。
【0038】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、HMGCoA還元酵素阻害剤、例えばシムバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチン、ロバスタチン、アトロバスタチン、セリバスタチン、ロスバスタチンと組み合わせて投与される。
【0039】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、コレステロール吸収阻害剤、例えばエゼチミベ、チクエシド、パマクエシドと組み合わせて投与される。
【0040】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、PPARガンマ作用剤、例えばロシグリタゾン、ピオグリタゾン、JTT−501、GI262570と組み合わせて投与される。
【0041】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、PPARアルファ作用剤、例えばGW9578、GW7647と組み合わせて投与される。
【0042】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、混合PPARアルファ/ガンマ作用剤、例えばWG1536、AVE8042、AVE8134、AVE0847、又はPCT/US11833、PCT/US11490、DE10142734.4に記載されたものと組み合わせて投与される。
【0043】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、フィブレート、例えばフェノフィブレート、クロフィブレート、ベザフィブレートと組み合わせて投与される。
【0044】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、MTP阻害剤、例えばイムプリタピド、BMS−201038、R−103757と組み合わせて投与される。
【0045】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、胆汁酸吸収阻害剤(例えばUS6,245,744又はUS6,221,897参照)、例えばHMR1741と組み合わせて投与される。
【0046】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、CETP阻害剤、例えばJTT−705と組み合わせて投与される。
【0047】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、高分子胆汁酸吸着剤、例えばコレスチルアミン、コレセベラムと組み合わせて投与される。
【0048】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、LDL受容体インデューサー(例えばUS6,342,512参照)、例えばHMR1171、HMR1586と組み合わせて投与される。
【0049】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、ACAT阻害剤、例えばアバシミベと組み合わせて投与される。
【0050】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、抗酸化剤、例えばOPC−14117と組み合わせて投与される。
【0051】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、リポタンパク質リパーゼ阻害剤、例えばNO−1886と組み合わせて投与される。
【0052】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、ATP−クエン酸塩リアーゼ阻害剤、例えばSB−204990と組み合わせて投与される。
【0053】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、スクワレン合成酵素阻害剤、例えばBMS−188494と組み合わせて投与される。
【0054】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、リポタンパク質(a)拮抗剤、例えばCI−1027又はニコチン酸と組み合わせて投与される。
【0055】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、リパーゼ阻害剤、例えばオルリスタットと組み合わせて投与される。
【0056】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、インスリンと組み合わせて投与される。
【0057】
一つの実施形態において、式Iの化合物は、スルホニル尿素、例えばトルブタミド、グリベンクラミド、グリピジド又はグリメピリドと組み合わせて投与される。
【0058】
一つの実施形態において、式Iの化合物は、ビグアニド、例えばメトフォルミンと組み合わせて投与される。
【0059】
さらに別の実施形態において、式Iの化合物は、メグリチニド、例えばレパグリニドと組み合わせて投与される。
【0060】
一つの実施形態において、式Iの化合物は、チアゾリジンジオン、例えばトログリタゾン、シグリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、又は Dr. Reddy's Research Foundation のWO97/41097に開示された化合物、特に5−[[4−[3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソ−2−キナゾリニルメトキシ]フェニル]メチル]−2,4−チアゾリジンジオンと組み合わせて投与される。
【0061】
一つの実施形態において、式Iの化合物は、α−グルコシダーゼ阻害剤、例えばミグリトール又はアカルボースと組み合わせて投与される。
【0062】
一つの実施形態において、式Iの化合物は、ベータ細胞のATP依存性カリウムチャンネルに作用する活性成分、例えばトルブタミド、グリベンクラミド、グリピジド、グリメピリド又はレパグリニドと組み合わせて投与される。
【0063】
一つの実施形態において、式Iの化合物は、一つより多い上記化合物と組み合わせて、例えばスルホニル尿素及びメトフォルミン、スルホニル尿素及びアカルボース、レパグリニド及びメトフォルミン、インスリン及びスルホニル尿素、インスリン及びメトフォルミン、インスリン及びトログリタゾン、インスリン及びロバスタチンなどと組み合わせて投与される。
【0064】
もう一つの実施形態において、式Iの化合物は、CARTモジュレーター(例えば、“Cocaine-amphetamine-regulated transcript influences energy metabolism, anxiety and gastric emptying in mice" Asakawa, A, et al., M.: Hormone and Metabolic Research (2001), 33(9), 554-558)参照、NPY拮抗剤、例えばナフタレン−1−スルホン酸{4−[(4−アミノキナゾリン−2−イルアミノ)メチル]シクロヘキシルメチル}アミド;塩酸塩(CGP71683A))、MC4作用剤(例えば、1−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−カルボン酸[2−(3a−ベンジル−2−メチル−3−オキソ−2,3,3a,4,6,7−ヘキサヒドロピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5−イル)−1−(4−クロロフェニル)−2−オキソ−エチル]アミド;(WO01/91752))、オレキシン拮抗剤(例えば、1−(2−メチルベンズオキサゾール−6−イル)−3−[1,5]ナフチリジン−4−イル尿素塩酸塩(SB−334867−A))、H3作用剤(3−シクロヘキシル−1−(4,4−ジメチル−1,4,6,7−テトラヒドロイミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−イル)プロパン−1−オンシュウ酸塩(WO00/63208));TNF作用剤、CRF拮抗剤(例えば、[2−メチル−9−(2,4,6−トリメチルフェニル)−9H−1,3,9−トリアザフルオレン−4−イル]ジプロピルアミン(WO00/66585))、CRF BP拮抗剤(例えば、ウロコルチン)、ウロコルチン作用剤、β3作用剤(例えば、1−(4−クロロ−3−メタンスルホニルメチルフェニル)−2−[2−(2,3−ジメチル−1H−インドール−6−イルオキシ)エチルアミノ]エタノール塩酸塩(WO01/83451))、MSH(メラニン細胞刺激ホルモン)作用剤、CCK−A作用剤(例えば、{2−[4−(4−クロロ−2,5−ジメトキシフェニル)−5−(2−シクロヘキシルエチル)チアゾール−2−イルカルバモイル]−5,7−ジメチルインドール−1−イル}酢酸トリフルオロ酢酸塩(WO99/15525));セロトニン再取り込み阻害剤(例えば、デキスフェンフルラミン)、混合セロトニン作動性及びノルアドレナリン作動性化合物(例えば、WO00/71549)、5HT作用剤、例えば1−(3−エチルベンゾフラン−7−イル)ピペラジンシュウ酸塩(WO01/09111)、ボムベシン作用剤、ガラニン拮抗剤、成長ホルモン(例えば、ヒト成長ホルモン)、成長ホルモン放出化合物(6−ベンジルオキシ−1−(2−ジイソプロピルアミノエチルカルバモイル)−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(WO01/85695))、TRH作用剤(例えば、EP0462884参照)、脱共役タンパク質2又は3モジュレーター、レプチン作用剤(例えば、Lee, Daniel W.; Leinung, Matthew C.; Rozhavskaya-Arena, Marina; Grasso, Patricia. Leptin agonists as a potential approach to the treatment of obesity. Drugs of the Future (2001), 26(9), 873-881 参照)、DA作用剤(ブロモクリプチン、ドプレキシン)、リパーゼ/アミラーゼ阻害剤(例えば、WO00/40569参照)、PPARモジュレーター(例えば、WO00/78312参照)、RXRモジュレーター又はTR−β作用剤と組み合わせて投与される。
【0065】
本発明の一つの実施形態において、他の活性成分は、レプチンである、例えば、“Perspectives in the therapeutic use of leptin", Salvador, Javier; Gomez-Ambeosi, Javier; Fruhbeck, Gema, Expert Opinion on Pharmacotherapy (2001), 2(10), 1615-1622 参照。
【0066】
一つの実施形態において、他の活性成分は、デキスアンフェタミン又はアンフェタミンである。
【0067】
一つの実施形態において、他の活性成分は、フェンフルラミン又はデキスフェンフルラミンである。
【0068】
別の実施形態において、他の活性成分は、シブトラミンである。
【0069】
一つの実施形態において、他の活性成分は、オルリスタットである。
【0070】
一つの実施形態において、他の活性成分は、マジンドール又はフェンテルミンである。
【0071】
一つの実施形態において、式Iの化合物は、食物繊維材料、好ましくは不溶性食物繊維材料(例えば、Carob/Caromax(登録商標)(Zunft H J; et al., Carob pulp preparation for treatment of hypercholesterolemia, ADVANCES IN THERAPY (2001 Sep-Oct), 18(5), 230-6. 参照)、Caromaxは Nutrinova, Nutrition Specialties & Food Ingredients GmbH, Indstriepark Hoechst, 65926 Frankfurt/Mainから供給されるカロブ豆含有製品である)と組み合わせて投与される。Caromax(登録商標)との組み合わせは、一つの調製物中で、又は式Iの化合物及びCaromax(登録商標)の別々の投与により可能である。また、Caromax(登録商標)は食品の形態で、例えばベーカリー製品又はムースリバーとして投与することもできる。
【0072】
本発明に係る化合物と1種又はそれ以上の上記化合物及び場合により1種又はそれ以上のさらなる薬理活性物質との任意の好適な組み合わせは、本発明の保護範囲により包含されると考えられることが認められるだろう。
【0073】
【化2】

【実施例】
【0074】
以下に挙げる実施例は本発明を説明するのに役立つが、本発明を限定するものではない。
【0075】
式Iの化合物とほとんど同じである如何なる実施例も、WO9946236には記載されていない。従って、実施例Aを最も類似した化合物として選んだ。本願の化合物は、グリコーゲンホスホリラーゼaに対する活性の増加によって比較例Aから区別される。表2参照。
【0076】
【表1】

【0077】
【表2】

【0078】
【表3】

【0079】
【表4】

【0080】
化合物の有効性を下記のように試験した:
グリコーゲンホスホリラーゼa活性試験
グリコーゲンホスホリラーゼの活性形態(GPa)の活性に対する化合物の効果を、無機リン酸塩の放出の監視により、グルコース1−リン酸からのグリコーゲンの合成を逆方向に測定した。全ての反応を、96ウェルマイクロタイタープレート(半面積プレート、Costor No. 3696)において二重測定として行い、そして反応生成物が生成した結果としての吸収の変化を、Multiskan Ascent Elisa Reader(Lab Systems, Finland)により以下に特定した波長で測定した。
【0081】
GPa酵素活性を逆方向に測定するために、グルコース1−リン酸からグリコーゲン及び無機リン酸塩への変換を、Engers et al. の一般的方法 (Engers HD, Shechosky S, Madsen NB, Can J Biochem 1970 Jul;48(7):746-754) により、下記の変更を加えて測定した:緩衝液E(25mMのβ−グリセロリン酸、pH7.0、1mMのEDTA及び1mMのジチオトレイトール)に溶解したヒトグリコーゲンホスホリラーゼa(例えば0.76mgのタンパク質/mlを含む (Aventis Pharma Deutschland GmbH))を、緩衝液T(50mMのHepes、pH7.0、100mMのKCl、2.5mMのEDTA、2.5mMのMgCl2・6H2O)で10μgのタンパク質/mlの濃度に希釈し、5mg/mlのグリコーゲンを加えた。試験物質をDMSO中の10mM溶液として用意し、緩衝液Tで50μMに希釈した。この溶液の10μlに、緩衝液Tに溶解した10μlの37.5mMグルコース及び5mg/mlのグリコーゲンを加え、そしてまた、10μlのヒトグリコーゲンホスホリラーゼaの溶液(10μgのタンパク質/ml)及び20μlの2.5mMグルコース1−リン酸を加えた。試験物質の非存在下でのグリコーゲンホスホリラーゼaの活性の基準値を、10μlの緩衝液T(0.1%DMSO)の添加により決定した。この混合物を室温で40分間インキュベートし、放出された無機リン酸塩を、Drueckes et al. の一般的方法 (Drueckes P, Schinzel R, Palm D, Anal Biochem 1995 Sep 1;230(1):173-177) により、下記の変更を加えて測定した:7.3mMのモリブデン酸アンモニウム、10.9mMの酢酸亜鉛、3.6%のアスコルビン酸、0.9%のSDSの停止溶液の50μlを、50μlの酵素混合物に加える。45℃で60分間インキュベートした後、吸収を820nmで測定した。バックグラウンド吸収を決定するために、別々の反応物としてのグルコース1−リン酸溶液の添加直後に停止溶液を加えた。この試験は、インビトロでの試験物質によるグリコーゲンホスホリラーゼaのそれぞれの阻害を決定するために、10μMの試験物質濃度で行った。
【0082】
【表5】

【0083】
【表6】

【0084】
比較例Aは、10μMの濃度で阻害を示さず、そして100μMの濃度で11%の阻害を示す。
【0085】
上記の表から、式Iの化合物がグリコーゲンホスホリラーゼaの活性を阻害すること、従って血糖値レベルを低下させるのに非常に適していることが分かる。特に、式Iの化合物は、比較例Aと比べて明確に増大した作用を示す。
【0086】
若干の実施例の製造を以下に詳細に記載するが、残りの式Iの化合物は同様の方法により得た。
【0087】
実験の部:
実施例1: N−{3−[3−(2−クロロ−4,5−ジフルオロベンゾイル)ウレイド]−4−メトキシフェニル}アセトアミド
a)2−クロロ−4,5−ジフルオロベンゾイルイソシアネート
2−クロロ−4,5−ジフルオロベンズアミドをジクロロメタンに溶解し、1.5当量の塩化オキサリルと混合し、16時間加熱還流した。反応混合物を高真空下で濃縮し、さらに精製することなく段階bで反応させた。
【0088】
b)1−(2−クロロ−4,5−ジフルオロベンゾイル)−3−(2−メトキシ−5−ニトロフェニル)尿素
1g(5.9mmol)の2−メトキシ−5−ニトロアニリンを、2mlのN−メチルピロリドン中の段階aからの1.3g(5.9mmol)の2−クロロ−4,5−ジフルオロベンゾイルイソシアネートと混合し、室温で1時間反応させた。沈殿を濾別し、毎回5mlのアセトニトリルで2回洗浄し、高真空下で乾燥した。2.2gの所望の生成物を得た。これをさらに精製することなく段階cで用いた。
【0089】
c)1−(2−クロロ−4,5−ジフルオロベンゾイル)−3−(5−アミノ−2−メトキシフェニル)尿素
2.2g(5.7mmol)の1−(2−クロロ−4,5−ジフルオロベンゾイル)−3−(2−メトキシ−5−ニトロフェニル)尿素を50mlの酢酸エチル中で沸騰温度に加熱し、6.4g(28.5mmol)のSnCl2一水和物と混合した。1時間後、この混合物を室温に冷却し、2N水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを8に調節した。生成した沈殿を濾別し、メタノールで洗浄し、母液をH2Oで2回洗浄し、乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた生成物(1.4g)をさらに精製することなく段階dで反応させた。
【0090】
d)N−{3−[3−(2−クロロ−4,5−ジフルオロベンゾイル)ウレイド]−4−メトキシフェニル}アセトアミド
0.10g(0.3mmol)の1−(2−クロロ−4,5−ジフルオロベンゾイル)−3−(5−アミノ−2−メトキシフェニル)尿素を、1mlのN−メチルピロリドン、0.11g(0.3mmol)の無水酢酸と混合し、室温で2時間攪拌した。この混合物を20mlのH2Oで希釈し、毎回20mlの酢酸エチルで3回洗浄した。併せた有機相をH2Oで洗浄し、濃縮し、乾燥した。粗生成物を分取HPLC(カラム:Waters XterraTM MS C18、5μm、30×100mm、溶離剤:A:H2O+0.2%トリフルオロ酢酸、B:アセトニトリル、勾配:90%A/10%Bで2.5分から10%A/90%Bで17.5分)により精製した。0.03gの所望の生成物を得た。
融点225〜228℃。
【0091】
実施例1と同様にして、相当するニトロアニリン及び相当するイソシアネートから、必要に応じて適切な保護基技術を用いて、実施例2〜8、27〜62及び78〜88を製造した。
【0092】
実施例64: N−{3−[3−(2−クロロ−4,5−ジフルオロベンゾイル)ウレイド]−4−トリフルオロメトキシフェニル}アセトアミド
a)3−ニトロ−4−トリフルオロメトキシアニリン
Syn. Commun. 1988, 18 (16+17), 2161-2165 による方法
3.0g(17mmol)の4−トリフルオロメトキシアニリンを10mlの濃硫酸に溶解し、0〜10℃に冷却し、温度が10℃を超えないようにして2.1g(17mmol)の硝酸尿素と少量ずつ混合した。添加が終了した後、攪拌を10分間続け、次いでこの溶液を氷中に注いだ。ジクロロメタンを用いてこの混合物を抽出し、併せた有機相を乾燥し、溶剤を減圧下で蒸留除去した。生成物をさらに精製することなく次の段階で用いた(収量2.8g、75%)。
【0093】
こうして得られた3−ニトロ−4−トリフルオロメトキシアニリンを実施例1の方法dと同様にして塩化アセチルと反応させ、Pd/Cの存在下で水素を用いて水素化し、2−クロロ−4,5−ジフルオロベンゾイルイソシアネートと反応させて、アシル尿素を得た

融点216〜218℃。
【0094】
同様にして、他のアシル化剤の使用により実施例1dに従って、実施例65〜70を製造した。
【0095】
実施例73: N−{3−[3−(2−クロロ−4,5−ジフルオロベンゾイル)ウレイド]−4−ピロリジン−1−イルフェニル}アセトアミド
a)N−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)アセトアミド
5.0g(32mmol)の2−フルオロ−5−ニトロアニリンを10ml(110mmol)の無水酢酸及び0.1mlの濃硫酸と混合し、100℃で1.5時間攪拌した。この溶液を10mlの氷/水に加え、生成した沈殿を濾別し、水洗した。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(1:1の酢酸エチル/ヘプタン)により精製した(収量5.4g、85%)。
融点174〜176℃。
【0096】
b)N−(5−ニトロ−2−ピロリジン−1−イルフェニル)アセトアミド
0.5g(2.5mmol)のN−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)アセトアミドを、加圧式反応容器中で1ml(12.6mmol)のピロリジンと混合し、90℃で2.5時間攪拌した。この混合物を冷却した後、20mlのジクロロメタンで希釈し、クエン酸溶液(10%)を用いてpH4に調節し、水で4回洗浄した。有機相を乾燥した後、溶剤を減圧下で除去した。水相では固体が沈殿した。これを吸引濾別し、水洗し、有機相からの残留物と併せた(収量0.58g、93%)。生成物をさらに精製することなく段階cで反応させた。
融点210〜213℃。
【0097】
c)5−ニトロ−2−ピロリジン−1−イルアニリン
0.58g(2.3mmol)のN−(5−ニトロ−2−ピロリジン−1−イルフェニル)アセトアミドを12mlの濃塩酸と混合し、1.5時間加熱還流した。この溶液を100mlの氷/水に加え、2N水酸化ナトリウム溶液で中和し、酢酸エチルと3回混合した。この混合物を乾燥した後、溶剤を減圧下で蒸留除去して、生成物を定量的に赤色固体として得た。これをさらに精製することなく実施例1に記載した反応a〜dに用いた(アシルイソシアネートとの反応、SnCl2による還元及びAc2Oによるアシル化)。
融点175〜180℃。
【0098】
実施例73と同様にして、相当するアミン及び特定のアシル化剤から、必要に応じて慣用の保護基技術を用いて、実施例71、72及び74〜77を製造した。
【0099】
実施例19〜26及び63の合成では、4−アミノ−3−メトキシ安息香酸を実施例64aと同様にして硝酸尿素でニトロ化した。後続の合成経路を実施例1に記載したのと同様にして進行させた。
【0100】
実施例9〜18を合成するために、N−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)アセトアミド又はN−(2−メトキシ−4−メチルフェニル)アセトアミドを、慣用条件下でニトロ化し(HNO3/HoAc)、濃塩酸を用いてアミドを加水分解し(実施例73cと同様)、実施例1に記載したようにさらに反応させた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

の化合物及びそれらの生理的に許容される塩。
式中、
R8、R9、R10、R11は、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、OH、NO2、CN、O−(C1−C6)アルキル、O−(C2−C6)アルケニル、O−(C2−C6)アルキニル、O−SO2−(C1−C4)−アルキル、(C1−C6)−アルキル、(C2−C6)−アルケニル又は(C2−C6)−アルキニルであり、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニルは、F、Cl又はBrで多置換されていてもよく;
R1、R2は、それぞれ独立して、H、(C1−C6)−アルキル(ここで、アルキルは、OH、O−(C1−C4)−アルキル、NH2、NH(C1−C4)−アルキル、N[(C1−C6)−アルキル] 2で置換されていてもよい)、又はO−(C1−C6)−アルキル、CO−(C1−C6)−アルキル、COO−(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキレン−COOH又は(C1−C6)−アルキレン−COO−(C1−C6)−アルキルであり;
R3、R4、R5、R6は、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、NO2、CN、O−R12、O−フェニル、S−R12、COOR12、N(R13)(R14)、(C1−C6)−アルキル、(C2−C6)−アルケニル、(C2−C6)−アルキニル、(C3−C7)−シクロアルキル、(C3−C7)−シクロアルキル−(C1−C4)−アルキレン又はO−(C1−C5)−アルキル−COOR12であり、ここで、アルキル、シクロアルキル、アルキレン及びアルキニルは、F、Cl、Br、OR12、COOR12又はN(R13)(R14)で多置換されていてもよく;
R7は、H、(C1−C6)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、(C3−C7)−シクロアルキル−(C1−C4)−アルキレン、(C2−C6)−アルケニル、(C2−C6)−アルキニル、(C1−C6)−アルキルカルボキシ−(C1−C6)−アルキレン、COOR12、(C6−C10)−アリール、(C6−C10)−アリール−(C1−C4)−アルキレン、ヘテロ環式基、ヘテロアリール−(C1−C4)−アルキレン又はヘテロアリールカルボニルであり、ここで、アルキル、シクロアルキル、アルキレン、アルケニル及びアルキニルは、F、Cl、Br、OR12、COOR12、CONH2、CONH(C1−C6)−アルキル、CON[(C1−C6)−アルキル]2又はN(R13)(R14) で多置換されていてもよく、そしてアリール及びヘテロアリールは、F、Cl、Br、NO2、CN、O−R12、S−R12、COOR12、N(R13)(R14)又は(C1−C6)−アルキルで多置換されていてもよく;
R12は、H、(C1−C8)−アルキル、(C2−C8)−アルケニル又は(C2−C8)−アルキニルであり、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニルは、F、Cl、Br、OH又はO−(C1−C4)−アルキルで多置換されていてもよく、
R13、R14は、それぞれ独立して、H、(C1−C8)−アルキル、(C2−C8)−アルケニル、(C2−C8)−アルキニル、(C3−C7)−シクロアルキル、(C3−C7)−シクロアルキル−(C1−C4)−アルキレン、COO−(C1−C4)−アルキル、COO−(C2−C4)−アルケニル、フェニル又はSO2−フェニルであり、ここで、フェニル環は、F、Cl、CN、OH、(C1−C6)−アルキル、O−(C1−C6)−アルキル、CF3、OCF3、COOH、COO(C1−C6)−アルキル又はCONH2で二置換までされていてもよく;
ここで、R13及びR14は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、N、O及びSの群からのさらに2個までのヘテロ原子を含んでいてもよい3〜7員の飽和ヘテロ環式環を形成してもよく、ここで、ヘテロ環式環は、F、Cl、Br、OH、オキソ、N(R21)(R22)又は(C1−C4)−アルキルで三置換までされていてもよく;
R21、R22は、それぞれ独立して、H、(C1−C8)−アルキル、(C2−C8)−アルケニル、(C2−C8)−アルキニル、(C3−C7)−シクロアルキル、(C3−C7)−シクロアルキル−(C1−C4)−アルキレン、COO−(C1−C4)−アルキル、COO−(C2−C4)−アルケニル、フェニル又はSO2−フェニルであり、ここで、フェニル環は、F、Cl、CN、OH、(C1−C6)−アルキル、O−(C1−C6)−アルキル、CF3、OCF3、COOH、COO(C1−C6)−アルキル又はCONH2で二置換までされていてもよく;
ただし、上記の基が同時に下記:
R5はハロゲン又は非置換(C1−C6)−アルキルであり、R7はヘテロ環式基又はヘテロアリールである
と定義される式Iの化合物を除く。
【請求項2】
R8、R9、R10、R11が、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、OH、NO2、CN、O−(C1−C6)−アルキルであり、ここで、アルキルは、F、Cl又はBrで多置換されていてもよく;
R1、R2が、それぞれHであり;
R3、R4、R5、R6が、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、NO2、CN、O−R12、O−フェニル、S−R12、COOR12、N(R13)(R14)、(C1−C6)−アルキル、(C2−C6)−アルケニル、(C2−C6)−アルキニル、(C3−C7)−シクロアルキル、(C3−C7)−シクロアルキル−(C1−C4)−アルキレン又はO−(C1−C5)−アルキル−COOR12であり、ここで、アルキル、シクロアルキル、アルキレン及びアルキニルは、F、Cl、Br、OR12、COOR12又はN(R13)(R14)で多置換されていてもよく;
R7が、H、(C1−C6)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、(C2−C6)−アルケニル、(C2−C6)−アルキニル、(C1−C6)−アルキルカルボキシ−(C1−C6)−アルキレン、COOR12、(C6−C10)−アリール、(C6−C10)−アリール−(C1−C4)−アルキレン、ヘテロアリール、ヘテロアリール−(C1−C4)−アルキレン又はヘテロアリールカルボニルであり、ここで、アルキル、シクロアルキル、アルキレン、アルケニル及びアルキニルは、F、Cl、Br、OR12、COOR12、CONH2、CONH(C1−C6)−アルキル、CON[(C1−C6)−アルキル]2又はN(R13)(R14) で多置換されていてもよく、そしてアリール及びヘテロアリールは、F、Cl、Br、NO2、CN、O−R12、S−R12、COOR12、N(R13)(R14)又は(C1−C6)−アルキルで多置換されていてもよく;
R12が、H、(C1−C8)−アルキル、(C2−C8)−アルケニル又は(C2−C8)−アルキニルであり、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニルは、F、Cl、Br、OH又はO−(C1−C4)−アルキルで多置換されていてもよく、
R13、R14が、それぞれ独立して、H、(C1−C8)−アルキル、(C2−C8)−アルケニル、(C2−C8)−アルキニル、(C3−C7)−シクロアルキル、(C3−C7)−シクロアルキル−(C1−C4)−アルキレン、COO−(C1−C4)−アルキル、COO−(C2−C4)−アルケニル、フェニル又はSO2−フェニルであり、ここで、フェニル環は、F、Cl、CN、OH、(C1−C6)−アルキル、O−(C1−C6)−アルキル、CF3、OCF3、COOH、COO(C1−C6)−アルキル又はCONH2で二置換までされていてもよく;ここで、R13及びR14は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、N、O及びSの群からのさらに2個までのヘテロ原子を含んでいてもよい3〜7員の飽和ヘテロ環式環を形成してもよく、ここで、ヘテロ環式環は、F、Cl、Br、OH、オキソ、N(R21)(R22)又は(C1−C4)−アルキルで三置換までされていてもよく;
R21、R22が、それぞれ独立して、H、(C1−C8)−アルキルであり;
ただし、上記の基が同時に下記:
R5はハロゲン又は非置換(C1−C6)−アルキルであり、R7はヘテロ環式基又はヘテロアリールである
と定義される式Iの化合物を除く;
請求項1に記載の式Iの化合物及びそれらの生理的に許容される塩。
【請求項3】
R8、R9、R10、R11が、それぞれ独立して、H、F又はClであり;
R1、R2、R4、R6が、それぞれHであり;
R3、R5が、それぞれ独立して、H、Cl、OR12、COOR12、N(R13)(R14)又は(C1−C6)−アルキルであり;
R7が、(C1−C6)−アルキル(ここで、アルキルは、F、OR12、COOR12又はN(R13)(R14)で多置換されていてもよい)、又は(C3−C6)−シクロアルキル、(C2−C6)−アルケニル、(C2−C6)−アルキニル、(C1−C5)−アルキルカルボキシ−(C1−C6)−アルキレン、COOR12、フェニル(ここで、フェニルは、F、OMe又はOCF3で多置換されていてもよい)、又はベンジル(そのフェニル環は、OMe、ピリジル、チエニル、フラニル、インドリルカルボニル、ベンゾフラニルで置換されていてもよく、ここで、ベンゾフラニルは、Cl又はOMeで置換されていてもよい)であり;
R12が、H又は(C1−C8)−アルキルであり、ここで、アルキルは、Fで多置換されていてもよく;
R13、R14が、それぞれ独立して、H又は(C1−C8)−アルキルであり;ここで、
R13及びR14は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5員の飽和ヘテロ環式環を形成してもよく;
ただし、上記の基が同時に下記:
R5はハロゲン又は非置換(C1−C6)−アルキルであり、R7はヘテロ環式基又はヘテロアリールである
と定義される式Iの化合物を除く;
請求項1又は2に記載の式Iの化合物及びそれらの生理的に許容される塩。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物の1種又はそれ以上を含む医薬品。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物の1種又はそれ以上、及び1種又はそれ以上の血糖低下活性成分を含む医薬品。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物の1種又はそれ以上、及びスタチンの1種又はそれ以上を含む医薬品。
【請求項7】
2型糖尿病を治療する薬剤を製造するための、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項8】
血糖を低下させる薬剤を製造するための、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項9】
2型糖尿病を治療する薬剤を製造するための、少なくとも1種の他の血糖低下活性成分と組み合わせた、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項10】
血糖を低下させる薬剤を製造するための、少なくとも1種の他の血糖低下活性成分と組み合わせた、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項11】
活性成分を製薬に適する担体と混合し、そしてこの混合物を投与に適する形態にすることを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物の1種又はそれ以上を含む医薬品の製造方法。

【公表番号】特表2006−516971(P2006−516971A)
【公表日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−500523(P2006−500523)
【出願日】平成16年1月7日(2004.1.7)
【国際出願番号】PCT/EP2004/000041
【国際公開番号】WO2004/065356
【国際公開日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】