説明

カードコネクタ

【課題】 内部にメモリチップなどが収納された薄型の電子機能カードが挿入されるカードコネクタであって、異なる仕様のカードコネクタが装着されるのを阻止できるカードコネクタを提供する。
【解決手段】 筐体本体22の内部に、スライダ40が(a)−(b)方向へ摺動自在に設けられ、スライダ40を(b)方向へ付勢する圧縮コイルばね51と、(a)方向へ移動したスライダ40をロックするロック機構35が設けられている。スライダ40には(c)−(d)方向へ移動する検知部材46と、検知部材46を(c)方向へ付勢するトーション圧縮ばね47が設けられている。筐体には検知部材46の選択凸部46eに当たる規制部が設けられており、受け入れるべきでないカードが装着されると、規制部で選択凸部46eの(a)方向の移動が阻止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路を内蔵するカードが装着されるカードコネクタに関するものであり、特に、正規のカード以外のカードの挿入を阻止できるようにしたカードコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
以下の特許文献に記載のように、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ、またはパーソナルコンピュータなどには、メモリカードと称される小型で薄型の電子機能カードが装着されて使用される。この電子機能カードは、合成樹脂材料で形成された小型で薄型のケース(ハウジングと称されることもある)内に、メモリチップや、メモリコントローラなどとして機能するICチップなどが収納されている。そして、ケースの表面に、内部のメモリチップやICチップなどの電子回路に導通する複数の外部接続電極が設けられている。
【0003】
この種の電子機能カードが装着されるカードコネクタは、筐体の内部に前後方向へ移動するスライダと、このスライダを筐体の挿入口に向けて付勢する付勢部材と、筐体の奥側へ移動したスライダをロックするロック機構が設けられている。特許文献1などに記載されているように、前記スライダには、カードの側部に形成された凹部に嵌合する掛止部材(ラッチ)が設けられている。筐体内にカードが装着され、前記掛止部材が前記凹部に嵌合すると、カードの押込み力によってスライダが筐体の内部に移動してロック機構によりロックされる。このとき、筐体内に設けられた接続端子と、カードの下面に設けられた外部接続電極とが接続される。
【0004】
この種のカードコネクタは、非常に小型で指の感触でカードが装着されたか否かが判断されるものであるため、カードが表裏逆向きや前後逆向きに挿入されて筐体の奥に挿入されスライダがロックされてしまうと、カードの外部接続電極が接続端子に導通していないのにもかかわらず、操作者は、カードが誤った向きで挿入されたことを理解できないことがあり得る。
【0005】
そこで、以下の特許文献1に記載されたカードコネクタでは、筐体の内部に誤挿入防止用の突起が固定して設けられ、カードには、筐体内に挿入したときに前記突起と摺動する溝が設けられている。正常な姿勢でカードが挿入されると前記溝と前記突起とが一致して、カードが筐体の内部に挿入可能である。また、カードが正常でない姿勢で挿入されると、前記溝と前記突起の位置が合わないために、カードを筐体の内部まで送ることができなくなる。
【0006】
また、以下の特許文献2に記載されたカードコネクタは、カードが正常な姿勢で筐体内に挿入されると、カードの側部に形成された凹部とスライダに設けられた掛止凸部とが係合し、カードとスライダとが一体に組み合わされて筐体の奥方向へ移動することが可能になる。一方、カードが誤った姿勢で挿入されてカードに形成された凹部とスライダの掛止凸部とが一致できないときには、カードの側部によってスライダが挿入方向と交叉する方向へ押されてこのスライダが筐体内でロックされてしまい、カードをそれ以上は筐体の内方へ移動させることができなくなる。
【特許文献1】特開2003−150921号公報
【特許文献2】特開2005−301983号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記特許文献1に記載されたカードコネクタは、カードの面に挿入方向へ延びる溝を形成しているため、その内部にICなどを配置する際にスペース上の制約を受けることになり、回路の設計の自由度を維持するのが困難である。またカードの面に、その厚み方向に窪む溝が形成されているので、薄い寸法のカードに適用するのは難しい。
【0008】
また、前記特許文献2に記載されたカードコネクタは、カードが誤った向きで挿入されたときに、このカードの側部に押されたスライダが横方向へ動く構造であるため、誤動作が生じやすく、例えばカードが正常な姿勢で挿入されているのにもかかわらず、スライダが筐体内でロックされてしまって、スライダが動かなくなるなどの問題が生じやすい。
【0009】
また、特許文献2に記載されたものは、スライダが横方向へ押し出されない限りスライダが筐体の奥側へ移動できる。すなわち、カードが挿入されていないときにスライダがロックされておらず、スライダはいつでも筐体の内部に移動することができる。そのため、本来のカードよりも幅の細いカードやその他の異物が挿入されたときに、これらと共にスライダが一緒に筐体の内部に移動してしまう欠点がある。
【0010】
さらに、従来のカードコネクタは、本来受け入れるべきカードが表裏逆向きや前後逆向きなどのように誤った姿勢で挿入されたときに、その挿入を阻止することを目的とした構造であり、例えば、形状が似ている2種のカードが存在している場合に、そのうちの一方の挿入を受け付けるが、他方のカードの挿入を阻止するという構造を採用したものは存在していなかった。
【0011】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、本来受け入れるべき正規のカードと違うカードが挿入されたとき、または前記正規のカードが誤った姿勢で挿入されたときに、その挿入を確実に阻止しやすいカードコネクタを提供することを目的としている。
【0012】
また、本発明は、形状が似ている2種類のカードが存在しているときに、一方のカードの挿入を受付け、他方のカードの挿入を阻止することができるカードコネクタを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1の本発明は、電子回路を内蔵したカードが挿入される収納領域を有する筐体と、前記筐体の内部に設けられてカードの挿入方向と排出方向へ進退動作するスライダと、前記スライダをカードの排出方向へ付勢する付勢部材と、カードの挿入方向へ移動した前記スライダをロックするロック機構とが設けられており、
前記スライダには、前記収納領域内に向けて進退動作可能で且つ前記収納領域内へ突出する方向へ付勢されている検知部材が設けられており、
前記検知部材が前記収納領域に突出している状態で前記スライダがカードの挿入方向へ移動しようとしたときに、前記検知部材に当たって前記スライダの移動を規制する規制部が設けられており、前記収納領域内に挿入されたカードの側部によって前記検知部材が前記スライダに押し込まれているときは、前記検知部材が前記規制部に当たることなく、前記スライダが前記ロック機構でロックされる位置まで移動可能とされることを特徴とするものである。
【0014】
第1の本発明のカードコネクタは、スライダがカードの挿入方向にのみ移動し、このスライダに検知部材が動作自在に設けられ、この検知部材の動作状態によって、スライダの移動が許容され、あるいはスライダが筐体の内部に移動できないようにロックされる。このように、スライダの移動方向が直線方向のみで、このスライダに搭載された検知部材が動作する構造であるため、スライダの移動動作やスライダのロック動作を確実に行うことができる。
【0015】
また、第1の本発明のカードコネクタは、カードが挿入されていないときに、スライダがロックされており、正規のカードが正常な姿勢で挿入されたときにのみスライダが移動できる構造である。そのため、幅寸法が小さすぎるカードや異物が誤って挿入されたときに、スライダが筐体の奥側へ向けて移動することがなく、正規のカードの正常な姿勢での挿入以外を阻止しやすい。
【0016】
本発明は、前記スライダにストッパ部が設けられており、前記収納領域に挿入されたカードの先端部が前記ストッパ部に当たるまでの間に、このカードの側部によって前記検知部材が前記スライダに押し込まれるものである。
【0017】
上記構造とすることにより、正規のカードが正常に挿入されたときにのみ、カードの挿入力によってスライダを筐体の奥方向へ移動させてロックできるようになる。
【0018】
第2の本発明は、電子回路を内蔵したカードが挿入される収納領域を有する筐体と、前記筐体の内部に設けられてカードの挿入方向と排出方向へ進退動作するスライダと、前記スライダをカードの排出方向へ付勢する付勢部材と、カードの挿入方向へ移動した前記スライダをロックするロック機構とが設けられており、
前記スライダには、前記収納領域内に向けて進退動作可能で且つ前記収納領域内へ突出する方向へ付勢されている検知部材が設けられており、
前記検知部材が前記スライダに向けて押し込まれた状態で前記スライダがカードの挿入方向へ移動しようとしたときに、前記検知部材に当たって前記スライダの移動を規制する規制部が設けられており、前記収納領域に挿入されたカードの側部に形成された凹部内に前記検知部材が突出しているときは、前記検知部材が前記規制部に当たることなく、前記スライダが前記ロック機構によってロックされる位置まで移動可能とされることを特徴とするものである。
【0019】
上記第2の本発明のカードコネクタも、スライダがカードの挿入方向にのみ直線的に移動する構造であるため、スライダの誤動作が生じ難い。また、カードの側部に形成された凹部が検知部材に対向したときのみ、このカードと共にスライダが筐体の奥側へ移動できるようになる。
【0020】
第2の本発明においても、前記スライダにストッパ部が設けられており、前記収納領域に挿入されたカードの先端部が前記ストッパ部に当たるまでの間に、このカードの側部に形成された凹部内に前記検知部材が突出するものが好ましい。
【0021】
第1の本発明および第2の本発明では、前記筐体は、前記収納領域を塞ぐ蓋体を有しており、前記規制部が前記蓋体と一体に形成されているものが好ましく、さらには、前記蓋体に、穴または切欠きが形成されており、前記穴または前記切欠きの縁部の一部が前記規制部とされているものが好ましい。
上記構成では、筐体を薄型に構成することができる。
【0022】
さらに、前記検知部材が、前記収納領域内へ突出しているときと、前記スライダに押し込まれているときとで、検知出力が切換わるスイッチ機構が設けられているものとして構成できる。
【0023】
検知部材の位置によってスイッチ機構が動作する構造にすると、受け入れるべき正規のカードが正常に挿入されているか否かを常に確実に把握できるようになる。
【発明の効果】
【0024】
本発明では、本来受け入れるべき正規のカード以外のカードが挿入されたとき、または正規のカードが誤った向きで挿入されたときに、その挿入を阻止することができる。
【0025】
また、第1の本発明では、カードが挿入されていないときにスライダがロックされているため、正規のカードよりも幅寸法の小さいカードやその他の異物が挿入されたときに、その挿入を阻止しやすい。
【0026】
また、本発明は、形状が類似した2種のカードが存在しているときに、その一方のカードの挿入を可能とし他方のカードの挿入を阻止するものとすることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1は、本発明の第1の実施の形態のカードコネクタの外観を示す斜視図、図2は第1の実施の形態のカードコネクタに第1のカードが装着される状態を蓋体を外して示す斜視図である。図3(A)は第1の実施の形態のカードコネクタのスライダと検知部材を示す斜視図、図3(B)はさらに規制部の構造を示す斜視図である。図4と図5は、第1の実施の形態のカードコネクタに第1のカードが装着された状態を蓋体を外して動作別に示す平面図である。図6は、第1の実施の形態に、第2のカードが挿入された状態を蓋体を外して示す平面図である。
【0028】
図7は、本発明の第2の実施の形態のカードコネクタの規制部の構造を示す斜視図である。図8と図9は、第2の実施の形態のカードコネクタに第2のカードが装着された状態を蓋体を外して動作別に示す平面図である。図10は、第2の実施の形態に、第1のカードが挿入された状態を蓋体を外して示す平面図である。
【0029】
図11は、第1の実施の形態カードコネクタと第2の実施の形態のカードコネクタの筐体本体の底部の構造を示す平面図である。
【0030】
図12は第1のカードの平面図、図13は第1のカードの左側面図、図14は第1のカードを斜め下側から示す斜視図である。図15は第2のカードの平面図である。
【0031】
本発明の第1の実施の形態のカードコネクタ20には、第1のカードC1が正規のカードとして装着されるが、第2のカードC2は装着できない。第2の実施の形態のカードコネクタ70には、第2のカードC2が正規のカードとして装着されるが、第1のカードC1は装着できない。第1のカードC1と第2のカードC2はケースの寸法が同じでケースの構造が少し相違している。まず、第1のカードと第2のカードの形状およびその相違点を説明する。
【0032】
(第1のカードの形状)
図12ないし図14に示される第1のカードC1は、いわゆるマルチメディアカードなどのメモリデバイスとして使用される。第1のカードC1は、プラスチック製のケース1を有しており、このケース1内に、フラッシュメモリなどのメモリチップや、メモリコントローラとして機能するICチップなどが収納されている。
【0033】
図13に示すように、ケース1は、表面1aと裏面1bを有している。表面1aと裏面1bは互いに平行な平面であり、表面1aと裏面1bの間隔が第1のカードC1の厚み寸法Tである。図14に示すように、裏面1bの前方には、複数個(13個)の外部接続電極5が露出している。外部接続電極5の表面はケース1の裏面1bとほぼ同一面である。
【0034】
ここで、「表面」と「裏面」とは外部接続電極5を有する面と有しない面を識別するための便宜上の名称であり、どちらの面が表面1aでどちらの面が裏面1bであってもよい。
【0035】
図12ないし図14に示すように、ケース1は前端部1cと、後端部1dを有している。また右側部1eと左側部1fを有している。
【0036】
図13に示すように、前端部1cは、表面1aと垂直な平面であり、表面1aと裏面1bとの角部には前方傾斜面2が形成されている。後端部1dは、表面1aおよび裏面1bに垂直な平面である。右側部1eと左側部1fは、表面1aおよび裏面1bと垂直な平面である。図12に示すように、前端部1cと右側部1eとの境界部および前端部1cと左側部1fとの境界部、すなわち前端部1cの左右両側部には、円筒面の一部である前方コーナー曲面3,3が形成されている。後端部1dと右側部1eとの境界部および後端部1dと左側部1fとの境界部、すなわち後端部1dの左右両側部にも、円筒面の一部である後方コーナー曲面4,4が形成されている。
【0037】
図12に示すように、ケース11を表面1a側から見た平面図では、ケース1の形状は前後に延びる中心線O−Oを介して左右に対称の形状である。
【0038】
ケース1の前方部分では、右側部1eと左側部1fから中心線O−Oに向けて窪む前方凹部6,6が形成されている。前方凹部6,6は、右側部1eおよび左側部1fと平行で且つ右側部1eおよび左側部1fから中心線O−Oに向けて距離W1だけ内側に位置する内側面6a,6aと、裏面1bと平行な内底面6c,6cとを有している。右側の前方凹部6の後端部と右側部1eとの間、および左側の前方凹部6の後端部と左側部1fとの間には、それぞれ傾斜部6b,6bが形成されている。傾斜部6b,6bは、後方に向かうにしたがって中心線O−Oから徐々に離れる面であり、傾斜部6b,6bは平面または曲率を有する曲面である。
【0039】
図13に示すように、前方凹部6,6は、ケース1の表面1aから裏面1bに向けて窪んでいる。ケース1の表面1aから前方凹部6の内底面6cまでの距離、すなわち前方凹部6,6の表面1aから裏面1bに向けた深さ寸法t1は、第1のカードC1の全体の厚み寸法Tのほぼ1/2である。また、前記前方凹部6,6が表面1aから窪んで形成された結果、それよりも裏面側には、裏面1bと前記内底面6c,6cとで挟まれた部分である薄肉部7,7が形成されている。この薄肉部7,7の厚さ寸法t2も、第1のカードC1の全体の厚み寸法Tのほぼ1/2である。
【0040】
前方凹部6,6は、前端部1cの左右両側部にて前方に開放されている。よって、図14に示すように、前端部1cの厚さ寸法は、その中央のほとんどの部分がTであるが、両側部においては、厚さ寸法はt2である。図12に示すように、前方凹部6,6の前後の長さ寸法L1は、ケース1の前端部1cから、傾斜部6b,6bの後端部までの距離である。
【0041】
ケース1の右側部1eと左側部1fでは、前方凹部6,6の後端部よりも後方へ距離L2だけ空けた位置に、中間凹部8,8が形成されている。中間凹部8,8の前後方向の長さ寸法L3は、前記前方凹部6,6の前後方向の長さ寸法L1よりも短い。
【0042】
中間凹部8,8は、右側部1eおよび左側部1fよりも中心線O−O側に位置し且つ右側部1eおよび左側部1fと平行な内側端8a,8aを有している。右側の中間凹部8における右側部1eから内側端8aまでの幅寸法、ならびに左側の中間凹部8における左側部1fから前内端8bまでの幅寸法W2は、前記前方凹部6,6の幅寸法W1とほぼ同じである。
【0043】
中間凹部8,8は前内端8bと後内端8cを有しており、前内端8bと後内端8cとの間の前後の間隔が、中間凹部8,8の長さ寸法L3である。
【0044】
図13と図14に示すように、中間凹部8,8は内底端8d,8dを有しており、この内底端8d,8dは、裏面1bと平行である。表面1aから内底端8d,8dまでの寸法が、中間凹部8,8の深さ寸法t3であり、この深さ寸法t3は、前記前方凹部6の深さ寸法t1よりも大きい。中間凹部8,8の深さ寸法t3が、前方凹部6,6の深さ寸法t1よりも大きいため、図2に示すように、スライダ40に設けられた保持板ばね49の掛止部49aが、中間凹部8,8に入り込みやすい。
【0045】
図12に示すように、ケース1の後端部1dよりも少し内側には、表面1aから窪む摘み凹部9が形成されている。図1に示すように、第1のカードC1がカードコネクタ20に装着されると、前記摘み凹部9を有する後端部分が、カードコネクタ20から突出する。この摘み凹部9に指の爪を掛けるなどして、第1のカードC1をカードコネクタ20から引き出すことができる。
【0046】
(第2のカードの形状)
図15に示すように、第2のカードC2はケース11を有しており、このケース11内に、メモリチップやその他のICチップなどが収納されている。
【0047】
第2のカードC2のケース11の右側部1eの前方と左側部1fの前方に形成された前方凹部16,16は、第1のカードC1の左右両側部の前方凹部6,6よりも長いが、これ以外の形状について、第1のカードC1と第2のカードC2は、全てにおいて同じである。すなわち、第2のカードC2のケース11の厚み寸法Tと幅寸法W0および縦方向の長さ寸法の全長は、第1のカードC1のケース1と同じである。第2のカードC2のケース11に形成されている中間凹部8,8の形状と寸法および位置は、第1のカードC1のケース1と同じである。その他、図15では、第1のカードC1のケース1と同じ部分には同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0048】
図15に示す第2のカードC2に形成された前記前方凹部16,16は、中心線O−Oに近づく位置に内側面16aを有している。内側面16aの位置、すなわち前方凹部16,16の幅寸法W1は、図12に示すケース1の前方凹部6,6の幅寸法W1と同じである。またケース11の表面1aから、前方凹部16の内底面16cまでの寸法、すなわち前方凹部16,16の深さ寸法は、図13に示すケース1の前方凹部6,6の深さ寸法t1と同じである。第2のカードC2のケース11には、前方凹部6,6よりも裏面側に薄肉部17,17が設けられているが、この薄肉部17,17の幅寸法および厚み寸法も、第1のカードC1の薄肉部7,7と同じである。
【0049】
ただし、図15に示すケース11の前方凹部16,16および薄肉部17,17の長さ寸法L11,すなわち、前端部1cから、前方凹部16,16の後端に位置する傾斜部16bの後端までの距離L11は、図12に示すケース1の前方凹部6,6および薄肉部7,7の長さ寸法L1よりも長い。第1のカードC1と第2のカードC2は、前方凹部6,6の長さ寸法L1と、前方凹部16,16の長さ寸法L11の違いによってのみ、互いに識別できる。
【0050】
第2のカードC2のケース11に形成されている中間凹部8,8の長さ寸法L3は、ケース1の中間凹部8,8の長さ寸法L3と同じである。また、図15に示す長さ寸法L11+L12は、図12に示す長さ寸法L1+L2と同じである。つまり、図15に示すケース11における前端部1cから中間凹部8,8の前内端8b,8bまでの距離は、図12に示すケース1の前記距離と同じである。
【0051】
第2のカードC2のケース11の裏面1bに現れている外部接続電極の数および位置ならびに形状は、図14に示す第1のカードC1のケース1の裏面1bに現れている外部接続電極5と全く同じである。
【0052】
第1のカードC1と第2のカードC2は、その仕様が相違している。仕様の違いは、例えば、駆動電圧の違い、すなわち、電源用の外部接続電極を介してケース1,11内の回路に供給すべき電圧の相違である。または、前記仕様の相違は、ケース1,11の内部に収納されているメモリチップのメモリ容量の違いである。
【0053】
図12と図15に示すように、第1のカードC1のケース1と第2のカードC2のケース11は、いずれも中心線O−Oに対して左右対称形状であり、全体の平面形状が長方形である。そのため、ケース1,11の内部のスペースを有効的に広く使用することができ、小型で且つ薄型でありながら、内部のICチップやその他の回路を集積して配置することが可能である。
【0054】
しかも、前方凹部6または前方凹部16と、中間凹部8が、ケース1,11の表面1a側からのみ窪んでいるため、ケースの表裏を見分けやすい。また、前方凹部6または前方凹部16が、左右両側部1e,1fにおいて、前方の領域に形成されているため、ケースの前後も区別しやすい。
【0055】
(第1の実施の形態のカードコネクタ20の構造)
本発明の第1の実施の形態のカードコネクタ20の構造を説明する。
【0056】
図1に示すように、このカードコネクタ20は筐体21を有している。筐体21は、合成樹脂製の筐体本体22と、金属板で形成されて筐体本体22の上方に被せられた蓋体23とで構成されている。
【0057】
図2と図4に示すように、筐体本体22は枠体形状である。筐体本体22は、前壁部24、後壁部25、右壁部26、左壁部27および底壁部28が一体に形成されている。前壁部24の上面24a、後壁部25の上面25a、右壁部26の上面26aならびに左壁部27の上面27aは、互いに同一面である。図1に示すように、蓋体23の天井板23aの下面は、筐体本体22の前記各壁部の上面24a,25a,26a,27aに密着するように設置されている。蓋体23には、後側板23bと右側板23cおよび左側板23dが設けられ、これらは天井板23aから直角に折り曲げられている。後側板23bは、筐体本体22の後壁部25の外面に設置され、右側板23cと左側板23dは、それぞれ筐体本体22の右壁部26の外面と左壁部27の外面に設置されている。
【0058】
筐体21の厚さ寸法は、筐体本体22の底壁部28の下面から、蓋体23の天井板23aの上面までの高さ寸法で決められている。筐体21の内部には、底壁部28の上面と天井板23aの下面との間の隙間であるカードの収納領域が形成されている。この収納領域の内側の高さ寸法は、筐体本体22の底壁部28の上面から、蓋体23の天井板23aの下面までの高さ寸法で決められる。収納領域の内側の高さ寸法は、第1のカードC1ならびに第2のカードC2の全体の厚み寸法Tとほぼ同じか、または厚み寸法Tよりもわずかに大きい寸法である。
【0059】
図2および図4に示すように、筐体本体22の左壁部27の内面が案内基準面27bであり、第1のカードC1と第2のカードC2は、その左側部1fが前記案内基準面27bを摺動しながら、筐体21の奥側((a)側)へ向けて挿入される。筐体本体22の前壁部24には、前記案内基準面27bに間隔を開けて対向する右案内面24bが形成されている。
【0060】
左壁部27の内面の案内基準面27bと、前壁部24の右案内面24bと、底壁部28の上面および天井板23aの下面で囲まれている部分が、カードの挿入口29である。この挿入口29の幅寸法は、第1のカードC1と第2のカードC2の幅寸法W0とほぼ同じか、またはわずかに大きい寸法である。
【0061】
図2と図4などに示すように、筐体本体22の内部の右側にスライダ40が設けられており、このスライダ40は、右壁部26の内面に沿って(a)−(b)方向へ摺動自在に設けられている。(a)方向は、筐体21内の奥側およびカードの挿入方向であり、(b)方向は、筐体21の手前側およびカードの排出方向である。筐体本体22の後壁部25の内面とスライダ40との間には、付勢部材として圧縮コイルばね51が介在しており、この圧縮コイルばね51の弾性力によって、スライダ40が(b)方向へ付勢されている。
【0062】
図3(A)に示すように、スライダ40の左側部には案内面41が形成されている。案内面41は、前記前壁部24に形成された右案内面24bの奥側でほぼ同じ位置にあり、左壁部27に形成された案内基準面27bと平行である。筐体21の内部では案内基準面27bと案内面41とで挟まれた空間が、カードの収納領域である。
【0063】
スライダ40の奥側((a)側)の端部には、収納領域内に向けて(c)方向へ突出するストッパ部44が一体に設けられている。ストッパ部44よりも手前側((b)側)には、案内凸部45が一体に形成されている。案内凸部45は、前記案内面41よりも上方において収納領域内に向けて(c)方向へ突出し、且つ均一な厚さ寸法で前後方向((a)−(b)方向)へ延びている。前記ストッパ部44よりも手前側では、下半分に前記案内面41と連続する案内面を有する下部案内部41aが形成されており、上半分に前記案内凸部45が突出している。
【0064】
案内凸部45の厚さ寸法taは、図13に示している第1のカードC1の前方凹部6の深さ寸法t1とほぼ一致し、下部案内部41aの高さ寸法は、第1のカードC1の薄肉部7の厚さ寸法t2とほぼ一致している。図4に示すように、第1のカードC1が挿入されると、その右前方の薄肉部7が前記下部案内部41aの内部に入り込み、案内凸部45が第1のカードC1の右前方に形成されている前方凹部6に入り込む。
【0065】
図3(A)に示すように、スライダ40の上部には、図示左方向へ開放する摺動凹部40aが形成されており、この摺動凹部40aの内部に検知部材46が収納されている。検知部材46は合成樹脂製であり、スライダ40の移動方向である(a)−(b)方向と直交する(c)−(d)方向へ摺動自在に設けられている。検知部材46の収納領域に向く側は三角形状に突出しており、(a)側に向く第1傾斜面46aと(b)側に向く第2傾斜面46bを有している。
【0066】
摺動凹部40a内には検知部材46を収納領域に向けて付勢する付勢部材であるトーション圧縮ばね47が設けられている。前記摺動凹部40a内には、前記検知部材46の突出量を規制するストッパが設けられており、検知部材46に外力が作用していないときに、第1傾斜面46aと第2傾斜面46bとの境界部である頂部46cの案内面41からの突出寸法は、前記案内凸部45の案内面41からの突出寸法にほぼ等しい。また、案内面41から突出している部分での検知部材46の厚さ寸法は、前記案内凸部45の厚さ寸法taとほぼ等しく、検知部材46の高さ位置も案内凸部45とほぼ同じである。
【0067】
図3(A)に示すように、検知部材46の上面46dは、スライダ40の上面とほぼ同一面である。検知部材46には前記上面46dから上方へ突出する選択凸部46eが一体に形成されている。この選択凸部46eは、スライダ40の前記上面よりも上方へ突出している。
【0068】
前記検知部材46の第1傾斜面46aと第2傾斜面46bは、案内凸部45の(b)側の端部に隣接する位置で収納領域内に突出している。図4に示すように、第1のカードC1が装着されたときには、第1のカードC1の前端部1cがストッパ部44に当たる前の時点で、または当たる直前に、第1のカードC1の右前方の前方凹部6が検知部材46よりも前方に位置する。よって、検知部材46は、第1のカードC1の前方凹部6よりも後方の右側部1eによって(d)方向へ押され、検知部材46は、スライダ40の内部に押し込まれる。
【0069】
一方、図6に示すように、第2のカードC2が挿入されて、その前端部1cがストッパ部44に当たったときには、検知部材46は、第2のカードC2の右前方の前方凹部16内に入り込んでおり、検知部材46は収納領域に向けて(c)方向へ突出している。
【0070】
図1および図3(B)に示すように、前記蓋体23の天井板23aには、厚み方向に貫通する穴部(または切欠き部)55が開口している。穴部55は、(c)側の部分が(a)−(b)へ短い距離で延びる規制移動部55aであり、(d)側の部分が(a)−(b)方向へ長い距離で延びる挿入移動部55bである。穴部55の縁部には、規制移動部55aと挿入移動部55bとの境界部に段差部が形成されており、この段差部が規制部56となっている。
【0071】
前記規制移動部55aの幅寸法B1は、前記検知部材46に形成された選択凸部46eに当たることのできる大きさである。図3(A)(B)に示すように、検知部材46が(c)方向へ突出しているときに、スライダ40が(a)方向へ移動すると、検知部材46の選択凸部46eが規制部56に当たり、それ以上のスライダ40の(a)方向への移動が規制される。すなわち、スライダ40の移動範囲は、規制移動部55aの範囲に限定される。
【0072】
前記挿入移動部55bの幅寸法B2は、前記選択凸部46eの幅寸法よりも大きい。図4に示すように、検知部材46が(d)方向へ押し込まれた状態で、スライダ40が(a)方向へ移動すると、選択凸部46eが挿入移動部55b内において(a)方向へ長く移動することができる。
【0073】
図3(A)に示すように、スライダ40の手前側((b)側)の上面には、保持凹部40bが形成されており、この保持凹部40b内に、保持板ばね49が保持されている。この保持板ばね49は山状に折り曲げられた掛止部49aを有しており、この掛止部49aが、案内面41よりも(c)方向へ突出している。掛止部49aの厚さ寸法は前記案内凸部45の厚さ寸法taとほぼ同じであり、掛止部49aが案内面41から突出している高さ位置は、案内凸部45の突出位置にほぼ一致している。
【0074】
図4に示すように、第1のカードC1の前端部1cがストッパ部44に当たったときに、前記掛止部49aが、第1のカードC1の右側部に形成された中間凹部8に嵌合する。同様に、図6に示すように、第2のカードC2が挿入されてその前端部1cがストッパ部44に当たったときも、前記掛止部49aが、第2のカードC2の右側部に形成された中間凹部8に嵌合する。
【0075】
スライダ40と筐体21との間には、スライダ40を奥側((a)側)でロックするためのロック機構35が設けられている。ロック機構35は、スライダ40の上面に形成された溝カム42と、筐体21に設けられたロックピン36とで構成されている。
【0076】
ロックピン36は、基端部36aと先端部36bが直角に折り曲げられている。図4に示すように、ロックピン36の基端部36aが、筐体本体22の前壁部24の上部に形成された保持凹部24c内に回動自在に支持されている。ロックピン36の先端部36bは、溝カム42内に摺動自在に挿入されている。図1に示すように、金属板で形成された蓋体23の天井板23aには、右手前側にロック板ばね37が一体に形成されている。このロック板ばね37は、天井板23aの一部を切り抜いて形成された片持ち支持ばねである。前記ロックピン36はこのロック板ばね37によって押圧され、先端部36bが溝カム42の溝底部に押し付けられている。
【0077】
図4に示すように、溝カム42は、奥側((a)側)の端部に位置するロック解除部42aと、このロック解除部42aよりも手前側((b)側)に位置するロック部42bを有している。ロック解除部42aとロック部42bとの間には、左側に往路溝42cが形成され、右側に復路溝42dが形成されている。溝カム42の内部では、ロック解除部42a,往路溝42c,ロック部42b,復路溝42dの各部の境界部に段差が形成されており、ロックピン36の先端部36bは、ロック解除部42a→往路溝42c→ロック部42b→復路溝42d→ロック解除部42aの順でのみ摺動でき、その逆の行程を辿ることができない。
【0078】
図4では、スライダ40が、圧縮コイルばね51の付勢力によって手前側((b)側)へ移動させられて、筐体本体22の前壁部24に突き当てられている。このとき、ロックピン36の先端部36bは、溝カム42のロック解除部42a内に位置している。選択凸部46eが、図3(B)に示す規制部56で規制されることなく挿入移動部55b内を移動して、スライダ40が奥側((a)側)まで移動することができると、図5に示すように、ロックピン36の先端部36bが、溝カム42の往路溝42c内を通過してロック部42bに至り、スライダ40は手前側((b)側)へ戻らないようにロックされる。
【0079】
その後、スライダ40を短い距離だけ奥側((a)側)へ移動させると、ロックピン36の先端部36bが、溝カム42のロック部42bから抜け出て、復路溝42dに向けて案内され、スライダ40のロックが解除される。よって、スライダ40は、図4に示す初期位置に復帰し、この間に、ロックピン36の先端部36bが、復路溝42dからロック解除部42aに戻る。
【0080】
図1に示すように、蓋体23の左側板23dには、側圧板ばね58が一体に形成されている。図4に示すように、側圧板ばね58は、筐体21の内部に入り込んで、筐体21の収納領域内の上方部分に位置している。
【0081】
図4に示すように、第1のカードC1が正常な姿勢で挿入されると、前記側圧板ばね58が、第1のカードC1の左側の前方凹部6内に入り込む。側圧板ばね58が前方凹部6内で且つ薄肉部7の上に入り込むために、筐体21の内部に挿入されるカードの先部が底壁部28から浮き上がるのを防止できる。図5に示すように、第1のカードC1と共にスライダ40が奥側((a)側)へ押し込まれてロックされると、側圧板ばね58が第1のカードC1の左側部1fを弾圧し、第1のカードC1が(d)方向へ押される。よって、第1のカードC1によって、スライダ40上の検知部材46が(d)方向へ確実に押されることになり、検知部材46に設けられた選択凸部46eが、規制部56に不用意に規制されるなどの誤動作を防止しやすくなる。
【0082】
図11には、筐体本体22の底壁部28の形状が示されている。底壁部28には、奥側((a)側)に、接続端子61が設けられている。接続端子61は、図14に示した第1のカードC1の裏面1bに露出している外部接続電極5と同じ数で且つ同じピッチで配列している。底壁部28の手前側には外部端子62が設けられている。複数の接続端子61と複数の外部端子62は、それぞれ一対一で導通している。
【0083】
図2に示すように、接続端子61は底壁部28から上方へ突出しており、第1のカードC1が図5に示す位置まで正常に装着されると、それぞれの接続端子61は、第1のカードC1に設けられた外部接続電極5に接続される。また、外部端子62は、カードコネクタ20が実装する回路基板などの電極部に半田付けされる。
【0084】
図11に示すように、筐体本体22の底壁部28の右側部分にはスイッチ機構65が設けられている。このスイッチ機構65には、底壁部28の上面に(a)−(b)方向へ延びる一対の摺動電極66,67が設けられている。前記スライダ40に搭載されて前記検知部材46を付勢しているトーション圧縮ばね47の2つの腕部47a,47bは、それぞれ接点として機能しており、腕部47a,47bは、共に底壁部28の上面に弾圧されている。
【0085】
図4に示すように、スライダ40が手前側((b)側)に位置しているとき、前記腕部47a,47bは、共に摺動電極66,67から外れている。このとき、摺動電極66と摺動電極67は非導通である。スライダ40が(a)方向へ押されて移動するときは、一方の腕部47aが摺動電極66に接触してこの摺動電極66の上を移動する。
【0086】
スライダ40において検知部材46が(c)方向へ突出しているときには、スライダ40が(a)方向へ移動するときに、腕部47bが摺動電極67から外れた左側部分を移動し、腕部47bと摺動電極67とが接触することはない。このとき、摺動電極66と摺動電極67は導通しない。一方、検知部材46が(d)方向へ押された状態でスライダ40が(a)方向へ移動すると、腕部47bが摺動電極67の上を摺動し、金属製で導電性のトーション圧縮ばね47を介して摺動電極66と摺動電極67とが導通する。
【0087】
制御部において、摺動電極66と摺動電極67との導通状態を監視することにより、スライダ40が(a)方向へ移動するときに、検知部材46が(c)方向へ突出しているか、(d)方向へ押し込まれているかを識別することができる。
【0088】
(第1の実施の形態のカードコネクタ20への正常な装着動作)
第1の実施の形態のカードコネクタ20になにも装着されていないときは、スライダ40が挿入口29側((b)側)へ移動している。また、図3(A)(B)に示すように、スライダ40上で、トーション圧縮ばね47の付勢力によって検知部材46が(c)方向へ移動させられ、第1傾斜面46aと第2傾斜面46bが、スライダ40の左側部の検知面41から収納領域へ突出している。
【0089】
そのため、挿入口29から第1のカードC1より厚さ寸法の薄いカードや幅寸法の短いカード、あるいはカード以外の異物が挿入され、この異物でスライダ40と一体のストッパ部44が押されたとしても、図3(B)に示すように、(c)方向へ移動している検知部材46の選択凸部46eが、規制移動部55aの限られた移動範囲だけ(a)方向へ移動した時点で、規制部56に当たる。よって、それ以上はスライダ40が(a)方向へ移動することがない。
【0090】
また、選択凸部46eが規制部56に当たったとき、スライダ40に設けられた溝カム42のロック部42bは、ロックピン36の先端部36bに掛止される位置に至っておらず、スライダ40はロック機構35によってロックされない。よって、第1のカードC1より厚さ寸法の薄いカードや幅寸法の短いカード、あるいはカード以外の異物を取り出せば、スライダ40は圧縮コイルばね51の付勢力によって(b)方向へ移動して初期位置に復帰する。
【0091】
なお、図3(A)に示すように、検知部材46には(b)方向に向く第1傾斜面46aと(a)方向に向く第2傾斜面46bが設けられている。そのため、形状の相違するカードや異物が挿入されまた引き抜かれるときに、カードや異物と、第1傾斜面46aあるいは第2傾斜面46bが摺動するため、カードや異物が検知部材46に引っ掛かることがない。
【0092】
図11に示すように、カードが挿入されておらず、スライダ40が(b)側へ移動して初期位置にあるとき、スライダ40に搭載されたトーション圧縮ばね47の腕部47aと腕部47bが、共に、底壁部28に設けられた摺動電極66と摺動電極67よりも(b)側へ位置しており、摺動電極66と摺動電極67が導通していない。
【0093】
図3(B)に示すように、スライダ40が(a)方向へ少しだけ移動して、選択凸部46eが規制部56に当たった時点では、図11に示す腕部47aが摺動電極66に接触する位置までは至っておらず、摺動電極66と摺動電極67とが導通することはない。よって、第1のカードC1よりも薄いカードや幅寸法の短いカード、その他の異物が挿入されてストッパ部44が押されたときに、スイッチ機構65から、第1のカードC1が正常に装着されたときと同じ検知出力が出るのを防止できる。
【0094】
図4と図5は、第1のカードC1が正常な向きで装着されるときの動作を示している。
図2および図4に示すように、第1のカードC1が、その前端部1cが前方に向けられ、表面1aが上に向けられた正常な姿勢で挿入口29から挿入されると、第1のカードC1のケース1の右側に形成された薄肉部7が、図3(A)に示すスライダ40の手前側に設けられている保持板ばね49の掛止部49aの下側を通過し、さらに収納領域に突出している検知部材46の下側および案内凸部45の下側を通過する。前記保持板ばね49の掛止部49aは、第1のカードC1の右側の前方凹部6の後端に形成された傾斜部6bを摺動して(d)方向へ変形させられる。さらに掛止部49aは、第1のカードC1の右側部1eを摺動し、第1のカードC1の前端部1cがストッパ部44に当たった時点で、掛止部49aが第1のカードC1の中間凹部8に嵌合し、第1のカードC1とスライダ40とが仮止めされる。
【0095】
さらに、第1のカードC1の前端部1cがスライダ40のストッパ部44に当たる直前に、検知部材46の第1傾斜面46aが、第1のカードC1の前方凹部6の後方の傾斜部6bを摺動し、図4に示すように、前端部1cがストッパ部44に当たった時点で、第1のカードC1の右側部1eが検知部材46を(d)方向へ押圧し、前記検知部材46がトーション圧縮ばね47に対抗してスライダ40内に押し込まれる。
【0096】
図4に示すように、掛止部49aによって、第1のカードC1がスライダ40に仮止めされた状態で、第1のカードC1が筐体21の内部に押し込まれると、第1のカードC1の前端部1cによってストッパ部44が押され、スライダ40が(a)方向へ移動する。このとき、検知部材46が(d)方向へ押し込まれているため、検知部材46に設けられた選択凸部46eが、図3(B)に示す穴部55の挿入移動部55b側に移動している。よって、スライダ40が(a)方向へ移動するときに、選択凸部46eが規制部56に当たることなく挿入移動部55b内を(a)方向へ移動する。
【0097】
よって、図5に示すように、第1のカードC1とスライダ40は、筐体21の奥方向まで移動させられ、スライダ40に形成された溝カム42のロック部42bが、ロックピン36の先端部36bに係止されて、スライダ40がその位置でロックされる。
【0098】
このとき、図11に示すように、筐体本体22の奥側に設けられた接続端子61のそれぞれが、図14に示すように、第1のカードC1の裏面1bに露出する外部接続電極5のそれぞれに弾圧して接続される。
【0099】
第1のカードC1が正常な姿勢で挿入されると、図11に示す検知部材46が(d)方向へ押されるため、トーション圧縮ばね47の腕部47bが(d)方向へ押される。よって、第1のカードC1と共にスライダ40が(a)方向へ移動するときに、トーション圧縮ばね47の一方の腕部47aが筐体21の底部の摺動電極66に接触して摺動するとともに、他方の腕部47bも摺動電極67に接触して摺動する。よって、トーション圧縮ばね47によって摺動電極66と摺動電極67とが導通され、制御部では、第1のカードC1が正常に装填されたと認識する。
【0100】
第1のカードC1をカードコネクタ20から離脱させるときは、図5に示すように、正常に装着されている状態から第1のカードC1を奥側((a)側)へ押す。第1のカードC1と共にスライダ40が少しだけ奥側へ移動すると、ロックピン36の先端部36bが、溝カム42のロック部42bから外れ、スライダ40が付勢部材の力で手前側((b)側)へ戻される。よって、図2に示すように、スライダ40が初期位置に復帰し、第1のカードC1の後端部が挿入口29から突出させられる。
【0101】
(第1の実施の形態のカードコネクタ20への異常な装着動作)
図12ないし図14に示すように、第1のカードC1と第2のカードC2は、その全体の形状および寸法がほぼ同じである。しかし、第1のカードC1と第2のカードC2の駆動電圧が相違する場合など、第1のカードC1の専用のカードコネクタ20と第2のカードC2の専用のカードコネクタ70を別々に使用することが必要となることがある。この場合に、カードコネクタに異なるカードが装着されないように阻止することが必要である。
【0102】
第1の実施の形態のカードコネクタ20は、前述のように第1のカードC1のみが専用として装着されるものであり、第2のカードC2が装着されるのを阻止する機能を有している。
【0103】
図6は、第1の実施の形態のカードコネクタ20に図15に示す第2のカードC2が挿入されたときの動作を示している。図6では、第2のカードC2が、その前端部1cが筐体21の奥側に向けられ、表面1aが上に向けられた姿勢で挿入されている。このとき、第2のカードC2の右前方に設けられた薄肉部17が、図3(A)に示す案内凸部45の下に入り込むことができ、第2のカードC2の前端部1cがストッパ部44に当たり、掛止部49aが中間凹部8に嵌合して、第2のカードC2がスライダ40に仮止めされてしまう。
【0104】
しかし、第2のカードC2は、前方凹部16の前端部1cからの長さ寸法L11が第1のカードC1よりも長いために、前端部1cがストッパ部44に当たった時点で、検知部材46は前方凹部16内に突出した状態である。
【0105】
そのため、図6の状態から第2のカードC2を筐体21の奥側に押し込んで、スライダ40を移動させると、図3(B)に示しているように、検知部材46に設けられた選択凸部46eが、穴部55の規制移動部55a内を移動し、選択凸部46eが規制部56に当たり、スライダ40および第2のカードC2がそれ以上奥側へ挿入されるのを阻止できる。
【0106】
選択凸部46eが規制部56に当たった時点で、スライダ40はロック機構35でロックされていないため、第2のカードC2への押し力を解除すると、圧縮コイルばね51の付勢力によって、第2のカードC2およびスライダ40が挿入口29に戻される。
【0107】
よって、使用者が、第1のカードC1の代わりに誤って第2のカードC2を装着した場合に、その第2のカードC2を筐体21の奥まで押し込むことができず、挿入口から突出しようとするため、誤って第2のカードを挿入していることを容易に認識できる。
【0108】
また、前記カードコネクタ20に対して、第1のカードC1が表裏逆向きや前後逆向きに挿入されたときには、挿入側の先部の側方部分がスライダ40の案内凸部45に当たり、第1のカードC1をストッパ部44と当たる位置まで挿入することができないため、使用者は、誤った挿入であることを容易に理解できる。
【0109】
(第2の実施の形態のカードコネクタ70の構造)
図7は、第2の実施の形態のカードコネクタ70の一部分を示している。
【0110】
第2の実施の形態のカードコネクタ70は、蓋体23の天井板23aにおいて、スライダ40の上に開口している穴部(または切欠き部)155の形状が、図3(B)に示す第1の実施の形態のカードコネクタ20の穴部55の形状と相違している。ただし、穴部155の構造以外では、第2の実施の形態のカードコネクタ70の各部の構造は、第1の実施の形態のカードコネクタ20の各部の構造と全く同じである。よって、図7ないし図10に示す第2の実施の形態のカードコネクタ70では、穴部155以外の構成要素に第1の実施の形態のカードコネクタ20の説明に使用したのと同じ符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0111】
図7に示すように、天井板23aに形成された穴部155の形状は、図3(B)に示した穴部55と左右対称である。幅寸法Baの規制移動部155aは、(d)側に形成されており、幅寸法Bbの挿入移動部155bは(c)側すなわち収納領域側に形成されている。規制移動部155aと挿入移動部155bとの境界部には規制部156が設けられている。
【0112】
規制移動部155aの(a)−(b)方向の長さは、図3(B)に示す規制移動部55aの長さと同じであり、挿入移動部155bの長さも、図3(B)に示す挿入移動部55bの長さと同じである。
【0113】
第2の実施の形態のカードコネクタ70では、図8に示すように、スライダ40から検知部材46が(c)方向へ突出しているときに、検知部材46に設けられた選択凸部46eが、穴部155の挿入移動部155b内を移動できる。よって、スライダ40が筐体21の奥まで移動しロック機構35によってロックされる。
【0114】
図10に示すように、検知部材46がスライダ40内に押し込まれると、検知部材46に設けられた選択凸部46eが穴部155の規制移動部155a内に移動する。よって、スライダ40が(a)方向へ少し移動すると、選択凸部46eが規制部156に当たって、スライダ40がロック機構35でロックできる位置まで移動できない。
【0115】
(第2の実施の形態のカードコネクタ70への正常な装着動作)
第2の実施の形態のカードコネクタ70は、第2のカードC2の装着専用であり、第1のカードC1の装着を阻止する機能を有している。
【0116】
図8に示すように、第2のカードC2が、前端部1cが前方へ向き表面1aが上を向く正常な姿勢で挿入されると、右側の薄肉部17が、掛止部49aの下側を移動し、さらに検知部材46と案内凸部45の下側の下部案内部41a内に入り込む。第2のカードC2の前端部1cがスライダ40と一体のストッパ部44に当たると、保持板ばね49の掛止部49aが第2のカードC2の中間凹部8に嵌合する。
【0117】
ただし、図8に示すように、第2のカードC2は前方凹部16の長さ寸法L11が大きいため、前端部1cがストッパ部44に当たったときに、検知部材46は前方凹部16内に突出している。よって、図7に示すように、検知部材46に設けられた選択凸部46eが穴部155の挿入移動部155b内に位置しており、第2のカードC2と共にスライダ40が押されたときに、選択凸部46eが挿入移動部155b内を移動し、図9に示すように、スライダ40がロック機構35でロックされる位置まで移動させられる。
【0118】
スライダ40がロックされたときに、筐体本体22の底壁部28に設けられた接続端子61が、第2のカードC2の裏面に設けられた外部接続電極に接続される。
【0119】
(第2の実施の形態のカードコネクタ70への異常な装着動作)
図10は、第2の実施の形態のカードコネクタ70に第1のカードC1が挿入された状態を示している。
【0120】
第1のカードC1が、前端部1cを前方に向け表面1aを上に向けた正常な姿勢で装着されると、前端部1cがスライダ40のストッパ部44に当たった時点で、第1のカードC1の右側部1eによって検知部材46が(d)方向へ押される。よって、検知部材46に設けられた選択凸部46eが穴部155の規制移動部155a内に移動する。そのため、第1のカードC1と共にスライダ40が(a)方向へ押し込まれたときに、選択凸部46eが規制部156に当たり、スライダ40をロック機構35でロックされる位置まで挿入できない。
【0121】
よって、第2のカードC2を装着すべきカードコネクタ70に、誤って第1のカードC1を挿入したときに、その誤挿入を直ちに理解しやすくなる。
【0122】
なお、カードコネクタ70に第2のカードC2が表裏逆向きまたは前後逆向きに装着されたときも、カードの側部によって検知部材46が(d)方向へ押し込まれるために、スライダ40が(a)方向の奥まで挿入されてロック機構35でロックされるのを阻止できる。
【0123】
第2の実施の形態のカードコネクタ70には、図11に示すスイッチ機構65が搭載されている。ただし、第2の実施の形態では、摺動電極66と摺動電極67とが、第1の実施の形態よりも、やや(b)方向へ長く延びていることが好ましい。
【0124】
この場合、スライダ40が(b)方向へ移動して初期位置にあるときは、トーション圧縮ばね47の腕部47aと腕部47bが、共に摺動電極66および摺動電極67よりも(b)側に位置しており、摺動電極66と摺動電極67とが非導通状態である。
【0125】
図8と図9に示すように、第2のカードC2が正常に装着されているときは、スライダ40が(a)方向へ移動するときに、トーション圧縮ばね47の一方の腕部47aが摺動電極66上を摺動するが、他方の腕部47bは、摺動電極67に当たらずその左側を移動する。よって、第2のカードC2が正常に装着されたとき、摺動電極66と摺動電極67は非導通状態である。
【0126】
一方、図10に示すように、カードコネクタ70に第1のカードC1が挿入され、または第2のカードC2が表裏逆向きや前後逆向きの姿勢で挿入されると、検知部材46が(d)方向へ押され、選択凸部46eが規制部56に当たり、スライダ40の(a)方向の移動が制限される。この場合に、選択凸部46eが規制部56に当たる位置までスライダ40が移動すると、腕部47aが摺動電極66に接触し、腕部47bが摺動電極67に接触する。このように、カードコネクタ70が誤動作してスライダ40の移動が制限されているときにのみ、摺動電極66と摺動電極67とがトーション圧縮ばね47を介して導通させられる。制御部では、摺動電極66と摺動電極67とが導通しているときに、誤挿入動作が行われていると認識でき、例えば接続端子61の電圧部への通電を止めるなどの対応が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明の第1の実施の形態のカードコネクタを示す斜視図、
【図2】第1の実施の形態のカードコネクタに第1のカードが挿入された状態を、蓋体を外して示す斜視図、
【図3】第1の実施の形態のコネクタの一部を示すものであり、(A)はスライダの斜視図、(B)はスライダと規制部との関係を示す斜視図、
【図4】第1の実施の形態のカードコネクタに第1のカードが挿入された状態を、蓋体を外して示す平面図、
【図5】第1の実施の形態のカードコネクタに第1のカードが挿入されてスライダがロックされた状態を、蓋体を外して示す平面図、
【図6】第1の実施の形態のカードコネクタに第2のカードが挿入された状態を、蓋体を外して示す平面図、
【図7】本発明の第2の実施の形態のカードコネクタの、スライダと規制部との位置関係を示す部分斜視図、
【図8】第2の実施の形態のカードコネクタに第2のカードが挿入された状態を、蓋体を外して示す平面図、
【図9】第2の実施の形態のカードコネクタに第2のカードが挿入されてスライダがロックされた状態を、蓋体を外して示す平面図、
【図10】第2の実施の形態のカードコネクタに第1のカードが挿入された状態を、蓋体を外して示す平面図、
【図11】第1の実施の形態と第2の実施の形態のカードコネクタの筐体の底部の構造を示す平面図、
【図12】第1のカードの平面図、
【図13】第1のカードの左側面図、
【図14】第1のカードを下から示す斜視図、
【図15】第2のカードの平面図、
【符号の説明】
【0128】
C1 第1のカード
C2 第2のカード
1,11 ケース
1a 表面
1b 裏面
1c 前端部
1d 後端部
1e 右側部
1f 左側部
5 外部接続電極
6,16 前方凹部
6b,16b 傾斜部
7,17 薄肉部
8 中間凹部
20 第1の実施の形態のカードコネクタ
21 筐体
22 筐体本体
23 蓋体
35 ロック機構
36 ロックピン
40 スライダ
41 案内面
41a 下部案内部
42 溝カム
44 ストッパ部
45 案内凸部
46 検知部材
46e 選択凸部
47 トーション圧縮ばね
47a,47b 腕部
49 保持板ばね
49a 掛止部
55 第1の実施の形態の穴部
56 規制部
70 第2の実施の形態のカードコネクタ
155 第2の実施の形態の穴部
156 規制部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子回路を内蔵したカードが挿入される収納領域を有する筐体と、前記筐体の内部に設けられてカードの挿入方向と排出方向へ進退動作するスライダと、前記スライダをカードの排出方向へ付勢する付勢部材と、カードの挿入方向へ移動した前記スライダをロックするロック機構とが設けられており、
前記スライダには、前記収納領域内に向けて進退動作可能で且つ前記収納領域内へ突出する方向へ付勢されている検知部材が設けられており、
前記検知部材が前記収納領域に突出している状態で前記スライダがカードの挿入方向へ移動しようとしたときに、前記検知部材に当たって前記スライダの移動を規制する規制部が設けられており、前記収納領域内に挿入されたカードの側部によって前記検知部材が前記スライダに押し込まれているときは、前記検知部材が前記規制部に当たることなく、前記スライダが前記ロック機構でロックされる位置まで移動可能とされることを特徴とするカードコネクタ。
【請求項2】
前記スライダにストッパ部が設けられており、前記収納領域に挿入されたカードの先端部が前記ストッパ部に当たるまでの間に、このカードの側部によって前記検知部材が前記スライダに押し込まれる請求項1記載のカードコネクタ。
【請求項3】
電子回路を内蔵したカードが挿入される収納領域を有する筐体と、前記筐体の内部に設けられてカードの挿入方向と排出方向へ進退動作するスライダと、前記スライダをカードの排出方向へ付勢する付勢部材と、カードの挿入方向へ移動した前記スライダをロックするロック機構とが設けられており、
前記スライダには、前記収納領域内に向けて進退動作可能で且つ前記収納領域内へ突出する方向へ付勢されている検知部材が設けられており、
前記検知部材が前記スライダに向けて押し込まれた状態で前記スライダがカードの挿入方向へ移動しようとしたときに、前記検知部材に当たって前記スライダの移動を規制する規制部が設けられており、前記収納領域に挿入されたカードの側部に形成された凹部内に前記検知部材が突出しているときは、前記検知部材が前記規制部に当たることなく、前記スライダが前記ロック機構によってロックされる位置まで移動可能とされることを特徴とするカードコネクタ。
【請求項4】
前記スライダにストッパ部が設けられており、前記収納領域に挿入されたカードの先端部が前記ストッパ部に当たるまでの間に、このカードの側部に形成された凹部内に前記検知部材が突出する請求項3記載のカードコネクタ。
【請求項5】
前記筐体は、前記収納領域を塞ぐ蓋体を有しており、前記規制部が前記蓋体と一体に形成されている請求項1ないし4のいずれかに記載のカードコネクタ。
【請求項6】
前記蓋体に、穴または切欠きが形成されており、前記穴または前記切欠きの縁部の一部が前記規制部とされている請求項5記載のカードコネクタ。
【請求項7】
前記検知部材が、前記収納領域内へ突出しているときと、前記スライダに押し込まれているときとで、検知出力が切換わるスイッチ機構が設けられている請求項1ないし6のいずれかに記載のカードコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−164003(P2009−164003A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−1293(P2008−1293)
【出願日】平成20年1月8日(2008.1.8)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】