説明

カード用コネクタ装置

【課題】種類の異なる複数のカードを挿入かつ排出可能なカード用コネクタ装置を提供する。
【解決手段】第2のカード11の前端部とは当接せず、第1のカード10の前端部と当接する位置に設けられた第1の係止部16c、16dを有する第1のスライド部材16と、第2のカード11の前端部とのみ当接する第2の係止部26bを有する第2のスライド部材26とでスライド部材6を構成し、第1のカード10が挿入された時に、第1のカード10の前端部と第1の係止部16c、16dが当接して第1のスライド部材16及び第2のスライド部材26を一体的に第1のカード10の挿入方向に移動させ、第2のカード11が挿入された時に、第2のカード11の前端部と第2の係止部26bが当接して第2のスライド部材26のみを第2のカード11の挿入方向に移動させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話などの各種携帯情報端末、デジタルカメラ、デジタルAV機器などのメモリー対応機器に用いられる小型メモリーカードに使用される、カード用コネクタ装置の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータやデジタルカメラなどの電子機器の増設記録装置としてカード用コネクタ装置が一般的に使用されている。このカード用コネクタ装置の記憶媒体としてはPCカードやメモリーカードが広く使用されるようになってきている。
【0003】
このPCカードやメモリーカードをカード用コネクタ装置に挿着して必要な情報の書き込み、及び読み取りを行うものであるが、近年においては、小型のメモリーカードには、長いもの、短いもの、厚いもの、薄いものなど、形状の異なる色々な種類のメモリーカードが開発されており、これらに対応してカード用コネクタ装置も様々な種類のものが開発されている。
【0004】
この場合、カード用コネクタ装置としては1種類のメモリーカードにしか対応しておらず、一つのカード用コネクタ装置には特定の一つのメモリーカードしか挿着することができなかった。このため、色々な種類のメモリーカードを使用したい場合には、それぞれのメモリーカード専用のカード用コネクタ装置を準備する必要があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、それぞれのメモリーカード専用のカード用コネクタ装置を準備する場合には、複数のカード用コネクタ装置を搭載するため電子機器が大型化してしまい、また、メモリーカードを挿着する際に、種類の異なるメモリーカードを間違って別のカード用コネクタに挿入してしまうという不具合が発生する問題があった。
【0006】
したがって、本発明では上述した問題点を解決し、種類の異なる複数のカードを挿入かつ排出可能なカード用コネクタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明では第1の解決手段として、第1のカードと、該第1のカードよりも長さが長く幅狭な第2のカードとの何れかを選択的に挿着可能な収納部を有するハウジングと、前記第1のカードの接触端子部と接続される第1のコネクタ端子と、前記第1のコネクタ端子の配設位置よりもカード挿入方向の奥側で前記収納部に配設され、前記第2のカードの接触端子部と接続される第2のコネクタ端子と、前記カードの挿入方向及び排出方向に移動可能に配設されたスライド部材と、前記スライド部材を前記カードの排出方向へ付勢する付勢部材と、前記付勢部材の付勢力に抗して前記スライド部材をカードの挿着位置にロックするロック手段とを備え、前記スライド部材は、前記第2のカードの前端部とは当接せず、前記第1のカードの前端部と当接する位置に設けられた第1の係止部を有する第1のスライド部材と、前記第2のカードの前端部とのみ当接する第2の係止部を有する第2のスライド部材とを有し、前記第1のスライド部材を前記カードの挿入方向の後方で、かつ前記第2のスライド部材を前記カードの挿入方向の前方で、前記カードの挿入方向に沿って前後に並設し、前記第1のカードが前記収納部に挿入された時に、前記第1のカードの前端部と前記第1係止部が当接して前記第1のスライド部材及び前記第2のスライド部材を一体的に前記第1のカードの挿入方向に移動させ、前記第2のカードが前記収納部に挿入された時に、前記第2のカードの前端部と前記第2の係止部が当接して前記第2のスライド部材のみを前記第2のカードの挿入方向に移動させる構成とした。
【0008】
また、第2の解決手段として、前記付勢手段は、前記第2のスライド部材を前記カードの排出方向へ付勢しており、前記ロック手段のハート型カム溝または係合ピンのいずれか一方は、前記第2のスライド部材に形成されている構成とした。
【0009】
また、第3の解決手段として、前記第1のカードが前記収納部に挿入された時に、前記第2のスライド部材に設けられた前記ロック手段により前記第1のスライド部材および前記第2のスライド部材が所定の位置にロックされる構成とした。
【発明の効果】
【0010】
上述したように、本発明のカード用コネクタ装置は、第1のカードと、該第1のカードよりも長さが長く幅狭な第2のカードとの何れかを選択的に挿着可能な収納部を有するハウジングと、前記第1のカードの接触端子部と接続される第1のコネクタ端子と、前記第1のコネクタ端子の配設位置よりもカード挿入方向の奥側で前記収納部に配設され、前記第2のカードの接触端子部と接続される第2のコネクタ端子と、前記カードの挿入方向及び排出方向に移動可能に配設されたスライド部材と、前記スライド部材を前記カードの排出方向へ付勢する付勢部材と、前記付勢部材の付勢力に抗して前記スライド部材をカードの挿着位置にロックするロック手段とを備え、前記スライド部材は、前記第2のカードの前端部とは当接せず、前記第1のカードの前端部と当接する位置に設けられた第1の係止部を有する第1のスライド部材と、前記第2のカードの前端部とのみ当接する第2の係止部を有する第2のスライド部材とを有し、前記第1のスライド部材を前記カードの挿入方向の後方で、かつ前記第2のスライド部材を前記カードの挿入方向の前方で、前記カードの挿入方向に沿って前後に並設し、前記第1のカードが前記収納部に挿入された時に、前記第1のカードの前端部と前記第1係止部が当接して前記第1のスライド部材及び前記第2のスライド部材を一体的に前記第1のカードの挿入方向に移動させ、前記第2のカードが前記収納部に挿入された時に、前記第2のカードの前端部と前記第2の係止部が当接して前記第2のスライド部材のみを前記第2のカードの挿入方向に移動させる構成としたことから、第1のカードが挿入された場合にはカードの挿入方向の後方側に配置された第1のスライド部材によって排出することができ、第2のカードが挿入された場合にはカードの挿入方向に沿って前後に配置された第1、第2のスライド部材によって排出することができるので、大型化することなく簡単な構成で第1のカード及び第2のカードの両方を排出することができる。
【0011】
また、前記付勢手段は、前記第2のスライド部材を前記カードの排出方向へ付勢しており、前記ロック手段のハート型カム溝または係合ピンのいずれか一方は、前記第2のスライド部材に形成されている構成としたことから、第2のスライド部材を介して第1のスライド部材に付勢力を付与すると共に、その付勢力を第2のスライド部材に形成されたハート型カム溝または係合ピンで規制することが可能となる。
【0012】
また、前記第1のカードが前記収納部に挿入された時に、前記第2のスライド部材に設けられた前記ロック手段により前記第1のスライド部材および前記第2のスライド部材が所定の位置にロックされる構成としたことから、第1のカードが収納部に挿入された時に、第2のスライド部材に設けられた単一のロック手段で第1、第2のスライド部材をカードの挿着位置にロックすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例であるカード用コネクタ装置を示す平面図である。
【図2】本発明の同じくカード用コネクタ装置のカバーを除いた状態を示す平面図である。
【図3】本発明の同じくハウジングを示す平面図である。
【図4】本発明の同じくスライド部材を示す平面図である。
【図5】本発明の同じく第1のカードを示す平面図である。
【図6】本発明の同じく第1のカードを示す正面図である。
【図7】本発明の同じく第1のカードを示す底面図である。
【図8】本発明の同じく第2のカードを示す平面図である。
【図9】本発明の同じく第2のカードを示す正面図である。
【図10】本発明の同じく第2のカードを示す底面図である。
【図11】本発明の第1のカードの排出時のカード用コネクタ装置を示す平面図である。
【図12】本発明の第1のカードの排出時のカード用コネクタ装置を示す縦断面図である。
【図13】本発明の第1のカードの挿着時のカード用コネクタ装置を示す平面図である。
【図14】本発明の第1のカードの挿着時のカード用コネクタ装置を示す縦断面図である。
【図15】本発明の第2のカードの排出時のカード用コネクタ装置を示す平面図である。
【図16】本発明の第2のカードの排出時のカード用コネクタ装置を示す縦断面図である。
【図17】本発明の第2のカードの挿着時のカード用コネクタ装置を示す平面図である。
【図18】本発明の第2のカードの挿着時のカード用コネクタ装置を示す縦断面図である。
【図19】本発明の第1のカードの排出時の保持部材との係合状態を示す部分説明図である。
【図20】本発明の第1のカードの挿着時の保持部材との係合状態を示す部分説明図である。
【図21】本発明の他の実施例である第1のスライド部材を示す平面図である。
【図22】本発明の同じく第2のスライド部材を示す平面図である。
【図23】本発明の同じく第1のカードの排出時のカード用コネクタ装置を示す平面図である。
【図24】本発明の同じく第1のカードの排出時のカード用コネクタ装置を示す縦断面図である。
【図25】本発明の同じく第1のカードの挿着時のカード用コネクタ装置を示す平面図である。
【図26】本発明の同じく第1のカードの挿着時のカード用コネクタ装置を示す縦断面図である。
【図27】本発明の同じく第2のカードの排出時のカード用コネクタ装置を示す平面図である。
【図28】本発明の同じく第2のカードの排出時のカード用コネクタ装置を示す縦断面図である。
【図29】本発明の同じく第2のカードの挿着時のカード用コネクタ装置を示す平面図である。
【図30】本発明の同じく第2のカードの挿着時のカード用コネクタ装置を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図1乃至図30に示す。図1はカード用コネクタ装置の平面図、図2は同じくカバーを除いた状態の平面図、図3はハウジングの平面図、図4はスライド部材の平面図、図5は第1のカードの平面図、図6は同じく正面図、図7は同じく底面図、図8は第2のカードの平面図、図9は同じく正面図、図10は同じく底面図、図11は第1のカードの排出時のカード用コネクタ装置の平面図、図12は同じく縦断面図、図13は第1のカードの挿着時のカード用コネクタ装置の平面図、図14は同じく縦断面図、図15は第2のカードの排出時のカード用コネクタ装置の平面図、図16は同じく縦断面図、図17は第2のカードの挿着時のカード用コネクタ装置の平面図、図18は同じく縦断面図、図19は第1のカードの排出時の保持部材との係合状態を示す部分説明図、図20は第1のカードの挿着時の保持部材との係合状態を示す部分説明図、図21乃至図30は他の実施例を示し、図21は第1のスライド部材の平面図、図22は第2のスライド部材の平面図、図23は第1のカードの排出時のカード用コネクタ装置の平面図、図24は同じく縦断面図、図25は第1のカードの挿着時のカード用コネクタ装置の平面図、図26は同じく縦断面図、図27は第2のカードの排出時のカード用コネクタ装置の平面図、図28は同じく縦断面図、図29は第2のカードの挿着時のカード用コネクタ装置の平面図、図30は同じく縦断面図である。
【0015】
図1乃至図4において、ハウジング1は、合成樹脂などの絶縁材で前方及び上方が開口された方形状の箱形に形成されている。このハウジング1の中央には収納部1aが設けられており、また、前記ハウジング1には、前記収納部1aに連続してハウジング1の前面まで延びるカード挿入部1bが形成されている。
【0016】
前記収納部1aには、導電性の金属材からなる第1、及び第2のコネクタ端子2、3が複数個並設されている。前記第1のコネクタ端子2は、前記収納部1aの略中央位置に配設されており、平板状の基部と、この基部から互いに対向する方向へ略Z字状に屈曲されて形成された接続片2a及び接触片2bとから形成されている。前記第1のコネクタ端子2は、一端側に形成された前記接続片2aが、前記収納部1aの底面部に設けられた第1の開口部1cから外方へ表出して配設されており、この接続片2aが電子機器などの外部の回路基板上の回路パターンと半田付けされて固着されることで信号の伝送が行われるものとなる。
【0017】
また、前記第1のコネクタ端子2の基部の他端側に形成された前記接触片2bが、前記収納部1aの底面部に設けられた第2の開口部1dから前記収納部1a内に突出して配設されたものとなっている。また、前記接触片2bの先端側には、後述する第1のカード10の接触端子部10aに接続される接点部2cが形成されている。
【0018】
前記第2のコネクタ端子3は、前記収納部1aの前記第1のコネクタ端子2の配設位置よりも奥方に配設されており、平板状の基部と、この基部から互いに対向する方向へ屈曲されて形成された接続片3a及び接触片3bとから形成されている。前記第2のコネクタ端子3は、一端側に形成された前記接続片3aが、前記収納部1aの底面部に設けられた第3の開口部1eから外方へ表出して配設されており、この接続片3aが電子機器などの外部の回路基板上の回路パターンと半田付けされて固着されることで信号の伝送が行われるものとなる。
【0019】
また、前記第2のコネクタ端子3の基部の他端側に略U字状に屈曲されて形成された前記接触片3bが、前記収納部1a内に突出して配設されたものとなっている。また、前記接触片3bの先端側には、後述する第2のカード11の接触端子部11aに接続される接点部3cが形成されている。
【0020】
また、前記カード挿入部1bには、後述する第1及び第2のカード10、11の平面部を案内する平面からなる平坦部1fが設けられており、この平坦部1fを挟んで両側には、後述する第1及び第2のカード10、11の側面部を案内する一対のガイド部1g、1gが形成されている。また、前記カード挿入部1bは、最大幅が第1のカード10の幅と略等しくなるように形成されており、また、最大厚さは第2のカード11の厚さと略等しくなるように形成されている。
【0021】
また、前記ハウジング1の一側部後方には、後述するスライド部材6をカードの排出方向へ付勢するコイルばねからなる復帰ばね4を収容するばね収容部1hが形成されている。また、このばね収容部1hと対向する一側部前方には、スライド部材6をカードの挿着位置に保持する金属の線材からなるロックピン5の一端を回動可能に軸支する軸孔1iが形成されている。
【0022】
また、前記ハウジング1の他側部中央には、前記収納部1a底面から突出された押圧当接部1jが形成されており、この押圧当接部1jに後述するスライド部材6に固着された第2の保持部材8の舌片部8cが当接して支持されるものとなっている。
【0023】
スライド部材6は、合成樹脂などの絶縁材から形成されている。このスライド部材6には、手前側に位置して後述する第1のカード10が収容される第1のカード収容部6aと、この第1のカード収容部6aより後方側に位置して後述する第2のカード11が収容される第2のカード収容部6bとが形成されている。
【0024】
また、前記第1のカード収容部6aの内側部の対向した位置には、第1のカード10の両側前端部と当接する一対の第1の係止部6c、6dが形成されている。この第1の係止部6c、6d相互間の幅寸法は、第1のカード10の幅よりも狭く、且つ、第2のカード11の幅よりも広く形成されたものとなっている。また、前記第2のカード収容部6bの前端部には、第2のカード11の前縁部と当接する横桟状の第2の係止部6eが形成されている。
【0025】
また、前記第1のカード収容部6aの前部には、横桟状に懸架された押さえ板部6fが形成されている。この押さえ板部6fは、前記スライド部材6がカードの排出位置に移動した状態では、前記第1のコネクタ端子2の接触片2bと当接して、前記第1のコネクタ端子2の接触片2bが前記収納部1a内へ突出するのを規制するようになっている。
【0026】
また、前記第1のカード収容部6aの一側面部には、収容される第1のカード10の側面部に設けられた保持用凹部10eに係合する、ばね性を有する金属板等からなる第1の保持部材7が固着されており、また、前記第2のカード収容部6bの一側面部には、同じく、収容される第2のカード11の側面部に設けられた保持用凹部11cに係合する、ばね性を有する金属板等からなる第2の保持部材8が固着されたものとなっている。
【0027】
前記第1、第2の保持部材7、8は、片持ち梁状に支持された支持片部7a、8aと、この支持片部7a、8aの自由端側に設けられた係合片部7b、8bと、この係合片部7b、8bに対向して設けられた舌片部7c、8cとから形成されている。また、前記舌片部7c、8cには、前記支持片部7a、8aの自由端側に、外方に向かって屈曲された傾斜面7d、8dが形成されたものとなっている。
【0028】
そして、前記スライド部材6が、カードの挿着位置に移動した時に、前記舌片部7c、8cが後述するカバー部材9の押圧当接部9a、及び前記ハウジング1の押圧当接部1jに当接することにより、前記係合片部7b、8bを前記支持片部7a、8aと共にカードの保持用凹部10e、11cから離脱しないように規制するようになっている。この時、前記傾斜面7d、8dに、前記押圧当接部9a、1jが摺接することにより前記支持片部7a、8aが湾曲付勢されて前記係合片部7b、8bが前記カードの保持用凹部10e、11cに弾接するように形成されている。
【0029】
このように、前記保持部材7、8を、ばね性を有する金属板の持つ自らのばね性を利用して構成したことから、簡単な構成でカードを挿着位置に確実に保持することができるものとなっている。
【0030】
また、前記スライド部材6には、前記ハウジング1のばね収容部1hに収容された、前記復帰ばね4の一端側が係止されるばね係止部6gが設けられており、また前記スライド部材6の一端側には、前記ハウジング1の一端側に軸支された前記ロックピン5の他端が摺接されるハート型カム溝6hが形成されている。前記ロックピン5と前記ハート型カム溝6hとの協同によって前記スライド部材6は、前記復帰ばね4の付勢力に抗してカードの挿着位置に保持されるものとなっている。
【0031】
カバー部材9は、導電性の金属板から形成されており、前記ハウジング1の上面側の開口部を覆うように、前記ハウジング1の上面側に取り付けられている。また、このカバー部材9の一側部には、切り曲げることにより前記ハウジング1の収納部1a側へ突出された押圧当接部9aが形成されており、この押圧当接部9aに前記スライド部材6に固着された第1の保持部材7の舌片部7cが当接して支持されるものとなっている。また、同じく切り曲げることによって前記ハウジング1に軸支された前記ロックピン5を付勢して、前記スライド部材6のハート型カム溝6hと摺接させるための付勢ばね片9bが前記ロックピン5に対応した位置に形成されている。
【0032】
尚、このカバー部材9は前記ハウジング1の収納部1aに配設された前記第1及び第2のコネクタ端子2、3の上面を覆うように形成されており、外部からの輻射ノイズ等の侵入を防止するシールド板の役目も果たしている。
【0033】
図5乃至7において、第1のカード10は、内部に集積回路(IC)が収納されており、記録媒体として広く使用されているものである。この第1のカード10の一表面には、その一端側に複数の接触端子部10aが形成されており、この接触端子部10aが前記ハウジング1の収納部1aに配設された前記第1のコネクタ端子2の接触片2bの接点部2cと接触することにより、外部に接続された電子機器との種々の情報処理が行われるものとなっている。
【0034】
また、前記第1のカード10には、前記接触端子部10aの形成側のその一隅部に、斜面状の切り欠き部10bが設けられている。前記第1のカード10が前記スライド部材6の第1のカード収容部6aに挿入された時、この切り欠き部10bと他端側の角部が前記スライド部材6の第1のカード収容部6aの第1の係止部6c、6dと係合することによって、前記スライド部材6が前記第1のカード10の挿入に伴って挿入方向へ移動可能となるように形成されている。
【0035】
また、前記第1のカード10の一側面部には、カードの書き込み禁止を示す識別部である凹溝部10cが形成され、この凹溝部10cにはスライド可能な識別子10dが設けられている。この識別子10dをスライド移動させることにより、前記凹溝部10cの位置を変更することができ、この位置に応じてカードへの書き込みの可否を変更することが可能となっている。
【0036】
また、前記第1のカード10の他側面部には、保持用凹部10eが形成されている。この保持用凹部10eに前記第1のカード収容部6aの一側面部に設けられたばね性を有する前記第1の保持部材7が係合することで前記第1のカード10を前記スライド部材6の第1のカード収容部6aに保持させるものとなっている。
【0037】
尚、前記第1のカード10の下面側両端部には長尺状の切り溝部10fが形成されており、この切り溝部10fを除いた最大幅寸法はやや幅広に形成されており、これに対して最大厚さ寸法はやや肉薄に形成されたものとなっている。
【0038】
図8乃至10において、第2のカード11は、内部に集積回路(IC)が収納されており、記録媒体として広く使用されているものである。この第2のカード11の一表面には、その一端側に複数の接触端子部11aが形成されており、この接触端子部11aが前記ハウジング1の収納部1aに配設された前記第2のコネクタ端子3の接触片3bの接点部3cと接触することにより、外部に接続された電子機器との種々の情報処理が行われるものとなっている。
【0039】
また、前記第2のカード11の一端部には傾斜面からなる切り欠き部11bが形成されており、この切り欠き部11bと一定の間隔をおいて前記第2のカード11の一側面部には、保持用凹部11cが形成されている。前記第2のカード11を前記スライド部材6の第2のカード収容部6bに挿入する際、この保持用凹部11cに、前記第2のカード収容部6bの一側面部に設けられたばね性を有する前記第2の保持部材8が係合することにより、第2のカード11を前記スライド部材6の第2のカード収容部6bに保持させるものとなっている。
【0040】
前記第2のカード11が前記スライド部材6の第2のカード収容部6bに挿入された時、前記第2のカード11の前縁部が前記スライド部材6の第2のカード収容部6bの第2の係止部6eに当接することによって、前記スライド部材6が前記第2のカード11の挿入に伴って挿入方向へ移動可能となるように形成されている。
【0041】
尚、前記第2のカード11は略長方体状に形成されており、前記第1のカード10に比較して、最大幅寸法はやや幅狭に形成されており、これに対して最大厚さ寸法はやや肉厚に形成されたものとなっている。また、挿入方向の長さが前記第1のカード10よりも長く長尺状に形成されたものとなっている。
【0042】
上記構成のように、形状の異なる、それぞれの前記第1のカード10、及び前記第2のカード11を前記ハウジング1のカード挿入部1bに挿入する場合、上記実施例の構成においては、前記カード挿入部1bの前記ガイド部1g、1gは、最大幅が、幅広、肉薄である前記第1のカード10の幅と略等しくなるように形成されており、また、最大厚さは、幅狭、肉厚である前記第2のカード11の厚さと略等しくなるように形成されていることから、それぞれの前記第1、及び第2のカード10、11の挿入が可能となっており、形状の異なる複数種類のカードを円滑に、かつ確実にカードの挿着位置に案内することができるものとなっている。
【0043】
また、前記第2のカード11は前記第1のカード10よりも挿入方向の長さが長く長尺状に形成されており、また、前記ハウジング1の収納部1aには、前記第1のカード10の接触端子部10aと接触する前記第1のコネクタ端子2と、前記第2のカード11の接触端子部11aと接触する前記第2のコネクタ端子3とを、カードの挿入方向に違えて、それぞれの前記接触端子部10a、11aの形成位置に対応させて配設するようにしてあるので、形状の異なる複数種類のカードと、これらを挿着するコネクタ装置のコネクタ端子との接触を確実に行うことができるものとなっている。
【0044】
また、前記ハウジング1の収納部1aに配設された前記第2のコネクタ端子3の配設位置は、前記第1のコネクタ端子2の配設位置よりもカード挿入部の奥方へ形成されており、前記ハウジング1に挿着された前記第1のカード10の後縁部と、前記ハウジング1に挿着された前記第2のカード11の後縁部との突出位置が略同一となるように形成してあるので、形状の異なる複数種類のカードを、同一のコネクタ装置に挿着した場合においても突出位置がばらつくことなく見た目が良好となる。
【0045】
次に、図11乃至図20を用いて前記第1のカード10、及び第2のカード11をコネクタ装置に挿入する場合の動作を説明する。
まず、初期の状態、すなわち前記第1のカード10が排出位置にある場合には、前記スライド部材6は前記復帰ばね4の付勢力によりカードの排出方向へ付勢されており、前記第1のコネクタ端子2の接触片2bは、前記スライド部材6の押さえ板部6fにより前記収納部1a内に突出するのを規制されている。この場合、前記第1のカード10の接触端子部10aは前記接触片2bの接点部2cとは離間している。この時、前記第1のカード10は、前記第1の保持部材7の係合片部7bにより前記保持用凹部10eが係合されて前記第1のカード収容部6aに保持されたものとなっている。(図11、図12)
【0046】
尚、この時には、前記第1の保持部材7の係合片部7bに対向して設けられた前記舌片部7cは、前記カバー部材9に突出して設けられた前記押圧当接部9aとは当接せず離間しており、この状態から前記第1のカード10を取り出す場合には、前記第1の保持部材7の支持片部7aが撓むことによって容易に取り出すことが可能となっている。(図19)
【0047】
次に、前記第1のカード10をカードの挿入方向へ押圧してやると、前記第1のカード10の切り欠き部10bと他端側の角部が前記スライド部材6の第1のカード収容部6aの第1の係止部6c、6dと係合することによって、前記スライド部材6が前記第1のカード10の挿入に伴って挿入方向へ移動可能となり、前記復帰ばね4の付勢力に抗して前記スライド部材6がカードの挿入方向へ移動して、前記ロックピン5の一端部が前記ハート型カム溝6hをトレースしてロック位置にロックされる。(図13、図14)
【0048】
この場合、前記スライド部材6の押さえ板部6fが、前記第1のコネクタ端子2の接触片2bの規制位置から外れ、前記第1のカード10の接触端子部10aと前記接触片2bの接点部2cとが接触するものとなる。この時、前記前記第1の保持部材7の係合片部7bに対向して形成された前記舌片部7cが、前記カバー部材9に設けられた押圧当接部9aによって押圧されることにより、前記係合片部7bが前記第1のカードの保持用凹部10eから離脱しないように支持され、前記第1のカード10がカードの挿着位置に確実に保持されるものとなる。(図20)
【0049】
次に、前記第2のカード11が初期の状態、すなわち排出位置にある場合には、前記スライド部材6は前記復帰ばね4の付勢力によりカードの排出方向へ付勢されており、前記第1のコネクタ端子2の接触片2bは、前記スライド部材6の押さえ板部6fにより前記収納部1a内に突出するのを規制されている。また、前記第2のカード11の接触端子部11aは前記第2のコネクタ端子3の接触片3bの接点部3cとは離間している。この時、前記第2のカード11は、前記第2の保持部材8の係合片部8bにより前記保持用凹部11cが係合されて前記第2のカード収容部6bに保持されたものとなっている。(図15、図16)
【0050】
次に、前記第2のカード11をカードの挿入方向へ押圧してやると、前記第2のカード11の前縁部が前記スライド部材6の第2のカード収容部6bの第2の係止部6eと係合することによって、前記スライド部材6が前記第2のカード11の挿入に伴って挿入方向へ移動可能となり、前記復帰ばね4の付勢力に抗して前記スライド部材6がカードの挿入方向へ移動して、前記ロックピン5の一端部が前記ハート型カム溝6hをトレースしてロック位置にロックされる。(図17、図18)
【0051】
この場合、前記スライド部材6の押さえ板部6fが、前記第1のコネクタ端子2の接触片2bの規制位置から外れ、前記第2のカード11の底面と前記第1のコネクタ端子2の接触片2bとが摺接するものとなるが、この摺接距離はわずかで、反対に前記第2のカード11が、カードの挿着位置まで挿入される過程において、前記第1のコネクタ端子2の接触片2bが前記収納部1a内に突出しないように規制されていることから、前記第2のカード11のような長さの長いカードを挿入する際、挿入抵抗が大きくなったり、摩耗などの発生を防止することができる。
【0052】
また、この時、前記第2の保持部材8の係合片部8bに対向して形成された前記舌片部8cが、前記ハウジング1に設けられた押圧当接部1jによって押圧されることにより、前記係合片部8bが前記第2のカード11の保持用凹部11cから離脱しないように支持され、前記第2のカード11がカードの挿着位置に確実に保持されるものとなる。
【0053】
このように、前記第1及び第2の保持部材7、8に、前記第1及び第2のカード10、11の保持用凹部10e、11cに係合する係合片部7b、8bと、この係合片部7b、8bを弾性支持する支持片部7a、8aとを形成して、前記ハウジング1及びカバー部材9には、カードの排出位置では前記支持片部7a、8aとは離間されていると共に、カードの挿着位置では前記支持片部7a、8aと当接することにより前記係合片部7b、8bを前記第1及び第2のカード10、11の保持用凹部10e、11cに係合させるための前記押圧当接部9a、1jを形成するようにしたので、カードを挿着した状態では係合部の弾発力を高めることができると共に、カードの排出時には係合部の弾発力を弱くすることが可能となる。従って、カードの挿着時においてはカードを確実に保持することができ、カードの排出時にはカードを容易に取り出すことができるものとなっている。
【0054】
また、前記第1のカード10は幅広かつ肉薄に形成され、前記第2のカード11は前記第1のカード10より幅狭かつ肉厚に形成されており、また、前記第1のカード10を収容する前記第1のカード収容部6aに形成された前記第1の係止部6c、6dは、前記スライド部材6の内側部の対向された位置に形成されると共に、前記第1の係止部6c、6d間の幅寸法を前記第1のカード10の幅寸法よりも狭く、且つ前記第2のカード11の幅寸法よりも広く形成するようにしたので、前記第2のカード11の挿入時には、前記第2のカード11が前記第1の係止部6c、6dを通過して前記第2の係止部6eと当接することから、挿入過程において前記第2のカード11が前記第1のコネクタ端子2と摺接するのを防止することができ、前記第2のカード11の接触端子部11aを前記第2のコネクタ端子3と直接接触させることが可能となっている。
【0055】
また、前記スライド部材6は、前記復帰ばね4によってカードの排出方向へ付勢されるように形成されており、前記スライド部材6をカードの挿着位置にロックする手段として、前記スライド部材6に前記ハート型カム溝6hを形成し、このハート型カム溝6hと一端部が係合する前記係合ピン5の他端部を前記ハウジング1に軸支するように構成したので、簡単な構造で、カードを挿着位置にロックできると共に、カードを排出位置に円滑に排出させることが可能となっている。
【0056】
図21及び図22に示すのは、前記スライド部材6の他の実施例を示しており、この場合、上記図1乃至図4に示す構成と異なるのは、前記スライド部材6を第1のスライド部材16と第2のスライド部材26とに分割して構成した点である。
尚、図1乃至図4で説明した同一部品については同一符号を付してその説明を省略する。
【0057】
この場合、第1のスライド部材16には、前記第1のカード10が収容される第1のカード収容部16aと、この第1のカード収容部16aの内側部の対向した位置には、前記第1のカード10の両側前端部と当接する一対の第1の係止部16c、16dが形成されている。この第1の係止部16c、16d相互間の幅寸法は、前記第1のカード10の幅よりも狭く、且つ、前記第2のカード11の幅よりも広く形成されたものとなっている。
【0058】
また、前記第1のカード収容部16aの前部には、横桟状に懸架された押さえ板部16fが形成されている。この押さえ板部16fは、前記第1のスライド部材16がカードの排出位置に移動した状態では、前記第1のコネクタ端子2の接触片2bと当接して、前記第1のコネクタ端子2の接触片2bが前記収納部1a内へ突出するのを規制するようになっている。
【0059】
また、前記第1のカード収容部16aの一側面部には、収容される前記第1のカード10の側面部に設けられた保持用凹部10eに係合する、ばね性を有する金属板等からなる第1の保持部材17が固着されている。また、一端側には、前記第1のスライド部材16をカードの排出方向へ付勢する第1の復帰ばね14が配設されており、他端側には、前記ハウジング1に軸支されたロックピン(図示せず)が摺接されるハート型カム溝(図示せず)が形成されている。
【0060】
第2のスライド部材26には、前記第2のカード11が収容される第2のカード収容部26aと、この第2のカード収容部26aの前端部には、前記第2のカード11の前縁部と当接する横桟状の第2の係止部26bが形成されている。
【0061】
また、前記第2のカード収容部26aの一側面部には、収容される前記第2のカード11の側面部に設けられた保持用凹部11cに係合する、ばね性を有する金属板等からなる第2の保持部材18が固着されている。また、前記ハウジング1のばね収容部1iに収容された、第2の復帰ばね24の一端側が係止されるばね係止部26cが設けられており、また前記第2のスライド部材26の一端側には、前記ハウジング1に軸支されたロックピン25が摺接されるハート型カム溝(図示せず)が形成されている。
【0062】
次に、図23乃至図30を用いて前記第1のカード10、及び第2のカード11をコネクタ装置に挿入する場合の動作を説明する。
まず、初期の状態、すなわち前記第1のカード10が排出位置にある場合には、前記第1のスライド部材16及び第2のスライド部材26は前後に重なった状態で前記第1の復帰ばね14及び第2の復帰ばね24の付勢力によりカードの排出方向へ付勢されており、前記第1のコネクタ端子2の接触片2bは、前記第1のスライド部材16の押さえ板部16fにより前記収納部1a内に突出するのを規制されている。この場合、前記第1のカード10の接触端子部10aは前記接触片2bの接点部2cとは離間している。この時、前記第1のカード10は、前記第1の保持部材17により前記第1のカード収容部16aに保持されたものとなっている。(図23、図24)
【0063】
次に、前記第1のカード10をカードの挿入方向へ押圧してやると、前記第1のカード10の切り欠き部10bと他端側の角部が前記第1のスライド部材16の第1のカード収容部16aの第1の係止部16c、16dと係合することによって、前記第1のスライド部材16及び第2のスライド部材26が前記第1のカード10の挿入に伴って挿入方向へ移動可能となり、前記第1の復帰ばね14及び第2の復帰ばね24の付勢力に抗して前記第1のスライド部材16及び第2のスライド部材26の両方が一緒にカードの挿入方向へ移動して、前記ロックピン25等により図示しないハート型カム溝のロック位置にロックされる。
【0064】
この場合、前記第1のスライド部材16の押さえ板部16fが、前記第1のコネクタ端子2の接触片2bの規制位置から外れ、前記第1のカード10の接触端子部10aと前記接触片2bの接点部2cとが接触するものとなる。(図25、図26)
【0065】
次に、前記第2のカード11が初期の状態、すなわち排出位置にある場合には、前記第1のスライド部材16及び第2のスライド部材26は前記第1の復帰ばね14及び第2の復帰ばね24の付勢力によりカードの排出方向へ付勢されており、前記第1のコネクタ端子2の接触片2bは、前記第1のスライド部材16の押さえ板部16fにより前記収納部1a内に突出するのを規制されている。また、前記第2のカード11の接触端子部11aは前記第2のコネクタ端子3の接触片3bの接点部3cとは離間している。この時、前記第2のカード11は、前記第1のスライド部材16の第1のカード収容部16aを挿通して、前記第2の保持部材18により前記第2のカード収容部26aに保持されたものとなっている。(図27、図28)
【0066】
次に、前記第2のカード11をカードの挿入方向へ押圧してやると、前記第2のカード11の前縁部が前記第2のスライド部材26の第2のカード収容部26aの第2の係止部26bと係合することによって、前記第2のスライド部材26が前記第2のカード11の挿入に伴って挿入方向へ移動可能となり、前記第2の復帰ばね24の付勢力に抗して前記第2のスライド部材26のみがカードの挿入方向へ移動して、前記ロックピン25により図示しないハート型カム溝のロック位置にロックされる。(図29、図30)
【0067】
この場合、前記第1のスライド部材16は移動せず、押さえ板部16fが、前記第1のコネクタ端子2の接触片2bを規制していることから、前記第2のカード11の底面と前記第1のコネクタ端子2の接触片2bとが摺接することがなく、前記第2のカード11が、カードの挿着位置まで挿入される過程において、前記第1のコネクタ端子2の接触片2bが前記収納部1a内に突出しないように規制されていることから、前記第2のカード11のような長さの長いカードを挿入する際、挿入抵抗が大きくなったり、摩耗などの発生を完全に防止することができるものとなっている。
【符号の説明】
【0068】
1:ハウジング
1a:収納部
1b:カード挿入部
1c:第1の開口部
1d:第2の開口部
1e:第3の開口部
1f:平坦部
1g:ガイド部
1h:ばね収納部
1i:軸孔
1j:押圧当接部
2:第1のコネクタ端子
2a:接続片
2b:接触片
2c:接点部
3:第2のコネクタ端子
3a:接続片
3b:接触片
3c:接点部
4:復帰ばね
5:ロックピン
6:スライド部材
6a:第1のカード収容部
6b:第2のカード収容部
6c,6d:第1の係止部
6e:第2の係止部
6f:押さえ板部
6g:ばね係止部
6h:ハート型カム溝
7:第1の保持部材
7a:支持片部
7b:係合片部
7c:舌片部
7d:傾斜面
8:第2の保持部材
8a:支持片部
8b:係合片部
8c:舌片部
8d:傾斜面
9:カバー部材
9a:押圧当接部
9b:付勢ばね片
10:第1のカード
10a:接触端子部
10b:切り欠き部
10c:凹溝部
10d:識別子
10e:保持用凹部
10f:切り溝部
11:第2のカード
11a:接触端子部
11b:切り欠き部
11c:保持用凹部
14:第1の復帰ばね
16:第1のスライド部材
16a:第1のカード収容部
16c,16d:第1の係止部
16f:押さえ板部
17:第1の保持部材
18:第2の保持部材
24:第2の復帰ばね
25:ロックピン
26:第2のスライド部材
26a:第2のカード収容部
26b:第2の係止部
26c:ばね係止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のカードと、該第1のカードよりも長さが長く幅狭な第2のカードとの何れかを選択的に挿着可能な収納部を有するハウジングと、前記第1のカードの接触端子部と接続される第1のコネクタ端子と、前記第1のコネクタ端子の配設位置よりもカード挿入方向の奥側で前記収納部に配設され、前記第2のカードの接触端子部と接続される第2のコネクタ端子と、前記カードの挿入方向及び排出方向に移動可能に配設されたスライド部材と、前記スライド部材を前記カードの排出方向へ付勢する付勢部材と、前記付勢部材の付勢力に抗して前記スライド部材をカードの挿着位置にロックするロック手段とを備え、
前記スライド部材は、前記第2のカードの前端部とは当接せず、前記第1のカードの前端部と当接する位置に設けられた第1の係止部を有する第1のスライド部材と、前記第2のカードの前端部とのみ当接する第2の係止部を有する第2のスライド部材とを有し、前記第1のスライド部材を前記カードの挿入方向の後方で、かつ前記第2のスライド部材を前記カードの挿入方向の前方で、前記カードの挿入方向に沿って前後に並設し、前記第1のカードが前記収納部に挿入された時に、前記第1のカードの前端部と前記第1係止部が当接して前記第1のスライド部材及び前記第2のスライド部材を一体的に前記第1のカードの挿入方向に移動させ、前記第2のカードが前記収納部に挿入された時に、前記第2のカードの前端部と前記第2の係止部が当接して前記第2のスライド部材のみを前記第2のカードの挿入方向に移動させることを特徴カード用コネクタ装置。
【請求項2】
前記付勢手段は、前記第2のスライド部材を前記カードの排出方向へ付勢しており、前記ロック手段のハート型カム溝または係合ピンのいずれか一方は、前記第2のスライド部材に形成されていることを特徴とする請求項1記載のカード用コネクタ装置。
【請求項3】
前記第1のカードが前記収納部に挿入された時に、前記第2のスライド部材に設けられた前記ロック手段により前記第1のスライド部材および前記第2のスライド部材が所定の位置にロックされることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のカード用コネクタ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate


【公開番号】特開2009−259840(P2009−259840A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−176642(P2009−176642)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【分割の表示】特願2006−350751(P2006−350751)の分割
【原出願日】平成13年8月2日(2001.8.2)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】