カーナビゲーションシステム及び画像信号出力用個別機能装置
【課題】リアルタイム画像を必要とする場合にだけリアルタイム画像を配信することが可能なカーナビゲーションシステム及び画像信号出力用個別機能装置を提供する。
【解決手段】表示ディスプレイを有する中央情報表示装置と、中央情報表示装置とは別体に構成され、ナビゲーション機能を有するナビゲーション用個別機能装置と、GPS用個別機能装置と、通信機能を有する通信用個別機能装置と、画像信号出力機能を有する画像信号出力用個別機能装置と、中央情報表示装置と個別機能装置とを接続する拡張装置と、を備える車載用表示装置と、画像信号出力用個別機能装置に撮像した画像データを出力する車載カメラと、画像信号出力用個別機能装置が送信した画像データを受信して格納する受信格納手段と、画像データを変形して合成した合成画像を生成する画像処理手段と、合成画像を画像出力用個別機能装置に配信する画像配信手段と、を備える画像収集配信システムと、を備える。
【解決手段】表示ディスプレイを有する中央情報表示装置と、中央情報表示装置とは別体に構成され、ナビゲーション機能を有するナビゲーション用個別機能装置と、GPS用個別機能装置と、通信機能を有する通信用個別機能装置と、画像信号出力機能を有する画像信号出力用個別機能装置と、中央情報表示装置と個別機能装置とを接続する拡張装置と、を備える車載用表示装置と、画像信号出力用個別機能装置に撮像した画像データを出力する車載カメラと、画像信号出力用個別機能装置が送信した画像データを受信して格納する受信格納手段と、画像データを変形して合成した合成画像を生成する画像処理手段と、合成画像を画像出力用個別機能装置に配信する画像配信手段と、を備える画像収集配信システムと、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車などに搭載されるカーナビゲーションシステムに係り、特に自動車のコンソールに搭載される表示装置に着脱可能な別体に構成された個別機能装置を使用してリアルタイムあるいはそれに準じる画像情報を表示するカーナビゲーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のカーナビゲーションシステムは、テレビジョン、コンパクトディスクプレーヤなどの多くの機器を一体に構成したものであった。このため、カーナビゲーションシステムの価格は高価なものとなっていた(例えば、特許文献1、図1)。
【0003】
また、交通状況等に関するリアルタイムの画像情報を収集し、配信するシステムが提案されている(例えば、特許文献2)。しかし、このシステムもカーナビゲーションシステムと一体となっており、このシステムを必要としないユーザにとっては割高なものとなるという問題点があった。またカーナビゲーションシステムとの一体性以外にも、アップロードされた画像を単に共有するだけであり、画像収集配信システム側での解析や加工がなされておらず、本来のドライブアシストといった目的や、利便性とは相反する個人情報保護への対応といった面で、十分な機能を有しているとは言いがたかった。
【0004】
さらに、ユーザが必要としている画像が車載カメラを通じて収集できるとは限らない、という問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−143520号公報
【特許文献2】特開2005−4480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、カーナビゲーションシステムを必要としているユーザに対して、このユーザがリアルタイムあるいはそれに準じる画像(以下、リアルタイム画像と称する)を必要とする場合にだけリアルタイム画像を配信することが可能なカーナビゲーションシステム及び画像信号出力用個別機能装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、表示ディスプレイを有し、表示ディスプレイに映像を表示させる中央情報表示装置と、中央情報表示装置とは別体に構成され、ナビゲーション機能を有するナビゲーション用個別機能装置と、GPS機能を有するGPS用個別機能装置と、通信機能を有する通信用個別機能装置と、画像信号出力機能を有する画像信号出力用個別機能装置と、中央情報表示装置と個別機能装置とを接続する拡張装置と、を備える車載用表示装置と、 車載され、画像信号出力用個別機能装置に撮像した画像データを出力する車載カメラと、 画像信号出力用個別機能装置が通信用個別機能装置を介して送信した画像データを受信して格納する受信格納手段と、画像データを所定の視点から見た状態に変形して合成した合成画像を生成する画像処理手段と、合成画像を画像出力用個別機能装置に配信する画像配信手段と、を備える画像収集配信システムと、を備えるカーナビゲーションシステムを提供する。
【発明の効果】
【0008】
ユーザはリアルタイム画像が必要な場合にだけ、個別にその機能を購入することができるというという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態の画像収集配信システムの構成を示す概要図である。
【図2】本発明の車載用表示装置の第1の実施形態における構成を示す概要図である。
【図3】中央情報表示装置のナビゲーション機能を拡張するための個別機能装置の例を示すブロック図である。
【図4】一体型ナビゲーション機能拡張用個別機能装置の構成を示すブロック図である。
【図5】中央情報表示装置の動作を表すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態の車載用表示装置の概要を表す構成図である。
【図7】第3の実施形態の車載用表示装置の概要を表す構成図である。
【図8】中央情報表示装置のナビゲーション機能を拡張するための個別機能装置の例を示すブロック図である。
【図9】一体型のナビゲーション機能拡張用個別機能装置である一体型ナビゲーションモジュールの構成を示すブロック図である。
【図10】中央情報表示装置の上部に拡張装置を配置する例を示す図である。
【図11】画像ファイルに格納された画像データを、再生地点Oを中心に配置した概念図である。
【図12】第2の実施形態の画像収集配信システムの構成を示す概要図である。
【図13】ユーザが自己の判断によって画像を送信する場合の動作を示すフローチャートである。
【図14】依頼生成サーバが必要な位置の画像を判定して携帯電話のユーザに画像の撮像と送信を依頼する場合の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明によるカーナビゲーションシステムの一実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。本発明のカーナビゲーションシステムは、画像収集配信システムと車載用表示装置と、車載カメラと、を含む。車載用表示装置は自動車やバスやオートバイなどの車両に設置される。本発明の車載用表示装置は予め自動車などのフロントパネルに組み込まれていてもよく、また、フロントパネルとは別体に構成されて後から自動車などに設置されてもよい。車載カメラは本システムに固有のカメラを使用してもよく、また、自動車の周囲を監視するためのモニタカメラを本システムに供用してもよい。以下、詳細に説明する。
【0011】
(第1の実施形態の画像収集配信システムの構成)
図1は、第1の実施形態の画像収集配信システム500の構成を示す概要図である。図1に示すように、画像収集配信システム500は、中央処理サーバ501、画像処理サーバ504、画像解析サーバ506、画像配信サーバ508、の各サーバと、再生地点ファイル502、画像ファイル503、合成画像ファイル505、特異状況ファイル507、の各ファイルとを備える。
【0012】
再生地点ファイル502は画像データを合成する視点となる位置と、画像データ受信履歴と、を格納する。再生地点ファイル502は、ユーザや事業者の意図やリアルタイム画像の収集具合によって、中央処理サーバ501によって更新されることもある。画像ファイル503は個別機能装置30から受信した画像データと、撮像位置と、撮像方向と、を格納する。合成画像ファイル505は合成された画像データを格納する。特異状況ファイル507は位置とその位置の特異状況の内容を格納する。
【0013】
車載カメラ40は自動車に搭載されており、自動車の前方あるいは後方を撮像する。車載カメラ40は撮像した画像をディジタル信号に変換し、後述する画像信号出力用の個別機能装置30に出力する。個別機能装置30は、通信機能を有する通信用個別機能装置と、GPS機能を有するGPS用個別機能装置と、画像データ及びGPS機能、ジャイロ等の方向特定手段により取得した自動車の進行方向、すなわち撮像方向を通信用個別機能装置を介して中央処理サーバ501と送受信し、画像信号を後述する中央情報表示装置10に出力する画像信号出力用個別機能装置と、ナビゲーション機能を有するナビゲーション機能拡張用個別機能装置と、を設ける。これらの個別機能装置30は一つの個別機能装置に構成されていても、別体の個別機能装置に構成されていてもよい。
【0014】
通信用個別機能装置は、例えば、WiMAX通信手段と、ドライバソフトを格納する記憶装置と、演算装置と、アンテナ及び増幅装置などの通信装置とを備えるWiMAXモジュールを使用することができる。
【0015】
個別機能装置30は、あらかじめ定められた時間間隔によりGPSから現在位置を取得する。個別機能装置30は取得した現在位置を中央処理サーバ501に送信するとともに、画像データを送信するかどうか問い合わせる。
【0016】
中央処理サーバ501は、ネットワークの輻輳が起きないように、かつ格納している画像の偏りがないように、画像データを送信する個別機能装置30を選択し、画像データの送信を指示する。
【0017】
中央処理サーバ501は、ネットワークの輻輳が起きないように画像データを送信する個別機能装置30の総数を所定値以下に保つ。また、中央処理サーバ501は個別機能装置30から画像データ送信の問い合わせがあったとき、再生地点ファイル502から受信した現在位置の画像データ受信履歴を読みだし、所定時間間隔以内に画像データを受信していない時に画像データ送信の指示を行う。
【0018】
画像データ送信の指示を受信したとき、個別機能装置30は画像データを画像収集配信システム500に送信する。
【0019】
中央処理サーバ501は、個別機能装置30から画像データを受信し、画像ファイル503に受信した現在位置、撮像時刻と共に格納する。この際、ナンバープレートの数字や人間の顔などの個人情報はモザイク模様などに置き換えられる。
【0020】
画像処理サーバ504は、一定時間間隔ごとに再生地点ファイル502から再生地点を読みだし、この再生地点の画像を画像ファイル503から読みだす。画像処理サーバ504は後述のように画像を合成し、合成画像ファイル505に格納する。
【0021】
画像解析サーバ506は、合成画像ファイル505から合成画像を読みだし、特異状況の有無、内容を解析する。ここで、特異状況とは事故、渋滞、悪天候など通常の交通事情と異なる状況を言う。
【0022】
例えば、画像解析サーバ506は、一定時間ごとに撮像した画像の同じ位置に同じ自動車がとまっている場合、この自動車が故障車であると判定する。また、画像解析サーバ506は合成画像の色調が平均値よりも所定割合だけ白に偏っている場合、雪が降っていると判定する。
【0023】
画像配信サーバ508は、個別機能装置30から指定された再生地点の合成画像と特異状況を、要求のあった個別機能装置30に配信する。
【0024】
(車載用表示装置の構成)
(第1の実施形態)
図2は、本発明の車載用表示装置の第1の実施形態における構成を示す概要図である。図2に示すように、本実施形態の車載用表示装置は、中央情報表示装置10と、拡張装置20と、個別機能装置30と、を備える。
【0025】
中央情報表示装置10は予め自動車などのフロントパネルに組み込まれていてもよく、また、フロントパネルとは別体に構成されて後から自動車などに設置されてもよい。中央情報表示装置10は、LCD(液晶ディスプレイ)101と、高性能CPU102と、記憶装置であるRAM103及びROM104と、汎用シリアル通信バスであるUSB(ユニバーサルシリアルバス)を制御するUSBホストコントローラ105と、著作権保護可能なSDカードメモリを制御するSDSDホストコントローラ106と、を備える。
【0026】
LCD101は高性能CPU102からのVGA信号を受け入れて映像を表示画面に表示する。また、LCD101にはタッチパネルが設けられており、このタッチパネルからの入力は高性能CPU102に入力する。
【0027】
高性能CPU102は、後述する個別機能装置30の各種アプリケーションを実行できる程度な性能を有する。RAM103はSDRAM(シンクロナスDRAM)を用いることができる。ROM104はFlash ROMを用いることができる。USBホストコントローラ105はUSB以外の汎用シリアル通信バスのコントローラでもよい。
【0028】
拡張装置20は、USB HUB201を備える。このUSB HUB201は中央情報表示装置10のUSBホストコントローラ105に接続されている。なお、拡張装置20は中央情報表示装置10と一体に構成されていても別体に構成されていてもよい。USB HUB201は複数のHUBポートを備える。
【0029】
個別機能装置30は、中央情報表示装置10及び拡張装置20と別体に構成されている。個別機能装置30は拡張装置20に着脱可能に構成されている。個別機能装置30と拡張装置20とはUSBなどの汎用シリアル通信バスによって接続される。個別機能装置30と拡張装置とを接続するジャックの形状は、通常のUSBなどの汎用シリアル通信バスのジャックの形状と異なっていてもよい。
【0030】
個別機能装置30は拡張装置20に接続され、中央情報表示装置10と協働して動作することにより中央情報表示装置10の機能を拡張する。個別機能装置30は、後述のようにUSBデバイスコントローラ301Aのような汎用シリアル通信バスのデバイスコントローラを含んで構成される。
【0031】
車載カメラ40は、USB HUB201に接続され、撮像した画像データを中央情報表示装置10を介して個別機能装置30に出力する。
【0032】
図3は、中央情報表示装置10のナビゲーション機能を拡張するための個別機能装置30の例を示すブロック図である。図3に示すように、ナビゲーション機能拡張用個別機能装置は、図3(a)に示すGPSアンテナモジュール301と、図3(b)に示すナビゲーションモジュール302とを備える。
【0033】
GPSアンテナモジュール301は、信号を受信するアンテナ301Dと、アンテナ301Dに接続し、受信した信号を処理する高周波回路301Cと、高周波回路301Cが処理した信号から位置情報を生成するGPSコントローラ301Bと、GPSコントローラ301Bの動作を制御し、拡張装置20のUSB HUB201に接続するUSBデバイスコントローラ301Aとを備える。
【0034】
ナビゲーションモジュール302は、地図に関するデータであるマップデータを格納する記憶装置であるeSD302B1と、ナビゲーションを実行するソフトウエアであるナビエンジンソフトを格納する記憶装置であるeSD302B2と、ユーザとナビゲーション機能拡張用個別機能装置とのインターフェースとして機能するユーザインターフェースソフトを格納する記憶装置であるeSD302B3とを備える。
【0035】
ここで、eSD(embedded Secure Digital Memory:組み込み型SDカードメモリ)について説明する。eSDは秘匿領域を有するNAND型フラッシュメモリである。このeSDは、必要に応じて音楽データや地図データや有償のアプリケーションデータ等の著作権保護の必要な暗号化されたデータと、このデータの暗号キーとを格納することができる。必要に応じて、暗号化されていないデータを格納することもできる。
【0036】
なお、図3(b)には複数のeSDが示されているが、ナビゲーションモジュール302は一つのeSDだけを備えてこれにマップデータとナビエンジンソフトとユーザインターフェースソフトを格納するように構成することもできる。
【0037】
ナビゲーションモジュール302は、さらにこれらのeSDを制御し、拡張装置20のUSB HUB201に接続するUSBデバイスコントローラ302Aを備える。
【0038】
このナビゲーション機能拡張用個別機能装置は、GPSアンテナモジュール301と、ナビゲーションモジュール302とを別体に構成した。このため、各モジュールの大きさを小さくすることが可能となるという効果がある。
【0039】
図3(c)は、ナビゲーション機能拡張用個別機能装置と別体に構成された個別機能装置30である画像表示モジュールの例を示す図である。図3(c)に示すように、画像表示モジュール303は受信した合成画像を表示するためのソフトウエアである画像表示エンジンソフトを格納する記憶装置であるeSD303B1と、ユーザと画像表示モジュールとのインターフェースとして機能するユーザインターフェースソフトを格納する記憶装置であるeSD303B2とを備える。
【0040】
画像表示モジュール303はさらにこれらのeSDを制御し、拡張装置20のUSB HUB201に接続するUSBデバイスコントローラ303Aを備える。
【0041】
図4は一体型ナビゲーション機能拡張用個別機能装置の構成を示すブロック図である。図4に示すように、GPSアンテナモジュールを併せ持つナビゲーションモジュールである一体型ナビゲーション機能拡張用個別機能装置は、eSD302B1と、eSD302B2と、ユーザインターフェースソフトを格納するeSD303B3と、GPSコントローラ301Bと、高周波回路301Cとアンテナ301Dとを備える。
【0042】
さらに、一体型ナビゲーション機能拡張用個別機能装置は、eSD302B1と、eSD302B2と、eSD303B3と、GPSコントローラ301Bとに接続してこれらを制御し、拡張装置20のUSB HUB201に接続するUSBデバイスコントローラ302Aを備える。
【0043】
この一体型ナビゲーション機能拡張用個別機能装置は、GPSアンテナモジュールとナビゲーションモジュールとを一体に構成した。このため、設置操作、撤去操作が簡便であるという効果がある。
【0044】
図5は、中央情報表示装置10の動作を表すフローチャートである。図5に示すように、ステップS101において、中央情報表示装置10はUSBポートに新たに接続があったかを判定する。中央情報表示装置10は新たに接続を認識した場合、ステップS102に進み、新たな接続を認識しない場合ステップS101に戻る。
【0045】
ステップS102において、中央情報表示装置10は個別機能装置30のeSDからユーザインターフェースソフトを読みだし、中央情報表示装置10のRAM103などのメモリに展開する。
【0046】
ステップS103において、中央情報表示装置10は展開したユーザインターフェースソフトから装着された個別機能装置30を識別する。
【0047】
ステップS104において、中央情報表示装置10は個別機能装置30のeSDからアプリケーションソフトウエアを読みだして実行し、ステップS101に戻る。
【0048】
以下、各個別機能装置30毎の動作について説明する。ナビゲーション機能拡張用個別機能装置が拡張装置20に装着された場合、中央情報表示装置10は上述した図5のフローに従い、個別機能装置の識別と、アプリケーションソフトであるナビエンジンソフトの読みだしと実行を行う。
【0049】
中央情報表示装置10は、GPSアンテナモジュール301から位置情報を読み込み、eSD302B1からマップデータを読み込み、メモリに格納する。中央情報表示装置10はナビエンジンソフトを実行し、ナビエンジンソフトの指示に従ってメモリに格納した位置情報とマップデータを読みだしてナビゲーション機能を実現する。
【0050】
一体型ナビゲーションモジュール303も図5に示す中央情報表示装置10の動作に従って動作する。
【0051】
(第2の実施形態)
続いて、本発明の車載用表示装置の第2の実施形態について説明する。本実施形態においては、個別機能装置30の構成及び動作は第1の実施形態における個別機能装置30の構成及び動作と同様であるため、説明を省略する。
【0052】
図6は、本実施形態の車載用表示装置の概要を表す構成図である。図6に示すように、本実施形態の車載用表示装置は中央情報表示装置11と、拡張装置21と、個別機能装置30と、車載カメラ40と、を備える。
【0053】
中央情報表示装置11は予め自動車などのフロントパネルに組み込まれていてもよく、また、フロントパネルとは別体に構成されて後から自動車などに設置されてもよい。中央情報表示装置11は、LCD101を備える。このLCD101は拡張装置21の高性能CPU102からのVGA信号を入力して表示画面に映像を表示する。LCD101にはタッチパネルが設けられており、このタッチパネルからの入力は拡張装置21の高性能CPU102に入力する。
【0054】
拡張装置21は、高性能CPU102と、記憶装置であるRAM103及びROM104と、汎用シリアル通信バスであるUSB(ユニバーサルシリアルバス)を制御するUSBホストコントローラ105と、著作権保護可能なSDカードメモリを制御するSDSDホストコントローラ106と、USB HUB201と、を備える。
【0055】
高性能CPU102は、個別機能装置30の各種アプリケーションを実行できる程度な性能を有する。RAM103はSDRAMを用いることができる。ROM104はFlash ROMを用いることができる。USBホストコントローラ105はUSB以外の汎用シリアル通信バスのコントローラでもよい。USB HUB201はUSBホストコントローラ105に接続されている。USB HUB201は複数のHUBポートを備える。なお、拡張装置21は中央情報表示装置11と一体に構成されていても別体に構成されていてもよい。
【0056】
本実施形態における拡張装置21の動作は、第1の実施形態の中央情報表示装置10の動作と同様である。
【0057】
(第3の実施形態)
続いて、本発明の車載用表示装置の第3の実施形態について説明する。本実施形態においては、中央情報表示装置11の構成及び動作は第2の実施形態における中央情報表示装置11の構成及び動作と同様であるため、説明を省略する。
【0058】
図7は、本実施形態の車載用表示装置の概要を表す構成図である。図7に示すように、本実施形態の車載用表示装置は中央情報表示装置11と、拡張装置22と、個別機能装置32と、車載カメラ40と、を備える。
【0059】
拡張装置22は、低性能CPU702と、記憶装置であるRAM103及びROM104と、汎用シリアル通信バスであるUSBを制御するUSBホストコントローラ105と、USB HUB201と、を備える。
【0060】
低性能CPU702は、個別機能装置32が出力した信号を中央情報表示装置11に出力し、中央情報表示装置11から入力した信号を個別機能装置32に出力し、拡張装置22が有する各装置を制御する程度の限られた性能を有する。
【0061】
RAM103はSDRAMを用いることができる。ROM104はFlash ROMを用いることができる。USBホストコントローラ105はUSB以外の汎用シリアル通信バスのコントローラでもよい。USB HUB201はUSBホストコントローラ105に接続されている。USB HUB201は複数のHUBポートを備える。なお、拡張装置22は中央情報表示装置11と一体に構成されていても別体に構成されていてもよい。
【0062】
図8は、中央情報表示装置11のナビゲーション機能を拡張するための個別機能装置32の例を示すブロック図である。図8に示すように、ナビゲーション機能拡張用個別機能装置は、GPSアンテナモジュール301と、ナビゲーションモジュール307とを備える。
【0063】
GPSアンテナモジュール301は、信号を受信するアンテナ301Dと、アンテナ301Dに接続し、受信した信号を処理する高周波回路301Cと、高周波回路301Cが処理した信号から位置情報を生成するGPSコントローラ301Bと、GPSコントローラ301Bの動作を制御し、後述するナビゲーションモジュール307のUSBホストコントローラ307Bに接続するUSBデバイスコントローラ301Aとを備える。
【0064】
ナビゲーションモジュール307は、アプリケーションソフトを実行するのに十分な性能を有する高性能CPU307Aと、この高性能CPU307Aに接続し、著作権保護可能なSDカードメモリを制御するSDSDホストコントローラ106と、汎用シリアル通信バスであるUSBを制御するUSBホストコントローラ307Bと、を備える。
【0065】
さらに、ナビゲーションモジュール307は、地図に関するデータであるマップデータを格納する記憶装置であるeSD302B1と、ナビゲーションを実行するアプリケーションソフトであるナビエンジンソフトを格納する記憶装置であるeSD302B2と、ユーザとナビゲーション機能拡張用個別機能装置とのインターフェースとして機能するユーザインターフェースソフトを格納する記憶装置であるeSD305B3と、OS(オペレーションシステム)を格納する記憶装置であるROM302B4と、記憶装置であるRAM302B5と、を備える。
【0066】
なお、図8には複数のeSDが示されているが、ナビゲーションモジュール307は一つのeSDだけを備えてこれにマップデータとナビエンジンソフトとユーザインターフェースソフトを格納するように構成することもできる。
【0067】
ナビゲーションモジュール307は、さらにナビゲーションモジュール307が有するこれらの各装置を制御し、拡張装置22のUSB HUB201に接続するUSBデバイスコントローラ302Aを備える。
【0068】
このナビゲーション機能拡張用個別機能装置は、GPSアンテナモジュール301と、ナビゲーションモジュール307とを別体に構成した。このため、各モジュールの大きさを小さくすることが可能となるという効果がある。
【0069】
図9は一体型のナビゲーション機能拡張用個別機能装置である一体型ナビゲーションモジュール308の構成を示すブロック図である。図9に示すように、GPSアンテナモジュールを併せ持つナビゲーションモジュールである一体型ナビゲーションモジュール308は、アプリケーションソフトを実行するのに十分な性能を有する高性能CPU307Aと、この高性能CPU307Aに接続し、著作権保護可能なSDカードメモリを制御するSDSDホストコントローラ106と、を備える。
【0070】
さらに、一体型ナビゲーションモジュール308は、アンテナ301Dと、アンテナ301Dに接続し、受信した信号を処理する高周波回路301Cと、高周波回路301Cが処理した信号から位置情報を生成するGPSコントローラ301Bと、を備える。
【0071】
さらに、一体型ナビゲーションモジュール308は、地図に関するデータであるマップデータを格納する記憶装置であるeSD302B1と、ナビゲーションを実行するアプリケーションソフトであるナビエンジンソフトを格納する記憶装置であるeSD302B2と、ユーザとナビゲーション機能拡張用個別機能装置とのインターフェースとして機能するユーザインターフェースソフトを格納する記憶装置であるeSD306B3と、OSを格納する記憶装置であるROM302B4と、記憶装置であるRAM302B5と、を備える。
【0072】
なお、図9には複数のeSDが示されているが、一体型ナビゲーションモジュール308は一つのeSDだけを備えてこれにマップデータとナビエンジンソフトとユーザインターフェースソフトを格納するように構成することもできる。
【0073】
一体型ナビゲーションモジュール308は、さらに一体型ナビゲーションモジュール308が有するこれらの各装置を制御し、拡張装置22のUSB HUB201に接続するUSBデバイスコントローラ302Aを備える。
【0074】
次に、本実施形態の車載用表示装置の自動車における設置例について述べる。
【0075】
図10は、中央情報表示装置11の上部に拡張装置20を配置する例を示す図である。図10に示すように、中央情報表示装置11はフロントパネル100の前面に配置される。
【0076】
拡張装置20は、中央情報表示装置11の上部、すなわちLCD101の上方であって、コンソール200に収まる位置に配置される。
【0077】
このように配置されることにより、個別機能装置30が電波を受信しやすく、しかもコンソールの組み立てが容易になるという効果がある。
【0078】
(画像合成方法)
図11は、画像ファイル503に格納された画像データ1101を、再生地点Oを中心に配置した概念図である。
【0079】
画像処理サーバ504は、再生地点Oを中心に例えば30度単位で方向ベクトルを設定し、ある時刻において撮像された画像のうちこの方向ベクトルによって定義される視野内に存在する画像データを画像ファイル503から抽出する。
【0080】
例えば、画像処理サーバ504は視野Aの範囲に属する撮像位置を再生地点Oに基づいて算出し、該当する地点において撮像された画像データA1、画像データA2を画像ファイル503から読みだす。
【0081】
ここで、画像処理サーバ504は画像データA1及び画像データA2の撮像方向を読みだし、再生ポイントOから画像データA1及び画像データA2への視線の方向と、各撮像方向との差を算出し、その差がなくなるように画像データA1及び画像データA2を変形する。変形方法は公知の技術を使用できる。画像処理サーバ504は変形した画像データA1と画像データA2とを合成して1枚の画像とし、合成画像ファイル505に格納する。
【0082】
以上述べたように、本実施形態のカーナビゲーションシステムは、リアルタイムの画像を送受信する個別機能装置30を中央情報表示装置11と別体に設けた。このため、リアルタイムの画像を必要とするユーザのみがリアルタイムの画像を表示する機能を選択的に購入することができるという効果がある。
【0083】
(第2の実施形態の画像収集配信システムの構成)
図12は、第2の実施形態の画像収集配信システム500の構成を示す概要図である。図12に示すように、画像収集配信システム500は、中央処理サーバ501、画像処理サーバ504、画像解析サーバ506、画像配信サーバ508、依頼生成サーバ509の各サーバと、再生地点ファイル502、画像ファイル503、合成画像ファイル505、特異状況ファイル507、の各ファイルと、ポイントデータベース510(以下、データベースをDBと略す。)と、を備える。
【0084】
再生地点ファイル502は画像データを合成する視点となる位置と、画像データ受信履歴と、を格納する。再生地点ファイル502は、ユーザや事業者の意図やリアルタイム画像の収集具合によって、中央処理サーバ501によって更新されることもある。画像ファイル503は個別機能装置30から受信した画像データと、撮像位置と、撮像方向と、を格納する。合成画像ファイル505は合成された画像データを格納する。特異状況ファイル507は位置とその位置の特異状況の内容を格納する。ポイントデータベース510は、ユーザが獲得したポイントをユーザ毎に格納する。
【0085】
車載カメラ40は自動車に搭載されており、自動車の前方あるいは後方を撮像する。車載カメラ40は撮像した画像をディジタル信号に変換し、後述する画像信号出力用の個別機能装置30に出力する。個別機能装置30は、通信機能を有する通信用個別機能装置と、GPS機能を有するGPS用個別機能装置と、画像データ及びGPS機能により取得した自動車の進行方向、すなわち撮像方向を通信用個別機能装置を介して中央処理サーバ501と送受信し、画像信号を後述する中央情報表示装置10に出力する画像信号出力用個別機能装置と、ナビゲーション機能を有するナビゲーション機能拡張用個別機能装置と、を設ける。これらの個別機能装置30は一つの個別機能装置に構成されていても、別体の個別機能装置に構成されていてもよい。
【0086】
通信用個別機能装置は、例えば、WiMAX通信手段と、ドライバソフトを格納する記憶装置と、演算装置と、アンテナ及び増幅装置などの通信装置とを備えるWiMAXモジュールを使用することができる。
【0087】
個別機能装置30は、あらかじめ定められた時間間隔によりGPSから現在位置を取得する。個別機能装置30は取得した現在位置を中央処理サーバ501に送信するとともに、画像データを送信するかどうか問い合わせる。
【0088】
中央処理サーバ501は、ネットワークの輻輳が起きないように、かつ格納している画像の偏りがないように、画像データを送信する個別機能装置30を選択し、画像データの送信を指示する。
【0089】
中央処理サーバ501は、ネットワークの輻輳が起きないように画像データを送信する個別機能装置30の総数を所定値以下に保つ。また、中央処理サーバ501は個別機能装置30から画像データ送信の問い合わせがあったとき、再生地点ファイル502から受信した現在位置の画像データ受信履歴を読みだし、所定時間間隔以内に画像データを受信していない時に画像データ送信の指示を行う。
【0090】
画像データ送信の指示を受信したとき、個別機能装置30は画像データを画像収集配信システム500に送信する。
【0091】
中央処理サーバ501は、個別機能装置30から画像データを受信し、画像ファイル503に受信した現在位置、撮像時刻と共に格納する。この際、ナンバープレートの数字や人間の顔などの個人情報はモザイク模様などに置き換えられる。
【0092】
画像処理サーバ504は、一定時間間隔ごとに再生地点ファイル502から再生地点を読みだし、この再生地点の画像を画像ファイル503から読みだす。画像処理サーバ504は後述のように画像を合成し、合成画像ファイル505に格納する。
【0093】
画像解析サーバ506は、合成画像ファイル505から合成画像を読みだし、特異状況の有無、内容を解析する。ここで、特異状況とは事故、渋滞、悪天候など通常の交通事情と異なる状況を言う。
【0094】
例えば、画像解析サーバ506は、一定時間ごとに撮像した画像の同じ位置に同じ自動車がとまっている場合、この自動車が故障車であると判定する。また、画像解析サーバ506は合成画像の色調が平均値よりも所定割合だけ白に偏っている場合、雪が降っていると判定する。
【0095】
画像配信サーバ508は、個別機能装置30から指定された再生地点の合成画像と特異状況を、要求のあった個別機能装置30に配信する。
【0096】
依頼生成サーバ509は、画像ファイル503を読み込み、画像情報が少ない地点を割り出す。また、依頼生成サーバ509は、中央処理サーバ501からユーザのリクエストがあった地点の情報を受信し、画像ファイル503を受信した位置情報に基づいて検索し、十分な画像情報が格納されているかを判定する。
【0097】
依頼生成サーバ509は、必要な画像が十分に格納されていない地点を割り出すと、その地点の付近にいる携帯電話に対し、中央処理サーバ501を介して画像送信依頼を送信する。送信方法は、メールであってもショートメッセージであってもよい。
【0098】
また、依頼生成サーバ509はポイントDB510からユーザの獲得したポイントを読みだし、ユーザ毎に各ユーザのポイントを画像送信依頼に付加して送信することもできる。ユーザは、画像送信依頼に付加されたポイントから、現在のポイントを把握することができ、画像を送信したいという動機づけを得る。ただし、必ずしも画像送信依頼にポイントを付与する必要はなく、ポイントを確認する手段は別の手段で提供されることも可能であるが、それらの方法自体は本特許の主張するところではないので、これ以上言及しない。
【0099】
中央処理サーバ501は、携帯電話1210から画像が送信された場合には例えば1ポイント、この送信された画像が画像ファイル503に格納された場合には例えば5ポイントを、ポイントDB510に格納されているポイントに加算して格納する旨の指示を依頼生成サーバ509に送信する。
【0100】
依頼生成サーバ509は、ポイントを加算してポイントDB510に格納する。
【0101】
携帯電話の所在は、GPS機能を有する携帯電話であれば電話会社を通じて取得することができる。あるいは、携帯電話の所在は、携帯電話の所在を携帯電話のユーザが定期的にGPS情報を中央処理サーバ501に送信することにより取得することができる。
【0102】
携帯電話1210は、画像撮像する携帯電話カメラ1212と、GPS機能を有する携帯電話GPS1213と、携帯電話カメラ1212の撮像方向を検知して出力する携帯電話ジャイロ1214と、通信と演算とを行う携帯電話制御部1211と、を備える。
【0103】
(車載用表示装置の構成)
車載用表示装置の構成は、上述した車載用表示装置の構成と同様である。
【0104】
(動作の説明)
画像収集配信システム500は、携帯電話1210のユーザが自己の判断によって画像を送信する場合の動作と、依頼生成サーバ509が必要な位置の画像を判定して携帯電話1210のユーザに画像の撮像と送信を依頼する場合の動作と、を有する。
【0105】
図13は、ユーザが自己の判断によって画像を送信する場合の動作を示すフローチャートである。図13に示すように、ステップ1301において、携帯電話1210は携帯電話カメラ1212を用いて画像を撮像する。この際、携帯電話制御部1211は携帯電話GPS1213から位置情報を取得し、携帯電話ジャイロ1214から撮像方向を取得する。
【0106】
ステップ1302において、携帯電話1210は、携帯電話制御部1211を用いて画像の特徴量を算出する。この特徴量は、撮像された画像のピントがぼけているか、手ぶれ画像であるか、撮像された画像が風景以外のものか、などを判定する基準として用いられるものである。
【0107】
ステップ1303において、携帯電話1210は携帯電話制御部1211を用いて特徴量があらかじめ設定された条件を満たすかを判定し、条件が満たされている場合はステップ1304に進み、満たされていない場合はステップ1301に戻る。
【0108】
ステップ1304において、携帯電話1210は携帯電話制御部1211を用いて、撮像された画像と、位置情報と、撮像方向と、特徴量とを画像収集配信システム500の中央処理サーバ501に送信する。
【0109】
ステップ1305において、中央処理サーバ501は携帯電話1210から撮像された画像と、位置情報と、撮像方向と、特徴量とを受信する。
【0110】
ステップ1306において、中央処理サーバ501は、受信したデータの中に特徴量が含まれていない場合には特徴量を算出する。
【0111】
ステップ1307において、中央処理サーバ501は、特徴量があらかじめ設定された条件を満たすかを判定し、条件が満たされている場合はステップ1308に進み、満たされていない場合はステップ1305に戻る。
【0112】
ステップ1308において、中央処理サーバ501は受信した位置情報に基づいて画像ファイル503を検索し、受信した画像を格納する必要があるかを判定する。中央処理サーバ501は、受信した画像を格納する必要がある場合にはステップ1309に進み、格納する必要がない場合にはその画像を破棄してステップ1305に戻る。
【0113】
ステップ1309において、中央処理サーバ501は受信した画像を画像ファイル503に格納する。
【0114】
図14は、依頼生成サーバ509が必要な画像の位置を判定して携帯電話1210のユーザに画像の撮像と送信を依頼する場合の動作を示すフローチャートである。図14に示すように、ステップ1401において画像収集配信システム500の依頼生成サーバ509は撮像依頼を生成する。
【0115】
依頼生成サーバ509は、中央処理サーバ501が個別機能装置30からの画像送信要求があったにもかかわらず十分な画像が画像ファイル503に格納されていないと判定した場合、及び、依頼生成サーバ509が、画像ファイル503を読み込み、十分な画像が格納されていない位置を判定した場合に、撮像が必要な位置についての撮像依頼を生成する。
【0116】
ステップ1402において、依頼生成サーバ509は、電話会社等を介して撮像が必要な位置にある携帯電話1210を割り出し、この携帯電話1210にメールやショートメッセージによって撮像依頼を送信する。
【0117】
ステップ1403において、携帯電話1210は撮像依頼を受信する。ステップ1404において、携帯電話1210は携帯電話カメラ1212を用いて画像を撮像する。この際、携帯電話制御部1211は携帯電話GPS1213から位置情報を取得し、携帯電話ジャイロ1214から撮像方向を取得する。
【0118】
ステップ1405において、携帯電話1210は、携帯電話制御部1211を用いて画像の特徴量を算出する。この特徴量は、撮像された画像のピントがぼけているか、手ぶれ画像であるか、撮像された画像が風景以外のものか、などを判定する基準として用いられるものである。
【0119】
ステップ1406において、携帯電話1210は携帯電話制御部1211を用いて特徴量があらかじめ設定された条件を満たすかを判定し、条件が満たされている場合はステップ1407に進み、満たされていない場合はステップ1404に戻る。
【0120】
ステップ1407において、携帯電話1210は携帯電話制御部1211を用いて、撮像された画像と、位置情報と、撮像方向と、特徴量とを画像収集配信システム500の中央処理サーバ501に送信する。
【0121】
ステップ1408において、中央処理サーバ501は携帯電話1210から撮像された画像と、位置情報と、撮像方向と、特徴量とを受信する。
【0122】
ステップ1409において、中央処理サーバ501は、受信したデータの中に特徴量が含まれていない場合には特徴量を算出する。
【0123】
ステップ1410において、中央処理サーバ501は、特徴量があらかじめ設定された条件を満たすかを判定し、条件が満たされている場合はステップ1411に進み、満たされていない場合はステップ1408に戻る。
【0124】
ステップ1411において、中央処理サーバ501は受信した位置情報に基づいて画像ファイル503を検索し、受信した画像を格納する必要があるかを判定する。中央処理サーバ501は、受信した画像を格納する必要がある場合にはステップ1412に進み、格納する必要がない場合にはその画像を破棄してステップ1408に戻る。
【0125】
ステップ1412において、中央処理サーバ501は受信した画像を画像ファイル503に格納する。
【0126】
(画像合成方法)
画像合成方法は上述した画像合成方法と同様である。
【0127】
以上述べたように、本実施形態のカーナビゲーションシステムは、依頼生成サーバ509をさらに備え、携帯電話1210に撮像依頼を送信する。携帯電話1210は撮像した画像を位置情報、撮像方向、及び特徴量とともに中央処理サーバ501に送信する。
【0128】
従って、本実施形態のカーナビゲーションシステムは、より広範囲かつタイムリーに必要な画像を収集することができるという効果がある。
【符号の説明】
【0129】
10,11:中央情報表示装置、
20,21,22:拡張装置、
30,32:個別機能装置、
40:車載カメラ、
301:GPSアンテナモジュール、
302,307:ナビゲーションモジュール、
303,308:一体型ナビゲーションモジュール、
500:画像収集配信システム。
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車などに搭載されるカーナビゲーションシステムに係り、特に自動車のコンソールに搭載される表示装置に着脱可能な別体に構成された個別機能装置を使用してリアルタイムあるいはそれに準じる画像情報を表示するカーナビゲーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のカーナビゲーションシステムは、テレビジョン、コンパクトディスクプレーヤなどの多くの機器を一体に構成したものであった。このため、カーナビゲーションシステムの価格は高価なものとなっていた(例えば、特許文献1、図1)。
【0003】
また、交通状況等に関するリアルタイムの画像情報を収集し、配信するシステムが提案されている(例えば、特許文献2)。しかし、このシステムもカーナビゲーションシステムと一体となっており、このシステムを必要としないユーザにとっては割高なものとなるという問題点があった。またカーナビゲーションシステムとの一体性以外にも、アップロードされた画像を単に共有するだけであり、画像収集配信システム側での解析や加工がなされておらず、本来のドライブアシストといった目的や、利便性とは相反する個人情報保護への対応といった面で、十分な機能を有しているとは言いがたかった。
【0004】
さらに、ユーザが必要としている画像が車載カメラを通じて収集できるとは限らない、という問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−143520号公報
【特許文献2】特開2005−4480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、カーナビゲーションシステムを必要としているユーザに対して、このユーザがリアルタイムあるいはそれに準じる画像(以下、リアルタイム画像と称する)を必要とする場合にだけリアルタイム画像を配信することが可能なカーナビゲーションシステム及び画像信号出力用個別機能装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、表示ディスプレイを有し、表示ディスプレイに映像を表示させる中央情報表示装置と、中央情報表示装置とは別体に構成され、ナビゲーション機能を有するナビゲーション用個別機能装置と、GPS機能を有するGPS用個別機能装置と、通信機能を有する通信用個別機能装置と、画像信号出力機能を有する画像信号出力用個別機能装置と、中央情報表示装置と個別機能装置とを接続する拡張装置と、を備える車載用表示装置と、 車載され、画像信号出力用個別機能装置に撮像した画像データを出力する車載カメラと、 画像信号出力用個別機能装置が通信用個別機能装置を介して送信した画像データを受信して格納する受信格納手段と、画像データを所定の視点から見た状態に変形して合成した合成画像を生成する画像処理手段と、合成画像を画像出力用個別機能装置に配信する画像配信手段と、を備える画像収集配信システムと、を備えるカーナビゲーションシステムを提供する。
【発明の効果】
【0008】
ユーザはリアルタイム画像が必要な場合にだけ、個別にその機能を購入することができるというという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態の画像収集配信システムの構成を示す概要図である。
【図2】本発明の車載用表示装置の第1の実施形態における構成を示す概要図である。
【図3】中央情報表示装置のナビゲーション機能を拡張するための個別機能装置の例を示すブロック図である。
【図4】一体型ナビゲーション機能拡張用個別機能装置の構成を示すブロック図である。
【図5】中央情報表示装置の動作を表すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態の車載用表示装置の概要を表す構成図である。
【図7】第3の実施形態の車載用表示装置の概要を表す構成図である。
【図8】中央情報表示装置のナビゲーション機能を拡張するための個別機能装置の例を示すブロック図である。
【図9】一体型のナビゲーション機能拡張用個別機能装置である一体型ナビゲーションモジュールの構成を示すブロック図である。
【図10】中央情報表示装置の上部に拡張装置を配置する例を示す図である。
【図11】画像ファイルに格納された画像データを、再生地点Oを中心に配置した概念図である。
【図12】第2の実施形態の画像収集配信システムの構成を示す概要図である。
【図13】ユーザが自己の判断によって画像を送信する場合の動作を示すフローチャートである。
【図14】依頼生成サーバが必要な位置の画像を判定して携帯電話のユーザに画像の撮像と送信を依頼する場合の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明によるカーナビゲーションシステムの一実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。本発明のカーナビゲーションシステムは、画像収集配信システムと車載用表示装置と、車載カメラと、を含む。車載用表示装置は自動車やバスやオートバイなどの車両に設置される。本発明の車載用表示装置は予め自動車などのフロントパネルに組み込まれていてもよく、また、フロントパネルとは別体に構成されて後から自動車などに設置されてもよい。車載カメラは本システムに固有のカメラを使用してもよく、また、自動車の周囲を監視するためのモニタカメラを本システムに供用してもよい。以下、詳細に説明する。
【0011】
(第1の実施形態の画像収集配信システムの構成)
図1は、第1の実施形態の画像収集配信システム500の構成を示す概要図である。図1に示すように、画像収集配信システム500は、中央処理サーバ501、画像処理サーバ504、画像解析サーバ506、画像配信サーバ508、の各サーバと、再生地点ファイル502、画像ファイル503、合成画像ファイル505、特異状況ファイル507、の各ファイルとを備える。
【0012】
再生地点ファイル502は画像データを合成する視点となる位置と、画像データ受信履歴と、を格納する。再生地点ファイル502は、ユーザや事業者の意図やリアルタイム画像の収集具合によって、中央処理サーバ501によって更新されることもある。画像ファイル503は個別機能装置30から受信した画像データと、撮像位置と、撮像方向と、を格納する。合成画像ファイル505は合成された画像データを格納する。特異状況ファイル507は位置とその位置の特異状況の内容を格納する。
【0013】
車載カメラ40は自動車に搭載されており、自動車の前方あるいは後方を撮像する。車載カメラ40は撮像した画像をディジタル信号に変換し、後述する画像信号出力用の個別機能装置30に出力する。個別機能装置30は、通信機能を有する通信用個別機能装置と、GPS機能を有するGPS用個別機能装置と、画像データ及びGPS機能、ジャイロ等の方向特定手段により取得した自動車の進行方向、すなわち撮像方向を通信用個別機能装置を介して中央処理サーバ501と送受信し、画像信号を後述する中央情報表示装置10に出力する画像信号出力用個別機能装置と、ナビゲーション機能を有するナビゲーション機能拡張用個別機能装置と、を設ける。これらの個別機能装置30は一つの個別機能装置に構成されていても、別体の個別機能装置に構成されていてもよい。
【0014】
通信用個別機能装置は、例えば、WiMAX通信手段と、ドライバソフトを格納する記憶装置と、演算装置と、アンテナ及び増幅装置などの通信装置とを備えるWiMAXモジュールを使用することができる。
【0015】
個別機能装置30は、あらかじめ定められた時間間隔によりGPSから現在位置を取得する。個別機能装置30は取得した現在位置を中央処理サーバ501に送信するとともに、画像データを送信するかどうか問い合わせる。
【0016】
中央処理サーバ501は、ネットワークの輻輳が起きないように、かつ格納している画像の偏りがないように、画像データを送信する個別機能装置30を選択し、画像データの送信を指示する。
【0017】
中央処理サーバ501は、ネットワークの輻輳が起きないように画像データを送信する個別機能装置30の総数を所定値以下に保つ。また、中央処理サーバ501は個別機能装置30から画像データ送信の問い合わせがあったとき、再生地点ファイル502から受信した現在位置の画像データ受信履歴を読みだし、所定時間間隔以内に画像データを受信していない時に画像データ送信の指示を行う。
【0018】
画像データ送信の指示を受信したとき、個別機能装置30は画像データを画像収集配信システム500に送信する。
【0019】
中央処理サーバ501は、個別機能装置30から画像データを受信し、画像ファイル503に受信した現在位置、撮像時刻と共に格納する。この際、ナンバープレートの数字や人間の顔などの個人情報はモザイク模様などに置き換えられる。
【0020】
画像処理サーバ504は、一定時間間隔ごとに再生地点ファイル502から再生地点を読みだし、この再生地点の画像を画像ファイル503から読みだす。画像処理サーバ504は後述のように画像を合成し、合成画像ファイル505に格納する。
【0021】
画像解析サーバ506は、合成画像ファイル505から合成画像を読みだし、特異状況の有無、内容を解析する。ここで、特異状況とは事故、渋滞、悪天候など通常の交通事情と異なる状況を言う。
【0022】
例えば、画像解析サーバ506は、一定時間ごとに撮像した画像の同じ位置に同じ自動車がとまっている場合、この自動車が故障車であると判定する。また、画像解析サーバ506は合成画像の色調が平均値よりも所定割合だけ白に偏っている場合、雪が降っていると判定する。
【0023】
画像配信サーバ508は、個別機能装置30から指定された再生地点の合成画像と特異状況を、要求のあった個別機能装置30に配信する。
【0024】
(車載用表示装置の構成)
(第1の実施形態)
図2は、本発明の車載用表示装置の第1の実施形態における構成を示す概要図である。図2に示すように、本実施形態の車載用表示装置は、中央情報表示装置10と、拡張装置20と、個別機能装置30と、を備える。
【0025】
中央情報表示装置10は予め自動車などのフロントパネルに組み込まれていてもよく、また、フロントパネルとは別体に構成されて後から自動車などに設置されてもよい。中央情報表示装置10は、LCD(液晶ディスプレイ)101と、高性能CPU102と、記憶装置であるRAM103及びROM104と、汎用シリアル通信バスであるUSB(ユニバーサルシリアルバス)を制御するUSBホストコントローラ105と、著作権保護可能なSDカードメモリを制御するSDSDホストコントローラ106と、を備える。
【0026】
LCD101は高性能CPU102からのVGA信号を受け入れて映像を表示画面に表示する。また、LCD101にはタッチパネルが設けられており、このタッチパネルからの入力は高性能CPU102に入力する。
【0027】
高性能CPU102は、後述する個別機能装置30の各種アプリケーションを実行できる程度な性能を有する。RAM103はSDRAM(シンクロナスDRAM)を用いることができる。ROM104はFlash ROMを用いることができる。USBホストコントローラ105はUSB以外の汎用シリアル通信バスのコントローラでもよい。
【0028】
拡張装置20は、USB HUB201を備える。このUSB HUB201は中央情報表示装置10のUSBホストコントローラ105に接続されている。なお、拡張装置20は中央情報表示装置10と一体に構成されていても別体に構成されていてもよい。USB HUB201は複数のHUBポートを備える。
【0029】
個別機能装置30は、中央情報表示装置10及び拡張装置20と別体に構成されている。個別機能装置30は拡張装置20に着脱可能に構成されている。個別機能装置30と拡張装置20とはUSBなどの汎用シリアル通信バスによって接続される。個別機能装置30と拡張装置とを接続するジャックの形状は、通常のUSBなどの汎用シリアル通信バスのジャックの形状と異なっていてもよい。
【0030】
個別機能装置30は拡張装置20に接続され、中央情報表示装置10と協働して動作することにより中央情報表示装置10の機能を拡張する。個別機能装置30は、後述のようにUSBデバイスコントローラ301Aのような汎用シリアル通信バスのデバイスコントローラを含んで構成される。
【0031】
車載カメラ40は、USB HUB201に接続され、撮像した画像データを中央情報表示装置10を介して個別機能装置30に出力する。
【0032】
図3は、中央情報表示装置10のナビゲーション機能を拡張するための個別機能装置30の例を示すブロック図である。図3に示すように、ナビゲーション機能拡張用個別機能装置は、図3(a)に示すGPSアンテナモジュール301と、図3(b)に示すナビゲーションモジュール302とを備える。
【0033】
GPSアンテナモジュール301は、信号を受信するアンテナ301Dと、アンテナ301Dに接続し、受信した信号を処理する高周波回路301Cと、高周波回路301Cが処理した信号から位置情報を生成するGPSコントローラ301Bと、GPSコントローラ301Bの動作を制御し、拡張装置20のUSB HUB201に接続するUSBデバイスコントローラ301Aとを備える。
【0034】
ナビゲーションモジュール302は、地図に関するデータであるマップデータを格納する記憶装置であるeSD302B1と、ナビゲーションを実行するソフトウエアであるナビエンジンソフトを格納する記憶装置であるeSD302B2と、ユーザとナビゲーション機能拡張用個別機能装置とのインターフェースとして機能するユーザインターフェースソフトを格納する記憶装置であるeSD302B3とを備える。
【0035】
ここで、eSD(embedded Secure Digital Memory:組み込み型SDカードメモリ)について説明する。eSDは秘匿領域を有するNAND型フラッシュメモリである。このeSDは、必要に応じて音楽データや地図データや有償のアプリケーションデータ等の著作権保護の必要な暗号化されたデータと、このデータの暗号キーとを格納することができる。必要に応じて、暗号化されていないデータを格納することもできる。
【0036】
なお、図3(b)には複数のeSDが示されているが、ナビゲーションモジュール302は一つのeSDだけを備えてこれにマップデータとナビエンジンソフトとユーザインターフェースソフトを格納するように構成することもできる。
【0037】
ナビゲーションモジュール302は、さらにこれらのeSDを制御し、拡張装置20のUSB HUB201に接続するUSBデバイスコントローラ302Aを備える。
【0038】
このナビゲーション機能拡張用個別機能装置は、GPSアンテナモジュール301と、ナビゲーションモジュール302とを別体に構成した。このため、各モジュールの大きさを小さくすることが可能となるという効果がある。
【0039】
図3(c)は、ナビゲーション機能拡張用個別機能装置と別体に構成された個別機能装置30である画像表示モジュールの例を示す図である。図3(c)に示すように、画像表示モジュール303は受信した合成画像を表示するためのソフトウエアである画像表示エンジンソフトを格納する記憶装置であるeSD303B1と、ユーザと画像表示モジュールとのインターフェースとして機能するユーザインターフェースソフトを格納する記憶装置であるeSD303B2とを備える。
【0040】
画像表示モジュール303はさらにこれらのeSDを制御し、拡張装置20のUSB HUB201に接続するUSBデバイスコントローラ303Aを備える。
【0041】
図4は一体型ナビゲーション機能拡張用個別機能装置の構成を示すブロック図である。図4に示すように、GPSアンテナモジュールを併せ持つナビゲーションモジュールである一体型ナビゲーション機能拡張用個別機能装置は、eSD302B1と、eSD302B2と、ユーザインターフェースソフトを格納するeSD303B3と、GPSコントローラ301Bと、高周波回路301Cとアンテナ301Dとを備える。
【0042】
さらに、一体型ナビゲーション機能拡張用個別機能装置は、eSD302B1と、eSD302B2と、eSD303B3と、GPSコントローラ301Bとに接続してこれらを制御し、拡張装置20のUSB HUB201に接続するUSBデバイスコントローラ302Aを備える。
【0043】
この一体型ナビゲーション機能拡張用個別機能装置は、GPSアンテナモジュールとナビゲーションモジュールとを一体に構成した。このため、設置操作、撤去操作が簡便であるという効果がある。
【0044】
図5は、中央情報表示装置10の動作を表すフローチャートである。図5に示すように、ステップS101において、中央情報表示装置10はUSBポートに新たに接続があったかを判定する。中央情報表示装置10は新たに接続を認識した場合、ステップS102に進み、新たな接続を認識しない場合ステップS101に戻る。
【0045】
ステップS102において、中央情報表示装置10は個別機能装置30のeSDからユーザインターフェースソフトを読みだし、中央情報表示装置10のRAM103などのメモリに展開する。
【0046】
ステップS103において、中央情報表示装置10は展開したユーザインターフェースソフトから装着された個別機能装置30を識別する。
【0047】
ステップS104において、中央情報表示装置10は個別機能装置30のeSDからアプリケーションソフトウエアを読みだして実行し、ステップS101に戻る。
【0048】
以下、各個別機能装置30毎の動作について説明する。ナビゲーション機能拡張用個別機能装置が拡張装置20に装着された場合、中央情報表示装置10は上述した図5のフローに従い、個別機能装置の識別と、アプリケーションソフトであるナビエンジンソフトの読みだしと実行を行う。
【0049】
中央情報表示装置10は、GPSアンテナモジュール301から位置情報を読み込み、eSD302B1からマップデータを読み込み、メモリに格納する。中央情報表示装置10はナビエンジンソフトを実行し、ナビエンジンソフトの指示に従ってメモリに格納した位置情報とマップデータを読みだしてナビゲーション機能を実現する。
【0050】
一体型ナビゲーションモジュール303も図5に示す中央情報表示装置10の動作に従って動作する。
【0051】
(第2の実施形態)
続いて、本発明の車載用表示装置の第2の実施形態について説明する。本実施形態においては、個別機能装置30の構成及び動作は第1の実施形態における個別機能装置30の構成及び動作と同様であるため、説明を省略する。
【0052】
図6は、本実施形態の車載用表示装置の概要を表す構成図である。図6に示すように、本実施形態の車載用表示装置は中央情報表示装置11と、拡張装置21と、個別機能装置30と、車載カメラ40と、を備える。
【0053】
中央情報表示装置11は予め自動車などのフロントパネルに組み込まれていてもよく、また、フロントパネルとは別体に構成されて後から自動車などに設置されてもよい。中央情報表示装置11は、LCD101を備える。このLCD101は拡張装置21の高性能CPU102からのVGA信号を入力して表示画面に映像を表示する。LCD101にはタッチパネルが設けられており、このタッチパネルからの入力は拡張装置21の高性能CPU102に入力する。
【0054】
拡張装置21は、高性能CPU102と、記憶装置であるRAM103及びROM104と、汎用シリアル通信バスであるUSB(ユニバーサルシリアルバス)を制御するUSBホストコントローラ105と、著作権保護可能なSDカードメモリを制御するSDSDホストコントローラ106と、USB HUB201と、を備える。
【0055】
高性能CPU102は、個別機能装置30の各種アプリケーションを実行できる程度な性能を有する。RAM103はSDRAMを用いることができる。ROM104はFlash ROMを用いることができる。USBホストコントローラ105はUSB以外の汎用シリアル通信バスのコントローラでもよい。USB HUB201はUSBホストコントローラ105に接続されている。USB HUB201は複数のHUBポートを備える。なお、拡張装置21は中央情報表示装置11と一体に構成されていても別体に構成されていてもよい。
【0056】
本実施形態における拡張装置21の動作は、第1の実施形態の中央情報表示装置10の動作と同様である。
【0057】
(第3の実施形態)
続いて、本発明の車載用表示装置の第3の実施形態について説明する。本実施形態においては、中央情報表示装置11の構成及び動作は第2の実施形態における中央情報表示装置11の構成及び動作と同様であるため、説明を省略する。
【0058】
図7は、本実施形態の車載用表示装置の概要を表す構成図である。図7に示すように、本実施形態の車載用表示装置は中央情報表示装置11と、拡張装置22と、個別機能装置32と、車載カメラ40と、を備える。
【0059】
拡張装置22は、低性能CPU702と、記憶装置であるRAM103及びROM104と、汎用シリアル通信バスであるUSBを制御するUSBホストコントローラ105と、USB HUB201と、を備える。
【0060】
低性能CPU702は、個別機能装置32が出力した信号を中央情報表示装置11に出力し、中央情報表示装置11から入力した信号を個別機能装置32に出力し、拡張装置22が有する各装置を制御する程度の限られた性能を有する。
【0061】
RAM103はSDRAMを用いることができる。ROM104はFlash ROMを用いることができる。USBホストコントローラ105はUSB以外の汎用シリアル通信バスのコントローラでもよい。USB HUB201はUSBホストコントローラ105に接続されている。USB HUB201は複数のHUBポートを備える。なお、拡張装置22は中央情報表示装置11と一体に構成されていても別体に構成されていてもよい。
【0062】
図8は、中央情報表示装置11のナビゲーション機能を拡張するための個別機能装置32の例を示すブロック図である。図8に示すように、ナビゲーション機能拡張用個別機能装置は、GPSアンテナモジュール301と、ナビゲーションモジュール307とを備える。
【0063】
GPSアンテナモジュール301は、信号を受信するアンテナ301Dと、アンテナ301Dに接続し、受信した信号を処理する高周波回路301Cと、高周波回路301Cが処理した信号から位置情報を生成するGPSコントローラ301Bと、GPSコントローラ301Bの動作を制御し、後述するナビゲーションモジュール307のUSBホストコントローラ307Bに接続するUSBデバイスコントローラ301Aとを備える。
【0064】
ナビゲーションモジュール307は、アプリケーションソフトを実行するのに十分な性能を有する高性能CPU307Aと、この高性能CPU307Aに接続し、著作権保護可能なSDカードメモリを制御するSDSDホストコントローラ106と、汎用シリアル通信バスであるUSBを制御するUSBホストコントローラ307Bと、を備える。
【0065】
さらに、ナビゲーションモジュール307は、地図に関するデータであるマップデータを格納する記憶装置であるeSD302B1と、ナビゲーションを実行するアプリケーションソフトであるナビエンジンソフトを格納する記憶装置であるeSD302B2と、ユーザとナビゲーション機能拡張用個別機能装置とのインターフェースとして機能するユーザインターフェースソフトを格納する記憶装置であるeSD305B3と、OS(オペレーションシステム)を格納する記憶装置であるROM302B4と、記憶装置であるRAM302B5と、を備える。
【0066】
なお、図8には複数のeSDが示されているが、ナビゲーションモジュール307は一つのeSDだけを備えてこれにマップデータとナビエンジンソフトとユーザインターフェースソフトを格納するように構成することもできる。
【0067】
ナビゲーションモジュール307は、さらにナビゲーションモジュール307が有するこれらの各装置を制御し、拡張装置22のUSB HUB201に接続するUSBデバイスコントローラ302Aを備える。
【0068】
このナビゲーション機能拡張用個別機能装置は、GPSアンテナモジュール301と、ナビゲーションモジュール307とを別体に構成した。このため、各モジュールの大きさを小さくすることが可能となるという効果がある。
【0069】
図9は一体型のナビゲーション機能拡張用個別機能装置である一体型ナビゲーションモジュール308の構成を示すブロック図である。図9に示すように、GPSアンテナモジュールを併せ持つナビゲーションモジュールである一体型ナビゲーションモジュール308は、アプリケーションソフトを実行するのに十分な性能を有する高性能CPU307Aと、この高性能CPU307Aに接続し、著作権保護可能なSDカードメモリを制御するSDSDホストコントローラ106と、を備える。
【0070】
さらに、一体型ナビゲーションモジュール308は、アンテナ301Dと、アンテナ301Dに接続し、受信した信号を処理する高周波回路301Cと、高周波回路301Cが処理した信号から位置情報を生成するGPSコントローラ301Bと、を備える。
【0071】
さらに、一体型ナビゲーションモジュール308は、地図に関するデータであるマップデータを格納する記憶装置であるeSD302B1と、ナビゲーションを実行するアプリケーションソフトであるナビエンジンソフトを格納する記憶装置であるeSD302B2と、ユーザとナビゲーション機能拡張用個別機能装置とのインターフェースとして機能するユーザインターフェースソフトを格納する記憶装置であるeSD306B3と、OSを格納する記憶装置であるROM302B4と、記憶装置であるRAM302B5と、を備える。
【0072】
なお、図9には複数のeSDが示されているが、一体型ナビゲーションモジュール308は一つのeSDだけを備えてこれにマップデータとナビエンジンソフトとユーザインターフェースソフトを格納するように構成することもできる。
【0073】
一体型ナビゲーションモジュール308は、さらに一体型ナビゲーションモジュール308が有するこれらの各装置を制御し、拡張装置22のUSB HUB201に接続するUSBデバイスコントローラ302Aを備える。
【0074】
次に、本実施形態の車載用表示装置の自動車における設置例について述べる。
【0075】
図10は、中央情報表示装置11の上部に拡張装置20を配置する例を示す図である。図10に示すように、中央情報表示装置11はフロントパネル100の前面に配置される。
【0076】
拡張装置20は、中央情報表示装置11の上部、すなわちLCD101の上方であって、コンソール200に収まる位置に配置される。
【0077】
このように配置されることにより、個別機能装置30が電波を受信しやすく、しかもコンソールの組み立てが容易になるという効果がある。
【0078】
(画像合成方法)
図11は、画像ファイル503に格納された画像データ1101を、再生地点Oを中心に配置した概念図である。
【0079】
画像処理サーバ504は、再生地点Oを中心に例えば30度単位で方向ベクトルを設定し、ある時刻において撮像された画像のうちこの方向ベクトルによって定義される視野内に存在する画像データを画像ファイル503から抽出する。
【0080】
例えば、画像処理サーバ504は視野Aの範囲に属する撮像位置を再生地点Oに基づいて算出し、該当する地点において撮像された画像データA1、画像データA2を画像ファイル503から読みだす。
【0081】
ここで、画像処理サーバ504は画像データA1及び画像データA2の撮像方向を読みだし、再生ポイントOから画像データA1及び画像データA2への視線の方向と、各撮像方向との差を算出し、その差がなくなるように画像データA1及び画像データA2を変形する。変形方法は公知の技術を使用できる。画像処理サーバ504は変形した画像データA1と画像データA2とを合成して1枚の画像とし、合成画像ファイル505に格納する。
【0082】
以上述べたように、本実施形態のカーナビゲーションシステムは、リアルタイムの画像を送受信する個別機能装置30を中央情報表示装置11と別体に設けた。このため、リアルタイムの画像を必要とするユーザのみがリアルタイムの画像を表示する機能を選択的に購入することができるという効果がある。
【0083】
(第2の実施形態の画像収集配信システムの構成)
図12は、第2の実施形態の画像収集配信システム500の構成を示す概要図である。図12に示すように、画像収集配信システム500は、中央処理サーバ501、画像処理サーバ504、画像解析サーバ506、画像配信サーバ508、依頼生成サーバ509の各サーバと、再生地点ファイル502、画像ファイル503、合成画像ファイル505、特異状況ファイル507、の各ファイルと、ポイントデータベース510(以下、データベースをDBと略す。)と、を備える。
【0084】
再生地点ファイル502は画像データを合成する視点となる位置と、画像データ受信履歴と、を格納する。再生地点ファイル502は、ユーザや事業者の意図やリアルタイム画像の収集具合によって、中央処理サーバ501によって更新されることもある。画像ファイル503は個別機能装置30から受信した画像データと、撮像位置と、撮像方向と、を格納する。合成画像ファイル505は合成された画像データを格納する。特異状況ファイル507は位置とその位置の特異状況の内容を格納する。ポイントデータベース510は、ユーザが獲得したポイントをユーザ毎に格納する。
【0085】
車載カメラ40は自動車に搭載されており、自動車の前方あるいは後方を撮像する。車載カメラ40は撮像した画像をディジタル信号に変換し、後述する画像信号出力用の個別機能装置30に出力する。個別機能装置30は、通信機能を有する通信用個別機能装置と、GPS機能を有するGPS用個別機能装置と、画像データ及びGPS機能により取得した自動車の進行方向、すなわち撮像方向を通信用個別機能装置を介して中央処理サーバ501と送受信し、画像信号を後述する中央情報表示装置10に出力する画像信号出力用個別機能装置と、ナビゲーション機能を有するナビゲーション機能拡張用個別機能装置と、を設ける。これらの個別機能装置30は一つの個別機能装置に構成されていても、別体の個別機能装置に構成されていてもよい。
【0086】
通信用個別機能装置は、例えば、WiMAX通信手段と、ドライバソフトを格納する記憶装置と、演算装置と、アンテナ及び増幅装置などの通信装置とを備えるWiMAXモジュールを使用することができる。
【0087】
個別機能装置30は、あらかじめ定められた時間間隔によりGPSから現在位置を取得する。個別機能装置30は取得した現在位置を中央処理サーバ501に送信するとともに、画像データを送信するかどうか問い合わせる。
【0088】
中央処理サーバ501は、ネットワークの輻輳が起きないように、かつ格納している画像の偏りがないように、画像データを送信する個別機能装置30を選択し、画像データの送信を指示する。
【0089】
中央処理サーバ501は、ネットワークの輻輳が起きないように画像データを送信する個別機能装置30の総数を所定値以下に保つ。また、中央処理サーバ501は個別機能装置30から画像データ送信の問い合わせがあったとき、再生地点ファイル502から受信した現在位置の画像データ受信履歴を読みだし、所定時間間隔以内に画像データを受信していない時に画像データ送信の指示を行う。
【0090】
画像データ送信の指示を受信したとき、個別機能装置30は画像データを画像収集配信システム500に送信する。
【0091】
中央処理サーバ501は、個別機能装置30から画像データを受信し、画像ファイル503に受信した現在位置、撮像時刻と共に格納する。この際、ナンバープレートの数字や人間の顔などの個人情報はモザイク模様などに置き換えられる。
【0092】
画像処理サーバ504は、一定時間間隔ごとに再生地点ファイル502から再生地点を読みだし、この再生地点の画像を画像ファイル503から読みだす。画像処理サーバ504は後述のように画像を合成し、合成画像ファイル505に格納する。
【0093】
画像解析サーバ506は、合成画像ファイル505から合成画像を読みだし、特異状況の有無、内容を解析する。ここで、特異状況とは事故、渋滞、悪天候など通常の交通事情と異なる状況を言う。
【0094】
例えば、画像解析サーバ506は、一定時間ごとに撮像した画像の同じ位置に同じ自動車がとまっている場合、この自動車が故障車であると判定する。また、画像解析サーバ506は合成画像の色調が平均値よりも所定割合だけ白に偏っている場合、雪が降っていると判定する。
【0095】
画像配信サーバ508は、個別機能装置30から指定された再生地点の合成画像と特異状況を、要求のあった個別機能装置30に配信する。
【0096】
依頼生成サーバ509は、画像ファイル503を読み込み、画像情報が少ない地点を割り出す。また、依頼生成サーバ509は、中央処理サーバ501からユーザのリクエストがあった地点の情報を受信し、画像ファイル503を受信した位置情報に基づいて検索し、十分な画像情報が格納されているかを判定する。
【0097】
依頼生成サーバ509は、必要な画像が十分に格納されていない地点を割り出すと、その地点の付近にいる携帯電話に対し、中央処理サーバ501を介して画像送信依頼を送信する。送信方法は、メールであってもショートメッセージであってもよい。
【0098】
また、依頼生成サーバ509はポイントDB510からユーザの獲得したポイントを読みだし、ユーザ毎に各ユーザのポイントを画像送信依頼に付加して送信することもできる。ユーザは、画像送信依頼に付加されたポイントから、現在のポイントを把握することができ、画像を送信したいという動機づけを得る。ただし、必ずしも画像送信依頼にポイントを付与する必要はなく、ポイントを確認する手段は別の手段で提供されることも可能であるが、それらの方法自体は本特許の主張するところではないので、これ以上言及しない。
【0099】
中央処理サーバ501は、携帯電話1210から画像が送信された場合には例えば1ポイント、この送信された画像が画像ファイル503に格納された場合には例えば5ポイントを、ポイントDB510に格納されているポイントに加算して格納する旨の指示を依頼生成サーバ509に送信する。
【0100】
依頼生成サーバ509は、ポイントを加算してポイントDB510に格納する。
【0101】
携帯電話の所在は、GPS機能を有する携帯電話であれば電話会社を通じて取得することができる。あるいは、携帯電話の所在は、携帯電話の所在を携帯電話のユーザが定期的にGPS情報を中央処理サーバ501に送信することにより取得することができる。
【0102】
携帯電話1210は、画像撮像する携帯電話カメラ1212と、GPS機能を有する携帯電話GPS1213と、携帯電話カメラ1212の撮像方向を検知して出力する携帯電話ジャイロ1214と、通信と演算とを行う携帯電話制御部1211と、を備える。
【0103】
(車載用表示装置の構成)
車載用表示装置の構成は、上述した車載用表示装置の構成と同様である。
【0104】
(動作の説明)
画像収集配信システム500は、携帯電話1210のユーザが自己の判断によって画像を送信する場合の動作と、依頼生成サーバ509が必要な位置の画像を判定して携帯電話1210のユーザに画像の撮像と送信を依頼する場合の動作と、を有する。
【0105】
図13は、ユーザが自己の判断によって画像を送信する場合の動作を示すフローチャートである。図13に示すように、ステップ1301において、携帯電話1210は携帯電話カメラ1212を用いて画像を撮像する。この際、携帯電話制御部1211は携帯電話GPS1213から位置情報を取得し、携帯電話ジャイロ1214から撮像方向を取得する。
【0106】
ステップ1302において、携帯電話1210は、携帯電話制御部1211を用いて画像の特徴量を算出する。この特徴量は、撮像された画像のピントがぼけているか、手ぶれ画像であるか、撮像された画像が風景以外のものか、などを判定する基準として用いられるものである。
【0107】
ステップ1303において、携帯電話1210は携帯電話制御部1211を用いて特徴量があらかじめ設定された条件を満たすかを判定し、条件が満たされている場合はステップ1304に進み、満たされていない場合はステップ1301に戻る。
【0108】
ステップ1304において、携帯電話1210は携帯電話制御部1211を用いて、撮像された画像と、位置情報と、撮像方向と、特徴量とを画像収集配信システム500の中央処理サーバ501に送信する。
【0109】
ステップ1305において、中央処理サーバ501は携帯電話1210から撮像された画像と、位置情報と、撮像方向と、特徴量とを受信する。
【0110】
ステップ1306において、中央処理サーバ501は、受信したデータの中に特徴量が含まれていない場合には特徴量を算出する。
【0111】
ステップ1307において、中央処理サーバ501は、特徴量があらかじめ設定された条件を満たすかを判定し、条件が満たされている場合はステップ1308に進み、満たされていない場合はステップ1305に戻る。
【0112】
ステップ1308において、中央処理サーバ501は受信した位置情報に基づいて画像ファイル503を検索し、受信した画像を格納する必要があるかを判定する。中央処理サーバ501は、受信した画像を格納する必要がある場合にはステップ1309に進み、格納する必要がない場合にはその画像を破棄してステップ1305に戻る。
【0113】
ステップ1309において、中央処理サーバ501は受信した画像を画像ファイル503に格納する。
【0114】
図14は、依頼生成サーバ509が必要な画像の位置を判定して携帯電話1210のユーザに画像の撮像と送信を依頼する場合の動作を示すフローチャートである。図14に示すように、ステップ1401において画像収集配信システム500の依頼生成サーバ509は撮像依頼を生成する。
【0115】
依頼生成サーバ509は、中央処理サーバ501が個別機能装置30からの画像送信要求があったにもかかわらず十分な画像が画像ファイル503に格納されていないと判定した場合、及び、依頼生成サーバ509が、画像ファイル503を読み込み、十分な画像が格納されていない位置を判定した場合に、撮像が必要な位置についての撮像依頼を生成する。
【0116】
ステップ1402において、依頼生成サーバ509は、電話会社等を介して撮像が必要な位置にある携帯電話1210を割り出し、この携帯電話1210にメールやショートメッセージによって撮像依頼を送信する。
【0117】
ステップ1403において、携帯電話1210は撮像依頼を受信する。ステップ1404において、携帯電話1210は携帯電話カメラ1212を用いて画像を撮像する。この際、携帯電話制御部1211は携帯電話GPS1213から位置情報を取得し、携帯電話ジャイロ1214から撮像方向を取得する。
【0118】
ステップ1405において、携帯電話1210は、携帯電話制御部1211を用いて画像の特徴量を算出する。この特徴量は、撮像された画像のピントがぼけているか、手ぶれ画像であるか、撮像された画像が風景以外のものか、などを判定する基準として用いられるものである。
【0119】
ステップ1406において、携帯電話1210は携帯電話制御部1211を用いて特徴量があらかじめ設定された条件を満たすかを判定し、条件が満たされている場合はステップ1407に進み、満たされていない場合はステップ1404に戻る。
【0120】
ステップ1407において、携帯電話1210は携帯電話制御部1211を用いて、撮像された画像と、位置情報と、撮像方向と、特徴量とを画像収集配信システム500の中央処理サーバ501に送信する。
【0121】
ステップ1408において、中央処理サーバ501は携帯電話1210から撮像された画像と、位置情報と、撮像方向と、特徴量とを受信する。
【0122】
ステップ1409において、中央処理サーバ501は、受信したデータの中に特徴量が含まれていない場合には特徴量を算出する。
【0123】
ステップ1410において、中央処理サーバ501は、特徴量があらかじめ設定された条件を満たすかを判定し、条件が満たされている場合はステップ1411に進み、満たされていない場合はステップ1408に戻る。
【0124】
ステップ1411において、中央処理サーバ501は受信した位置情報に基づいて画像ファイル503を検索し、受信した画像を格納する必要があるかを判定する。中央処理サーバ501は、受信した画像を格納する必要がある場合にはステップ1412に進み、格納する必要がない場合にはその画像を破棄してステップ1408に戻る。
【0125】
ステップ1412において、中央処理サーバ501は受信した画像を画像ファイル503に格納する。
【0126】
(画像合成方法)
画像合成方法は上述した画像合成方法と同様である。
【0127】
以上述べたように、本実施形態のカーナビゲーションシステムは、依頼生成サーバ509をさらに備え、携帯電話1210に撮像依頼を送信する。携帯電話1210は撮像した画像を位置情報、撮像方向、及び特徴量とともに中央処理サーバ501に送信する。
【0128】
従って、本実施形態のカーナビゲーションシステムは、より広範囲かつタイムリーに必要な画像を収集することができるという効果がある。
【符号の説明】
【0129】
10,11:中央情報表示装置、
20,21,22:拡張装置、
30,32:個別機能装置、
40:車載カメラ、
301:GPSアンテナモジュール、
302,307:ナビゲーションモジュール、
303,308:一体型ナビゲーションモジュール、
500:画像収集配信システム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示ディスプレイを有し、前記表示ディスプレイに映像を表示させる中央情報表示装置と、前記中央情報表示装置とは別体に構成され、ナビゲーション機能を有するナビゲーション用個別機能装置と、GPS機能を有するGPS用個別機能装置と、通信機能を有する通信用個別機能装置と、画像信号出力機能を有する画像信号出力用個別機能装置と、前記中央情報表示装置と前記個別機能装置とを接続する拡張装置と、を備える車載用表示装置と、
車載され、前記画像信号出力用個別機能装置に撮像した画像データを出力する車載カメラと、
前記画像信号出力用個別機能装置が前記通信用個別機能装置を介して送信した前記画像データを受信して格納する受信格納手段と、前記画像データを所定の視点から見た状態に変形して合成した合成画像を生成する画像処理手段と、前記合成画像を前記画像出力用個別機能装置に配信する画像配信手段と、を備える画像収集配信システムと、
を備える、カーナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記画像処理手段は、画像データを経時的に比較することにより事故車の情報又は悪天候の情報を含む特異状況を判定し、前記画像出力用個別機能装置の要求に応じて前記画像出力用個別機能装置に配信する請求項1記載のカーナビゲーションシステム。
【請求項3】
表示ディスプレイを有し、前記表示ディスプレイに映像を表示させる中央情報表示装置と、前記中央情報表示装置とは別体に構成され、ナビゲーション機能を有するナビゲーション用個別機能装置と、GPS機能を有するGPS用個別機能装置と、通信機能を有する通信用個別機能装置と、前記中央情報表示装置と前記個別機能装置とを接続する拡張装置と、を備える車載用表示装置と、
車載され、前記画像信号出力用個別機能装置に撮像した画像データを出力する車載カメラと、
前記画像信号出力用個別機能装置が前記通信用個別機能装置を介して送信した前記画像データを受信して格納する受信格納手段と、前記画像データを所定の視点から見た状態に変形して合成した合成画像を生成する画像処理手段と、前記合成画像を前記画像出力用個別機能装置に配信する画像配信手段と、を備える画像収集配信システムと、
を備える、カーナビゲーションシステムに使用する、画像信号出力機能を有する画像信号出力用個別機能装置。
【請求項4】
表示ディスプレイを有し、前記表示ディスプレイに映像を表示させる中央情報表示装置と、前記中央情報表示装置とは別体に構成され、ナビゲーション機能を有するナビゲーション用個別機能装置と、GPS機能を有するGPS用個別機能装置と、通信機能を有する通信用個別機能装置と、画像信号出力機能を有する画像信号出力用個別機能装置と、前記中央情報表示装置と前記個別機能装置とを接続する拡張装置と、を備える車載用表示装置と、
車載され、前記画像信号出力用個別機能装置に撮像した画像データを出力する車載カメラと、
画像撮像する携帯電話カメラと、GPS機能を有する携帯電話GPSと、前記携帯電話カメラの撮像方向を検知して出力する携帯電話ジャイロと、通信と演算とを行う携帯電話制御部と、を備える携帯電話と、
必要な画像の位置を判定して当該位置の携帯電話のユーザに画像の撮像と送信を依頼する依頼生成手段と、前記携帯電話から前記依頼に応じて或いは自発的に送信された画像データ、位置情報、及び撮像方向を受信して格納する受信格納手段と、前記画像データを所定の視点から見た状態に変形して合成した合成画像を生成する画像処理手段と、前記合成画像を前記画像出力用個別機能装置に配信する画像配信手段と、を備える画像収集配信システムと、
を備える、カーナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記携帯電話又は前記画像収集配信システムは、
撮像された画像の特徴量を算出する特徴量算出手段と、
前記特徴量に基づいて不要な画像を破棄する特徴量判定手段と、
を備えることを特徴とする請求項4記載のカーナビゲーションシステム。
【請求項1】
表示ディスプレイを有し、前記表示ディスプレイに映像を表示させる中央情報表示装置と、前記中央情報表示装置とは別体に構成され、ナビゲーション機能を有するナビゲーション用個別機能装置と、GPS機能を有するGPS用個別機能装置と、通信機能を有する通信用個別機能装置と、画像信号出力機能を有する画像信号出力用個別機能装置と、前記中央情報表示装置と前記個別機能装置とを接続する拡張装置と、を備える車載用表示装置と、
車載され、前記画像信号出力用個別機能装置に撮像した画像データを出力する車載カメラと、
前記画像信号出力用個別機能装置が前記通信用個別機能装置を介して送信した前記画像データを受信して格納する受信格納手段と、前記画像データを所定の視点から見た状態に変形して合成した合成画像を生成する画像処理手段と、前記合成画像を前記画像出力用個別機能装置に配信する画像配信手段と、を備える画像収集配信システムと、
を備える、カーナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記画像処理手段は、画像データを経時的に比較することにより事故車の情報又は悪天候の情報を含む特異状況を判定し、前記画像出力用個別機能装置の要求に応じて前記画像出力用個別機能装置に配信する請求項1記載のカーナビゲーションシステム。
【請求項3】
表示ディスプレイを有し、前記表示ディスプレイに映像を表示させる中央情報表示装置と、前記中央情報表示装置とは別体に構成され、ナビゲーション機能を有するナビゲーション用個別機能装置と、GPS機能を有するGPS用個別機能装置と、通信機能を有する通信用個別機能装置と、前記中央情報表示装置と前記個別機能装置とを接続する拡張装置と、を備える車載用表示装置と、
車載され、前記画像信号出力用個別機能装置に撮像した画像データを出力する車載カメラと、
前記画像信号出力用個別機能装置が前記通信用個別機能装置を介して送信した前記画像データを受信して格納する受信格納手段と、前記画像データを所定の視点から見た状態に変形して合成した合成画像を生成する画像処理手段と、前記合成画像を前記画像出力用個別機能装置に配信する画像配信手段と、を備える画像収集配信システムと、
を備える、カーナビゲーションシステムに使用する、画像信号出力機能を有する画像信号出力用個別機能装置。
【請求項4】
表示ディスプレイを有し、前記表示ディスプレイに映像を表示させる中央情報表示装置と、前記中央情報表示装置とは別体に構成され、ナビゲーション機能を有するナビゲーション用個別機能装置と、GPS機能を有するGPS用個別機能装置と、通信機能を有する通信用個別機能装置と、画像信号出力機能を有する画像信号出力用個別機能装置と、前記中央情報表示装置と前記個別機能装置とを接続する拡張装置と、を備える車載用表示装置と、
車載され、前記画像信号出力用個別機能装置に撮像した画像データを出力する車載カメラと、
画像撮像する携帯電話カメラと、GPS機能を有する携帯電話GPSと、前記携帯電話カメラの撮像方向を検知して出力する携帯電話ジャイロと、通信と演算とを行う携帯電話制御部と、を備える携帯電話と、
必要な画像の位置を判定して当該位置の携帯電話のユーザに画像の撮像と送信を依頼する依頼生成手段と、前記携帯電話から前記依頼に応じて或いは自発的に送信された画像データ、位置情報、及び撮像方向を受信して格納する受信格納手段と、前記画像データを所定の視点から見た状態に変形して合成した合成画像を生成する画像処理手段と、前記合成画像を前記画像出力用個別機能装置に配信する画像配信手段と、を備える画像収集配信システムと、
を備える、カーナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記携帯電話又は前記画像収集配信システムは、
撮像された画像の特徴量を算出する特徴量算出手段と、
前記特徴量に基づいて不要な画像を破棄する特徴量判定手段と、
を備えることを特徴とする請求項4記載のカーナビゲーションシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図10】
【図11】
【図12】
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【図14】
【公開番号】特開2010−237188(P2010−237188A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−210839(P2009−210839)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】
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