説明

ガス供給装置用シャワーヘッド

【課題】ガス供給装置用シャワーヘッドを提供する。
【解決手段】本発明のシャワーヘッドは、分配プレートを一方の側に有する本体と、本体内に含まれた少なくとも一つのガス室と、を含む。複数の穴が分配プレートの外面から室まで垂直に延びている。更に、少なくとも一つの穴の少なくとも一部分は、形状が垂直軸線に沿って切頭円錐形或いは切頭角錐形であり、切頭円錐形或いは切頭角錐形の穴のベースは、分配プレートの外面に隣接して配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス供給装置用シャワーヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造業者のためにいろいろな製造装置がある。一つの係る装置では、半導体ウェーハが反応室内に支持され、シャワーヘッドガス注入マニホルドがウェーハにわたって且つその上方に配置される。シャワーヘッドは、ウェーハの上方に配置された外面を有する分配プレートを備えた本体と、少なくとも一つの内部ガス室と、を含む。
【0003】
複数の穴が分配プレートを貫通してガス室まで形成される。その結果、反応ガスがシャワーヘッド室に供給されるときに、反応ガスは、分配プレートの穴を通ってウェーハへ流出する。
【0004】
シャワーヘッドを半導体加工のいろいろな方法に用いることができる。例えば、シャワーヘッドは、定常状態条件、例えばCVD(化学蒸着法)作動形態、或いは脈動反応物質、例えばALD(原子層成長法)作動形態のいずれかに用いてもよい。作動形態に係わらず、シャワーヘッドの表面での粒子形成或いは大量のパウダリング(粉化)をもたらすことがある過剰な気相反応のような望ましくない影響を回避するために、通常、ガス流速がシャワーヘッド分配プレートとウェーハとの間で高度に均一であるのが望ましい。
【0005】
これらの悪影響の両方、即ち、シャワーヘッドの表面での粒子形成或いはパウダリング(粉化)は、ウェーハの上方のガスの乱流及び中央空気再循環によって悪化される。更に、再循環の存在は、ガス滞留時間にわたる制御の欠如を示し且つ望ましくない粒子形成反応が起ることがある。更に、ほとんどの半導体加工状況では、隣接した穴からのガス流と混合する前に、各シャワーヘッドの穴からのガスがウェーハに直接衝突するのを回避することが最もよい。
【0006】
既知のシャワーヘッドには、典型的には、小直径の出口穴が開けられ、該穴はガス流を、各出口穴から本質的に等しいガス流を得るのに十分に制限する。しかしながら、これらの小直径の出口穴の結果、ガスの高速ジェットがシャワーヘッドからウェーハに噴出することがある。シャワーヘッド穴からの一定の高速流の下で、各シャワーヘッド穴からのガスが、隣接した穴からのガス流と混合する前にウェーハの表面に衝突するのは望ましくないかもしれない。次いで、これは、強制対流により反応室内にガス再循環セルを発生させることがある。
【0007】
逆に、低流速、低圧力、シャワーヘッドとウェーハの間の大きな間隔、等、のような、その他の条件の下で、同じシャワーヘッドからのガスは、シャワーヘッドの隣接した穴からのガスと混合して、好ましい方法でウェーハへのガス流のほぼ均一な前線(フロント)を形成する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
各シャワーヘッドは、独自の設計仕様を有する。これらの設計仕様は、シャワーヘッドを通って流れる穴の直径ばかりでなく、相互の穴の間隔も含む。しかしながら、シャワーヘッドの穴を通るガス流力学の特性により、一つの加工条件で受け入れられるシャワーヘッド設計は、その他の加工条件でまったく受け入れられないかもしれない。
【0009】
本発明は、既知のシャワーヘッドの上記欠点を克服し、半導体加工に用いられる種類のガス供給装置用シャワーヘッドを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
簡単に、本発明のシャワーヘッドは、一方の側に分配プレートを有する本体を含む。少なくとも一つのガス室が本体内に含まれる。
【0011】
複数の穴が、分配プレートの外面からシャワーヘッドの本体内に形成された室まで垂直に延びる。更に、少なくとも一つの穴、好ましくは全ての穴の、少なくとも一部分が、形状が垂直軸線に沿って切頭円錐形であり、切頭円錐形の穴のベースが分配プレートの外面に配置され或いは外面に隣接して配置される。
【0012】
シャワーヘッドの分配プレートの穴の切頭円錐形は、高圧力アプリケーションで各穴からのガスと隣接した穴からのガスとの混合を向上させる。次いで、切頭円錐形は、高圧力/高速度アプリケーション中シャワーヘッドのいかなる一つの穴からのガスが加工されたウェーハに衝突する可能性を最小にし或いは少なくとも減少させる。
【0013】
同じ参照記号がいくつかの図全体を通して同じ部分を示す添付図面と関連して読むときに以下の詳細な説明を参照することにより、本発明をさらによく理解することができるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
まず図1を参照して、半導体加工に使用される種類の反応装置を図式的に示す。装置10は、反応室12を含み、この反応室内に半導体ウェーハ14が支持される。また、シャワーヘッド16が反応室12内に配置され、そしてシャワーヘッド16は、半導体ウェーハ14から離れて、しかし半導体ウェーハ14と一般的に平行に配置された分配プレート18を含む。
【0015】
少なくとも一つ、そして多くの場合には二つ以上の、反応ガス供給源20がシャワーヘッド16内に含まれるマニホルドに流動的に連結される。次いで、これらのマニホルドは、反応ガス供給源20のための反応ガス室22を形成する。
【0016】
いま特に図2及び図3を参照して、シャワーヘッド16は、下外面18を有する下部分配プレートを備えた本体24を含む。反応ガス室22は、本体24内に形成され且つ一つ以上の反応ガス供給源20に在来の手段によって明らかに連結される。
【0017】
複数の間隔を隔てた穴28が外面18から反応ガス室22まで分配プレート26を貫通して垂直軸線30に沿って垂直に形成される。穴28の少なくとも一つ、好ましくは全ては、形状が垂直軸線30に沿って切頭円錐形であり、各穴28のベースは分配プレート26の外面18に隣接して配置される。任意で、穴28'は、分配プレート26の外面18の表面積を最小にするために形状が図5及び図6に示すように切頭角錐形であってもよい。
【0018】
図2に最もよく表されるように、各穴28は、そのベース32を分配プレート26の外面18に整合させ、反応ガス室22に開口する頂点を有するものとして示される。しかしながら、その他の構成が変形例として可能である。
【0019】
例えば、図4に示すように、各穴28'は、切頭円錐形中央部分34と、該切頭円錐形中央部分34と反応ガス室22とを連結する円筒部分36と、切頭円錐形中央部分34と分配プレート26の外面18とを流動的に連結する更なる円筒部分38とを含む。その結果、穴28'の一部分は形状が切頭円錐形であることが必要であるに過ぎない。
【0020】
実際には、シャワーヘッド16の分配プレート26の穴28の切頭円錐形或いは切頭角錐形の形状は、高圧力アプリケーションにおいてすらガスと隣接した穴からのガス流との混合を確実にする。そのように、シャワーヘッド16のいかなる一つの穴28からのガスの直接の衝突が回避され、かくして反応室12内でのガス再循環を最小にする。
【0021】
また、ウェーハ14との衝突前に各穴28からのガスと隣接した穴からのガスとの係る混合は、低圧力アプリケーションにおいても達成される。その結果、本発明のシャワーヘッド16は、いかなる個々の穴からのガスのウェーハ14への既知の望ましくない直接の衝突なしに、その結果、反応室12内でのガスの望ましくない再循環なしに、様々の異なるアプリケーション及び加工モードに利用することができる。
【0022】
上述から、本発明は、既知のシャワーヘッドガス分配マニホルドの欠点を克服する半導体加工に用いるシャワーヘッドガス分配マニホルドを提供するということが理解できる。しかしながら、本発明を記述して、添付した特許請求の範囲によって定められたように、本発明の精神から逸脱することなく本発明が関連する当業者にとって本発明に対する多くの変形態様が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】ガス反応装置の本発明のシャワーヘッドの好適な実施形態を示す側面図である。
【図2】図1の円2−2に沿って取り且つ明瞭化のために拡大した断片的な断面図である。
【図3】図2の線3−3に沿って取った断片的な正面図である。
【図4】図2と同様な図であるが、その変形態様を示す図である。
【図5】図2と同様な図であるが、その更なる変形態様を示す図である。
【図6】図5の線6−6に沿って取った断片的正面図である。
【符号の説明】
【0024】
10 反応装置
12 反応室
14 半導体ウェーハ
16 シャワーヘッド
18 分配プレート
20 反応ガス供給源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分配プレートを一方の側に有する本体と、
上記本体内に含まれた少なくとも一つの室と、
上記分配プレートの外面から上記少なくとも一つの室まで垂直に延びる複数の穴と、を含み、
上記複数の穴の少なくとも一つの少なくとも一部分は、形状が垂直軸線に沿って切頭円錐形であり、上記切頭円錐形の穴のベースは上記分配プレートの上記外面に隣接して配置される、ガス供給装置用シャワーヘッド。
【請求項2】
上記少なくとも一つの穴は、複数の上記穴を含む、請求項1に記載のシャワーヘッド。
【請求項3】
上記切頭円錐形の穴の上記ベースは、上記分配プレートの上記外面と整合される、請求項1に記載のシャワーヘッド。
【請求項4】
分配プレートを一方の側に有する本体と、
上記本体内に含まれた少なくとも一つの室と、
上記分配プレートの外面から上記少なくとも一つの室まで垂直に延びる複数の穴と、を含み、
上記複数の穴の少なくとも一つの少なくとも一部分は、形状が垂直軸線に沿って切頭角錐形であり、上記切頭角錐形の穴のベースは上記分配プレートの上記外面に隣接して配置される、ガス供給装置用シャワーヘッド。
【請求項5】
上記少なくとも一つの穴は、複数の上記穴を含む、請求項4に記載のシャワーヘッド。
【請求項6】
上記切頭角錐形の穴の上記ベースは、上記分配プレートの上記外面と整合される、請求項4に記載のシャワーヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−43946(P2008−43946A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−196706(P2007−196706)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(504069808)アヴィザ テクノロジー インコーポレイテッド (22)
【Fターム(参考)】