説明

ガラスラン

【課題】窓部の縦縁部と下縁部とのなすコーナー部において、意匠性の低下を防止することのできるガラスランを提供する。
【解決手段】フロントドアに設けられるガラスランのうち、ドアガラスGの後縁部に対応する押出成形部8は、断面略コ字状の本体部11と、本体部11の内側に延びるシールリップ12、13とを備え、本体部11が、ドアフレームの内周に沿って設けられたフランジ部55、56に取着されている。押出成形部8のうちベルトラインよりも上方に取付けられるフレーム対応部8aは、本体部11の外側に延び、本体部11との間にフランジ部55、56を挿通可能なフランジ収容部21、22を形成する意匠リップ17、18と、意匠リップ17、18と本体部11との間を連結するブリッジ部23、24とを備えている。また、フレーム対応部8aの下端部におけるブリッジ部23、24は、フレーム対応部8aの長手方向に沿って連続的に破断されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスランに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車のドアフレームの内周に沿ってガラスランが設けられている。ガラスランは、その断面方向から見ると、基底部と、該基底部から延びる車内側側壁部及び車外側側壁部とを具備する断面略コ字形の本体部を備えるとともに、両側壁部の略先端から本体部内側に向けて延びる車内側シールリップ及び車外側シールリップを備えている。そして、ドアの窓部の外周に沿って形成されるサッシュ部及びサッシュ部の前後の縦辺部を下方に延長するようにしてドアパネル内に設けられたチャンネル部の内周に当該ガラスランが取付けられ、両シールリップによって、昇降するドアガラスの内外面の周縁部が挟まれるようにしてシールされる。
【0003】
また、前記両側壁部の略先端から本体部の外方に向けて延びる車内側意匠リップ及び車外側意匠リップを備えたガラスランに関しては、互いに対向する車内側フランジ部と車外側フランジ部とを備える前記サッシュ部に対し、車内側意匠リップと車内側側壁部とで車内側フランジ部を挟み込むとともに、車外側意匠リップと車外側側壁部とで車外側フランジ部を挟み込むようにして取付けられている。
【0004】
また、一般に、ドアのベルトライン(ドアの窓部の下縁部)に沿ってガラスウエザストリップが設けられている。ガラスウエザストリップは、ドアインナパネルの端部に形成された車内側ベルトフランジ部に取付けられるインナーウエザストリップと、ドアアウタパネルの端部に形成された車外側ベルトフランジ部に取付けられるアウターウエザストリップとからなる。両ウエザストリップはそれぞれシールリップを備え、ドアガラスを内外面から挟んでシールするようになっている。
【0005】
図7は、フロントドアの窓部の後下コーナー部におけるガラスラン等の構成を示す説明図(模式側面図)である。さて、同図に示すように、窓部Wの縦縁部に沿って設けられる前記サッシュ部92の車内側フランジ部(図示略)及び車外側フランジ部92aは、窓部Wの下縁部に沿って設けられる前記車内側ベルトフランジ部(図示略)及び車外側ベルトフランジ部95と連続的に形成されている。すなわち、ドアフレーム90を構成するドアインナパネル及びドアアウタパネルに窓部Wを形成し、ドアインナパネル及びドアアウタパネルの窓部Wの周縁部にガラスラン91やガラスウエザストリップ93を取付けるための前記フランジ部92a及びベルトフランジ部95を形成しているため、フランジ部92aとベルトフランジ部95とが連続的に形成されることとなる。従って、ガラスラン91の取付に際し、車内側意匠リップ(図示略)及び車外側意匠リップ97が車内側ベルトフランジ部及び車外側ベルトフランジ部95に干渉しないように、車内側フランジ部及び車外側フランジ部92aと、車内側ベルトフランジ部及び車外側ベルトフランジ部95との境界部99のところで、車内側意匠リップ及び車外側意匠リップ97がカット(切除)されている。
【0006】
ところで、車内側フランジ部及び車外側フランジ部92aと、車内側ベルトフランジ部及び車外側ベルトフランジ部95とのなす境界部99は湾曲形状をなしている。従って、車内側意匠リップ及び車外側意匠リップ97の下縁部が前記境界部99に位置するようにして、ガラスラン91がサッシュ部92に取付けられると、ガラスラン91が前記境界部99に案内され、ドアフレーム90の内周側(図7では左側)に膨らむようにして位置ずれしてしまう(部分的に湾曲してしまう)おそれがある。さらには、ドアフレーム90の内周側に変位したガラスラン91が、ガラスラン91と衝き合わされるガラスウエザストリップ93の端末に干渉し、ガラスウエザストリップ93の収まりが悪くなってしまう(ガラスウエザストリップ93の端末が上方に変位させられてしまう)ことが懸念される。このように、ガラスラン91やガラスウエザストリップ93が位置ずれを起こしてしまうと、窓部Wの縦縁部と下縁部とのなすコーナー部において意匠性の低下を招くおそれがある。
【0007】
このため、車内側意匠リップ及び車外側意匠リップ97の下縁部が前記境界部99の上端部に位置するようにして、ガラスラン91をチャンネル部92に取付けることが望ましいのであるが、ガラスラン91の成形ばらつき(意匠リップをカットする位置のばらつき等)や組付けばらつき等が発生した場合には、依然として上記不具合が生じるおそれがある。
【0008】
これに対し、車内側意匠リップ及び車外側意匠リップの下端部にスリットを形成しておき、成形のばらつき等に起因して、車内側意匠リップ及び車外側意匠リップの下縁部が本来よりも下方に位置し、車内側意匠リップ及び車外側意匠リップが車内側ベルトフランジ部及び車外側ベルトフランジ部に接触するような場合には、車内側ベルトフランジ部や車外側ベルトフランジ部を前記スリットに進入させるといった技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−253724号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1に記載の技術を採用することで、意匠リップが前記フランジ部と前記ベルトフランジ部とのなす湾曲形状の境界部に乗り上げ、かかる境界部に案内されるようにして、ガラスランがドアの内周側に位置ずれしてしまうといったおそれを防止することができる。
【0010】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、意匠リップに形成されたスリットが外観に現れてしまい、これに起因して、意匠性の低下を招くおそれがある。また、車内側意匠リップ及び車外側意匠リップと、車内側側壁部及び車外側側壁部とでサッシュ部の車内側フランジ部及び車外側フランジ部を挟み込むことで、ガラスランがサッシュ部に取付けられる(保持される)ような構成においては、上記のようにスリットを形成することに起因して、取付状態が不安定になってしまうおそれがある。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、窓部の縦縁部と下縁部とのなすコーナー部において、取付状態の安定化を図りつつ、意匠性の低下を防止することのできるガラスランを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以下、上記課題等を解決するのに適した各手段を項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0013】
手段1.基底部と、該基底部から延出する車内側側壁部及び車外側側壁部とを具備する断面略コ字状の本体部と、前記車内側側壁部及び前記車外側側壁部の略先端から前記本体部の内側に向けて延びる車内側シールリップ及び車外側シールリップとを備え、前記本体部が、車両のドアフレームの内周に沿って設けられた互いに対向する一対のフランジ部を具備する取付部に取着されてなるガラスランであって、
昇降するドアガラスの前縁部及び後縁部に対応する前縦辺部及び後縦辺部のうち少なくとも一方に関し、
ベルトラインよりも上方に取付けられるフレーム対応部は、
前記車内側側壁部及び前記車外側側壁部のうち少なくとも前記車外側側壁部の略先端から前記本体部の外方に向けて延び、前記側壁部との間に前記フランジ部を挿通可能なフランジ収容部を形成する意匠リップを備えるとともに、
前記フランジ収容部において、前記意匠リップと前記側壁部との間を連結するブリッジ部を備え、
ベルトラインよりも下方に取付けられるパネル対応部には、前記意匠リップ及び前記ブリッジ部が存在しない構成であって、
前記フレーム対応部の下端部における前記ブリッジ部が、前記フレーム対応部の長手方向に沿って連続的に破断されていることを特徴とするガラスラン。
【0014】
手段1によれば、フレーム対応部において、意匠リップと側壁部とを連結するブリッジ部が設けられるとともに、フレーム対応部の下端部におけるブリッジ部が長手方向に沿って連続的に破断されている。つまり、フレーム対応部のうちブリッジ部が破断されていない部位に関しては、意匠リップと側壁部との間(フランジ収容部)に、フランジ部をブリッジ部に当接するまでしか進入させることができないが、フレーム対応部の下端部に関しては、ブリッジ部が破断されているため、フランジ部を意匠リップの付根部にまで進入させることができる。
【0015】
従って、ガラスラン(縦辺部)のうちベルトラインよりも上方に設けられるフレーム対応部を取付けるためのフランジ部と、ドアのベルトラインに沿って設けられるガラスウエザストリップを取付けるためのベルトフランジ部とが湾曲形状をなして連続的に形成され、フレーム対応部の下端部が、フランジ部と前記ベルトフランジ部との境界部に位置する場合であっても、フランジ部に対しフレーム対応部を余分に押し込むことで(フランジ収容部にフランジ部を多めに挿通させることで)、フレーム対応部のドアフレーム内周側の端縁をドアガラスの縦縁部に沿って略直線状に延在させることができる。従って、フレーム対応部の下端部がドアフレームの内周側に位置ずれしたり、ガラスウエザストリップの端末がフレーム対応部と干渉して上方に位置ずれしたりすることに起因して、意匠性の低下を招いてしまうといった事態を防止することができる。
【0016】
また、ブリッジ部は意匠リップに覆われているため、ブリッジ部を破断しても、当該破断部位は外観に表れない。従って、破断されたブリッジ部が視認されることで意匠性の低下を招いてしまうといった事態を防止することができる。さらに、本手段では、フレーム対応部の下端部においてブリッジ部が破断されているものの、意匠リップは破断されていないため、意匠リップと側壁部とでフランジ部を挟み込むことで取付部に対してガラスランを保持する力を得ているような場合に、意匠リップを破断することに起因して前記保持力が失われてしまうといった事態を回避することができる。従って、ガラスランの取付部への取付状態が不安定になってしまうといった事態を抑制することができる。
【0017】
尚、「前縦辺部及び後縦辺部のうち少なくとも一方」とあるのは、例えば、センターピラーを具備する車両に関して言えば、「前縦辺部及び後縦辺部のうち少なくともセンターピラー側に位置する方」のことを指し、フロントドアでは後縦辺部であり、リアドアでは前縦辺部である。
【0018】
手段2.前記取付部のうちベルトラインよりも上方に位置する部位の前記フランジ部と、ドアのベルトラインに沿って設けられるガラスウエザストリップを取付けるためのベルトフランジ部との間の湾曲形状の境界部に、前記フレーム対応部の下端部が位置するように、前記フレーム対応部の長手方向における長さが設定されていることを特徴とする手段1に記載のガラスラン。
【0019】
例えば、フレーム対応部の下端部が、フランジ部とベルトフランジ部との間の湾曲形状の境界部よりも上方に位置する場合、ガラスランの意匠リップとガラスウエザストリップとの間に隙間が生じ、意匠性の低下等を招くおそれがある。また、前記境界部の曲率半径が大きい場合には、フレーム対応部の下端部が前記境界部の上端部に位置したとしても、意匠リップとガラスウエザストリップとの間に隙間が生じるおそれがある。これに対し、本手段2のように、フレーム対応部の下端部がフランジ部とベルトフランジ部との境界部に位置するようにフレーム対応部の長さを設定しておくことにより、意匠リップとガラスウエザストリップとの間に隙間が生じてしまうといった事態を抑制することができる。結果として、意匠性の低下等の不具合を抑制することができる。
【0020】
尚、「前記ブリッジ部を破断する範囲は、前記ブリッジ部の下端部から前記フランジ部と前記ベルトフランジ部との間の湾曲形状の境界部の上方にまで至るように設定されていること」としてもよい。この場合、上記手段1及び手段2の作用効果が確実に奏される。
【0021】
手段3.前記ブリッジ部は前記意匠リップ及び前記側壁部よりも薄肉であることを特徴とする手段1又は2に記載のガラスラン。
【0022】
手段3によれば、ブリッジ部が薄肉であるため、破断されたブリッジ部に対してフランジ部を挿通させる際に、破断されたブリッジ部を比較的容易に撓ませることができる。このため、例えば、ブリッジ部が厚肉とされることに起因して、フランジ部の挿通に際し、破断されたブリッジ部が撓まず突っ張ってしまい、意匠リップが外側に開いて意匠性の低下を招いてしまうといった事態を防止することができる。また、車外側側壁部から延びる車外側意匠リップが外側に開いてしまう場合には、雨水の浸入や風切り音の発生が懸念されるが、本手段の構成を採用することで、かかる不具合を抑制することができる。
【0023】
手段4.前記パネル対応部は、前記フレーム対応部の長手方向に沿って、前記フレーム対応部と一続きに形成されていることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載のガラスラン。
【0024】
手段4によれば、フレーム対応部のうちブリッジ部の破断されていない部位と、フレーム対応部と一続きに形成されたパネル対応部とにより、ブリッジ部の破断されたフレーム対応部の下端部を緊張状態とすることができる。従って、フレーム対応部の下端部のドアフレーム内外周方向における変位を抑制できる上、ガラスランの取付状態の安定化を図ることができる。
【0025】
尚、パネル対応部は、ベルトラインよりも下側に位置する前記取付部に設けられた孔部又は凹部、或いはパネル対応部側に突出する突部に係合する係合部を備えることとしてもよい。この場合、パネル対応部の長手方向へのずれ移動を規制することができ、本手段4の作用効果がより確実に奏される。さらに、ベルトラインよりも上側に位置する前記取付部に取付けられる部位(例えばフレーム対応部)において、基底部の外側面から取付部側に突出し、取付部に設けられた孔又は凹部に嵌め込まれて係止される規制突起を備えることとしてもよい。この場合、フレーム対応部の長手方向へのずれ移動を規制することができ、本手段4の採用効果がより確実に奏される。
【0026】
手段5.前記フレーム対応部及び前記パネル対応部は、押出成形により、前記本体部、前記シールリップ、前記意匠リップ、及び前記ブリッジ部を具備する断面形状なすように、長手方向に沿って一続きに形成された後、前記パネル対応部における前記意匠リップ及び前記ブリッジ部を除去するとともに、前記フレーム対応部の下端部における前記ブリッジ部に対してスリットを形成することで構成され、
前記パネル対応部における前記意匠リップ及び前記ブリッジ部は、前記意匠リップのうち前記側壁部との境界部、及び、前記ブリッジ部のうち前記側壁部との境界部が切断されることで、前記パネル対応部から除去されることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載のガラスラン。
【0027】
手段5によれば、パネル対応部に関しては、意匠リップと側壁部との境界部、及び、ブリッジ部と側壁部との境界部が切断され、意匠リップ及びブリッジ部がパネル対応部から除去される。このため、パネル対応部において意匠リップやブリッジ部の一部が残存してしまうことに起因して、取付部に取付けられた両側壁部が本体部の内側に大きく傾倒変形してしまうといった事態を防止することができる。従って、ドアガラスの摺動性の悪化を招いてしまったり、取付部との取付状態が不安定になってしまったりするといった事態を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1はドアの概略構成を示す正面模式図である。図2はガラスランを示す図1のJ−J線断面図である。図3はガラスランを示す図1のK−K線断面図である。図4は、窓部の後下コーナー部におけるガラスラン等の構成を示す模式斜視図である。図5は、窓部の後下コーナー部におけるガラスラン等の構成を示す説明図(模式側面図)である。尚、図4では便宜上ガラスアウタウエザストリップ等の図示を省略している。
【0029】
図1に示すように、自動車のドア用開口部に開閉可能に設けられるフロントドア(以下、単に「ドア1」と称する)には、昇降可能なドアガラスGと、当該ドアガラスGの外周形状に対応して設けられ、ドアガラスGの昇降を案内するとともに、ドアガラスGが上昇して窓部Wが閉じられたときに、ドアガラスGの周縁部とドアフレーム2との間をシールするガラスラン5とが設けられている。
【0030】
ガラスラン5は、その長手方向にみて上辺部に対応する押出成形部6、前後の縦辺部に対応する押出成形部7、8と、2つの押出成形部6、7及び6、8の端部同士を接続する型成形部9、10(図1で散点模様を付した部分)とから構成されている。各押出成形部6〜8は、図示しない押出成形機によりほぼ直線状に形成される。型成形部9、10は、2つの押出成形部6、7及び6、8が所定の角度をなした状態で相互に接続されるように図示しない金型装置にて接続成形される。そして、窓部Wの外周(窓部Wの前後の縦縁部及び上縁部)に沿って形成されたサッシュ部DS、及びサッシュ部DSの前後の縦辺部を下方に延長するようにしてドアパネル3内に設けられたチャンネル部DCの内周に当該ガラスラン5が取付けられている。本実施形態では、ガラスラン5はEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム)により構成されている。また、本実施形態では、サッシュ部DS及びチャンネル部DCが取付部に相当する。
【0031】
図2、図3等に示すように、押出成形部8は、サッシュ部DS(チャンネル部DC)に嵌め込まれ、基底部14と、該基底部14から延びる車外側側壁部15及び車内側側壁部16とを具備する断面略コ字状の本体部11と、車外側側壁部15の略先端から車内側に向けて延びる車外側シールリップ12と、車内側側壁部16の略先端から車外側に向けて延びる車内側シールリップ13とを備えている。ドアガラスGにより窓部Wが閉じられた状態においては、車外側シールリップ12がドアガラスGの外側面に対して圧接され、車内側シールリップ13がドアガラスGの内側面に対して圧接される。これにより、ドアガラスGの車外側及び車内側がそれぞれシールされるようになっている。尚、押出成形部6、7及び型成形部9、10についても、本体部11及び一対のシールリップ12、13を備えている。
【0032】
図2に示すように、サッシュ部DSは、ドアフレーム2を構成するアウタパネル51及びインナパネル52の端部をガラス開口部Wの内周側(図2では左側)に折り曲げることで形成された車外側フランジ部55及び車内側フランジ部56により構成されている。
【0033】
また、押出成形部8のうちサッシュ部DSに取付けられる部位(以下、フレーム対応部8aと称する)には、車外側側壁部15から車外側に向けて延び、車外側側壁部15との間に車外側フランジ部55を挿通可能な車外側フランジ収容部21を形成する車外側意匠リップ17と、車内側側壁部16から車内側に向けて延び、車内側側壁部16との間に車内側フランジ部56を挿通可能な車内側フランジ収容部22を形成する車内側意匠リップ18とが設けられている。そして、本体部11を車外側フランジ部55と車内側フランジ部56との間に嵌め込むようにして、車外側フランジ収容部21に車外側フランジ部55を挿通させるとともに、車内側フランジ収容部22に車内側フランジ部56を挿通させることで、車外側フランジ部55が車外側意匠リップ17と車外側側壁部15とで挟み込まれるとともに、当該車内側フランジ部56が車内側意匠リップ18と車内側側壁部16とで挟み込まれ、これにより、ガラスラン5(フレーム対応部8a)がサッシュ部DSに取付けられている。
【0034】
図3に示すように、チャンネル部DCは、ドアガラスGの前後の縦縁部に沿って上下方向に延び、断面略コ字状をなすチャンネル部材61と、チャンネル部材61の所定部位とインナパネル52とを連結する図示しない連結部とを備えている。
【0035】
また、押出成形部8のうちチャンネル部DCに取付けられる部位(以下、パネル対応部8bと称する)には、車外側意匠リップ17及び車内側意匠リップ18が設けられていない。また、パネル対応部8bはフレーム対応部8aと一続きに形成され、フレーム対応部8a及びパネル対応部8bからなる押出成形部8はドアGの後縦縁部に沿って真直ぐに延在している。そして、チャンネル部材61の内側に本体部11が嵌め込まれることで、ガラスラン5(パネル対応部8b)がチャンネル部DCに取付けられている。尚、本実施形態では、押出成形部8を一続きに押出成形した後、パネル対応部8bの意匠リップ17、18をカット(除去)することで、パネル対応部8bを図3に示すような断面形状としている。
【0036】
また、図1に示すように、ドア1のベルトライン(窓部Wの下縁部)に沿ってガラスウエザストリップ31が設けられている。図4、図5に示すように、ガラスウエザストリップ31は、アウタパネル51の端部に形成される車外側ベルトフランジ部63に取付けられるガラスアウタウエザストリップ32(図4では図示略、図5参照)と、インナパネル52の端部に形成される車内側ベルトフランジ部64に取付けられるガラスインナウエザストリップ33とから構成されている。また、ガラスウエザストリップ31は、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)により構成されている。
【0037】
図4に示すように、ガラスインナウエザストリップ33(ガラスアウタウエザストリップ32)は、車内側ベルトフランジ部64(車外側ベルトフランジ部63)に取付けられる略コ字状の基部35と、該基部35から延びてドアガラスGの内側面(外側面)に圧接するシールリップ36とを備えている。各ウエザストリップ32、33のシールリップ36により、ベルトラインにおいて、ドアガラスGの車外側及び車内側がそれぞれシールされるようになっている。また、ガラスウエザストリップ31の両端部(端末)は押出成形部7、8に対してそれぞれ衝き合わされている。
【0038】
図4、図5に示すように、本実施形態では、窓部Wの後縦縁部に沿って形成されるサッシュ部DSの車外側フランジ部55及び車内側フランジ部56と、窓部Wの下縁部に沿って形成される車外側ベルトフランジ部63及び車内側ベルトフランジ部64とが連続的に形成されている。また、かかる車外側フランジ部55及び車内側フランジ部56と、車外側ベルトフランジ部63及び車内側ベルトフランジ部64との境界部は湾曲(R)形状をなしている。以下、フランジ部55、56とベルトフランジ部63、64とのなすR形状の境界部を、ベルトコーナー部71と称する。尚、上記のように、ベルトラインよりも下側に設けられるパネル対応部8bに関しては意匠リップ17、18が除去されるのであるが、これは、パネル対応部8bの意匠リップ17、18がベルトコーナー部71(ベルトフランジ部63、64)に干渉しないようにするための構成であり、当該構成により、ベルトコーナー部71を貫通させるようにして、パネル対応部8bをフレーム対応部8aの長手方向に沿って真直ぐに下方に延在させ、ドアパネル3内のチャンネル部DCに取付けることができるようになっている。
【0039】
さて、図2等に示すように、押出成形部8のフレーム対応部8aは、車外側フランジ収容部21において、車外側側壁部15と車外側意匠リップ17との間を連結する車外側ブリッジ部23と、車内側フランジ収容部22において、車内側側壁部16と車内側意匠リップ18との間を連結する車内側ブリッジ部24とを備えている。このため、フレーム対応部8aは、基本的に、サッシュ部DSのフランジ部55、56とブリッジ部23、24とが当接するまで、フランジ部55、56をフランジ収容部21、22に挿通させることで、サッシュ部DSに取付けられている。
【0040】
これに対し、図3等に示すように、押出成形部8のパネル対応部8bにはブリッジ部23、24が設けられていない。尚、パネル対応部8bのブリッジ部23、24は、押出成形後、意匠リップ17、18とともにカット(切除)される。具体的に、側壁部15、16に、意匠リップ17、18及びブリッジ部23、24が残存しないように、意匠リップ17、18は側壁部15、16との境界部(付根部)でカットされ、ブリッジ部23、24は側壁部15、16との境界部でカットされる。
【0041】
図6は、フレーム対応部8aの下端部を示す図5のL−L線断面図である。同図に示すように、本実施形態では、フレーム対応部8aの下端部におけるブリッジ部23、24に対し、フレーム対応部8aの長手方向に沿って延びるスリット27が形成されており、ブリッジ部23、24の下端部がフレーム対応部8aの長手方向(紙面奥行方向)に沿って連続的に破断されている。また、フレーム対応部8aの長手方向における長さは、R形状をなす上記ベルトコーナー部71にフレーム対応部8aの下端部が位置するように設定されている。このため、図5等に示すように、ガラスラン5のサッシュ部DS(チャンネル部DC)への取付状態において、フレーム対応部8aの下端部は、R形状をなす上記ベルトコーナー部71に位置することとなる。さらに、図5に示すように、前記スリット27の形成範囲Rは、ブリッジ部23、24の下端部からベルトコーナー部71の上方にまで至るように設定されている。このため、ベルトコーナー部71におけるフランジ部55、56は、ブリッジ部23、24が破断された(スリット27が形成された)フランジ収容部21、22に挿通されることとなる。
【0042】
そして、フレーム対応部8aの下端部に関しては、フレーム対応部8aのうちドアフレーム2の内周側の端縁がフレーム対応部8aの長手方向に沿って(ドアガラスGの後端縁に沿って)直線状に延びるように、フランジ部55、56を、ブリッジ部23、24に形成されたスリット27を介して、ブリッジ部23、24よりも意匠リップ17、18の付根部側にまで挿通させることで、サッシュ部DSに取付けられている。
【0043】
また、ブリッジ部23、24は意匠リップ17、18及び側壁部15、16よりも薄肉に構成されている。尚、スリット27は、パネル対応部8bの意匠リップ17、18及びブリッジ部23、24を除去した後、鋏等の治具を用いて形成される。また、スリット27は、ガラスラン5の製造誤差や組付け誤差を許容するために、若干長めに形成されている。尚、押出成形に際し、ブリッジ部23、24に対して長手方向に沿って延びる溝部を形成しておき、溝部を引き裂くようにしてスリット27を形成することも考えられるが、この場合、スリット27の形成範囲が余分に長くなってしまうおそれがあるため、上記溝部を形成することなく、鋏等でスリット27を形成する方が望ましい。
【0044】
以上詳述したように、本実施形態では、押出成形部8のフレーム対応部8aにおいて、意匠リップ17、18と側壁部15、16とを連結するブリッジ部23、24が設けられるとともに、フレーム対応部8aの下端部におけるブリッジ部23、24がフレーム対応部8aの長手方向に沿って連続的に破断されている。つまり、フレーム対応部8aのうちブリッジ部23、24が破断されていない部位に関しては、意匠リップ17、18と側壁部15、16との間(フランジ収容部21、22)に、フランジ部55、56をブリッジ部23、24に当接するまでしか進入させることができないが、フレーム対応部8aの下端部に関しては、ブリッジ部23、24が破断されているため、フランジ部55、56を意匠リップ17、18の付根部にまで進入させることができる。
【0045】
従って、フレーム対応部8aの下端部が、R形状をなすベルトコーナー部71に位置する場合であっても、フランジ部55、56に対しフレーム対応部8aを余分に押し込むことで(フランジ収容部21、22にフランジ部55、56を多めに挿通させることで)、フレーム対応部8aのドアフレーム2内周側の端縁をドアガラスGの後縁部に沿って直線状に延在させることができる。従って、フレーム対応部8aの下端部がドアフレーム2の内周側に位置ずれしたり、ガラスウエザストリップ31の端末がフレーム対応部8aと干渉して上方に位置ずれしたりすることに起因して、意匠性の低下を招いてしまうといった事態を防止することができる。
【0046】
また、ブリッジ部23、24は意匠リップ17、18に覆われているため、ブリッジ部23、24にスリット27を形成して破断しても、当該破断部位は外観に表れない。従って、破断されたブリッジ部23、24が視認されることで意匠性の低下を招くといった事態を防止することができる。
【0047】
さらに、本実施形態では、フレーム対応部8aの下端部においてブリッジ部23、24が破断されているものの、意匠リップ17、18は破断されていないため、意匠リップ17、18を破断することに起因して押出成形部8(ガラスラン5)のサッシュ部DSへの取付状態が不安定になってしまうといった事態を抑制することができる。
【0048】
また、例えば、フレーム対応部8aの下端部が、ベルトコーナー部71よりも上方に位置する場合、ガラスラン5の意匠リップ17、18とガラスウエザストリップ31との間に隙間が生じ、意匠性の低下等を招くおそれがある。また、ベルトコーナー部71の曲率半径が大きい場合には、フレーム対応部8aの下端部がベルトコーナー部71の上端部に位置したとしても、意匠リップ17、18とガラスウエザストリップ31との間に隙間が生じるおそれがある。これに対し、本実施形態のように、フレーム対応部8aの下端部がベルトコーナー部71に位置するようにフレーム対応部8aの長さを設定しておくことにより、意匠リップ17、18とガラスウエザストリップ31との間に隙間が生じてしまうといった事態を抑制することができる。結果として、意匠性の低下等の不具合を抑制することができる。
【0049】
加えて、ブリッジ部23、24にスリット27を形成する範囲は、ブリッジ部23、24の下端部からベルトコーナー部71の上方にまで至るように設定されている。このため、ブリッジ部23、24がベルトコーナー部71に乗り上げ、フレーム対応部8aの下端部がドアフレーム2の内周側に位置ずれしてしまうといった事態を確実に防止することができる。
【0050】
また、ブリッジ部23、24は意匠リップ17、18及び側壁部15、16よりも薄肉となっている。従って、ブリッジ部23、24に形成されたスリット27にフランジ部55、56を挿通させる際に、破断されたブリッジ部23、24を比較的容易に撓ませることができる。このため、例えば、ブリッジ部23、24が厚肉とされることに起因して、フランジ部55、56の挿通に際し、破断されたブリッジ部23、24が撓まず突っ張ってしまい、意匠リップ17、18が外側に開いて意匠性の低下を招いてしまうといった事態を防止することができる。特に、車外側側壁部15から延びる車外側意匠リップ17が外側に開いてしまう場合には、雨水の浸入や風切り音の発生が懸念されるが、本実施形態の構成を採用することで、かかる不具合を抑制することができる。
【0051】
さらに、パネル対応部8bは、フレーム対応部8aの長手方向に沿って、フレーム対応部8aと一続きに形成されている。このため、フレーム対応部8aのうちブリッジ部23、24の破断されていない部位と、フレーム対応部8aと一続きに形成されたパネル対応部8bとにより、ブリッジ部23、24の破断されたフレーム対応部8aの下端部を緊張状態とすることができる。従って、フレーム対応部8aの下端部のドアフレーム2内外周方向における変位を抑制できる上、ガラスラン5の取付状態の安定化を図ることができる。
【0052】
また、パネル対応部8bに関しては、意匠リップ17、18と側壁部15、16との境界部、及び、ブリッジ部23、24と側壁部15、16との境界部が切断され、意匠リップ17、18及びブリッジ部23、24がパネル対応部8bから除去される。このため、パネル対応部8bにおいて意匠リップ17、18やブリッジ部23、24の一部が残存してしまうことに起因して、チャンネル部DCに取付けられた両側壁部15、16が本体部11の内側に大きく傾倒変形してしまうといった事態を防止することができる。従って、ドアガラスGの摺動性の悪化を招いてしまったり、チャンネル部DCとの取付状態が不安定になってしまったりするといった事態を防止することができる。
【0053】
尚、ブリッジ部23、24を設ける代わりに、意匠リップ17、18と側壁部15、16との境界部に厚肉部を形成しておき、フレーム対応部8aの下端部における厚肉部の内側にスリットを形成することも考えられるが、成形に際して前記厚肉部に窪み(いわゆるひけ)が生じてしまったり、スリットがドアフレーム2内周側に進行して意匠リップ17、18が破断してしまったりするおそれがあるので、本実施形態のようにブリッジ部23、24を形成する方が望ましい。また、意匠リップ17、18と側壁部15、16とを連結するブリッジ部23、24を設ける代わりに、意匠リップ17、18又は側壁部15、16からフランジ収容部21、22側に突出するリップ状の支持片部を形成し、フレーム対応部8aの下端部において、フランジ部55、56を前記支持片部よりも意匠リップ17、18の付根部側にまで進入させ、それ以外の部位においては、フランジ部55、56の先端部を前記支持片部で支持するといった構成も考えられる。しかしながら、支持片部がリップ状であるために、フランジ部55、56を前記支持片部で支持させておきたい部位であっても、フランジ部55、56が意匠リップ17、18の付根部にまで進入してしまうおそれがある。この場合、ガラスラン5(フレーム対応部8a)のドアフレーム2内周側の端縁が凹凸して意匠性の低下を招くおそれがある。この点、本実施形態によれば、ブリッジ部23、24が破断されていない部位においては、フランジ部55、56の進入長さを一定に保つことができるため、上記不具合を回避することができる。
【0054】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0055】
(a)上記実施形態ではガラスラン5をEPDMにより構成しているが、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)等の別の素材により構成してもよい。また、ガラスウエザストリップ31をTPOにより構成しているが、EPDM等の別の素材により構成してもよい。
【0056】
また、上記実施形態のドアフレーム2は、アウタパネル51(車外側フランジ部55)とインナパネル52(車内側フランジ部56)との間にチャンネル部材を介在させないタイプ(チャンネルレス構造)のものを例示しているが、これに限らず、チャンネル部材を備えるタイプや、アウタパネル51及びインナパネル52の端部にモール部材を取付けるタイプ(ヒドンタイプ)など他の構成を採用してもよい。
【0057】
(b)上記実施形態では特に言及していないが、型成形部10のうちドアガラスGの後縦縁部に対応する部位は、押出成形部8のフレーム対応部8aと同様の断面形状をなしていることとしてもよい。さらに、押出成形部6、7、型成形部9、及び型成形部10のうちドアガラスGの上縁部に対応する部位に関しては、ブリッジ部23、24が設けられていることとしてもよいし、設けられていないこととしてもよい。
【0058】
さらに、上記実施形態では、フロントドアのガラスラン5に関して特に詳しく説明しているが、リアドアのガラスラン等においても同様に構成してもよい。但し、センターピラーを具備する自動車(例えば、セダンタイプ)のリアドアに関しては、ガラスラン5のうち前縦辺部に対応する部位に、上記実施形態の押出成形部8と同様の構成を適用することが望ましい。
【0059】
(c)上記実施形態において、ガラスラン5の長手方向への位置ずれを防止するための手段を設けることとしてもよい。例えば、パネル対応部8bは、チャンネル部DCに設けられた孔部又は凹部、或いはパネル対応部8b側に突出する突部に係合する係合部を備えることとしてもよい。この場合、パネル対応部8bの長手方向へのずれ移動を規制することができる。当該構成を採用することにより、フレーム対応部8aの下端部の前後方向へのずれ移動をパネル対応部8bによってより確実に抑制することができる。また、例えば、フレーム対応部8aにおいて、基底部14の外側面からサッシュ部DS側に突出し、サッシュ部DSに設けられた孔又は凹部に嵌め込まれて係止される規制突起を備えることとしてもよい。この場合、フレーム対応部8aの長手方向へのずれ移動を規制することができる。
【0060】
(d)上記実施形態では、押出成形部6、7、8と、型成形部9、10とによりガラスラン5が構成されているが、例えば、長手方向全域が押出成形により形成されるガラスランや、長手方向全域が型成形により形成されるガラスランを採用してもよい。
【0061】
尚、図2等に示すガラスラン5は左右対称形状をなしているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、例えば、車内側シールリップ13を車外側シールリップ12よりも長く構成してもよい。また、車内側意匠リップ18を省略することとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】ドアの概略構成を示す正面模式図である。
【図2】ガラスランを示す図1のJ−J線断面図である。
【図3】ガラスランを示す図1のK−K線断面図である。
【図4】窓部の後下コーナー部におけるガラスラン等の構成を示す模式斜視図である。
【図5】窓部の後下コーナー部におけるガラスラン等の構成を示す説明図(模式側面図)である。
【図6】フレーム対応部の下端部を示す図5のL−L線断面図である。
【図7】従来の技術における窓部の後下コーナー部におけるガラスラン等の構成を示す説明図(模式側面図)である。
【符号の説明】
【0063】
1…ドア、2…ドアフレーム、5…ガラスラン、6,7,8…押出成形部、8a…フレーム対応部、8b…パネル対応部、9,10…型成形部、11…本体部、12…車外側シールリップ、13…車内側シールリップ、14…基底部、15…車外側側壁部、16…車内側側壁部、17…車外側意匠リップ、18…車内側意匠リップ、21…車外側フランジ収容部、22…車内側フランジ収容部、23…車外側ブリッジ部、24…車内側ブリッジ部、27…スリット、31…ガラスウエザストリップ、55…車外側フランジ部、56…車内側フランジ部、63…車外側ベルトフランジ部、64…車内側ベルトフランジ部、71…ベルトコーナー部、DC…チャンネル部、DS…サッシュ部、G…ドアガラス、W…窓部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基底部と、該基底部から延出する車内側側壁部及び車外側側壁部とを具備する断面略コ字状の本体部と、前記車内側側壁部及び前記車外側側壁部の略先端から前記本体部の内側に向けて延びる車内側シールリップ及び車外側シールリップとを備え、前記本体部が、車両のドアフレームの内周に沿って設けられた互いに対向する一対のフランジ部を具備する取付部に取着されてなるガラスランであって、
昇降するドアガラスの前縁部及び後縁部に対応する前縦辺部及び後縦辺部のうち少なくとも一方に関し、
ベルトラインよりも上方に取付けられるフレーム対応部は、
前記車内側側壁部及び前記車外側側壁部のうち少なくとも前記車外側側壁部の略先端から前記本体部の外方に向けて延び、前記側壁部との間に前記フランジ部を挿通可能なフランジ収容部を形成する意匠リップを備えるとともに、
前記フランジ収容部において、前記意匠リップと前記側壁部との間を連結するブリッジ部を備え、
ベルトラインよりも下方に取付けられるパネル対応部には、前記意匠リップ及び前記ブリッジ部が存在しない構成であって、
前記フレーム対応部の下端部における前記ブリッジ部が、前記フレーム対応部の長手方向に沿って連続的に破断されていることを特徴とするガラスラン。
【請求項2】
前記取付部のうちベルトラインよりも上方に位置する部位の前記フランジ部と、ドアのベルトラインに沿って設けられるガラスウエザストリップを取付けるためのベルトフランジ部との間の湾曲形状の境界部に、前記フレーム対応部の下端部が位置するように、前記フレーム対応部の長手方向における長さが設定されていることを特徴とする請求項1に記載のガラスラン。
【請求項3】
前記ブリッジ部は前記意匠リップ及び前記側壁部よりも薄肉であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガラスラン。
【請求項4】
前記パネル対応部は、前記フレーム対応部の長手方向に沿って、前記フレーム対応部と一続きに形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のガラスラン。
【請求項5】
前記フレーム対応部及び前記パネル対応部は、押出成形により、前記本体部、前記シールリップ、前記意匠リップ、及び前記ブリッジ部を具備する断面形状なすように、長手方向に沿って一続きに形成された後、前記パネル対応部における前記意匠リップ及び前記ブリッジ部を除去するとともに、前記フレーム対応部の下端部における前記ブリッジ部に対してスリットを形成することで構成され、
前記パネル対応部における前記意匠リップ及び前記ブリッジ部は、前記意匠リップのうち前記側壁部との境界部、及び、前記ブリッジ部のうち前記側壁部との境界部が切断されることで、前記パネル対応部から除去されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のガラスラン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−220746(P2009−220746A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−69060(P2008−69060)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】