説明

キャリア、基板搬送装置

【課題】ガラス基板を所定の載置位置に高精度に位置決めする事が可能なキャリア、およびこれを備えた基板搬送装置を提供する。
【解決手段】位置決め手段31は、略L字状の支持部材32と、この支持部材32を回動させる付勢部材33とを備えている。支持部材32は、例えば、全体が樹脂によって形成された略L字型の部材である。この支持部材32は、回転軸34によってキャリアフレーム15に回動自在に軸着されている。また、支持部材32は、ガラス基板11の底辺11b、および側辺11cにそれぞれ当接する。こうした、支持部材32がガラス基板11に当接する部分は、円周面を成す形状、例えば、半円形のロール部32a、32bを形成しているのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を支持するキャリア、およびこのキャリアを備えた基板搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、液晶ディスプレイの製造工程においては、ガラス等からなる基板上に、カラーフィルタが形成される。このカラーフィルタの形成にあたっては、ガラス基板に対して、真空環境下で加熱処理、成膜処理等を行う成膜装置(スパッタリング装置)が用いられる。
【0003】
近年、液晶ディスプレイの大型化に伴って、成膜装置として、キャリア循環型のインラインスパッタ装置が用いられている。このキャリア循環型のインラインスパッタ装置は、ガラス基板を真空中に導入する仕込室、スパッタリングターゲットを配置した成膜室、ガラス基板を真空中から大気に戻すための取出室等を備えている。そして、ガラス基板は、キャリアと称される搬送台車に載置され、インラインスパッタ装置を構成する各室の間を移動する(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ガラス基板を載置するキャリアは、インラインスパッタ装置の設置面積を最小限に留めるために、ガラス基板を略鉛直方向に立てた状態で保持する、いわゆる縦型キャリアを用いることが多くなっている。こうした縦型キャリアは、ガラス基板の周縁部に当接して保持するフレームを備えている。このフレームには、ガラス基板の一方の成膜面側を露呈させる開口部が形成されている。
【0005】
インラインスパッタ装置にガラス基板を投入する際には、例えば、水平に載置されたガラス基板を、吸盤等を備えた多関節ロボットアームでピックアップする。次にガラス基板を鉛直方向に立てた状態に回転させ、キャリアのフレームにガラス基板を立て掛ける。そして、多関節ロボットアームがガラス基板の吸着を解除すると、フレーム下端の受け部にガラス基板の底辺が接する位置まで、ガラス基板は自重によって沈み込む。この後、ガラス基板は、フレームに取り付けられたクランプ等で、基板面の周縁部をフレームに押し付けられ把持される。
【0006】
上述した、ガラス基板を縦型キャリアに載置する工程においては、多関節ロボットアームの駆動精度の制約により、ガラス基板の載置位置に数ミリ程度のズレが生じる場合がある。また、ガラス基板は、公差(寸法誤差)が0.1%程度存在するが、一辺が数メートル単位の大型ガラス基板では、例え0.1%の公差でも数ミリ単位のバラつきとなって現れる。
【0007】
ガラス基板の一方の成膜面側は、フレームの開口部によって成膜領域が規定される。このため、縦型キャリアでは、ガラス基板の載置時の誤差や、ガラス基板自体の公差を考慮して、フレーム開口部における水平方向の幅を規定している。ガラス基板の鉛直方向(高さ方向)は、自重によってガラス基板の底辺がフレーム下端の受け部に接することにより、フレームに対する位置決めがズレなく行われる。
【0008】
しかし、キャリアの水平方向は、多関節ロボットアームの駆動精度の誤差を考慮して、ガラス基板の両側辺に当接するような規制部材がなく、ガラス基板が水平方向に微動することを許容している。このため、ガラス基板の水平方向は、多関節ロボットアームによってフレームに立て掛けた位置で位置決めされる。よって、多関節ロボットアームの駆動精度の制約により、水平方向にズレが生じることがある。
【0009】
一方、ガラス基板は、キャリアに載置された状態で、インラインスパッタ装置の各室間を移動する際に加速、減速を繰り返す。キャリアの水平方向は、ガラス基板の両側辺に当接するような規制部材がなく、クランプで挟んでいるだけである。このため、キャリア移動時の加減速によって、ガラス基板はキャリア上で水平方向にズレる懸念がある。
【0010】
上述したような、ガラス基板載置時に生じる水平方向の位置決め誤差、およびガラス基板移動時に生じる水平方向のズレに対応して、フレームの開口部は、所定の開口幅よりも若干小さく形成されている。これにより、ガラス基板の周縁部で成膜がなされない領域(非成膜領域)を大きく取り、ガラス基板の水平方向の位置ズレを吸収することが行われていた。
【0011】
ところが、近年、液晶ディスプレイの製造精度の大幅な向上により、ガラス基板のエッジ近傍まで有効に利用したいというニーズが高まっている。このため、ガラス基板のエッジ近傍まで成膜を行う必要性が生じている。例えば、一辺が2m程度のガラス基板に対して、従来はエッジから内側に18mm程度の位置までを非成膜領域としていた。しかし、近年ではエッジから内側に10mm程度の位置までを非成膜領域とする必要性がある。
【0012】
以上のように、ガラス基板を縦型キャリアに載置する際に、ガラス基板を受渡すロボットアームの駆動誤差や、ガラス基板自体の公差によらず、常に正確にガラス基板を位置決め可能なキャリアが求められていた。また、ガラス基板を縦型キャリアで移動させる際に、移動に伴う加減速によって、ガラス基板が所定の載置位置からズレることのないキャリアが求められていた。
【特許文献1】特開2006−114675号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、縦型のキャリアにガラス基板を載置する際に、常に正確にガラス基板の位置決めが可能がキャリアを提供する。また、ガラス基板を載置したキャリアの移動によって、ガラス基板が所定の載置位置からズレることのないキャリアを提供する。
また、本発明は、ガラス基板の載置時および移動時に、ガラス基板を所定位置で保持可能なキャリアを備えた基板搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明は次のようなキャリアを提供した。
すなわち、本発明のキャリアは、基板の一面が略鉛直方向に沿うように、該基板を略垂直保持するキャリアであって、前記基板の少なくとも周縁部に接して、前記基板を支えるキャリアフレームと、前記基板の自重により、前記キャリアフレームの水平方向に前記基板を微動させ、前記基板を前記キャリアフレームの所定位置に位置決めする位置決め手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
前記位置決め手段は、前記キャリアフレームに回動可能に軸着され、前記基板の底辺、および側辺にそれぞれ当接する略L字状の支持部材であればよい。前記支持部材は、前記基板に対して点状に接触、または線状に接触する形状を成すのが好ましい。また、前記支持部材を回動させる付勢部材が更に備えられているのが好ましい。前記支持部材は、樹脂から形成されていればよい。
【0016】
また、本発明の基板搬送装置は、前記キャリアを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明のキャリアによれば、所定の保持位置から水平方向にズレた状態で、キャリアにガラス基板が挿入されても、位置決め手段によって、ガラス基板を水平方向にズレた分だけ移動させる。これにより、所定の保持位置にガラス基板を載置させることができる。また、ガラス基板のサイズそのものに誤差がある場合でも、支持部材によって、ガラス基板の中心を常にキャリアフレームの中心に位置合わせすることができる。
【0018】
そして、こうした位置決め手段は、回動自在に保持された支持部材をガラス基板の自重によって回動させるという、簡易で故障の生じる懸念が少なく、かつ低コストで実現可能な構成である。このため、高価で複雑な構成の位置調整機構や、高精度なロボットアームが不要となり、低コストで位置決め精度の高いキャリアを実現することができる。
【0019】
また、こうした本発明のキャリアは、移動時におけるガラス基板の位置ズレも抑制することができる。例えば、大型のガラス基板を載置した状態でキャリアが各工程ごとに移動、停止を繰り返すと、ガラス基板の重みによって、特に停止時にガラス基板が所定の保持位置から水平方向にズレるような慣性力が加わる。しかし、本発明のキャリアは、ガラス基板の自重によって、支持部材が常にガラス基板の水平方向への移動を規制している。このため、キャリアの加減速によりガラス基板が水平方向へ微動しても、支持部材により直ちにそのズレが抑制され、一定値以上のズレは生じない。よって、大型で重いガラス基板であっても、常に所定の保持位置に載置させたまま、工程間の搬送を行うことができる。
【0020】
また、キャリアを、インライン型スパッタ装置の基板搬送装置として用いれば、大型のガラス基板を所定の保持位置にズレ無く載置させることができるため、高精度な位置決めが必要な基板搬送装置のキャリアとしても用いることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係るキャリアの最良の形態について、図面に基づき説明する。なお、本実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0022】
図1は、本発明のキャリアを示す外観斜視図である。図1は、キャリアに基板を載置した状態を示す斜視図である。図1に示すように、基板、例えばガラス基板11に成膜などを施す際には、キャリア10と呼ばれる枠体にガラス基板11を載置し、キャリア10を後述するコンベアにより搬送しつつ、適宜処理を行う。
【0023】
キャリア10は縦型に配置された状態で、ガラス基板11が載置されるように構成されている。即ち、ガラス基板11基板の一面11aが略鉛直方向Vに沿うように、ガラス基板11を略垂直保持する。キャリア10は、アルミニウムなどからなる額縁状のキャリアフレーム15と、キャリアフレーム15の上辺に沿うように設けられたマグネット16と、キャリアフレーム15の下辺に沿うように設けられた丸棒からなるスライダ17と、を備えている。
【0024】
また、ガラス基板11の荷重を受け、かつガラス基板11の水平度を保持するための複数の基板受け18と、キャリアフレーム15の開口部21の周縁に設けられ、ガラス基板11をキャリア10に保持させるための複数のクランプ19と、を備えている。こうした構成によって、キャリアフレーム15はガラス基板11の少なくとも周縁部に接して、ガラス基板11を支える。なお、ガラス基板11の周縁の非成膜領域を覆うためのマスク20はキャリアフレーム15の開口部21周縁に、キャリアフレーム15と一体形成されている。
【0025】
なお、キャリアフレーム15は、ガラス基板11の一面11aが正確に鉛直方向に沿うように保持する構成に限定されない。キャリアフレーム15は、鉛直方向から数度傾斜させた略鉛直方向にガラス基板11を保持する構成であっても良い。
【0026】
図2は、成膜装置における真空チャンバ内にキャリアを載置した状態を示す側面図である。図2に示すように、キャリア10は、成膜装置(図示せず)を構成する真空チャンバ50に載置されている。このキャリア10は、例えば、縦型搬送タイプの真空成膜装置を構成する複数の真空チャンバや、大気圧環境での搬送を行う大気搬送コンベアなどを循環搬送される。
【0027】
真空チャンバ50は、例えば、床面FLに支持固定されたフレーム22と、フレーム22内に設けられた下部支持機構23および上部支持機構24とを備えている。これにより、キャリア10の下辺に設けられたスライダ17を、下部支持機構23のローラ25に係合させて、ローラ25をモータ26で回転駆動させることで、キャリア10を搬送経路(ローラ25の外周側の溝部)に沿って水平移動させることができる。また、キャリア10の上辺に設けられたマグネット16と、上部支持機構24を構成する一対のマグネット27a,27bとが反発しあうことにより、キャリア10を垂直に保持した状態で搬送可能に構成されている。
【0028】
図3(a)は、キャリアの底部(下部)付近を拡大した要部斜視図である。また、図3(b)は、位置決め手段を拡大した拡大斜視図である。なお、説明の都合上、クランプ19は図示を省略している。キャリアフレーム15の下部には、ガラス基板11の底辺に接して、ガラス基板11を受け止める複数の基板受け18が形成されている。
【0029】
また、キャリアフレーム15下部の両側のコーナーには、ガラス基板11を所定位置に位置決めする位置決め手段31が形成されている。位置決め手段31は、例えば、略L字状の支持部材32と、この支持部材32を回動させる付勢部材33とを備えている。
【0030】
支持部材32は、例えば、ステンレスなど耐熱性に優れた金属によって形成された、略L字型を成す部材である。この支持部材32は、回転軸34によってキャリアフレーム15に対して回動自在に軸着されている。また、支持部材32は、ガラス基板11の底辺11b、および側辺11cにそれぞれ当接する。こうした、支持部材32がガラス基板11に当接する部分には、円周面を成す形状、例えば、半円筒形のロール部32a、32bが形成されているのが好ましい。ロール部32a、32bは、ガラス基板11に対して滑り性に優れた部材、例えは樹脂から形成されていればよい。
【0031】
支持部材32の外形形状を半円筒形とすれば、支持部材32とガラス基板11とは点状ないし線状に接触する事になる。これによって、支持部材32とガラス基板11との間の接触面積が最小限に保たれ、摩擦を低減することができ、支持部材32に対してガラス基板11を円滑に位置決め移動させることが可能になる。なお、支持部材32がガラス基板11に当接する部分の形状は、上述した半円筒形以外にも、より接触面積の少ない(点接触となる)半球状に形成することも好ましい。
【0032】
また、支持部材32を樹脂で形成することによって、支持部材32とガラス基板11との間の摩擦を低減することができ、支持部材32に対してガラス基板11を円滑に位置決め移動させることが可能になる。そして、摩擦が低減することで支持部材32自体の磨耗も減らすことができ、ガラス基板11の位置決め精度の低下を防止することができる。
【0033】
支持部材32の下面(底面)には、支持部材32を回転軸34回りで回転方向R1に付勢する付勢部材33が接する。付勢部材33は、例えば、板バネから形成されていればよい。こうした付勢部材33の作用によって、支持部材32は、ロール部32aがガラス基板11の側辺11cから離れる方向、即ちロール部32bがガラス基板11の底辺11bを押し上げる方向に回転するように付勢される。
【0034】
以上のような構成のキャリア10の作用を説明する。図4は、本発明のキャリアにガラス基板を載置する際の位置決め手段の動きを段階的に示した説明図である。なお、図4では、位置決め手段31の動きを明確に示すために、キャリアフレーム15に対する位置決め手段31のサイズを拡大して表現している。ガラス基板11をキャリア10に載置する際には、例えば、ロボットアーム(図示略)によってガラス基板11を吸着保持し、縦型のキャリアフレーム15の上方から差し込むように挿入する(図4(a)参照)。
【0035】
この時、キャリアフレーム15に対するガラス基板11の所定の保持位置(載置位置)P1に対して、例えば、水平方向XにΔtだけズレた位置P2に沿って、ガラス基板11が挿入される場合を想定する。ガラス基板11は、水平方向XにΔtだけズレた状態で、キャリアフレーム15に挿入される。そして、ロボットアームの吸着が解除されると、ガラス基板11は自重によって挿入方向Gに沿って沈み込む。そして、ガラス基板11の底辺11bは、付勢部材33によって跳ね上げられた状態にある、支持部材32のロール部32bに接する。ガラス基板11が自重によって挿入方向Gに更に沈み込むと、付勢部材33に抗して、支持部材32を付勢方向とは逆の方向R2に回動させる。
【0036】
支持部材32が方向R2に向けて回動されると、支持部材32のロール部32aがガラス基板11の側辺11cに接する。そして、ガラス基板11の沈み込みにより、支持部材32が方向Rに回動を続けると、所定の保持位置P1に対して水平方向Xにズレていたガラス基板11は、支持部材32によって水平方向Xに押される。そして、ガラス基板11は、水平方向XにΔtだけ移動させられる。
【0037】
以上のような作用により、ガラス基板11は、所定の保持位置から水平方向Xに沿ってズレた状態でキャリアフレーム15に挿入されると、ガラス基板11の自重によってL字型の支持部材32を回動させる。そして、ガラス基板11は、水平方向Xに沿って所定の保持位置(載置位置)P1まで移動(修正)された後、複数の基板受け18によって底辺11bで支持される(図4(b)参照)。
【0038】
本発明のキャリア10によれば、所定の保持位置から水平方向Xに沿ってズレた状態でガラス基板11が挿入されても、位置決め手段31によって、ガラス基板11を水平方向Xにズレている分だけ移動させ、所定の保持位置にガラス基板11を載置させることができる。また、ガラス基板11のサイズそのものに誤差がある場合でも、支持部材32によってガラス基板11の中心を、常にキャリアフレーム15の中心に位置合わせすることができる。
【0039】
また、こうした位置決め手段31は、回動自在に保持されたL字型の支持部材32をガラス基板11の自重によって回動させるという、簡易で故障の生じる懸念が少なく、かつ低コストで実現可能な構成となっている。このため、高価で複雑な構成の位置調整機構や、高精度なロボットアームが不要となり、低コストで位置決め精度の高いキャリアを実現することができる。
【0040】
一方、こうした本発明のキャリア10は、移動時におけるガラス基板11の位置ズレも抑制することができる。例えば、キャリア10は、一辺が数メートルにもなる大型のガラス基板11を搬送する目的にも用いられる。こうした大型のガラス基板11を載置した状態でキャリア10が各工程ごとに移動、停止を繰り返すと、慣性によって、ガラス基板11が所定の保持位置から水平方向Xに沿って移動する応力が加わる。特に大型のガラス基板では発生する慣性力が大きく、ガラス基板11をクランプ19で挟んで保持するだけでは、水平方向へのズレは抑制できない。
【0041】
しかしながら、本発明のキャリア10は、ガラス基板11の自重によって、L字型の支持部材32がガラス基板11の水平方向への移動を常に規制する。このため、キャリア10の移動や停止に伴う加減速により、ガラス基板11が水平方向Xへ移動しようとしても、支持部材32により直ちにそのズレが修正され、所定の保持位置に戻される。よって、大型で重いガラス基板11であっても、常に所定の保持位置に載置させたまま、工程間の搬送を行うことができる。
【0042】
上述したようなキャリア10を、例えば、インライン型スパッタ装置の基板搬送装置として用いれば、大型のガラス基板11を所定の保持位置にズレ無く載置させることができる。これにより、例えば、ガラス基板11に対してエッジから10mmの範囲を非成膜領域とし、それより内側の基板面に成膜を行うための基板の高精度な位置決めが必要な基板搬送装置のキャリアとしても用いることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明のキャリアの一例を示す外観斜視図である。
【図2】コンベアにキャリアを載置した状態を示す側面図である。
【図3】本発明のキャリアの位置決め手段を示す要部斜視図である。
【図4】位置決め手段の作用を示す説明図である。
【符号の説明】
【0044】
10 キャリア
11 ガラス基板(基板)
15 キャリアフレーム
31 位置決め手段
32 支持部材
33 付勢部材



【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の一面が略鉛直方向に沿うように、該基板を略垂直保持するキャリアであって、
前記基板の少なくとも周縁部に接して、前記基板を支えるキャリアフレームと、
前記基板の自重により、前記キャリアフレームの水平方向に前記基板を微動させ、前記基板を前記キャリアフレームの所定位置に位置決めする位置決め手段と、を備えたことを特徴とするキャリア。
【請求項2】
前記位置決め手段は、前記キャリアフレームに回動可能に軸着され、前記基板の底辺、および側辺にそれぞれ当接する略L字状の支持部材であることを特徴とする請求項1に記載のキャリア。
【請求項3】
前記支持部材は、前記基板に対して点状に接触、または線状に接触する形状を成すことを特徴とする請求項2に記載のキャリア。
【請求項4】
前記支持部材を回動させる付勢部材が更に備えられていることを特徴とする請求項2または3に記載のキャリア。
【請求項5】
前記支持部材は、樹脂からなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のキャリア。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のキャリアを備えたことを特徴とする基板搬送装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−103226(P2010−103226A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−271869(P2008−271869)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【Fターム(参考)】