説明

クッションパッドの成形方法及びクッションパッドの発泡成形型

【課題】成形型に注入された発泡樹脂の原液の発泡工程において、下型に設けられた複数条の突条部の交差部の隅部にエアポケットが生じるのを防止することができる
クッションパッドの発泡成形型を提供する。
【解決手段】下型42の底面に形成された突条部46A及び突条部46Bが直交する交差部の隅部53にエア逃し溝54を形成する。このエア逃し溝54の上端開口部54aの近傍に閉塞防止部55を一体に形成する。この閉塞防止部55のエア逃し溝57と前記エア逃し溝54を連通する。前記突条部46Aの左側の第3領域50から発泡樹脂が矢印で示すように突条部46Aを乗り越えて第1領域48側に移動されたとき、発泡樹脂が遮蔽部56によって上端開口部54aの側方に導かれ、開口部54aが閉塞されるのを防止し、隅部53のエアがエア逃し溝54,57を通して排出され、隅部53にエアポケットが形成されるのを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、自動車等に設置される座席シートを構成し、同シートの座部となるシートクッションやバックレストに用いられるクッションパッドの成形方法及びそれに用いる発泡成形型に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用の座席シートの座部を構成するシートクッションのクッションパッドとして、図13に示すようにウレタンフォームを用いて発泡成形型により成形されたクッションパッド14が用いられている。このクッションパッド14の表面には、図14に示すように皮革やファブリックのシート表皮15が表装されて、シートクッションが構成される。前記クッションパッド14は図13に示すように乗員の主として大腿部を支持する前部サポート部21と、主として臀部を支持する後部サポート部22と、大腿部及び臀部の側部を支持するサイドサポート部23, 23とに大別される。夫々のサポート部21, 22, 23の境界部分には凹状の取付溝24a, 24bが全体として平面視H字状に形成されている。前記取付溝24a, 24bの内底部において、クッションパッド14には図示しないインサートワイヤーが埋設され、該ワイヤーにシート表皮15を連結するクリップが掛止されて、表皮15が取付溝24a, 24b内に引き込まれている。この引き込みにより表皮15は張設状態に維持される。前記サイドサポート部23は前部サポート部21及び後部サポート部22を形成するウレタンフォームの硬度よりも高硬度のウレタンフォームにより構成され、乗員の大腿部及び臀部の側部を安定して支持できるようにしている。
【0003】
前記クッションパッド14は、図15に示す発泡成形型(下型42のみ図示)によって成形される。この下型42の底面には、複数条の突条部46A,46Bが一体に、かつ平面視H字状に形成されている。この突条部46A,46Bによって前記クッションパッド14の表面に前記取付溝24a,24bが成形される。前記下型42の内部は、前記突条部46A,46Bによって前部サポート部21を成形する第1領域48、後部サポート部22を成形する第2領域49及び両サイドサポート部23を成形する二つの第3領域50に仕切られている。
【0004】
前記クッションパッド14の成形作業においては、図15に示すように開放された下型42の第1領域48、第2領域49及び第3領域50に注入ノズル51,52を用いてウレタンフォームの原液P1,P2を注入する。その後、下型42の上面に上型を接合し、原液P1,P2を発泡・硬化させてクッションパッド14を成形する。(特許文献1参照)
【特許文献1】特開2001−70083号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の発泡成形型41は、図16に示すようように突条部46Aと突条部46Bが直交する交差部の下端隅部53において、ウレタンフォームの発泡工程の初期に、原液P1の発泡ウレタンのないエアポケットが生じる虞がある。この明細書では、図16に示すように、突条部46Aの第1領域48側の側面S1と、突条部46Bの第1領域48側の側面S2と、下型42の底面S3とが交わる一点(狭義の隅部;黒点)及びその近傍(広義の隅部)を総称して下端隅部53と定義する。前記下端隅部53のエアポケットを無くすためには、前記注入ノズル51を、予め設定された移動経路に沿って注入ロボットにより移動し、第1領域48及び第2領域49の下端隅部53まで全域にわたって原液P1を供給すればよい。しかし、ウレタンフォームの密度が低くなると、注入する原液P1の量も少なくなり、領域48,49の全域に原液P1を供給することができない。この場合には、原液P1の発泡工程における体積膨張の態様を考慮して成形されるクッションパッド14の品質を適正に保つ観点から前記第1,第2領域48,49の中央部のみに原液P1が注入され、前記隅部53には原液P1が供給されないのが現状である。
【0006】
前述した隅部53にエアポケットが生じるのを回避するため、図16に示すように下端隅部53と対応して側面S1に上下方向に延びるエア逃し溝54を形成すことが考えられる。しかし、このエア逃し溝54の上端開口部54aが突条部46Aの上面と同じ位置になっている。又、前記原液P1と原液P2との注入量及びそれらが発泡して体積が増大する速度は、同じにはならない。このため、第3領域50に注入された原液P2の発泡ウレタンが図16において突条部46Aの上面を乗り越えることもあり、この場合には、突条部46Aの上面に達した発泡ウレタンにより前記エア逃し溝54の上端開口部54aが閉塞されて、隅部53のエアを逃す効果が低下し、隅部53にエアポケットが生じることになる。
【0007】
前記隅部53にエアポケットが生じると、図13に示すようにクッションパッド14の取付溝24a,24bの交差部にウレタンフォームの無い欠損部14aが生じる。この欠損部14aが生じると、図14に示すようにクッションパッド14にシート表皮15を装着したとき、凹みが生じて外観が損なわれ、製品の品質が低下するという問題がある。
【0008】
本発明は、上記従来の問題点を解消して、成形型に注入された発泡樹脂の原液の発泡工程において、下型に設けられた複数条の突条部の交差部の隅部にエアポケットが生じるのを防止することができ、クッションパッドにエアポケットによる欠損部が生じるのを防止することができるクッションパッドの成形方法及びそれに用いる発泡成形型を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、下型の内底面に形成された互いに交差する複数条の突条部により仕切られた複数の領域にそれぞれ発泡樹脂の原液を注入する。この原液の発泡工程において、前記突条部の交差部の下端隅部に滞留しようとするエアを突条部に形成されたエア逃し通路から上方に逃す。そして、他領域から突条部を乗り越えて前記下端隅部側の領域に進入する発泡樹脂により前記エア逃し通路の上端開口部が閉塞されるのを閉塞防止手段により防止する。
【0010】
請求項2に記載の発明は、下型と上型により形成されるキャビティの底部に樹脂原料を注入して、クッションパッドを発泡成形するようにした発泡成形型において、前記下型の内底面に対し互いに交差する複数条の突条部を設ける。又、前記各突条部により下型の底部を複数の領域に仕切り、前記各突条部の交差部の下端隅部と対応して突条部に縦方向に溝状又はトンネル状のエア逃し通路をそれぞれ設ける。さらに、該エア逃し通路の上端開口部に対し他の領域内から樹脂発泡体が突条部を乗り越えて前記上端開口部を閉塞するのを防ぐための例えばブロック状の遮蔽部等の閉塞防止手段を設ける。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記閉塞防止手段は、前記エア逃し通路の開口部と対応して上方向に指向するように設けられた遮蔽部により形成されている。
請求項4に記載の発明は、請求項3において、前記遮蔽部は、前記突条部の上面の幅方向に関して前記エア逃し通路の上端開口部寄り位置に設けられ、前記突条部の上面に対し、クッションパッドの表面に表皮を取り付けるためのインサートワイヤーを支持するスペースが形成されている。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4において、前記遮蔽部には、前記エア逃し通路の上端開口部に連通するエア逃し通路が上方に指向するように形成されている。
請求項6に記載の発明は、請求項3又は4において、前記遮蔽部は、隣接する二つのエア逃し通路のそれぞれの上端開口部を取り囲むように形成されている。
【0013】
(作用)
この発明においては、成形型の下型に設けられた突条部の交差部の隅部に滞留しようとするエアが突条部に形成されたエア逃し通路から上方に逃される。このとき、他領域から突条部を乗り越えて前記隅部側の領域に発泡樹脂が進入した場合には、閉塞防止手段により前記エア逃し通路の上端開口部が閉塞されるのが防止される。このため、前記隅部に発泡樹脂の存在しないエアポケットが形成されるのが防止される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、前記突条部の交差部の隅部に発泡樹脂の存在しないエアポケットが形成されるのが防止されるので、クッションパッドに成形された取付溝の交差部にエアポケットによる欠損部が生じるのを防止でき、クッションパッドの表面にシート表皮を適正に装着することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を自動車の座席シートのクッションパッドの成形方法及びその発泡成形型に具体化した一実施形態を図1〜図7に従って説明する。なお、背景技術において説明されたクッションパッド14の構成及び発泡成形型の下型42の構成と同じ構成のものは、同一の符号を付して説明を省略あるいは簡略化する。
【0016】
図6は自動車のシートの座部となるシートクッションのクッションパッド14のみを示し、図13に示すクッションパッド14の構成と同様の構成であり、欠損部14aが存在しない点が異なる。図7はクッションパッド14にシート表皮15が適正に被覆されたシートクッションを示す。
【0017】
次に、図3〜図5に基づいて前記クッションパッド14の発泡成形型について説明する。
図4に示すように、この発泡成形型41は、前記クッションパッド14の上部側を成形する下型42と、前部サポート部21及び後部サポート部22の裏面を成形する上型でもある中型43と、前記サイドサポート部23の裏面を形成する上型44とにより構成されている。前記下型42、中型43及び上型44が図5に示すように型締めされることにより、シートクッションパッド14の成形用のキャビティ45が形成される。
【0018】
図3〜図5に示すように前記下型42の底面には、前記取付溝24a,24bを成形するための左右二条の突条部46Aと、両突条部46Aにそれぞれ直交する一条の突条部46Bとが全体として平面視H字状に形成されている。この突条部46A,46Bによって前記下型42の内部は第1領域48、第2領域49及び左右の第3領域50に仕切られている。
【0019】
次に、この実施形態の要部の構成に基づいて説明する。
図1に示すように、前記突条部46Aと突条部46Bの交差部の四つ( 図3参照) の下端隅部53には、クッションパッド14の発泡成形工程において、発泡ウレタンが満たされないエアポケットができるのを防止するため、各隅部53のエアを上方に逃すエア逃し通路としてのエア逃し溝54が形成されている。このエア逃し溝54は、前記突条部46Aの第1領域48側の側面S1に形成されるとともに、エア逃し溝54の一方の側面は、前記突条部46Bの第1領域48側の側面S2と面一になっている。
【0020】
前記突条部46Aの上面には前記エア逃し溝54の上端開口部54aが前記第3領域50から第1領域48又は第2領域49に流動しようとする発泡ウレタンにより閉塞されるのを防止するための閉塞防止手段としての閉塞防止部55がそれぞれ施されている。各閉塞防止部55は同様に構成されているので、第1領域48側の構造について以下に説明する。
【0021】
すなわち、前記突条部46Aの上面には、前記エア逃し溝54の上端開口部54aと対応してブロック状の遮蔽部56が上方向に指向するように一体に形成され、この遮蔽部56には前記エア逃し溝54の上端開口部54aに連通するように上下方向にエア逃し通路としてのエア逃し溝57が形成されている。前記遮蔽部56は、前記突条部46Aの上面の幅方向に関してエア逃し溝54の上端開口部54a寄り位置に形成され、突条部46Aの上面にインサートワイヤーYを支持するスペースが形成されている。
【0022】
図1に示す前記エア逃し溝54,57の幅Wは、1mm〜5mmの範囲で例えば2mmに設定されている。図2に示す前記エア逃し溝54,57の深さdは、1mm〜5mmの範囲で例えば2mmに設定されている。前記遮蔽部56の突条部46Bの上面からの高さhは、5〜20mmの範囲で、例えば10mmに設定されている。前記エア逃し溝54の幅Wが1mm以下では、隅部53のエア逃し効果が低下し、5mm以上では、ウレタンフォームがエア逃し溝54,57に侵入し易くなるので好ましくない。前記エア逃し溝54,57の深さdが1mm以下では、エアの逃し効果が低下し、5mm以上では、金型の加工が難しいだけでなく、発泡したウレタンフォームがシートクッションパッドより千切れて該エア逃し溝54,57内に残ってしまい易くなるので望ましくない。前記遮蔽部56の高さhが5mm以下では閉塞防止効果が低下し、20mm以上では、加工が難しくなるので好ましくない。
【0023】
次に、前記のように構成された発泡成形型41を用いてシートクッションパッド14を成形する方法について説明する。
最初に、図4に示すように前記下型42から中型43及び上型44が上方に離型された状態で、下型42の第1領域48及び第2領域49内の中央部に注入ノズル51を用いて低硬度のウレタンフォームの原液P1を注入する。又、前記両第3領域50に注入ノズル52を用いて高硬度のウレタンフォームの原液P2を注入する。
【0024】
次に、図5に示すように中型43及び上型44を下型42の開口42aに接合して型締めする。この状態で二種類のウレタンフォームの原液P1,P2がそれぞれ発泡されてキャビティ45内の所定の領域に充満され、シートクッションパッド14が成形される。
【0025】
ウレタンフォームの原液P1,P2が発泡、硬化された後、下型42から中型43及び上型44を離隔し、シートクッションパッド14を下型42から脱型する。このようにして成形されたシートクッションパッド14においては、前記突条部46A,46Bによってクッションパッド14の表面に取付溝24a,24bが形成される。
【0026】
従って、上記実施形態の発泡成形型41によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、下型42の底面に形成された突条部46Aと突条部46Bが直交する交差部の隅部53と対応するように突条部46Aの側面S1にエア逃し溝54を形成するとともに、突条部46Aの上面にエア逃し溝54の上端開口部54aが閉塞されるのを防止する閉塞防止部55を形成した。このため、図2に示すように第1領域48内の原液P1が発泡されて発泡ウレタンP1aが突条部46Bの上面に達する以前に、前記第3領域50に注入された原液P2の発泡ウレタンP2aが突条部46Aの上面に流動しても遮蔽部56によって発泡ウレタンP2aが図1に矢印で示すようにエアの逃し溝54の上端開口部54aの側方を流れ、上端開口部54aが発泡ウレタンP2aにより閉塞されることはない。この結果、隅部53に残留していたエアがエア逃し溝54,57によって上方に排出されて、隅部53にエアポケットが形成されるのを防止することができ、成形されたクッションパッド14に欠損部が形成されることはなく、図7に示すようにクッションパッド14の表面にシート表皮15を適正に被覆することができる。
【0027】
(2)上記実施形態では、前記突条部46Aの上面の幅方向に関してエア逃し溝54の上端開口部54a寄り位置に遮蔽部56が形成され、突条部46Aの上面に表皮15の取付用のインサートワイヤーYを支持するスペースが形成されている。このため、インサートワイヤーYを埋設するクッションパッド14の成形に用いることができる。
【0028】
(3)上記実施形態では、隅部53と対応してエア逃し溝54,57を設けたので、隅部53のエアを効率良く排出することができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・図8に示すようにエア逃し溝54の幅Wと同じ幅の遮蔽部56を形成してもよい。
・図9に示すように二箇所に隣接するように形成された二つのエア逃し溝54の上端開口部54aを一つの遮蔽部56により取り囲むようにしてもよい。
・図10に示すように前記隅部53の一点(黒点で狭義の隅部)から離れた近傍(広義の隅部)にエア逃し溝54及び閉塞防止部55を形成するようにしてもよい。前記隅部53の一点からエア逃し溝54の外側縁までの距離Lは、1〜10mmの範囲に設定され、1〜5mmの範囲が望ましい。
・図11に示すように前記突条部46Aの上面に対しエア逃し溝54の上端開口部54aを覆うように閉塞防止部55の遮蔽部56を形成してもよい。
【0029】
・図12に示すように前記エア逃し溝54,57に代えて、トンネル状のエア逃し通路61を形成し、遮蔽部56に前記通路61の上端開口部61aと連通するトンネル状のエア逃し通路62を形成してもよい。
【0030】
・図示しないが、前記突条部46Bの側面S2側にエア逃し溝54及び閉塞防止部55を形成してもよい。
・本発明は、上記のように自動車の座席用のシートクッションパッド14や背中を支持するシートバックパッドに適用することができるが、自動車用以外のシートクッションパッドやシートバックパッド等にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】この発明のクッションパッドの発泡成形型の要部を示す拡大斜視図。
【図2】発泡成形型の要部の作用を説明する縦断面図。
【図3】下型を示す斜視図。
【図4】発泡成形型によるシートクッションパッドの成形方法を説明する横断面図。
【図5】発泡成形型によるシートクッションパッドの成形方法を説明する型締め状態の横断面図。
【図6】自動車の乗員室のシートのシートクッションパッドの斜視図。
【図7】シートクッションパッドに表皮を被覆した横断面図。
【図8】この発明の発泡成形型の別の実施形態を示す部分斜視図。
【図9】この発明の発泡成形型の別の実施形態を示す部分斜視図。
【図10】この発明の発泡成形型の別の実施形態を示す部分斜視図。
【図11】この発明の発泡成形型の別の実施形態を示す部分縦断面図。
【図12】この発明の発泡成形型の別の実施形態を示す部分縦断面図。
【図13】自動車の乗員室のシートのシートクッショクパッドの斜視図。
【図14】シートクッションパッドに表皮を被覆した横断面図。
【図15】従来の発泡成形型の下型の斜視図。
【図16】従来の発泡成形型の下型の部分拡大斜視図。
【符号の説明】
【0032】
Y…インサートワイヤー、14…クッションパッド、41…発泡成形型、42…下型、44…上型、45…キャビティ、46A,46B…突条部、54…エア逃し溝、54a,61a…上端開口部、55…閉塞防止手段としての閉塞防止部、56…遮蔽部、61,62…エア逃し通路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下型の内底面に形成された互いに交差する複数条の突条部により仕切られた複数の領域にそれぞれ発泡樹脂の原液を注入し、この原液の発泡工程において、前記突条部の交差部の下端隅部に滞留しようとするエアを突条部に形成されたエア逃し通路から上方に逃し、他領域から突条部を乗り越えて前記下端隅部側の領域に進入する発泡樹脂により前記エア逃し通路の上端開口部が閉塞されるのを閉塞防止手段により防止することを特徴とするクッションパッドの成形方法。
【請求項2】
下型と上型により形成されるキャビティの底部に樹脂原料を注入して、クッションパッドを発泡成形するようにした発泡成形型において、
前記下型の内底面に対し互いに交差する複数条の突条部を設け、前記各突条部により下型の底部を複数の領域に仕切り、前記各突条部の交差部の下端隅部と対応して突条部に縦方向にエア逃し通路をそれぞれ設け、該エア逃し通路の上端開口部に対し他の領域内から樹脂発泡体が突条部を乗り越えて前記上端開口部を閉塞するのを防ぐための閉塞防止手段を設けたことを特徴とするクッションパッドの発泡成形型。
【請求項3】
請求項2において、前記閉塞防止手段は、前記エア逃し通路の開口部と対応して上方向に指向するように設けられた遮蔽部により形成されていることを特徴とするクッションパッドの発泡成形型。
【請求項4】
請求項3において、前記遮蔽部は、前記突条部の上面の幅方向に関して前記エア逃し通路の上端開口部寄り位置に設けられ、前記突条部の上面にインサートワイヤーを支持するスペースが形成されていることを特徴とするクッションパッドの発泡成形型。
【請求項5】
請求項3又は4において、前記遮蔽部には、前記エア逃し通路の上端開口部に連通するエア逃し通路が上方に指向するように形成されていることを特徴とするクッションパッドの発泡成形型。
【請求項6】
請求項3又は4において、前記遮蔽部は、隣接する二つのエア逃し通路のそれぞれの上端開口部を取り囲むように形成されていることを特徴とするクッションパッドの発泡成形型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−168446(P2008−168446A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−1195(P2007−1195)
【出願日】平成19年1月9日(2007.1.9)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】