説明

クラッチ板用のホルダーディスク、クラッチ板及びそれを製造する方法

【課題】クラッチ板用のセグメント化したホルダーディスクに関する。
【解決手段】ホルダーディスク(1)を複数の特に二つのセグメント化したホルダーディスククラッチ板(1a,1b)で形成しており、そのとき隣接するホルダーディスククラッチ板(1a,1b)のセグメント(2、3、4、5、6、7)が、お互いにずれて配置されている。ホルダーディスク(1)ないしクラッチ板を製造するために、接着方法、溶接方法、又はリベット留めを提案している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求項1の前書き部分すなわちプリアンブルによるクラッチ板用ホルダーディスク、特許請求項5のプリアンブルによるクラッチ板、特許請求項10のプリアンブルによるホルダーディスクを製造する方法、そして特許請求項11のプリアンブルによるクラッチ板を製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ブレーキ装置又はクラッチ装置は、好ましくは基本的にリング形状の構造をした一つ又は複数の摩擦ディスクを有する。多板式クラッチは、一般的にクラッチ板と呼ぶ二つ又はそれ以上の摩擦ディスクをベースにしている。このクラッチ板の第一のグループ、いわゆる外側クラッチ板は、例えば対応する歯により、第一軸、例えば駆動軸と繋がっている外側クラッチ板ホルダーと相対回転しないように接続され、そしてこのクラッチ板の第二のグループ、いわゆる内側クラッチ板は、第二軸、例えば非駆動軸と繋がっている内側クラッチ板ホルダーと相対回転しないように接続されている。両グループのクラッチ板は、クラッチ板ユニットを形成して交互に配置されている。このとき外側クラッチ板と内側クラッチ板は、軸方向でお互いに制限されるが移動可能であり、そしてペアとなってそのお互いに境界となる側面で摩擦接続する。摩擦ライニングのあるなしによってクラッチ板は区別される。
【0003】
摩擦ライニングのあるクラッチ板又は摩擦ディスクは、好ましくは金属のリング形状で構成されたホルダーを有しており、その一つ又は両方の側面に、例えば有機材料又は無機材料のファイバー材料でつくられた摩擦ライニングが取り付けられている。摩擦ライニングのない摩擦ディスク、いわゆるスチールクラッチ板は、いわばホルダーだけで出来ている。
【0004】
前述の種類の摩擦ライニングは当初、一個体で設計されていた。ファイバー材料は一般的にプレート形状で提供され、それから摩擦ライニングを切り出し又は取り出すので、使用できる大きな断片が得られない。
【0005】
よって、摩擦材料を節約するために、セグメント形状、特にリングセグメント形状の摩擦ライニングセグメントを、薄い(ファイバー)材料から切り出す又は打ち抜いて、ホルダー上で例えばリング形状であり円周方向又は場合によりラジアル方向にも配置したセグメントから成る摩擦ライニングに継ぎ合わせることが、今までは一般的となっている。その場合、種々の数の断片を使ったいろいろな方法が使われる。例えとして、米国特許第4,260,047号、米国特許第6,019,205号、WO99/64755A1、又は米国特許第6,409,006B1号の実施例を参照されたい。
【0006】
使用される金属のホルダーでは、材料の節約、そしてそれと関連する製造時のコスト削減に対する基本的に同じ要求がある。よって、米国特許第4,674,616号は類似の方法で、両側にファイバー材料で出来た摩擦ライニングを備えており多数のリングセグメントで出来たクラッチ板の金属のホルダーを継ぎ合わせることを提案している。リングセグメントを組み合わせたホルダーを有するこの種のクラッチ板の充分な機械的安定性を得るために、個々のリングセグメントは、継ぎ合わせるその端部で、形状を補完する突起部及び凹部すなわち切欠き部を有している。加えて、同様にセグメント化し好ましくはファイバーの摩擦ライニングのセグメントを、円周方向でホルダーセグメントに対してずらして配置することができる。
【0007】
ファイバー材料の摩擦ライニングを有するクラッチ板のこの実施方法が、理由に基づいていることが分かるにも拘わらず、その機械的安定性は常に充分であると言えない。特に、摩擦ライニングがない、又は片側のみに配置した摩擦ライニングを有するクラッチ板では、ホルダーのセグメント化においてしばしば、必要な機械的安定性を有した状態で製造できないことがある。
【0008】
【特許文献1】米国特許第4,260,047号
【特許文献2】米国特許第6,019,205号
【特許文献3】WO99/64755A1
【特許文献4】米国特許第6,409,006B1号
【特許文献5】米国特許第4,674,616号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
よって本発明の課題は、より高い機械的安定性を有するクラッチ板用のセグメント化したホルダーディスク、そしてセグメント化したホルダーのあるクラッチ板を提供することである。加えて、それを製造する方法も提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は本発明に従い、特許請求項1の特徴部分に記載の特徴を有するクラッチ板用のセグメント化したホルダーディスクにより、特許請求項5の特徴部分に記載の特徴を有するセグメント化したホルダーディスクのあるクラッチ板により、特許請求項10と13の特徴部分に記載の特徴を有するセグメント化したホルダーディスクを製造するための方法により、そして特許請求項11と12の特徴部分に記載の特徴を有するセグメント化したホルダーディスクを有するクラッチ板を製造するための方法により解決される。
【0011】
本発明による利点ある実施例及び別の構成を、従属請求項に記載している。
米国特許第4,674,616号の教義に従い製造されたクラッチ板の必要な機械的安定性は、お互いに接続するホルダーセグメントの形状を、お互いを補完するように充分に正確に製造できないので、しばしば十分でないことが分かった。それにより、隣接するセグメント間で摩擦表面に対して直角に動けないだけでなく、隣接するセグメントの傾きも招き兼ねない。隣接するホルダーセグメントの平行移動を防ぐために、摩擦ライニングのファイバー材料及びセグメント自体が充分な強度を有する一方、摩擦ライニング及びセグメント自体による後に挙げた揺動運動を充分に抑えることができない。それだけに尚更、隣接するセグメントの固定のみにより機械的安定性を確保せねばならない摩擦ライニングのないセグメント化したホルダーで、この問題が表れる。
【0012】
よって本発明は、機械的安定性をを増すために、隣接するホルダーセグメントの傾きを避けねばならないという考えに基づいている。
よって本発明によれば、セグメント化したホルダーディスクを、複数特に二つのセグメント化したホルダーディスククラッチ板で形成している。そこでは、隣接したホルダーディスククラッチ板のセグメントを、不可欠ではないが好ましくは、お互いに(好ましくはセグメント長さの半分だけ)円周方向にずらして配置している。ホルダーディスクをつくっている(金属の)材料を曲げることが、本質的に摩擦ライニングのファイバー材料より難しいので、この対応により、隣接するセグメントがホルダーディスククラッチ板内でお互いにズレ回転することを防ぐ。よってホルダーディスクが、一個体でつくったホルダーディスクと殆ど同じように機械的に安定する。
【0013】
ホルダーディスククラッチ板の数が増加すると共に、安定性はある上限まで増加するにも拘わらず、製造ステップの数、それにより製造コストを少なく維持するために、僅か二つのホルダーディスククラッチ板を重ね合わせてホルダーディスクとすることが好都合である。ホルダーディスククラッチ板当たりの使用セグメントの数は、基本的に任意である。奇数に分割することは、安定性の理由から必要としない。ホルダーディスククラッチ板当たり3つを超えるセグメントを設けることを推奨する。実際に設けられるセグメントの数は、一般的に製造コストによって決まり、そのとき一つにはセグメントの数が多いと材料節約できるが、同時に更なる製造ステップにより製造する手間が増える。
【0014】
本発明による特に好ましい構成では、隣接するホルダーディスククラッチ板のセグメントを、機械的にお互いに接続する、すなわち溶接又はリベット継ぎで接続するようにしている。
簡単な方法では、ホルダーディスクを接着により、それによりコスト的に有利に以下のように製造することができる。
【0015】
第一のステップでは、金属の冷延バンドの片側又は両側に弾性のある接着剤をつける。酸洗い工程又はニカワ工程を省くことができる。
冷延バンドの幅が小さいことにより、簡単にブラシ加工又は研削加工及びローラーでの接着剤の塗り付け、及びその後の乾燥を行うことができるので、冷延バンドに接着剤を付けることに利点がある。
【0016】
第二のステップでは、ホルダーディスククラッチ板用の(好ましくは同一の)セグメントを、金属の冷延バンドから打ち抜く。
第三のステップでは、打ち抜いたセグメントを第一のホルダーディスククラッチ板に継ぎ合わせる。
【0017】
第四のステップでは、打ち抜いたセグメント製の第一のホルダーディスククラッチ板のリングの面すなわちリング状の面の一つに、(対称的理由及び安定性理由から好ましくはセグメント長さの半分だけずらして)第二のホルダーディスククラッチ板を継ぎ合わせる。場合によっては、打ち抜いたセグメント製の継ぎ合わせたホルダーディスククラッチ板のフリーなリングの側面すなわちリング状の面の一つに、(同じく好ましくはセグメント長さの半分だけずらして)別のホルダーディスククラッチ板を継ぎ合わせる。
【0018】
お互いが上下して配置されたホルダーディスククラッチ板のユニット全体を、第五のステップにおける接着工程で接着する。ホルダーディスククラッチ板を接着する代わりに、溶接方法を使用することもできる。特に本発明によれば、溶接点又はロール溶接継ぎ目又は凹凸によりお互いに溶接するようにしている。溶接の凹凸はできるだけ、摩擦ライニング上又はホルダーディスクの外側縁及び/又は内側縁にあるとよい。
【0019】
接着方法又は溶接方法の代わりに、隣接するホルダーディスククラッチ板の間で回転ズレしないように接続できるその他の方法も考えられる。本発明によれば特に、隣接して配置されたホルダーディスククラッチ板で形状を補完する突起部と凹部すなわち切欠き部を使って、例えば好ましくはラジアル方向に延伸する凸部すなわちウエブ及び対応する溝の形態で、お互いに境界を接するホルダーディスククラッチ板の間で回転ズレしない結合を形成ようにしている。
【0020】
基本的には、また、その他の方法で回転ズレをしないでお互いに接続する、そして場合により隣接するホルダーディスククラッチ板間の摩擦結合を生み出す手段も考えられる。専門家が個々にこの配置ないし方法のいずれを選ぶかは、一方ではコスト、他方ではつくるホルダーに対する機械的安定性要求によって決まる。
【0021】
一方で、ホルダーディスククラッチ板の個々のセグメントを正しく、すなわち、特に形状的に合ってずれることなく確実にお互いを継ぐために、そして他方で、ホルダーディスクの機械的な負荷能力の出来るだけ最大を狙うために、本発明によれば、各ホルダーディスククラッチ板の隣接するセグメントが、その(継ぎ合わせた状態で)お互いに境界を接する端部に、お互いに噛み合って形状的に補完する凹部すなわち切欠き部と突起部を有するようにしている。
【0022】
個々のホルダークラッチ板のセグメントは基本的に、明細書の始めに挙げた文献に記載のホルダーディスクないし摩擦ライニングのセグメントのような形式で構成できることを、ここではっきりと書き留めておく。
【0023】
各外側又は内側クラッチ板ホルダーに対して回転しないような接続をつくり出すために、本発明によれば、各ホルダーディスククラッチ板が、好ましくは対応する外歯又は内歯を有するようにしている。この外歯又は内歯は、ホルダークラッチ板の個々のセグメントを例えば前述の接着工程で回転しないようにお互いに接続する前に、例えば接着工具内でお互いに正確に整列するのにも適している。
【0024】
前述の種類のホルダーディスクだけで既に、摩擦ライニングのないクラッチ板として機能するにも拘わらず(この種のクラッチ板は専門用語で一般的にスチールクラッチ板と呼ばれる)、薄板化しかつセグメント化したホルダーディスクの一側面又は両側面に、特にファイバー材料で出来た摩擦ライニングを備えていることがある。
この摩擦ライニングは例えば、明細書の始めに挙げた文献に記載されているように、セグメント化し(そして場合により薄板化して)構成していることがある。
【0025】
本発明によるクラッチ板を製造するための方法は、つぎのステップを有することになる。
第一のステップでは、金属の冷延バンドに片側面又は両側面で弾性のある接着剤をつけることになる。
第二のステップでは、ホルダーディスククラッチ板の(好ましくは同一の)セグメントを、金属の冷延バンドから打ち抜く。これは、形状的にそして機能的に補完する歯形状を有することになる。
第三のステップでは、打ち抜いたセグメントを第一のホルダーディスククラッチ板に継ぎ合わせる。接合は、例えば加締め、形状補完する歯及び/又は溶接により行うことになる。
【0026】
第四のステップでは、打ち抜いたセグメントで出来た第一のホルダーディスククラッチ板の側面の一つに、好ましくはセグメント長さの半分だけ円周方向にずらして、第二のホルダーディスククラッチ板を継ぎ合わせる。ホルダーディスクの実施形態に従い、同じく加締め、形状補完する歯形状、又は溶接を使って継ぎ合わせを行う。場合によって、継ぎ合わせたホルダーディスククラッチ板のフリーなすなわち自由な側面の一つに、(例えばセグメント長さの半分だけ)打ち抜いたセグメントからずらして(円周方向にずらして)、別のホルダーディスククラッチ板を継ぎ合わせる。場合によって一つ又は両方のリング状の面に、場合によって同様にセグメント化した摩擦ライニングを配置する。
ホルダーディスククラッチ板及び場合によって摩擦ライニングを、第五のステップにおいて接着プロセスでお互いに接着する。その後、スチールクラッチ板を研磨する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明を、図面を使って詳細に説明する。
図1は、摩擦ライニングのついた摩擦クラッチ板ないし摩擦ライニングのないクラッチ板用の、本発明によるセグメント化したホルダーディスク1を示している。
ホルダーディスク1には、二つのホルダーディスククラッチ板、すなわち第一のホルダーディスククラッチ板1a及び第二のホルダーディスククラッチ板1bを含んでいる。両方のホルダーディスククラッチ板1aと1bは、全く同一に設計されている。呈示している実施例でホルダーディスククラッチ板1a及び1bは、6つの同一な単一セグメント2、3、4、5、6、7で(したがって、ホルダーディスククラッチ板1aは3つの同一の単一セグメント2、4、6で、ホルダーディスククラッチ板1bは3つの同一の単一セグメント3、5、7で)出来ている。各セグメント2、3、4、5、6、7には、その端部で突起部11、13及び凹部すなわち切欠き部10、12が形成されている。図1においては、第一ホルダーディスククラッチ板1aの3番目セグメント6と1番目のセグメント2との接続部を構成する突起部及び凹部すなわち切欠き部には、相当する参照番号、突起部には11及び13を、また切欠き部には10及び12を例示的に付している。隣接するセグメント2、3、4、5、6、7、の突起部11、13と切欠き部10、12は、形状的に補完するように構成されているので、個々のセグメント2、4、6及び3、5、7は、簡単な方法で一つのリングに組み合わせることができる。ホルダーディスククラッチ板1aと1bとは、隣接するセグメントの接続部がセグメントの長さの半分だけ円周方向にずらして(図1(A)で実線図示の接続部(10、12及び11、13)は破線図示の接続部(10、12及び11、13)とセグメントの長さの半分だけずれている)互いに固定されている。上記実施形態では各ホルダーディスククラッチ板が3つのセグメントで構成されている例を示したが、ホルダーディスククラッチ板当たりの使用セグメントの数は、基本的に任意であり、3つを超えるセグメントを設けることも可能である。両ホルダーディスククラッチ板1aと1bとの間の接続は、先に説明した種々の方法で行われ得る。
【0028】
例として図示しているホルダーディスククラッチ板1aは、その内周に歯14を有している。この歯14は、対応する外歯を有する(図示していない)内側クラッチ板ホルダーと、回転しないようにホルダーディスク1を接続するために設けられている。
【0029】
ホルダーディスク1を形成する二つのホルダーディスククラッチ板1a,1bは、お互いに上下(図1(B)において)に配置され、そしてお互いに回転しないように接続されている。その場合、両ホルダーディスククラッチ板1a及び1bの個々のセグメント2、4、6と3、5、7とは、お互いにずれて配置されている。このときセグメントの長さの半分の円周方向のズレを選択すると好ましい。図1においては、両ホルダーディスククラッチ板1a、1bの個々のセグメント2、4、6と3、5、7とのズレを、参照番号15と16を使って図示している。
【0030】
摩擦ライニングなしで、図1に示したホルダーディスク1は摩擦ライニングのないクラッチ板を形成している。既に個々に前記したように、ホルダーディスク1は一つ又は両方のリング状の面17、18に、ファイバー材料から成る摩擦ライニングを有することがある。その場合には、いわゆる摩擦クラッチ板ということになる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】(A)は摩擦クラッチ板ないし摩擦ライニングのないクラッチ板用のホルダーディスクの平面図を示し、(B)はそのホルダーディスクの側面図を示す。
【符号の説明】
【0032】
1 ホルダーディスク
1a 第一ホルダーディスククラッチ板
1b 第二ホルダーディスククラッチ板
2、4、6 第一のホルダーディスククラッチ板のセグメント
3、5、7 第二のホルダーディスククラッチ板のセグメント
10、12 凹部すなわち切欠き部
11、13 突起部
14 内歯
17、18 リング状の面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラッチ板用のセグメント化したホルダーディスクにおいて、
ホルダーディスク(1)が複数の、特に二つのセグメント化したホルダーディスククラッチ板(1a、1b)で形成されており、その場合隣接するホルダーディスククラッチ板(1a、1b)のセグメント(2、3、4、5、6、7)が、好ましくはお互いにずれて配置されていることを特徴とするセグメント化したホルダーディスク(1)。
【請求項2】
隣接するホルダーディスククラッチ板(1a、1b)のセグメント(2、3、4、5、6、7)が、お互いに接着されている、又は特に溶接点又はロール溶接継ぎ目を介してお互いに溶接されている、又は側面で形状的に補完する突起部と切り取り部、特に好ましくはラジアル方向に延伸する凸部と溝を使って、リベットを使って、そして/又は摩擦結合及び/又は形状結合を生み出す手段を使って、回転しないようにお互いに接続されていることを特徴とする請求項1に記載のセグメント化したホルダーディスク(1)。
【請求項3】
各ホルダーディスククラッチ板(1a、1b)の隣接するセグメント(2、3、4、5、6、7)が、端部で形状的に補完する切欠き部(10、12)と突起部(11、13)を有することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のセグメント化したホルダーディスク(1)
【請求項4】
各ホルダーディスククラッチ板(1a、1b)が、好ましくは対応する外歯又は内歯(14)を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセグメント化したホルダーディスク(1)。
【請求項5】
ホルダーディスク(1)が複数の、特に二つのセグメント化したホルダーディスククラッチ板(1a、1b)で形成されており、その場合隣接するホルダーディスククラッチ板(1a、1b)のセグメント(2、3、4、5、6、7)が、お互いにずれて配置されていることを特徴とするセグメント化したホルダーディスク(1)のついたクラッチ板。
【請求項6】
隣接するホルダーディスククラッチ板(1a,1b)のセグメント(2、3、4、5、6、7)が、お互いに接着されている、又は特に溶接点又はロール溶接継ぎ目を介してお互いに溶接されている、又は側面で形状的に補完する突起部と切欠き部、特に好ましくはラジアル方向に延伸する凸部と溝を使って、リベットを使って、そして/又は摩擦結合及び/又は形状結合を生み出す手段を使って、回転しないようにお互いに接続されていることを特徴とする請求項5に記載のクラッチ板。
【請求項7】
各ホルダーディスククラッチ板(1a、1b)の隣接するセグメント(2、3、4、5、6、7)が、端部で形状的に補完する切欠き部(10、12)と突起部(11、13)を有することを特徴とする請求項5又は6のいずれかに記載のクラッチ板。
【請求項8】
一つのリング状の面(17、18)又は両方のリング状の面(17、18)に、摩擦ライニング、特にファイバー材料製のものを設けていることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のクラッチ板。
【請求項9】
摩擦ライニングが、セグメント化され、又は完全なリングとして構成されていることを特徴とする請求項8に記載のクラッチ板。
【請求項10】
セグメント化したホルダーディスク(1)を製造する方法において、
第一のステップでは金属の冷延バンドに片側又は両側で弾性のある接着剤をつけ、第二のステップでは好ましくは同一のホルダーディスククラッチ板(1a、1b)用のセグメント(2、3、4、5、6、7)を、金属の冷延バンドから打ち抜き、そして第三のステップでは打ち抜いたセグメント(2、3、4、5、6、7)から第一のホルダーディスククラッチ板(1a、1b)を継ぎ合わせ、そして第四のステップでは第一ホルダーディスククラッチ板(1a、1b)のリング状の面の一つに、好ましくはセグメント長さの半分だけ、打ち抜いたセグメント(2、3、4、5、6、7)からずらして、第二のホルダーディスククラッチ板(1a、1b)を継ぎ合わせ、そして場合によって更に、継ぎ合わせたホルダーディスククラッチ板(1a、1b)のフリーなリング状の面の一つに、好ましくはセグメントの長さの半分だけ、打ち抜いたセグメント(2、3、4、5、6、7)からずらして、別のホルダーディスククラッチ板(1a、1b)を継ぎ合わせ、そしてホルダーディスククラッチ板(1a、1b)を第五のステップにおいて接着プロセスで接着することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のセグメント化したホルダーディスクを製造する方法。
【請求項11】
第一のステップでは金属の冷延バンドに片側又は両側で弾性のある接着剤をつけ、第二のステップでは好ましくは同一のホルダーディスククラッチ板(1a、1b)用のセグメント(2、3、4、5、6、7)を、金属の冷延バンドから打ち抜き、そして第三のステップでは打ち抜いたセグメント(2、3、4、5、6、7)から第一のホルダーディスククラッチ板(1a、1b)を継ぎ合わせ、そして第四のステップでは第一のホルダーディスククラッチ板(1a、1b)のリング状の面の一つに、好ましくはセグメント長さの半分だけ、打ち抜いたセグメント(2、3、4、5、6、7)からずらして、第二のホルダーディスククラッチ板(1a、1b)を継ぎ合わせ、そして場合によって更に、継ぎ合わせたホルダーディスククラッチ板(1a、1b)のフリーなリング状の面の一つに、好ましくはセグメントの長さの半分だけ、打ち抜いたセグメント(2、3、4、5、6、7)からずらして、別のホルダーディスククラッチ板(1a、1b)を継ぎ合わせ、そして場合により一つ又は両方のフリーなリング状の面に、場合により同じくセグメント化した摩擦ライニングを配置し、そしてホルダーディスククラッチ板(1a、1b)そして場合により摩擦ライニングを第五のステップにおいて、接着工程でお互いに継ぐことを特徴とする請求項5〜10のいずれかに記載のクラッチ板を製造するための方法。
【請求項12】
個々のセグメント(2、3、4、5、6、7)がお互いに溶接又はリベット留めされていることを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載のクラッチ板を製造するための方法。
【請求項13】
個々のセグメント(2、3、4、5、6、7)がお互いに溶接又はリベット留めされていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のホルダーディスクを製造するための方法。

【図1】
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【公開番号】特開2006−118713(P2006−118713A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−306500(P2005−306500)
【出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【出願人】(500124378)ボーグワーナー・インコーポレーテッド (302)
【Fターム(参考)】