ゴムホース及びその製造方法
【課題】樹脂による被覆管でゴムホースを被覆することなくその後の加硫処理を行い得て、被覆管の形成及び加硫後における被覆管の除去処理を省略でき、また加硫を短時間で行い得て、加硫処理を含めたホース製造を連続生産可能とし、生産性を従来に増して高め得るゴムホースを提供する。
【解決手段】ゴム内層18と、その外周側の補強線材を編組して成る第1補強層20と、更に外周側のカバー層22とを積層した形態のゴムホース10において、カバー層22の外周面に、最終の加硫処理の前において補強線材を編組して成る第2補強層23を被覆層として設けておく。
【解決手段】ゴム内層18と、その外周側の補強線材を編組して成る第1補強層20と、更に外周側のカバー層22とを積層した形態のゴムホース10において、カバー層22の外周面に、最終の加硫処理の前において補強線材を編組して成る第2補強層23を被覆層として設けておく。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車燃料系や水系の低圧用ホース,冷媒系(空調機器の冷媒輸送用ホース)や自動車のパワーステアリング用ホース,産業機器等の高圧用ホース等として好適なゴムホース及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴムホースの製造方法としては先ず押出成形等にてゴム内層を成形した後に、その外周面に補強糸等の補強線材を編組して成る補強層を形成し、更にその外周面に押出成形等にてカバー層を成形し、その後このようにして得たゴムホースの外周面に押出成形等にて樹脂の被覆管を形成し、その被覆管による被覆状態の下でゴムホースを加硫処理し、そして加硫処理後に樹脂の被覆管を割った上でこれを剥離除去し、加硫後のゴムホースを得るといった方法が用いられていた。
例えば下記特許文献1にこの種ゴムホースの製造方法が開示されている。
【0003】
しかしながらこのように樹脂の被覆管にてゴムホースの外周面を被覆した状態で加硫処理を行う従来のゴムホースの製造方法の場合、樹脂の被覆管の熱伝達率が悪いために加硫時においてゴムホースを昇温させるために長い時間がかかり、そのために加硫時間を短時間で済ますことができずに加硫処理に長時間かかってしまうといった問題があった。
また加硫処理に長時間かかってしまうことから、生産のライン速度が速いと加硫工程の設備が巨大化してしまうため、連続して生産することが困難になり、バッチ加硫,バッチ処理とならざるを得ない。
また逆にライン速度を落とすと連続で生産できても生産性が悪いといった問題が生じていた。
【0004】
またホース製造に当っては樹脂の被覆管の形成工程、即ちゴムホースの外周面に対する樹脂の被覆管による被覆工程、更には加硫後においてその被覆管を剥離除去する工程が必要で、これもまたホース製造の生産性を低下させる要因となっていた。
更に被覆管による被覆,被覆管の剥離除去のための設備が必要であるためホース製造のための全体の設備が複雑化し、生産ラインをコンパクトに構成するといったことが難しい問題があった。
【0005】
またこの製造方法は基本的に直管状のゴムホースを対象とするものであって、蛇腹形状を有するゴムホース即ち蛇腹ゴムホースの製造には適用できないといった問題があった。
蛇腹ゴムホースの場合、単に押出機から樹脂を円筒状に押し出してゴムホースの外周面を被覆しただけであると、ゴムホースにおける蛇腹形状部の谷部と樹脂の被覆管との間に隙間が生じてしまい、ゴムホースの外周面全面に樹脂の被覆管を密着状態とすることができず、従ってその後の加硫を良好に行うことができない。
【0006】
一方において、このような樹脂の被覆管による被覆を行わない状態で加硫を行うと、即ちゴムホースを裸のまま加硫すると、ゴムホース外周面に対する被覆管の拘束がないため、ゴムホースの内部に挿通したマンドレルからの熱膨張によって或いはゴム自体の熱膨張によってゴム内層が補強層の網の目を通って外周側に噴き出し、その結果として加硫後のゴムホースは外周面がイボイボの凹凸状となって外観が著しく悪化するのみならず、加硫時においてゴム内層,補強層,カバー層に対する内外からの加圧力が得られないため、それらゴム内層,補強層,カバー層同士の接着力が不足して、エアーが入り込むことにより膨れを生じるいわゆるエアー膨れを生じ、多くは製品として成り立たなくなってしまう。
【0007】
【特許文献1】特開平11−227022号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は以上のような事情を背景とし、樹脂による被覆管でゴムホースを被覆することなく加硫処理を行い得て、被覆管の被覆工程及び加硫後における被覆管の剥離除去工程を省略でき、また加硫を短時間で行い得て、加硫処理を含めたホース製造を連続生産可能とし、生産性を従来に増して高め得るゴムホース及びその製造方法を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
而して請求項1はゴムホースに関するもので、ゴム内層と、その外周側の補強線材を編組して成る第1補強層と、更に外周側のカバー層とを有するゴムホースにおいて、前記カバー層の外周面に補強線材を編組して成る第2補強層を被覆層として加硫接着してあることを特徴とする。
【0010】
請求項2のものは、請求項1において、前記第2補強層における補強線材が熱収縮性を有するものであることを特徴とする。
【0011】
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記ゴムホースが蛇腹形状を有する蛇腹ホースであることを特徴とする。
【0012】
請求項4のものは、請求項3において、前記ゴム内層がその内面において直接内部流体と接する最内層とされていることを特徴とする。
【0013】
請求項5のものは、請求項3において、前記ゴム内層の内面に内部流体と接する樹脂内面層が最内層として更に形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項6は請求項1のゴムホースの製造方法に関するもので、前記ゴム内層と第1補強層とカバー層とを積層した後に、更に前記第2補強層を被覆層として設け、しかる後にその外周面を被覆管にて被覆することなくその後の加硫処理を行うことを特徴とする。
【0015】
請求項7は請求項4のゴムホースの製造方法に関するもので、前記ゴム内層をインジェクション成形等の型成形にて予め蛇腹形状に加硫成形しておき、該ゴム内層に対して前記第1補強層とカバー層とを積層した後に、更に前記第2補強層を被覆層として設け、しかる後にその外周面を被覆管にて被覆することなくその後の加硫処理を行うことを特徴とする。
【0016】
請求項8は請求項5のゴムホースの製造方法に関するもので、前記樹脂内面層を予め蛇腹形状に成形しておき、該樹脂内面層に対して前記ゴム内層と第1補強層とカバー層とを積層した後に、更に前記第2補強層を被覆層として設け、しかる後にその外周面を被覆管にて被覆することなくその後の加硫処理を行うことを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【0017】
以上のように請求項1のゴムホースは、カバー層の外周面に、補強線材を編組して成る第2補強層を被覆層として加硫接着して成るもので、このゴムホースにあっては、補強線材を編組して成る補強層が少なくとも2層形成してあることから、それら第1補強層及び第2補強層を合せた補強層全体の編組密度が高まることによって、或いは第2補強層の編組密度を第1補強層の編組密度よりも高くし且つゴムの噴き出しを防止するに十分な高密度とすること等によって、樹脂の被覆管によりゴムホースの外周面を被覆して加硫処理を行わなくても、加硫時に第1補強層の網の目からゴムが外周側に噴き出すことによって外周面がイボイボ状の凹凸となるのを有効に防止することができる。
【0018】
また被覆層としての第2補強層が、加硫時においてカバー層の外周面からゴムホースを拘束状態とするため、加硫時に径方向外方に膨張しようとするゴム内層,第1補強層及びカバー層を第2補強層にて外周面から径方向内方に加圧することができ、これにより加硫設備で加圧状態を作り出すことなく、ゴム内層,第1補強層及びカバー層をその加圧力に基づいてゴムホース自身で強固に接着することができてエアー膨れ等の不具合を防止することができ、また加硫時においてその第2補強層によりゴムホースの外径を規制することができる。
特にこの被覆層としての第2補強層は、大きなテンションをかけて編組することにより、その加圧力を従来の樹脂の被覆管に増して大きくすることができる利点が得られる。
【0019】
本発明では、加硫処理後のゴム内層,第1補強層及びカバー層の互いの接着強度は40N以上の高強度とすることができ、このことから次の効果も得られる。
ゴムホースの端部に金具をかしめて他機器に接続する場合において、カバー層と第1補強層の密着不良によるシール性低下を防ぐために、予めゴムホースにおける金具のかしめ部分のカバー層を除去してから金具をかしめることがあるが、本発明によればゴム内層,第1補強層及びカバー層を強固に接着できるので、カバー層の除去を不要となすことができる。
【0020】
加えてこの請求項1のゴムホースは、樹脂の被覆管を外周面に被せない状態でホース取扱いを行い得ることから、その取扱性が良好である利点も得られる。
【0021】
本発明のゴムホースはまた、樹脂の被覆管を施すことなく加硫処理を行い得るものであることから、加硫時に短時間でゴムホースを必要な温度まで昇温させることができ、従って短時間で加硫を終えることができる。
従ってまた、従来のように加硫処理をバッチ処理としないで、且つライン速度を下げることなく連続加硫することが可能となり、それ故本発明によれば加硫処理を含むホース製造を連続生産することが可能となって、従来に増して生産性を大幅に向上させることができる。
【0022】
また本発明によれば、樹脂の被覆管を施す必要がないためにその被覆工程及び加硫後における被覆管の剥離除去工程を不要化でき、生産工程を簡略化し得て、生産性向上に資することができる。
また樹脂の被覆管による被覆を無くすことができるため、ホース製造のための設備を簡素化し得て、生産ラインをコンパクトに構成することができる。
【0023】
本発明においては、上記第2補強層を構成する補強線材として熱収縮性のものを用いることができ(請求項2)、この場合、加硫時の熱により被覆層としての第2補強層を径方向に収縮作用させて、第2補強層による径方向内方の加圧力を更に効果的に高めることができる。そしてこれによりゴム内層,第1補強層及びカバー層の互いの接着強度をより効果的に高めることができる。
ここで熱収縮性の補強線材として、例えば加熱時の熱収縮率が5%以上のものを好適に用いることができる。
尚この第2補強層は、主として加硫時に被覆層としての働きをもたせるべく設けられているものであるが、製品となった後においてはかかる第2補強層にプロテクタとして機能をもたせることができる。
【0024】
本発明は、特に蛇腹ゴムホースに適用して効果の大なるものである(請求項3)。
前述したように従来の樹脂の被覆管による加硫処理は、蛇腹ゴムホースの場合には適用が困難であるが、本発明によればこのような蛇腹ゴムホースであっても容易に対応することができる。
即ちカバー層の外周面形状が蛇腹形状をなしていても、そのカバー層の蛇腹形状の山部と谷部とに沿って補強線材を編組して行くことで、カバー層の蛇腹形状即ちゴムホースの蛇腹形状にもかかわらずその外周面全面に被覆層としての第2補強層を密着形成することができ、これによりその第2補強層により山部,谷部の各部を均等に被覆拘束した状態で、これを加硫処理することができる利点が得られる。
この場合において、第2補強層を構成する補強線材として熱収縮性のものを用いておけば、加硫時の熱収縮により第2補強層を蛇腹形状部の谷部に対し第2補強層をより確実に密着状態とすることができる。
【0025】
本発明において、上記ゴムホースはゴム内層をその内面において直接内部流体と接する最内層となしておくことができる(請求項4)。
或いはまた請求項5に従って、ゴム内層の内面に内部流体と接する樹脂内面層を最内層として更に形成しておくことができる。
【0026】
請求項6は請求項1のゴムホースの製造方法に係るもので、ゴム内層と第1補強層とカバー層とを積層した後に、第2補強層を被覆層として設け、その状態で外周面を被覆管にて被覆することなく、その後の加硫処理を行うもので、このようにすることで、ゴムホースを被覆管による被覆を施さない裸の状態で加硫処理を行うことができ、樹脂の被覆管による被覆の問題点を解消しながら、同時に従来においてゴムホースを裸のままで加硫したときに生ずる問題も解消することができる。
【0027】
請求項7は請求項4のゴムホースの製造方法に係るもので、ゴム内層をインジェクション成形等の型成形にて予め蛇腹形状に加硫成形した上で、そのゴム内層に対し第1補強層とカバー層とを積層し、その後第2補強層を被覆層として設けた後に、その後の加硫処理を行うもので、この製造方法の場合、加硫成形後の硬いゴム内層をマンドレル代わりに用いてその外周側に第1補強層,カバー層を積層形成することができる。
即ちマンドレルをゴムホース内に挿入しない状態で第1補強層を大きなテンションをかけてゴム内層の外周面に編組して行くことができ,マンドレルを用いることなく第1補強層を良好に蛇腹形状に形成して行くことができる。
従ってこの製造方法によれば、従来必要とされていたマンドレル自体も省略可能となり、ホースの連続生産がより容易となる利点が得られる。
【0028】
一方請求項8は、請求項5のゴムホースの製造方法に係るもので、ゴム内層の更に内面に樹脂内面層を最内層として有するゴムホースにおいて、その樹脂内面層を予め蛇腹形状に成形しておき、そしてこれをマンドレル代わりに用いてその外周側にゴム内層,第1補強層,カバー層,第2補強層を被覆層として積層するようになしたもので、この場合においてもマンドレルを用いることなく第1補強層を蛇腹形状に沿って大きなテンションをかけながら良好に形成して行くことができ、従ってこの請求項8の製造方法においても、マンドレルを用いることなくホース製造が可能となって、ホースの連続生産がより容易となる利点が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1及び図2において、10は例えば冷媒輸送用ホース(エアコンホース)等として用いられる蛇腹ゴムホースで、そのほぼ全体をなす蛇腹形状部10-1と、両端部の直管状のストレート形状部10-2とを有している。
この蛇腹ゴムホース10は最内層としてのゴム内層18を有し、その外周側に補強線材58(図6参照)を編組して成る第1補強層20が積層され、更にその外周側にカバー層22が、更にまたその外周側に補強線材58を編組して成る第2補強層23が順次積層された構造をなしている。
【0030】
ここでゴム内層18,第1補強層20,カバー層22及び第2補強層23は、図2に示しているように何れも蛇腹形状部10-1に対応する部分が蛇腹形状をなしており、また両端部のストレート形状部10-2に対応する部分が何れも直管状をなしている。
即ち図2に示しているようにゴム内層18,第1補強層20,カバー層22,第2補強層23の何れもが、それぞれのほぼ全体をなす蛇腹形状部18-1,20-1,22-1,23-1及び両端部のストレート形状部18-2,20-2,22-2,23-2をそれぞれ有している。
ここで第1補強層20,カバー層22,第2補強層23の蛇腹形状部20-1,22-1,23-1は、何れもゴム内層18の蛇腹形状部18-1に追従した断面波状をなす蛇腹形状をなしている。
【0031】
本実施形態において蛇腹ゴムホース10は、図1に示しているように蛇腹ゴムホース10を長手方向に連続して形成した長尺管10C(加硫後のもの)を1本の蛇腹ゴムホース10ごとに切断して得たものである。
【0032】
本実施形態において、蛇腹ゴムホース10は内径が5〜50mm程度のもので、このうちゴム内層18,カバー層22はそれぞれ厚みが2mm,1mm程度のものである。
【0033】
また材質については、ゴム内層18はIIR,ハロゲン化−IIR(Cl−IIR,Br−IIR),NBR,CR,EPDM,EPM,FKM,ECO,シリコーンゴム,ウレタンゴム,ヒドリンゴム,アクリルゴム等を用いることができる。
【0034】
また第1補強層20を構成する補強線材58としては熱収縮性(好ましくは加熱時の熱収縮率が5%以上のもの)を有するポリエステル,PET,ビニロン,アラミド或いは金属ワイヤー等を用いることができる。
【0035】
更にカバー層22としては上記ゴム内層18で列挙した各種ゴム材を用いることができるが、それ以外にも熱収縮チューブやエラストマーゴムと称される熱可塑性エラストマー(TPE)を使用することも可能で、材質としてはアクリル系,スチレン系,オレフィン系,ジオレフィン系,塩化ビニル系,ウレタン系,エステル系,アミド系,フッ素系等を用いることができる。
【0036】
更に第2補強層23を構成する補強線材58としては熱収縮性(好ましくは加熱時の熱収縮率が5%以上のもの)を有するPET,ポリエステル,アラミド等を好適に用いることができる。
【0037】
尚ゴム内層18は、内部を流通する流体に応じて適宜の材料を選択して用いることができる。
但しHFC系冷媒輸送用ホースの場合には、特にIIR,ハロゲン化−IIRの単独材又はブレンド材が好ましい。
この点はカバー層22についても同様である。
【0038】
一方被覆層としての第2補強層23は、ここでは第1補強層20よりも編組密度が高くされており、その編組密度は、内側のカバー層22が外側から見えない程度の密度とされている。
またこの第2補強層23は、ここではスパイラル編組にて構成されている。但しブレード編組にてこれを構成することも勿論可能である。
尚、上記の第1補強層20についてはここではブレード編組である。
【0039】
次に本実施形態の蛇腹ゴムホース10の製造方法を図3〜図11に基づいて以下に詳しく説明する。
先ず図3において、24はインジェクション成形機で、26は成形型である。
成形型26は外型28と中型30とを有していて、それらの間にキャビティ32を有している。
インジェクション成形機24では、このキャビティ32にゴム内層18用のゴム材を注入して所定時間加熱し、ゴム内層18を加硫成形する。
【0040】
加硫成形されたゴム内層18は、ロボットハンド34によりキャビティ32から取り出され(先ず中型30を外型28から分離した上、エアーブローにてゴム内層18を中型30から脱型)、次々と後工程の整列機36へと送られ、その整列機36の容器38内に投入される。
容器38内に投入されたゴム内層18は、容器38から縦向き且つ下向きに延び出したガイド管40内を1本ずつ自由落下し、上下方向に直列に整列される。
【0041】
各ゴム内層18はそのような上下の整列状態で次々と編組機52に通されて、それらの外周面に補強線材58が連続的に編組されて行く。即ち各ゴム内層18にまたがって第1補強層20が長尺に連続的に形成されて行く。
図3中10A及び図5(II)の10Aは、かかる第1補強層20を介して各ゴム内層18が長手方向に連結された状態の長尺管を表している。
【0042】
図6〜図9は編組機52の要部と編組の方法を示している。
この編組機52は、図6に示しているように円盤状のデッキ板54を有し、更に互いに対をなすキャリヤ56A,56Bを円周に沿って複数対有していて、互いに対をなすキャリヤ56A,56Bが8の字状に交叉運動しつつ、デッキ板54の中心周りを周回運動することで、補強線材58をゴム内層18の外周面にブレード編組して行く。
【0043】
図6において、60は各対をなすキャリヤ56A,56Bを互いに8の字状に交叉運動させながらデッキ板54の中心周りに周回運動させるための円盤で、図8(A)に示しているようにデッキ板54の中心周りの円周上にかかる円盤60が多数連設されている。
これら円盤60には、図8(B)に示しているように外周部にU字状の切欠62が設けられており、円盤60の同方向の回転に伴ってキャリヤ56A,56Bが、一の円盤60から隣接する他の円盤60へとそれら切欠62において受け渡される。
【0044】
ここでキャリヤ56Aと56Bとは、一の円盤60から互いに逆の側に連設した円盤60へと受け渡され、それぞれがデッキ板54の中心周りに互いに逆方向に周回運動して行く。
その結果として、キャリヤ56Aと56Bとが8の字状に交叉運動しながら、デッキ板54の中心周りに逆向きに周回運動して行く。
【0045】
図7に示しているように、各円盤60には被動ギヤ66が対応する各円盤60と一体回転する状態で設けられている。
また各被動ギヤ66は、隣接するもの同士が互いに噛み合わされている。
そして何れかの被動ギヤ66に対し駆動ギヤ68が噛み合っており、その駆動ギヤ68が駆動モータ70にて回転駆動される。
即ちこの駆動ギヤ68が駆動モータ70にて回転駆動されることで各被動ギヤ66、従って各円盤60が一斉に回転運動させられる。
【0046】
本実施形態では、既に加硫された後の硬いゴム内層18に対してその外周面に補強線材58を編組して行き、第1補強層20を連続的に形成して行く。
この第1補強層20の形成工程において、ゴム内層18が未加硫状態の軟らかいものである場合、補強線材58を大きなテンションをかけて編組して行くと、補強線材58の編組によってゴム内層18の形状が崩れてしまい、良好に編組を行うことができない。
【0047】
しかるに本実施形態ではゴム内層18が予め既に加硫成形された後の硬いものであるため、このゴム内層18を芯体としてその外周面に補強線材58を大きなテンションでブレード編組して行くことができる。
そのためゴム内層18のストレート形状部18-2はもとより、蛇腹形状部18-1においても補強線材58をゴム内層18の蛇腹形状部18-1の山部と谷部とに沿って良好に波状に編組して行くことができ、第1補強層20をゴム内層18における蛇腹形状部18-1に追従した蛇腹形状に良好に形成して行くことができる。
【0048】
本実施形態ではまた、より密着性を高めるためゴム内層18における蛇腹形状部18-1に対して編組を行う際、ストレート形状部18-2に対する編組のときよりもキャリヤ56A,56Bの回転速度を速くする(送り速度は一定)。
これによって蛇腹形状部18-1に対し、補強線材58を蛇腹の谷部により落ち込ませることができるため、密着性が向上し、良好に第1補強層20を形成できる。
【0049】
そのため本実施形態では、図7(A)に示しているように長尺管10Aの引取機50(駆動モータ71)の駆動と編組機52におけるキャリヤ56A,56B(駆動モータ70)の駆動とを別駆動とし、それらを制御部72にて自動制御する。
具体的には図9(B)に示すように、ゴム内層18の蛇腹形状部18-1が編組点Pにさしかかったところでキャリヤ56A,56Bの回転速度を速くし、そして蛇腹形状部18-1に続くストレート形状部18-2が図9(A)に示すように編組点Pに到ったところでキャリヤ56A,56Bの回転速度を通常の回転速度に戻すようにしている。
【0050】
その具体的な制御は次のようにして行う。
即ち、図9(A)に示しているようにゴム内層18の進行路に沿って定位置に設けたセンサ74が蛇腹形状部18-1の最初の山部の通過を検知してから、編組点Pからの距離L分だけゴム内層18が前進送りされたところで、駆動モータ70(図7参照)の回転速度を上げてキャリヤ56A,56Bの回転速度を高め、補強線材58の編組密度,編組のピッチを高める。
ここで距離Lの送りの検出は、引取機50に設けたエンコーダ76による送り量の検出に基づいて行うことができる。
【0051】
一方図9(B)に示すようにセンサ74がストレート形状部18-2を検出したら、その後ゴム内層18をL−L2分だけ前進送りしたところでキャリヤ56A,56Bの回転速度を通常の速度に戻す。
この結果、ストレート形状部18-2が編組点Pに到ったところから編組密度,編組ピッチが通常の密度,ピッチに変更される。
ここでL2を設定しているのは、センサ74によるストレート形状部18-2の検出を精度高く行うためには一定距離(図中L2)に亘ってセンサ74が山部を検出しないことをもって、初めてストレート形状部18-2が到達したことを認識できるからである。
【0052】
本実施形態では、以上のようにしてゴム内層18の蛇腹形状部18-1の山部及び谷部に沿って補強線材58を断面波状に即ち蛇腹形状に編組することができるが、但しこの編組工程のみで第1補強層20がゴム内層18における蛇腹形状部18-1の谷部の底まで密着する状態に編組されない場合も生じ得る。
即ち図11(A)(I)に示しているように、第1補強層20の谷部がゴム内層18の蛇腹形状部18-1の谷部から若干浮いた状態となることがある。
但し本実施形態では補強線材58として熱収縮性のものを用いているため、その後後述の加硫処理をすることで熱収縮性の補強線材58が熱収縮し、これにより第1補強層20がゴム内層18における蛇腹形状部18-1の谷部に密着するまで十分に落ち込んで、第1補強層20の蛇腹形状部20-1が、ゴム内層18の蛇腹形状部18-1に良好に追従した蛇腹形状となる(図11(A)(II)参照)。
【0053】
尚、図11(B)は比較例として熱収縮性の補強線材58を用いず且つ補強線材58に十分なテンションをかけないで編組を行ったときに、第1補強層20がゴム内層18の蛇腹形状に正確に追従せず、蛇腹形状部20-1の谷部がゴム内層18の谷部から浮いた状態となることを表している。
【0054】
以上のようにしてゴム内層18に対し補強線材58を連続編組し、各ゴム内層18にまたがって第1補強層20を長尺に連続形成して行った後、このようにして形成した長尺管10Aを、次に図10に示しているように押出機42に連続的に通して、その外周面にカバー層22を長尺に連続成形して行く。
【0055】
押出機42は長尺管10Aの図中右方への進行に伴って、その外周面を被覆するようにしてダイス44からゴム材を連続的に筒状に押し出して行く。
この場合単にゴム材を筒状に押し出すだけであると、押し出されたゴム材は直管状の円筒形状となってしまい、押出成形したゴム筒体と長尺管10Aにおける蛇腹形状部20-1の谷部との間に隙間が生じてしまう。
【0056】
そこでこの実施形態ではラッパ状の筒体46を設けて、その内側空間を真空吸引するようにしている。
これによりダイス44から筒状に押し出されたカバー層22のゴム材は、その真空吸引力により長尺管10Aにおける蛇腹形状部20-1の山部と谷部とに沿って密着し、長尺管10Aの蛇腹形状部20-1に追従した断面波状をなす蛇腹形状に成形される。
勿論長尺管10Aのストレート形状部20-2においては、その外周面に沿って密着し、対応する形状の直管状に成形される。
【0057】
この実施形態では、長尺管10Aを芯体としてその外周面にカバー層22を成形するものであることから、そのカバー層22を良好に蛇腹形状に成形することができる。
図3,図5(III),図10において10Bは、そのようにして長尺管10Aの外周面にカバー層22を被覆形成した後の長尺管を表わし、22-1はカバー層22における蛇腹形状部を、22-2はストレート形状部をそれぞれ表している。
尚図10において50は引取機である。
【0058】
この長尺管10Bは、続いて図4の編組機78に連続的に通されて、そこでカバー層22の外周面に補強線材58が連続的にスパイラル編組され、カバー層22の外周面に上記の第2補強層23が被覆層として連続的に形成されて行く。
ここで編組機78においては、補強線材58がスパイラル編組されて第2補強層23が形成されて行く。但し前述したようにスパイラル編組に代えてブレード編組するようにしても良い。
【0059】
この編組機78においても、補強線材58が長尺管10Bを芯体としてその外周面に大きなテンションで編組され、蛇腹形状部22-1の山部に対しても、また谷部に対しても良好に補強線材58が編組され、そこに第2補強層23が蛇腹形状に形成されて行く。
この点については編組機52による第1補強層20の形成と同様であり、また補強線材58として熱収縮性の補強線材が用いられていることから、加硫時の熱によって第2補強層23が熱収縮し、その際に補強線材58が蛇腹形状部22-1の谷部に良好に落ち込んで、その谷部においても補強線材58が良好に編組される点で第1補強層20と同様である。
尚この実施形態において第2補強層23は、補強線材58を4本並べて24個のキャリヤ56A,56Bで編組し構成している。
【0060】
図4及び図5(IV)の10Cは、このようにしてカバー層22の外周面に被覆層としての第2補強層23を連続的に形成した長尺管を表している。
この長尺管10Cは、続いて図4のトンネル炉形式の連続加硫炉80に連続的に通されて、そこで例えば熱風や高圧蒸気等により長尺管10Cが連続的に加硫されて行く。
尚加硫については、長尺管10Cを所定長さごとにバッチ式の加硫炉に所定時間装入して、そこでバッチ式に加硫処理を行うようにしても良い。
加硫後において、長尺管10Cは続いて自動切断機82で1本ごとの蛇腹ゴムホース10に切断されて行く。
【0061】
以上のような本実施形態の蛇腹ゴムホース10は、補強層として第1補強層20と第2補強層23とを2層形成してあることから、それら第1補強層20及び第2補強層23を合せた補強層全体の編組密度が高まり、加えて被覆層としての第2補強層23の編組密度自体が高密度となしてあることから、更には被覆層としての第2補強層23が加硫時においてカバー層22の外周面を拘束し、加硫時において径方向外方に膨張しようとするゴム内層18,第1補強層20及びカバー層22を径方向内方に加圧するため、樹脂の被覆管を施さない状態で加硫を行っても、ゴムホース10の外周面がイボイボの凹凸状とならないとともに、ゴム内層18,第1補強層20及びカバー層22をその加圧力に基づいて強固に接着することができる。
特にこの被覆層としての第2補強層23を大きなテンションをかけて編組することにより、その加圧力を樹脂の被覆管を用いた場合よりも更に増して大きくすることが可能であり、より接着力を向上させることができる。
【0062】
加えて本例の蛇腹ゴムホース10は、樹脂の被覆管にて被覆しない状態でホース取扱いを行い得ることから、その取扱性が良好である。
本例の蛇腹ゴムホース10はまた、樹脂の被覆管を施すことなく加硫処理を行い得るものであることから、加硫時において短時間で蛇腹ゴムホース10を必要な温度まで昇温させることができ、従って短時間で加硫を終えることができる。
そのため加硫処理をバッチ処理としないで連続加硫することができ、加硫処理を含むホース製造を連続生産することが可能となって、生産性を大幅に向上させることができる。
また樹脂の被覆管を施す必要がないため、その被覆工程及び加硫後における被覆管の剥離除去工程を不要化でき、生産工程を簡略化し得て、生産性向上に資することができる。
また樹脂の被覆管による被覆を無くすことができるため、ホース製造のための設備を簡素化し得て、生産ラインをコンパクトに構成することができる。
【0063】
また第2補強層23を構成する補強線材58として熱収縮性のものを用いているため、加硫時の熱により第2補強層23を径方向に収縮作用させて、この第2補強層23による加圧力を更に効果的に高めることができる。
【0064】
また本例によれば、カバー層22の外周面形状が蛇腹形状をなしていても、そのカバー層22の蛇腹形状の山部と谷部とに沿って容易に補強線材58を編組して行くことができ、かかるカバー層22の蛇腹形状にもかかわらず、その外周面に被覆層としての第2補強層23を密着状態に形成することができ、その第2補強層23にて山部,谷部の各部を均等に外周面から被覆拘束し、その状態で加硫処理を行うことができる。
【0065】
図12〜図14は本発明の他の実施形態を示している。
図12に示しているようにこの実施形態では、ゴム内層18の更に内面に樹脂内面層16が最内層として積層されて蛇腹ゴムホース12が構成されている。
図13は図12に示す断面構造の蛇腹ゴムホース12の製造方法を工程順に表したもので、図13(I)に示しているように、ここでは先ず樹脂を押出機から管状に押し出した後、これをコルゲート成形機にかけて蛇腹形状に成形して行く。
詳しくは樹脂の押出機とコルゲート成形機によって、蛇腹形状部16-1とストレート形状部16-2とを有する樹脂内面層16を連続的に成形して行く。
【0066】
図13(I)中12Aは、樹脂内面層16が長手方向に連続した形態の長尺管を表している。
この例では、その樹脂内面層16の長尺管12Aに対して、図13(II)に示しているように押出機によりゴム内層18がその外周面に連続的に押出成形される。図中12Bは長尺管12Aの外周側にゴム内層18が連続成形されて成る長尺管を表している。
その後、図13(III)に示しているようにこの長尺管12Bに対し、第1補強層20がその外周面に連続形成され(長尺管12C)、更に長尺管10Cの外周面に対して、図13(IV)に示しているようにカバー層22が連続的に積層形成される(長尺管12D)。
【0067】
このようにしてカバー層22の形成された長尺管12Dに対し、更にその外周側に上記と同様にして、図14(V)に示しているように第2補強層23が被覆層として形成される。図中12Eは第2補強層23を形成した後の長尺管を表している。
続いてこの長尺管12Eは上記と同様にして加硫処理され、その後に1本ごとの蛇腹ゴムホース12に切断されて行く(図14(VI)参照)。
【0068】
この実施形態においても、マンドレルを用いることなく第1補強層20,第2補強層23を蛇腹形状に沿って大きなテンションをかけながら良好に形成して行くことができ、ホースの連続生産を容易に実現することができる。
【0069】
図15は本発明の更に他の実施形態を示している。
図中14はゴムホースで、ここでは上記の蛇腹形状を有しない直管状をなしている。
このゴムホース14は、ゴム内層18と、第1補強層20と、カバー層22と、被覆層としての第2補強層23とを積層した形態のものである点で第1の実施形態と同様の断面構成を成している。
【0070】
この実施形態のゴムホース14は、蛇腹形状をなしていないことから、先ずゴム内層18を押出機から直管状に押出成形した後、その外周側に第1補強層20を連続的にブレード編組して形成し、更に続いてその外周側にカバー層22を円筒状に成形した上、更にその外周側に第2補強層23を積層形成する。
その後これを加硫処理し、続いてこれを所定寸法ごとに切断して1本ごとのゴムホース14を得る。
尚その最終の加硫時においては、ここではゴム内層18もカバー層22も同時に加硫される。
【0071】
この実施形態の製造方法では、押出機から直管状に押出成形した未加硫のゴム内層18の外周面に第1補強層20を編組し形成することから、その際にゴム内層18の内側にマンドレルを挿入しておいて、その状態で第1補強層20を形成するようになすのが好ましい。
ここでゴム内層18の内部に挿入されたマンドレルは加硫処理後においてゴムホースから抜き取られる。
【0072】
一般に耐圧性の高い高圧ゴムホースでは、ホース端部に金具をかしめつけてパイプ等と接続する場合、カバー層と第1補強層との密着不良によるシール性低下を防ぐため、予めゴムホースのかしめ部分のカバー層を除去してから金具かしめを行うことがあるが、この実施形態のゴムホース14ではゴム内層18,第1補強層20,カバー層22が強固に接着しているため、カバー層22の除去を不要となすことができる。
【0073】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれらはあくまで一例示であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態・態様で構成・実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の一実施形態である蛇腹ゴムホースの一例を示した斜視図である。
【図2】図1に示す蛇腹ゴムホースの断面図である。
【図3】図1に示す蛇腹ゴムホースの製造方法を示した工程説明図である。
【図4】図3に続く工程説明図である。
【図5】図3及び図4に示す各工程を経た蛇腹ゴムホースをそれぞれ示す図である。
【図6】補強層を編組する編組機を示す図である。
【図7】補強層の形成方法を示す図である。
【図8】図7の要部を示す図である。
【図9】補強層を編組する際の編組機におけるキャリヤの回転速度の制御方法を示す説明図である。
【図10】カバー層の成形方法を示す図である。
【図11】補強線材の編組の状態を比較例とともに示した図である。
【図12】本発明の他の実施形態を示す図である。
【図13】図12に示す蛇腹ゴムホース製造における工程ごとの蛇腹ゴムホースの形態変化を示す説明図である。
【図14】図13に続く形態変化の説明図である。
【図15】本発明の更に他の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0075】
10,12 蛇腹ゴムホース
14 ゴムホース
16 樹脂内面層
18 ゴム内層
20 第1補強層
22 カバー層
23 第2補強層
58 補強線材
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車燃料系や水系の低圧用ホース,冷媒系(空調機器の冷媒輸送用ホース)や自動車のパワーステアリング用ホース,産業機器等の高圧用ホース等として好適なゴムホース及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴムホースの製造方法としては先ず押出成形等にてゴム内層を成形した後に、その外周面に補強糸等の補強線材を編組して成る補強層を形成し、更にその外周面に押出成形等にてカバー層を成形し、その後このようにして得たゴムホースの外周面に押出成形等にて樹脂の被覆管を形成し、その被覆管による被覆状態の下でゴムホースを加硫処理し、そして加硫処理後に樹脂の被覆管を割った上でこれを剥離除去し、加硫後のゴムホースを得るといった方法が用いられていた。
例えば下記特許文献1にこの種ゴムホースの製造方法が開示されている。
【0003】
しかしながらこのように樹脂の被覆管にてゴムホースの外周面を被覆した状態で加硫処理を行う従来のゴムホースの製造方法の場合、樹脂の被覆管の熱伝達率が悪いために加硫時においてゴムホースを昇温させるために長い時間がかかり、そのために加硫時間を短時間で済ますことができずに加硫処理に長時間かかってしまうといった問題があった。
また加硫処理に長時間かかってしまうことから、生産のライン速度が速いと加硫工程の設備が巨大化してしまうため、連続して生産することが困難になり、バッチ加硫,バッチ処理とならざるを得ない。
また逆にライン速度を落とすと連続で生産できても生産性が悪いといった問題が生じていた。
【0004】
またホース製造に当っては樹脂の被覆管の形成工程、即ちゴムホースの外周面に対する樹脂の被覆管による被覆工程、更には加硫後においてその被覆管を剥離除去する工程が必要で、これもまたホース製造の生産性を低下させる要因となっていた。
更に被覆管による被覆,被覆管の剥離除去のための設備が必要であるためホース製造のための全体の設備が複雑化し、生産ラインをコンパクトに構成するといったことが難しい問題があった。
【0005】
またこの製造方法は基本的に直管状のゴムホースを対象とするものであって、蛇腹形状を有するゴムホース即ち蛇腹ゴムホースの製造には適用できないといった問題があった。
蛇腹ゴムホースの場合、単に押出機から樹脂を円筒状に押し出してゴムホースの外周面を被覆しただけであると、ゴムホースにおける蛇腹形状部の谷部と樹脂の被覆管との間に隙間が生じてしまい、ゴムホースの外周面全面に樹脂の被覆管を密着状態とすることができず、従ってその後の加硫を良好に行うことができない。
【0006】
一方において、このような樹脂の被覆管による被覆を行わない状態で加硫を行うと、即ちゴムホースを裸のまま加硫すると、ゴムホース外周面に対する被覆管の拘束がないため、ゴムホースの内部に挿通したマンドレルからの熱膨張によって或いはゴム自体の熱膨張によってゴム内層が補強層の網の目を通って外周側に噴き出し、その結果として加硫後のゴムホースは外周面がイボイボの凹凸状となって外観が著しく悪化するのみならず、加硫時においてゴム内層,補強層,カバー層に対する内外からの加圧力が得られないため、それらゴム内層,補強層,カバー層同士の接着力が不足して、エアーが入り込むことにより膨れを生じるいわゆるエアー膨れを生じ、多くは製品として成り立たなくなってしまう。
【0007】
【特許文献1】特開平11−227022号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は以上のような事情を背景とし、樹脂による被覆管でゴムホースを被覆することなく加硫処理を行い得て、被覆管の被覆工程及び加硫後における被覆管の剥離除去工程を省略でき、また加硫を短時間で行い得て、加硫処理を含めたホース製造を連続生産可能とし、生産性を従来に増して高め得るゴムホース及びその製造方法を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
而して請求項1はゴムホースに関するもので、ゴム内層と、その外周側の補強線材を編組して成る第1補強層と、更に外周側のカバー層とを有するゴムホースにおいて、前記カバー層の外周面に補強線材を編組して成る第2補強層を被覆層として加硫接着してあることを特徴とする。
【0010】
請求項2のものは、請求項1において、前記第2補強層における補強線材が熱収縮性を有するものであることを特徴とする。
【0011】
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記ゴムホースが蛇腹形状を有する蛇腹ホースであることを特徴とする。
【0012】
請求項4のものは、請求項3において、前記ゴム内層がその内面において直接内部流体と接する最内層とされていることを特徴とする。
【0013】
請求項5のものは、請求項3において、前記ゴム内層の内面に内部流体と接する樹脂内面層が最内層として更に形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項6は請求項1のゴムホースの製造方法に関するもので、前記ゴム内層と第1補強層とカバー層とを積層した後に、更に前記第2補強層を被覆層として設け、しかる後にその外周面を被覆管にて被覆することなくその後の加硫処理を行うことを特徴とする。
【0015】
請求項7は請求項4のゴムホースの製造方法に関するもので、前記ゴム内層をインジェクション成形等の型成形にて予め蛇腹形状に加硫成形しておき、該ゴム内層に対して前記第1補強層とカバー層とを積層した後に、更に前記第2補強層を被覆層として設け、しかる後にその外周面を被覆管にて被覆することなくその後の加硫処理を行うことを特徴とする。
【0016】
請求項8は請求項5のゴムホースの製造方法に関するもので、前記樹脂内面層を予め蛇腹形状に成形しておき、該樹脂内面層に対して前記ゴム内層と第1補強層とカバー層とを積層した後に、更に前記第2補強層を被覆層として設け、しかる後にその外周面を被覆管にて被覆することなくその後の加硫処理を行うことを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【0017】
以上のように請求項1のゴムホースは、カバー層の外周面に、補強線材を編組して成る第2補強層を被覆層として加硫接着して成るもので、このゴムホースにあっては、補強線材を編組して成る補強層が少なくとも2層形成してあることから、それら第1補強層及び第2補強層を合せた補強層全体の編組密度が高まることによって、或いは第2補強層の編組密度を第1補強層の編組密度よりも高くし且つゴムの噴き出しを防止するに十分な高密度とすること等によって、樹脂の被覆管によりゴムホースの外周面を被覆して加硫処理を行わなくても、加硫時に第1補強層の網の目からゴムが外周側に噴き出すことによって外周面がイボイボ状の凹凸となるのを有効に防止することができる。
【0018】
また被覆層としての第2補強層が、加硫時においてカバー層の外周面からゴムホースを拘束状態とするため、加硫時に径方向外方に膨張しようとするゴム内層,第1補強層及びカバー層を第2補強層にて外周面から径方向内方に加圧することができ、これにより加硫設備で加圧状態を作り出すことなく、ゴム内層,第1補強層及びカバー層をその加圧力に基づいてゴムホース自身で強固に接着することができてエアー膨れ等の不具合を防止することができ、また加硫時においてその第2補強層によりゴムホースの外径を規制することができる。
特にこの被覆層としての第2補強層は、大きなテンションをかけて編組することにより、その加圧力を従来の樹脂の被覆管に増して大きくすることができる利点が得られる。
【0019】
本発明では、加硫処理後のゴム内層,第1補強層及びカバー層の互いの接着強度は40N以上の高強度とすることができ、このことから次の効果も得られる。
ゴムホースの端部に金具をかしめて他機器に接続する場合において、カバー層と第1補強層の密着不良によるシール性低下を防ぐために、予めゴムホースにおける金具のかしめ部分のカバー層を除去してから金具をかしめることがあるが、本発明によればゴム内層,第1補強層及びカバー層を強固に接着できるので、カバー層の除去を不要となすことができる。
【0020】
加えてこの請求項1のゴムホースは、樹脂の被覆管を外周面に被せない状態でホース取扱いを行い得ることから、その取扱性が良好である利点も得られる。
【0021】
本発明のゴムホースはまた、樹脂の被覆管を施すことなく加硫処理を行い得るものであることから、加硫時に短時間でゴムホースを必要な温度まで昇温させることができ、従って短時間で加硫を終えることができる。
従ってまた、従来のように加硫処理をバッチ処理としないで、且つライン速度を下げることなく連続加硫することが可能となり、それ故本発明によれば加硫処理を含むホース製造を連続生産することが可能となって、従来に増して生産性を大幅に向上させることができる。
【0022】
また本発明によれば、樹脂の被覆管を施す必要がないためにその被覆工程及び加硫後における被覆管の剥離除去工程を不要化でき、生産工程を簡略化し得て、生産性向上に資することができる。
また樹脂の被覆管による被覆を無くすことができるため、ホース製造のための設備を簡素化し得て、生産ラインをコンパクトに構成することができる。
【0023】
本発明においては、上記第2補強層を構成する補強線材として熱収縮性のものを用いることができ(請求項2)、この場合、加硫時の熱により被覆層としての第2補強層を径方向に収縮作用させて、第2補強層による径方向内方の加圧力を更に効果的に高めることができる。そしてこれによりゴム内層,第1補強層及びカバー層の互いの接着強度をより効果的に高めることができる。
ここで熱収縮性の補強線材として、例えば加熱時の熱収縮率が5%以上のものを好適に用いることができる。
尚この第2補強層は、主として加硫時に被覆層としての働きをもたせるべく設けられているものであるが、製品となった後においてはかかる第2補強層にプロテクタとして機能をもたせることができる。
【0024】
本発明は、特に蛇腹ゴムホースに適用して効果の大なるものである(請求項3)。
前述したように従来の樹脂の被覆管による加硫処理は、蛇腹ゴムホースの場合には適用が困難であるが、本発明によればこのような蛇腹ゴムホースであっても容易に対応することができる。
即ちカバー層の外周面形状が蛇腹形状をなしていても、そのカバー層の蛇腹形状の山部と谷部とに沿って補強線材を編組して行くことで、カバー層の蛇腹形状即ちゴムホースの蛇腹形状にもかかわらずその外周面全面に被覆層としての第2補強層を密着形成することができ、これによりその第2補強層により山部,谷部の各部を均等に被覆拘束した状態で、これを加硫処理することができる利点が得られる。
この場合において、第2補強層を構成する補強線材として熱収縮性のものを用いておけば、加硫時の熱収縮により第2補強層を蛇腹形状部の谷部に対し第2補強層をより確実に密着状態とすることができる。
【0025】
本発明において、上記ゴムホースはゴム内層をその内面において直接内部流体と接する最内層となしておくことができる(請求項4)。
或いはまた請求項5に従って、ゴム内層の内面に内部流体と接する樹脂内面層を最内層として更に形成しておくことができる。
【0026】
請求項6は請求項1のゴムホースの製造方法に係るもので、ゴム内層と第1補強層とカバー層とを積層した後に、第2補強層を被覆層として設け、その状態で外周面を被覆管にて被覆することなく、その後の加硫処理を行うもので、このようにすることで、ゴムホースを被覆管による被覆を施さない裸の状態で加硫処理を行うことができ、樹脂の被覆管による被覆の問題点を解消しながら、同時に従来においてゴムホースを裸のままで加硫したときに生ずる問題も解消することができる。
【0027】
請求項7は請求項4のゴムホースの製造方法に係るもので、ゴム内層をインジェクション成形等の型成形にて予め蛇腹形状に加硫成形した上で、そのゴム内層に対し第1補強層とカバー層とを積層し、その後第2補強層を被覆層として設けた後に、その後の加硫処理を行うもので、この製造方法の場合、加硫成形後の硬いゴム内層をマンドレル代わりに用いてその外周側に第1補強層,カバー層を積層形成することができる。
即ちマンドレルをゴムホース内に挿入しない状態で第1補強層を大きなテンションをかけてゴム内層の外周面に編組して行くことができ,マンドレルを用いることなく第1補強層を良好に蛇腹形状に形成して行くことができる。
従ってこの製造方法によれば、従来必要とされていたマンドレル自体も省略可能となり、ホースの連続生産がより容易となる利点が得られる。
【0028】
一方請求項8は、請求項5のゴムホースの製造方法に係るもので、ゴム内層の更に内面に樹脂内面層を最内層として有するゴムホースにおいて、その樹脂内面層を予め蛇腹形状に成形しておき、そしてこれをマンドレル代わりに用いてその外周側にゴム内層,第1補強層,カバー層,第2補強層を被覆層として積層するようになしたもので、この場合においてもマンドレルを用いることなく第1補強層を蛇腹形状に沿って大きなテンションをかけながら良好に形成して行くことができ、従ってこの請求項8の製造方法においても、マンドレルを用いることなくホース製造が可能となって、ホースの連続生産がより容易となる利点が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1及び図2において、10は例えば冷媒輸送用ホース(エアコンホース)等として用いられる蛇腹ゴムホースで、そのほぼ全体をなす蛇腹形状部10-1と、両端部の直管状のストレート形状部10-2とを有している。
この蛇腹ゴムホース10は最内層としてのゴム内層18を有し、その外周側に補強線材58(図6参照)を編組して成る第1補強層20が積層され、更にその外周側にカバー層22が、更にまたその外周側に補強線材58を編組して成る第2補強層23が順次積層された構造をなしている。
【0030】
ここでゴム内層18,第1補強層20,カバー層22及び第2補強層23は、図2に示しているように何れも蛇腹形状部10-1に対応する部分が蛇腹形状をなしており、また両端部のストレート形状部10-2に対応する部分が何れも直管状をなしている。
即ち図2に示しているようにゴム内層18,第1補強層20,カバー層22,第2補強層23の何れもが、それぞれのほぼ全体をなす蛇腹形状部18-1,20-1,22-1,23-1及び両端部のストレート形状部18-2,20-2,22-2,23-2をそれぞれ有している。
ここで第1補強層20,カバー層22,第2補強層23の蛇腹形状部20-1,22-1,23-1は、何れもゴム内層18の蛇腹形状部18-1に追従した断面波状をなす蛇腹形状をなしている。
【0031】
本実施形態において蛇腹ゴムホース10は、図1に示しているように蛇腹ゴムホース10を長手方向に連続して形成した長尺管10C(加硫後のもの)を1本の蛇腹ゴムホース10ごとに切断して得たものである。
【0032】
本実施形態において、蛇腹ゴムホース10は内径が5〜50mm程度のもので、このうちゴム内層18,カバー層22はそれぞれ厚みが2mm,1mm程度のものである。
【0033】
また材質については、ゴム内層18はIIR,ハロゲン化−IIR(Cl−IIR,Br−IIR),NBR,CR,EPDM,EPM,FKM,ECO,シリコーンゴム,ウレタンゴム,ヒドリンゴム,アクリルゴム等を用いることができる。
【0034】
また第1補強層20を構成する補強線材58としては熱収縮性(好ましくは加熱時の熱収縮率が5%以上のもの)を有するポリエステル,PET,ビニロン,アラミド或いは金属ワイヤー等を用いることができる。
【0035】
更にカバー層22としては上記ゴム内層18で列挙した各種ゴム材を用いることができるが、それ以外にも熱収縮チューブやエラストマーゴムと称される熱可塑性エラストマー(TPE)を使用することも可能で、材質としてはアクリル系,スチレン系,オレフィン系,ジオレフィン系,塩化ビニル系,ウレタン系,エステル系,アミド系,フッ素系等を用いることができる。
【0036】
更に第2補強層23を構成する補強線材58としては熱収縮性(好ましくは加熱時の熱収縮率が5%以上のもの)を有するPET,ポリエステル,アラミド等を好適に用いることができる。
【0037】
尚ゴム内層18は、内部を流通する流体に応じて適宜の材料を選択して用いることができる。
但しHFC系冷媒輸送用ホースの場合には、特にIIR,ハロゲン化−IIRの単独材又はブレンド材が好ましい。
この点はカバー層22についても同様である。
【0038】
一方被覆層としての第2補強層23は、ここでは第1補強層20よりも編組密度が高くされており、その編組密度は、内側のカバー層22が外側から見えない程度の密度とされている。
またこの第2補強層23は、ここではスパイラル編組にて構成されている。但しブレード編組にてこれを構成することも勿論可能である。
尚、上記の第1補強層20についてはここではブレード編組である。
【0039】
次に本実施形態の蛇腹ゴムホース10の製造方法を図3〜図11に基づいて以下に詳しく説明する。
先ず図3において、24はインジェクション成形機で、26は成形型である。
成形型26は外型28と中型30とを有していて、それらの間にキャビティ32を有している。
インジェクション成形機24では、このキャビティ32にゴム内層18用のゴム材を注入して所定時間加熱し、ゴム内層18を加硫成形する。
【0040】
加硫成形されたゴム内層18は、ロボットハンド34によりキャビティ32から取り出され(先ず中型30を外型28から分離した上、エアーブローにてゴム内層18を中型30から脱型)、次々と後工程の整列機36へと送られ、その整列機36の容器38内に投入される。
容器38内に投入されたゴム内層18は、容器38から縦向き且つ下向きに延び出したガイド管40内を1本ずつ自由落下し、上下方向に直列に整列される。
【0041】
各ゴム内層18はそのような上下の整列状態で次々と編組機52に通されて、それらの外周面に補強線材58が連続的に編組されて行く。即ち各ゴム内層18にまたがって第1補強層20が長尺に連続的に形成されて行く。
図3中10A及び図5(II)の10Aは、かかる第1補強層20を介して各ゴム内層18が長手方向に連結された状態の長尺管を表している。
【0042】
図6〜図9は編組機52の要部と編組の方法を示している。
この編組機52は、図6に示しているように円盤状のデッキ板54を有し、更に互いに対をなすキャリヤ56A,56Bを円周に沿って複数対有していて、互いに対をなすキャリヤ56A,56Bが8の字状に交叉運動しつつ、デッキ板54の中心周りを周回運動することで、補強線材58をゴム内層18の外周面にブレード編組して行く。
【0043】
図6において、60は各対をなすキャリヤ56A,56Bを互いに8の字状に交叉運動させながらデッキ板54の中心周りに周回運動させるための円盤で、図8(A)に示しているようにデッキ板54の中心周りの円周上にかかる円盤60が多数連設されている。
これら円盤60には、図8(B)に示しているように外周部にU字状の切欠62が設けられており、円盤60の同方向の回転に伴ってキャリヤ56A,56Bが、一の円盤60から隣接する他の円盤60へとそれら切欠62において受け渡される。
【0044】
ここでキャリヤ56Aと56Bとは、一の円盤60から互いに逆の側に連設した円盤60へと受け渡され、それぞれがデッキ板54の中心周りに互いに逆方向に周回運動して行く。
その結果として、キャリヤ56Aと56Bとが8の字状に交叉運動しながら、デッキ板54の中心周りに逆向きに周回運動して行く。
【0045】
図7に示しているように、各円盤60には被動ギヤ66が対応する各円盤60と一体回転する状態で設けられている。
また各被動ギヤ66は、隣接するもの同士が互いに噛み合わされている。
そして何れかの被動ギヤ66に対し駆動ギヤ68が噛み合っており、その駆動ギヤ68が駆動モータ70にて回転駆動される。
即ちこの駆動ギヤ68が駆動モータ70にて回転駆動されることで各被動ギヤ66、従って各円盤60が一斉に回転運動させられる。
【0046】
本実施形態では、既に加硫された後の硬いゴム内層18に対してその外周面に補強線材58を編組して行き、第1補強層20を連続的に形成して行く。
この第1補強層20の形成工程において、ゴム内層18が未加硫状態の軟らかいものである場合、補強線材58を大きなテンションをかけて編組して行くと、補強線材58の編組によってゴム内層18の形状が崩れてしまい、良好に編組を行うことができない。
【0047】
しかるに本実施形態ではゴム内層18が予め既に加硫成形された後の硬いものであるため、このゴム内層18を芯体としてその外周面に補強線材58を大きなテンションでブレード編組して行くことができる。
そのためゴム内層18のストレート形状部18-2はもとより、蛇腹形状部18-1においても補強線材58をゴム内層18の蛇腹形状部18-1の山部と谷部とに沿って良好に波状に編組して行くことができ、第1補強層20をゴム内層18における蛇腹形状部18-1に追従した蛇腹形状に良好に形成して行くことができる。
【0048】
本実施形態ではまた、より密着性を高めるためゴム内層18における蛇腹形状部18-1に対して編組を行う際、ストレート形状部18-2に対する編組のときよりもキャリヤ56A,56Bの回転速度を速くする(送り速度は一定)。
これによって蛇腹形状部18-1に対し、補強線材58を蛇腹の谷部により落ち込ませることができるため、密着性が向上し、良好に第1補強層20を形成できる。
【0049】
そのため本実施形態では、図7(A)に示しているように長尺管10Aの引取機50(駆動モータ71)の駆動と編組機52におけるキャリヤ56A,56B(駆動モータ70)の駆動とを別駆動とし、それらを制御部72にて自動制御する。
具体的には図9(B)に示すように、ゴム内層18の蛇腹形状部18-1が編組点Pにさしかかったところでキャリヤ56A,56Bの回転速度を速くし、そして蛇腹形状部18-1に続くストレート形状部18-2が図9(A)に示すように編組点Pに到ったところでキャリヤ56A,56Bの回転速度を通常の回転速度に戻すようにしている。
【0050】
その具体的な制御は次のようにして行う。
即ち、図9(A)に示しているようにゴム内層18の進行路に沿って定位置に設けたセンサ74が蛇腹形状部18-1の最初の山部の通過を検知してから、編組点Pからの距離L分だけゴム内層18が前進送りされたところで、駆動モータ70(図7参照)の回転速度を上げてキャリヤ56A,56Bの回転速度を高め、補強線材58の編組密度,編組のピッチを高める。
ここで距離Lの送りの検出は、引取機50に設けたエンコーダ76による送り量の検出に基づいて行うことができる。
【0051】
一方図9(B)に示すようにセンサ74がストレート形状部18-2を検出したら、その後ゴム内層18をL−L2分だけ前進送りしたところでキャリヤ56A,56Bの回転速度を通常の速度に戻す。
この結果、ストレート形状部18-2が編組点Pに到ったところから編組密度,編組ピッチが通常の密度,ピッチに変更される。
ここでL2を設定しているのは、センサ74によるストレート形状部18-2の検出を精度高く行うためには一定距離(図中L2)に亘ってセンサ74が山部を検出しないことをもって、初めてストレート形状部18-2が到達したことを認識できるからである。
【0052】
本実施形態では、以上のようにしてゴム内層18の蛇腹形状部18-1の山部及び谷部に沿って補強線材58を断面波状に即ち蛇腹形状に編組することができるが、但しこの編組工程のみで第1補強層20がゴム内層18における蛇腹形状部18-1の谷部の底まで密着する状態に編組されない場合も生じ得る。
即ち図11(A)(I)に示しているように、第1補強層20の谷部がゴム内層18の蛇腹形状部18-1の谷部から若干浮いた状態となることがある。
但し本実施形態では補強線材58として熱収縮性のものを用いているため、その後後述の加硫処理をすることで熱収縮性の補強線材58が熱収縮し、これにより第1補強層20がゴム内層18における蛇腹形状部18-1の谷部に密着するまで十分に落ち込んで、第1補強層20の蛇腹形状部20-1が、ゴム内層18の蛇腹形状部18-1に良好に追従した蛇腹形状となる(図11(A)(II)参照)。
【0053】
尚、図11(B)は比較例として熱収縮性の補強線材58を用いず且つ補強線材58に十分なテンションをかけないで編組を行ったときに、第1補強層20がゴム内層18の蛇腹形状に正確に追従せず、蛇腹形状部20-1の谷部がゴム内層18の谷部から浮いた状態となることを表している。
【0054】
以上のようにしてゴム内層18に対し補強線材58を連続編組し、各ゴム内層18にまたがって第1補強層20を長尺に連続形成して行った後、このようにして形成した長尺管10Aを、次に図10に示しているように押出機42に連続的に通して、その外周面にカバー層22を長尺に連続成形して行く。
【0055】
押出機42は長尺管10Aの図中右方への進行に伴って、その外周面を被覆するようにしてダイス44からゴム材を連続的に筒状に押し出して行く。
この場合単にゴム材を筒状に押し出すだけであると、押し出されたゴム材は直管状の円筒形状となってしまい、押出成形したゴム筒体と長尺管10Aにおける蛇腹形状部20-1の谷部との間に隙間が生じてしまう。
【0056】
そこでこの実施形態ではラッパ状の筒体46を設けて、その内側空間を真空吸引するようにしている。
これによりダイス44から筒状に押し出されたカバー層22のゴム材は、その真空吸引力により長尺管10Aにおける蛇腹形状部20-1の山部と谷部とに沿って密着し、長尺管10Aの蛇腹形状部20-1に追従した断面波状をなす蛇腹形状に成形される。
勿論長尺管10Aのストレート形状部20-2においては、その外周面に沿って密着し、対応する形状の直管状に成形される。
【0057】
この実施形態では、長尺管10Aを芯体としてその外周面にカバー層22を成形するものであることから、そのカバー層22を良好に蛇腹形状に成形することができる。
図3,図5(III),図10において10Bは、そのようにして長尺管10Aの外周面にカバー層22を被覆形成した後の長尺管を表わし、22-1はカバー層22における蛇腹形状部を、22-2はストレート形状部をそれぞれ表している。
尚図10において50は引取機である。
【0058】
この長尺管10Bは、続いて図4の編組機78に連続的に通されて、そこでカバー層22の外周面に補強線材58が連続的にスパイラル編組され、カバー層22の外周面に上記の第2補強層23が被覆層として連続的に形成されて行く。
ここで編組機78においては、補強線材58がスパイラル編組されて第2補強層23が形成されて行く。但し前述したようにスパイラル編組に代えてブレード編組するようにしても良い。
【0059】
この編組機78においても、補強線材58が長尺管10Bを芯体としてその外周面に大きなテンションで編組され、蛇腹形状部22-1の山部に対しても、また谷部に対しても良好に補強線材58が編組され、そこに第2補強層23が蛇腹形状に形成されて行く。
この点については編組機52による第1補強層20の形成と同様であり、また補強線材58として熱収縮性の補強線材が用いられていることから、加硫時の熱によって第2補強層23が熱収縮し、その際に補強線材58が蛇腹形状部22-1の谷部に良好に落ち込んで、その谷部においても補強線材58が良好に編組される点で第1補強層20と同様である。
尚この実施形態において第2補強層23は、補強線材58を4本並べて24個のキャリヤ56A,56Bで編組し構成している。
【0060】
図4及び図5(IV)の10Cは、このようにしてカバー層22の外周面に被覆層としての第2補強層23を連続的に形成した長尺管を表している。
この長尺管10Cは、続いて図4のトンネル炉形式の連続加硫炉80に連続的に通されて、そこで例えば熱風や高圧蒸気等により長尺管10Cが連続的に加硫されて行く。
尚加硫については、長尺管10Cを所定長さごとにバッチ式の加硫炉に所定時間装入して、そこでバッチ式に加硫処理を行うようにしても良い。
加硫後において、長尺管10Cは続いて自動切断機82で1本ごとの蛇腹ゴムホース10に切断されて行く。
【0061】
以上のような本実施形態の蛇腹ゴムホース10は、補強層として第1補強層20と第2補強層23とを2層形成してあることから、それら第1補強層20及び第2補強層23を合せた補強層全体の編組密度が高まり、加えて被覆層としての第2補強層23の編組密度自体が高密度となしてあることから、更には被覆層としての第2補強層23が加硫時においてカバー層22の外周面を拘束し、加硫時において径方向外方に膨張しようとするゴム内層18,第1補強層20及びカバー層22を径方向内方に加圧するため、樹脂の被覆管を施さない状態で加硫を行っても、ゴムホース10の外周面がイボイボの凹凸状とならないとともに、ゴム内層18,第1補強層20及びカバー層22をその加圧力に基づいて強固に接着することができる。
特にこの被覆層としての第2補強層23を大きなテンションをかけて編組することにより、その加圧力を樹脂の被覆管を用いた場合よりも更に増して大きくすることが可能であり、より接着力を向上させることができる。
【0062】
加えて本例の蛇腹ゴムホース10は、樹脂の被覆管にて被覆しない状態でホース取扱いを行い得ることから、その取扱性が良好である。
本例の蛇腹ゴムホース10はまた、樹脂の被覆管を施すことなく加硫処理を行い得るものであることから、加硫時において短時間で蛇腹ゴムホース10を必要な温度まで昇温させることができ、従って短時間で加硫を終えることができる。
そのため加硫処理をバッチ処理としないで連続加硫することができ、加硫処理を含むホース製造を連続生産することが可能となって、生産性を大幅に向上させることができる。
また樹脂の被覆管を施す必要がないため、その被覆工程及び加硫後における被覆管の剥離除去工程を不要化でき、生産工程を簡略化し得て、生産性向上に資することができる。
また樹脂の被覆管による被覆を無くすことができるため、ホース製造のための設備を簡素化し得て、生産ラインをコンパクトに構成することができる。
【0063】
また第2補強層23を構成する補強線材58として熱収縮性のものを用いているため、加硫時の熱により第2補強層23を径方向に収縮作用させて、この第2補強層23による加圧力を更に効果的に高めることができる。
【0064】
また本例によれば、カバー層22の外周面形状が蛇腹形状をなしていても、そのカバー層22の蛇腹形状の山部と谷部とに沿って容易に補強線材58を編組して行くことができ、かかるカバー層22の蛇腹形状にもかかわらず、その外周面に被覆層としての第2補強層23を密着状態に形成することができ、その第2補強層23にて山部,谷部の各部を均等に外周面から被覆拘束し、その状態で加硫処理を行うことができる。
【0065】
図12〜図14は本発明の他の実施形態を示している。
図12に示しているようにこの実施形態では、ゴム内層18の更に内面に樹脂内面層16が最内層として積層されて蛇腹ゴムホース12が構成されている。
図13は図12に示す断面構造の蛇腹ゴムホース12の製造方法を工程順に表したもので、図13(I)に示しているように、ここでは先ず樹脂を押出機から管状に押し出した後、これをコルゲート成形機にかけて蛇腹形状に成形して行く。
詳しくは樹脂の押出機とコルゲート成形機によって、蛇腹形状部16-1とストレート形状部16-2とを有する樹脂内面層16を連続的に成形して行く。
【0066】
図13(I)中12Aは、樹脂内面層16が長手方向に連続した形態の長尺管を表している。
この例では、その樹脂内面層16の長尺管12Aに対して、図13(II)に示しているように押出機によりゴム内層18がその外周面に連続的に押出成形される。図中12Bは長尺管12Aの外周側にゴム内層18が連続成形されて成る長尺管を表している。
その後、図13(III)に示しているようにこの長尺管12Bに対し、第1補強層20がその外周面に連続形成され(長尺管12C)、更に長尺管10Cの外周面に対して、図13(IV)に示しているようにカバー層22が連続的に積層形成される(長尺管12D)。
【0067】
このようにしてカバー層22の形成された長尺管12Dに対し、更にその外周側に上記と同様にして、図14(V)に示しているように第2補強層23が被覆層として形成される。図中12Eは第2補強層23を形成した後の長尺管を表している。
続いてこの長尺管12Eは上記と同様にして加硫処理され、その後に1本ごとの蛇腹ゴムホース12に切断されて行く(図14(VI)参照)。
【0068】
この実施形態においても、マンドレルを用いることなく第1補強層20,第2補強層23を蛇腹形状に沿って大きなテンションをかけながら良好に形成して行くことができ、ホースの連続生産を容易に実現することができる。
【0069】
図15は本発明の更に他の実施形態を示している。
図中14はゴムホースで、ここでは上記の蛇腹形状を有しない直管状をなしている。
このゴムホース14は、ゴム内層18と、第1補強層20と、カバー層22と、被覆層としての第2補強層23とを積層した形態のものである点で第1の実施形態と同様の断面構成を成している。
【0070】
この実施形態のゴムホース14は、蛇腹形状をなしていないことから、先ずゴム内層18を押出機から直管状に押出成形した後、その外周側に第1補強層20を連続的にブレード編組して形成し、更に続いてその外周側にカバー層22を円筒状に成形した上、更にその外周側に第2補強層23を積層形成する。
その後これを加硫処理し、続いてこれを所定寸法ごとに切断して1本ごとのゴムホース14を得る。
尚その最終の加硫時においては、ここではゴム内層18もカバー層22も同時に加硫される。
【0071】
この実施形態の製造方法では、押出機から直管状に押出成形した未加硫のゴム内層18の外周面に第1補強層20を編組し形成することから、その際にゴム内層18の内側にマンドレルを挿入しておいて、その状態で第1補強層20を形成するようになすのが好ましい。
ここでゴム内層18の内部に挿入されたマンドレルは加硫処理後においてゴムホースから抜き取られる。
【0072】
一般に耐圧性の高い高圧ゴムホースでは、ホース端部に金具をかしめつけてパイプ等と接続する場合、カバー層と第1補強層との密着不良によるシール性低下を防ぐため、予めゴムホースのかしめ部分のカバー層を除去してから金具かしめを行うことがあるが、この実施形態のゴムホース14ではゴム内層18,第1補強層20,カバー層22が強固に接着しているため、カバー層22の除去を不要となすことができる。
【0073】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれらはあくまで一例示であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態・態様で構成・実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の一実施形態である蛇腹ゴムホースの一例を示した斜視図である。
【図2】図1に示す蛇腹ゴムホースの断面図である。
【図3】図1に示す蛇腹ゴムホースの製造方法を示した工程説明図である。
【図4】図3に続く工程説明図である。
【図5】図3及び図4に示す各工程を経た蛇腹ゴムホースをそれぞれ示す図である。
【図6】補強層を編組する編組機を示す図である。
【図7】補強層の形成方法を示す図である。
【図8】図7の要部を示す図である。
【図9】補強層を編組する際の編組機におけるキャリヤの回転速度の制御方法を示す説明図である。
【図10】カバー層の成形方法を示す図である。
【図11】補強線材の編組の状態を比較例とともに示した図である。
【図12】本発明の他の実施形態を示す図である。
【図13】図12に示す蛇腹ゴムホース製造における工程ごとの蛇腹ゴムホースの形態変化を示す説明図である。
【図14】図13に続く形態変化の説明図である。
【図15】本発明の更に他の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0075】
10,12 蛇腹ゴムホース
14 ゴムホース
16 樹脂内面層
18 ゴム内層
20 第1補強層
22 カバー層
23 第2補強層
58 補強線材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム内層と、その外周側の補強線材を編組して成る第1補強層と、更に外周側のカバー層とを有するゴムホースにおいて
前記カバー層の外周面に補強線材を編組して成る第2補強層を被覆層として加硫接着してあることを特徴とするゴムホース。
【請求項2】
請求項1において、前記第2補強層における補強線材が熱収縮性を有するものであることを特徴とするゴムホース。
【請求項3】
請求項1,2の何れかにおいて、前記ゴムホースが蛇腹形状を有する蛇腹ホースであることを特徴とするゴムホース。
【請求項4】
請求項3において、前記ゴム内層がその内面において直接内部流体と接する最内層とされていることを特徴とするゴムホース。
【請求項5】
請求項3において、前記ゴム内層の内面に内部流体と接する樹脂内面層が最内層として更に形成されていることを特徴とするゴムホース。
【請求項6】
請求項1のゴムホースの製造方法であって、前記ゴム内層と第1補強層とカバー層とを積層した後に、更に前記第2補強層を被覆層として設け、しかる後にその外周面を被覆管にて被覆することなくその後の加硫処理を行うことを特徴とするゴムホースの製造方法。
【請求項7】
請求項4のゴムホースの製造方法であって、前記ゴム内層をインジェクション成形等の型成形にて予め蛇腹形状に加硫成形しておき、該ゴム内層に対して前記第1補強層とカバー層とを積層した後に、更に前記第2補強層を被覆層として設け、しかる後にその外周面を被覆管にて被覆することなくその後の加硫処理を行うことを特徴とするゴムホースの製造方法。
【請求項8】
請求項5のゴムホースの製造方法であって、前記樹脂内面層を予め蛇腹形状に成形しておき、該樹脂内面層に対して前記ゴム内層と第1補強層とカバー層とを積層した後に、更に前記第2補強層を被覆層として設け、しかる後にその外周面を被覆管にて被覆することなくその後の加硫処理を行うことを特徴とするゴムホースの製造方法。
【請求項1】
ゴム内層と、その外周側の補強線材を編組して成る第1補強層と、更に外周側のカバー層とを有するゴムホースにおいて
前記カバー層の外周面に補強線材を編組して成る第2補強層を被覆層として加硫接着してあることを特徴とするゴムホース。
【請求項2】
請求項1において、前記第2補強層における補強線材が熱収縮性を有するものであることを特徴とするゴムホース。
【請求項3】
請求項1,2の何れかにおいて、前記ゴムホースが蛇腹形状を有する蛇腹ホースであることを特徴とするゴムホース。
【請求項4】
請求項3において、前記ゴム内層がその内面において直接内部流体と接する最内層とされていることを特徴とするゴムホース。
【請求項5】
請求項3において、前記ゴム内層の内面に内部流体と接する樹脂内面層が最内層として更に形成されていることを特徴とするゴムホース。
【請求項6】
請求項1のゴムホースの製造方法であって、前記ゴム内層と第1補強層とカバー層とを積層した後に、更に前記第2補強層を被覆層として設け、しかる後にその外周面を被覆管にて被覆することなくその後の加硫処理を行うことを特徴とするゴムホースの製造方法。
【請求項7】
請求項4のゴムホースの製造方法であって、前記ゴム内層をインジェクション成形等の型成形にて予め蛇腹形状に加硫成形しておき、該ゴム内層に対して前記第1補強層とカバー層とを積層した後に、更に前記第2補強層を被覆層として設け、しかる後にその外周面を被覆管にて被覆することなくその後の加硫処理を行うことを特徴とするゴムホースの製造方法。
【請求項8】
請求項5のゴムホースの製造方法であって、前記樹脂内面層を予め蛇腹形状に成形しておき、該樹脂内面層に対して前記ゴム内層と第1補強層とカバー層とを積層した後に、更に前記第2補強層を被覆層として設け、しかる後にその外周面を被覆管にて被覆することなくその後の加硫処理を行うことを特徴とするゴムホースの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−170220(P2006−170220A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−359162(P2004−359162)
【出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【Fターム(参考)】
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