説明

シフトレジスタ及び表示装置

【課題】シフトレジスタの消費電力を低減する。
【解決手段】第1の期間において第1の電圧状態であり、第2の期間乃至第4の期間において第2の電圧状態である第1のクロック信号が入力される第1のフリップフロップと、第2の期間の少なくとも一部において第1の電圧状態であり、第3の期間の少なくとも一部及び第4の期間において第2の電圧状態である第2のクロック信号が入力される第2のフリップフロップと、第1の期間、第2の期間、及び第4の期間において第2の電圧状態であり、第3の期間において第1の電圧状態である第3のクロック信号が入力される第3のフリップフロップと、第1の期間の少なくとも一部及び第2の期間において第2の電圧状態であり、第4の期間の少なくとも一部において第1の電圧状態である第4のクロック信号が入力される第4のフリップフロップと、を有する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、シフトレジスタに関する。また、該シフトレジスタを含む駆動回路を備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置に代表されるように、ガラス基板などの平板に形成される薄膜トランジスタ(以下、TFT:Thin Film Transistorともいう)は、主にアモルファスシリコン又は多結晶シリコンなどの半導体材料を用いて作製される。アモルファスシリコンを用いたTFTは、電界効果移動度が低いもののガラス基板の大面積化に対応することができる。一方、多結晶シリコンを用いたTFTは、電界効果移動度が高いもののレーザアニールなどの結晶化工程が必要であり、ガラス基板の大面積化には必ずしも適応しないといった特性を有している。
【0003】
これに対し、半導体材料として酸化物半導体を用いるTFTが注目されている。例えば、半導体材料として酸化亜鉛又はIn−Ga−Zn−O系酸化物半導体を用いてTFTを作製し、画像表示装置のスイッチング素子として用いる技術が特許文献1及び特許文献2で開示されている。
【0004】
酸化物半導体にチャネル形成領域を設けたTFTは、アモルファスシリコンを用いたTFTよりも高い電界効果移動度が得られている。また、酸化物半導体膜は、スパッタリング法などによって300℃以下の温度での膜形成が可能であり、多結晶シリコンを用いたTFTよりも作製が容易である。
【0005】
このような酸化物半導体を用いて作製されたTFTは、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネセンスディスプレイ(ELディスプレイともいう)又は電子ペーパなどの表示装置の画素部及び駆動回路を構成するスイッチング素子に適用することが期待されている。例えば、上記の酸化物半導体を用いて作製されたTFTによって表示装置の画素部及び駆動回路を構成する技術が非特許文献1で開示されている。
【0006】
ただし、上記の酸化物半導体を用いて作製されたTFTは、全てnチャネル型トランジスタである。そのため、酸化物半導体を用いて作製した薄膜トランジスタを用いて駆動回路を構成する場合、当該駆動回路は、nチャネル型トランジスタのみ(以下、単極性のトランジスタともいう)によって構成されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−123861号公報
【特許文献2】特開2007−96055号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】T.Osada,他8名,SID 09 DIGEST,pp.184−187(2009)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
駆動回路は、シフトレジスタ及びバッファなどによって構成される。当該シフトレジスタが、例えば単極性のトランジスタによって構成される場合、各フリップフロップの出力信号の電圧がトランジスタのしきい値電圧分低下する又は増加するなどの問題が生じる。そのため、当該問題が生じる箇所においては、ブートストラップが利用されることが多い。さらに、ブートストラップを利用した駆動回路の負荷が大きくなるような場合、当該駆動回路に生じる寄生容量も大きくなる。これにより、当該駆動回路に用いられるシフトレジスタの消費電力が寄生容量によって大きくなるという問題がある。
【0010】
本発明の一態様では、シフトレジスタの消費電力を低減することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様は、シフトレジスタにおける各フリップフロップに入力されるクロック信号の種類をできるだけ異ならせることにより、各動作期間において、より選択的に各フリップフロップを動作させるものである。これにより、消費電力の低減を図る。
【0012】
本発明の一態様は、第1の期間において第1の電圧状態であり、第2の期間乃至第4の期間において第2の電圧状態である第1のクロック信号が入力される第1のフリップフロップと、第2の期間の少なくとも一部において第1の電圧状態であり、第3の期間の少なくとも一部及び第4の期間において第2の電圧状態である第2のクロック信号が入力される第2のフリップフロップと、第1の期間、第2の期間、及び第4の期間において第2の電圧状態であり、第3の期間において第1の電圧状態である第3のクロック信号が入力される第3のフリップフロップと、第1の期間の少なくとも一部及び第2の期間において第2の電圧状態であり、第4の期間の少なくとも一部において第1の電圧状態である第4のクロック信号が入力される第4のフリップフロップと、を有するシフトレジスタである。
【0013】
本発明の一態様は、第1のクロック信号が入力される第1のクロック信号線と、第2のクロック信号が入力される第2のクロック信号線と、第3のクロック信号が入力される第3のクロック信号線と、第4のクロック信号が入力される第4のクロック信号線と、高電源電圧が与えられる第1の電源線と、低電源電圧が与えられる第2の電源線と、を有し、第1のフリップフロップ乃至第4のフリップフロップのそれぞれは、ゲート、ソース、及びドレインを有し、ゲートにスタート信号が入力され、ソース及びドレインのいずれか一方が第1の電源線に電気的に接続された第1のトランジスタと、ゲート、ソース、及びドレインを有し、ゲートが第1のトランジスタのソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインのいずれか一方が第1のクロック信号線乃至第4のクロック信号線のいずれか一つに電気的に接続され、ソース及びドレインのいずれか他方を介して出力信号が出力される第2のトランジスタと、ゲート、ソース、及びドレインを有し、ソース及びドレインのいずれか一方が第2のトランジスタのゲートに電気的に接続され、ソース及びドレインのいずれか他方が第2の電源線に電気的に接続された第3のトランジスタと、を有するシフトレジスタであってもよい。
【0014】
本発明の一態様は、第1のトランジスタ乃至第3のトランジスタが同一の導電型であるシフトレジスタであってもよい。
【0015】
本発明の一態様は、第1のトランジスタ乃至第3のトランジスタのそれぞれがチャネル形成層としての機能を有する酸化物半導体層を有するシフトレジスタであってもよい。
【0016】
本発明の一態様は、上記いずれか一つに記載のシフトレジスタを有する駆動回路と、駆動回路により表示状態が制御される画素を含む画素部と、を有する表示装置である。
【0017】
本発明の一態様は、第1のフリップフロップ乃至第4のフリップフロップを有するシフトレジスタの駆動方法であって、第1の期間において第1の電圧状態であり、第2の期間乃至第4の期間において第2の電圧状態である第1のクロック信号を第1のフリップフロップに入力することと、第2の期間の少なくとも一部において第1の電圧状態であり、第3の期間の少なくとも一部及び第4の期間において第2の電圧状態である第2のクロック信号を第2のフリップフロップに入力することと、第1の期間、第2の期間、及び第4の期間において第2の電圧状態であり、第3の期間において第1の電圧状態である第3のクロック信号を第3のフリップフロップに入力することと、第1の期間の少なくとも一部及び第2の期間において第2の電圧状態であり、第4の期間の少なくとも一部において第1の電圧状態である第4のクロック信号を第4のフリップフロップに入力することと、を含むシフトレジスタの駆動方法である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一態様により、フリップフロップをより選択的に動作させることができるため、シフトレジスタの消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施の形態1におけるシフトレジスタの構成の一例を示す回路ブロック図である。
【図2】図1に示すシフトレジスタの動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。
【図3】実施の形態2におけるフリップフロップの回路構成の一例を示す回路図である。
【図4】図3に示すフリップフロップの動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。
【図5】実施の形態3における本発明の一態様であるシフトレジスタに適用可能なトランジスタの構造の一例を示す図である。
【図6】実施の形態3における本発明の一態様であるシフトレジスタに適用可能なトランジスタの構造の他の一例を示す図である。
【図7】実施の形態3における本発明の一態様であるシフトレジスタに適用可能な複数のトランジスタの構造の一例を示す図である。
【図8】図5に示すトランジスタの作製方法の一例を示す図である。
【図9】実施の形態4における本発明の一態様であるシフトレジスタに適用可能なトランジスタの構造の他の一例を示す図である。
【図10】実施の形態5における本発明の一態様であるシフトレジスタに適用可能なトランジスタの構造の他の一例を示す図である。
【図11】実施の形態6における表示装置のブロック図を説明する図である。
【図12】実施の形態6における信号線駆動回路の構成を説明する図とタイミングチャートである。
【図13】実施の形態6におけるシフトレジスタの構成を示す回路図である。
【図14】実施の形態6におけるシフトレジスタの構成を示す回路図及び実施の形態6におけるシフトレジスタの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図15】実施の形態7における表示装置の画素の回路構成を示す回路図である。
【図16】実施の形態7における表示装置の画素の構造を示す図である。
【図17】実施の形態7における表示装置の画素の構造を示す図である。
【図18】実施の形態8における表示装置の画素の回路構成を示す回路図である。
【図19】実施の形態8における表示装置の画素の構造を示す断面図である。
【図20】実施の形態8における表示装置の構造を示す図である。
【図21】実施の形態9における電子ペーパの構造を示す断面図である。
【図22】実施の形態9における電子ペーパを適用した電子機器を示す図である。
【図23】実施の形態10における表示装置の構造を示す図である。
【図24】実施の形態11における電子機器を示す図である。
【図25】実施の形態11における電子機器を示す図である。
【図26】実施の形態11における電子機器を示す図である。
【図27】実施例1における発光表示装置の画素部のレイアウトを示す図である。
【図28】実施例1における発光表示装置の消費電力の測定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態の一例について、図面を用いて以下に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではないとする。
【0021】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様であるシフトレジスタについて説明する。
【0022】
本実施の形態におけるシフトレジスタの構成について図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態におけるシフトレジスタの構成の一例を示す回路ブロック図である。
【0023】
図1に示すシフトレジスタは、複数のクロック信号線と、複数のクロック信号線の少なくとも一つに電気的に接続された複数のフリップフロップにより構成される複数段のフリップフロップと、を有する。複数のクロック信号線のそれぞれに入力されるクロック信号は、互いにハイレベルになるタイミング及びローレベルになるタイミングが異なる。なお、図1に示すシフトレジスタでは、クロック信号線101に電気的に接続された第1段目のフリップフロップ(フリップフロップ105_1又はFF1ともいう)から順に、クロック信号線102に電気的に接続された第2段目のフリップフロップ(フリップフロップ105_2又はFF2ともいう)、クロック信号線103に電気的に接続された第3段目のフリップフロップ(フリップフロップ105_3又はFF3ともいう)、クロック信号線104に電気的に接続された第4段目のフリップフロップ(フリップフロップ105_4又はFF4ともいう)と続き、第n−2段目(nは4以上の自然数)のフリップフロップ(フリップフロップ105_n−2又はFFn−2ともいう)、第n−1段目のフリップフロップ(フリップフロップ105_n−1又はFFn−1ともいう)、及び第n段目のフリップフロップ(フリップフロップ105_n又はFFnともいう)を有する例について説明するが、必ずしもこれに限定されず、少なくとも、第1のフリップフロップ、第2のフリップフロップ、第3のフリップフロップ、及び第4のフリップフロップを有する構成であればよい。また、第1のフリップフロップ乃至第4のフリップフロップは、互いに隣り合う段のフリップフロップである必要はなく、例えば複数段おきのフリップフロップを、それぞれ順に第1のフリップフロップ、第2のフリップフロップ、第3のフリップフロップ、及び第4のフリップフロップとすることもできる。
【0024】
クロック信号線101は、クロック信号CK1が入力される配線である。クロック信号CK1は、デューティー比が25%以下であることが好ましい。ここでは、クロック信号CK1のデューティー比を25%として説明する。
【0025】
クロック信号線102は、クロック信号CK2が入力される配線である。クロック信号CK2は、デューティー比が25%以下であることが好ましい。ここでは、クロック信号CK2のデューティー比を25%として説明する。
【0026】
クロック信号線103は、クロック信号CK3が入力される配線である。クロック信号CK3は、デューティー比が25%以下であることが好ましい。ここでは、クロック信号CK3のデューティー比を25%として説明する。
【0027】
クロック信号線104は、クロック信号CK4が入力される配線である。クロック信号CK4は、デューティー比が25%以下であることが好ましい。ここでは、クロック信号CK4のデューティー比を25%として説明する。
【0028】
クロック信号CK1乃至クロック信号CK4のそれぞれは、例えばAND回路を用いて生成することができる。例えばパルス幅の異なる2つクロック信号を入力信号としてAND回路に入力することにより、AND回路において、入力された2つのクロック信号に応じて電圧状態が設定され、クロック信号CK1乃至クロック信号CK4のいずれかの信号が出力信号として出力される。このとき、出力されるクロック信号のデューティー比は、入力される2つのクロック信号のパルス幅によって適宜設定することができる。
【0029】
フリップフロップ105_1は、スタート信号(セット信号ともいう)として信号SPが入力され、クロック信号としてクロック信号CK1が入力され、入力された信号SP及びクロック信号CK1に応じて状態が設定された信号FF1outを出力信号として出力する機能を有する。
【0030】
なお、本明細書において、信号の状態とは、例えば信号の電圧、電流、又は周波数などのことをいう。
【0031】
なお、一般的に電圧とは、2点間における電位の差(電位差ともいう)のことをいう。しかし、電圧及び電位の値は、回路図などにおいていずれもボルト(V)で表されることができるため、区別が困難である。そこで、本願の書類(明細書及び特許請求の範囲)では、特に指定する場合を除き、ある一点の電位と基準となる電位の電位差を該一点の電圧として用いる場合がある。
【0032】
また、本明細書における信号としては、例えば電圧、電流、抵抗、又は周波数などを用いたアナログ信号又はデジタル信号を用いることができる。例えば電圧を用いた信号(電圧信号ともいう)としては、少なくとも第1の電圧状態及び第2の電圧状態を有する信号を用いることが好ましく、例えば第1の電圧状態としてハイレベルの電圧状態及び第2の電圧状態としてローレベルの電圧状態を有する2値のデジタル信号などを用いることができる。なお、2値のデジタル信号において、ハイレベルの電圧をVともいい、ローレベルの電圧をVともいう。また、第1の電圧状態の電圧及び第2の電圧状態の電圧は、それぞれ一定値であることが好ましい。しかし、電子回路では、例えばノイズなどの影響があるため、第1の電圧状態の電圧及び第2の電圧状態の電圧は、一定値ではなく、それぞれ一定の範囲内の値であればよい。
【0033】
また、本明細書において、第1、第2などの序数を用いた用語は、それぞれの要素の混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
【0034】
フリップフロップ105_2は、スタート信号としてフリップフロップ105_1の出力信号である信号FF1outが入力され、クロック信号としてクロック信号CK2が入力され、入力された信号FF1out及びクロック信号CK2に応じて状態が設定された信号FF2outを出力信号として出力する機能を有する。
【0035】
フリップフロップ105_3は、スタート信号としてフリップフロップ105_2の出力信号である信号FF2outが入力され、クロック信号としてクロック信号CK3が入力され、入力された信号FF2out及びクロック信号CK3に応じて状態が設定された信号FF3outを出力信号として出力する機能を有する。
【0036】
フリップフロップ105_4は、スタート信号としてフリップフロップ105_3の出力信号である信号FF3outが入力され、クロック信号としてクロック信号CK4が入力され、入力された信号FF3out及びクロック信号CK4に応じて状態が設定された信号FF4outを出力信号として出力する機能を有する。
【0037】
次に、本実施の形態のシフトレジスタの動作(駆動方法ともいう)の一例として、フリップフロップ105_1乃至フリップフロップ105_4の動作について図2を用いて説明する。図2は、図1に示すシフトレジスタの動作の一例を説明するためのタイミングチャートであり、信号SP、クロック信号CK1、クロック信号CK2、クロック信号CK3、クロック信号CK4、信号FF1out、信号FF2out、信号FF3out、及び信号FF4outの信号波形をそれぞれ示したものである。なお、図2を用いて説明する図1に示すシフトレジスタの動作の一例では、信号SP、クロック信号CK1、クロック信号CK2、クロック信号CK3、クロック信号CK4、信号FF1out、信号FF2out、信号FF3out、及び信号FF4outの各信号を2値のデジタル信号とする。また、本実施の形態におけるシフトレジスタの動作では、図2に示す信号SP、クロック信号CK1、クロック信号CK2、クロック信号CK3、クロック信号CK4、信号FF1out、信号FF2out、信号FF3out、及び信号FF4outの各信号の電圧状態を全て反転させた場合であっても同様の動作を行うことができる。
【0038】
図2に示すように、図1に示すシフトレジスタの一例は、期間111、期間112、期間113、期間114、及び期間115に分けることができる。なお、本明細書において期間の長さは、例えば各クロック信号に応じて適宜設定することができる。ここでは、一例として各期間の長さは等しいものとし、各期間における動作について以下に説明する。
【0039】
まず、時刻A1において、信号SPがハイレベルになり、クロック信号CK1がローレベルになり、クロック信号CK2がローレベルになり、クロック信号CK3がローレベルになり、クロック信号CK4がハイレベルになる。期間111では、信号SPはハイレベルであり、クロック信号CK1はローレベルであり、クロック信号CK2はローレベルであり、クロック信号CK3はローレベルであり、クロック信号CK4はハイレベルである。
【0040】
このとき、フリップフロップ105_1は、セット状態になる。また、信号SP及びクロック信号CK1の電圧状態に応じて信号FF1outがローレベルになり、信号FF1out及びクロック信号CK2の電圧状態に応じて信号FF2outがローレベルになり、信号FF2out及びクロック信号CK3の電圧状態に応じて信号FF3outがローレベルになり、信号FF3out及びクロック信号CK4の電圧状態に応じて信号FF4outがローレベルになる。
【0041】
次に、時刻A2において、信号SPがローレベルになり、クロック信号CK1がハイレベルになり、クロック信号CK2はローレベルのままであり、クロック信号CK3はローレベルのままであり、クロック信号CK4はローレベルになる。期間112では、信号SPはローレベルであり、クロック信号CK1はハイレベルであり、クロック信号CK2はローレベルであり、クロック信号CK3はローレベルであり、クロック信号CK4はローレベルである。
【0042】
このとき、信号SP及びクロック信号CK1の電圧状態に応じて信号FF1outがハイレベルになり、信号FF1out及びクロック信号CK2の電圧状態に応じて信号FF2outがローレベルであり、信号FF2out及びクロック信号CK3の電圧状態に応じて信号FF3outがローレベルであり、信号FF3out及びクロック信号CK4の電圧状態に応じて信号FF4outがローレベルである。
【0043】
次に、時刻A3において、信号SPはローレベルのままであり、クロック信号CK1がローレベルになり、クロック信号CK2がハイレベルになり、クロック信号CK3はローレベルのままであり、クロック信号CK4はローレベルのままである。期間113では、信号SPはローレベルであり、クロック信号CK1はローレベルであり、クロック信号CK2はハイレベルであり、クロック信号CK3はローレベルであり、クロック信号CK4はローレベルである。
【0044】
このとき、信号SP及びクロック信号CK1の電圧状態に応じて信号FF1outがローレベルになり、信号FF1out及びクロック信号CK2の電圧状態に応じて信号FF2outがハイレベルになり、信号FF2out及びクロック信号CK3の電圧状態に応じて信号FF3outがローレベルに維持され、信号FF3out及びクロック信号CK4の電圧状態に応じて信号FF4outがローレベルに維持される。
【0045】
次に、時刻A4において、信号SPはローレベルのままであり、クロック信号CK1はローレベルのままであり、クロック信号CK2がローレベルになり、クロック信号CK3がハイレベルになり、クロック信号CK4はローレベルのままである。期間114では、信号SPがローレベルであり、クロック信号CK1がローレベルであり、クロック信号CK2がローレベルであり、クロック信号CK3がハイレベルであり、クロック信号CK4がローレベルである。
【0046】
このとき、信号SP及びクロック信号CK1の電圧状態に応じて信号FF1outがローレベルに維持され、信号FF1out及びクロック信号CK2の電圧状態に応じて信号FF2outがローレベルになり、信号FF2out及びクロック信号CK3の電圧状態に応じて信号FF3outがハイレベルになり、信号FF3out及びクロック信号CK4の電圧状態に応じて信号FF4outがローレベルに維持される。
【0047】
次に、時刻A5において、信号SPはローレベルのままであり、クロック信号CK1はローレベルのままであり、クロック信号CK2はローレベルのままであり、クロック信号CK3はローレベルになり、クロック信号CK4はハイレベルになる。期間115では、信号SPがローレベルであり、クロック信号CK1がローレベルであり、クロック信号CK2がローレベルであり、クロック信号CK3がローレベルであり、クロック信号CK4がハイレベルである。
【0048】
このとき、信号SP及びクロック信号CK1の電圧状態に応じて信号FF1outがローレベルに維持され、信号FF1out及びクロック信号CK2の電圧状態に応じて信号FF2outがローレベルに維持され、信号FF2out及びクロック信号CK3の電圧状態に応じて信号FF3outがローレベルになり、信号FF3out及びクロック信号CK4の電圧状態に応じて信号FF4outがハイレベルになる。
【0049】
以上のように、本実施の形態のシフトレジスタは、異なるタイミングで電圧状態が変化する少なくとも第1のクロック信号(例えばクロック信号CK1)、第2のクロック信号(例えばクロック信号CK2)、第3のクロック信号(例えばクロック信号CK3)、及び第4のクロック信号(例えばクロック信号CK4)を用い、該複数のクロック信号がいずれかのフリップフロップに入力される構成である。これにより、あるクロック信号が入力されるフリップフロップが動作状態(例えばハイレベルの信号が入力されている状態)であるときに、他のクロック信号が入力されるフリップフロップを非動作状態(例えばローレベルの信号が入力されている状態)にすることができる。これにより、消費電力を低減することができる。
【0050】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様であるシフトレジスタにおけるフリップフロップの回路構成の一例について説明する。
【0051】
本実施の形態のフリップフロップの回路構成の一例について図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態におけるフリップフロップの回路構成の一例を示す回路図である。
【0052】
図3に示すフリップフロップは、トランジスタ311と、トランジスタ312と、トランジスタ313と、トランジスタ314と、トランジスタ315と、トランジスタ316と、を有する。なお、本実施の形態におけるフリップフロップを構成するトランジスタは、一例として全てゲート、ソース、及びドレインを有し、同一の導電型の電界効果トランジスタとする。全て同一の導電型とすることにより、異なる複数の導電型のトランジスタを用いる場合に比べて作製工程数を低減することができる。図3では一例として、フリップフロップを構成するトランジスタを全てN型トランジスタとする例について説明するが、これに限定されず、フリップフロップを構成するトランジスタを全てP型トランジスタとすることもできる。
【0053】
なお、ゲートとは、ゲート電極及びゲート配線の一部又は全部のことをいう。ゲート配線とは、少なくとも一つのトランジスタのゲート電極と、別の電極や別の配線とを電気的に接続させるための配線のことをいい、例えば表示装置における走査線もゲート配線に含まれる。
【0054】
ソースとは、ソース領域、ソース電極、及びソース配線の一部又は全部のことをいう。ソース領域とは、半導体層のうち、抵抗値がチャネル形成領域(チャネル形成層)より低い領域のことをいう。ソース電極とは、ソース領域に接続される部分の導電層のことをいう。ソース配線とは、少なくとも一つのトランジスタのソース電極と、別の電極や別の配線とを電気的に接続させるための配線のことをいい、例えば表示装置における信号線がソース電極に電気的に接続される場合にはソース配線に信号線も含まれる。
【0055】
ドレインとは、ドレイン領域、ドレイン電極、及びドレイン配線の一部又は全部のことをいう。ドレイン領域とは、半導体層のうち、抵抗値がチャネル形成領域(チャネル形成層)より低い領域のことをいう。ドレイン電極とは、ドレイン領域に接続される部分の導電層のことをいう。ドレイン配線とは、少なくとも一つのトランジスタのドレイン電極と、別の電極や別の配線とを電気的に接続させるための配線のことをいい、例えば表示装置における信号線がドレイン電極に電気的に接続される場合にはドレイン配線に信号線も含まれる。
【0056】
また、本書類(明細書、特許請求の範囲又は図面など)において、トランジスタのソースとドレインは、トランジスタの構造や動作条件などによって互いに入れ替わるため、いずれがソース又はドレインであるかを限定することが困難である。そこで、本書類(明細書、特許請求の範囲又は図面など)においては、ソース及びドレインのいずれかから任意に選択した一方をソース及びドレインの一方と表記し、他方の端子をソース及びドレインの他方と表記する。
【0057】
トランジスタ311は、ゲートに信号S31が入力され、ソース及びドレインの一方に高電源電圧VDDが与えられる。
【0058】
トランジスタ312は、ゲートに信号S32が入力され、ソース及びドレインの一方がトランジスタ311のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方に低電源電圧VSSが与えられる。
【0059】
トランジスタ313は、ゲートに信号S32が入力され、ソース及びドレインの一方に高電源電圧VDDが与えられる。
【0060】
トランジスタ314は、ゲートがトランジスタ311のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方がトランジスタ313のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方に低電源電圧VSSが与えられる。なお、トランジスタ314のゲートと、トランジスタ311のソース及びドレインの他方との接続箇所をノード317ともいう。
【0061】
トランジスタ315は、ゲートがトランジスタ313のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方に信号S33が入力される。なお、トランジスタ315のゲートと、トランジスタ313のソース及びドレインの他方との接続箇所をノード318ともいう。
【0062】
トランジスタ316は、ゲートがトランジスタ311のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方がトランジスタ315のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方に低電源電圧VSSが与えられる。
【0063】
また、図3に示すフリップフロップは、トランジスタ315のソース及びドレインの他方の電圧を信号S34として出力する。
【0064】
なお、信号S31は、フリップフロップのスタート信号SPFFとして機能させることができ、例えば実施の形態1の信号SPに相当する。
【0065】
信号S32は、フリップフロップのリセット信号REFFとして機能させることができ、例えば次々段のフリップフロップを有する場合には、次々段のフリップフロップの出力信号が入力される。
【0066】
信号S33は、フリップフロップのクロック信号CKFFとして機能させることができ、例えば実施の形態1の信号CK1乃至信号CK3のいずれか一つに相当する。
【0067】
信号S34は、フリップフロップの出力信号OUTFFとして機能させることができ、例えば実施の形態1の信号FF1out乃至FFnoutのいずれか一つに相当する。
【0068】
図3に示すように、本実施の形態のフリップフロップの一例は、ゲートにスタート信号が入力され、ソース及びドレインのいずれか一方が第1の電源線に電気的に接続された第1のトランジスタ(例えばトランジスタ313)と、ゲートが第1のトランジスタのソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインのいずれか一方が第1のクロック信号線乃至第3のクロック信号線のいずれか一つに電気的に接続され、ソース及びドレインのいずれか他方を介して出力信号が出力される第2のトランジスタ(例えばトランジスタ315)と、ソース及びドレインのいずれか一方が第2のトランジスタのゲートに電気的に接続され、ソース及びドレインのいずれか他方が第2の電源線に電気的に接続された第3のトランジスタ(例えばトランジスタ314)と、を少なくとも有する構成である。該構成の場合、各トランジスタに寄生容量が生じてしまう場合がある。例えば、第2のトランジスタは、フリップフロップを構成する他のトランジスタと比較してチャネル幅を広く設計することがあり、そのため、大きい寄生容量が生じることがある。しかしながら、本発明の一態様であるシフトレジスタの構成により、選択的にフリップフロップに第1の電圧状態のクロック信号を出力することができるため、消費電力を低減することができる。
【0069】
次に、本実施の形態のフリップフロップの動作の一例について、図4を用いて説明する。図4は、図3に示すフリップフロップの動作の一例を示すタイミングチャートである。なお、図4を用いて説明する図3に示すフリップフロップの動作の一例では、信号S31乃至信号S34を全て2値のデジタル信号として説明し、高電源電圧VDDをハイレベルの信号電圧Vと等しい値とし、低電源電圧VSSをローレベルの信号電圧Vと等しい値として説明する。また、本実施の形態におけるフリップフロップの動作では、図4に示す各信号の電圧状態を反転させることもできる。
【0070】
図4に示すように、図3に示すフリップフロップの動作の一例は、期間351、期間352、及び期間353に分けることができる。各期間における動作について以下に説明する。
【0071】
まず、期間351では、時刻E1において、信号S31がハイレベルになり、信号S32がローレベルになり、信号S33がローレベルになる。
【0072】
このとき、図3に示すフリップフロップはセット状態になる。さらに、トランジスタ312がオン状態になり、ノード317の電圧がVになる。また、トランジスタ313がオン状態になり、ノード318の電圧が上昇し始める。ノード318の電圧(V318ともいう)は、V−Vth313(トランジスタ313の閾値電圧)まで上昇し、V−Vth313になると、トランジスタ313がオフ状態になり、ノード318が浮遊状態になる。さらに、ノード318の電圧の絶対値がトランジスタ315の閾値電圧(Vth315ともいう)の絶対値より大きくなると、トランジスタ315がオン状態になり、信号S34がローレベルになる。
【0073】
次に、期間352では、時刻E2において、信号S31がローレベルになり、信号S32がハイレベルになり、信号S33がローレベルになる。
【0074】
このとき、トランジスタ313がオフ状態のままであるため、ノード318の電圧は、V−Vth313のままである。
【0075】
ノード318の電圧がV−Vth313のままであるとき、トランジスタ315はオン状態のままであり、トランジスタ315のソース及びドレインの一方の電圧がVのとき、トランジスタ315のソース及びドレインの他方の電圧が上昇し始める。するとノード318は、浮遊状態であるため、トランジスタ315におけるゲートとソース及びドレインの他方との間に形成された容量(例えば寄生容量)による容量結合により出力信号の電圧に合わせて上昇し始める。いわゆるブートストラップである。
【0076】
ノード318の電圧は、期間351におけるノード318の電圧とトランジスタ315の閾値電圧との和よりもさらに大きい値、すなわち、V+Vth315+V(Vは任意の正の値)まで上昇する。このとき、トランジスタ315はオン状態のままであり、信号S34はハイレベルになる。
【0077】
次に、期間353では、時刻E3において信号S31がローレベルになり、信号S32がローレベルになり、信号S33がハイレベルになる。
【0078】
このとき、トランジスタ311がオン状態になり、ノード317の電圧がVになる。また、トランジスタ314がオン状態になり、ノード318の電圧が下降し始め、Vになり、フリップフロップはリセット状態になり、リセット状態の間、トランジスタ315はオフ状態に維持され、信号S34はローレベルに維持される。
【0079】
図3及び図4に一例として示したように、本実施の形態のフリップフロップは、例えば同一の導電型の電界効果トランジスタを用いて構成することができる。同一の導電型のトランジスタを用いることにより、複数の異なる導電型のトランジスタを用いる場合に比べて作製工程数を低減することができる。また、同一の導電型のトランジスタを用いてフリップフロップを構成する場合であっても本発明の一態様であるシフトレジスタは、消費電力を低減することができる。
【0080】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせ又は置き換えを行うことができる。
【0081】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様であるシフトレジスタに適用可能なトランジスタの一例について説明する。
【0082】
本実施の形態におけるトランジスタの構造例について図5を用いて説明する。図5は、本実施の形態におけるトランジスタの構造の一例を示す図であり、図5(A)は上面図であり、図5(B)は図5(A)の線分Z1−Z2における断面図である。
【0083】
図5(A)及び図5(B)に示すトランジスタは、ゲート電極211と、ゲート絶縁層202と、酸化物半導体層213と、導電層215aと、導電層215bと、を有する。
【0084】
ゲート電極211は、例えば図5(B)に示すように基板201の上に設けられる。
【0085】
ゲート絶縁層202は、ゲート電極211の上に設けられる。
【0086】
酸化物半導体層213は、ゲート絶縁層202を挟んでゲート電極211の上に設けられる。また、酸化物半導体層213は、チャネル形成領域を有する。また、酸化物半導体層213は、形成の際に脱水化又は脱水素化処理が施されている。
【0087】
導電層215a及び導電層215bは、それぞれ酸化物半導体層213の一部の上に設けられる。導電層215a及び導電層215bは、それぞれトランジスタのソース電極又はドレイン電極としての機能を有する。
【0088】
さらに、図5(A)及び図5(B)に示すトランジスタは、酸化物半導体層に脱水化処理又は脱水素化処理が施されるだけでなく、酸化物半導体層213の一部に接して酸化物絶縁層218が設けられる。脱水化又は脱水素化処理が施された後に、酸化物絶縁層218が形成された酸化物半導体層213をチャネル形成層として用いたトランジスタは、長期間の使用や高負荷に伴うVthシフトが起こりにくいため、信頼性が高い。
【0089】
なお、酸化物絶縁層218の上に窒化物絶縁層を設けてもよい。窒化物絶縁層は、酸化物絶縁層218の下方に設けるゲート絶縁層202又は下地となる絶縁層と接する構成とすることが好ましく、基板の側面近傍からの水分や、水素イオンや、OHなどの不純物が侵入することをブロックする。特に、酸化物絶縁層218と接するゲート絶縁層202又は下地となる絶縁層を窒化珪素層とすると有効である。即ち、酸化物半導体層213の下面、上面、及び側面を囲むように窒化珪素層を設けると、表示装置の信頼性が向上する。
【0090】
また、酸化物絶縁層218の上(窒化物絶縁層を有する場合には窒化物絶縁層の上)に平坦化絶縁層を設けることもできる。
【0091】
また、図5(C)に示すように、トランジスタ251を、酸化物半導体層213の一部の上に酸化物導電層214a及び酸化物導電層214bが設けられ、酸化物導電層214aに接するように導電層215aが設けられ、酸化物導電層214bに接するように導電層215bが設けられた構造とすることもできる。
【0092】
酸化物導電層214a及び酸化物導電層214bは、酸化物半導体層213より高い導電率を有しており、トランジスタ251のソース領域(低抵抗ソース領域ともいう)及びドレイン領域(低抵抗ドレイン領域ともいう)として機能する。
【0093】
酸化物導電層214a及び酸化物導電層214bを形成するために用いられる酸化物導電膜としては、例えば可視光に対して透光性を有する導電材料、例えばIn−Sn−Zn−O系、In−Al−Zn−O系、Sn−Ga−Zn−O系、Al−Ga−Zn−O系、Sn−Al−Zn−O系、In−Zn−O系、Sn−Zn−O系、Al−Zn−O系、In−Sn−O系、In−O系、Sn−O系、Zn−O系の金属酸化物を適用することができ、膜厚は1nm以上300nm以下の範囲内で適宜選択する。また、スパッタリング法(スパッタ法ともいう)を用いる場合、SiOを2重量%以上10重量%以下含むターゲットを用いて成膜を行い、透光性を有する導電膜に結晶化を阻害するSiOx(x>0)を含ませ、後の工程で行う脱水化又は脱水素化のための加熱処理の際に結晶化してしまうのを抑制することが好ましい。
【0094】
また、例えばIn−Ga−Zn−O系膜を酸化物半導体層に用いる場合、チャネル形成領域として機能する酸化物半導体層213と、酸化物導電層214a及び酸化物導電層214bを異なる成膜条件によって、作り分けることができる。
【0095】
例えば、スパッタリング法で成膜する場合、アルゴンガス中で成膜した酸化物半導体膜により形成した酸化物導電層214a及び酸化物導電層214bは、N型の導電型を有し、活性化エネルギー(ΔE)が0.01eV以上0.1eV以下である。
【0096】
なお、本実施の形態において、酸化物導電層214a及び酸化物導電層214bは、一例としてIn−Ga−Zn−O系膜であり、少なくともアモルファス成分を含んでいるものとする。また、酸化物導電層214a及び酸化物導電層214bの中に結晶粒(ナノクリスタルともいう)を含む場合がある。この酸化物導電層214a及び酸化物導電層214b中の結晶粒は、直径1nm〜10nm、代表的には2nm〜4nm程度である。
【0097】
また、酸化物導電層214a及び酸化物導電層214bを、必ずしも設ける必要はないが、チャネル形成層として機能する酸化物半導体層213とソース電極並びにドレイン電極として機能する導電層215a及び導電層215bの間に酸化物導電層214a及び酸化物導電層214bを設けることにより、良好な電気的な接合が得られ、トランジスタ251は、安定な動作を行うことができる。
【0098】
また、図5(A)及び図5(B)に示すトランジスタは、図6(A)及び図6(B)に示すように、酸化物絶縁層218(窒化物絶縁層を有する場合には酸化物絶縁層218及び窒化物絶縁層)を挟んで酸化物半導体層213の上に導電層217を有する構造にすることもできる。図6(A)及び図6(B)は、本実施の形態のトランジスタの構造の一例を示す図であり、図6(A)は上面図であり、図6(B)は図6(A)の線分Z1−Z2における断面図である。導電層217は、第2のゲート電極としての機能を有し、第2のゲート電圧を導電層217に印加することにより、トランジスタ251の閾値電圧を制御することができる。また、平坦化絶縁層を設ける場合には、平坦化絶縁層の上に導電層217を設けることもできる。
【0099】
例えば、ソース電極の電圧以上になるように導電層217に電圧を印加すると、トランジスタの閾値電圧は負の方向へシフトし、ソース電極の電圧より低くなるように導電層217に電圧を印加すると、トランジスタの閾値電圧は正の方向へシフトする。
【0100】
図5及び図6に一例として示すように、本実施の形態のトランジスタは、チャネル形成層としての機能を含む酸化物半導体層を有するトランジスタである。よってチャネル形成層にアモルファスシリコンを用いた従来のトランジスタに比べ、高い移動度を有するため、高速動作を行うことができる。また、本実施の形態のトランジスタを用いる場合でも本発明の一態様であるシフトレジスタは、消費電力を低減することができる。
【0101】
また、図5(A)及び図5(C)に示すトランジスタを複数用いる場合の一形態について図7を用いて説明する。図7は、本発明の一態様であるシフトレジスタに適用可能な複数のトランジスタの構造の一例を示す図であり、図7(A)は上面図であり、図7(B)は、図7(A)の線分X1−X2における断面図である。
【0102】
図7(A)及び図7(B)では一例としてトランジスタ251及びトランジスタ252を示している。なお、ここでは一例として、酸化物半導体層とソース電極又はドレイン電極との間に酸化物導電層を有する構造について示す。
【0103】
トランジスタ251は、図5(A)及び図5(C)と同様に、ゲート電極211と、ゲート絶縁層202と、酸化物半導体層213と、酸化物導電層214a及び酸化物導電層214bと、導電層215a及び導電層215bと、を有する。
【0104】
ゲート電極211は、例えば図7(B)に示すように、基板201の上に設けられる。
【0105】
ゲート絶縁層202は、ゲート電極211の上に設けられる。
【0106】
酸化物半導体層213は、ゲート絶縁層202を挟んでゲート電極211の上に設けられる。酸化物半導体層213は、脱水化又は脱水素化処理が施された層である。
【0107】
酸化物導電層214a及び酸化物導電層214bは、酸化物半導体層213より高い導電率を有しており、トランジスタ251のソース領域(低抵抗ソース領域ともいう)及びドレイン領域(低抵抗ドレイン領域ともいう)として機能する。
【0108】
導電層215aは、酸化物導電層214aを挟んで酸化物半導体層213の上に設けられ、導電層215bは、酸化物導電層214bを挟んで酸化物半導体層213の上に設けられる。
【0109】
トランジスタ252は、ゲート電極2112と、ゲート絶縁層202と、酸化物半導体層2132と、酸化物導電層2142a及び酸化物導電層2142bと、導電層215b及び導電層215cと、を有する。
【0110】
ゲート電極2112は、ゲート電極211と同一の層を用いて形成され、ゲート電極211と同じ基板201の上に設けられる。
【0111】
酸化物半導体層2132は、酸化物半導体層213と同一層を用いて形成され、酸化物半導体層213と同様に形成の際に脱水化又は脱水素化処理が施されている。
【0112】
酸化物導電層2142a及び酸化物導電層2142bは、酸化物半導体層2132より高い導電率を有しており、トランジスタ252のソース領域(低抵抗ソース領域ともいう)及びドレイン領域(低抵抗ドレイン領域ともいう)として機能する。
【0113】
さらに、図7(A)及び図7(B)に示すトランジスタ251及びトランジスタ252は、酸化物半導体層に脱水化処理又は脱水素化処理が施されるだけでなく、酸化物半導体層213及び酸化物半導体層2132の一部に接して酸化物絶縁層218が設けられる。
【0114】
さらに、トランジスタ251のゲート電極211は、ゲート絶縁層202に設けられた開口部を介して導電層215bに接する。これにより良好なコンタクトを得ることができ、接触抵抗を低減することができる。よって開口の数の低減、開口の数の低減による占有面積の縮小を図ることができる。よって、例えばこの構造である2つのトランジスタを用いて論理回路(例えばインバータ)などを構成することもできる。
【0115】
図7に一例として示すように、本発明の一態様であるシフトレジスタでは、複数のトランジスタを有し、あるトランジスタのゲート電極がゲート絶縁層に設けられた開口部を介して他のトランジスタのソース電極又はドレイン電極と電気的に接続された構造にすることもできる。
【0116】
次に、図5に示すトランジスタの作製方法の一例について図8を用いて説明する。図8は、図5に示すトランジスタの作製方法の一例を示す断面図である。
【0117】
まず、基板201を準備し、基板201の上に導電膜を形成した後、第1のフォトリソグラフィ工程によりゲート電極211を形成する(図8(A)参照)。なお、形成されたゲート電極211の側面はテーパ形状であることが好ましい。ゲート電極211の側面をテーパ形状とすることにより、上部に接する膜との密着性を高めることができる。
【0118】
基板201としては、絶縁表面を有し、少なくとも、後の加熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有していることが必要となる。基板201としては、例えばガラス基板などを用いることができる。
【0119】
また、ガラス基板としては、後の加熱処理の温度が高い場合には、歪み点が730℃以上のものを用いるとよい。また、ガラス基板には、例えば、アルミノシリケートガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラスなどのガラス材料が用いられている。なお、酸化ホウ素と比較して酸化バリウム(BaO)を多く含ませることで、より実用的な耐熱ガラスが得られる。このため、BよりBaOを多く含むガラス基板を用いることが好ましい。
【0120】
なお、上記のガラス基板に代えて、基板201としてセラミック基板、石英基板、サファイア基板などの絶縁体でなる基板を用いてもよい。他にも、結晶化ガラス基板などを用いることができる。
【0121】
また、下地膜となる絶縁膜を、基板201とゲート電極211との間に設けてもよい。下地膜は、基板201からの不純物元素の拡散を防止する機能があり、窒化珪素膜、酸化珪素膜、窒化酸化珪素膜、及び酸化窒化珪素膜から選ばれた一つ又は複数の膜による積層構造により形成することができる。
【0122】
ゲート電極211を形成するための導電膜の材料としては、例えばモリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料又はこれらを主成分とする合金材料を用いることができ、ゲート電極211を形成するための導電膜は、これらの材料のいずれか一つ又は複数を含む膜の単層膜又は積層膜により形成することができる。
【0123】
また、ゲート電極211を形成するための導電膜としては、例えばチタン膜、該チタン膜上に設けられたアルミニウム膜、及び該アルミニウム膜上に設けられたチタン膜の三層の積層膜、又はモリブデン膜、該モリブデン膜上に設けられたアルミニウム膜、及び該アルミニウム膜上に設けられたモリブデン膜の三層の積層膜を用いることが好ましい。勿論、金属導電膜として単層膜、2層の積層膜、又は4層以上の積層膜を用いてもよい。また、導電膜として、チタン膜、アルミニウム膜及びチタン膜の積層導電膜を用いた場合は、塩素ガスを用いたドライエッチング法でエッチングすることができる。
【0124】
次に、ゲート電極211の上にゲート絶縁層202を形成する。
【0125】
ゲート絶縁層202は、プラズマCVD法又はスパッタリング法等を用いて、酸化珪素層、窒化珪素層、酸化窒化珪素層又は窒化酸化珪素層を単層で又は積層して形成することができる。例えば、酸化窒化珪素層を形成する場合、成膜ガスとして、SiH、酸素及び窒素を用いてプラズマCVD法により酸化窒化珪素層を形成すればよい。ゲート絶縁層202の膜厚は、100nm以上500nm以下とし、積層の場合は、例えば、膜厚50nm以上200nm以下の第1のゲート絶縁層と、第1のゲート絶縁層上に膜厚5nm以上300nm以下の第2のゲート絶縁層の積層とする。また、ゲート絶縁層202として、リン又はボロンがドープされたシリコンターゲット材を用いて成膜された酸化シリコン膜を用いることにより不純物(水分や、水素イオンや、OHなど)の侵入を抑制することができる。
【0126】
本実施の形態では、一例としてプラズマCVD法により膜厚200nmの窒化珪素膜を成膜することによりゲート絶縁層202を形成する。
【0127】
次に、ゲート絶縁層202の上に酸化物半導体膜を形成する。酸化物半導体膜の膜厚は、2nm以上200nm以下であることが好ましい。例えば膜厚を50nm以下と薄くすることにより、酸化物半導体膜の形成後に脱水化又は脱水素化のための加熱処理を行っても酸化物半導体膜を非晶質な状態にすることができる。また、酸化物半導体膜の膜厚を薄くすることで酸化物半導体膜の形成後に加熱処理した場合に、結晶化してしまうのを抑制することができる。
【0128】
なお、酸化物半導体膜をスパッタリング法により成膜する前に、アルゴンガスを導入してプラズマを発生させる逆スパッタを行い、ゲート絶縁層の表面に付着しているパーティクル(成膜時に発生する粉状物質、ゴミともいう)を除去してもよい。逆スパッタとは、ターゲット側に電圧を印加せずに、アルゴン雰囲気下で基板側にRF電源を用いて電圧を印加して基板近傍にプラズマを形成して表面を改質する方法である。なお、アルゴン雰囲気に代えて窒素、ヘリウム、酸素などを用いてもよい。
【0129】
酸化物半導体膜としては、In−Ga−Zn−O系膜、In−Sn−Zn−O系、In−Al−Zn−O系、Sn−Ga−Zn−O系、Al−Ga−Zn−O系、Sn−Al−Zn−O系、In−Zn−O系、Sn−Zn−O系、Al−Zn−O系、In−Sn−O系、In−O系、Sn−O系、Zn−O系の酸化物半導体膜を用いる。本実施の形態では、In−Ga−Zn−O系酸化物半導体ターゲットを用いてスパッタリング法により成膜する。また、酸化物半導体膜は、希ガス(代表的にはアルゴン)雰囲気下、酸素雰囲気下、又は希ガス(代表的にはアルゴン)及び酸素混合雰囲気下においてスパッタリング法により形成することができる。また、スパッタリング法を用いる場合、SiOを2重量%以上10重量%以下含むターゲットを用いて成膜を行い、酸化物半導体膜に結晶化を阻害するSiOx(x>0)を含ませてもよい。これにより、後の工程で行う脱水化又は脱水素化のための加熱処理の際に、後に形成される酸化物半導体層が結晶化してしまうのを抑制することができる。
【0130】
ここでは、In、Ga、及びZnを含む酸化物半導体成膜用ターゲット(組成比として、In:Ga:ZnO=1:1:1[mol数比])を用いて、基板とターゲットの間との距離を100mm、圧力0.6Pa、直流(DC)電源0.5kW、酸素(酸素流量比率100%)雰囲気下で酸化物半導体膜を成膜する。なお、パルス直流(DC)電源を用いると、成膜時に発生する粉状物質が軽減でき、膜厚分布も均一となるために好ましい。本実施の形態では、酸化物半導体膜として、In−Ga−Zn−O系酸化物半導体成膜用ターゲットを用いてスパッタリング法によりIn−Ga−Zn−O系非単結晶膜を成膜する。
【0131】
スパッタリング法にはスパッタ用電源に高周波電源を用いるRFスパッタリング法、及びスパッタ用電源に直流電源を用いるDCスパッタリング法があり、さらにパルスとしてバイアスを与えるパルスDCスパッタリング法もある。RFスパッタリング法は主に絶縁膜を成膜する場合に用いられ、DCスパッタリング法は主に金属導電膜を成膜する場合に用いられる。
【0132】
また、材料の異なるターゲットを複数設置できる多元スパッタ装置もある。多元スパッタ装置は、同一チャンバーで異なる材料膜を積層成膜することも、同一チャンバーで複数種類の材料を同時に放電させて成膜することもできる。
【0133】
また、チャンバー内部に磁石機構を備えたマグネトロンスパッタリング法を用いるスパッタ装置や、グロー放電を使わずマイクロ波を用いて発生させたプラズマを用いるECRスパッタリング法を用いるスパッタ装置がある。
【0134】
また、スパッタリング法を用いる成膜方法として、成膜中にターゲット物質とスパッタガス成分とを化学反応させてそれらの化合物薄膜を形成するリアクティブスパッタリング法や、成膜中に基板にも電圧をかけるバイアススパッタリング法もある。
【0135】
また、スパッタを行う成膜室の排気手段としては、クライオポンプを用いることが好ましい。クライオポンプを用いて排気を行うことにより、成膜室内の水分など、不純物を除去することができる。
【0136】
次に、酸化物半導体膜を第2のフォトリソグラフィ工程により島状に加工し、酸化物半導体層213を形成する(図8(B)参照)。なお、第2のフォトリソグラフィ工程の後、酸化物半導体層213を不活性ガス雰囲気(窒素、又はヘリウム、ネオン、アルゴン等)下において加熱処理(400℃以上であって750℃未満)を行い、層内に含まれる水素及び水などの不純物を除去してもよい。
【0137】
次に、酸化物半導体層の脱水化又は脱水素化を行う。脱水化又は脱水素化を行う第1の加熱処理の温度は、400℃以上であって750℃未満、好ましくは425℃以上750℃未満とする。なお、425℃以上であれば熱処理時間は1時間以下でよいが、425℃未満であれば加熱処理時間は、1時間よりも長時間行うこととする。ここでは、加熱処理装置の一つである電気炉に基板を導入し、酸化物半導体層に対して窒素雰囲気下において加熱処理を行った後、大気に触れることなく、酸化物半導体層への水や水素の再混入を防ぎ、酸化物半導体層を得る。本実施の形態では、酸化物半導体層の脱水化又は脱水素化を行う加熱温度Tから、再び水が入らないような十分な温度まで、具体的には加熱温度Tよりも100℃以上下がるまで同じ炉を用い窒素雰囲気下で徐冷する。また、窒素雰囲気に限定されず、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下において脱水化又は脱水素化を行ってもよい。
【0138】
なお、加熱処理装置は、電気炉に限られず、抵抗発熱体などの発熱体からの熱伝導又は熱輻射によって、被処理物を加熱する装置を備えていてもよい。例えば、GRTA(Gas Rapid Thermal Anneal)装置、LRTA(Lamp Rapid Thermal Anneal)装置等のRTA(Rapid Thermal Anneal)装置を用いることができる。LRTA装置は、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、高圧水銀ランプなどのランプから発する光(電磁波)の輻射により、被処理物を加熱する装置である。GRTA装置は、高温のガスを用いて加熱処理を行う装置である。気体には、アルゴンなどの希ガス、又は窒素のような、加熱処理によって被処理物とほとんど反応しない不活性気体が用いられる。
【0139】
酸化物半導体層を400℃以上750℃未満の温度で熱処理することで、酸化物半導体層の脱水化、脱水素化が図られ、その後の水(HO)の再含浸を防ぐことができる。
【0140】
また、第1の加熱処理において、窒素、又はヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスに、水、水素などが含まれないことが好ましい。また、第1の加熱処理において、加熱処理装置に導入する窒素、又はヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスの純度を、6N(99.9999%)以上、好ましくは7N(99.99999%)以上、(即ち不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とする。
【0141】
なお、第1の加熱処理の条件、又は酸化物半導体層の材料によっては、酸化物半導体層が結晶化し、微結晶層、ナノ結晶層、又は多結晶層となる場合もある。例えば、結晶化率が90%以上、又は80%以上の微結晶の酸化物半導体層となる場合もある。また、第1の加熱処理の条件、又は酸化物半導体層の材料によっては、結晶成分を含まない非晶質の酸化物半導体層となる場合もある。
【0142】
酸化物半導体層は、第1の加熱処理後に酸素欠乏型となり、N型化し、低抵抗化する。第1の加熱処理後の酸化物半導体層は、成膜直後の酸化物半導体層よりもキャリア濃度が高まり、好ましくは1×1018/cm以上のキャリア濃度を有する酸化物半導体層となる。
【0143】
また、酸化物半導体層の第1の加熱処理は、島状の酸化物半導体層に加工する前の酸化物半導体膜に行うこともできる。その場合には、第1の加熱処理後に、加熱処理装置から基板を取り出し、フォトリソグラフィ工程を行う。
【0144】
次に、ゲート絶縁層202、及び酸化物半導体層213の上にトランジスタのソース電極及びドレイン電極を形成するための導電膜を形成する。
【0145】
導電膜としては、Ti、Mo、W、Al、Cr、Cu、Ta、から選ばれた元素、又は上述した元素を成分とする合金か、上述した元素を組み合わせた合金等を用いる。導電膜は、上述した元素を含む単層に限定されず、二層以上の積層を用いることができる。本実施の形態では、チタン膜(膜厚100nm)とアルミニウム膜(膜厚200nm)とチタン膜(膜厚100nm)の3層構造の導電膜を形成する。また、Ti膜に変えて窒化チタン膜を用いてもよい。
【0146】
なお、200℃〜600℃の熱処理を行う場合には、この熱処理に耐える耐熱性を導電膜に持たせることが好ましい。例えばヒロック防止元素が添加されたアルミニウム合金や、耐熱性導電膜と積層した導電膜を用いることが好ましい。なお、導電膜の成膜方法は、スパッタリング法や真空蒸着法(電子ビーム蒸着法など)や、アーク放電イオンプレーティング法や、スプレー法を用いる。また、銀、金、銅などの導電性ナノペーストを用いてスクリーン印刷法、インクジェット法などを用いて吐出し焼成して形成してもよい。
【0147】
次に、第3のフォトリソグラフィ工程によりトランジスタのソース電極及びドレイン電極を形成するための導電膜の上に、レジストマスク233a及びレジストマスク233bを形成し、レジストマスク233a及びレジストマスク233bを用いて上記導電膜の一部を選択的にエッチングして導電層215a及び導電層215bを形成する(図8(C)参照。)。
【0148】
また、第3のフォトリソグラフィ工程において、酸化物半導体層上に接する導電膜のみを選択的に除去する。例えば、In−Ga−Zn−O系酸化物半導体層上に接する金属導電膜のみを選択的に除去するためにアルカリ性のエッチャントとしてアンモニア過水(組成の重量比として、過酸化水素:アンモニア:水=5:2:2)などを用いると、金属導電膜を選択的に除去し、酸化物半導体からなる酸化物半導体層を残存させることができる。
【0149】
また、エッチング条件にもよるが、第3のフォトリソグラフィ工程において酸化物半導体層の露出領域がエッチングされる場合がある。その場合、ソース電極とドレイン電極に挟まれる領域(導電層215aと導電層215bに挟まれる領域)の酸化物半導体層は、ゲート電極211上でソース電極が重なる領域の酸化物半導体層、又はドレイン電極が重なる領域の酸化物半導体層に比べ、膜厚が薄くなる。
【0150】
次に、ゲート絶縁層202、酸化物半導体層213の上に酸化物絶縁層218を形成する。この段階で、酸化物半導体層213の一部は、酸化物絶縁層218と接する。なお、ゲート絶縁層を挟んでゲート電極と重なる酸化物半導体層の領域がチャネル形成領域となる。
【0151】
酸化物絶縁層218は、1nm以上の膜厚とし、スパッタリング法など、酸化物絶縁層に水、水素等の不純物を混入させない方法を適宜用いて形成することができる。本実施の形態では、スパッタリング法を用いて酸化物絶縁層として酸化珪素膜を成膜する。成膜時の基板温度は、室温以上300℃以下とすればよく、本実施の形態では100℃とする。酸化珪素膜のスパッタリング法による成膜は、希ガス(代表的にはアルゴン)雰囲気下、酸素雰囲気下、又は希ガス(代表的にはアルゴン)及び酸素雰囲気下において行うことができる。また、ターゲットとして酸化珪素ターゲット又は珪素ターゲットを用いることができる。例えば、珪素ターゲットを用いて、酸素、及び希ガス雰囲気下でスパッタリング法により酸化珪素膜を形成することができる。低抵抗化した酸化物半導体層213に接して形成する酸化物絶縁層は、水分や、水素イオンや、OHなどの不純物を含まず、これらが外部から侵入することをブロックする無機絶縁膜を用い、代表的には酸化珪素膜、窒化酸化珪素膜、酸化アルミニウム膜、又は酸化窒化アルミニウム膜などを用いる。なお、スパッタリング法で形成した酸化物絶縁層は特に緻密であり、接する層へ不純物が拡散する現象を抑制する保護膜として単層であっても利用することができる。また、リン(P)や硼素(B)をドープしたターゲットを用い、酸化物絶縁層にリン(P)や硼素(B)を添加することもできる。
【0152】
本実施の形態では、純度が6Nであり、柱状多結晶Bドープの珪素ターゲット(抵抗値0.01Ωcm)を用い、基板とターゲットの間との距離(T−S間距離)を89mm、圧力0.4Pa、直流(DC)電源6kW、酸素(酸素流量比率100%)雰囲気下でパルスDCスパッタリング法により成膜する。膜厚は300nmとする。
【0153】
なお、酸化物絶縁層218は酸化物半導体層のチャネル形成領域となる領域上に接して設けられ、チャネル保護層としての機能も有する。
【0154】
次に、第2の加熱処理(好ましくは200℃以上400℃以下、例えば250℃以上350℃以下)を不活性ガス雰囲気下(例えば窒素ガス雰囲気下)で行ってもよい。例えば、窒素雰囲気下で250℃、1時間の第2の加熱処理を行う。第2の加熱処理を行うと、酸化物半導体層213の一部が酸化物絶縁層218と接した状態で加熱され、また、酸化物半導体層213の他の一部が導電層215a及び導電層215bと接した状態で加熱される。
【0155】
第1の加熱処理で低抵抗化された酸化物半導体層213が酸化物絶縁層218と接した状態で第2の加熱処理が施されると、酸化物絶縁層218が接した領域が酸素過剰な状態となる。その結果、酸化物半導体層213の酸化物絶縁層218が接する領域から、酸化物半導体層213の深さ方向に向けて、I型化(高抵抗化)する(図8(D)参照)。
【0156】
なお、第2の加熱処理を行うタイミングは、第3のフォトリソグラフィ工程の終了直後に限定されず、第3のフォトリソグラフィ工程よりも後の工程であれば特に限定されない。
【0157】
以上により、本実施の形態のトランジスタを作製することができる。
【0158】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0159】
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様であるシフトレジスタに適用可能なトランジスタの他の一例について説明する。
【0160】
本実施の形態におけるトランジスタの構造の一例について図9を用いて説明する。図9は、本実施の形態におけるトランジスタの構造の一例を示す図であり、図9(A)は上面図であり、図9(B)は図9(A)の線分Z1−Z2における断面図である。
【0161】
図9(A)及び図9(B)に示すトランジスタは、図5に示すトランジスタと同様に、ゲート電極211と、ゲート絶縁層202と、酸化物半導体層213、導電層215aと、導電層215bと、を有する。
【0162】
ゲート電極211は、例えば図9(B)に示すように基板201の上に設けられる。
【0163】
ゲート絶縁層202は、ゲート電極211の上に設けられる。
【0164】
導電層215a及び導電層215bは、それぞれゲート絶縁層202の一部の上に設けられる。
【0165】
酸化物半導体層213は、ゲート絶縁層202を挟んでゲート電極211の上及び導電層215a及び導電層215bの上に設けられる。酸化物半導体層213は、形成の際に脱水化又は脱水素化処理が施されている。
【0166】
さらに、図9(A)及び図9(B)に示すトランジスタは、酸化物半導体層に脱水化処理又は脱水素化処理が施されるだけでなく、酸化物半導体層213の一部に接して酸化物絶縁層218が設けられる。
【0167】
なお、酸化物絶縁層218の上に窒化物絶縁層を設けてもよい。窒化物絶縁層は、酸化物絶縁層218の下方に設けるゲート絶縁層202又は下地となる絶縁層と接する構成とすることが好ましく、基板の側面近傍からの水分や、水素イオンや、OHなどの不純物が侵入することをブロックする。特に、酸化物絶縁層218と接するゲート絶縁層202又は下地となる絶縁層を窒化珪素層とすると有効である。即ち、酸化物半導体層213の下面、上面、及び側面を囲むように窒化珪素層を設けると、表示装置の信頼性が向上する。
【0168】
また、酸化物絶縁層218の上(上記窒化物絶縁層を設ける場合には窒化物絶縁層の上)に平坦化絶縁層を設けることもできる。
【0169】
また、図6(A)及び図6(B)と同様に図9に示すトランジスタ251は、酸化物絶縁層218の上(上記平坦化絶縁層を設ける場合には平坦化絶縁層の上)に酸化物絶縁層218を挟んで酸化物半導体層213の上に導電層を有する構造にすることもできる。導電層は、第2のゲート電極としての機能を有する。第2のゲート電圧を導電層に印加することにより、トランジスタ251の閾値電圧を制御することができる。
【0170】
なお、平坦化絶縁層は必ずしも設ける必要はない。平坦化絶縁層を設けない場合には、酸化物絶縁層218の上(窒化物絶縁層を有する場合には窒化物絶縁層の上)に第2のゲート電極としての機能を有する導電層を有する構造とすることもできる。
【0171】
例えばソース電極の電圧以上になるように、第2のゲート電極としての機能を有する導電層に電圧を印加すると、トランジスタの閾値電圧は負の方向へシフトし、ソース電極の電圧より低くなるように、第2のゲート電極としての機能を有する導電層に電圧を印加すると、トランジスタの閾値電圧は正の方向へシフトする。
【0172】
また、本実施の形態のトランジスタを、図5(C)のトランジスタ251のように酸化物半導体層213と、導電層215a及び導電層215bとの間に酸化物導電層214a及び酸化物導電層214bが設けられた構造とすることもできる。
【0173】
図9に一例に示すように、本実施の形態のトランジスタは、ソース電極又はドレイン電極の上に酸化物半導体層を有する、いわゆるボトムコンタクト型のトランジスタである。よってチャネル形成層にアモルファスシリコンを用いた従来のトランジスタに比べ高い移動度を有するため、高速動作を行うことができる。また、本実施の形態のトランジスタを用いる場合でも本発明の一態様であるシフトレジスタは、消費電力を低減することができる。また、ボトムコンタクト型のトランジスタを適用することにより、酸化物半導体層とソース電極又はドレイン電極となる導電層との接触面積を増やすことができ、ピーリングなどを防止することができる。
【0174】
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様であるシフトレジスタに適用可能なトランジスタの他の一例について説明する。
【0175】
本実施の形態におけるトランジスタの構造の一例について図10を用いて説明する。図10は、本実施の形態におけるトランジスタの構造の一例を示す図であり、図10(A)は上面図であり、図10(B)は図10(A)の線分Z1−Z2における断面図である。
【0176】
図10(A)及び図10(B)に示すトランジスタは、図5、図6、又は図9に示すトランジスタと同様に、ゲート電極211と、ゲート絶縁層202と、酸化物半導体層213、導電層215aと、導電層215bと、を有する。
【0177】
ゲート電極211は、例えば図10(B)に示すように基板201の上に設けられる。
【0178】
ゲート絶縁層202は、ゲート電極211の上に設けられる。
【0179】
酸化物半導体層213は、ゲート絶縁層202を挟んでゲート電極211の上に設けられる。また、酸化物半導体層213は、形成の際に脱水化又は脱水素化処理が施されている。
【0180】
さらに、図10(A)及び図10(B)に示すトランジスタは、酸化物半導体層に脱水化処理又は脱水素化処理が施されるだけでなく、酸化物半導体層213の一部に接して酸化物絶縁層218が設けられる。図10(A)及び図10(B)に示す酸化物絶縁層218は、チャネル保護層としての機能を有する。
【0181】
導電層215a及び導電層215bは、それぞれ酸化物半導体層213及び酸化物絶縁層218の一部の上に設けられる。導電層215a及び導電層215bは、それぞれソース電極又はドレイン電極としての機能を有する。
【0182】
なお、酸化物絶縁層218の上に窒化物絶縁層を設けてもよい。窒化物絶縁層は、酸化物絶縁層218の下方に設けるゲート絶縁層202又は下地となる絶縁層と接する構成とすることが好ましく、基板の側面近傍からの水分や、水素イオンや、OHなどの不純物が侵入することをブロックする。特に、酸化物絶縁層218と接するゲート絶縁層202又は下地となる絶縁層を窒化珪素層とすると有効である。即ち、酸化物半導体層213の下面、上面、及び側面を囲むように窒化珪素層を設けると、表示装置の信頼性が向上する。
【0183】
また、酸化物絶縁層218の上(上記窒化物絶縁層を設ける場合には窒化物絶縁層の上)に平坦化絶縁層を設けることもできる。
【0184】
また、酸化物絶縁層218の上(上記平坦化絶縁層を設ける場合には平坦化絶縁層の上)に酸化物絶縁層218を挟んで酸化物半導体層213の上に導電層を有する構造にすることもできる。導電層は、第2のゲート電極としての機能を有する。第2のゲート電圧を導電層に印加することにより、トランジスタ251の閾値電圧を制御することができる。
【0185】
なお、平坦化絶縁層は必ずしも設ける必要はない。平坦化絶縁層を設けない場合には、酸化物絶縁層218の上(窒化物絶縁層を有する場合には窒化物絶縁層の上)に、第2のゲート電極としての機能を有する導電層を有する構造とすることもできる。
【0186】
例えば、ソース電極の電圧以上になるように、第2のゲート電極としての機能を有する導電層に電圧を印加すると、トランジスタの閾値電圧は負の方向へシフトし、ソース電極の電圧より低くなるように、第2のゲート電極としての機能を有する導電層に電圧を印加すると、トランジスタの閾値電圧は正の方向へシフトする。
【0187】
また、本実施の形態のトランジスタは、図5(C)に示すトランジスタ251と同様に、トランジスタを酸化物半導体層213の一部の上に一対のバッファ層として機能する一対の酸化物導電層が設けられ、一対の酸化物導電層にそれぞれ接するように一対の電極である導電層215a及び導電層215bが設けられた構造とすることもできる。
【0188】
以上のように、本実施の形態におけるトランジスタは、酸化物半導体層の一部の上にチャネル保護層となる絶縁層を有する、いわゆるチャネル保護型のトランジスタである。よってチャネル形成層にアモルファスシリコンを用いた従来のトランジスタに比べ高い移動度を有するため、高速動作を行うことができる。また、本実施の形態のトランジスタを用いる場合でも本発明の一態様であるシフトレジスタは、消費電力を低減することができる。
【0189】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0190】
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様であるシフトレジスタを駆動回路に用いた表示装置について説明する。なお、本実施の形態では、一例として、同一基板上に少なくとも駆動回路の一部と、該駆動回路により表示状態が制御される画素を含む画素部を有する表示装置について説明する。
【0191】
アクティブマトリクス型表示装置のブロック図の一例を図11(A)に示す。表示装置の基板5300上には、画素部5301、第1の走査線駆動回路5302、第2の走査線駆動回路5303、信号線駆動回路5304を有する。画素部5301には、複数の信号線が信号線駆動回路5304から延伸して配置され、複数の走査線が第1の走査線駆動回路5302、及び第2の走査線駆動回路5303から延伸して配置されている。なお、走査線と信号線との交差領域には、各々、表示素子を有する画素がマトリクス状に配置されている。また、表示装置の基板5300は、FPC(Flexible Printed Circuit)等の接続部を介して、タイミング制御回路5305(コントローラ、制御ICともいう)に接続されている。
【0192】
図11(A)では、第1の走査線駆動回路5302、第2の走査線駆動回路5303、信号線駆動回路5304は、画素部5301と同じ基板5300上に形成される。そのため、外部に設ける駆動回路等の部品の数が減るので、コストの低減を図ることができる。また、基板5300外部に駆動回路を設けた場合、配線を延伸させる必要が生じ、配線間の接続数が増える。同じ基板5300上に駆動回路を設けた場合、その配線間の接続数を減らすことができ、信頼性の向上、又は歩留まりの向上を図ることができる。
【0193】
なお、タイミング制御回路5305は、第1の走査線駆動回路5302に対し、一例として、第1の走査線駆動回路用スタート信号(GSP1)、第1の走査線駆動回路用クロック信号(GCK1)を供給する。また、タイミング制御回路5305は、第2の走査線駆動回路5303に対し、一例として、第2の走査線駆動回路用スタート信号(GSP2)、第2の走査線駆動回路用クロック信号(GCK2)を供給する。また、タイミング制御回路5305は、信号線駆動回路5304に対し、一例として、信号線駆動回路用スタート信号(SSP)、信号線駆動回路用クロック信号(SCK)、ビデオ信号用データ(DATA)(単にビデオ信号ともいう)、ラッチ信号(LAT)を供給する。なお、各クロック信号は、周期のずれた複数のクロック信号でもよいし、クロック信号を反転させた信号(CKB)とともに供給されるものであってもよい。なお、第1の走査線駆動回路5302と第2の走査線駆動回路5303との一方を省略することが可能である。
【0194】
図11(B)では、第1の走査線駆動回路5302及び第2の走査線駆動回路5303を、画素部5301と同じ基板5300に形成し、信号線駆動回路5304を、画素部5301とは別の基板に形成する構成について示している。当該構成により、表示装置の大型化、工程数の削減、コストの低減、又は歩留まりの向上などを図ることができる。
【0195】
また、図12(A)、図12(B)では、nチャネル型TFTで構成する信号線駆動回路の構成、動作について一例を示し説明する。
【0196】
信号線駆動回路は、シフトレジスタ5601、及びスイッチング回路5602を有する。スイッチング回路5602は、スイッチング回路5602_1〜5602_N(Nは2以上の自然数)という複数の回路を有する。スイッチング回路5602_1〜5602_Nは、各々、薄膜トランジスタ5603_1〜5603_k(kは2以上の自然数)という複数のトランジスタを有する。薄膜トランジスタ5603_1〜5603_kが、Nチャネル型TFTである例を説明する。
【0197】
信号線駆動回路の接続関係について、スイッチング回路5602_1を例にして説明する。薄膜トランジスタ5603_1〜5603_kのソース及びドレインの一方は、各々、配線5604_1〜5604_kと電気的に接続される。薄膜トランジスタ5603_1〜5603_kのソース及びドレインの他方は、各々、信号線S1〜Skと電気的に接続される。薄膜トランジスタ5603_1〜5603_kのゲートは、配線5605_1と電気的に接続される。
【0198】
シフトレジスタ5601は、配線5605_1〜5605_Nに順番にハイレベルの信号を出力し、スイッチング回路5602_1〜5602_Nを順番に選択する機能を有する。
【0199】
スイッチング回路5602_1は、配線5604_1〜5604_kと信号線S1〜Skとの導通状態を制御する機能、即ち配線5604_1〜5604_kの電圧を信号線S1〜Skに供給するか否かを制御する機能を有する。このように、スイッチング回路5602_1は、セレクタとしての機能を有する。また薄膜トランジスタ5603_1〜5603_kは、各々、配線5604_1〜5604_kと信号線S1〜Skとの導通状態を制御する機能、即ち配線5604_1〜5604_kの電圧を信号線S1〜Skに供給する機能を有する。このように、薄膜トランジスタ5603_1〜5603_kは、各々、スイッチとしての機能を有する。
【0200】
なお、配線5604_1〜5604_kには、各々、ビデオ信号用データ(DATA)が入力される。ビデオ信号用データ(DATA)は、画像情報又は画像信号に応じたアナログ信号である場合が多い。
【0201】
次に、図12(A)の信号線駆動回路の動作について、図12(B)のタイミングチャートを参照して説明する。図12(B)には、信号Sout_1〜Sout_N、及び信号Vdata_1〜Vdata_kの一例を示す。信号Sout_1〜Sout_Nは、各々、シフトレジスタ5601の出力信号の一例であり、信号Vdata_1〜Vdata_kは、各々、配線5604_1〜5604_kに入力される信号の一例である。なお、信号線駆動回路の1動作期間は、表示装置における1ゲート選択期間に対応する。1ゲート選択期間は、一例として、期間T1〜期間TNに分割される。期間T1〜TNは、各々、選択された行に属する画素にビデオ信号用データ(DATA)を書き込むための期間である。
【0202】
期間T1〜期間TNにおいて、シフトレジスタ5601は、ハイレベルの信号を配線5605_1〜5605_Nに順番に出力する。例えば、期間T1において、シフトレジスタ5601は、ハイレベルの信号を配線5605_1に出力する。すると、薄膜トランジスタ5603_1〜5603_kはオンになるので、配線5604_1〜5604_kと、信号線S1〜Skとが導通状態になる。このとき、配線5604_1〜5604_kには、Data(S1)〜Data(Sk)が入力される。Data(S1)〜Data(Sk)は、各々、薄膜トランジスタ5603_1〜5603_kを介して、選択される行に属する画素のうち、1列目〜k列目の画素に書き込まれる。こうして、期間T1〜TNにおいて、選択された行に属する画素に、k列ずつ順番にビデオ信号用データ(DATA)が書き込まれる。
【0203】
以上のように、ビデオ信号用データ(DATA)が複数の列ずつ画素に書き込まれることによって、ビデオ信号用データ(DATA)の数、又は配線の数を減らすことができる。よって、外部回路との接続数を減らすことができる。また、ビデオ信号が複数の列ずつ画素に書き込まれることによって、書き込み時間を長くすることができ、ビデオ信号の書き込み不足を防止することができる。
【0204】
なお、シフトレジスタ5601としては、本発明の一態様であるシフトレジスタを用いることができ、シフトレジスタ5601及びスイッチング回路5602としては、実施の形態3乃至実施の形態5に示す薄膜トランジスタで構成される回路を用いることが可能である。この場合、シフトレジスタ5601が有する全てのトランジスタの極性をNチャネル型、又はPチャネル型のいずれかの極性のみで構成することができる。
【0205】
さらに、走査線駆動回路及び信号線駆動回路の一部、又は走査線駆動回路若しくは信号線駆動回路の一部に用いるシフトレジスタの一例について説明する。
【0206】
走査線駆動回路は、シフトレジスタを有している。また場合によってはレベルシフタやバッファなどを有していてもよい。走査線駆動回路において、シフトレジスタにクロック信号(CLK)及びスタートパルス信号(SP)が入力されることによって、選択信号が生成される。生成された選択信号はバッファにおいて緩衝増幅され、対応する走査線に供給される。走査線には、1ライン分の画素のトランジスタのゲートが電気的に接続されている。そして、1ライン分の画素のトランジスタを一斉にONにしなくてはならないので、バッファは大きな電流を流すことが可能なものが用いられる。
【0207】
さらに、走査線駆動回路及び信号線駆動回路の一部、又は走査線駆動回路若しくは信号線駆動回路の一部に用いるシフトレジスタの一形態について図13及び図14を用いて説明する。
【0208】
シフトレジスタは、第1のフリップフロップ10_1乃至第Nのフリップフロップ10_N(Nは3以上の自然数)を有している(図13(A)参照)。図13(A)に示すシフトレジスタの第1のフリップフロップ10_1乃至第Nのフリップフロップ10_Nには、配線11よりクロック信号CK61が供給され、配線12よりクロック信号CK62、配線13よりクロック信号CK63が供給され、配線14よりクロック信号CK64が供給され、配線15よりクロック信号CK65が供給され、配線16よりクロック信号CK66が供給され、配線17よりクロック信号CK67が供給され、配線18よりクロック信号CK68が供給される。また、第1のフリップフロップ10_1では、配線91からのスタートパルスSP1(第1のスタートパルス)が入力される。また、2段目以降の第nのフリップフロップ10_n(nは、2以上N以下の自然数)では、一段前段のフリップフロップからの信号(前段信号OUT(n−1)という)が入力される。また、第1のフリップフロップ10_1では、2段後段の第3のフリップフロップ10_3からの信号が入力され、2段目以降の第nのフリップフロップ10_nでは、2段後段の第(n+2)のフリップフロップ10_(n+2)からの信号(後段信号OUT(n+2)という)が入力される。よって、各段のフリップフロップは、後段又は二つ前段のフリップフロップに入力するための第1の出力信号OUT(1)(SR)乃至OUT(N)(SR)、及び別の回路等に入力される第2の出力信号OUT(1)乃至OUT(N)を出力する。なお、図13(A)に示すように、シフトレジスタの最終段の2つの段には、後段信号OUT(n+2)が入力されないが、一例としては、別途配線19より第2のスタートパルスSP2、配線20より第3のスタートパルスSP3をそれぞれ入力する構成とすればよい。又は、別途シフトレジスタの内部で生成された信号であってもよい。例えば、画素部へのパルス出力に寄与しない第(n+1)のフリップフロップ10_(n+1)、第(n+2)のフリップフロップ10_(n+2)を設け(ダミー段ともいう)、当該ダミー段より第2のスタートパルス(SP2)及び第3のスタートパルス(SP3)に相当する信号を生成する構成としてもよい。
【0209】
なお、クロック信号CK61、クロック信号CK62、クロック信号CK63、クロック信号CK64、クロック信号CK65、クロック信号CK66、クロック信号CK67、及びクロック信号CK68は、それぞれデューティー比が25%であり、且つ順に1/4周期分遅延している8相のクロック信号である。実施の形態1に示す4相のクロック信号と比較すると、クロック信号CK61は、実施の形態1におけるクロック信号CK1に相当し、クロック信号CK63は、実施の形態1におけるクロック信号CK2に相当し、クロック信号CK65は、実施の形態1におけるクロック信号CK3に相当し、クロック信号CK67は、実施の形態1におけるクロック信号CK4に相当する。このように、各クロック信号の少なくとも2つにおいて、ハイレベルとなる期間の一部が重なるタイミングとすることにより、シフトレジスタをより高速に動作させることができる。この場合、第1のフリップフロップ10_1には、クロック信号CK61が少なくとも入力され、第2のフリップフロップ10_2には、クロック信号CK62が少なくとも入力され、第3のフリップフロップ10_3には、クロック信号CK63が少なくとも入力され、第4のフリップフロップ10_4には、クロック信号CK64が少なくとも入力され、第5のフリップフロップ10_5には、クロック信号CK65が少なくとも入力され、第6のフリップフロップ10_6には、クロック信号CK66が少なくとも入力され、第7のフリップフロップ10_7には、クロック信号CK67が少なくとも入力され、第8のフリップフロップ10_8には、クロック信号CK68が少なくとも入力される構成にすることができる。本実施の形態では、クロック信号CK61乃至クロック信号CK68を利用して、フリップフロップの駆動の制御等を行う。なお、クロック信号は、入力される駆動回路に応じて、GCK、SCKということもあるが、ここではCKとして説明を行う。
【0210】
また、第1のフリップフロップ10_1乃至第Nのフリップフロップ10_Nのそれぞれは、第1の入力端子21、第2の入力端子22、第3の入力端子23、第4の入力端子24、第5の入力端子25、第1の出力端子26、第2の出力端子27を有しているとする(図13(B)参照)。第1の入力端子21、第2の入力端子22、及び第3の入力端子23は、配線11〜配線18のいずれかと電気的に接続されている。例えば、図13(A)において、第1のフリップフロップ10_1は、第1の入力端子21が配線11と電気的に接続され、第2の入力端子22が配線12と電気的に接続され、第3の入力端子23が配線13と電気的に接続されている。また、第2のフリップフロップ10_2は、第1の入力端子21が配線12と電気的に接続され、第2の入力端子22が配線13と電気的に接続され、第3の入力端子23が配線14と電気的に接続されている。また、第3のフリップフロップ10_3は、第1の入力端子21が配線13と電気的に接続され、第2の入力端子22が配線14と電気的に接続され、第3の入力端子23が配線15と電気的に接続されている。また、第4のフリップフロップ10_4は、第1の入力端子21が配線14と電気的に接続され、第2の入力端子22が配線15と電気的に接続され、第3の入力端子23が配線16と電気的に接続されている。また、第5のフリップフロップ10_5は、第1の入力端子21が配線15と電気的に接続され、第2の入力端子22が配線16と電気的に接続され、第3の入力端子23が配線17と電気的に接続されている。また、第6のフリップフロップ10_6は、第1の入力端子21が配線16と電気的に接続され、第2の入力端子22が配線17と電気的に接続され、第3の入力端子23が配線18と電気的に接続されている。また、第7のフリップフロップ10_7は、第1の入力端子21が配線17と電気的に接続され、第2の入力端子22が配線18と電気的に接続され、第3の入力端子23が配線11と電気的に接続されている。また、第8のフリップフロップ10_8は、第1の入力端子21が配線18と電気的に接続され、第2の入力端子22が配線11と電気的に接続され、第3の入力端子23が配線12と電気的に接続されている。
【0211】
第1のフリップフロップ10_1において、第1の入力端子21にクロック信号CK61が入力され、第2の入力端子22にクロック信号CK62が入力され、第3の入力端子23にクロック信号CK63が入力され、第4の入力端子24にスタートパルスが入力され、第5の入力端子25に出力信号OUT(3)が入力され、第1の出力端子26より出力信号OUT(1)(SR)が出力され、第2の出力端子27より出力信号OUT(1)が出力される。
【0212】
次に、フリップフロップの具体的な回路構成の一例について、図13(C)及び図14(A)で説明する。
【0213】
図13(C)及び図14(A)に示すフリップフロップは、第1のトランジスタ31〜第11のトランジスタ41を有している。また、上述した第1の入力端子21〜第5の入力端子25に加え、高電源電圧VDDが供給される電源線51、高電源電圧VCCが供給される電源線52、低電源電圧VSSが供給される電源線53から、第1のトランジスタ31〜第11のトランジスタ41に信号、又は電源電圧が供給される。また、図13(C)及び図14(A)に示すフリップフロップは、第1の出力端子26及び第2の出力端子27を介して信号を出力する。ここで、高電源電圧VDDの値は、高電源電圧VCCの値以上であり、高電源電圧VCCの値は、低電源電圧VSSの値より大きい。なお、クロック信号CK61〜クロック信号CK68は、ハイレベルとローレベルを繰り返す信号であるが、ハイレベルのときの電圧が高電源電圧VDD、ローレベルのときの電圧が低電源電圧VSSであるとする。なお、電源線51に与えられる高電源電圧VDDを、電源線52に与えられる高電源電圧VCCより高くすることにより、動作に影響を与えることなく、トランジスタのゲートに与えられる電圧を低く抑えることができ、トランジスタのしきい値のシフトを低減し、劣化を抑制することができる。
【0214】
図13(C)及び図14(A)において、第1のトランジスタ31は、ソース及びドレインの一方が電源線51に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が第9のトランジスタ39のソース及びドレインの一方に電気的に接続され、ゲートが第4の入力端子24に電気的に接続されている。第2のトランジスタ32は、ソース及びドレインの一方が電源線53に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が第9のトランジスタ39のソース及びドレインの一方に電気的に接続され、ゲートが第4のトランジスタ34のゲートに電気的に接続されている。第3のトランジスタ33は、ソース及びドレインの一方が第1の入力端子21に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が第1の出力端子26に電気的に接続されている。第4のトランジスタ34は、ソース及びドレインの一方が電源線53に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が第1の出力端子26に電気的に接続されている。第5のトランジスタ35は、ソース及びドレインの一方が電源線53に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が第2のトランジスタ32のゲート及び第4のトランジスタ34のゲートに電気的に接続され、ゲートが第4の入力端子24に電気的に接続されている。第6のトランジスタ36は、ソース及びドレインの一方が電源線52に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が第2のトランジスタ32のゲート及び第4のトランジスタ34のゲートに電気的に接続され、ゲートが第5の入力端子25に電気的に接続されている。第7のトランジスタ37は、ソース及びドレインの一方が電源線52に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が第8のトランジスタ38のソース及びドレインの一方に電気的に接続され、ゲートが第3の入力端子23に電気的に接続されている。第8のトランジスタ38は、ソース及びドレインの他方が第2のトランジスタ32のゲート及び第4のトランジスタ34のゲートに電気的に接続され、ゲートが第2の入力端子22に電気的に接続されている。第9のトランジスタ39は、ソース及びドレインの一方が第1のトランジスタ31のソース及びドレインの他方及び第2のトランジスタ32のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が第3のトランジスタ33のゲート及び第10のトランジスタ40のゲートに電気的に接続され、ゲートが電源線52に電気的に接続されている。第10のトランジスタ40は、ソース及びドレインの一方が第1の入力端子21に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が第2の出力端子27に電気的に接続され、ゲートが第9のトランジスタ39のソース及びドレインの他方に電気的に接続されている。第11のトランジスタ41は、ソース及びドレインの一方が電源線53に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が第2の出力端子27に電気的に接続され、ゲートが第2のトランジスタ32のゲート及び第4のトランジスタ34のゲートに電気的に接続されている。
【0215】
図13(C)において、第3のトランジスタ33のゲート、第10のトランジスタ40のゲート、及び第9のトランジスタ39のソース及びドレインの他方の接続箇所をノードAとする。また、第2のトランジスタ32のゲート、第4のトランジスタ34のゲート、第5のトランジスタ35のソース及びドレインの他方、第6のトランジスタ36のソース及びドレインの他方、第8のトランジスタ38のソース及びドレインの他方、及び第11のトランジスタ41のゲートの接続箇所をノードBとする。
【0216】
ここで、図14(A)に示したフリップフロップを複数具備するシフトレジスタのタイミングチャートについて図14(B)に示す。
【0217】
図14(B)に示すように、入力端子21を介して入力されるクロック信号がハイレベルになる期間において、該クロック信号が入力されたフリップフロップの出力信号がハイレベルになる。また、各フリップフロップの出力信号は、ハイレベルになるタイミングが順に1/4周期分遅延している。
【0218】
なお、図14(A)に示すように、ゲートに高電源電圧VCCが印加される第9のトランジスタ39を設けておくことにより、ブートストラップ動作の前後において、以下のような利点がある。
【0219】
ゲートに高電源電圧VCCが印加される第9のトランジスタ39がない場合、ブートストラップ動作によりノードAの電圧が上昇すると、第1のトランジスタ31のソース及びドレインの他方の電圧が上昇していき、高電源電圧VDDより大きくなる。そして、第1のトランジスタ31のソースが電源線51側に切り替わる。そのため、第1のトランジスタ31においては、ゲートとソースの間、ゲートとドレインの間ともに、大きなバイアス電圧が印加されるために消費電力の増大や、大きなストレスがかかり、トランジスタの劣化の要因となりうる。そこで、ゲートに高電源電圧VCCが印加される第9のトランジスタ39を設けておくことにより、ブートストラップ動作によりノードAの電圧は上昇するものの、第1のトランジスタ31のソース及びドレインの他方の電圧の上昇を生じないようにすることができる。つまり、第9のトランジスタ39を設けることにより、第1のトランジスタ31のゲートとソースの間に印加される負のバイアス電圧の値を小さくすることができる。よって、本実施の形態の回路構成とすることにより、第1のトランジスタ31のゲートとソースの間に印加される負のバイアス電圧も小さくできるため、ストレスによる第1のトランジスタ31の劣化を抑制することができる。
【0220】
なお、第9のトランジスタ39を設ける箇所については、第1のトランジスタ31のソース及びドレインの他方と第3のトランジスタ33のゲートとの間にソース及びドレインの一方とソース及びドレインの他方を介して接続されるように設ける構成であればよい。なお、本実施形態でのフリップフロップを複数具備するシフトレジスタの場合、走査線駆動回路より段数の多い信号線駆動回路では、第9のトランジスタ39を省略してもよく、トランジスタ数を削減する利点がある。
【0221】
なお、第1のトランジスタ31乃至第11のトランジスタ41の半導体層として、酸化物半導体を用いることにより、薄膜トランジスタのオフ電流を低減すると共に、オン電流及び電界効果移動度を高めることができると共に、劣化の度合いを低減することができるため、回路内の誤動作を低減することができる。また酸化物半導体を用いたトランジスタは、アモルファスシリコンを用いたトランジスタに比べ、ゲートに高電圧が印加されることによるトランジスタの劣化の程度が小さい。そのため、例えば高電源電圧VCCを供給する電源線に、高電源電圧VDDを供給しても同様の動作が得られ、且つ回路間を引き回す電源線の数を低減することができるため、回路の小型化を図ることができる。
【0222】
第7のトランジスタ37のゲートに第2の入力端子22からクロック信号CK62が供給され、第8のトランジスタ38のゲートに第3の入力端子23からクロック信号CK63が供給されるように結線関係を入れ替えても同様の作用を奏する。なお、図14(A)に示すシフトレジスタにおいて、第7のトランジスタ37及び第8のトランジスタ38が共にオンの状態から、第7のトランジスタ37がオフ、第8のトランジスタ38がオンの状態、次に第7のトランジスタ37がオフ、第8のトランジスタ38がオフの状態とすることによって、第2の入力端子22及び第3の入力端子23の電圧が低下することで生じる、ノードBの電圧の低下が第7のトランジスタ37のゲートの電圧の低下、及び第8のトランジスタ38のゲートの電圧の低下に起因して2回生じることとなる。一方、図14(A)に示すシフトレジスタにおいて、第7のトランジスタ37及び第8のトランジスタ38が共にオンの状態から、第7のトランジスタ37がオン、第8のトランジスタ38がオフの状態、次に、第7のトランジスタ37がオフ、第8のトランジスタ38がオフの状態とすることによって、第2の入力端子22及び第3の入力端子23の電圧が低下することで生じるノードBの電圧の低下を、第8のトランジスタ38のゲートの電圧の低下による一回に低減することができる。そのため、第7のトランジスタ37のゲートに第3の入力端子23によって供給されるクロック信号が入力され、第8のトランジスタ38のゲートに第2の入力端子22によって供給されるクロック信号が入力されることによって、ノードBの電圧の変動を小さくすることで、ノイズを低減することができるため好適である。
【0223】
このように、第1の出力端子26及び第2の出力端子27の電圧をローレベルに保持する期間に、ノードBに定期的にハイレベルの電圧が与えられる構成とすることにより、フリップフロップの誤動作を抑制することができる。
【0224】
(実施の形態7)
本実施の形態では、上記実施の形態6に示した表示装置の一例として液晶表示装置について説明する。
【0225】
本実施の形態における表示装置の画素の回路構成例について図15を用いて説明する。図15は本実施の形態における表示装置の画素の回路構成を示す回路図である。
【0226】
図15に示すように、画素はトランジスタ821と、液晶素子822と、容量素子823と、を有する。
【0227】
トランジスタ821は、選択スイッチとして機能し、ゲートが走査線804に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方が信号線805に電気的に接続される。
【0228】
液晶素子822は、第1端子及び第2端子を有し、第1端子がトランジスタ821のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、第2端子に接地電位又は一定の値の電圧が与えられる。液晶素子822は、第1端子の一部又は全部となる第1の電極と、第2端子の一部又は全部となる第2の電極と、第1の電極と第2の電極の間に電圧が印加されることにより透過率が変化する液晶分子を有する層(液晶層という)により構成される。
【0229】
容量素子823は、第1端子及び第2端子を有し、第1端子がトランジスタ821のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、第2端子に接地電位又は一定の値の電圧が与えられる。容量素子823は、第1端子の一部又は全部となる第1の電極と、第2端子の一部又は全部となる第2の電極と、誘電体層により構成される。容量素子823は、画素の保持容量としての機能を有する。なお、容量素子823は必ずしも設ける必要はないが、容量素子823を設けることにより、トランジスタ821のリーク電流による影響を抑制することができる。
【0230】
なお、本実施の形態における表示装置には、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、MVA(Multi−domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASM(Axially Symmetric Aligned Micro−cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モードなどを用いることができる。
【0231】
また、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために5重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を用いて液晶層に用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が10μs〜100μsと短く、光学的等方性であるため配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。
【0232】
次に図15に示す画素の動作について説明する。
【0233】
まずデータが書き込まれる画素が選択され、選択された画素は、走査線804から入力される信号によりトランジスタ821がオン状態になる。
【0234】
このとき信号線805からのデータ信号がトランジスタ821を介して入力され、液晶素子822の第1端子の電圧はデータ信号の電圧となり、液晶素子822は第1端子と第2端子の間に印加される電圧に応じた透過率に設定される。データ書き込み後、走査線804から入力される信号によりトランジスタ821がオフ状態になり、液晶素子822は表示期間の間設定された透過率を維持し、表示状態となる。上記動作を走査線804毎に順次行い、すべての画素において上記動作が行われる。以上が画素の動作である。
【0235】
液晶表示装置の動画表示において、液晶分子自体の応答が遅いため、残像が生じる、又は動画のぼけが生じるという問題がある。液晶表示装置の動画特性を改善するため、全面黒表示を1フレームおきに行う、所謂、黒挿入と呼ばれる駆動技術がある。
【0236】
また、通常の垂直同期周波数を通常の1.5倍、好ましくは2倍以上にすることで応答速度を改善する、所謂、倍速駆動と呼ばれる駆動技術もある。
【0237】
また、液晶表示装置の動画特性を改善するため、バックライトとして複数のLED(発光ダイオード)光源又は複数のEL光源などを用いて面光源を構成し、面光源を構成している各光源を独立して1フレーム期間内で間欠点灯駆動する駆動技術もある。面光源として、3種類以上のLEDを用いてもよいし、白色発光のLEDを用いてもよい。独立して複数のLEDを制御できるため、液晶層の光学変調の切り替えタイミングに合わせてLEDの発光タイミングを同期させることもできる。この駆動技術は、LEDを部分的に消灯することができるため、特に一画面を占める黒い表示領域の割合が多い映像表示の場合には、消費電力の低減効果が図れる。
【0238】
これらの駆動技術を組み合わせることによって、液晶表示装置の動画特性などの表示特性を従来よりも改善することができる。
【0239】
次に、上記画素を含む本実施の形態における表示装置の構造について図16を用いて説明する。図16は本実施の形態における表示装置の画素の構造を示す図であり、図16(A)は上面図であり、図16(B)は断面図である。なお、図16(A)におけるA1−A2、B1−B2の点線は、図16(B)における断面A1−A2、断面B1−B2に相当する。
【0240】
図16(A)及び図16(B)に示すように、本実施の形態における表示装置は、A1−A2の断面において、基板2000上にゲート電極2001と、ゲート電極2001上に設けられた絶縁膜2002と、絶縁膜2002上に設けられた酸化物半導体層2003と、酸化物半導体層2003上に設けられた一対の電極2005a及び電極2005bと、電極2005a、電極2005b、及び酸化物半導体層2003上に設けられた酸化物絶縁層2007と、酸化物絶縁層2007に設けられた開口部を介して電極2005bに接する電極2020と、を有する。
【0241】
また、B1−B2の断面において、基板2000上に電極2008と、電極2008上に絶縁膜2002と、絶縁膜2002上に設けられた酸化物絶縁層2007と、酸化物絶縁層2007上に設けられた電極2020と、を有する。
【0242】
電極2022及び電極2029と、電極2023、電極2024、及び電極2028とはFPCに接続するための電極又は配線となる。
【0243】
本実施の形態に用いるトランジスタは、例えば実施の形態3乃至実施の形態5に示すトランジスタを用いることができるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0244】
電極2020、電極2029、及び電極2028は、酸化インジウム(In)や酸化インジウム酸化スズ合金(In―SnO、ITOと略記する)などを用いてスパッタリング法や真空蒸着法などにより形成される。このような材料のエッチング処理は塩酸系の溶液により行う。しかし、特にITOのエッチングは残渣が発生しやすいので、エッチング加工性を改善するために酸化インジウム酸化亜鉛合金(In―ZnO)を用いてもよい。
【0245】
また、図17(A1)、図17(A2)は、この段階でのゲート配線端子部の断面図及び上面図をそれぞれ図示している。図17(A1)は図17(A2)中のC1−C2線に沿った断面図に相当する。図17(A1)において、保護絶縁膜2054上に形成される透明導電膜2055は、入力端子として機能する接続用の端子電極である。また、図17(A1)において、端子部では、ゲート配線と同じ材料で形成される第1の端子2051と、ソース配線と同じ材料で形成される接続電極2053とがゲート絶縁層2052を介して重なり、且つゲート絶縁層2052を貫通して設けられたコンタクトホールにより直接接して導通させている。また、接続電極2053と透明導電膜2055が保護絶縁膜2054に設けられたコンタクトホールを介して直接接して導通させている。
【0246】
また、図17(B1)、及び図17(B2)は、ソース配線端子部の断面図及び上面図をそれぞれ図示している。また、図17(B1)は図17(B2)中のC3−C4線に沿った断面図に相当する。図17(B1)において、保護絶縁膜2054上に形成される透明導電膜2055は、入力端子として機能する接続用の端子電極である。また、図17(B1)において、端子部では、ゲート配線と同じ材料で形成される電極2056が、ソース配線と電気的に接続される第2の端子2050の下方にゲート絶縁層2052を介して重なる。電極2056は第2の端子2050とは電気的に接続しておらず、電極2056を第2の端子2050と異なる電圧、例えばフローティング、GND、0Vなどに設定すれば、ノイズ対策のための容量又は静電気対策のための容量を形成することができる。また、第2の端子2050は、保護絶縁膜2054を介して透明導電膜2055と電気的に接続している。
【0247】
ゲート配線、ソース配線、及び容量配線は画素密度に応じて複数本設けられるものである。また、端子部においては、ゲート配線と同電圧の第1の端子、ソース配線と同電圧の第2の端子、容量配線と同電圧の第3の端子などが複数並べられて配置される。それぞれの端子の数は、それぞれ任意な数で設ければよいものとし、実施者が適宣決定すればよい。
【0248】
こうしてボトムゲート型のNチャネル型TFTであるを有する画素TFT部、保持容量素子を完成させることができる。そして、これらを個々の画素に対応してマトリクス状に配置して画素部を構成することによりアクティブマトリクス型の表示装置を作製するための一方の基板とすることができる。本明細書では便宜上このような基板をアクティブマトリクス基板と呼ぶ。
【0249】
アクティブマトリクス型の液晶表示装置を作製する場合には、アクティブマトリクス基板と、対向電極が設けられた対向基板との間に液晶層を設け、アクティブマトリクス基板と対向基板とを固定する。なお、対向基板に設けられた対向電極と電気的に接続する共通電極をアクティブマトリクス基板上に設け、共通電極と電気的に接続する第4の端子を端子部に設ける。この第4の端子は、共通電極を固定電位、例えばGND、0Vなどに設定するための端子である。
【0250】
本実施の形態で得られるNチャネル型のトランジスタは、In−Ga−Zn−O系非単結晶膜をチャネル形成領域に用いており、良好な動特性を有するため、これらの駆動技術を組み合わせることができる。
【0251】
また、発光表示装置を作製する場合、有機発光素子の一方の電極(カソードとも呼ぶ)は、低電源電圧VSS、例えばGND、0Vなどに設定するため、端子部に、カソードを低電源電圧VSS、例えばGND、0Vなどに設定するための第4の端子が設けられる。また、発光表示装置を作製する場合には、ソース配線、及びゲート配線に加えて電源供給線を設ける。従って、端子部には、電源供給線と電気的に接続する第5の端子を設ける。
【0252】
ゲート線駆動回路又はソース線駆動回路で酸化物半導体を用いたTFTで形成することにより、製造コストを低減する。そして駆動回路に用いるTFTのゲート電極とソース配線、或いはドレイン配線を直接接続させることでコンタクトホールの数を少なくし、駆動回路の占有面積を縮小化できる表示装置を提供することができる。
【0253】
従って、本実施の形態により、電気特性が高く信頼性のよい表示装置を低コストで提供することができる。
【0254】
なお、本実施の形態は他の実施の形態と適宜組み合わせ又は置き換えを行うことができる。
【0255】
(実施の形態8)
本実施の形態では、上記実施の形態6に示した表示装置の一例として発光表示装置について説明する。また、本実施の形態では、一例としてエレクトロルミネッセンスを発光素子として利用した発光表示装置について説明する。
【0256】
エレクトロルミネッセンスを利用する発光素子は、発光材料が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって区別され、一般的に、前者は有機EL素子、後者は無機EL素子と呼ばれている。
【0257】
有機EL素子は、発光素子に電圧を印加することにより、一対の電極から電子及び正孔がそれぞれ発光性の有機化合物を含む層に注入され、電流が流れる。そして、それらキャリア(電子及び正孔)が再結合することにより発光する。このようなメカニズムから、このような発光素子は、電流励起型の発光素子と呼ばれる。
【0258】
無機EL素子は、その素子構成により、分散型無機EL素子と薄膜型無機EL素子とに分類される。分散型無機EL素子は、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた発光層を有するものであり、発光メカニズムはドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー−アクセプター再結合型発光である。薄膜型無機EL素子は、発光層を誘電体層で挟み込み、さらにそれを電極で挟んだ構造であり、発光メカニズムは金属イオンの内殻電子遷移を利用する局在型発光である。なお、ここでは、発光素子として有機EL素子を用いて説明する。
【0259】
本実施の形態における表示装置の画素の回路構成について図18を用いて説明する。図18は本実施の形態における表示装置の画素の回路構成を示す回路図である。
【0260】
図18に示すように、実施の形態における表示装置の画素は、トランジスタ851と、画素の保持容量としての機能を有する容量素子852と、トランジスタ853と、発光素子854と、を有する。
【0261】
トランジスタ851は、ゲートが走査線855に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方が信号線856に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方に容量素子852を介して高電源電圧VDDが与えられる。
【0262】
トランジスタ853は、ゲートがトランジスタ851のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方に高電源電圧VDDが与えられる。
【0263】
発光素子854は、第1端子及び第2端子を含み、第1端子がトランジスタ853のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、第2端子に低電源電圧VSSが与えられる。
【0264】
次に図18に示す画素の動作について説明する。
【0265】
まずデータ書き込みを行う画素が選択される。選択された画素は、走査線855から入力される走査信号によりトランジスタ851がオン状態になり、所定の値の電圧であるビデオ信号(データ信号ともいう)が信号線856からトランジスタ853のゲートに入力される。
【0266】
トランジスタ853はゲートに入力されるデータ信号に応じた電圧によりオン状態又はオフ状態になる。トランジスタ853がオン状態のとき、発光素子854の電圧は、トランジスタ853のゲート電圧及び第1の電圧に応じた値となる。このとき発光素子854に第1端子及び第2端子との間に印加された電圧に応じて電流が流れ、発光素子854は流れる電流の量に応じた輝度で発光する。また、容量素子852によりトランジスタ853のゲート電圧は一定時間保持されるため、発光素子854は一定時間発光状態を維持する。
【0267】
また信号線856から画素に入力されるデータ信号がデジタル形式の場合、画素はトランジスタ851のオンとオフの切り替えによって、発光若しくは非発光の状態となる。よって、面積階調法又は時間階調法を用いて階調の表示を行うことができる。面積階調法は、1画素を複数の副画素に分割し、各副画素を図18に示す回路構成にして独立にデータ信号に基づいて駆動させることによって、階調表示を行う駆動法である。また時間階調法は、画素が発光する期間を制御することによって、階調表示を行う駆動法である。
【0268】
発光素子は、液晶素子などに比べて応答速度が高いので、液晶素子よりも時間階調法に適している。具体的に時間階調法で表示を行なう場合、1フレーム期間を複数のサブフレーム期間に分割する。そしてビデオ信号に従い、各サブフレーム期間において画素の発光素子を発光又は非発光の状態にする。複数のサブフレーム期間に分割することによって、1フレーム期間中に画素が実際に発光する期間のトータルの長さを、ビデオ信号により制御することができ、階調を表示することができる。
【0269】
また、発光表示装置においても、駆動回路のうち、Nチャネル型TFTで構成することができる駆動回路の一部を画素部のTFTと同一基板上に形成することができる。また、信号線駆動回路及び走査線駆動回路をNチャネル型TFTのみで作製することも可能である。
【0270】
次に、発光素子の構成について、図19を用いて説明する。ここでは、駆動用TFTがNチャネル型の場合を例に挙げて、画素の断面構造について説明する。図19(A)(B)(C)の表示装置に用いられる駆動用TFTであるTFT7001、7011、7021は、上記実施の形態に示すTFTと同様に作製でき、酸化物半導体層を半導体層として含む信頼性の高いTFTである。
【0271】
発光素子は発光を取り出すために少なくとも陽極又は陰極の一方が透明であればよい。そして、基板上にTFT及び発光素子を形成し、基板とは逆側の面から発光を取り出す上面射出や、基板側の面から発光を取り出す下面射出や、基板側及び基板とは反対側の面から発光を取り出す両面射出構造の発光素子があり、本発明の画素構成はどの射出構造の発光素子にも適用することができる。
【0272】
上面射出構造の発光素子について図19(A)を用いて説明する。
【0273】
図19(A)に、駆動用TFTであるTFT7001がNチャネル型で、発光素子7002から発せられる光が陽極7005側に抜ける場合の、画素の断面図を示す。図19(A)では、発光素子7002の陰極7003と駆動用TFTであるTFT7001が電気的に接続されており、陰極7003上に発光層7004、陽極7005が順に積層されている。陰極7003は仕事関数が小さく、なおかつ光を反射する導電膜であれば様々の材料を用いることができる。例えば、Ca、Al、MgAg、AlLiなどが望ましい。そして発光層7004は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでもよい。複数の層で構成されている場合、陰極7003上に電子注入層、電子輸送層、発光層、ホール輸送層、ホール注入層の順に積層する。なおこれらの層を全て設ける必要はない。陽極7005は光を透過する透光性を有する導電性材料を用いて形成し、例えば酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(以下、ITOと示す。)、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電膜を用いてもよい。
【0274】
陰極7003及び陽極7005で発光層7004を挟んでいる領域が発光素子7002に相当する。図19(A)に示した画素の場合、発光素子7002から発せられる光は、矢印で示すように陽極7005側に射出する。
【0275】
次に、下面射出構造の発光素子について図19(B)を用いて説明する。駆動用TFT7011がNチャネル型で、発光素子7012から発せられる光が陰極7013側に射出する場合の、画素の断面図を示す。図19(B)では、駆動用TFT7011と電気的に接続された透光性を有する導電膜7017上に、発光素子7012の陰極7013が成膜されており、陰極7013上に発光層7014、陽極7015が順に積層されている。なお、陽極7015が透光性を有する場合、陽極上を覆うように、光を反射又は遮蔽するための遮蔽膜7016が成膜されていてもよい。陰極7013は、図19(A)の場合と同様に、仕事関数が小さい導電性材料であれば様々な材料を用いることができる。ただしその膜厚は、光を透過する程度(好ましくは、5nm〜30nm程度)とする。例えば20nmの膜厚を有するアルミニウム膜を、陰極7013として用いることができる。そして発光層7014は、図19(A)と同様に、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでもよい。陽極7015は光を透過する必要はないが、図19(A)と同様に、透光性を有する導電性材料を用いて形成することができる。そして遮蔽膜7016は、例えば光を反射する金属などを用いることができるが、金属膜に限定されない。例えば黒の顔料を添加した樹脂などを用いることもできる。
【0276】
陰極7013及び陽極7015で、発光層7014を挟んでいる領域が発光素子7012に相当する。図19(B)に示した画素の場合、発光素子7012から発せられる光は、矢印で示すように陰極7013側に射出する。
【0277】
次に、両面射出構造の発光素子について、図19(C)を用いて説明する。図19(C)では、駆動用TFT7021と電気的に接続された透光性を有する導電膜7027上に、発光素子7022の陰極7023が成膜されており、陰極7023上に発光層7024、陽極7025が順に積層されている。陰極7023は、図19(A)の場合と同様に、仕事関数が小さい導電性材料であれば様々な材料を用いることができる。ただしその膜厚は、光を透過する程度とする。例えば20nmの膜厚を有するAlを、陰極7023として用いることができる。そして発光層7024は、図19(A)と同様に、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでもよい。陽極7025は、図19(A)と同様に、光を透過する透光性を有する導電性材料を用いて形成することができる。
【0278】
陰極7023と、発光層7024と、陽極7025とが重なっている部分が発光素子7022に相当する。図19(C)に示した画素の場合、発光素子7022から発せられる光は、矢印で示すように陽極7025側と陰極7023側の両方に射出する。
【0279】
なお、ここでは、発光素子として有機EL素子について述べたが、発光素子として無機EL素子を設けることも可能である。
【0280】
なお本実施の形態では、発光素子の駆動を制御するTFT(駆動用TFTともいう)と発光素子が電気的に接続されている例を示したが、駆動用TFTと発光素子との間に電流制御用TFTが接続されている構成であってもよい。
【0281】
次に本実施の形態における表示装置(発光パネルともいう)の外観及び断面について、図20を用いて説明する。図20(A)は、第1の基板上に形成されたTFT及び発光素子を、第2の基板との間にシール材によって封止した、本実施の形態の表示装置の上面図であり、図20(B)は、図20(A)のH−Iにおける断面図に相当する。
【0282】
第1の基板4501上に設けられた画素部4502、信号線駆動回路4503a、4503b、及び走査線駆動回路4504a、4504bを囲むようにして、シール材4505が設けられている。また画素部4502、信号線駆動回路4503a、4503b、及び走査線駆動回路4504a、4504bの上に第2の基板4506が設けられている。よって画素部4502、信号線駆動回路4503a、4503b、及び走査線駆動回路4504a、4504bは、第1の基板4501とシール材4505と第2の基板4506とによって、充填材4507と共に密封されている。このように外気に曝されないように気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(貼り合わせフィルム、紫外線硬化樹脂フィルムなど)やカバー材でパッケージング(封入)することが好ましい。
【0283】
また、第1の基板4501上に設けられた画素部4502、信号線駆動回路4503a、4503b、及び走査線駆動回路4504a、4504bは、TFTを複数有しており、図20(B)では、画素部4502に含まれるTFT4510と、信号線駆動回路4503aに含まれるTFT4509を例示している。
【0284】
TFT4509、4510は、酸化物半導体層を半導体層として含む、実施の形態3乃至実施の形態5に示す信頼性の高いトランジスタのいずれかを適用することができる。本実施の形態において、TFT4509、4510はNチャネル型TFTである。また、TFT4509、4510の上には絶縁層4542が形成され、絶縁層4542の上には絶縁層4544が形成される。
【0285】
また、4511は発光素子に相当し、発光素子4511が有する画素電極である第1の電極4517は、TFT4510のソース電極又はドレイン電極と電気的に接続されている。なお発光素子4511の構成は、第1の電極4517、電界発光層4512、第2の電極4513の積層構造であるが、本実施の形態に示した構成に限定されない。発光素子4511から取り出す光の方向などに合わせて、発光素子4511の構成は適宜変えることができる。
【0286】
隔壁4520は、有機樹脂膜、無機絶縁膜又は有機ポリシロキサンを用いて形成する。特に感光性の材料を用い、第1の電極4517上に開口部を形成し、その開口部の側壁が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい。
【0287】
電界発光層4512は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでもよい。
【0288】
発光素子4511に酸素、水素、水分、二酸化炭素などが侵入しないように、第2の電極4513及び隔壁4520上に保護層を形成してもよい。保護層としては、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、DLC膜などを形成することができる。
【0289】
また、信号線駆動回路4503a、4503b、走査線駆動回路4504a、4504b、又は画素部4502に与えられる各種信号及び電圧は、FPC4518a、4518bから供給されている。
【0290】
本実施の形態では、接続端子電極4515が、発光素子4511が有する第1の電極4517と同じ導電膜から形成され、端子電極4516は、TFT4509、4510が有するソース電極及びドレイン電極と同じ導電膜から形成されている。
【0291】
接続端子電極4515は、FPC4518aが有する端子と、異方性導電膜4519を介して電気的に接続されている。
【0292】
発光素子4511からの光の取り出し方向に位置する第2の基板4506は、透光性でなければならない。その場合には、ガラス板、プラスチック板、ポリエステルフィルム又はアクリルフィルムのような透光性を有する材料を用いる。
【0293】
また、充填材4507としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹脂又は熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル、ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)又はEVA(エチレンビニルアセテート)を用いることができる。本実施の形態は充填材として窒素を用いた。
【0294】
また、必要であれば、発光素子の射出面に偏光板、又は円偏光板(楕円偏光板を含む)、位相差板(λ/4板、λ/2板)、カラーフィルタなどの光学フィルムを適宜設けてもよい。また、偏光板又は円偏光板に反射防止膜を設けてもよい。例えば、表面の凹凸により反射光を拡散し、映り込みを低減できるアンチグレア処理を施すことができる。
【0295】
信号線駆動回路4503a、4503b、及び走査線駆動回路4504a、4504bは、別途用意された基板上に単結晶半導体膜又は多結晶半導体膜によって形成された駆動回路で実装されていてもよい。また、信号線駆動回路のみ、或いは一部、又は走査線駆動回路のみ、或いは一部のみを別途形成して実装しても良く、本実施の形態は図20の構成に限定されない。
【0296】
以上の工程により、信頼性の高い発光表示装置(表示パネル)を作製することができる。
【0297】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせ又は置き換えを行うことができる。
【0298】
(実施の形態9)
本実施の形態では、上記実施の形態6に示す表示装置の一例として電子ペーパについて説明する。
【0299】
上記実施の形態に示すシフトレジスタは電子ペーパに用いることもできる。電子ペーパは、電気泳動表示装置(電気泳動ディスプレイともいう)とも呼ばれており、紙と同じ読みやすさ、他の表示装置に比べ低消費電力、薄くて軽い形状とすることが可能という利点を有している。
【0300】
電気泳動ディスプレイは、様々な形態が考えられ得るが、プラスの電荷を有する第1の粒子と、マイナスの電荷を有する第2の粒子とを含むマイクロカプセルが溶媒又は溶質に複数分散されたものであり、マイクロカプセルに電界を印加することによって、マイクロカプセル中の粒子を互いに反対方向に移動させて一方側に集合した粒子の色のみを表示するものである。なお、第1の粒子又は第2の粒子は染料を含み、電界がない場合において移動しない。また、第1の粒子の色と第2の粒子の色は異なる(無色を含む)。
【0301】
このように、電気泳動ディスプレイは、誘電定数の高い物質が高い電界領域に移動する、いわゆる誘電泳動的効果を利用したディスプレイである。電気泳動ディスプレイは、液晶表示装置に必要な偏光板及び対向基板が必要ないため、厚さや重さが低減する。
【0302】
上記マイクロカプセルを溶媒中に分散させたものが電子インクと呼ばれるものであり、この電子インクは、ガラス、プラスチック、布、紙などの表面に印刷することができる。また、カラーフィルタや色素を有する粒子を用いることによってカラー表示も可能である。
【0303】
また、アクティブマトリクス基板上に適宜、二つの電極の間に挟まれるように上記マイクロカプセルを複数配置すればアクティブマトリクス型の表示装置が完成し、マイクロカプセルに電界を印加すれば表示を行うことができる。例えば、上記実施の形態で例示されたTFTによって得られるアクティブマトリクス基板を用いることができる。
【0304】
なお、マイクロカプセル中の第1の粒子及び第2の粒子は、導電体材料、絶縁体材料、半導体材料、磁性材料、液晶材料、強誘電性材料、エレクトロルミネセント材料、エレクトロクロミック材料、磁気泳動材料から選ばれた一種の材料、又はこれらの複合材料を用いればよい。
【0305】
次に、本実施の形態における電子ペーパの構造例について図21を用いて説明する。図21は、本実施の形態における電子ペーパの構造を示す断面図である。
【0306】
図21に示す電子ペーパは、基板580上にTFT581と、TFT581上に積層して設けられた絶縁層583、絶縁層584、及び絶縁層585と、絶縁層583乃至絶縁層585に設けられた開口部を介してTFT581のソース電極又はドレイン電極に接する電極587と、電極587と、基板596に設けられた電極588との間に黒色領域590a及び白色領域590bと、周りに液体で満たされているキャビティ594を含む球形粒子589と、球形粒子589の周りに設けられた充填剤595と、を有する。
【0307】
TFT581は、酸化物半導体層を半導体層として含む信頼性の高いTFTであり、例えば上記実施の形態で示すトランジスタと同様に作製できる。
【0308】
球形粒子589を用いた方式はツイストボール表示方式という。ツイストボール表示方式とは、白と黒に塗り分けられた球形粒子を、表示素子に用いる電極である第1の電極及び第2の電極の間に配置し、第1の電極及び第2の電極に電位差を生じさせて球形粒子の向きを制御することにより、表示を行う方法である。
【0309】
また、球形粒子を含む素子の代わりに電気泳動素子を用いることも可能である。透明な液体と、正に帯電した白い微粒子と負に帯電した黒い微粒子とを封入した直径10μm〜200μm程度のマイクロカプセルを用いる。第1の電極と第2の電極との間に設けられるマイクロカプセルは、第1の電極と第2の電極によって、電場が与えられると、白い微粒子と、黒い微粒子が逆の方向に移動し、白又は黒を表示することができる。この原理を応用した表示素子が電気泳動表示素子である。電気泳動表示素子は、液晶表示素子に比べて反射率が高いため、補助ライトは不要であり、また消費電力が小さく、薄暗い場所でも表示部を認識することが可能である。また、表示部に電源が供給されない場合であっても、一度表示した像を保持することが可能であるため、電波発信源から表示機能付き半導体装置(単に表示装置、又は表示装置を具備する半導体装置ともいう)を遠ざけた場合であっても、表示された像を保存しておくことが可能となる。
【0310】
実施の形態1に示すシフトレジスタは、例えば本実施の形態における電子ペーパの駆動回路に用いることができる。また表示部のトランジスタも酸化物半導体層を用いたトランジスタを適用することができ、例えば同一基板に駆動回路及び表示部を設けることもできる。
【0311】
又は上記電子ペーパは、情報を表示するものであればあらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。例えば、電子ペーパを用いて、電子書籍(電子ブック)、ポスター、電車などの乗り物の車内広告、クレジットカードなどの各種カードにおける表示などに適用することができる。電子機器の一例を図22に示す。図22は、電子書籍の一例を示している。
【0312】
図22に示すように、電子書籍2700は、筐体2701及び筐体2703の2つの筐体で構成されている。筐体2701及び筐体2703は、軸部2711により一体とされており、該軸部2711を軸として開閉動作を行うことができる。このような構成により、紙の書籍のような動作を行うことが可能となる。
【0313】
筐体2701には表示部2705が組み込まれ、筐体2703には表示部2707が組み込まれている。表示部2705及び表示部2707は、一続きの画像を表示する構成としてもよいし、異なる画像を表示する構成としてもよい。異なる画像を表示する構成とすることで、例えば右側の表示部(図22では表示部2705)に文章画像を表示し、左側の表示部(図22では表示部2707)に別の画像を表示することができる。
【0314】
また、図22では、筐体2701に操作部などを備えた例を示している。例えば、筐体2701において、電源2721、操作キー2723、スピーカ2725などを備えている。操作キー2723により、頁を送ることができる。なお、筐体の表示部と同一面にキーボードやポインティングディバイスなどを備える構成としてもよい。また、筐体の裏面や側面に、外部接続用端子(イヤホン端子、USB端子、又はACアダプタ及びUSBケーブルなどの各種ケーブルと接続可能な端子など)、記録媒体挿入部などを備える構成としてもよい。さらに、電子書籍2700は、電子辞書としての機能を持たせた構成としてもよい。
【0315】
また、電子書籍2700は、無線で情報を送受信できる構成としてもよい。無線により、電子書籍サーバから、所望の書籍データなどを購入し、ダウンロードする構成とすることも可能である。
【0316】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせ又は置き換えを行うことができる。
【0317】
(実施の形態10)
本実施の形態では、上記実施の形態6における表示装置の一形態としてシステムオンパネル型の表示装置について説明する。
【0318】
本発明の一態様であるシフトレジスタは、同一基板上に表示部と駆動回路が設けられたシステムオンパネル型の表示装置に適用することもできる。以下に具体的な構成について説明する。
【0319】
本実施の形態における表示装置は、表示素子を含む。表示素子としては液晶素子(液晶表示素子ともいう)、発光素子(発光表示素子ともいう)を用いることができる。発光素子は、電流又は電圧によって輝度が制御される素子をその範疇に含んでおり、具体的には無機EL(Electro Luminescence)、有機ELなどが含まれる。また、電子インクなど、電気的作用によりコントラストが変化する表示媒体も適用することができる。
【0320】
また、本実施の形態における表示装置は、表示素子が封止された状態にあるパネルと、該パネルにコントローラを含むICなどを実装した状態にあるモジュールとを含む。さらに該表示装置を作製する過程における、表示素子が完成する前の一形態に相当する素子基板に関し、該素子基板は、電流を表示素子に供給するための手段を複数の各画素に備える。素子基板は、具体的には、表示素子の画素電極のみが形成された状態であってもよいし、画素電極となる導電膜を成膜した後であって、エッチングして画素電極を形成する前の状態であってもよいし、あらゆる形態があてはまる。
【0321】
なお、本明細書中における表示装置とは、画像表示デバイス、表示デバイス、又は光源(照明装置含む)を指す。また、コネクターが設けられたモジュールも表示装置に含まれる。例えばFPC(Flexible printed circuit)、TAB(Tape Automated Bonding)テープ、若しくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、又は表示素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て表示装置に含まれる。
【0322】
次に本実施の形態における表示装置の一形態に相当する液晶表示パネルの外観及び断面について、図23を用いて説明する。
【0323】
図23(A1)及び図23(A2)は、第1の基板4001上に形成された実施の形態4で示したIn−Ga−Zn−O系膜を半導体層として含むTFT4010、4011、及び液晶素子4013を、第2の基板4006との間にシール材4005によって封止した、本実施の形態における表示装置の上面図であり、図23(B)は、図23(A1)(A2)のM−Nにおける断面図に相当する。
【0324】
本実施の形態における表示装置は、第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004とを囲むようにして、シール材4005が設けられている。また画素部4002と、走査線駆動回路4004の上に第2の基板4006が設けられている。よって、画素部4002と、走査線駆動回路4004とは、第1の基板4001とシール材4005と第2の基板4006とによって、液晶層4008と共に封止されている。また、第1の基板4001上のシール材4005によって囲まれている領域とは異なる領域に、別途用意された基板上に単結晶半導体膜又は多結晶半導体膜で形成された信号線駆動回路4003が実装されている。
【0325】
なお、別途形成した駆動回路の接続方法は、特に限定されるものではなく、COG法、ワイヤボンディング法、或いはTAB法などを用いることができる。図23(A1)は、COG法により信号線駆動回路4003を実装する例であり、図23(A2)は、TAB法により信号線駆動回路4003を実装する例である。
【0326】
また、第1の基板4001上に設けられた画素部4002及び走査線駆動回路4004は、TFTを複数有しており、図23(B)では、画素部4002に含まれるTFT4010と、走査線駆動回路4004に含まれるTFT4011とを例示している。TFT4010、4011上には絶縁層4020、4021、4042が設けられている。
【0327】
TFT4010、4011としては、酸化物半導体層を半導体層として含むTFTを適用することができる。本実施の形態において、TFT4010、4011は、Nチャネル型TFTである。
【0328】
また、液晶素子4013が有する画素電極4030は、TFT4010と電気的に接続されている。そして液晶素子4013の対向電極4031は第2の基板4006上に形成されている。画素電極4030と対向電極4031と液晶層4008とが重なっている部分が、液晶素子4013に相当する。なお、画素電極4030、対向電極4031はそれぞれ配向膜として機能する絶縁層4032、4033が設けられ、絶縁層4032、4033を介して液晶層4008を挟持している。
【0329】
なお、第1の基板4001、第2の基板4006としては、上記実施の形態における基板201に適用可能な材料及び作製方法を適用することができる。
【0330】
また、スペーサ4035は、絶縁膜を選択的にエッチングすることで得られる柱状の隔壁であり、画素電極4030と対向電極4031との間の距離(セルギャップ)を制御するために設けられている。なお球状のスペーサを用いてもよい。また、対向電極4031は、TFT4010と同一基板上に設けられる共通電位線と電気的に接続される。共通接続部を用いて、一対の基板間に配置される導電性粒子を介して対向電極4031と共通電位線とを電気的に接続することができる。なお、導電性粒子はシール材4005に含有させる。
【0331】
なお、本実施の形態は透過型液晶表示装置の例であるが、本発明は反射型液晶表示装置でも半透過型液晶表示装置でも適用できる。
【0332】
また、本実施の形態の液晶表示装置では、基板の外側(視認側)に偏光板を設け、内側に着色層、表示素子に用いる電極という順に設ける例を示すが、偏光板は基板の内側に設けてもよい。また、偏光板と着色層の積層構造も本実施の形態に限定されず、偏光板及び着色層の材料や作製工程条件によって適宜設定すればよい。また、ブラックマトリクスとして機能する遮光膜を設けてもよい。
【0333】
また、本実施の形態では、TFTの表面凹凸を低減するため、及びTFTの信頼性を向上させるため、TFTを、保護層や平坦化絶縁膜として機能する絶縁層(絶縁層4020、絶縁層4021、絶縁層4042)で覆う構成となっている。なお、保護層は、大気中に浮遊する有機物や金属物、水蒸気などの汚染不純物の侵入を防ぐためのものであり、保護層としては、緻密な膜が好ましい。保護層は、スパッタリング法を用いて、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜、酸化窒化アルミニウム膜、若しくは窒化酸化アルミニウム膜の単層、又は積層で形成すればよい。本実施の形態では保護層をスパッタリング法で形成する例を示すが、特に限定されず種々の方法で形成すればよい。また非還元膜を用いることにより保護層を還元防止層として機能させることもできる。
【0334】
ここでは、保護層として積層構造の絶縁層を形成する。ここでは、保護層の一層目として、スパッタリング法を用いて酸化珪素膜を形成することにより絶縁層4042を形成する。保護層として酸化珪素膜を用いると、ソース電極及びドレイン電極として用いるアルミニウム膜のヒロック防止に効果がある。
【0335】
また、保護層の二層目として、スパッタリング法を用いて窒化珪素膜を形成することにより絶縁層4020を形成する。保護層として窒化珪素膜を用いると、ナトリウムなどの可動イオンが半導体領域中に侵入して、TFTの電気特性を変化させることを抑制することができる。
【0336】
また、保護層を形成した後に、半導体層の熱処理を行ってもよい。
【0337】
また、平坦化絶縁膜として絶縁層4021を形成する。絶縁層4021としては、ポリイミド、アクリル、ポリイミドアミド、ベンゾシクロブテン、ポリアミド、エポキシなどの、耐熱性を有する有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)などを用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、絶縁層4021を形成してもよい。
【0338】
なお、シロキサン系樹脂とは、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサン系樹脂は置換基としては有機基(例えばアルキル基やアリール基)やフルオロ基を用いてもよい。また、有機基はフルオロ基を有していてもよい。
【0339】
絶縁層4021の形成法は、特に限定されず、その材料に応じて、スパッタリング法、SOG法、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリーン印刷、オフセット印刷など)、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーターなどを用いることができる。絶縁層4021を材料液を用いて形成する場合、ベークする工程で同時に、半導体層のアニールを行ってもよい。絶縁層4021の焼成工程と半導体層のアニールを兼ねることで効率よく表示装置を作製することが可能となる。
【0340】
画素電極4030、対向電極4031としては、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(以下、ITOと示す。)、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電性材料を用いることができる。
【0341】
また、画素電極4030、対向電極4031を、導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性組成物を用いて形成した画素電極は、シート抵抗が10000Ω/□以下、波長550nmにおける透光率が70%以上であることが好ましい。また、導電性組成物に含まれる導電性高分子の抵抗率が0.1Ω・cm以下であることが好ましい。
【0342】
導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子が用いることができる。例えば、ポリアニリン又はその誘導体、ポリピロール又はその誘導体、ポリチオフェン又はその誘導体、若しくはこれらの2種以上の共重合体などがあげられる。
【0343】
また、別途形成された信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004又は画素部4002に与えられる各種信号及び電位は、FPC4018から供給されている。
【0344】
本実施の形態では、接続端子電極4015が、液晶素子4013が有する画素電極4030と同じ導電膜から形成され、端子電極4016は、TFT4010、4011のソース電極及びドレイン電極と同じ導電膜で形成されている。
【0345】
接続端子電極4015は、FPC4018が有する端子と、異方性導電膜4019を介して電気的に接続されている。
【0346】
また、図23においては、信号線駆動回路4003を別途形成し、第1の基板4001に実装している例を示しているが、本実施の形態はこの構成に限定されない。走査線駆動回路を別途形成して実装してもよいし、信号線駆動回路の一部又は走査線駆動回路の一部のみを別途形成して実装してもよい。
【0347】
上記のようにシステムオンパネル型の表示装置を作製することができる。また、本実施の形態における表示装置には上記実施の形態におけるシフトレジスタを例えば駆動回路に用いることができ、表示部のTFTと同一工程によりシフトレジスタを作製することもできる。
【0348】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせ、又は置き換えを行うことができる。
【0349】
(実施の形態11)
上記実施の形態6乃至実施の形態10に示す表示装置は、さまざまな電子機器(遊技機も含む)に適用することができる。電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ又はデジタルビデオカメラ等のカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
【0350】
図24(A)は、テレビジョン装置の一例を示している。テレビジョン装置9600は、筐体9601に表示部9603が組み込まれている。表示部9603により、映像を表示することが可能である。また、ここでは、スタンド9605により筐体9601を支持した構成を示している。
【0351】
テレビジョン装置9600の操作は、筐体9601が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機9610により行うことができる。リモコン操作機9610が備える操作キー9609により、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部9603に表示される映像を操作することができる。また、リモコン操作機9610に、当該リモコン操作機9610から出力する情報を表示する表示部9607を設ける構成としてもよい。
【0352】
なお、テレビジョン装置9600は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線又は無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)又は双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
【0353】
図24(B)は、デジタルフォトフレームの一例を示している。例えば、デジタルフォトフレーム9700は、筐体9701に表示部9703が組み込まれている。表示部9703は、各種画像を表示することが可能であり、例えばデジタルカメラなどで撮影した画像データを表示させることで、通常の写真立てと同様に機能させることができる。
【0354】
なお、デジタルフォトフレーム9700は、操作部、外部接続用端子(USB端子、USBケーブルなどの各種ケーブルと接続可能な端子など)、記録媒体挿入部などを備える。これらの構成は、表示部と同一面に組み込まれていてもよいが、側面や裏面に備えるとデザイン性が向上するため好ましい。例えば、デジタルフォトフレームの記録媒体挿入部に、デジタルカメラで撮影した画像データを記憶したメモリを挿入して画像データを取り込み、取り込んだ画像データを表示部9703に表示させることができる。
【0355】
また、デジタルフォトフレーム9700は、無線で情報を送受信できる構成としてもよい。無線により、所望の画像データを取り込み、表示させる構成とすることもできる。
【0356】
図25(A)は、携帯型遊技機であり、筐体9881と筐体9891の2つの筐体で構成されており、連結部9893により、開閉可能に連結されている。筐体9881には表示部9882が組み込まれ、筐体9891には表示部9883が組み込まれている。また、図25(A)に示す携帯型遊技機は、その他、スピーカ部9884、記録媒体挿入部9886、LEDランプ9890、入力手段(操作キー)9885、接続端子9887、センサ9888(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9889)などを備えている。もちろん、携帯型遊技機の構成は上述のものに限定されず、少なくとも表示装置を備えた構成であればよく、その他付属設備が適宜設けられた構成とすることができる。図25(A)に示す携帯型遊技機は、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出して表示部に表示する機能や、他の携帯型遊技機と無線通信を行って情報を共有する機能を有する。なお、図25(A)に示す携帯型遊技機が有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0357】
図25(B)は、大型遊技機であるスロットマシンの一例を示している。スロットマシン9900は、筐体9901に表示部9903が組み込まれている。また、スロットマシン9900は、その他、スタートレバーやストップスイッチなどの操作手段、コイン投入口、スピーカなどを備えている。もちろん、スロットマシン9900の構成は上述のものに限定されず、少なくとも本発明に係る表示装置を備えた構成であればよく、その他付属設備が適宜設けられた構成とすることができる。
【0358】
図26(A)は、携帯電話機の一例を示している。携帯電話機9000は、筐体9001に組み込まれた表示部9002の他、操作ボタン9003、外部接続ポート9004、スピーカ9005、マイク9006などを備えている。
【0359】
図26(A)に示す携帯電話機9000は、表示部9002を指などで触れることで、情報を入力ことができる。また、電話を掛ける、或いはメールを作成するなどの操作は、表示部9002を指などで触れることにより行うことができる。
【0360】
表示部9002の画面は主として3つのモードがある。第1は、画像の表示を主とする表示モードであり、第2は、文字などの情報の入力を主とする入力モードである。第3は表示モードと入力モードの2つのモードが混合した表示+入力モードである。
【0361】
例えば、電話を掛ける、或いはメールを作成する場合は、表示部9002を文字の入力を主とする文字入力モードとし、画面に表示させた文字の入力操作を行えばよい。この場合、表示部9002の画面のほとんどにキーボード又は番号ボタンを表示させることが好ましい。
【0362】
また、携帯電話機9000内部に、ジャイロ、加速度センサなどの傾きを検出するセンサを有する検出装置を設けることで、携帯電話機9000の向き(縦か横か)を判断して、表示部9002の画面表示を自動的に切り替えるようにすることができる。
【0363】
また、画面モードの切り替えは、表示部9002を触れること、又は筐体9001の操作ボタン9003の操作により行われる。また、表示部9002に表示される画像の種類によって切り替えるようにすることもできる。例えば、表示部に表示する画像信号が動画のデータであれば表示モード、テキストデータであれば入力モードに切り替える。
【0364】
また、入力モードにおいて、表示部9002の光センサで検出される信号を検知し、表示部9002のタッチ操作による入力が一定期間ない場合には、画面のモードを入力モードから表示モードに切り替えるように制御してもよい。
【0365】
表示部9002は、イメージセンサとして機能させることもできる。例えば、表示部9002に掌や指を触れることで、掌紋、指紋などを撮像することで、本人認証を行うことができる。また、表示部に近赤外光を発光するバックライト又は近赤外光を発光するセンシング用光源を用いれば、指静脈、掌静脈などを撮像することもできる。
【0366】
図26(B)も携帯電話機の一例である。図26(B)の携帯電話機は、筐体9411に、表示部9412、及び操作ボタン9413を含む表示装置9410と、筐体9401に操作ボタン9402、外部入力端子9403、マイク9404、スピーカ9405、及び着信時に発光する発光部9406を含む通信装置9400とを有しており、表示機能を有する表示装置9410は電話機能を有する通信装置9400と矢印の2方向に脱着可能である。よって、表示装置9410と通信装置9400の短軸同士を取り付けることも、表示装置9410と通信装置9400の長軸同士を取り付けることもできる。また、表示機能のみを必要とする場合、通信装置9400より表示装置9410を取り外し、表示装置9410を単独で用いることもできる。通信装置9400と表示装置9410とは無線通信又は有線通信により画像又は入力情報を授受することができ、それぞれ充電可能なバッテリーを有する。
【0367】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【実施例1】
【0368】
本実施例では、走査線駆動回路及び信号線駆動回路を一体形成した発光表示装置について説明する。なお、本実施例の発光表示装置では、一例として、信号線駆動回路を図12(A)に示す構成とし、信号線駆動回路を構成するシフトレジスタの構成を図13(C)に示す構成とし、さらに画素の回路構成を図18に示す画素の回路構成とする。
【0369】
本実施例の発光表示装置における画素部のレイアウトについて図27を用いて説明する。図27は、本実施例における発光表示装置の画素部のレイアウトを示す図である。
【0370】
図27に示す発光表示装置の画素部は、複数の画素を有し、各画素は、トランジスタ3001と、容量素子3002と、トランジスタ3003と、走査線3011と、信号線3012と、電源線3013と、を有する。トランジスタ3001は、図18に示すトランジスタ851に相当し、容量素子3002は、図18に示す容量素子852に相当し、トランジスタ3003は、図18に示すトランジスタ853に相当し、走査線3011は図18に示す走査線855に相当し、信号線3012は、図18に示す信号線856に相当する。また、トランジスタ3001及びトランジスタ3003は、チャネル形成層としてIn−Ga−Zn−O系酸化物半導体層を用いたトランジスタである。また、本実施例の発光表示装置の画素は、画素数が540×960×3であり、画素ピッチが0.026mm×0.078mm×3であり、解像度が326ppiであり開口率が40%である。
【0371】
また、図27に示す発光表示装置の画素は、下面射出型構造であり、トランジスタなどの素子が形成される側の基板(素子基板ともいう)側にR(赤)、G(緑)、B(青)のカラーフィルタがそれぞれ設けられた構造(カラーフィルタオンアレイ構造ともいう)である。また、発光素子は、白色の有機EL素子である。
【0372】
さらに本実施例における発光表示装置の消費電力について測定を行った。結果を図28に示す。図28は、本実施例の発光表示装置の電源電圧と表示装置の消費電力との関係を示す図であり、横軸は電源電圧Vppを示し、縦軸は消費電力を示している。また、図28には、本実施例における8相クロック信号を用いた発光表示装置の消費電力の測定結果に加え、4相クロック信号を用いた従来例の発光表示装置の消費電力についても示す。
【0373】
図28に示すように、本実施例における発光表示装置の消費電力は、従来例の発光表示装置の消費電力より小さく、その差は、電源電圧が高くなるにつれて増加している。
【0374】
以上のように、クロック信号の数を増やして、クロック信号毎に動作させるフリップフロップの数を減らすことにより、消費電力を低減することができることがわかる。
【符号の説明】
【0375】
11 配線
12 配線
13 配線
14 配線
15 配線
16 配線
17 配線
18 配線
19 配線
20 配線
21 入力端子
22 入力端子
23 入力端子
24 入力端子
25 入力端子
26 出力端子
27 出力端子
31 トランジスタ
32 トランジスタ
33 トランジスタ
34 トランジスタ
35 トランジスタ
36 トランジスタ
37 トランジスタ
38 トランジスタ
39 トランジスタ
40 トランジスタ
41 トランジスタ
51 電源線
52 電源線
53 電源線
91 配線
101 クロック信号線
102 クロック信号線
103 クロック信号線
104 クロック信号線
105 フリップフロップ
111 期間
112 期間
113 期間
114 期間
115 期間
201 基板
202 ゲート絶縁層
211 ゲート電極
213 酸化物半導体層
214a 酸化物導電層
214b 酸化物導電層
215a 導電層
215b 導電層
215c 導電層
217 導電層
218 酸化物絶縁層
233a レジストマスク
233b レジストマスク
251 トランジスタ
252 トランジスタ
311 トランジスタ
312 トランジスタ
313 トランジスタ
314 トランジスタ
315 トランジスタ
316 トランジスタ
317 ノード
318 ノード
351 期間
352 期間
353 期間
580 基板
581 TFT
583 絶縁層
584 絶縁層
585 絶縁層
587 電極
588 電極
589 球形粒子
590a 黒色領域
590b 白色領域
594 キャビティ
595 充填剤
596 基板
804 走査線
805 信号線
821 トランジスタ
822 液晶素子
823 容量素子
851 トランジスタ
852 容量素子
853 トランジスタ
854 発光素子
855 走査線
856 信号線
2000 基板
2001 ゲート電極
2002 絶縁膜
2003 酸化物半導体層
2005a 電極
2005b 電極
2007 酸化物絶縁層
2008 電極
2020 電極
2022 電極
2023 電極
2024 電極
2028 電極
2029 電極
2050 端子
2051 端子
2052 ゲート絶縁層
2053 接続電極
2054 保護絶縁膜
2055 透明導電膜
2056 電極
2112 ゲート電極
2132 酸化物半導体層
2142a 酸化物導電層
2142b 酸化物導電層
2700 電子書籍
2701 筐体
2703 筐体
2705 表示部
2707 表示部
2711 軸部
2721 電源
2723 操作キー
2725 スピーカ
3001 トランジスタ
3002 容量素子
3003 トランジスタ
3011 走査線
3012 信号線
3013 電源線
4001 基板
4002 画素部
4003 信号線駆動回路
4004 走査線駆動回路
4005 シール材
4006 基板
4008 液晶層
4010 TFT
4011 TFT
4013 液晶素子
4015 接続端子電極
4016 端子電極
4018 FPC
4019 異方性導電膜
4020 絶縁層
4021 絶縁層
4030 画素電極
4031 対向電極
4032 絶縁層
4035 スペーサ
4042 絶縁層
4501 基板
4502 画素部
4503a 信号線駆動回路
4504a 走査線駆動回路
4518a FPC
4505 シール材
4506 基板
4507 充填材
4509 TFT
4510 TFT
4511 発光素子
4512 電界発光層
4513 電極
4515 接続端子電極
4516 端子電極
4517 電極
4519 異方性導電膜
4520 隔壁
4542 絶縁層
4544 絶縁層
5300 基板
5301 画素部
5302 走査線駆動回路
5303 走査線駆動回路
5304 信号線駆動回路
5305 タイミング制御回路
5601 シフトレジスタ
5602 スイッチング回路
5603 薄膜トランジスタ
5604 配線
5605 配線
7001 TFT
7002 発光素子
7003 陰極
7004 発光層
7005 陽極
7011 駆動用TFT
7012 発光素子
7013 陰極
7014 発光層
7015 陽極
7016 遮蔽膜
7017 導電膜
7021 駆動用TFT
7022 発光素子
7023 陰極
7024 発光層
7025 陽極
7027 導電膜
9000 携帯電話機
9001 筐体
9002 表示部
9003 操作ボタン
9004 外部接続ポート
9005 スピーカ
9006 マイク
9400 通信装置
9401 筐体
9402 操作ボタン
9403 外部入力端子
9404 マイク
9405 スピーカ
9406 発光部
9410 表示装置
9411 筐体
9412 表示部
9413 操作ボタン
9600 テレビジョン装置
9601 筐体
9603 表示部
9605 スタンド
9607 表示部
9609 操作キー
9610 リモコン操作機
9700 デジタルフォトフレーム
9701 筐体
9703 表示部
9881 筐体
9882 表示部
9883 表示部
9884 スピーカ部
9885 入力手段(操作キー)
9886 記録媒体挿入部
9887 接続端子
9888 センサ
9889 マイクロフォン
9890 LEDランプ
9891 筐体
9893 連結部
9900 スロットマシン
9901 筐体
9903 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の期間において第1の電圧状態であり、第2の期間乃至第4の期間において第2の電圧状態である第1のクロック信号が入力される第1のフリップフロップと、
前記第2の期間の少なくとも一部において前記第1の電圧状態であり、前記第3の期間の少なくとも一部及び前記第4の期間において前記第2の電圧状態である第2のクロック信号が入力される第2のフリップフロップと、
前記第1の期間、前記第2の期間、及び前記第4の期間において前記第2の電圧状態であり、前記第3の期間において前記第1の電圧状態である第3のクロック信号が入力される第3のフリップフロップと、
前記第1の期間の少なくとも一部及び前記第2の期間において前記第2の電圧状態であり、前記第4の期間の少なくとも一部において前記第1の電圧状態である第4のクロック信号が入力される第4のフリップフロップと、を有するシフトレジスタ。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1のクロック信号が入力される第1のクロック信号線と、
前記第2のクロック信号が入力される第2のクロック信号線と、
前記第3のクロック信号が入力される第3のクロック信号線と、
前記第4のクロック信号が入力される第4のクロック信号線と、
高電源電圧が与えられる第1の電源線と、
低電源電圧が与えられる第2の電源線と、を有し、
前記第1のフリップフロップ乃至前記第4のフリップフロップのそれぞれは、
ゲート、ソース、及びドレインを有し、前記ゲートにスタート信号が入力され、前記ソース及び前記ドレインのいずれか一方が前記第1の電源線に電気的に接続された第1のトランジスタと、
ゲート、ソース、及びドレインを有し、前記ゲートが前記第1のトランジスタの前記ソース及び前記ドレインの他方に電気的に接続され、前記ソース及び前記ドレインのいずれか一方が前記第1のクロック信号線乃至前記第4のクロック信号線のいずれか一つに電気的に接続され、前記ソース及び前記ドレインのいずれか他方を介して出力信号が出力される第2のトランジスタと、
ゲート、ソース、及びドレインを有し、前記ソース及び前記ドレインのいずれか一方が前記第2のトランジスタの前記ゲートに電気的に接続され、前記ソース及び前記ドレインのいずれか他方が前記第2の電源線に電気的に接続された第3のトランジスタと、を有するシフトレジスタ。
【請求項3】
請求項2において、
前記第1のトランジスタ乃至前記第3のトランジスタは、同一の導電型であるシフトレジスタ。
【請求項4】
請求項2又は請求項3において、
前記第1のトランジスタ乃至前記第3のトランジスタのそれぞれは、チャネル形成層としての機能を有する酸化物半導体層を有するシフトレジスタ。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のシフトレジスタを有する駆動回路と、
前記駆動回路により表示状態が制御される画素を含む画素部と、を有する表示装置。
【請求項6】
第1のフリップフロップ乃至第4のフリップフロップを有するシフトレジスタの駆動方法であって、
第1の期間において第1の電圧状態であり、第2の期間乃至第4の期間において第2の電圧状態である第1のクロック信号を前記第1のフリップフロップに入力することと、
前記第2の期間の少なくとも一部において前記第1の電圧状態であり、前記第3の期間の少なくとも一部及び前記第4の期間において前記第2の電圧状態である第2のクロック信号を前記第2のフリップフロップに入力することと、
前記第1の期間、前記第2の期間、及び前記第4の期間において前記第2の電圧状態であり、前記第3の期間において前記第1の電圧状態である第3のクロック信号を前記第3のフリップフロップに入力することと、
前記第1の期間の少なくとも一部及び前記第2の期間において前記第2の電圧状態であり、前記第4の期間の少なくとも一部において前記第1の電圧状態である第4のクロック信号を前記第4のフリップフロップに入力することと、を含むことを特徴とするシフトレジスタの駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図28】
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【図27】
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【公開番号】特開2011−138595(P2011−138595A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225699(P2010−225699)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】