説明

シリコーンおよびジヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウム塩を含むパーソナルケア組成物

パーソナルケア組成物が、シリコーン化合物により提供され、第四級アンモニウム塩により、改善された皮膚感触に対する審美的な改質がなされ、この塩は、構造ABを有し、Aはカチオン性荷電成分であり、Bはアニオン性荷電成分であり、およびAは1個の第四級化窒素原子、少なくとも2個のヒドロキシル基および250を超えない分子量を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湿潤化を与えるために配合された、優れた皮膚感触特性を有するパーソナルケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
乾燥皮膚は、程度の差はあるにせよ、大抵の人間に対して問題である。この状態は、冬期に、特に明白である。スキンクリーム/ローション、シャンプー/コンディショナー、化粧石鹸/シャワーゲル、制汗剤/脱臭剤などのパーソナルケア製品は、通常、乾燥皮膚に対処するための材料が少なくとも1種配合されている。痒み、皮むけおよび視覚的に不愉快な皮膚外観などの徴候は、全てある程度は和らげることができる。
【0003】
この問題に対して使用される材料には、3種の伝統的なクラスがある。ペトロラタムまたはシリコーンオイルなどの空気遮断剤は、自然の湿気が失われるのを防止する。これらは、表皮と環境との間に遮断膜を形成する。他の取組みは、皮膚剥脱の速度を増すために、角質剥離剤を使用することである。アルファ−ヒドロキシ酸は、剥脱を実現するための最も通常の薬剤である。
【0004】
乾燥皮膚に対する第3の取組みは、湿潤剤の局所的適用である。ヒドロキシル化された低分子量のおよび高分子量の有機物質が、一般にこの目的に使用される。グリセロールとしても知られるグリセリンは、最も効果的な湿潤剤である。
【0005】
第四アンモニウム化合物が、最近保湿剤として商品化された。ヒドロキシプロピルトリモニウム ハニー(Hydroxypropyltrimonium Honey)のINCI名を有する商標Honeyquat 50の下に知られているこれらの1つが、2%レベルでグリセリンよりも良好な湿潤剤であると報告されている。「Cosmetic Ingredients & Ideas(登録商標)」(発行No.2,2001年8月)と題するArch/Brooks小冊子を参照のこと。Honeyquat 50は、クロロヒドロキシトリメチルアンモニウム誘導体と、蜂蜜の「ほのかな」香りに脱臭したグレードの懸垂ヒドロキシル基(ジサッカライド上)との反応から得られると記載されている。他の商業的第四アンモニウム保湿剤は、塩化ヒドロキシプロピルビスヒドロキシエチルジモニウムのINCI名を有するCola(商標)Moist 200である。「Cola(商標)Moist 200」(版権2004)と題するColonial Chemical Inc.小冊子を参照のこと。Colonial Chemical Inc.に帰属する米国特許第6,869,977B1号(O’Lenick,Jr.et al.)は、保湿剤として記載されている、関連したモノカチオン性材料を開示している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
多くの保湿作用を有するものは、その配合に対して、審美的に不愉快な粘着性および/またはべた付く皮膚感触を与える。本発明は、消費者が満足する皮膚感触特性を有するシリコーンを含む保湿性パーソナルケア組成物を提供することを追求した。
【0007】
(i)構造ABのジヒドロキシプロピル第四級アンモニウム塩0.05%から30重量%
(ここで、
Aは、塩ABのカチオン性荷電成分であり、
Bは、塩ABのアニオン性荷電成分であり、
Aは、1個の第四級化窒素原子、少なくとも2個のヒドロキシ基および250以下の分子量を有する。)
(ii)シリコーン0.05から約50重量%
を含むパーソナルケア組成物が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
今回、保湿化シリコーン組成物の皮膚感触特性を、粘着性除去剤としてジヒドロキシプロピル第四級アンモニウム塩を含有させることにより改善できることが分かった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
したがって、本発明の重要な材料は、構造ABのジヒドロキシプロピル第四級アンモニウム塩であり、式中、Aは、塩ABのカチオン性荷電成分であり、Bは、塩ABのアニオン性荷電成分であり、およびAは、1個の第四級化窒素原子、少なくとも2個のヒドロキシル基、および50以下の、しかし好ましくは200以下の、および最適には170以下の分子量を有する。
【0010】
材料が、化粧品的に許容可能であるという条件で、アニオン性荷電成分Bは、有機または無機であってよい。典型的無機アニオンは、ハライド、スルフェート、ホスフェート、硝酸塩、ホウ酸塩である。ハライド、とりわけ塩化物が最も好ましい。有機アニオン性対イオンには、メソスルフェート、トルオイルスルフェート、アセテート、シトレート、タータラート、ラクテート、グルコネート、およびベンゼンスルホネートが含まれる。負に荷電した成分Bの数および荷電は、成分Aの正荷電を中和するために十分なものである。
【0011】
第四級アンモニウム塩の好ましい実施形態は、ジヒドロキシプロピルトリ(C〜Cアルキルまたはヒドロアルキル)アンモニウム塩である。
【0012】
これらの塩は、種々の合成手順において、とりわけクロロヒドロキシプロピルトリ(C〜Cアルキルまたはヒドロアルキル)アンモニウム塩の加水分解によって得ることができる。通常、第四アンモニウム基のC〜Cアルキルまたはヒドロアルキル成分は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシメチルおよびこれらの混合物である。「トリモニウム」基としてINCI名称により知られるトリメチルアンモニウム基が、特に好ましい。最も好ましい種は、塩化1,2−ジヒドロキシプロピルトリモニウムであり、ここでC〜Cアルキルは、メチル基である。
【0013】
第四級アンモニウム塩の他の有用な種は、構造(I)の材料である。
【0014】
【化1】

第四級アンモニウム塩の量は、組成物の0.05から30重量%、好ましくは0.1から25重量%、さらに好ましくは5から20重量%、最適には10から15重量%である。
【0015】
本発明の保湿性組成物は、シリコーンを含む。室温において液体、固体または半固体のコンシステンシーを有する材料を含む広範囲のシリコーンが、本発明に対して有用であり得る。液体シリコーンは、揮発性および不揮発性品種に分けることができるシリコーンオイルを含む。本明細書では、用語「揮発性」とは、周囲温度において測定可能な蒸気圧を有する材料のことを言う。揮発性シリコーンオイルは、3から9個、好ましくは4から5個のケイ素原子を含む環式(シクロメチコーン)または線状ポリジメチルシロキサンから好ましくは選ばれる。市販の揮発性シリコーンオイルには、全てDow Corning Corporationによって供給されるDC200、DC244、DC245、DC344およびDC345;GE Siliconesから供給されるSF−1204、SF−1202Silicone Fluids、GE7207およびGE7158;SWS Silicones Corporationから供給されるSWS−03314が含まれる。
【0016】
有用な不揮発性シリコーンオイルには、ポリアルキルシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサンおよびポリエーテルシロキサンコポリマーが含まれる。本明細書において有用な、本質的に不揮発性のポリアルキルシロキサンは、例えば、25℃において5×10−6から0.1m/sの粘度を有するポリジメチルシロキサンを含む。本発明の組成物において有用な好ましい不揮発性皮膚軟化剤の中に、25℃において1×10−5から4×10−4/sの粘度を有するポリジメチルシロキサンがある。代表的商業用材料には、GE SiliconesからViscasil Seriesの下に販売されているポリアルキルシロキサン、およびDow Corning Corporationによって販売されているDC200シリーズが含まれる。SF 1075メチル−フェニル流体および556Cosmetic Grade Fluid(Dow Corning Corporationによって販売されている)などのポリメチルフェニルシロキサンを含むポリアルキルアリールシロキサンもまた有用である。例示的なポリオキシアルキレンエーテルコポリマーは、GE SiliconesからSF1066として市販されており、PEG−10ジメチコーンは、Shin−Etsuから入手可能である。
【0017】
不揮発性シリコーンの他のクラスは、乳化および非乳化シリコーンエラストマーである。この範疇の代表は、Dow Corning 9040、General Electric SFE 839、およびShin−Etsu KSG−18として入手可能なジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスコポリマーである。Silwax WS−L(ジメチコーンコポリオールラウレート)などのシリコーンワックスも有用であり得る。
【0018】
シリコーンの量は、組成物の0.05から50重量%、好ましくは0.5から40重量%、さらに好ましくは2から20重量%、最適には5から12重量%の範囲であってよい。
【0019】
皮膚軟化剤材料は、化粧品的に許容可能な担体として役立つことができる。これらは、天然または合成エステルおよび炭化水素の形態であってよい。皮膚軟化剤の量は、組成物の0.1から60重量%のいずれか、好ましくは1と30重量%の間の範囲であってよい。
【0020】
エステル皮膚軟化剤の中には:
(a)10から24個の炭素原子を有する飽和脂肪酸のアルキルエステル。この例には、ベヘニルネオペンタノエート、イソノニルイソナノノエート、イソプロピルミリステートおよびオクチルステアレートが含まれる。
(b)エトキシル化飽和脂肪アルコールの脂肪酸エステルなどのエーテル−エステル。
(c)多価アルコールエステル。エチレングリコールモノおよびジ−脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノ−およびジ−脂肪酸エステル、ポリエチレンレングリコール(200−6000)モノ−およびジ−脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ−およびジ−脂肪酸エステル、プロピレングリコール2000モノステアレート、エトキシル化プロピレングリコールモノステアレート、グリセリルモノ−およびジ−脂肪酸エステル、ポリグリセロールポリ脂肪エステル、エトキシル化グリセリルモノ−ステアレート、1,3−ブチレングリコールモノステアレート、1,3−ブチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、満足な多価アルコールエステルである。C〜C30アルコールのペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンおよびネオペンチルグリコールエステルが、特に有用である。
(d)蜜蝋、鯨蝋およびトリベヘニンワックスなどのワックスエステル
(e)スクロースポリベヘン酸エステルおよびスクロースポリ綿実油エステルなどの脂肪酸の糖エステル、がある。
【0021】
天然エステル皮膚軟化剤は、主としてモノ−、ジ−およびトリ−グリセリドをベースとする。代表的グリセリドには、ヒマワリ種油、綿実油、ルリチシャ油、ルリチシャ種油、サクラ草油、ヒマシ油および水素化ヒマシ油、米ぬか油、大豆油、オリーブ油、サフラワー油、シアバター、ホホバ油およびこれらの組合せが含まれる。動物由来の皮膚軟化剤は、ラノリン油およびラノリン誘導体によって代表される。天然エステルの量は、組成物の0.1から20重量%の範囲であってよい。
【0022】
適切な化粧品的に許容可能な担体である炭化水素には、ペトロラタム、鉱油、C11〜C13イソパラフィン、ポリブテンおよび、とりわけ、Presperse Inc.からPermethyl 101Aとして商業的に入手可能なイソヘキサデカンが含まれる。
【0023】
また、10から30個の炭素原子を有する脂肪酸は、化粧品的に許容可能な担体として適切であり得る。ペラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ヒドロキシステアリン酸およびベヘン酸は、この範疇の例示的なものである。
【0024】
また、界面活性剤が、本発明の組成物中に存在してよい。存在する場合の界面活性剤の総濃度は、組成物の0.1から50重量%、好ましくは1から25重量%、最適には1から10重量%の範囲であってよく、パーソナルケア製品のタイプに強く依存する。界面活性剤は、アニオン性、ノニオン性、カチオン性および両性活性物質からなる群から選択することができる。特に好ましいノニオン性界面活性剤は、疎水性物質の1モル当たり、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドの2から100モルを縮合した、C10〜C20脂肪アルコールまたは酸疎水性物質を有するノニオン性界面活性剤であり;アルキレンオキシドの2から20モルと縮合したC〜C10アルキルフェノール;エチレングリコールのモノ−およびジ−脂肪酸エステル;脂肪酸モノグリセリド;ソルビタンモノ−およびジ−C〜C20脂肪酸;およびポリオキシエチレンソルビタン、ならびにこれらの組合せである。アルキルポリグリコシドおよびサッカライド脂肪アミド(例えば、メチルグルコンアミド)およびトリアルキルアミンオキシドも、適切なノニオン性界面活性剤である。
【0025】
好ましいアニオン性界面活性剤には、セッケン、アルキルエーテルスルフェートおよびスルホネート、アルキルスルフェートおよびスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルおよびジアルキルスルホスクシネート、C〜C20アシルイセチオネート、C〜C20アルキルエーテルホスホネート、C〜C20サルコシネート、C〜C20アシルラクテート、スルホラクテートおよびこれらの組合せが含まれる。
【0026】
有用な両性面活性剤には、ココアミドプロピルベタイン、C12〜C20トリアルキルベタイン、ナトリウムラウロアンホアセテート、およびナトリウムラウロジアンホアセテートが含まれる。
【0027】
本発明において、付随する湿潤剤を使用することができる。これらは、一般に多価アルコールタイプの材料である。典型的多価アルコールには、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、エトキシル化グリセロール、プロポキシル化グリセロール、およびこれらの混合物が含まれる。付随する湿潤剤の量は、組成物の0.2から40重量%、好ましくは1と25重量%の間、最も好ましくは2と15重量%の間である。付随する湿潤剤または保湿剤としてグリセリンが最も好ましい。
【0028】
また、日焼け止め剤も本発明の組成物中に含むことができる。Parsol MCX(登録商標)として入手可能なエチルヘキシルp−メトキシシンナメート、Parsol1789(登録商標)として入手可能なAvobenzene、およびOxybenzoneとしても知られるベンゾフェノン−3などの材料が、特に好ましい。極微細(1から100nm)な二酸化チタンおよび酸化亜鉛などの無機の日焼け止め活性物質を使用することができる。存在する場合、日焼け止め剤の量は、一般に組成物の0.1から30重量%、好ましくは2から20重量%、最適には、4から10重量%である。
【0029】
本発明の制汗剤および脱臭剤組成物は、通常収斂性の活性物質を含む。例には、塩化アルミニウム、アルミニウムクロルヒドレックス(aluminum chlorhydrex)、アルミニウム−ジルコニウムクロルヒドレックスグリシン、硫酸アルミニウム、硫酸亜鉛、ジルコニウムおよびアルミニウムクロロヒドログリシネート、塩化ヒドロキシジルコニウム、ジルコニウムおよびアルミニウムラクテート、亜鉛フェノールスルホネートおよびこれらの組合せが含まれる。制汗剤の量は、組成物の0.5から50重量%のいずれかの範囲であってよい。
【0030】
本発明により配合される歯科用製品は、歯のう食を防止するために、一般にフッ素源を含む。典型的な抗う食活性物質には、フッ化ナトリウム、フッ化錫およびナトリウムモノフルオロホスフェートが含まれる。これらの材料の量は、組成物の約500から約8800ppmの間の範囲であるべき放出可能なフッ素の量によって決められる。歯磨き剤の他の成分は、硝酸カリウムおよび硝酸ストロンチウムなどの知覚鈍麻剤、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、スクラロース、およびアセスルファムカリウムなどの甘味剤を含むことができる。増粘剤、乳白剤、研磨剤および着色剤も通常存在する。
【0031】
防腐剤を、潜在的に有害な微生物の増殖を防止するために、本発明のパーソナルケア組成物に好ましくは組み込むことができる。特に好ましい防腐剤は、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニル尿素、ジメチロールジメチルヒダントイン、エチレンジアミン四酢酸塩(EDTA)、ナトリウムデヒドロアセテート、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、ヨードプロピンブチルカルバメートおよびベンジルアルコールである。防腐剤は、組成物の用途および防腐剤と他の成分との、起こり得る不適合性に注意して選択されるべきである。防腐剤は、組成物の0.0001%から2重量%の範囲の量において好ましくは使用される。
【0032】
本発明の組成物は、ビタミンを含むことができる。例示的ビタミンは、ビタミンA(レチノール)、ビタミンB、ビタミンB(ナイアシンアミド)、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE、葉酸およびビオチンである。これらビタミンの誘導体も使用することができる。例えば、ビタミンC誘導体には、アスコビルテトライソパルミテート、マグネシウムアスコビルホスフェートおよびアスコビルグリコシドが含まれる。ビタミンE誘導体には、トコフェリルアセテート、トコフェリルパルミテートおよびトコフェリルリノレートが含まれる。DL−パンテノールおよび誘導体も使用することができる。本発明による組成物中に存在する場合、ビタミンの量は、組成物の0.001から10重量%、好ましくは0.01%から1重量%、最適には0.1から0.5重量%の範囲であってよい。
【0033】
有用な物質の他のタイプは、アミラーゼ、オキシダーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、エラスターゼおよび組合せなどの酵素のタイプであってよい。
【0034】
本発明の組成物中に、皮膚淡色化剤組成物を含むことができる。例示的な物質は、胎盤注出物、乳酸、ナイアシンアミド、アルブチン、コウジ酸、フェルラ酸、レゾルシノールおよび4−置換レゾルシノールを含む誘導体およびこれらの組合せである。これらの薬品の量は、組成物の0.1から0重量%、好ましくは0.5から2重量%の範囲であってよい。
【0035】
剥離促進剤が存在し得る。アルファ−ヒドロキシカルボン酸およびベータ−ヒドロキシカルボン酸が例示的なものである。用語「酸」は、遊離酸だけでなく、これらの塩およびC〜C30アルキルまたはアリールエステル、および環式または線状ラクトン構造を形成するために水を除去することから発生したラクトンも含むことを意味する。代表的酸は、グリコール酸、乳酸およびリンゴ酸である。サリチル酸は、β−ヒドロキシカルボン酸の代表である。これらの材料の量は、存在する場合、組成物の0.01から15重量%の範囲であってよい。
【0036】
種々の薬草抽出物を、本発明の組成物中に場合によって含有させることができる。この抽出物は、各々親水性または疎水性である溶剤に担持された水溶性または水不溶性であってよい。水およびエタノールが、好ましい抽出溶剤である。例示的な抽出物には、緑茶、ローマカミツレ、カンゾウ、アロエベラ、葡萄種、温州ミカン、柳樹皮、サルビア、ジャコウ草およびローズマリーからの抽出物が含まれる。
【0037】
また、リポ酸、レチノキシトリメチルシラン(Silcare 1M−75(商標)の下にClariant Corp.から入手可能)、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)およびこれらの組合せなどの材料が、含まれる。セラミド(Ceramide 1、Ceramide 3、Ceramide 3BおよびCeramide 6を含む)ならびに擬似セラミドも有用であり得る。これらの材料の量は、組成物の0.000001から10重量%、好ましくは0.0001から1重量%の範囲であってよい。
【0038】
着色剤、乳白剤および表皮剥脱剤も本発明の組成物中に含有させることができる。これらの物質のそれぞれは、組成物の0.05から5重量%、好ましくは0.1から3重量%の範囲であってよい。
【0039】
本発明のパーソナルケア組成物は、任意の形態であってよい。これらの形態には、ローション、クリーム、ロール−オン配合、スチック、ムース、エアゾールおよび非エアゾールスプレーおよび布(例えば、不織織物)使用の配合を含む。
【0040】
広範囲の包装が、パーソナルケア組成物を貯蔵および搬送するために使用されうる。包装は、しばしばパーソナルケア最終用途のタイプに依存する。例えばリーブオンスキンローションおよびクリーム、シャンプー、ヘアコンディショナーおよびシャワーゲルは、一般に蓋で覆われた出口端に開口部を有するプラスチック容器を使用する。典型的蓋は、スクリューキャップ、非エアゾールポンプおよびフリップトップ型蓋である。制汗剤、脱臭剤および脱毛剤用の包装は、出口端にロールオンボールを有する容器を含むことができる。あるいは、パーソナルケア製品のこれらのタイプは、スティックが出口オリフィスに向かってプラットホーム上を移動する、押す−戻す仕組みを有する容器中に、スティック組成物配合として提供することができる。噴射剤によって加圧されスプレーノズルを有する金属缶は、制汗剤、シェービングクリームおよび他のスプレー可能なパーソナルケア製品用の包装として役立つ。化粧石鹸は、セルロス系またはプラスチックラッパーによって構成された、または板紙箱内の、またはさらに収縮ラッププラスチックフィルムによって包まれた包装を有することができる。
【0041】
本発明の組成物の他の態様は、包装に添付された、さもなければ、包装と一緒の説明書に含まれているものであってよい。説明書は、皮膚、髪または口腔粘膜への組成物の局所的使用を消費者に示す。包装それ自体に、通常、説明書が印刷されているが、時に包装内の別途書かれた差し込み紙が、説明を提供することがある。典型的言葉には、「腋の下に薄い層を塗る」、「手に定期的に塗る」、「濡れた髪に塗り、泡立てて、すすぐ」、「皮膚を洗い落とす」および「あなたの手の平に少量押し出す」などの語句が含まれる。
【0042】
用語「含む(comprising)」は、任意の引き続いて述べられる要素を限定することなく、むしろ主たるまたは副次的な機能的重要性を有する、非特定の要素を包含することを意味する。換言すれば、列挙されたステップ、要素または選択項目は、網羅的である必要はない。語「含む(including)」または「有する(having)」が使用されるときは、いつでも、これらの用語は、上に定義したとおり「comprising」と等価であることを意味する。
【0043】
操作および比較実施例を除いて、または他に明確に示さない場合には、材料の量を示す記載における数字の全ては、場合により、語「約」が付いたものと理解されたい。
【0044】
全ての特許、特許出願、および印刷出版物を含めて、本明細書に言及されている全ての文書は、本開示において、参照によりその全てを本明細書に組み込む。
【0045】
以下の実施例は、本発明の実施形態をさらに十分に例示する。本明細書に言及されているおよび添付の特許請求の範囲中の全ての部、パーセンテージおよび部分は、他に指示がなければ重量による。
【実施例1】
【0046】
化粧品ローションの形態における本発明の代表的パーソナルケア組成物の概要を表Iに述べる。
【0047】
【表1】

【実施例2】
【0048】
本発明による油中水局所液体メークアップファンデーションを以下の表IIに記載する。
【0049】
【表2】

【実施例3】
【0050】
本発明の四級塩およびシリコーンを組合したスキンクリームをここに例示する。
【0051】
【表3】

【実施例4】
【0052】
表IVの配合が、本発明による四級塩およびシリコーンを組合した他の化粧品組成物の例示である。
【0053】
【表4】

【実施例5】
【0054】
本発明の四級塩およびシリコーンを組合した比較的無水の組成物が、表Vに報告されている。
【0055】
【表5】

【実施例6】
【0056】
本発明に適する四級塩およびシリコーンを含むエアゾール包装発泡クレンザーの概要を、表VIに述べる。
【0057】
【表6】

【実施例7】
【0058】
使い捨て1人用パーソナルケア濡れタオル製品を、本発明により記載する。1.8グラムの重量および15cm×20cmの寸法を有する70/30ポリエステル/レーヨン不織布濡れタオルを調製する。この濡れタオルに第四級アンモニウム塩およびシリコーンミクロエマルジョンを含む以下の表VIIに概要を述べる組成物1.0グラムを含浸する。
【0059】
【表7】

【実施例8】
【0060】
本発明の例示である化粧石鹸を表VIIIの下に概要を述べる。
【0061】
【表8】

【実施例9】
【0062】
本発明の状況において有用であるシャンプー組成物を以下の表IXに記載する。
【0063】
【表9】

【実施例10】
【0064】
この実施例は、本発明により四級塩およびシリコーンを組合した制汗剤/脱臭剤配合を例示する。
【0065】
【表10】

【実施例11】
【0066】
本発明による練り歯磨きは、表XIの下に列挙した成分により配合することができる。
【0067】
【表11】

【実施例12】
【0068】
本実施例は、塩化2,3−ジヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム(表XIIにおいて塩化ジヒドロキシプロピルトリモニウムとして同一物)の合成を詳しく述べる。125mlエルレンマイヤーフラスコに塩化3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム(Quat188(登録商標)として、水中において物質60%として使用される)16.7ml(53ミリモル)を装填した。フラスコは、滴下漏斗および撹拌棒を備えていた。水酸化ナトリウム(55ml、55.0ミリモル)の溶液を、滴下漏斗により、反応を室温に維持する速度においてフラスコ中に装填した。添加が終了したら、溶液を約12時間周囲条件下で撹拌し、次いで50℃において2時間加熱した。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)によって監視した。生成物を2.5×7.6cmシリカゲル板上に、出発材料と並べて少量付着させ、ブタノール:酢酸:水(4:2:2)で約50分間溶出した。ニンヒドリン染料で視覚化を行い、ホットプレート上で焦がした。
【0069】
粗製生成物溶液を、最初に酸性化してpH7にし、次いで、濃縮して水を除去した。エタノール(200ml)を粗製生成物に撹拌しながら添加した。放置し、沈殿した塩化ナトリウムを真空下で濾別した。濾液をRotavap(登録商標)により真空下で濃縮し、次いで高真空(0.05mmHg)下でさらに乾燥した。97%収率において最終生成物を生じ、濁ったゲルが得られた。TLC分析は、R=0.27において主要なスポットを示した。
【0070】
60MHzプロトンNMR(DOw/TSP)を最終生成物について実施した。スペクトルから最終生成物構造が確認された。正イオン型の質量スペクトル分析は、134のM(マイナス塩素)を示した。
【実施例13】
【0071】
一連の実験を行って、計測により皮膚感触性能を評価した。一連の試料1から5cを固着性/滑り摩擦試験において評価するために調製した。試料の全てに対する基本配合は、2%Carbopol 980(登録商標)で増粘された20%水性グリセリン溶液であり、これに塩化ジヒドロキシプロピルトリモニウムおよびジメチコーン(DC200/50)の異なる量をブレンドした。
【0072】
べた付きまたは粘着の測定
それぞれの試料(200マイクロリットル)の測定された量を、ステンレス鋼板上に装着された独立気泡ネオプレンの1インチ直径の層に塗布した。この板をインストロン4501型汎用試験機(Instron Model 4501 Universal Testing Instrument)(Instron Corp.、Canton、MA)のクロスヘッドに装着した。他の独立気泡ネオプレンの1インチ直径の層をステンレス鋼板に取り付け、これをインストロンの荷重フレーム上の圧縮荷重セルに装着した。この2つの層を10cm/minの速度において100グラムの圧縮力に圧縮した。剥離の力はべた付きまたは粘着として定義され、グラムにおいて測定される。それぞれの試料を5回試験した。
【0073】
滑り摩擦の測定
ガラスにそれぞれの試料の過剰量を塗布し、ドローダウンナイフを使用して75ミクロン厚、6インチ長および0.5インチ幅の皮膜にドローダウンした。この板をインストロン4501型汎用試験機のクロスヘッドに装着した。7.6cm×2.5cmおよび重量19グラムのアルミニウムそりをインストロンの荷重セルに取り付けた。皮膜を1分間乾燥させた後に、そりを10cm/min.において皮膜表面を横切って引いた。仕事の平均量を滑り摩擦として定義し、グラム−cmにおいて測定する。
【0074】
【表12】

「粘着」に対する高い数は、試料の大きい固着性を示す。高い「摩擦」値は、増大した乾燥に関する。したがって、粘着性および摩擦に対する低い値は、皮膚感触のよりよい
態様を示す。
【0075】
試料3aから3cは、ジメチコーンにより配合される。これらの配合は、全て比較的高いべた付きおよび摩擦値を有する。試料4aから5cは、塩化ジヒドロキシプロピルトリモニウム(グリセロール量)の付加が、配合の粘着および摩擦を減少させることに著しくプラスの効果を有することを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)構造ABのジヒドロキシプロピル第四級アンモニウム塩0.05%から30重量%
(ここで、
Aは、塩ABのカチオン性荷電成分であり、
Bは、塩ABのアニオン性荷電成分であり、
Aは、1個の第四級化窒素原子、少なくとも2個のヒドロキシ基および約250を超えない分子量を有する。)
(ii)シリコーン0.05から50重量%
を含むパーソナルケア組成物。
【請求項2】
第四級アンモニウム塩がジヒドロキシプロピルトリ(C〜Cアルキル)アンモニウム塩である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
塩が塩化ジヒドロキシプロピルトリモニウムである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
リーブオンスキンローションおよびクリーム、シャンプー、ヘアコンディショナー、シャワーゲル、化粧石鹸、制汗剤、脱臭剤、歯科用製品、シェービングクリーム、脱毛剤、口紅、ファンデーション、マスカラ、サンレスタナーおよび日焼け止めローションからなる群から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
シリコーンがシクロメチコーンである、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
シリコーンがジメチコーンである、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
シリコーンがジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマーである、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
構造AB
(ここで、
Aは、塩ABのカチオン性荷電成分であり、
Bは、塩ABのアニオン性荷電成分であり、
Aは、1個の第四級化窒素原子、少なくとも2個のヒドロキシ基および250を超えない分子量を有する。)
の塩である第四級アンモニウム塩0.05から30重量%、および
シリコーンを組成物の0.05から0%
を含むパーソナルケア組成物を、人体部分に局所的に適用するステップを含む、審美的に満足する皮膚感触を提供しながら人体部分を湿潤化する方法。

【公表番号】特表2008−517887(P2008−517887A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−537229(P2007−537229)
【出願日】平成17年10月24日(2005.10.24)
【国際出願番号】PCT/EP2005/011416
【国際公開番号】WO2006/045583
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】