説明

ジカチオンビス−ヒドラゾン化合物、少なくとも一種のこのような化合物を含む染料組成物、その実施方法及びその使用

【課題】直接染料として使用し得るジカチオンビス-ヒドラゾン化合物の新規ファミリー、及び好適な染色媒体中に、少なくとも一種のこのような化合物を含む、ケラチン繊維、特にヒトのケラチン繊維、例えば、毛髪を染色するための染料組成物を提供すること。
本件特許出願はまたこの組成物を実施する染色方法及びその使用に関する。
【解決手段】一般式(I):DYE-L-DYE のジカチオンビス-ヒドラゾン化合物を提供する。
(式中、DYEは特定の発色団であり、基Lは、特定の線状又は分岐C1-C60(好ましくはC2-C40)炭化水素をベースとする鎖である)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件特許出願はジカチオンビス-ヒドラゾン型の特別な化合物の新規ファミリー、ケラチン繊維を染色するための直接染料としてのそれらの使用そしてまた好適な染色媒体中に少なくとも一種のこのようなジカチオンビス-ヒドラゾン化合物を含むケラチン繊維を染色するための染料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ケラチン繊維、特にヒトの毛髪を酸化染料前駆体(これらは一般に酸化ベース、例えば、オルト-又はパラ-フェニレンジアミン、オルト-又はパラ-アミノフェノール及び複素環化合物として知られている)を含む染料組成物で染色することが既知の通例である。これらの酸化ベースは無色又は弱く着色された化合物であり、これらは、酸化製品と合わされる場合に、酸化縮合のプロセスにより着色化合物を生じ得る。
また、これらの酸化ベースで得られた色彩がそれらをカプラー又は着色改良剤と合わせることにより変化し得ることが知られており、後者は特に芳香族メタ-ジアミン、メタ-アミノフェノール、メタ-ジフェノール及び或る種の複素環化合物、例えば、インドール化合物から選ばれる。
酸化ベース及びカプラーとして使用される分子の多様性は色の豊富なパレットが得られることを可能にする。
酸化染色のこの方法はケラチン繊維に酸化ベース又は酸化ベースと酸化剤を含むカプラー、例えば、過酸化水素水溶液の混合物を適用し、その混合物を作用させ、次いで繊維をすすぐことにある。それから生じる着色は永久であり、強く、しかも外部薬剤、特に光、悪天候、洗浄、汗及び摩擦に耐性である。組成物(これらは一般に塩基性pHで適用される)は繊維の染色及び同時のライトニングが得られることを可能にし、これは実際には初期の色よりも明るい最終の着色を得るという可能性により反映される。加えて、繊維のライトニングは灰色の毛髪の場合に統一された色を生じ、また自然に着色された毛髪の場合に、その色をブリング・アウトする、即ち、それを一層見やすくするという有利な効果を有する。
また、ケラチン繊維を直接染色により染色することが既知の通例である。直接染色に通常使用される方法はケラチン繊維に直接染料(これらは繊維についてアフィニティーを有する着色分子及び着色性分子である)を適用し、染料を作用させ、次いで繊維をすすぐことにある。
例えば、ニトロベンゼン、アントラキノン又はニトロピリジン型の直接染料、アゾ、キサンテン、アクリジン又はアジン型の染料又は、例えば、トリアリールメタン染料を使用することが既知の通例である。
【0003】
それらから生じる着色は特に有彩性であるが、一時的又は半永久的である着色である。詳しくは、直接染料をケラチン繊維に結合する相互作用の性質、並びに表面及び/又は繊維のコアーからのそれらの脱着は、染色力及び着色の洗浄-堅ろう度又は汗-堅ろう度が依然として不十分と考えられるようなものである。或る種の直接染料はまた光化学的攻撃に対する発色団の低い耐性のために感光性であるかもしれず、また経時の毛髪の着色の退色をもたらすかもしれない。
直接染料を酸化剤と組み合わせて使用することが既知の通例である。しかしながら、直接染料は過酸化水素水溶液の如き酸化剤、及び重亜硫酸ナトリウムの如き還元剤の作用に感受性であるかもしれず、これがそれらをこれらの条件下で使用し難くする。
こうして、酸化染料と丁度同じくらいに強くケラチン繊維を染色することができ、それらと同じくらいに光に対し安定であり、また悪天候、洗浄及び汗に耐性であり、また酸化剤及び還元剤の存在下で充分に安定であると同時にそれらを含むライトニング直接組成物を使用することにより、又はそれらを含む酸化染料組成物を使用することにより繊維のライトニングを得ることができる有彩直接染料を見出すようにとの実際の要望がある。また、黒色及び褐色の如き“基本的な”色彩及び光沢のある色彩を忘れないで、ケラチン繊維を染色して非常に広範囲の色、特に非常な有彩色を得ることができる直接染料を見出すようにとの実際の要望がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本件出願人は、驚くことに、かつ有利に、ケラチン繊維、特に毛髪の如きヒトのケラチン繊維を染色するための直接染料として使用し得るジカチオンビス-ヒドラゾン化合物の新規ファミリーを発見した。少なくとも一種のジカチオンビス-ヒドラゾン化合物を含む染料組成物はこれらの改良を有する。
本件特許出願の組成物は外部の薬剤(光及び天候)そしてまたシャンプー及び汗に耐性である染色結果を得ることを可能にする。
加えて、これらの組成物は改良された吸収を示す。
本発明の主題はまたジカチオンビス-ヒドラゾン化合物を使用するケラチン繊維の染色方法そしてまた外部薬剤及びシャンプーに対する良好な耐性を示す染色結果を得るためのこれらの化合物の使用である。
本発明の目的のために、また特に示されない限り、
−アルキル基又はアルキレン基は線状又は分岐であり、
−アルキル基もしくはアルキレン基又は基のアルキル部分は下記の基:
・ヒドロキシル、
・C1-C4アルコキシ又はC2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ、
・アミノ、必要により1個のヒドロキシル基を有していてもよい1個以上の同じ又は異なるC1-C4アルキル基で置換されたアミノ(前記アルキル基は、それらが結合されている窒素原子とともに、飽和又は不飽和の、必要により置換されていてもよい5員又は6員複素環(必要により少なくとも1個の別の窒素原子又は非窒素ヘテロ原子を含んでいてもよい)を形成することが可能である)
から選ばれた少なくとも1個の置換基で置換されていてもよく、
【0005】
−アリール基もしくはヘテロアリール基又は基のアリール部分もしくはヘテロアリール部分は
・C1-C16、好ましくはC1-C8アルキル基(必要によりヒドロキシル基、C1-C2アルコキシ基、C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基、アシルアミノ基、2個のC1-C4アルキル基(これらは同じであってもよく、また異なっていてもよく、必要により少なくとも1個のヒドロキシル基を有してもよく、又はその二つの基は、それらが結合されている窒素原子とともに、飽和又は不飽和の、必要により置換されていてもよい5〜7員、好ましくは5員又は6員複素環(必要により別の窒素原子又は非窒素ヘテロ原子を含んでもよい)を形成することが可能である)で置換されたアミノ基から選ばれた1個以上の基で置換されていてもよい);
・ハロゲン原子、例えば、塩素、フッ素又は臭素;
・ヒドロキシル基;
・C1-C2アルコキシ基;C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基;
・アミノ基;1個又は2個のC1-C4アルキル基(これらは同じであってもよく、また異なっていてもよく、必要により少なくとも1個のヒドロキシル基又はアミノ基(二つの必要により置換されていてもよいC1-C3アルキル基を含む)を有してもよく、前記アルキル基は、それらが結合されている窒素原子とともに、飽和又は不飽和の、必要により置換されていてもよい5〜7員複素環(必要により少なくとも1個の別の窒素原子又は非窒素ヘテロ原子を含んでもよい)を形成することが可能である)で置換されたアミノ基;
・アシルアミノ基(-NR-COR')(式中、基Rは水素原子、必要により少なくとも1個のヒドロキシル基を有してもよいC1-C4アルキル基であり、かつ基R'はC1-C2アルキル基である);カルバモイル基((R)2N-CO-)(式中、基Rは、同じでも異なっていてもよく、水素原子、必要により少なくとも1個のヒドロキシル基を有してもよいC1-C4アルキル基を表す);アルキルスルホニルアミノ基(R'SO2-NR-)(式中、基Rは水素原子、必要により少なくとも1個のヒドロキシル基を有してもよいC1-C4アルキル基を表し、かつ基R'はC1-C4アルキル基又はフェニル基を表す);アミノスルホニル基((R)2N-SO2-)(式中、基Rは、同じでも異なっていてもよく、水素原子又は必要により少なくとも1個のヒドロキシル基を有してもよいC1-C4アルキル基を表す);
【0006】
・チオール基;
・線状又は分岐、置換又は未置換C1-C8、好ましくはC1-C4アルキルチオ基;
・酸形態の、又はケン化された(好ましくはアルカリ金属又は置換もしくは未置換アンモニウムで)カルボン酸基;
・ニトロ基;
・ニトリル基(CN);
・トリフルオロメチル基(CF3
から選ばれた、炭素原子により有される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよく、
−非芳香族基の環状部分又は複素環部分は下記の基:
・ヒドロキシル基、
・C1-C4アルコキシ基又はC2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ、
・アルキルカルボニルアミノ(RCO-NR'-)(式中、基R'は水素原子又は必要により少なくとも1個のヒドロキシル基を有してもよいC1-C4アルキル基であり、かつ基RはC1-C2アルキル基又は二つのC1-C4アルキル基(これらは同じであってもよく、異なっていてもよく、必要により少なくとも1個のヒドロキシル基を有してもよく、前記アルキル基は、それらが結合されている窒素原子とともに、飽和又は不飽和の、必要により置換されていてもよい5〜7員複素環(必要により少なくとも1個の別の窒素原子又は非窒素ヘテロ原子を含んでもよい)を形成することが可能である)で置換されたアミノ基である)
から選ばれた炭素原子により有される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよく;
−炭化水素をベースとする鎖はそれが1個以上の二重結合及び/又は1個以上の三重結合を含む場合に不飽和であり;
−ヘテロ芳香族基又はヘテロアリール基は炭素原子の少なくとも一つが窒素、酸素及び硫黄から選ばれたヘテロ原子で置換されている芳香族基に相当する。
加えて、二つの発色団DYEは発色団の化学構造が異なる場合、又は、発色団が同じ化学構造を有するならば、置換基が一つの発色団と別の発色団で異なる場合、或いはまた、発色団が同じ化学構造及び同じ基を有するならば、前記基の夫々の位置が一つの発色団と別の発色団で異なる場合に異なると言われる。
更に、特に示されない限り、値の範囲の程度を定める限界がこの値の範囲に含まれる。
本発明の化合物は一般式(I):
DYE-L-DYE
に相当するジカチオンビス-ヒドラゾン化合物である。
式中、
発色団DYE(これらは同じであってもよく、また異なっていてもよい)の夫々は下記の式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)及び(Ig):




【0007】
【化1】































【0008】
【化2】



【0009】
【化3】

【0010】
に相当し、
式中、
−基R1及びR5は互に独立に線状又は分岐、飽和又は不飽和C1-C20(好ましくはC1-C16)炭化水素をベースとする鎖を表し、これは一つ以上の必要により置換されていてもよい、必要により芳香族の3〜7員の炭素をベースとする環を形成することができ、この鎖は必要により置換されていてもよく、必要により1個以上のヘテロ原子又はヘテロ原子を有する1個以上の基で中断されていてもよく、これらのヘテロ原子は好ましくは酸素及び窒素から選ばれ、
−基R2及びR3は互に独立に
・臭素、塩素及びフッ素から選ばれたハロゲン原子;
・線状又は分岐、飽和又は不飽和C1-C16炭化水素をベースとする鎖(これは一つ以上の必要により芳香族の3〜6員の炭素をベースとする環を形成することができ、この鎖は必要により置換されていてもよく、必要により1個以上のヘテロ原子又は少なくとも1個のヘテロ原子を有する1個以上の基で中断されていてもよく、これらのヘテロ原子は好ましくは酸素及び窒素から選ばれる);
・ヒドロキシル基;
・C1-C4アルコキシ基;C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基;アルコキシカルボニル基(RO-CO-)(式中、RはC1-C4アルキル基を表す)又はアルキルカルボニルオキシ基(RCO-O-)(式中、RはC1-C4アルキル基を表す);必要により置換されていてもよいアリールオキシ基:
【0011】
・アミノ基、1個以上のC1-C4アルキル基(これらは同じであってもよく、又は異なっていてもよく、必要により少なくとも1個のヒドロキシル基を有してもよく、2個のアルキル基は、それらが結合されている窒素原子とともに、飽和又は不飽和、必要により置換されていてもよい5員又は6員複素環(必要により別の窒素又は非窒素ヘテロ原子を有していてもよい)を形成することが可能である)で置換されたアミノ基;アルキルカルボニルアミノ基(RCO-NR-)(式中、基Rは互に独立にC1-C4アルキル基を表す);カルバモイル基((R)2N-CO-)(式中、基Rは互に独立に水素原子又はC1-C4アルキル基を表す);ウレイド基(N(R)2-CO-NR'-)(式中、基R及びR'は互いに独立に水素原子又はC1-C4アルキル基を表す);スルホンアミド基((R)2N-SO2-)(式中、基Rは互に独立に水素原子又はC1-C4アルキル基を表す);アルキルチオ基(R-S-)(式中、基RはC1-C4アルキル基を表す);アルキルスルホニルアミノ基(RSO2-NR'-)(式中、基R及びR'は互いに独立に水素原子又はC1-C4アルキル基を表す);
・ニトロ基;シアノ基;ハロゲン原子、好ましくは塩素又はフッ素;
・トリフルオロメチル基(CF3
を表し、
−主環が最大数の置換基を含まない場合、未置換位置は水素原子を有することが注目されるべきであり、
−R1及びR2はまた、R1で置換された窒素原子とともに、飽和又は不飽和、置換又は未置換5員又は6員複素環を形成してもよく、
−二つの隣接基R2は、それらが結合されている炭素原子と一緒に、飽和又は不飽和、置換又は未置換5員又は6員芳香族環又は複素環を形成してもよく、
−二つの隣接基R3は一緒になって飽和又は不飽和、置換又は未置換5員又は6員芳香族環又は複素環を形成することができ、
−基R4は互に独立に
・水素原子;
・線状又は分岐、飽和又は不飽和C1-C16炭化水素をベースとする鎖(これは一つ以上の必要により芳香族の3〜6員の炭素をベースとする環を形成することができ、この鎖は必要により置換されていてもよく、必要により1個以上のヘテロ原子又は少なくとも1個のヘテロ原子(好ましくは酸素及び窒素から選ばれる)を有する1個以上の基で中断されていてもよい);
・アミノ基、1個以上のC1-C4アルキル基(これらは同じであってもよく、又は異なっていてもよく、必要により少なくとも1個のヒドロキシル基を有してもよく、2個のアルキル基は、それらが結合されている窒素原子とともに、飽和又は不飽和、必要により置換されていてもよい5員又は6員複素環(必要により別の窒素又は非窒素ヘテロ原子を有していてもよい)を形成することが可能である)で置換されたアミノ基;アルキルカルボニルアミノ基(RCO-NR-)(式中、基Rは互に独立にC1-C4アルキル基を表す);ウレイド基(N(R)2-CO-NR'-)(式中、基R及びR'は互いに独立に水素原子又はC1-C4アルキル基を表す);アルキルスルホニルアミノ基(RSO2-NR'-)(式中、基R及びR'は互いに独立に水素原子又はC1-C4アルキル基を表す)
を表し、
【0012】
−nは0〜5の整数であり、
−n'は0〜4の整数であり、
−式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)及び(Ig)中の結合aは発色団DYEの夫々を式(I)のリンカーLに結合し、
−Xは、例えば、ハライドイオン、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、フッ化物イオン又はヨウ化物イオン;水酸化物イオン;硫酸イオン;硫酸水素イオン;アルキル硫酸イオン(その線状又は分岐アルキル部分はC1-C6のものである)、例えば、メチル硫酸イオン又はエチル硫酸イオン;炭酸イオン及び炭酸水素イオン、例えば、酢酸イオン、クエン酸イオン、酒石酸イオン及びシュウ酸イオン;アルキルスルホン酸イオン(その線状又は分岐アルキル部分はC1-C6のものである)、例えば、メチルスルホン酸イオン;アリールスルホン酸イオン(そのアリール、好ましくはフェニル部分は必要により1個以上のC1-C4アルキル基で置換されていてもよい)、例えば、4-トリルスルホン酸イオン;アルキルスルホニル、例えば、メシレートから選ばれた、化合物(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)及び(Ig)の一つ以上の電荷を釣り合わせるための有機又は無機のアニオン又はアニオンの混合物である。
式(I)の化合物はその二つの発色団DYEが同じであり、式(Ia)(式中、n=n'=0)に相当するようなものである場合、基Lは下記の基:
【0013】
【化4】

【0014】
の一つではないことが指摘される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
二つの発色団DYEが同じであり、又は異なり、式(Ia)(式中、n=n'=0)に相当する場合には、基Lは三つの上記基の一つではないことが好ましい。
基Lは二つの発色団DYEを結合するリンカーであり、Lは線状又は分岐C1-C60、好ましくはC2-C40炭化水素をベースとする鎖であり、これは一つ以上の必要により芳香族の、必要により置換されていてもよい3〜7員の炭素をベースとする環を形成することができ、この鎖は必要により置換されていてもよく、必要により1個以上のヘテロ原子又はヘテロ原子(好ましくは酸素、窒素及び硫黄から選ばれる)を有する一つ以上の基で中断されていてもよく、Lはペルオキシド基、ニトロ基、ジアゾ基又はニトロソ基を含まず、リンカーLは炭素原子を介して発色団DYEの夫々の四級化窒素原子に結合され、Lはカチオンではない。
一つの別型によれば、リンカーLは発色団の夫々の電子脱局在化を停止するように発色団の夫々を分離する炭化水素をベースとする鎖である。
リンカーLの例として、1〜60個の炭素原子、好ましくは2〜40個の炭素原子、更に好ましくは2〜20個の炭素原子を含み、必要により酸素、窒素及び硫黄及び/又はSO2基又はCO基から選ばれた1個以上のヘテロ原子で置換かつ/又は中断されていてもよいアルキレン基(CnH2n)が挙げられる。これらのアルキレン基は、例えば、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン等である。
リンカーLの例として、2価の(ヘテロ)アリール基で中断された先に定義されたアルキレン基が挙げられる。この別型によれば、リンカーLが
C1-C20アルキル-(ヘテロ)アリール-C1-C20アルキル、更に好ましくは
C1-C10アルキル-(ヘテロ)アリール-C1-C10アルキルにより表し得る。
(ヘテロ)アリーレン基は、例えば、フェニレンもしくはナフチレン、フェナントリレン、トリアジニル、ピリミジニル、ピリジル、ピリダジニル又はキノキサリニルである。 (ヘテロ)アリーレン基で中断されたアルキレン基の例として、二つの発色団DYEを結合する下記の基が挙げられる。




































【0016】
【化5】

【0017】
式中、
−R'は、同じでも異なっていてもよく、R2と同じ定義を有し、好ましくは先に定義されたアリール基又はヘテロアリール基の置換基を表し、
−R”は、同じでも異なっていてもよく、水素原子又はC1-C4アルキル基を表し、
−R6及びR7は互に独立に水素原子又はC1-C8アルキル基(必要により1個以上のヒドロキシル、C1-C2アルコキシ、C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ、アミノ、C1-C2(ジ)アルキルアミノ又は必要により置換されていてもよいアリール基で置換されていてもよい)を表し、
−mは1〜6の整数を表し、
−n”は0〜4の整数を表し、
−n' ” は0〜3の整数を表す。
リンカーとして、WO 03/029359に記載されたトリアジン、米国特許第5,708,151号に記載されたアルキレン及び米国特許第5,708,151号に記載されたアルキル-アリール-アルキルが挙げられる。
本発明の式(I)の化合物はリンカーLが線状又は分岐C2-C40、好ましくはC2-C20炭化水素をベースとする鎖(必要により酸素、窒素及び硫黄から選ばれた1個以上のヘテロ原子で置換かつ/又は中断されていてもよい)であるようなものであることが好ましい。
【0018】
本発明の式(I)の化合物は基R1が同じであり、好ましくはC1-C4アルキル基(必要によりヒドロキシル基、C1-C2アルコキシ基、アミノ基及びC1-C2(ジ)アルキルアミノ基から選ばれた1個以上の基で置換されていてもよい);アルキルカルボニル基(R-CO-)(式中、基RはC1-C4アルキル基を表す);カルバモイル基((R)2N-CO-)(式中、基Rは互に独立に水素原子又はC1-C4アルキル基を表す);アルキルスルホニル基(R-SO2-)(式中、基RはC1-C4アルキル基を表す);必要により置換されていてもよいフェニル基を表すようなものであることが好ましい。
一つの特に好ましい実施態様によれば、基R1が同じであり、優先的にメチル基、エチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-メトキシエチル基、アセチル(CH3CO-)基、メチルスルホニル(CH3SO2-)基又はフェニル基を表す。
別の好ましい別型によれば、R1及びR2が、R1で置換された窒素原子とともに、1個以上のアルキル基で置換された飽和又は不飽和5員又は6員複素環を形成する。
R2及びR3が互に独立に
−水素原子;
−臭素、塩素及びフッ素から選ばれたハロゲン原子;
−線状又は分岐C1-C4アルキル基(必要によりヒドロキシル基、C1-C2アルコキシ基、C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基、アミノ基、C1-C2(ジ)アルキルアミノ基、チオ(-SH)基、(C1-C4)アルキルスルフィニル基、(C1-C4)アルキルスルホニル基及び(C1-C4)チオアルキル基から選ばれた1個以上の基で置換されていてもよい);
【0019】
−フェニル基(必要によりヒドロキシル基、C1-C2アルコキシ基、C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基、アミノ基及びC1-C2(ジ)アルキルアミノ基から選ばれた1個以上の基、又はハロゲン原子、例えば、塩素、フッ素もしくは臭素で置換されていてもよい);
−C1-C4アルコキシ基;
−(C1-C4)アルキルスルホニルアミノ基;
−C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基;
−アミノ基;
−C1-C2(ジ)アルキルアミノ基;
−C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルキルアミノ基;
−アルキルカルボニル基(R-CO-)(式中、基RはC1-C4アルキル基を表す);
−カルバモイル基((R)2N-CO-)(式中、基Rは互に独立に水素原子又はC1-C4アルキル基を表す);
−アルキルスルホニルアミノ基(RSO2N-)(式中、基RはC1-C4アルキル基を表す);
−アミノスルホニル基((R)2NSO2-)(式中、基Rは互に独立に水素原子又はC1-C4アルキル基を表す);
−アルキルチオ基(RS-)(式中、基RはC1-C4アルキル基を表す);
−チオ基(HS-);
−アルキルスルフィニル基(RSO-)(式中、基RはC1-C4アルキル基を表す);
−アルキルスルホニル基(R-SO2-)(式中、基RはC1-C4アルキル基を表す);
−アルキルカルボニルアミノ基(RCONR'-)(式中、基Rは水素原子又はC1-C4アルキル基を表し、かつ基R'は水素原子又はC1-C4アルキル基を表す)
を表すことが好ましい。
一つの特に好ましい実施態様によれば、基R2及びR3が互に独立に水素原子又はメチル基、エチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-メトキシエチル基、アセチル(CH3CO-)基、メチルスルホニル(CH3SO2-)基、アミド(CH3CONH-)基、ヒドロキシル基、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、2-ヒドロキシエチルアミノ基、メトキシ基、エトキシ基もしくはフェニル基を表すことが好ましい。
【0020】
基R4が互に独立に
・水素原子;
・線状又は分岐C1-C4アルキル基(必要によりヒドロキシル基、C1-C2アルコキシ基、C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基、アミノ基、C1-C2(ジ)アルキルアミノ基、チオ(-SH)基、(C1-C4)アルキルスルフィニル基、(C1-C4)アルキルスルホニル基及び(C1-C4)チオアルキル基から選ばれた1個以上の基で置換されていてもよい);
・アミノ基、1個以上のアルキル基(これは同じであってもよく、また異なっていてもよく、必要により少なくとも1個のヒドロキシル基を有してもよい)で置換されたアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基(RCO-NR-)(式中、基Rは互に独立にC1-C4アルキル基を表す);ウレイド基(N(R)2-CO-NR'-)(式中、基R及びR'は互いに独立に水素原子又はC1-C4アルキル基を表す);アルキルスルホニルアミノ基(RSO2-NR'-)(式中、基R、R'は互に独立に水素原子又はC1-C4アルキル基を表す);
・フェニル基(必要によりヒドロキシル基、C1-C2アルコキシ基、C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基、アミノ基、C1-C2(ジ)アルキルアミノ基、チオ(-SH)基、(C1-C4)アルキルスルフィニル基、(C1-C4)アルキルスルホニル基及び(C1-C4)チオアルキル基から選ばれた1個以上の基で置換されていてもよい)
を表すことが好ましい。
R4が水素原子又はメチル基、エチル基もしくはヒドロキシエチル基;アミノ基又はアルキルカルボニルアミノ基(RCO-NR-);ウレイド基(N(R)2-CO-NR'-)(式中、基R及びR'は互に独立に水素原子又はC1-C4アルキル基を表す);アルキルスルホニルアミノ基(RSO2-NR'-)(式中、基R及びR'は互いに独立に水素原子又はC1-C4アルキル基を表す);必要により少なくとも1個のヒドロキシル基で置換されていてもよいフェニル基を表すことが更に好ましい。
【0021】
本発明の式(I)の化合物は基R5が同じであり、好ましくはC1-C4アルキル基(必要によりヒドロキシル基、C1-C2アルコキシ基、アミノ基及びC1-C2(ジ)アルキルアミノ基から選ばれた1個以上の基で置換されていてもよい);必要により置換されていてもよいフェニル基を表すようなものであることが好ましい。
一つの特に好ましい実施態様によれば、基R5が同じであり、好ましくはメチル基、エチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-メトキシエチル基又はフェニル基を表す。
一つの特別な実施態様によれば、式(Ia)及び(Ic)中で、n'が4に等しく、かつ二つの隣接基R3の夫々が芳香族基、好ましくはベンゼン基を形成する。
別の別型によれば、式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Ie)及び(If)中で、n'が2に等しく、かつ二つの基R3が隣接し、かつ芳香族基、好ましくはベンゼン基を形成する。
リンカーLは線状又は分岐C1-C10アルキレン基(必要により酸素、窒素及び硫黄から選ばれた1個以上のヘテロ原子で中断されていてもよく、必要によりヒドロキシル基、C1-C2アルコキシ基、C1-C2ジアルキルアミノ基及びアルキルカルボニル(R-CO-)基(式中、基RはC1-C4アルキル基を表す)、カルバモイル基((R)2N-CO-)(式中、基Rは互に独立に水素原子を表す)又はアルキルスルホニル基(R-SO2-)(式中、基RはC1-C4アルキル基を表す)から選ばれた1個以上の基で置換されていてもよい)を表すことが好ましい。
リンカーLは好ましくは線状のC1-C10アルキレン基(必要により酸素及び硫黄から選ばれた1個以上のヘテロ原子で中断されていてもよく、必要によりヒドロキシル基及びC1-C2アルコキシ基、並びにアルキルスルホニル基(R-SO2-)(式中、基RはC1-C4アルキル基を表す)から選ばれた1個以上の基で置換されていてもよい)を表すことが更に好ましい。
別の別型によれば、リンカーLは必要により酸素及び窒素、及び/又はSO2基もしくはCO基から選ばれた1個以上のヘテロ原子で置換かつ/又は中断されていてもよい(ヘテロ)アリール基で中断されたアルキレン基である。
カチオンビス-ヒドラゾン化合物(I)は式:
【0022】
【化6】

【0023】
(式中、
−R'はR2と同じ定義を有し、
−R”は水素原子又はC1-C4アルキル基を表し、
−mは2〜6の整数を表し、
−n”は0〜4の整数を表す)
の化合物から選ばれることが好ましい。
X-はBr-、Cl-、酢酸イオン又はメシレートを表すことが好ましい。
一つの特別な実施態様によれば、式(I)の化合物は下記の式により表される:











【0024】
【化7】



























【0025】
【化8】



【0026】
【化9】



【0027】
【化10】



【0028】
【化11】



【0029】
【化12】



【0030】
【化13】



【0031】
【化14】



【0032】
【化15】



【0033】
【化16】

【0034】
(式中、基R1、R2、R3、R4、R5、X、n、n'及びLは先に定義されたとおりである)
特に、本発明の式(I)のジカチオンビス-ヒドラゾン型の化合物は下記の化合物により代表される:

























【0035】
【化17】



【0036】
【化18】











【0037】
【化19】














【0038】
【化20】



【0039】
【化21】



【0040】
【化22】



【0041】
【化23】



【0042】
【化24】



【0043】
【化25】

【0044】
X-はCl-又はBr-を表すことが好ましい。
本件特許出願の組成物は組成物の合計質量に対し0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜10質量%の式(I)のジカチオンビス-ヒドラゾン型の化合物を含む。
本発明の組成物は一種以上の式(I)のジカチオンビス-ヒドラゾン型の化合物を含んでもよく、これらの化合物の混合物はその時には全ての相対比率で可能である。
本発明の染料組成物はまた式(Ia)及び/又は(Ib)、及び/又は(Ic)、及び/又は(Id)及び/又は(Ie)及び/又は(If)及び/又は(Ig)のジカチオンビス-ヒドラゾン型の直接染料以外の一種以上の付加的な直接染料を含んでもよく、これらは特に天然の、酸性又はカチオンニトロベンゼン染料、天然の、酸性又はカチオンアゾ直接染料、天然の、酸性又はカチオンキノン、特にアントラキノン直接染料、アジン直接染料、トリアリールメタン直接染料、インドアミン直接染料、テトラアザペンタメチン型染料及び天然直接染料から選ばれてもよい。
本発明に従って使用し得るベンゼンをベースとする直接染料の中で、下記の化合物が、非限定様式で、挙げられる:
−1,4-ジアミノ-2-ニトロベンゼン
−1-アミノ-2-ニトロ-4-β-ヒドロキシエチルアミノベンゼン
−1-アミノ-2-ニトロ-4-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノベンゼン
−1,4-ビス(β-ヒドロキシエチルアミノ)-2-ニトロベンゼン
−1-β-ヒドロキシエチルアミノ-2-ニトロ-4-ビス(β-ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン
−1-β-ヒドロキシエチルアミノ-2-ニトロ-4-アミノベンゼン
−1-β-ヒドロキシエチルアミノ-2-ニトロ-4-(エチル)(β-ヒドロキシエチル)アミノベンゼン
【0045】
−1-アミノ-3-メチル-4-β-ヒドロキシエチルアミノ-6-ニトロベンゼン
−1-アミノ-2-ニトロ-4-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-クロロベンゼン
−1,2-ジアミノ-4-ニトロベンゼン
−1-アミノ-2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-ニトロベンゼン
−1,2-ビス(β-ヒドロキシエチルアミノ)-4-ニトロベンゼン
−1-アミノ-2-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ-5-ニトロベンゼン
−1-ヒドロキシ-2-アミノ-5-ニトロベンゼン
−1-ヒドロキシ-2-アミノ-4-ニトロベンゼン
−1-ヒドロキシ-3-ニトロ-4-アミノベンゼン
−1-ヒドロキシ-2-アミノ-4,6-ジニトロベンゼン
−1-β-ヒドロキシエチルオキシ-2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-ニトロベンゼン
−1-メトキシ-2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-ニトロベンゼン
−1-β-ヒドロキシエチルオキシ-3-メチルアミノ-4-ニトロベンゼン
−1-β,γ-ジヒドロキシプロピルオキシ-3-メチルアミノ-4-ニトロベンゼン
−1-β-ヒドロキシエチルアミノ-4-β,γ-ジヒドロキシプロピルオキシ-2-ニトロベンゼン
−1-β,γ-ジヒドロキシプロピルアミノ-4-トリフルオロメチル-2-ニトロベンゼン
−1-β-ヒドロキシエチルアミノ-4-トリフルオロメチル-2-ニトロベンゼン
−1-β-ヒドロキシエチルアミノ-3-メチル-2-ニトロベンゼン
−1-β-アミノエチルアミノ-5-メトキシ-2-ニトロベンゼン
−1-ヒドロキシ-2-クロロ-6-エチルアミノ-4-ニトロベンゼン
−1-ヒドロキシ-2-クロロ-6-アミノ-4-ニトロベンゼン
−1-ヒドロキシ-6-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3-ニトロベンゼン
−1-β-ヒドロキシエチルアミノ-2-ニトロベンゼン
−1-ヒドロキシ-4-β-ヒドロキシエチルアミノ-3-ニトロベンゼン。
【0046】
本発明に従って使用し得るアゾ直接染料の中で、特許出願WO 95/15144、WO 95/01772及びEP-714954(これらの内容が本発明の一体部分を形成する)に記載されたカチオンアゾ染料が挙げられる。
これらの化合物の中で、最も特別に挙げられるものは下記の染料である:
−1,3-ジメチル-2-〔〔4-(ジメチルアミノ)フェニル〕アゾ〕-1H-イミダゾリウムクロリド、
−1,3-ジメチル-2-〔(4-アミノフェニル)アゾ〕-1H-イミダゾリウムクロリド、
−1-メチル-4-〔(メチルフェニルヒドラゾノ)メチル〕ピリジニウムメチルスルフェート。
また、挙げられるアゾ直接染料の中に、カラー・インデックス・インターナショナル、第3編に記載された、下記の染料がある:
−ディスパース・レッド17
−アシッド・イエロー9
−アシッド・ブラック1
−ベーシック・レッド22
−ベーシック・レッド76
−ベーシック・イエロー57
−ベーシック・ブラウン16
−アシッド・イエロー36
−アシッド・オレンジ7
−アシッド・レッド33
−アシッド・レッド35
−ベーシック・ブラウン17
−アシッド・イエロー23
−アシッド・オレンジ24
−ディスパース・ブラック9。
【0047】
また、1-(4'-アミノジフェニルアゾ)-2-メチル-4-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノベンゼン及び4-ヒドロキシ-3-(2-メトキシフェニルアゾ)-1-ナフタレンスルホン酸が挙げられる。
挙げられるキノン直接染料の中に、下記の染料がある:
−ディスパース・レッド15
−ソルベント・バイオレット13
−アシッド・バイオレット43
−ディスパース・バイオレット1
−ディスパース・バイオレット4
−ディスパース・ブルー1
−ディスパース・バイオレット8
−ディスパース・ブルー3
−ディスパース・レッド11
−アシッド・ブルー62
−ディスパース・ブルー7
−ベーシック・ブルー22
−ディスパース・バイオレット15
−ベーシック・ブルー99
そしてまた下記の化合物がある:
−1-N-メチルモルホリニウムプロピルアミノ-4-ヒドロキシアントラキノン
−1-アミノプロピルアミノ-4-メチルアミノアントラキノン
−1-アミノプロピルアミノアントラキノン
−5-β-ヒドロキシエチル-1,4-ジアミノアントラキノン
−2-アミノエチルアミノアントラキノン
−1,4-ビス(β,γ-ジヒドロキシプロピルアミノ)アントラキノン。
【0048】
挙げられるアジン染料の中に、下記の化合物がある:
−ベーシック・ブルー17
−ベーシック・レッド2。
本発明に従って使用し得るトリアリールメタン染料の中で、下記の化合物が挙げられる:
−ベーシック・グリーン1
−アシッド・ブルー9
−ベーシック・バイオレット3
−ベーシック・バイオレット14
−ベーシック・ブルー7
−アシッド・バイオレット49
−ベーシック・ブルー26
−アシッド・ブルー7。
本発明に従って使用し得るインドアミン染料の中で、下記の化合物が挙げられる:
−2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-〔ビス(β-4'-ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリノ-1,4-ベンゾキノン
−2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-(2'-メトキシ-4'-アミノ)アニリノ-1,4-ベンゾキノン
−3-N-(2'-クロロ-4'-ヒドロキシ)フェニルアセチルアミノ-6-メトキシ-1,4-ベンゾキノンイミン
−3-N-(3'-クロロ-4'-メチルアミノ)フェニルウレイド-6-メチル-1,4-ベンゾキノンイミン
−3-〔4'-N-(エチル,カルバミルメチル)アミノ〕フェニルウレイド-6-メチル-1,4-ベンゾキノンイミン。
本発明に従って使用し得るテトラアザペンタメチン型の染料の中で、下記の表に示された化合物が挙げられ、Anは、例えば、ハロゲン化物イオン、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、フッ化物イオン又はヨウ化物イオン;水酸化物イオン;硫酸イオン;硫酸水素イオン;(C1-C6)アルキル硫酸イオン、例えば、メチル硫酸イオン又はエチル硫酸イオン;酢酸イオン;酒石酸イオン;シュウ酸イオン;(C1-C6)アルキルスルホン酸イオン、例えば、メチルスルホン酸イオン;未置換又はC1-C4アルキル基で置換されているアリールスルホン酸イオン、例えば、4-トリルスルホン酸イオンから選ばれた有機又は無機のアニオンを一般に表す。Anは塩化物イオン;メチル硫酸イオンであることが好ましい。

































【0049】
【化26】

【0050】
本発明に従って使用し得る天然直接染料の中で、ロウソン、ジュグロン、アリザリン、プルプリン、カルミン酸、ケルメシン酸(kermesic acid)、プルプロガリン、プロトカテキュアルデヒド、インジゴ、イサチン、クルクミン、スピヌロシン及びアピゲニジンが挙げられる。また、これらの天然染料を含む抽出物又は浸出液、特にヘンナをベースとするポールティス又は抽出物を使用することが可能である。
一種以上の直接染料は使用に供される組成物の合計質量に対し好ましくは約0.001質量%から約20質量%まで、更に好ましくは約0.005質量%から約10質量%までに相当する。
本発明の組成物はまた一種以上の酸化染料前駆体:一種以上の酸化ベース及び/又は一種以上のカプラーを含んでもよい。
例として、酸化ベースは式(I)の複素環パラ-フェニレンジアミン以外のフェニレンジアミン、ビス(フェニル)アルキレンジアミン、パラ-アミノフェノール、オルト-アミノフェノール、複素環ベース、及びこれらの付加塩から選ばれる。
挙げられるパラ-フェニレンジアミンの中に、例えば、パラ-フェニレンジアミン、パラ-トルイレンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジプロピル-パラ-フェニレンジアミン、4-アミノ-N,N-ジエチル-3-メチルアニリン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-アミノ-2-メチルアニリン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-クロロ-アニリン、2-β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、2-フルオロ-パラ-フェニレンジアミン、2-イソプロピル-パラ-フェニレンジアミン、N-(β-ヒドロキシ-プロピル)-パラ-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-3-メチル-パラ-フェニレンジアミン、N-エチル-N-(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(4'-アミノフェニル)-パラ-フェニレンジアミン、N-フェニル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2-β-アセチルアミノエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、N-(β-メトキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、4-アミノフェニルピロリジン、2-チエニル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-アミノトルエン及び3-ヒドロキシ-1-(4'-アミノフェニル)ピロリジン、並びに酸とのこれらの付加塩がある。
【0051】
上記パラ-フェニレンジアミンの中で、パラ-フェニレンジアミン、パラ-トリレンジアミン、2-イソプロピル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミン及び2-β-アセチルアミノエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、並びに酸とのこれらの付加塩が特に好ましい。
挙げられるビス(フェニル)アルキレンジアミンの中に、例えば、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)-1,3-ジアミノプロパノール、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノ-フェニル)エチレンジアミン、N,N'-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(4-メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(エチル)-N,N'-ビス(4'-アミノ-3'-メチルフェニル)エチレンジアミン及び1,8-ビス(2,5-ジアミノフェノキシ)-3,6-ジオキサオクタン、並びにこれらの付加塩がある。
【0052】
挙げられるパラ-アミノフェノールの中に、例えば、パラ-アミノフェノール、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-アミノ-3-フルオロフェノール、4-アミノ-3-クロロフェノール、4-アミノ-3-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メチルフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メトキシメチルフェノール、4-アミノ-2-アミノメチルフェノール、4-アミノ-2-(β-ヒドロキシエチルアミノメチル)フェノール及び4-アミノ-2-フルオロフェノール、並びに酸とのこれらの付加塩がある。
挙げられるオルト-アミノフェノールの中に、例えば、2-アミノフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、2-アミノ-6-メチルフェノール及び5-アセトアミド-2-アミノフェノール、並びにこれらの付加塩がある。
挙げられる複素環塩基の中に、例えば、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体及びピラゾール誘導体がある。
挙げられるピリジン誘導体の中に、例えば、特許GB 1,026,978及びGB 1,153,196に記載された化合物、例えば、2,5-ジアミノピリジン、2-(4-メトキシフェニル)-アミノ-3-アミノピリジン、及び3,4-ジアミノピリジン、並びにこれらの付加塩がある。
本発明に有益であるその他のピリジン酸化ベースは、例えば、特許出願FR 2,801,308に記載された3-アミノピラゾロ〔1,5-a〕ピリジン酸化ベース又はこれらの付加塩である。例として、ピラゾロ〔1,5-a〕ピリド-3-イルアミン、2-アセチルアミノピラゾロ〔1,5-a〕ピリド-3-イルアミン、2-モルホリン-4-イルピラゾロ〔1,5-a〕ピリド-3-イルアミン、3-アミノピラゾロ〔1,5-a〕ピリジン-2-カルボン酸、2-メトキシピラゾロ〔1,5-a〕ピリド-3-イルアミノ-(3-アミノピラゾロ〔1,5-a〕ピリド-7-イル)メタノール、2-(3-アミノピラゾロ〔1,5-a〕ピリド-7-イル)エタノール、(3-アミノピラゾロ〔1,5-a〕ピリド-2-イル)メタノール、3,6-ジアミノピラゾロ〔1,5-a〕ピリジン、3,4-ジアミノピラゾロ〔1,5-a〕ピリジン、ピラゾロ〔1,5-a〕ピリジン-3,7-ジアミン、7-モルホリン-4-イルピラゾロ〔1,5-a〕ピリド-3-イルアミン、ピラゾロ〔1,5-a〕ピリジン-3,5-ジアミン、5-モルホリン-4-イルピラゾロ〔1,5-a〕ピリド-3-イルアミン、2-〔(3-アミノピラゾロ〔1,5-a〕ピリド-5-イル)(2-ヒドロキシ-エチル)アミノ〕エタノール、2-〔(3-アミノピラゾロ〔1,5-a〕ピリド-7-イル)(2-ヒドロキシ-エチル)アミノ〕エタノール、3-アミノピラゾロ〔1,5-a〕ピリジン-5-オール、3-アミノ-ピラゾロ〔1,5-a〕ピリジン-4-オール、3-アミノピラゾロ〔1,5-a〕ピリジン-6-オール及び3-アミノピラゾロ〔1,5-a〕ピリジン-7-オール、並びにこれらの付加塩が挙げられる。
【0053】
挙げられるピリミジン誘導体の中に、例えば、特許DE 2,359,399; JP 88-169571; JP 05-63124; EP 0,770,375又は特許出願WO 96/15765に記載された化合物、例えば、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、4-ヒドロキシ-2,5,6-トリアミノピリミジン、2-ヒドロキシ-4,5,6-トリアミノピリミジン、2,4-ジヒドロキシ-5,6-ジアミノピリミジン及び2,5,6-トリアミノピリミジン、並びにこれらの付加塩、及び互変異性平衡が存在する場合には、これらの互変異性体形態がある。
挙げられるピラゾール誘導体の中に、特許DE 3,843,892及びDE 4,133,957、並びに特許出願WO 94/08969、WO 94/08970、FR-A-2,733,749及びDE 195 43 988に記載された化合物、例えば、4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)ピラゾール、3,4-ジアミノピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(4'-クロロベンジル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1,3-ジメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-フェニルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-メチル-3-フェニル-ピラゾール、4-アミノ-1,3-ジメチル-5-ヒドラジノピラゾール、1-ベンジル-4,5-ジアミノ-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-tert-ブチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-tert-ブチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-(4'-メトキシフェニル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-ヒドロキシメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-イソプロピルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-イソプロピルピラゾール、4-アミノ-5-(2'-アミノエチル)アミノ-1,3-ジメチルピラゾール、3,4,5-トリアミノピラゾール、1-メチル-3,4,5-トリアミノピラゾール、3,5-ジアミノ-1-メチル-4-メチルアミノピラゾール及び3,5-ジアミノ-4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-1-メチルピラゾール、並びにこれらの付加塩がある。
【0054】
本発明の組成物中に存在する一種以上の付加的な酸化ベースは一般に染料組成物の合計量に対し約0.001質量%から約20質量%までの範囲、好ましくは0.005質量%から6質量%までの範囲の量で存在する。
本発明の組成物はケラチン繊維を染色するのに通常使用される一種以上のカプラーを含むことが好ましい。これらのカプラーの中に、メタ-フェニレンジアミン、メタ-ジフェノール、ナフタレンをベースとするカプラー及び複素環カプラー、並びにこれらの付加塩が特に挙げられる。
例として、1,3-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシ-2-メチルベンゼン、4-クロロ-1,3-ジヒドロキシベンゼン、2,4-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、2-アミノ-4-(β-ヒドロキシエチルアミノ)-1-メトキシベンゼン、1,3-ジアミノベンゼン、1,3-ビス(2,4-ジアミノ-フェノキシ)プロパン、3-ウレイドアニリン、3-ウレイド-1-ジメチルアミノベンゼン、セサモール、1-β-ヒドロキシエチルアミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、α-ナフトール、2-メチル-1-ナフトール、6-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシ-N-メチルインドール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、6-ヒドロキシ-ベンゾモルホリン、3,5-ジアミノ-2,6-ジメトキシピリジン、1-N-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン及び2,6-ビス(β-ヒドロキシエチルアミノ)トルエン、並びにこれらの付加塩が挙げられる。
本発明の組成物中に、一種以上のカプラーが一般に染料組成物の合計質量に対し0.001質量%から20質量%までの範囲、好ましくは0.005質量%から6質量%までの範囲の量で存在する。
【0055】
一般に、本発明の状況で使用し得る酸化ベース及びカプラーの付加塩は特に酸との付加塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、トシレート、ベンゼンスルホン酸塩、リン酸塩及び酢酸塩、並びに塩基、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、アミン又はアルカノールアミンとの付加塩から選ばれる。
好適な染色媒体(また、染料支持体(support)として知られている)は、一般に水又は水と充分に水溶性ではない化合物を溶解するための少なくとも一種の有機溶媒との混合物からなる化粧媒体である。有機溶媒の例として、C1-C4低級アルカノール、例えば、エタノール及びイソプロパノール;ポリオール及びポリオールエーテル、例えば、2-ブトキシエタノール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル及びモノメチルエーテル、そしてまた芳香族アルコール、例えば、ベンジルアルコール又はフェノキシエタノール、及びこれらの混合物が挙げられる。
溶媒は染料組成物の合計質量に対し好ましくは約1質量%〜約40質量%、更に好ましくは約5質量%〜約30質量%の比率で存在する。
【0056】
本発明の染料組成物はまた毛髪染料組成物に通常使用される種々のアジュバント、例えば、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性又は双性イオン性の表面活性剤又はこれらの混合物、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性又は双性イオン性のポリマー又はこれらの混合物、無機又は有機増粘剤、特にアニオン性、カチオン性、ノニオン性及び両性の重合体の会合性増粘剤、酸化防止剤、浸透剤、金属イオン封鎖剤、香料、緩衝剤、分散剤、コンディショニング剤、例えば、揮発性又は不揮発性の、変性又は未変性シリコーン、フィルム形成剤、セラミド、保存剤及び不透明剤を含んでもよい。
上記アジュバントは組成物の質量に対し一般に夫々0.01質量%〜20質量%の量で存在する。
言うまでもないが、当業者は本発明の酸化染料組成物と固有に関連する有利な性質が一種以上の考えられる添加剤により悪影響されず、又は実質的に悪影響されないようにこの又はこれらの一種以上の任意の付加的な化合物を選ぶように注意するであろう。
本発明の染料組成物のpHは一般に約3〜12、好ましくは約5〜11である。それはケラチン繊維を染色するのに通常使用される酸性化剤又は塩基性化剤により、又は通常の緩衝剤系を使用して所望の値に調節されてもよい。
挙げられる酸性化剤の中に、例えば、無機又は有機酸、例えば、塩酸、オルトリン酸、硫酸、カルボン酸、例えば、酢酸、酒石酸、クエン酸又は乳酸、及びスルホン酸がある。
挙げられる塩基性化剤の中に、例えば、水性アンモニア、アルカリ性炭酸塩、アルカノールアミン、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミン及びこれらの誘導体、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び下記の式(II)の化合物がある。





【0057】
【化27】

【0058】
式中、Wは必要によりヒドロキシル基又はC1-C4アルキル基で置換されていてもよいプロピレン残基であり、かつRa、Rb、Rc及びRd(これらは同じであってもよく、また異なっていてもよい)は水素原子又はC1-C4アルキル基もしくはC1-C4ヒドロキシアルキル基を表す。
本発明の染料組成物は種々の形態、例えば、液体、クリームもしくはゲルの形態、又はケラチン繊維、特にヒトの毛髪を染色するのに適しているあらゆるその他の形態であってもよい。
本発明の方法は先に定義された本発明の組成物が繊維に適用される方法である。
一つの特別な実施態様によれば、本発明の組成物は所望のライトニングを得るのに充分に長い期間にわたって酸化剤の存在下でケラチン繊維に適用される。酸化剤は丁度使用の時点で本発明の組成物に添加されてもよく、又はそれはそれを含む酸化組成物の形態で使用されてもよく、これは本発明の組成物と同時又は逐次に適用される。
一つの特別な実施態様によれば、本発明の組成物は少なくとも一種の酸化染料前駆体を含む。
次いで得られた混合物がケラチン繊維に適用される。3分〜1時間、好ましくは5〜50分のリーブ-イン(leave-in)時間後に、ケラチン繊維がすすがれ、シャンプーで洗浄され、再度すすがれ、次いで乾燥させられる。
ケラチン繊維の酸化染色に通常使用される酸化剤は、例えば、過酸化水素、尿素ペルオキサイド、アルカリ金属ブロメート、過塩、例えば、過ホウ酸塩及び過硫酸塩、過酸及びオキシダーゼ酵素であり、これらの中に、ペルオキシダーゼ、2電子酸化還元酵素、例えば、ウリカーゼ、及び4電子オキシゲナーゼ、例えば、ラッカーゼが挙げられる。過酸化水素が特に好ましい。
酸化組成物はまた先に定義された毛髪を染色するための組成物に通常使用される種々のアジュバントを含んでもよい。
以下の実施例は本発明を説明するのに利用できるが、その性質を限定するものではない。
【実施例】
【0059】
実施例1:4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}-1-〔3-(4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}ピリジニウム-1-イル)プロピル〕ピリジニウムジブロミドの合成




【0060】
【化28】

【0061】
工程1:イソニコチンアルデヒドメチル(フェニル)ヒドラゾンの合成
【0062】
【化29】

【0063】
1当量のメチルフェニルヒドラジン(58.76g;0.4809モル、化合物2)を3口フラスコ(これに冷却器が取り付けられている)中のエタノール50ml及び酢酸1.5ml中で希釈する。次いでその反応媒体を0℃で撹拌する。滴下ロートを使用して、1当量の4-ピリジンカルボキシアルデヒド(51.5g;0.4808モル、化合物1)を添加する。そのアルデヒドの添加後に、反応媒体を13時間にわたって65℃(油浴温度)で加熱する。
次に、反応媒体(暗色の油)を水-氷混合物(1/3)に注ぐ。次いでその混合物を撹拌する。黄色の粉末が得られるまで、油状生成物が暗くなる。次いでこの粉末を濾過し、数回水洗する。乾燥後、化合物3 83.9gを得る。
分析データ:
黄色の粉末
NMR (1H, MeOD, 400 MHz): 3.45 ppm, 3H, s; 6.94-6.98 ppm, 1H, m; 7.32-7.35 ppm, 2H, m; 7.44-7.47 ppm, 2H, m; 7.60-7.63 ppm, 3H, m; 8.53-8.55 ppm, 2H, m
NMR (13C, DMSO-d6, 100.62 MHz): 35.59 ppm ; 115.62 ppm ; 120.29 ppm ; 121.46 ppm ; 129.45 ppm ; 130.02 ppm ; 144.08 ppm ; 147.31 ppm ; 150.31 ppm
質量(MS ES+): m/z = 212
工程2:
【0064】
【化30】

【0065】
1,3-ジブロモプロパン(0.023モル)の存在下のトルエン200ml中の化合物(10g、0.047モル)を3口フラスコ(これに冷却器が取り付けられている)中で18時間にわたって100℃で撹拌する。
反応後に、反応媒体を室温に冷却し、沈殿した所望の生成物を濾過し、次いで酢酸エチルで洗浄し、最後に乾燥させる。再沈が必要であり、これを以下のように行なう:粗反応生成物をメタノール150mlに溶解する。非常に短い期間にわたって、酢酸エチル550mlを更に添加し、予想される生成物を沈殿させる。この生成物を濾過し、次いで真空下で乾燥させる。化合物 10.1gを回収する(黄色の粉末)。
生成物の分析
NMR (1H, 400 MHz, CD3OD):









【0066】
【表1】

【0067】
質量(LC/MS ; ESI +):予想されるジカチオン〔C29H32N62+をm/z, ESI+=232で検出する。
実施例2:4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}-1-〔4-(4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}ピリジニウム-1-イル)ブチル〕ピリジニウムジブロミドの合成
【0068】
【化31】

【0069】
化合物の合成:













【0070】
【化32】

【0071】
化合物3(10g、0.047モル)を3口フラスコ(これに冷却器が取り付けられている)中で1,4-ジブロモブタン2.82ml(0.023モル)の存在下で1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン200ml中で10時間にわたって100℃で撹拌する。
反応後に、反応媒体を室温に冷却し、沈殿した所望の生成物を濾過し、次いで酢酸エチルで洗浄し、最後に乾燥させる。再沈が必要であり、これを以下のように行なう:粗反応生成物をメタノール150mlに溶解する。非常に短い期間にわたって、酢酸エチル550mlを更に添加し、予想される生成物を沈殿させる。この生成物を濾過し、次いで真空下で乾燥させる。化合物 12.4gを回収する(黄色の粉末)。
生成物の分析
NMR (1H, 400 MHz, CD3OD):
【0072】
【表2】

【0073】
質量(ESI +):予想されるジカチオン〔C30H34N62+をm/z, ESI+=239で検出する。
実施例3:4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}-1-〔5-(4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}ピリジニウム-1-イル)ペンチル〕ピリジニウムジブロミドの合成
【0074】
【化33】

【0075】
化合物の合成:
【0076】
【化34】

【0077】
化合物(10g、0.047モル)を3口フラスコ(これに冷却器が取り付けられている)中で1,5-ジブロモペンタン3.22ml(0.023モル)の存在下で1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン100ml中で10時間にわたって100℃で撹拌する。
反応後に、反応媒体を室温に冷却し、予想される生成物を酢酸エチル20mlの存在下で沈殿させ、濾過し、乾燥させる。再沈が必要であり、これを以下のように行なう:粗反応生成物をメタノール150mlに溶解する。非常に短い期間にわたって、酢酸エチル550mlを更に添加し、予想される生成物を沈殿させる。この生成物を濾過し、次いで真空下で乾燥させる。化合物8 12.4gを回収する(黄色の粉末)。
生成物の分析:
NMR (1H, 400 MHz, CD3OD):
【0078】
【表3】

【0079】
質量(ESI +):予想されるジカチオン〔C31H36N62+をm/z, ESI+=246で検出する。
実施例4:4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}-1-〔6-(4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}ピリジニウム-1-イル)ヘキシル〕ピリジニウムジブロミドの合成
【0080】
【化35】

【0081】
化合物10の合成:




【0082】
【化36】

【0083】
化合物(10g、0.047モル)を3口フラスコ(これに冷却器が取り付けられている)中で1,6-ジブロモヘキサン3.61ml(0.023モル)の存在下で1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン100ml中で10時間にわたって100℃で撹拌する。
反応後に、反応媒体を室温に冷却し、所望の生成物を酢酸エチル20mlの存在下で沈殿させ、次いで濾過し、最後に乾燥させる。再沈が必要であり、これを以下のように行なう:粗反応生成物をメタノール150mlに溶解する。非常に短い期間にわたって、酢酸エチル550mlを更に添加し、予想される生成物を沈殿させる。この生成物を濾過し、次いで真空下で乾燥させる。化合物10 11.2gを回収する(黄色の粉末)。
分析データ:
NMR (1H, 400 MHz, CD3OD):








【0084】
【表4】

【0085】
質量(ESI +):
予想されるジカチオン〔C32H38N62+をm/z=254で検出する。
実施例5:4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}-1-(6-{〔4-({〔6-(4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}ピリジニウム-1-イル)ヘキシル〕アミノ}カルボニル)ベンゾイル〕アミノ}ヘキシル)-ピリジニウムジブロミドの合成
【0086】
【化37】

【0087】
化合物(10g、0.047モル)を3口フラスコ(これに冷却器が取り付けられている)中でN,N”-ビス(6-ブロモヘキシル)テレフタルアミド(0.023モル)の存在下で1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン200ml中で18時間にわたって100℃で撹拌する。
反応後に、反応媒体を室温に冷却し、酢酸エチル200mlを添加することにより所望の生成物を沈殿させる。沈殿を濾過し、次いで乾燥させる。再沈が必要であり、これを以下のように行なう:粗反応生成物をメタノール150mlに溶解する。非常に短い期間にわたって、酢酸エチル550mlを更に添加し、予想される生成物を沈殿させる。この生成物を濾過し、次いで真空下で乾燥させる。化合物12 14.1gを回収する(黄色の粉末)。
生成物の分析:
NMR (1H, 400 MHz, CD3OD):
【0088】
【表5】

【0089】
質量(ESI +):ジカチオン〔C46H56N8O22+をm/z=376で検出する。
実施例6:4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}-1-〔6-(4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}キノリニウム-1-イル)ヘキシル〕キノリニウムジブロミドの合成
【0090】
【化38】

【0091】
工程1:キノリン-4-カルボアルデヒドメチル(フェニル)ヒドラゾンの合成




【0092】
【化39】

【0093】
1当量のメチルフェニルヒドラジン(4.1g;0.033モル、化合物)を3口フラスコ(これに冷却器が取り付けられている)中のエタノール25ml及び氷酢酸0.5ml中で希釈する。次いでその反応媒体を0℃で撹拌する。1当量の4-ホルミルキノリン(5.28g;0.033モル、化合物14)をスパチュラにより添加する。そのアルデヒドの添加後に、反応媒体を4時間にわたって70℃(油浴温度)で加熱する。
次に、反応媒体(暗色の油)を水-氷混合物(1/3)に注ぐ。次いでその混合物を撹拌する。黄色の粉末が得られるまで、油状生成物が徐々に暗くなる。次いでこの粉末を濾過し、数回水洗する。乾燥後、化合物15 7.9gを得る。
分析データ
NMR (1H, 400 MHz, CD3OD):
【0094】
【表6】

【0095】
質量(MS ESI +):予想される分子、C17H15N3の準分子イオン(MH)+を主としてm/z=262で検出する。
工程2:4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}-1-〔6-(4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}キノリニウム-1-イル)ヘキシル〕キノリニウムジブロミドの合成

【0096】
【化40】

【0097】
化合物15(1g、3.82ミリモル)を3口フラスコ(これに冷却器が取り付けられている)中で1,6-ジブロモヘキサン(23.96ミリモル)の存在下でトルエン23ml中で6.5時間にわたって80℃で撹拌する。
反応後に、反応媒体を室温に冷却し、アセトン(50ml)に注ぐ。得られた沈殿を濾過し、次いでアセトンで数回洗浄し、最後に真空下で乾燥させる。化合物16 73mgを回収する(黄色の粉末)。
生成物の分析:
NMR (1H, 400 MHz, CD3OD):
【0098】
【表7】

【0099】
質量(LC/MS ; ESI +):予想されるジカチオン(C40H42N6)2+をm/z=303で検出する。
実施例7:4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}-1-〔6-(4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}ピリジニウム-1-イル)ヘキシル〕キノリニウムジブロミドの合成






【0100】
【化41】

【0101】
化合物15(5.83g)を3口フラスコ(これに冷却器が取り付けられている)中で1,6-ジブロモヘキサン(70ml)の存在下で6時間にわたって80℃で撹拌する。
反応後、オレンジ色の沈殿を得る。その反応媒体を焼成ロートにより熱時濾過する。得られた沈殿をトルエン次いで石油エーテルで数回洗浄し、最後に真空下で乾燥させる。化合物17 7.47gを回収する(オレンジ色の粉末)。
化合物17 1.19g(1当量、2.3ミリモル)を3口フラスコ中のエタノール5mlに溶解する。滴下ロートを使用して、エタノール10mlに溶解された化合物 1g(2当量、4.6ミリモル)を撹拌しながら50℃に予熱された反応媒体に添加する。反応媒体を48時間にわたって50℃に維持する。
反応後、冷酢酸エチル75mlを添加することにより化合物18を沈殿させる。得られた沈殿を濾過し、次いで酢酸エチル25mlですすぐ。デシケーター中で真空下で乾燥させた後に、赤色の粉末1.2gを得る。
質量(ESI+):予想されるジカチオンをm/z=278で検出する。
実施例8:1-メチル-3-〔5-(1-メチル-2-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}-1H-イミダゾール-3-イウム-3-イル)ペンチル〕-2-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}-1H-イミダゾール-3-イウムジブロミドの合成












【0102】
【化42】

【0103】
化合物19(0.15g)を3口フラスコ(これに冷却器が取り付けられている)中で1,5-ジブロモペンタン(80mg)及びイソプロパノール1mlの存在下で48時間にわたって70℃で撹拌する。
反応後、冷酢酸エチル5mlを添加することにより化合物20を沈殿させる。得られた沈殿を濾過し、酢酸エチル2x5mlですすぐ。デシケーター中で真空下で乾燥させた後に、黄色の粉末90mgを得る。
質量(ESI+):予想されるジカチオンをm/z=249で検出する。
実施例9:1-メチル-3-〔4-(1-メチル-2-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}-1H-イミダゾール-3-イウム-3-イル)ブチル〕-2-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}-1H-ベンゾイミダゾール-3-イウムジブロミドの合成
















【0104】
【化43】

【0105】
化合物21(0.15g)を3口フラスコ(これに冷却器が取り付けられている)中で1,4-ジブロモブタン(61mg)及びイソプロパノール1mlの存在下で48時間にわたって70℃で撹拌する。
反応後、冷酢酸エチル5mlを添加することにより化合物22を沈殿させる。得られた沈殿を濾過し、酢酸エチル2x5mlですすぐ。デシケーター中で真空下で乾燥させた後に、黄色の粉末77mgを得る。
質量(ESI+):予想されるジカチオンをm/z=292で検出する。
実施例10:1-〔6-(1-メチル-2-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}-1H-イミダゾール-3-イウム-3-イル)ヘキシル〕-4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}キノリニウムジブロミドの合成
















【0106】
【化44】

【0107】
化合物17(0.26g)を3口フラスコ(これに冷却器が取り付けられている)中で化合物19(120mg)及びイソプロパノール2mlの存在下で48時間にわたって70℃で撹拌する。
反応後、冷酢酸エチル5mlを添加することにより化合物23を沈殿させる。得られた沈殿を濾過し、酢酸エチル2x5mlですすぐ。デシケーター中で真空下で乾燥させた後に、黄色の粉末125mgを得る。
質量(ESI+):予想されるジカチオンをm/z=280で検出する。
実施例11:1-〔6-(1-メチル-2-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}-1H-ベンゾイミダゾール-3-イウム-3-イル)ヘキシル〕-4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}キノリニウムジブロミドの合成









【0108】
【化45】

【0109】
化合物17(0.21g)を3口フラスコ(これに冷却器が取り付けられている)中で化合物21(120mg)及びイソプロパノール2mlの存在下で48時間にわたって70℃で撹拌する。
反応後、冷酢酸エチル5mlを添加することにより化合物24を沈殿させる。得られた沈殿を濾過し、次いで酢酸エチル2x5mlですすぐ。デシケーター中で真空下で乾燥させた後に、黄色の粉末111mgを得る。
質量(ESI+):予想されるジカチオンをm/z=305で検出する。
実施例12:化合物〔25〕:1,1'-ペンタン-1,5-ジイルビス(4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}キノリニウム)ジブロミドの合成














【0110】
【化46】

【0111】
合成経路
【0112】
【化47】

【0113】
メカニカルスターラーを取り付けた3口フラスコ中で、〔15〕(1g;3.82ミリモル)をDMPU(20ml)、1,5-ジブロモヘキサン0.26ml(1.91ミリモル)に溶解し、次いで100℃で加熱した。反応混合物の色が非常に暗いオレンジ色になった。反応混合物を100℃で一夜加熱し、次いで室温に冷却した。アセトン(50ml)及び酢酸エチル(50ml)を徐々に添加し、沈殿が徐々に生成した。沈殿を濾過し、アセトンですすぎ、真空下で乾燥させて〔25〕のオレンジ色の粉末(0.75g)を得た。
通常の分析特性決定はその構造と一致した。
実施例13:化合物〔26〕:1,1'-ブタン-1,4-ジイルビス(4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}キノリニウム)ジブロミドの合成








【0114】
【化48】

【0115】
合成経路
【0116】
【化49】

【0117】
メカニカルスターラーを取り付けた3口フラスコ中で、〔15〕(1g;3.82ミリモル)をDMPU(20ml)、1,4-ジブロモブタン0.23ml(1.91ミリモル)に溶解し、次いで100℃で加熱した。反応混合物の色が非常に暗いオレンジ色になった。反応混合物を100℃で一夜加熱し、次いで室温に冷却した。アセトン(50ml)及び酢酸エチル(50ml)を徐々に添加し、沈殿が徐々に生成した。沈殿を濾過し、アセトンですすぎ、真空下で乾燥させて〔26〕のオレンジ色の粉末(0.65g)を得た。
通常の分析特性決定はその構造と一致した。
実施例14:化合物〔27〕:1,1'-プロパン-1,3-ジイルビス(4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}キノリニウム)ジブロミドの合成








【0118】
【化50】

【0119】
合成経路
【0120】
【化51】

【0121】
メカニカルスターラーを取り付けた3口フラスコ中で、〔15〕(1g;3.82ミリモル)をDMPU(20ml)、1,3-ジブロモプロパン0.20ml(1.91ミリモル)に溶解し、次いで100℃で加熱した。反応混合物の色が非常に暗いオレンジ色になった。反応混合物を100℃で一夜加熱し、次いで室温に冷却した。アセトン(50ml)及び酢酸エチル(50ml)を徐々に添加し、沈殿が徐々に生成した。沈殿を濾過し、アセトンですすぎ、真空下で乾燥させて〔27〕のオレンジ色の粉末(0.81g)を得た。
通常の分析特性決定はその構造と一致した。
実施例15:化合物〔33〕:2-{(E)-〔{4-〔(4-メトキシフェニル)(メチル)アミノ〕フェニル}(メチル)ヒドラゾノ〕メチル}-3,3-ジメチル-1-〔6-(4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}ピリジニウム-1-イル)ヘキシル〕-3H-インドリウムジクロリドの合成





【0122】
【化52】

【0123】
工程1:化合物〔28〕の合成














【0124】
【化53】

【0125】
メカニカルスターラーを取り付けた3口フラスコ中で、〔3〕(80.1g、0.379モル)をトルエン(250ml)に溶解した。その反応混合物を80℃で加熱した。トルエン中で希釈した1,6-ジブロモヘキサン302ml(1.94モル)を反応混合物に添加した。反応混合物の色が非常に暗い黄色になった。反応混合物を4.5時間の間に80℃で加熱し、次いで室温に冷却した。沈殿が反応中に徐々に生成した。沈殿を濾過し、トルエン及び石油エーテルですすぎ、再度濾過した。
次いで固体をジクロロメタン(1L)中で可溶化し、4回水洗した。有機相をMgSO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空で除去して深い黄色の粉末〔28〕95.1gを得た。
通常の分析特性決定はその構造と一致した。
工程2:化合物〔30〕の合成











【0126】
【化54】

【0127】
メカニカルスターラーを取り付けた3口フラスコ中で、〔28〕(10g、21.96ミリモル)及び〔29〕(5.3ml、33.02ミリモル)をDMF(10ml)に溶解した。その反応混合物を10時間の間に80℃で加熱し、次いで室温に冷却した。ジエチルエーテルを添加した後に、粗油を得た。分離後、粗油をiPrOH中で希釈した。アルコール相をジエチルエーテル溶液に徐々に添加した時に、沈殿が徐々に生成した。沈殿を濾過して〔30〕の赤色の粉末(12.31g)を得た。
通常の分析特性決定はその構造と一致した。
工程3:化合物〔32〕の合成

















【0128】
【化55】

【0129】
メカニカルスターラーを取り付けた3口フラスコ中で、〔30〕(7.24g、0.013モル)を水(270ml)及びエタノール(400ml)に溶解した。その反応混合物を0℃に冷却した。化合物〔31〕(4.38g)を反応混合物に徐々に添加し、そのpHを酢酸ナトリウムの滴下添加により調節した。反応混合物を4.5時間にわたって0℃で撹拌した。次いで、冷却浴を除去し、pHを40%の水酸化ナトリウム水溶液の滴下添加により11に調節した。沈殿が生成し、濾過し、水ですすぎ、真空下でP2O5で一夜乾燥させて〔32〕の黒色の粉末(8.79g)を得た。
通常の分析特性決定はその構造と一致した。
工程4:化合物〔33〕の合成
【0130】
【化56】

【0131】
メカニカルスターラーを取り付けた3口フラスコ中で、〔32〕(0.2g、0.26ミリモル)及びp-トルエンスルホン酸メチルエステル(1.18g)をトルエン(5ml)に溶解した。その反応混合物を5時間の間に100℃で加熱した。反応後に、溶媒を真空で除去した。粗固体をエタノール(50ml)に可溶化し、アンバーリスト樹脂(IRA400)を反応混合物に添加した(10g)。その反応混合物を0.5時間にわたって室温で撹拌した。濾過後、溶媒を真空で除去し、固体をジエチルオキサイドですすぎ、真空下でP2O5で一夜乾燥させて〔33〕の黒色の粉末(0.21g)を得た。
実施例16:化合物〔36〕:1,1'-ヘキサン-1,6-ジイルビス(2-{(E)-〔{4-〔(4-メトキシフェニル)(メチル)アミノ〕フェニル}(メチル)ヒドラゾノ〕メチル}-3,3-ジメチル-3H-インドリウム)ジクロリドの合成
【0132】
【化57】

【0133】
工程1:化合物〔34〕の合成











【0134】
【化58】

【0135】
文献:F. Ribes, R. Guglielnetti, J. Metzger, Bulletin de la Societe Chimique de France, 1972, 1号, 143-147頁
メカニカルスターラーを取り付けた3口フラスコ中で、〔29〕(11ml、68.52ミリモル)を1,6-ジブロモヘキサン(4.8ml、31.2ミリモル)と反応させた。その反応混合物を3.5時間の間に140℃で加熱した。反応混合物の色が非常に暗い赤色になった。その反応混合物を室温に冷却した。アセトンを添加した後に、沈殿が徐々に生成した。沈殿を濾過し、次いでイソプロパノールに可溶化した。アルコール相をジエチルエーテル溶液に徐々に添加した時に、沈殿が徐々に生成した。沈殿を濾過して〔34〕の赤色の粉末(12.70g)を得た。
通常の分析特性決定はその構造と一致した。
工程2:化合物〔35〕の合成















【0136】
【化59】

【0137】
メカニカルスターラーを取り付けた3口フラスコ中で、〔34〕(2.15g、3.82ミリモル)を水(45ml)に溶解した。その反応混合物を0℃に冷却した。化合物〔31〕(2.8g、10.69ミリモル)を反応混合物に徐々に添加し、そのpHを酢酸ナトリウムの滴下添加により5.7に調節した。反応混合物を0℃で4.5時間撹拌した。次いで、冷却浴を除去し、pHを40%の水酸化ナトリウム溶液の滴下添加により11に調節した。沈殿が生成し、濾過し、水ですすぎ、真空下でP2O5で一夜乾燥させて〔35〕の黒色の粉末(3.58g)を得た。
通常の分析特性決定はその構造と一致した。
工程3:化合物〔36〕の合成
【0138】
【化60】

【0139】
メカニカルスターラーを取り付けた3口フラスコ中で、〔35〕(0.62g、0.68ミリモル)及びメチル-p-トルエンスルホネート(0.6g)をトルエン(5ml)に溶解した。その反応混合物を5時間の間に100℃で加熱した。反応後、溶媒を真空で除去した。粗固体をエタノール(50ml)に可溶化し、アンバーリスト樹脂(IRA400)を反応混合物に添加した(10g)。その反応混合物を室温で0.5時間撹拌した。濾過後、溶媒を真空で除去し、固体をジエチルエーテルですすぎ、真空下でP2O5で一夜乾燥させて〔36〕の紫色の粉末(0.44g)を得た。
通常の分析特性決定はその構造と一致した。
染色の実施例
染料組成物を下記の比率で調製した。
溶液1
【0140】
【表8】

【0141】
溶液2:pH9.5の緩衝液
【0142】
【表9】

【0143】
溶液3:pH7の緩衝液
【0144】
【表10】

【0145】
以下に示される染料(5x10-3モル/l)を溶液1に溶解し、続いて1倍に等しい容積の緩衝液2又は3(pH7又は9.5)の添加により、染料組成物を得る。
夫々の組成物を90%の白色の毛髪を含む灰色の毛髪に適用する(溶液6g当り1gのロック)。30分のリーブ-イン時間後に、ロックをすすぎ、通常のシャンプーで洗浄し、再度すすぎ、次いで乾燥させる。
下記の染色結果を得た。












【0146】
【化61】

【0147】
こうして染色されたロックを洗浄堅ろう度試験(これは10回シャンプーし、これらの10回のシャンプー洗浄後にその色を評価することにある)にかける。ミノルタ(登録商標)CM2002スペクトロフォトメーター(イルミナントD65)を使用して、L*a*b*系中でL*a*b*を測定することにより、色を評価する。このL*a*b*系中で、三つのパラメーターは夫々強さ(L*)を表し、a*は緑色/赤色軸を示し、またb*は青色/黄色軸を示す。
下記の結果を得た。
【0148】
【表11】

【0149】
これらの結果は本発明の化合物が化合物Iを含む本発明によらない組成物と較べてシャンプー堅ろう度に関して改良された染色結果を得ることを可能にすることを示す。
色度
下記の染料組成物を調製した。
【0150】
【表12】

(*):染料支持体(1)pH7






















【0151】
【化62】

【0152】
例Aは本発明による。例BはWO 04/083312 (CIBA)による。
染料支持体(1)pH7:
96°エチルアルコール 20.8g
40%の水溶液としてのジエチレン-トリアミン-ペンタ酢酸
の5ナトリウム塩 0.48g A.M.
60%の水溶液としてのC8-C10アルキルポリグルコシド 3.6g A.M.
ベンジルアルコール 2.0g
8エチレンオキサイド単位を含むポリエチレングリコール 3.0g
Na2HPO4 0.28g
KH2PO4 0.46g
夫々の組成物を90%の白色の毛髪を含む灰色の毛髪に適用する(溶液6g当り1gのロック)。30分のリーブ-イン時間後に、ロックをすすぎ、通常のシャンプーで洗浄し、再度すすぎ、次いで乾燥させる。
下記の染色結果を得た。
ミノルタ(登録商標)CM2002スペクトロフォトメーター(イルミナントD65)を使用して、L*a*b*系中でL*a*b*を測定することにより、色を評価する。Lが低い程、その色は強い(又は暗い)。これらの試験は一層強い着色が本発明の組成物で得られたことを示す。
【0153】
【表13】

【0154】
下記の染料組成物を調製した。
【0155】
【表14】

(*):染料支持体(2)pH9.5
【0156】
【化63】

【0157】
染料支持体(2)pH9.5
96°エチルアルコール 20.8g
40%の水溶液としてのジエチレン-トリアミン-ペンタ酢酸
の5ナトリウム塩 0.48g A.M.
60%の水溶液としてのC8-C10アルキルポリグルコシド 3.6g A.M.
ベンジルアルコール 2.0g
8エチレンオキサイド単位を含むポリエチレングリコール 3.0g
NH4Cl 4.32g
20%のNH3を含むアンモニア水溶液 2.94g
使用の時点で、夫々の組成物を等しい質量の20倍容の過酸化水素水溶液(6質量%)と混合する。9.5の最終pHを得る。
得られた夫々の混合物を90%の白色の毛髪を含む灰色の毛髪のロックに適用する。30分の作用時間後に、ロックをすすぎ、通常のシャンプーで洗浄し、再度すすぎ、次いで乾燥させる。
得られた明度を下記の表に示す。ミノルタ(登録商標)CM2002スペクトロフォトメーター(イルミナントD65)を使用して、L*a*b*系中でL*a*b*を測定することにより、色を評価する。これらの試験は一層強い着色が本発明の組成物で得られることを示す。
【0158】
【表15】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
DYE-L-DYE
のジカチオンビス-ヒドラゾン化合物。
〔式中、
発色団DYE(これらは同じであってもよく、また異なっていてもよい)の夫々は下記の式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)及び(Ig):
【化1】

【化2】

【化3】

に相当し、
式中、
−基R1及びR5は互に独立に線状又は分岐、飽和又は不飽和C1-C20(好ましくはC1-C16)炭化水素をベースとする鎖を表し、これは一つ以上の必要により置換されていてもよい、必要により芳香族の3〜7員の炭素をベースとする環を形成することができ、この鎖は必要により置換されていてもよく、必要により1個以上のヘテロ原子又はヘテロ原子を有する1個以上の基で中断されていてもよく、これらのヘテロ原子は好ましくは酸素及び窒素から選ばれ、
−基R2及びR3は互に独立に
・臭素、塩素及びフッ素から選ばれたハロゲン原子;
・線状又は分岐、飽和又は不飽和C1-C16炭化水素をベースとする鎖(これは一つ以上の必要により芳香族の3〜6員の炭素をベースとする環を形成することができ、この鎖は必要により置換されていてもよく、必要により1個以上のヘテロ原子又は少なくとも1個のヘテロ原子を有する1個以上の基で中断されていてもよく、これらのヘテロ原子は好ましくは酸素及び窒素から選ばれる);
・ヒドロキシル基;
・C1-C4アルコキシ基;C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基;アルコキシカルボニル基(RO-CO-)(式中、RはC1-C4アルキル基を表す)又はアルキルカルボニルオキシ基(RCO-O-)(式中、RはC1-C4アルキル基を表す);必要により置換されていてもよいアリールオキシ基:
・アミノ基、1個以上のC1-C4アルキル基(これらは同じであってもよく、又は異なっていてもよく、必要により少なくとも1個のヒドロキシル基を有してもよく、2個のアルキル基は、それらが結合されている窒素原子とともに、飽和又は不飽和、必要により置換されていてもよい5員又は6員複素環(必要により別の窒素又は非窒素ヘテロ原子を有していてもよい)を形成することが可能である)で置換されたアミノ基;アルキルカルボニルアミノ基(RCO-NR-)(式中、基Rは互に独立にC1-C4アルキル基を表す);カルバモイル基((R)2N-CO-)(式中、基Rは互に独立に水素原子又はC1-C4アルキル基を表す);ウレイド基(N(R)2-CO-NR'-)(式中、基R及びR'は互いに独立に水素原子又はC1-C4アルキル基を表す);スルホンアミド基((R)2N-SO2-)(式中、基Rは互に独立に水素原子又はC1-C4アルキル基を表す);アルキルチオ基(R-S-)(式中、基RはC1-C4アルキル基を表す);アルキルスルホニルアミノ基(RSO2-NR'-)(式中、基R及びR'は互いに独立に水素原子又はC1-C4アルキル基を表す);
・ニトロ基;シアノ基;ハロゲン原子、好ましくは塩素又はフッ素;
・トリフルオロメチル基(CF3
を表し、
−R1及びR2はまた、R1で置換された窒素原子とともに、飽和又は不飽和、置換又は未置換5員又は6員複素環を形成してもよく、
−二つの隣接基R2は、それらが結合されている炭素原子と一緒に、飽和又は不飽和、置換又は未置換5員又は6員芳香族環又は複素環を形成してもよく、
−二つの隣接基R3は一緒になって飽和又は不飽和、置換又は未置換5員又は6員芳香族環又は複素環を形成することができ、
−基R4は互に独立に
・水素原子;
・線状又は分岐、飽和又は不飽和C1-C16炭化水素をベースとする鎖(これは一つ以上の必要により芳香族の3〜6員の炭素をベースとする環を形成することができ、この鎖は必要により置換されていてもよく、必要により1個以上のヘテロ原子又は少なくとも1個のヘテロ原子(好ましくは酸素及び窒素から選ばれる)を有する1個以上の基で中断されていてもよい);
・アミノ基、1個以上のC1-C4アルキル基(これらは同じであってもよく、又は異なっていてもよく、必要により少なくとも1個のヒドロキシル基を有してもよく、2個のアルキル基は、それらが結合されている窒素原子とともに、飽和又は不飽和、必要により置換されていてもよい5員又は6員複素環(必要により別の窒素又は非窒素ヘテロ原子を有していてもよい)を形成することが可能である)で置換されたアミノ基;アルキルカルボニルアミノ基(RCO-NR-)(式中、基Rは互に独立にC1-C4アルキル基を表す);ウレイド基(N(R)2-CO-NR'-)(式中、基R及びR'は互いに独立に水素原子又はC1-C4アルキル基を表す);アルキルスルホニルアミノ基(RSO2-NR'-)(式中、基R及びR'は互いに独立に水素原子又はC1-C4アルキル基を表す)
を表し、
−nは0〜5の整数であり、
−n'は0〜4の整数であり、
−式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)及び(Ig)中の結合aは発色団DYEの夫々を式(I)のリンカーLに結合し、
−Xは化合物Ia又はIbの一つ以上の電荷を釣り合わせるための有機又は無機のアニオン又はアニオンの混合物であり、
−基Lは線状又は分岐C1-C60(好ましくはC2-C40)炭化水素をベースとする鎖(これは一つ以上の必要により芳香族の、必要により置換されていてもよい3〜7員の炭素をベースとする環を形成することができ、この鎖は必要により置換されていてもよく、必要により1個以上のヘテロ原子又はヘテロ原子を有する一つ以上の基で中断されていてもよい)を表し、Lはペルオキシド基、ニトロ基、ジアゾ基又はニトロソ基を含まず、リンカーLは炭素原子を介して発色団DYEの夫々の四級化窒素原子に結合され、Lはカチオンではなく、
−二つの発色団DYEが同じであり、かつ式(Ia)(式中、n=n'=0)に相当する場合に、基Lは下記の基:
【化4】

の一つではないことを条件とする〕
【請求項2】
Lが1〜60個の炭素原子、好ましくは2〜40個の炭素原子、更に好ましくは2〜20個の炭素原子を含み、必要により1個以上のヘテロ原子で置換かつ/又は中断されていてもよいアルキレン基(CnH2n)から選ばれる、請求項1記載のジカチオンビス-ヒドラゾン化合物。
【請求項3】
LがC1-C20アルキル-(ヘテロ)アリール-C1-C20アルキルにより表される、請求項1記載のジカチオンビス-ヒドラゾン化合物。
【請求項4】
LがC1-C10アルキル-(ヘテロ)アリール-C1-C10アルキルにより表される、請求項3記載のジカチオンビス-ヒドラゾン化合物。
【請求項5】
基R1が同じであり、C1-C4アルキル基(必要によりヒドロキシル基、C1-C2アルコキシ基、アミノ基及びC1-C2(ジ)アルキルアミノ基から選ばれた1個以上の基で置換されていてもよい);アルキルカルボニル基(R-CO-)(式中、基RはC1-C4アルキル基を表す);カルバモイル基((R)2N-CO-)(式中、基Rは互に独立に水素原子又はC1-C4アルキル基を表す);アルキルスルホニル基(R-SO2-)(式中、基RはC1-C4アルキル基を表す)を表す、請求項1から4のいずれか1項記載のジカチオンビス-ヒドラゾン化合物。
【請求項6】
基R1が同じであり、メチル基、エチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-メトキシエチル基、アセチル(CH3CO-)基又はメチルスルホニル(CH3SO2-)基を表す、請求項5記載のジカチオンビス-ヒドラゾン化合物。
【請求項7】
基R1及びR2が、R1で置換された窒素原子とともに、1個以上のアルキル基で置換された飽和又は不飽和5員又は6員複素環を形成する、請求項1から4のいずれか1項記載のジカチオンビス-ヒドラゾン化合物。
【請求項8】
基R2及びR3が互に独立に
−水素原子;
−ハロゲン原子;
−線状又は分岐C1-C4アルキル基(必要によりヒドロキシル基、C1-C2アルコキシ基、C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基、アミノ基、C1-C2(ジ)アルキルアミノ基、チオ(-SH)基、(C1-C4)アルキルスルフィニル基、(C1-C4)アルキルスルホニル基及び(C1-C4)チオアルキル基から選ばれた1個以上の基で置換されていてもよい);
−フェニル基(必要によりヒドロキシル基、C1-C2アルコキシ基、C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基、アミノ基及びC1-C2(ジ)アルキルアミノ基から選ばれた1個以上の基、又はハロゲン原子、例えば、塩素、フッ素もしくは臭素で置換されていてもよい);
−C1-C4アルコキシ基;
−(C1-C4)アルキルスルホニルアミノ基;
−C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基;
−アミノ基;
−C1-C2(ジ)アルキルアミノ基;
−C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルキルアミノ基;
−アルキルカルボニル基(R-CO-)(式中、基RはC1-C4アルキル基を表す);
−カルバモイル基((R)2N-CO-)(式中、基Rは互に独立に水素原子又はC1-C4アルキル基を表す);
−アルキルスルホニルアミノ基(RSO2N-)(式中、基RはC1-C4アルキル基を表す);
−アミノスルホニル基((R)2NSO2-)(式中、基Rは互に独立に水素原子又はC1-C4アルキル基を表す);
−アルキルチオ基(RS-)(式中、基RはC1-C4アルキル基を表す);
−チオ基(HS-);
−アルキルスルフィニル基(RSO-)(式中、基RはC1-C4アルキル基を表す);
−アルキルスルホニル基(R-SO2-)(式中、基RはC1-C4アルキル基を表す);
−アルキルカルボニルアミノ基(RCONR'-)(式中、基Rは水素原子又はC1-C4アルキル基を表し、かつ基R'は水素原子又はC1-C4アルキル基を表す)
を表す、請求項1から4のいずれか1項記載のジカチオンビス-ヒドラゾン化合物。
【請求項9】
基R2及びR3が互に独立に水素原子又はメチル基、エチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-メトキシエチル基、アセチル(CH3CO-)基、メチルスルホニル(CH3SO2-)基、アミド(CH3CONH-)基、ヒドロキシル基、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、2-ヒドロキシエチルアミノ基、メトキシ基、エトキシ基もしくはフェニル基を表す、請求項8記載のジカチオンビス-ヒドラゾン化合物。
【請求項10】
基R5が同じであり、C1-C4アルキル基(必要によりヒドロキシル基、C1-C2アルコキシ基、アミノ基及びC1-C2(ジ)アルキルアミノ基から選ばれた1個以上の基で置換されていてもよい);必要により置換されていてもよいフェニル基を表す、請求項1から9のいずれか1項記載のジカチオンビス-ヒドラゾン化合物。
【請求項11】
基R5が同じであり、優先的にメチル基、エチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-メトキシエチル基又はフェニル基を表す、請求項1から10のいずれか1項記載のジカチオンビス-ヒドラゾン化合物。
【請求項12】
化合物が式:
【化5】

(式中、
−R'は、同じでも異なっていてもよく、請求項1のR2と同じ定義を有し、
−R”は、同じでも異なっていてもよく、水素原子又はC1-C4アルキル基を表し、
−mは2〜6の整数を表し、
−n”は0〜4の整数を表す)
の化合物から選ばれる、請求項1から11のいずれか1項記載のジカチオンビス-ヒドラゾン化合物。
【請求項13】
化合物が式:
【化6】

(式中、
−R'は、同じでも異なっていてもよく、請求項1のR2と同じ定義を有し、
−R”は、同じでも異なっていてもよく、水素原子又はC1-C4アルキル基を表し、
−mは2〜6の整数を表し、
−n”は0〜4の整数を表す)
の化合物から選ばれる、請求項1から12のいずれか1項記載のジカチオンビス-ヒドラゾン化合物。
【請求項14】
化合物が式:
【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

(式中、基R1、R2、R3、R4、R5、X、n、n'及びLは先に定義されたとおりである)
の化合物から選ばれる、請求項1から13のいずれか1項記載のジカチオンビス-ヒドラゾン化合物。
【請求項15】
化合物が下記の化合物:
−4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}-1-〔3-(4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}ピリジニウム-1-イル)プロピル〕ピリジニウムジブロミド、
−4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}-1-〔4-(4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}ピリジニウム-1-イル)ブチル〕ピリジニウムジブロミド、
−4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}-1-〔5-(4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}ピリジニウム-1-イル)ペンチル〕ピリジニウムジブロミド、
−4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}-1-〔6-(4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}ピリジニウム-1-イル)ヘキシル〕ピリジニウムジブロミド、
−4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}-1-(6-{〔4-({〔6-(4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}ピリジニウム-1-イル)ヘキシル〕アミノ}カルボニル)ベンゾイル〕アミノ}ヘキシル)ピリジニウムジブロミド、
−4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}-1-〔6-(4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}キノリニウム-1-イル)ヘキシル〕キノリニウムジブロミド、
−4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}-1-〔6-(4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}ピリジニウム-1-イル)ヘキシル〕キノリニウムジブロミド、
−1-メチル-3-〔5-(1-メチル-2-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}-1H-イミダゾール-3-イウム-3-イル)ペンチル〕-2-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}-1H-イミダゾール-3-イウムジブロミド、
−1-メチル-3-〔4-(1-メチル-2-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}-1H-ベンゾイミダゾール-3-イウム-3-イル)ブチル〕-2-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}-1H-ベンゾイミダゾール-3-イウムジブロミド、
−1-〔6-(1-メチル-2-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}-1H-イミダゾール-3-イウム-3-イル)ヘキシル〕-4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}キノリニウムジブロミド、
−1-〔6-(1-メチル-2-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}-1H-ベンゾイミダゾール-3-イウム-3-イル)ヘキシル〕-4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}キノリニウムジブロミド、
−1,1'-ペンタン-1,5-ジイルビス(4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}キノリニウム)ジブロミド、
−1,1'-ブタン-1,4-ジイルビス(4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}キノリニウム)ジブロミド、
−1,1'-プロパン-1,3-ジイルビス(4-{(E)〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}キノリニウム)ジブロミド、
−2-{(E)-〔{4-〔(4-メトキシフェニル)(メチル)アミノ〕フェニル}(メチル)ヒドラゾノ〕メチル}-3,3-ジメチル-1-〔6-(4-{(E)-〔メチル(フェニル)ヒドラゾノ〕メチル}ピリジニウム-1-イル)ヘキシル〕-3H-インドリウムジクロリド、
−1,1'-ヘキサン-1,6-ジイルビス(2-{(E)-〔{4-〔(4-メトキシフェニル)(メチル)アミノ〕フェニル}(メチル)ヒドラゾノ〕メチル}-3,3-ジメチル-3H-インドリウム)ジクロリド
から選ばれる、請求項1から14のいずれか1項記載のジカチオンビス-ヒドラゾン化合物。
【請求項16】
好適な染色媒体中に、請求項1から15のいずれか1項記載の少なくとも一種のジカチオンビス-ヒドラゾン化合物を含むことを特徴とするケラチン繊維を染色するための染料組成物。
【請求項17】
組成物の合計質量に対し0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜10質量%の少なくとも一種のジカチオンビス-ヒドラゾン化合物を含む、請求項16記載の染料組成物。
【請求項18】
組成物が少なくとも一種の付加的な直接染料を含む、請求項16及び17のいずれかに記載の組成物。
【請求項19】
組成物が酸化ベース及びカプラーから選ばれた少なくとも一種の酸化染料前駆体を含む、請求項16から18のいずれか1項記載の染料組成物。
【請求項20】
組成物がパラ-フェニレンジアミン、ビス(フェニル)アルキレンジアミン、パラ-アミノフェノール、オルト-アミノフェノール及び複素環ベース、並びにこれらの付加塩から選ばれた少なくとも一種の酸化ベースを含む、請求項19記載の染料組成物。
【請求項21】
酸化ベースが組成物の合計質量に対し0.001質量%〜20質量%、好ましくは0.005質量%〜6質量%の量で存在する、請求項20記載の染料組成物。
【請求項22】
組成物がメタ-フェニレンジアミン、メタ-アミノフェノール、メタ-ジフェノール、ナフタレンをベースとするカプラー及び複素環カプラー、並びにこれらの付加塩から選ばれた少なくとも一種のカプラーを含む、請求項19から21のいずれか1項記載の染料組成物。
【請求項23】
カプラーが組成物の合計質量に対し0.001質量%〜20質量%、好ましくは0.005質量%〜6質量%の量で存在する、請求項22記載の組成物。
【請求項24】
組成物が少なくとも一種のヒドロキシル化溶媒、例えば、エタノール、プロピレングリコール、グリセロール又はポリオールモノエーテルを含む、請求項16から23のいずれか1項記載の組成物。
【請求項25】
組成物がアニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性及び双性イオン性の表面活性剤又はこれらの混合物、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性又は双性イオン性のポリマー又はこれらの混合物、無機又は有機の増粘剤、特にアニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性及び双性イオン性のポリマーの会合性増粘剤、酸化防止剤、浸透剤、金属イオン封鎖剤、香料、緩衝剤、分散剤、コンディショニング剤、例えば、揮発性又は不揮発性の、変性又は未変性シリコーン、フィルム形成剤、セラミド、防腐剤及び不透明剤から選ばれた少なくとも一種のアジュバントを含む、請求項16から24のいずれか1項記載の組成物。
【請求項26】
組成物が過酸化水素、尿素ペルオキシド、アルカリ金属ブロメート、過塩、過酸及びオキシダーゼ酵素から選ばれた少なくとも一種の酸化剤、好ましくは過酸化水素を含む、請求項16から25のいずれか1項記載の組成物。
【請求項27】
請求項16から26のいずれか1項記載の染料組成物をケラチン繊維に適用する工程、次いで所望の着色を得るのに充分に長い期間にわたってそれを作用させる工程を含むことを特徴とする、ケラチン繊維の染色方法。
【請求項28】
外部の薬剤及びシャンプーに対する良好な耐性を示す染色結果を得るための、ケラチン繊維についての請求項16から27のいずれか1項記載の組成物の使用。

【公開番号】特開2006−348264(P2006−348264A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−328081(P2005−328081)
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】