説明

ジルコニウムおよびハフニウムで同時ドープされたニトリドシリケート

本発明は、式(I) Ma2-y(Ca,Sr,Ba)1-x-ySi5-zMezN8:EuxCey (I)、式中Ma=Li、Naおよび/またはK、Me=Hf4+および/またはZr4+、x=0.0015〜0.20およびy=0〜0.15、z<4である、で表される化合物、これらの化合物の製造方法ならびに、蛍光体およびLEDからの青色または近紫外線発光を変換するための変換蛍光物質としての使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Hf4+Zr4+、Li、Naおよび/またはKで同時ドープされ(co-doped)、Euおよび/またはCe活性化を伴う2−5−8アルカリ土類金属窒化ケイ素からなる化合物、その調製、ならびに暖白色LEDまたはいわゆるカラーオンデマンド(colour-on-demand)用途のための蛍光体およびLED変換蛍光体としてのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
カラーオンデマンドの概念は、1種または2種以上の蛍光体を用いたpcLED(=蛍光体により変換されたLED、phosphor converted LED)によって特定のカラーポイント(color point)を有する光を達成することを意味するものと解釈される。この概念は、例えば、例えば照明会社ロゴ、商標などのための特定のコーポレートデザインを作り出すために用いられる。
【0003】
蛍光体変換LEDは、その革新可能性によって従来の人工光源(白熱灯、放電ランプなど)の代用の増加がもたらされる、重要な光技術を代表する。
【0004】
半導体技術がLEDについて事実上検討し尽くされている一方、用いられている蛍光体は、改善のための余地を提供する。LED製造者は、(出力)LEDのための赤色蛍光体についての必要性を繰り返し強調している。LEDにおいて効率的かつ効果的に用いるための赤色蛍光体の必須の特性は、とりわけ、以下のものである:
【0005】
610〜620nm(高CRIもしくは高CCTを有する一般的な照明)または630nm〜650nm(大きな色空間を有するLCディスプレイのためのバックライティング)の波長範囲における発光帯。
高い蛍光消光温度(TQ50>>150℃)。
酸および湿気に対する高い化学安定性。
励起LEDの発光帯のスペクトル領域における高い吸収、蛍光体から環境への発光の高い抽出および高い変換効率(QE)から生じる高い光収率。
【0006】
LED製造者によって要求される上述の条件のうちいくつか、しかしすべてではない条件を満たす、多くの蛍光体材料系がある。しかし、すべての条件を満たすことによってのみ、従来の電気光源のLEDによる代替が大いに促進され、照明のために世界中で必要とされる電気エネルギーの減少がもたらされる。
【0007】
赤色において蛍光を発し、原則的に青色(またはUV)LEDと組み合わせることができる、商業的に入手できる蛍光体材料は、特に以下のものである:
オルトケイ酸塩:
当該材料は、高い輝度および効率を有するが、最長の発光波長は、約610nmにおいてである。
【0008】
硫化物、チオ没食子酸塩および硫セレン化物:
これらの蛍光体は、上述の波長範囲において発光することが可能である。硫黄含有材料の最大の欠点は、大気中の酸素および湿気に対するそれらの不安定性である。共に、シリコーン結合材料を通って蛍光体に拡散することによってLEDに極めて容易に進入し、それと反応し、その間に、それは分解される。さらに、低度のドーピングのみがしばしば可能であり、高い励起密度にて飽和現象がもたらされる。
【0009】
窒化物およびオキシ窒化物:
共有結合性窒化物は、それらが大きなバンドギャップを有し、ここで活性化体イオンのHOMOおよびLUMOが局所化されるため、原則的に蛍光体のためのマトリックスとして用いられ得る。高い共有結合性のために、窒化物は高い電子雲拡大効果を有し、その結果希土類元素活性化体、例えばEu2+、Ce3+の励起された4f5d配置の最も低い結晶場要素のエネルギーが、低くなる。この結果、窒化物蛍光体の長波長励起およびそれからの発光がもたらされる(Krevel et al., J. Alloys Compd. 1998, 268, 272を参照)。
【0010】
窒化ケイ素は、特に、両方の系がSiX四面体(X=O、N)から構成されるため、オキソシリコン(oxosilicon)化合物との密接な関係を示す。しかし、より高度な縮合のために、窒化ケイ素は、オキソシリコン化合物より高い化学安定性を有する(Xie et al., Sci. Tech. Adv. Mater. 2007,8, 588を参照)。
【0011】
特に、窒化ケイ素は、活性化体イオン、例えばEu2+およびCe3+でドープするのに適し、ここで励起状態にある少なくとも1個の電子は、結晶場(5sおよび5d)の作用によって遮蔽されない。そのような活性化体は、環境に高度に依存した分光学的特性(対称性、共有結合性、配位、場の強度、結合距離、格子部位の大きさ)を有する。窒素(N3−)の高い形式電荷の結果、酸素(O2−)のより低い形式電荷とは対照的に、上述の活性化体が、類似したSi−O材料における場合よりも、窒化ケイ素における5d軌道の大きい結晶場分裂を受け、5d軌道のエネルギー中心が、低いエネルギーにシフトすることがもたらされる。活性化体の励起および発光帯は、したがって、スペクトル的な赤方偏移を示す。さらに、窒化ケイ素の、オキソシリコン化合物のものと比較して安定であり、かつ堅い格子の結果、Stokesシフトが低減することがもたらされ、その結果、温度消光が、より高い温度のみにて発生し、変換効率が向上する。
【0012】
公表されるべき最初の窒化ケイ素蛍光体系は、CaSiN:Eu2+であった(Lim et al. SPIE Vol. 3241, 1997, Photoluminescence of CaSiN2:Euを参照)。この蛍光体は、それが、これらの波長範囲において励起した際に約630nmにて発光を示すため、青色およびUV発光LEDのためのコンバーターとして適する。
【0013】
EP 1153101およびEP 1238041には、組成(Ca,Sr,Ba)2−xSi:Euを有するいわゆる「2−5−8」窒化ケイ素が記載されている。これらの蛍光体を、近紫外スペクトル領域から青色スペクトル領域まで励起することができ、これは、化学組成に依存してオレンジ色から濃い赤色まで発光することができる。
【発明の概要】
【0014】
したがって、本発明の目的は、上述の2−5−8アルカリ土類金属窒化ケイ素を、これらの化合物が一層より高い光効率を達成するように改変することにある。
驚くべきことに、(Ca,Sr,Ba)2−xSi:Eu蛍光体の変換効率の経済的に重要なさらなる向上のための要求を、4価および/または1価のカチオンでの同時ドーピング(co-doping)を行う場合に満たすことができることが見出された。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、450nmの励起波長におけるCa1.98Si:Eu0.02および同時ドープされた蛍光体の発光スペクトルを示す。
【図2】図2は、より良好な区別のための図1からの詳細な拡大を示す。
【図3】図3は、450nmの励起波長におけるSr1.98Si:Eu0.02および同時ドープされた蛍光体の発光スペクトルを示す。
【図4】図4は、450nmの励起波長における本発明のBa1.98Si:Eu0.02および同時ドープされた蛍光体の発光スペクトルを示す。
【図5】図5は、発光スペクトルのより良好な区別のための、図4からの詳細な拡大を示す。
【図6】図6は、a)同時ドープされていない蛍光体、b)0.1%のZrで同時ドープされたCa1.98Si:Eu0.02、c)0.1%のHfで同時ドープされたCa1.98Si:Eu0.02のX線粉末回折パターンを示す。
【図7】図7は、a)同時ドープされていない蛍光体、b)0.1%のZrで同時ドープされたSr1.98Si:Eu0.02、c)0.1%のHfで同時ドープされたSr1.98Si:Eu0.02のX線粉末回折パターンを示す。
【図8】図8は、a)同時ドープされていない蛍光体、b)0.1%のZrで同時ドープされたBa1.98Si:Eu0.02、c)0.1%のHfで同時ドープされたBa1.98Si:Eu0.02のX線粉末回折パターンを示す。
【図9】図9は、蛍光体含有コーティングを有する発光ダイオードの描図を示す。
【図10】図10は、白色光のための光源(LED)としての役割を果たすInGaNタイプのCOB(チップオンボード(chip on board))パッケージを示す(1=半導体チップ;2、3=電気的接続;4=変換蛍光体;7=ボード)。
【図11】図11は、白色光のための光源(LED)としての役割を果たすInGaNタイプのCOB(チップオンボード)パッケージを示す(1=半導体チップ;2、3=電気的接続;4=変換蛍光体;7=ボード)。
【図12】図12は、白色光のための光源(LED)としての役割を果たすパッケージを示す(1=半導体チップ;2、3=電気的接続;4=反射体を有する凹部中の変換蛍光体)。
【図13】図13は、パッケージを示し、ここで1=ケーシング;2=電気的接続;4=半導体チップであり、レンズの下方の凹部は、本発明の変換蛍光体で完全に満たされている。
【図14】図14は、SMDパッケージ(表面実装型パッケージ)を示し、ここで1=ケーシング;2、3=電気的接続;4=変換層である。
【図15】図15は、T5パッケージを示し、ここで1=変換蛍光体;2=チップ;3、4=電気的接続;5=透明な樹脂を有するレンズである。
【図16】図16は、発光ダイオードの描図を示し、ここで1=半導体チップ;2、3=電気的接続;4=変換蛍光体;5=ボンドワイヤであり、ここで蛍光体は、バインダー中に最上部の球体として適用されている。
【図17】図17は、発光ダイオードの描図を示し、ここで1=半導体チップ;2、3=電気的接続;4=変換蛍光体;5=ボンドワイヤであり、ここで蛍光体は、バインダー中に分散した薄層として塗布されている。
【図18】図18は、原則的にUS-B 6,700,322からすでに知られている、他の用途の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
したがって、本発明は、ユウロピウムおよび/またはセリウムドーピングを有し、さらにハフニウム、ジルコニウム、リチウム、ナトリウムおよび/またはカリウムを同時ドーパントとして含む、2−5−8アルカリ土類金属窒化ケイ素型の化合物に関する。
【0017】
「2−5−8アルカリ土類金属窒化ケイ素」(「2−5−8窒化物」または「2−5−8アルカリ土類金属ニトリドシリケート(nitridosilicate)」としても知られている)は、組成物MSi:Eu2+を意味するものと解釈され、ここでMは、アルカリ土類金属または複数種のアルカリ土類金属の混合物を表す。
【0018】
好ましくは、式I
Ma2-y(Ca,Sr,Ba)1-x-ySi5-zMezN8:EuxCey (I)
式中、
Ma=Li、Naおよび/またはK、
Me=Hf4+および/またはZr4+
x=0.0015〜0.20、
y=0〜0.15
および
z<4である、
で表される化合物である。
【0019】
z値(同時ドーパントMeの原子濃度を意味する)が<1である場合が好ましく、より好ましくは<0.1、最も好ましくは0.0002〜0.02である。
x=0.005〜0.19およびy=0〜0.08である場合が、好ましい。
【0020】
本発明の式Iで表される化合物または蛍光体の、同一の組成であるが同時ドーパントHfおよび/またはZrを有しないものと比較しての大きい輝度を、当業者に知られている理論によって、活性化体イオンの励起状態の寿命に対して影響を及ぼすこれらのイオンによって説明することができる:そのような蛍光体の励起された電子は、比較的短い時間の後に蛍光の発光を伴って基底状態に戻る。即ちこれらの電子は、より多くの励起および緩和プロセスを同一の時間間隔において行うことができる(S. Shionoya, W. M. Yen, Phosphor Handbook, CRC Press, New York, 1999, ISBN 0-8493-7560-6を参照)。
【0021】
Ce3+を用いたEu2+蛍光体の同時活性化によって、Eu2+蛍光体の好ましい特性がもたらされ、蛍光体をより効率的または安定にするのが可能になり得ることは、当業者に知られている。
さらに、これらの同時ドーパントは、それらが窒化ケイ素中に存在する所望されない酸素(これは、輝度または効率の低下およびカラーポイントの移動をもたらす)に結合することができる点で、効率を増大させる効果を有し得る。
【0022】
本発明の化合物の粒径は、50nm〜30μm、好ましくは1μm〜20μm、より好ましくは2〜15μmである。
【0023】
1価のイオン、例えばLi、Naおよび/またはKならびにハロゲン化物、例えばFまたはClを、好ましくは本発明の化合物の結晶格子中に組み込むことができる。これらの1価のイオンは、好ましくは蛍光体の調製中にフラックス剤として用いられ、結晶品質を向上させ、粒径および粒子形態を大まかに設定する役割を果たし、したがって蛍光体の効率を向上させる高い可能性を有する。この手順は、当業者に知られている(例えば、H.S. Kang et al. Mater. Science and Engineering B 121 (2005) 81-85を参照)。
【0024】
さらに、酸素および炭素が、本発明の2−5−8窒化物の結晶格子中に、<0.2at%の含量で存在してもよい。これらの物質が、フラックス剤を用いることによる、または出発物質からの窒化物の構成成分として適することが知られている(Hintzen et al, Chem. Mater. 2005, 17, 3242-48 "Synthese von Me2Si5N8:Eu aus Me-Carbonaten" [Synthesis of Me2Si5N8:Eu from Me carbonates]またはX. Piao et al, Applied Physis Lett. 88, 161908(2006) "Characterisation and luminescence properties of Sr2Si5N8:Eu2+ phosphor for white light-emitting-diode illumination"またはR. Xie et al. Chem. Mater. 2006, 18 (23), 5578-5583 "A simple, efficient synthetic route to SrSiN:Eu-based red phosphors for white LED"を参照)。
【0025】
また、2−5−8窒化物に、Mn、Mg、Be、Ni、Co、Thおよび/またはRuを同時ドープする、ここでF、OまたはCをさらに、ここで結晶格子中に組み込んでもよい、ことも、考えられる。
【0026】
本発明はさらに、窒化ケイ素、ユウロピウム、セリウムならびにカルシウムおよび/またはストロンチウムおよび/またはバリウム含有出発物質を、少なくとも1種のハフニウム、ジルコニウム、リチウム、ナトリウムおよび/またはカリウム含有同時ドーパントと、固体拡散法によって混合し、その後熱的に後処理することによって得られる化合物に関する。
【0027】
本発明はさらに、ユウロピウムおよび/またはセリウムドーピングを有する2−5−8アルカリ土類金属窒化ケイ素型の化合物の調製のための方法であって、以下のプロセス段階:
・窒化ケイ素、ユウロピウム、セリウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ハフニウム、ジルコニウム、リチウム、ナトリウム、カリウム含有材料から選択される少なくとも4種の出発物質を混合することによって、ハフニウム、ジルコニウム、リチウム、ナトリウムおよび/またはカリウム含有材料が同時ドープされた、Euおよび/またはCeがドープされた2−5−8アルカリ土類金属窒化ケイ素化合物を調製すること、
・Hfおよび/またはZrで同時ドープされた化合物を熱的に後処理すること
を有する、前記方法に関する。
【0028】
化合物の調製のための出発物質は、上述のように、窒化ケイ素(Si)、水素化カルシウム、フッ化ユウロピウムおよび/またはフッ化セリウム、ならびに少なくとも1種のHf、Zr、Li、Naおよび/またはK含有同時ドーパントからなる。好ましい窒化物、水素化物およびフッ化物に加えて、好適な出発物質はまた、他の無機および/または有機物質、例えばシアナミド、ジシアナミド、シアン化物、オキサレート、マロネート、フマレート、カーボネート、シトレート、アスコルベートおよびアセチルアセトネートである。
【0029】
上述の熱的後処理(プロセス段階bを参照)には、例えばフォーミングガス(例えば90/10)、純粋な水素を有する、および/または上述の雰囲気を有する、もしくは有しないアンモニア雰囲気および/または窒素もしくはメタンと窒素との混合物中の還元条件下で、多数時間を要し、ここでこの処置をまた、超大気圧(superatmospheric pressure)にて行うことができる。か焼プロセス中の温度は、1000℃〜1800℃、好ましくは1200℃〜1650℃である。
【0030】
上述のプロセスを用いることによって、本発明の化合物または蛍光体の任意の所望の外形、例えば球状粒子、薄片および構造化された材料およびセラミックスなどを作製することが可能である。これらの形状を、本発明において用語「成形体」の下で要約する。成形体は、好ましくは「蛍光体素子」である。
【0031】
したがって、本発明はさらに、SiO、TiO、Al、ZnO、ZrOおよび/またはYまたはそれらの混合酸化物を含むナノ粒子、ならびに/あるいはユウロピウム、セリウム、ハフニウム、ジルコニウム、リチウム、ナトリウムおよび/またはカリウムの系列からのドーパントを有する、または有しない本発明の化合物を含む粒子を担持する粗面を有する、本発明の化合物を含む、成形体に関する。
【0032】
他の好ましい態様において、成形体は、構造化(例えばピラミッド形の)表面をLEDチップの反対の側に有する(WO 2008/058619, Merckを参照、それは、その全範囲において本出願の文脈中に参照によって組み込まれる)。これによって、可能な限り多くの光が、蛍光体から分離する(coupled out)ことが可能になる。
【0033】
成形体上の構造化表面は、すでに構造化されている好適な材料でその後コーティングすることによって、または以降の段階において、(フォト)リソグラフィープロセス、エッチングプロセスによって、またはエネルギービームもしくは材料噴流を用いた書き込みプロセスまたは機械的力の作用によって作成される。
【0034】
他の好ましい態様において、本発明の成形体は、LEDチップの反対の側に、SiO、TiO、Al、ZnO、ZrOおよび/もしくはYまたはこれらの材料の組み合わせを含むナノ粒子、ならびに/あるいはMn、Mg、Be、Ni、Co、Thおよび/またはRuの系列からのドーパントを有するかまたは有しない、式Iで表される蛍光体組成を有する粒子を担持する粗面を有する。ここでの粗面は、数100nmまでの粗さを有する。被覆された表面は、内部全反射を低減するかまたは防止することができ、光が本発明の蛍光体からより良好に分離することができるという利点を有する(WO 2008/058619 (Merck)を参照。それは、その全範囲において本出願の文脈中に参照によって組み込まれる。)
【0035】
本発明の成形体が、チップから外方に向く表面上に、一次放射線および/または蛍光体素子によって発せられる放射線の分離を単純化する整合された屈折率の層を有するのが、さらに好ましい。
【0036】
さらに好ましい態様において、成形体は、SiO、TiO、Al、ZnO、ZrOおよび/もしくはYまたはそれらの混合酸化物からなる、ならびに/あるいは活性化体ユウロピウムおよび/またはセリウムを含まない、式Iで表される化合物からなる連続的表面コーティングを有する。この表面コーティングは、コーティング材料の屈折率の好適な漸変よって、屈折率を環境と整合させるのが可能になるという利点を有する。この場合において、蛍光体の表面における光の散乱が低減され、より大きい比率の光が、蛍光体中に浸透し、そこで吸収され、変換されることができる。さらに、整合された屈折率を有する表面コーティングによって、内部全反射が低減されるため、より多くの光が蛍光体から分離することが可能になる。
【0037】
さらに、蛍光体をカプセル封入しなければならない場合には、連続層は有利である。これは、蛍光体またはその一部の、水または他の材料が周囲の環境において拡散することについての感度に対抗するために必要であり得る。閉じた覆いを用いて封入するさらなる理由は、チップにおいて生じる熱からの実際の蛍光体の熱的分断である。この熱の結果、蛍光体の蛍光収率が低減し、また蛍光の色に影響し得る。最後に、このタイプのコーティングによって、蛍光体の効率を、蛍光体において生じる格子振動が環境中に伝播することを防止することによって上昇させることが可能になる。
【0038】
さらに、成形体が、SiO、TiO、Al、ZnO、ZrOおよび/もしくはYまたはそれらの混合酸化物から、ならびに/あるいはEu、Ce、Hf、Zr、Li、Naおよび/もしくはKの系列からのドーパントを有するかまたは有しない式Iで表される化合物からなる多孔性表面コーティングを有するのが、好ましい。これらの多孔性コーティングは、単一の層の屈折率をさらに低減させる可能性を提供する。このタイプの多孔性コーティングを、WO 03/027015に記載されている3種の慣用の方法によって製造することができ、それは、その全範囲において本出願の文脈中に参照によって組み込まれる:ガラス(例えばソーダ石灰ガラス(US 4019884を参照))のエッチング、多孔質層の適用および多孔質層とエッチングプロセスとの組み合わせ。
【0039】
他の好ましい態様において、成形体は、好ましくはエポキシまたはシリコーン樹脂からなる、環境への化学的または物理的結合を促進する官能基を担持する表面を有する。これらの官能基は、例えばエポキシドおよび/またはシリコーンをベースとする結合剤の構成要素への結合を形成することが可能であるオキソ基を介して結合した、エステルまたは他の誘導体であり得る。このタイプの表面は、蛍光体の結合剤中への均一な混合が促進されるという利点を有する。さらに、蛍光体/結合剤系の流動学的特性およびまたポットライフを、したがってある程度調整することができる。混合のプロセスは、このように単純化される。この文脈における環境への物理的結合は、電荷ゆらぎまたは部分電荷を介した系間の静電相互作用を意味するものと解釈される。
【0040】
LEDチップに適用される本発明の蛍光体層が、好ましくはシリコーンおよび均一な蛍光体粒子の混合物からなり、かつ、シリコーンが表面張力を有するため、この蛍光体層は、微視的レベルにて均一ではなく、または層の厚さは、完全に一定ではない。
【0041】
他の好ましい態様として、薄片形態の蛍光体を、慣用のプロセスによって、対応する金属および/または希土類塩から調製する。調製プロセスは、EP 763573およびWO2008/058620に詳細に記載されており、それは、その全範囲において本出願の文脈中に参照によって組み込まれる。これらの薄片形態の蛍光体は、例えば極めて大きいアスペクト比、原子的に平滑な表面および調整可能な厚さを有する雲母薄片、SiO薄片、Al薄片、ZrO薄片、ガラス薄片またはTiO薄片を含む、天然の、または合成的に生成した、高度に安定な担体または支持体を、蛍光体層で、水分散体または懸濁液中で沈殿反応によって被覆することによって、調製することができる。
【0042】
雲母、ZrO、SiO、Al、ガラスもしくはTiOまたはそれらの混合物に加えて、薄片はまた、蛍光体材料自体からなるか、または材料から構築され得る。薄片自体が、単に蛍光体コーティングのための担体としての役割を果たす場合には、後者は、LEDからの一次放射線に対して透明であるか、または一次放射線を吸収し、このエネルギーを蛍光体層に伝達する材料からならなければならない。薄片形態の蛍光体を、樹脂(例えばシリコーンまたはエポキシ樹脂)中に分散させ、この分散体を、LEDチップに適用する。
【0043】
薄片形態の蛍光体を、工業的大規模で、50nm〜約20μm、好ましくは150nm〜5μmの厚さにおいて調製することができる。ここでの直径は、50nm〜20μmである。
これらは一般的に、1:1〜400:1、特に3:1〜100:1のアスペクト比(直径対粒子の厚さの比)を有する。
【0044】
薄片の大きさ(長さ×幅)は、配置に依存する。薄片はまた、特にそれらが特に小さい寸法を有する場合には、変換層内の散乱の中心として適する。
LEDチップに面する本発明の薄片形態の蛍光体の表面に、LEDチップによって発せられた一次放射線に関する反射低減作用を有するコーティングを設けることができる。この結果、一次放射線の後方散乱の低減がもたらされ、本発明の蛍光体素子中への後者の結合が促進される。
【0045】
この目的のために適するのは、例えば、以下の厚さd:d=[LEDチップからの一次放射線の波長/(4*蛍光体セラミックスの屈折率)]を有しなければならない、屈折率を整合させたコーティングである。例えばGerthsen, Physik [Physics], Springer Verlag, 第18版、1995を参照。このコーティングはまた、フォトニック結晶からなっていてもよく、それはまた、特定の機能を達成するために薄片形態の蛍光体の表面を構造化することを包含する。
【0046】
セラミックス素子の形態の本発明の成形体の製造は、WO 2008/017353 (Merck)に記載されているプロセスと同様にして行われ、それは、その全範囲において本出願の文脈中に参照によって組み込まれる。本明細書中での蛍光体は、対応する出発物質およびドーパントを混合し、その後当該混合物をアイソスタティックに圧縮し、均一であり、薄く、非孔質の薄片の形態での当該混合物をチップの表面に直接、またはチップからある距離にて(遠隔蛍光体概念)適用することによって調製する。それぞれの配置は、とりわけLEDデバイスの構造に依存し、当業者は、有利な配置を選択することが可能である。
【0047】
蛍光体の励起および蛍光体からの発光の位置依存性変化は、したがって発生せず、それを用いて提供されたLEDが、恒常的な色の均一な光円錐を発して、高い発光力を有することをもたらす。セラミックス蛍光体素子を、工業的大規模で、例えば数100nm〜約500μmの厚さにおける薄片として製造することができる。薄片の大きさ(長さ×幅)は、配置に依存する。チップに直接適用する場合において、薄片の寸法を、好適なチップ配置(例えばフリップチップ配置)の場合においてチップ表面の約10%〜30%の特定の余分な寸法とともにチップの寸法(約100μm*100μm〜数mm)に従って、または相応に選択しなければならない。蛍光体薄片を完成したLEDの最上部上に設置する場合には、発せられた光円錐のすべては、薄片に達する。
【0048】
セラミックス蛍光体素子の側面を、軽金属または貴金属、好ましくはアルミニウムまたは銀で金属化することができる。金属化は、光が蛍光体素子から横方向に出ないという効果を有する。横方向に出る光は、LEDから分離するべき光束を低減し得る。セラミックス蛍光体素子の金属化を、棒または薄片を得るためのアイソスタティックに圧縮した後のプロセス段階において行い、ここで、所望により、棒または薄片を、金属化の前に必要な大きさに切断することができる。このために、側面を、例えば硝酸銀およびグルコースの溶液で湿潤させ、その後アンモニア雰囲気に高温にて曝露する。この操作の間、銀コーティングが、例えば側面上に形成する。
【0049】
あるいはまた、無電解金属化プロセスが好適である。例えば、Hollemann-Wiberg, Lehrbuch der Anorganischen Chemie [Textbook of Inorganic Chemistry], Walter de Gruyter VerlagまたはUllmanns Enzyklopaedie der chemischen Technologie [Ullmann's Encyclopaedia of Chemical Technology]を参照。
セラミックス蛍光体素子を、必要に応じて、LEDチップの支持体に、水ガラス溶液を用いて固定することができる。
【0050】
他の態様において、セラミックス蛍光体素子は、LEDチップの反対の側上に構造化(例えばピラミッド形の)表面を有する。これによって、可能な限り多くの光が蛍光体素子から分離するのが可能になる。蛍光体素子上の構造化表面を、構造化されたプレスプレートを有する型を用いてアイソスタティック圧縮を行い、したがって構造を表面中にエンボス加工することによって、作成する。構造化表面は、目的が最も薄い可能な蛍光体素子または薄片を製造することにある場合に所望される。圧縮条件は、当業者に知られている(J. Kriegsmann, Technische keramische Werkstoffe [Industrial Ceramic Materials], 第4章、Deutscher Wirtschaftsdienst, 1998を参照)。用いる圧縮温度が圧縮されるべき物質の融点の2/3〜5/6であるのが、重要である。
【0051】
本発明はさらに、成形体、好ましくは蛍光体素子の製造のための方法であって、以下のプロセス段階:
a)窒化ケイ素、ユウロピウム、セリウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ハフニウム、ジルコニウム、リチウム、ナトリウムおよび/またはカリウム含有材料から選択される少なくとも4種の出発物質を混合することによって、ハフニウムおよび/またはジルコニウム含有材料が同時ドープされた、ユウロピウムがドープされた2−5−8アルカリ土類金属窒化ケイ素化合物を調製すること、
【0052】
b)同時ドープされた化合物を熱的に後処理し、粗面を有する成形体を形成すること、
c)粗面を、SiO、TiO、Al、ZnO、ZrOおよび/もしくはYまたはそれらの混合酸化物を含むナノ粒子で、あるいは本発明の化合物を含むナノ粒子で被覆すること
を有する、前記方法に関する。
【0053】
さらに、本発明の蛍光体を、約250nm〜530nm、好ましくは430nm〜約500nmに及ぶ広範囲にわたり励起することができる。したがって、これらの蛍光体は、UVまたは青色発光一次光源による励起、例えばLED、または慣用の放電ランプ(例えばHgをベースとする)に適するのみならず、451nmにおける青色In3+線を利用するもののような光源にも適する。
【0054】
本発明はさらに、少なくとも1つの一次光源を有する照明単位であって、発光極大(1または2以上)が、250nm〜530nm、好ましくは430nm〜約500nmの範囲内にある、前記照明単位に関する。特に好ましいのは、440〜480nmの範囲であり、ここで一次放射線は、本発明の化合物または蛍光体によって、より長い波長の放射線に部分的に、または完全に変換される。この照明単位は、好ましくは白色光を発するか、または特定のカラーポイントを有する光を発する(カラーオンデマンド原理)。本発明の照明単位の好ましい態様を、図9〜20に図示する。
【0055】
本発明の照明単位の好ましい態様において、光源は、特に式InGaAlNで表され、式中0≦i、0≦j、0≦kであり、i+j+k=1である、発光性窒化インジウムアルミニウムガリウムである。
このタイプの光源の可能な形態は、当業者に知られている。それらは、種々の構造を有する発光LEDチップであり得る。
【0056】
本発明の照明単位の他の好ましい態様において、光源は、ZnO、TCO(透明な導電性酸化物)、ZnSeもしくはSiCをベースとする発光配置、または有機発光配置(OLED)である。
本発明の照明単位の他の好ましい態様において、光源は、エレクトロルミネセンスおよび/またはフォトルミネセンスを示す源である。光源はさらにまた、プラズマ源または放電源であり得る。
【0057】
本発明の蛍光体を、樹脂(例えばエポキシもしくはシリコーン樹脂)中に分散させるか、または好適な大きさの比率の場合には、一次光源上に直接配置するか、または用途に依存して、そこから離れて配置することができる(後者の配置はまた、「遠隔蛍光体技術」を含む)。遠隔蛍光体技術の利点は、当業者に知られており、例えば以下の刊行物中で公開されている:Japanese Journ. of Appl. Phys. Vol. 44, No. 21 (2005). L649-L651。
【0058】
他の態様において、蛍光体と一次光源との間の照明単位の光結合を、光伝導配置によって達成するのが好ましい。これによって、一次光源を中央の位置に設置し、蛍光体に光伝導性デバイス、例えば光伝導性ファイバーによって光学的に結合させることが可能になる。このようにして、光スクリーンを形成するために配置され得る、照明の要請に適合し、単に1種または種々の蛍光体からなるランプ、および一次光源に結合する光伝導体を、達成することができる。このようにして、強力な一次光源を、電気的設置に好ましい位置に位置させ、光伝導体に結合した蛍光体を含むランプを、さらなる電気的配線を伴わずに、しかし代わりに単に光伝導体を取り付けることによって、任意の所望の位置に設置することが可能である。
【0059】
本発明はさらに、本発明の化合物および成形体の、蛍光体または蛍光体素子としての使用に関する。
本発明はさらに、本発明の化合物の、発光ダイオードからの青色または近紫外線発光の部分的な、または完全な変換のための使用に関する。
【0060】
本発明の化合物を、さらに好ましくは、青色または近紫外線発光を可視白色放射線に変換するために用いる。本発明の化合物を、さらに好ましくは、一次放射線を特定のカラーポイントに「カラーオンデマンド」概念に従って変換するために用いる。
【0061】
本発明の式Iで表される化合物を、個別に、または当業者に精通されている以下の蛍光体との混合物として用いることができる:
【0062】
【化1】

【0063】
【化2】

【0064】
【化3】

【0065】
【化4】

【0066】
以下の例は、本発明を例示することを意図する。しかし、それらを、いかなる方法においても限定的であると見なすべきではない。組成物において用いることができるすべての化合物または構成成分は、知られており、商業的に入手できるか、または既知の方法によって合成することができる。例において示す温度を、常に℃で示す。さらに、記載において、およびまた例において、組成物中の構成成分の添加量は常に、合計100%まで加えられることは、言うまでもない。示した百分率データは、常に示した関連性において考慮されるべきである。しかし、それらは通常、常に、示した部分的量または合計量の重量に関する。
【0067】

1.同時ドープされたCaSi:Eu(2%および10%のEuを含む)の調製
例1a:参照蛍光体としてのCaSi:Eu(2%)の調製
2.8730gのCaH(Alfa Aesar、99.8%)、0.2479gのEuF(ChemPur、99.9%)および6.9356gのSi(UBE、99.99%)を、酸素および湿気を排除してグローブボックス中で互いに密に混合し、その後、モリブデンで内側を被覆したコランダムるつぼ中に移送する。るつぼを、次にフォーミングガス(N/H=90/10)を流した管状炉中に移送し、炉を閉鎖した後に、1400℃にて14時間か焼する。最後に、得られた焼結ケークを粉砕し、ふるい分けし、分級する。
【0068】
例1b:0.1%のHfで同時ドープされたCaSi:Eu(2%)の調製
2.4428gのCaH(Alfa Aesar、99.8%)、0.2477gのEuF(ChemPur、99.9%)、0.0151gのHfF(Alfa Aesar、99.9%)および6.9299gのSi(UBE、99.99%)を、酸素および湿気を排除してグローブボックス中で互いに密に混合し、その後、モリブデンで内側を被覆したコランダムるつぼ中に移送する。るつぼを、次にフォーミングガス(N/H=90/10)を流した管状炉中に移送し、炉を閉鎖した後に、1400℃にて14時間か焼する。最後に、得られた焼結ケークを粉砕し、ふるい分けし、分級する。
【0069】
例1c:0.1%のZrで同時ドープされたCaSi:Eu(2%)の調製
2.4441gのCaH(Alfa Aesar、99.8%)、0.2479gのEuF(ChemPur、99.9%)、0.0099gのZrF(Alfa Aesar、98%)および6.9335gのSi(UBE、99.99%)を、酸素および湿気を排除してグローブボックス中で互いに密に混合し、その後、モリブデンで内側を被覆したコランダムるつぼ中に移送する。るつぼを、次にフォーミングガス(N/H=90/10)を流した管状炉中に移送し、炉を閉鎖した後に、1400℃にて14時間か焼する。最後に、得られた焼結ケークを粉砕し、ふるい分けし、分級する。
【0070】
例1d:参照蛍光体としてのCaSi:Eu(10%)の調製
2.1342gのCaH(Alfa Aesar、99.8%)、1.1772gのEuF(ChemPur、99.9%)および6.5858gのSi(UBE、99.99%)を、酸素および湿気を排除してグローブボックス中で互いに密に混合し、その後、モリブデンで内側を被覆したコランダムるつぼ中に移送する。るつぼを、次にフォーミングガス(N/H=90/10)を流した管状炉中に移送し、炉を閉鎖した後に、1400℃にて14時間か焼する。最後に、得られた焼結ケークを粉砕し、ふるい分けし、分級する。
【0071】
例1e:0.1%のHfで同時ドープされたCaSi:Eu2+(10%)の調製:
2.1302gのCaH(Alfa Aesar、99.8%)、1.1762gのEuF(ChemPur、99.9%)、0.0143gのHfF(Alfa Aesar、99.9%)および6.5807gのSi(UBE、99.99%)を、酸素および湿気を排除してグローブボックス中で互いに密に混合し、その後、モリブデンで内側を被覆したコランダムるつぼ中に移送する。るつぼを、次にフォーミングガス(N/H=90/10)を流した管状炉中に移送し、炉を閉鎖した後に、1400℃にて14時間か焼する。最後に、得られた焼結ケークを粉砕し、ふるい分けし、分級する。
【0072】
例1f:0.1%のZrで同時ドープされたCaSi:Eu2+(10%)の調製
2.1312gのCaH(Alfa Aesar、99.8%)、1.1768gのEuF(ChemPur、99.9%)、0.0094gのZrF(Alfa Aesar、99.9%)および6.5839gのSi(UBE、99.99%)を、酸素および湿気を排除してグローブボックス中で互いに密に混合し、その後、モリブデンで内側を被覆したコランダムるつぼ中に移送する。るつぼを、次にフォーミングガス(N/H=90/10)を流した管状炉中に移送し、炉を閉鎖した後に、1400℃にて14時間か焼する。最後に、得られた焼結ケークを粉砕し、ふるい分けし、分級する。
【0073】
2.同時ドープされたSrSi:Eu(2%のEuを含む)の調製
例2a:参照蛍光体としてのSrSi:Eu(2%)の調製
4.4164gのSr、0.1942gのEuF(ChemPur、99.9%)および5.4337gのSi(UBE、99.99%)を、酸素および湿気を排除してグローブボックス中で互いに密に混合し、その後、モリブデンで内側を被覆したコランダムるつぼ中に移送する。るつぼを、次にフォーミングガス(N/H=90/10)を流した管状炉中に移送し、炉を閉鎖した後に、1400℃にて14時間か焼する。最後に、得られた焼結ケークを粉砕し、ふるい分けし、分級する。
【0074】
例2b:0.1%のHfで同時ドープされたSrSi:Eu(2%)の調製
4.4100gのSr、0.1942gのEuF(ChemPur、99.9%)、0.0118gのHfF(Alfa Aesar、99.9%)および5.4314gのSi(UBE、99.99%)を、酸素および湿気を排除してグローブボックス中で互いに密に混合し、その後、モリブデンで内側を被覆したコランダムるつぼ中に移送する。るつぼを、次にフォーミングガス(N/H=90/10)を流した管状炉中に移送し、炉を閉鎖した後に、1400℃にて14時間か焼する。最後に、得られた焼結ケークを粉砕し、ふるい分けし、分級する。
【0075】
例2c:0.1%のZrで同時ドープされたSrSi:Eu(2%)の調製
4.4118gのSr、0.1942gのEuF(ChemPur、99.9%)、0.0078gのZrF(Alfa Aesar、99.9%)および5.4336gのSi(UBE、99.99%)を、酸素および湿気を排除してグローブボックス中で互いに密に混合し、その後、モリブデンで内側を被覆したコランダムるつぼ中に移送する。るつぼを、次にフォーミングガス(N/H=90/10)を流した管状炉中に移送し、炉を閉鎖した後に、1400℃にて14時間か焼する。最後に、得られた焼結ケークを粉砕し、ふるい分けし、分級する。
【0076】
3.同時ドープされたBaSi:Eu(2%のEuを含む)の調製
例3a:参照蛍光体としてのBaSi:Eu(2%)の調製
5.4472gのBa、0.1584gのEuF(ChemPur、99.9%)および4.4305gのSi(UBE、99.99%)を、酸素および湿気を排除してグローブボックス中で互いに密に混合し、その後、モリブデンで内側を被覆したコランダムるつぼ中に移送する。るつぼを、次にフォーミングガス(N/H=90/10)を流した管状炉中に移送し、炉を閉鎖した後に、1400℃にて14時間か焼する。最後に、得られた焼結ケークを粉砕し、ふるい分けし、分級する。
【0077】
例3b:0.1%のHfで同時ドープされたBaSi:Eu(2%)の調製
5.4408gのBa、0.1584gのEuF(ChemPur、99.9%)、0.0096gのHfF(Alfa Aesar、99.9%)および4.4298gのSi(UBE、99.99%)を、酸素および湿気を排除してグローブボックス中で互いに密に混合し、その後、モリブデンで内側を被覆したコランダムるつぼ中に移送する。るつぼを、次にフォーミングガス(N/H=90/10)を流した管状炉中に移送し、炉を閉鎖した後に、1400℃にて14時間か焼する。最後に、得られた焼結ケークを粉砕し、ふるい分けし、分級する。
【0078】
例3c:0.1%のZrで同時ドープされたBaSi:Eu(2%)の調製
5.4426gのBa、0.1584gのEuF(ChemPur、99.9%)、0.0063gのZrF(Alfa Aesar、99.9%)および4.4313gのSi(UBE、99.99%)を、酸素および湿気を排除してグローブボックス中で互いに密に混合し、その後、モリブデンで内側を被覆したコランダムるつぼ中に移送する。るつぼを、次にフォーミングガス(N/H=90/10)を流した管状炉中に移送し、炉を閉鎖した後に、1400℃にて14時間か焼する。最後に、得られた焼結ケークを粉砕し、ふるい分けし、分級する。
【0079】
例4:0.1%のZrで同時ドープされたNaCa0.98Zr0.001Si4.999:Eu0.02(2%のEuを含む)の調製
0.81469gのCaH(Alfa Aesar、99.8%)、0.9288gのNaH(95%、Sigma Aldrich)、0.2479gのEuF(ChemPur、99.9%)、0.0099gのZrF(Alfa Aesar、98%)および6.9335gのSi(UBE、99.99%)を、酸素および湿気を排除してグローブボックス中で互いに密に混合し、その後、モリブデンで内側を被覆したコランダムるつぼ中に移送する。るつぼを、次にフォーミングガス(N/H=90/10)を流した管状炉中に移送し、炉を閉鎖した後に、1400℃にて14時間か焼する。最後に、得られた焼結ケークを粉砕し、ふるい分けし、分級する。
【0080】
例5:0.1%のZrで同時ドープされたNa1.99Ca0.97Zr0.001Si4.999:Eu0.02Ce0.01(2%のEuおよび1%のCeを含む)の調製
0.7897gのCaH(Alfa Aesar、99.8%)、0.9146gのNaH(95%、Sigma Aldrich)、0.2479gのEuF(ChemPur、99.9%)、0.1169gのCeF(ChemPur、99.9%)、0.0099gのZrF(Alfa Aesar、98%)および6.9335gのSi(UBE、99.99%)を、酸素および湿気を排除してグローブボックス中で互いに密に混合し、その後、モリブデンで内側を被覆したコランダムるつぼ中に移送する。るつぼを、次にフォーミングガス(N/H=90/10)を流した管状炉中に移送し、炉を閉鎖した後に、1400℃にて14時間か焼する。最後に、得られた焼結ケークを粉砕し、ふるい分けし、分級する。
【0081】
【表1】

【0082】
図面の説明
本発明を、多数の作業例を参照して以下にさらに詳細に説明し、ここで:
図1は、450nmの励起波長におけるCa1.98Si:Eu0.02および同時ドープされた蛍光体の発光スペクトルを示す。ここで、
a)は、同時ドープされていない蛍光体を示し、
b)は、0.1%のZrで同時ドープされたCa1.98Si:Eu0.02を示し、
c)は、0.1%のHfで同時ドープされたCa1.98Si:Eu0.02を示す。
【0083】
図2は、より良好な区別のための図1からの詳細な拡大を示す。b)およびc)の発光スペクトルは、ほぼ同一である。
【0084】
図3は、450nmの励起波長におけるSr1.98Si:Eu0.02および同時ドープされた蛍光体の発光スペクトルを示す。ここで、
a)は、同時ドープされていない蛍光体を示し、
b)は、0.1%のZrで同時ドープされたSr1.98Si:Eu0.02を示し、
c)は、0.1%のHfで同時ドープされたSr1.98Si:Eu0.02を示す。
【0085】
図4は、450nmの励起波長における本発明のBa1.98Si:Eu0.02および同時ドープされた蛍光体の発光スペクトルを示す。a)は、同時ドープされていない蛍光体を示し、b)は、0.1%のZrで同時ドープされたBa1.98Si:Eu0.02を示し、c)は、0.1%のHfで同時ドープされたBa1.98Si:Eu0.02を示す。
【0086】
図5は、発光スペクトルのより良好な区別のための、図4からの詳細な拡大を示す。
図6は、a)同時ドープされていない蛍光体、b)0.1%のZrで同時ドープされたCa1.98Si:Eu0.02、c)0.1%のHfで同時ドープされたCa1.98Si:Eu0.02のX線粉末回折パターンを示す。
【0087】
図7は、a)同時ドープされていない蛍光体、b)0.1%のZrで同時ドープされたSr1.98Si:Eu0.02、c)0.1%のHfで同時ドープされたSr1.98Si:Eu0.02のX線粉末回折パターンを示す。
図8は、a)同時ドープされていない蛍光体、b)0.1%のZrで同時ドープされたBa1.98Si:Eu0.02、c)0.1%のHfで同時ドープされたBa1.98Si:Eu0.02のX線粉末回折パターンを示す。
【0088】
図9は、蛍光体含有コーティングを有する発光ダイオードの描図を示す。当該素子は、チップ状LED1を放射線源として含む。LEDは、調整フレーム2によって保持されるカップ形状の反射体中に搭載されている。チップ1は、平坦なケーブル7を介して第1の接点6に、および直接第2の電気的接点6’に接続されている。本発明の変換蛍光体を含むコーティングは、反射体カップの内部の湾曲に塗布されている。蛍光体を、互いに別個に、または混合物として用いる。(部(part)の番号のリスト:1 発光ダイオード、2 反射体、3 樹脂、4 変換蛍光体、5 拡散体、6 電極、7 平坦なケーブル)
【0089】
図10は、白色光のための光源(LED)としての役割を果たすInGaNタイプのCOB(チップオンボード(chip on board))パッケージを示す(1=半導体チップ;2、3=電気的接続;4=変換蛍光体;7=ボード)。蛍光体は、バインダーレンズ中に分散しており、それは同時に二次光学素子を意味し、発光特性にレンズとして影響を与える。
【0090】
図11は、白色光のための光源(LED)としての役割を果たすInGaNタイプのCOB(チップオンボード)パッケージを示す(1=半導体チップ;2、3=電気的接続;4=変換蛍光体;7=ボード)。蛍光体は、LEDチップ上に直接分布する薄いバインダー層中に位置する。透明な材料からなる二次光学素子を、その上に配置することができる。
【0091】
図12は、白色光のための光源(LED)としての役割を果たすパッケージを示す(1=半導体チップ;2、3=電気的接続;4=反射体を有する凹部中の変換蛍光体)。変換蛍光体は、バインダー中に分散しており、混合物は、凹部を満たす。
【0092】
図13は、パッケージを示し、ここで1=ケーシング;2=電気的接続;4=半導体チップであり、レンズの下方の凹部は、本発明の変換蛍光体で完全に満たされている。このパッケージは、より多い量の変換蛍光体を用いることができるという利点を有する。これはまた、遠隔蛍光体としての役割を果たすことができる。
【0093】
図14は、SMDパッケージ(表面実装型パッケージ)を示し、ここで1=ケーシング;2、3=電気的接続;4=変換層である。半導体チップは、本発明の蛍光体で完全に覆われている。SMD設計は、それが小さい物理的形状を有し、したがって慣用のランプに適合するという利点を有する。
【0094】
図15は、T5パッケージを示し、ここで1=変換蛍光体;2=チップ;3、4=電気的接続;5=透明な樹脂を有するレンズである。変換蛍光体は、LEDチップの背面上に位置し、それは、蛍光体が金属接続を介して冷却されるという利点を有する。
【0095】
図16は、発光ダイオードの描図を示し、ここで1=半導体チップ;2、3=電気的接続;4=変換蛍光体;5=ボンドワイヤであり、ここで蛍光体は、バインダー中に最上部の球体として適用されている。蛍光体/バインダー層のこの形態は、二次的光学素子としての役割を果たすことができ、例えば光伝播に影響し得る。
【0096】
図17は、発光ダイオードの描図を示し、ここで1=半導体チップ;2、3=電気的接続;4=変換蛍光体;5=ボンドワイヤであり、ここで蛍光体は、バインダー中に分散した薄層として塗布されている。二次的光学素子、例えばレンズとしての役割を果たす他の部品を、この層に容易に適用することができる。
【0097】
図18は、原則的にUS-B 6,700,322からすでに知られている、他の用途の例を示す。本発明の蛍光体を、ここでOLEDと共に用いる。光源は、現行の有機フィルム30および透明な支持体32からなる有機発光ダイオード31である。フィルム30は、例えばPVK:PBD:クマリン(PVK、ポリ(n−ビニルカルバゾール)の省略形;PBD、2−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールの省略形)によって作成された、特に青色の一次光を発する。発光は、本発明の蛍光体の層33から形成された被覆層によって、黄色の二次的に発せられた光に部分的に変換され、したがって白色発光が、一次的に、および二次的に発せられた光の色混合によって全体的に達成される。
【0098】
OLEDは本質的に、自体公知の材料、例えばアノードとしてのITO(酸化インジウムスズの省略形)およびカソードとしての高度に反応性の金属、例えばBaまたはCaからなる2つの電極間の、発光ポリマーまたはいわゆる小分子の少なくとも1つの層からなる。正孔輸送層としての、または小分子の領域においてまた電子輸送層としてのいずれかの役割を果たす複数の層をまた、しばしば電極間で用いる。用いる発光ポリマーは、例えばポリフルオレンまたはポリスピロ材料である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハフニウム、ジルコニウム、リチウム、ナトリウムおよび/またはカリウムを同時ドーパントとして付加的に含む、ユウロピウムおよび/またはセリウムドーピングを有する2−5−8アルカリ土類金属窒化ケイ素型の化合物。
【請求項2】
式I
Ma2-y(Ca,Sr,Ba)1-x-ySi5-zMezN8:EuxCey (I)
式中、
Ma=Li、Naおよび/またはK、
Me=Hf4+および/またはZr4+
x=0.0015〜0.20および
y=0〜0.15、
z<4である、
で表されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
z<1、好ましくはz<0.1、より好ましくはz=0.0002〜0.02であることを特徴とする、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
窒化ケイ素、ユウロピウム、セリウムおよびカルシウムおよび/またはストロンチウムおよび/またはバリウム含有出発物質を、少なくとも1種のハフニウム、ジルコニウム、リチウム、ナトリウムおよび/またはカリウム含有同時ドーパントと、固体拡散法によって混合し、その後熱的に後処理することによって得られる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物の調製のための方法であって、以下のプロセス段階:
a)窒化ケイ素、ユウロピウム、セリウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ハフニウム、ジルコニウム、リチウム、ナトリウムおよび/またはカリウム含有材料から選択される少なくとも4種の出発物質を混合することによって、ハフニウム、ジルコニウム、リチウム、ナトリウムおよび/またはカリウム含有材料が同時ドープされ、ユウロピウムおよび/またはセリウムがドープされた2−5−8アルカリ土類金属窒化ケイ素化合物を調製すること、
b)同時ドープされた化合物を熱的に後処理すること
を有する、前記方法。
【請求項6】
SiO、TiO、Al、ZnO、ZrOおよび/もしくはYまたはそれらの混合酸化物を含むナノ粒子、ならびに/あるいはユウロピウム、セリウム、ハフニウム、ジルコニウム、リチウム、ナトリウムおよび/もしくはカリウムの系列からのドーパントを有する、または有しない請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物を含む粒子を担持する粗面を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物を含む成形体。
【請求項7】
SiO、TiO、Al、ZnO、ZrOおよび/もしくはYまたはそれらの混合酸化物、ならびに/あるいは活性化体ユウロピウムを有しない請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物からなる連続的表面コーティングを有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物を含む成形体。
【請求項8】
SiO、TiO、Al、ZnO、ZrOおよび/もしくはYまたはそれらの混合酸化物、ならびに/あるいはユウロピウム、セリウム、ハフニウム、ジルコニウム、リチウム、ナトリウムおよび/もしくはカリウムの系列からのドーパントを有する、または有しない請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物からなる多孔性の表面コーティングを有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物を含む成形体。
【請求項9】
表面が、好ましくはエポキシまたはシリコーン樹脂からなる、環境への化学的または物理的結合を促進する官能基を担持することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物を含む成形体。
【請求項10】
請求項6〜9のいずれか一項に記載の成形体の製造のための方法であって、以下のプロセス段階:
a)窒化ケイ素、ユウロピウム、セリウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ハフニウム、ジルコニウム、リチウム、ナトリウムおよび/またはカリウム含有材料から選択される少なくとも4種の出発物質を混合することによって、ハフニウムおよび/またはジルコニウム含有材料が同時ドープされ、2−5−8ユウロピウムドープアルカリ土類金属窒化ケイ素化合物を調製すること、
b)同時ドープされた化合物を熱的に後処理し、粗面を有する成形体を形成すること、
c)粗面を、SiO、TiO、Al、ZnO、ZrOおよび/もしくはYまたはその混合酸化物を含むナノ粒子で、あるいはドーパントを有する、または有しない請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物を含むナノ粒子で被覆すること
を有する、前記方法。
【請求項11】
発光極大が250nm〜530nm、好ましくは390nm〜480nmの範囲内にある少なくとも1つの一次光源を有し、ここでこの放射線が、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物または成形体によって、より長い波長の放射線に部分的にまたは完全に変換される、照明単位。
【請求項12】
光源が、特に式InGaAlNで表され、式中0≦i、0≦j、0≦kであり、i+j+k=1である発光性窒化インジウムアルミニウムガリウムまたはZnO、TCO(透明な導電性酸化物)、ZnSeもしくはSiCをベースとする発光化合物であることを特徴とする、請求項11に記載の照明単位。
【請求項13】
光源が有機発光配置またはプラズマもしくは放電ランプであることを特徴とする、請求項11に記載の照明単位。
【請求項14】
蛍光体が一次光源上に直接、および/またはそこから離れて配置されていることを特徴とする、請求項11〜13のいずれか一項に記載の照明単位。
【請求項15】
蛍光体と一次光源との間の光結合が、光伝導配置によって達成されることを特徴とする、請求項11〜14のいずれか一項に記載の照明単位。
【請求項16】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物の、蛍光体または、発光ダイオードからの青色もしくは紫外線発光を部分的に、もしくは完全に変換するための変換蛍光体としての使用。
【請求項17】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物の、一次放射線を特定のカラーポイントに、カラーオンデマンド概念に従って変換するための変換蛍光体としての使用。
【請求項18】
請求項6〜9のいずれか一項に記載の成形体の、蛍光体素子としての使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図15】
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【図18】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2012−519216(P2012−519216A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−551427(P2011−551427)
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【国際出願番号】PCT/EP2010/000592
【国際公開番号】WO2010/097157
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】