説明

スイッチング電源

本発明は、トランスを備えるスイッチング電源に関するものであり、このトランスは少なくとも1つの一次巻線と少なくとも2つの二次巻線を有し、前記一次巻線はスイッチ素子(4)を介して直流電圧に接続され、前記二次巻線は少なくとも1つのダイオード(2)を有する整流回路を介して負荷に接続されている。前記スイッチング電源は少なくとも1つの圧電ファン(8)を有し、該圧電ファンは空気流を、前記トランス(1)および/または前記スイッチ素子(4)および/または前記ダイオード(2)に当てる。形成された空気流は、冷却すべき素子に所期のように偏向されるが、空気スループット全体は小さいままであり、したがって空気中粒子による汚染が発生しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスを備えるスイッチング電源に関するものである。このトランスは少なくとも1つの一次巻線と少なくとも2つの二次巻線を有し、前記一次巻線はスイッチ素子を介して直流電圧に接続され、前記二次巻線は少なくとも1つのダイオードを有する整流回路を介して負荷に接続されている。
【背景技術】
【0002】
スイッチング電源は非常に多岐にわたって公知であり、電気負荷を電源または電流源に接続するために用いられる。ここではブロッキングンバータとして動作するスイッチング電源と、プッシュプルコンバータまたはフォワードコンバータとして動作するスイッチング電源を区別する。トランスを介して電気エネルギが一次側から二次側へ伝達される。ここで一次側に印加される電圧はスイッチ素子によってクロッキングされ、クロック周波数は電源周波数の倍数である。クロック周波数を高くすればトランスを相応に小型に構成することができる。
【0003】
ここで注意すべきことは、スイッチング電源の素子に熱が発生することであり、個々の素子の温度が低い臨界値に達しないように、この熱を適切な手段により廃熱しなければならないことである。とりわけスイッチング電源により伝達可能な電力は個々の素子の温度に依存する。
【0004】
とりわけトランス、スイッチ素子および二次側の整流器ダイオード内の発熱には注意すべきである。
【0005】
従来技術によれば、スイッチング電源に発生する熱を廃熱するための種々の方法が公知である。ここでは設けられた冷却装置を駆動するために消費されるエネルギにも注意すべきである。
【0006】
例えばUS2003/0107907には、スイッチ素子の寄生エネルギがファンの駆動に使用されるスイッチング電源が開示されている。
【0007】
しかし従来技術から公知の、スイッチング電源のハウジングで冷却空気のスループットを向上させるためにファンを使用することは、ハウジング内に配置された素子を空気中の種々の粒子によって急速に汚染するという欠点がある。このことは機能性を損なうことがあり、したがって通常は煤塵フィルタがハウジングの換気入口に配置される。しかしこのことは保守コストの増大につながる。なぜならこの煤塵フィルタを定期的に交換しなければならないからである。
【0008】
従来技術によれば、スイッチング電源に対して通常は空気自然対流が冷却に使用される。この場合、スイッチング電源ハウジングに複数の換気口が配置され、この換気口を通って加熱された空気が上方から流出し、新鮮空気が下方から流入することができる。熱を発生する素子をハウジング内に配置することは、存在する通流特性にしたがって行われる。JP 2001 095 233には、複数のコンバータモジュールをスイッチング電源ハウジングに配置することが記載されている。高出力のコンバータモジュールはこの構成によって、低出力のコンバータモジュールよりも良好に冷却される。
【0009】
付加的に、冷却すべき素子と熱結合された冷却体を設け、熱を環境に放出することができる。例えばJP 2005 033 088は、冷却フィンを設けることを開示し、この冷却フィンはハウジングから突出し、熱をスイッチング電源素子から環境に放出する。
【0010】
スイッチング電源を冷却するための別の公知の手段は、熱を発生する個々の素子の構成に関するものである。US 2004/0080393には、スイッチング電源に使用するためのリング型トランスが開示されている。このトランスでは巻線が熱放出に有利なように配置されている。
【0011】
JP 2006041314 A1にも、スイッチング電源で使用されるトランス用の巻線構成が開示されている。ここではトランスの二次巻線がヒートパイプとして構成されており、これにより対流が小さくても良好な廃熱が達成される。しかしここでは、構造的コストおよびトランス設計時の制約に注意すべきである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】US2003/0107907
【特許文献2】JP 2001 095 233
【特許文献3】JP 2005 033 088
【特許文献4】US 2004/0080393
【特許文献5】JP 2006041314 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の基礎とする課題は、スイッチング電源に対して、熱を発生する素子を冷却するための解決手段を提供することであり、構造的コスト、保守コスト、およびエネルギ消費を低く抑え、高い冷却空気スループットにより汚染が生じないようにする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によればこの課題は、冒頭に述べた形式のスイッチング電源において、スイッチング電源ば少なくとも1つの圧電ファンを有し、この圧電ファンがトランスおよび/またはスイッチ素子および/またはダイオードに空気流を発生することにより解決される。
【発明の効果】
【0015】
圧電ファンをスイッチング電源に使用することの機能的な利点は、形成される空気流を冷却すべき素子に所期のように偏向できることであり、空気スループットは全体で小さく収まり、したがって空気中の汚染粒子による汚染も発生しないことであり。とりわけ圧電ファンは非常に小さいエネルギしか消費せず、したがってスイッチング電源の効率に及ぼす影響は無視できるほど小さい。
【0016】
送風機とは異なり、圧電ファンでは寿命を制限するベアリングが存在せず、空気フィルタも必要ない。したがって本発明のスイッチング電源は実質的にメンテナンスフリーである。圧電ファンの簡単な構造によって、スイッチング電源内にとりわけ簡単に配置することができる。
【0017】
本発明の有利な構成では、スイッチ素子と少なくとも1つの圧電ファンを制御するためにマイクロコントローラが設けられている。このマイクロコントローラは、種々の制御要求を実現するために簡単に使用することができる。
【0018】
本発明のさらなる利点は、少なくとも1つの圧電ファンが実質的にストライプ状の羽根から構成されており、この羽根の一方の端部は自由振動するように配置されており、この羽根の他方の端部は保持部に保持されており、この羽根は制御ユニットと電気接続している。この種の圧電ファンは、すでに信頼できる品質で市販されており、簡単に組み立てることができる。
【0019】
スイッチング電源が偶数の圧電ファンを有し、これらの圧電ファンは、羽根の自由振動端部の慣性力が、羽根が逆相に同期して振動すると相殺されるように配置されていると有利である。これによりスイッチング電源内部での圧電ファンの固定に対する構造的要求がさらに低減される。なぜなら震動を回避するために必要な、奇数の羽根数を有する場合の保持部の質量が省略されるからである。
【0020】
少なくとも1つの圧電ファンの保持部がトランスと強固に結合されていても有利である。これにより一方ではトランスの質量が震動の回避に使用され、他方では空気流が熱にクリティカルである構成部材の1つであるトランスに直接導かれる。
【0021】
同じように、少なくとも1つの圧電ファンの保持部がスイッチング電源に配置された冷却体と剛性に結合されると有利である。この構成では冷却体が圧電ファンに対する対抗質量として用いられ、形成された空気流により直接冷却される。同じように、冷却体と熱接触する回路素子も冷却される。
【0022】
本発明のスイッチング電源を駆動するための方法にとって、少なくとも1つの圧電ファンが所定の励振周波数の制御信号によって振動させられると有利である。このようにして、圧電ファンにより形成された空気流が常に、スイッチング電源部の熱状態に適合されることが保証される。
【0023】
ここでは制御信号がマイクロコントローラによって形成されると有利である。スイッチング電源は通常、プログラミング可能なマイクロコントローラを有しており、このマイクロコントローラは付加的なハードウエアコストなしで、圧電ファンの適切な制御信号の形成のために使用することができる。
【0024】
さらに制御信号として正弦波信号が形成されると有利である。スイッチング電源のマイクロコントローラは、その機能故に、正弦波状に電流を出力する構成を備えるスイッチング電源に対する制御ユニットとして、正弦波信号を例えばD/A変換器によって発生するのに、または平滑化され、ないしフィルタリングされたPWM信号として発生するのに適する。羽根の機械的振動形態も実質的に正弦波状である。したがって正弦波状の制御信号は羽根の機械的負荷を低く抑える。したがってスイッチング電源はとくに圧電ファンの使用に適する。
【0025】
本発明の方法の有利な構成では、少なくとも1つの圧電ファンの電力消費が励振周波数に依存してマイクロコントローラにより検出される。したがい電力消費が最大のときに、共振周波数が識別される。各個々の圧電ファンに対する共振周波数は容易に変化することができるから、スイッチング電源に組み込まれた圧電ファンの共振周波数が制御量として使用されることが本方法により保証される。
【0026】
ここでは、運転中に励振周波数をステップごとに変化することによって、環境の影響、例えば環境温度のために変化した共振周波数を所定の時間間隔で新たに調整し、スイッチング電源の運転開始時に、最後に調整された共振周波数を励振周波数として設定すると有利である。共振周波数を調整するための前記時間間隔は非常に短くすることができる。したがって圧電ファンは環境条件が変化しても、最大の電力消費で連続的に駆動される。
【0027】
さらにマイクロコントローラに、所定の励振周波数およびこれに所属する(環境条件の変化を考慮するための)公差について少なくとも1つの圧電ファンが損傷せずに自由振動するときに検出された電力値をプログラミングし、運転中に制御信号の周波数を所定の時間間隔で変化し、変化した共振周波数を識別すると有利である。これによりマイクロコントローラでは、圧電ファンの共振周波数が公差境界を越えて変化すると直ちに識別される。公差境界を越えることは通常、羽根のひび割れ、または異物との接触に起因する。このようにして、圧電ファンがクリティカルな状態になると、スイッチング電源の構成部材が損傷する前にスイッチング電源が遮断され、このイベントが保守者または操作者に通知されることが達成される。
【0028】
以下では添付の図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】圧電ファン8に対するスイッチング電源素子の配置を示す図である。
【図2】冷却体5aにおける圧電ファン8の配置を示す図である。
【図3】トランス1における圧電ファン8の配置を示す図である。
【図4】図3に示された配置をAから見た図である。
【図5】図3に示された配置によるコイル体12の図である。
【図6】トランス1における圧電ファン8の択一的配置を示す図である。
【図7】図6に示された配置によるコイル体12aの図である。
【図8】トランス1における圧電ファン8の第2の択一的配置を示す図である。
【図9】図8に示された配置によるコイル体12bの図である。
【図10】ブロック状の冷却体18における2つの圧電ファン8の配置を示す図である。
【図11】複数の圧電ファン8を有するトランス1の図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1には極端に簡略化して、スイッチング電源の熱発生素子の空間的配置が示されている。
【0031】
回路基板7上には、トランス1、一次側スイッチ素子4、コンデンサ3(例えば電解コンデンサ)および二次側ダイオード2が配置されている。ここで二次側ダイオード2は第1の冷却体5と熱的に結合しており、一次側スイッチ素子4は第2の冷却体6と熱的に結合している。第1の冷却体5は付加的に、圧電ファン8の保持部9に対する収容部として用いられる。
【0032】
圧電ファン8の羽根10の自由振動端部はトランス1の方向を指す。したがってトランス1は、圧電ファン8により形成された空気流の主通流方向にある。圧電ファン8は広く拡散する空気流を形成するから、圧電ファン8の側方に配置された素子にも空気が当たり、したがって冷却される。
【0033】
スイッチング電源の図示しないハウジングの構成では、吸気および排気に対する換気スリットの適切な配置によって所望の空気流を調整できるように注意すべきである。
【0034】
圧電ファン用の供給電圧は、電位状態が二次側で絶縁問題を示さない場合、出力電圧から直接導くことができる。これとは択一的に、一次側の補助電源により電圧供給することができる。励振信号の形成のためには、固有の回路を例えば保持部9に組み込まれた回路基板上に設けるか、または励振信号をマイクロコントローラによって形成する。通常、スイッチング電源はそれに適したマイクロコントローラを、一次側スイッチ素子4の制御のために有する。ここでは材料疲労を回避するために、羽根10が弾性限界内で駆動されるよう注意すべきである。
【0035】
マイクロコントローラを使用することの利点は、簡単に正弦波状の励振信号を形成できることである(例えばD/A変換器によって、または平滑化されたPWM信号として)。これにより圧電ファン8の機械的負荷が、例えば台形の励振信号を使用する場合に対して低減される。これにより圧電ファン8の寿命が延長される。ノイズ形成も正弦波状に励振する場合には減少する。とりわけマイクロコントローラによる制御によって、各圧電ファン8に対して容易に変化する共振周波数を記憶することができる。この共振周波数は各機器について、圧電ファンが所定の周波数領域を越えて駆動されるようにして検出され、電力消費が最大である周波数を共振周波数として記憶する。
【0036】
正規の運転中にも所定の時間間隔でこのようにして共振周波数を検出し、記憶された値と比較することができる。(環境条件が変化したことによる小さな変化を考慮するための)所定の公差を越えて共振周波数が変化することは障害、例えば羽根10のひび割れ、または異物の衝突を指示する。この場合、スイッチング電源を自動的に遮断し、エラーを除去することができる。
【0037】
択一的に励振信号を形成するための固有の回路を圧電ファンに組み込むこともできる。しかしこの場合、通常は台形の信号が形成される。
【0038】
図2は、L字部材として構成された冷却素子5aを示す。L字脚部により冷却素子5aは図示しない回路基板に固定されている。回路基板から直角に離れる第2のL字脚部には、例えばダイオード2が熱結合されて当接している。このL字脚部は矩形の開口部を有する。この開口部には圧電ファン8が、羽根10がこの開口部をほぼ満たし、羽根10の自由振動端部がダイオード2の方向を指すように装着されている。ダイオード2およびこれと直接接触する冷却体5aの領域は、この配置構成で圧電ファンにより風が直接当てられ、したがって冷却される。スイッチ素子4に対しても同様の構成、または組み合わされた配置が可能である。
【0039】
この冷却体5aの厚さが薄い場合に、圧電ファン8に起因する震動を回避するために、端面側にはオプションとして補強部11が設けられている。
【0040】
図3には、トランス1における圧電ファン8の配置が示されている。トランス1は、コイル体12、巻線13−通常は一次巻線と二次巻線−、および多くは三脚のコア14からなる。コイル体12は図5に示すように、例えばプラスチック製の射出成形部材である。巻線を巻回するために実質的にスピンドル状のコイル体12は、矩形のフランジを端面に備える中空四角管として構成されている。四角管の中空部にはコア14の中央脚部が配置されており、コア14の2つの外側脚部はコイル体12の側方に当接している。
【0041】
コイル体12の矩形フランジには2つの突起が配置されており、これらの突起は組み立てられたトランス1の自由側で巻線13から離れる方向を指す。これらの突起は、トランス1の冷却のために設けられた圧電ファン8よりもやや長く、圧電ファン8の保持部9を収容するブリッジ状のエレメント11を固定するために用いられる。ここでブリッジ状のエレメント11と2つの突起との結合は、突起の端面に配置されたプラスチック製リベット15により、またはねじ結合によって行うことができる。圧電ファン8はこの場合、突起に対して平行に、突起、ブリッジ状エレメント11および巻線13により形成される自由空間の中央に配置される。ここで羽根10の自由振動端部は巻線13の方向を指す。図4には、ブリッジ状エレメント11とこれに固定された圧電ファン8が、図3に示した視線方向Aで示されている。
【0042】
トランス1内の多くの熱が発生する巻線13には、この配置構成で圧電ファンによって風が直接当てられる。これによりトランス1の効率的な冷却が得られる。
圧電ファン8をトランス1に固定する別の実施例が図6に示されている。ここでは射出成形部材として構成されたコイル体12aが、図7に示すように設けられている。コイル体12aのフランジには、曲げられた突起が配置されている。この突起は矩形の開口部を、圧電ファン8の収容のために有し、その端部は再度曲げられている。したがってこの端部は、ここに図示しない回路基板1上に支持される。コイル体12aの突起は実質的にトランスからのブリッジを形成する。回路基板にあるこのブリッジ下方の自由空間には冷却すべき別の回路素子を配置することができる。
【0043】
圧電ファン8は、羽根10が突起の矩形開口部をほぼ満たすように配置されている。ここでも羽根10の自由振動端部は巻線13の方向を指している。ここでは組み立てられた状態で、羽根の自由振動端部と、巻線13を取り囲むコア14との間に間隔が存在するように注意すべきである。この構成では、巻線13の他にコア14もともに強力に冷却される。ここで突起を回路基板の上で付加的に支持することにより、トランス1の安定した質量と関連して、圧電ファンが振動することによる障害となる震動が阻止される。とりわけここで冷却作用はトランス1だけに制限されず、圧電ファン8の領域に配置された他の回路素子にも及ぶ。
【0044】
圧電ファン8をトランス1に固定する別の実施例が図8に示されている。この配置構成は実質的に図5に相応するが、図9に示すようにコイル体12bの突起が、回路基板7上に支持するための傾斜部を有していない点で異なる。このように構成された突起によって、巻線13をコイル体12bに巻回する際の障害物が回避される。それでもなお十分な安定性を保証するために、突起の端部は支持エレメント16によって回路基板7と接続されている。したがって突起の下方には自由空間が存在し、この自由空間を冷却すべき別の回路素子を配置するために使用することができる。
【0045】
ここで支持エレメント16は、例えばプラスチッククリップ17によって簡単に回路基板と接続される。
【0046】
震動を最小にするために、図10に示した2つの圧電ファン8の固定変形例が提案される。冷却素子としても構成することのできる固定エレメント18には、2つの圧電ファン8が側方に、2つの振動する羽根10の慣性力が、逆相に振動する場合には相殺されるように配置されている。したがって両方の羽根10の自由端部は、振動サイクル中に相互に同期して反対方向に運動する。
【0047】
トランス1の熱発生が大きい場合、複数の圧電ファン8を配置するのが有利である。これらの圧電ファンは図11に示すように、羽根10の自由振動端部がトランス1の巻線13を指すように配置される。ここでは、羽根10の逆相の振動によって震動を最小にするために、偶数の圧電ファン8が有利である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランス(1)を備えるスイッチング電源であって、
前記トランスは少なくとも1つの一次巻線と少なくとも2つの二次巻線を有し、
前記一次巻線はスイッチ素子(4)を介して直流電圧に接続され、
前記二次巻線は、少なくとも1つのダイオード(2)を有する整流回路を介して負荷に接続されている形式のスイッチング電源において、
前記スイッチング電源は少なくとも1つの圧電ファン(8)を有し、
該圧電ファンは空気流を、前記トランス(1)および/または前記スイッチ素子(4)および/または前記ダイオード(2)に当てる、ことを特徴とするスイッチング電源。
【請求項2】
請求項1記載のスイッチング電源において、
前記スイッチング電源と前記少なくとも1つの圧電ファンは、マイクロコントローラによって制御される、ことを特徴とするスイッチング電源。
【請求項3】
請求項1または2記載のスイッチング電源において、
前記少なくとも1つの圧電ファン(8)は、実質的にストライプ状の羽根(10)から形成されており、
該羽根の一方の端部は自由振動するように配置されており、
該羽根の他方の端部は保持部(9)に保持されており、
該羽根は制御ユニットと電気接続している、ことを特徴とするスイッチング電源。
【請求項4】
請求項3記載のスイッチング電源において、
前記スイッチング電源が偶数の圧電ファン(8)を有し、
該圧電ファンは、羽根(10)の自由振動端部の慣性力が、当該羽根(10)が逆相に同期して振動すると相殺されるように配置されている、ことを特徴とするスイッチング電源。
【請求項5】
請求項3または4記載のスイッチング電源において、
前記少なくとも1つの圧電ファン(8)の保持部は、トランス(1)と強固に結合されている、ことを特徴とするスイッチング電源。
【請求項6】
請求項3または4記載のスイッチング電源において、
前記少なくとも1つの圧電ファン(8)の保持部は、スイッチング電源に配置された冷却体(5,5a)と強固に結合されている、ことを特徴とするスイッチング電源。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか一項記載のスイッチング電源の駆動方法において、
前記少なくとも1つの圧電ファン(8)は、所定の励振周波数の制御信号によって振動する、ことを特徴とする駆動方法。
【請求項8】
請求項2から6までのいずれか一項記載のスイッチング電源の、請求項7記載の駆動方法において、
前記制御信号はマイクロコントローラによって形成される、ことを特徴とする駆動方法。
【請求項9】
請求項7または8記載の方法において、
制御信号として正弦波信号が形成される、ことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項8または9記載の方法において、
前記少なくとも1つの圧電ファン(8)の電力消費が励振周波数に依存してマイクロコントローラにより検出され、
電力消費が最大のときに、共振周波数が識別される、ことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10記載の方法において、
励振周波数をステップごとに変化することによって、環境の影響のために変化した共振周波数を所定の時間間隔で新たに調整し、
スイッチング電源の運転開始時に、最後に調整された共振周波数を励振周波数として設定する、ことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項10または11記載の方法において、
前記マイクロコントローラに、所定の励振周波数およびこれに所属する公差について少なくとも1つの圧電ファン(8)が損傷せずに自由振動するときに検出された電力値をプログラミングし、
運転中に制御信号の周波数を所定の時間間隔で変化し、変化した共振周波数を識別する、ことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2010−505375(P2010−505375A)
【公表日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−529623(P2009−529623)
【出願日】平成19年7月10日(2007.7.10)
【国際出願番号】PCT/EP2007/057038
【国際公開番号】WO2008/040578
【国際公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(506407361)シーメンス アクチエンゲゼルシャフト エスターライヒ (16)
【氏名又は名称原語表記】Siemens AG Oesterreich
【住所又は居所原語表記】Siemensstrasse 92, A−1210 Wien, Austria
【Fターム(参考)】