説明

スロットマシン

【課題】ストップボタンの早押しによって生じる問題を防止する。
【解決手段】スロットマシンは遊技者にとって有利なARTモードを備えている。ARTモードは所定回数の遊技が行われるかBBが入賞すると終了する。このため、所定回数の遊技を行う前にBBを入賞させてしまうと遊技者にとって不利となってしまう。そこで、スロットマシンでは、ARTモード中にストップボタンが早押しされてBBがテンパイとなった場合、すなわち、残りのリールの停止位置によってはBBが入賞となる場合、回転中のリールの停止操作を無効化する時間を延長する。これにより、早押ししてもリールを停止できないので、早押しによりBBが入賞してしまい遊技者が後悔してしまうといった問題を防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ店などの遊技場で用いられるスロットマシンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンでは、メダル投入口にメダルを投入してスタートレバーを操作することで遊技が開始される。遊技が開始されると、当選役抽選が行われて複数種類の当たりまたはハズレが決定されるとともに、外周に複数種類の図柄が配列された複数のリールが一斉に回転を開始する。回転中のリールは、対応するストップボタンを操作することで停止し、全てリールが停止すると1回の遊技が終了する。そして、この遊技の結果、当選役が入賞すると(当選役抽選で決定された当選役に対応する図柄の組み合わせが表示されると)、入賞した当選役に対応付けされた処理が実行される。
【0003】
一般に、スロットマシンでは、リールの回転が一定速度に達するまではストップボタンの操作が無効化され、リールの回転を停止できないようになっている。また、スロットマシンでは、同時に複数のリールを停止できないように、1つのストップボタンが操作されると一時的に(例えば、0.2秒程度の短い時間)他のストップボタンの操作を無効化している。
【0004】
さらに、スロットマシンのなかには、所定の順序でリールを停止した際に入賞する当選役を設け、この当選役を入賞可能な順番で各ストップボタンの操作を順に有効化することにより、この当選役の入賞をアシストするものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−218010
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、スロットマシンでの遊技に慣れた遊技者は、遊技の進行を早めてより多くの遊技を行うためにストップボタンを早押し(ストップボタンの操作間隔を短く)する傾向がある。そして、早押しで遊技を進めた結果、意図せずに不利となる当選役を入賞させてしまったり、期待していた演出をキャンセルしてしまい、早押しで遊技を進めてたことを後悔する場合がある。しかしながら、従来のスロットマシンでは、このような問題を防止できなかった。
【0007】
本発明は、上記背景を鑑みてなされたものであり、ストップボタンの早押しによって生じる問題を防止できるスロットマシンを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のスロットマシンは、外周に複数種類の図柄が配列され、遊技開始に伴って回転を開始する複数のリールと、各リールに対応して設けられ、対応するリールの回転を停止させるための複数のストップボタンとを備え、複数のリールを同時に停止できないように、1つのストップボタンが操作されたときに一時的に他のストップボタンの操作を無効化するスロットマシンにおいて、前記ストップボタンの操作間隔を測定するタイマと、前記操作間隔が予め設定された所定間隔を下回るか否かを判定する操作間隔判定手段と、遊技状態が予め設定された特定遊技状態であるか否かを判定する遊技状態判定手段と、前記ストップボタンの操作間隔が前記所定間隔を下回り、かつ、前記特定遊技状態であった場合に、回転中のリールに対応するストップボタンの操作を無効化する無効化時間を延長する無効化時間延長手段とを備えたことを特徴としている。
【0009】
当選役抽選を行って複数種類の当選役のいずれかまたはハズレを決定する当選役決定手段を備え、前記無効化時間延長手段は、前記ストップボタンの操作間隔が前記所定間隔を下回り、かつ、前記特定遊技状態であった場合に実行抽選を行い、この実行抽選に当選したときに前記延長を行うとともに、前記実行抽選に当選する当選確率は、前記当選役抽選で所定の当選役が決定された場合の方が決定されなかった場合よりも高く設定されていることが好ましい。
【0010】
なお、特定遊技状態とは、有利不利の転換契機となる遊技状態や、演出の実行契機となる遊技状態など、遊技者が特に意識せずに遊技を進行しまうと後悔してしまう可能性のある遊技状態である。
【0011】
具体的には、いわゆるチャンス目やリーチ目など予め設定された所定の図柄の組み合わせを表示した状態でリールが停止された状態が挙げられる。また、特定遊技状態としては、ストップボタンが操作されると演出がキャンセルされてしまう状態や、ストップボタンの操作後に演出(例えば、所定の当選役に内部当選した(当選役抽選で決定されたが、入賞はしていない)ことを報知する演出など)が行われる状態が挙げられる。
【0012】
さらに、特定遊技状態としては、所定の当選役(例えば、入賞すると有利なモードが終了してしまうパンク役や、入賞すると有利なモードへと移行するボーナス役など)がテンパイした状態(残りの1つリールの停止位置によって入賞となる状態)や、所定の当選役が内部当選した状態や、所定の当選役が内部当選し、かつ、この当選役がテンパイした状態が挙げられる。
【0013】
なお、特定遊技状態が所定の当選役に内部当選した状態である場合(ストップボタンの操作間隔が所定間隔を下回り、かつ、所定の当選役に内部当選しているときに無効化時間を延長する場合)、遊技者は無効化時間が延長されたことで所定の当選役に内部当選したことを知ることができる。このため、特定遊技状態が所定の当選役に内部当選した状態である場合は、例えば、演出なと無効化時間の延長以外の方法で所定の当選役に内部当選したことが報知された後は、無効化時間を延長しないことが好ましい。こうすることによって、演出などにより所定の当選役に内部当選したことが報知されているにも関わらず無効化時間が延長され、遊技者に煩わしい思いをさせるといったことを防止できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、ストップボタンが早押しされ(ストップボタンの操作間隔が所定間隔を下回り)、かつ、特定遊技状態である場合に、回転中のリールに対応するストップボタンの操作を無効化する時間を延長し、そのまま早押しを続けても回転中のリールの停止を不可能とすることで遊技者に注意を促すようにした。これにより、ストップボタンの早押しによって生じる問題を防止できる。
【0015】
また、実行抽選に当選したときに前記延長を行うとともに、当選役抽選で所定の当選役が決定されたときに実行抽選に当選する当選確率が高くなるようにすれば、前記延長の有無に基づいて、当選役抽選で所定の当選役が決定されているか否かを推測できるといった新たな遊技性を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】スロットマシンの外観図である。
【図2】スロットマシンの電気的の構成の概略を示すブロック図である。
【図3】ストップボタンの操作が無効化される手順を示すフローチャートである。
【図4】ストップボタンの操作が無効化される手順を示すフローチャートである。
【図5】無効化時間が延長される手順を示すフローチャートである。
【図6】無効化時間が延長される手順を示すフローチャートである。
【図7】無効化時間が延長される手順を示すフローチャートである。
【図8】無効化時間が延長される手順を示すフローチャートである。
【図9】無効化時間が延長される手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1に示すように、スロットマシン10は、収納箱12と、前面扉14とを備えている。収納箱12にはリールユニットやホッパー装置などが収納されている。前面扉14は上扉14aと下扉14bとに上下に2分割されており、これら上扉14a及び下扉14bはそれぞれ収納箱12に軸着され、開閉自在に支持されている。
【0018】
上扉14aには、スピーカ15、液晶ディスプレイ16、及び、表示窓18が設けられている。スピーカ15は、各種演出音を出力する。また、液晶ディスプレイ16は、各種演出画像を表示する。スロットマシン10は、これらスピーカ15、液晶ディスプレイ16を制御することによって遊技を演出する。
【0019】
表示窓18の奥には、回転自在な第1リール20a、第2リール20b、第3リール20cが設けられている。各リール20a〜20cの外周面には複数種類の図柄が配列されており、各リール20a〜20cが停止すると表示窓18を通して1リール当たり3個の図柄が表示される。スロットマシン10では、横3本と斜め2本とからなる計5本の入賞有効ライン22が設定されている。そして、各リール20a〜20cが停止したときに入賞有効ライン22上に停止した図柄の組み合わせによって当選役が入賞したか否かが報知される。
【0020】
下扉14bには、メダルを投入するメダル投入口24、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー26、回転しているリールを停止させるための第1ストップボタン30a、第2ストップボタン30b、第3ストップボタン30c、メダルを払い出す払い出し口32、払い出し口32から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿34が設けられている。
【0021】
スロットマシン10は、3枚のメダルをベットすることで1回の遊技を行えるようになっており、メダル投入口24に3枚のメダルを投入すると、この3枚のメダルがベットされてスタートレバー26が有効化される。そして、有効化されたスタートレバー26が操作されると、これに伴って遊技が開始される。
【0022】
遊技が開始されると、当選役抽選が行われて複数種類の当選役のいずれか又はハズレが決定されるとともに、各リール20a〜20cが一斉に回転を開始する。この後、各ストップボタン30a〜30cが有効化され、有効化されたストップボタン30a〜30cが操作されると、対応するリールの回転が個別に停止される。そして、全てのリールが停止することで1回の遊技が終了し、この遊技の結果、当選役抽選で決定された当選役が入賞すると、入賞した当選役に対応付けされた処理が実行される。
【0023】
スロットマシン10には、当選役として、リプレイ、小役、BB(ビックボーナス)が設けられている。リプレイは、図柄「リプレイ」が入賞有効ライン22上に揃うと入賞となる。そして、リプレイが入賞すると、メダルのベットなしに次回の遊技が可能な状態となる。小役は、複数種類設定されており、各小役に対応する図柄が入賞有効ライン22上に揃うと入賞となる。そして、小役が入賞すると、入賞した小役の種類に対応する枚数のメダルが払い出し口32からメダル受け皿34に払い出される。これら小役及び前述したリプレイは、当選役抽選に当選した回の遊技で入賞させることができないと入賞の権利が消滅する(いわゆる取りこぼしとなる)。
【0024】
BBは、図柄「赤7」が入賞有効ライン22上に3つ揃った際に入賞となる。このBBは、前述したリプレイや小役とは異なり、当選役抽選に当選した回の遊技で入賞させることができなかった場合でも次回以降の遊技に入賞の権利が持ち越される。BBが入賞すると、BBモードへと移行する。BBモードは、通常モードよりもペイアウト率(ベットされたメダル1枚当たりに対して払い出されるメダルの割合)が高くされており、大量のメダルを獲得できる。BBモードは、予め設定された終了条件(所定枚数のメダル獲得、所定回数の遊技実行など)を満たすと終了し、BBモードの終了後はARTモードへと移行される。
【0025】
ARTモードは、リプレイの当選確率が高く設定されるとともに、所定の小役が当選した際に、この小役の種類を液晶ディスプレイ16に表示して報知するモードである。このため、ARTモードでは、メダルの消費量を抑えながら遊技を行えるだけでなく、所定の小役の取りこぼしを防止してメダルを効率よく増加させることができる。
【0026】
ARTモードは、所定回数の遊技が行われると終了し、この後、通常モードへと移行される。また、ARTモードは、BBが入賞すると、すなわち、図柄「赤7」が入賞有効ライン22上に揃うと、前述した所定回数の遊技の実行を待たずに終了し、BBモードへと移行される(BBは、ARTモードを終了させるパンク役として機能する)。
【0027】
このように、スロットマシン10では、通常モード中に図柄「赤7」を入賞有効ライン22上に揃えると、BBモードへと移行するので遊技者にとって有利となる。反対に、ARTモード中に図柄「赤7」を入賞有効ライン22上に揃えてしまうと、所定回数の遊技を行うことなくARTモードが終了してしまうので遊技者にとって不利となってしまう。
【0028】
図2に示すように、スロットマシン10の内部には、スロットマシン10を統括的に制御する制御部50が設けられている。制御部50には、前述した当選役抽選を行う当選役決定部(当選役決定手段)51の他、メモリ52、メダルセンサ54、スタート信号センサ56、ストップ信号センサ58、リール駆動コントローラ60、が接続されている。
【0029】
メモリ52には、遊技の実行プログラム、実行データなどの各種設定情報が格納されている。制御部50は、メモリ52に記憶された情報に基づいてスロットマシン10の各部を駆動制御する。また、メモリ52は、毎回の遊技ごとに利用される当選フラグ(当選役抽選で当選した当選役の種類を示すフラグ)などのデータの一時的な保管や書き換えなどに用いられる。制御部50は、当選役抽選でいずれかの当選役が当選すると、この当選役に対応する当選フラグをメモリ52に書き込むとともに、遊技が終了したときにリプレイや小役に対応する当選フラグが書き込まれていた場合は、これらをメモリ52から消去する。
【0030】
メダルセンサ54はメダル投入口24から投入された適正なメダルを検知し、メダル検知信号を制御部50に入力する。スタート信号センサ56はスタートレバー26が押下されたことを検知し、スタート信号を制御部50に入力する。ストップ信号センサ58は、ストップボタン30a〜30cが押下されたことを検知し、ストップ信号を制御部50に入力する。リール駆動コントローラ60は、各リール20a〜20cに接続されたステッピングモータ(図示せず)を備え、制御部50の制御のもとステッピングモータを駆動して、各リール20a〜20cを回転または停止させる。
【0031】
制御部50は、メダル検知信号に基づいてメダル投入口24に投入されたメダルの枚数を計数し、3枚のメダルが投入されたときにスタートレバー26の操作を有効化する。スタートレバー26が有効化された後、スタート信号が入力されると遊技が開始される。制御部50は、遊技開始に伴って当選役決定部51を作動させて当選役抽選を実行させるとともに、リール駆動コントローラ60を介して各リール20a〜20cを駆動し、各リール20a〜20cの回転を一斉に開始させる。
【0032】
また、制御部50には、停止操作無効化部(操作間隔判定手段、遊技状態判定手段、無効化時間延長手段)62が設けられており、制御部50は、遊技開始に伴って停止操作無効化部62を作動させる。停止操作無効化部62は、タイマ64を備え、このタイマ64により遊技開始からの経過時間や、ストップボタンが操作されてからの経過時間、ストップボタンの操作間隔(1つのストップボタンが操作されてから次のストップボタンが操作されるまでの間隔)を測定している。
【0033】
そして、停止操作無効化部62は、タイマ64により測定された時間に基づいてストップボタン30a〜30cの操作を無効化したり無効化を解除(有効化)する。制御部50は、操作の有効化されたストップボタンが操作されたときにのみ、このストップボタンに対応するリールの回転を停止させる。
【0034】
以下、停止操作無効化部62によるストップボタンの操作の無効化、有効化の手順について図面をもとに具体的に説明する。
【0035】
図3に示すように、停止操作無効化部62は、作動(遊技開始)に伴って全てのストップボタン30a〜30cの操作を無効化する。そして、各リール20a〜20cの回転開始から第1所定時間が経過し、各リール20a〜20cの回転速度が予め設定された一定速度に達したときに各ストップボタン30a〜30cの操作を有効化する。こうすることで、回転速度が一定速度に達するまでリールを停止できないようにしている。
【0036】
また、図4に示すように、停止操作無効化部62は、2つ以上のリールが回転している状態で、操作が有効化されたストップボタンが操作されると他のストップボタンの操作を無効化する。そして、無効化から第2所定時間(例えば、0.2秒)が経過したときに無効化を解除する。こうすることで、複数のリールを同時に停止できないようにしている。
【0037】
さらに、図5に示すように、停止操作無効化部62は、2つのリールの回転が停止したときに、この2つのリールが早押しによって停止されたか否かを判定する。この判定では、2つのリールを停止する際に操作されたストップボタンの操作間隔と、第3所定時間(例えば、0.3秒)とが比較され、操作間隔が第3所定時間を下回っている場合にストップボタンが早押しされて2つのリールが停止されたと判定される。
【0038】
ストップボタンが早押しされて2つのリールが停止されたと判定されると、停止操作無効化部62は、現在の遊技状態を調べる。そして、現在の遊技状態が「ARTモードであり、かつ、図柄「赤7」が入賞有効ライン上に2つ揃っている(BBがテンパイしている)状態(特定遊技状態)」である場合、予め設定された設定時間(例えば、3秒)だけ第2所定時間を延長する。これにより、2つ目のリールの停止操作が行われてから3つ目のリールの停止操作が有効化されるまでの時間が設定時間だけ長くなり、ストップボタンを早押ししても3つ目のリールを停止できなくなる。
【0039】
以上のように、スロットマシン10では、ARTモード中にストップボタンが早押しされて2つのリールが停止し、この結果、BBがテンパイとなった場合、すなわち、残り1つのリールの停止位置によってはBBが入賞となり、ARTモードが終了してしまうことで遊技者にとって不利となってしまう場合、3つめのリールの停止操作を無効化する時間が延長される。これにより、ストップボタンを早押ししても3つめのリールを停止できないので、早押しによりBBが入賞してしまい、遊技者が後悔してしまうといったことがない。
【0040】
なお、本発明は、ストップボタンを早押しして遊技を進めてしまったことを遊技者が後悔する可能性がある場合に、ストップボタンの操作を無効化する時間(無効化時間)を延長すればよいので、細部の構成は上記実施形態に限定されず適宜変更できる。例えば、各当選役の種類や機能(どのような図柄の組み合わせで入賞となるかや、入賞したときにどのような処理が行われるかなど)、及び、第1〜第3の各所定時間や設定時間などは適宜変更できる。
【0041】
また、上記実施形態では、「ARTモード中にBBがテンパイすること」が特定遊技状態であり、ストップボタンが早押しされ、かつ、ARTモード中にBBがテンパイしたときに無効化時間を延長する例で説明をしたが、どのような遊技状態を特定遊技状態とするかは適宜変更できる。例えば、図6に示すように、「(遊技モードによらず)BBがテンパイすること」を特定遊技状態とし、ストップボタンが早押しされ、かつ、BBがテンパイした場合に、無効化時間を延長してもよい。
【0042】
こうすれば、早押ししたことを後悔してしまうといった問題をより確実に防止できる。すなわち、早押ししたことを後悔する場合としては、前述のように、ARTモード中に早押ししてBBを入賞させてしまった場合(早押しにより不利となってしまった場合)の他、通常モード中にBBがテンパイし、目押しするなど慎重に遊技を進める必要があったにも関わらず、早押ししてBBを入賞させることができなかった場合(早押しにより有利となるチャンスを逃してしまった場合)が考えられるが、本例によれば、これらいずれの場合についても早押ししたことを後悔してしまうといった問題を防止できる。もちろん、無効化時間を延長する遊技モードの種類や数は自由に設定できるので、上述した遊技モード以外の遊技モードにおいて無効化時間を延長してもよい。
【0043】
さらに、図7に示すように、ストップボタンが早押しされ、かつ、BBが内部当選している場合に無効化時間を延長してもよい(特定遊技状態を「BBが内部当選していること」としてもよい)。こうすることで、BBが内部当選しておらず、どのようなタイミングでストップボタンを操作してもBBが入賞することがないにも関わらず無効化時間が延長され、遊技者が煩わしい思いをしてしまうといったことを防止できる。もちろん、特定遊技状態を「BB以外の当選役が内部当選していること」としてもよい。
【0044】
また、図8に示すように、ストップボタンが早押しされ、かつ、BBがテンパイしている場合に実行抽選を行い、この実行抽選に当選したときに無効化時間を延長してもよい(特定遊技状態を「BBがテンパイし、実行抽選に当選すること」としてもよい)。なお、この場合、実行抽選に当選する確率はBBが内部当選しているか否かによって異なっていることが好ましい。こうすれば、BBがテンパイしたときに、無効化時間が延長されるか否かに基づいてBBが内部当選しているか否かを推察できるといった新たな遊技性を付与できる。もちろん、特定遊技状態を「BB以外の当選役がテンパイし、実行抽選に当選すること」としたり、「所定の当選役(例えば、BBなど)が内部当選し、実行抽選に当選すること」としてもよい。
【0045】
また、特定遊技状態を「第1当選役(例えば、BB)、第2当選役(例えば、所定の小役)の少なくとも一方が内部当選し、かつ、実行抽選に当選すること」としてもよい。この場合も、無効化時間が延長されるか否かに基づいて第1当選役(または、第2当選役)が内部当選しているか否かを推察できるといった新たな遊技性を付与できる。さらに、この場合、無効化時間が延長されても必ずしも第1当選役(または、第2当選役)が内部当選しているとは限らないので、より興趣を盛り上げることができる。なお、この場合も、第1当選役(または、第2当選役)が内部当選しているか否かに応じて実行抽選に当選する確率を異ならせることが好ましい。もちろん、実行抽選に当選する確率を、第1当選役が内部当選した場合と、第2当選役が内部当選した場合とで異ならせてもよい。
【0046】
さらに、図9に示すように、ストップボタンが早押しされ、かつ、例えば、リーチ目やチャンス目など予め設定された特定の図柄組み合わせが表示された場合に無効化時間を延長してもよい(特定遊技状態を「特定の図柄組み合わせが表示されること」としてもよい)。こうすれば、リーチ目やチャンス目が表示されたことに気付かずに遊技を進めてしまうといったことを防止できる。
【0047】
また、BBがテンパイするなど特定の図柄組み合わせが表示されると、この回の遊技が終了(全てのリールが停止)するまでの間、特別な演出を行うスロットマシンに本発明を適用し、ストップボタンが早押しされ、かつ、特定の図柄組み合わせが表示されたときに無効化時間を延長してもよい。こうすれば、ストップボタンを早押しした結果、特別な演出を見逃してしまうといった問題を防止できる。
【0048】
さらに、BBなど予め設定された所定の当選役が内部当選しているにも関わらず入賞させることができなかった場合、遊技の終了後(または、3つ目のリールを停止する際に操作したストップボタンから手を離したとき)に、特別な演出を行うスロットマシンに本発明を適用し、ストップボタンが早押しされ、かつ、所定の当選役が内部当選している場合に無効化時間を延長してもよい。この場合も、ストップボタンを早押しした結果、特別な演出を見逃してしまうといった問題を防止できる。
【0049】
もちろん、特定遊技状態を、上述した各種条件(所定の当選役がテンパイしているか否かや、所定の遊技モードであるか否かや、特定の図柄組み合わせが表示されているか否かや、所定の当選役に内部当選しているか否かや、実行抽選に当選したか否かなど)の中から任意の複数の条件を組み合わせたものとしてもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、3つのリールを備えたスロットマシンに本発明を適用し、2つのリールが早押しによって停止されたときに特定遊技状態である場合に無効化時間を延長する例で説明をしたが、4つ以上のリールを備えた遊技機に本発明を適用してもよい。この場合、上記実施形態と同様に、2つのリールが早押しによって停止されたときに特定遊技状態である場合に無効化時間を延長してもよいし、3つ以上のリールが早押しによって停止されたときに特定遊技状態である場合に無効化時間を延長してもよい。
【0051】
さらに、本発明はリール駆動タイプのスロットマシンに限らず、液晶パネルなどを用いたスロットマシンや遊技媒体としてパチンコ球を使用するスロットマシンなどにも等しく適用することができる。
【符号の説明】
【0052】
10 スロットマシン
20a、20b、20c リール
30a、30b、30c ストップボタン
50 制御部
51 当選役決定部(当選役決定手段)
62 停止操作無効化部(操作間隔判定手段、遊技状態判定手段、無効化時間延長手段)
64 タイマ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周に複数種類の図柄が配列され、遊技開始に伴って回転を開始する複数のリールと、各リールに対応して設けられ、対応するリールの回転を停止させるための複数のストップボタンとを備え、複数のリールを同時に停止できないように、1つのストップボタンが操作されたときに一時的に他のストップボタンの操作を無効化するスロットマシンにおいて、
前記ストップボタンの操作間隔を測定するタイマと、
前記操作間隔が予め設定された所定間隔を下回るか否かを判定する操作間隔判定手段と、
遊技状態が予め設定された特定遊技状態であるか否かを判定する遊技状態判定手段と、
前記ストップボタンの操作間隔が前記所定間隔を下回り、かつ、前記特定遊技状態であった場合に、回転中のリールに対応するストップボタンの操作を無効化する無効化時間を延長する無効化時間延長手段とを備えたことを特徴とするスロットマシン。
【請求項2】
当選役抽選を行って複数種類の当選役のいずれかまたはハズレを決定する当選役決定手段を備え、
前記無効化時間延長手段は、前記ストップボタンの操作間隔が前記所定間隔を下回り、かつ、前記特定遊技状態であった場合に実行抽選を行い、この実行抽選に当選したときに前記延長を行うとともに、
前記実行抽選に当選する当選確率は、前記当選役抽選で所定の当選役が決定された場合の方が決定されなかった場合よりも高く設定されていることを特徴とする請求項1記載のスロットマシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−4774(P2011−4774A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−148222(P2009−148222)
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】