説明

セキュリティシステム

【課題】居住者が急いで外出する必要性を低減したセキュリティシステムを提供する。
【解決手段】セキュリティシステムは、防犯又は防災に関わる異常を検知して異常検知信号を出力する異常検知装置1と、この異常検知信号に応じて異常を報知する報知制御装置2と、電動車両が備える蓄電装置への給電路を開閉する充電制御装置3とを備える。報知制御装置2は、異常検知信号に応じて異常の報知を行う警戒モードと、報知を行わない非警戒モードとをその動作モードとして備える。充電制御装置3は、居住者による操作部33の操作に応じて、報知制御装置2の動作モードを切り替える動作モード設定信号を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に電動車両が備える蓄電装置を充電する充電制御装置を含むセキュリティシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅などの居住空間における防犯及び防災を目的として、宅内外に配置した複数の防犯や防災用のセンサから送信される検知信号に基づいて異常を検知し、周囲に異常を報知するセキュリティシステムが提供されている(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
この特許文献1に記載された車両利用型セキュリティシステムでは、車両に搭載された各種センサを防犯用のセンサとして利用し、このセンサからの出力に基づいて異常を検知すると、宅内に設けられた端末から異常の発生を報知するよう動作する。これにより、宅内と車両との双方にセンサを重複して設置する必要を無くして、センサの設置にかかるコストの低減を図っている。
【0004】
ところで近年、蓄電池式電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)など、電動機を動力源とする電動車両が実用化されつつある。このような電動車両には、内蔵する走行用バッテリを充電するための車載充電器が搭載されており、例えば商用100V交流電源のような外部電源から電力供給を受けて、走行用のバッテリの充電を行う。また、この車載充電器と外部電源とを接続する際には、車両側で漏電が発生して車載充電器に過電流が流れるのを防止する目的で、漏電発生時に電動車両側への電力供給を遮断する充電制御装置を利用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−72686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のようなセキュリティシステムにおいて、居住者が外出する際には、宅内に設置された操作用の端末を直接操作した後、異常の検知を開始するまでの遅延時間内にセンサによる検知範囲外に移動する必要がある。これは、例えばセンサとして宅内に人体検知センサを設けた場合に、検知を開始した際に宅内に人が残っていると、異常検知がされて異常報知を行ってしまうためである。そのため、居住者はセキュリティシステムの端末を直接操作した後、急いで外出する必要があった。
【0007】
本発明は、上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、居住者が急いで外出する必要性を低減したセキュリティシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本願のセキュリティシステムでは、防犯又は防災に関わる異常を検知して異常検知信号を出力する異常検知装置と、異常検知信号に応じて異常の報知を制御する報知制御装置と、電動車両が備える蓄電装置への給電路を開閉する充電制御装置とを備え、報知制御装置は、異常検知信号を受信すると異常の報知を行う警戒モードと、異常検知信号を受信しても異常の報知を行わない非警戒モードがその動作モードとして設けられ、充電制御装置は、操作部の操作に応じて通信信号を送信し、報知制御装置の動作モードを切り替えることを特徴とする。
【0009】
このセキュリティシステムにおいて充電制御装置は、異常検知信号を受信する通信部と、異常検知信号に応じて異常を報知する報知部とを備えることが好ましい。
【0010】
また、充電制御装置は、報知制御装置の動作モードを切り替える際に、認証用のセキュリティコードの入力を使用者に要求し、入力されたセキュリティコードに基づく認証が成功した場合に限り報知制御装置の動作モードを切り替えるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本願の発明によれば、宅外に設置される充電制御装置から動作モードを変更でき、居住者は急ぐことなく外出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施の形態1にかかるセキュリティシステムを示す概略ブロック図である。
【図2】(a)、(b)は、同セキュリティシステムを構成する充電制御装置を示す外観図である。
【図3】同セキュリティシステムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【図4】同セキュリティシステムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【図5】同セキュリティシステムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【図6】(a)、(b)は、同セキュリティシステムを構成する充電制御装置の別例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
本実施の形態にかかるセキュリティシステムは、図1に示すように、異常検知装置1、報知制御装置2、及び、充電制御装置3をその構成要素として備える。なお以下の説明では、異常検知装置1、報知制御装置2、及び、充電制御装置3を1台づつ設置した構成について説明を行うが、これらの台数を制限するものではなく、各々の装置について1乃至複数台設置することが可能である。
【0015】
充電制御装置3は、壁面などの造営面に設置される壁面取付型の装置であり、蓄電池式電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)などの電動車両に搭載された走行用バッテリを含む蓄電装置(図示せず)の充電を制御する。この充電制御装置3は、住宅のガレージなどに上述のような電動車両を駐車し、商用100V交流電源のような外部電源から、電動車両に搭載された蓄電装置への給電をオン/オフすることで、蓄電装置の充電を制御する。この充電制御装置3は、図2に示すように、後述する制御回路31などが収納される装置本体40と、装置本体40から導出された電源ケーブルCB1及び給電ケーブルCB2とを備える。
【0016】
装置本体40は、縦長の直方体状に形成された樹脂成形品からなり、造営面に取り付けられた状態で使用される。装置本体40の前面には、給電ケーブルCB2に設けられた給電用プラグ41を保持する保持部42と、複数の発光ダイオードLD1〜LD3が設けられている。充電制御装置3は、この発光ダイオードLD1〜LD3の点灯状態(点灯、消灯、点滅など)により蓄電装置の充電状態を表示している。
【0017】
給電用プラグ41は、電動車両の受電用ソケット(図示せず)に着脱自在に接続され、給電ケーブルCB2を介して供給される充電用電力を電動車両に搭載された蓄電装置に供給する。この給電用プラグ41は、保持部42に一部が挿入された状態で保持部42に保持される構造になっており、電動車両を充電しない場合には、給電ケーブルCB2及び給電用プラグ41を踏みつけるなどして破損することを防ぐことができる。
【0018】
電源ケーブルCB1は、例えば商用100V交流電源のような外部電源に接続されており、図1に示す電圧極の2本の電線L1、L2と、接地線L3とで構成されている。また給電ケーブルCB2は、上述の電線L1、L2及び接地線L3と、蓄電装置と後述する制御回路31との間で信号を授受するための電線L4とで構成される。ここで、電源ケーブルCB1及び給電ケーブルCB2(電線L1、L2及び接地線L3)は、外部電源から電動車両の蓄電装置への給電路を形成している。
【0019】
また充電制御装置3は、図1に示すように、制御回路31、通信部32、操作部33、報知部34、リレー35、及び、零相変流器(以下、ZCTと称す)36を主要な構成として備え、これらを装置本体40に収納している。
【0020】
通信部32は、例えば特定小電力無線モジュールからなり、報知制御装置2との間で無線通信により種々の通信信号を送受信する。通信部32から報知制御装置2へ送信する通信信号としては、後述する報知制御装置2の動作モードを設定する動作モード設定信号などがある。また通信部32が報知制御装置2から受信する通信信号には、動作モードを設定する際に、防犯又は防災に関する異常を検知したことを通知する異常検知信号などがある。なお、通信部32と報知制御装置2との間の通信は無線通信に限定されるものではなく、有線での通信(例えば、専用線を介した通信や、電力線搬送通信による通信)であってもよい。
【0021】
操作部33は、例えば、装置本体40の表面に操作部位が設けられた複数のスイッチ(図示せず)などにより構成され、居住者による操作入力に応じて制御回路31に操作入力信号を出力する。この居住者による操作入力には、電動車両への充電を開始・停止する充電開始・停止操作や、後述する報知制御装置2の動作モードを切り替える動作モード設定操作などがあり、各々の操作入力に対応するスイッチなどが操作部33に設けられている。
【0022】
報知部34は、制御回路31による制御に応じて動作し、電動車両への充電状態や漏電の発生、又は、報知制御装置2から通知される防犯や防災に関わる異常を報知する。この報知部34は、上述した発光ダイオードLD1〜LD3を点灯や点滅させる視覚的な方法や、スピーカ(図示せず)から警告音又は音声を発生させる聴覚的な方法によって、充電状態、漏電の発生、及び、異常の発生を報知する。
【0023】
リレー35は、上述した電線L1、L2に接続される内部の導電路にリレー接点が挿入されており、制御回路31からの制御信号に応じて、このリレー接点のオン/オフを切り替え、外部電源から電動車両の蓄電装置への給電路を開閉する。
【0024】
ZCT36は、漏電時に発生する電線L1、L2に流れる不平衡電流を検出し、その検出結果を制御回路31に出力する。
【0025】
制御回路31は、例えばマイコンなどをその構成要素として備え、外部電源をその動作電力として動作し、充電制御装置3を統括的に制御する。制御回路31は、蓄電装置から電線L4を介して入力される信号や、居住者の充電開始・停止操作に応じて、リレー35を開閉制御して蓄電装置への電力供給をオン/オフさせ、報知部34により充電状態を報知させる。
【0026】
また制御回路31は、ZCT36により電線L1、L2に発生した不平衡電流が検出されると、外部電源から電動車両への給電路や電動車両側で漏電が発生したと判断する。そして制御回路31は、リレー35を開極させて蓄電装置への電力供給を遮断し、報知部34により漏電が発生したことを報知させて、居住者や周囲の人に注意を促す。
【0027】
また制御回路31は、居住者が動作モード設定操作することで操作部33から入力される操作信号に応じて、通信部32により報知制御装置2へ動作モード設定信号を送信させ、報知制御装置2の動作モードを切り替える。このとき、報知制御装置2から異常検知信号が送信され、通信部32がこの異常検知信号を受信している場合には、制御回路31は、防犯や防災に関わる異常があって動作モードが居住者の意図通り設定できなかった旨を報知部34により報知させる。
【0028】
異常検知装置1は、制御部10、センサ部11、報知部12、及び、通信部13をその構成要素として備える。なお、以下に説明する異常検知装置1は、主に住宅に配置されて防犯に関する異常を検知するものであるが、例えば地震や火災などの防災情報を受信して、この防災情報に基づいて異常検知信号を報知部12に送信するものでもよい。
【0029】
センサ部11は、窓の開閉を検知する開閉検知センサ、窓ガラスへの衝撃や破壊を検知する衝撃センサ、赤外線や熱を感知して人体の存在を検知する人体検知センサなどであり、その検知対象や機能に応じて宅内・宅外の適所に設置される。なおセンサ部11は、防犯や防災上監視することが有用な電気、水道、ガス、玄関及び窓の戸締り、居住者以外の人物の存否、地震や火災などを監視し、異常を検知するものであればよく、上述のような構成に限るものではない。
【0030】
報知部12は、制御部10からの制御に応じて動作し、警告音や音声などの聴覚的な方法や、光源の点灯・点滅や文字による表示など視覚的な方法により、周囲に異常を通知する。
【0031】
通信部13は、例えば特定小電力無線モジュールからなり、制御部10からの制御に応じて異常検知信号を無線通信により報知制御装置2に送信する。なお、通信部13と報知制御装置2との間の通信は無線通信に限定されるものではなく、有線での通信(例えば、専用線を介した通信や、電力線搬送通信による通信)であってもよい。
【0032】
制御部10は、異常検知装置1全体を統括的に制御し、センサ部11が防犯や防災に関する異常を検知すると、報知部12により聴覚的な方法や視覚的な方法により異常の発生を報知するとともに、通信部13により異常検知信号を報知制御装置2に送信させる。なお制御部10は、報知制御装置2からの制御信号や居住者による設定操作に基づいて、センサ部11が異常を検知しても報知部12による報知を行わない非検知状態と、上述の動作をする検知状態とを切り替えられるようにしてもよい。さらには、例えば防災に関する異常を検知するセンサ部11からの検知出力にのみ応じて、報知や異常検知信号の送信を行うようにしてもよい。このようにすることで、例えば居住者が宅内に居る場合など、使用状況に応じて防犯や防災に関する異常を検知することができる。
【0033】
報知制御装置2は、制御部20、操作部21、報知部22、及び、通信部23をその構成要素として備え、異常検知装置1から送信された異常検知信号に応じて、防犯や防災上の異常が発生した旨を居住者や周囲に通知する。この報知制御装置2は、少なくとも操作部21を居住者が操作可能な状態で、例えば宅内の壁面などに設置されている。
【0034】
また報知制御装置2は、異常検知装置1からの異常検知信号に応じて異常を報知する警戒モードと、異常検知装置1からの異常検知信号を受信しても異常を報知しない非警戒モードとをその動作モードとして有している。
【0035】
報知部22は、制御部20からの制御に応じて動作し、警告音や音声などの聴覚的な方法や、光源の点灯・点滅や文字による表示など視覚的な方法により、周囲に異常を通知する。
【0036】
通信部23は、例えば特定小電力無線モジュールからなり、無線通信により異常検知装置1から送信された異常検知信号を受信するとともに、充電制御装置3との間で無線通信により後述する種々の通信信号の送受信を行う。
【0037】
制御部20は、報知制御装置2を統括的に制御し、居住者による操作部21の操作や、充電制御装置3から送信される動作モード設定信号などに応じて、報知制御装置2の動作モードを切り替える。すなわち居住者は、報知制御装置2の操作部21を直接操作するか、充電制御装置3の操作部33を操作することにより、報知制御装置2の動作モードを切り替えることが可能となる。なお、予め設定した時刻や日付などに基づいて、自動的に警戒モードと非警戒モードとを切り替えるような構成にしても良い。
【0038】
ここで制御部20は、動作モードを非警戒モードから警戒モードに切り替える場合、先ず異常検知装置1から異常検知信号が送信され、防犯又は防災に関する異常が発生した状態であるか否かを判断する。制御部20は、異常が発生した状態では無いと判断した場合は、操作部21の操作入力や動作モード設定信号が示す動作モード(すなわち、警戒モード)に切り替える。その一方で制御部20は、異常が発生した状態と判断した場合には、元の動作モード(すなわち、非警戒モード)を維持するとともに、報知部22から異常の発生を報知させる。このとき、制御部20は、動作モード設定信号に基づいて動作モードの切り替える場合には、通信部23により異常検知信号を充電制御装置3へ送信し、充電制御装置3から動作モードが居住者の意図通り設定できなかった旨を報知させる。
【0039】
また制御部20は、警戒モードに設定されている際に通信部23が異常検知装置1からの異常検知信号を受信すると、報知部22により周囲に異常を報知するとともに、この異常検知信号を通信部23により充電制御装置3へ送信させる。
【0040】
次に、本実施の形態にかかるセキュリティシステムについて、居住者が電動車両を利用して外出した後、帰宅した際の動作について図3のシーケンス図を用いて説明を行う。なお、報知制御装置2の動作モードは警戒モードに設定されており、充電制御装置3のリレー35は開極状態に設定され、報知部34は充電停止状態を報知している状態を初期状態として説明を行う(図3のステップS0)。
【0041】
まず、居住者が電動車両を用いて帰宅し、給電用プラグ41を電動車両の受電用ソケットに接続して、充電制御装置3の操作部33を用いて電動車両への充電を開始する(ステップS1)。制御回路31は、この充電開始操作に応じてリレー35を閉極させ、外部電源からの電力を電動車両の蓄電装置に供給させるとともに、報知部34に充電状態が「充電中」である旨を表示させる(ステップS2)。
【0042】
その後、居住者が充電制御装置3の操作部33により動作モード設定操作を行うと(ステップS3)、制御回路31は、動作モードを非警戒モードに設定する設定情報を含む動作モード設定信号を通信部32により送信させる(ステップS4)。
【0043】
この動作モード設定信号を報知制御装置2の通信部23が受信すると(ステップS5)、制御部20は動作モードを非警戒モードに切り替える(ステップS6)。これにより、報知制御装置2は、異常検知装置1から異常検知信号が入力されても異常の報知を行わない非警戒モードで動作する。なお、居住者による充電開始操作と動作モード設定操作は、必ずしも上述の順で操作する必要は無く、先に動作モード設定操作を行うようにしてもよい。
【0044】
次に、本実施の形態にかかるセキュリティシステムについて、居住者が電動車両を利用して外出する際、報知制御装置2の動作モードを警戒モードに設定する際の動作について図4、図5のシーケンス図を用いて説明を行う。なお、報知制御装置2は非警戒モードで動作し、充電制御装置3のリレー35は開極されて、電動車両の充電が完了している旨が報知部34により報知されている状態(図4、図5のステップS10)を初期状態として、以下の説明を行う。
【0045】
まず居住者は、給電用プラグ41を電動車両から取外し、所定の収納スペース(図示せず)に給電用プラグ41と給電ケーブルCB2とを収納する。その後、居住者は充電制御装置3の操作部33から報知制御装置2の動作モードを警戒モードに切り替える動作モード設定操作を行う(ステップS11)。充電制御装置3の制御回路31は、この動作モード設定操作に基づいて入力される操作部33からの操作入力に応じて、動作モードを警戒モードに設定する設定情報を含む動作モード設定信号を通信部32により送信させる(ステップS12)。
【0046】
この動作モード設定信号を報知制御装置2の通信部23が受信すると(ステップS13)、制御部20は、異常検知装置1から異常検知信号が送信され、防犯又は防災に関する異常が発生しているか否かを判断する。図4に示すように、異常検知装置1が異常を検知しておらず、報知制御装置2が異常検知信号を受信していない場合には、制御部20は異常がないものと判断し、動作モードを警戒モードに切り替える(ステップS14)。
【0047】
報知制御装置2の動作モードが警戒モードに切り替えられた後、異常検知装置1が防犯又は防災に関する異常を検知して異常検知信号を送信すると(ステップS15)、報知制御装置2の通信部23がこの異常検知信号を受信する(ステップS16)。この異常検知信号に応じて、制御部20は報知部22により異常の発生を報知し(ステップS17)、居住者や周囲の人が防犯や防災に関する異常が発生したことを知ることができる。このとき、通信部23により充電制御装置3へ異常検知信号を送信し(ステップS18)、充電制御装置3の報知部34により異常を報知させる(ステップS19)ようにすることも可能である。このようにすれば、電動車両の周囲に居住者が居る場合であっても、防犯又は防災に関する異常の発生を居住者が知ることができ、利便性が向上する。
【0048】
一方、図5に示すように、充電制御装置3から送信された動作モード設定信号を報知制御装置2の通信部23が受信した時点で(ステップS13)、異常検知装置1が何らかの異常を検知している場合には、制御部20は動作モードの切替を中止する。具体的には、制御部20は異常が検知された旨を示す異常検知信号を充電制御装置3に送信する(ステップS20)。この異常検知信号を充電制御装置3の通信部32が受信すると(ステップS21)、制御回路31は、異常が発生して報知制御装置2の動作モードが切り替わらなかった旨を報知部34により報知させる(ステップS22)。これにより、例えば外出時に非警戒モードから警戒モードへと切り替える際に、窓の閉め忘れといった防犯や防災に関する異常が発生していることを居住者は知ることができ、異常を回避する行動を行うことができる。
【0049】
以上述べたように、本実施の形態にかかるセキュリティシステムでは、充電制御装置3を用いて報知制御装置2の動作モードを切り替えることができ、居住者は急ぐことなく外出することができる。
【0050】
また、報知制御装置2からの異常検知信号に応じて充電制御装置3が異常を報知することで、充電制御装置3の周囲に居る場合でも異常の発生を知ることができ、利便性を高めることができる。
【0051】
なお、充電制御装置3の操作部33として、例えばテンキーなどの入力装置を設け、動作モード設定操作を行う場合には、テンキーなどを操作してセキュリティコードを入力させるようにしてもよい。この場合には、入力されたセキュリティコードが充電制御装置3や報知制御装置2に記憶された認証用のセキュリティコードと一致するかを判断し、一致しない場合には動作モードの切り替えを中止する。このようにすることで、セキュリティコードを知らない者により、不用意に報知制御装置2の動作モードが切り替えられることを抑制でき、安全性を高めることができる。さらに、セキュリティコードの入力を非警戒モードに設定する場合に限定し、セキュリティコードが入力された場合には自動的に非警戒モードに設定する為の動作モード設定信号を送信するようにすれば、居住者の手間を低減することができる。
【0052】
また、報知制御装置2の動作モードを充電制御装置3に通知し、充電制御装置3の報知部34を用いて通知された動作モードを報知するようにしてもよい。
【0053】
また、本実施の形態では、壁面取付型の充電制御装置3を用いたセキュリティシステムを例に説明を行ったが、図6(a)及び(b)に示すような、可搬型の充電制御装置3を用いてもよい。この充電制御装置3は、図6(a)に示すように、壁面などの造営面に設けられたコンセント(図6(a)のA)に着脱自在に接続される電源プラグ44を備えており、電動車両(図6(a)のB)の充電を制御する。この充電制御装置3は、装置本体40に設けられた係止部43を壁面などに設けられたフック(図示せず)に取り付けることで、壁面に充電制御装置3を保持させることができる。
【0054】
これにより、充電制御装置3を使用しない場合には、充電制御装置3をコンセントAから取り外して壁面などに保持させることができ、充電制御装置3が車両や人に踏まれることを防止することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 異常検知装置
10 制御部
11 センサ部
12 報知部
13 通信部
2 報知制御装置
20 制御部
21 操作部
22 報知部
23 通信部
3 充電制御装置
31 制御回路
32 通信部
33 操作部
34 報知部
35 リレー
36 零相変流器(ZCT)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
防犯又は防災に関わる異常を検知して異常検知信号を出力する異常検知装置と、前記異常検知信号に応じて異常の報知を制御する報知制御装置と、電動車両が備える蓄電装置への給電路を開閉する充電制御装置とを備え、
前記報知制御装置は、前記異常検知信号を受信すると異常の報知を行う警戒モードと、前記異常検知信号を受信しても異常の報知を行わない非警戒モードがその動作モードとして設けられ、
前記充電制御装置は、操作部の操作に応じて通信信号を送信し、前記報知制御装置の前記動作モードを切り替えることを特徴とするセキュリティシステム。
【請求項2】
前記充電制御装置は、前記異常検知信号を受信する通信部と、前記異常検知信号に応じて異常を報知する報知部とを備えることを特徴とする請求項1に記載のセキュリティシステム。
【請求項3】
前記充電制御装置は、前記報知制御装置の前記動作モードを切り替える際に、認証用のセキュリティコードの入力を使用者に要求し、入力されたセキュリティコードに基づく認証が成功した場合に限り前記報知制御装置の前記動作モードを切り替えることを特徴とする請求項1又は2の何れか一項に記載のセキュリティシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−226622(P2012−226622A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94569(P2011−94569)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】