説明

セルロースアシレートフィルム、セルロースアシレートフィルムの製造方法、並びにそれを用いた偏光板及び液晶表示装置

【課題】ブリードアウト等の面状故障を起こすことなく、均一で高レターデーションを有するセルロースアシレートフィルムを提供すること、さらには面内レターデーションが均一であるセルロースアシレートフィルムを提供すること、並びにこのようなセルロースアシレートフィルムを用いた広視野角で表示品位の高い偏光板及び液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】特定の棒状分極率異方性又は特定の平面分極率異方性を有し、且つ特定の分子末端間距離を有する、少なくとも1種類のレターデーション上昇剤を特定量範囲含有するセルロースアシレートフィルム及びその製造方法、並びにそのようなセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板及び液晶表示装置。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記数式(1)で表される棒状分極率異方性が300×10-25cm3以上2000×10-25cm3以下であり、分子の末端間距離が2nm以上10nm以下の、少なくとも1種類のレターデーション上昇剤を、セルロースアシレートに対して0.1質量%以上30質量%以下含有することを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
数式(1):Δα=αx−(αy+αz)/2
(式中、αxは、分極率テンソルを対角化後に得られる固有値の内、最大の成分であり
;αyは、分極率テンソルを対角化後に得られる固有値の内、二番目に大きい成分であり
;αzは、分極率テンソルを対角化後に得られる固有値の内、最小の成分である。)
【請求項2】
下記数式(2)で表される平面分極率異方性が300×10-25cm3以上1500×10-25cm3以下であり、分子の末端間距離が2nm以上10nm以下の、少なくとも1種類のレターデーション上昇剤を、セルロースアシレートに対して0.1質量%以上30質量%以下含有することを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
数式(2):Δα=(αx+αy)/2−αz
(式中、αxは、分極率テンソルを対角化後に得られる固有値の内、最大の成分であり
;αyは、分極率テンソルを対角化後に得られる固有値の内、二番目に大きい成分であり
;αzは、分極率テンソルを対角化後に得られる固有値の内、最小の成分である。)
【請求項3】
下記数式(1)で表される棒状分極率異方性が300×10-25cm3以上2000×10-25cm3以下で、末端間距離が2nm以上10nm以下の少なくとも1種類のレターデーション上昇剤と、下記数式(2)で表される平面分極率異方性が300×10-25cm3以上1500×10-25cm3以下で、末端間距離が2nm以上10nm以下の少なくとも1種類のレターデーション上昇剤を、各々少なくとも1種類、セルロースアシレートに対して0.1質量%以上30質量%以下含有することを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
数式(1):Δα=αx−(αy+αz)/2
数式(2):Δα=(αx+αy)/2−αz
(式中、αxは、分極率テンソルを対角化後に得られる固有値の内、最大の成分であり
;αyは、分極率テンソルを対角化後に得られる固有値の内、二番目に大きい成分であり
;αzは、分極率テンソルを対角化後に得られる固有値の内、最小の成分である。)
【請求項4】
波長590nmにおけるRe、及びRthが、
20≦Re≦200
70≦Rth≦400
1≦Rth/Re≦10
を満たす請求項1〜3のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。(Reは面内のレターデーション、Rthは厚さ方向のレターデーションを表す。)
【請求項5】
棒状分極率異方性が300×10-25cm3以上2000×10-25cm3以下であり、分子の末端間距離が2nm以上10nm以下のレターデーション上昇剤が、下記一般式(1)で表される化合物である請求項1、3および4のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
一般式(1):
Ar1−L1−X−L2−Ar2
{式中、Ar1、Ar2は、それぞれ独立に、アリール基又は芳香族ヘテロ環を表す。L1、L2は、それぞれ独立に、−C(=O)O−又は−C(=O)NR−を表す(Rは水素原子又はアルキル基を表す。)。Xは下記一般式(2)又は一般式(3)を表す。}
一般式(2):
【化1】

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。)
一般式(3):
【化2】

(式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。)
【請求項6】
棒状分極率異方性が300×10-25cm3以上2000×10-25cm3以下であり、分子の末端間距離が2nm以上10nm以下のレターデーション上昇剤が、下記一般式(4)で表される化合物である請求項1、3および4のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
一般式(4)
【化3】

(式中、R2-1、R4-1、R5-1はそれぞれ水素原子または置換基を表し、R11-1、R13-1はそれぞれ水素原子またはアルキル基を表し、L1-1、L2-1はそれぞれ単結合または2価の連結基を表す。Ar1-1はアリーレン基または芳香族へテロ環を表し、Ar2-1はアリール基または芳香族へテロ環を表し、n−1は3以上の整数を表し、n−1種存在するL2-1、Ar1-1はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。ただしR11-1、R13-1は互いに異なっており、R13-1で表されるアルキル基はへテロ原子を含まない。)
【請求項7】
棒状分極率異方性が300××10-25cm3以上2000×10-25cm3以下であり、分子の末端間距離が2nm以上10nm以下のレターデーション上昇剤が、下記一般式(5)で表される化合物である請求項1、3および4のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
一般式(5)
【化4】

(式中、L1およびL2は、それぞれ、単結合または二価の連結基を表す。R1およびR2は、それぞれ、水素原子または置換基である。R3およびR4は、それぞれ、置換基を表す。nは0〜4の整数を表し、nが2以上の場合は、複数存在するR3はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。mは0〜4の整数を表し、mが2以上の場合は、複数存在するR4はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば互いに結合して環を形成してもよい。X1は1〜5の整数を表す。X1が2以上の場合は、複数存在する(R4mはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。R41は水素原子または置換基を表す。)
【請求項8】
数式(2)で表される平面分極率異方性が300×10-25cm3以上1500×10-25cm3以下で、末端間距離が2nm以上10nm以下のレターデーション上昇剤が、下記一般式(6)で表される化合物である請求項2、3および4のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
一般式(6):
【化5】

(式中、R21、R22及びR23は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、芳香族環基又は複素環基を表す。)
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルムを製造する方法であって、セルロースアシレートフィルムを、1分間に100%以下の延伸速度で3%以上200%以下の延伸倍率で延伸した後、最大延伸倍率の50%以上99%以下の延伸倍率で、1秒以上120秒以下保持することを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【請求項10】
請求項9の方法により製造された請求項1〜8のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
【請求項11】
偏光子の両面に保護フィルムが貼り合わされてなる偏光板において、該保護フィルムの少なくとも1枚が、請求項1〜8及び10のいずれかに記載に記載のセルロースアシレートフィルムであることを特徴とする偏光板。
【請求項12】
保護フィルムの少なくとも片方の面上に、光学異方性層を有する請求項11に記載の偏光板。
【請求項13】
保護フィルムの少なくとも片方の面上に、位相差フィルムが貼り合わされてなる請求項11に記載の偏光板。
【請求項14】
液晶セル及びその両側に配置された2枚の偏光板を有し、その少なくとも1方の偏光板が請求項11〜13のいずれかに記載の偏光板であることを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2006−193724(P2006−193724A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−356882(P2005−356882)
【出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】