説明

センサ装置、表示装置、画像データ生成方法、および画像データ生成プログラム

【課題】それぞれの光センサ回路を有効に利用して、より精緻で滑らかな画像を生成するセンサ装置を提供する。
【解決手段】センサ装置140は、複数の光センサ群144を備える。複数の光センサ群の各々は、第1の色成分を含む入射光を受けて第1の出力信号を出力する第1のセンサ回路144Rと、第2の色成分を含む入射光を受けて第2の出力信号を出力する第2のセンサ回路144Gと、第3の色成分を含む入射光を受けて第3の出力信号を出力する第3のセンサ回路144Bとを含む。センサ装置は、第1から第3の出力信号に基づいて、光センサ群毎に2×2の画素データを生成する画像処理手段190とをさらに備える。画素データの各々は、第1の色成分の明度を示す第1の値と、第2の色成分の明度を示す第2の値と、第3の色成分の明度を示す第3の値とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入射光に基づいて画像データを生成するセンサ装置、表示装置、画像データ生成方法、および画像データ生成プログラムに関し、特に、それぞれの光センサ回路を有効に利用して、より精緻で滑らかな画像を生成するセンサ装置、表示装置、画像データ生成方法、および画像データ生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、入射光に基づいて電気信号を出力する光センサ回路を搭載し、光センサ回路からの電気信号に基づいて画像データを生成するセンサ装置が知られている。たとえば、CCD(Charge Coupled Device)カメラや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラなどがあげられる。
【0003】
また、上記のような光センサ回路と、電気信号に基づいて可視光を発する画素回路とを搭載する表示装置も知られている。そのような表示装置は、外部から情報を受け付ける入力機能と外部に情報を表示する表示機能とを有する。たとえば、光センサ内蔵液晶パネルを搭載する表示装置があげられる。
【0004】
たとえば、特開平4−282609号公報(特許文献1)には、イメージセンサを配列することにより駆動装置や移動操作を不要とする超薄型の画像入力装置が開示されている。特開平4−282609号公報(特許文献1)によると、画像入力装置は紙サイズの透明基板一面にイメージセンサを実装し、この上に対象物を置き、透明基板の裏側より光をあて、対象物からの反射光の強度を個々のイメージセンサで電気的に計測することにより画像情報を読み取る。カラーの場合にはR,G,Bの各色の画素に対応してセンサを配列することによりカラー画像が読み取れる。この液晶デイスプレイの表示側とは反対側の駆動装置側に,液晶デイスプレイの画素に対応してそれぞれイメージセンサを配列する。また、イメージセンサ側にイメージセンサと液晶デイスプレイを通過する光源を置く。
【特許文献1】特開平4−282609号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
表示装置(センサ装置)には光センサ回路や画素回路などが密集している。表示装置に配置できる光センサ回路の個数は限られているため、従来から精緻で滑らかな画像を生成するための技術が求められている。特に、画素回路を搭載する表示装置においては、画素回路を所定の位置に配置する必要があるため、光センサ回路を介して取得する画像の解像度を向上させることが困難である。
【0006】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、それぞれの光センサ回路を有効に利用して、より精緻で滑らかな画像を生成するセンサ装置、表示装置、画像データ生成方法、および画像データ生成プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明のある局面に従うと、センサ装置が提供される。センサ装置は、複数の光センサ群を備える。複数の光センサ群の各々は、第1の色成分を含む入射光を受けて第1の出力信号を出力する第1のセンサ回路と、第2の色成分を含む入射光を受けて第2の出力信号を出力する第2のセンサ回路と、第3の色成分を含む入射光を受けて第3の出力信号を出力する第3のセンサ回路とを含む。センサ装置は、第1から第3の出力信号に基づいて、光センサ群毎に2×2の画素データを生成する画像処理手段とをさらに備える。画素データの各々は、第1の色成分の明度を示す第1の値と、第2の色成分の明度を示す第2の値と、第3の色成分の明度を示す第3の値とを含む。
【0008】
好ましくは、画像処理手段は、第1から第3の出力信号のそれぞれに基づいて第1から第3のデータを生成するサンプリング手段と、光センサ群の各々に対応する第1から第3のデータと、光センサ群の周囲に配置される他の光センサ群に含まれる光センサ回路に対応する第1から第3のいずれかのデータとに基づいて、画素データを生成する補正処理手段とを含む。
【0009】
好ましくは、2×2の画素データは、左上画素データと左下画素データと右下画素データと右上画素データとを含む。補正処理手段は、光センサ群の各々に対応する第1から第3のデータと、光センサ群の左上方向に配置される光センサ回路に対応する第1から第3のいずれかのデータとに基づいて、左上画素データを生成し、光センサ群の各々に対応する第1から第3のデータと、光センサ群の左下方向に配置される光センサ回路に対応する第1から第3のいずれかのデータとに基づいて、左下画素データを生成し、光センサ群の各々に対応する第1から第3のデータと、光センサ群の右下方向に配置される光センサ回路に対応する第1から第3のいずれかのデータとに基づいて、右下画素データを生成し、光センサ群の各々に対応する第1から第3のデータと、光センサ群の右上方向に配置される光センサ回路に対応する第1から第3のいずれかのデータとに基づいて、右上画素データを生成する。
【0010】
好ましくは、画像処理手段は、静止画像撮影モードにおいては、第1から第3の出力信号に基づいて、光センサ群毎に2×2の画素データを生成し、動画像撮影モードにおいては、第1から第3の出力信号に基づいて、光センサ群毎に1つの画素データを生成する。
【0011】
好ましくは、複数の光センサ群は、マトリクス状に配置される。
この発明の別の局面に従うと、上記のセンサ装置と、複数の画素群とを備える表示装置が提供される。複数の画素群の各々は、第1の入力信号に応じて第1の色成分を含む光を発するための第1の画素回路と、第2の入力信号に応じて第2の色成分を含む光を発するための第2の画素回路と、第3の入力信号に応じて第3の色成分を含む光を発するための第3の画素回路とを含む。
【0012】
好ましくは、画素群は、光センサ群毎に配置される。
好ましくは、複数の画素群は、マトリクス状に配置される。
【0013】
この発明の別の局面に従うと、複数の光センサ群と画像処理部とを備えるセンサ装置における画像データ生成方法が提供される。複数の光センサ群の各々は、第1の色成分を含む入射光を受けて第1の出力信号を出力する第1のセンサ回路と、第2の色成分を含む入射光を受けて第2の出力信号を出力する第2のセンサ回路と、第3の色成分を含む入射光を受けて第3の出力信号を出力する第3のセンサ回路とを含む。画像データ生成方法は、画像処理部が、第1から第3の出力信号のそれぞれに基づいて第1から第3のデータを生成するステップと、第1から第3のデータに基づいて、光センサ群毎に2×2の画素データを生成するステップとを備える。画素データの各々は、第1の色成分の明度を示す第1の値と、第2の色成分の明度を示す第2の値と、第3の色成分の明度を示す第3の値とを含む。2×2の画素データを生成するステップは、光センサ群の各々に対応する第1から第3のデータと、光センサ群の周囲に配置される他の光センサ群に含まれる光センサ回路に対応する第1から第3のいずれかのデータとに基づいて、画素データを生成するステップを含む。
【0014】
この発明の別の局面に従うと、複数の光センサ群と画像処理部とを備えるセンサ装置に画像データを生成させるための画像データ生成プログラムが提供される。複数の光センサ群の各々は、第1の色成分を含む入射光を受けて第1の出力信号を出力する第1のセンサ回路と、第2の色成分を含む入射光を受けて第2の出力信号を出力する第2のセンサ回路と、第3の色成分を含む入射光を受けて第3の出力信号を出力する第3のセンサ回路とを含む。画像データ生成プログラムは、画像処理部に、第1から第3の出力信号のそれぞれに基づいて第1から第3のデータを生成するステップと、第1から第3のデータに基づいて、光センサ群毎に2×2の画素データを生成するステップとを実行させる。画素データの各々は、第1の色成分の明度を示す第1の値と、第2の色成分の明度を示す第2の値と、第3の色成分の明度を示す第3の値とを含む。2×2の画素データを生成するステップは、光センサ群の各々に対応する第1から第3のデータと、光センサ群の周囲に配置される他の光センサ群に含まれる光センサ回路に対応する第1から第3のいずれかのデータとに基づいて、画素データを生成するステップを含む。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によって、それぞれの光センサ回路を有効に利用して、より精緻で滑らかな画像を生成するセンサ装置、表示装置、画像データ生成方法、および画像データ生成プログラムが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0017】
[実施の形態1]
<液晶パネルと画素データ>
本実施の形態に係る表示装置(センサ装置)は、光センサ内蔵液晶パネルを含む。表示装置は、光センサ内蔵液晶パネル(以下、液晶パネルともいう。)を介して、画像データを取得したり、画像を表示したりする。以下では、本実施の形態に係る液晶パネルの構成の概要を説明する。
【0018】
図1は、本実施の形態に係る液晶パネル140と、生成される画素データとの関係を示すイメージ図である。図1を参照して、液晶パネル140は、赤色成分の光を受けて赤出力信号を出力するための赤光センサ回路144Rと、緑色成分の光を受けて緑出力信号を出力するための緑光センサ回路144Gと、青色成分の光を受けて青出力信号を出力するための青光センサ回路144Bとを含む。
【0019】
以下では、赤光センサ回路144Rと、緑光センサ回路144G、青光センサ回路144Bとを合わせて光センサ群144という。そして、液晶パネル140は、このような光センサ群144がマトリクス状(行列状)に配置されている。
【0020】
また、液晶パネル140は、後述する画像処理エンジン180から赤入力信号を受け付けて装置外部に赤色成分の光を発するための赤画素回路141Rと、緑入力信号を受け付けて装置外部に緑色成分の光を発するための緑画素回路141Gと、青入力信号を受け付けて装置外部に青色成分の光を発するための青画素回路141Bとを含む。
【0021】
以下では、赤画素回路141Rと、緑画素回路141G、青画素回路141Bとを合わせて画素群141とする。そして、液晶パネル140は、このような画素群141がマトリクス状に配置されている。つまり、本実施の形態においては、液晶パネル140は、画素群141毎に1つの光センサ群144が配置される。
【0022】
そして、本実施の形態に係る表示装置(センサ装置)は、静止画像を撮影するモードにおいては、液晶パネル140からの出力信号に応じて、光センサ群144毎に4つの画素データ(2×2の画素データ)を生成する。本実施の形態に係る表示装置は、動画像を撮影するモードにおいては、液晶パネル140からの出力信号に応じて、光センサ群144毎に4つ画素データを生成する。
【0023】
すなわち、本実施の形態に係る表示装置は、光センサ群144毎に2×2の画素データを得ることができるため、精緻で滑らかな画像を得ることができる。換言すれば、本実施の形態に係る表示装置は、光センサ群144あるいは画素群141の個数よりも多い画素からなる画像データを得ることができる。特に、本実施の形態に係る表示装置は、光センサ回路144R,144G,144Bの個数あるいは画素回路141R,141G,141Bの個数よりも多い画素からなる画像データを得ることができる。
【0024】
以下、このような機能を実現するための構成について詳述する。なお、本実施の形態においては、表示装置が複数の光センサ群144と複数の画素群141とを有する光センサ内蔵液晶パネル140を有する場合について説明する。ただし、以下の構成は、たとえばデジタルカメラのように、画素群141を有さないセンサ装置にも適用可能なものである。
【0025】
<電子機器100のハードウェア構成>
以下では、表示装置102を有する電子機器100の具体的構成の一態様について説明する。図2は、電子機器100のハードウェア構成を表わすブロック図である。図2を参照して、電子機器100は、主たる構成要素として、本体装置101と、表示装置102とを含む。
【0026】
本体装置101は、CPU(Central Processing Unit)110と、RAM(Random Access Memory)171と、ROM(Read-Only Memory)172と、メモリカードリーダライタ173と、通信部174と、マイク175と、スピーカ176と、操作キー177とを含む。各構成要素は、相互にデータバスDB1によって接続されている。メモリカードリーダライタ173には、メモリカード1731が装着される。
【0027】
CPU110は、プログラムを実行する。操作キー177は、電子機器100の使用者による指示の入力を受ける。RAM171は、CPU110によるプログラムの実行により生成されたデータ、または操作キー177を介して入力されたデータを揮発的に格納する。ROM172は、データを不揮発的に格納する。また、ROM172は、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)やフラッシュメモリなどの書込みおよび消去が可能なROMである。通信部174は、図示しない他の電子機器との間で無線通信を行う。なお、図2には図示していないが、電子機器100が、他の電子機器に有線により接続するためのインターフェイス(IF)を備える構成としてもよい。
【0028】
表示装置102は、ドライバ130と、光センサ内蔵液晶パネル140(以下、液晶パネル140と称する)と、内部IF178と、バックライト179と、画像処理エンジン180とを含む。
【0029】
ドライバ130は、液晶パネル140およびバックライト179を駆動するための駆動回路である。ドライバ130に含まれる各種の駆動回路については、後述する。
【0030】
液晶パネル140は、液晶ディスプレイの機能と光センサの機能とを備えたデバイスである。つまり、液晶パネル140は、液晶を用いた画像の表示と、光センサを用いたセンシングとを行うことができる。液晶パネル140の詳細については、後述する。
【0031】
内部IF(Interface)178は、本体装置101と表示装置102との間で、データの遣り取りを仲介する。
【0032】
バックライト179は、液晶パネル140の裏面に配置された光源である。バックライト179は、当該裏面に対して均一な光を照射する。
【0033】
画像処理エンジン180は、ドライバ130を介して液晶パネル140の動作を制御する。ここで、当該制御は、内部IF178を介して本体装置101から送られてくる各種データに基づいて行われる。なお、当該各種データは、後述するコマンドを含む。また、画像処理エンジン180は、液晶パネル140から出力される出力信号を処理し、処理したデータを内部IF178を介して本体装置101に送る。さらに、画像処理エンジン180は、ドライバ制御部181と、タイマ182と、信号処理部190とを含む。
【0034】
ドライバ制御部181は、ドライバ130に対して制御信号を送ることによりドライバ130の動作を制御する。また、ドライバ制御部181は、本体装置101から送られてくるコマンドを解析する。そして、ドライバ制御部181は、当該解析の結果に基づいた制御信号をドライバ130に送る。ドライバ130の動作の詳細については、後述する。
【0035】
タイマ182は、時刻情報を生成し、信号処理部190に対して時刻情報を送る。
信号処理部190(画像処理部)は、上記液晶パネル140(赤光センサ回路144R、緑光センサ回路144G、青光センサ回路144B)から出力される出力信号を受け取る。ここで、上記液晶パネル140から出力される出力信号はアナログ信号であるため、信号処理部190はアナログ信号をデジタルデータへと変換する。信号処理部190の画像データ生成処理については後述する。
【0036】
信号処理部190は、当該デジタルデータに対して、本体装置101から送られてくるコマンドの内容に応じたデータ処理を行う。そして、信号処理部190は、上記データ処理を行った後のデータと、タイマ182から取得した時刻情報とを含んだデータ(以下、応答データと称する)を本体装置101に送る。また、信号処理部190は、後述するスキャンデータを連続して複数格納できるRAM(図示せず)を備えている。
【0037】
上記コマンドは、上記光センサによりセンシングを指示するセンシングコマンドを含む。当該センシングコマンドの詳細および上記応答データの詳細については、後述する(図7〜図9)。
【0038】
なお、タイマ182は、必ずしも画像処理エンジン180に備えられている必要はない。たとえば、タイマ182は、表示装置102内における、画像処理エンジン180の外部に備えられていてもよい。あるいは、タイマ182は、本体装置101に備えられていてもよい。また、マイク175およびスピーカ176は、電子機器100が常に備える構成ではなく、電子機器100の実施例によっては、マイク175およびスピーカ176のいずれかあるいは両方を有さない構成であってもよい。
【0039】
ここで、表示装置102は、システム液晶を含んでいる。なお、システム液晶とは、液晶パネル140の周辺機器を当該液晶パネル140のガラス基板上に一体形成することにより得られるデバイスである。本実施の形態では、ドライバ130(バックライト179を駆動する回路を除く)と、内部IF178と、画像処理エンジン180とが、液晶パネル140のガラス基板上に一体形成されている。なお、表示装置102が、必ずしもシステム液晶を用いて構成されている必要はなく、ドライバ130(バックライト179を駆動する回路を除く)と、内部IF178と、画像処理エンジン180とが、上記ガラス基板以外の基板に構成されていてもよい。
【0040】
ところで、電子機器100における処理は、各ハードウェアおよびCPU110により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、ROM172に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、メモリカード1731その他の記憶媒体に格納されて、プログラム製品として流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラム製品として提供される場合もある。このようなソフトウェアは、メモリカードリーダライタ173その他の読取装置によりその記憶媒体から読み取られて、あるいは、通信部174または通信IF(図示せず)を介してダウンロードされた後、ROM172に一旦格納される。そのソフトウェアは、CPU110によってROM172から読み出され、RAM171に実行可能なプログラムの形式で格納される。CPU110は、そのプログラムを実行する。
【0041】
図2に示される電子機器100の本体装置101を構成する各構成要素は、一般的なものである。したがって、電子機器100の本体装置については、詳細な説明は繰り返さない。
【0042】
なお、記憶媒体としては、メモリカードに限られず、CD−ROM、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリ等の固定的にプログラムを格納する媒体でもよい。
【0043】
ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0044】
ただし、電子機器100を構成する各ブロックの機能や各ステップの処理をソフトウェアによって実現する代わりに、各々を専用のハードウェア回路等によって実現してもよい。
【0045】
<光センサ内蔵液晶パネルの構成および駆動について>
次に、液晶パネル140の構成と、当該液晶パネル140の周辺回路の構成とについて説明する。図3は、液晶パネル140の構成と当該液晶パネル140の周辺回路とを示した図である。
【0046】
図3を参照して、液晶パネル140は、画素群141と、光センサ群144と、走査信号線Giと、データ信号線SRj,SGj,SBjと、センサ信号線SSRj,SSGj,SSBjと、センサ信号線SDRj,SDGj,SDBjと、読出信号線RWiと、リセット信号線RSiとを含む。なお、iは1≦i≦mを満たす自然数であり、jは1≦j≦nを満たす自然数である。
【0047】
そして、画素群141は、赤画素回路141Rと、緑画素回路141Gと、青画素回路141Bとを含む。光センサ群144は、赤光センサ回路144Rと、緑光センサ回路144Gと、青光センサ回路144Bとを含む。
【0048】
また、図2に示した表示装置102のドライバ130は、液晶パネル140の周辺回路として、走査信号線駆動回路131と、データ信号線駆動回路132と、光センサ駆動回路133と、スイッチ134と、アンプ135とを含む。
【0049】
走査信号線駆動回路131は、図2に示すドライバ制御部181から制御信号TC1を受ける。そして、走査信号線駆動回路131は、制御信号TC1に基づき、各走査信号線(G1〜Gm)に対して、走査信号線G1から順に予め定められた電圧を印加する。より詳しくは、走査信号線駆動回路131は、単位時間毎に走査信号線(G1〜Gm)の中から1つの走査信号線を順次選択し、当該選択した走査信号線に対して後述するTFT(Thin Film Transistor)142のゲートをターンオンできるだけの電圧(以下、ハイレベル電圧)を印加する。なお、選択されていない走査信号線に対しては、ハイレベル電圧を印加することなく、ローレベル電圧を印加したままとする。
【0050】
データ信号線駆動回路132は、図2に示すドライバ制御部181から画像データ(DR,DG,DB)を受ける。そして、データ信号線駆動回路132は、3n個のデータ信号線(SR1〜SRn,SG1〜SGn,SB1〜SBn)に対して、上記単位時間毎に、1行分の画像データに対応する電圧を順次印加する。
【0051】
なお、ここでは、いわゆる線順次方式と呼ばれる駆動方式を用いて説明したが、駆動方式はこれに限定されるものではない。
【0052】
画素群141は、1つの画素の輝度(透過率)を設定するための回路である。また、画素群141は、マトリクス状にm×n個配されている。より詳しくは、画素群141は、図3の縦方向にm個、横方向にn個配されている。
【0053】
前述したように、画素群141は、赤画素回路141Rと、緑画素回路141Gと、青画素回路141Bとからなる。これら3つの回路(141R,141G,141B)は、それぞれ、TFT142と、画素電極と対向電極とからなる1組の電極対143と、図示しないコンデンサとを含む。
【0054】
なお、n型のトランジスタとp型のトランジスタとを作れるCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を実現できること、キャリア(電子または正孔)の移動速度がアモルファスシリコン薄膜トランジスタ(a-Si TFT)に比べて数百倍早いことなどから、表示装置102では、TFT142として多結晶シリコン薄膜トランジスタ(p-Si TFT)が用いられる。なお、TFT142は、n型チャネルの電界効果トランジスタであるとして説明する。ただし、TFT142がp型チャネルの電界効果トランジスタであってもよい。
【0055】
赤画素回路141R内のTFT142のソースはデータ信号線SRjに接続されている。また、当該TFT142のゲートは走査信号線Giに接続されている。さらに、当該TFT142のドレインは、電極対143の画素電極に接続される。そして、画素電極と対向電極との間には、液晶が配される。なお、緑画素回路141Gおよび青画素回路141Bについても、各TFT142のソースが接続されるデータ信号線が異なる以外は、赤画素回路141Rと同じ構成である。このため、これら2つの回路(141G,141B)についての説明は、繰り返さない。
【0056】
ここで、画素群141における輝度の設定について説明する。まず、走査信号線Giに上記ハイレベル電圧を印加する。当該ハイレベル電圧の印加により、TFT142のゲートがターンオンする。このようにTFT142のゲートがターンオンした状態で、各データ信号線(SRj,SGj,SBj)に対して、それぞれ指定された電圧(1画素分の画像データに対応する電圧)を印加する。これにより、当該指定された電圧に基づいた電圧が画素電極に印加される。その結果、画素電極と対向電極との間に電位差が生じる。この電位差に基づいて、液晶が応答し、画素の輝度は予め定められた輝度に設定される。なお、当該電位差は、上記図示しないコンデンサ(補助容量)によって、次のフレーム期間において走査信号線Giが選択されるまで保持される。
【0057】
光センサ駆動回路133は、図2に示すドライバ制御部181から制御信号TC2を受ける。
【0058】
そして、光センサ駆動回路133は、制御信号TC2に基づき、単位時間毎にリセット信号線(RS1〜RSm)の中から1つの信号線を順次選択し、当該選択した信号線に対して、予め定められたタイミングで通常よりもハイレベルな電圧VDDRを印加する。なお、選択されていないリセット信号線に対しては、選択されたリセット信号線に印加した電圧よりも低い電圧VSSRを印加したままとする。たとえば、電圧VDDRを0Vに、電圧VSSRを−5Vに設定すればよい。
【0059】
また、光センサ駆動回路133は、制御信号TC2に基づき、単位時間毎に読出信号線(RW1〜RWm)の中から1つの信号線を順次選択し、当該選択した信号線に対して、予め定められたタイミングで通常よりもハイレベルな電圧VDDを印加する。なお、選択されていない読出信号線に対しては、上記電圧VSSRを印加したままとする。たとえば、VDDの値を8Vに設定すればよい。
【0060】
なお、電圧VDDRを印加するタイミング、および電圧VDDを印加するタイミングについては、後述する。
【0061】
赤光センサ回路144Rは、フォトダイオード145Rと、コンデンサ146と、TFT147とを含む。なお、以下では、TFT147がn型チャネルの電界効果トランジスタであるとして説明する。ただし、TFT147がp型チャネルの電界効果トランジスタであってもよい。
【0062】
フォトダイオード145Rのアノードは、リセット信号線RSiに接続されている。一方、フォトダイオード145Rのカソードは、コンデンサ146の一方の電極に接続されている。また、コンデンサ146の他方の電極は、読出信号線RWiに接続されている。なお、以下では、フォトダイオード145Rとコンデンサ146との接続点をノードNと称する。
【0063】
TFT147のゲートは、ノードNに接続されている。また、TFT147のドレインは、センサ信号線SDRjに接続されている。さらに、TFT147のソースは、センサ信号線SSRjに接続されている。赤光センサ回路144Rを用いたセンシングの詳細については、後述する。
【0064】
スイッチ134は、センサ信号線(SDR1〜SDRn)に対して、予め定められた電圧を印加するか否かを切り換えるために設けられたスイッチである。スイッチ134の切り換え動作は、光センサ駆動回路133により行われる。なお、スイッチ134が導通状態となった場合にセンサ信号線(SDR1〜SDRn)に印加される電圧については、後述する。
【0065】
アンプ135は、各センサ信号線(SSR1〜SSRn)から出力された電圧を増幅する。なお、増幅された電圧は、「赤出力信号」として、図2に示した信号処理部190に送られる。
【0066】
なお、画素群141を用いて画像を液晶パネル140に表示させるタイミングと、赤光センサ回路144Rを用いてセンシングするタイミングとについては、画像処理エンジン180が制御する。
【0067】
同様に、緑光センサ回路144Gは、フォトダイオード145Gと、コンデンサ146と、TFT147とを含む。フォトダイオード145Gのアノードは、リセット信号線RSiに接続されている。一方、フォトダイオード145Gのカソードは、コンデンサ146の一方の電極に接続されている。また、コンデンサ146の他方の電極は、読出信号線RWiに接続されている。なお、以下では、フォトダイオード145Gとコンデンサ146との接続点をノードNと称する。
【0068】
TFT147のゲートは、ノードNに接続されている。また、TFT147のドレインは、センサ信号線SDGjに接続されている。さらに、TFT147のソースは、センサ信号線SSGjに接続されている。
【0069】
スイッチ134は、センサ信号線(SDG1〜SDGn)に対して、予め定められた電圧を印加するか否かを切り換えるために設けられたスイッチである。スイッチ134の切り換え動作は、光センサ駆動回路133により行われる。なお、スイッチ134が導通状態となった場合にセンサ信号線(SDG1〜SDGn)に印加される電圧については、後述する。
【0070】
アンプ135は、各センサ信号線(SSG1〜SSGn)から出力された電圧を増幅する。なお、増幅された電圧は、「緑出力信号」として、図2に示した信号処理部190に送られる。
【0071】
同様に、青光センサ回路144Bは、フォトダイオード145Bと、コンデンサ146と、TFT147とを含む。フォトダイオード145Bのアノードは、リセット信号線RSiに接続されている。一方、フォトダイオード145Bのカソードは、コンデンサ146の一方の電極に接続されている。また、コンデンサ146の他方の電極は、読出信号線RWiに接続されている。なお、以下では、フォトダイオード145Bとコンデンサ146との接続点をノードNと称する。
【0072】
TFT147のゲートは、ノードNに接続されている。また、TFT147のドレインは、センサ信号線SDBjに接続されている。さらに、TFT147のソースは、センサ信号線SSBjに接続されている。
【0073】
スイッチ134は、センサ信号線(SDB1〜SDBn)に対して、予め定められた電圧を印加するか否かを切り換えるために設けられたスイッチである。スイッチ134の切り換え動作は、光センサ駆動回路133により行われる。なお、スイッチ134が導通状態となった場合にセンサ信号線(SDB1〜SDBn)に印加される電圧については、後述する。
【0074】
アンプ135は、各センサ信号線(SSB1〜SSBn)から出力された電圧を増幅する。なお、増幅された電圧は、「青出力信号」として、図2に示した信号処理部190に送られる。
【0075】
図4は、液晶パネル140とバックライト179との断面図である。図4を参照して、液晶パネル140は、アクティブマトリクス基板151Aと、対向基板151Bと、液晶層152とを含む。対向基板151Bは、アクティブマトリクス基板151Aに対向して配置されている。液晶層152は、アクティブマトリクス基板151Aと対向基板151Bとに挟まれている。バックライト179は、アクティブマトリクス基板151Aに関し液晶層152と反対側に配されている。
【0076】
アクティブマトリクス基板151Aは、偏光フィルタ161と、ガラス基板162と、電極対143を構成する画素電極143aと、フォトダイオード145R(145G,145B)と、データ信号線157と、配向膜164とを含む。さらに、図4には示していないが、アクティブマトリクス基板151Aは、図3に示した、コンデンサ146と、TFT147と、TFT142と、走査信号線Giとを含む。
【0077】
また、アクティブマトリクス基板151Aにおいては、バックライト179側から、偏光フィルタ161、ガラス基板162、画素電極143a、および配向膜164が、この順に配されている。フォトダイオード145Rとデータ信号線157とは、ガラス基板162の液晶層152側に形成されている。
【0078】
対向基板151Bは、偏光フィルタ161と、ガラス基板162と、遮光膜163と、カラーフィルタ153R,153G,153Bと、電極対143を構成する対向電極143bと、配向膜164とを含む。
【0079】
また、対向基板151Bにおいては、液晶層152側から、配向膜164、対向電極143b、カラーフィルタ153R,153G,153B、ガラス基板162、および偏光フィルタ161が、この順に配されている。遮光膜163は、カラーフィルタ153R,153G,153Bと同一の層に形成されている。
【0080】
カラーフィルタ153Rは、赤色の波長の光を透過させるフィルタである。カラーフィルタ153Gは、緑色の波長の光を透過させるフィルタである。カラーフィルタ153Bは、青色の波長の光を透過させるフィルタである。図4では、フォトダイオード145Rは、カラーフィルタ153Rに対向する位置に配されている。
【0081】
液晶パネル140は、外光やバックライト179などの光源により発せられた光を遮ったり又は当該光を透過させたりすることによって、画像の表示をする。具体的には、液晶パネル140は、画素電極143aと対向電極143bとの間に電圧を印加することにより液晶層152の液晶分子の向きを変化させ、上記光を遮ったり、あるいは透過させたりする。ただし、液晶だけでは光を完全に遮ることができないため、特定の偏光方向の光のみを透過させる偏光フィルタ161を配置している。
【0082】
より詳細には、本実施の形態に係る液晶パネル140には、赤光センサ回路144Rのフォトダイオード145Rに対向して赤色成分の光を透過するカラーフィルタ153Rが配置されている。これによって、赤光センサ回路144Rは、赤色の波長の光を受光する。同様に、緑光センサ回路144Gのフォトダイオード145Gに対向して緑色成分の光を透過するカラーフィルタ153Gが配置されている。これによって、緑光センサ回路144Gは、緑色の波長の光を受光する。青光センサ回路144Bのフォトダイオード145Bに対向して青色成分の光を透過するカラーフィルタ153Bが配置されている。これによって、青光センサ回路144Bは、青色の波長の光を受光する。
【0083】
このような液晶パネル140においては、バックライト179から照射された白色光は、3つのカラーフィルタ153R,153G,153Bを透過し、液晶パネル140の表面では、赤、緑、および青とが混ざり白色光となる。ここで、スキャン対象物により白色光が反射されると、スキャン対象物の表面の色素に白色光の一部が吸収され、また一部が反射される。そして、反射された光は、各光センサ回路144R,144G,144Bに対向するカラーフィルタ153R,153G,153Bを透過する。
【0084】
すなわち、スキャン対象物によって反射された光はカラーフィルタ153R,153G,153Bによって3原色(R,G,B)に色分解され、各フォトダイオード145R,145G,145Bは、それぞれに対応した色の光を受光する。
【0085】
スキャン対象物の表面の色素に白色光の一部が吸収されると、各フォトダイオード145R,145G,145Bの受光量が各フォトダイオード145R,145G,145Bで異なることになる。このため、センサ信号線SSRjとセンサ信号線SSGjとセンサ信号線SSBjとの出力電圧(出力信号)は互いに異なる。それゆえ、各出力電圧に応じて、Rの階調とGの階調とBの階調とを画像処理エンジン180が決定することにより、画像処理エンジン180はRGBのカラーの画像データを本体装置101へ送ることができる。
【0086】
以上述べたように、本実施の形態に係る表示装置102は、スキャン対象物をカラーでスキャンできることになる。
【0087】
次に、赤光センサ回路144R(緑光センサ回路144G、青光センサ回路144B)の動作について説明する。図5は、赤光センサ回路144Rを動作させる際のタイミングチャートを示した図である。図5において、電圧VINTは、赤光センサ回路144R内のノードNにおける電位を示している。また、電圧VPIXは、図3に示したセンサ信号線SSRjからの出力電圧であって、アンプ135によって増幅される前の電圧を示している。
【0088】
以下では、赤光センサ回路144Rをリセットするためのリセット期間と、赤光センサ回路144Rを用いて光をセンシングするためのセンシング期間と、センシングした結果を読み出す読出期間とに分けて説明する。
【0089】
まず、リセット期間について説明する。リセット期間においては、リセット信号線RSiに印加する電圧を、ローレベル(電圧VSSR)からハイレベル(電圧VDDR)へと瞬間的に切り換える。一方、読出信号線RWiに印加する電圧は、ローレベル(電圧VSSR)のままとする。このように、リセット信号線RSiに上記ハイレベルの電圧を印加することにより、フォトダイオード145の順方向(アノード側からカソード側)に電流が流れ始める。その結果、ノードNの電位である電圧VINTは、以下の式(A)で示す値となる。なお、式(A)では、フォトダイオード145における順方向の電圧降下量をVfとしている。
【0090】
VINT=VSSR+|VDDR−VSSR|−Vf・・・(A)
それゆえ、ノードNの電位は、図5に示すとおり、電圧VDDRよりもVfだけ小さな値となる。
【0091】
ここで、電圧VINTは、TFT147のゲートをターンオンさせる閾値以下であるため、センサ信号線SSRjからの出力はない。このため、電圧VPIXは変化しない。また、コンデンサ146の電極間には、上記電圧VINT分の差が生じる。このため、コンデンサ146には、当該差に応じた電荷が蓄積される。
【0092】
次に、センシング期間について説明する。リセット期間に続くセンシング期間においては、リセット信号線RSiに印加する電圧は、ハイレベル(電圧VDDR)からローレベル(電圧VSSR)へと瞬間的に切り換わる。一方、読出信号線RWiに印加する電圧は、ローレベル(電圧VSSR)のままとする。
【0093】
このように、リセット信号線RSiに印加する電圧をローレベルに変化させることにより、ノードNの電位は、リセット信号線RSiの電圧および読出信号線RWiの電圧よりも高くなる。このため、フォトダイオード145においては、カソード側の電圧がアノード側の電圧よりも高くなる。つまり、フォトダイオード145は、逆バイアスの状態となる。このような逆バイアスの状態において、光源からの光をフォトダイオード145が受光すると、フォトダイオード145のカソード側からアノード側へと電流が流れ始める。その結果、図5に示すとおり、ノードNの電位(つまり、電圧VINT)は時間の経過とともに低くなる。
【0094】
なお、このように電圧VINTが低下し続けるため、TFT147のゲートはターンオンした状態にはならない。それゆえ、センサ信号線SSRjからの出力はない。このため、電圧VPIXは変化しない。
【0095】
次に、読出期間について説明する。センシング期間に続く読出期間においては、リセット信号線RSiに印加する電圧をローレベル(電圧VSSR)のままとする。一方、読出信号線RWiに印加する電圧は、ローレベル(電圧VSSR)からハイレベル(電圧VDD)へと瞬間的に切り換わる。ここで、電圧VDDは、電圧VDDRよりも高い値である。
【0096】
このように、読出信号線RWiにハイレベルの電圧を瞬間的に印加することにより、図5に示すとおり、コンデンサ146を介してノードNの電位が引き上げられる。なお、ノードNの電位の上昇幅は、読出信号線RWiに印加する電圧に応じた値となる。ここで、ノードNの電位(つまり、電圧VINT)が、TFT147のゲートをターンオンさせる閾値以上まで引き上げられるため、TFT147のゲートがターンオンする。
【0097】
この際、TFT147のドレイン側に接続されたセンサ信号線SDRj(図3参照)に予め一定電圧を印加しておけば、TFT147のソース側に接続されたセンサ信号線SSRjからは、図5のVPIXのグラフに示すとおり、ノードNの電位に応じた電圧が出力される。
【0098】
ここで、フォトダイオード145が受光する光の量(以下、受光量と称する)が少ないと、図5のVINTのグラフに示す直線の傾きが緩やかになる。その結果、電圧VPIXは、受光量が多い場合に比べて高くなる。このように、赤光センサ回路144Rは、フォトダイオード145Rの受光量に応じて、センサ信号線SSRjに出力する電圧の値を変化させる。
【0099】
ところで、上記においては、m×n個存在する光センサ回路のうち、1つの赤光センサ回路144Rに着目して、その動作を説明した。以下では、液晶パネル140における各赤光センサ回路144Rの動作について説明する。
【0100】
まず、光センサ駆動回路133は、n個のセンサ信号線(SDR1〜SDRn)の全てに対して、予め定められた電圧を印加する。次に、光センサ駆動回路133は、リセット信号線RS1に対して、通常よりもハイレベルな電圧VDDRを印加する。なお、他のリセット信号線(RS2〜RSm)および読出信号線(RW1〜RWm)については、ローレベルの電圧を印加したままの状態とする。これにより、図3における1行目のn個の光センサ回路が、上述したリセット期間に入る。その後、1行目のn個の光センサ回路は、センシング期間に入る。さらに、その後、1行目のn個の光センサ回路は、読出期間に入る。
【0101】
なお、n個のセンサ信号線(SDR1〜SDRn)の全てに対して予め定められた電圧を印加するタイミングは、上記のタイミングに限定されず、少なくとも読出期間前に印加されるタイミングであればよい。
【0102】
1行目のn個の光センサ回路の読出期間が終了すると、光センサ駆動回路133は、リセット信号線RS2に対して、通常よりもハイレベルな電圧VDDRを印加する。つまり、2行目のn個の光センサ回路のリセット期間に入る。リセット期間が終了すると、2行目のn個の光センサ回路は、センシング期間に入り、その後は、読出期間に入る。
【0103】
以降は、上述した処理が、順に、3行目のn個の光センサ回路、4行目のn個の光センサ回路、…m行目のn個の光センサ回路に対して行われる。その結果、センサ信号線(SS1〜SSn)からは、1行目のセンシング結果、2行目のセンシング結果、…、m行目のセンシング結果が、この順に出力される。
【0104】
なお、表示装置102においては、上記のように行毎にセンシングが行われるとともに、行毎にセンシング結果(出力信号)が液晶パネル140から出力される。このため、以下では、液晶パネル140から出力される1行目からm行目までのm行分の電圧に関するデータに対して、信号処理部190が上述したデータ処理を行った後のデータを、「スキャンデータ」と称する。つまり、スキャンデータとは、スキャン対象物(たとえば、ユーザの指)をスキャンすることにより得られる画像データを指す。また、当該スキャンデータに基づいて表示された画像を、「スキャン画像」と称する。さらに、以下では、センシングを「スキャン」と称する。
【0105】
また、上記においては、m×n個の赤光センサ回路144Rの全てを用いてスキャンを行う構成を例に挙げたが、これに限定されるものではない。予め選択された光センサ回路を用いて、液晶パネル140の表面の一部の領域に関してスキャンを行うことも構成としてもよい。
【0106】
以下では、電子機器100が、両構成のいずれの構成をも採れるものとする。さらに、当該構成間の切り換えは、操作キー177を介した入力などに基づく本体装置101から送られてくるコマンドにより行われるものとする。なお、液晶パネル140の表面の一部の領域に関してスキャンを行う場合、画像処理エンジン180が、スキャン対象領域の設定を行う。なお、当該領域の設定を、操作キー177を介してユーザが指定できる構成としてもよい。
【0107】
このように、液晶パネル140の表面の一部の領域に関してスキャンを行う場合には、画像の表示に関し、以下のような利用の態様がある。1つ目は、上記一部の領域(以下、スキャン領域と称する)以外の表面の領域において、画像を表示させる態様である。2つ目は、上記スキャン領域以外の表面の領域において、画像を表示させない態様である。いずれの態様とするかは、本体装置101から画像処理エンジン180に送られてくるコマンドに基づく。
【0108】
なお、緑光センサ回路144G、青光センサ回路144Bについての動作は、赤光センサ回路144Rと同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0109】
図6は、液晶パネル140とバックライト179との断面図であって、スキャンの際にフォトダイオード145R,145G,145Bがバックライト179からの光を受光する構成を示した図である。
【0110】
図6を参照して、ユーザの指900が液晶パネル140の表面に接触している場合、バックライト179から発せられた光の一部は、当該接触している領域ではユーザの指900(略平面)にて反射される。そして、フォトダイオード145R,145G,145Bは、当該反射された光を受光する。
【0111】
また、指900が接触していない領域においても、バックライト179から発せられた光の一部は、ユーザの指900にて反射される。この場合においても、フォトダイオード145R,145G,145Bは、当該反射された光を受光する。ただし、当該領域においては液晶パネル140の表面に指900が接触していないため、指900が接触している領域よりも、フォトダイオード145R,145G,145Bの受光量は少なくなる。なお、バックライト179から発せられた光のうち、ユーザの指900に到達しない光のほとんどについては、フォトダイオード145R,145G,145Bは受光できない。
【0112】
ここで、バックライト179を、少なくともセンシング期間においては点灯させておくことにより、光センサ回路144R,144G,144Bは、ユーザの指900により反射した光の光量に応じた電圧をセンサ信号線SSRj,SSGj,SSBjから出力することができる。このように、バックライト179の点灯と消灯とを制御することにより、液晶パネル140では、指900の接触位置、指900の接触している範囲(指900の押圧力によって定まる)、液晶パネル140の表面に対する指900の方向などに応じて、センサ信号線(SSR1〜SSRn,SSG1〜SSGn,SSB1〜SSBn)から出力される電圧が変化することになる。
【0113】
以上により、表示装置102は、指900によって光が反射されることにより得られる像(以下、反射像とも称する)をスキャンすることができる。なお、指900以外のスキャン対象物としては、スタイラスなどが挙げられる。
【0114】
ところで、本実施の形態においては、電子機器100の表示装置として液晶パネルを例に挙げて説明しているが、液晶パネルの代わりに有機EL(Electro-Luminescence)パネルなどの他のパネルを用いてもよい。
【0115】
<データについて>
次に、センシングコマンドについて説明する。なお、表示装置102においては、画像処理エンジン180は、センシングコマンドの内容を解析し、当該解析の結果に従ったデータ(つまり、応答データ)を本体装置101に送り返す。
【0116】
図7は、センシングコマンドの概略構成を示した図である。図7を参照して、センシングコマンドは、ヘッダのデータ領域DA01と、タイミングを示すデータ領域DA02と、データ種別を示すデータ領域DA03と、読取方式を示すデータ領域DA04と、画像階調を示すデータ領域DA05と、解像度を示すデータ領域DA06と、予備のデータ領域DA07とを含む。
【0117】
図8は、センシングコマンドの各領域におけるデータの値と、当該値が示す意味内容とを示した図である。
【0118】
図8を参照して、タイミングを示すデータ領域に「00」が設定されたセンシングコマンドは、画像処理エンジン180に対して、そのときのスキャンデータの送信を要求する。つまり、センシングコマンドは、当該センシングコマンドを画像処理エンジン180が受信した後に、各光センサ回路144R,144G,144Bを用いてスキャンすることにより得られるスキャンデータの送信を要求する。また、タイミングを示すデータ領域に「01」が設定されたセンシングコマンドは、スキャン結果に変化があったときのスキャンデータの送信を要求する。さらに、タイミングを示すデータ領域に「10」が設定されたセンシングコマンドは、一定周期毎にスキャンデータの送信を要求する。
【0119】
データ種別を示すデータ領域に「001」が設定されたセンシングコマンドは、部分画像における中心座標の座標値の送信を要求する。また、データ種別を示すデータ領域に「010」が設定されたセンシングコマンドは、スキャン結果が変化した部分画像のみの送信を要求する。なお、スキャン結果が変化したとは、前回のスキャン結果と今回のスキャン結果が異なっていることを指す。さらに、データ種別を示すデータ領域に「100」が設定されたセンシングコマンドは、全体画像の送信を要求する。
【0120】
ここで、「全体画像」とは、m×n個の光センサ回路144R,144G,144Bを用いてスキャンした際に、各光センサ回路144R,144G,144Bから出力される電圧に基づいて、画像処理エンジン180により生成された画像である。また、「部分画像」とは、全体画像の一部である。部分画像に関して、スキャン結果が変化した部分画像のみの送信を要求する構成とした理由については後述する。
【0121】
なお、上記座標値と上記部分画像または上記全体画像とを同時に要求する構成としてもよい。また、液晶パネル140の表面の一部の領域に関してスキャンを行う構成の場合には、上記全体画像はスキャンが行われる領域に対応した画像となる。
【0122】
読取方式を示すデータ領域に「00」が設定されたセンシングコマンドは、バックライト179を点灯してスキャンすることを要求する。また、読取方式を示すデータ領域に「01」が設定されたセンシングコマンドは、バックライト179を消灯してスキャンすることを要求する。なお、バックライト179を消灯してスキャンする構成については後述する(図11)。さらに、読取方式を示すデータ領域に「10」が設定されたセンシングコマンドは、反射と透過とを併用してスキャンすることを要求する。なお、反射と透過とを併用するとは、バックライト179を点灯してスキャンする方式と、バックライトを消灯してスキャンする方式とを切り換えて、スキャン対象物のスキャンを行うことを指す。
【0123】
画像階調を示すデータ領域に「00」が設定されたセンシングコマンドは、白黒の2値の画像データを要求する。また、画像階調を示すデータ領域に「01」が設定されたセンシングコマンドは、多階調の画像データを要求する。さらに、画像階調を示すデータ領域に「10」が設定されたセンシングコマンドは、RGBのカラーの画像データを要求する。また、画像階調を示すデータ領域に「11」が設定されたセンシングコマンドは、YUVのカラーの画像データを要求する。
【0124】
解像度を示すデータ領域に「0」が設定されたセンシングコマンドは、解像度の高い画像データを要求する。また、解像度を示すデータ領域に「1」が設定されたセンシングコマンドは、解像度の低い画像データを要求する。
【0125】
また、センシングコマンドには、図7および図8に示したデータ以外に、スキャンを行う領域(光センサ回路を駆動する画素の領域)の指定、スキャンを行うタイミング、バックライト179の点灯のタイミングなどが記述されている。
【0126】
図9は、応答データの概略構成を示した図である。応答データは、センシングコマンドの内容に応じたデータであって、表示装置102の画像処理エンジン180が本体装置101に対して送信するデータである。
【0127】
図9を参照して、応答データは、ヘッダのデータ領域DA11と、座標を示すデータ領域DA12と、時刻を示すデータ領域DA13と、画像を示すデータ領域DA14とを含む。ここで、座標を示すデータ領域DA12には、部分画像の中心座標の値が書き込まれる。また、時刻を示すデータ領域には、画像処理エンジン180のタイマ182から取得した時刻情報が書き込まれる。さらに、画像を示すデータ領域には、画像処理エンジン180により処理がされた後の画像データ(つまり、スキャンデータ)が書き込まれる。
【0128】
図10は、指900をスキャンすることにより得られた画像(つまり、スキャン画像)を示した図である。図10を参照して、太実線で囲まれた領域W1の画像が全体画像であり、破線で囲まれた領域P1の画像が部分画像である。また、太線で示した十字の中心点C1が、中心座標となる。
【0129】
本実施の形態では、矩形の領域であって、かつセンサ信号線SSRj,SSGj,SSBjからの出力電圧が予め定められた値以上となった光センサ回路が備えられた画素(つまり、予め定められた階調または予め定められた輝度以上の画素)全てを含む領域を、部分画像の領域としている。
【0130】
また、中心座標は、部分画像の領域における各画素の階調を考慮して決定される座標である。具体的には、中心座標は、部分画像内の各画素に関し、画素の階調と、当該画素と上記矩形の中心点(つまり図心)との距離とに基づき、重み付け処理を行うことにより決定される。つまり、中心座標は、部分画像の図心とは必ずしも一致しない。
【0131】
ただし、必ずしも中心座標の位置は上記に限定されるものではなく、中心座標を上記図心の座標あるいは図心の近傍の座標としてもよい。
【0132】
センシングコマンドのデータ種別を示すデータ領域に「001」が設定されている場合には、画像処理エンジン180は、座標を示すデータ領域DA12に上記中心座標の値を書き込む。この場合、画像処理エンジン180は、画像を示すデータ領域DA14には画像データを書き込まない。画像処理エンジン180は、上記中心座標の値の書き込みを行なった後、当該中心座標の値を含む応答データを本体装置101に送る。このように、データ種別を示すデータ領域に「001」が設定されている場合には、センシングコマンドは、画像データの出力を要求せずに、中心座標の値の出力を要求する。
【0133】
また、センシングコマンドのデータ種別を示すデータ領域に「010」が設定されている場合には、画像処理エンジン180は、画像を示すデータ領域DA14に、スキャン結果が変化した部分画像の画像データを書き込む。この場合、画像処理エンジン180は、中心座標の値を座標を示すデータ領域DA12に書き込まない。画像処理エンジン180は、上記スキャン結果が変化した部分画像の画像データの書き込みを行なった後、当該部分画像の画像データを含む応答データを本体装置101に送る。このように、データ種別を示すデータ領域に「010」が設定されている場合には、センシングコマンドは、中心座標の値の出力を要求せずに、スキャン結果が変化した部分画像の画像データの出力を要求する。
【0134】
なお、上記のように、スキャン結果が変化した部分画像のみの送信を要求する構成とした理由は、スキャンデータのうち部分画像の領域のスキャンデータが、当該領域以外のスキャンデータよりも重要度の高いデータであること、および、指900などのスキャン対象物との接触状態により、スキャンデータのうち部分画像の領域に相当する領域のスキャンデータが変化しやすいことによる。
【0135】
また、センシングコマンドのデータ種別を示すデータ領域に「011」が設定されている場合には、画像処理エンジン180は、座標を示すデータ領域DA12に中心座標の値を書き込むとともに、画像を示すデータ領域DA14にスキャン結果が変化した部分画像の画像データを書き込む。その後、画像処理エンジン180は、当該中心座標の値と当該部分画像の画像データとを含む応答データを本体装置101に送る。このように、データ種別を示すデータ領域に「011」が設定されている場合には、センシングコマンドは、中心座標の値の出力と、スキャン結果が変化した部分画像の画像データの出力とを要求する。
【0136】
また、センシングコマンドのデータ種別を示すデータ領域に「100」が設定されている場合には、画像処理エンジン180は、図10に示した応答データの画像を示すデータ領域DA14に、全体画像の画像データを書き込む。この場合、画像処理エンジン180は、中心座標の値を座標を示すデータ領域DA12に書き込まない。画像処理エンジン180は、上記全体画像の画像データの書き込みを行なった後、当該全体画像の画像データを含む応答データを本体装置101に送る。このように、データ種別を示すデータ領域に「100」が設定されている場合には、センシングコマンドは、中心座標の値の出力を要求せずに、全体画像の画像データの出力を要求する。
【0137】
また、センシングコマンドのデータ種別を示すデータ領域に「101」が設定されている場合には、画像処理エンジン180は、座標を示すデータ領域DA12に中心座標の値を書き込むとともに、画像を示すデータ領域DA14に全体画像の画像データを書き込む。その後、画像処理エンジン180は、当該中心座標の値と当該全体画像の画像データとを含む応答データを本体装置101に送る。このように、データ種別を示すデータ領域に「101」が設定されている場合には、センシングコマンドは、中心座標の値の出力と、全体画像の画像データの出力とを要求する。
【0138】
次に、図6を参照して説明したスキャンの方法(つまり、反射像をスキャンする方法)とは異なるスキャンの方法について、図11を参照して説明する。
【0139】
図11は、スキャンの際にフォトダイオードが外光を受光する構成を示した断面図である。図11を参照して、外光の一部は、指900によって遮られる。それゆえ、指900と接触している液晶パネル140の表面領域の下部に配されたフォトダイオードは、ほとんど外光を受光できない。また、指900の影が形成された表面領域の下部に配されたフォトダイオードは、ある程度の外光を受光できるものの、影が形成されていない表面領域に比べると外光の受光量が少ない。
【0140】
ここで、バックライト179を、少なくともセンシング期間においては消灯させておくことにより、光センサ回路144R,144G,144Bは、液晶パネル140の表面に対する指900の位置に応じた電圧をセンサ信号線SSRj,SSGj,SSBjから出力することができる。このように、バックライト179を点灯と消灯とを制御することにより、液晶パネル140では、指900の接触位置、指900の接触している範囲(指900の押圧力によって定まる)、液晶パネル140の表面に対する指900の方向などに応じて、センサ信号線(SSR1〜SSRn,SSG1〜SSGn,SSB1〜SSBn)から出力される電圧が変化することになる。
【0141】
以上により、表示装置102は、指900によって外光が遮られることにより得られる像(以下、影像とも称する)をスキャンすることができる。
【0142】
さらに、表示装置102を、バックライト179を点灯させてスキャンを行った後に、バックライト179を消灯させて再度スキャンを行う構成としてもよい。あるいは、表示装置102を、バックライト179を消灯させてスキャンを行った後に、バックライト179を点灯させて再度スキャンを行う構成としてもよい。
【0143】
この場合には、2つのスキャン方式を併用することになるため、2つのスキャンデータを得ることができる。それゆえ、一方のスキャン方式のみを用いてスキャンする場合に比べて、精度の高い結果を得ることができる。
【0144】
液晶パネル140は上記のように構成されるので、本体装置101のCPU110は、動画像撮影モードにおいて、液晶パネル140からの一連の画像データを動画像データとしてRAM171などに記憶する。また、本体装置101のCPU110は、静止画像撮影モードにおいて、液晶パネル140からの画像データを静止画像データとしてRAM171などに記憶する。
【0145】
<本実施の形態に係る信号処理部の機能構成>
以下では、図1〜図6、図12を参照して、本実施の形態に係る表示装置102の信号処理部190の機能構成について説明する。なお、図12は、本実施の形態に係る信号処理部190の機能構成を示すブロック図である。
【0146】
図12を参照して、本実施の形態に係る信号処理部190は、サンプリング部191と、補正処理部192と、輪郭補正部193と、ホワイトバランス部194と、ガンマ処理部195と、傷補正部196と、色空間変換部197とを含む。上述したように、これらの各ブロックの機能は、CPUがプログラムを実行することによって実現してもよいし、各々を専用のハードウェア回路等によって実現してもよい。
【0147】
まず、サンプリング部191は、赤光センサ回路144Rからの出力(赤出力信号)を受け付けて、赤出力信号(アナログ信号)を赤デジタルデータへと変換する。サンプリング部191は、緑光センサ回路144Gからの出力(緑出力信号)を受け付けて、緑出力信号(アナログ信号)を緑デジタルデータへと変換する。サンプリング部191は、青光センサ回路144Bからの出力(青出力信号)を受け付けて、青出力信号(アナログ信号)を青デジタルデータへと変換する。
【0148】
前述したように、赤出力信号は、液晶パネル140の赤光センサ回路144Rからの出力電圧の値である。そして、赤デジタルデータは、赤光センサ回路144Rに入射された光の強度(明度)を示す。
【0149】
緑出力信号は、液晶パネル140の緑光センサ回路144Gからの出力電圧の値である。そして、緑デジタルデータは、緑光センサ回路144Gに入射された光の強度を示す。
【0150】
青出力信号は、液晶パネル140の青光センサ回路144Bからの出力電圧の値である。そして、青デジタルデータは、青光センサ回路144Bに入射された光の強度を示す。
【0151】
補正処理部192は、静止画像撮影モードにおいて、サンプリング部191からのデジタルデータに基づいて、各光センサ群144毎に、4つ(2×2)の画素データを生成する。ここで、画素データの各々は、Rデータ、Gデータ、Bデータを含む。より詳細には、補正処理部192は、対象となる光センサ群144の光センサ回路144R,144G,144Bからの(サンプリング処理後の)デジタルデータと、当該対象となる光センサ群144の周囲に配置される光センサ群144の光センサ回路144R,144G,144Bからのデジタルデータとに基づいて、光センサ群144に対応する4つの画素データを生成する。
【0152】
(補完処理)
以下、補正処理部192が実行する補完処理(画素データ生成処理)について説明する。図1を参照して、本実施の形態に係る補正処理部192は、静止画像撮影モードにおいては、光センサ群144毎に、2×2の画素データを生成する。ここで、2×2の画素データは、仮想の左上光センサ群144LUに対応する左上画素データと、仮想の左下光センサ群144LDに対応する左下画素データと、仮想の右下光センサ群144RDに対応する右下画素データと、仮想の右上光センサ群144RUに対応する右上画素データとを含む。
【0153】
なお、仮想の左上光センサ群144LUは、光センサ群144のうち、図1における2点鎖線で囲まれる左上の領域である。仮想の左下光センサ群144LDは、光センサ群144のうち、図1における2点鎖線で囲まれる左下の領域である。仮想の右下光センサ群144RDは、光センサ群144のうち、図1における2点鎖線で囲まれる右下の領域である。仮想の右上光センサ群144RUは、光センサ群144のうち、図1における2点鎖線で囲まれる右上の領域である。
【0154】
まず、補正処理部192が、仮想の左上光センサ群144LUに対応する左上画素データ(Rデータ、Gデータ、Bデータ)を生成する処理について説明する。図13は、補正処理部192による仮想の左上光センサ群144LUに対応する左上画素データ(Rデータ、Gデータ、Bデータ)を生成する際の処理方法を示すイメージ図である。
【0155】
なお、図13において、R11は、対象となる光センサ群144の左上に配置される光センサ群144の赤光センサ回路144Rからのデジタルデータを示す。R12は、対象となる光センサ群144の左側に配置される光センサ群144の赤光センサ回路144Rからのデジタルデータを示す。R13は、対象となる光センサ群144の左下に配置される光センサ群144の赤光センサ回路144Rからのデジタルデータを示す。R21は、対象となる光センサ群144の上側に配置される光センサ群144の赤光センサ回路144Rからのデジタルデータを示す。R22は、対象となる光センサ群144の赤光センサ回路144Rからのデジタルデータを示す。R23は、対象となる光センサ群144の下側に配置される光センサ群144の赤光センサ回路144Rからのデジタルデータを示す。R31は、対象となる光センサ群144の右上に配置される光センサ群144の赤光センサ回路144Rからのデジタルデータを示す。R32は、対象となる光センサ群144の右側に配置される光センサ群144の赤光センサ回路144Rからのデジタルデータを示す。R33は、対象となる光センサ群144の右下に配置される光センサ群144の赤光センサ回路144Rからのデジタルデータを示す。
【0156】
同様に、G11は、対象となる光センサ群144の左上に配置される光センサ群144の緑光センサ回路144Gからのデジタルデータを示す。G12は、対象となる光センサ群144の左側に配置される光センサ群144の緑光センサ回路144Gからのデジタルデータを示す。G13は、対象となる光センサ群144の左下に配置される光センサ群144の緑光センサ回路144Gからのデジタルデータを示す。G21は、対象となる光センサ群144の上側に配置される光センサ群144の緑光センサ回路144Gからのデジタルデータを示す。G22は、対象となる光センサ群144の緑光センサ回路144Gからのデジタルデータを示す。G23は、対象となる光センサ群144の下側に配置される光センサ群144の緑光センサ回路144Gからのデジタルデータを示す。G31は、対象となる光センサ群144の右上に配置される光センサ群144の緑光センサ回路144Gからのデジタルデータを示す。G32は、対象となる光センサ群144の右側に配置される光センサ群144の緑光センサ回路144Gからのデジタルデータを示す。G33は、対象となる光センサ群144の右下に配置される光センサ群144の緑光センサ回路144Gからのデジタルデータを示す。
【0157】
同様に、B11は、対象となる光センサ群144の左上に配置される光センサ群144の青光センサ回路144Bからのデジタルデータを示す。B12は、対象となる光センサ群144の左側に配置される光センサ群144の青光センサ回路144Bからのデジタルデータを示す。B13は、対象となる光センサ群144の左下に配置される光センサ群144の青光センサ回路144Bからのデジタルデータを示す。B21は、対象となる光センサ群144の上側に配置される光センサ群144の青光センサ回路144Bからのデジタルデータを示す。B22は、対象となる光センサ群144の青光センサ回路144Bからのデジタルデータを示す。B23は、対象となる光センサ群144の下側に配置される光センサ群144の青光センサ回路144Bからのデジタルデータを示す。B31は、対象となる光センサ群144の右上に配置される光センサ群144の青光センサ回路144Bからのデジタルデータを示す。B32は、対象となる光センサ群144の右側に配置される光センサ群144の青光センサ回路144Bからのデジタルデータを示す。B33は、対象となる光センサ群144の右下に配置される光センサ群144の青光センサ回路144Bからのデジタルデータを示す。
【0158】
図1および図13を参照して、補正処理部192は、対象となる光センサ群144の赤光センサ回路144Rからのデジタルデータと、対象となる仮想の左上光センサ群144LUの中心位置LUに最も近い他の光センサ群144の赤光センサ回路144Rからのデジタルデータとに基づいて、左上画素データのRデータを生成する。たとえば、補正処理部192は、当該デジタルデータの平均値をRデータとすることができる。
【0159】
補正処理部192は、仮想の左上光センサ群144LUの中心位置からの距離に応じて複数の赤光センサ回路144Rからのデジタルデータに重み付けした加重平均値をRデータとして出力してもよい。本実施の形態においては、補正処理部192は、以下の式(1)に基づいて、左上画素データのRデータを計算する。
【0160】
R=R21×(Py−K)/Py+R22×K/Py・・・(1)
ここで、
Px:各画素回路141R,141G,141Bの横サイズ
Py:各画素回路141R,141G,141Bの縦サイズ
Sx:各光センサ回路144R,144G,144Bの横サイズ
Sy:各光センサ回路144R,144G,144Bの縦サイズ
K=(Py+Sy)/4
である。
【0161】
同様に、補正処理部192は、対象となる光センサ群144の緑光センサ回路144Gからのデジタルデータに基づいて、左上画素データのGデータを生成する。すなわち、本実施の形態においては、補正処理部192は、以下の式(2)に基づいて、左上画素データのGデータを計算する
G=G22・・・(2)
同様に、補正処理部192は、対象となる光センサ群144の赤光センサ回路144Rからのデジタルデータと、対象となる仮想の左上光センサ群144LUの中心位置LUに最も近い他の光センサ群144の青光センサ回路144Bからのデジタルデータとに基づいて、左上画素データのBデータを生成する。たとえば、補正処理部192は、当該デジタルデータの平均値をBデータとすることができる。
【0162】
補正処理部192は、仮想の左上光センサ群144LUの中心位置LUからの距離に応じて複数の青光センサ回路144Bからのデジタルデータに重み付けした加重平均値をBデータとして出力してもよい。本実施の形態においては、補正処理部192は、以下の式(3)に基づいて、左上画素データのBデータを計算する。
【0163】
B=B11×(Py−K)/Py+B22×K/Py・・・(3)
以上から、たとえば、Px=Sx=Sy=2、Py=5、R21=10、R22=2、B11=20、B22=1の場合には、
K=1.75
R=7.2
B=13.35
となる。
【0164】
次に、補正処理部192が、仮想の左下光センサ群144LDに対応する左下画素データ(Rデータ、Gデータ、Bデータ)を生成する処理について説明する。図14は、補正処理部192による仮想の左下光センサ群144LDに対応する左下画素データ(Rデータ、Gデータ、Bデータ)を生成する際の処理方法を示すイメージ図である。なお、各種変数の定義は、図13のそれと同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0165】
図1および図14を参照して、補正処理部192は、対象となる光センサ群144の赤光センサ回路144Rからのデジタルデータに基づいて、左下画素データのRデータを生成する。すなわち、本実施の形態においては、補正処理部192は、以下の式(4)に基づいて、左上画素データのRデータを計算する。
【0166】
R=R22・・・(4)
同様に、補正処理部192は、対象となる光センサ群144の赤光センサ回路144Rからのデジタルデータと、対象となる仮想の左下光センサ群144LDの中心位置LDに最も近い他の光センサ群144の緑光センサ回路144Gからのデジタルデータに基づいて、左下画素データのGデータを生成する。たとえば、補正処理部192は、当該デジタルデータの平均値をGデータとすることができる。
【0167】
補正処理部192は、仮想の左下光センサ群144LDの中心位置LDからの距離に応じて複数の緑光センサ回路144Gからのデジタルデータに重み付けした加重平均値をGデータとして出力してもよい。本実施の形態においては、補正処理部192は、以下の式(5)に基づいて、左上画素データのBデータを計算する。
【0168】
G=G23×(Py−K)/Py+G22×K/Py・・・(5)
同様に、補正処理部192は、対象となる光センサ群144の青光センサ回路144Bからのデジタルデータと、対象となる仮想の左下光センサ群144LDの中心位置LDに最も近い他の光センサ群144の青光センサ回路144Bからのデジタルデータとに基づいて、左下画素データのBデータを生成する。たとえば、補正処理部192は、当該デジタルデータの平均値をBデータとすることができる。
【0169】
補正処理部192は、仮想の左下光センサ群144LDの中心位置LDからの距離に応じて複数の青光センサ回路144Bからのデジタルデータに重み付けした加重平均値をBデータとして出力してもよい。本実施の形態においては、補正処理部192は、以下の式(6)に基づいて、左下画素データのBデータを計算する。
【0170】
B=B12×2/3+B22×1/3・・・(6)
ここでは、各光センサ回路144R,144G,144Bのセンサー幅が等しいことから、説明のために計算を簡略化している。すなわち、補正処理部192は、左下光センサ群144LDの中心位置LDに近い青光センサ回路144BからのデジタルデータB12に2/3を乗じて、左下光センサ群144LDの中心位置LDから遠い青光センサ回路144BからのデジタルデータB22に1/3を乗じる。
【0171】
以上から、たとえば、Px=Sx=Sy=2、Py=5、G22=10、G23=2、B12=20、B22=1の場合には、
K=1.75
G=4.8
B=13.67
となる。
【0172】
次に、補正処理部192が、仮想の右下光センサ群144RDに対応する右下画素データ(Rデータ、Gデータ、Bデータ)を生成する処理について説明する。図15は、補正処理部192による仮想の右下光センサ群144RDに対応する右下画素データ(Rデータ、Gデータ、Bデータ)を生成する際の処理方法を示すイメージ図である。なお、各種変数の定義は、図13のそれと同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0173】
図1および図15を参照して、補正処理部192は、対象となる光センサ群144の赤光センサ回路144Rからのデジタルデータと、対象となる仮想の右下光センサ群144RDの中心位置RUに最も近い他の光センサ群144の赤光センサ回路144Rからのデジタルデータとに基づいて、右下画素データのRデータを生成する。本実施の形態においては、補正処理部192は、以下の式(7)に基づいて、右下画素データのRデータを計算する。
【0174】
R=R32×2/3+R22×1/3・・・(7)
ここでは、各光センサ回路144R,144G,144Bのセンサー幅が等しいことから、説明のために計算を簡略化している。すなわち、補正処理部192は、右下光センサ群144RDの中心位置RDに近い赤光センサ回路144RからのデジタルデータR32に2/3を乗じて、右下光センサ群144RDの中心位置RDから遠い赤光センサ回路144RからのデジタルデータR22に1/3を乗じる。
【0175】
同様に、補正処理部192は、対象となる光センサ群144の緑光センサ回路144Gからのデジタルデータと、対象となる仮想の右下光センサ群144RDの中心位置RDに最も近い他の光センサ回路144の緑光センサ回路144Gからのデジタルデータとに基づいて、右下画素データのGデータを生成する。たとえば、補正処理部192は、当該デジタルデータの平均値をGデータとすることができる。
【0176】
補正処理部192は、仮想の右下光センサ群144RDの中心位置RDからの距離に応じて複数の緑光センサ回路144Gからのデジタルデータに重み付けした加重平均値をGデータとして出力してもよい。本実施の形態においては、補正処理部192は、以下の式(8)に基づいて、右下画素データのGデータを計算する。
【0177】
G=G22×(Py−K)/Py+G33×K/Py・・・(8)
同様に、補正処理部192は、対称となる光センサ群144の青光センサ回路144Bからのデジタルデータに基づいて、右下画素データのBデータを生成する。すなわち、本実施の形態においては、補正処理部192は、以下の式(9)に基づいて、右下画素データのBデータを計算する。
【0178】
B=B22・・・(9)
以上から、たとえば、Px=Sx=Sy=2、Py=5、R22=1、R32=20、G22=10、G33=2の場合には、
K=1.75
R=13.67
G=7.2
となる。
【0179】
次に、補正処理部192が、仮想の右上光センサ群144RUに対応する右上画素データ(Rデータ、Gデータ、Bデータ)を生成する処理について説明する。図16は、補正処理部192による仮想の右上光センサ群144RUに対応する右上画素データ(Rデータ、Gデータ、Bデータ)を生成する際の処理方法を示すイメージ図である。なお、各種変数の定義は、図13のそれと同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0180】
図1および図16を参照して、補正処理部192は、対象となる光センサ群144の赤光センサ回路144Rからのデジタルデータと、対象となる仮想の右上光センサ群144RUの中心位置RUに最も近い他の光センサ群144の赤光センサ回路144Rからのデジタルデータとに基づいて、右上画素データのRデータを生成する。たとえば、補正処理部192は、当該デジタルデータの平均値をRデータとすることができる。
【0181】
補正処理部192は、仮想の右上光センサ群144RUの中心位置RUからの距離に応じて複数の赤光センサ回路144Rからのデジタルデータに重み付けした加重平均値をRデータとして出力してもよい。本実施の形態においては、補正処理部192は、以下の式(10)に基づいて、右上画素データのRデータを計算する。
【0182】
R=R31×(Py−K)/Py+R22×K/Py・・・(10)
同様に、補正処理部192は、対象となる光センサ群144の緑光センサ回路144Gからのデジタルデータと、対象となる仮想の右上光センサ群144RUの中心位置RUに最も近い他の光センサ群144の緑光センサ回路144Gからのデジタルデータとに基づいて、右上画素データのGデータを生成する。たとえば、補正処理部192は、当該デジタルデータの平均値をGデータとすることができる。
【0183】
補正処理部192は、仮想の右上光センサ群144RUの中心位置RUからの距離に応じて複数の緑光センサ回路144Gからのデジタルデータに重み付けした加重平均値をGデータとして出力してもよい。本実施の形態においては、補正処理部192は、以下の式(11)に基づいて、左上画素データのGデータを計算する。
【0184】
G=G22×2/3+G32×1/3・・・(11)
ここでは、各光センサ回路144R,144G,144Bのセンサー幅が等しいことから、説明のために計算を簡略化している。すなわち、補正処理部192は、右上光センサ群144RUの中心位置RUに近い緑光センサ回路144GからのデジタルデータG22に2/3を乗じて、右上光センサ群144RUの中心位置RUから遠い緑光センサ回路144GからのデジタルデータG32に1/3を乗じる。
【0185】
同様に、補正処理部192は、対象となる光センサ群144の青光センサ回路144Bからのデジタルデータと、対象となる仮想の右上光センサ群144RUの中心位置RUに最も近い他の光センサ群144の青光センサ回路144Bからのデジタルデータとに基づいて、右上画素データのBデータを生成する。たとえば、補正処理部192は、当該デジタルデータの平均値をBデータとすることができる。
【0186】
補正処理部192は、仮想の右上光センサ群144RUの中心位置RUからの距離に応じて複数の緑光センサ回路144Gからのデジタルデータに重み付けした加重平均値をBデータとして出力してもよい。本実施の形態においては、補正処理部192は、以下の式(12)に基づいて、左上画素データのBデータを計算する。
【0187】
B=B21×(Py−K)/Py+B22×K/Py・・・(12)
以上から、たとえば、Px=Sx=Sy=2、Py=5、R22=1、R31=20、G22=10、G32=2、B21=20、B22=1の場合には、
K=1.75
R=13.35
G=7.333
B=13.35
となる。
【0188】
以上のようにして、本実施の形態においては、静止画像撮影モードにおいて、補正処理部192は、光センサ群144毎に、2×2の画素データを取得することができる。その結果、本実施の形態においては、静止画像撮影モードにおいて、信号処理部190は、光センサ回路144R,144G,144Bからの電気信号を有効に利用して、より精緻でより滑らかな画像データを生成することができる。
【0189】
図12に戻って、動画モード撮影モードにおいて、補正処理部192は、サンプリング部191からのデジタルデータに基づいて、各光センサ群144毎に、1つの画素データを生成する。本実施の形態に係る補正処理部192は、各光センサ群144毎の画素データとして、すなわち各画素群141毎の画素データとして、Rデータ、Gデータ、Bデータを生成する。より詳細には、補正処理部192は、対象となる光センサ群144の光センサ回路144R,144G,144Bからの(サンプリング処理後の)デジタルデータのそれぞれに基づいて、光センサ回路144R,144G,144Bのそれぞれに対応するRデータ、Gデータ、Bデータを生成する。
【0190】
輪郭補正部193は、画素データから構成される画像データに基づいて、画像を、その輪郭部(エッジ部)をくっきりとさせてハードな画像にしたり、逆に淡いソフトな画像にしたりする。たとえば、輪郭補正部193は、画像の輪郭部分の強度(輝度)を高めて、画像の解像度を高める。
【0191】
ホワイトバランス部194は、白レベルの調整を行う。ホワイトバランス部194は、入力の白とするべき部分のR,G,Bのゲインを決めて、フレーム内の画素に対してゲインをかける。
【0192】
ガンマ処理部195は、出力デバイスのγに合わせて、画像データを補正する。すなわち、ガンマ処理部195は、画像処理エンジン180やCPU110から出力されるカラー情報と実際の液晶パネル140における輝度とが比例関係になるように、画像データの値を修正する。たとえば、ガンマ処理部195は、液晶パネル140のγ(γ=2.2)に合わせて、画素データの値にγ(γ=1/2.2=0.45)を乗ずる。
【0193】
傷補正部196は、液晶パネル140の画素欠陥による画素飛びが目立たないように、画像データを補正する。
【0194】
色空間変換部197は、たとえば画像処理エンジン180がYUVにて画像データを出力する場合に、画像データに色空間上の変換を行なう。ここで、YUVとは、各画素データを、輝度信号(Y)と輝度信号と青色成分の差(U)と輝度信号と赤色成分の差(V)との3つの情報で色を表す形式をいう。たとえば、ITU−R BT.601の場合、色空間変換部197は、画像データを構成するRデータRとGデータGとBデータBを以下のように変換する。
【0195】
Y= 0.299×R+0.587×G+0.114×B
U=−0.169×R−0.331×G+0.500×B
V= 0.500×R−0.419×G−0.081×B
上記のように構成される信号処理部190は、生成および補正(修正)した画像データを、内部IF178を介して本体装置101のCPU110などに入力する。
【0196】
<液晶パネルに関する他の実施の形態>
図17は、本実施の形態に係る液晶パネル140を示すイメージ図である。図17を参照して、本実施の形態においては、液晶パネル140は、画素群141および光センサ群144毎に、左上部に赤画素回路141Rが配置され、左下部に赤光センサ回路144Rが配置され、中央上部に緑光センサ回路144Gが配置され、中央下部に緑画素回路141Gが配置され、右上部に青画素回路141Bが配置され、右下部に青光センサ回路144Bが配置される。
【0197】
そして、液晶パネル140には、上記のような画素群141および光センサ群144のセットが、マトリクス状に配置されている。
【0198】
図18は、実施の形態2に係る液晶パネル140Bを示すイメージ図である。図18を参照して、液晶パネル140Bは、画素群141および光センサ群144毎に、左上部に赤画素回路141Rが配置され、左下部に赤光センサ回路144Rが配置され、中央上部に緑画素回路141Gが配置され、中央下部に緑光センサ回路144Gが配置され、右上部に青画素回路141Bが配置され、右下部に青光センサ回路144Bが配置されてもよい。
【0199】
そして、液晶パネル140Bには、上記のような画素群141および光センサ群144のセットが、マトリクス状に配置されている。
【0200】
このような液晶パネル140Bの場合であっても、補正処理部192は、上述したように、対象となる光センサ群144の光センサ回路144R,144G,144Bからのデジタルデータと、対象となる仮想の光センサ群144LU,144LD,144RD,144RUの中心位置LU,LD,RD,RUに最も近い光センサ回路144R,144G,144Bからのデジタルデータとに基づいて、対象となる仮想の光センサ群144LU,144LD,144RD,144RUに対する画素データを生成する。
【0201】
この場合における補正処理部192は、以下の式に基づいて、仮想の光センサ群144LU,144LD,144RD,144RUのそれぞれに対応する画素データのRデータ、Gデータ、Bデータを計算する。
【0202】
R=R21×(Py−K)/Py+R22×K/Py・・・(1−2)
G=G22×(Py−K)/Py+G11×K/Py・・・(2−2)
B=B11×(Py−K)/Py+B22×K/Py・・・(3−2)
R=R22・・・(4−2)
G=G22×2/3+G12×1/3・・・(5−2)
B=B12×2/3+B22×1/3・・・(6−2)
R=R32×2/3+R22×1/3・・・(7−2)
G=G22×2/3+G32×1/3・・・(8−2)
B=B22・・・(9−2)
R=R31×(Py−K)/Py+R22×K/Py・・・(10−2)
G=G22×(Py−K)/Py+G31×K/Py・・・(11−2)
B=B21×(Py−K)/Py+B22×K/Py・・・(12−2)
図19は、実施の形態3に係る液晶パネル140Cを示すイメージ図である。図19を参照して、液晶パネル140Cには、画素群141および光センサ群144毎に、左上部に赤画素回路141Rが配置され、左下部に赤光センサ回路144Rが配置され、中央上部に緑光センサ回路144Gが配置され、中央下部に緑画素回路141Gが配置され、右上部に青画素回路141Bが配置され、右下部に青光センサ回路144Bが配置される。
【0203】
そして、赤光センサ回路144Rの下方には青画素回路141Bが配置され、緑画素回路141Gの下方には赤画素回路141Rが配置され、青光センサ回路144Bの下方には緑光センサ回路144Gが配置される。
【0204】
このような液晶パネル140Cの場合であっても、補正処理部192は、上述したように、対象となる光センサ群144の光センサ回路144R,144G,144Bからのデジタルデータと、対象となる仮想の光センサ群144LU,144LD,144RD,144RUの中心位置LU,LD,RD,RUに最も近い光センサ回路144R,144G,144Bからのデジタルデータとに基づいて、対象となる仮想の光センサ群144LU,144LD,144RD,144RUに対する画素データを生成する。
【0205】
この場合における補正処理部192は、以下の式に基づいて、仮想の光センサ群144LU,144LD,144RD,144RUのそれぞれに対応する画素データのRデータ、Gデータ、Bデータを計算する。以下では、対象とする光センサ群144からの赤デジタルデータをR22、対象とする光センサ群144からの緑デジタルデータをG22、対象とする光センサ群144からの青デジタルデータをB22とする。また、対象とする光センサ群144に、左から順に赤光センサ回路144R、緑光センサ回路144G、青光センサ回路144Bが配置されているものとする。
【0206】
R=R11×(Py−K)/Py+R22×K/Py・・・(1−3)
G=G22×2/3+G12×1/3・・・(2−3)
B=B22×(Py−K)/Py+B11×K/Py・・・(3−3)
R=R22・・・(4−3)
G=G13×(Py−K)/Py+G22×K/Py・・・(5−3)
B=B12×2/3+B22×1/3・・・(6−3)
R=R32×2/3+R22×1/3・・・(7−3)
G=G23×(Py−K)/Py+G22×K/Py・・・(8−3)
B=B22・・・(9−3)
R=R21×(Py−K)/Py+R22×K/Py・・・(10−3)
G=G22×2/3+G32×1/3・・・(11−3)
B=B21×(Py−K)/Py+B22×K/Py・・・(12−3)
対象とする光センサ群144に、左から順に青光センサ回路144B、赤光センサ回路144R、緑光センサ回路144Gが配置されている場合、補正処理部192は、以下の式に基づいて、仮想の光センサ群144LU,144LD,144RD,144RUのそれぞれに対応する画素データのRデータ、Gデータ、Bデータを計算する。
【0207】
R=R21×(Py−K)/Py+R22×K/Py・・・(1−4)
G=G12×2/3+G22×1/3・・・(2−4)
B=B11×(Py−K)/Py+B22×K/Py・・・(3−4)
R=R22×2/3+R12×1/3・・・(4−4)
G=G23×(Py−K)/Py+G22×K/Py・・・(5−4)
B=B22・・・(6−4)
R=R22×2/3+R32×1/3・・・(7−4)
G=G33×(Py−K)/Py+G22×K/Py・・・(8−4)
B=B32×2/3+B22×1/3・・・(9−4)
R=R31×(Py−K)/Py+R22×K/Py・・・(10−4)
G=G22・・・(11−4)
B=B31×(Py−K)/Py+B22×K/Py・・・(12−4)
対象とする光センサ群144に、左から順に緑光センサ回路144G、青光センサ回路144B、赤光センサ回路144Rが配置されている場合、補正処理部192は、以下の式に基づいて、仮想の光センサ群144LU,144LD,144RD,144RUのそれぞれに対応する画素データのRデータ、Gデータ、Bデータを計算する。
【0208】
R=R22×(Py−K)/Py+R11×K/Py・・・(1−5)
G=G22・・・(2−5)
B=B21×(Py−K)/Py+B22×K/Py・・・(3−5)
R=R22×2/3+R12×1/3・・・(4−5)
G=G23×(Py−K)/Py+G22×K/Py・・・(5−5)
B=B22×(Py−K)/Py+B12×K/Py・・・(6−5)
R=R22・・・(7−5)
G=G22×(Py−K)/Py+G33×K/Py・・・(8−5)
B=B22×2/3+B32×1/3・・・(9−5)
R=R21×(Py−K)/Py+R22×K/Py・・・(10−5)
G=G32×2/3+G22×1/3・・・(11−5)
B=B31×(Py−K)/Py+B22×K/Py・・・(12−5)
図20は、実施の形態4に係る液晶パネル140Dを示すイメージ図である。図20を参照して、液晶パネル140Dには、画素群141および光センサ群144毎に、左上部に赤画素回路141Rが配置され、左下部に赤光センサ回路144Rが配置され、中央上部に緑画素回路141Gが配置され、中央下部に緑光センサ回路144Gが配置され、右上部に青画素回路141Bが配置され、右下部に青光センサ回路144Bが配置される。
【0209】
そして、赤光センサ回路144Rの下方には青画素回路141Bが配置され、緑光センサ回路144Gの下方には赤画素回路141Rが配置され、青光センサ回路144Bの下方には緑画素回路141Gが配置される。
【0210】
このような液晶パネル140Dの場合であっても、補正処理部192は、上述したように、対象となる光センサ群144の光センサ回路144R,144G,144Bからのデジタルデータと、対象となる仮想の光センサ群144LU,144LD,144RD,144RUの中心位置LU,LD,RD,RUに最も近い光センサ回路144R,144G,144Bからのデジタルデータとに基づいて、対象となる仮想の光センサ群144LU,144LD,144RD,144RUに対する画素データを生成する。
【0211】
この場合における補正処理部192は、以下の式に基づいて、仮想の光センサ群144LU,144LD,144RD,144RUのそれぞれに対応する画素データのRデータ、Gデータ、Bデータを計算する。以下では、対象とする光センサ群144からの赤デジタルデータをR22、対象とする光センサ群144からの緑デジタルデータをG22、対象とする光センサ群144からの青デジタルデータをB22とする。また、対象とする光センサ群144に、左から順に赤光センサ回路144R、緑光センサ回路144G、青光センサ回路144Bが配置されているものとする。
【0212】
R=R11×(Py−K)/Py+R22×K/Py・・・(1−6)
G=G21×(Py−K)/Py+G22×K/Py・・・(2−6)
B=B22×(Py−K)/Py+B11×K/Py・・・(3−6)
R=R22・・・(4−6)
G=G22×2/3+G12×1/3・・・(5−6)
B=B12×2/3+B22×1/3・・・(6−6)
R=R32×2/3+R22×1/3・・・(7−6)
G=G22×2/3+G32×1/3・・・(8−6)
B=B22・・・(9−6)
R=R21×(Py−K)/Py+R22×K/Py・・・(10−6)
G=G31×(Py−K)/Py+G22×K/Py・・・(11−6)
B=B21×(Py−K)/Py+B22×K/Py・・・(12−6)
対象とする光センサ群144に、左から順に青光センサ回路144B、赤光センサ回路144R、緑光センサ回路144Gが配置されている場合、補正処理部192は、以下の式に基づいて、仮想の光センサ群144LU,144LD,144RD,144RUのそれぞれに対応する画素データのRデータ、Gデータ、Bデータを計算する。
【0213】
R=R21×(Py−K)/Py+R22×K/Py・・・(1−7)
G=G22×(Py−K)/Py+G11×K/Py・・・(2−7)
B=B11×(Py−K)/Py+B22×K/Py・・・(3−7)
R=R22×2/3+R12×1/3・・・(4−7)
G=G12×2/3+G22×1/3・・・(5−7)
B=B22・・・(6−7)
R=R22×2/3+R32×1/3・・・(7−7)
G=G22・・・(8−7)
B=B32×2/3+B22×1/3・・・(9−7)
R=R31×(Py−K)/Py+R22×K/Py・・・(10−7)
G=G21×(Py−K)/Py+G22×K/Py・・・(11−7)
B=B21×(Py−K)/Py+B22×K/Py・・・(12−7)
対象とする光センサ群144に、左から順に緑光センサ回路144G、青光センサ回路144B、赤光センサ回路144Rが配置されている場合、補正処理部192は、以下の式に基づいて、仮想の光センサ群144LU,144LD,144RD,144RUのそれぞれに対応する画素データのRデータ、Gデータ、Bデータを計算する。
【0214】
R=R22×(Py−K)/Py+R11×K/Py・・・(1−8)
G=G11×(Py−K)/Py+G22×K/Py・・・(2−8)
B=B21×(Py−K)/Py+B22×K/Py・・・(3−8)
R=R12×2/3+R22×1/3・・・(4−8)
G=G22・・・(5−8)
B=B22×2/3+B12×1/3・・・(6−8)
R=R22・・・(7−8)
G=G32×2/3+G22×1/3・・・(8−8)
B=B22×2/3+B32×1/3・・・(9−8)
R=R21×(Py−K)/Py+R22×K/Py・・・(10−8)
G=G21×(Py−K)/Py+G22×K/Py・・・(11−8)
B=B31×(Py−K)/Py+B22×K/Py・・・(12−8)
<その他の実施の形態>
本発明は、画像処理エンジン180(信号処理部190)あるいは他の装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適用できることはいうまでもない。そして、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0215】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0216】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード(ICメモリカード)、ROM(マスクROM、フラッシュEEPROMなど)などを用いることができる。
【0217】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0218】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0219】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0220】
【図1】本実施の形態に係る液晶パネルと生成される画素データとの関係を示すイメージ図である。
【図2】電子機器のハードウェア構成を表わすブロック図である。
【図3】液晶パネルの構成と当該液晶パネルの周辺回路とを示した図である。
【図4】液晶パネルとバックライトとの断面図である。
【図5】光センサ回路を動作させる際のタイミングチャートを示した図である。
【図6】スキャンの際にフォトダイオードがバックライトからの光を受光する構成を示した断面図である。
【図7】センシングコマンドの概略構成を示した図である。
【図8】センシングコマンドの各領域におけるデータの値と当該値が示す意味内容とを示した図である。
【図9】応答データの概略構成を示した図である。
【図10】指をスキャンすることにより得られた画像を示した図である。
【図11】スキャンの際にフォトダイオードが外光を受光する構成を示した断面図である。
【図12】本実施の形態に係る信号処理部の機能構成を示すブロック図である。
【図13】補正処理部による左上画素データを生成する際の処理方法を示すイメージ図である。
【図14】補正処理部による左下画素データを生成する際の処理方法を示すイメージ図である。
【図15】補正処理部による右下画素データを生成する際の処理方法を示すイメージ図である。
【図16】補正処理部による右上画素データを生成する際の処理方法を示すイメージ図である。
【図17】実施の形態1に係る液晶パネルを示すイメージ図である。
【図18】実施の形態2に係る液晶パネルを示すイメージ図である。
【図19】実施の形態3に係る液晶パネルを示すイメージ図である。
【図20】実施の形態4に係る液晶パネルを示すイメージ図である。
【符号の説明】
【0221】
100 電子機器、101 本体装置、102 表示装置、110 CPU、130 ドライバ、131 走査信号線駆動回路、132 データ信号線駆動回路、133 光センサ駆動回路、134 スイッチ、135 アンプ、140 光センサ内蔵液晶パネル(液晶パネル)、141 画素群、141R,141G,141B 画素回路、143 電極対、143a 画素電極、143b 対向電極、144 光センサ群、144R,144G,144B 光センサ回路、145,145R,145G,145B フォトダイオード、146 コンデンサ、151A アクティブマトリクス基板、151B 対向基板、152 液晶層、153B,153G,153R カラーフィルタ、157 データ信号線、161 偏光フィルタ、162 ガラス基板、163 遮光膜、164 配向膜、171 RAM、173 メモリカードリーダライタ、174 通信装置、175 マイク、176 スピーカ、177 操作キー、179 バックライト、180 画像処理エンジン、181 ドライバ制御部、182 タイマ、1731 メモリカード、190 信号処理部、191 サンプリング部、192 補正処理部、193 輪郭補正部、194 ホワイトバランス部、195 ガンマ処理部、196 傷補正部、197 色空間変換部、DB1,DB2 データバス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光センサ群を備え、
前記複数の光センサ群の各々は、
第1の色成分を含む入射光を受けて第1の出力信号を出力する第1のセンサ回路と、
第2の色成分を含む入射光を受けて第2の出力信号を出力する第2のセンサ回路と、
第3の色成分を含む入射光を受けて第3の出力信号を出力する第3のセンサ回路とを含み、
前記第1から第3の出力信号に基づいて、前記光センサ群毎に2×2の画素データを生成する画像処理手段とをさらに備え、
前記画素データの各々は、前記第1の色成分の明度を示す第1の値と、前記第2の色成分の明度を示す第2の値と、前記第3の色成分の明度を示す第3の値とを含む、センサ装置。
【請求項2】
前記画像処理手段は、
前記第1から第3の出力信号のそれぞれに基づいて第1から第3のデータを生成するサンプリング手段と、
前記光センサ群の各々に対応する前記第1から第3のデータと、前記光センサ群の周囲に配置される他の光センサ群に含まれる光センサ回路に対応する第1から第3のいずれかのデータとに基づいて、前記画素データを生成する補正処理手段とを含む、請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記2×2の画素データは、左上画素データと左下画素データと右下画素データと右上画素データとを含み、
前記補正処理手段は、
前記光センサ群の各々に対応する前記第1から第3のデータと、前記光センサ群の左上方向に配置される光センサ回路に対応する第1から第3のいずれかのデータとに基づいて、前記左上画素データを生成し、
前記光センサ群の各々に対応する前記第1から第3のデータと、前記光センサ群の左下方向に配置される光センサ回路に対応する第1から第3のいずれかのデータとに基づいて、前記左下画素データを生成し、
前記光センサ群の各々に対応する前記第1から第3のデータと、前記光センサ群の右下方向に配置される光センサ回路に対応する第1から第3のいずれかのデータとに基づいて、前記右下画素データを生成し、
前記光センサ群の各々に対応する前記第1から第3のデータと、前記光センサ群の右上方向に配置される光センサ回路に対応する第1から第3のいずれかのデータとに基づいて、前記右上画素データを生成する、請求項2に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記画像処理手段は、
静止画像撮影モードにおいては、前記第1から第3の出力信号に基づいて、前記光センサ群毎に2×2の画素データを生成し、
動画像撮影モードにおいては、前記第1から第3の出力信号に基づいて、前記光センサ群毎に1つの画素データを生成する、請求項1から3のいずれかに記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記複数の光センサ群は、マトリクス状に配置される、請求項1から4のいずれかに記載のセンサ装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のセンサ装置と、
複数の画素群とを備え、
前記複数の画素群の各々は、
第1の入力信号に応じて前記第1の色成分を含む光を発するための第1の画素回路と、
第2の入力信号に応じて前記第2の色成分を含む光を発するための第2の画素回路と、
第3の入力信号に応じて前記第3の色成分を含む光を発するための第3の画素回路とを含む、表示装置。
【請求項7】
前記画素群は、前記光センサ群毎に配置される、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記複数の画素群は、マトリクス状に配置される、請求項6または7に記載の表示装置。
【請求項9】
複数の光センサ群と画像処理部とを備えるセンサ装置における画像データ生成方法であって、
前記複数の光センサ群の各々は、
第1の色成分を含む入射光を受けて第1の出力信号を出力する第1のセンサ回路と、
第2の色成分を含む入射光を受けて第2の出力信号を出力する第2のセンサ回路と、
第3の色成分を含む入射光を受けて第3の出力信号を出力する第3のセンサ回路とを含み、
画像データ生成方法は、
画像処理部が、前記第1から第3の出力信号のそれぞれに基づいて第1から第3のデータを生成するステップと、
前記第1から第3のデータに基づいて、前記光センサ群毎に2×2の画素データを生成するステップとを備え、
前記画素データの各々は、前記第1の色成分の明度を示す第1の値と、前記第2の色成分の明度を示す第2の値と、前記第3の色成分の明度を示す第3の値とを含み、
前記2×2の画素データを生成するステップは、前記光センサ群の各々に対応する前記第1から第3のデータと、前記光センサ群の周囲に配置される他の光センサ群に含まれる光センサ回路に対応する第1から第3のいずれかのデータとに基づいて、前記画素データを生成するステップを含む、画像データ生成方法。
【請求項10】
複数の光センサ群と画像処理部とを備えるセンサ装置に画像データを生成させるための画像データ生成プログラムであって、
前記複数の光センサ群の各々は、
第1の色成分を含む入射光を受けて第1の出力信号を出力する第1のセンサ回路と、
第2の色成分を含む入射光を受けて第2の出力信号を出力する第2のセンサ回路と、
第3の色成分を含む入射光を受けて第3の出力信号を出力する第3のセンサ回路とを含み、
画像データ生成プログラムは、前記画像処理部に、
前記第1から第3の出力信号のそれぞれに基づいて第1から第3のデータを生成するステップと、
前記第1から第3のデータに基づいて、前記光センサ群毎に2×2の画素データを生成するステップとを実行させ、
前記画素データの各々は、前記第1の色成分の明度を示す第1の値と、前記第2の色成分の明度を示す第2の値と、前記第3の色成分の明度を示す第3の値とを含み、
前記2×2の画素データを生成するステップは、前記光センサ群の各々に対応する前記第1から第3のデータと、前記光センサ群の周囲に配置される他の光センサ群に含まれる光センサ回路に対応する第1から第3のいずれかのデータとに基づいて、前記画素データを生成するステップを含む、画像データ生成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−154299(P2010−154299A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−330858(P2008−330858)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】