説明

タービン装置の最適なタービン段並びにタービン段の構成方法

本発明は、タービン装置のタービン(100)、特に蒸気タービン装置の蒸気タービンに関する。タービンは、半径方向又は対角線方向の流入部及び軸方向の流出部を備えた半径方向及び対角線方向のタービン段(120)と、軸方向の流入部と軸方向の流出部とを備えた少なくとも1つの軸方向のタービン段(121,122,123,124,125)とを有している。半径方向又は対角線方向の少なくとも1つのタービン段(120)がタービンの第1段として配置されていて、少なくとも1つの軸方向のタービン段(121,122,123,124,125)が半径方向又は対角線方向のタービン段(120)の下流でタービンの別の段として配置されている。少なくとも1つの半径方向又は対角線方向のタービン段(120)が、少なくとも1つの軸方向のタービン段(121,122,123,124,125)よりも高い耐熱性を有している。本発明によるタービン(100)は、蒸気タービン装置のプロセス温度を著しく高めることができ、この場合、耐熱性を高めるための手段は、半径方向又は対角線方向のタービン段(120)の構成部分のためにだけ設ければよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタービン装置のタービン、特に蒸気タービン装置の蒸気タービンに関する。さらに本発明は、タービンを構成するための方法、並びにこのようなタービンを備えたタービン装置を運転するための方法に関する。
【0002】
従来の技術
最近のタービン装置特に最近の蒸気タービン装置においては、効率を改善するために、タービン装置のプロセス(処理)温度を高めることが望まれている。プロセス温度を高めると、これは一方では特に高圧タービンに影響を及ぼし、他方ではタービン装置の中間圧力タービンにも影響を及ぼす。従ってこの中間圧力タービンはより高い温度で負荷される。これによって、蒸気タービンにおいても今日既に達成されている温度が得られるが、この温度においては、特にタービンの翼配列、流れ通路壁、並びに温度低下手段が設けられていないタービン軸のための従来の材料を使用することは不可能である。
【0003】
このような温度低下手段は、例えばタービンの翼を冷却媒体によって冷却することである。翼の冷却は、ガスタービンにおいては既に従来より公知である。しかしながらこのために一方では冷却流体を適当な形式で準備する必要がある。これは外部で準備されるか、又はタービン装置の圧縮段のうちの1つから取り出すことによって行われる。これによってタービン装置の全効率の低下を招く。フィルム冷却においても、又は冷却媒体をタービンの主流内に流入させることによる翼の吹き出し冷却においても、空力学的な損失が発生する。
【0004】
選択的に、翼及び部分的にタービンの軸も高耐熱性の材料より製造されるが、それによってタービンの製造費用は著しく高価になる。
【0005】
プロセス温度が上昇するのに伴って、大抵の場合プロセス圧力も高くなる。プロセスパラメータが高くなることによって、特に高圧タービンの第1のタービン段内においてタービンを通って流れる貫流流体(大抵の場合、ガスタービン内の空気若しくは煙道ガス又は蒸気タービン内の蒸気)の容積流は比較的少なくなる。
【0006】
容積流が小さいと、タービン翼の翼高さが小さく、しかも翼の縦横比が小さいタービン翼に限定されることになる。従ってこのような形式の、良好な空力学効率を有するタービン翼配列を構成することは、非常に困難である。
【0007】
発明の開示
本発明の課題は、冒頭に述べた形式のタービン及び、従来技術の欠点を減少させるか又は取り除くことができる、タービンを構成するための方法を提供することである。
【0008】
さらに本発明の課題は特に、タービン装置のタービン、特に蒸気タービン装置の蒸気タービンの効率を高めることにある。別の観点によれば、本発明によって、安価に製造可能及び最適な効率を有する、高い入口温度で負荷可能なタービンを提供することである。
【0009】
この課題は、本発明によれば、請求項1記載のタービンによって、並びにその他の独立請求項に記載したタービン装置によって、また独立請求項に記載した第1の方法によるタービンの構成方法によって、並びにその他の従属請求項に従って構成されたタービン装置を駆動するための方法によって解決された。
【0010】
本発明に従って構成されたタービンは、半径方向又は対角線方向の流入部及び軸方向の流出部を備えた、半径方向及び対角線方向のタービン段を有している。軸方向の流出部とは、当該のタービン段の動翼から流出する際の流れがまだ対角線の流れ方向を有しているが、流れが後続のタービン段内に達する前に、流れ通路によって軸方向に変向される、ということである。また、本発明によるタービンは、軸方向の流入部と軸方向の流出部とを備えた、少なくとも1つの軸方向のタービン段を有している。
【0011】
各タービン段は少なくとも1つの動翼を有している。一般的に、タービン段は静翼と、流れ方向で前記静翼に後置された動翼とを有している。
【0012】
流入方向及び流出方向は、本発明の枠内で、それぞれ半径方向若しくは対角線方向及び軸方向に対して公差角度だけずれていてもよいが、この場合、主要な流れ方向が、その主要な流れ方向として維持される。
【0013】
さらに、少なくとも1つの半径方向又は対角線方向のタービン段が、タービンの第1段として配置されていて、少なくも1つの軸方向のタービン段が、少なくとも1つの半径方向又は対角線方向のタービン段の下流で、タービンの別の段として配置されている。この場合、少なくとも1つの半径方向又は対角線方向のタービン段は、少なくとも1つの軸方向のタービン段よりも高い耐熱性を有するように構成されている。
【0014】
本発明によるタービンは、有利な形式で高圧タービンとして構成されており、この高圧タービンはタービン装置内でタービン装置の蒸気発生器又は燃焼室の直接下流に配置されている。しかしながら本発明に従って構成されたタービンは、中間圧力タービンとして又は低圧タービンとして構成されており、この場合、中間圧力タービン又は低圧タービンの上流に一般的な形式で中間ヒータが配置されている。本発明に従って構成されたタービンの下流に、単数又は複数の別の、従来形式で構成されたタービンが配置されている。
【0015】
タービンの第1段として構成された半径方向又は対角線方向のタービン段は、少なくとも1つの軸方向のタービン段よりも高い耐熱性を有しているので、タービン装置の定格運転時にタービンへの入口における最大プロセス温度は、軸方向のタービン段が入口タービン段を形成している場合におけるよりも高い。本発明に従って構成されたタービンの半径方向又は対角線方向のタービン段は、高いエンタルピー量を実現することができ、それによって、半径方方向又は対角線方向のタービン段からの出口における貫流流体の温度が、半径方向又は対角線方向のタービン段への入口におけるよりも著しく低くなる。半径方向又は対角線方向の1つのタービン段だけによって、タービンの構成部分特に翼の耐熱性を高めるための手段を半径方向又は対角線方向のタービン段の下流に設ける必要がない程度、貫流流体の温度を低下させることができ、それによって、後続のタービン段の構成部分の最大可能な材料温度を超えないようにすることができる。このような手段は、例えば当該の構成部分のために、又は冷却流体によってそれぞれのタービン段の構成部分を冷却するために高耐熱性の材料を使用することができる。タービンの第1段として半径方向又は対角線方向のタービン段を配置することによって、耐熱性を高めるために、半径方向又は対角線方向のタービン段のためにだけ単数又は複数の手段を使用することができる。
【0016】
これに対して従来構造に従ってタービンが軸方向のタービン段だけを有している場合には、半径方向又は対角線方向の1つのタービン段だけによって得られるのと同じエンタルピー量及びひいてはこれと同じ温度低下を得るために、軸方向の複数のタービン段が必要となる。従って、この軸方向のタービン段の耐熱性を高め、ひいては最大可能な材料温度を超えるのを避けるために、軸方向の複数のタービン段に適した手段を設ける必要がある。従って、軸方向のタービン段だけを有しているタービンは、高耐熱性の材料を使用した場合、製造が著しく高価なものになる。当該の構成部分が冷却流体によって冷却される場合、一方では構成部分に冷却通路を設ける必要があり、他方ではそれによってタービンの効率が低下する。
【0017】
特に蒸気タービンにおいては、第1のタービン段を、半径方向又は対角線方向のタービン段として構成すれば、有利である。その理由は、プロセス圧力を常に高めることによって、貫流流体の容積流が少なくなるからである。しかしながら少ない容積流においては、この少ない容積流のために適した半径方向又は対角線方向のタービン段の効率は、この少ない容積流のために適したタービン段の効率と比較し得る。これによって、本発明に従って構成されたタービンは、全効率のバランスは、軸方向タービン段だけを有しているタービンと同じ程度に良好であるか、若しくはそれよりも良好である。
【0018】
貫流流体の特に高い入口温度においては、2つ、又は場合によってはそれ以上の半径方向又は対角線方向のタービン段をタービンの入口に直列に接続しても有利である。しかしながら半径方向又は対角線方向のタービン段を多数設けると、製造コストが高価になる。これによって流れ経路も構造的に高価になるので、半径方向又は対角線方向の1つだけのタービン段を備えた解決策が有利である。基本的に、非常に高い入口温度においては、対角線方向のタービン段よりも半径方向タービン段が有利である。何故ならば、半径方向のタービン段は、対角線方向のタービン段と比較してさらに高いエネルギー量が可能だからである。
【0019】
特に有利には、本発明に従って構成されたタービンは、正確に半径方向又は対角線方向のタービン段及び少なくとも1つの軸方向のタービン段を有している。
【0020】
本発明の説明の範囲内において、簡略化のためにタービン段だけについて全体的に記載されていても、高温の貫流流体に直接さらされる、タービン段の構成部分が、一次的に貫流流体の高い温度の影響を受ける。このような熱い貫流流体に直接さらされる、タービン段の構成部分は、特にタービン段の翼、並びに貫流通路の側壁、つまりハブ及びしばしばケーシング壁でもある。従って耐熱性を高めるための手段は、一次的にタービン段のこれらの構成部分にも適用される。しかしながらこの場合、熱伝導に基づいて、高温の貫流流体にさらされない構成部分も、非常に高い温度になり得るので、これらの構成部分のために同様に、耐熱性を高めるための手段を設ける必要がある。
【0021】
基本的に、本発明は、一般的なタービン及びタービン装置に使用することができる。しかしながら特に有利には、本発明はタービン装置の蒸気タービンに使用される。蒸気タービン装置は、一般的に寸法が大きいので、蒸気タービンの従来の構成において、高耐熱性の材料及びひいては高価な材料が必要となる。何故ならば、軸方向の複数のタービン段がこのような高耐熱性の高価な材料より製造されるからである。また、従来では蒸気タービンは一般的に、貫流流体の最大容積流において比較的低い最大プロセス温度が生じるように、設計され、運転されていた。大きい容積流に基づいて、半径方向又は対角線方向のタービン段、若しくは半径方向又は対角線方向のタービンを使用することは不都合であった。プロセス温度とプロセス圧力とを組み合わせて高めることによって、及びその結果として容積流を小さくすることによってはじめて、蒸気タービンにおいて半径方向又は対角線方向のタービン段を使用することが、効果的に可能となり、これによって、全作用効率の改善、及び/又は製造コストの低減、並びに蒸気タービン装置のコンパクトな構造寸法が得られる。
【0022】
有利には、半径方向又は対角線方向のタービン段が第1の材料より製造されていて、少なくとも1つの軸方向のタービン段が第2の材料より製造されている。前記第1の材料は前記第2の材料よりも高い耐熱性を有している。従って、半径方向又は対角線方向のタービン段は、例えば高耐熱性のニッケルをベースとした合金より製造されていて、これに対して少なくとも1つの軸方向のタービン段が例えば一般的な安価な鋳鋼又は、低い耐熱性を有するニッケル・クロム鋼より製造される。前述のように、この場合、タービン段のすべての構成部分を常に高耐熱性の材料より製造する必要はない、という点に留意すべきである。従ってこれは、高温の貫流流体に直接さらされる高耐熱性の材料より製造する必要のある構成部分、例えば翼及びタービン段の軸である。
【0023】
本発明の選択的、又は補足的な実施態様によれば、半径方向又は対角線方向のタービン段が、高耐熱性の材料例えばニッケルをベースとした合金より成るコーティングによって被覆されている。この場合、コーティングの下に配置されていて低い耐熱性を有するベース材料は、熱伝導に基づいて過熱されないようにする必要がある。場合によっては、このような材料は付加的に冷却によって冷却する必要がある。
【0024】
選択的に又は補足的に、半径方向又は対角線方向のタービン段は、セラミック材料より製造されているか、又はセラミック材料より成るコーティングによって被覆されている。セラミック材料は、これらの構成部分が高耐熱性を有しているだけではなく、セラミックより構成されているか、又はセラミック材料がコーティングされている構成部分は、断熱作用もあり、それによって例えば翼足部を介して低減された熱が軸内に侵入する。
【0025】
少なくとも1つの軸方向のタービン段は、コーティングなしの一般的なタービン材料より製造されていてよい。
【0026】
本発明の選択的な又は補足的な実施態様によれば、半径方向又は対角線方向のタービン段が冷却される。この場合、少なくとも1つの軸方向のタービン段は有利な形式で冷却されない。
【0027】
本発明の有利な実施態様によれば、タービンの半径方向又は対角線方向のタービン段の段負荷は、タービンの定格運転時において、半径方向又は対角線方向のタービン段への入口における貫流流体が、軸方向のタービン段の材料の最大可能な軟化温度よりも高い温度を有しており、半径方向又は対角線方向のタービン段からの出口における貫流流体が、軸方向のタービン段の材料の最大可能な軟化温度と同じか又はこれよりも小さい温度を有している。逆に言えば、このことはつまり、タービン装置の最大プロセス温度が、上限が丁度まだ満たされている最大値まで上昇する、ということである。これによって、耐熱性を高めるための手段は、半径方向又は対角線方向のタービン段に制限される。
【0028】
半径方向又は対角線方向の単数又は複数のタービン段を本発明に従ってタービン入口に配置したことによって、安価な形式で、タービン装置の最大プロセス温度を著しく高める可能性が得られる。これによって、経済性の観点で見て、これによって得られるタービン装置の効率の上昇と比較し得るのは、半径方向又は対角線方向のタービン段の耐熱性を高めるための安価な手段だけである。
【0029】
タービンは有利な形式で、半径方向又は対角線方向のタービン段の平均的な出口直径が、半径方向又は対角線方向のタービン段に続いて配置された軸方向のタービン段の平均的な入口直径と同じである、これによって、半径方向のタービン段又は対角線方向及び軸方向のタービン段の間の流れ通路を真っ直ぐに構成することができる。
【0030】
本発明の有利な実施態様によれば、半径方向又は対角線方向のタービン段と少なくとも1つの軸方向のタービン段とが、1つの共通の軸に配置されている。タービン段を1つの軸に共通に配置することは、タービン段が一貫して同じ回転数で駆動される場合だけ可能である。
【0031】
本発明の選択的な構成によれば、半径方向又は対角線方向のタービン段が第1の軸に配置されていて、少なくとも1つの軸方向のタービン段が第2の軸に配置されていて、これらの軸が、伝動装置有利には遊星歯車伝動装置を介して互いに接続されている。このような2つの軸を配置した構成は、1つの軸だけの配置構成と比較して、より高価であるが、タービン段の異なる回転数を実現することができる。
【0032】
さらにまた、半径方向又は対角線方向のタービン段、及び少なくとも1つの軸方向のタービン段は、有利な形式で1つの共通のケーシング内に配置されている。
【0033】
また本発明は、タービンを構成するための方法に関するものである。本発明の方法によれば、少なくとも1つの軸方向のタービン段を半径方向又は対角線方向のタービン段の下流に配置し、半径方向又は対角線方向のタービン段を、前記少なくとも1つの軸方向のタービン段よりもより強い耐熱性で構成するようにした。本発明による方法は、特に、前記本発明によるタービンを構成するために適している。
【0034】
本発明による方法の有利な実施態様によれば、タービンの定格運転中に半径方向又は対角線方向のタービン段内への入口における貫流流体が、軸方向のタービン段の材料の最大可能な軟化温度よりも高い温度を有し、半径方向又は対角線方向のタービン段からの出口における貫流流体が、タービンの軸方向のタービン段の材料の最大可能な軟化温度と同じか又はそれよりも低い温度を有するように、タービンの半径方向又は対角線方向のタービン段の段負荷を選定するようにした。
【0035】
本発明はまた、タービン装置を運転するための方法に関する。この方法によれば、燃機関内又は蒸気発生器内の貫流流体に熱を供給し、これによって貫流流体を、タービンの軸方向のタービン段の材料の最大可能な軟化温度を超える温度に加熱し、次いでタービンの半径方向又は対角線方向のタービン段内における貫流流体を、技術的な作業を加えることによって緊張解除し、それによって半径方向又は対角線方向のタービン段からの出口における貫流流体の温度がタービンの軸方向のタービン段の材料の軟化温度と同じか又はこれよりも小さくなるようにした。
【0036】
図面の簡単な説明
図1は、従来技術により公知な、蒸気タービン装置の高圧タービン、
図2は、本発明の第1実施例に従って構成されたタービン、
図3は、本発明の第2実施例に従って構成されたタービンを示す。
【0037】
図面には、本発明を理解するために重要なエレメント及び構成部分しか示されていない。
【0038】
図示の実施例は純粋に参考的なものであり、また理解し易くするためのものであるが、本発明はこの実施例だけに限定されるものではない。
【0039】
発明を実施するための最良の形態
図1は、従来技術により公知な、蒸気タービン装置の高圧タービンとして構成されたタービン10を示している。図示の実施例では貫流流体は水蒸気である。蒸気発生器(図1には示されていない)から送られてくる蒸気は、生蒸気流入スリーブ31を介してタービン10に半径方向に供給される。生蒸気流入スリーブ31の半径方向の流入区分内に、蒸気流を整流させ、かつ/又は旋回させるために第1の静翼20LEが配置されている。次いで蒸気流は変向区分(流れ矢印36の範囲内)内で半径方向の流れ方向(流れ矢印35の方向)から、軸方向の流れ方向(流れ矢印37の方向)に変向される。軸方向の流れ方向内に変向されてから初めて、蒸気流は第1のタービン段の動翼20LAを貫流し、それに続いて第1のタービン段の下流に配置された、タービン10の別の軸方向のタービン段21〜28を貫流する。第1のタービン段20(=20LE+20LA)を除くすべてのタービン段21〜28は、純粋に軸方向のタービン段として構成されている。第1のタービン段20はこの実施例では、半径方向のタービン段と軸方向のタービン段とを組み合わせた半径方向・軸方向タービン段として構成されており、この場合、静翼20LEは、生蒸気流入スリーブ31の半径方向の流入区分内に配置されていて、動翼LAは、高圧タービンとして構成されたタービン10の軸方向に貫流する区分内に配置されている。これによって、エネルギー変換率の高さは、軸方向に貫流される動翼内で最大に実現可能な流れ変向に基づいて、軸方向タービン段におけるのと同じ程度に制限される。
【0040】
蒸気タービンに供給される蒸気が、動翼及び静翼の翼配列のために一般的な形式で用いられる材料例えば鋳鋼の軟化温度を超える高い又は非常に高い侵入温度を有している場合、少なくとも、流れ通路を形成し、かつ/又は流れ通路内に配置された、タービンのタービン段(このタービン段の範囲内で上記が軟化温度を超える温度を有している)が、耐熱材料より製造されているか、又は適当な形式で冷却されるようになっている。図1に示した実施例では、そのうちの最初の3つのタービン段20,21,22が該当する。ここでは、第1の3つのタービン段の翼も、また流れ通路の通路側壁も高耐熱材料より製作されている。符号40で示された加熱ゾーン境界は、耐熱性を高めるための手段の上流に規定される。多くの場合、この領域内における熱伝導に基づいて、軸も高耐熱性の材料より製造する必要がある。タービン10の定格運転において、蒸気はまず第3のタービン段22の下流で、タービン構造部のために一般的に使用される材料の軟化温度を下回る温度を有する。3つの第1のタービン段20,21,22のために高耐熱性材料を使用することによって、このような蒸気タービンの製造コストは著しく高くなる。
【0041】
これに対して、図2及び図3には蒸気タービンとして構成された本発明によるタービン100が示されている。2つの実施例において図示されたタービンは、それぞれ半径方向の流入方向(矢印135で示した流れ方向で)及び軸方向の流出方向(符号137で示した流れ方向)を有する半径方向のタービン段120と、それぞれ軸方向の流入方向及び軸方向の流出方向を有する複数の軸方向のタービン段121,122,123,124,125とを有している。タービンの第1の段として構成された半径方向のタービン段120は、生蒸気スリーブ131の半径方向に延在する部分に直接接続している。軸宝庫のタービン段121,122,123,124,125は、2つの実施例では半径方向のタービン段120の直接下流に配置されている。
【0042】
非常に熱い蒸気で被覆することができるようにするために、図2及び図3に示した半径方向のタービン段120は、それぞれ、軸方向のタービン段121,122,123,124,125よりも高い耐熱性を有して構成されている。これは例えば、半径方向のタービン段120がそれぞれ高耐熱性のニッケルをベースとした合金又はセラミック材料より製造されており、これに対して軸方向のタービン段121,122,123,124,125は、それぞれ一般的な鋳鋼又はニッケル・クロム鋼より製造されている。高耐熱性材料を使用する代わりに、或いは耐熱性材料を補う形で半径方向のタービン段120の翼は特別に断熱性のコーティング又は冷却手段を備えていてもよい。
【0043】
従って、幾何学的にそれぞれ図1に示したほぼ半径方向・軸方向のタービン段20の代わりに、図2及び図3に示した半径方向のタービン段120が用いられる。図2及び図3に示した半径方向のタービン段20が貫流される際に、後続の軸方向のタービン段121〜125が従来のタービン材料より製造されている限りは、蒸気流の温度は低下する。半径方向及び対角線方向のタービン段20も著しく強く負荷され、かつ軸方向のタービン段よりも著しく高いエンタルピー量を実現できるので、本発明の図2及び図3に示した実施例では、軸方向のタービン段121〜125の材料の軟化温度を十分に下回る温度を得るために、半径方向の1つのタービン段だけが必要となる。これに対して図1に示した、従来技術により公知の構成では、十分な温度低下を得るために3つの軸方向のタービン段20,21,22が必要なだけである。それによって、図2及び図3に示されているように、タービンの入口における貫流流体の条件が同じであれば、それぞれ半径方向のタービン段120の構成部分だけが、高い耐熱性を有している。従って従来公知のタービンにおけるよりも著しく少ない部品点数で済む。
【0044】
プロセス温度の高い効率を得るためにプロセス圧力も高められるので、タービン入口における貫流流体の容積流は比較的少ない。しかしながら容積流の量が少ないと、半径方向又は対角線方向のタービン段は、軸方向のタービン段と同じ効率を有する。従って図2及び図3に示したタービンの全効率は、図1に示したタービンと同程度であるのも拘わらず、製造コストは著しく安価で、コンパクトな寸法が得られる。
【0045】
以下に、図2及び図3に示したタービン100を用いて本発明によるタービンの構成を説明する。2つの実施例では、蒸気タービン装置において使用された高圧タービンのための典型的に幾何学的及びその他の使用条件、つまり約880mmの軸直径、及び50Hzのタービン装置の定格回転数に基づいている。半径方向のタービン段120の動翼の設計は、従来技術により公知の、いわゆる「"Cordier-Diagramm"(例えばDubbel著、"Taschenbuch fuer den Maschinenbau(機械工学ハンドブック)"、第18版、R22参照)」が用いられる。このグラフにおいて、1段式のタービン機械のための、直径特性値δMと固有回転数σMとの間の関数的な相関関係がグラフで示されており、この場合:
【数1】

【0046】
これによって、約90%の等エントロピー効率を有するタービン段の容認できる効率が保証される。
【0047】
2つの実施例では、タービンの定格運転においてタービン入口の入口圧力は300barであって、蒸気装入量は約400kg/sである。これは最近の蒸気タービンのための典型的な値である。
【0048】
タービン入口温度を620℃にしたい場合(これは、最近の設計による超臨界的な蒸気タービンのための典型的な値である)は、前記Cordier-Diagrammを用いて、以下の値が得られる。この場合、半径方向タービン段の出口における出口温度が565℃及びそれ以下である。
【0049】
【数2】

【0050】
565℃及びそれ以下の温度において、半径方向のタービン段の下流の構成部分のために、耐熱性を高めるための手段は必要ない。何故ならば、この温度値は、軸方向のタービン段のために一般的な形式で使用される材料の軟化温度を下回っているからである。
【0051】
このように構成された半径方向のタービン段120は、半径方向のタービン段の入口における300barの蒸気を、半径方向のタービン段の出口において217barに低下させることができる。つまり圧力比は約1.4である。半径方向のタービン段の出口における温度は、約560℃となる。半径方向のタービン段の回転数は、平均的な直径D≒1120mm、入口の翼幅が23mmそして出口の翼幅が41mmである場合に、50Hzである。
【0052】
半径方向のタービン段120の下流に配置された、第1の軸方向のタービン段121の静翼は、約0.24の仮定の貫流係数において、典型的な軸方向の流入部及び翼高さ約60mmで作業する。このために第1の軸方向のタービン段121の静翼は、半径方向のタービン段120の動翼の平均的な出口直径に等しい平均的な入口直径を有している。これによって、半径方向のタービン段120から軸方向のタービン段121への移行部の領域内における直線的な貫流通路が実現され得る。
【0053】
前記実施例により明らかなように、半径方向又は対角線方向のタービン段を、これが蒸気タービンの典型的な定格運転状態において(蒸気タービンに高い又は非常に高い入口温度を有する蒸気が装入される)、良好な効率で作業させることが可能である。このように構成されたタービン段は運転中に、半径方向又は対角線方向のタービン段内への侵入部における入口温度が軸方向のタービンの材料の可能な軟化温度を著しく越えている場合でも、下流側に配置された軸方向のタービン段が、一般的な明らかに低い温度負荷にさらされるように配慮する。
【0054】
付加的に、図2に示した実施例において、半径方向のタービン段120は、軸方向のタービン段121〜125と同じ回転数で駆動される。これによって、半径方向のタービン段120及び軸方向のタービン段121〜125は、図2に示されているように1つの共通の軸130に配置することができる。ここでも、1つの連続的な共通のケーシング132が使用される。
【0055】
図3に示した実施例では、蒸気タービンとして構成されたタービン100内への侵入温度は700℃である。これは、超超臨界タービンのための典型的な値である。また半径方向のタービン段120からの出口においては565℃又はそれよりも低い温度が必要である。このような要求から、前記Cordier-Diagrammを用いて以下の特性値が得られる。
【0056】
【数3】

【0057】
このように構成された半径方向のタービン段120は、半径方向のタービン段への入口における300barの蒸気流の圧力を、半径方向のタービン段の出口において145barに低下させる。つまり圧力比は約2.1である。半径方向のタービン段120の出口における温度は、約565℃である。半径方向のタービン段120の回転数は、平均的な直径D≒1120、入口の翼幅13mm、出口の翼幅32mmにおいて、100Hzである。
【0058】
半径方向のタービン段20の下流に配置された、第1の軸方向のタービン段121の静翼は、約0.22の仮定の貫流係数において、典型的な軸方向の流入部及び約100mmの翼高さで作業する。第1の軸方向のタービン段121の静翼は、半径方向のタービン段120の動翼の平均的な出口直径と同じ平均的な入口直径を有している。それによって、半径方向のタービン段120から第1の軸方向のタービン段121への移行部の領域に、真っ直ぐに延在する貫流路が実現される。勿論、軸方向のタービン段121〜125の回転数は、この実施例では50Hzだけであるが、これに対して半径方向のタービン段120の回転数は100Hzである。
【0059】
この実施例は、蒸気タービンの典型的な定格運転状態から出発して、タービンの入口における温度が非常に高い場合でも、蒸気タービンの入口段として半径方向又は対角線方向のタービン段を設けることが可能である、ことを示している。このように構成され、良好な効率で作業する半径方向のタービン段120は、運転中に、半径方向のタービン段120への入口における入口温度が軸方向のタービン段121〜125の材料の可能な軟化温度を著しく超えている場合でも、下流側に配置された軸方向のタービン段121〜125が著しく低い温度負荷だけにさらされるように、配慮する。耐熱性を高めるための手段の下流における熱ゾーン境界140は、この実施例では、半径方向のタービン段120と第1の軸方向のタービン段121との間に延在する。
【0060】
しかしながらこの実施例では、半径方向のタービン段120と軸方向のタービン段121〜125とは、異なる回転数で駆動されるので、この実施例では半径方向のタービン段120と軸方向のタービン段121〜125とを1つの共通の軸に配置することはできない。半径方向のタービン段120の高い回転数は、半径方向のタービン段における大きい温度低下若しくは高いエンタルピー量を得るための要求に基づいている。大きい温度低下若しくは高いエンタルピー量は、半径方向のタービン段が高速回転するように構成されているか、又は選択的に半径方向のタービン段が非常に大きい直径を有しているか、又は選択的にタービン段の翼配列が空力学的に非常に強く負荷される場合にのみ可能である。半径方向のタービン段が非常に大きい直径を有しているか、又はタービン段の翼配列が空力学的に非常に強く負荷されるケースは、この実施例では不適当である。何故ならば、直径が非常に大きいと翼幅が小さくなり、翼の空力学的な負荷が非常に大きいと不都合な段効率が発生するからである。
【0061】
この実施例では、半径方向のタービン段120が、軸方向のタービン段121〜125よりも高速で回転する。従って、半径方向のタービン段120は部分軸130−Iに配置されていて、軸方向のタービン段121〜125は他方の部分軸130−IIに配置されている。この場合、半径方向のタービン段120を有する第1のタービン区分と、軸方向のタービン段121〜125を有する第2のタービン区分とを、それぞれ別個の軸に取付け、しかも1つの共通のケーシング132内に又は互いに分離された2つのケーシング内に取り付けることが可能である。
【0062】
図3に示した部分軸130―I及び130IIは、図3に図示されていない伝導装置を介して互いに接続されている。これらの軸は、遊星歯車伝動装置を介して互いに接続されていてもよいが、この場合、例えば半径方向のタービン段120が配置されている部分軸130―Iが、軸方向のタービン段121〜125が配置されている部分軸130−IIを遊星歯車伝導装置内で包囲している。
【0063】
図2及び図3に示したタービン100は、蒸気タービン装置の高圧タービンとして配置されており、この場合、生蒸気スリーブ131の上流に蒸気発生器が配置されている。
【0064】
図2及び図3に示した蒸気タービンは、蒸気タービン装置の中間圧力タービンとして配置し、この場合、新鮮蒸気スリーブの上流に一般的に中間ヒータが配置される。
【0065】
図2及び図3に関連して記載されたタービン及びタービン装置、並びにその運転方法は、本発明の考え方を逸脱することなしに、当業者が多様な形式で直ちに変更することができる本発明の例示した実施例である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】従来技術により公知な、蒸気タービン装置の高圧タービンを示す概略的な断面図である。
【図2】本発明の第1実施例によるタービンの概略的な断面図である。
【図3】本発明の第2実施例によるタービンの概略的な断面図である。
【符号の説明】
【0067】
10 タービン、
20LE 半径方向のタービン段の静翼
20LA 半径方向のタービン翼の動翼
21〜28 半径方向のタービン段
30 軸
31 生蒸気流入スリーブ
32 ケーシング
35,36,37 貫流媒体の流れ方向
40 熱ゾーン境界
100 タービン
120 半径方向又は対角線方向のタービン段
121〜125 軸方向のタービン段
130 共通軸
130−I,130−II 部分軸
131 生蒸気スリーブ
132 ケーシング
135,136,137 貫流媒体の流れ方向
140 熱ゾーン境界

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービン装置のタービン(100)、殊に蒸気タービン装置の蒸気タービンであって、
半径方向又は対角線方向の流入部及び軸方向の流出部を備えた半径方向及び対角線方向のタービン段(120)と、軸方向の流入部と軸方向の流出部とを備えた少なくとも1つの軸方向のタービン段(121,122,123,124,125)とを有しており、
各タービン段が少なくとも1つの動翼を有していて、少なくとも1つの半径方向又は対角線方向のタービン段(120)がタービンの第1段として配置されていて、少なくとも1つの軸方向のタービン段(121,122,123,124,125)が半径方向又は対角線方向のタービン段(120)の下流でタービンの別の段として配置されている形式のものにおいて、
少なくとも1つの半径方向又は対角線方向のタービン段(120)が、少なくとも1つの軸方向のタービン段(121,122,123,124,125)よりも高い耐熱性を有していることを特徴とする、タービン装置のタービン。
【請求項2】
タービンが、半径方向又は対角線方向の1つだけのタービン段(120)と、少なくとも1つの軸方向のタービン段(121,122,123,124,125)とを有している、請求項1記載のタービン。
【請求項3】
半径方向又は対角線方向のタービン段(120)が第1の材料より製造されていて、少なくとも1つの軸方向のタービン段(121,122,123,124,125)が第2の材料より製造されており、前記第1の材料が前記第2の材料よりも高い耐熱性を有している、請求項1又は2記載のタービン。
【請求項4】
半径方向又は対角線方向のタービン段(120)が、耐熱性材料より成るコーティングによって被覆されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のタービン。
【請求項5】
半径方向又は対角線方向のタービン段(120)が高耐熱性のニッケルをベースとした合金より製造されているか、又は高耐熱性のニッケルをベースとした合金より成るコーティングによって被覆されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のタービン。
【請求項6】
半径方向又は対角線方向のタービン段(120)がセラミック材料より製造されているか、又はセラミック材料より成るコーティングによって被覆されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のタービン。
【請求項7】
少なくとも1つの軸方向のタービン段(121,122,123,124,125)が、コーティングなしの一般的なタービン材料より製造されている、請求項1から6までのいずれか1項記載のタービン。
【請求項8】
半径方向又は対角線方向のタービン段(120)が冷却されていて、少なくとも1つの軸方向のタービン段(121,122,123,124,125)が冷却されていない、請求項1から7までのいずれか1項記載のタービン。
【請求項9】
タービンの半径方向又は対角線方向のタービン段(120)の段負荷は、タービン(100)の定格運転時において、半径方向又は対角線方向のタービン段(120)への入口における貫流流体が、軸方向のタービン段の材料の最大可能な軟化温度よりも高い温度を有しており、半径方向又は対角線方向のタービン段(120)からの出口における貫流流体が、軸方向のタービン段の材料の最大可能な軟化温度と同じか又はこれよりも小さい温度を有している、請求項1から8までのいずれか1項記載のタービン。
【請求項10】
半径方向又は対角線方向のタービン段内への入口と、半径方向又は対角線方向のタービン段からの出口との間における貫流流体の温度低下が、少なくとも50℃、有利には60℃以上、殊に120℃以上である、請求項1から9までのいずれか1項記載のタービン。
【請求項11】
半径方向又は対角線方向のタービン段の平均的な出口直径が、半径方向又は対角線方向のタービン段に続いて配置された軸方向のタービン段の平均的な入口直径と同じである、請求項1から10までのいずれか1項記載のタービン。
【請求項12】
半径方向又は対角線方向のタービン段(120)と少なくとも1つの軸方向のタービン段(121,122,123,124,125)とが、1つの共通の軸(130)に配置されている、請求項1から11までのいずれか1項記載のタービン。
【請求項13】
半径方向又は対角線方向のタービン段(120)が第1の軸(130−I)に配置されていて、少なくとも1つの軸方向のタービン段(121,122,123,124,125)が第2の軸(130−II)に配置されていて、これらの軸が、伝動装置有利には遊星歯車伝動装置を介して互いに接続されている、請求項1から11までのいずれか1項記載のタービン。
【請求項14】
半径方向又は対角線方向のタービン段(120)と少なくとも1つの軸方向のタービン段(121,122,123,124,125)とが、1つの共通のケーシング(132)内に配置されている、請求項1から13までのいずれか1項記載のタービン。
【請求項15】
請求項1から14までのいずれか1項記載のタービンと内燃機関又は蒸気発生器とを備えたタービン装置殊に蒸気タービン装置において、
前記タービンが前記内燃機関又は蒸気発生器の直接下流に配置されていることを特徴とする、タービン。
【請求項16】
請求項1から14までのいずれか1項記載のタービンを構成するための方法において、
少なくとも1つの軸方向のタービン段を半径方向又は対角線方向のタービン段の下流に配置し、
半径方向又は対角線方向のタービン段を、前記少なくとも1つの軸方向のタービン段よりもより強い耐熱性で構成することを特徴とする、タービン段を構成するための方法。
【請求項17】
タービンの定格運転中に半径方向又は対角線方向のタービン段内への入口における貫流流体が、軸方向のタービン段の材料の最大可能な軟化温度よりも高い温度を有し、半径方向又は対角線方向のタービン段からの出口における貫流流体が、タービンの軸方向のタービン段の材料の最大可能な軟化温度と同じか又はそれよりも低い温度を有するように、タービンの半径方向又は対角線方向のタービン段の段負荷を選定する、請求項16記載の方法。
【請求項18】
半径方向又は対角線方向のタービン段内への入口と、半径方向又は対角線方向のタービン段からの出口との間における貫流流体の温度低下が、少なくとも50℃有利には60℃以上殊に120℃以上となるように、選定されている、請求項16又は17記載の方法。
【請求項19】
請求項15記載のタービン装置を運転するための方法において、
燃機関内又は蒸気発生器内の貫流流体に熱を供給し、これによって貫流流体を、タービンの軸方向のタービン段の材料の最大可能な軟化温度を超える温度に加熱し、次いでタービンの半径方向又は対角線方向のタービン段内における貫流流体を、技術的な作業を加えることによって緊張解除し、それによって半径方向又は対角線方向のタービン段からの出口における貫流流体の温度がタービンの軸方向のタービン段の材料の軟化温度と同じか又はこれよりも小さくなるようにすることを特徴とする、タービン装置を運転するための方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2008−519192(P2008−519192A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−538422(P2007−538422)
【出願日】平成17年10月26日(2005.10.26)
【国際出願番号】PCT/EP2005/055587
【国際公開番号】WO2006/048401
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(503416353)アルストム テクノロジー リミテッド (394)
【氏名又は名称原語表記】ALSTOM Technology Ltd
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 7, CH−5401 Baden, Switzerland
【Fターム(参考)】