説明

トレイラのためのステアリングのとれる単一のホイールユニット

【課題】トレイラのためのステアリングのとれる単一のホイールユニットを提供する。
【解決手段】サスペンション機構(15)と、このサスペンション機構(15)に取着されているホイール集合体とを支持しているホイールフレームと、前記ホイールフレームと、車両本体(11)との間に取着され、車両の向きを変えるように、前記車両(11)に対して前記ホイールフレームを回動するためのステアリング手段とを有する前記車両本体(11)に取着されるように適合されている単一のホイールユニットであって、前記ステアリング手段は、2つのステアリング構成要素(30)を有し、これらステアリング構成要素は、前記ホイールフレームの前部及び後部の各々に1つずつ回動可能に取着され(32、33)、前記車両本体(11)の側面に前記前部及び後部を独立に移動するように作動されることができる、単一のホイールユニット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、単一のホイールのセットを有する重い輸送トレイラとの使用のためのステアリングのとれる単一のホイールユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
ほぼ20%の重い輸送トレイラは、比較的重い荷重を輸送するための過剰に重いデューティトレイラである。これらのトレイラは、過剰な荷重を支持するために、複ホイールの近接している対を備えている前及び後ろのトレイラの軸を有する複ホイールシステムを必要としている。残りの80%の重いトレイラは、単一のホイールのセットで最大有料荷重を支持することができる。
【0003】
ほとんどのトレイラのホイールは、トレイラのステアリングと減少されるタイヤの引きずりとのために、トレイラの前と後ろとにグループされたクロスアクスルに取着されている。しかしながら、この種のトレイラは、制限された操作性を有している。タイヤをトレイラの中間の長さに位置させることは、不適当である。タイヤが、トレイラのあらゆる旋回で道路に渡って引きずられ、高いタイヤの磨耗とまた道路の磨耗との結果となるのである。加えて、中間の長さに位置されているタイヤは、隆起と他の道路の突起物とをトレイラの全体のサスペンションを乱すことなく適当に乗り越えることができないだろう。前と後ろとのホイールだけにより支持されているトレイラでは、トレイラの前部のドライブアクスルと、後部のアクスルとの間に延びるトレイラのシャシは、ホイールの支持の存在しないトレイラの中間の長さにある有料荷重を支持するために十分に強くなければならない。
【0004】
タイヤの引きずりを減少し、トレイラの有料荷重を増加するために、トレイラの長さに沿ったいかなる点にでも取着するためのステアリングがとれるホイールを製造するための努力がなされてきた。しかしながら、これらの努力は、大いに失敗してきた。成功してきた現存している機械的にそして自動的に駆動されているステアリングホイールユニットは、トレイラを1つの固定された所定の点でトレイラの長さで旋回させることだけができ、このことは、トレイラの操作性を制限している。
【発明の概要】
【0005】
本発明では、トレイラに改善された操作性と、比較的大きな有料荷重のための容量と、減少されているタイヤの磨耗とを与えることが努力されている。
【0006】
本発明に係われば、
サスペンション機構と、このサスペンション機構に取着されているホイール集合体とを支持するホイールフレームであって、このホイールフレームは、前の(leading)部分と、後ろの(trailing)部分とを有するホイールフレームと、
前記ホイールフレームと、車両本体との間に取着され、車両のステアリングをとるためにこの車両に対して前記ホイールフレームを回動させるためのステアリング手段であって、このステアリング手段は、2つのステアリング構成要素を有し、これらステアリング構成要素は、ホイールフレームの前記前部及び後部の各々に1つずつ回動可能に取着され、前記前部及び後部を前記車両本体の側面に独立に移動するように作動されることができる、ステアリング手段とを有する前記車両に取着されるように適合されている単一のホイールユニットが、与えられている。
【0007】
前記ステアリング構成要素は、好ましくは、往復運動をするピストンを有するリニアベアリングアクチュエータであって、このピストンは、前記フレームにヒンジ接続を通して取着されている。好ましくは、第1のリニアベアリングアクチュエータの作動は、前記前部を移動させ、ホイールフレームを前記車両を第1の方向に向けるように前記後部で回動させている。逆に、第2のリニアベアリングアクチュエータの作動は、前記車両を第2の方向に向けるように前記ホイールフレームを前記前部で回動させている。1つのリニアベアリングアクチュエータは、好ましくは、前記車両本体に回動可能に取着されるように適合されている。前記リニアベアリングアクチュエータは、2つの分離した油圧流体回路で作動しており、1つの回路への油圧流体の導入は、ピストンをアクチュエータのハウジングから伸長させ、第2の回路への流体の導入は、ピストンをこのアクチュエータのハウジングに引入れ、同時に前記油圧流体を前記第1の回路から排出させている。
【0008】
本発明に係われば、2つの回動可能な構成要素の間に位置されているベアリング集合体が、さらにまた与えられている。このベアリング集合体は、中央の軸を規定し凸状の肩部を有する開口端を備えたシリンダ状のスリーブベアリングを有し、このスリーブベアリングは、第1の回動可能な構成要素のボアの中に位置されている。
【0009】
そして、シャフトが、前記スリーブベアリングを通して軸支されており、このシャフトは、第2の回動可能な構成要素の開口部を設けられた複数のフランジを通して延びており、これらフランジは、前記ボアとスリーブベアリングとのいずれの側にも位置されている。このボアとスリーブベアリングにおいて、前記フランジの開口部は、このスリーブベアリングの凸状の肩部を対応してうけるように凹状の面を有している。
【0010】
前記ベアリング集合体は、好ましくは、バランスの取れていない荷重を支持するように適合されており、これによって、前記対応する凸状の肩部と、凹状の面とは、バランスの取れていない点荷重が、この点荷重のところにおけるベアリングへの構造的な応力が減少するように、比較的大きな領域に渡って分布されることを可能にしている。
【0011】
前記スリーブベアリングは、好ましくは、各々のスリーブ部分の端部に位置されているカーブした肩部を有する2つのスリーブの部分と、前記ボアの中のスリーブセクションの間に位置されているスペーサとを有する。このスリーブベアリングは、理想的には、ボアの端部から突出しているカーブした肩部だけを有し、ほとんど完全にボアの中に位置されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係るステアリングのとれる単一のホイールユニットを取着されているトレイラ車両の斜視図である。
【図2】本発明のステアリングのとれる単一のホイールユニットの上方斜視図である。
【図3】他の角度から描かれているホイールユニットの上方斜視図である。
【図4】ホイールユニットの下側の第1の斜視図である。
【図5】ホイールユニットの下側の第2の斜視図である。
【図6】中間の位置に下げられたホイールハブを示しているホイールユニットの側立面図である。
【図7】最も低い位置に下げられたホイールハブを示している図6に似た図である。
【図8】最も低い位置にあるホイールハブを示しているホイールユニットの下側の斜視図である。
【図9】まっすぐに一列に整列された単一のホイールユニットを示している斜視図である。
【図10】第1の方向に回転された単一のホイールユニットを示す斜視図である。
【図11】第2の方向に回転された単一のホイールユニットを示す斜視図である。
【図12】まっすぐに一列に整列された単一のホイールユニットを示す平面図である。
【図13】回転された単一のホイールユニットを示す平面図である。
【図14】単一のホイールユニットのリニアベアリングの断面図である。
【図15】カンチリバーベアリングを備えた単一のホイールユニットのサスペンションのジョイントの斜視図である。
【図16】ベアリングを比較的明確に示している図15と同様の図である。
【図17】分解されたベアリングを示している図16の接近図である。
【図18】サスペンションのジョイントに取着されているカンチリバーベアリングの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、添付されている図面を参照して例を通してさらに記述されている。
【0014】
図は、独立に支持され、独立にステアリングがきく単一のホイールユニット10を示している。このホイールユニット10は、これだけで完備されておりトレイラ本体11に取着されるように適合されている。図4及び図5は、特に、前記トレイラ本体11の下側のリニアベアリングアクチュエータ30にしっかりと取着されているホイールユニットを示している。
【0015】
図1は、トレイラ本体の長さ全体に沿って均一に分布された5つの単一のホイールユニットを有する前記トレイラ本体11を示している。前記トレイラの長さに沿っての均一な分布は、各々のタイヤが、タイヤ自身の独立したサスペンションを有し、他の全てのタイヤから独立にステアリングがとられる前記ホイールユニットの独立した性質のおかげで可能である。
【0016】
タイヤの引きずりなしの滑らかなトレイラの方向転換は、このトレイラの前部から後部の間に次第に減少しているタイヤの回転角度を有する後部のホイールよりも大きな回転角度を有するこのトレイラの前部のホイールにより影響を受けている。タイヤの位置に依存している異なる回転角度は、各々のタイヤをこのトレイラを牽引しているトラクタのホイールの行程に向けている。このことは、トレイラの移動可能性を劇的に増加している。前記トレイラの長さに沿っての均一なホイールの分布は、比較的簡単なトレイラの製造と、比較的大きな有料荷重を運搬することという追加された有利な点をもたらしている。
【0017】
前記単一のホイールユニットは、堅いメインフレーム12を有し、このメインフレーム12は、サスペンション機構15と、ホイール集合体16とを部分的に取り囲み、フェンダとして作用している。メインフレーム12は、アーチ状のカバー13と、前記フレーム12の片側を囲っている端部のパネル14とから形成されている。
【0018】
図2乃至8は、メインフレームの前記端部のパネル14に2点で回動可能に支持されている前記サスペンション機構15を異なる角度から示している。このサスペンション機構15は、ホイールのハブ21と、タイヤ(図示されていない)と、タイヤリムの中に完全に適合しているコンパクトな油圧ディスクブレーキ22とを支持しているホイールスタブ軸20を支持している。
【0019】
図6と図7とに最もよく説明されているように、前記サスペンション機構15は、サスペンションシリンダ24と、上方アーム25と下方アーム27とに各々の端部で回動可能に結合されている中央アーム26から構成されているZ字型リンク23とを有する。複数の前記アームは、構造的に堅く、前記中央アーム26は、この中央アーム26の低い端部で前記スタブ軸20を支持している。
【0020】
前記Z字型リンクは、このZ字型リンクの自由端で回動可能に前記トレイラ本体11に支持されている。このZ字型リンクは、前記ホイールユニット10に対して上げられた位置からのトレイラのホイールの垂直な移動を可能にし、図2に示されているように、図6に示されている中間の位置と、図7に示されている比較的低い位置とへの移動を可能にしている。この垂直な移動の距離は、ほぼ600mmであると予想される。
【0021】
前記サスペンション機構の動きは、一方の端部でメインフレーム12に、そして、他方の端部で前記下方アーム27に取着されている、空気圧のまたは油圧のシリンダ24により、緩衝され、または、作動されている。前記シリンダ24の作動は、比較的容易な品物の積み下ろしのために地面に対して前記トレイラ本体を低くしている。トレイラのデッキは、地面から300mmまで低められることができる。図7に示されている位置に向かってサスペンション機構を動かすために前記シリンダを伸長することは、牽引のために前記トレイラ本体を持ち上げている。トレイラが非均一な道路表面にわたってある時、前記サスペンション機構15は、ホイールの振動を減衰し前記トレイラ本体への擾乱を最小限にする本来のサスペンションとして振舞っている。
【0022】
前記トレイラ本体11に対して前記単一のホイールユニット10のステアリングのための手段は、 前記カバー13の各々の側に備えられており、前記トレイラ本体11の下側に取着されている。図4、5、8の比較的低い斜視図により最も良く示されているように、ステアリング手段は、前記カバー13の各々の側に取着され、2つのリニアベアリングアクチュエータ30を有する。各々のリニアベアリングアクチュエータは、内部のスライディングピストン31と、このピストンの端部で支持されている直立ピン32とを有する。前記直立ピン32は、前記ピストンに直角に直立に向き付けられて位置されている。各々のピンは、前記メインフレーム12の各々の側面に取着されているスリーブ33の中のスライディングフィットで受けられており、このスリーブ33は、前記ピン32で回動するように適合されている。
【0023】
前記トレイラ本体の下側に取着されている前記リニアアクチュエータ30は、前記単一のホイールユニットの前重量を支持している。両方のリニアアクチュエータ30の結合された作動は、前記メインフレーム12に前記サスペンション機構を支持させ、ホイール集合体を前記トレイラ本体に対して斜めに回転させている。
【0024】
例えば、図4と図9とは、2つのリニアアクチュエータ30の端部で前記直立ピン32に支持されている単一のホイールユニットを示している。アクチュエータ30の複数の前記ピストン31は、リニアアクチュエータのハウジング42から等距離伸びている。このようにして、前記メインフレーム12に支持されている前記サスペンション機構15に取着されているホイール(図示されていない)は、前記アクチュエータ30に直角に一列に整列され、すなわち、前記トレイラ本体11と平行に整列されることになる。
【0025】
図10において、一方のピストンが他方のピストンよりも前記アクチュエータのハウジングからさらに伸ばされており、それにより前記メインフレーム12を回動させている。そして、前記ホイールユニットにより支持されているホイールは、トレイラに対して斜めである。図5と図11とは、さらに伸長された他方のピストンを示しており、このピストンは、前記ホイールユニットを図10と反対の方向にねじる効果を有し、このことにより、またホイールを反対の方向に回転させている。
【0026】
アクチュエータの前記ピストンを異なる長さだけ伸長することにより、前記単一のホイールユニット10は、トレイラに取着されている時、右と左との方向に最大より下のいかなる程度にも回動することができる。あらゆる方向でのこの最大の回動角は、ほぼ40°である。図12と図13の平面図において、前記ホイールユニット10の前記トレイラ本体11に対する回動角度は、明確に表現されている。
【0027】
前記2つのアクチュエータの間の距離は固定されているが、各々のピストンのピン32の間の距離は変化するため、少なくとも1つのリニアベアリングアクチュエータは、前記トレイラ本体の下側で回動できる必要がある。前記アクチュエータは、このように、前記伸長するピストンと共に回動することができる。
【0028】
前記ホイールユニットを平面図で示す図12は、まっすぐな方向に向きが調整された単一のホイールユニットの前記ホイールハブ21を示している。図13において、右のベアリングアクチュエータの前記ピストンは、外向きに伸長している一方で、左のピストンは、固定されたままである。このことは、前記メインフレーム12を半時計回りに回転させている。右のピストンの前記ピン32は、また、本質的に半時計方向にわずかに回転している。図12と図13との右側の、回動可能に取着されているベアリングアクチュエータは、また、わずかに半時計回りに回転して、前記ピストンの自由な伸長と前記メインフレーム12の、したがってホイールの、制限のない回転を可能にしている。好ましい実施の形態における左側のベアリングアクチュエータは、回転する自由なくトレイラにしっかりと固定されている。両方のアクチュエータが前記トレイラ本体に回動可能に取着されることができる一方で、アクチュエータの1つが回動可能に取着されることだけが必要である。
【0029】
この単一のホイールユニットを備えられたトレイラが、前記トレイラ本体に沿ったホイールの位置に依存してトラクタのステアリングと共にホイールの回転を同期化するために、完全なマイクロプロセッサを用いるステアリングを設けられていることは予想される。安全の問題として、車両が高速に達する時には、独立で自動的なステアリングは、スイッチが切られることが推奨されている。
【0030】
理想的には、前記ホイールユニットの自動的なステアリングのために近接センサが設けられている。近接センサは、前記直立ピン32と、リニアベアリングアクチュエータ30との間に位置されることになる。前記近接センサは、前記ピストンの相対的な移動長さ、したがって、ステアリング角度、を測定し、ホイールのステアリングが、トレイラの速度と、前記トラクタの方向転換の角度とのような変数に従って、調整されることができるように、この測定値をマイクロプロセッサにリレーで返すことになる。
【0031】
さらに、前記サスペンション機構の垂直の移動は、アクティブサスペンションを提供するためにコンピュータによりコントロールされることができる。
【0032】
前記リニアベアリングアクチュエータ30は、アクチュエータの動きを制限することなく、前記ホイールユニットの垂直方向の全負荷のモーメントをうけるように、十分に頑丈でなければならない。したがって、油圧で駆動されているリニアアクチュエータの内部の流体の圧力は、全く高い。図14は、このリニアベアリングアクチュエータ30を断面で示している。
【0033】
リニアベアリングのハウジング42は、前記トレイラ本体11の下側に取着されている。ピストン31の作動の動きは、2つの別の流体回路に交互にポンプされる油圧流体により駆動されている。このピストンを前記ベアリングのハウジング42から外向きに動かすためには、油圧流体が、このハウジング42の中の固定された中心のロッド43の中の第1の回路39の中に、第1の開口部41を通してピストンの空洞40にポンプで入れられている。ロッド43の端部の中央のシール46に対するピストンの空洞40の流体圧力が増加するとともに、前記ピストン31は、図14において表現されているように、前記リニアベアリングのハウジング42の左に押される。このピストンを前記ベアリングのハウジングに引き戻すために、固定された中央のシール46と、ピストン31の内部の端部の可動なグランドシール47との間の圧力を増加するように、油圧流体が、第2の開口部45を通して第2の流体回路44の中へとポンプで入れられ、それにより、可動なピストンを前記ハウジングの中へと引き戻し、同時に、第1の開口部41から前記第1の回路の中の流体を排出している。
【0034】
図15乃至18に示されているように、前記中央及び下方アームの回転するジョイントに位置されているコンビネーションスラストアンドラジアルカンチリバーベアリング(a combination thrust and radial cantilever bearing)50とは、スタブ軸20から飛び出しているホイール集合体16が、前記下方アーム27に対して前記中央アーム26を回転させているため、垂直及びねじれの負荷を支持している。カンチリバーベアリング50は、前記下方及び中央アームの高い欠陥の下で良好に振舞うように設計されている。前記カンチリバーベアリング50は、ベアリングの停止(seizure)を導き得る大きく偏った力のかかった普通のスリーブベアリングで起こる点負荷を均一に分布させている。
【0035】
図15乃至18に示されている前記ベアリング50は、2つのベアリングスリーブ51を有し、これらベアリングスリーブは、前記下方アーム27の2つの開口部53の1つに受けられるように適合されている球面状の肩部52を開口端に有する。開口部53のエッジは、前記球面状の肩部と合致させるための球面状の面54を有する。
【0036】
図18は、前記対応する球面状の面54にはまるための球面状の肩部52を有するベアリングスリーブ51を示している。前記中央アームとの回動可能なジョイントに、下方アーム27は、2つの対向し持ち上げられた(raised)ジョイントフランジ55を有し、これらの間に、前記中央アーム26の端部が受けられている。この中央アーム26の端部は、スルーボア57を有する一方で、前記開口部53は、各々の対向し持ち上げられたフランジ55の1つに位置されている。
【0037】
ねじ山の切られたピン56が、前記開口部を持つフランジ55と、中央アーム26の前記ボアとを通して挿入されている。前記中央及び下方アームは、このことにより相対的に回動可能である。前記ベアリングスリーブ51は、このスリーブが、ほとんど完全にボア57の中に含まれるが、前記球面状の肩部52に対してはボア57の各々の端部から突出しているように、前記ねじ山の切られたピン56をボア57の中に軸支している。この点での参照は、図18の断面の説明図に与えられている。前記ジョイントフランジ55の開口部53の前記組合せされる球面状の面54は、前記球面状の肩部52を近接して支持している。これら組み合わさっている球面状の肩部と面との結果として、ベアリングの上への垂直及びねじれの負荷が、球面状の肩部の全体に渡って均一に分布し、点状の負荷の集中は除去されている。
【0038】
前記カンチリバーベアリング50を組み立てるにあたって、外側のねじ山を設けられた前記2つのベアリングスリーブ51は、前記中央アームのボア57の中へねじ込まれて固定されている。ボア57は、対になる内部のねじ山を有する。ボア57の各々の端部の中へとねじ込まれて固定されている前記ベアリングスリーブ51は、ボア57の外向きに向いている前記球面状の肩部52で向き付けられ、中央アーム26を下方アーム27の前記持ち上げられたジョイントフランジ55の間に位置させるように前記ボアの中へと十分にねじ込まれて固定されている。一度ボア57が、前記下方アームの開口部53と同軸に整列されると、前記ベアリングスリーブは、中央アーム26の端部に設けられたアクセススロット60を通してこのスリーブにアクセスすることにより、ボア57から外向きにねじ込まれて固定されている。
【0039】
前記球面状の肩部が前記対応し対になる球面状の面54に安定に据えられるまで外向きにねじ込まれて固定されている前記ベアリングスリーブで、ベアリングスペーサ61が、前記スリーブの位置をしっかりと固定するためにスロット60を通して挿入されている。ねじ山の切られたピン56は、それから1つの持ち上げられたフランジの開口部を通して、前記カンチリバーベアリングを通して、対向する持ち上げられたフランジの開口部に設けられた内部のねじ山にねじ込まれて固定されている。ピンのねじとは反対の端部のピンヘッド62は、反対のフランジの位置を決め、ピンを締めることは、前記中央及び下部のアームをジョイントで固定している。このジョイントにおける垂直な負荷は、これにより前記ピン56とベアリングスリーブ51との間で均一に支持される一方、ねじれ負荷は、前記ベアリングスリーブの球面状の肩部により支持されている。
【0040】
前記単一のホイールユニットに由来している有利な点は、トレイラの運ぶ許容量のかなりの増加と、製品の分配効率と、トレイラの堅さと、輸送における費用節約との点から直接に評価されることができる。これだけで完備した単一のホイールユニットを供給することにより、クロスアクスルは消去され、トレイラのデッキを低くする機会を与え、それにより、トレイラの貯蔵容量を増加している。図2と図3とは、例えば、前記スタブ軸20よりも十分下の点に低くされたデッキ73を有する前記トレイラ本体11を示している。ほぼ100から120mの貯蔵体積の平均的なサイズのトレイラにおいて、低くされたデッキの結果として生じる余分の貯蔵は、18mだけトレイラの体積の容量を高めることができる。余分の貯蔵容量は、直接より大きな体積的な輸送負荷と、品物の体積あたりの競争力のある輸送コストを与える機会とにつながっている。
【0041】
ステアリングがとれる特性のおかげで、前記単一のホイールユニットは、トレイラの長さに沿って均一に取着されることができる。タイヤの引きずりと、サスペンションの問題とを避けるためにホイールがトレイラ本体の前又は後ろにグループにされていなければならない普通のトレイラでは、このことは、可能ではない。トレイラの前と後ろとでホイールをグループにすることは、トレイラが、地面への直接の支持のないトレイラの中央の負荷を支持するために軸を渡って強いI字型の梁を有することを必要としている。本発明では、堅いI字型の梁の必要は、トレイラの長さに沿って規則的な間隔でホイールユニットを通しての直接の地面からの支持があるため、除かれている。結果として、I字型の梁は、構造的に比較的軽い梁によって置き換えられることができる。前記単一のホイールユニットは、トレイラの全側面長さに沿って均一に分布されており、トレイラの梁を一様に支持しているからである。梁で必要とされる構造的な強度は、普通のトレイラの梁で必要とされる構造的な強度のほぼ半分である。平均的なトレイラそれ自身の重さの節約は、1から2トンである。
【0042】
最大のトレイラの荷重は、平方メートルあたりで各々のタイヤにより支持されている最大の許容重量に直接関連している。タイヤが分布すれば分布するほど、より多くの重さがトレイラにより輸送されることができる。前記単一のホイールユニットは、トレイラの長さに沿ったタイヤの縦方向の分布だけでなく、横方向の分布も可能にする。ホイールを支持しているスプリングサスペンションは、ユニットのサスペンションの外側に設けられており、それにより、サスペンションポイントを前記トレイラ本体の外向き側面に動かすからである。サスペンションポイントの間の比較的大きな距離は、車両の通常の有料荷重をおよそ2.7トンだけ増加させることと、タイヤの位置へのさらに大きな依存とを意味している。24から25トンの有料荷重を有する通常の車両にとって、27から28トンへの増加は、品物の輸送において相当に大きな利益の節約を生み出している。比較的軽いトレイラで有料荷重は、さらに増加される。
【0043】
各々のタイヤがこれ自身の個々のサスペンションを有するため、タイヤの過負荷は、除去されている。さらに、前記単一のホイールユニットは、反対のサスペンションポイントの間の比較的大きな距離により、車両に比較的良い横転(roll-over)への抵抗を与えている。
【0044】
前記ホイールユニットへの変更と、このホイールユニットの応用とが出てくることができると理解されている。例えば、前記単一のホイールユニットは、ロードシェアリングアキュムレータにより結合されたタンデムペアで取着されることができる。
【0045】
重い車両のホイール集合体への本改良に従う多くの有利な点は、最終的には、輸送産業における比較的大きな効率とコスト節約とに導いている。デッキを低くすることと、ブレーキ集合体の変更との可能性は、トレイラの貯蔵容量のさらなる増加を可能にしている。ステアリングがとれ、独立にサスペンションがつけられたホイールは、トレイラ本体の重量の減少と結びついて、有料荷重の増加を可能にしているトレイラの構造的な統合性を本質的に強化するホイールの移動に備えている。前記単一のホイールユニットは、加えて比較的大きな操作性と、比較的小さな旋回円と、比較的良いステアリングコントロールとを提供している。
【0046】
本発明の当業者に、本発明の精神と範囲とから出ることなく多くの変更がなされることができることが理解されるだろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サスペンション機構と、このサスペンション機構に取着されているホイール集合体とを支持し、前部と、後部とを有するホイールフレームと、
このホイールフレームと、車両本体との間に取着され、車両の向きを変えるようにこの車両に対して前記ホイールフレームを回動させるためのステアリング手段とを具備し、このステアリング手段は、2つのステアリング構成要素を有し、これらステアリング構成要素は、ホイールフレームの前記前部及び後部の各々に1つずつ回動可能に取着され、前記前部及び後部を前記車両本体の側方に独立に移動させるように作動されることができる、車両に取着されるように適合される単一のホイールユニット。
【請求項2】
前記ステアリング構成要素の少なくとも1つは、前記車両本体に回動可能に取着される請求項1に記載の単一のホイールユニット。
【請求項3】
前記両ステアリング構成要素は、往復運動をするピストンを備えたリニアベアリングアクチュエータである請求項1または2の単一のホイールユニット。
【請求項4】
前記両ピストンは、前記ホイールフレームにヒンジ接続により回動可能に取着されている前記全ての請求項のいずれか1の単一のホイールユニット。
【請求項5】
前記リニアベアリングアクチュエータのうちの第1のリニアベアリングアクチュエータの作動は、前記前部を移動させ、また、前記車両を第1の方向に向けるように、前記ホイールフレームを前記後部で回動させ、そして、前記リニアベアリングアクチュエータのうちの第2のリニアベアリングアクチュエータの作動は、前記車両を第2の反対の方向に向けるように前記ホイールフレームを前記前部で回動させる前記全ての請求項のいずれか1の単一のホイールユニット。
【請求項6】
前記両リニアベアリングアクチュエータは、2つの分離した油圧流体回路で作動し、これら2つの油圧流体回路によって、油圧流体の一つの回路への導入は、前記ピストンをアクチュエータのハウジングから伸長させ、第2の回路への流体の導入は、このアクチュエータのハウジングの中へピストンを引き戻させる請求項2乃至5のいずれか1の単一のホイールユニット。
【請求項7】
前記サスペンション機構は、前記ホイールフレームに2点で回動可能に支持されている前記全ての請求項のいずれか1の単一のホイールユニット。
【請求項8】
前記サスペンション機構は、端部で互いに回動可能に結合された3つのアームで構成されているZ字型リンクと、前記ホイールフレームとZ字型リンクの一つのアームとの間に固定されたサスペンションシリンダとを有しており、このZ字型リンクにおいて、ホイールのためのホイールスタブ軸は、このZ字型リンクによって支持され、前記サスペンションシリンダは、前記ホイールスタブ軸を前記ホイールフレームに対して上げるか下げるように作動する請求項7に記載の単一のホイールユニット。
【請求項9】
前記Z字型リンクの2つのアームの間の回動可能な結合の1つは、コンビネーションスラストアンドラジアルカンチリバーベアリングを有する請求項8に記載の単一のホイールユニット。
【請求項10】
前記コンビネーションスラストアンドラジアルカンチリバーベアリングは、中央の軸を規定し凸状の肩部を有する開口端を有するシリンダ状のスリーブベアリングを有し、このスリーブベアリングは、第1の回動可能な構成要素のボアの中に位置されており、また、シャフトが、前記スリーブベアリングを通して軸支され、このシャフトは、第2の回動可能な構成要素の開口部を設けられたフランジを通して延び、このフランジは、前記ボアとスリーブベアリングとのいずれの側にも位置されており、このフランジにおいて、前記フランジの開口部は、前記スリーブベアリングの凸状の肩部を対応して受けるように凹状の面を有する請求項9に記載の単一のホイールユニット。
【請求項11】
前記スリーブベアリングは、外表面と、内表面とを有しており、また、前記凸状の肩部は、好ましくは、前記内表面のスリーブの長さが外表面のスリーブの長さよりも長いように向き付けられている請求項10に記載の単一のホイールユニット。
【請求項12】
前記スリーブベアリングは、2つの同軸のスリーブ部分を有し、各々のスリーブ部分は、各々のスリーブ部分の開口端に位置されているカーブした肩部を有し、また、このスリーブベアリングは、ボアの中の前記スリーブセクションの間に位置されているスペーサを有する請求項10に記載の単一のホイールユニット。
【請求項13】
前記スリーブベアリングは、フランジの前記開口部に対して据えられるように前記ボアの端部から突出している前記カーブした肩部を備えて、実質的に全体的にこのボアの中に位置されている請求項10または11に記載の単一のホイールユニット。
【請求項14】
前記ホイールスタブ軸は、結合された油圧スプリングサービスとパークブレーキとを全体的にホイールタイヤのリムの中に支持している請求項7乃至9のいずれか1に記載の単一のホイールユニット。
【請求項15】
前記車両本体に対して前記ホイールフレームのステアリングを調節するマイクロプロセッサによりコントロールされている前記全ての請求項のいずれか1に記載の単一のホイールユニット。
【請求項16】
前記マイクロプロセッサは、対応するホイールユニットとの同期化と、前記車両の速度と、前記車両の旋回角度とのような変数に基づいてステアリングを調節する請求項15に記載の単一のホイールユニット。
【請求項17】
複数の近接センサは、前記ステアリング手段の移動を測定し、この測定値を前記ホイールユニットのステアリングを調節するための前記マイクロプロセッサにリレーするために、前記ホイールユニットに設けられている請求項15または16に記載の単一のホイールユニット。
【請求項18】
複数の近接センサは、前記リニアベアリングアクチュエータとヒンジ接続との間に位置されている請求項4に記載の単一のホイールユニット。
【請求項19】
前記サスペンション機構は、前記ホイールスタブ軸を高めるか低めるようにコントロールされることができる請求項8乃至10のいずれか1に記載の単一のホイールユニット。
【請求項20】
前記サスペンション機構は、コンピュータによりコントロールされている請求項18に記載の単一のホイールユニット。
【請求項21】
他のホイールユニットとタンデムペアで取着され、そして、これら2つのホイールユニットは、ロードシェアリングアキュムレータにより結合されている前記全ての請求項のいずれか1の単一のホイールユニット。
【請求項22】
2つの回動する構成要素の間に位置されているベアリング集合体であって、このベアリング集合体は、中央の軸を規定し凸状の肩部を有する開口端を備えたシリンダ状のスリーブベアリングを有し、このスリーブベアリングは、第1の回動する構成要素のボアの中に位置され、このスリーブベアリングを通してシャフトが軸支され、このシャフトは、第2の回動する構成要素の開口部を備えたフランジを通して延び、このフランジは、ボアと前記スリーブベアリングのいずれの側にも位置されており、これらフランジにおいて、前記フランジの開口部は、前記スリーブベアリングの凸状の肩部を対応して受けるような凹状の面を有する、ベアリング集合体。
【請求項23】
前記スリーブベアリングは、外表面と、内表面とを有し、また、凸状の肩部は、好ましくは、内表面のスリーブの長さは、外表面のスリーブの長さよりも長いように向き付けられている請求項22に記載のベアリング集合体。
【請求項24】
前記スリーブベアリングは、2つの同軸のスリーブ部分を有し、各々のスリーブ部分は、各々のスリーブ部分の開口端に位置されているカーブした肩部を有し、また、このスリーブベアリングは、ボアの中の前記スリーブ部分の間に位置されているスペーサを有する請求項22または23に記載のベアリング集合体。
【請求項25】
前記スリーブベアリングは、フランジの前記開口部に対して据えられるように前記ボアの端部から突出している前記カーブした肩部を備えて、実質的に全体的にこのボアの中に位置されている請求項22乃至24のいずれか1に記載のベアリング集合体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−264979(P2010−264979A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−173841(P2010−173841)
【出願日】平成22年8月2日(2010.8.2)
【分割の表示】特願2006−501340(P2006−501340)の分割
【原出願日】平成16年1月28日(2004.1.28)
【出願人】(505285054)スティーラブル・ホウィール・システムズ・ピーティーワイ・リミテッド (2)
【Fターム(参考)】