説明

ナノチューブをベースにした回路の接続方法

集積回路配置の電気的に接続を、カーボンナノチューブにより容易にする。様々な実施例により、カーボンナノチューブ材料(120、135)は、金属のような他の材料(130、125)と関連する。カーボンナノチューブ材料は、異なる回路素子間の電気的に接続を容易にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路デバイス及び方法に関するものであり、特に、ナノチューブ材料を使用する集積回路コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体産業の技術的進歩は、回路密度、回路の複雑性及び回路の機能の劇的な増加を可能にした。このような高密度及び高機能の必要性を満たすために、多数の外部の電気的接続部を、回路チップの中、チップの外側及びチップを受ける半導体パッケージの外側に実装し、外部システム(例えばプリント回路板)にパックされた配置を接続する。これら及び他の様々な適用で、電気コネクタの数多くのいろいろな種類を用いる。
【0003】
いくつかのコネクタを、種々の回路素子を接続および/または外部接続部(例えばパッド)に回路素子を接続するために、内部(例えば、チップまたはパッケージ基板の範囲内)に実装する。例えば、相互接続部またはトレースを、半導体デバイスの特定のレベルで回路素子を接続するために用いる。バイアを、配置の種々のレベルで接続し、外部コネクタ(例えば、はんだボールパッド)と接続を構成するために用いる。
【0004】
外部に実装されたコネクタは、種々の回路素子を電気的に接続する。例えば、この回路素子は、接続チップ、フリップチップ、パッケージ基板、ボールグリッドアレイ(BGA)基板及びピングリッドアレイ(PGA)基板である。これらの電気的接続部は、種々の目的で回路素子間の信号の伝達を容易にする。
【0005】
各々のこれらの適用は、強度、導電率(及び固有抵抗)、サイズ、剛性及び熱伝導率のような様々な回路コネクタ特性からの利益を得る。コスト、製造可能性及び信頼性のような他の係数も、これらの適用で重要である。しかし、望ましい回路コネクタ特性を達成することは難関であり、上記の他の要因に出くわす。さらに、一定の望ましい特性を満たすコネクタ材料及び方法は、他の特性を犠牲にすることが多い。さらにまた、半導体産業の上記進歩は、以前の方法で提供したものより高い性能を要求することが多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの問題点及び他の問題点は、種々の適用で回路基板の実施に課題を示す。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の様々な態様は、集積回路及び他の配置を有する回路コネクタ及び方法を含む。
本発明は、多くの実施及び応用例において例示され、その幾つかをまとめる。
【0008】
実施例によれば、集積回路配置は、集積回路内および/または集積回路デバイス間の電気素子を電気的に接続する、カーボンナノチューブをベースにした複合導体を含む。
【0009】
他の実施例において、集積回路配置は、パッケージを接続された集積回路チップを含む。カーボンナノチューブをベースにした複合導体は、集積回路チップのパッケージ配置の電気素子を電気的に接続する。複合導体は、一つ以上の種々の配置に他の材料を有するカーボンナノチューブ材料を含む。例えば、コーティングしたカーボンナノチューブ、コーティングしたナノチューブ、他の材料でコーティングしたナノチューブ又はベースタイプの材料にカーボンナノチューブ材料の混合物をコーティングしたナノチューブである。
【0010】
本発明の他の実施例において、集積回路配置は、そこにカーボンナノチューブをベースにした複合相互接続部を有する集積回路基板を含む。相互接続部は、非カーボンナノチューブ材料と関連するカーボンナノチューブ材料により、集積回路配置の電気素子を電気的に接続する。カーボンナノチューブ材料は、例えば、カーボンナノチューブおよび/または、カーボンナノチューブ部分またはカーボンナノチューブを保持する化合物と混合したダストを含むことができる。
【0011】
他の実施例では、集積回路ボンドワイヤコネクタ配置は、集積回路素子を接続することを目的とする。ボンドワイヤコネクタ配置は、金属の複合体を含むボンドワイヤとボンドワイヤの長さに沿って延びるカーボンナノチューブをベースにした材料とを含む。カーボンナノチューブをベースにした材料を、集積回路素子の間、例えば、集積回路チップと基板またはその他の外部素子との間に、導電するように配置する。
【0012】
ボンドワイヤ配置を、本発明の他の実施例により製造する。長さを有する金属コア材料を設ける(例えば、製造および/またはその他の処理を提示)。カーボンナノチューブを、金属コア材料上に金属コア材料の長さに沿って結合する。したがって、ボンドワイヤに沿って、例えば、ボンドワイヤの外側部分のカーボンナノチューブに、導電を容易にする。
【0013】
他の実施例において、長さを有するカーボンナノチューブ・コア材料を最初に設ける(例えば、製造、成長またはその他の処理を提示)ために、ボンドワイヤ配置を製造する。カーボンナノチューブ・コア上にカーボンナノチューブ・コア材料の長さに沿って、金属を結合する。それ故に、ボンドワイヤに沿って、例えば、カーボンナノチューブ・コア内に導電を容易にし、外側の金属はボンドワイヤの強度を改良する。
【0014】
本発明による他の実施例において、集積回路リードフレーム配置は、カーボンナノチューブ複合材料を含む。その配置は、金属及びカーボンナノチューブ材料の組合せを有し、外部回路素子または回路素子を集積回路チップに電気的に接続するように配置したリードフレームを含む。
【0015】
カーボンナノチューブをベースにした相互接続部を、本発明の他の実施例により製造する。トレンチを基板上にエッチングし、トレンチの一部を金属材料で充填する。カーボンナノチューブを、金属材料の表面に結合する。いくつかの応用例において、金属が成長した後に、カーボンナノチューブを金属材料の上面に結合する(または成長する)。他の応用例において、付加金属材料は、成長したカーボンナノチューブ材料にわたっておよび/またはカーボンナノチューブ材料上のトレンチに形成される。さらに他の応用例において、カーボンナノチューブ材料をトレンチにまず沈積し、トレンチ内およびカーボンナノチューブ材料にわたっておよび/またはカーボンナノチューブ材料上に金属材料を充填する。トレンチ内にカーボンナノチューブ材料にわたっておよび/またはカーボンナノチューブ材料上に満たした金属にわたって/または金属上に、付加カーボンナノチューブは任意に形成される。
【0016】
上記の本発明の概要は、本発明の各々の実施例またはすべての実施を記載することを意図していない。次の図及び詳細な説明は、特にこれらの実施例を例示する。
【0017】
本発明は、添付の図面と関連して、本発明の様々な実施例の次の詳細な説明を考慮して、より完全に理解することができる。
【0018】
本発明は様々な変更及び選択形式で影響されるが、その詳細を一例として図面に示し、詳細に記載する。しかし、意図は本発明を特定の実施例に記載の発明に制限しないことは、理解されなければならない。一方、意図は、本発明の範囲内の全ての変更、等価物及び変形例をおおうことであり、添付の特許請求の範囲によって規定される。
【0019】
本発明は、種々の回路及び方法に適用できると考えられ、特に、集積回路型の方法は回路パッケージの異なる素子の間で結合するために実装された導電体を含む。本発明が必ずしもこのような応用例に制限されない一方、本発明の様々な態様の正しい認識はこのような環境の実施例の説明で最も得られる。
【発明の効果】
【0020】
本発明についての実施例によれば、集積回路コネクタは、カーボンナノチューブと金属との組合せを含む。コネクタは、伝導配置に金属を有するカーボンナノチューブを含み、異なる回路(例えば、集積回路及びそれが結合されたパッケージ又は基板上の回路素子)を電気的に接続することを容易にする。カーボンナノチューブは、異なる回路素子間、例えばチップ及びパッケージ基板間で電気的に接続を容易にする。さらにまた、カーボンナノチューブは、コネクタ特性、例えば強度、導電率、熱伝達及びコネクタによる望ましく有する他のものを改良する。
【0021】
本発明についての他の実施例において、ナノチューブ−金属の複合ボンドワイヤを用いることで、パッケージ基板とチップを電気的に接続する。ナノチューブ−金属複合ボンドワイヤを、構成に基づいて、多数のカーボンナノチューブ及び異なる配置の導電金属によって形成する。一例を挙げると、カーボンナノチューブを、ボンドワイヤのコアとして形成し、通常、金属のコーティングはカーボンナノチューブ・コアを取り囲む。他の実例において、カーボンナノチューブを、金属コアの周りにコーティングする。さらに別の実例において、カーボンナノチューブを、金属と混合して、複合ボンドワイヤを形成する。
【0022】
リードフレーム構造は、金属コアを取り囲む外側のカーボンナノチューブをベースにした領域を含み、本発明についての他の実施例によるものである。集積回路チップをパッケージ基板に接続し、リードフレームは他の回路素子に集積回路チップを電気的に接続することを容易にする。チップ、パッケージ基板及び少なくとも一部のリードフレームを、モールドタイプの材料によって封入する。
【0023】
本発明についての他の実施例において、外部回路を接続できるオンチップコネクタに、ナノチューブコネクタ型材料を配置する。例えば、相互接続型(すなわちトレース)、適用できるコネクタの種類によって、例えばチップの表面の近くの領域に、オンチップコネクタを実装することができる。例えば、金属によって取り囲まれたカーボンナノチューブ・コア、カーボンナノチューブ材料またはカーボンナノチューブ材料の混合物によって取り囲まれた、金属コア及び金属または半導体材料のような他の材料を含む種々の配置において、コネクタ型材料を実現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1Aは、カーボン−ナノチューブで改良された電気コネクタ100の断面図を示し、本発明についての実施例によるものである。コネクタ100は伝導性の金属領域130に取り囲まれたカーボンナノチューブ・コア120を含み、特定の用途を満たすように選ばれた長さ(「L」で表し省略して示す)で延びる。カーボンナノチューブ・コア120は、コネクタ100の長さに沿って伝導するように配置された一つ以上のカーボンナノチューブを含む。ナノチューブまたはコア120におけるナノチューブを、様々な構成で形成することで、特定の用途の必要性を満たす。例えば、カーボンナノチューブで束ねた鎖、ナノチューブマトリックスまたは導電性を容易にする他の配置を、コア120に実現することができる。
【0025】
取り囲まれた金属領域130は、適用及び利用できる材料に依存して、種々の金属(例えば金、アルミニウム、銅またはその合金)で実現する。1つの応用例において、金属を、既存の単一カーボンナノチューブ、ナノチューブロープまたはナノチューブの束にわたってめっきおよび/またはスパッタする。一般に、金属領域130は、コネクタ100の長さに沿って延び、同様に、その全長に沿ってカーボンナノチューブ・コア120を取り囲む。
【0026】
一つの実施例において、コネクタ100を、ワイヤボンディング(ボンドワイヤ)の応用例に用いる。ワイヤボンディングは、例えば、集積回路ダイ(すなわちチップ)間との電気的に接続を、パッケージ基板のコネクタ(例えばリード)に与える。コネクタ100の一端を集積回路に接続(結合)し、コネクタの他端をパッケージ基板のコネクタを接続する。金属材料130によって取り囲まれたカーボンナノチューブ・コア120のこの配置は、比較的大きな電流のボンドワイヤの適用を容易にする。更に、一般により長い(非カーボンナノチューブ)ワイヤと関連する強度及び導電率のような望ましい特性を維持しながら、カーボンナノチューブ・コア120は、比較的小さな直径の実施を容易にする(図1Aで示すコネクタ100の横断面の直径にわたって)。
【0027】
図1Bは、カーボンナノチューブで改良された電気コネクタ105の断面図を示し、本発明の実施例によるものである。コネクタ105は、カーボンナノチューブ材料135でコーティングされた伝導性の金属コア125を有する。図1Aに示したコネクタ100と同様に、特定の用途を満たすように選ばれた長さ(「L」で表し省略して示す)で、コネクタ105は延びる。
【0028】
金属コア125は、適用及び利用できる材料により、一つ以上の種類の金属(例えば金、アルミニウム、銅またはその合金)を含む。いくつかの応用例において、金属コア125は、通常のボンドワイヤである。他の構成において、バリエーションは通常のボンドワイヤであり、コーティングされたカーボンナノチューブ材料135と関連するもので容易にできる。さらに他の適用において、金属コア125は、金属と混合したカーボンナノチューブ材料を含む。
【0029】
取り囲まれたカーボンナノチューブ材料135を、コネクタ105の長さ「L」を一般に延ばし、長さに沿って導電するように構成する。取り囲まれたカーボンナノチューブ材料135のカーボンナノチューブを、様々な構成で形成し、特定の用途の必要性をみたす。例えば、カーボンナノチューブ鎖の束、ナノチューブマトリックスまたは導電率を容易にする他の配置を、取り囲まれたカーボンナノチューブ材料135で実現することができる。
【0030】
カーボンナノチューブ材料135を、適用によって、一つ以上の種々の方法で金属コア125と関連する。一つの実施例において、カーボンナノチューブを、通常の塗装および/または静電塗装プロセスを用いて金属コア125の外側に塗布する。他の実施例は、スキーズ法を伴い、例えば、柔らかいスキーズのふき取り動作を用いてスクリーンの開放区域に材料を押しつけることで、カーボンナノチューブを相互接続部(パターンにおいて)に接続する。他の実施例において、金属コア125は加熱によって軟化させ、軟化させた金属コアとの接触によってカーボンナノチューブ材料135を結合する。金属コアが冷却することにより、カーボンナノチューブ材料135を結合する。
【0031】
図2は、カーボンナノチューブをベースにしたリードフレームを有する集積回路配置200を示し、本発明についての他の実施例によるものである。配置200は、パッケージ基板220に接続した集積回路チップ210を含む。リードフレームを横断面で示し、部分240及び250を集積回路チップ210とそれぞれ接続する。
【0032】
封止材料230(例えばモールド材料)は、集積回路チップ210、パッケージ基板220及び集積回路チップに接続したリードフレームの部分を封止する。封止材料230の示した配置及び構成は例示であり、様々な形状、配置、厚さ及び封止材料230の他の特性を、種々の目的で実現することができる。
【0033】
リードフレームは、金属タイプのコア周辺をコーティングしたカーボンナノチューブを含む。リードフレーム部分240に関し、金属タイプのコア242を、カーボンナノチューブコーティング244により取り囲まれ、金属タイプのコアは伝導コネクタ212により集積回路チップ210を接続する。同様に、リードフレーム部分240は、カーボンナノチューブ材料254により取り囲まれた金属タイプのコア252を含み、金属タイプのコアを伝導性のコネクタ214により集積回路チップ210に接続する。
【0034】
カーボンナノチューブ材料244及び254は、種々の方法で金属タイプの材料242及び252と関連する。例えば、通常の塗装および/または静電塗装方法を、いくつかの応用例において用い、カーボンナノチューブ材料244及び254を金属タイプの材料242及び252上にコーティングする。更に、ソフト金属が結合する方法を、図1Bと関連して上述したものと同様に、他の応用例に用いる。
【0035】
いくつかの実施例において、カーボンナノチューブ材料は、混合方法を用いる金属タイプの材料と関連する。1つの応用例において、カーボンナノチューブを、金属タイプコア242及び252に埋め込む。他の応用例では、カーボンナノチューブ材料244及び254は、カーボンナノチューブ−金属の組合せ、例えば金属に埋め込まれたカーボンナノチューブを含む。さらに他の応用例において、リードフレーム部分240及び250は各々の連続部分であり、その外側部分である、それぞれの部分244及び254は、そこに埋め込まれたカーボンナノチューブを有する。
【0036】
他の実施例において、カーボンナノチューブを、金属タイプのコア242及び252から成長する。多くの応用例において、成長は、金属タイプコアの242及び252に、一般にカーボンを含有するガスの導入を含み、ガスからのカーボンはコア上のナノチューブを形成する。いくつかの場合では、カーボンナノチューブ成長は、金属タイプのコア242及び252に触媒タイプの材料の使用を含む。
【0037】
他の実施例において、コーティング層を、カーボンナノチューブ材料244及び254の外面(例えば、外面上および/または外面近く)に形成する。実施例において、一層又は複数のはんだ型金属層を、カーボンナノチューブ材料244及び254の表面に形成する。金属層(例えばニッケル及びスズ)のはんだ付けは、カーボンナノチューブ材料244及び254に直接形成することができる。
【0038】
上記の説明と同様に、集積回路配置200は、多くの異なる回路の用途に適用できる。実施例において、集積回路配置200を、高周波の用途(例えばRFマイクロ波適用)に適応する。カーボンナノチューブ材料244及び254を図2に示すようにリードフレームの外周に配置し、電流は外周(例えば、金属タイプコア242及び252に関連する)を通って流れる。他の実施例において、回路配置200は、強度のリードフレーム素子から役立つ応用例に実施され、小さいリードフレーム(金属リードフレームと関連する)を用いて、カーボンナノチューブ材料によって補強される。
【0039】
図3Aは、カーボンナノチューブの外側部分を有する複合カーボンナノチューブをベースにしたコネクタ300の断面図を示し、本発明についての他の実施例によるものである。コネクタ300は、後述の図3B及び図3Cで関連するものと同じであり、一つ以上のBGA、PCBまたは他の基板相互接続部の応用例に適用できる。ナノチューブをベースにしたコネクタ300は、コネクタの外側部分にカーボンナノチューブ材料310及び314を有するコア金属層312を含む。1つの応用例において、カーボンナノチューブ材料は、コア金属層312の一面(すなわち表面)を層状にする。他の応用例(実施例として図3Aに示すように)において、カーボンナノチューブ材料を、金属コア312の全ての側面に一般に配置する。
【0040】
図3Bは、複合カーボンナノチューブをベースにしたコネクタ320の断面図を示し、図3Aに示したコネクタ300と同様であり、カーボンナノチューブ・コアを有し、本発明についての他の実施例によるものである。本実施例において、コアカーボンナノチューブ層332は、一つ以上の外側部分に金属層を有する。図3Bの金属層の特定の配置は、カーボンナノチューブ層332の上下の堅固な部分に、部分330及び334を示す。図3A及び図3Bの両者については、三層で示し、上層(310、330)及び底層(314、334)を有する中層(312、332)を含む。しかし、様々な実施例において、示された上層及び底層のうちの1つを、省略する。
【0041】
図3Cは、複合カーボンナノチューブをベースにしたコネクタ340の断面図を示し、図3A及び図3Bに示したコネクタと同様であり、カーボンナノチューブの混合物を有し、本発明についての他の実施例によるものである。コネクタ340は、代表的なナノチューブ352で示すカーボンナノチューブの混合物を、他の材料350(例えば金属、エポキシ、樹脂または半導体材料)に含む。用途によれば、カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブ・ダストおよび/またはカーボンナノチューブの組合せを、コネクタ340に用いる。他の材料を有するカーボンナノチューブの混合物は、コネクタ340に沿って、それに接続した伝導性のコネクタ(例えば、外部回路を電気的に接続)によって導電する。
【0042】
図3A−図3Cと関連して各々の上述の実施例において、カーボンナノチューブを、混合および/またはその他の種々の材料と関連することができる。導電性の金属を含む応用例において、カーボンナノチューブは、コア層、外層および/またはカーボンナノチューブとの混合層としての、銅、アルミニウムまたは金と関連することができる。他の用途において、カーボンナノチューブを、材料と混合または、基板材料(例えばセラミックまたは有機基板の材料(例えば、BT(ビスマレイミドトリアジン)および/またはFR4のような樹脂またはエポキシ))に実行する。
【0043】
コネクタ300、320及び340を、一つ以上の種々の方法を用いて製造する。一の実施例において、金属(例えば銅)の相互接続部をカーボンナノチューブと結合する。金属層を、まず形成し、そこにナノチューブを、例えば上述の塗装法、スキーズ法または他の方法を用いて結合する。いくつかの応用例において、カーボンナノチューブを、金属と混ぜ、コネクタの金属層上に塗布する。他の実施例において、カーボンナノチューブ層をまず形成し、そこに金属をスパッタのような方法を用いて結合する。
【0044】
複数の外層が、望ましい場合(図3A及び図3Bに示すように)、第三層をその後実行する。カーボンナノチューブが図3Bのように相互接続部のコアにある場合、第一の部分の金属層は半分の厚さで形成し、それにカーボンナノチューブを結合し、他の金属層を第一の半分層の反対側にあるカーボンナノチューブを結合する。金属層が図3Aのように相互接続部のコアにある場合、金属層を十分な所望の厚さで形成し、それにナノチューブを金属層の反対側を結合する。あるいは、ナノチューブ層をまず形成し、金属層をそこに形成し、他のカーボンナノチューブ層(必要に応じて)を金属層上に形成する。これらの層を、例えば、集積回路チップの表層上または表層内に形成することができる。
【0045】
図4Aは、カーボンナノチューブを含む相互接続部を使用する回路基板配置400の断面図を示し、本発明についての他の実施例によるものである。回路基板配置400は複数のコネクタを含み、基板型材料410に相互接続部420、430、440及び450を含む。相互接続部420及び430をバイア425によって互いに接続し、相互接続部440及び450をバイア445によって互いに接続する。基板型材料410は、一つ以上の種々の材料、例えばエポキシ、樹脂、セラミック、半導体材料及びその他を含む。
【0046】
相互接続部420、430、440及び450を図3A−図3Cと関連して述べた方法を用いて形成し、基板型材料410を形成するように各々の相互接続部を形成した。図4B−図4Eは、回路基板配置400を製造する1つの実施方法を示す。この点に関して、簡単に及び一例として図4B−4Eと関連して、図4Aと関連して用いられる参照番号を用いる。
【0047】
まず最初は図4Bで、トレンチ451を、基板410に形成し、配置400を適用する特定の用途に適合するように選ばれた長さ(L)、深さ(D)及び幅(例えば、横断面と関連したページ)に形成する。図4Cにおいて、下層452を、トレンチ451で満たす。カーボンナノチューブがトレンチ451に形成されている相互接続部の外側部分にあるべき場合は、第一層452はカーボンナノチューブ層である。カーボンナノチューブがトレンチ451に形成された相互接続部のコアであるべき場合は、第一層452は金属である。
【0048】
第一層452を形成した後、第二層453を図4Dに示すように形成し、上述の第一層の方法と関連した組成物を有する。具体的には、トレンチ451に形成されている相互接続部をそれの外側部分にカーボンナノチューブを有するべきとき、第一層452はカーボンナノチューブ層で、第二層453は金属層である。反対に、第一層452が金属層であるとき、相互接続部をカーボンナノチューブ・コアで形成し、第二層453はコアとしてカーボンナノチューブ層である。
【0049】
第一層(452)及び第二層(453)を形成した後、第三層454を図4Eに示すように第二層上に形成する。第一層(452)、第二層(453)及び第三層(454)は、相互接続部とともに実行し、例えば相互接続部450を図4Aに示す。第三層を形成した後、付加基板材料411を破線で示すように相互接続部上に形成し、他の相互接続部を同様の方法で付加基板材料のトレンチを用いて形成することができる。
【0050】
ほとんどの実施例において、第三層454の組成物は、第一層452の組成物と一致する。例えば、トレンチ451内に形成されている相互接続部が金属コアを有する場合、第一層(452)及び第三層(454)はカーボンナノチューブ層であり、第二層453は金属コアである。トレンチ452が形成されている相互接続部がカーボンナノチューブ・コアを有する場合、第一層(452)及び第三層(454)は金属層であり、第二層453はカーボンナノチューブ・コアである。
【0051】
いくつかの実施例において、第三層454は、第一層452の組成物に必ずしも一致しない組成物を有する材料である。例えば、第三層454はカーボンナノチューブ混合物を含み、第二コア層453は金属かカーボンナノチューブをベースにしたいずれかであることができる。カーボンナノチューブの混合物は、例えば、カーボンナノチューブ−金属の混合物または、カーボンナノチューブと半導体材料又は非導電性の材料との混合物を含むことができる。別の例として、第三層454は、絶縁性被膜であることができる。このような絶縁性被膜の方法が適用でき、例えば、相互接続部上に形成された付加回路からの電気的絶縁が望ましい。
【0052】
上記及び図で示した様々な実施例を、例示目的のみに提供し、本発明を制限するように解釈してはならない。上記の説明及び具体例に基づいて、様々な変更態様と改変を上記記載の例示的実施例及び用途に厳密に従わずに、本発明に構成できることを、当業者は直ちに認識する。例えば、カーボンナノチューブを、ホウ素のようなカーボンと異なる材料でまたは添加して実施することができる。カーボンナノチューブは、一つ以上の種々のナノチューブの様々な実施を含み、例えば単層カーボンナノチューブ(SWNT)、多層カーボンナノチューブ(MWNT)、カーボンナノチューブ・マトリックス、カーボンナノチューブロープ及びカーボンナノチューブ・ダスト(例えば細かいカーボンナノチューブ)である。更に、実施例で述べられた伝導型の材料を、多数の異なる種類の材料で実施し、単独および/または互いにまたは上記の材料と関連して使用することができる。このような変更態様と改変は、本発明の趣旨および範囲から、逸脱しない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1A】図1Aは、本発明についての実施例による、導電性材料でコーティングされたカーボンナノチューブ・コアを有する電気コネクタの断面図を示す図である。
【図1B】図1Bは、本発明についての他の実施例による、カーボンナノチューブ材料でコーティングされた伝導性の金属コアを有する電気コネクタの断面図を示す図である。
【図2】図2は、本発明についての他の実施例による、カーボンナノチューブに基づいたリードフレームを有する集積回路配置を示す図である。
【図3A】図3Aは、本発明についての他の実施例による、コア金属層を有する複合ナノチューブ・トレースの断面図を示す図である。
【図3B】図3Bは、本発明についての他の実施例による、コアカーボンナノチューブ層を有する複合ナノチューブ・トレースの断面図を示す図である。
【図3C】図3Cは、本発明についての他の実施例による、カーボンナノチューブ−金属複合混合物を有する複合ナノチューブ・トレースの断面図を示す図である。
【図4A】図4Aは、本発明についての他の実施例による、カーボンナノチューブを含むトレースを使用する回路基板配置の断面図を示す図である。
【図4B】図4Bは、本発明についての他の実施例による、製造の様々段階における、図4Aに示された配置のような回路基板配置の断面図を示す図である。
【図4C】図4Bは、本発明についての他の実施例による、製造の様々段階における、図4Aに示された配置のような回路基板配置の断面図を示す図である。
【図4D】図4Dは、本発明についての他の実施例による、製造の様々段階における、図4Aに示された配置のような回路基板配置の断面図を示す図である。
【図4E】図4Eは、本発明についての他の実施例による、製造の様々段階における、図4Aに示された配置のような回路基板配置の断面図を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路チップと、
集積回路配置の電気素子を電気的に接続するように構成及び配置されたカーボンナノチューブをベースにした複合導体と
を具えた集積回路配置。
【請求項2】
前記カーボンナノチューブをベースにした複合導体が、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブ・マトリックス、カーボンナノチューブ・ダスト及びカーボンナノチューブ複合混合物の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の配置。
【請求項3】
前記カーボンナノチューブをベースにした複合導体は、
非カーボンナノチューブ材料と、前記非カーボンナノチューブ材料と関連し、前記集積回路チップ及び外部回路を導電させるように構成されたカーボンナノチューブ材料と
を含む、請求項1に記載の配置。
【請求項4】
前記非カーボンナノチューブ材料が金属である、請求項3に記載の配置。
【請求項5】
前記非カーボンナノチューブ材料がセラミックである、請求項3に記載の配置。
【請求項6】
前記非カーボンナノチューブ材料が、前記カーボンナノチューブ材料を保持するように構成した有機材料である、請求項3に記載の配置。
【請求項7】
前記カーボンナノチューブ材料が、前記非カーボンナノチューブ材料と物理的な相互作用の配置での構成の前記非カーボンナノチューブ材料と関連する、請求項3に記載の配置。
【請求項8】
前記カーボンナノチューブをベースにした複合導体が、外部回路と前記集積回路チップを接続するように構成及び配置する、請求項1に記載の配置。
【請求項9】
前記カーボンナノチューブをベースにした複合導体を、前記複合導体に流れる電流の大半を前記複合導体のカーボンナノチューブ材料を流れるように構成及び配置した、請求項1に記載の配置。
【請求項10】
前記カーボンナノチューブをベースにした複合導体が、金属コアを含み、前記金属コアの外面にカーボンナノチューブ材料を有する、請求項1に記載の配置。
【請求項11】
前記カーボンナノチューブをベースにした複合導体が、カーボンナノチューブ・コアの外面に金属材料を有するカーボンナノチューブ・コアを含む、請求項1に記載の配置。
【請求項12】
前記カーボンナノチューブをベースにした複合導体が、ボンドワイヤタイプの接続方法で外部回路に前記集積回路チップを結合する、請求項1に記載の配置。
【請求項13】
集積回路基板と、
集積回路配置の電気素子を電気的に接続するように構成及び配置され、前記集積回路基板内にカーボンナノチューブをベースにした複合相互接続部とを含み、
前記複合相互接続部が非カーボンナノチューブ材料と関連する複数のカーボンナノチューブを含む集積回路配置。
【請求項14】
前記集積回路基板が、ボールグリッドアレイ(BGA)基板であり、前記複合相互接続部を前記BGA基板の種々の部分で回路に電気的に接続するように配置する、請求項13に記載の集積回路配置。
【請求項15】
前記複合相互接続部を、前記BGA基板内でバイアを電気的に接続するように配置する、請求項14に記載の集積回路配置。
【請求項16】
前記複合相互接続部を、外部回路を電気的に接続するように配置する、請求項14に記載の集積回路配置。
【請求項17】
集積回路素子を接続する集積回路ボンドワイヤコネクタ配置であって、
ボンドワイヤの長さに沿って延びる金属と
カーボンナノチューブをベースにした材料の複合体を含むボンドワイヤとを具え、
前記カーボンナノチューブをベースにした材料を集積回路素子間の導電するように配置する配置。
【請求項18】
金属とカーボンナノチューブをベースにした材料との前記複合体は、
前記集積回路ボンドワイヤの長さに沿って延びる金属コアと、
前記金属コアを取り囲み前記集積回路ボンドワイヤの長さに沿って延びた複数のカーボンナノチューブとを含む、請求項17に記載の配置。
【請求項19】
金属とカーボンナノチューブをベースにした材料の前記複合体は、
前記集積回路ボンドワイヤの長さに沿って延びるカーボンナノチューブ・コアと、
前記カーボンナノチューブ・コアを取り囲み前記集積回路ボンドワイヤの長さに沿って延びる金属材料と
を含む、請求項17に記載の配置。
【請求項20】
集積回路チップとパッケージ基板とを更に含み、前記集積回路ボンドワイヤを、前記集積回路パッケージ基板に前記集積回路チップを電気的に接続するように配置する、請求項17に記載の配置。
【請求項21】
ボンドワイヤ配置を製造する方法であって、
長さを有する金属コア材料を設ける工程と、
前記金属コア材料の長さに沿って前記金属コア材料上でカーボンナノチューブを結合する工程と
を含む方法。
【請求項22】
前記金属コア材料上にカーボンナノチューブを結合する工程が、前記金属コア材料に前記カーボンナノチューブを塗布する工程を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記金属コア材料上にカーボンナノチューブを結合する工程は、前記金属コアを軟化する工程と、前記金属コア上に前記カーボンナノチューブを結合するために前記金属コアと前記カーボンナノチューブを物理的に接触させる工程とを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記金属コア上にカーボンナノチューブを結合する工程が、前記金属コアにカーボンナノチューブを成長させる工程を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
ボンドワイヤ配置を製造する方法であって、
長さを有するカーボンナノチューブ・コア材料を設ける工程と、
前記カーボンナノチューブ・コア材料の長さに沿って前記カーボンナノチューブ・コア上に金属を結合する工程と
を含む方法。
【請求項26】
前記カーボンナノチューブ・コア上に金属を結合する工程は、前記カーボンナノチューブ・コア上に金属をめっきする工程及び前記カーボンナノチューブ・コア上に金属をスパッタする工程の少なくとも一つを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
金属とカーボンナノチューブ材料の結合物とを含むリードフレームを具え、前記リードフレームは集積回路チップに外部回路素子を電気的に接続するように構成及び配置した集積回路リードフレーム配置。
【請求項28】
金属とカーボンナノチューブ材料との前記結合物は、
金属フレームと、
前記金属フレームの外面に結合した複数のカーボンナノチューブと
を含む、請求項27に記載の配置。
【請求項29】
前記カーボンナノチューブ材料にわたってコーティングした金属層を更に含む、請求項28に記載の配置。
【請求項30】
集積回路パッケージ基板と、前記集積回路パッケージ基板に結合された集積回路チップとを更に含み、前記リードフレームは、前記結合された集積回路チップに外部回路素子を結合された、請求項27に記載の配置。
【請求項31】
前記カーボンナノチューブと前記金属フレームとを、前記リードフレームを流れる電流の大半が前記カーボンナノチューブを流れるように、集積回路チップに対して配置する、請求項27に記載の配置。
【請求項32】
カーボンナノチューブをベースにした相互接続部を製造する方法であって、
基板内にトレンチをエッチングする工程と、
金属材料で前記トレンチの一部分を充填する工程と、
前記トレンチの一部分において、前記金属材料の表面にカーボンナノチューブを結合する工程と
を含む方法。
【請求項33】
前記金属材料の表面に結合するカーボンナノチューブが、前記金属材料を前記トレンチの一部分に満たした後、前記金属材料の上面に前記カーボンナノチューブを結合する工程を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記カーボンナノチューブにわたって前記トレンチの一部分を金属で充填する工程を更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記金属材料の表面にカーボンナノチューブを結合する工程が、前記カーボンナノチューブで前記トレンチの下側部分を充填する工程を含み、金属材料で前記トレンチの一部分を充填する工程は、前記カーボンナノチューブで前記トレンチの一部分の下部を満たした後、前記カーボンナノチューブにわたって前記トレンチの一部分を金属材料で充填する工程を含み、前記金属材料の表面にカーボンナノチューブを結合する工程は、前記金属材料の下面に前記カーボンナノチューブを結合する工程を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記金属材料の上面にカーボンナノチューブを結合する工程を更に含む、請求項35に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【公表番号】特表2008−519454(P2008−519454A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−539701(P2007−539701)
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【国際出願番号】PCT/IB2005/053624
【国際公開番号】WO2006/048845
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】