説明

ナノワイヤセンサ装置およびナノワイヤセンサ装置構造の製造方法

【課題】ナノワイヤセンサ装置の製造方法の提供。
【解決手段】シリコンベース層と、該シリコンベース層内に形成された埋め込み酸化層と、該埋め込み酸化層上の上部シリコン層と、前記シリコンベース層内のドープされたウェルとを備えた基板の形成工程と、前記上部シリコン層からシリコンアイランド形成工程と、前記埋め込み酸化層をエッチングし、前記上部シリコンアイランドの裏面側をくり抜く工程と、前記シリコンアイランド、前記埋め込み酸化層、前記ドープされたウェルおよび前記シリコンベース層上に多結晶ZnOシード層の堆積工程と、前記シリコンアイランドの表面から多結晶ZnOの除去工程と、前記ZnOシード層上のZnOナノ構造体成長、形成工程と、ZnOナノ構造体の所望の感度調整工程と、絶縁層の堆積工程と、前記絶縁層のパターニング、エッチング工程と、前記ナノワイヤ構造の硬化工程とを含むナノワイヤセンサ装置の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノテクノロジーおよび/またはマイクロエレクトロニクス、詳細には、光電子装置に適した固体センサ/探知器の製造方法に関し、より詳細には、ナノワイヤセンサ装置およびナノワイヤセンサ装置構造の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
汚染制御、毒ガス監視、国土安全保障、ラボ・オン・チップ(Lab-on-a-Chip;Laboratory on a Chip)などの用途において、安価で高感度な半導体ガスセンサ(ソリッドステートガスセンサ)の需要が高まっている。金属酸化物のような、ある特定の材料が、その表面で気体を吸収する性質により、様々な気体に対して高感度を示すことが知られている。近年、In、SnO、Fe、およびZnO等の金属酸化物の平面薄膜を備え、種々のガスを検出し定量化するための半導体ガスセンサが提案され、製造されている。
【0003】
Martinsらは、非特許文献1においてガラス上に形成したUV照射ZnO膜をセンサとして用いる構成を開示している。
【0004】
また、Gordilloらは、特許文献2において、CO、O、H、およびCHの探知器として、アニーリングしたZnO薄膜を用いる構成について開示している。
【非特許文献1】Zinc oxide as an ozone sensor,J.Appl.Phys.96(3),1398(2004)
【非特許文献2】Effect of gas chemisorption on the electrical conductivity of ZnO thin films, Advances in Mat. Sci. and Tech.1(1), 1(1996)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、現在用いられている最先端のIC製造技術を用いて、ナノワイヤセンサ装置およびナノワイヤセンサ装置構造を製造する方法を提供することにある。
【0006】
本発明に関する以下の概要は、本発明の本質の迅速な理解を得るためのものである。好適な実施形態に関する下記の説明を図面と共に参照することで、本発明をより詳しく理解することができるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のナノワイヤセンサ装置の製造方法は、上記の課題を解決するために、シリコンベース層と、該シリコンベース層内に形成された埋め込み酸化層と、該埋め込み酸化層上に形成された上部シリコン層と、前記シリコンベース層内に形成されたドープされたウェルとを備えた基板を形成する工程と、前記上部シリコン層からシリコンアイランドを形成する工程と、前記埋め込み酸化層をエッチングし、前記上部シリコンアイランドの裏面側をくり抜く工程と、前記シリコンアイランド、前記埋め込み酸化層、前記ドープされたウェルおよび前記シリコンベース層上に多結晶のZnOシード層を堆積する工程と、前記シリコンアイランドの表面から多結晶ZnOを除去する工程と、前記ZnOシード層上にZnOナノ構造体を成長、形成する工程と、ZnOナノ構造体の感度を所望の感度に調整する工程と、絶縁材料からなる絶縁層を堆積する工程と、前記絶縁層に対し、パターン形成とエッチングを行う工程と、前記ナノワイヤセンサ装置を金属で処理する工程とを含むことをとしている。
【0008】
上記の構成において、ZnOシード層を堆積する工程は、原子層堆積(ALD)により、ZnOを、1nm〜70nmの範囲の厚さに堆積し、前記シリコンアイランドのくり抜いた部分の裏面側をZnOで絶縁保護コーティングする工程を含むことを特徴とすることが望ましい。
【0009】
また、上部シリコン層が、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンからなることが望ましい。
【0010】
また、前記絶縁層をエッチングし、前記ZnOナノ構造体を開放するためのホールを形成する工程をさらに含むことが望ましい。
【0011】
本発明のナノワイヤセンサ装置構造の製造方法は、上記の課題を解決するために、シリコンベース層と、該シリコンベース層内に形成された埋め込み酸化層と、該埋め込み酸化層上に形成され、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンからなる上部シリコン層と、前記シリコンベース層内に形成されたドープされたウェルとを備えた基板を形成する工程と、前記上部シリコン層からシリコンアイランドを形成する工程と、前記埋め込み酸化層をエッチングし、前記上部シリコンアイランドの裏面側をくり抜く工程と、前記シリコンアイランド、前記埋め込み酸化層、前記ドープされたウェルおよび前記シリコンベース層上に多結晶のZnOシード層を堆積する工程と、前記シリコンアイランドの表面から多結晶ZnOを除去する工程と、前記ZnOシード層上にZnOナノ構造体を成長、形成する工程と、ZnOナノ構造体の感度を所望の感度に調整する工程と、絶縁材料からなる絶縁層を堆積する工程と、前記絶縁層に対し、パターン形成とエッチングとを行う工程と、前記ナノワイヤセンサ装置を金属で処理する工程とを含むことが望ましい。
【0012】
上記の構成において、前記多結晶のZnOシード層を堆積する工程は、ALDにより、ZnOを、1nm〜70nmの範囲の厚さに堆積し、前記シリコンアイランドのくり抜いた部分の裏面側をZnOで絶縁保護コーティングする工程を含むことが望ましい。
【0013】
また、前記絶縁層をエッチングし、前記ZnOナノ構造体を開放するためのホールを形成する工程をさらに含むことが望ましい。
【0014】
本発明の他のナノワイヤセンサ装置構造の製造方法は、上記の課題を解決するために、シリコンベース層と、該シリコンベース層内に形成された埋め込み酸化層と、該埋め込み酸化層上に形成された上部シリコン層と、前記シリコンベース層内に形成されたドープされたウェルとを備えた基板を形成する工程と、前記上部シリコン層からシリコンアイランドを形成する工程と、前記シリコンアイランド、前記埋め込み酸化層、前記ドープされたウェルおよび前記シリコンベース層上に、多結晶のZnOシード層をALDにより、1nm〜70nmの範囲の厚さに堆積し、前記シリコンアイランドをZnOで絶縁保護コーティングする工程と、前記シリコンアイランドの表面から多結晶ZnOを除去する工程と、前記ZnOシード層上にZnOナノ構造体を成長、形成する工程と、ZnOナノ構造体の感度を所望の感度に調整する工程と、絶縁材料からなる絶縁層を堆積する工程と、前記絶縁層に対し、パターン形成とエッチングとを行なう工程と、前記ナノワイヤセンサ装置を金属で処理する工程とを含むことを特徴としている。
【0015】
上記の構成において、前記上部シリコン層が、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンからなることが望ましい。
【0016】
さらに、前記絶縁層をエッチングし、前記ZnOナノ構造体を開放するためのホールを形成する工程を含むことが望ましい。
【0017】
また、前記ナノワイヤセンサ装置にバックゲートを形成する工程を含むことが望ましい。
【0018】
また、前記シリコンアイランドの表面から多結晶ZnOを除去する工程が、前記シリコンアイランンドの1つのエッジから多結晶ZnOを除去する工程を含むことが望ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の構成によれば、ナノ構造体を用いることにより表面積が増大するため、本発明にかかるナノワイヤセンサ装置は平面的な装置に比べ、格段に高い感受性を実現できる。
【0020】
本発明の製造方法は、例えば、Inナノワイヤ構造に対しALDInのように、他のナノワイヤ構造に対しても適切なシード層を用いることにより適応できる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明のナノワイヤセンサ装置の製造方法は、ZnOナノワイヤ架橋を備えたSOI(Silicon on Insulator)基板上に形成された固体センサの製造におけるプロトコールを提供するものである。以下に説明するように、本発明の各実施の形態にかかる製造方法では、ALDZnOシード層を用いて、ZnOナノワイヤ架橋を選択的に成長できるようにしたものである。これらの方法は、標準的なマイクロエレクトロニクス処理技術により置き換えることが可能であり、また、CMOS装置と組み合わせてもよい。
【0022】
図1から図13を参照して、本発明の実施の一形態にかかるナノワイヤセンサ装置の製造方法について説明する。図1は、本発明にかかるナノワイヤセンサ装置の製造方法を説明するブロック図である。図2ないし13は、本発明のナノワイヤセンサ装置の各製造工程を示す説明図である。
【0023】
まず、洗浄したSOI(Silicon on Insulator)基板14を形成する(工程12)。SOI基板14は、埋め込み酸化層18が形成されたシリコンウェハ(シリコン基板)16上に、ドープされた単結晶の上部シリコン層20が積層された構成となっている。SOI基板14の形成には、公知の技術を用いることができ、SOI基板14の形成方法は特に限定されない。しかしながら、SIMOX(Separation by Implanted Oxygen)技術により形成された基板よりも、ボンドアンドエッチバックまたはスマートカット技術により形成された基板の方が好ましい。また、シリコン基板上に酸化物上ポリシリコン(polysilicon-on-oxide)が形成されたものを用いてもよい。次に、p型またはn型のドープされたウェル22をイオン注入法により形成し、SOI基板14の形成が完成する。
【0024】
次に、図3に示すように、上部シリコン層20の表面にホトレジストを塗布し、続いてパターニング、ドライエッチングを施すことにより、基板と電気的に絶縁したシリコンアイランド20aを形成する(工程24)。さらに、埋め込み酸化層18をドライエッチングし、図4に示す構造とする(工程26)。上記ドライエッチング工程の後、埋め込み酸化層18を、HFを用いてウェットエッチングし、シリコンアイランド20aの裏面側(下側)をくり抜き、図5に示す構成とする(工程28)。
【0025】
次に、多結晶ZnOの薄膜であるZnOシード層30を、原子層堆積(ALD)等の堆積処理技術を用いて、ウエハ表面上に堆積する(工程32)。ここでZnO膜を、ZnOナノ構造体を成長させるためのシード層として用いられる構成は、例えば、Steckerらによる米国特許出願第10/976,594号(出願日:2004年10月29日)「ALD ZnO Seed Layer for Deposition of ZnO nanostructures on a Si substrate」に開示されている。
【0026】
本実施の形態においては、ALDZnOを、ジエチル亜鉛(DEZ)およびHO等の前駆体の波動を変えて35サイクルで約130℃〜約200℃の温度で堆積させている。ALDZnOの厚さは約10nmとしたが、これに限定されるものではなく、1nm〜70nmの範囲で適宜選択することができる。上記のALD堆積技術は、シリコンアイランド20aの裏面側(下方側)を絶縁被膜するために必要である。
【0027】
ALDZnOの表面に、ホトレジストを塗布した後、パターン形成およびドライエッチングをし、ZnOを除去する(工程34)。ここで、ドライエッチングを行うことにより、ALDの薄被膜を、シリコンアイランド20aの下面側(裏面側)に残すことができる。続いて、ホトレジストが剥され、図7に示すように、パターン形成されたZnOの表面に上記ALDの薄被膜を残すことができる。
【0028】
次に、ZnOナノ構造体の成長工程について説明する。本実施の形態においては、図7に示す構造は、915℃で30分間、微量の酸素存在下でZnを蒸発させるように露出したものである。Zn蒸発の方法としては、ZnOと黒鉛とをそれぞれ同量含むZnO粉末の熱炭素還元を利用した方法がある。しかしながら、この方法に限定されず、一般的に、ナノ構造体を成長させるためのZn気相を供給する方法であれば、同様に用いることができる。ここで、Conley,Jr.らによる米国特許出願第10/977,430号(出願日:2004年10月29日)「Selective growth of ZnO nanowires using a patterned ALD ZnO seed layer」に、パターンを形成したZnOシード層を用いて、ZnOナノワイヤを選択的に成長させる方法が開示されている。本実施の形態においても、前述した原子層堆積(ALD)技術により堆積させたZnOシード層30上にのみ、固体蒸発メカニズムを介してZnOナノ構造体36を成長させている。図8に示すように、パターンが形成されたZnOナノ構造体36を選択的に成長させる(工程36)。これらのナノワイヤの一部は、基板とシリコンアイランド20aとの間のギャップを架橋する。続いて、アニーリング等の工程を行い、ZnOナノワイヤの表面を処理し、所望のガスや生物学的種に対する適切な感度が得られ良好に機能するように調整する(工程38)。
【0029】
次に、上記構造のエッジの洗浄のために、水平方向に配向されたZnOナノ構造体36およびシリコンアイランド20aの側面のZnOを任意のドライエッチングにより選択的に除去する(工程40)。この工程は、ZnOナノ構造体36とZnOシード層30を構成する工程とも言える。また、ZnOを選択的に化学反応させて上部シリコン層20を侵食し、図9に示す構成とする。
【0030】
さらに、残りの工程を行い、ナノワイヤセンサ装置の2つの端子として機能する上部シリコン層20とウェル22とを電気的に接続させる。そして、SiOまたはSi等の絶縁材料からなる絶縁層を形成し(工程44)、パターン形成およびエッチングした後(工程46)、金属で処理する(工程48)。この後、再度パターン形成を行い図10に示す構造とする。上記の絶縁材料42は、電気的絶縁のみならず、選択的拡散隔膜としても機能し、ナノワイヤセンサ装置の種々のガスに対する感度を選択的に高くする。
【0031】
本発明の他の構成例を図11に示す。図11に示す構成では、高感度領域に至るホール52がドライエッチング工程により形成される(工程54)。この構成によれば、センサ装置へのガスの流れが妨げられるのを防止することができる。
【0032】
本発明の製造方法により形成されたナノワイヤセンサ装置は、ZnO膜を気体へさらすことによりその表面が変性し、ワイヤの表面電荷を変化させる点において、2つの端子間の伝導性を調節する平面的な装置と同様に作用する。導電率の変化は、経験的に気体濃度変化と結び付けることが可能である。本発明の構成によれば、ナノ構造体を用いることにより表面積が増大するため、本発明にかかるナノワイヤセンサ装置は平面的な装置に比べ、格段に高い感受性を実現できる。
【0033】
抵抗ヒーター、結合温度センサなどのようなガスセンサが備える他の基本的な構成要素は、一般に用いられる周知のIC製造方法により製造することができる。本発明の製造方法は、例えば、Inナノワイヤ構造に対しALDInのように、他のナノワイヤ構造に対しても適切なシード層を用いることにより機能することができる利点がある。
【0034】
本発明の他の実施の形態にかかる製造方法により形成された構成60を図12に示す。構成60は、シリコンウェハ(シリコン基板)16上に酸化物64および多結晶シリコン62が順次形成されてなる。この製造方法によれば、酸化物64を堆積する前にシリコン基板16にウェル22を埋め込むことができる。
【0035】
本発明のさらに他の実施の形態の製造方法により形成された構成を図13に示す。ここでは、前述の工程26のように、埋め込み酸化層22を完全にエッチングするのではなく、上部シリコン層20の洗浄後、一旦エッチングを中断する。すなわち、本実施の形態にかかる方法では、図1に示す工程26は省略する。ALDZnO層を堆積させた後、パターン形成およびドライエッチングを行い、ZnOを選択的に除去する。ここで、シリコンアイランド20aの一方側にのみナノ構造体36を成長させるためのシード層として、側壁層のみを残すことができる。続いて、ホトレジストを剥し、図7に示すように、パターン形成されたZnOの表面に上記ALDの薄被膜を残すことができる。2つのシリコンアイランド20aは、ナノ構造体36によってのみ架橋され、図13に示すように、該ナノ構造体36は、一方のシリコンアイランド20aのZnOシード層30から、該シリコンアイランド20aから離間して形成された他方のシリコンアイランド20aの単結晶シリコン層へ延設されている。
【0036】
ZnOシード層30は、離間して配された2つのシリコンアイランド20aの何れにも上にも形成される。そして形成されたナノワイヤは、一方のシリコンアイランド20a上のZnOシード層から他方のシリコンアイランド20a上のZnOシード層30まで延設されている。図13に示す構造は、2つの端子間のALD層を省き、ナノ構造体36を流れる電流を防止し、ALD層に電流が流れるのを防止することができるという利点がある。本実施の形態にかかる方法で製造された構造の他の利点は、MOSトランジスタモードで製造したセンサ装置を作用させるためのバックゲート66が形成される点にある。このバックゲート66は、センサの感度と応答時間を調整するもので、前述の実施の形態にかかる製造方法では得られないものである。
【0037】
図14および図15は、本発明の方法により製造されたナノワイヤ構造の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。図14は、本発明の他の方法により製造されたナノワイヤ構造を真上から写した写真であり、図15は、本実施の形態にかかる方法により製造された構造の断面を写した写真である。SEM写真は、本発明のZnOナノ構造体の製造方法の実用性を明確に立証するものである。
【0038】
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明にかかる方法を説明するブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態にかかる方法によるナノワイヤセンサ装置の製造工程を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態にかかる方法によるナノワイヤセンサ装置の製造工程を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施の形態にかかる方法によるナノワイヤセンサ装置の製造工程を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施の形態にかかる方法によるナノワイヤセンサ装置の製造工程を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施の形態にかかる方法によるナノワイヤセンサ装置の製造工程を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施の形態にかかる方法によるナノワイヤセンサ装置の製造工程を示す説明図である。
【図8】本発明の一実施の形態にかかる方法によるナノワイヤセンサ装置の製造工程を示す説明図である。
【図9】本発明の一実施の形態にかかる方法によるナノワイヤセンサ装置の製造工程を示す説明図である。
【図10】本発明の他の実施の形態にかかる方法によるナノワイヤセンサ装置の製造工程を示す説明図である。
【図11】本発明の他の実施の形態にかかる方法によるナノワイヤセンサ装置の製造工程を示す説明図である。
【図12】本発明の他の実施の形態にかかる方法によるナノワイヤセンサ装置の製造工程を示す説明図である。
【図13】本発明の他の実施の形態にかかる方法によるナノワイヤセンサ装置の製造工程を示す説明図である。
【図14】本発明の方法の実施可能性を実証する走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図15】本発明の方法の実施可能性を実証する走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【符号の説明】
【0040】
14 SOI基板
16 シリコンウェハ
18 埋め込み酸化層
20 上部シリコン層
20a シリコン層
22 ウェル
30 ZnOシード層
36 ZnOナノ構造体
42 絶縁層
50 金属
52 ホール
60 構成
62 多結晶シリコン
64 酸化物
66 バックゲート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコンベース層と、該シリコンベース層内に形成された埋め込み酸化層と、該埋め込み酸化層上に形成された上部シリコン層と、前記シリコンベース層内に形成されたドープされたウェルとを備えた基板を形成する工程と、
前記上部シリコン層からシリコンアイランドを形成する工程と、
前記埋め込み酸化層をエッチングし、前記上部シリコンアイランドの裏面側をくり抜く工程と、
前記シリコンアイランド、前記埋め込み酸化層、前記ドープされたウェルおよび前記シリコンベース層上に多結晶のZnOシード層を堆積する工程と、
前記シリコンアイランドの表面から多結晶ZnOを除去する工程と、
前記ZnOシード層上にZnOナノ構造体を成長、形成する工程と、
ZnOナノ構造体の感度を所望の感度に調整する工程と、
絶縁材料からなる絶縁層を堆積する工程と、
前記絶縁層に対し、パターン形成とエッチングを行う工程と、
前記ナノワイヤセンサ装置を金属で処理する工程とを含むことを特徴とするナノワイヤセンサ装置の製造方法。
【請求項2】
前記多結晶のZnOシード層を堆積する工程は、
原子層堆積(ALD)により、ZnOを、1nm〜70nmの範囲の厚さに堆積し、前記シリコンアイランドのくり抜いた部分の裏面側をZnOで絶縁保護コーティングする工程を含むことを特徴とする請求項1記載のナノワイヤセンサ装置の製造方法。
【請求項3】
前記上部シリコン層が、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンからなることを特徴とする請求項1記載のナノワイヤセンサ装置の製造方法。
【請求項4】
さらに、前記絶縁層をエッチングし、前記ZnOナノ構造体を開放するためのホールを形成する工程を含むことを特徴とする請求項1記載のナノワイヤセンサ装置の製造方法。
【請求項5】
シリコンベース層と、該シリコンベース層内に形成された埋め込み酸化層と、該埋め込み酸化層上に形成され、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンからなる上部シリコン層と、前記シリコンベース層内に形成されたドープされたウェルとを備えた基板を形成する工程と、
前記上部シリコン層からシリコンアイランドを形成する工程と、
前記埋め込み酸化層をエッチングし、前記上部シリコンアイランドの裏面側をくり抜く工程と、
前記シリコンアイランド、前記埋め込み酸化層、前記ドープされたウェルおよび前記シリコンベース層上に多結晶のZnOシード層を堆積する工程と、
前記シリコンアイランドの表面から多結晶ZnOを除去する工程と、
前記ZnOシード層上にZnOナノ構造体を成長、形成する工程と、
ZnOナノ構造体の感度を所望の感度に調整する工程と、
絶縁材料からなる絶縁層を堆積する工程と、
前記絶縁層に対し、パターン形成とエッチングとを行う工程と、
前記ナノワイヤセンサ装置を金属で処理する工程とを含むことを特徴とするナノワイヤセンサ構造の製造方法。
【請求項6】
前記多結晶のZnOシード層を堆積する工程は、
ALDにより、ZnOを、1nm〜70nmの範囲の厚さに堆積し、前記シリコンアイランドのくり抜いた部分の裏面側をZnOで絶縁保護コーティングする工程を含むことを特徴とする請求項5記載のナノワイヤセンサ装置構造の製造方法。
【請求項7】
さらに、前記絶縁層をエッチングし、前記ZnOナノ構造体を開放するためのホールを形成する工程を含むことを特徴とする請求項5記載のナノワイヤセンサ装置構造の製造方法。
【請求項8】
シリコンベース層と、該シリコンベース層内に形成された埋め込み酸化層と、該埋め込み酸化層上に形成された上部シリコン層と、前記シリコンベース層内に形成されたドープされたウェルとを備えた基板を形成する工程と、
前記上部シリコン層からシリコンアイランドを形成する工程と、
前記シリコンアイランド、前記埋め込み酸化層、前記ドープされたウェルおよび前記シリコンベース層上に、多結晶のZnOシード層をALDにより、1nm〜70nmの範囲の厚さに堆積し、前記シリコンアイランドをZnOで絶縁保護コーティングする工程と、
前記シリコンアイランドの表面から多結晶ZnOを除去する工程と、
前記ZnOシード層上にZnOナノ構造体を成長、形成する工程と、
ZnOナノ構造体の感度を所望の感度に調整する工程と、
絶縁材料からなる絶縁層を堆積する工程と、
前記絶縁層に対し、パターン形成と、エッチングとを行なう工程と、
前記ナノワイヤセンサ装置を金属で処理する工程とを含むことを特徴とするナノワイヤセンサ装置構造の製造方法。
【請求項9】
前記上部シリコン層が、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンからなることを特徴とする請求項8記載のナノワイヤセンサ装置構造の製造方法。
【請求項10】
さらに、前記絶縁層をエッチングし、前記ZnOナノ構造体を開放するためのホールを形成する工程を含むことを特徴とする請求項8記載のナノワイヤセンサ装置構造の製造方法。
【請求項11】
前記ナノワイヤセンサ装置にバックゲートを形成する工程を含むことを特徴とする請求項8記載のナノワイヤセンサ装置構造の製造方法。
【請求項12】
前記シリコンアイランドの表面から多結晶ZnOを除去する工程が、前記シリコンアイランンドの1つのエッジから多結晶ZnOを除去する工程を含むことを特徴とする請求項8記載のナノワイヤセンサ装置構造の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2006−349673(P2006−349673A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−140926(P2006−140926)
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】