説明

ナノ粒子の表面処理装置および方法

【課題】気相中で合成したナノ粒子の表面を改質して凝集を防止することができ、或いは、粒子表面に電荷を付加することなく他物質を被覆することができるナノ粒子の表面処理装置および方法を提供する。
【解決手段】内部にマイクロ波2が共鳴可能な共鳴空間9を有し、マイクロ波の吸収が少ない材料からなる中空共鳴容器10と、中空共鳴容器内に所定の周波数のマイクロ波を供給して共鳴空間にマイクロ波の共鳴状態を形成するマイクロ波供給装置12と、中空共鳴容器の外部から、共鳴空間を通って、その外部まで連続して延びる連続中空管20と、連続中空管の内側を通してその一端から他端に向けて、ナノ粒子を含む混合ガスを連続的に供給するナノ粒子供給装置22と、連続中空管の他端から排出された混合ガスからナノ粒子1を分離するナノ粒子分離装置26とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノ粒子の表面を改質して凝集を防止し、或いはナノ粒子の表面に他物質を被覆するナノ粒子の表面処理装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ波は、波長が1mm(300GHz)から1m(0.3GHz)の電磁波であり、身近な例では家庭用の電子レンジ(2.45GHz)として利用されている。
マイクロ波は、バルク金属では表面で反射されるため加熱できないが、粉末状あるいは密度の低い金属成形体であれば吸収されて発熱するため加熱することができる。そのため、この特性を利用して、TiN,CrNなどの硬質材料の製造、MnN,FeNなどの磁性材料の製造、金属やセラミックスの窒化膜コーティング、等が提案されている(非特許文献1)。
【0003】
またマイクロ波を用いた微粒子の製造手段として、例えば特許文献1が既に開示されている。
【0004】
特許文献1の発明は、均質な微粒子、特にナノメートルサイズの半導体ナノ粒子を効率よく製造することを目的とする。
そのため、この発明は、図4に模式的に示すように、流体を流路を経由して、内径が5mm以下の反応路51に流通させ、該反応路51内にて、前記流体から所定の生成物を生成せしめるための生成物製造装置であり、反応路51にマイクロ波を照射するためのマイクロ波発生器53を具備するものである。
【0005】
【非特許文献1】吉川昇、他、「金属のマイクロ波加熱と最近の材料・環境技術へのマイクロ波応用」、まてりあ、第45巻 第8号(2006)
【0006】
【特許文献1】特開2006−188666号公報、「生成物製造装置ならびにそれを用いた微粒子の製造方法」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
直径が1〜10nmのナノ粒子は、種々の合成法で製造されるが、生成されるとすぐに凝集する特性がある。そのため、ナノ粒子の合成はpHおよびイオン電解質濃度を制御した液相中あるいは真空中で主に行なわれていた。
また、気相中で合成する場合は、粒子同士の凝集が起こる前に、酸性物質あるいはアルカリ性物質などと反応させて表面処理を施し、粒子表面の電荷を制御して凝集を防止していた。
【0008】
しかし、単分散ナノ粒子、高選択性ナノ粒子、高機能性ナノ粒子などのナノ粒子を製造する場合、気相中で合成した粒子に酸性物質あるいはアルカリ性物質などと反応させて粒子表面に電荷を付加すると、その後で粒子表面に他物質を被覆するのが困難となる問題点があった。
そこで、気相中で合成した粒子表面に電荷を付加することなく粒子の凝集を防止し、或いは気相中で合成した粒子表面に電荷を付加することなく他物質を被覆することが望まれていた。
【0009】
本発明は、かかる要望に応えるために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、気相中で合成したナノ粒子を酸性物質あるいはアルカリ性物質などと反応させて粒子表面に電荷を付加することなく、その表面を改質して凝集を防止することができ、或いは、粒子表面に電荷を付加することなく他物質を被覆することができ、かつ装置の損傷が少なく、エネルギー損失も少ないナノ粒子の表面処理装置および方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、内部にマイクロ波が共鳴可能な共鳴空間を有し、マイクロ波の吸収が少ない材料からなる中空共鳴容器と、
該中空共鳴容器内に所定の周波数のマイクロ波を供給して前記共鳴空間にマイクロ波の共鳴状態を形成するマイクロ波供給装置と、
前記中空共鳴容器の外部から、前記共鳴空間を通って、その外部まで連続して延びる連続中空管と、
該連続中空管の内側を通してその一端から他端に向けて、ナノ粒子を含む混合ガスを連続的に供給するナノ粒子供給装置と、
前記連続中空管の他端から排出された前記混合ガスからナノ粒子を分離するナノ粒子分離装置とを備えた、ことを特徴とするナノ粒子の表面処理装置が提供される。
【0011】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記ナノ粒子は、Fe,Ti,Cr,Mnから選択された1または2以上の基材粒子、又はこれらとSi,Ge,B,SiO,SiCから選択された1または2以上の第三物質からなる。
【0012】
また、前記中空共鳴容器は、前記共鳴空間の形状を変化させマイクロ波の共鳴状態を形成するための可動壁を有し、
さらに、前記可動壁を前記共鳴空間の形状を変化させるために移動する壁駆動装置を備える。
【0013】
また、前記マイクロ波供給装置は、所定の周波数のマイクロ波を発生するマイクロ波発生装置と、
発生したマイクロ波を前記中空共鳴容器内に供給する導波管と、
該導波管に取付けられ、中空共鳴容器から反射されるマイクロ波強度を計測する反射電力計とを備える。
【0014】
また、前記反射電力計の出力信号を受信し前記壁駆動装置を制御する共鳴制御装置を備え、
該共鳴制御装置により前記出力信号が最小となる位置に前記可動壁を移動させる。
【0015】
また、本発明によれば、内部にマイクロ波が共鳴可能な共鳴空間を有し、マイクロ波の吸収が少ない材料からなる中空共鳴容器内に、その外部から、前記共鳴空間を通って、その外部まで連続して延びる連続中空管を備え、
該中空共鳴容器内に所定の周波数のマイクロ波を供給して前記共鳴空間にマイクロ波の共鳴状態を形成し、
該連続中空管の内側を通してその一端から他端に向けて、ナノ粒子を含む混合ガスを連続的に供給して、ナノ粒子をマイクロ波で高温に加熱し、
前記連続中空管の他端から排出された前記混合ガスからナノ粒子を分離する、ことを特徴とするナノ粒子の表面処理方法が提供される。
【発明の効果】
【0016】
Fe,Ti,Cr,Mnなどの金属材料は、バルクでは表面でマイクロ波を反射するが、粉末状であればマイクロ波を吸収して発熱する。また、Si,Ge,B,SiO,SiCなどは、マイクロ波の良好な吸収物質であり、マイクロ波の照射により容易に高温に加熱される特性がある。
【0017】
上述した本発明の装置および方法によれば、内部にマイクロ波が共鳴可能な共鳴空間を有し、マイクロ波の吸収が少ない材料からなる中空共鳴容器内に所定の周波数のマイクロ波を供給してマイクロ波の共鳴状態を形成するので、この共鳴状態において中空共鳴容器内にマイクロ波の電界強度の高い領域を少ないエネルギー損失で形成することができる。
【0018】
また中空共鳴容器の外部から、共鳴空間を通って、その外部まで連続して延びる連続中空管を備え、その内側を通してその一端から他端に向けて、ナノ粒子を含む混合ガスを連続的に供給することで、連続中空管を通してマイクロ波の吸収物質であるナノ粒子に選択的にマイクロ波を照射し、2000℃を超える高温にナノ粒子を効率よく加熱することができ、この高温においてナノ粒子の表面のみを溶融させて改質して凝集を防止し、あるいは他物質を被覆することができる。
【0019】
従って中空共鳴容器やその他の構成機材をナノ粒子より低温の比較的穏和な条件に維持出来るため、炉体への負荷をあまりかけずに、ナノ粒子の改質または被覆ができ、ナノ粒子に新しい機能を創出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0021】
図1は、本発明によるナノ粒子の表面処理装置の全体構成図である。
この図に示すように本発明のナノ粒子の表面処理装置は、中空共鳴容器10、マイクロ波供給装置12、壁駆動装置16および共鳴制御装置18を備える。
【0022】
中空共鳴容器10は、内部でマイクロ波2が共鳴可能な共鳴空間9を有する。この共鳴空間9は、中空円筒形又は中空直方体であるのが好ましいが、本発明はこれに限定されず、内部でマイクロ波が共鳴可能であれば、任意の形状であってもよい。
中空共鳴容器10は、マイクロ波の吸収が少ない材料からなる。また、この材料はナノ粒子1が2000℃以上、好ましくは2500℃以上に加熱されても、損傷を受けない耐熱強度が高い材料からなる。このような材料として、例えばグラファイトを用いることができる。
【0023】
この例において、中空共鳴容器10は、共鳴空間9の形状を変化させマイクロ波2の共鳴状態を形成するための可動壁(後述する底板10bおよび上蓋10c)を有する。
【0024】
この例において、中空共鳴容器10は、中空胴部10a、底板10bおよび上蓋10cからなる。
中空胴部10aはこの例では円筒管であるが、矩形管であってもよい。
底板10bは、中空胴部10aの下部にシール材を介して嵌合し、共鳴空間9の底部を形成する。
また、上蓋10cは、中空胴部10aの上部にシール材を介して嵌合し、共鳴空間9の蓋部を形成する。底板10bおよび上蓋10cは互いに平行であり、かつそれぞれ中空胴部10aの軸線に沿って上下動可能に形成されている。シール材は、内部の気密を保持できる限りで、任意の材料からなる。
なお、この例において、可動壁は、底板10bと上蓋10cであるが、本発明はこれに限定されず、可動壁をいずれか一方としてもよい。
【0025】
マイクロ波供給装置12は、中空共鳴容器10内に所定の周波数(例えば2.45GHz)のマイクロ波2を供給する。
この例において、マイクロ波供給装置12は、所定の周波数のマイクロ波2を発生するマイクロ波発生装置12aと、発生したマイクロ波2を中空共鳴容器12内に供給する導波管12bと、反射電力計13とを備える。
導波管12bは、マイクロ波2を低損失で中空共鳴容器12内まで伝播させる形状であり、かつ中空共鳴容器10内の共鳴空間9にマイクロ波2の共鳴状態を形成できる位置に連結されている。この位置は、予めシミュレーション等で決定するが、底板10bを移動して調整してもよい。
反射電力計13は、導波管12bに取付けられ、中空共鳴容器10から反射されるマイクロ波強度を計測する。共鳴空間9にマイクロ波2の共鳴状態が形成されると、反射されるマイクロ波強度が最も弱くなる。
【0026】
壁駆動装置16は、可動壁(この例では底板10bおよび上蓋10c)を共鳴空間9の形状を変化させるために移動する。
この例において、壁駆動装置16は、底板10bを駆動する底板駆動装置16aと、上蓋10cを駆動する上蓋駆動装置16bとからなる。壁駆動装置16(底板駆動装置16aと上蓋駆動装置16b)は、例えばスクリュージャッキ、直動シリンダ、ボールネジである。
なお、底板駆動装置16aと上蓋駆動装置16bの両方は不可欠ではなく、いずれか一方のみでもよい。
【0027】
共鳴制御装置18は、反射電力計13の出力信号を受信し、壁駆動装置16(この例では上蓋駆動装置16b)を制御する。
この共鳴制御装置18により、反射電力計13の出力信号が最小となる位置に可動壁(この例では上蓋10c)を移動させる。
【0028】
図2は、図1のA−A矢視図である。この図に示すように、本発明の高機能化炭素繊維製造装置は、さらに連続中空管20、ナノ粒子供給装置22およびナノ粒子分離装置26を備える。
【0029】
連続中空管20は、中空共鳴容器10の外部から、中空共鳴容器内の共鳴空間9を通って、中空共鳴容器の外部まで連続して延びる。この連続中空管20は1300℃以上の高温に耐える耐熱性石英管であるのがよい。
また、連続中空管20の入口部と出口部は、共鳴状態におけるマイクロ波強度の低い領域に設けるのがよい。
また、この連続中空管20は、共鳴空間9のマイクロ波強度の高い領域(後述する)を通りかつ内部を炭素繊維がスムースに通過できるように形成された螺旋管であるのがよい。
なお、この例で連続中空管20の螺旋を直径の異なる3重螺旋管で示しているが、本発明はこの構成に限定されず、直径とピッチを任意に設定することができる。
【0030】
ナノ粒子供給装置22は、連続中空管20の内側を通してその一端から他端に向けて、ナノ粒子を含む混合ガスを連続的に供給する。
ナノ粒子供給装置22は、この例では、ナノ粒子合成装置23から供給される基材粒子1を含む混合ガスを混合部22bを介して連続中空管20の一端に供給するガスブロア22aと、第三物質3(またはこれを含む混合ガス)を第三物質供給装置24から混合部22bに供給する第三物質供給管22cとからなる。
基材粒子1は、Fe,Ti,Cr,Mnから選択された1または2以上のナノ粒子である。また、第三物質3は、Si,Ge,B,SiO,SiCから選択された1または2以上のナノ粒子である。
なお、第三物質3は必須ではなく、基材粒子1のみを含む混合ガスを連続中空管20に供給してもよい。また、ガスは不活性ガスであるのが好ましいが、第三物質3を省略し、基材粒子1の表面に被膜を形成する反応性ガスを用いてもよい。
【0031】
ナノ粒子分離装置26は、連続中空管20の他端から排出された混合ガスから表面処理後のナノ粒子1を分離する。
ナノ粒子分離装置26は、この例では、粒子分離器26aであり、混合ガスからナノ粒子1を分離して粒子保管装置27に回収し、分離後のガスは、別途処理して回収または廃棄するようになっている。
粒子分離器26aは、例えばフィルター、サイクロン、等である。
【0032】
上述した装置を用い、本発明のナノ粒子の表面処理方法は、以下のステップからなる。
(1)まず、内部にマイクロ波2が共鳴可能な共鳴空間9を有し、マイクロ波の吸収が少ない材料からなる中空共鳴容器10内に、その外部から、共鳴空間9を通って、その外部まで連続して延びる連続中空管20を備える。
この際、連続中空管20の中間部分を共鳴状態におけるマイクロ波強度の高い領域内に保持する。このマイクロ波強度の高い領域は、予め実験又はシミュレーションにより決定することができる。
(2)次に、中空共鳴容器10内に所定の周波数のマイクロ波2を供給して共鳴空間9にマイクロ波2の共鳴状態を形成する。共鳴状態の形成とその確認は、上述した壁駆動装置16と反射電力計13を用いることでできる。
(3)次に、連続中空管20の内側を通してその一端から他端に向けて、ナノ粒子(基材粒子1、第三物質3)を含む混合ガスを連続的に供給して、ナノ粒子をマイクロ波で高温に加熱する。
この方法により、ナノ粒子(基材粒子1、第三物質3)をマイクロ波2で高温(例えば2000℃以上)に加熱して、基材粒子1の表面を改質して凝集を防止することができ、或いは、基材粒子1の表面に他物質(第三物質3)を被覆することができる。
(4)処理後のナノ粒子1は、連続中空管20の他端から排出された後に、混合ガスから分離され、粒子保管装置27に回収される。
【実施例】
【0033】
図3は、本発明における中空共鳴容器内の電界強度分布図である。この例は、マイクロ波の周波数が2.45GHzであり、共鳴モードはTM011モードである。また、その条件は直径208mm,高さ69mmである。このときの導波管部との結合部の中心高さは25mmとなる。
【0034】
図3において、斜線部分Aで電界強度が大きくなっている。従って、上述したように、連続中空管20の中間部分は、中空共鳴容器10の外周部中間高さに位置するのがよい。
【0035】
マイクロ波の周波数と共鳴器形状の関係は、数1の式(1)で決定される直径と高さの組み合わせで上記分布(TM011モード)が成立する。
なお、導波管12bと共鳴器10の結合部の底面からの高さは,共鳴器10の直径と高さにより任意に変化するため解析により決定するのがよい。
【0036】
【数1】

【0037】
上述した本発明の装置および方法によれば、内部にマイクロ波2が共鳴可能な共鳴空間を有し、マイクロ波の吸収が少ない材料からなる中空共鳴容器10内に所定の周波数のマイクロ波を供給してマイクロ波の共鳴状態を形成するので、この共鳴状態において中空共鳴容器内にマイクロ波の電界強度の高い領域を少ないエネルギー損失で形成することができる。
【0038】
また中空共鳴容器10の外部から、共鳴空間9を通って、その外部まで連続して延びる連続中空管20を備え、その内側を通してその一端から他端に向けて、ナノ粒子を含む混合ガスを連続的に供給することで、連続中空管20を通してマイクロ波の吸収物質であるナノ粒子に選択的にマイクロ波を照射し、2000℃を超える高温にナノ粒子を効率よく加熱することができ、この高温においてナノ粒子(基材粒子1)の表面のみを溶融させて改質して凝集を防止し、あるいは他物質(第三物質3)を被覆することができる。
【0039】
従って中空共鳴容器10やその他の構成機材をナノ粒子1より低温の比較的穏和な条件に維持出来るため、炉体への負荷をあまりかけずに、ナノ粒子の改質または被覆ができ、ナノ粒子に新しい機能を創出できる。
【0040】
さらに本発明の装置および方法は、連続式であるので、従来のバッチ式に比べて生産性を大幅に高めることができる。
【0041】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することができることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明によるナノ粒子の表面処理装置の全体構成図である。
【図2】図1のA−A矢視図である。
【図3】本発明における中空共鳴容器内の電界強度分布図である。
【図4】特許文献1の装置の模式図である。
【符号の説明】
【0043】
1 ナノ粒子(基材粒子)、2 マイクロ波、3 高機能化処理ガス、9共鳴空間、
10 中空共鳴容器、10a 中空胴部、10b 底板、10c 上蓋、
12 マイクロ波供給装置、12a マイクロ波発生装置、
12b 導波管、13 反射電力計、
16 壁駆動装置、16a 底板駆動装置、16b 上蓋駆動装置、
18 共鳴制御装置、20 連続中空管、
22 ナノ粒子供給装置、22a ガスブロア、22b 混合部、
22c 第三物質供給管、23 ナノ粒子合成装置、
24 第三物質供給装置、26 ナノ粒子分離装置、
26a 粒子分離器、27 粒子保管装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にマイクロ波が共鳴可能な共鳴空間を有し、マイクロ波の吸収が少ない材料からなる中空共鳴容器と、
該中空共鳴容器内に所定の周波数のマイクロ波を供給して前記共鳴空間にマイクロ波の共鳴状態を形成するマイクロ波供給装置と、
前記中空共鳴容器の外部から、前記共鳴空間を通って、その外部まで連続して延びる連続中空管と、
該連続中空管の内側を通してその一端から他端に向けて、ナノ粒子を含む混合ガスを連続的に供給するナノ粒子供給装置と、
前記連続中空管の他端から排出された前記混合ガスからナノ粒子を分離するナノ粒子分離装置とを備えた、ことを特徴とするナノ粒子の表面処理装置。
【請求項2】
前記ナノ粒子は、Fe,Ti,Cr,Mnから選択された1または2以上の基材粒子、又はこれらとSi,Ge,B,SiO,SiCから選択された1または2以上の第三物質からなる、ことを特徴とする請求項1に記載のナノ粒子の表面処理装置。
【請求項3】
前記中空共鳴容器は、前記共鳴空間の形状を変化させマイクロ波の共鳴状態を形成するための可動壁を有し、
さらに、前記可動壁を前記共鳴空間の形状を変化させるために移動する壁駆動装置を備える、ことを特徴とする請求項1に記載のナノ粒子の表面処理装置。
【請求項4】
前記マイクロ波供給装置は、所定の周波数のマイクロ波を発生するマイクロ波発生装置と、
発生したマイクロ波を前記中空共鳴容器内に供給する導波管と、
該導波管に取付けられ、中空共鳴容器から反射されるマイクロ波強度を計測する反射電力計とを備える、ことを特徴とする請求項3に記載のナノ粒子の表面処理装置。
【請求項5】
前記反射電力計の出力信号を受信し前記壁駆動装置を制御する共鳴制御装置を備え、
該共鳴制御装置により前記出力信号が最小となる位置に前記可動壁を移動させる、ことを特徴とする請求項4に記載のナノ粒子の表面処理装置。
【請求項6】
内部にマイクロ波が共鳴可能な共鳴空間を有し、マイクロ波の吸収が少ない材料からなる中空共鳴容器内に、その外部から、前記共鳴空間を通って、その外部まで連続して延びる連続中空管を備え、
該中空共鳴容器内に所定の周波数のマイクロ波を供給して前記共鳴空間にマイクロ波の共鳴状態を形成し、
該連続中空管の内側を通してその一端から他端に向けて、ナノ粒子を含む混合ガスを連続的に供給して、ナノ粒子をマイクロ波で高温に加熱し、
前記連続中空管の他端から排出された前記混合ガスからナノ粒子を分離する、ことを特徴とするナノ粒子の表面処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−1890(P2009−1890A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−166542(P2007−166542)
【出願日】平成19年6月25日(2007.6.25)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】