説明

ナビゲーションシステム

【課題】 現実の風景と地図画像の違いから生ずる違和感を減らすことのできる3次元ナビゲーションシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】
ナビゲーションシステム100は、車両の位置を検出する位置検出部9と、時刻を検出する時刻検出部11と、検出された位置及び時刻に基づき、車両に対する太陽の位置を演算する太陽位置演算部15と、3次元地図情報を格納する地図データ格納部7と、3次元地図情報に重畳されるオブジェクトを格納するオブジェクト格納部17と、太陽の位置からオブジェクトの色を決定し、当該色により着色されたオブジェクトが3次元地図情報に重畳された3次元ナビゲーション地図を描画する地図描画部13と、描画された3次元ナビゲーション地図を表示する表示部3とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の移動体の現在位置を案内表示するナビゲーションシステムに関し、特に3次元の地図画像とともにランドマークの影、明度等を表示するナビゲーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーションシステムには、2次元的な地図のみならず3次元的な地図を表示するものが存在する。このようなナビゲーションシステムを用いると、車両走行時の周囲状況と電子地図との見比べが一層容易となる。
【0003】
このようなナビゲーションシステムには、地図中の建造物等について、ユーザーが立体感を感じることができるようにするため、建造物等に影を付与し、この影の形状、方向といった性状を可変とした技術が存在する。
【0004】
【特許文献1】特開平11−271069号公報
【特許文献2】特開平11−305658号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のナビゲーションシステムにあっては、太陽の日差しによって変化し得る建造物等の明度、輝度といった色の表示を制御する技術は提案されていない。このため、ユーザーの違和感を払拭しきれないという問題があった。
【0006】
本発明は、ユーザーに対し、現実の風景と地図画像の違いから生ずる違和感を減らすことのできる3次元ナビゲーションシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のナビゲーションシステムは、車両の位置を検出する位置検出部と、時刻を検出する時刻検出部と、検出された位置及び時刻に基づき、車両に対する太陽の位置を演算する太陽位置演算部と、3次元地図情報を格納する地図データ格納部と、3次元地図情報に重畳されるオブジェクトを格納するオブジェクト格納部と、太陽の位置からオブジェクトの色を決定し、当該色により着色されたオブジェクトが3次元地図情報に重畳された3次元ナビゲーション地図を描画する地図描画部と、描画された3次元ナビゲーション地図を表示する表示部とを備える。
【0008】
地図描画部は、太陽の位置からオブジェクトに対する日差しの向き及び日差しの照射を考慮して、色を決定することができる。
【0009】
オブジェクトが複数の面を有する場合、各々の面に対して色が決定されるように、ナビゲーションシステムを構成することができる。
【0010】
また、色は、輝度、明度、色合いのいずれか一つの要素を含むものであり得る。
【0011】
また、オブジェクトは、建築物またはランドマークの少なくともいずれか一つであり得る。
【0012】
また、地図描画部は、太陽の位置からオブジェクトにより形成される影の性状をも決定することができる。
【0013】
さらに本発明は、車両の位置を検出するステップと、時刻を検出するステップと、検出された位置及び時刻に基づき、車両に対する太陽の位置を演算するステップと、太陽の位置から前記オブジェクトの色を決定するステップと、当該色によりオブジェクトを着色するとともに、当該オブジェクトを3次元地図情報に重畳して、3次元ナビゲーション地図を描画するステップと、描画された3次元ナビゲーション地図を表示するステップとを備えるナビゲーションシステム制御方法をも含む。これらの各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム及び当該プログラムを記録した記録媒体も本発明に含まれる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、車両を運転の際の状況に応じて、3次元地図画像におけるオブジェクトの色までも変更するようにしたので、地図画像を現実の風景により近づけることができ、地図画像と現実の風景の差から生じ得る違和感を減少させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明のナビゲーションシステムにより表示された3次元地図の模式図である。 本発明のナビゲーションシステムは、液晶モニタ等のディスプレイに3次元の地図が表示される、いわゆる3次元(立体)ナビゲーションシステムである。図1(a)の例では、太陽からの日差しの向きに応じ、建造物において太陽光に直接照らされない部分が暗く表示されている。一方、太陽光に直接照らされる部分が明るく表示されている。図1(b)の例では図1(a)の表示に加え、建造物の影が表示されている。
【0016】
本発明のナビゲーションシステムによれば、図1のように、日光が照射する程度に応じて、建造物等の輝度、明度表示を変更するようにしたので、より立体感が強まり、実際の景色に近い画面表示を達成することができる。
【0017】
図2は本発明の実施形態に係るナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。図2において、ナビゲーションシステム100の各構成部分は、もっぱらその機能面の見地から分類されて記載されており、構成的見地からの表現とは必ずしも一致しない。
【0018】
ナビゲーションシステム100は、制御部1、表示部3、操作部5、地図データ格納部7、位置検出部9、時刻検出部11、地図描画部13、太陽位置演算部15、オブジェクト格納部17、外部通信部19を有する。
【0019】
制御部1は、一般的なナビゲーション制御を含む、ナビゲーションシステム100の動作を制御するもので、所定のプログラムによって動作するプロセッサ(図示せず)を主体に構成される。制御部1は、プロセッサによって実行される各種プログラムを記憶するメモリ、プログラム実行時のワークエリアとなるメモリ、ナビゲーション装置の各種設定データを記憶するメモリ等の各種メモリ(図示せず)を含んでいる。これらのメモリは、その用途に応じて、アクセス速度、記憶容量、揮発性と不揮発性の別等の異なる複数種類のメモリが用いられる。
【0020】
表示部3は、ナビゲーション時の地図情報、操作メニュー、入力データ等の表示を行うもので、一般的には液晶ディスプレイによって構成される。操作部5は、ナビゲーション装置の各種操作を行うもので、操作スイッチ群やリモコン装置(いずれも図示せず)を含む。操作スイッチ群は、表示部3の周辺に配置されたメカニカルスイッチや表示部3の液晶ディスプレイ上に表示形成されたタッチスイッチ等で構成される。操作部5からは、ユーザー(運転者)自身が目的地を入力することができる。
【0021】
地図データ格納部7は、例えばハードディスクのような情報記録装置や、CD−ROMやDVD−ROMのような大容量の情報記録媒体及びその読み取り装置等によって構成され、ナビゲーション時に利用する地図情報等の各種情報を記憶するものである。地図データ格納部7には、多種類の地図描画用データ及びマップマッチング用データの他に、ナビゲーションに利用される各種データベースを含んでいる。例えば、施設名称を記憶した施設名称データベース、この施設名称データベースに含まれる各施設についての具体的情報(施設名称、種類名、施設の位置データ等)を記憶した施設データベース、電話番号と施設の対応を示す電話番号データベース等が記憶される。ここで、「地図情報」とは、3次元ナビゲーション地図を作成するのに必要な、オブジェクト以外の情報を意味する。
【0022】
位置検出部9は、車両の現在位置を検出するもので、例えばGPS装置であり、GPS衛星30からの情報に基づき経度情報、緯度情報を出力する。検出精度を向上させるための各種センサとして、車両の方位を検出する地磁気センサや角速度センサ、ステアリングの回転センサ、車両の走行距離を検出する車速センサ等を含んでいてもよい。
【0023】
時刻検出部11は、システム内に内蔵された時計より構成される。ただし、後述するVICSセンタ40から外部通信部19を介して時刻情報を得るようにしてもよい。この場合、外部通信部19が時刻検出部として機能するのであって、必ずしも時刻を検出する構成を独立して設ける必要はない。また、GPS衛星30からの情報に基づき、位置検出部9を介して時刻情報を得るようにしてもよい。
【0024】
地図描画部13は、地図データ格納部7からの地図情報、オブジェクト格納部17からのオブジェクト情報から実際に表示部3に描画される地図を作成するものである。地図描画部13は種々の3次元グラフィックスの方式を用いた描画装置が使用される。例えばポリゴンを用いた3次元コンピュータグラフィックスの技術を利用することができる。ナビゲーション表示に用いられる描画方法として、例えば特開2001−167288号公報に開示されているような、表示される物体までの距離、当該物体の高さ等を考慮した3次元地図表示方法を用いることが出来るが、特に限定はされない。
【0025】
太陽位置演算部15は、位置検出部9からの経度情報、緯度情報を含む位置情報、時刻検出部11からの時刻情報に基づき、現在時刻における自車位置から見た太陽の位置を演算し、太陽位置情報を生成するものである。演算方法としては、例えば特許文献1に記載されているものを使用することができるが、特に限定はされない。
【0026】
オブジェクト格納部17は、種々の地図上の表示対象物、いわゆるオブジェクトを格納したものである。オブジェクトは、例えばビルなどの人工建築物や、山等の非人工建築物を含む。さらにオブジェクトは、いわゆるランドマークをも含む。ランドマークとしては、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、ファミリーレストランなど、目印となり得るものを示すマークのようなものであり、平面のものも、3次元のものもあるが、本発明は3次元ランドマークに適用され得る。特に地図上の目印となるものがランドマークの対象として選択されるが、特に対象は限定されない。また、各ランドマークの表示・非表示を、ユーザーが自由に設定できるような構成にしてもよい。また、ランドマークの形状等も限定はされない。
【0027】
尚、本実施形態では、地図データ格納部7とオブジェクト格納部17を別構成とした状態で示したが、地図描画に用いられるデータを格納する、という観点からは、これらは同質のものである。
【0028】
外部通信部19は、外部から種々の情報、とりわけ渋滞情報、工事情報等、各道路の交通状況に対応した交通情報を受信するものである。例えば外部通信部19は、VICSセンタ40において収集された道路交通情報を、各道路に設置されたビーコンや、FM放送局等から、電波、光等により取得する。この情報は、例えば、道路については所定のノードリストの形式で取得される。「ノード」とは、各道路に与えられた道路特定のための特定番号(ノード番号)であり、ノードリストは、特定の道路区間を表現するものである。
【0029】
取得した情報は、文字表示方式、簡易表示図形方式等の方式で、表示部5上に表示することもできるが、本実施形態では上述の地図データ格納部7から取得される、デジタル地図に重畳する地図表示方式により表示される。
【0030】
地図データ格納部7、外部通信部21から得られる各種の情報、データを、制御部2は取得し、ナビゲーションシステム100の制御に用いる。このような情報、データは、道路の配置、形状の如き静的な地理情報のみならず、交通情報の如き、動的な地理情報も含んでいる。
【0031】
次に、オブジェクト格納部17の構成及び当該オブジェクト格納部のオブジェクト情報、地図データ格納部7からの地図情報を用いた、地図描画部13による地図描画の工程を図3、図4を用いて説明する。図3、図4は3次元で表現された市街地において、3次元表示のオブジェクトを描画する例を示す。図3、図4でのオブジェクトは狭義のオブジェクトであって、ランドマーク以外の表示対象物をいう。特に本例ではオブジェクトは通常のビルディングとなる。
【0032】
オブジェクト格納部17には、オブジェクト毎のオブジェクトフォーマットをリスト形式で有する記録フォーマット、テクスチャ(面形状)のサンプル、カラーパレットが格納されているが、他の情報を含ませることも可能である。本例では、記録フォーマット、テクスチャのサンプル、カラーパレットよりオブジェクト情報が構成される。
【0033】
図3の例ではオブジェクトは二つであるが、もちろん更に多くのオブジェクトフォーマットが記録フォーマットに含まれる。各オブジェクトフォーマットは、図3に示すように以下のようなデータ要素を含むが、データの種類は特に限定はされない。例えば、高さに応じて断面形状が変化するようなオブジェクトについては(例えば、ピラミッド形状の建物)、高さに対応した断面形状の情報を更に含ませることができる。
【0034】
オブジェクトフォーマットの要素:
1)オブジェクトの位置
2)オブジェクトの底面の形状
3)オブジェクトの高さ
4)オブジェクトの各面のテクスチャ及び色
【0035】
また、テクスチャのサンプルは、現実のオブジェクトの各面(上記4)に含まれる情報)に最も形状の近いものが選択される。図3の例ではテクスチャ1〜テクスチャ4の4種類用意されているが、これも例示のサンプルには限定されない。
【0036】
カラーパレット(色蓄積部)は、カラー種(色合い)と、各カラーの輝度段階からなるマトリックスの形式で用意されている。図3の例では、カラーパレットは、9(カラー:色合い)X4(輝度段階)=36の色種からなる構成を有しているが、これも例のものには限定されない。色種の数は任意に変更することができる。さらに、輝度の変わりに明度、照度等を色の要素として採用することができる。また、色の三要素である色相、彩度、明度により色の要素を用意することもできる。現実のオブジェクトの各面(上記4)に含まれる情報)に最も近い色がカラーパレットから選択される。
【0037】
そして、地図描画部13は、図4の工程に示すように、描画対象オブジェクトの形状、テクスチャ及び色を、オブジェクト格納部17の記録フォーマット、テクスチャのサンプル、カラーパレットを参照して設定する。さらに地図データ格納部7からの地図情報をも参考にし、表示部3に表示される3次元ナビゲーション地図(表示画像)を作成する。
【0038】
まず図4(a)のステップでは、記録フォーマット中のオブジェクトの位置を参照して、表示されるべきオブジェクトが選択される。ここでは、地図データ格納部7からの地図情報における位置情報に対応した位置データを有するオブジェクトが選択される。さらに当該選択されたオブジェクトの底面の形状のデータにより、底面形状が地図上に設定される。
【0039】
次に図4(b)のステップでは、記録フォーマット中のオブジェクトの高さデータを参考にして、3次元のオブジェクトの外形形状が生成される。
【0040】
そして図4(c)のステップでは、オブジェクトの各面のテクスチャ、色が決定された上で、図4(b)で生成されたオブジェクトの外形形状に当該テクスチャ、色が付加される。ここで、色の選択、決定に際して地図描画部13は、太陽位置演算部15にて生成された太陽位置情報を参照し、カラーパレットから色を選択する。太陽位置情報は、位置情報、時刻情報に基づいた、オブジェクトから観た日差しの向きに対応するものである。従って、オブジェクト各面に対する日差しの照射度合いも決定される。ひいてはオブジェクト各面の色も決定される。
【0041】
尚、図4(c)の例ではさらにオブジェクトの影が付加されているが、影の形状、大きさといった影の性状も、オブジェクト情報、太陽位置情報から決定することができる。この場合、図1(b)のような表示が達成されるが、図1(a)で例示したように影の表示は必須ではない。
【0042】
また、図4(c)では、8±0,8+5,8−5等の輝度変更表示が示しされているが、これはNO.8の色合いにおいて、輝度が増減される相対適量を示しており、図3(c)の上下の段階の目盛りとは必ずしも一致しない。
【0043】
また、予めオブジェクトごとに太陽位置とオブジェクト各面の色の変更度合い(本例では輝度の変更度合い)が対応が付けられたテーブルを用意しておき、検知された太陽位置に応じて色をカラーパレットから選択すればよい。
【0044】
一方、図5、図6は、ランドマークを描画する描画工程を示す。図3の例と同様、図5に示すように、オブジェクト格納部17には、ランドマーク毎のランドマークフォーマットを有する記録フォーマット、カラーパレットが格納されているが、他の情報を含ませることも可能である。
【0045】
そして、地図描画部13は、図6の工程に示すように、描画対象ランドマークの形状及び色を、オブジェクト格納部17の記録フォーマット、カラーパレットを参照して設定する。さらに地図データ格納部7からの地図情報をも参考にし、表示部3に表示される3次元ナビゲーション地図(表示画像)を作成する。
【0046】
まず図6(a)のステップでは、図4(a)のステップと同様にして、ランドマークの位置を参照して、表示されるべきランドマークが選択される。
【0047】
次に図6(b)のステップでは、ランドマークの面の位置形状より、ランドマークのワイヤフレーム、すなわちランドマークの外形形状が構成される。
【0048】
そして図6(c)のステップでは、オブジェクトの各面のテクスチャ、色が決定された上で、図6(b)で生成されたランドマークの外形形状に当該テクスチャ、色が付加される。ここでも、色の選択、決定に際して地図描画部13は、太陽位置演算部15にて生成された太陽位置情報を参照し、カラーパレットから色を選択する。また、図4(c)と同様に影の生成は任意である。
【0049】
上述の実施形態では、地図データ格納部7が地図情報を格納、提供し、オブジェクト格納部17が、オブジェクトを格納、提供する構成を有している。しかしながら、この説明はもっぱら便宜のものであり、地図データ格納部7にオブジェクトを含む3次元地図を描画するのに必要な総ての情報を格納してもよい。要するにオブジェクトと、オブジェクト以外の情報を提供する機能各々が、オブジェクト格納部17と地図データ格納部7に相当する。
【0050】
また、上述の実施形態では、オブジェクトの外面を複数に分割し、各面ごとに色を設定する構成としているが、面の数はもっぱらオブジェクトの形状に依存する。しかしながら、本発明の思想は、太陽位置ひいてはそれから決定される日差しの向きに応じてオブジェクトの着色を変化させるものである。太陽位置に応じてオブジェクトの色を変化させる際に用いられる面の分割方法、色の要素は任意である。
【0051】
更に本発明は、ナビゲーションシステムの制御方法をも含むものであり、当該方法は、車両の位置を検出するステップと、時刻を検出するステップと、検出された位置及び時刻に基づき、車両に対する太陽の位置を演算するステップと、太陽の位置から前記オブジェクトの色を決定するステップと、当該色によりオブジェクトを着色するとともに、当該オブジェクトを3次元地図情報に重畳して、3次元ナビゲーション地図を描画するステップと、描画された3次元ナビゲーション地図を表示するステップとを備えるものである。
【0052】
また、上述の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムも本発明に含まれる。このプログラムは種々の形式でシステム内又はシステム外に組み込まれる。例えば制御部1内の所定のメモリにプログラムを記録することができる。また、ハードディスクのような情報記録装置や、CD−ROMやDVD−ROM、メモリカードのような情報記録媒体にプログラムを記録してもよい。
【0053】
また、上述の例では、地図描画部は、選択されたオブジェクトが地図情報上に設定され、その後に色が選択され、オブジェクトが着色された。しかしながら、地図描画部は、着色されたオブジェクトを先に生成した後、当該オブジェクトを地図情報上に設定することもできる。
【0054】
以上、本発明の各種実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態において示された事項に限定されず、特許請求の範囲及び明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者がその変更・応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明によれば、車両を運転する際の状況に応じて、3次元地図画像におけるオブジェクトの色を可変としたナビゲーションシステムが提供される。このナビゲーションシステムによれば、3次元地図画像を現実の風景により近づけることができ、地図画像と現実の風景の差から生じ得る違和感を減少させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明のナビゲーションシステムによる3次元ナビゲーション表示の例を示す図
【図2】本発明の実施形態に係るナビゲーションシステムの構成を示すブロック図
【図3】市街地の3次元表示に用いられるオブジェクトの記録の一例を示す図
【図4】オブジェクトのテクスチャ、輝度を変更して地図に描画する工程の説明図
【図5】ランドマーク表示に用いられる記録の一例を示す図
【図6】ランドマークのテクスチャ、輝度を変更して地図に描画する工程の説明図
【符号の説明】
【0057】
1 制御部
3 表示部
5 操作部
7 地図データ格納部
9 位置検出部
11 時刻検出部
13 地図描画部
15 太陽位置演算部
17 オブジェクト格納部
19 外部通信部
30 GPS衛星
40 VICSセンタ
100 ナビゲーションシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の位置を検出する位置検出部と、
時刻を検出する時刻検出部と、
前記検出された位置及び前記時刻に基づき、前記車両に対する太陽の位置を演算する太陽位置演算部と、
3次元地図情報を格納する地図データ格納部と、
前記3次元地図情報に重畳されるオブジェクトを格納するオブジェクト格納部と、
前記太陽の位置から前記オブジェクトの色を決定し、当該色により着色されたオブジェクトが前記3次元地図情報に重畳された3次元ナビゲーション地図を描画する地図描画部と、
前記描画された3次元ナビゲーション地図を表示する表示部と、を備えるナビゲーションシステム。
【請求項2】
請求項1記載のナビゲーションシステムであって、
前記地図描画部は、前記太陽の位置から前記オブジェクトに対する日差しの向き及び日差しの照射を考慮して前記色を決定する、ナビゲーションシステム。
【請求項3】
請求項1又は2記載のナビゲーションシステムであって、
前記オブジェクトは複数の面を有し、各々の面に対して前記色が決定される、ナビゲーションシステム。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれか1項記載のナビゲーションシステムであって、
前記色は、輝度、明度、色合いのいずれか一つの要素を含む、ナビゲーションシステム。
【請求項5】
請求項1ないし4いずれか1項記載のナビゲーションシステムであって、
前記オブジェクトは、建築物またはランドマークの少なくともいずれか一つである、ナビゲーションシステム。
【請求項6】
請求項1ないし5いずれか1項記載のナビゲーションシステムであって、
前記地図描画部は、前記太陽の位置から前記オブジェクトにより形成される影の性状を決定し、前記3次元地図情報に重畳して、前記3次元ナビゲーション地図を描画する、ナビゲーションシステム。
【請求項7】
車両の位置を検出するステップと、
時刻を検出するステップと、
前記検出された位置及び前記時刻に基づき、前記車両に対する太陽の位置を演算するステップと、
前記太陽の位置から前記オブジェクトの色を決定するステップと、
当該色により前記オブジェクトを着色するとともに、当該オブジェクトを3次元地図情報に重畳して、3次元ナビゲーション地図を描画するステップと、
前記描画された3次元ナビゲーション地図を表示するステップと、を備えるナビゲーションシステム制御方法。
【請求項8】
請求項7記載の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−126445(P2006−126445A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−313854(P2004−313854)
【出願日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】