説明

ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、およびプログラム

【課題】ユーザの状況に応じて自動的に最終目的地と立寄地とのいずれかへの経路を案内することができるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置10は、現在位置を取得する位置情報取得部152と、最終目的地を設定する最終目的地設定部154と、立寄る施設のジャンルを設定する立寄ジャンル設定部156と、最終目的地への経路に基づいて、立寄地を選択する立寄地選択部158と、最終目的地への経路と立寄地への経路との分岐点において立寄地への経路を通知し、分岐点から立寄地への経路内に入ると立寄地への経路を案内し、立寄地へ到着すると案内目的地を最終目的地に切替える経路案内部162とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、およびプログラムに関し、特に最終目的地への経路を案内している最中に立ち寄りたい立寄地への経路を通知することのできるナビゲーション装置、ナビゲーション方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、例えばGPS(Global Positioning System)によりユーザの現在位置を取得し、ユーザの現在位置と目的地までの経路とを地図上に表示してユーザに提示するナビゲーション装置が広く普及している。
【0003】
このようなナビゲーション装置は、最終的な目的地への経路をユーザに示すことが主な目的である。しかし、ユーザは、必ずしも最終目的地への最短経路を進みたいと考えているとは限らない。例えば、ユーザは、最終目的地まで向かう経路の途中でガソリンスタンドなどに立寄りたいと思うかもしれない。このとき、ユーザは、候補となり得る複数のガソリンスタンドのうちのいずれかに立寄ることを所望していると考えられる。
【0004】
そこで、例えば、特許文献1に記載されているように、目的地までの経路を外れると、新しい目的地の設定を促すナビゲーション装置がある。かかるナビゲーション装置によれば、目的地までの経路を外れると、目的地が変わったと判断して新しい目的地を設定することができる。このとき、ユーザは、新しい目的地として立寄地を設定すれば立寄地への経路を得ることができる。
【0005】
また、例えば、特許文献2に記載されているように、目的地をジャンルで指定し、現在位置の変化に応じて自動的に目的地を指定されたジャンルの施設の中から設定することのできるナビゲーション装置がある。かかるナビゲーション装置によれば、目的地をジャンル指定することにより、最も近い施設への経路を示すことができる。このとき、ユーザは、目的地として立寄地のジャンルを設定すると最も近い立寄地への経路を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−225352号公報
【特許文献2】特開2001−147135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1および特許文献2のいずれに記載の発明においても、ユーザは、立寄地に向かう場合には一度目的地を立寄地に設定し、立寄地へ到着すると、再び目的地を最終目的地に設定する必要があった。このため操作に手間がかかるという問題があった。ユーザはなるべく少ない操作で所望の情報を手に入れることを潜在的に望んでいるし、例えば、車両、自転車、またはバイクなどの走行中であれば、複雑な操作をすることは危険であり、一度操作のために停止しなければならない。また、立寄地への経路は、最終目的地への経路を考慮されず、そのため最終目的地へ向かうためには遠回りな経路が選択される可能性を含んでいるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ユーザの状況に応じて自動的に最終目的地と立寄地とのいずれかへの経路を案内することが可能な、新規かつ改良されたナビゲーション装置、ナビゲーション方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、現在位置の位置情報を取得する位置情報取得部と、最終目的地を設定する最終目的地設定部と、上記最終目的地への到達前に立寄る施設のジャンルを設定する立寄ジャンル設定部と、上記現在位置から上記最終目的地への経路に基づいて、上記立寄ジャンル設定部により設定されたジャンルの施設の中から立寄地を選択する立寄地選択部と、上記現在位置から上記最終目的地への経路、及び、上記現在位置から上記立寄地への経路を探索する経路探索部と、上記最終目的地への経路を案内するとともに、上記最終目的地への経路と上記立寄地への経路との分岐点において上記立寄地への経路を通知し、上記位置情報取得部により取得される現在位置の位置情報が上記分岐点から上記立寄地への経路内に入ったことを検知すると、案内目的地を上記立寄地に切替えて上記立寄地への経路を案内し、上記位置情報取得部により取得される位置情報から上記立寄地へ到着したことを検知すると上記案内目的地を上記最終目的地に切替える経路案内部とを有するナビゲーション装置が提供される。
【0010】
かかる構成によれば、ナビゲーション装置は、最終目的地への経路を案内しつつ、立寄地の位置をユーザに通知する。特に、立寄地への経路と最終目的地への経路とが分岐する場合に、ナビゲーション装置はその分岐点において立寄地への経路を通知するため、ユーザはその通知内容を参照することにより、立寄地に向かうことを選択することができる。このとき、立寄地は例えばガソリンスタンドやコンビニエンスストアなど、ジャンルにより設定され、そのジャンルの施設の中から、最終目的地への経路に基づいて選択される。このため、最終目的地に向かうために遠回りとならない範囲で立寄地に向かうことができる。また、その分岐点からユーザが最終目的地ではなく立寄地に向かっていることを検知すると、自動的に立寄地への経路案内が開始され、さらに、立寄地に到着したことを検知すると、自動的に最終目的地への経路案内が再開される。このため、ユーザは案内目的地をその都度設定操作することなく所望の情報を状況に応じて手に入れることができるようになる。
【0011】
また、上記経路案内部の制御に従って地図情報上に上記現在位置と上記案内目的地への経路とを重畳した表示画面を表示する表示部をさらに有し、上記経路案内部は、上記表示画面上の上記最終目的地への経路と上記立寄地への経路との分岐点において、上記立寄地に向かう方向を示す矢印を重畳した画面を上記表示部に表示させてもよい。
【0012】
また、上記立寄地選択部は、上記経路案内部が上記立寄地へ到着したことを検知すると、その時点の現在位置から上記最終目的地までの経路に基づいて、上記立寄ジャンル設定部により設定されたジャンルの施設の中から再度立寄地を選択してもよい。
【0013】
また、上記立寄地選択部は、上記経路案内部が上記分岐点において上記最終目的地への経路が選択されたことを検知すると、その時点の現在位置から上記最終目的地までの経路に基づいて、上記立寄ジャンル設定部により設定されたジャンルの施設の中から再度立寄地を選択してもよい。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ナビゲーション装置の演算処理手段に所定の処理手順を実行させることにより実現されるナビゲーション方法の上記処理手順が、最終目的地を設定するステップと、上記最終目的地への到着前に立寄る施設のジャンルを設定するステップと、現在位置から上記最終目的地への経路を探索するステップと、探索された上記最終目的地への経路に基づいて、上記ジャンルの施設の中から立寄地を選択するステップと、現在位置から選択された上記立寄地への経路を探索するステップと、上記最終目的地への経路を案内するステップと、上記最終目的地への経路と上記立寄地への経路との分岐点を通知するステップと、現在位置が上記分岐点から上記立寄地への経路内に入ったことを検知すると案内目的地を上記立寄地に切替えて上記立寄地への経路を案内するステップと、現在位置の位置情報から上記立寄地へ到着したことを検知すると上記案内目的地を上記最終目的地に切替えるステップとを含むナビゲーション方法が提供される。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、現在位置の位置情報を取得する位置情報取得部と、最終目的地を設定する最終目的地設定部と、上記最終目的地への到達前に立寄る施設のジャンルを設定する立寄ジャンル設定部と、上記現在位置から上記最終目的地への経路に基づいて、上記立寄ジャンル設定部により設定されたジャンルの施設の中から立寄地を選択する立寄地選択部と、上記現在位置から上記最終目的地への経路、及び、上記現在位置から上記立寄地への経路を探索する経路探索部と、上記最終目的地への経路を案内するとともに、上記最終目的地への経路と上記立寄地への経路との分岐点において上記立寄地への経路を通知し、上記位置情報取得部により取得される現在位置の位置情報が上記分岐点から上記立寄地への経路内に入ったことを検知すると、案内目的地を上記立寄地に切替えて上記立寄地への経路を案内し、上記位置情報取得部により取得される位置情報から上記立寄地へ到着したことを検知すると上記案内目的地を上記最終目的地に切替える経路案内部とを有するナビゲーション装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、ユーザの状況に応じて自動的に最終目的地と立寄地とのいずれかへの経路を案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかるナビゲーション装置(PND)の外観図である。
【図2】第1の実施形態に係るPNDの機能ブロック図である。
【図3】PNDの座標系の定義を示す説明図である。
【図4】第1の実施形態にかかるナビゲーション方法を示すフローチャートである。
【図5】ナビゲーション方法の一例を説明するための説明図である。
【図6】図5の例におけるナビゲーション画面の具体例を示す説明図である。
【図7】図5の例におけるナビゲーション画面の具体例を示す説明図である。
【図8】図5の例におけるナビゲーション画面の具体例を示す説明図である。
【図9】第2の実施形態にかかるナビゲーション装置(携帯電話)の概観図である。
【図10】第2の実施形態にかかる携帯電話の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施の形態(PND)
1−1.PNDの構成
1−2.ナビゲーション方法
1−3.ナビゲーションの具体例
2.第2の実施の形態(携帯電話)
3.まとめ
【0020】
<1.第1の実施形態(PND)>
[1−1.PNDの構成]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係るナビゲーション装置であるPND(Personal Navigation Device)の構成について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態にかかるナビゲーション装置(PND)の概観図である。
【0021】
本発明の第1の実施形態にかかるPND10は、目的地までの経路を案内するとともに、位置情報に対応付けられた各種の情報をユーザに提供する機能を有する携帯型ナビゲーション装置である。図1に示したように、PND10は、表示部12を有し、車両のダッシュボード上に吸盤16を介して取付けられたクレードル14によって保持されるとともに、当該PND10とクレードル14とは機械的かつ電気的に接続される。このため、PND10は、クレードル14を介して車両のバッテリから供給される電源電力により動作するとともに、クレードル14から取外されたときには内蔵のバッテリから供給される電力によって独立した状態でも動作するように構成されている。
【0022】
このPND10は、現在位置を取得する機能を有するとともに、地図データを記憶している。このため、地図上に現在位置の情報を重畳して表示部12に表示させることができる。
【0023】
次に、図2を参照して、PND10の機能構成について説明する。図2は、第1の実施形態にかかるナビゲーション装置(PND)の機能ブロック図である。
【0024】
PND10は、記憶部102と、表示部12と、操作部104と、音声出力部106と、ナビゲーション機能ユニット110とを主に有する。
【0025】
記憶部102は、PND10が動作するためのプログラムや、地図データなどを記憶する記憶媒体である。なお、この記憶部102は、例えば、Flash ROM(又はFlash Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)などの不揮発性メモリ、ハードディスクおよび円盤型磁性体ディスクなどの磁気ディスク、CD(Compact Disc)、DVD−R(Digital Versatile Disc Recordable)およびBD(Blu−Ray Disc(登録商標))などの光ディスク、並びに、MO(Magneto Optical)ディスクなどの記憶媒体であってもよい。
【0026】
表示部12は、地図データに現在位置を示す情報を重畳した画面を出力する表示装置である。この表示部12は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどの表示装置であってもよい。
【0027】
操作部104は、ユーザによる操作指示を受付け、その操作内容をナビゲーション機能ユニット110に出力する。ユーザによる操作指示としては、例えば、目的地の設定、地図の拡大および縮小、音声案内設定、画面表示設定、立寄地ジャンルの設定などが挙げられる。
【0028】
また、この操作部104は、表示部12と一体的に設けられるタッチスクリーンであってもよい。或いは、操作部104は、ボタン、スイッチ、およびレバーなど、表示部12と分離して設けられる物理的構成であってもよい。また、操作部104は、リモートコントローラから送信されたユーザによる操作指示を示す信号を検出する信号受信部であってもよい。
【0029】
音声出力部106は、音声データを出力する出力装置であり、例えば、スピーカなどであってよい。この音声出力部106は、例えば、ナビゲーションにかかる音声ガイダンスを出力する。ユーザは、この音声ガイダンスを聞くことにより表示部12を見なくても目的地までの経路を知ることができる。
【0030】
ナビゲーション機能ユニット110は、ナビゲーション機能を実現するための構成であり、GPSアンテナ112と、Z軸ジャイロセンサ114と、Y軸ジャイロセンサ116と、3軸加速度センサ118と、地磁気センサ120と、気圧センサ122と、制御部130とを主に有する。制御部130は例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算処理手段により構成され、さらに、GPS処理部132と、角度算出部134と、位置算出部136と、速度算出部138と、姿勢角検出部140と、方位算出部142と、高度算出部144と、ナビゲーション部150とを主に有する。
【0031】
GPSアンテナ112は、複数のGPS衛星からのGPS信号を受信することができ、受信したGPS信号をGPS処理部132に入力する。なお、ここで受信されるGPS信号には、GPS衛星の軌道を示す軌道データと、信号の送信時刻などの情報が含まれている。
【0032】
GPS処理部132は、GPSアンテナ112から入力された複数のGPS信号に基づいて当該PND10の現在位置を示す位置情報を算出し、算出した位置情報をナビゲーション部150に供給する。具体的には、GPS処理部132は、複数のGPS信号をそれぞれ復調することにより得られる軌道データから各GPS衛星の位置を算出し、GPS信号の送信時刻と受信時刻との差分から各GPS衛星から当該PND10との距離を算出する。そして、算出された各GPS衛星の位置と、各GPS衛星から当該PND10までの距離とに基づいて、現在の3次元位置を算出する。
【0033】
このように、ナビゲーション部150は、GPS処理部より供給される位置情報に基づいて、ナビゲーション処理を実行することができる。ところが、GPS衛星からのGPS信号を受信できないときには、PND10はGPSを用いた測位を行うことができない。そこで、PND10は、主にGPS信号を受信できないときに次に示す各センサおよび算出部により得られる位置情報を用いてナビゲーション処理を実行することもできる。
【0034】
Z軸ジャイロセンサ114は、PND10が旋回しているときのZ軸周りの回転角の変化する速度(角速度)であるヨーレートωを電圧値として検出する機能を有するセンサである。Z軸ジャイロセンサ114は、このヨーレートを例えば50Hzのサンプリング周波数で検出して、検出されたヨーレートを示すデータを角度算出部134に入力する。なお、図3に示したように、Z軸は鉛直方向に対応する。そして、X軸はPND10の進行方向に対応し、Y軸はX軸に直交する水平方向に対応する。
【0035】
角度算出部134は、Z軸ジャイロセンサ114から入力されたヨーレートωzにサンプリング周期(例えば、ここでは0.02s)を積算することにより、PND10が旋回したときの角度θを算出し、その角度θが示された角度データを位置算出部136に入力する。
【0036】
Y軸ジャイロセンサ116は、Y軸周りの角速度であるピッチレートωyを電圧値として検出する機能を有するセンサである。Y軸ジャイロセンサ116は、このピッチレートを例えば50Hzのサンプリング周波数で検出して、検出されたピッチレートを示すデータを速度算出部138に入力する。
【0037】
3軸加速度センサ118は、X軸に沿った加速度αx、Y軸に沿った加速度αy、及びZ軸に沿った加速度αzをそれぞれ電圧値として検出する機能を有するセンサである。3軸加速度センサ118は、この加速度αx、加速度αy、および加速度αzを例えば50Hzのサンプリング周波数で検出して、検出された加速度を示すデータを位置算出部136および姿勢角検出部140に入力する。
【0038】
速度算出部138は、3軸加速度センサ118から入力されたZ軸に沿った加速度αzをY軸ジャイロセンサ116から入力されたピッチレートωyで除算することにより進行方向に対する速度Vを例えば1秒につき50回算出し、算出した速度Vを位置算出部136に入力する。
【0039】
位置算出部136は、速度算出部138により算出された速度Vおよび角度算出部134により算出された角度θに基づき、現在位置の位置情報を算出する機能を有する。具体的には、位置算出部136は、速度Vおよび角度θに基づいて前回算出時の位置から現在位置までの変化量を求める。そして、位置算出部136はこの変化量と前回の位置とから現在の位置情報を算出する。その後位置算出部136は、この現在位置の位置情報をナビゲーション部150に供給する。
【0040】
姿勢角検出部140は、まず3軸加速度センサ118から入力された加速度データαx、αyおよびαzに基づいて所定の姿勢角検出処理を行うことにより、PND10の姿勢角を示す姿勢角データを生成して方位算出部142に入力する。
【0041】
地磁気センサ120は、X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向それぞれの地磁気Mx、MyおよびMzをそれぞれ電圧値として検出するセンサである。地磁気センサ120は、この検出した地磁気データMx、MyおよびMzを方位算出部142に入力する。
【0042】
方位算出部142は、地磁気センサ120から入力された地磁気データMx、MyおよびMzに対して所定の補正処理を施し、補正した地磁気データと姿勢角検出部140から入力された姿勢角データとに基づいてPND10の方位を示す方位データを生成する。方位算出部142は、生成した方位データをナビゲーション部150に供給する。
【0043】
すなわち地磁気センサ120、3軸加速度センサ118、姿勢角検出部140、および方位算出部142は、いわゆる電子コンパスとして機能し、方位データを生成する。ナビゲーション部150は、主にPND10がクレードル14から離脱されて使用されるとき(例えば徒歩にて使用される場合など)にこの方位データを利用してPND10の向きに合わせて表示した地図データをユーザに提供することができる。なお、PND10は、車載にて使用されるときには、自車位置の経路から地図データにある道路と自車位置との対応付けを行い、地図の方位に基づいてPND10の向きに合わせた地図データをユーザに提供することもできる。あるいは、取得したGPS方位からPND10の向きを算出してその向きに合わせた地図データをユーザに提供することもできる。
【0044】
気圧センサ122は、周囲の気圧を電圧値として検出する機能を有するセンサである。気圧センサ122は、気圧を例えば50Hzのサンプリング周波数で検出し、検出した気圧データを高度算出部144に入力する。
【0045】
高度算出部144は、気圧センサ122から入力された気圧データに基づいて、PND10の高度を算出し、算出された高度データをナビゲーション部150に供給する。
【0046】
以上の構成により、ナビゲーション部150は、GPS処理部132または位置算出部136から現在の位置情報を取得することができ、さらに方位算出部142からPND10の向いている方位を、高度算出部144からはPND10の高度を取得することができる。そして、ナビゲーション部150は、取得した情報に基づいて、記憶部102に記憶された地図データから現在位置周辺の地図データを取得し、操作部104を用いてユーザが設定した目的地までの経路を、表示部12の表示画面と音声出力部106からの出力音声とにより案内する。
【0047】
本実施形態にかかるPND10は、ナビゲーション方法にその特徴を有するものである。従来のナビゲーション方法は、ユーザの設定した1つの目的地への経路を案内するものであり、最終的な目的地の前に立寄りたい場所があるときには、ユーザは、一度目的地を立寄りたい施設に設定し、立寄りたい施設に到着した後に再度最終的な目的地への案内を開始するように操作する必要があった。
【0048】
このような構成では、例えば立寄りたい施設へ到着したらその施設が営業時間外であった場合、或いは、既に閉店していた場合にも、再度目的地を検索する操作が必要である。このような操作は、特に車載のナビゲーションシステムや自転車およびバイクで用いられるナビゲーションシステムでは走行中に操作することは危険であるため、一度停止して操作する必要があった。
【0049】
そこで、本実施形態にかかるPND10は、このような課題を解決するために提案されるものであり、PND10によれば、ユーザは、最終的な目的地への到着前に立寄りたい施設をジャンルで設定すると、最終的な目的地へ向かいながら、その経路から大きくはずれない範囲で立寄りたい施設の位置を知ることができる。そして、ユーザが最終的な目的地への経路から外れて立寄りたい施設に向かう場合には、立寄りたい施設への経路の案内を自動的に開始するものである。さらに、立寄りたい施設へ到着すると自動的に最終的な目的地への経路の案内を開始する。
【0050】
このようなPND10の機能を実現するためのナビゲーション部150の構成について、以下に説明する。ナビゲーション部150は、位置情報取得部152と、最終目的地設定部154と、立寄ジャンル設定部156と、立寄地選択部158と、経路探索部160と、経路案内部162とを主に有する。
【0051】
なお、以下の説明中において、最終目的地とはユーザが最終的に辿り着きたい目的地をいい、立寄地とは最終目的地に到着する前にユーザが立寄りたいジャンルの施設のうちPND10が選択した施設をいい、案内目的地とは最終目的地または立寄地のいずれかであって、その状況に応じて決められた、PND10が案内する目的地のことをいう。ここで、案内とは所謂ナビゲーション処理のことをいい、例えば、地図上に経路を示したり、分岐点においては目的地への方向を示したり、音声ガイダンスで経路を知らせることをいう。特に、最終目的地への経路を案内中に立寄地への経路を通知することと案内とは区別される。
【0052】
位置情報取得部152は、現在位置の位置情報を取得する機能を有する。この位置情報取得部152は、GPS処理部132または位置算出部136のいずれかから位置情報を取得してよい。例えば、位置情報取得部152は、GPS処理部132が位置情報を算出できる場合にはGPS処理部132から位置情報を取得し、GPS処理部132が位置情報を算出できないとき、すなわち、GPSアンテナ112がGPS信号を受信できないときには位置算出部136から位置情報を取得する。
【0053】
最終目的地設定部154は、例えばユーザが操作部104を用いて入力した操作情報から最終的にユーザが辿り着きたい場所である最終目的地を設定する。この最終目的地設定部154は、例えば最終目的地を住所、名称、電話番号、またはジャンルから検索する画面、或いは最終目的地を予めユーザが登録した登録地点から選択する画面を生成して表示部12に表示させる。そしてこの画面表示に対してユーザが操作部104を用いて行う操作情報を取得して最終目的地を設定する。
【0054】
立寄ジャンル設定部156は、最終目的地設定部154において設定された最終目的地への到着前にユーザが立寄りたい施設を設定する。このとき立寄ジャンル設定部156は、立寄地のジャンルを設定するための画面を生成して表示部12に表示させる。そして、この画面表示に対してユーザが操作部104を用いて行う操作情報を取得することにより立寄地のジャンルを設定する。
【0055】
立寄地選択部158は、現在地から最終目的地への経路に基づいて、立寄ジャンル設定部により設定されたジャンルの施設の中から立寄地の候補を選択する。より具体的には、立寄地選択部158は、位置情報取得部152により取得されるその時点における現在位置と最終目的地設定部154により設定される最終目的地とに基づいて経路探索部160により探索された現在地から最終目的地への経路を取得する。そして、取得された経路に基づいて、ユーザが最終目的地に辿り着くために遠回りにならない範囲で立寄地を選択する。
【0056】
ここで、遠回りにならない範囲は、あらゆる条件に基づいて定義されてよい。例えば、ユーザが現在位置から立寄地を経由して最終目的地へ向かった場合にかかる時間と、現在位置から最終目的地への最短距離を進んだ場合の時間との差分に閾値を設けて閾値以内であれば遠回りにならない範囲であると判断してもよい。また、例えば、ユーザが現在位置から立寄地を経由して最終目的地へ向かった場合の距離と、現在位置から最終目的地への最短距離との差分に閾値を設けて閾値以内であれば遠回りにならない範囲であると判断してもよい。或いは、車載モードで動作している場合には、PND10の進行方向も考慮に入れて、例えば走行中の道路の右側にある施設は候補としないようにしてもよい。
【0057】
また、立寄地選択部158は、基本的には自動的に立寄地を選択するが、ユーザが操作部104を用いて入力する操作情報に基づいて、ユーザが明示的に立寄地を選択することのできる構成を有していても良い。さらに、立寄地選択部158は1つのみでなく複数の立寄地を候補として選択してもよい。この選択される数は、主に表示部12の大きさや画素の細かさ、色の表現力などに依存し、ユーザにとって見やすい画面表示となる範囲で定められる。
【0058】
経路探索部160は、現在位置から最終目的地への経路、および、現在位置から立寄地への経路を探索する。この経路探索部160は、例えば、立寄地選択部158や経路案内部162からの要求に応じて随時経路を探索する機能を有する。
【0059】
経路案内部162は、案内目的地への経路を案内する機能を有する。例えば、経路案内部162は、最終目的地設定部154により最終目的地が設定され、立寄地選択部158により立寄地が選択されている場合には、最終目的地への経路を案内しながら、立寄地への経路を通知する。ここで、立寄地への経路の通知方法としては様々考えられるが、例えば、表示部12に表示された地図上に立寄地が含まれている場合には、経路案内部162は、その位置にアイコンなどを示すことで立寄地の位置を示す。或いは、最終目的地への経路と立寄地への経路とが途中で分岐する場合には、経路案内部162は、その分岐点において立寄地の方向を示す矢印を地図上に重畳して表示部12に表示させる。
【0060】
そして、経路案内部162は、ユーザが最終目的地ではなく立寄地へ向かっていることを検知すると、立寄地への経路の案内を開始する。具体的には、経路案内部162は、位置情報取得部152により取得された現在位置から、PND10の位置が最終目的地への経路と立寄地への経路との分岐点から立寄地への経路へ入ったことを検知すると、案内目的地を最終目的地から立寄地へと切替える。一方、ユーザが立寄地には向かわず最終目的地に向かっていることを検知すると、経路案内部162は、次の立寄地を選択するように立寄地選択部158に指示を出す。
【0061】
さらに、経路案内部162は、PND10が案内中の立寄地に到着したことを検知すると案内目的地を最終目的地に切替える。そして、経路案内部162は、PND10が案内中の立寄地に到着したことを検知すると立寄地選択部158に次の立寄地を選択するよう指示を出す。
【0062】
〔1−2.ナビゲーション方法〕
次に、図4を参照しながら、本実施形態にかかるナビゲーション方法について説明する。図4は、本発明の第1の実施形態にかかるナビゲーション方法を示すフローチャートである。
【0063】
図4に示したように、PND10の最終目的地設定部154は、ユーザ操作に基づいて最終目的地を設定する(S102)。具体的には、ユーザが最終目的地を設定するメニューを選択する操作を操作部104を用いて行うと、最終目的地設定部154は、最終目的地を設定するための画面を生成して表示部12に表示させる。そして、表示部12に表示された最終目的地を設定するための画面に対して、ユーザが操作部104を用いて最終目的地を設定する操作を行うと、最終目的地設定部154は、かかる操作情報を取得して最終目的地を設定する。
【0064】
また、立寄ジャンル設定部156は、ユーザ操作に基づいて立寄ジャンルを設定する(S104)。つまり、ユーザが立寄地を設定するためのメニューを選択する操作を操作部104を用いて行うと、立寄ジャンル設定部156は、立寄地のジャンルを設定するための画面を生成して表示部12に表示させる。ここでいうジャンルは、例えばコンビニエンスストアやガソリンスタンドなど、施設の種類などをいう。そして、表示部12に表示された立寄ジャンルを設定するための画面に対して、ユーザが操作部104を用いて立寄ジャンルを設定する操作を行うと、立寄ジャンル設定部156は、かかる操作情報を取得して立寄ジャンルを設定する。
【0065】
なお、ここでステップS102の最終目的地の設定とステップS104の立寄ジャンルの設定とは図4に示された順番で実行されてもよいし、立寄ジャンルが先に設定されてもよい。その場合には、立寄地は最終目的地の存在が前提となるため、立寄ジャンルの設定後自動的に最終目的地の設定画面に推移するように構成されてもよい。
【0066】
そして、次に立寄地選択部158は、最終目的地への経路を考慮して立寄地に立寄ることが出来るだけ遠回りとならない範囲内で立寄地を選択する(S106)。そして、それとともに経路案内部162は現在位置から最終目的地への経路を案内する(S108)。ここで最終目的地への経路は、ステップS102の最終目的地の設定がなされるとすぐに開始されてよい。そして、位置情報取得部152により取得されるその時点における現在位置から最終目的地に到着したか否かが経路案内部162により随時判定される(S110)。ステップS110において最終目的地に到着したことが検知されると、ナビゲーション部150は、ナビゲーション処理を終了する。
【0067】
一方、未だ最終目的地に到着していない間は、経路案内部162は、立寄地または立寄地への分岐点に接近しているか否かを判定する(S112)。具体的には、例えば、経路案内部162は、経路探索部160により探索される現在位置から最終目的地までの経路と現在位置から立寄地までの経路とが分岐する地点または立寄地が表示部12に表示される画面上に存在するか否かを随時判定する。ここで表示部12に表示される画面上に上記分岐点または立寄地が存在しない場合には、引き続きステップS108の最終目的地への経路案内が継続される。
【0068】
一方、ステップS112の判断において、表示部12に表示される画面上に分岐点または立寄地が存在すると判定された場合には、経路案内部162は、この表示画面上に立寄地への経路を表示させる(S114)。例えば、立寄地への経路の表示は、上記の分岐点において、立寄地への方向を示す矢印を地図上に重畳して表示させてもよい。ここで表示される矢印は、方向を示すものであればその形状は如何なる形状であってもよく、限定されるものではない。例えば、一般的に用いられる矢印(→)の他にも、方向を指し示すことのできる各種の記号(<,>,▽,△)や指さしている手のイラストなども含む概念である。あるいは立寄地そのものである場合には、経路案内部162は、表示画面の地図上の立寄地の位置に立寄地を示すアイコンを表示させてもよい。
【0069】
そして、PND10の現在位置が接近している地点が立寄地であるか立寄地への分岐点であるかが判断され(S116)、このステップS116の判断において立寄地への分岐点に接近していると判断された場合には、次に経路案内部162は、分岐点付近におけるPND10の現在位置の変化に基づいて、PND10の位置が上記の分岐点から最終目的地への経路を外れて立寄地への経路に進入したか否かを検知する(S118)。そして、ステップS118の判断において、PND10が分岐点から最終目的地への経路をそのまま進行した場合には、経路案内部162は、設定されている立寄地には立寄らなかったと判断して次の立寄地を選択するように立寄地選択部158に指示をする。
【0070】
一方、ステップS118の判断において、経路案内部162が、分岐点からPND10が立寄地への経路に進入したことを検知すると、経路案内部162は、案内目的地を立寄地に切替えて、立寄地への経路の案内を開始する(S120)。そして、経路案内部162は、立寄地に到着したか否かを随時判定し(S122)、PND10が立寄地に到着するまで立寄地への経路を案内し続ける。そして、ステップS122の判定において立寄地に到着したと判定された場合には、経路案内部162は、案内目的地を最終目的地に切替えて、立寄地選択部158に次の立寄地の候補を選択するよう指示し、ステップS106の立寄地選択部158による立寄地選択処理に戻る。
【0071】
そして一方、ステップS116の判断において、経路案内部162がPND10は立寄地に接近していると判断した場合、すなわち、最終目的地への経路上に立寄地が存在しており、その立寄地に接近している場合には、経路案内部162は、ステップS114において説明したように立寄地への経路を通知しながら、PND10の現在位置から立寄地に到着したか否かを判断する(S124)。そして立寄地に到着した場合には、経路案内部162は、引き続き最終目的地への経路を案内しながら、次の立寄地を選択するように立寄地選択部158に指示し、ステップS106の立寄地選択部158による立寄地選択処理に戻る。
【0072】
〔1−3.ナビゲーションの具体例〕
次に、図5〜図8を参照しながら、上記において説明してきたナビゲーション処理を具体例を用いて説明する。図5は、本実施形態に係るナビゲーション方法の一例を説明するための説明図である。また、図6〜図8は、本実施形態に係るナビゲーション画面の具体例を示す説明図である。
【0073】
まず図5を参照すると、スタート地点Sからゴール地点Gまでの経路と、その途中にある地点A、地点B、および地点Cと、さらに、立寄地の候補であるガソリンスタンドGS1およびガソリンスタンドGS2とが示されている。この図5に示されたスタート地点Sにおいて、ユーザが、最終目的地をゴール地点G、立寄ジャンルをガソリンスタンドと設定した場合について、以下に説明する。
【0074】
まず、スタート地点Sにおいて、ユーザがPND10の操作部104を用いて最終目的地であるゴール地点Gと立寄ジャンルであるガソリンスタンドとを設定すると、PND10の経路探索部160が最終目的地のゴール地点Gまでの経路を探索し、立寄地選択部158は、その経路に基づいて、現在位置からゴール地点Gまでの経路上、若しくは、その経路から少しだけそれた範囲内にあるガソリンスタンドを立寄地として選択する。ここでは、GS1が最初の立寄地として選択される。
【0075】
すると、PND10の画面12上には現在地周辺の地図とその地図上のPND10の現在位置Mと最終目的地であるゴール地点Gまでの経路とが示される。そして、PND10の現在位置が地点Aに近づくと、経路案内部162は、例えば、図6に示される画面を表示部12に表示させる。図6に示す画面1210は、PND10の現在位置周辺(地点A付近)の地図と、その地図上のPND10の現在位置Mと、最終目的地への経路の方向を示す案内表示1212と、立寄地への経路の方向を示す寄道表示1214とを含む。このとき、経路案内部162は、通常通りシステムの設定に従って、例えば最終目的地であるゴール地点Gへの経路については音声案内などにより案内をしてもよい。
【0076】
立寄地への経路の通知方法については様々な方法が考えられる。例えば図6の例においてはその分岐点においてのみ通知することとしたが、これに限られない。最終目的地への経路との区別が明確につく範囲で様々に工夫することができる。
【0077】
この地点Aにおいて、ユーザがガソリンスタンドGS1に立寄らずに直進することを選択した場合には、経路案内部162は、立寄地選択部158に次の立寄地を選択することを指示する。そして、立寄地選択部158は、その時点の現在位置と最終目的地であるゴール地点Gへの経路とに基づいて、次の立寄地としてガソリンスタンドGS2を選択する。すると、次にPND10の現在位置が地点Cに近づくと、地点Aにおける表示と同様に、経路案内部162は、例えば図7に示す画面1220を表示部12に表示させる。
【0078】
画面1220は、PND10の現在位置周辺(地点C付近)の地図と、その地図上のPND10の現在位置Mと、最終目的地への経路の方向を示す案内表示1222と、立寄地への経路の方向を示す寄道表示1224とを含む。この案内表示1222と寄道表示1224とにより、ユーザは、直進すると最終目的地へ、左折すると立寄地であるガソリンスタンドへ行くことができることを認識する。
【0079】
この地点Cにおいて、ユーザが立寄地であるガソリンスタンドGS2に向かうことを選択すると、経路案内部162は、例えば図8に示されたようにPND10の現在位置Mの情報からPND10が最終目的地ではなく立寄地への経路に進入したことを検知する。そして、PND10が立寄地へ向かっていると判断すると、経路案内部162は、案内目的地を立寄地であるガソリンスタンドGS2に設定し、ガソリンスタンドGS2への経路の案内を開始する。
【0080】
その後、経路案内部162は、PND10がガソリンスタンドGS2に到着したことを検知すると、案内目的地を最終目的地であるゴール地点Gに設定する。そして、立寄地選択部158は、次の立寄地を選択する。図5の例においては、ゴール地点Gまでの間に次の立寄地の候補がないため、最終目的地までの経路のみを案内する。
【0081】
<2.第2の実施の形態(携帯電話)>
ここまで第1の実施形態としてナビゲーション装置はPND10である場合について説明してきたが、ナビゲーション装置はかかる例に限定されない。例えば、以下に第2の実施形態として説明する携帯電話30であってもよい。
【0082】
図9は、第2の実施形態にかかる携帯電話30の外観図である。図9に示したように、第3の実施形態による携帯電話30は、表示部302と、操作部304と、スピーカ324とを有する。また、携帯電話30は、第1の実施形態にかかるPND10と同様、クレードル303を介して、吸盤306により車両に取り付けるようになされていてもよい。
【0083】
図10は、第2の実施形態にかかる携帯電話30の機能構成を示したブロック図である。図10に示したように、第2の実施形態に係る携帯電話30は、ナビゲーション機能ユニット110と、表示部302と、操作部304と、記憶部308と、携帯電話機能ユニット310と、統括制御部334とを有する。
【0084】
携帯電話機能ユニット110は、表示部302、操作部304、および記憶部308と接続されている。因みに、図10では表示を簡略化しているが、表示部302、操作部304、および記憶部308は、ナビゲーション機能ユニット110にもそれぞれ接続されている。なお、ナビゲーション機能ユニット110の詳細な構成については、図1を用いて第1の実施形態において詳述したためここでは説明を省略する。
【0085】
携帯電話機能ユニット110は、通話機能や電子メール機能などを実現するための構成であり、通信アンテナ312と、マイクロホン314と、エンコーダ316と、送受信部320と、スピーカ324と、デコーダ326と、携帯電話制御部330と、を有する。
【0086】
マイクロホン314は、音声を集音し、音声信号として出力する。エンコーダ316は、携帯電話制御部330による制御に従い、マイクロホン314から入力される音声信号のデジタル変換およびエンコードなどを行い、音声データを送受信部320に出力する。
【0087】
送受信部320は、エンコーダ316から入力される音声データを所定の方式に従って変調し、通信アンテナ312から無線で携帯電話30の基地局へ送信する。また、送受信部320は、通信アンテナ312により無線信号を復調して音声データを取得し、デコーダ326に出力する。
【0088】
デコーダ326は、携帯電話制御部330による制御に従い、送受信部320から入力される音声データのデコードおよびアナログ変換などを行い、音声信号をスピーカ324に出力する。スピーカ324は、デコーダ326から供給される音声信号に基づいて音声を出力する。
【0089】
また、携帯電話制御部330は、電子メールを受信する場合、送受信部320からデコーダ326に受信データを供給し、デコーダ326に受信データをデコードさせる。そして、携帯電話制御部330は、デコードにより得られた電子メールデータを表示部302に出力して表示部302に表示させる共に、記憶部308に電子メールデータを記録する。
【0090】
また、携帯電話制御部330は、電子メールを送信する場合、操作部304を介して入力された電子メールデータをエンコーダ316にエンコードさせ、送受信部320および通信アンテナ312を介して無線送信する。
【0091】
総括制御部334は、上述した携帯電話ユニット310およびナビゲーション機能ユニット210を制御する。例えば、総括制御部334は、ナビゲーション機能ユニット210によりナビゲーション機能を実行している間に電話がかかってきた場合、ナビゲーション機能を携帯電話ユニット310による通話機能に一時的に切替え、通話終了後、ナビゲーション機能ユニット210にナビゲーション機能を再開させてもよい。
【0092】
<3.まとめ>
以上説明してきたように、本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置は、最終目的地と立寄地という概念を導入した全く新しいナビゲーション装置である。従来は、目的地として設定された場所は必ず案内対象となる案内目的地であった。ところが、かかる構成では、明確に目的とする場所ではないが、最終的な目的地の前にどこかで立寄りたいといった曖昧な要求には対応できなかった。
【0093】
そこで、最終的な目的地と案内する対象の目的地とを概念として切り離し、状況に応じて立寄地と最終目的地とのいずれかを案内目的地としてナビゲーション装置が自動的に設定する構成とした。かかる構成により、ユーザは、最終目的地と、立寄地のジャンルとを設定するだけで、その後は設定操作をしなくても、従来通り最終目的地までの経路の案内を受けながら、立寄地への経路を知ることができる。このとき立寄地は、最終目的地までの経路を考慮して遠回りにならない範囲で選択されるため、立寄地に寄道をしても効率のよい経路を自動的に知ることができる。
【0094】
さらに、選択された立寄地に到着すると、自動的に案内目的地が最終目的地に設定されるとともに、次の立寄地が選択される。このため、到着した立寄地において用事を済ませた場合にも次に目的地を変更する操作をすることなく最終目的地への案内が開始される。また、到着した立寄地の施設が休業または閉店していたり、ユーザの所望する施設ではなかった場合であっても、次の立寄地が自動的に選択および通知されるため、ここでも操作をすることなく所望の情報を得ることができる。
【0095】
また、最終目的地までの経路と立寄地までの経路との分岐点においては、その方向をそれぞれ示す表示がされるが、ここでユーザが最終目的地までの経路を進むと、次の立寄地が自動的に選択される。このため、ユーザは設定した時点における最寄りの立寄地に必ずしも向かわなくてもよく、自分の望むタイミングで自分の望む立寄地に辿り着くまで立寄地の情報を取得することができる。かかる構成によれば、ユーザは、例えば最終目的地を設定した時点でガソリンスタンドを立寄ジャンルとして設定しておくと、最終目的地までの経路を案内中、随時ガソリンスタンドへの経路を知ることができる。そして、ガソリンの減り具合を見ながら、所望のタイミングで、通知される情報を見てガソリンスタンドに入ることができる。
【0096】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0097】
例えば、上記第1の実施形態では、携帯型のナビゲーション装置であるPNDについて説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、車載固定により使用されるナビゲーション装置に適用してもよい。また、上記実施形態において説明したナビゲーション装置は一例に過ぎず、例えば、PHS、携帯用音楽再生装置、携帯用映像処理装置、携帯用ゲーム機器、および携帯型の撮像装置などであってもよい。
【0098】
また、例えば、上記実施形態ではGPS測位やセンサを用いて現在位置を取得する例について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、無線LANの基地局により送信されるWiFi電波の信号強度を利用して現在位置を取得することも可能である。より具体的には、PND20は、各基地局からのWiFi電波の受信強度から各基地局との距離を推定し、各基地局との距離および各基地局の位置を利用し、三角測量の原理に基づいて現在位置を取得してもよい。
【0099】
また、例えば、上記実施形態では、ナビゲーションに用いる地図情報やPOI情報などの位置メタデータは内部の記憶部に記憶されているものとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、ネットワークを介してその都度位置メタデータをダウンロードして用いる構成であってもよい。
【0100】
尚、本明細書において、フローチャートに記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的に又は個別的に実行される処理をも含む。また時系列的に処理されるステップでも、場合によっては適宜順序を変更することが可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0101】
10、30 ナビゲーション装置
110 ナビゲーション機能ユニット
150 ナビゲーション部
152 位置情報取得部
154 最終目的地設定部
156 立寄ジャンル設定部
158 立寄地選択部
160 経路探索部
162 経路案内部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置の位置情報を取得する位置情報取得部と、
最終目的地を設定する最終目的地設定部と、
前記最終目的地への到達前に立寄る施設のジャンルを設定する立寄ジャンル設定部と、
前記現在位置から前記最終目的地への経路に基づいて、前記立寄ジャンル設定部により設定されたジャンルの施設の中から立寄地を選択する立寄地選択部と、
前記現在位置から前記最終目的地への経路、及び、前記現在位置から前記立寄地への経路を探索する経路探索部と、
前記最終目的地への経路を案内するとともに、前記最終目的地への経路と前記立寄地への経路との分岐点において前記立寄地への経路を通知し、前記位置情報取得部により取得される現在位置の位置情報が前記分岐点から前記立寄地への経路内に入ったことを検知すると、案内目的地を前記立寄地に切替えて前記立寄地への経路を案内し、前記位置情報取得部により取得される位置情報から前記立寄地へ到着したことを検知すると前記案内目的地を前記最終目的地に切替える経路案内部と、
を備える、ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記経路案内部の制御に従って地図情報上に前記現在位置と前記案内目的地への経路とを重畳した表示画面を表示する表示部、
をさらに備え、
前記経路案内部は、前記表示画面上の前記最終目的地への経路と前記立寄地への経路との分岐点において、前記立寄地に向かう方向を示す矢印を重畳した画面を前記表示部に表示させる、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記立寄地選択部は、前記経路案内部が前記立寄地へ到着したことを検知すると、その時点の現在位置から前記最終目的地までの経路に基づいて、前記立寄ジャンル設定部により設定されたジャンルの施設の中から再度立寄地を選択する、請求項1または2のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記立寄地選択部は、前記経路案内部が前記分岐点において前記最終目的地への経路が選択されたことを検知すると、その時点の現在位置から前記最終目的地までの経路に基づいて、前記立寄ジャンル設定部により設定されたジャンルの施設の中から再度立寄地を選択する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
ナビゲーション装置の演算処理手段に所定の処理手順を実行させることにより実現されるナビゲーション方法の前記処理手順が、
最終目的地を設定するステップと、
前記最終目的地への到着前に立寄る施設のジャンルを設定するステップと、
現在位置から前記最終目的地への経路を探索するステップと、
探索された前記最終目的地への経路に基づいて、前記ジャンルの施設の中から立寄地を選択するステップと、
現在位置から選択された前記立寄地への経路を探索するステップと、
前記最終目的地への経路を案内するステップと、
前記最終目的地への経路と前記立寄地への経路との分岐点を通知するステップと、
現在位置が前記分岐点から前記立寄地への経路内に入ったことを検知すると案内目的地を前記立寄地に切替えて前記立寄地への経路を案内するステップと、
現在位置の位置情報から前記立寄地へ到着したことを検知すると前記案内目的地を前記最終目的地に切替えるステップと、
を含むナビゲーション方法。
【請求項6】
コンピュータを、
現在位置の位置情報を取得する位置情報取得部と、
最終目的地を設定する最終目的地設定部と、
前記最終目的地への到達前に立寄る施設のジャンルを設定する立寄ジャンル設定部と、
前記現在位置から前記最終目的地への経路に基づいて、前記立寄ジャンル設定部により設定されたジャンルの施設の中から立寄地を選択する立寄地選択部と、
前記現在位置から前記最終目的地への経路、及び、前記現在位置から前記立寄地への経路を探索する経路探索部と、
前記最終目的地への経路を案内するとともに、前記最終目的地への経路と前記立寄地への経路との分岐点において前記立寄地への経路を通知し、前記位置情報取得部により取得される現在位置の位置情報が前記分岐点から前記立寄地への経路内に入ったことを検知すると、案内目的地を前記立寄地に切替えて前記立寄地への経路を案内し、前記位置情報取得部により取得される位置情報から前記立寄地へ到着したことを検知すると前記案内目的地を前記最終目的地に切替える経路案内部と、
を備えるナビゲーション装置として機能させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−141131(P2011−141131A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−605(P2010−605)
【出願日】平成22年1月5日(2010.1.5)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】