説明

ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びプログラム

【課題】犯罪に対する安全性を考慮して経路を探索することが可能なナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】地図に関する情報であって、地図が示す道路に関する情報である道路情報を有する地図情報が格納される地図情報格納部101と、地図情報が示す道路についての、犯罪に対する安全性に関する情報である安全性情報が格納される安全性情報格納部102と、現在地を示す情報である現在地情報を受け付ける受付部103と、道路情報と安全性情報とを用いて、現在地情報が示す現在地に関連した安全な経路、または安全でない経路を探索する探索部104と、探索部104の探索結果に応じた出力を行う出力部105とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路を探索するナビゲーション装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ダイクストラ法(Dijkstra's Algorithm)と呼ばれる最短経路を決定するアルゴリズムがあった(例えば、非特許文献1参照)。ダイクストラ法は、始点から放射状に距離の短い順に距離を計算しながら最短ルートをチェックしていく方法である。また、ダイクストラ法は、目的地点へたどり着いた時点でその経路が最短ルートとなるアルゴリズムである。さらに、ダイクストラ法において、必要なメモリ量と処理時間が、リンクやノードの数に比例して増加する。なお、ノードとは、地図上の地点のことである。リンクとは、ノードとノードを接続する線である。
【0003】
また、従来、A*アルゴリズムと呼ばれる最短経路を決定するアルゴリズムがあった(例えば、非特許文献2参照)。A*アルゴリズムは、各頂点nからゴールまでの距離の推定値h*(n)を知っていた場合に対して、最短経路問題を効率的に解くアルゴリズムである。A*アルゴリズムは、ダイクストラ法に予測距離を加えた考えで、ダイクストラ法に比べて目的地点までの到達ステップが短くなる。また、A*アルゴリズムにおいて、予測距離が含まれる為、目的地点へたどり着いた時点でその経路が最短ルートとならない可能性がある。また、A*アルゴリズムにおいて、目的地までたどり着く事を優先させ、メモリ容量と処理時間を抑えることができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】"ダイクストラ法(最短経路問題)"、[online]、[平成23年2月17日検索]、インターネット<URL:http://www.deqnotes.net/acmicpc/dijkstra/>
【非特許文献2】"A*"[online]、[平成23年2月17日検索]、インターネット<URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/A*>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のナビゲーション装置においては、最短経路を出力するものが多く、必ずしもユーザにとって適切な経路を探索し、探索結果に応じた出力を行うことができなかった。
【0006】
具体的には、従来のナビゲーション装置、特に歩行者や自転車の利用者等が利用可能な携帯型のナビゲーション装置等においては、ユーザが犯罪等に巻き込まれにくいよう、犯罪に対する安全性の高い経路、あるいは安全性の低い経路を探索し、探索結果に応じた出力を行うことができなかった。つまり、犯罪に対する安全性を考慮して経路を探索することができないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のナビゲーション装置は、地図に関する情報であって、地図が示す道路に関する情報である道路情報を有する地図情報が格納される地図情報格納部と、地図情報が示す道路についての、犯罪に対する安全性に関する情報である安全性情報が格納される安全性情報格納部と、現在地を示す情報である現在地情報を受け付ける受付部と、道路情報と安全性情報とを用いて、現在地情報が示す現在地に関連した安全な経路、または安全でない経路を探索する探索部と、探索部の探索結果に応じた出力を行う出力部とを備えたナビゲーション装置である。
【0008】
かかる構成により、犯罪に対して安全な経路、あるいは安全でない経路を探索することができる。
【0009】
また、本発明のナビゲーション装置は、前記ナビゲーション装置において、受付部は、さらに、目的地を示す情報である目的地情報を受け付け、探索部は、道路情報と安全性情報とを用いて、現在地情報が示す現在地と、目的地情報が示す目的地との間の、犯罪に対して安全な一以上の経路、または安全でない一以上の経路を探索して、探索した経路を示す経路情報を取得し、探索部が取得した経路情報を出力する出力部とを備えたナビゲーション装置である。
【0010】
かかる構成により、現在地と目的地間の安全な経路、あるいは安全でない経路を探索することができる。
【0011】
また、本発明のナビゲーション装置は、前記ナビゲーション装置において、安全性情報は、地図情報が示す道路についての、夜間の暗さを示す情報である明暗情報を含み、探索部は、明暗情報が夜間に暗いことを示す道路を安全でない道路と判断して経路を探索するナビゲーション装置である。
【0012】
かかる構成により、道路の夜間における明るさを考慮して安全な経路、あるいは安全でない経路を探索することができる。例えば、夜間に暗い道路は、防犯上好ましくないため、このような道路の利用が少ない安全な経路を探索したりすることができる。
【0013】
また、本発明のナビゲーション装置は、前記ナビゲーション装置において、安全性情報は、地図情報が示す道路についての、人の多さに関する情報である人数情報を含み、探索部は、人数情報が人の少ないことを示す道路を安全でない道路と判断して経路を探索するナビゲーション装置である。
【0014】
かかる構成により、道路における人の多さを考慮して安全な経路、あるいは人の少ない道路を利用した安全でない経路を探索することができる。例えば、人通りが少ない道路は、防犯上好ましくないため、このような道路の利用が少ない安全な経路を探索することができる。
【0015】
また、本発明のナビゲーション装置は、前記ナビゲーション装置において、携帯電話の基地局の情報を管理するサーバから、基地局と通信可能な携帯電話数を取得する携帯数取得部と、携帯数取得部が取得した携帯電話数を用いて、基地局に対応する道路についての人数情報を取得して安全性情報格納部に蓄積する人数情報蓄積部とをさらに備えたナビゲーション装置である。
【0016】
かかる構成により、変動する道路の人数を、自動的に取得することができる。これにより、人数の変化に追従して適切に安全な経路探索を行うことが可能となる
【0017】
また、本発明のナビゲーション装置は、前記ナビゲーション装置において、安全性情報は、地図情報が示す道路についての、犯罪に関する情報である犯罪情報を含み、探索部は、犯罪情報が予め指定された条件を満たす道路を安全でない道路と判断して経路を探索するナビゲーション装置である。
【0018】
かかる構成により、道路に対する犯罪発生率を考慮して安全な経路、あるいは人の少ない道路を利用した安全でない経路を探索することができる。例えば、犯罪が発生しやすい道路は、防犯上好ましくないため、このような道路の利用が少ない安全な経路を探索することができる。
【0019】
また、本発明のナビゲーション装置は、前記ナビゲーション装置において、犯罪に関する情報であって、犯罪が発生した地点または道路を示す情報を含む犯罪関連情報を有するサーバ装置である犯罪サーバ装置から、犯罪関連情報を取得する犯罪関連情報取得部と、犯罪関連情報取得部が取得した犯罪関連情報を用いて、犯罪情報を取得して安全性情報格納部に蓄積する犯罪情報蓄積部とを更に備えたナビゲーション装置である。
【0020】
かかる構成により、犯罪情報を自動的に取得して更新することができる。これにより、犯罪の発生状況の変化に追従して適切に安全な経路探索を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によるナビゲーション装置等によれば、犯罪に対する安全性を考慮して経路を探索することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態1におけるナビゲーション装置のブロック図
【図2】同ナビゲーション装置の動作を示すフローチャート
【図3】同ナビゲーション装置の概念図
【図4】同ナビゲーション装置の地図図柄情報の一例を示す図
【図5】同ナビゲーション装置のノード管理表を示す図
【図6】同ナビゲーション装置のリンク管理表を示す図
【図7】同ナビゲーション装置のノード及びリンクを示す模式図
【図8】同ナビゲーション装置の移動軌跡管理表を示す図
【図9】安同ナビゲーション装置の犯罪情報管理表を示す図を示す図
【図10】同ナビゲーション装置の基地局管理表を示す図
【図11】同ナビゲーション装置の明暗情報管理表を示す図
【図12】同ナビゲーション装置の表示例を示す図
【図13】本発明の実施の形態2におけるナビゲーション装置のブロック図
【図14】同ナビゲーション装置の動作を示すフローチャート
【図15】同ナビゲーション装置の表示例を示す図
【図16】本発明の実施の形態3におけるナビゲーション装置のブロック図
【図17】同ナビゲーション装置の動作を示すフローチャート
【図18】同ナビゲーション装置の人数情報管理表を示す図を示す図
【図19】同ナビゲーション装置の重み付け値管理表を示す図
【図20】同ナビゲーション装置の取得重み付け値管理表を示す図
【図21】同ナビゲーション装置のリンク、ノード、及び補正コストを示す模式図
【図22】同ナビゲーション装置の表示例を示す図
【図23】本発明の各実施の形態におけるコンピュータシステムの外観の一例を示す図
【図24】同コンピュータシステムの構成の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、ナビゲーション装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0024】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態におけるナビゲーション装置1のブロック図である。
ナビゲーション装置1は、地図情報格納部101、安全性情報格納部102、受付部103、探索部104、出力部105、現在位置取得部106、携帯数取得部108、人数情報蓄積部109、犯罪関連情報取得部111、犯罪情報蓄積部112を備える。
【0025】
探索部104は、移動軌跡格納手段1041、移動軌跡蓄積手段1042と、予測経路探索手段1043と、安全判断手段1044とを備えている。
【0026】
ナビゲーション装置1は、例えば、現在地や目的地の地図等を出力したり、現在地から目的地までの経路を出力したりする装置である。ナビゲーション装置1は、特に、携帯可能なナビゲーション装置であることが好ましいが、車載用のナビゲーション装置であっても良い。ナビゲーション装置1は、ナビゲーション専用の装置であっても良いし、ナビゲーション機能を実現する携帯電話やスマートフォンやカメラ等の携帯端末であっても良い。
【0027】
地図情報格納部101には、地図情報が格納される。地図情報は、地図に関する情報である。地図情報は、道路情報を有している。道路情報は、地図が示す道路に関する情報である。地図情報は、通常、地図の画像である地図図柄情報を更に有している。地図図柄情報は、例えば、地図を構成するビットマップデータ(ラスタデータ)またはベクタデータ、またはこれらの組合せなどである。地図図柄情報のファイル形式は、GIF形式やJPEG形式や、PNG形式等問わない。地図情報は、ISOのkiwi地図データフォーマットであっても良い。地図情報は、地図上に表記されている地名や、建物や名勝や場所の名称などの文字列を有していても良い。
【0028】
地図情報は、例えば、その地図情報が表示する地域の経度や緯度を有する座標情報等の、絶対的な位置を示す位置情報や、各地図情報間においてそれぞれの地図が示す領域間の位置関係が分かるような相対的な位置を示す位置情報を有している、もしくは対応付けられている。例えば、地図情報の表示する地図の範囲や中心点を、緯度と経度との範囲で定義する情報を有していてもよい。このような位置情報を用いることで、地図上の座標と、実空間における座標(例えば、緯度及び経度)とを適宜変換することが可能となる。また、地図情報は、当該地図情報により示される地図内の住所等の位置を指定可能な位置情報を有していても良い。また、地図情報は、縮尺ごとに地図図柄情報を有していてもよいし、縮尺ごとに地図情報が用意されていても良い。通常、地図情報は地図の縮尺と対応付けて管理されている。具体的には、地図情報は、当該地図情報により出力される地図の縮尺の値の情報を有していても良いし、地図情報が地図の縮尺と対応付けて101に格納されていてもよい。ここでの地図の縮尺とは、地図の縮尺の値を示す情報と考えても良い。
【0029】
道路情報は、道路に関する情報である。道路情報は、例えば、ノードデータと、リンクデータとを含んでいる。ノードは、交差点や分岐点等の、道路同士が接続される地点を示すものである。ノードデータは、ノードに関する情報である。ノードデータは、道路網の接続関係を示すデータと考えても良い。行き止まり等の道路網の端点、即ち他の道路と接続されていない道路の端点もノードと考えてもよい。また、ノードは、道路同士が接続される地点以外の道路上の任意の箇所にも設けられていてもよい。また、ノードは、必ずしも全ての道路同士が接続される地点に設けられていなくても良い。ノードデータは、例えば、ノードを識別する識別情報と、ノードの地図上の座標、あるいは、実空間の座標を有する。また、ノードデータは、ノードに接続されるリンクを示す情報等を有していても良い。リンクは、例えば、ノード間を結ぶ道路を示すものである。リンクデータは、リンクに関するデータである。リンクは、通常、一の道路または一の道路の一部に対応したものとなる。ノードで分割されたリンクに対応する道路を、分割道路と考えても良い。リンクデータは、例えば、リンクを識別する情報であるリンク識別情報や、リンクが接続されるノード(例えば、両端のノード)を示す情報(例えばノード識別情報)を有している。また、リンクデータは、リンクの端部の地図上の座標あるいは実空間の座標を有していても良い。また、各リンクデータには、リンクデータが示すリンクを含む道路の名称や道路番号等の道路の識別情報(例えば、京浜バイパスや、烏丸通りや、国道1号線等)を有していても良い。例えば、このような場合、一の道路が、複数のリンクで構成されているとすると、各リンクのリングデータには、同じ道路の識別情報が付与されることとなる。なお、本実施の形態においては、ノードは、リンクの端点と考えて、ノードデータ等は省略するようにしても良い。なお、リンクは、必ずしも隣り合わせのノードで区切られた道路でなくても良く、一の道路上の、隣り合わせでない一組のノードで区切られた道路であっても良い。
【0030】
リンクデータは、また、複数の道路特性パラメータについてのコスト、および、道路属性としての道路種別等を有していても良い。道路特性パラメータとしては、距離、通行時間、有料・無料の区別、通りやすさ、道路幅などがあり、それぞれの道路特性パラメータについてコスト(距離のコスト、通行時間のコスト等)が定められている。コストは、例えば、経路を探索する場合等において、選択する道路を評価する際等に利用する評価値である。コストは、例えば、経路選択のための優先度を示す値と考えても良い。また、コストはスコアと考えても良い。また、道路種別は、高速道路、それ以外の有料道路、国道、県道などの種別を意味する。
【0031】
なお、道路情報は、上記のノードデータやリンクデータの代わりに、道路の道筋を示すデータや、道路や通りの名前等の道路の識別情報や、道路の端点等の情報を有していても良い。この場合、道路は、ノードデータやリンクデータを利用する場合と異なり、道路同士が接続される地点で分割されていなくても良い。また、道路情報は、上記のノードデータやリンクデータに加えて、道路の道筋を示すデータを有していてもよい。道路あるいはリンクの道筋を示すデータは、例えば、道路の道筋に沿った直線や曲線の線状、あるいは帯状の情報(例えば、スプライン曲線や、ベジェ曲線の情報)や、道路に沿って配置された複数の座標の集合や、道路に沿って設けられた一以上のベクトルの情報等であっても良い。道路の道筋を示すデータは、リンクデータ毎に設けられていても良い。
【0032】
なお、ここでの格納は一時記憶も含む概念である。地図情報格納部101は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0033】
安全性情報格納部102は、地図情報が示す道路についての安全性情報が格納される。安全性情報は、道路についての、犯罪に対する安全性に関する情報である。安全性情報は、道路と対応付けられた情報である。安全性情報は、例えば、対応する道路の識別情報、あるいは、対応するノードやリンクの識別情報を有する。
【0034】
安全性情報は、例えば、一の道路が犯罪に関して安全な道路であるか否かを示す情報である。ここでの一の道路は上述したリンクと考えて良い。かかることは以下においても同様であるとする。安全性情報は、例えば、一の道路の安全性の判断に利用される情報である。安全性情報は、例えば、一の道路についての、犯罪の発生率との関連がある要因の有無や程度を示す情報である。また、一の道路についての、犯罪の発生状況等を示す情報であってもよい
【0035】
安全性情報は、例えば、地図情報が示す道路についての、夜間の暗さを示す情報である明暗情報を含んでもよい。ここでは、暗さを、明るさやと考えても良い。明暗情報は、例えば夜間に暗いか否かを示す情報や、夜間の暗さを複数の段階で示した情報である。また、明暗情報は、照度等の夜間の暗さを数値化した情報でもよい。明暗情報は、暗さの実測値に基づいた情報でなくても良く、人間が感覚により判断した暗さを示す情報であっても良い。また、ここで述べる夜間は、時間帯で指定されていても良いし、指定されていなくても良い。また、夜間を複数の時間帯に分けるようにして、安全性情報が、時間帯ごとに明暗情報を有するようにしても良い。また、安全性情報格納部102に格納されている明暗情報は、現在の時刻において取得された明暗情報であってもよいし、更新された最新の明暗情報であっても良いし、過去の明暗情報や、平均的な明暗情報や、予測した明暗情報であっても良い。例えば、道路等に明るさを測定する照度計等を設置しておくようにし、この照度計を用いて取得された現在または最新の明暗情報を、安全性情報格納部102に蓄積(あるいは更新)するようにしても良い。あるいは、地図が示す地域の担当者やユーザ等が各道路の明暗情報を外部の装置等に入力するようにして、この外部の装置に入力された最新の明暗情報が、ネットワークや通信回線経由でナビゲーション装置1に送信され、安全性情報格納部102に蓄積されるようにしてもよい。
【0036】
また、安全性情報は、例えば、地図情報が示す道路についての、人の多さに関する情報である人数情報を含んでもよい。人数情報は、道路の人通りの多さに関する情報と考えても良い。ここでの人の多さは、人の少なさと考えても良い。人数情報は、人数が多いか否かを示す情報や、人数の多さを複数の段階で示した値である。また、実際の人数をカウントした値や、道路の一部の領域についてカウントした人数から推測された道路の人数を示す情報であっても良い。また、人数情報は、人数の実測値に基づいた情報でなくても良く、人間が感覚により判断した人数を示す情報や、人数に関連がある情報に基づいて得られた人数の推定値等であっても良い。また、安全性情報が、複数の時間帯と対応付けられた人数情報を有するようにしても良い。また、安全性情報格納部102に格納されている人数情報は、現在の時刻もしくは最新の人数情報であっても良いし、過去の人数情報や、平均的な人数情報や、予測した人数情報であっても良い。例えば、後述する人数情報蓄積部109が取得した最新の人数情報が安全性情報格納部102に蓄積(あるいは更新)されるようにしてもよい。
【0037】
また、安全性情報は、例えば、地図情報が示す道路についての、犯罪に関する情報である犯罪情報を含んでもよい。犯罪に関する情報とは、過去の予め指定された期間内の犯罪の発生率や発生数であってもよいし、予め指定された数以上の犯罪が発生したから否かを示す情報であっても良い。また、過去の予め指定された期間内に発生した犯罪の重さを示す値であってもよい。犯罪の重さを示す値は、重い犯罪の件数や発生率や、軽い犯罪の件数や発生率であっても良い。なお、犯罪の重さとは、例えば、重罪や軽罪の区別やそれぞれの級数で判断される。また、過去の予め指定された期間内に発生した個々の犯罪の種類(例えば、窃盗、交通事故、引ったくり、暴行、傷害等)を示す情報であってもよいし、それらの種類別の犯罪発生件数や、種類別の犯罪発生率等であっても良い。また、これらの情報を組み合わせた情報や、これらを組み合わせて作成される犯罪の発生状況を示す指標であってもよい。また、犯罪情報は、過去に発生した個々の犯罪に関連する情報(例えば、種類や、重さ、発生日、犯罪の識別情報等を示す情報)でも良い。この場合、これらの情報を適宜集計したりすることで、上記のような犯罪の発生率等の情報を取得可能である。過去の予め指定された期間は、例えば、現在から遡った一定の期間(例えば、現在から1ヶ月前までの期間)や、現在の属している期間(例えば、週、月、年)に対して、一定の期間だけ前の期間(例えば、先月や昨年等)であり、単位は、分、時間、日、月等問わない。例えば、後述する犯罪情報蓄積部112が取得した最新の人数情報が安全性情報格納部102に蓄積(あるいは更新)されるようにしてもよい。また、安全性情報は、時間帯別に発生した犯罪について情報を時間帯別に集計したり分類して作成された時間帯別の犯罪情報を含んでいても良い。
【0038】
なお、ここでの格納は、一時記憶も含む概念である。安全性情報格納部102は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0039】
受付部103は、現在地を示す情報である現在地情報を受け付ける。受付部103は、現在地情報を含む指示であり、犯罪に対する安全性を考慮した、現在地からの経路を出力する指示を受け付けても良い。この経路の出力指示は、現在地情報と目的地情報を有することは好適である。現在地情報とは、例えば、実空間における現在地を示す(緯度,経度)の位置情報、地名などである。受付部103は、ナビゲーション装置1の内部または外部に設けられた図示しないGPS(Global Positioning System)受信機が取得した現在位置を示す情報を、現在地情報として受け付けてもよい。例えば、後述する現在位置取得部106が取得した現在地情報を、予め指定されたタイミングやトリガーに応じて受け付けても良い。ここでの受け付けは、ナビゲーション装置のタッチパネルやキーボードやマウス等の入力デバイスを利用したユーザ入力の受け付け、音声入力による受け付け、外部装置からの受信、記録媒体からの読み出しなどである。現在地情報の入力手段は、キーボードやマウスやテンキーやメニュー画面によるもの等、何でも良い。受付部103は、キーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る
【0040】
探索部104は、道路情報と安全性情報とを用いて、現在地情報が示す現在地に関連した安全な経路、または安全でない経路を探索する。現在地に関連した経路とは、例えば、現在地を、出発地や経由地や目的地等とした経路である。経路とは、例えば、移動の際に通過する道筋やたどるべき道筋である。探索部104は、探索により得られた経路を示す経路情報を取得する。経路情報は、例えば、通過する道路情報やノードデータやリンクデータ、もしくはこれらの識別情報を、通過順番と対応付けて有する情報である。
【0041】
本実施の形態においては、特に、現在地に関連した経路が、現在地情報が示す位置や、ナビゲーション装置1の過去の移動の軌跡を利用して、現在地からの移動に利用される経路を予測する場合を例について説明する。ここでの経路は、次に移動する一以上の道路(例えば、リンク)と考えてもよい。つまり、本実施の形態においては、探索部104が、現在地から次に移動する経路であって、安全な経路または安全でない経路の少なくとも一方を探索する場合の例について説明する。安全な経路とは、犯罪に関して安全な経路であり、例えば、犯罪に巻き込まれる可能性が低い経路である。安全でない経路とは犯罪に関して安全でない経路であり、例えば、犯罪に巻き込まれる可能性が高い経路である。安全な経路であるか否かは、経路に含まれる道路に対応した安全性情報を用いて判断される。
【0042】
本実施の形態においては、探索部104は、例えば、まず、過去の移動の軌跡からナビゲーション装置1を利用するユーザの予測される移動方向を取得し、取得した移動方向と道路情報とを用いて、移動方向に存在する道路(例えばリンク)を探索する。ここで探索された道路が、次の移動に利用されることが予測される経路である。この処理は、探索部104の予測経路探索手段1043が行うため、この処理の詳細については、予測経路探索手段1043の説明として後述する。
【0043】
次に、探索部104は、探索した道路の安全性の判断を行う。ここでは、探索した道路の安全性の判断処理は、探索部104の安全判断手段1044が行うため、この処理の詳細については、安全判断手段1044の説明として後述する。
【0044】
探索部104は、例えば、探索した道路が犯罪に対して安全であると判断された場合、探索部104は、安全な経路が探索されたことを示す探索結果を得る。また、逆に、安全でないと判断された場合、探索部104は、例えば、安全でない経路が探索されたことを示す探索結果を得る。さらに、この道路を示す経路情報を探索結果として取得する。そして、取得した探索結果を、例えば、出力部105等に渡す。
【0045】
探索部104は、通常、MPUやメモリ等の記憶媒体等から実現され得る。探索部104の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0046】
移動軌跡格納手段1041には、ナビゲーション装置1の移動の軌跡を示す情報である移動軌跡情報が格納される。ナビゲーション装置1の移動は、ナビゲーション装置1を利用するユーザの移動と考えても良い。移動の軌跡とは、例えば、ナビゲーション装置1が過去に通過した一以上の位置の集まりである。移動軌跡情報は、例えば、ナビゲーション装置1の位置情報(座標)の、現在地に至るまでの変化を示す情報である。例えば、移動軌跡情報は、現在地に至るまでに通過した位置を示す位置情報と、この位置情報が示す位置の通過順番を示す情報とを有する情報である。通過順番を示す情報は、各位置情報を取得した時刻を示す時刻情報であることが好ましい。また移動軌跡情報は、位置情報を、取得順に従って順番に蓄積して得られる情報であっても良い。なお、移動の軌跡は、移動の履歴と考えても良い。移動軌跡格納手段1041は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0047】
移動軌跡蓄積手段1042は、移動軌跡情報を取得して、移動軌跡格納手段1041に蓄積する。具体的には、一定または不定の予め指定されたタイミングやトリガー等で、後述する現在位置取得部106等を利用してナビゲーション装置1の位置情報を取得し、取得した位置情報を有する移動軌跡情報を、移動軌跡格納手段1041に蓄積(例えば追記)する。例えば、移動軌跡蓄積手段1042は、現在位置取得部106が取得した現在地の情報と、ナビゲーション装置1の内部に設けられた図示しない時計や、NTP(Network Time Protocol)サーバ等が出力する現在の時刻情報とを、予め指定されたタイミング等で取得して、取得した現在位置の情報と、現在の時刻情報とを対応付けて、図示しない移動軌跡格納手段1041に追記する。予め指定されたタイミングは、例えば、一定または不定の時間間隔毎や、予め指定された時刻や、ランダムに設定される時刻等である。移動軌跡蓄積手段1042は、例えば、予め指定されたタイミングになると、現在位置取得部106に対して現在位置の情報の取得を要求する情報を送信し、この要求に応じて現在位置取得部106が受信した現在位置の位置情報を移動軌跡蓄積手段1042が取得する。なお、時刻情報の代わりに、取得順番を示す情報等を付与するようにしても良い。
【0048】
移動軌跡蓄積手段1042は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。移動軌跡蓄積手段1042の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0049】
予測経路探索手段1043は、移動軌跡格納手段1041に格納されている移動軌跡情報を用いて、ナビゲーション装置1の移動方向を予測する。そして、予測した移動方向に位置する現在地に最も近い道路を示す道路情報を探索する。ただし、現在地が位置する道路(リンク)については、探索対象から除外してよい。予測経路探索手段1043は、例えば、移動軌跡情報から取得順番が新しい複数の位置情報を取得する。そして、その位置情報の変化から、次の移動位置を予測する。例えば、取得順番が新しい複数の位置情報が示す位置を近似する近似線(直線または曲線)を取得し、この近似線に沿った、位置情報が位置する方向とは異なる方向を、移動方向として予測する。あるいは、取得順番が新しい二つの位置情報が示す位置を結ぶベクトルが示す方向を、移動方向として予測する。また、最新の二以上の移動軌跡情報が示す位置を通過する道路を検出し、この道路の両端の端点のうちのいずれの方向に移動軌跡情報が示す位置が動いているかを判断してもよい。例えば、最新の移動軌跡情報が示す位置およびその一つ前の移動軌跡情報が示す位置と、最新の移動軌跡が示す位置を通過する道路の一の端点と、の間の距離をそれぞれ求め、最新の移動軌跡が示す位置との間の距離が、一つ前の移動軌跡が示す位置との距離よりも小さくなっていれば、予測される移動方向は、この端点側に向かう方向であると判断し、大きくなっていれば、予測される移動方向を、この端点とは反対の端点方向であると判断する。なお、予測の際には、移動軌跡情報だけでなく、移動軌跡情報と現在位置情報とを用いるようにしても良い。
【0050】
次に、予測経路探索手段1043は、例えば、現在地に近い、あるいは現在地を通過する道路(例えばリンク)に接続された道路であって、上記で予測した移動方向において、経路として選択されると予測される道路を探索する。例えば、予測経路探索手段1043は、現在地に近い道路に接続された道路であって、上記で予測した移動方向に近い方向に伸びる道路を探索する。例えば、現在地を通過する道路の、上記で予測した移動方向側に存在する端点(即ちノード)と接続された道路(リンク)であって、上記で予測した移動方向に延ばした直線や曲線とのなす角度が最も小さい道路を探索する。現在地に近い道路は、例えば現在地情報が示す位置との距離が最小となる道路を、道路情報が示す道路(リンク)の中から探索することで取得される。あるいは、いわゆるマップマッチングの技術等を利用して、現在地に近い道路を探索しても良い。
【0051】
また、例えば、予測経路探索手段1043は、現在地に近い、あるいは現在地を通過するリンクの上記で予測した移動方向側に存在する端点(ノード)と接続されたリンクであって、現在地を通過する道路と同じ道路の識別情報と対応付けられたリンクを、経路として選択されると予測されるリンクとして探索してもよい。
【0052】
なお、ここでは、移動の軌跡を利用して、ナビゲーション装置1の移動方向を予測したが、予測経路探索手段1043は、どのような方法で、移動方向を予測して、予測した移動方向に配置されている道路を探索しても良い。例えば、地磁気センサ等を用いて、ナビゲーション装置1の方向を検出することで、移動方向を予測しても良い。例えば、このような地磁気センサ等は、現在位置取得部106等が有するようにしてもよい。また、カーナビゲーション装置等の技術として公知である移動の軌跡から道路上の移動方向を取得する処理によって取得した移動方向を、予測した移動方向として用いるようにしてもよい。なお、ここでの道路および道路情報は、上述したように、リンクおよびリンクデータと考えても良い。
【0053】
予測経路探索手段1043は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。予測経路探索手段1043の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0054】
安全判断手段1044は、予測経路探索手段1043が探索した道路(例えばリンク)の犯罪に対する安全性を判断する。道路の犯罪に対する安全性を判断するとは、道路が、犯罪に対して安全な道路であるか否か、または、安全でないか否かを判断することである。予測経路探索手段1043は、例えば、安全でないと判断された場合、安全でない経路が探索されたことを示す探索結果を取得する。また、例えば、安全であると判断された場合、安全である経路が探索されたことを示す探索結果を取得する。また、探索された道路(リンク)を示す情報、例えば道路(リンク)の識別情報等も取得するようにしても良い。また、安全判断手段1044は、探索された経路を示す経路情報を取得しても良い。
【0055】
安全判断手段1044は、例えば、予測経路探索手段1043が探索した道路に対応する安全性情報を、安全性情報格納部102から取得して、取得した安全性情報が、予め指定された条件を満たすか否かにより、この道路の安全性を判断する。例えば、安全性情報が、安全であることを示す情報であれば場合、安全であると判断する。また、安全性情報が、安全でないことを示す情報であれば場合、安全でないと判断する。なお、本実施の形態においては、安全判断手段1044は、安全性情報が予め指定された安全であることを判断するための条件を満たす場合に、道路が安全であると判断し、条件を満たさない場合には、安全でないと判断しても良いし、条件を満たさない場合には、安全であるとも、安全でないとも判断しないようにしても良い。同様に、安全性情報が予め指定された安全でないことを判断するための条件を満たす場合に、道路が安全でないと判断し、条件を満たさない場合には、安全であると判断しても良いし、条件を満たさない場合には、安全でないとも、安全であるとも判断しないようにしても良い。
【0056】
安全判断手段1044は、例えば、予測経路探索手段1043が探索した道路(例えば、リンク)に対応する安全性情報に含まれる明暗情報を取得して、この明暗情報が、探索した道路が夜間に暗いことを示すものであるか否かを判断する。安全判断手段1044は、例えば、明暗情報が夜間に暗いか否かを示す情報であれば、道路に対応する明暗情報が夜間に暗いことを示す情報であるか否かを判断し、夜間に暗い情報であれば、明暗情報が夜間に暗いことを示すものであると判断すればよい。また、明暗情報が、例えば、暗さの段階を示す情報である場合、道路に対応する明暗情報の暗さの段階が、予め指定されている閾値を超える場合に、夜間に暗いことを示すものであると判断すればよい。また、明暗情報が、例えば、暗さを数値化した値である場合、この値が、予め指定されている閾値を超える場合に、夜間に暗いことを示すものであると判断すればよい。
【0057】
そして、安全判断手段1044は、道路に対応する明暗情報が、夜間に暗いことを示すものであると判断された場合、対応する道路が、安全でない道路であると判断する。これにより、探索部104は、安全性情報が有する明暗情報が夜間に暗いことを示す道路を安全でない道路と判断して、安全でない経路を探索できる。なお、明暗情報が、夜間の複数の時間帯別に用意されている場合、現在の時刻に対応する時間帯の明暗情報を安全性情報から取得して、取得した明暗情報が、夜間に暗いことを示す情報であるか否かを判断するようにしてもよい。また、予め夜間を定義する時間帯の情報を用意しておくようにし、この現在の時刻がこの時間帯にある場合にだけ、明暗情報を用いて安全性についての判断を行うようにしても良い。現在の時刻の情報は、時計やネットワーク等から取得可能である。
【0058】
また、上記の処理により、安全でない道路であると判断されなかった場合に、安全である道路であると判断されたと考えるようにしても良い。なお、明暗情報が夜間に暗くないことを示すものであるか否かを判断し、暗くないことを示すと判断された場合、対応する道路が、安全である道路であると判断するようにしてもよい。
【0059】
また、例えば、安全判断手段1044は、予測経路探索手段1043が探索した道路(リンク)に対応する安全性情報に含まれる人数情報を取得して、この人数情報が、探索した道路が人の少ない道路を示すものであるか否かを判断する。安全判断手段1044は、例えば、人数情報が、人数が少ないか否かを示す情報であれば、道路に対応する人数情報が、人数が少ないことを示す情報であるか否かを判断し、少ないことを示す情報である場合に、探索した道路が人の少ない道路を示すものであると判断する。また、道路に対応する人数情報が、人数の少なさ複数の段階で示した値や人数の情報であれば、これらの値が、予め用意した閾値を超える場合に、探索した道路が人の少ない道路を示すものであると判断してもよい。
【0060】
そして、安全判断手段1044は、この人数情報が、人の少なく道路であることを示すものであると判断された場合、対応する道路が、安全でない道路であると判断する。これにより、探索部104は、人数情報が人の少ないことを示す道路を安全でない道路と判断して経路を探索できる。なお、人数情報が、時間帯別に用意されている場合、現在の時刻に対応する人数情報を安全性情報から取得して、取得した人数情報が、人が少ない道路を示す情報であるか否かを判断するようにしてもよい
【0061】
また、上記の処理により、安全でない道路であると判断されなかった場合に、安全である道路であると判断されたと考えるようにしても良い。なお、人数情報が人数の多いことを示すものであるか否かを判断し、多いことを示すと判断された場合、対応する道路が、安全である道路であると判断するようにしてもよい。
【0062】
また、例えば、安全判断手段1044は、予測経路探索手段1043が探索した道路に対応する安全性情報に含まれる犯罪情報を取得して、この犯罪情報が、予め指定された条件を満たすか否かを判断する。ここでの予め指定された条件は、道路を犯罪に関して安全でないと判断するための犯罪情報についての条件である。例えば、この条件は、犯罪情報が予め指定された数以上の犯罪が発生したことを示す情報である、という条件である。また、この条件は、予め指定された期間内に発生した犯罪の件数や、発生率、重い犯罪の発生件数や発生率、特定の種類の犯罪の発生件数や発生率が、予め指定された閾値を超える、という条件である。例えば、犯罪情報が道路において予め指定されている期間内に発生した犯罪の件数や発生率を示すものであれば、安全判断手段1044は、道路に対応する犯罪の発生件数や発生率が、予め指定されている閾値を超えるか否かを判断し、超えると判断した場合に、犯罪情報が条件を満たすと判断する。また、例えば、犯罪情報が道路において予め指定されている期間内に発生した重い犯罪の件数や発生率を示すものであれば、安全判断手段1044は、道路に対応する犯罪の発生件数や発生率が、予め指定されている閾値を超えるか否かを判断し、超えると判断した場合に、犯罪情報が条件を満たすと判断する。なお、犯罪情報が複数の情報を有する場合、これらの情報の組合せについての条件を用意しても良い。
【0063】
そして、安全判断手段1044は、この犯罪情報が、予め指定された条件を満たすと判断された場合、対応する道路が、安全でない道路であると判断する。これにより、探索部104は、犯罪情報が予め指定された条件を満たす道路を安全でない道路と判断して経路を探索できる。なお、犯罪情報が、時間帯別に用意されている場合、現在の時刻に対応する犯罪情報を安全性情報から取得して、取得した犯罪情報が、予め指定された条件を満たす否かを判断するようにしてもよい。この場合、条件も時間帯別に用意するようにしても良い。なお、現在の時刻の情報は、時計やネットワーク等から取得可能である。
【0064】
なお、予め指定された条件を、道路を犯罪に関して安全であると判断するための犯罪情報についての条件として、この条件を満たさない場合に、安全な道路でないと判断することも、実質的に上記の処理と同じ結果が得られることから、このような処理も、ここでは、上記の処理が意味する処理であると考えてよい。
【0065】
また、上記の処理により、安全でない道路であると判断されなかった場合に、安全である道路であると判断されたと考えるようにしても良い。なお、人数情報が人数の多いことを示すものであるか否かを判断し、多いことを示すと判断された場合、対応する道路が、安全である道路であると判断するようにしてもよい。
【0066】
なお、安全性情報が、明暗情報、人数情報、及び犯罪情報等の情報のうちの複数の情報を有している場合、安全判断手段1044は、これらの情報や、これらの情報についての上記の判断結果等を適宜組み合わせて道路の安全性を判断しても良い。例えば、複数の情報についてそれぞれ上記と同様の判断を行い、予め指定された数以上の判断結果が、道路が安全でないと判断するものであった場合に、最終的に道路が安全でないとする判断結果を取得するようにしても良い。また、安全性情報の各情報が示す数値等を、予め指定された判定式に代入して、算出された値が、予め指定された閾値を超えるか否かによって、同語が安全であるか否かを判断しても良い。
【0067】
安全判断手段1044は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。安全判断手段1044の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0068】
出力部105は、探索部104の探索結果に応じた出力を行う。例えば、出力部105は、探索部104が安全な経路を探索したか否かに応じた出力、あるいは、安全でない経路を探索したか否かに応じた出力を行っても良い。具体的には、探索部104が安全な経路または安全でない経路を検出した場合に、安全な経路または安全でない経路が探索されたことを示す情報をユーザに出力する。この情報の出力は、安全な経路または安全でない経路が探索されたことを示す文字列や画像等の表示や、音声の出力である。また、モニタやライト等の点灯や点滅等であっても良いし、ナビゲーション装置1を振動させることであっても良い。特に、安全でない経路が探索された場合、出力部105は、安全でないことを示す警告を出力してもよい。この警告は、経路が安全でないことを示す警告文や警告を行う画像の表示や、警告を呼びかける音声の出力や、警告音の出力、や振動等である。例えば、本実施の形態においては、このような経路が探索できたことを示す情報に応じた出力を行う場合を例に挙げて説明する。
【0069】
また、出力部105は、例えば、探索部104が取得した探索結果である安全な経路または安全でない経路を示す経路情報を出力してもよい。経路情報を出力する、ということは、経路情報が有する経路上の道路情報や、ノードデータや、リンクデータの識別情報を、通過順番と対応付けて出力することであっても良い。通過順番と対応付けて出力するとは、例えば、通過順番を示す番号等の情報を付与して出力することや、通過順番に沿って並べて出力することである。また、経路情報を出力するということは、例えば、経路情報が示す経路を、地図上に示した地図の画像を出力することである。なお、経路情報が示す経路を含む領域の地図情報を地図情報格納部101から取得し、この地図情報が示す地図上に経路情報が示す経路を示した地図の画像を取得する処理等は公知の技術であるのでここでは詳細な説明は省略する。
【0070】
出力部105は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部105は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0071】
現在位置取得部106は、ナビゲーション装置1の現在位置の情報を取得する。現在位置の情報は、例えば、現在位置の緯度及び経度の情報である。例えば、現在位置取得部106は、GPS受信機と同様の処理を行うことで、現在位置の情報を取得する。また、無線LANや携帯電話の位置検出を行う処理等と同様の処理により現在位置の情報を取得しても良い。また、その他の処理によって、現在位置の情報を取得しても良い。また、現在位置取得部106は、地磁気センサ等を備えていても良い。現在位置取得部106が現在位置の情報を取得するタイミングやトリガー等は問わない。現在位置取得部106は、例えば、受付部103や移動軌跡蓄積手段1042が出力する現在位置の情報の取得を要求する情報に応じて、現在の位置情報を取得する。予め指定されたトリガーやタイミングにより現在位置検出を行う。例えば、予め指定された時間や、予め指定された時間間隔で現在地検出を行う。現在位置取得部106は、例えばGPS受信機である。また、無線LANや携帯電話の位置検出を行う位置検出処理部と同様の構成等により実現可能である。
【0072】
携帯数取得部108は、携帯電話の基地局の情報を管理するサーバ装置(図示せず)から、基地局と通信可能な携帯電話数を取得する。通常、携帯電話の各基地局においては、各基地局と通信可能な携帯電話数を取得することが可能である。このため、携帯数取得部108は、この携帯電話数を、各基地局の情報を管理するサーバ装置(以下、基地局サーバ装置)から取得する。基地局サーバ装置は、時間帯別に携帯電話数を有していてもよく、携帯数取得部108は、この時間帯別の携帯電話数を取得しても良い。基地局サーバ装置とは、少なくとも基地局と通信可能な携帯電話数の情報を管理するサーバ装置であればよい。携帯数取得部108は、基地局サーバ装置から、ネットワークや通信回線経由で取得する。基地局サーバ装置は、各基地局に設けられたサーバ装置であってもよいし、複数の基地局が取得した携帯電話数の情報等を、一括管理するサーバ装置であっても良い。なお、携帯数取得部108は、予測経路探索手段1043が次に移動すると予測される道路を検出した場合に、この道路に最も距離が近い基地局と通信可能な最新の携帯電話数を取得するようにしても良い。なお、この場合、最も近い基地局との距離が、予め指定された距離未満の場合にのみ、通信可能な最新の携帯電話数を取得するようにしても良い。携帯数取得部108は、ネットワーク等を介して情報を取得するための受信手段や送信手段等の通信手段で構成される。
【0073】
人数情報蓄積部109は、携帯数取得部108が取得した携帯電話数を用いて、基地局に対応する道路についての人数情報を取得して安全性情報格納部102に蓄積する。例えば、人数情報蓄積部109は、地図情報格納部101に格納されている道路情報から、各基地局に対応する道路(ここではリンク)を検出する。各基地局に対応する道路としては、例えば、各基地局との距離が最も近い道路、あるいは、各基地局から予め指定された距離内にある道路を検出する。そして、携帯数取得部108が各基地局について取得した携帯電話数を、検出した道路の人数として取得し、この人数と、各道路と対応付けた人数情報を安全性情報格納部102に蓄積する。
【0074】
なお、携帯数取得部108が、予測経路探索手段1043が次の移動先として予測した道路に最も距離が近い基地局と通信可能な最新の携帯電話数を取得した場合、この携帯電話数を、この道路についての人数情報として、安全性情報格納部102に蓄積するようにしてもよい。
【0075】
人数情報蓄積部109は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。人数情報蓄積部109の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0076】
犯罪関連情報取得部111は、犯罪サーバ装置(図示せず)から、犯罪関連情報を取得する。犯罪サーバ装置は、犯罪関連情報を有するサーバ装置である。犯罪サーバ装置は、例えば、各地の犯罪関連情報が蓄積されたデータベースを有するサーバ装置である。犯罪サーバ装置は、例えば、犯罪関連情報を提供するための警察や国家公安委員会が管理するサーバ装置である。あるいは新聞社や警備会社等の民間が管理するサーバ装置であっても良い。犯罪サーバ装置は、時間帯別の犯罪関連情報を有していてもよく、犯罪関連情報取得部111は、時間帯別に犯罪関連情報を取得しても良い。
【0077】
犯罪関連情報は、犯罪が発生した地点または道路を示す情報を含む犯罪に関する情報である。犯罪が発生した地点または道路を示す情報とは、例えば、犯罪が発生した地点の地名や、住所等の情報である。また、犯罪が発生した道路を示す情報は、例えば、犯罪が発生した道路名等の道路の識別情報やノードやリンクの識別情報等である。犯罪関連情報は、例えば、犯罪が発生した日時や、犯罪の種類や、犯罪の重さ等を示す情報を有している。犯罪関連情報は、個々の犯罪についての情報であっても良いし、集計等により個々の犯罪の情報を加工して得られる情報であってもよい。
【0078】
犯罪関連情報取得部111は、一以上の犯罪サーバ装置から、ネットワークや通信回線経由で犯罪関連情報を取得する。犯罪関連情報取得部111は、ネットワーク等を介して情報を取得するための受信手段や送信手段等の通信手段で構成される。
【0079】
犯罪情報蓄積部112は、犯罪関連情報取得部111が取得した犯罪関連情報を用いて、犯罪情報を取得して安全性情報格納部102に蓄積する。例えば、取得した犯罪関連情報が、道路(例えば、リンク)の識別情報を含む場合、この犯罪関連情報をそのまま、犯罪情報として安全性情報格納部102に蓄積しても良い。また、犯罪関連情報が、地名や住所等を有する情報であれば、犯罪情報蓄積部112は、この地名や住所が示す領域を通過する道路や、領域に隣接する道路を、地図情報格納部101に格納されている地図情報を用いて検出し、検出した道路の識別情報と、取得した犯罪関連情報とを対応付けた犯罪情報を安全性情報格納部102に蓄積してもよい。また、犯罪情報蓄積部112は、同じ道路についての犯罪関連情報について、集計等の加工を行い、これにより得られた犯罪の情報(例えば、種類別の犯罪発生数の情報等)と、道路の識別情報とを対応付けた情報を犯罪情報として蓄積しても良い。
【0080】
犯罪情報蓄積部112は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。犯罪情報蓄積部112の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0081】
図2は、本実施の形態1のナビゲーション装置1の動作の一例を示すフローチャートである。以下、図2を用いて動作について説明する。なお、ここでは、安全でない経路を探索する場合の例について説明する。
【0082】
(ステップS201)受付部103は、現在地情報を受け付けたか否かを判断する。受付部103がどのようなタイミングやトリガーで現在地情報を受け付けるかは問わない。例えば、受付部103は、ユーザが入力した現在地情報を受け付けても良い。また、ユーザの指示に応じて現在位置取得部106が現在位置を取得した場合に、この現在位置を受け付けてもよい。受付部103が現在地情報を受け付けた場合、ステップS202に進み、受け付けていない場合、ステップS212に進む。
【0083】
(ステップS202)予測経路探索手段1043は、ステップS201で取得した現在地情報と、移動軌跡蓄積手段1042に格納されている移動軌跡とを用いて、移動方向を予測する。例えば、予測経路探索手段1043は、現在地情報と、移動軌跡の最新の一の移動軌跡が示す位置情報とを結ぶ線分のうちの、現在地情報側の延長線上を、移動方向として予測する。
【0084】
(ステップS203)予測経路探索手段1043は、ステップS202で予測した移動方向上またはその近傍の道路(例えばリンク)であって、現在地情報が示す現在地からの距離が最も近い道路を道路情報について探索する。
【0085】
(ステップS204)携帯数取得部108は、ステップS203で取得した道路に近い基地局を探索する。例えば、予め、地図情報格納部101に格納されている地図情報に、基地局の位置を示す情報を、基地局の識別情報と対応付けて格納しておくことで、このような基地局を検出することが可能である。
【0086】
(ステップS205)携帯数取得部108は、ステップS204で探索した基地局に対応する基地局サーバ装置に対して、この基地局に対して通信可能な携帯電話数を要求する情報を送信し、この基地局サーバ装置から携帯電話数を取得する。
【0087】
(ステップS206)人数情報蓄積部109は、取得した携帯電話数をステップS203で検出した道路についての人数情報として安全性情報格納部102に蓄積する。
【0088】
(ステップS207)安全判断手段1044は、安全性情報格納部102から、ステップS203で取得した道路識別情報(あるいはリンク識別情報)と対応付けられた明暗情報を読み出す。そして、この明暗情報を用いて、ステップS203で探索した道路が安全でない道路であるか否かを判断する。そして、判断結果を、図示しない記憶媒体等に一時記憶する。
【0089】
(ステップS208)安全判断手段1044は、ステップS206で取得したステップS203で探索した道路についての人数情報を読み出す。そして、この人数情報を用いて、ステップS203で探索した道路が安全でない道路であるか否かを判断する。そして、判断結果を、図示しない記憶媒体等に一時記憶する。
【0090】
(ステップS209)安全判断手段1044は、安全性情報格納部102から、ステップS203で取得した道路識別情報(あるいはリンク識別情報)と対応付けられた犯罪情報を読み出す。そして、この犯罪情報を用いて、ステップS203で探索した道路が安全でない道路であるか否かを判断する。そして、判断結果を、図示しない記憶媒体等に一時記憶する。
【0091】
(ステップS210)安全判断手段1044は、ステップS207からステップS209までの判断結果を用いて、安全でない経路が探索されたか否かを判断する。例えば、ステップS207からステップS209までの判断結果の中に、道路が安全でないとする判断結果が二以上含まれる場合は、安全でない経路が探索されたと判断し、二以上含まれなければ、安全でない経路が探索されなかったと判断する。安全でないと判断された場合、ステップS201に戻り、安全でない経路が探索されなかったと判断された場合、ステップS211に進む。なお、安全でないと判断された場合、出力部105が、現状の経路で問題ない旨の出力した上で、ステップS201に戻るようにしても良い。
【0092】
(ステップS211)出力部105は、探索結果に応じた出力を行う。例えば、ここでは、ステップS210において、安全でない経路が探索されなかったと判断されたため、これからユーザが利用しようとしている経路が、安全ではない旨をモニタ等に表示したり、音声で通知したりする。そして、ステップS201に戻る。
【0093】
(ステップS212)移動軌跡蓄積手段1042は、現在位置を取得するタイミングであるか否かを判断する。取得するタイミングであれば、ステップS213に進み、タイミングでなければ、ステップS215に進む。
【0094】
(ステップS213)移動軌跡蓄積手段1042は、現在位置取得部106に、現在位置の情報を要求する情報を送信し、この要求に応じて現在位置取得部106が取得した現在位置の情報を取得する。
【0095】
(ステップS214)移動軌跡蓄積手段1042は、現在の時刻の情報を図示しない時計等から取得して、この現在時刻と、ステップS213で取得した位置情報とを含む移動軌跡情報を、移動軌跡格納手段1041に蓄積する。そして、ステップS201に戻る。
【0096】
(ステップS215)犯罪関連情報取得部111は、犯罪情報を取得するタイミングであるか否かを判断する。取得するタイミングであれば、ステップS216に進み、取得するタイミングでなければ、ステップS201に戻る。
【0097】
(ステップS216)犯罪関連情報取得部111は、安全性情報格納部102に格納されている犯罪情報を更新するために、最新の犯罪関連情報の送信を要求する情報を、犯罪サーバ装置に要求し、この要求に応じて犯罪サーバ装置が送信する犯罪関連情報を受信する。
【0098】
(ステップS217)犯罪情報蓄積部112は、犯罪関連情報に含まれる犯罪が発生した道路を示す情報に対応する道路の識別情報と、犯罪関連情報からこの道路を示す情報を除外した情報とを対応付けて有する犯罪情報を、安全性情報格納部102に蓄積して、犯罪情報を更新する。また、犯罪関連情報に、道路を示す情報でなく、犯罪が発生した地点を示す情報が含まれる場合、この地点に対応する道路を探索して、探索した道路の識別情報を取得すればよい。そして、ステップS201に戻る。
【0099】
なお、上記フローチャートにおいては、ステップS204からステップS206において、予測される移動方向上の道路についての最新の人数情報を取得するようにしたが、各道路についての人数情報は、予め携帯数取得部108と人数情報蓄積部109とにより取得され、安全性情報格納部102に蓄積されているようにしても良い。そして、各道路についての人数情報は、予め指定されたタイミングで更新されるようにしても良い。
【0100】
また、ステップS216において、犯罪関連情報取得部111は、ナビゲーション装置1の現在地の近傍の犯罪関連情報を取得するようにしても良い。
【0101】
また、ステップS207の直前に、現在の時刻を時計やNTPサーバ等からネットワーク経由等で取得して、この時刻が、予め用意されている夜間を指定する時間内であるか否かを判断して、夜間であれば、ステップS207の処理を行うようにし、夜間でなければ、ステップS207の処理を行わずに、ステップS208に進むようにしても良い。
【0102】
なお、図2のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0103】
以下、本実施の形態におけるナビゲーション装置1の具体的な動作について説明する。ここでは、ナビゲーション装置1は、携帯型のナビゲーション装置であるとする。なお、この具体例においては、道路が、隣り合うノードで分割された単位のもの、即ちリンクである場合を例に挙げて説明する。
【0104】
図3は、ナビゲーション装置1の概念図である。ナビゲーション装置1は、基地局サーバ装置500と、犯罪サーバ装置600と、インターネット等のネットワークを介して通信可能に接続されている。なお、ここでは、説明の便宜上、基地局サーバ装置500と、犯罪サーバ装置600とをそれぞれ一つだけ示しているが、これらはいずれも複数であって良い。
【0105】
図4は、地図情報格納部101に格納されている地図図柄情報の一例を示す図である。地図情報格納部101には、例えば、同様の地図図柄情報が複数格納されている。なお、地図図柄情報には、予め、この地図図柄情報の中心位置が示す位置の緯度経度の座標が対応付けられているものとする。
【0106】
図5は、地図情報格納部101に格納されている道路情報のうちのノードデータを管理するノード管理表である。ノード管理表は、各ノードデータの識別情報である「ノードID」と、ノードの示す緯度と経度である「緯度,経度」等の項目を有する。
【0107】
図6は、地図情報格納部101に格納されている道路情報のうちのリンクデータを管理するリンク管理表である。リンク管理表は、各リンクデータの識別情報である「リンクID」と、リンクデータの両端のノードIDである「両端ノード」と、リンクのコストである「コスト」と、「道路名」等の項目を有する。リンクの「コスト」は、リンクの一以上の道路特性パラメータから決定された値である。ここでは、例えば、コストの値が小さいほど、リンクは、実質的な距離が短いと判断されるものとする。「道路名」は、道路の識別情報であり、一の道路に複数のリンクが含まれる場合、ここでは一例として、これらのリンクの「道路名」の値は同じ値としている。ただし、同じ道路名の末尾等に、連結順番を示す番号等を追加しても良い。
【0108】
図7は、図5および図6に示したノード管理表およびリンク管理表が管理するノード及びリンクの一部を、図4に示した地図上に配置した模式図である。
【0109】
ここで、仮に、ナビゲーション装置1を持つユーザが歩いている実空間上の座標が、例えば、「リンクID」が「L3」であるリンク上の座標であるとする。
【0110】
移動軌跡蓄積手段1042は、予め指定した時間毎(例えば、1分毎)に、GPS受信機等を有する現在位置取得部106に現在位置を要求する情報を出力し、この要求に応じて現在位置取得部106が取得した現在位置の緯度と経度とを取得する。そして、取得した緯度と経度と、図示しない時計等から取得した現在時刻とを対応付けて有する移動軌跡情報を、移動軌跡格納手段1041に蓄積する。ここでは、移動軌跡情報を追記する。
【0111】
図8は、移動軌跡格納手段1041に蓄積されている移動軌跡情報を管理する移動軌跡管理表である。移動軌跡管理表は、現在位置を取得した時刻である「時刻」と、取得した現在地の座標である「緯度、経度」という項目を有している。
【0112】
また、犯罪関連情報取得部111は、予め指定したタイミング(例えば、毎月1日等)で、犯罪サーバ装置600に、犯罪関連情報を要求する情報を送信し、この要求に応じて犯罪サーバ装置600から送信される犯罪関連情報を受信する。ここでは、犯罪サーバ装置600が提供する犯罪関連情報は、毎月1日に更新される先月の、リンク別の犯罪の発生件数を示す値であるとする。犯罪関連情報は、例えば、リンクIDと犯罪の発生件数とを対応付けて有する情報であるとする。犯罪関連情報取得部111は、取得した犯罪関連情報で、安全性情報格納部102に格納されている犯罪情報を更新する。
【0113】
図9は、安全性情報格納部102に格納されている最新の犯罪情報を管理する犯罪情報管理表を示す図である。犯罪情報管理表は、「リンクID」と、先月の犯罪の発生件数を示す「犯罪件数」という項目を有している。なお、ここでは、犯罪サーバ装置600にも同様の犯罪関連情報が格納されていたとする。
【0114】
ここで、ユーザが、これから進もうとする経路についての安全性を判断したいと考えて、ナビゲーション装置1に対して、経路の安全性の判断を行うための予め指定された操作等を行ったとする。例えば、予め指定されたボタン等を押したとする。
【0115】
この操作に応じて、受付部103は、現在位置取得部106から、現在位置の情報を取得して、この情報を現在地情報として受け付ける。例えば、ここで受け付けた現在地情報は、(x20,y20)であったとする。
【0116】
次に、予測経路探索手段1043は、まず、現在地情報(x20,y20)と、図8に示した移動軌跡管理表のうちの最新の移動軌跡情報とから、現在ユーザが移動中であるリンクを探索し、その進行方向を予測する。具体的には、予測経路探索手段1043は、まず、図5に示したノード管理表と、図6に示したリンク管理表とから、各リンクの、両端のノードの座標を取得する。そして、取得した両端のノードの座標で特定される各リンクを示す線分と、現在地情報(x20,y20)との距離をそれぞれ算出して、最も現在地情報(x20,y20)との距離が近い線分を探索する。探索により検出された線分に対応するリンクが、現在ユーザが移動中の道路を示すリンクである。ここでは、リンクIDが「L3」であるリンクが移動中の道路を示すリンクとして探索されたとする。なお、線分の代わりにベクトルを利用してもよい。また、現在地情報に対応するリンクを探索する際に、いわゆるマップマッチング等の技術を利用してもよい。
【0117】
次に、移動軌跡情報が示す軌跡から、道路上における予測される移動方向を取得する。軌跡から道路上の移動方向を取得する処理は、カーナビゲーション装置等の技術として公知であるので、ここでは説明は省略する。ここでは、予測される移動方向として、ノード「N3」からノード「N4」に向かう移動方向を取得されたとする。
【0118】
なお、ここでは、ノードIDが「n」であるノードや、リンクIDが「m」であるリンクを、それぞれノード「n」、リンク「m」と呼ぶ。例えば、ノード「N3」は、ノードIDが「N3」であるノードである。
【0119】
次に、このノード「N4」と接続されるリンクのリンクIDを、図6に示したリンク管理表から取得する。具体的には、リンク管理表において「両端ノード」の値に「N4」を含むレコードを検出し、検出した各レコードの「リンクID」を取得する。ただし、現在のリンクID「L3」は取得しない。ここでは、リンクIDとして、「L4」、「L5」、「L6」が取得されたとする。
【0120】
次に、予測経路探索手段1043は、これらのリンクIDが示す各リンクの両端のノードの座標を図5のノード管理表と図6のリンク管理表とを用いてそれぞれ取得する。また、予測経路探索手段1043は、現在のリンクの両端のノード「N3」、「N4」の座標を図5のノード管理表と図6のリンク管理表とを用いて取得する。そして、現在のリンク「L3」についての、予測される進行方向を示すベクトルであるノード「N3」から「N4」へ向かうベクトルと、ノード「N4」と接続された各リンクについてのノード「N3」を起点とした端点間を結ぶベクトルとのなす角度をそれぞれ算出し、角度が一番小さくなるベクトルが得られるリンクのリンクIDを取得する。ここでは、ノード「N3」から「N4」へ向かう現在のリンクについてのベクトルと、ノード「N4」からノード「N5」へ向かうリンク「L5」についてのベクトルとのなす角度が最も小さく、リンクIDとして「L5」が取得されたとする。リンクIDが「L5」であるリンクが、次に移動すると予測されるリンク(道路)である。
【0121】
図10は、地図情報格納部101に格納されている携帯電話の基地局の位置を管理する基地局管理表である。基地局管理表は、基地局の識別情報である「基地局ID」と、基地局の位置を緯度と経度とで示す「緯度,経度」という情報を有している。
【0122】
次に、携帯数取得部108は、予測経路探索手段1043が探索したリンク「L5」と最も近い携帯電話の基地局を検出する。ここでは、予測経路探索手段1043が探索したリンク「L5」が示す線分と最も近い基地局を、図10に示した基地局管理表に格納されている基地局の「緯度,経度」の値を用いて探索する。そして、探索した基地局の識別情報を基地局管理情報から取得する。ここでは、基地局の識別情報が「基地局B」である基地局の距離が最も近いと判断され、この識別情報「基地局B」が取得されたとする。そして、携帯数取得部108は、この識別情報「基地局B」が示す基地局と通信可能な最新の携帯電話数の情報を要求する情報を、基地局サーバ装置500に送信する。
【0123】
基地局サーバ装置500は、各基地局と通信可能な携帯電話数の情報を、各基地局の識別情報と対応付けて図示しない格納部等に格納しており、ナビゲーション装置1が送信した識別情報「基地局B」に対応した携帯電話数の情報を要求する情報を受け付けると、この識別情報「基地局B」に対応した携帯電話数の情報を図示しない格納部等から読み出して、ナビゲーション装置1に送信する。
【0124】
携帯数取得部108は、基地局サーバ装置500から要求に応じて送信される携帯電話数の情報を取得する。ここでは、取得した携帯電話数が「32」であったとする。人数情報蓄積部109は、携帯数取得部108が取得した携帯電話数「32」を、そのまま、リンク「L5」についての人数情報「32」として、図示しない記憶媒体等に一時記憶する。
【0125】
図11は、安全性情報格納部102に格納されている明暗情報を管理する明暗情報管理表である。明暗情報は、「リンクID」と、明暗情報を示す「明暗」という項目も有している。「明暗」の項目において、「明」は道路が明るいことを示し、「暗」は道路が暗いことを示す。
【0126】
次に、安全判断手段1044は、リンク「L5」についての明暗情報を取得する。具体的には、安全判断手段1044は、図11に示した明暗情報管理表において、「リンクID」が「L5」であるレコードを検出し、そのレコードの「明暗」の値を取得する。ここでは、図11に示した明暗情報管理表の上から5番目のレコードが検出され、このレコードの「明暗」の値「暗」を、リンク「L5」についての明暗情報として取得する。
【0127】
そして、安全判断手段1044は、取得した明暗情報が「暗」であるため、明暗情報に関して、リンク「L5」が示す道路が安全でないと判断する。そして、判断結果を図示しない記憶媒体等に一時記憶する。
【0128】
次に、安全判断手段1044は、リンク「L5」について取得した人数情報「32」を用いて、リンク「L5」が示す道路が安全であるか否かを判断する。ここでは、人数情報が予め指定されている閾値「25」以下であることが、人数情報に関してリンクが安全でないと判断する条件であるとすると、人数情報「32」は、閾値「25」以上であるため、安全判断手段1044は、人数に関しては、リンク「L5」が安全でないと判断しない。そして、判断結果を図示しない記憶媒体等に一時記憶する。
【0129】
次に、安全判断手段1044は、図9に示した犯罪情報管理表から、リンク「L5」について犯罪情報を取得する。具体的には、安全判断手段1044は、犯罪情報管理表から、「リンクID」が「L5」であるレコードの「犯罪件数」の値である「40」を犯罪情報として取得する。そして、この、犯罪情報「40」を用いて、リンク「L5」が示す道路が安全であるか否かを判断する。ここでは、犯罪情報が予め指定されている閾値「30」以上であることが、犯罪情報に関してリンクが安全でないと判断する条件であるとすると、犯罪情報「40」は、閾値「30」以上であるため、安全判断手段1044は、犯罪情報については、リンク「L5」が安全でないと判断する。そして、判断結果を図示しない記憶媒体等に一時記憶する。
【0130】
そして、安全判断手段1044は、明暗情報と、人数情報と、犯罪情報を用いた安全性の判断結果に応じて、予測される移動方向において探索されたリンク「L5」が安全でないと判断されたか否かを判断し、安全でなければ、安全でない経路が探索されたと判断する。例えば、ここでは、明暗情報と、人数情報と、犯罪情報とをそれぞれ用いた安全性の判断の結果の中に、安全でないと判断した判断結果が2以上含まれる場合、探索されたリンクが安全でないと判断することが予め条件として指定されているとすると、ここでは、明暗情報と犯罪情報については、リンク「L5」が安全でないと判断されているため、安全判断手段1044は、探索されたリンクが安全でないと判断し、安全でない経路が探索されたことを示す判断結果を取得する。
【0131】
出力部205は、安全判断手段1044が安全でない経路が探索されたことを示す判断結果を取得したため、ユーザが利用しようとしている経路が安全でない経路であることを示す出力を行う。ここでは、例えば、ユーザの現在地を含む地図図柄情報を、地図情報格納部101から読み出すとともに、この地図のルート「L5」上に、他の道路とは異なる色の線等を表示することで、このルート「L5」の表示態様を、他のルートに対して異なる表示態様として表示する。そして、ユーザが利用しようとしている経路が安全でない旨の警告文、例えば、「これから先のルートが、防犯上、安全でない可能性があります。」等を表示する。
【0132】
図12は、出力部205による経路が安全でないことを示す表示例を示す図である。
【0133】
このように、本実施の形態によれば、ユーザが利用しようとする経路を予測して、その経路が犯罪に関して安全であるか否かの判断結果を出力することができる。これにより、例えば、ユーザが安全でない経路を取ろうとしていると予測した場合に、ユーザに警告を行うことができ、ユーザが犯罪に巻き込まれにくいよう、ユーザをサポートすることが可能となる。
【0134】
また、特に、道路の暗さや人通りの多さや、犯罪の発生状況等を利用して、道路の安全性を判断するため、歩行者や自転車を利用するユーザに対して、犯罪に対して安全な道路を利用する上で有用な情報を提供することができる。
【0135】
(実施の形態2)
本実施の形態にかかるナビゲーション装置2は、上記実施の形態において説明したナビゲーション装置1において、ユーザの現在地からたどり得る様々な経路であって、犯罪に対する安全な経路、または犯罪に対して安全でない経路を探索して、この探索した経路を示す情報を出力するようにしたものである。
【0136】
図13は、本実施の形態2にかかるナビゲーション装置2のブロック図である。
ナビゲーション装置2は、地図情報格納部101、安全性情報格納部102、受付部103、探索部204、出力部205、現在位置取得部106、携帯数取得部108、人数情報蓄積部109、犯罪関連情報取得部111、犯罪情報蓄積部112を備える。
【0137】
探索部204および出力部205以外の構成等については、上記実施の形態1と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0138】
探索部204は、道路情報と安全性情報とを用いて、現在地情報が示す現在地に関連した安全な経路、または安全でない経路を探索する。本実施の形態においては、特に、探索部204は、現在地情報が示す現在地から到達可能な道路の中から犯罪に対して安全な道路、または安全でない道路を探索する。ここで述べる道路は、例えば、上述したようなリンクと考えてよい。現在地から到達可能な道路とは、現在地から選択可能な様々な経路に含まれる道路と考えて良い。なお、探索された安全でないと判断される道路を含む経路は、結果的に安全でない経路であり、探索された安全であると判断された道路だけを含む経路は、結果的に安全な経路となることから、このように、各道路の中から、安全な道路、または安全でない道路を探索することも、ここでは、結果的に、犯罪に対して安全でない経路を探索すること、あるいは犯罪に対して安全な経路を探索することと考える。
【0139】
例えば、探索部204は、現在地から到達可能な各道路について、それぞれ、上記実施の形態の探索部104と同様に、明暗情報や、人数情報や、犯罪情報等の安全性情報を用いて、安全性の判断を行い、判断結果を道路毎に取得する。安全性の判断は、上述したような、安全でない道路であるか否か、または安全な道路であるか否かの判断である。安全でない道路と判断された道路は、探索によって検出された安全でない道路の一つとなる。また、安全である道路と判断された道路は、探索によって検出された安全な道路の一つとなる。なお、ここで探索部204が探索する経路は、不特定の一以上の目的地への経路と考えても良い。
【0140】
探索部204は、上記実施の形態と同様に、明暗情報が夜間に暗いことを示す道路を安全でない道路と判断する。また、探索部204は、人数情報が人の少ないことを示す道路を安全でない道路と判断する。また、探索部204は、犯罪情報が予め指定された条件を満たす道路を安全でない道路と判断する。
【0141】
探索部204は、通常、現在地情報が示す現在地を含む予め指定された探索範囲内で経路を探索する。探索部204が経路を探索する予め指定された探索範囲はどのような範囲であっても良い。例えば、現在地情報が示す現在地から、予め指定された距離にある範囲であってもよいし、現在地を中心に設定した予め指定された大きさの矩形領域等であってもよい。例えば、出力部205が出力する現在地を含む地図で表示されている領域を経路を、探索する範囲と考えても良い。また、探索範囲は、受付部103等を介して指定した範囲であっても良い。
【0142】
なお、上述した現在地から到達可能な各道路とは、経路を探索する範囲内に含まれる道路(例えばリンク)だけを利用した場合に、現在地から到達可能な道路であっても良いし、探索範囲以外の部分の道路を利用した場合にだけ到達できる道路も含んでも良い。探索範囲以外の道路を利用して到達できる道路も含めて良い場合、探索部204は、探索範囲内の全ての道路について、安全であるか否か、あるいは安全でないか否かの判断を行うようにしてもよい。通常、ほとんどの道路へは、一の地点からさまざまな道路をくみあわせることで到達可能であるからである。逆に、探索範囲内で現在地から到達可能な道路とする場合、探索範囲内でリンクやノードによって現在地と接続されている道路を検出して、検出された道路について、安全であるか否か、あるいは安全でないか否かの判断を行うようにすればよい。
【0143】
探索部204は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。探索部204の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0144】
出力部205は、探索部204の探索結果に応じた出力を行う。ここでは、探索部204が探索した安全でない道路、または安全である道路を示す情報を出力する。例えば、探索部204が探索した安全でない道路、または安全である道路を示す地図を表示する。例えば、探索部204により、安全でない道路が探索されたとすると、出力部205がこの道路を示す情報を出力することで、この道路を含むよう取り得る経路が、探索部204によって探索された安全でない経路として示されたこととなる。また、例えば、探索部204により、安全である道路が探索されたとすると、出力部205がこのような道路を示す情報を出力することで、このような道路を極力多く含むよう取り得る経路が、探索部204によって探索された安全である経路として示されたこととなる。安全でない道路、または安全である道路を示す地図を表示する、ということは、例えば、現在地を含む範囲、あるいは、上記の探索範囲の地図図柄情報等を読み出して、探索部204が探索した安全でない道路、または安全である道路を、他の道路に対して異なる表示態様となるように、地図上に表示することである。異なる表示態様とは、例えば、探索部204が探索した道路上に予め指定された色やパターンの線を表示したり、探索した道路の色を、他の道路の色と異なる色やパターンで表示したりすることである。
【0145】
出力部205は、ディスプレイ等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部205は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0146】
図14は、本実施の形態2のナビゲーション装置2の動作の一例を示すフローチャートである。以下、ナビゲーション装置2の動作について説明する。なお、ここでは、安全でない経路を探索する場合の例について説明する。図14において、図2と同一符号は同一または相当するステップを示す。また、ここでは、道路がリンクである場合を例に挙げて説明する。
【0147】
(ステップS1401)探索部204は、現在地に応じた探索範囲を決定する。例えば、探索部204は、現在地を含む予め指定された範囲を探索範囲に決定する。予め指定された範囲は、例えば、現在地を中心とした、地図のデフォルトの表示領域に対応した範囲や、現在既に表示されている現在地を含む地図の表示領域に対応した範囲である。
【0148】
(ステップS1402)探索部204は、カウンターnに1を代入する。
【0149】
(ステップS1403)探索部204は、探索範囲内にn番目の道路(ここではリンク)があるか否かを判断する。例えば、道路情報が示すリンクデータを用いて、探索範囲内に、少なくなくとも一部が配置されるn番目のリンクがあるか否かを判断する。n番目の道路がある場合、ステップS204に進み、ない場合、ステップS1407に進む。
【0150】
(ステップS1404)探索部204は、n番目の道路が安全でないか否かを、ステップS207〜ステップS209の判断結果に応じて判断する。この判断処理の詳細は、図2のステップS210の処理と同様であるので、ここでは説明は省略する。安全でない場合、ステップS1405に進み、安全でないと判断されなかった場合、ステップS1406に進む。
【0151】
(ステップS1405)探索部204は、n番目の道路が安全でないことを示す情報を、n番目の道路と対応付けて図示しない記憶媒体等に蓄積する。例えば、n番目のリンクの識別情報を、安全でない道路を管理する管理情報に追記しても良い。また、n番目のリンクが安全でないことを示すフラグ情報等を、n番目のリンクの識別情報と対応付けて蓄積してもよい。
【0152】
(ステップS1406)探索部204は、カウンターnの値を1インクリメントする。そして、ステップS1403に戻る。
【0153】
(ステップS1407)出力部205は、ステップS1404で安全でない道路と判断された道路を示した地図を表示する。例えば、出力部205は、探索範囲に対応する地図図柄情報を101から読み出す。また、ステップS1405で蓄積された安全でない道路(リンク)の識別情報を読み出す。そして、この識別情報が示す道路の表示態様が、他の道路の表示態様と異なるようにした地図の画像を生成して表示する。例えば、安全でない道路上に予め指定された色やパターンの線を配置した地図の画像を生成して表示する。そして、ステップS201に戻る。
【0154】
なお、図14のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0155】
以下、本実施の形態におけるナビゲーション装置2の具体的な動作について説明する。ナビゲーション装置2の概念図は図3と同様である。なお、この具体例においては、道路を、隣り合うノードで分割された単位のもの、即ちリンクとする場合を例に挙げて説明する。
【0156】
この具体例においては、上記実施の形態1の具体例と同様の地図情報や、道路情報(ノードデータやリンクデータ)等が地図情報格納部101に予め格納されているものとする。また、上記実施の形態1の具体例と同様の明暗情報や犯罪情報等が安全性情報格納部102に予め格納されているものとする。なお、犯罪関連情報取得部111が犯罪関連情報を取得して、犯罪情報蓄積部112等が犯罪情報を蓄積する処理等については、上記実施の形態1の具体例と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0157】
上記実施の形態1の具体例と同様に、ユーザがナビゲーション装置2に対して、経路の安全性の判断を行うための予め指定された操作等を行ったとすると、この操作に応じて、受付部103は、現在位置取得部106から、現在位置の情報を取得して、この情報を現在地情報として受け付ける。例えば、ここで受け付けた現在地情報は、(x20,y20)であったとする。
【0158】
探索部204は、この現在地を中心とした予め指定された範囲を探索範囲に決定する。ここでは、現在地を中心とした予め指定された縮尺の地図を、ナビゲーション装置2のモニタに表示した場合の、モニタ内における地図の表示範囲に対応した実空間の領域を探索範囲に決定する。例えば、決定される範囲は、現在地情報が示す位置(x20,y20)を中心とした、縦Vメートル、横Sメートルの領域であるとする。なお、探索範囲の縦横比は、ここでは、ナビゲーション装置2の地図の表示領域の縦横比と同じであるとする。
【0159】
次に、探索部204は、この探索範囲内に位置する道路を、図5に示したノード管理表と、図6に示したリンク管理表とを用いて検出する。なお、ここで検出する道路はノードで区切られた単位の道路、即ちリンクである。例えば、各リンクの両端のノードの座標を用いて、各リンクの線分を取得し、この線分の少なくとも一部が探索範囲内に含まれるか否かを判断する。そして、含まれると判断されたリンクは、探索範囲内に位置するリンクと判断して、その「リンクID」を図示しない記憶媒体等に一時記憶する。
【0160】
ここでは、例えば、「リンクID」が「L1」から「L35」までのリンクが、探索範囲内のリンクと判断され、これらの「リンクID」が図示しない記憶媒体に一時記憶されたとする。
【0161】
そして、探索部204は、記憶媒体に一時記憶された「リンクID」が示すリンクに対して順番に、安全でない道路(即ちリンク)であるか否かの判断を行う。例えば、まず、「リンクID」が「L1」であるリンクについて安全ではない道路であるか否かの判断を行う。具体的には、上記実施の形態1の具体例における、予測された進行方向の道路が犯罪に対して安全でない道路(リンク)であるか否かの判断と同様の判断が行われる。ここでは、判断の処理は省略する。そして、安全でない道路(リンク)であると判断された場合、その「リンクID」を図示しない記憶媒体に一時記憶する。また、同様に、「リンクID」が「L1」以外の残りのリンクについても同様の処理を順番に行い、安全でないリンクの「リンクID」を追記していく。例えば、ここでは、リンク「L1」、リンク「L5」、およびリンク「L9」が安全でないリンクと判断され、これらの「リンクID」が一時記憶されたとする。
【0162】
そして、探索部204が探索範囲内の全てのリンクについて安全でないか否かの判断を行うと、出力部205は、安全でないと判断された道路(リンク)を示す地図を表示する。具体的には、出力部205は、上述した探索範囲が示す範囲の地図図柄情報を地図情報格納部101から読み出す。そして、上記で図示しない記憶媒体に蓄積された探索部204が安全でないと判断したリンクのリンクIDを順次読み出し、地図図柄情報が示す地図の画像の、この読み出したリンクIDが示すリンクに対応した道路上に、安全でない道路であることを示す予め指定された色の線を順次配置していく。予め指定された色は、他の道路とは異なる色であるとする。そして、安全でない道路状に予め指定された色の線を配置した地図の画像を、出力部205がナビゲーション装置1のモニタに表示する。
【0163】
図15は、出力部205による探索部204による探索結果に応じた地図の表示例を示す図である。
【0164】
以上、本実施の形態によれば、犯罪に対して安全でない道路または安全である道路を探索して、現在地からの経路を示す地図上に、探索された道路を示すようにしたことにより、安全でない経路、または安全である経路をユーザに示すことが可能となる。例えば、地図上に安全でない道路を示すことで、ユーザは、地図上に表示された経路のうちの、犯罪に対して安全でない道路として示されている道路を通過する経路が、犯罪に対して安全でない経路であることを容易に把握することができる。
【0165】
(実施の形態3)
本実施の形態において、安全性情報を用いて、安全でない経路、または安全である経路を探索し、探索結果である経路を示す情報を、例えば地図上に出力するようにしたものである。
【0166】
図16は、本実施の形態におけるナビゲーション装置3のブロック図である。
ナビゲーション装置3は、地図情報格納部101、安全性情報格納部102、受付部303、探索部304、出力部305、現在位置取得部106、携帯数取得部108、人数情報蓄積部109、犯罪関連情報取得部111、犯罪情報蓄積部112を備える。
【0167】
探索部304は、重み付け値格納手段3040、安全判断手段3041、重み付け値取得手段3042、取得重み付け値格納手段3043、経路探索手段3044とを備えている。
【0168】
受付部303,探索部304および出力部305以外の構成については、上記実施の形態1と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0169】
受付部303は、受付部103と同様に、現在地情報を受け付ける。さらに、受付部303は、目的地を示す情報である目的地情報を受け付ける。目的地情報とは、例えば、実空間における目的地を示す(緯度,経度)の位置情報、地名などである。目的地情報とは、経路探索の終点を示す情報と考えても良い。受付部303のその他の構成については上記実施の形態1の受付部103と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0170】
探索部304は、道路情報と安全性情報とを用いて、現在地情報が示す現在地に関連した安全な経路、または安全でない経路を探索する。本実施の形態においては、特に、探索部304は、道路情報と安全性情報とを用いて、現在地情報が示す現在地と、目的地情報が示す目的地との間の、犯罪に対して安全な一以上の経路、または安全でない一以上の経路を探索する。そして、探索した経路を示す経路情報を取得する。
【0171】
経路情報は、経路を特定可能な情報であればよい。例えば、経路情報は、経路で通過する一以上の道路や交差点や分岐点を示す情報を、それらの通過順番と対応付けて示した情報である。また、経路情報は、経路で通過するノード及びリンクを、それらの通過順番と対応付けて示した情報である。通過順番と対応付けて示した情報とは、通過順番を示す番号等の情報を対応付けた情報であっても良いし、通過順番に従って、予め指定されたルール等に従って配列したり蓄積したものであっても良い。例えば、ノード及びリンクの識別情報が、通過順番を示す番号の情報と対応付けて蓄積された情報であっても良いし、ノード及びリンクの識別情報が通過順番が示す順番に配列されて蓄積された情報であっても良い。
【0172】
犯罪に対して安全な経路とは、例えば、犯罪に対して安全と判断される道路を多く利用する経路である。また、探索部304は、また、犯罪に対して安全でない経路とは、例えば、犯罪に対して安全でないと判断される道路を多く利用する経路である。探索部304は、例えば、犯罪に対して安全、かつ最速または最短の一以上の経路を探索することが好ましい。
【0173】
探索部304が、道路情報と安全性情報とを用いて、どのように犯罪に対して安全な一以上の経路、または安全でない一以上の経路を取得するかは問わない。ここでは、犯罪に対して安全な一以上の経路、または安全でない一以上の経路を取得する処理の例について以下に説明する。
【0174】
(A)安全でない道路を除外した安全な経路の探索
探索部304は、道路情報が示す各道路(例えば、リンク)について、上記実施の形態1の安全判断手段1044等と同様に、明暗情報や、人数情報や、犯罪情報等の安全性情報を用いて、安全でない道路であるか否かを判断し、判断結果を、リンクと対応付けて図示しない記憶媒体等に蓄積しておく。そして、現在地情報が示す現在地と、目的地情報が示す目的地との間の経路を探索する際に、安全でない道路であると判断されたリンクを除外したリンクだけを用いて、経路探索を行う。経路探索の方法としては、従来の技術において説明したダイクストラ法や、A*アルゴリズムや、その他の様々な経路探索方法や、経路探索アルゴリズム等の従来技術が利用可能である。また、ここで利用する経路探索方法やアルゴリズム等としては、複数経路を探索するアルゴリズム等を利用してもよい。このような処理によって、安全なリンクだけを利用した安全な経路を探索することができる。
【0175】
なお、安全でない道路を除外した場合に、現在地から目的地までの経路が探索できない場合や、探索される経路の距離等が、現在地から目的地までの距離に対して予め指定された比率を超えるほど離れている場合等には、安全でないと判断されたルートの全て、あるいは一部を戻して、経路検索を行うようにしてもよい。あるいは、予め、安全でないと判断されたリンクを、さらに、安全性の高さによって複数段階に分けられた安全性の判断結果と対応付けて蓄積しておくようにし、安全性の高い判断結果と対応付けられたリンクから順番に追加していくようにしても良い。例えば、明暗情報と、人数情報と、犯罪情報とのうちの一つについてのみ安全でないと判断されたリンクを軽度の安全でないリンク、2つについて安全でないと判断されたリンクを中度の安全でないリンク、三つの全てについて安全でないと判断されたリンクを重度の安全でないリンクとして、蓄積しておくようにしても良い。
【0176】
また、安全でない道路を除外する代わりに、安全であると判断された道路だけを用いて、経路を探索することで、安全な経路を探索するようにしても良い。この場合、予め、道路情報が示す道路が安全である道路であるか否かを予め判断して、判断結果を蓄積しておく必要がある。
【0177】
(B)安全でない道路だけを用いた安全でない経路の探索
探索部304は、道路情報が示す各道路について、上記(A)の場合と同様に、明暗情報や、人数情報や、犯罪情報等の安全性情報を用いて、安全でない道路であるか否かを判断し、判断結果を、リンクと対応付けて図示しない記憶媒体等に蓄積しておく。そして、現在地情報が示す現在地と、目的地情報が示す目的地との間の経路を探索する際に、安全でないと判断されたリンクだけを用いて、経路探索を行う。経路探索の方法と上記の(A)の場合と同様である。このような処理によって、距離や時間等の点から好適であると考えられる経路であっても、安全でない道路を、ユーザが誤って選択しないよう、ユーザに知らせることができる。
【0178】
なお、安全でない道路だけでは、現在地から目的地までの経路が探索できない場合等においては、上記の(A)と同様に、安全でなる道路の全部や一部を加えるようにすればよい。
【0179】
また、安全でない道路だけを経路探索する代わりに、安全であると判断された道路を除外した道路だけを用いて、経路を探索することで、安全でない経路を探索するようにしても良い。この場合、予め、道路情報が示す道路が安全である道路であるか否かを予め判断して、判断結果を蓄積しておく必要がある。
【0180】
(C)安全性情報による重み付けを利用した安全な経路の探索
探索部304は、道路情報が示す各道路(例えば、リンク)について、上記実施の形態1の安全判断手段1044等と同様に、予め安全性情報を用いた安全性の判断を行い、各道路について安全性の判断結果を取得する。そして、各道路に対して、安全性の判断結果に応じた重み付けを行って、現在地情報が示す現在地と目的地情報が示す目的地との間の経路探索を行う。経路探索の方法としては、従来の技術において説明したダイクストラ法や、A*アルゴリズムや、その他の様々な経路探索方法や、経路探索アルゴリズム等の従来技術が利用可能である。道路に対して重み付けを行うということは、例えば、道路の評価値について重み付けを行うことである。重み付けは、例えば、安全性の判断結果に対応した重み付け値を用いて行われる。
【0181】
例えば、道路情報が示す各リンクについて、明暗情報や、人数情報や、犯罪情報等の安全性情報を用いて、安全性の判断を行い、安全なリンクであるか否か等の判断結果を取得する。そして、例えば、経路探索の処理として、ダイクストラ法等のような、リンクに対応付けられたコストを用いてコストの値が小さくなる経路を探索する処理を行う場合においては、安全でないと判断されているリンクのコストに対する重み付けが大きくなるような重み付けを行い、重み付けされたコストを用いて経路探索を行う。なお、安全でないと判断されたリンクのコストの値が大きくなるような重み付けとは、相対的な重み付けであればよく、例えば、安全であると判断されたリンクのコストの値が小さくなるような重み付けであっても、ここでは結果的に同じことであると考える。重み付けを行うためには、例えば、安全性の判断結果に応じた重み付け値を取得して、この重み付け値を例えば補正用の係数として用いて各リンクのコストを補正すればよい。このような処理によって、安全でないと判断されたリンクが利用された経路が選ばれにくくなり、安全な経路を探索することが可能となる。なお、ここでは、例えば、ノードやリンクを利用した経路探索方法やアルゴリズムが利用可能である。
【0182】
なお、本実施の形態においては、特に、探索部304が、(C)の安全性情報による重み付けを利用して安全な経路を探索する場合の例について説明する。
【0183】
なお、探索部304が上記のような経路探索のために道路が安全でない道路であるか否かを判断する際には、上記実施の形態1と同様に、例えば、明暗情報が夜間に暗いことを示す道路を安全でない道路と判断する。また、上記実施の形態1と同様に、例えば、人数情報が人の少ないことを示す道路を安全でない道路と判断する。また、上記実施の形態1と同様に、例えば、犯罪情報が予め指定された条件を満たす道路を安全でない道路と判断しても良い。
【0184】
探索部304は、通常、MPUやメモリ等の記憶媒体等から実現され得る。探索部304の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0185】
重み付け値格納手段3040には、後述する安全判断手段3041が道路(またはリンク)に対して安全性の判断結果を行った場合に取得され得る判断結果を示す情報と、この判断結果に対応付けられた重み付け値が予め格納される。重み付け値は、経路探索の際に、リンクのコストに対して重み付けを行うために用いられる値である。重み付け値は、例えば、重み付けための係数である。判断結果の情報は、判断結果の情報が示す値の範囲を設定する情報であっても良い。例えば、後述する経路探索手段3044が、経路探索のアルゴリズム等として、コストが小さくなる経路を探索するものを用いる場合には、重み付け値格納手段3040には、犯罪に対してより安全でないと判断された判断結果に対して、より大きい重み付けが行われる重み付け値を対応付けて格納しておくようにする。例えば、安全であるという判断結果に対しては、「0.7」という重み付け値を対応付けて格納しておくようにし、安全でないという判断結果に対しては、「1.2」という重み付け値を対応付けて格納しておく。また、経路探索の経路探索のアルゴリズム等として、コストが大きくなる経路を探索するものを用いる場合等においては、重み付け値格納手段3040には、犯罪に対してより安全でないと判断された判断結果に対して、より小さい重み付けが行われる重み付け値を対応付けて格納しておくようにする。
【0186】
重み付け値格納手段3040は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0187】
安全判断手段3041は、安全性情報格納部102に格納されている安全性情報を用いて、道路についての犯罪に対する安全性を判断する。道路についての安全性の判断を行うことは、ここでの道路は、ノードで区切られた道路、即ちリンクであってもよい。実際には、多くの経路探索は、ノードを利用して行われるため、ここでの道路は、リンクとすることが好適である。かかることは以下においても同様である。安全判断手段3041は、安全性情報を用いて、各安全性情報に対応付けられている道路についての犯罪に対する安全性を判断する。安全性を判断するとは、安全な道路であるか否かを判断すること、または、安全でないか否かを判断することの少なくとも一方を行うことである。安全でないと判断された場合、安全でない経路が探索されたことを示す探索結果を取得する。また、安全であると判断された場合、安全である経路が探索されたことを示す探索結果を取得する。安全判断手段3041は、上記実施の形態1の安全判断手段1044と同様の処理を行って、各安全性情報と対応付けられた道路の安全性を判断する。例えば、各道路に対応する安全性情報に含まれる明暗情報や、人数情報や、犯罪情報を用いて、上記実施の形態1の安全判断手段1044と同様の処理を行って、各道路の安全性を判断する。この判断処理の詳細については、安全判断手段1044の処理と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。なお、複数のリンクで構成される一の道路について安全性を判断することは、この道路に含まれる複数のリンクについて安全性を判断することと考えてもよい。
【0188】
なお、道路についての、犯罪に対する安全性についての判断結果は、安全性の高低や、安全性の質や種類に応じて異なるものであっても良い。例えば、判断結果が示す安全性の高低に応じて、複数段階に分かれている異なる判断結果を示す情報が道路(例えばリンク)と対応付けられて蓄積されても良い。このためには、例えば、道路が安全であるか否か、道路が安全でないか否かを判断する際に、複数の段階に分けた判断結果が得られるような判断条件を用いるようにする。例えば、人数情報を用いて、道路が安全であるか否かを判断する際に、第一及び第二の閾値を設けるようにし、一の道路に対応する人数情報が、第一の閾値を超えなかった場合、安全性が「低」であると判断し、第一の閾値を超えて、第二の閾値を超えなかった場合、安全性が「中」であると判断し、第二の閾値を超えた場合、安全性が「高」であると判断しても良い。あるいは、人数情報等の安全性情報が示す数値そのものや、数値を標準化したものを、そのまま、安全であるか否かの判断結果として用いても良い。また、安全性に対して複数の異なる判断を行う場合に、安全でないと判断された数や、安全でないと判断された判断処理や、判断に用いられた安全性情報に応じて、異なる判断結果を示す情報を取得するようにしても良い。例えば、明暗情報を用いて安全であるか否かの判断を行った場合において、安全であると判断された場合、「明暗:安全」等の判断結果を示す情報を取得し、犯罪情報を用いて安全であるか否かの判断を行った場合において、安全であると判断された場合、「犯罪:安全」等の判断結果を示す情報を取得することで、安全と判断された質を示す判断結果の情報を取得して蓄積してもよい。
【0189】
安全判断手段3041は、通常、MPUやメモリ等の記憶媒体等から実現され得る。安全判断手段3041の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0190】
重み付け値取得手段3042は、安全判断手段3041が取得した安全性の判断結果に対応した重み付け値を、重み付け値格納手段3040から取得する。なお、対応する重み付け値がない場合は、重み付け値は取得しないようにしてもよい。あるいは、重み付け値として、デフォルトで設定されている値、例えば「1」等を取得してもよい。重み付け値取得手段3042は、取得した重み付け値を、対応する道路(例えばリンク)と対応付けて後述する取得重み付け値格納手段3043に蓄積する。例えば、リンク識別情報と取得した重み付け値とを対応付けて蓄積する。
【0191】
取得重み付け値格納手段3043には、重み付け値取得手段3042が取得した道路(例えばリンク)に対する重み付け値が格納される。取得重み付け値格納手段3043には、例えば、リンクの識別情報と、このリンクについての重み付け値とを有する重み付け判断結果情報が格納される。なお、複数のリンクで構成される道路について重み付け値を取得した場合、取得した重み付け値を、この道路を構成する各リンクと対応付けて蓄積するようにしてもよい。取得重み付け値格納手段3043は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0192】
経路探索手段3044は、受付部303が受け付けた現在地情報が示す現在地から、目的地情報が示す目的地までの一以上の経路を探索する。経路探索手段3044は、地図情報格納部101に格納されている道路情報に含まれるノードデータとリンクデータとを用いて、経路探索を行う。本実施の形態においては、特に、取得重み付け値格納手段3043に対応する重み付け値が格納されているリンクについては、対応する重み付け値を用いた重み付けを行って、経路探索を行う。具体的には、経路探索手段3044は、経路探索において、各リンクをたどる際等に、取得重み付け値格納手段3043に各リンクに対応付けられた重み付け値が格納されているか否かを判断する。そして、格納されている場合、この重み付け値を読み出す。そして、このリンクについてリンクデータから読み出したコストに、読み出した重み付け値で重み付けして得られる値を、このリンクのコストとして用いて、経路探索を行う。重み付けして得られる値とは、例えば、重み付け係数である重み付け値を乗算して得られる値である。経路探索手段3044が利用する経路探索方法やアルゴリズムは、例えば、上述したようなダイクストラ法や、A*アルゴリズムや、その他の様々な経路探索方法や、経路探索アルゴリズム等が利用可能である。経路探索方法としては、複数経路が探索可能な方法等も利用可能である。経路探索のアルゴリズム等として、コストが小さくなる経路を探索するものを用いる場合には、経路探索手段3044は、コストが小さい経路を探索される。そして、探索された一以上の経路を示す経路情報を、犯罪に対して安全な一以上の経路の経路情報として取得する。なお、リンクに対する重み付け値を取得する処理は、経路探索時の最初に一括して全てのリンク、あるいは、経路探索の対象となる領域周辺の全てのリンクに対して行うようにしても良い。
【0193】
経路探索手段3044は、例えば、現在地情報が示す座標に対して最も整合性の高い道路(リンク)上の位置や、最も現在地情報が示す座標に近い道路(リンク)上の位置を、現在地に設定する。このような現在地情報が示す道路上の位置を決定する処理は、マップマッチング処理等として公知であるので、ここでは詳細な説明は省略する。なお、目的地情報が示す目的についてもかかることは同様である。
【0194】
経路探索手段3044は、通常、MPUやメモリ等の記憶媒体等から実現され得る。経路探索手段3044の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0195】
出力部305は、探索部304の探索結果に応じた出力を行う。例えば、出力部305は、探索部304が取得した経路情報を出力する。探索部304が取得した経路情報とは、例えば、安全である一以上の経路、または安全でない一以上の経路の経路情報である。経路情報を出力するとは、経路情報をそのまま他の装置にネットワーク等を介して送信したり、記録媒体等に蓄積したりすることであっても良いし、経路情報が示す経路を示す情報を出力することであっても良い。例えば、経路情報に含まれる各リンクに対応する道路名や、ノードに対応する交差点名等を、経路情報が示す経路の順番に、モニタ等に表示しても良いし、これらの道路名や交差点名等を、音声として出力しても良い。また、この経路情報が示す経路を含む地図図柄情報を地図情報格納部101から読み出して、この地図上の経路情報が示す経路に対応する道路の表示態様を、他の道路に対して識別可能な表示態様とした地図を表示するようにしても良い。例えば、この経路に対応する道路上に予め指定された色等の表示属性を有する線を配置した地図の画像を生成して表示しても良い。また、複数の経路を探索した場合には、経路同士も識別可能な態様で表示することが好ましい。なお、経路情報が示す経路を地図上に表示する技術等は公知の技術であるのでここでは詳細な説明は省略する。
【0196】
ここで述べる出力とは、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラム等への処理結果の引渡し等を含む概念である。出力部305は、ディスプレイやプリンタ等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0197】
図17は、本実施の形態3のナビゲーション装置3の動作の一例を示すフローチャートである。以下、図17を用いて、ナビゲーション装置3の動作について説明する。ここでは、一例として、リンクごとに、安全性を判断して重み付け値を取得する場合を例に挙げて説明する。なお、図17において、図2と同一符号は同一または相当する処理を示す。
【0198】
(ステップS1701)受付部303は、現在地情報と、目的地情報とを受け付けたか否かを判断する。受付部303がどのようなタイミングやトリガーで現在地情報を受け付けるかは問わない。例えば、受付部303は、ユーザが入力した現在地情報や目的地情報を受け付ける。また、現在地情報については、ユーザの指示に応じて現在位置取得部106が現在位置を取得した場合に、この現在位置を受け付けてもよい。受付部303が現在地情報を受け付けた場合、ステップS1702に進み、受け付けていない場合、ステップS1715に進む。
【0199】
(ステップS1702)探索部304は、現在地情報が示す現在地と目的地情報が示す目的地とを両方含む周辺地図の地図情報を地図情報格納部101から読み出す。例えば、後述する出力部305がモニタに表示可能な、現在地と目的地とを両方同時に含む最大の縮尺の地図が示す範囲内の全ての道路情報を読み出す。あるいは、目的地を指定するためにユーザが表示した、目的地と現在地とを含む地図の示す範囲内の道路情報を読み出してもよい。ここで読み出す道路情報は、例えば、ノードデータとリンクデータとを含む情報である。
【0200】
(ステップS1703)安全判断手段3041は、カウンターnに1を代入する。
【0201】
(ステップS1704)安全判断手段3041は、n番目のリンクのリンクデータが、ステップS1702で読み出したリンクデータの中にあるか否かを判断する。ある場合、ステップS1705に進み、ない場合、ステップS1712に進む。
【0202】
(ステップS1705)安全判断手段3041は、安全性情報格納部102から、n番目のリンク(たとえばn番目のリンク識別情報)と対応付けられた明暗情報を読み出す。そして、この明暗情報を用いて、n番目のリンクが安全でない道路であるか否かを判断する。そして、判断結果を、図示しない記憶媒体等に一時記憶する。
【0203】
(ステップS1706)安全判断手段3041は、安全性情報格納部102から、n番目のリンク(たとえばn番目のリンク識別情報)と対応付けられた人数情報を読み出す。そして、この人数情報を用いて、n番目のリンクが安全でない道路であるか否かを判断する。そして、判断結果を、図示しない記憶媒体等に一時記憶する。
【0204】
(ステップS1707)安全判断手段3041は、安全性情報格納部102から、n番目のリンク(たとえばn番目のリンク識別情報)と対応付けられた犯罪情報を読み出す。そして、この犯罪情報を用いて、n番目のリンクが安全でない道路であるか否かを判断する。そして、判断結果を、図示しない記憶媒体等に一時記憶する。
【0205】
(ステップS1708)安全判断手段3041は、ステップS1705からステップS1707までの判断処理に応じた安全性の判断結果を取得する。安全判断手段3041は、単に、ステップS1705からステップS1707までにおいて取得されて蓄積された判断結果を読み出すだけであってもよいし、これらの判断結果を用いて総合的な判断結果を取得してもよい。
【0206】
(ステップS1709)重み付け値取得手段3042は、ステップS1708で取得された安全性の判断結果に対応した重み付け値を、重み付け値格納手段3040から取得する。
【0207】
(ステップS1710)安全判断手段3041は、ステップS1709で取得した重み付け値を、n番目のリンクと対応付けて取得重み付け値格納手段3043に蓄積する。例えば、重み付け値のn番目のリンクの識別情報と対応付けて蓄積する。
【0208】
(ステップS1711)安全判断手段3041は、カウンターnの値を1インクリメントする。そして、ステップS1704に戻る。
【0209】
(ステップS1712)経路探索手段3044は、ステップS1702で読み出したリンクデータおよびノードデータを含む道路データと、取得重み付け値格納手段3043に格納されている重み付け値とを用いて経路探索を行う。具体的には、各リンクに対応するコストに、各リンクに対応した重み付け値を乗算して得られた補正コストを、各リンクのコストとして用いて、1以上の経路の探索を行う。
【0210】
(ステップS1713)経路探索手段3044は、ステップS1712による経路探索結果である1以上の経路情報を取得する。
【0211】
(ステップS1714)出力部305は、経路情報を出力する。そして、ステップS1701に戻る。
【0212】
(ステップS1715)携帯数取得部108は、人数情報を取得するタイミングであるか否かを判断する。取得するタイミングであれば、ステップS1716に進み、取得するタイミング出なければ、ステップS215に進む。
【0213】
(ステップS1716)携帯数取得部108は、安全性情報格納部102に格納されている人数情報を更新するために、各基地局に対して通信可能な最新の携帯電話数を要求する情報を、1以上の基地局サーバ装置に送信し、この要求に応じて基地局サーバ装置から送信される携帯電話数を取得する。
【0214】
(ステップS1717)人数情報蓄積部109は、各基地局について取得した携帯電話数を用いて、各基地局に対応するリンクの人数情報を取得し、リンク(具体的にはリンクの識別情報)と対応付けて安全性情報格納部102に蓄積する。たとえば、人数情報蓄積部109は、各基地局の携帯電話数を、各基地局の近傍のリンクについての人数情報として取得し、リンク(具体的にはリンクの識別情報)と対応付けて安全性情報格納部102に蓄積する。そして、ステップS1701に戻る。
【0215】
なお、図17のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0216】
以下、本実施の形態におけるナビゲーション装置3の具体的な動作について説明する。ナビゲーション装置3の概念図は図3と同様である。この具体例においては、探索部304が上記で説明した(3)の処理により経路を探索する場合の例について説明する。なお、この具体例においては、道路を、隣り合うノードで分割された単位のもの、即ちリンクとする場合を例に挙げて説明する。
【0217】
この具体例においては、上記実施の形態1の具体例と同様の地図情報や、道路情報(ノードデータやリンクデータ)等が地図情報格納部101に予め格納されているものとする。また、上記実施の形態1の具体例と同様の明暗情報や犯罪情報等が安全性情報格納部102に予め格納されているものとする。なお、犯罪関連情報取得部111が犯罪関連情報を取得して、犯罪情報蓄積部112等が犯罪情報を蓄積する処理等については、上記実施の形態1の具体例と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0218】
まず、ここでは、人数情報を取得する処理について説明する。ここでは、一例として基地局サーバ装置500には、地図情報格納部101に格納されている地図情報が示す地図で表示される領域に配置されている携帯電話の基地局と通信可能な携帯電話数の情報が、基地局別に集められて格納されているものとする。携帯数取得部108は、予め指定したタイミング(例えば、毎月1日等)で、基地局サーバ装置500に、各基地局別の通信可能な携帯電話数の情報を要求する情報を送信し、この要求に応じて基地局サーバ装置500から送信される携帯電話数の情報を受信する。
【0219】
人数情報蓄積部109は、地図情報格納部101に格納されている基地局の位置情報等を用いて、地図情報に含まれる道路情報が示す各リンクについて、最も近い基地局を探索し、検出された基地局について取得された携帯電話数を、リンクの人数情報として取得して、リンクの識別情報と対応付けて安全性情報格納部102に蓄積していく。
【0220】
図18は、人数情報蓄積部109が蓄積する人数情報を管理する人数情報管理表を示す図である。人数情報管理表は、道路情報に含まれるリンクの識別情報である「リンクID」と、人数情報である「人数」という項目を有している。
【0221】
ここで、例えば、ユーザが、ナビゲーション装置1を操作して、現在地を含む地図を出力部305から出力させるともに、この地図内に表示されている目的地となる地点上をクリックしたりタップして指定したうえで、経路検索を行うボタンを押す等の予め指定された操作を行ったとする。表示した地図は、図12と同様の地図であるとし、この地図のノードとリンクの関係は、図7と同様のものであるとする。このような操作に応じて、受付部103は、現在地情報を、現在位置取得部106から受け付けるとともに、指定された目的地の実空間の座標を目的地情報として受け付ける。例えば、現在地情報が示す座標(x181,y181)は、リンク「L3」の近傍であり、目的地情報が示す座標(x182,y182)は、リンク「L10」の近傍であるとする。
【0222】
探索部104は、現在表示されている地図が示している範囲の道路情報、ここでは、ノードデータとリンクデータとを、地図情報格納部101から読み出し、図示しないメモリ等の記憶媒体に一時記憶する。
【0223】
次に、安全判断手段3041は、読み出した各リンクデータが示すリンクについて、安全性情報を用いて安全性の判断を行う。例えば、ここでは、最初に、リンク「L1」について、安全性の判断を行う。
【0224】
例えば、まず、安全性情報格納部102に格納されている図11に示すような明暗情報管理表から、リンク「L1」に対応した明暗情報を読み出し、この明暗情報を用いて、上記実施の形態1の具体例と同様に、リンク「L1」が安全であるか否かを判断する。ここでは、明暗情報に関しては安全であると判断され、明暗情報に関して安全であることを示す情報が図示しない図示しない記憶媒体等に一時記憶される。
【0225】
次に、図18に示すような人数情報管理表から、リンク「L1」に対応した人数情報を読み出し、この人数情報を用いて、上記実施の形態1の具体例と同様に、リンク「L1」が安全であるか否かを判断する。ここでは、人数情報に関しては安全であると判断されず、犯罪情報に関して安全であると判断されなかったことを示す情報が図示しない図示しない記憶媒体等に一時記憶される。
【0226】
次に、図9に示すような犯罪情報管理表から、リンク「L1」に対応した犯罪情報を読み出し、この犯罪情報を用いて、上記実施の形態1の具体例と同様に、リンク「L1」が安全であるか否かを判断する。ここでは、犯罪情報に関しては安全であると判断され、犯罪情報に関して安全であることを示す情報が図示しない図示しない記憶媒体等に一時記憶される。
【0227】
そして、安全判断手段3041は、リンク「L1」についてそれぞれ行われた安全性の判断の判断結果を読み出す。なお、安全判断手段3041は、この判断結果を用いて、最終的な安全性の判断等をさらに行うようにしても良い。
【0228】
図19は、重み付け値格納手段3040に格納されている重み付け値を管理する重み付け値管理表である。重み付け値管理表は、重み付け値を示す「重み付け値」と、安全判断手段3041が取得し得る安全性の判断結果を示す「判断結果」という情報を有している。「判断結果」は、更に、「明暗」、「人数」、「犯罪」という項目を有している。「明暗」は、明暗情報を用いた安全性の判断結果、「人数」は、人数情報を用いた安全性の判断結果、「犯罪」は犯罪情報を用いた安全性の判断結果、をそれぞれ示しであり、それぞれの値のうちの「安全」は、安全であると判断されたことを示し、空欄は、安全であると判断されなかったことを示す。
【0229】
重み付け値取得手段3042は、リンク「L1」についての安全判断手段3041の判断結果を用いて、図19に示した重み付け値管理表から、リンク「L1」についての重み付け値を取得する。具体的には、上記で示したように、明暗情報については安全であるという判断結果、人数情報については、安全とは判断されなかったことを示す判断結果、犯罪情報については安全であるという判断結果が得られているため、重み付け値管理表から、「明暗」の値が「安全」、「人数」の値が空欄、「犯罪」の値が「安全」であるレコードを検出し、検出したレコードの「重み付け値」を取得する。ここでは、重み付け値として、「1.2」を取得する。仮に、明暗情報、人数情報、犯罪情報についての安全性の判断結果が、全て安全であるとの判断結果であれば、重み付け値は「1」となり、逆に、全てが安全であると判断されなかった場合は、重み付け値は、「2」となる。
【0230】
そして、重み付け値取得手段3042は、取得した重み付け値「1.2」をリンクの「リンクID」である「L1」と対応付けて、取得重み付け値格納手段3043に蓄積する。
【0231】
同様にして、探索部304が読み出した他のリンクについても重み付け値を取得する。
【0232】
図20は、取得重み付け値格納手段3043に格納された重み付け値とリンクの識別情報とを対応付けて管理するための取得重み付け値管理表である。「リンクID」はリンクIDを示し、「重み付け値」は重み付け値を取得された重み付け値を示す。
【0233】
次に、経路探索手段3044は、探索部304が読み出した道路情報を用いて現在地から目的地までの経路(ここでは例として一の経路)を探索する。探索の際には、現在地情報および目的地情報が示す座標に対して最も整合性の高い道路(リンク)上の位置を、現在地および目的地に設定する。経路を探索する際には、図6に示したリンク管理表の各リンクに対応する「コスト」の値を、図20に示した取得重み付け値管理表の各リンクに対応する「重み付け値」の値で補正した補正コストを、各リンクのコストとして用いて、ダイクストラ法等によりコストが最も小さくなる経路の探索を行う。例えば、リンク「L9」のコストは「6」であり、リンクID「L9」に対応する「重み付け値」は、「1.5」であるため、補正コストは、「9」となる。
【0234】
図21は、道路情報が示すリンク及びノードと、補正コストとの関係を模式的に示した図である。図において括弧内は各リンクの補正コストを示す。
【0235】
補正コストを用いた経路探索の処理等については公知の技術であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0236】
このような経路探索の結果、ここでは、例えば、リンク「L3」、ノード「N4」、リンク「L6」、ノード「N7」、リンク「L8」、ノード「N8」、リンク「L10」の順番で、リンク及びノードをたどる経路を示す経路情報が取得されたとする。
【0237】
そして、出力部305は、最初に表示されている地図において、経路探索手段3044が取得した経路が示す道路上に、予め指定された色の線を配置した地図の画像を新たに生成して、「安全な経路」であることを示す文字列とともに、経路探索結果としてモニタ等に表示する。
【0238】
図22は、出力部305が出力する安全な経路の探索結果の表示例である。
【0239】
以上、本実施の形態によれば、安全性情報を用いて、現在地から目的地までの安全な経路や安全でない経路を探索することができる。
【0240】
特に、明暗情報や人数情報等が示す道路の暗さや、人通りの少なさは、自動車を利用するユーザ以外のユーザ、例えば歩行者や自転車の利用者等に取っては、好ましくない状況を示すものであるが、本発明に示したナビゲーション装置を、歩行者や自転車の利用者等が携帯して用いることで、例えば、犯罪に対してより安全な経路を利用して、目的地に到達することが可能となり、防犯上の優れた効果を発揮することが可能となる。
【0241】
なお、本実施の形態において、受付部103が現在地情報を受け付ける代わりに、受付部103が、出発地を示す出発地情報を受け付けるようにしても良い。これにより、任意の地点間の経路探索が可能となる。出発地情報は、現在地情報や目的地情報等と同様の情報が利用可能である。
【0242】
なお、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段(情報送信部など)は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0243】
なお、上記各実施の形態におけるナビゲーション装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、地図に関する情報であって、地図が示す道路に関する情報である道路情報を有する地図情報が格納される地図情報格納部と、地図情報が示す道路についての、犯罪に対する安全性に関する情報である安全性情報が格納される安全性情報格納部とにアクセス可能なコンピュータを、現在地を示す情報である現在地情報を受け付ける受付部と、道路情報と安全性情報とを用いて、現在地情報が示す現在地に関連した安全な経路、または安全でない経路を探索する探索部と、探索部の探索結果に応じた出力を行う出力部として機能させるためのプログラムである。
【0244】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信する送信ステップや、情報を受信する受信ステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0245】
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を取得する取得部や、情報を出力する出力部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には含まれない。
【0246】
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0247】
図23は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態によるナビゲーション装置を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
【0248】
図23において、コンピュータシステム900は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ905、FD(Floppy(登録商標) Disk)ドライブ906を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
【0249】
図24は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。図24において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ905、FDドライブ906に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM(Random Access Memory)913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANへの接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
【0250】
コンピュータシステム900に、上記実施の形態によるナビゲーション装置等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM921、またはFD922に記憶されて、CD−ROMドライブ905、またはFDドライブ906に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM921やFD922、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
【0251】
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態によるナビゲーション装置の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
【0252】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0253】
以上のように、本発明にかかるナビゲーション装置は、経路を探索して出力するナビゲーション装置として適しており、特に、犯罪に対して安全な経路を探索するナビゲーション装置等として有用である。
【符号の説明】
【0254】
1、2、3 ナビゲーション装置
104、204、304 探索部
101 地図情報格納部
102 安全性情報格納部
103、303 受付部
105、205、305 出力部
106 現在位置取得部
108 携帯数取得部
109 人数情報蓄積部
111 犯罪関連情報取得部
112 犯罪情報蓄積部
1044、3041 安全判断手段
500 基地局サーバ装置
600 犯罪サーバ装置
1041 移動軌跡格納手段
1042 移動軌跡蓄積手段
1043 予測経路探索手段
1044 安全判断手段
1044、3041 安全判断手段
3040 重み付け値格納手段
3042 重み付け値取得手段
3043 取得重み付け値格納手段
3044 経路探索手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図に関する情報であって、地図が示す道路に関する情報である道路情報を有する地図情報が格納される地図情報格納部と、
前記地図情報が示す道路についての、犯罪に対する安全性に関する情報である安全性情報が格納される安全性情報格納部と、
現在地を示す情報である現在地情報を受け付ける受付部と、
前記道路情報と安全性情報とを用いて、前記現在地情報が示す現在地に関連した安全な経路、または安全でない経路を探索する探索部と、
前記探索部の探索結果に応じた出力を行う出力部とを備えたナビゲーション装置。
【請求項2】
前記受付部は、さらに、目的地を示す情報である目的地情報を受け付け、
前記探索部は、前記道路情報と安全性情報とを用いて、前記現在地情報が示す現在地と、前記目的地情報が示す目的地との間の、犯罪に対して安全な一以上の経路、または安全でない一以上の経路を探索して、探索した経路を示す経路情報を取得し、
前記出力部は、前記探索部が取得した経路情報を出力するナビゲーション装置。
【請求項3】
前記安全性情報は、前記地図情報が示す道路についての、夜間の暗さを示す情報である明暗情報を含み、
前記探索部は、前記明暗情報が夜間に暗いことを示す道路を安全でない道路と判断して経路を探索する請求項1または請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記安全性情報は、前記地図情報が示す道路についての、人の多さに関する情報である人数情報を含み、
前記探索部は、前記人数情報が人の少ないことを示す道路を安全でない道路と判断して経路を探索する請求項1から請求項3いずれか記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
携帯電話の基地局の情報を管理するサーバから、当該基地局と通信可能な携帯電話数を取得する携帯数取得部と、
前記携帯数取得部が取得した携帯電話数を用いて、当該基地局に対応する道路についての前記人数情報を取得して前記安全性情報格納部に蓄積する人数情報蓄積部とをさらに備えた請求項4記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記安全性情報は、前記地図情報が示す道路についての、犯罪に関する情報である犯罪情報を含み、
前記探索部は、前記犯罪情報が予め指定された条件を満たす道路を安全でない道路と判断して経路を探索する請求項1から請求項4いずれか記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
犯罪に関する情報であって、犯罪が発生した地点または道路を示す情報を含む犯罪関連情報を有するサーバ装置である犯罪サーバ装置から、犯罪関連情報を取得する犯罪関連情報取得部と、
当該犯罪関連情報取得部が取得した犯罪関連情報を用いて、前記犯罪情報を取得して前記安全性情報格納部に蓄積する犯罪情報蓄積部とを更に備えた請求項6記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
地図に関する情報であって、地図が示す道路に関する情報である道路情報を有する地図情報が格納される地図情報格納部と、前記地図情報が示す道路についての、犯罪に対する安全性に関する情報である安全性情報が格納される安全性情報格納部と、受付部と、探索部と、出力部とを用いて行われるナビゲーション方法であって、
前記受付部が、現在地を示す情報である現在地情報を受け付ける受付ステップ部と、
前記探索部が、前記道路情報と安全性情報とを用いて、前記現在地情報が示す現在地に関連した安全な経路、または安全でない経路を探索する探索ステップと、
前記出力部が、前記探索ステップによる探索結果に応じた出力を行う出力ステップとを備えたナビゲーション方法。
【請求項9】
地図に関する情報であって、地図が示す道路に関する情報である道路情報を有する地図情報が格納される地図情報格納部と、前記地図情報が示す道路についての、犯罪に対する安全性に関する情報である安全性情報が格納される安全性情報格納部とにアクセス可能なコンピュータを、
現在地を示す情報である現在地情報を受け付ける受付部と、
前記道路情報と安全性情報とを用いて、前記現在地情報が示す現在地に関連した安全な経路、または安全でない経路を探索する探索部と、
前記探索部の探索結果に応じた出力を行う出力部として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−189462(P2012−189462A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53688(P2011−53688)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(504050275)株式会社 ミックウェア (42)
【Fターム(参考)】