ナビゲーション装置、ナビゲーション装置における表示方法、及び、プログラム
【課題】 従来のカーナビゲーション装置は、利用者に対して与える情報量が少ないため、少ない情報量を補うために、利用者が表示縮尺を変えたり、画面をスクロールするなど、所定の操作を必要としていた。
【解決手段】
地図情報を格納する記憶手段と、移動体の位置と移動方向を検知する方位検知手段と、前記方位検知手段により検知される前記移動体の位置と移動方向を前記地図情報に関連して表示手段に表示する表示制御手段と、前記移動体の現在位置から移動方向にある直近の分岐路に対して、前記移動体から移動方向の指示を検知する方向検知手段とを有し、前記表示制御手段は、前記方向検知手段により検知される前記分岐路からの移動方向に対応する地図情報を前記表示手段の上方向に向けて表示することを特徴とするナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】
地図情報を格納する記憶手段と、移動体の位置と移動方向を検知する方位検知手段と、前記方位検知手段により検知される前記移動体の位置と移動方向を前記地図情報に関連して表示手段に表示する表示制御手段と、前記移動体の現在位置から移動方向にある直近の分岐路に対して、前記移動体から移動方向の指示を検知する方向検知手段とを有し、前記表示制御手段は、前記方向検知手段により検知される前記分岐路からの移動方向に対応する地図情報を前記表示手段の上方向に向けて表示することを特徴とするナビゲーション装置を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体の現在地周辺の地図と移動体の現在地を特定する印を表示し、目的地までの経路が設定されていれば、経路を合わせて表示することで利用者を目的地に誘導するするナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来カーナビゲーション装置等のナビゲーション装置における地図の表示方法には、北を上向きに設定するノースアップと、移動体(自動車、船舶、航空機等)の進行方向を上向きに設定するヘッドアップがある。また、ナビゲーション装置における地図の表示方法としてさまざまな提案がされている。
【0003】
例えば、特許文献1又は3、4によれば、交差点への進入に際し、ヘッドアップとなるような表示方法が提案される。特許文献2によれば、ノースアップとヘッドアップの表示切替を徐々に回転させながら行う表示方法が提案される。特許文献3には、現在地から次の交差点を向いた方向が表示画面の上方を向く表示方法も提案される。
【0004】
特許文献5には、表示部を縦長にして地図を表示する方法が提案される。特許文献7には、交差点に近づくと、鳥瞰図から俯瞰図に変換する表示方法が提案される。
【0005】
特許文献8には、目的地までの経路が設定されているとき、旋回予定の地点に近づくとき、旋回前に旋回後の走行道路を広い範囲表示する表示方法が提案される。特許文献9には、目的地までの経路が設定されているとき、交差点の手前で、交差点を曲がった先の経路が前方に展開される表示方法が提案される。
【0006】
カーナビゲーション装置に関連する従来技術としては、他にも、目的地までの経路が設定されているとき、ウインカ信号に基づき、経路外れを検知し、新たな経路の再検索を早い段階で行う経路案内装置が提案される(特許文献6)。
【特許文献1】特許第3007459号公報
【特許文献2】特許第3171216号公報
【特許文献3】特許第3085006号公報
【特許文献4】特開平7−49236号公報
【特許文献5】特開平9−159467号公報
【特許文献6】特開平9−159474号公報
【特許文献7】特開平9−292254号公報
【特許文献8】特開平10−38588号公報
【特許文献9】特開平10−89988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来技術においては、ナビゲーション装置が提供する情報の中に、利用者の望む情報がないため、利用者がナビゲーション装置を操作する必要が生じる場合がある。例えば、特許文献8や9に示されるように、目的地までの経路が設定される場合に、交差点の手前で交差点の先の情報を得ることができるとしても、目的地までの経路が設定されない状態では、利用者が手動で表示画面をスクロールしたり、表示縮尺を変更したりして、表示される地図の範囲を広げて交差点の先の情報を確認しなければならない。
【0008】
また、ナビゲーション装置が提供する経路情報とは異なる経路を利用者が選択する場合もある。例えば、新設された道路があるのに地図情報が更新されておらず、新道路を経由するほうが早い場合や、経路情報により誘導される道路で工事渋滞、事故渋滞が発生している場合、更に、目的地までの所要時間を短縮できる抜け道を利用者が知っている場合などである。
【0009】
こうした場合、仮に交差点の先の情報が得られたとしても利用者には意味のない情報であり、やはり手動の操作が必要になる。また、従来のノースアップモード、ヘッドアップモードによる表示では、左右のバランスを考慮して、移動体の現在位置を示す印が画面中央又は、画面中央を通過する縦軸上に表示されるため、一度に表示される道路(目的地までの経路が設定されている場合は経路)に制約があり、利用者の利便性を低下させていた。
【0010】
そこで本発明の目的は、利用者が望む情報を必要なタイミングで提供するナビゲーション装置、ナビゲーション装置における表示方法及び関連するプログラムを提供することにある。また、本発明の別の目的は、利用者による介在なく上記情報提供を行うナビゲーション装置等を提供することにある。更なる目的は、利用者が必要な情報を一度に提供することで利便性を向上させるナビゲーション装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的は、本発明の第一の側面によれば、移動体の位置を検知する位置検知手段と、移動体の移動方向を検知する方位検知手段と、前記方位検知手段と前記方位検知手段とにより検知される前記移動体の移動方向と位置とを地図情報に関連して表示手段に表示する表示制御手段と、前記移動体の現在位置から移動方向にある直近の分岐路に対して、前記移動体から移動方向の指示を検知する方向検知手段とを有し、前記表示制御手段は、前記方向検知手段により検知される前記分岐路からの移動方向に対応する地図情報を前記表示手段の上方向に向けて表示することを特徴とするナビゲーション装置を提供することにより達成される。
【0012】
上記発明の側面においてより好ましい実施例によれば、前記方向検知手段が前記移動方向の指示を検知しなくなるとき、前記分岐路からの移動方向に対応する地図情報を前記表示手段の上方向に向けて表示する前の表示態様に戻す。
【0013】
また、上記目的は、本発明の第二の側面によれば、移動体の位置を検知する位置検知手段と、移動体の移動方向を検知する方位検知手段と、前記方位検知手段と前記方位検知手段とにより検知される前記移動体の移動方向と位置とを地図情報に関連して表示手段に表示する表示制御手段と、前記移動体の現在位置から移動方向にある直近の分岐路に対して、前記移動体から移動方向の指示を検知する方向検知手段とを有し、前記表示制御手段は、前記方向検知手段により前記分岐路からの移動方向が検知されるとき、予め定められたオフセット値に基づき特定される位置に、前記移動体の現在位置を表示することを特徴とするナビゲーション装置を提供することにより達成される。
【0014】
上記発明の側面においてより好ましい実施例によれば、前記表示変更手段は、前記方向検知手段が前記移動方向の指示を検知しなくなるとき、前記オフセット値を使用して表示する前の表示態様に戻す。
【0015】
また、上記目的は、本発明の第三の側面によれば、移動体の位置を検知する位置検知手段と、移動体の移動方向を検知する方位検知手段と、前記方位検知手段と前記方位検知手段とにより検知される前記移動体の移動方向と位置とを地図情報に関連して表示手段に表示する表示制御手段と、前記移動体の現在位置から移動方向にある直近の分岐路に対して
、前記移動体から移動方向の指示を検知する方向検知手段とを有し、前記表示制御手段は、前記方向検知手段により前記分岐路からの移動方向が検知されるとき、前記移動体の現在位置から進行先の経路が最も長く表示される表示領域を求め、前記表示領域に含まれる前記地図情報を表示することを特徴とするナビゲーション装置を提供することにより達成される。
【0016】
上記発明の側面においてより好ましい実施例によれば、前記表示制御手段は、予め定められたオフセット値に基づき特定される位置に、前記移動体の現在位置を表示するとき、前記移動体の現在位置から進行先の経路が最も長く表示される前記表示領域を求める。上記発明の側面においてより好ましい実施例によれば、前記表示制御手段は、前記方向検知手段が前記移動方向の指示を検知しなくなるとき、前記表示領域を表示する前の表示態様に戻す。
【0017】
上記発明の側面においてより好ましい実施例によれば、前記表示領域は略矩形であって、前記表示制御手段は、前記分岐路に対する前記移動体の進入方向にある前記表示領域の長辺を、前記表示領域の上辺として表示する。また、前記表示制御手段は、直前の前記表示領域からの角度変化が少ない前記表示領域の長辺を、前記表示領域の上辺として表示してもよい。更に、前記表示制御手段は、前記表示領域に含まれる前記経路の切れ目となる位置に近い前記表示領域の長辺を、前記表示領域の上辺として表示することもできる。
【0018】
また上記目的は、本発明の第四の側面によれば、移動体の位置を検知する位置検知手段と、移動体の移動方向を検知する方位検知手段と、前記方位検知手段と前記方位検知手段とにより検知される前記移動体の移動方向と位置とを地図情報に関連して表示手段に表示する表示制御手段とを備えるナビゲーション装置における表示制御方法であって、方向検知手段により前記移動方向の指示を検知するとき、前記方位検知手段により前記移動体の現在位置と移動方向を取得し、前記表示制御手段により、前記地図情報を参照して前記移動方向にある直近の分岐路を特定し、前記表示制御手段により、前記方向検知手段により検知される前記分岐路からの移動方向に対応する地図情報を前記表示手段の上方向に向けて表示することを特徴とする表示制御方法を提供することにより達成される。
【0019】
また上記目的は、本発明の第五の側面によれば、制御プログラムを格納する記憶手段と、前記記憶手段から前記制御プログラムを読み出して実行し、地図情報を表示手段に表示させる制御手段とを備えるナビゲーション装置において、前記制御手段に、移動体の位置と移動方向を検知させ、前記制御手段に、前記移動体の現在位置から移動方向にある直近の分岐路に対して、前記移動体から移動方向の指示を検知させ、前記制御手段に、検知される前記移動体の位置と移動方向を前記地図情報に関連して表示手段に表示させ、かつ、前記分岐路からの移動方向が検知されるとき、前記検知される前記分岐路からの移動方向に対応する地図情報を前記表示手段の上方向に向けて表示させることを特徴とするプログラムを提供することにより達成される。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、交差点の手前で交差点を曲がった後の情報をより多く取得することができる。また、実際に利用者がウインカを使用するタイミングで交差点を曲がった後の情報が提供されるため、仮に目的地までの誘導経路が設定されていなくても情報の取得が可能である。逆に、設定される誘導経路に従わない場合でも、利用者が実際に曲がろうとする交差点の先の情報を取得することが可能になる。
【0021】
更に、ウインカ信号が消失するとき又は所定時間が経過するとき、元の通常表示(ノースアップ表示、ヘッドアップ表示)に戻すようにすることも可能である。すると、交差点の手前でウインカを出した状態で信号待ちをするとき、利用者は、ナビゲーション装置に
対してスクロール操作や画面縮尺切り替え操作等手動の操作をすることなく、右左折地点の先の情報を取得することができると共に、交差点を曲がり終わると、自動的に元の通常表示に戻るので、違和感なく運転を続けることができるようになる。交差点において利用者の操作を必要としないため、ナビゲーション装置に対する利便性が向上する
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面に従って説明する。しかしながら、本発明の技術的範囲はかかる実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物にまで及ぶものである。
【0023】
図1は、本発明の実施形態におけるナビゲーション装置1の構成ブロック図である。特に本実施形態においては、移動体を自動車とし、カーナビゲーション装置について説明する。本実施形態のナビゲーション装置1は、ウインカ(方向指示器)が使用されることを、右折又は左折の最終意思表示として捉え、ウインカの使用により生じるウインカ信号を検出すると、右折又は左折後の地図情報を先読みして提示することを特徴とする。更に、このとき、自車位置の表示を表示部の中心からずらしたり、表示される道路長(目的地までの経路が設定されていれば経路長)が最大になるように表示することにより、利用者に一度に多くの情報を提示するものである。
【0024】
ナビゲーション装置1は、バス14を介して互いに接続される制御部11、RAM(Random
Access Memory)12、ROM(Read Only Memory)13、ドライブ部15、情報が入力される入力部16、情報を出力し、利用者に情報を与えるための表示部17、センサ信号処理部18、不揮発性メモリであるNV-MEM(NonVolatile MEMory)19を含む。
【0025】
制御部11は、図示省略されたCPU(Central Processing Unit)を含み、RAM12に格納
されるプログラムを実行し、ナビゲーション装置1に含まれる各部を制御する。RAM12
は、ナビゲーション装置1の処理における演算結果やプログラムが一時的に格納される記憶手段である。
【0026】
ROM13は、ナビゲーション装置1を制御するOS (Operating System) 等のプログラム
が格納される記憶手段である。NV-MEM19は、ナビゲーション装置1への電源供給停止後も必要なデータを保存するための不揮発性記憶手段である。
【0027】
ドライブ部15は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto-Optical)ディスク等の記憶媒体に格納される地図情報を読み出すための装置である。近年では、ドライブ部としてハードディスクを搭載するナビゲーション装置も登場している。
【0028】
入力部16は、ボタン、十字キー、液晶ディスプレイに備えられるタッチパネル等利用者の要求が入力される入力手段である。表示部17は、情報を出力し、利用者に情報を与えるための表示手段であり、CRT(Cathode Ray Tube)、液晶ディスプレイ等利用者に情報
を提供する表示手段である。
【0029】
センサ信号処理部18は、各種センサからの信号を処理してそれを制御部11に与える。各種センサには、自車の現在地を計測するためのGPS(Global Positioning System)センサ、車輪の回転数に応じて発生する車速パルスに基づき走行距離を算出する距離センサ、進行方向を検出するジャイロセンサ、ウインカの始動を検出し、右左折のどちらかを特定するウインカセンサなどが含まれる。
【0030】
こうして、ナビゲーション装置1は、センサ信号処理部18を介して得られる情報と、ドライブ部を介して読み出される地図情報とに基づき制御部11が処理することにより、
自車の現在地を算出し、自車の位置を示す印と現在地周辺の地図とを併せて表示部17に表示する。また、利用者が入力する目的地までの誘導経路が算出され、併せて表示部17に表示されることもある。利用者は、表示される地図や自車位置を見て、誘導経路に沿って目的地まで運転を続けることができる。
【0031】
図2は、本実施形態におけるナビゲーション装置1の動作を説明するフローチャートである。ナビゲーション装置1は、まず通常表示として、自車の現在地周辺の地図と、自車の現在位置を示す印とを、ノースアップ表示又はヘッドアップ表示により表示部17に表示する(S1)。以下、図2ステップS1の通常表示について説明する。
【0032】
図3は、本実施形態で使用する地図の一例を示す図である。図3には、2次元座標が導入されており、上が北になっている。この2次元座標を地図座標系と呼ぶことにする。
【0033】
地図は、交差点や曲がり角といった属性を持つノードと、各ノードを接続する道路であるリンクにより形成される。ノードの属性には、他に、行き止まりを示す端点や、立体交差、県境等があり、こうした特徴を備える位置にノードが配置されることになる。図3においては、説明のためにノード、リンクそれぞれの一部に対してだけ識別記号を振ってあるが、丸印がノード、丸印間を接続する線がリンクである。
【0034】
ナビゲーション装置1は、広大な地図の中から利用者に提示する部分を切り取る。図3において太線で囲まれる表示領域31が、表示部17に表示される、つまり利用者に提示される部分である。表示領域31には、自車の現在地を示す印(丸い点線の円に囲まれる三角形)21が含まれており、利用者は現在地周辺の地図を見ることができる。
【0035】
図4は、地図情報のデータ構成例を示す図である。図4の地図データは、「ノード」「属性」「位置座標」「接続ノード」「リンク」「距離」「出口方向」というデータ項目を含む。
【0036】
「ノード」は、各ノードを識別する識別子である。「属性」は、ノードの属性を示す情報である。「位置座標」は、ノードの位置を示す位置情報であり、位置座標としては緯度経度を使用することができる。
【0037】
「接続ノード」は、あるノードに接続される他のノードを識別する識別子である。「リンク」は、あるノードに接続されるリンクを識別する識別子である。「距離」は、リンクの長さであり、リンクを自車が走行するときの距離である。「出口方向」は、ノードから出るときに自車が向く方向である。
【0038】
「出口方向」は、例えば、地図座標系におけるX軸からの角度等で記述される。「経路設定」は、各リンクが、利用者が指定する目的地までの誘導経路に含まれるかを示すフラグ情報である。
【0039】
例えば、図3を例に取れば、ノードN1は、北東方向にノードN2と、南東方向にノードN3と、南西方向にノードN6と、北西方向にノードN7と所定長のリンクを介して接続されている交差点である。これをデータにして表現したものが、図4の1行目から4行目のエントリである。また、図4を参照すれば、ノードN1とノードN3を接続するリンクL13が誘導経路に含まれることがわかる。
【0040】
地図情報に地図座標系が導入されるように、表示領域31に対しても座標系が導入される。これを表示座標系と呼ぶことにする。例えば、表示領域の左下を原点とする2次元座標を導入することができる。表示部17への表示の際は、地図座標系の位置を、表示座標
系に変換することが行われる。以降、地図座標系を大文字のXY座標系として、表示座標系を小文字のxy座標系として記述する。
【0041】
図5は、地図座標系から表示座標系への変換の様子を説明する図である。表示座標系の座標は、原点の平行移動と座標の回転によって求めることができ、例えば、表示座標系の原点が、地図座標系における点(p、q)であり、座標の角度差がα度であれば、地図座標系の位置(m、n)は、次式により表示座標系の座標(x、y)に変換される。
【0042】
【数1】
【0043】
図6は、ノースアップ表示の表示領域とヘッドアップ表示の表示領域を示す図である。通常表示においては、自車位置21が表示部17の中心になるように表示されるから、ノースアップ表示の場合、ナビゲーション装置1は、表示領域32を設定する。ヘッドアップ表示の場合、ナビゲーション装置1は、表示領域33を設定する。
【0044】
図7は、ノースアップ表示における表示部17での表示例を示す図である。ノースアップ表示の場合、自車位置21を中心とする表示領域32(図7右図)が表示部17に表示されることになる。
【0045】
図8は、ヘッドアップ表示における表示部17での表示例を示す図である。ヘッドアップ表示の場合、自車位置21を中心とする表示領域33(図8右図)が表示部17に表示されることになる。
【0046】
ナビゲーション装置1における処理に置き換えて説明するならば、制御部11は、センサ信号処理部18を介して取得するGPSセンサからの情報を基に自車の現在地を算出し、
表示方法に合わせて表示領域32又は33を設定する。制御部11は、設定された表示領域に含まれる地図情報を読み出し、自車の現在地周辺の地図を表示部17に表示するための描画データを生成し、D/A変換を行い、表示部17に表示する。
【0047】
また、制御部11は、センサ信号処理部18を介して取得するジャイロセンサからの情報を基に自車の進行方向を求め、自車位置を示す印21の三角形の先端が、求められた進行方向を向くような描画データも生成する。こうして、図7又は8に示されるような画面が表示部に表示され、図2ステップS1の通常表示が行われる。
【0048】
図2に戻り、通常表示を行っているとき、ナビゲーション装置1は、ウインカ信号が検出されるかを確認する(S2)。ステップS2では、センサ信号処理部18を介して、ウインカの始動時に生じるウインカ信号が検出されなければ(S2No)、ナビゲーション装置1は、ウインカ信号の入力までそのまま通常表示を行う。
【0049】
ウインカ信号が検出されると(S2Yes)、ナビゲーション装置1は、右左折後の情報がより多く表示されるよう、表示領域を変更し(S3)、その表示態様を続行する。ステップS3では、ナビゲーション装置1が、例えば、右折又は左折後の地図情報を先読みして提示する。更に、ナビゲーション装置1は、自車位置の表示を表示部の中心からずら
したり、表示される道路長(目的地までの経路が設定されていれば経路長)が最大になるように表示することにより、利用者に一度に多くの情報を提示する。この表示領域変更処理については、後述する。
【0050】
図9は、本実施形態におけるナビゲーション装置1の動作の変形例を説明するフローチャートである。図2においては、ステップS3による表示領域変更処理の後、変更後の表示態様が続行するが、図9Aに示すように、ウインカ信号が検出される間(S4Yes)は、ステップS3で変更後の表示態様を続行し、検出されていたウインカ信号が消失するとき(S4No)、通常表示に戻す(S5)ようにしてもよい。また、図9Bに示すように、表示領域の変更の後所定時間が経過したら(S6Yes)、通常表示に戻す(S5)ようにすることもできる。
【0051】
以下、右左折後の情報がより多く表示される表示の態様(表示領域変更処理)について具体的に説明する。
【0052】
[第1の表示態様]
第1の表示態様は、ウインカが使用されることを、右折又は左折の最終意思表示として捉え、ウインカの使用により生じるウインカ信号を検出すると、右折又は左折後の地図情報を先読みして提供するものである。
【0053】
図10は、第1の表示態様における表示領域変更処理(図2ステップS3)を説明するフローチャートである。まず、制御部11は、自車の現在地と進行方向を取得し(S30)、現在地から進行方向前方にある交差点を特定する(S32)。既に述べたように、制御部11は、自車の現在地と進行方向を、センサ信号処理部18を介して入力される情報から取得することができる。そして、地図情報(図4)を参照することにより、地図情報に基づき、自車が走行中の道路(リンク)を特定し、進行方向にある次の交差点を特定する。
【0054】
続いて、制御部11は、センサ信号処理部18を介して入力されるウインカ信号に基づき、右折か左折かを特定する(S34)。そして、制御部11は、ステップS32で特定される前方交差点と、ステップS34で特定される右左折方向とに基づき、前方交差点の右左折方向に存在するリンクの出口方向を上向きとする表示領域を設定する(S35)。
【0055】
最後に、制御部11は、ステップS35で設定された表示領域を表示部17に表示する処理を行うと(S42)、第1の表示態様処理は終了し、その後の処理が続いてゆく。ステップS42において、制御部11は、設定された表示領域を表示部17に表示するための描画データを生成し、D/A変換を行い、表示部17の表示を通常表示から変更する。
【0056】
第1の表示態様の具体的な表示例を次に説明する。
【0057】
図11は、第1の表示態様における表示領域と、表示部17での表示例を示す図である。例えば、通常表示として、図7又は図8に示す表示が行われている状態で、利用者の自動車が図11に示される表示領域34の中央にある交差点(ノードN9)に近づき、右折するものとする。
【0058】
自動車が接近する交差点に対応するノードには、地図座標系(XY系)で見るとき、出口方向が北西方向となるリンクと、出口方向が南東方向になるリンクとが接続される。従って、交差点への接近方向から見て右折するとは、地図座標系で見て南東方向にあるリンクが選択されることを意味する。
【0059】
そして、ステップS35にいう「前方交差点の右左折方向に存在するリンクの出口方向」は、図11中矢印24で示される方向(略南東方向)となる。正確には、地図情報(図4)を参照し、自動車が接近する交差点に対応するノードと、前方交差点の右左折方向に存在するリンクとを特定することで得られる「出口方向」となる。
【0060】
すると、図11右図に示されるように、地図座標系における南東方向を上向きとし、自車の現在地を示す印21が中央に配置された表示領域34(図11右図)が、交差点の手前のウインカを出すタイミングで表示部17に表示されることになる。
【0061】
図12は、第1の表示態様において、複数の出口がある場合の表示領域の設定法を説明する図である。例えば、ヘッドアップ表示された状態で、図12Aに示される表示領域35aの中央にある交差点に近づき左折するものとする。
【0062】
自動車が接近する交差点に対応するノードには、地図座標系(XY系)で見るとき、共に北東方向に2つのリンクL131、L132が接続される。従って、交差点への接近方向から見て左折するとき、出口方向を1つに絞ることができない。
【0063】
このような場合、例えば、図4の地図情報における「出口方向」が角度により指定されていれば、制御部11は、最も外側に位置する2つのリンク(図12Bの場合、2つしかないので、リンクL131とL132)を特定し、地図情報を参照してそれぞれの「出口方向」を取得する。そして、制御部11は、2つのリンクの角度差を算出し、2つのリンクがなす角度を二分する二等分線方向を「前方交差点の右左折方向に存在するリンクの出口方向」とする。すると、自車の現在地を示す印21が中央に配置された表示領域35(図12C)が設定され、交差点の手前のウインカを出すタイミングで表示部17に表示されることになる(図12D)。
【0064】
以上に説明した第1の表示態様を実施すると、交差点の手前で交差点を曲がった後の情報を取得することができる。また、実際に利用者がウインカを使用するタイミングで交差点を曲がった後の情報が提供されるため、仮に目的地までの誘導経路が設定されていなくても情報の取得が可能である。逆に、設定される誘導経路に従わない場合でも、利用者が実際に曲がろうとする交差点の先の情報を取得することが可能になる。
【0065】
[第2の表示態様]
第2の表示態様は、自車位置の表示を表示部17の中心から離すことによって一度に多くの情報を利用者に提供するものである。
【0066】
図13は、第2の表示態様における表示領域変更処理を説明するフローチャートである。図13において、第1の表示態様(図10)と同じ処理には同じステップ番号を振り、説明は省略する。
【0067】
まず、制御部11が、ウインカ信号に基づき、右折か左折かを特定する(S34)。次に、制御部11は、NV-MEM19に予め格納されるオフセット値を取得する(S36)。
【0068】
図14は、NV-MEM19に格納されるオフセット表のデータ構成例を示す図である。図14のオフセット表は、「右左折」「オフセット」というデータ項目を含む。
【0069】
「右左折」は、右折用のオフセット値か左折用のオフセット値かを識別するフラグ情報である。「オフセット」は、自車位置を示す印21を表示部17の画面中心からずらす量を特定するオフセット値である。図14においては、表示座標系における位置ベクトルとしてオフセット値が格納される。オフセット値は、表示座標系における原点からのずれ量
として定義することも可能である。
【0070】
図15は、オフセット値が設定される様子を示す画面例である。画面201は、表示部17に表示されるナビゲーション装置のメニュー画面の例である。メニューには、設定を行うための「設定」ボタン91が用意され、タッチパネルタイプの表示部17であれば、このボタンに触れることにより、次の画面が展開される。
【0071】
画面202は、画面201で、設定ボタン91が選択されることにより展開されるサブメニュー画面である。サブメニューには、ラジオやテレビのチューニング設定を行うための、「局設定」、音楽を再生するためのモードを設定する「プレイモード設定」、そしてオフセット値を設定するための「オフセット値設定」などが含まれる。
【0072】
画面203は、画面202にて「オフセット値設定」が選択されることにより展開される画面である。この画面において、利用者がリモコンやタッチパネル、十字キー等の入力部16を介して右折用、左折用のオフセット値を入力することができる。オフセット値は、入力フィールド92、93に数字として入力される。利用者は、前者92には、例えば、表示座標系におけるx軸成分のオフセット量を、後者93には、表示座標系におけるy軸成分のオフセット量を入力する。
【0073】
決定ボタン94に触れることにより、入力フィールドに入力された値が確定され、確認画面204が表示される。そしてオフセット値は、図14に示すデータ形式でNV-MEM19に格納される。
【0074】
こうして、利用者は自由にオフセット値を設定することもできる。また一度設定されたオフセット値を自由に変更することもできる。
【0075】
図13に戻り、制御部11は、オフセット値に基づき自車位置を示す印21を所定量ずらして表示領域の位置を設定する(S37)。制御部11は、自車の現在地を取得し、その現在地にオフセット値を足して算出される座標を中心とする表示領域を設定する。こうすることで、表示領域における自車位置表示21が、表示領域の中心からオフセット値だけずれることになる。
【0076】
ステップS37において表示領域の位置が決定すれば、制御部11は、位置が決定された表示領域のどちらを上向きにするか上辺を決定する(S40)。表示領域のどちらを上向きにするかを決定する方法はいくつかあり、詳細は後述する。
【0077】
こうして、ステップS37で位置を決定し、ステップS40で上辺を決定することで、制御部11は、第2の表示態様における表示領域を設定する。最後に、制御部11は、設定された表示領域を表示部17に表示する処理を行うと(S42)、第2の表示態様処理は終了し、その後の処理が続いてゆく。
【0078】
第2の表示態様の具体的な表示例を次に説明する。
【0079】
図16は、通常表示(ノースアップ表示)の表示領域と、第2の表示態様(その1)の表示領域と、第2の表示態様(その2)の表示領域を示す図である。図16において、表示領域31aは、通常表示状態における表示領域の例である。利用者の自動車が図16に示される表示領域31aの中央にある交差点(ノードN9)に近づき、右折するものとする。
【0080】
すると、ステップS37において、右折用のオフセット値が使用され、自車の現在位置
にオフセット値を足した地点が表示領域の中心に据えられる。ステップS37で決定されるのは、表示領域の位置であるため、その長辺のうちどちらを上辺にするかはまだ定まっていない。図16には、オフセットした状態で、南北方向のいずれかを上向きとする表示領域36と、オフセットした状態で進行方向又はその逆向きのいずれかを上向きとする表示領域37が描かれる。
【0081】
図17は、第2の表示態様(その1)における表示部17での表示例を示す図である。ここでは、表示領域36を北を上向きとして表示する例を示す。すると、自車位置21が中心からオフセットされた表示領域36(図17右図)が表示部17に表示されることになる。
【0082】
図18は、第2の表示態様(その2)における表示部17での表示例を示す図である。ここでは、表示領域37を自車の進行方向を上向きとして表示する例を示す。すると、自車位置21が中心からオフセットされた表示領域37(図18右図)が表示部17に表示されることになる。図18を見れば、右折時の情報が通常表示よりも多く表示されるという効果が特に顕著に現れる。
【0083】
続いて、図13ステップS40における上辺決定処理について説明する。
【0084】
図19は、表示領域の上辺を決定する方法(その1)を示す図である。ここでは、自車の現在地から進行方向に伸ばした線分とぶつかる長辺が表示領域の上辺と決定される。図19においては、目的地までの誘導経路61が黒で示され、通常の道路62は白で示される。誘導経路が表示領域から切れる箇所が誘導経路の出口63である。
【0085】
図19Aに示される表示領域において、自車位置を示す印21から進行方向41に伸ばした線分は、辺51にぶつかる。従って、点線で示される辺51が上辺として決定される。
【0086】
この決定方法では、図19Bに示すように、自車位置を示す印21から進行方向42に伸ばした線分が最初に辺54にぶつかる場合や、自車位置を示す印21から進行方向43に伸ばした線分が最初に辺54にぶつかる場合であっても、上辺を決定することができる。それは、それらの線分が最終的にはそれぞれ、長辺51、長辺53とぶつかることになるためである。
【0087】
結局、図19Aにおいて、自車位置を示す印21から進行方向に伸ばした線分が、範囲71にて表示領域とぶつかる場合、辺51が上辺となり、範囲72にてぶつかる場合、辺53が上辺として決定される。範囲71は、辺54の中点から辺51を経由して辺52の中点までの線分を示す。範囲72は、残りの部分である。
【0088】
従って、図19Aの場合、辺51が上辺と決定される結果、図19Cに示される表示領域が表示部17に表示されることになる。
【0089】
図20は、表示領域の上辺を決定する方法(その2)を示す図である。ここでは、目的地までの誘導経路が設定されている場合、誘導経路が表示領域を抜ける地点(誘導経路の出口)に近い長辺が表示領域の上辺と決定される。図20においては、目的地までの誘導経路61が黒で示され、通常の道路62は白で示される。誘導経路が表示領域から切れる箇所が誘導経路の出口63である。
【0090】
図20Aに示される表示領域において、誘導経路の出口63は、辺53に近い。従って、点線で示される辺53が上辺として決定される。
【0091】
この決定方法でも、図20Aにおいて、誘導経路の出口63が範囲71内に位置する場合、辺51が上辺となり、範囲72内に位置する場合、辺53が上辺として決定される。範囲71は、辺54の中点から辺51を経由して辺52の中点までの線分を示す。範囲72は、残りの部分である。
【0092】
従って、図20Aの場合、辺53が上辺と決定される結果、図20Bに示される表示領域が表示部17に表示されることになる。
【0093】
図21は、表示領域の上辺を決定する方法(その3)を示す図である。ここでは、直前の表示領域との角度変化が少なくなるように表示領域の上辺が決定される。図21においては、目的地までの誘導経路61が黒で示され、通常の道路62は白で示される。誘導経路が表示領域から切れる箇所が誘導経路の出口63である。
【0094】
図21Aに示される表示領域において、自車位置を示す印21aが直前の自車位置、印21bが現在の自車位置である。直前の自車位置に対応する表示領域においては、辺51が上辺として決定されている(図21B参照)。
【0095】
このとき、現在の自車位置の上辺を辺51とする場合の角度変化は、角度αで示される。現在の自車位置の上辺を辺53とする場合の角度変化は、角度βで示される。この場合図21Aから明らかなように、α<βであるため、点線で示される辺51が上辺として決定される。
【0096】
従って、図21Aの場合、辺51が上辺と決定される結果、図21Cに示される表示領域が表示部17に表示されることになる。
【0097】
なお、オフセット値は、図14に示すように右折用、左折用に分けて設定することもできるが、1つのオフセット値を右折時、左折時に共通に用いてもよい。右折用と左折用に分けて設定することにより、表示される自車位置を示す印21の位置を見れば、利用者が右折しようとしているか左折しようとしているか見分けることができる。ただし、右折時、左折時に共通に用いても、利用者により多くの情報を提供する目的は達せられるため、特にどちらでも問題はない。
【0098】
また、1つのオフセット値を指定しても、上辺決定処理(図13S40)により表示領域が逆転する場合があるため、そのオフセット値により定められる位置とは原点を中心とする点対称な位置に、自車位置マーク21が表示される場合もある。この場合でも、利用者により多くの情報を提供する目的は達せられるため、特に問題はない。
【0099】
以上に説明した第2の表示態様を実施すると、自車位置を示す印が隅に寄るため、地図を表示可能な領域が自車位置を中心に据えるより大きく展開されることになり、一度に多くの情報を利用者に提供することができる。第2の表示態様は、第1の表示態様と組み合わせて用いることも可能である。その場合、第1の表示態様を実施する場合の効果に加えて、更に、一度に多くの情報を利用者に提供することが可能になる。
【0100】
[第3の表示態様]
第3の表示態様は、表示領域を変化させるとき、表示領域内に含まれる道路長(目的地までの経路が設定されていれば、経路長)を最大にするような表示領域を設定することによって一度に多くの情報を利用者に提供するものである。制御部11は、オフセット値の設定の有無に関係なく、表示領域に含まれる道路長(目的地までの経路が設定される場合、経路長)が最大となるように表示領域を設定する。
【0101】
図22は、第3の表示態様における表示領域変更処理を説明するフローチャートである。図22において、第1又は第2の表示態様(図10、図13)と同じ処理には同じステップ番号を振り、説明は省略する。
【0102】
まず、制御部11が、ウインカ信号に基づき、右折か左折かを特定する(S34)。次に、制御部11は、NV-MEM19に予め格納されるオフセット値を取得する(S36)。
【0103】
そして、制御部11は、オフセットした状態で表示される道路又は経路が最長となるよう、表示領域の位置を決定する(S38)。制御部11は、自車の現在地を取得し、その現在地にオフセット値を足して算出される座標を表示領域の中心とする表示領域を1つ生成する。
【0104】
そして、自車の現在位置を回転中心として生成された表示領域を回転するとき、各表示領域が切り取ることのできる道路長(経路長)を算出し、その長さが最大となる表示領域を利用者に提示する表示領域として決定する。こうすることで、利用者にとって有益な(提供される情報量の多い)表示領域が表示部17に表示されることになる。
【0105】
表示領域に含まれる道路長の算出は、地図情報(図4)を参照することで次のようにして行うことができる。まず、ステップS38の処理を行う時点で、回転中心と表示領域の中心が1つは判明している。
【0106】
表示領域の範囲は中心が決定すれば決定されるため、表示領域内に含まれるノードを特定し、そのノード間の「距離」(図4)の合計を算出すれば、表示領域に含まれる道路長の算出が可能である。また、地図情報の「経路設定」(図4)を参照し、誘導経路に含まれるリンクの「距離」(図4)の合計を算出すれば、表示領域に含まれる経路長の算出も可能である。
【0107】
以上のようにして制御部11は、自車の現在位置を回転中心として表示領域を回転するとき、角度を変えては、道路長を算出し、最大となる位置をサーチする。ステップS38において表示領域の位置が決定すれば、位置が決定された表示領域のどちらを上向きにするか上辺を決定する(S40)。上辺決定処理は、図19から図21において述べた通りである。
【0108】
ステップS38で位置を決定し、ステップS40で上辺を決定することで、制御部11は、第3の表示態様における表示領域を設定する。最後に、制御部11は、設定された表示領域を表示部17に表示する処理を行うと(S42)、第3の表示態様処理は終了し、その後の処理が続いてゆく。
【0109】
図22においては、オフセット値を取得し、オフセットした状態で表示される道路長を最大にしたが、オフセット値が(0、0)であっても図22のフローを適用することができる。オフセット値が(0、0)であることは、オフセットを行わないことに等しく、つまり、オフセット値の設定の有無に関係なく本フローを適用可能であることになる。
【0110】
図23は、第3の表示態様(その1)における表示領域と、表示部17での表示例を示す図である。図23は、オフセット値が(0、0)である場合又は、オフセット値が設定されていない場合における第3の表示態様の表示例である。
【0111】
オフセットが行われないため、自車位置21が表示領域の中心であると共に、回転中心にもなる。この状態で、回転中心を中心として表示領域を矢印方向71に回転させるとき
、点線で示される表示領域38が、その領域内に含まれる道路長が最大の表示領域であるとする。すると、自車位置21を中心とする表示領域であって、自車位置21を中心に回転するとき含まれる道路長が最大となる表示領域38(図23右図)が表示部17に表示されることになる。
【0112】
図24は、第3の表示態様(その2)における表示領域を示す図である。図24は、所定のオフセット値が設定されている場合における第3の表示態様の表示例である。
【0113】
オフセットが行われており、自車位置21が回転中心である。表示領域の中心は、それとは異なる。この状態で、回転中心を中心として表示領域を矢印方向72に回転させてサーチする。
【0114】
図25は、第3の表示態様(その2)におけるサーチ結果である、左折用の表示領域と右折用の表示領域を示す図である。図25には、図24の矢印方向72に表示領域を回転させてサーチした結果、自車位置21が接近中の交差点(ノードN9)の左折方向において、含まれる道路長が最大となる表示領域39と、右折方向において、含まれる道路長が最大となる表示領域40が描かれる。
【0115】
図26は、第3の表示態様(その2)における表示部17での表示例を示す図である。ここでは、自車の進行方向により上辺が決定される例を示す。すると、自車位置21が中心からオフセットされた表示領域であって、自車位置21が接近中の交差点(ノードN9)の左折方向において含まれる道路長が最大となる表示領域39(図26右図)が表示部17に表示されることになる。
【0116】
図27は、第3の表示形態(その3)における表示部17での表示例を示す図である。ここでは、自車の進行方向により上辺が決定される例を示す。すると、自車位置21が中心からオフセットされた表示領域であって、自車位置21が接近中の交差点(ノードN9)の右折方向において含まれる道路長が最大となる表示領域40(図27右図)が表示部17に表示されることになる。
【0117】
第3の表示態様は、オフセット値が設定されている場合でも、そうでない場合でも、一度に多くの情報を利用者に提供する効果を与える。第3の表示態様も、第1の表示態様と組み合わせて用いることが可能である。その場合、第1の表示態様を実施する場合の効果に加えて、更に、一度に多くの情報を利用者に提供することが可能になる。
【0118】
なお、上記説明においては、ウインカ信号の検出を待って表示の変更が行われるが、オフセット表示と最長経路表示については、ウインカ信号の検出に関係なくそれらの表示を行う場合でも、従来技術における課題を解決することができる。
【0119】
こうして、本実施形態のナビゲーション装置を使用することで、交差点の手前で交差点を曲がった後の情報をより多く取得することができる。また、実際に利用者がウインカを使用するタイミングで交差点を曲がった後の情報が提供されるため、仮に目的地までの誘導経路が設定されていなくても情報の取得が可能である。逆に、設定される誘導経路に従わない場合でも、利用者が実際に曲がろうとする交差点の先の情報を取得することが可能になる。
【0120】
更に、ウインカ信号が消失するとき又は所定時間が経過するとき、元の通常表示(ノースアップ表示、ヘッドアップ表示)に戻すようにすることも可能である(図9)。すると、交差点の手前でウインカを出した状態で信号待ちをするとき、利用者は、ナビゲーション装置に対してスクロール操作や画面縮尺切り替え操作等手動の操作をすることなく、右
左折地点の先の情報を取得することができると共に、交差点を曲がり終わると、自動的に元の通常表示に戻るので、違和感なく運転を続けることができるようになる。交差点において利用者の操作を必要としないため、ナビゲーション装置に対する利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明の実施形態におけるナビゲーション装置の構成ブロック図である。
【図2】本実施形態におけるナビゲーション装置の動作を説明するフローチャートである。
【図3】本実施形態で使用する地図の一例を示す図である。
【図4】地図情報のデータ構成例を示す図である。
【図5】地図座標系から表示座標系への変換の様子を説明する図である。
【図6】ノースアップ表示の表示領域とヘッドアップ表示の表示領域を示す図である。
【図7】ノースアップ表示における表示部での表示例を示す図である。
【図8】ヘッドアップ表示における表示部17での表示例を示す図である。
【図9】本実施形態におけるナビゲーション装置の動作の変形例を説明するフローチャートである。
【図10】第1の表示態様における表示領域変更処理を説明するフローチャートである。
【図11】第1の表示態様における表示領域と、表示部での表示例を示す図である。
【図12】第1の表示態様において、複数の出口がある場合の表示領域の設定法を説明する図である。
【図13】第2の表示態様における表示領域変更処理を説明するフローチャートである。
【図14】オフセット表のデータ構成例を示す図である。
【図15】オフセット値が設定される様子を示す画面例である。
【図16】通常表示(ノースアップ表示)の表示領域と、第2の表示態様(その1)の表示領域と、第2の表示態様(その2)の表示領域を示す図である。
【図17】第2の表示態様(その1)における表示部での表示例を示す図である。
【図18】第2の表示態様(その2)における表示部17での表示例を示す図である。
【図19】表示領域の上辺を決定する方法(その1)を示す図である。
【図20】表示領域の上辺を決定する方法(その2)を示す図である。
【図21】表示領域の上辺を決定する方法(その3)を示す図である。
【図22】第3の表示態様における表示領域変更処理を説明するフローチャートである。
【図23】第3の表示態様(その1)における表示領域と、表示部での表示例を示す図である。
【図24】第3の表示態様(その2)における表示領域を示す図である。
【図25】第3の表示態様(その2)におけるサーチ結果である、左折用の表示領域と右折用の表示領域を示す図である。
【図26】第3の表示態様(その2)における表示部での表示例を示す図である。
【図27】第3の表示形態(その3)における表示部での表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0122】
1 ナビゲーション装置、11 制御部、12 RAM、13 記憶部、14 バス、1
5 周辺機器インタフェース、16 入力部、17 表示部、18 センサ信号処理部、21 自車位置を示す印、31〜40 表示領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体の現在地周辺の地図と移動体の現在地を特定する印を表示し、目的地までの経路が設定されていれば、経路を合わせて表示することで利用者を目的地に誘導するするナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来カーナビゲーション装置等のナビゲーション装置における地図の表示方法には、北を上向きに設定するノースアップと、移動体(自動車、船舶、航空機等)の進行方向を上向きに設定するヘッドアップがある。また、ナビゲーション装置における地図の表示方法としてさまざまな提案がされている。
【0003】
例えば、特許文献1又は3、4によれば、交差点への進入に際し、ヘッドアップとなるような表示方法が提案される。特許文献2によれば、ノースアップとヘッドアップの表示切替を徐々に回転させながら行う表示方法が提案される。特許文献3には、現在地から次の交差点を向いた方向が表示画面の上方を向く表示方法も提案される。
【0004】
特許文献5には、表示部を縦長にして地図を表示する方法が提案される。特許文献7には、交差点に近づくと、鳥瞰図から俯瞰図に変換する表示方法が提案される。
【0005】
特許文献8には、目的地までの経路が設定されているとき、旋回予定の地点に近づくとき、旋回前に旋回後の走行道路を広い範囲表示する表示方法が提案される。特許文献9には、目的地までの経路が設定されているとき、交差点の手前で、交差点を曲がった先の経路が前方に展開される表示方法が提案される。
【0006】
カーナビゲーション装置に関連する従来技術としては、他にも、目的地までの経路が設定されているとき、ウインカ信号に基づき、経路外れを検知し、新たな経路の再検索を早い段階で行う経路案内装置が提案される(特許文献6)。
【特許文献1】特許第3007459号公報
【特許文献2】特許第3171216号公報
【特許文献3】特許第3085006号公報
【特許文献4】特開平7−49236号公報
【特許文献5】特開平9−159467号公報
【特許文献6】特開平9−159474号公報
【特許文献7】特開平9−292254号公報
【特許文献8】特開平10−38588号公報
【特許文献9】特開平10−89988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来技術においては、ナビゲーション装置が提供する情報の中に、利用者の望む情報がないため、利用者がナビゲーション装置を操作する必要が生じる場合がある。例えば、特許文献8や9に示されるように、目的地までの経路が設定される場合に、交差点の手前で交差点の先の情報を得ることができるとしても、目的地までの経路が設定されない状態では、利用者が手動で表示画面をスクロールしたり、表示縮尺を変更したりして、表示される地図の範囲を広げて交差点の先の情報を確認しなければならない。
【0008】
また、ナビゲーション装置が提供する経路情報とは異なる経路を利用者が選択する場合もある。例えば、新設された道路があるのに地図情報が更新されておらず、新道路を経由するほうが早い場合や、経路情報により誘導される道路で工事渋滞、事故渋滞が発生している場合、更に、目的地までの所要時間を短縮できる抜け道を利用者が知っている場合などである。
【0009】
こうした場合、仮に交差点の先の情報が得られたとしても利用者には意味のない情報であり、やはり手動の操作が必要になる。また、従来のノースアップモード、ヘッドアップモードによる表示では、左右のバランスを考慮して、移動体の現在位置を示す印が画面中央又は、画面中央を通過する縦軸上に表示されるため、一度に表示される道路(目的地までの経路が設定されている場合は経路)に制約があり、利用者の利便性を低下させていた。
【0010】
そこで本発明の目的は、利用者が望む情報を必要なタイミングで提供するナビゲーション装置、ナビゲーション装置における表示方法及び関連するプログラムを提供することにある。また、本発明の別の目的は、利用者による介在なく上記情報提供を行うナビゲーション装置等を提供することにある。更なる目的は、利用者が必要な情報を一度に提供することで利便性を向上させるナビゲーション装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的は、本発明の第一の側面によれば、移動体の位置を検知する位置検知手段と、移動体の移動方向を検知する方位検知手段と、前記方位検知手段と前記方位検知手段とにより検知される前記移動体の移動方向と位置とを地図情報に関連して表示手段に表示する表示制御手段と、前記移動体の現在位置から移動方向にある直近の分岐路に対して、前記移動体から移動方向の指示を検知する方向検知手段とを有し、前記表示制御手段は、前記方向検知手段により検知される前記分岐路からの移動方向に対応する地図情報を前記表示手段の上方向に向けて表示することを特徴とするナビゲーション装置を提供することにより達成される。
【0012】
上記発明の側面においてより好ましい実施例によれば、前記方向検知手段が前記移動方向の指示を検知しなくなるとき、前記分岐路からの移動方向に対応する地図情報を前記表示手段の上方向に向けて表示する前の表示態様に戻す。
【0013】
また、上記目的は、本発明の第二の側面によれば、移動体の位置を検知する位置検知手段と、移動体の移動方向を検知する方位検知手段と、前記方位検知手段と前記方位検知手段とにより検知される前記移動体の移動方向と位置とを地図情報に関連して表示手段に表示する表示制御手段と、前記移動体の現在位置から移動方向にある直近の分岐路に対して、前記移動体から移動方向の指示を検知する方向検知手段とを有し、前記表示制御手段は、前記方向検知手段により前記分岐路からの移動方向が検知されるとき、予め定められたオフセット値に基づき特定される位置に、前記移動体の現在位置を表示することを特徴とするナビゲーション装置を提供することにより達成される。
【0014】
上記発明の側面においてより好ましい実施例によれば、前記表示変更手段は、前記方向検知手段が前記移動方向の指示を検知しなくなるとき、前記オフセット値を使用して表示する前の表示態様に戻す。
【0015】
また、上記目的は、本発明の第三の側面によれば、移動体の位置を検知する位置検知手段と、移動体の移動方向を検知する方位検知手段と、前記方位検知手段と前記方位検知手段とにより検知される前記移動体の移動方向と位置とを地図情報に関連して表示手段に表示する表示制御手段と、前記移動体の現在位置から移動方向にある直近の分岐路に対して
、前記移動体から移動方向の指示を検知する方向検知手段とを有し、前記表示制御手段は、前記方向検知手段により前記分岐路からの移動方向が検知されるとき、前記移動体の現在位置から進行先の経路が最も長く表示される表示領域を求め、前記表示領域に含まれる前記地図情報を表示することを特徴とするナビゲーション装置を提供することにより達成される。
【0016】
上記発明の側面においてより好ましい実施例によれば、前記表示制御手段は、予め定められたオフセット値に基づき特定される位置に、前記移動体の現在位置を表示するとき、前記移動体の現在位置から進行先の経路が最も長く表示される前記表示領域を求める。上記発明の側面においてより好ましい実施例によれば、前記表示制御手段は、前記方向検知手段が前記移動方向の指示を検知しなくなるとき、前記表示領域を表示する前の表示態様に戻す。
【0017】
上記発明の側面においてより好ましい実施例によれば、前記表示領域は略矩形であって、前記表示制御手段は、前記分岐路に対する前記移動体の進入方向にある前記表示領域の長辺を、前記表示領域の上辺として表示する。また、前記表示制御手段は、直前の前記表示領域からの角度変化が少ない前記表示領域の長辺を、前記表示領域の上辺として表示してもよい。更に、前記表示制御手段は、前記表示領域に含まれる前記経路の切れ目となる位置に近い前記表示領域の長辺を、前記表示領域の上辺として表示することもできる。
【0018】
また上記目的は、本発明の第四の側面によれば、移動体の位置を検知する位置検知手段と、移動体の移動方向を検知する方位検知手段と、前記方位検知手段と前記方位検知手段とにより検知される前記移動体の移動方向と位置とを地図情報に関連して表示手段に表示する表示制御手段とを備えるナビゲーション装置における表示制御方法であって、方向検知手段により前記移動方向の指示を検知するとき、前記方位検知手段により前記移動体の現在位置と移動方向を取得し、前記表示制御手段により、前記地図情報を参照して前記移動方向にある直近の分岐路を特定し、前記表示制御手段により、前記方向検知手段により検知される前記分岐路からの移動方向に対応する地図情報を前記表示手段の上方向に向けて表示することを特徴とする表示制御方法を提供することにより達成される。
【0019】
また上記目的は、本発明の第五の側面によれば、制御プログラムを格納する記憶手段と、前記記憶手段から前記制御プログラムを読み出して実行し、地図情報を表示手段に表示させる制御手段とを備えるナビゲーション装置において、前記制御手段に、移動体の位置と移動方向を検知させ、前記制御手段に、前記移動体の現在位置から移動方向にある直近の分岐路に対して、前記移動体から移動方向の指示を検知させ、前記制御手段に、検知される前記移動体の位置と移動方向を前記地図情報に関連して表示手段に表示させ、かつ、前記分岐路からの移動方向が検知されるとき、前記検知される前記分岐路からの移動方向に対応する地図情報を前記表示手段の上方向に向けて表示させることを特徴とするプログラムを提供することにより達成される。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、交差点の手前で交差点を曲がった後の情報をより多く取得することができる。また、実際に利用者がウインカを使用するタイミングで交差点を曲がった後の情報が提供されるため、仮に目的地までの誘導経路が設定されていなくても情報の取得が可能である。逆に、設定される誘導経路に従わない場合でも、利用者が実際に曲がろうとする交差点の先の情報を取得することが可能になる。
【0021】
更に、ウインカ信号が消失するとき又は所定時間が経過するとき、元の通常表示(ノースアップ表示、ヘッドアップ表示)に戻すようにすることも可能である。すると、交差点の手前でウインカを出した状態で信号待ちをするとき、利用者は、ナビゲーション装置に
対してスクロール操作や画面縮尺切り替え操作等手動の操作をすることなく、右左折地点の先の情報を取得することができると共に、交差点を曲がり終わると、自動的に元の通常表示に戻るので、違和感なく運転を続けることができるようになる。交差点において利用者の操作を必要としないため、ナビゲーション装置に対する利便性が向上する
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面に従って説明する。しかしながら、本発明の技術的範囲はかかる実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物にまで及ぶものである。
【0023】
図1は、本発明の実施形態におけるナビゲーション装置1の構成ブロック図である。特に本実施形態においては、移動体を自動車とし、カーナビゲーション装置について説明する。本実施形態のナビゲーション装置1は、ウインカ(方向指示器)が使用されることを、右折又は左折の最終意思表示として捉え、ウインカの使用により生じるウインカ信号を検出すると、右折又は左折後の地図情報を先読みして提示することを特徴とする。更に、このとき、自車位置の表示を表示部の中心からずらしたり、表示される道路長(目的地までの経路が設定されていれば経路長)が最大になるように表示することにより、利用者に一度に多くの情報を提示するものである。
【0024】
ナビゲーション装置1は、バス14を介して互いに接続される制御部11、RAM(Random
Access Memory)12、ROM(Read Only Memory)13、ドライブ部15、情報が入力される入力部16、情報を出力し、利用者に情報を与えるための表示部17、センサ信号処理部18、不揮発性メモリであるNV-MEM(NonVolatile MEMory)19を含む。
【0025】
制御部11は、図示省略されたCPU(Central Processing Unit)を含み、RAM12に格納
されるプログラムを実行し、ナビゲーション装置1に含まれる各部を制御する。RAM12
は、ナビゲーション装置1の処理における演算結果やプログラムが一時的に格納される記憶手段である。
【0026】
ROM13は、ナビゲーション装置1を制御するOS (Operating System) 等のプログラム
が格納される記憶手段である。NV-MEM19は、ナビゲーション装置1への電源供給停止後も必要なデータを保存するための不揮発性記憶手段である。
【0027】
ドライブ部15は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto-Optical)ディスク等の記憶媒体に格納される地図情報を読み出すための装置である。近年では、ドライブ部としてハードディスクを搭載するナビゲーション装置も登場している。
【0028】
入力部16は、ボタン、十字キー、液晶ディスプレイに備えられるタッチパネル等利用者の要求が入力される入力手段である。表示部17は、情報を出力し、利用者に情報を与えるための表示手段であり、CRT(Cathode Ray Tube)、液晶ディスプレイ等利用者に情報
を提供する表示手段である。
【0029】
センサ信号処理部18は、各種センサからの信号を処理してそれを制御部11に与える。各種センサには、自車の現在地を計測するためのGPS(Global Positioning System)センサ、車輪の回転数に応じて発生する車速パルスに基づき走行距離を算出する距離センサ、進行方向を検出するジャイロセンサ、ウインカの始動を検出し、右左折のどちらかを特定するウインカセンサなどが含まれる。
【0030】
こうして、ナビゲーション装置1は、センサ信号処理部18を介して得られる情報と、ドライブ部を介して読み出される地図情報とに基づき制御部11が処理することにより、
自車の現在地を算出し、自車の位置を示す印と現在地周辺の地図とを併せて表示部17に表示する。また、利用者が入力する目的地までの誘導経路が算出され、併せて表示部17に表示されることもある。利用者は、表示される地図や自車位置を見て、誘導経路に沿って目的地まで運転を続けることができる。
【0031】
図2は、本実施形態におけるナビゲーション装置1の動作を説明するフローチャートである。ナビゲーション装置1は、まず通常表示として、自車の現在地周辺の地図と、自車の現在位置を示す印とを、ノースアップ表示又はヘッドアップ表示により表示部17に表示する(S1)。以下、図2ステップS1の通常表示について説明する。
【0032】
図3は、本実施形態で使用する地図の一例を示す図である。図3には、2次元座標が導入されており、上が北になっている。この2次元座標を地図座標系と呼ぶことにする。
【0033】
地図は、交差点や曲がり角といった属性を持つノードと、各ノードを接続する道路であるリンクにより形成される。ノードの属性には、他に、行き止まりを示す端点や、立体交差、県境等があり、こうした特徴を備える位置にノードが配置されることになる。図3においては、説明のためにノード、リンクそれぞれの一部に対してだけ識別記号を振ってあるが、丸印がノード、丸印間を接続する線がリンクである。
【0034】
ナビゲーション装置1は、広大な地図の中から利用者に提示する部分を切り取る。図3において太線で囲まれる表示領域31が、表示部17に表示される、つまり利用者に提示される部分である。表示領域31には、自車の現在地を示す印(丸い点線の円に囲まれる三角形)21が含まれており、利用者は現在地周辺の地図を見ることができる。
【0035】
図4は、地図情報のデータ構成例を示す図である。図4の地図データは、「ノード」「属性」「位置座標」「接続ノード」「リンク」「距離」「出口方向」というデータ項目を含む。
【0036】
「ノード」は、各ノードを識別する識別子である。「属性」は、ノードの属性を示す情報である。「位置座標」は、ノードの位置を示す位置情報であり、位置座標としては緯度経度を使用することができる。
【0037】
「接続ノード」は、あるノードに接続される他のノードを識別する識別子である。「リンク」は、あるノードに接続されるリンクを識別する識別子である。「距離」は、リンクの長さであり、リンクを自車が走行するときの距離である。「出口方向」は、ノードから出るときに自車が向く方向である。
【0038】
「出口方向」は、例えば、地図座標系におけるX軸からの角度等で記述される。「経路設定」は、各リンクが、利用者が指定する目的地までの誘導経路に含まれるかを示すフラグ情報である。
【0039】
例えば、図3を例に取れば、ノードN1は、北東方向にノードN2と、南東方向にノードN3と、南西方向にノードN6と、北西方向にノードN7と所定長のリンクを介して接続されている交差点である。これをデータにして表現したものが、図4の1行目から4行目のエントリである。また、図4を参照すれば、ノードN1とノードN3を接続するリンクL13が誘導経路に含まれることがわかる。
【0040】
地図情報に地図座標系が導入されるように、表示領域31に対しても座標系が導入される。これを表示座標系と呼ぶことにする。例えば、表示領域の左下を原点とする2次元座標を導入することができる。表示部17への表示の際は、地図座標系の位置を、表示座標
系に変換することが行われる。以降、地図座標系を大文字のXY座標系として、表示座標系を小文字のxy座標系として記述する。
【0041】
図5は、地図座標系から表示座標系への変換の様子を説明する図である。表示座標系の座標は、原点の平行移動と座標の回転によって求めることができ、例えば、表示座標系の原点が、地図座標系における点(p、q)であり、座標の角度差がα度であれば、地図座標系の位置(m、n)は、次式により表示座標系の座標(x、y)に変換される。
【0042】
【数1】
【0043】
図6は、ノースアップ表示の表示領域とヘッドアップ表示の表示領域を示す図である。通常表示においては、自車位置21が表示部17の中心になるように表示されるから、ノースアップ表示の場合、ナビゲーション装置1は、表示領域32を設定する。ヘッドアップ表示の場合、ナビゲーション装置1は、表示領域33を設定する。
【0044】
図7は、ノースアップ表示における表示部17での表示例を示す図である。ノースアップ表示の場合、自車位置21を中心とする表示領域32(図7右図)が表示部17に表示されることになる。
【0045】
図8は、ヘッドアップ表示における表示部17での表示例を示す図である。ヘッドアップ表示の場合、自車位置21を中心とする表示領域33(図8右図)が表示部17に表示されることになる。
【0046】
ナビゲーション装置1における処理に置き換えて説明するならば、制御部11は、センサ信号処理部18を介して取得するGPSセンサからの情報を基に自車の現在地を算出し、
表示方法に合わせて表示領域32又は33を設定する。制御部11は、設定された表示領域に含まれる地図情報を読み出し、自車の現在地周辺の地図を表示部17に表示するための描画データを生成し、D/A変換を行い、表示部17に表示する。
【0047】
また、制御部11は、センサ信号処理部18を介して取得するジャイロセンサからの情報を基に自車の進行方向を求め、自車位置を示す印21の三角形の先端が、求められた進行方向を向くような描画データも生成する。こうして、図7又は8に示されるような画面が表示部に表示され、図2ステップS1の通常表示が行われる。
【0048】
図2に戻り、通常表示を行っているとき、ナビゲーション装置1は、ウインカ信号が検出されるかを確認する(S2)。ステップS2では、センサ信号処理部18を介して、ウインカの始動時に生じるウインカ信号が検出されなければ(S2No)、ナビゲーション装置1は、ウインカ信号の入力までそのまま通常表示を行う。
【0049】
ウインカ信号が検出されると(S2Yes)、ナビゲーション装置1は、右左折後の情報がより多く表示されるよう、表示領域を変更し(S3)、その表示態様を続行する。ステップS3では、ナビゲーション装置1が、例えば、右折又は左折後の地図情報を先読みして提示する。更に、ナビゲーション装置1は、自車位置の表示を表示部の中心からずら
したり、表示される道路長(目的地までの経路が設定されていれば経路長)が最大になるように表示することにより、利用者に一度に多くの情報を提示する。この表示領域変更処理については、後述する。
【0050】
図9は、本実施形態におけるナビゲーション装置1の動作の変形例を説明するフローチャートである。図2においては、ステップS3による表示領域変更処理の後、変更後の表示態様が続行するが、図9Aに示すように、ウインカ信号が検出される間(S4Yes)は、ステップS3で変更後の表示態様を続行し、検出されていたウインカ信号が消失するとき(S4No)、通常表示に戻す(S5)ようにしてもよい。また、図9Bに示すように、表示領域の変更の後所定時間が経過したら(S6Yes)、通常表示に戻す(S5)ようにすることもできる。
【0051】
以下、右左折後の情報がより多く表示される表示の態様(表示領域変更処理)について具体的に説明する。
【0052】
[第1の表示態様]
第1の表示態様は、ウインカが使用されることを、右折又は左折の最終意思表示として捉え、ウインカの使用により生じるウインカ信号を検出すると、右折又は左折後の地図情報を先読みして提供するものである。
【0053】
図10は、第1の表示態様における表示領域変更処理(図2ステップS3)を説明するフローチャートである。まず、制御部11は、自車の現在地と進行方向を取得し(S30)、現在地から進行方向前方にある交差点を特定する(S32)。既に述べたように、制御部11は、自車の現在地と進行方向を、センサ信号処理部18を介して入力される情報から取得することができる。そして、地図情報(図4)を参照することにより、地図情報に基づき、自車が走行中の道路(リンク)を特定し、進行方向にある次の交差点を特定する。
【0054】
続いて、制御部11は、センサ信号処理部18を介して入力されるウインカ信号に基づき、右折か左折かを特定する(S34)。そして、制御部11は、ステップS32で特定される前方交差点と、ステップS34で特定される右左折方向とに基づき、前方交差点の右左折方向に存在するリンクの出口方向を上向きとする表示領域を設定する(S35)。
【0055】
最後に、制御部11は、ステップS35で設定された表示領域を表示部17に表示する処理を行うと(S42)、第1の表示態様処理は終了し、その後の処理が続いてゆく。ステップS42において、制御部11は、設定された表示領域を表示部17に表示するための描画データを生成し、D/A変換を行い、表示部17の表示を通常表示から変更する。
【0056】
第1の表示態様の具体的な表示例を次に説明する。
【0057】
図11は、第1の表示態様における表示領域と、表示部17での表示例を示す図である。例えば、通常表示として、図7又は図8に示す表示が行われている状態で、利用者の自動車が図11に示される表示領域34の中央にある交差点(ノードN9)に近づき、右折するものとする。
【0058】
自動車が接近する交差点に対応するノードには、地図座標系(XY系)で見るとき、出口方向が北西方向となるリンクと、出口方向が南東方向になるリンクとが接続される。従って、交差点への接近方向から見て右折するとは、地図座標系で見て南東方向にあるリンクが選択されることを意味する。
【0059】
そして、ステップS35にいう「前方交差点の右左折方向に存在するリンクの出口方向」は、図11中矢印24で示される方向(略南東方向)となる。正確には、地図情報(図4)を参照し、自動車が接近する交差点に対応するノードと、前方交差点の右左折方向に存在するリンクとを特定することで得られる「出口方向」となる。
【0060】
すると、図11右図に示されるように、地図座標系における南東方向を上向きとし、自車の現在地を示す印21が中央に配置された表示領域34(図11右図)が、交差点の手前のウインカを出すタイミングで表示部17に表示されることになる。
【0061】
図12は、第1の表示態様において、複数の出口がある場合の表示領域の設定法を説明する図である。例えば、ヘッドアップ表示された状態で、図12Aに示される表示領域35aの中央にある交差点に近づき左折するものとする。
【0062】
自動車が接近する交差点に対応するノードには、地図座標系(XY系)で見るとき、共に北東方向に2つのリンクL131、L132が接続される。従って、交差点への接近方向から見て左折するとき、出口方向を1つに絞ることができない。
【0063】
このような場合、例えば、図4の地図情報における「出口方向」が角度により指定されていれば、制御部11は、最も外側に位置する2つのリンク(図12Bの場合、2つしかないので、リンクL131とL132)を特定し、地図情報を参照してそれぞれの「出口方向」を取得する。そして、制御部11は、2つのリンクの角度差を算出し、2つのリンクがなす角度を二分する二等分線方向を「前方交差点の右左折方向に存在するリンクの出口方向」とする。すると、自車の現在地を示す印21が中央に配置された表示領域35(図12C)が設定され、交差点の手前のウインカを出すタイミングで表示部17に表示されることになる(図12D)。
【0064】
以上に説明した第1の表示態様を実施すると、交差点の手前で交差点を曲がった後の情報を取得することができる。また、実際に利用者がウインカを使用するタイミングで交差点を曲がった後の情報が提供されるため、仮に目的地までの誘導経路が設定されていなくても情報の取得が可能である。逆に、設定される誘導経路に従わない場合でも、利用者が実際に曲がろうとする交差点の先の情報を取得することが可能になる。
【0065】
[第2の表示態様]
第2の表示態様は、自車位置の表示を表示部17の中心から離すことによって一度に多くの情報を利用者に提供するものである。
【0066】
図13は、第2の表示態様における表示領域変更処理を説明するフローチャートである。図13において、第1の表示態様(図10)と同じ処理には同じステップ番号を振り、説明は省略する。
【0067】
まず、制御部11が、ウインカ信号に基づき、右折か左折かを特定する(S34)。次に、制御部11は、NV-MEM19に予め格納されるオフセット値を取得する(S36)。
【0068】
図14は、NV-MEM19に格納されるオフセット表のデータ構成例を示す図である。図14のオフセット表は、「右左折」「オフセット」というデータ項目を含む。
【0069】
「右左折」は、右折用のオフセット値か左折用のオフセット値かを識別するフラグ情報である。「オフセット」は、自車位置を示す印21を表示部17の画面中心からずらす量を特定するオフセット値である。図14においては、表示座標系における位置ベクトルとしてオフセット値が格納される。オフセット値は、表示座標系における原点からのずれ量
として定義することも可能である。
【0070】
図15は、オフセット値が設定される様子を示す画面例である。画面201は、表示部17に表示されるナビゲーション装置のメニュー画面の例である。メニューには、設定を行うための「設定」ボタン91が用意され、タッチパネルタイプの表示部17であれば、このボタンに触れることにより、次の画面が展開される。
【0071】
画面202は、画面201で、設定ボタン91が選択されることにより展開されるサブメニュー画面である。サブメニューには、ラジオやテレビのチューニング設定を行うための、「局設定」、音楽を再生するためのモードを設定する「プレイモード設定」、そしてオフセット値を設定するための「オフセット値設定」などが含まれる。
【0072】
画面203は、画面202にて「オフセット値設定」が選択されることにより展開される画面である。この画面において、利用者がリモコンやタッチパネル、十字キー等の入力部16を介して右折用、左折用のオフセット値を入力することができる。オフセット値は、入力フィールド92、93に数字として入力される。利用者は、前者92には、例えば、表示座標系におけるx軸成分のオフセット量を、後者93には、表示座標系におけるy軸成分のオフセット量を入力する。
【0073】
決定ボタン94に触れることにより、入力フィールドに入力された値が確定され、確認画面204が表示される。そしてオフセット値は、図14に示すデータ形式でNV-MEM19に格納される。
【0074】
こうして、利用者は自由にオフセット値を設定することもできる。また一度設定されたオフセット値を自由に変更することもできる。
【0075】
図13に戻り、制御部11は、オフセット値に基づき自車位置を示す印21を所定量ずらして表示領域の位置を設定する(S37)。制御部11は、自車の現在地を取得し、その現在地にオフセット値を足して算出される座標を中心とする表示領域を設定する。こうすることで、表示領域における自車位置表示21が、表示領域の中心からオフセット値だけずれることになる。
【0076】
ステップS37において表示領域の位置が決定すれば、制御部11は、位置が決定された表示領域のどちらを上向きにするか上辺を決定する(S40)。表示領域のどちらを上向きにするかを決定する方法はいくつかあり、詳細は後述する。
【0077】
こうして、ステップS37で位置を決定し、ステップS40で上辺を決定することで、制御部11は、第2の表示態様における表示領域を設定する。最後に、制御部11は、設定された表示領域を表示部17に表示する処理を行うと(S42)、第2の表示態様処理は終了し、その後の処理が続いてゆく。
【0078】
第2の表示態様の具体的な表示例を次に説明する。
【0079】
図16は、通常表示(ノースアップ表示)の表示領域と、第2の表示態様(その1)の表示領域と、第2の表示態様(その2)の表示領域を示す図である。図16において、表示領域31aは、通常表示状態における表示領域の例である。利用者の自動車が図16に示される表示領域31aの中央にある交差点(ノードN9)に近づき、右折するものとする。
【0080】
すると、ステップS37において、右折用のオフセット値が使用され、自車の現在位置
にオフセット値を足した地点が表示領域の中心に据えられる。ステップS37で決定されるのは、表示領域の位置であるため、その長辺のうちどちらを上辺にするかはまだ定まっていない。図16には、オフセットした状態で、南北方向のいずれかを上向きとする表示領域36と、オフセットした状態で進行方向又はその逆向きのいずれかを上向きとする表示領域37が描かれる。
【0081】
図17は、第2の表示態様(その1)における表示部17での表示例を示す図である。ここでは、表示領域36を北を上向きとして表示する例を示す。すると、自車位置21が中心からオフセットされた表示領域36(図17右図)が表示部17に表示されることになる。
【0082】
図18は、第2の表示態様(その2)における表示部17での表示例を示す図である。ここでは、表示領域37を自車の進行方向を上向きとして表示する例を示す。すると、自車位置21が中心からオフセットされた表示領域37(図18右図)が表示部17に表示されることになる。図18を見れば、右折時の情報が通常表示よりも多く表示されるという効果が特に顕著に現れる。
【0083】
続いて、図13ステップS40における上辺決定処理について説明する。
【0084】
図19は、表示領域の上辺を決定する方法(その1)を示す図である。ここでは、自車の現在地から進行方向に伸ばした線分とぶつかる長辺が表示領域の上辺と決定される。図19においては、目的地までの誘導経路61が黒で示され、通常の道路62は白で示される。誘導経路が表示領域から切れる箇所が誘導経路の出口63である。
【0085】
図19Aに示される表示領域において、自車位置を示す印21から進行方向41に伸ばした線分は、辺51にぶつかる。従って、点線で示される辺51が上辺として決定される。
【0086】
この決定方法では、図19Bに示すように、自車位置を示す印21から進行方向42に伸ばした線分が最初に辺54にぶつかる場合や、自車位置を示す印21から進行方向43に伸ばした線分が最初に辺54にぶつかる場合であっても、上辺を決定することができる。それは、それらの線分が最終的にはそれぞれ、長辺51、長辺53とぶつかることになるためである。
【0087】
結局、図19Aにおいて、自車位置を示す印21から進行方向に伸ばした線分が、範囲71にて表示領域とぶつかる場合、辺51が上辺となり、範囲72にてぶつかる場合、辺53が上辺として決定される。範囲71は、辺54の中点から辺51を経由して辺52の中点までの線分を示す。範囲72は、残りの部分である。
【0088】
従って、図19Aの場合、辺51が上辺と決定される結果、図19Cに示される表示領域が表示部17に表示されることになる。
【0089】
図20は、表示領域の上辺を決定する方法(その2)を示す図である。ここでは、目的地までの誘導経路が設定されている場合、誘導経路が表示領域を抜ける地点(誘導経路の出口)に近い長辺が表示領域の上辺と決定される。図20においては、目的地までの誘導経路61が黒で示され、通常の道路62は白で示される。誘導経路が表示領域から切れる箇所が誘導経路の出口63である。
【0090】
図20Aに示される表示領域において、誘導経路の出口63は、辺53に近い。従って、点線で示される辺53が上辺として決定される。
【0091】
この決定方法でも、図20Aにおいて、誘導経路の出口63が範囲71内に位置する場合、辺51が上辺となり、範囲72内に位置する場合、辺53が上辺として決定される。範囲71は、辺54の中点から辺51を経由して辺52の中点までの線分を示す。範囲72は、残りの部分である。
【0092】
従って、図20Aの場合、辺53が上辺と決定される結果、図20Bに示される表示領域が表示部17に表示されることになる。
【0093】
図21は、表示領域の上辺を決定する方法(その3)を示す図である。ここでは、直前の表示領域との角度変化が少なくなるように表示領域の上辺が決定される。図21においては、目的地までの誘導経路61が黒で示され、通常の道路62は白で示される。誘導経路が表示領域から切れる箇所が誘導経路の出口63である。
【0094】
図21Aに示される表示領域において、自車位置を示す印21aが直前の自車位置、印21bが現在の自車位置である。直前の自車位置に対応する表示領域においては、辺51が上辺として決定されている(図21B参照)。
【0095】
このとき、現在の自車位置の上辺を辺51とする場合の角度変化は、角度αで示される。現在の自車位置の上辺を辺53とする場合の角度変化は、角度βで示される。この場合図21Aから明らかなように、α<βであるため、点線で示される辺51が上辺として決定される。
【0096】
従って、図21Aの場合、辺51が上辺と決定される結果、図21Cに示される表示領域が表示部17に表示されることになる。
【0097】
なお、オフセット値は、図14に示すように右折用、左折用に分けて設定することもできるが、1つのオフセット値を右折時、左折時に共通に用いてもよい。右折用と左折用に分けて設定することにより、表示される自車位置を示す印21の位置を見れば、利用者が右折しようとしているか左折しようとしているか見分けることができる。ただし、右折時、左折時に共通に用いても、利用者により多くの情報を提供する目的は達せられるため、特にどちらでも問題はない。
【0098】
また、1つのオフセット値を指定しても、上辺決定処理(図13S40)により表示領域が逆転する場合があるため、そのオフセット値により定められる位置とは原点を中心とする点対称な位置に、自車位置マーク21が表示される場合もある。この場合でも、利用者により多くの情報を提供する目的は達せられるため、特に問題はない。
【0099】
以上に説明した第2の表示態様を実施すると、自車位置を示す印が隅に寄るため、地図を表示可能な領域が自車位置を中心に据えるより大きく展開されることになり、一度に多くの情報を利用者に提供することができる。第2の表示態様は、第1の表示態様と組み合わせて用いることも可能である。その場合、第1の表示態様を実施する場合の効果に加えて、更に、一度に多くの情報を利用者に提供することが可能になる。
【0100】
[第3の表示態様]
第3の表示態様は、表示領域を変化させるとき、表示領域内に含まれる道路長(目的地までの経路が設定されていれば、経路長)を最大にするような表示領域を設定することによって一度に多くの情報を利用者に提供するものである。制御部11は、オフセット値の設定の有無に関係なく、表示領域に含まれる道路長(目的地までの経路が設定される場合、経路長)が最大となるように表示領域を設定する。
【0101】
図22は、第3の表示態様における表示領域変更処理を説明するフローチャートである。図22において、第1又は第2の表示態様(図10、図13)と同じ処理には同じステップ番号を振り、説明は省略する。
【0102】
まず、制御部11が、ウインカ信号に基づき、右折か左折かを特定する(S34)。次に、制御部11は、NV-MEM19に予め格納されるオフセット値を取得する(S36)。
【0103】
そして、制御部11は、オフセットした状態で表示される道路又は経路が最長となるよう、表示領域の位置を決定する(S38)。制御部11は、自車の現在地を取得し、その現在地にオフセット値を足して算出される座標を表示領域の中心とする表示領域を1つ生成する。
【0104】
そして、自車の現在位置を回転中心として生成された表示領域を回転するとき、各表示領域が切り取ることのできる道路長(経路長)を算出し、その長さが最大となる表示領域を利用者に提示する表示領域として決定する。こうすることで、利用者にとって有益な(提供される情報量の多い)表示領域が表示部17に表示されることになる。
【0105】
表示領域に含まれる道路長の算出は、地図情報(図4)を参照することで次のようにして行うことができる。まず、ステップS38の処理を行う時点で、回転中心と表示領域の中心が1つは判明している。
【0106】
表示領域の範囲は中心が決定すれば決定されるため、表示領域内に含まれるノードを特定し、そのノード間の「距離」(図4)の合計を算出すれば、表示領域に含まれる道路長の算出が可能である。また、地図情報の「経路設定」(図4)を参照し、誘導経路に含まれるリンクの「距離」(図4)の合計を算出すれば、表示領域に含まれる経路長の算出も可能である。
【0107】
以上のようにして制御部11は、自車の現在位置を回転中心として表示領域を回転するとき、角度を変えては、道路長を算出し、最大となる位置をサーチする。ステップS38において表示領域の位置が決定すれば、位置が決定された表示領域のどちらを上向きにするか上辺を決定する(S40)。上辺決定処理は、図19から図21において述べた通りである。
【0108】
ステップS38で位置を決定し、ステップS40で上辺を決定することで、制御部11は、第3の表示態様における表示領域を設定する。最後に、制御部11は、設定された表示領域を表示部17に表示する処理を行うと(S42)、第3の表示態様処理は終了し、その後の処理が続いてゆく。
【0109】
図22においては、オフセット値を取得し、オフセットした状態で表示される道路長を最大にしたが、オフセット値が(0、0)であっても図22のフローを適用することができる。オフセット値が(0、0)であることは、オフセットを行わないことに等しく、つまり、オフセット値の設定の有無に関係なく本フローを適用可能であることになる。
【0110】
図23は、第3の表示態様(その1)における表示領域と、表示部17での表示例を示す図である。図23は、オフセット値が(0、0)である場合又は、オフセット値が設定されていない場合における第3の表示態様の表示例である。
【0111】
オフセットが行われないため、自車位置21が表示領域の中心であると共に、回転中心にもなる。この状態で、回転中心を中心として表示領域を矢印方向71に回転させるとき
、点線で示される表示領域38が、その領域内に含まれる道路長が最大の表示領域であるとする。すると、自車位置21を中心とする表示領域であって、自車位置21を中心に回転するとき含まれる道路長が最大となる表示領域38(図23右図)が表示部17に表示されることになる。
【0112】
図24は、第3の表示態様(その2)における表示領域を示す図である。図24は、所定のオフセット値が設定されている場合における第3の表示態様の表示例である。
【0113】
オフセットが行われており、自車位置21が回転中心である。表示領域の中心は、それとは異なる。この状態で、回転中心を中心として表示領域を矢印方向72に回転させてサーチする。
【0114】
図25は、第3の表示態様(その2)におけるサーチ結果である、左折用の表示領域と右折用の表示領域を示す図である。図25には、図24の矢印方向72に表示領域を回転させてサーチした結果、自車位置21が接近中の交差点(ノードN9)の左折方向において、含まれる道路長が最大となる表示領域39と、右折方向において、含まれる道路長が最大となる表示領域40が描かれる。
【0115】
図26は、第3の表示態様(その2)における表示部17での表示例を示す図である。ここでは、自車の進行方向により上辺が決定される例を示す。すると、自車位置21が中心からオフセットされた表示領域であって、自車位置21が接近中の交差点(ノードN9)の左折方向において含まれる道路長が最大となる表示領域39(図26右図)が表示部17に表示されることになる。
【0116】
図27は、第3の表示形態(その3)における表示部17での表示例を示す図である。ここでは、自車の進行方向により上辺が決定される例を示す。すると、自車位置21が中心からオフセットされた表示領域であって、自車位置21が接近中の交差点(ノードN9)の右折方向において含まれる道路長が最大となる表示領域40(図27右図)が表示部17に表示されることになる。
【0117】
第3の表示態様は、オフセット値が設定されている場合でも、そうでない場合でも、一度に多くの情報を利用者に提供する効果を与える。第3の表示態様も、第1の表示態様と組み合わせて用いることが可能である。その場合、第1の表示態様を実施する場合の効果に加えて、更に、一度に多くの情報を利用者に提供することが可能になる。
【0118】
なお、上記説明においては、ウインカ信号の検出を待って表示の変更が行われるが、オフセット表示と最長経路表示については、ウインカ信号の検出に関係なくそれらの表示を行う場合でも、従来技術における課題を解決することができる。
【0119】
こうして、本実施形態のナビゲーション装置を使用することで、交差点の手前で交差点を曲がった後の情報をより多く取得することができる。また、実際に利用者がウインカを使用するタイミングで交差点を曲がった後の情報が提供されるため、仮に目的地までの誘導経路が設定されていなくても情報の取得が可能である。逆に、設定される誘導経路に従わない場合でも、利用者が実際に曲がろうとする交差点の先の情報を取得することが可能になる。
【0120】
更に、ウインカ信号が消失するとき又は所定時間が経過するとき、元の通常表示(ノースアップ表示、ヘッドアップ表示)に戻すようにすることも可能である(図9)。すると、交差点の手前でウインカを出した状態で信号待ちをするとき、利用者は、ナビゲーション装置に対してスクロール操作や画面縮尺切り替え操作等手動の操作をすることなく、右
左折地点の先の情報を取得することができると共に、交差点を曲がり終わると、自動的に元の通常表示に戻るので、違和感なく運転を続けることができるようになる。交差点において利用者の操作を必要としないため、ナビゲーション装置に対する利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明の実施形態におけるナビゲーション装置の構成ブロック図である。
【図2】本実施形態におけるナビゲーション装置の動作を説明するフローチャートである。
【図3】本実施形態で使用する地図の一例を示す図である。
【図4】地図情報のデータ構成例を示す図である。
【図5】地図座標系から表示座標系への変換の様子を説明する図である。
【図6】ノースアップ表示の表示領域とヘッドアップ表示の表示領域を示す図である。
【図7】ノースアップ表示における表示部での表示例を示す図である。
【図8】ヘッドアップ表示における表示部17での表示例を示す図である。
【図9】本実施形態におけるナビゲーション装置の動作の変形例を説明するフローチャートである。
【図10】第1の表示態様における表示領域変更処理を説明するフローチャートである。
【図11】第1の表示態様における表示領域と、表示部での表示例を示す図である。
【図12】第1の表示態様において、複数の出口がある場合の表示領域の設定法を説明する図である。
【図13】第2の表示態様における表示領域変更処理を説明するフローチャートである。
【図14】オフセット表のデータ構成例を示す図である。
【図15】オフセット値が設定される様子を示す画面例である。
【図16】通常表示(ノースアップ表示)の表示領域と、第2の表示態様(その1)の表示領域と、第2の表示態様(その2)の表示領域を示す図である。
【図17】第2の表示態様(その1)における表示部での表示例を示す図である。
【図18】第2の表示態様(その2)における表示部17での表示例を示す図である。
【図19】表示領域の上辺を決定する方法(その1)を示す図である。
【図20】表示領域の上辺を決定する方法(その2)を示す図である。
【図21】表示領域の上辺を決定する方法(その3)を示す図である。
【図22】第3の表示態様における表示領域変更処理を説明するフローチャートである。
【図23】第3の表示態様(その1)における表示領域と、表示部での表示例を示す図である。
【図24】第3の表示態様(その2)における表示領域を示す図である。
【図25】第3の表示態様(その2)におけるサーチ結果である、左折用の表示領域と右折用の表示領域を示す図である。
【図26】第3の表示態様(その2)における表示部での表示例を示す図である。
【図27】第3の表示形態(その3)における表示部での表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0122】
1 ナビゲーション装置、11 制御部、12 RAM、13 記憶部、14 バス、1
5 周辺機器インタフェース、16 入力部、17 表示部、18 センサ信号処理部、21 自車位置を示す印、31〜40 表示領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の位置を検知する位置検知手段と、
移動体の移動方向を検知する方位検知手段と、
前記方位検知手段と前記方位検知手段とにより検知される前記移動体の移動方向と位置とを地図情報に関連して表示手段に表示する表示制御手段と、
前記移動体の現在位置から移動方向にある直近の分岐路に対して、前記移動体から移動方向の指示を検知する方向検知手段とを有し、
前記表示制御手段は、前記方向検知手段により検知される前記分岐路からの移動方向に対応する地図情報を前記表示手段の上方向に向けて表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記表示変更手段は、前記方向検知手段が前記移動方向の指示を検知しなくなるとき、前記分岐路からの移動方向に対応する地図情報を前記表示手段の上方向に向けて表示する前の表示態様に戻すことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
移動体の位置を検知する位置検知手段と、
移動体の移動方向を検知する方位検知手段と、
前記方位検知手段と前記方位検知手段とにより検知される前記移動体の移動方向と位置とを地図情報に関連して表示手段に表示する表示制御手段と、
前記移動体の現在位置から移動方向にある直近の分岐路に対して、前記移動体から移動方向の指示を検知する方向検知手段とを有し、
前記表示制御手段は、前記方向検知手段により前記分岐路からの移動方向が検知されるとき、予め定められたオフセット値に基づき特定される位置に、前記移動体の現在位置を表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記表示変更手段は、前記方向検知手段が前記移動方向の指示を検知しなくなるとき、前記オフセット値を使用して表示する前の表示態様に戻すことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
移動体の位置を検知する位置検知手段と、
移動体の移動方向を検知する方位検知手段と、
前記方位検知手段と前記方位検知手段とにより検知される前記移動体の移動方向と位置とを地図情報に関連して表示手段に表示する表示制御手段と、
前記移動体の現在位置から移動方向にある直近の分岐路に対して、前記移動体から移動方向の指示を検知する方向検知手段とを有し、
前記表示制御手段は、前記方向検知手段により前記分岐路からの移動方向が検知されるとき、前記移動体の現在位置から進行先の経路が最も長く表示される表示領域を求め、前記表示領域に含まれる前記地図情報を表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記表示制御手段は、予め定められたオフセット値に基づき特定される位置に、前記移動体の現在位置を表示するとき、前記移動体の現在位置から進行先の経路が最も長く表示される前記表示領域を求めることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項5において、
前記表示制御手段は、前記方向検知手段が前記移動方向の指示を検知しなくなるとき、前記表示領域を表示する前の表示態様に戻すことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項3又は5において、
前記表示領域は略矩形であって、
前記表示制御手段は、前記分岐路に対する前記移動体の進入方向にある前記表示領域の長辺を、前記表示領域の上辺として表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
請求項3又は5において、
前記表示領域は略矩形であって、
前記表示制御手段は、直前の前記表示領域からの角度変化が少ない前記表示領域の長辺を、前記表示領域の上辺として表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項10】
請求項3又は5において、
前記表示領域は略矩形であって、
前記表示制御手段は、前記表示領域に含まれる前記経路の切れ目となる位置に近い前記表示領域の長辺を、前記表示領域の上辺として表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項11】
移動体の位置を検知する位置検知手段と、移動体の移動方向を検知する方位検知手段と、前記方位検知手段と前記方位検知手段とにより検知される前記移動体の移動方向と位置とを地図情報に関連して表示手段に表示する表示制御手段とを備えるナビゲーション装置における表示制御方法であって、
方向検知手段により前記移動方向の指示を検知するとき、前記方位検知手段により前記移動体の現在位置と移動方向を取得し、
前記表示制御手段により、前記地図情報を参照して前記移動方向にある直近の分岐路を特定し、
前記表示制御手段により、前記方向検知手段により検知される前記分岐路からの移動方向に対応する地図情報を前記表示手段の上方向に向けて表示することを特徴とする表示制御方法。
【請求項12】
請求項11において、
前記表示制御手段は、前記方向検知手段が前記移動方向の指示を検知しなくなるとき、前記分岐路からの移動方向に対応する地図情報を前記表示手段の上方向に向けて表示する前の表示態様に戻すことを特徴とする表示制御方法。
【請求項13】
移動体の位置を検知する位置検知手段と、移動体の移動方向を検知する方位検知手段と、前記方位検知手段と前記方位検知手段とにより検知される前記移動体の移動方向と位置とを地図情報に関連して表示手段に表示する表示制御手段とを備えるナビゲーション装置における表示制御方法であって、
方向検知手段により前記移動方向の指示を検知するとき、前記方位検知手段により前記移動体の現在位置を取得し、
前記表示制御手段により、予め定められたオフセット値に基づき特定される位置に、前記移動体の現在位置を表示することを特徴とする表示制御方法。
【請求項14】
請求項13において、
前記表示制御手段は、前記方向検知手段が前記移動方向の指示を検知しなくなるとき、前記オフセット値を使用して表示する前の表示態様に戻すことを特徴とする表示制御方法。
【請求項15】
移動体の位置を検知する位置検知手段と、移動体の移動方向を検知する方位検知手段と、前記方位検知手段と前記方位検知手段とにより検知される前記移動体の移動方向と位置
とを地図情報に関連して表示手段に表示する表示制御手段とを備えるナビゲーション装置における表示制御方法であって、
方向検知手段により前記移動方向の指示を検知するとき、前記方位検知手段により前記移動体の移動方向を取得し、
前記表示制御手段により、前記移動体の現在位置から先の経路が最も長く表示される表示領域を求め、前記表示領域に含まれる前記地図情報を表示することを特徴とする表示制御方法。
【請求項16】
請求項15において、
前記表示制御手段は、予め定められたオフセット値に基づき特定される位置に、前記移動体の現在位置を表示するとき、前記移動体の現在位置から先の経路が最も長く表示される前記表示領域を求めることを特徴とする表示制御方法。
【請求項17】
請求項15において、
前記表示制御手段は、前記方向検知手段が前記移動方向の指示を検知しなくなるとき、前記表示領域を表示する前の表示態様に戻すことを特徴とする表示制御方法。
【請求項18】
請求項13又は15において、
前記表示領域は略矩形であって
前記表示制御手段は、前記分岐路に対する前記移動体の進入方向にある前記表示領域の長辺を、前記表示領域の上辺として表示することを特徴とする表示制御方法。
【請求項19】
請求項13又は15において、
前記表示領域は略矩形であって、
前記表示制御手段は、直前の前記表示領域からの角度変化が少ない前記表示領域の長辺を、前記表示領域の上辺として表示することを特徴とする表示制御方法。
【請求項20】
請求項13又は15において、
前記表示制御手段は、前記表示領域に含まれる前記経路の切れ目となる位置に近い前記表示領域の長辺を、前記表示領域の上辺として表示することを特徴とする表示制御方法。
【請求項21】
制御プログラムを格納する記憶手段と、前記記憶手段から前記制御プログラムを読み出して実行し、地図情報を表示手段に表示させる制御手段とを備えるナビゲーション装置において、
前記制御手段に、移動体の位置と移動方向を検知させ、
前記制御手段に、前記移動体の現在位置から移動方向にある直近の分岐路に対して、前記移動体から移動方向の指示を検知させ、
前記制御手段に、検知される前記移動体の位置と移動方向を前記地図情報に関連して表示手段に表示させ、かつ、前記分岐路からの移動方向が検知されるとき、前記検知される前記分岐路からの移動方向に対応する地図情報を前記表示手段の上方向に向けて表示させることを特徴とするプログラム。
【請求項22】
請求項21において、
前記制御手段に、前記移動方向の指示が検知されなくなるとき、前記分岐路からの移動方向に対応する地図情報を前記表示手段の上方向に向けて表示する前の表示態様に戻させることを特徴とするプログラム。
【請求項23】
制御プログラムを格納する記憶手段と、前記記憶手段から前記制御プログラムを読み出して実行し、地図情報を表示手段に表示させる制御手段とを備えるナビゲーション装置において、
前記記憶手段には、前記移動体の位置を示す印が前記表示手段において表示される位置を特定するオフセット値が予め格納され、
前記制御手段に、移動体の位置と移動方向を検知させ、
前記制御手段に、前記移動体の現在位置から移動方向にある直近の分岐路に対して、前記移動体から移動方向の指示を検知させ、
前記制御手段に、前記検知される前記移動体の位置と移動方向を前記地図情報に関連して表示手段に表示させ、かつ、前記分岐路からの移動方向が検知されるとき、前記オフセット値に基づき特定される位置に、前記移動体の現在位置を表示させることを特徴とするプログラム。
【請求項24】
請求項23において、
前記制御手段に、前記移動方向の指示が検知されなくなるとき、前記オフセット値を使用して表示する前の表示態様に戻させることを特徴とするプログラム。
【請求項25】
制御プログラムを格納する記憶手段と、前記記憶手段から前記制御プログラムを読み出して実行し、地図情報を表示手段に表示させる制御手段とを備えるナビゲーション装置において、
前記記憶手段には、更に、移動体の目的地までの経路を特定する情報が予め格納されており、
前記制御手段に、移動体の位置と移動方向を検知させ、
前記制御手段に、前記移動体の現在位置から移動方向にある直近の分岐路に対して、前記移動体から移動方向の指示を検知させ、
前記制御手段に、前記検知される前記移動体の位置と移動方向を前記地図情報に関連して表示手段に表示させ、かつ、前記分岐路からの移動方向が検知されるとき、前記移動体の現在位置から先の経路が最も長く表示される表示領域を求めさせ、前記表示領域に含まれる前記地図情報を前記表示手段に表示させることを特徴とするプログラム。
【請求項26】
請求項25において、
前記制御手段に、予め定められたオフセット値に基づき特定される位置に、前記移動体の現在位置を表示するとき、前記移動体の現在位置から先の経路が最も長く表示される前記表示領域を求めさせることを特徴とするプログラム。
【請求項27】
請求項25において、
前記制御手段に、前記移動方向の指示が検知されなくなるとき、前記表示領域を表示する前の表示態様に戻させることを特徴とするプログラム。
【請求項28】
請求項23又は25において、
前記表示領域は略矩形であって
前記制御手段に、前記分岐路に対する前記移動体の進入方向にある前記表示領域の長辺を、前記表示領域の上辺として表示させることを特徴とするプログラム。
【請求項29】
請求項23又は25において、
前記表示領域は略矩形であって、
前記制御手段に、直前の前記表示領域からの角度変化が少ない前記表示領域の長辺を、前記表示領域の上辺として表示させることを特徴とするプログラム。
【請求項30】
請求項23又は25において、
前記制御手段に、前記表示領域に含まれる前記経路の切れ目となる位置に近い前記表示領域の長辺を、前記表示領域の上辺として表示させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
移動体の位置を検知する位置検知手段と、
移動体の移動方向を検知する方位検知手段と、
前記方位検知手段と前記方位検知手段とにより検知される前記移動体の移動方向と位置とを地図情報に関連して表示手段に表示する表示制御手段と、
前記移動体の現在位置から移動方向にある直近の分岐路に対して、前記移動体から移動方向の指示を検知する方向検知手段とを有し、
前記表示制御手段は、前記方向検知手段により検知される前記分岐路からの移動方向に対応する地図情報を前記表示手段の上方向に向けて表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記表示変更手段は、前記方向検知手段が前記移動方向の指示を検知しなくなるとき、前記分岐路からの移動方向に対応する地図情報を前記表示手段の上方向に向けて表示する前の表示態様に戻すことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
移動体の位置を検知する位置検知手段と、
移動体の移動方向を検知する方位検知手段と、
前記方位検知手段と前記方位検知手段とにより検知される前記移動体の移動方向と位置とを地図情報に関連して表示手段に表示する表示制御手段と、
前記移動体の現在位置から移動方向にある直近の分岐路に対して、前記移動体から移動方向の指示を検知する方向検知手段とを有し、
前記表示制御手段は、前記方向検知手段により前記分岐路からの移動方向が検知されるとき、予め定められたオフセット値に基づき特定される位置に、前記移動体の現在位置を表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記表示変更手段は、前記方向検知手段が前記移動方向の指示を検知しなくなるとき、前記オフセット値を使用して表示する前の表示態様に戻すことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
移動体の位置を検知する位置検知手段と、
移動体の移動方向を検知する方位検知手段と、
前記方位検知手段と前記方位検知手段とにより検知される前記移動体の移動方向と位置とを地図情報に関連して表示手段に表示する表示制御手段と、
前記移動体の現在位置から移動方向にある直近の分岐路に対して、前記移動体から移動方向の指示を検知する方向検知手段とを有し、
前記表示制御手段は、前記方向検知手段により前記分岐路からの移動方向が検知されるとき、前記移動体の現在位置から進行先の経路が最も長く表示される表示領域を求め、前記表示領域に含まれる前記地図情報を表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記表示制御手段は、予め定められたオフセット値に基づき特定される位置に、前記移動体の現在位置を表示するとき、前記移動体の現在位置から進行先の経路が最も長く表示される前記表示領域を求めることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項5において、
前記表示制御手段は、前記方向検知手段が前記移動方向の指示を検知しなくなるとき、前記表示領域を表示する前の表示態様に戻すことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項3又は5において、
前記表示領域は略矩形であって、
前記表示制御手段は、前記分岐路に対する前記移動体の進入方向にある前記表示領域の長辺を、前記表示領域の上辺として表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
請求項3又は5において、
前記表示領域は略矩形であって、
前記表示制御手段は、直前の前記表示領域からの角度変化が少ない前記表示領域の長辺を、前記表示領域の上辺として表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項10】
請求項3又は5において、
前記表示領域は略矩形であって、
前記表示制御手段は、前記表示領域に含まれる前記経路の切れ目となる位置に近い前記表示領域の長辺を、前記表示領域の上辺として表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項11】
移動体の位置を検知する位置検知手段と、移動体の移動方向を検知する方位検知手段と、前記方位検知手段と前記方位検知手段とにより検知される前記移動体の移動方向と位置とを地図情報に関連して表示手段に表示する表示制御手段とを備えるナビゲーション装置における表示制御方法であって、
方向検知手段により前記移動方向の指示を検知するとき、前記方位検知手段により前記移動体の現在位置と移動方向を取得し、
前記表示制御手段により、前記地図情報を参照して前記移動方向にある直近の分岐路を特定し、
前記表示制御手段により、前記方向検知手段により検知される前記分岐路からの移動方向に対応する地図情報を前記表示手段の上方向に向けて表示することを特徴とする表示制御方法。
【請求項12】
請求項11において、
前記表示制御手段は、前記方向検知手段が前記移動方向の指示を検知しなくなるとき、前記分岐路からの移動方向に対応する地図情報を前記表示手段の上方向に向けて表示する前の表示態様に戻すことを特徴とする表示制御方法。
【請求項13】
移動体の位置を検知する位置検知手段と、移動体の移動方向を検知する方位検知手段と、前記方位検知手段と前記方位検知手段とにより検知される前記移動体の移動方向と位置とを地図情報に関連して表示手段に表示する表示制御手段とを備えるナビゲーション装置における表示制御方法であって、
方向検知手段により前記移動方向の指示を検知するとき、前記方位検知手段により前記移動体の現在位置を取得し、
前記表示制御手段により、予め定められたオフセット値に基づき特定される位置に、前記移動体の現在位置を表示することを特徴とする表示制御方法。
【請求項14】
請求項13において、
前記表示制御手段は、前記方向検知手段が前記移動方向の指示を検知しなくなるとき、前記オフセット値を使用して表示する前の表示態様に戻すことを特徴とする表示制御方法。
【請求項15】
移動体の位置を検知する位置検知手段と、移動体の移動方向を検知する方位検知手段と、前記方位検知手段と前記方位検知手段とにより検知される前記移動体の移動方向と位置
とを地図情報に関連して表示手段に表示する表示制御手段とを備えるナビゲーション装置における表示制御方法であって、
方向検知手段により前記移動方向の指示を検知するとき、前記方位検知手段により前記移動体の移動方向を取得し、
前記表示制御手段により、前記移動体の現在位置から先の経路が最も長く表示される表示領域を求め、前記表示領域に含まれる前記地図情報を表示することを特徴とする表示制御方法。
【請求項16】
請求項15において、
前記表示制御手段は、予め定められたオフセット値に基づき特定される位置に、前記移動体の現在位置を表示するとき、前記移動体の現在位置から先の経路が最も長く表示される前記表示領域を求めることを特徴とする表示制御方法。
【請求項17】
請求項15において、
前記表示制御手段は、前記方向検知手段が前記移動方向の指示を検知しなくなるとき、前記表示領域を表示する前の表示態様に戻すことを特徴とする表示制御方法。
【請求項18】
請求項13又は15において、
前記表示領域は略矩形であって
前記表示制御手段は、前記分岐路に対する前記移動体の進入方向にある前記表示領域の長辺を、前記表示領域の上辺として表示することを特徴とする表示制御方法。
【請求項19】
請求項13又は15において、
前記表示領域は略矩形であって、
前記表示制御手段は、直前の前記表示領域からの角度変化が少ない前記表示領域の長辺を、前記表示領域の上辺として表示することを特徴とする表示制御方法。
【請求項20】
請求項13又は15において、
前記表示制御手段は、前記表示領域に含まれる前記経路の切れ目となる位置に近い前記表示領域の長辺を、前記表示領域の上辺として表示することを特徴とする表示制御方法。
【請求項21】
制御プログラムを格納する記憶手段と、前記記憶手段から前記制御プログラムを読み出して実行し、地図情報を表示手段に表示させる制御手段とを備えるナビゲーション装置において、
前記制御手段に、移動体の位置と移動方向を検知させ、
前記制御手段に、前記移動体の現在位置から移動方向にある直近の分岐路に対して、前記移動体から移動方向の指示を検知させ、
前記制御手段に、検知される前記移動体の位置と移動方向を前記地図情報に関連して表示手段に表示させ、かつ、前記分岐路からの移動方向が検知されるとき、前記検知される前記分岐路からの移動方向に対応する地図情報を前記表示手段の上方向に向けて表示させることを特徴とするプログラム。
【請求項22】
請求項21において、
前記制御手段に、前記移動方向の指示が検知されなくなるとき、前記分岐路からの移動方向に対応する地図情報を前記表示手段の上方向に向けて表示する前の表示態様に戻させることを特徴とするプログラム。
【請求項23】
制御プログラムを格納する記憶手段と、前記記憶手段から前記制御プログラムを読み出して実行し、地図情報を表示手段に表示させる制御手段とを備えるナビゲーション装置において、
前記記憶手段には、前記移動体の位置を示す印が前記表示手段において表示される位置を特定するオフセット値が予め格納され、
前記制御手段に、移動体の位置と移動方向を検知させ、
前記制御手段に、前記移動体の現在位置から移動方向にある直近の分岐路に対して、前記移動体から移動方向の指示を検知させ、
前記制御手段に、前記検知される前記移動体の位置と移動方向を前記地図情報に関連して表示手段に表示させ、かつ、前記分岐路からの移動方向が検知されるとき、前記オフセット値に基づき特定される位置に、前記移動体の現在位置を表示させることを特徴とするプログラム。
【請求項24】
請求項23において、
前記制御手段に、前記移動方向の指示が検知されなくなるとき、前記オフセット値を使用して表示する前の表示態様に戻させることを特徴とするプログラム。
【請求項25】
制御プログラムを格納する記憶手段と、前記記憶手段から前記制御プログラムを読み出して実行し、地図情報を表示手段に表示させる制御手段とを備えるナビゲーション装置において、
前記記憶手段には、更に、移動体の目的地までの経路を特定する情報が予め格納されており、
前記制御手段に、移動体の位置と移動方向を検知させ、
前記制御手段に、前記移動体の現在位置から移動方向にある直近の分岐路に対して、前記移動体から移動方向の指示を検知させ、
前記制御手段に、前記検知される前記移動体の位置と移動方向を前記地図情報に関連して表示手段に表示させ、かつ、前記分岐路からの移動方向が検知されるとき、前記移動体の現在位置から先の経路が最も長く表示される表示領域を求めさせ、前記表示領域に含まれる前記地図情報を前記表示手段に表示させることを特徴とするプログラム。
【請求項26】
請求項25において、
前記制御手段に、予め定められたオフセット値に基づき特定される位置に、前記移動体の現在位置を表示するとき、前記移動体の現在位置から先の経路が最も長く表示される前記表示領域を求めさせることを特徴とするプログラム。
【請求項27】
請求項25において、
前記制御手段に、前記移動方向の指示が検知されなくなるとき、前記表示領域を表示する前の表示態様に戻させることを特徴とするプログラム。
【請求項28】
請求項23又は25において、
前記表示領域は略矩形であって
前記制御手段に、前記分岐路に対する前記移動体の進入方向にある前記表示領域の長辺を、前記表示領域の上辺として表示させることを特徴とするプログラム。
【請求項29】
請求項23又は25において、
前記表示領域は略矩形であって、
前記制御手段に、直前の前記表示領域からの角度変化が少ない前記表示領域の長辺を、前記表示領域の上辺として表示させることを特徴とするプログラム。
【請求項30】
請求項23又は25において、
前記制御手段に、前記表示領域に含まれる前記経路の切れ目となる位置に近い前記表示領域の長辺を、前記表示領域の上辺として表示させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2006−226939(P2006−226939A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−43572(P2005−43572)
【出願日】平成17年2月21日(2005.2.21)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月21日(2005.2.21)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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