説明

ナビゲーション装置、制御方法、プログラム、及び記憶媒体

【課題】使用者が道路状況をよく知っている地域を走行する際に、不要な機能を制限すると共に使用者に有益な情報を積極的に提示することが可能なナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置は、目的地が設定されている場合に経路案内に付随した情報を出力する経路案内モードと、目的地が設定されていない場合に経路案内に付随しない情報を出力する経路非案内モードと、の出力モードを設定する設定手段と、出力モードが経路非案内モードである場合、経路案内モードにおいて出力されず、かつ経路案内に付随しない情報を出力する情報出力手段と、を備え、情報出力手段は、出発時刻、出発からの経過情報、天気、交通情報、イベントの少なくともいずれかを、出力モードが経路非案内モードである場合に出力し、経路案内モードである場合には出力しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置による使用者への情報提示の制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両用ナビゲーション装置において、使用者が道路状況をよく知っている自宅周辺などの地域では音声案内を制限する技術が存在する。例えば、特許文献1には、自宅を目的地として設定した場合に、現在地と目的地である自宅との距離の減少に応じて、音声案内を制限する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−226956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、使用者が道路状況をよく知っている自宅周辺等の地域を走行する場合であっても、使用者にとって必要な情報は存在する。特許文献1には、上記の点については、何ら検討されていない。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、使用者が道路状況をよく知っている地域を走行する際に、不要な機能を制限すると共に使用者に有益な情報を積極的に提示するナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、目的地が設定されている場合に経路案内に付随した情報を出力する経路案内モードと、目的地が設定されていない場合に経路案内に付随しない情報を出力する経路非案内モードと、の出力モードを設定する設定手段と、出力モードが前記経路非案内モードである場合、前記経路案内モードにおいて出力されず、かつ経路案内に付随しない情報を出力する情報出力手段と、を備え、前記情報出力手段は、出発時刻、出発からの経過情報、天気、交通情報、イベントの少なくともいずれかを、出力モードが前記経路非案内モードである場合に出力し、前記経路案内モードである場合には出力しないことを特徴とする。
【0007】
請求項に記載の発明は、ナビゲーション装置が実行する制御方法であって、目的地が設定されている場合に経路案内に付随した情報を出力する経路案内モードと、目的地が設定されていない場合に経路案内に付随しない情報を出力する経路非案内モードと、の出力モードを設定する設定工程と、出力モードが前記経路非案内モードである場合、前記経路案内モードにおいて出力されず、かつ経路案内に付随しない情報を出力する情報出力工程と、を備え、前記情報出力工程は、出発時刻、出発からの経過情報、天気、交通情報、イベントの少なくともいずれかを、出力モードが前記経路非案内モードである場合に出力し、前記経路案内モードである場合には出力しないことを特徴とする。
【0008】
請求項に記載の発明は、ナビゲーション装置が実行するプログラムであって、目的地が設定されている場合に経路案内に付随した情報を出力する経路案内モードと、目的地が設定されていない場合に経路案内に付随しない情報を出力する経路非案内モードと、の出力モードを設定する設定手段と、出力モードが前記経路非案内モードである場合、前記経路案内モードにおいて出力されず、かつ経路案内に付随しない情報を出力する情報出力手段として前記ナビゲーション装置を機能させ、前記情報出力手段は、出発時刻、出発からの経過情報、天気、交通情報、イベントの少なくともいずれかを、出力モードが前記経路非案内モードである場合に出力し、前記経路案内モードである場合には出力しないことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施例に係るナビゲーション装置の概略構成の一例である。
【図2】本実施例に係るナビゲーション装置の機能ブロックの一例である。
【図3】通常モードでの表示画面の一例である。
【図4】既知道路走行モードでの表示画面の一例である。
【図5】本実施例の処理手順を示すフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の1つの観点では、車両に設置されるナビゲーション装置であって、使用者の既知の道路を前記車両が走行中であるか否かを判定する判定手段と、前記既知の道路を走行中であると前記判定手段が判定した場合に出力モードを既知道路走行モードに設定し、前記既知の道路を走行中でないと前記判定手段が判定した場合に出力モードを通常モードに設定するモード設定手段と、通常モードにおいては経路案内に付随した割り込み機能を有効とし、既知道路走行モードにおいては前記割り込み機能を抑制する機能抑制手段と、既知道路走行モードにおいては、通常モードにおいて表示される複数の情報のうち少なくとも一部の有益情報を通常モード時よりも拡大して表示し、及び/又は、通常モードでは表示されない有益情報を表示する有益情報提示手段と、を備える。
【0011】
上記のナビゲーション装置は、車両に設置され、判定手段と、モード設定手段と、機能抑制手段と、有益情報提示手段と、を備える。ここで、ナビゲーション装置は、据付型のナビゲーション装置の他、PND(Personal Navigation Device)などの持ち運び可能なナビゲーション装置等を含む。判定手段は、使用者の既知の道路を前記車両が走行中であるか否かを判定する。ここで、判定手段は、例えば、使用者からの明示的な入力に基づき既知の道路か否か判断してもよく、又は、使用者が予め設定した登録地点に基づき自動的にその周辺の道路を既知の道路と判断してもよい。また、「既知の道路」とは、音声案内や画面による経路案内などのナビゲーション機能によらず、又は、ナビゲーション装置が提示する現在地周辺の地図表示によらず、使用者が所望の地点に向けて運転可能な道路(経路)を指す。また、「使用者」とは、車両の運転者の他、車両の乗員を含む。モード設定手段は、既知の道路を走行中であると判定手段が判定した場合に出力モードを既知道路走行モードに設定し、既知の道路を走行中でないと判定手段が判定した場合に出力モードを通常モードに設定する。ここで、「既知道路走行モード」とは、既知道路を走行中の場合に適用する出力モードであり、通常モードの機能に加え、有益情報提示手段による機能が付加された出力モードを指す。機能抑制手段は、通常モードにおいては経路案内に付随した割り込み機能を有効とし、既知道路走行モードにおいては割り込み機能を抑制する。ここで、「経路案内に付随した割り込み機能」とは、次に右左折する交差点へ近づいたときの当該交差点の拡大表示や、交差点での曲がる方向等の音声案内等が該当する。有益情報提示手段は、既知道路走行モードにおいては、通常モードにおいて表示される複数の情報のうち少なくとも一部の有益情報を通常モード時よりも拡大して表示し、及び/又は、通常モードでは表示されない有益情報を表示する。即ち、「有益情報」とは、既知の道路の走行中であっても既知でない道路の走行中と同様に使用者が必要とする所定の情報他、既知の道路を走行中に特に使用者が必要とする所定の情報を含む。具体的には、この有益情報は、実験等に基づき予め適切に設定されてもよく、使用者に明示的に指定させることにより設定されてもよい。このように、ナビゲーション装置は、使用者が知っている道路を走行中では、不要なナビゲーション機能を抑制しつつ、必要な情報を積極的に提示することで、利便性を向上させることができる。
【0012】
上記のナビゲーション装置の一態様では、前記判定手段は、外部入力に基づき指定された地域にある道路を前記既知の道路であると判定する。ここで、「外部入力」とは、ナビゲーション装置の使用者の操作に基づく入力を指す。このようにすることで、ナビゲーション装置は、使用者の既知の道路であるか否か的確に判定することができる。
【0013】
上記のナビゲーション装置の他の一態様では、前記判定手段は、外部入力に基づき予め設定されている登録地点から所定距離以内にある道路を前記既知の道路であると判定する。「登録地点」とは、判定手段に既知の道路であるか否か判定させるために登録した地点に限らず、例えば経路案内における目的地等を簡易に設定するために登録された地点等も含む。また、上述の所定距離は、例えば実験等に基づき予め適切な値に設定され、ナビゲーション装置のメモリに記憶される。このようにすることで、ナビゲーション装置は、既知の道路か否かを判定するための使用者による設定又は操作を伴うことなく、使用者の既知の道路であるか否か的確に判定することができる。
【0014】
上記のナビゲーション装置の他の一態様では、前記判定手段は、前記車両の走行履歴に基づき前記既知の道路であるか否か判定する。これによっても、ナビゲーション装置は、既知の道路か否かを判定するための設定又は操作を使用者にさせることなく、使用者の既知の道路であるか否か的確に判定することができる。
【0015】
上記のナビゲーション装置の他の一態様では、前記有益情報提示手段は、目的地又は立寄地の到着予想時刻、出発時刻、出発からの経過時間幅、目的地又は立寄地の天気、交通情報、現在地又は目的地若しくは立寄地のイベント情報のうち少なくともいずれか1つを前記有益情報とする。ここで、「目的地」とは、使用者がナビゲーション装置に設定した目的地を指し、「立寄地」とは、使用者が目的地の途中で立ち寄る地点として設定した地点を指す。また、「出発時刻」は、例えば、車両を起動した時刻又は目的地若しくは立寄地を設定した時刻が該当する。また、「交通情報」は、案内経路又は周辺道路等の渋滞情報、航空機の出航時刻等の情報が該当する。ナビゲーション装置は、これらの情報を放送又は通信により取得し、又は、自ら算出することで取得し、拡大して又は新たに表示する。これにより、ナビゲーション装置は、利便性をより一層向上させることができる。
【0016】
本発明の他の観点では、車両に設置されるナビゲーション装置により実行される制御方法であって使用者の既知の道路を前記車両が走行中であるか否かを判定する判定工程と、前記既知の道路を走行中であると前記判定工程が判定した場合に出力モードを既知道路走行モードに設定し、前記既知の道路を走行中でないと前記判定工程が判定した場合に出力モードを通常モードに設定するモード設定工程と、通常モードにおいては経路案内に付随した割り込み機能を有効とし、既知道路走行モードにおいては前記割り込み機能を抑制する機能抑制工程と、既知道路走行モードにおいては、通常モードにおいて表示される複数の情報のうち少なくとも一部の有益情報を通常モード時よりも拡大して表示し、及び/又は、通常モードでは表示されない有益情報を表示する有益情報提示工程と、を備える。ナビゲーション装置は、この制御方法を実行することで、使用者が知っている道路を走行中では、不要なナビゲーション機能を抑制しつつ、必要な情報を積極的に提示することで、利便性を向上させることができる。
【0017】
本発明のさらに別の観点では、車両に設置されるナビゲーション装置により実行されるプログラムであって、使用者の既知の道路を前記車両が走行中であるか否かを判定する判定手段と、前記既知の道路を走行中であると前記判定手段が判定した場合に出力モードを既知道路走行モードに設定し、前記既知の道路を走行中でないと前記判定手段が判定した場合に出力モードを通常モードに設定するモード設定手段と、通常モードにおいては経路案内に付随した割り込み機能を有効とし、既知道路走行モードにおいては前記割り込み機能を抑制する機能抑制手段と、既知道路走行モードにおいては、通常モードにおいて表示される複数の情報のうち少なくとも一部の有益情報を通常モード時よりも拡大して表示し、及び/又は、通常モードでは表示されない有益情報を表示する有益情報提示手段、として前記ナビゲーション装置を機能させる。ナビゲーション装置は、このプログラムを搭載し実行することで、使用者が知っている道路を走行中では、不要なナビゲーション機能を抑制しつつ、必要な情報を積極的に提示することで、利便性を向上させることができる。なお、好適には、上記のプログラムは記憶媒体に記憶される。
【実施例】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。以下では、本発明に係るナビゲーション装置の概略構成について説明した後、ナビゲーション装置が実行する制御方法、及びそれに伴う表示例、処理フローについて順に説明する。さらに、その後、本実施例に関連する各変形例についてそれぞれ説明する。
【0019】
[概略構成]
図1に、ナビゲーション装置1の概略構成を示す。図1に示すように、ナビゲーション装置1は、自立測位装置10、GPS受信機18、システムコントローラ20、ディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、通信装置38、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60を備える。
【0020】
自立測位装置10は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13を備える。加速度センサ11は、例えば圧電素子からなり、車両の加速度を検出し、加速度データを出力する。角速度センサ12は、例えば振動ジャイロからなり、車両の方向変換時における車両の角速度を検出し、角速度データ及び相対方位データを出力する。距離センサ13は、車両の車輪の回転に伴って発生されているパルス信号からなる車速パルスを計測する。
【0021】
GPS受信機18は、複数のGPS衛星から、測位用データを含む下り回線データを搬送する電波19を受信する。測位用データは、緯度及び経度情報等から車両の絶対的な位置(以後、「現在地」とも呼ぶ。)を検出するために用いられる。
【0022】
システムコントローラ20は、インタフェース21、CPU(Central Processing Unit)22、ROM(Read Only Memory)23及びRAM(Random Access Memory)24を含んでおり、ナビゲーション装置1全体の制御を行う。
【0023】
インタフェース21は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13並びにGPS受信機18とのインタフェース動作を行う。そして、これらから、車速パルス、加速度データ、相対方位データ、角速度データ、GPS測位データ、絶対方位データ等をシステムコントローラ20に入力する。CPU22は、システムコントローラ20全体を制御する。ROM23は、システムコントローラ20を制御する制御プログラム等が格納された図示しない不揮発性メモリ等を有する。RAM24は、入力装置60を介して使用者により予め設定された経路データ等の各種データを読み出し可能に格納したり、CPU22に対してワーキングエリアを提供したりする。なお、これらのシステムコントローラ20の各要素が実行する具体的な処理については、後述する[制御方法]のセクションで詳しく説明する。
【0024】
システムコントローラ20、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブなどのディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60は、バスライン30を介して相互に接続されている。
【0025】
ディスクドライブ31は、システムコントローラ20の制御の下、CD又はDVDといったディスク33から、音楽データ、映像データなどのコンテンツデータを読み出し、出力する。なお、ディスクドライブ31は、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブのうち、いずれか一方としてもよいし、CD及びDVDコンパチブルのドライブとしてもよい。データ記憶ユニット36は、例えば、HDDなどにより構成され、地図データなどのナビゲーション処理に用いられる各種データを記憶するユニットである。通信装置38は、例えば、FMチューナやビーコンレシーバ、携帯電話や専用の通信カードなどにより構成され、VICS(Vehicle Information Communication System、登録商標)センタなどから配信される情報(以下、「VICS情報」と呼ぶ。)を電波39より取得する。そしてインタフェース37は、通信装置38のインタフェース動作を行い、VICS情報をシステムコントローラ20等に入力する。
【0026】
表示ユニット40は、システムコントローラ20の制御の下、各種表示データをディスプレイなどの表示装置に表示する。具体的には、システムコントローラ20は、データ記憶ユニット36から地図データを読み出す。表示ユニット40は、システムコントローラ20によってデータ記憶ユニット36から読み出された地図データなどを表示画面上に表示する。表示ユニット40は、バスライン30を介してCPU22から送られる制御データに基づいて表示ユニット40全体の制御を行うグラフィックコントローラ41と、VRAM(Video RAM)等のメモリからなり即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するバッファメモリ42と、グラフィックコントローラ41から出力される画像データに基づいて、液晶、CRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイ44を表示制御する表示制御部43と、ディスプレイ44とを備える。ディスプレイ44は、画像表示部として機能し、例えば対角5〜10インチ程度の液晶表示装置等からなり、車内のフロントパネル付近に装着される。
【0027】
音声出力ユニット50は、システムコントローラ20の制御の下、CD−ROMドライブ31又はDVD−ROM32、若しくはRAM24等からバスライン30を介して送られる音声デジタルデータのD/A(Digital to Analog)変換を行うD/Aコンバータ51と、D/Aコンバータ51から出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器(AMP)52と、増幅された音声アナログ信号を音声に変換して車内に出力するスピーカ53とを備えて構成されている。
【0028】
入力装置60は、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、リモコン、音声入力装置等から構成されている。入力装置60は、車内に搭載された当該車載用電子システムの本体のフロントパネルやディスプレイ44の周囲に配置される。また、ディスプレイ44がタッチパネル方式の場合、ディスプレイ44の表示画面上に設けられたタッチパネルも入力装置60として機能する。
【0029】
なお、図1におけるCPU22などは、本発明における判定手段、モード設定手段、機能抑制手段、及び有益情報提示手段に相当する。
【0030】
また、以後の説明では、ナビゲーション装置1が搭載された車両を、「搭載車両」と呼ぶ。また、「使用者」とは、搭載車両の運転者の他、搭載車両の乗員も含むものとする。さらに、「目的地」とは、使用者がナビゲーション装置1に設定した目的地を指し、「立寄地」とは、使用者が目的地の途中で立ち寄る地点として設定した地点を指す。そして、目的地及び立寄地を特に区別しない場合、これらを「目的地等」と呼ぶ。
【0031】
[制御方法]
次に、システムコントローラ20が実行する処理について説明する。概略的には、システムコントローラ20は、搭載車両の使用者が既に知っている道路(以後、単に「既知道路」とも呼ぶ。)を走行する場合には、使用者にとって不要な機能を抑制すると共に、使用者にとって有益な情報を積極的に表示する。このようにすることで、システムコントローラ20は、使用者の知っている道か否かに応じてより適切な出力を行い、利便性を向上させる。
【0032】
この処理について、図2を参照して具体的に説明する。図2は、システムコントローラ20の機能ブロックを示した図の一例である。図2に示すように、システムコントローラ20は、モード判定部20xと、機能抑制部20yと、有益情報提示部20zと、を備える。以下、これらの各要素が実行する処理について説明する。なお、以後の説明では、ナビゲーション装置1は、使用者によって既に所定の目的地等の設定を受け付け、経路案内を開始しているものとする。
【0033】
まず、モード判定部20xが実行する処理について説明する。モード判定部20xは、入力装置60からの使用者の入力に基づき、搭載車両が既知道路を走行中であるか否か判定し、その判定結果に応じてナビゲーション装置1が行う音声出力及び画面出力方法(以後、単に「出力モード」と呼ぶ。)を決定する。以後では、搭載車両が既知道路を走行中の場合に適用する出力モードを「既知道路走行モード」と称し、それ以外の場合の出力方法を「通常モード」と呼ぶ。既知道路走行モードは、通常モードの機能に加え、後述する機能抑制部20y及び有益情報提示部20zの実行する機能が付加された出力モードである。そして、モード判定部20xは、出力モードが既知道路走行モードであるか、又は通常モードであるかの情報(以後、単に「モード情報」と呼ぶ。)を機能抑制部20y及び有益情報提示部20zに供給する。
【0034】
ここで、使用者の入力に基づき既知道路を走行中であるか否かを判定する方法について具体例を用いて補足説明する。例えば、モード判定部20xは、出力モードを既知道路走行モードにすべき旨の指示又は通常モードにすべき旨の指示を使用者から入力装置60を介して受け付ける。他の例では、モード判定部20xは、予め使用者から既知道路又は既知道路を含む地域について入力装置60により指定させる。例えば、モード判定部20xは、使用者の自宅周辺又は地点登録された周辺の地図を表示することで、使用者に既知道路又は既知道路を含む地域について指定させ、当該入力情報をデータ記憶ユニット36に記憶しておく。その後、モード判定部20xは、使用者により指定された既知道路又は既知道路を含む地域(以後、これらをまとめて「指定地域」と呼ぶ。)と、GPS受信機18から供給される現在地情報と、に基づき、搭載車両が既知道路を走行中であるか否か判定する。そして、モード判定部20xは、搭載車両が指定地域にあると判断した場合、出力モードを既知道路走行モードにする。一方、モード判定部20xは、搭載車両が指定地域にないと判断した場合、出力モードを通常モードにする。これらの例に示したように、モード判定部20xは、使用者の入力に基づき適切に出力モードを設定することができる。
【0035】
次に、機能抑制部20yが実行する処理について説明する。機能抑制部20yは、出力モードが既知道路走行モードの場合に、使用者にとって不要な機能を抑制する。具体的には、機能抑制部20yは、既知道路走行モードの場合、表示ユニット40及び音声出力ユニット50へのナビゲーション機能に基づく割り込み処理を抑制する。このように、機能抑制部20yは、既知道路を走行中には不要な機能を抑制することで、不要な音声案内や画面の自動切替に起因したユーザの不快感の発生やユーザビリティの低下を抑制することができる。
【0036】
ここで、表示ユニット40及び音声出力ユニット50へのナビゲーション機能に基づく割り込み処理について具体的に説明する。まず、表示ユニット40へのナビゲーション機能に基づく割り込み処理とは、例えば、目的地等までの経路案内中に次に曲がるべき交差点(以後、「案内地」と呼ぶ。)が所定距離(以後、「距離Dth」と呼ぶ。)以内になった場合に、当該案内地の拡大図(以後、「案内地拡大図」と呼ぶ。)を表示する機能等が該当する。上述の距離Dthは、実験等に基づき予め適切な値に設定される。この場合、表示ユニット40は、現在地の地図画面又は再生中のAVに関する情報画面(AV画面)等の表示に代えて、案内地拡大図を含む地図画面を表示する。これについては、[表示例]のセクションでも説明する。また、音声出力ユニット50へのナビゲーション機能に基づく割り込み処理とは、例えば、案内地が距離Dth以内になった場合の当該案内地に関する音声案内、及びこれに付随して再生中の音楽を消音若しくは音量を低下させる機能が該当する。機能抑制部20yは、出力モードが既知道路走行モードの場合、これらの割り込み処理を抑制することで、再生中の音楽の途切れ、及びAV画面の解除等に起因したユーザの不快感の発生やユーザビリティの低下を抑制することができる。
【0037】
次に、有益情報提示部20zが実行する処理について説明する。有益情報提示部20zは、出力モードが既知道路走行モードの場合であって地図画面表示中では、使用者にとってニーズの低い地図画面の表示領域を狭めると共に、使用者に有益な情報(以後、単に「有益情報」と呼ぶ。)を拡大して又は新たに表示ユニット40に表示させる。
【0038】
ここで、有益情報とは、既知の道路の走行中であっても既知でない道路の走行中と同様に使用者が必要とする情報、及び既知の道路を走行中に特に使用者が必要とする情報を指す。例えば、有益情報は、目的地等までの距離、システムコントローラ20が算出した目的地等への到着予想時刻、出発時刻、出発後から現在までの経過時間幅、目的地等の天気の情報、渋滞情報又は飛行機の運航状況等の交通情報、現在地又は目的地等で開催されるイベント情報、その他使用者へのおすすめ情報等から選択した1又は2以上の情報が該当する。
【0039】
このように、有益情報提示部20zは、既知道路の走行中に有益情報を積極的に使用者に表示することで、使用者の利便性を向上させることができる。なお、有益情報及びその表示方法については、次の[表示例]のセクションで具体的に説明する。
【0040】
[表示例]
次に、図3及び図4を参照して本実施例で表示ユニット40が出力する表示画面について説明する。以後の説明では、ナビゲーション装置1は、一例としてタッチパネル方式による入力を受け付けるものとする。
【0041】
図3(a)は、通常モードの経路案内時に出力された表示例を示す。図3(a)の表示例は、画面表示部70と、ボタン71と、を備える。さらに画面表示部70は、ボタン72と、現在時刻表示部73と、目的地距離表示部74と、到着予想時刻表示部75と、案内地情報表示部76、77と、現在地表示95と、誘導ルート96と、を備える。
【0042】
ボタン71は、ナビゲーション装置1のフレーム上に設けられたボタンであり、使用者の押下により種々の入力を受け付ける。ボタン72は、画面表示部70上に設けられたボタンであり、タッチパネル方式により使用者の押下に基づく種々の入力を受け付ける。現在時刻表示部73は、現在時刻を示す表示領域である。目的地距離表示部74は、現在地から目的地等までの距離を示す表示領域である。到着予想時刻表示部75は、システムコントローラ20が算出した目的地等への到着時刻を示す表示領域である。案内地情報表示部76は、後述する誘導ルート96上にある2つ先の案内地の情報を示す表示領域である。案内地情報表示部77は、誘導ルート96上の次に通過する案内地の情報を示す表示領域である。現在地表示95は、表示された地図上における搭載車両の現在地を示すアイコンである。誘導ルート96は、目的地等に至るまでにナビゲーション装置1が案内(誘導)するルートを示す。
【0043】
図3(a)に示すように、通常モードでは、システムコントローラ20は、運転を支援するために必要な情報として、現在時刻表示部73と、目的地距離表示部74と、到着予想時刻表示部75と、案内地情報表示部76、77と、を表示している。また、システムコントローラ20は、これらの情報を、誘導ルート96の表示及びその他の地図表示の妨げにならない程度に、画面表示部70の上端に表示している。
【0044】
図3(b)は、通常モードでナビゲーション機能に基づく割り込み処理が発生した場合の表示例を示す。図3(b)の画面表示部70は、左半分に地図表示を行う表示領域70xを備えると共に、右半分に案内地拡大図を示す表示領域70yを備える。また、図3(b)の画面表示部70は、表示領域70yに表示された拡大図の解除を受け付けるためのボタン78を備える。
【0045】
図3(b)に示すように、通常モードでは、システムコントローラ20は、次の案内地までの距離が距離Dth以内になると適宜その案内地拡大図を表示する。また、システムコントローラ20は、音声案内により、案内地での距離及び曲がる方向を使用者に通知する。これにより、システムコントローラ20は、使用者が知らない道を走行する場合であっても、適切にナビゲーションを行うことができる。
【0046】
図4は、既知道路走行モードの場合に出力される表示例を示す。図4では、システムコントローラ20は、到着予想時刻表示部75を拡大して表示すると共に、出発時刻を表示する出発時刻表示部80及び出発からの経過時間幅を示す経過時間表示部81を新たに表示している。また、システムコントローラ20は、目的地距離表示部74及び案内地情報表示部76、77を、不要な情報として非表示にしている。
【0047】
このように、既知道路走行モードでは、システムコントローラ20は、有益情報として到着予想時刻表示部75、出発時刻表示部80、及び経過時間表示部81を拡大して又は新たに表示すると共に、既知道路の走行中では不要な情報と推定される案内地情報表示部76、77等を非表示にしている。また、既知道路走行モードでは、システムコントローラ20は、図3(b)に示すような案内地拡大図の割り込み表示を抑制すると共に、これに伴う音声案内の出力も抑制する。このように、システムコントローラ20は、搭載車両が既知道路を走行中では、不要なナビゲーション機能を抑制しつつ、必要な情報を積極的に提示することで、使用者の利便性を向上させることができる。
【0048】
[処理フロー]
次に、本実施例でシステムコントローラ20が実行する処理手順について図5を用いて説明する。図5は、本実施例でシステムコントローラ20が実行する処理手順を示すフローチャートの一例である。システムコントローラ20は、図5に示すフローチャートの処理を、所定の周期に従い繰り返し実行する。
【0049】
まず、システムコントローラ20は、出力モードが既知道路走行モードであるか否か判定する(ステップS101)。具体的には、システムコントローラ20は、入力装置60からの入力に基づき搭載車両が既知道路を走行中であるか否かを判断することで、出力モードが既知道路走行モードであるか否か判定する。
【0050】
そして、出力モードが既知道路走行モードの場合(ステップS101;Yes)、即ち、搭載車両が既知道路を走行中であると判断した場合、システムコントローラ20は、既知道路走行モードによる出力を行う(ステップS102)。具体的には、システムコントローラ20は、案内地拡大図の表示抑制及び音声案内の抑制を行う。また、システムコントローラ20は、有益情報を拡大して、又は新たに表示する。例えば、システムコントローラ20は、図4に示すように、到着予想時刻を拡大して表示する。さらに、システムコントローラ20は、図4に示すように、出発時刻及び出発からの経過時間を新たに表示する。このように、システムコントローラ20は、搭載車両が既知道路を走行中では、不要なナビゲーション機能を抑制しつつ、必要な情報を積極的に提示することで、使用者の利便性を向上させることができる。
【0051】
一方、出力モードが既知道路走行モードではない場合(ステップS101;No)、即ち出力モードが通常モードの場合、システムコントローラ20は、通常画面の表示を行う(ステップS103)。言い換えると、システムコントローラ20は、搭載車両が既知道路を走行中ではないと判断する。そして、システムコントローラ20は、例えば図3(a)に示すような表示画面を出力する。即ち、システムコントローラ20は、目的地までの距離及び到着予想時刻等の運転を支援させるための情報を、地図表示の妨げにならない程度に、画面表示部70の上端に表示する。
【0052】
次に、システムコントローラ20は、案内地までの距離が距離Dth以下の場合、案内拡大図の表示及び音声案内の再生を行う(ステップS104)。即ち、この場合、システムコントローラ20は、例えば図3(b)に示すように、次に通過する交差点の拡大図を表示すると共に、その交差点までの距離及び曲がる方向等について音声案内を行う。
【0053】
以上説明したように、本実施例によるナビゲーション装置は、ナビゲーション装置は、車両に設置され、判定手段と、モード設定手段と、機能抑制手段と、有益情報提示手段と、を備える。判定手段は、使用者の既知の道路を前記車両が走行中であるか否かを判定する。モード設定手段は、既知の道路を走行中であると判定手段が判定した場合に出力モードを既知道路走行モードに設定し、既知の道路を走行中でないと判定手段が判定した場合に出力モードを通常モードに設定する。機能抑制手段は、通常モードにおいては経路案内に付随した割り込み機能を有効とし、既知道路走行モードにおいては割り込み機能を抑制する。有益情報提示手段は、既知道路走行モードにおいては、通常モードにおいて表示される情報であって既知道路走行モードにおいても有益な情報を通常モード時よりも拡大して表示し、及び/又は、通常モードにおいては表示されないが既知道路走行モードにおいては有益な情報を表示する。このように、ナビゲーション装置は、使用者が知っている道路を走行中では、不要なナビゲーション機能を抑制しつつ、必要な情報を積極的に提示することで、利便性を向上させることができる。
【0054】
[変形例]
以下、本実施例の各変形例について説明する。なお、これらの各変形例は、任意に組み合わせて上述の実施例に適用することが可能である。
【0055】
(変形例1)
図2の説明では、モード判定部20xは、使用者からの入力に基づき、即ち使用者による出力モードの選択又は使用者により入力された指定地域に基づき、出力モードを決定していた。しかし、本発明が適用可能な方法は、これに限定されない。これに代えて、又は、これに加えて、モード判定部20xは、これらの使用者からの入力によらず自動的に出力モードを決定してもよい。
【0056】
これについて具体的に説明する。例えば、モード判定部20xは、目的地等の簡易設定などを目的として予め使用者が設定した登録地点及びその付近については既知道路であるとみなしてもよい。この場合、モード判定部20xは、例えば、登録地点から所定距離以内では自動的に出力モードを既知道路走行モードにし、登録地点から所定距離より離れた場所では出力モードを通常モードにする。上述の所定距離は、実験等に基づき適切な値に設定される。
【0057】
他の例では、モード判定部20xは、データ記憶ユニット36等に保存された走行履歴に基づき、搭載車両が既知道路を走行中であるか否か判定する。具体的には、モード判定部20xは、所定回数以上の走行履歴がある道路を既知道路とみなし、当該道路の走行中では出力モードを既知道路走行モードに設定する。一方、モード判定部20xは、所定回数未満の走行履歴しかない道路は既知道路ではないとみなし、当該道路の走行中では出力モードを通常モードに設定する。この場合、所定回数は、1以上の値に実験等に基づき適切に設定される。
【0058】
以上のように、モード判定部20xは、使用者からの入力によらず自動で出力モードを決定することで、利便性をさらに向上させることができる。
【0059】
(変形例2)
図2及び図4の説明では、システムコントローラ20は、目的地等が設定され、経路案内を開始しているときに、有益情報を拡大して又は新たに表示していた。これに加えて、システムコントローラ20は、目的地等が設定されていない場合であっても、出力モードが既知道路走行モードの場合には有益情報を拡大して又は新たに表示してもよい。この場合、例えば、システムコントローラ20は、有益情報として、例えばエンジン起動後から現在までの経過時間(運転時間)や現在地等のイベント情報等を表示する。これによっても、本発明を好適に適用することができる。
【0060】
(変形例3)
図2等の説明では、有益情報提示部20zは、地図画面表示中に限り、有益情報を拡大して又は新たに表示していた。これに加えて、有益情報提示部20zは、地図画面表示中以外であっても、有益情報を表示してもよい。この場合、有益情報提示部20zは、地図画面表示中以外での有益情報の表示の有無を使用者に予め指定させてもよく、また、当該表示中の画面の閲覧を妨げないように、地図画面表示中と比べて小さく表示してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、車載用ナビゲーション装置、PND(Personal Navigation Device)、その他ナビゲーション機能を有する端末に好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 ナビゲーション装置
10 自立測位装置
12 GPS受信機
20 システムコントローラ
22 CPU
36 データ記憶ユニット
38 通信装置
40 表示ユニット
44 ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地が設定されている場合に経路案内に付随した情報を出力する経路案内モードと、目的地が設定されていない場合に経路案内に付随しない情報を出力する経路非案内モードと、の出力モードを設定する設定手段と、
出力モードが前記経路非案内モードである場合、前記経路案内モードにおいて出力されず、かつ経路案内に付随しない情報を出力する情報出力手段と、
を備え
前記情報出力手段は、出発時刻、出発からの経過情報、天気、交通情報、イベントの少なくともいずれかを、出力モードが前記経路非案内モードである場合に出力し、前記経路案内モードである場合には出力しないことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記情報出力手段は、地図情報と現在地情報と経路案内モードの前記経路案内に付随した情報とを表示する表示手段を備え、
前記表示手段が、地図情報を表示していない場合も、前記情報出力手段は、前記経路非案内である場合、前記経路案内モードにおいて前記出力されず、かつ経路案内に付随しない情報を出力することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
ナビゲーション装置が実行する制御方法であって、
目的地が設定されている場合に経路案内に付随した情報を出力する経路案内モードと、目的地が設定されていない場合に経路案内に付随しない情報を出力する経路非案内モードと、の出力モードを設定する設定工程と、
出力モードが前記経路非案内モードである場合、前記経路案内モードにおいて出力されず、かつ経路案内に付随しない情報を出力する情報出力工程と、
を備え
前記情報出力工程は、出発時刻、出発からの経過情報、天気、交通情報、イベントの少なくともいずれかを、出力モードが前記経路非案内モードである場合に出力し、前記経路案内モードである場合には出力しないことを特徴とする制御方法
【請求項4】
ナビゲーション装置が実行するプログラムであって、
目的地が設定されている場合に経路案内に付随した情報を出力する経路案内モードと、目的地が設定されていない場合に経路案内に付随しない情報を出力する経路非案内モードと、の出力モードを設定する設定手段と、
出力モードが前記経路非案内モードである場合、前記経路案内モードにおいて出力されず、かつ経路案内に付随しない情報を出力する情報出力手段
として前記ナビゲーション装置を機能させ、
前記情報出力手段は、出発時刻、出発からの経過情報、天気、交通情報、イベントの少なくともいずれかを、出力モードが前記経路非案内モードである場合に出力し、前記経路案内モードである場合には出力しないことを特徴とするプログラム。
【請求項5】
請求項に記載のプログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−63368(P2012−63368A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−274896(P2011−274896)
【出願日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【分割の表示】特願2011−530660(P2011−530660)の分割
【原出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(500403929)パイオニアシステムテクノロジー株式会社 (58)
【Fターム(参考)】