説明

ナビゲーション装置、渋滞情報の表示方法、渋滞情報の表示プログラム。

【課題】 レーン毎の渋滞情報を的確に確認することができる「ナビゲーション装置、渋滞情報の表示方法、渋滞情報の表示プログラム」を提供する。
【解決手段】 ナビゲーション装置は、レーン毎の渋滞情報を取得可能な取得手段と、取得した渋滞情報に基づきレーン毎の渋滞情報を文字情報で表したリスト300を表示する手段と、取得した渋滞情報に基づき各レーンに対応する道路上に渋滞情報の画像320を合成して表示する画像表示手段と、リスト300からの中から特定のレーンが選択されたとき、選択されたレーンの渋滞情報の画像330が強調して表示されるように画像表示手段を制御する制御手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関し、特にレーン毎に取得された渋滞情報の表示に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置は、VICSや衛星ラジオ放送等の道路交通情報通信システムを利用してリアルタイムな道路交通情報を取得し、これをユーザへ提供する機能を備えている。渋滞情報であれば、該当する道路(リンク)の色彩を渋滞レベルに応じて変更し、例えば、渋滞を赤、混雑をオレンジ、順調を緑で表したり、道路工事や事故であればその発生地点にそのアイコンを表示している。
【0003】
渋滞情報の表示に関し、例えば、一般道と高架式の高速道路等が並行していると、いずれの渋滞情報を表示しているのかを識別できない場合がある。特許文献1は、道路の上下関係を示すことで、渋滞情報を見易くしている。特許文献2は、一般道の渋滞情報を幅広の矢印で示し、高速道の渋滞情報を影付の矢印で示し、両者を区別している。特許文献3は、渋滞情報の発生を知らせる矢印マークの配色や大きさ、表示位置を変えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−333654号
【特許文献2】特開2003−65778号
【特許文献3】特許第3766501号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
道路のレーン(車線)数が増加すると、レーン毎に交通状況が異なってくる。例えば、あるレーンで事故が発生すると、そのレーンが他のレーンに比べて渋滞し、また、出口に近いレーンでは他のレーンに比べて渋滞することがある。さらに、HOV(High Occupation Vehicle Lane)やCarpoolのように複数の搭乗者を条件とするレーンは、他のレーンと比較して渋滞や混雑が少なくなりがちである。こうした背景から、配信される道路交通情報には、レーン毎の道路交通情報が含まれつつある。
【0006】
現状のナビゲーション装置では、道路交通情報を受信すると、ディスプレイには、レーン毎の道路交通情報が文字情報としてリスト表示される。また、道路地図画面には、道路交通情報のアイコン等が表示されるが、レーン毎の渋滞情報は、道路表示が複数レーンに区分されていないためレーン毎に表示することはできない。このため、同一の道路(リンク)の複数レーンの重複した渋滞情報は、最新に受信したレーンの渋滞情報が前に受信したレーンの渋滞情報を上書きするようにオーバーラップして表示される。
【0007】
ユーザは、文字情報で表されたリスト表示からレーン毎の道路交通情報を確認することができるが、同一道路上にオーバーラップされた渋滞情報が表示されていると、ユーザに渋滞情報の誤解を与える可能性がある。例えば、図4に示すように、リスト表示の1番目の項目に、「x号線上り1レーンは、地点P1からP3まで時速20km以下の渋滞」と表示され、2番目の項目に、「x号線上り2レーンは、地点P1からP7まで時速30km以下の混雑」と表示されているとき、2番目の項目が1番目の項目よりも後に受信されると、道路地図画面には、2レーンの「混雑」を示すオレンジ色で地点P1からP7まで表示されるため、1レーンの「渋滞」を示す赤色の表示が隠れてしまい、ユーザは、1レーンの渋滞に気がつかなかったり、すべてが混雑であると誤認識してしまう。
【0008】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、レーン毎の道路交通情報を的確に確認することができるナビゲーション装置を提供することを目的とする、
さらに本発明は、レーン毎の渋滞情報を的確に確認することができる渋滞情報の表示方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るナビゲーション装置は、レーン毎の道路交通情報を取得可能な取得手段と、取得した道路交通情報に基づきレーン毎の道路交通情報を文字情報により表示する文字情報表示手段と、取得した道路交通情報に基づき各レーンに対応する道路上に道路交通情報の画像を合成して表示する画像表示手段と、入力手段と、前記文字情報表示手段により表示されたレーン毎の道路交通情報の中から特定のレーンが前記入力手段によって選択されたとき、選択されたレーンの道路交通情報の画像が強調して表示されるように前記画像表示手段を制御する制御手段とを有する。
【0010】
好ましくは前記画像表示手段は、1つの道路上に複数のレーンの道路交通情報があるとき、前に取得されたレーンの道路交通情報の画像に最新のレーンの道路交通情報の画像を合成して表示し、前記画像表示手段は、前記制御手段に制御されて前記入力手段により選択されたレーンの道路交通情報の画像を他のレーンの道路交通情報の画像上に合成して表示する。好ましくは前記他のレーンの道路交通情報の画像は、選択されたレーンの道路交通情報の画像よりも低い輝度で表示される。好ましくは前記制御手段は、前記入力手段によって選択されたレーンの道路交通情報の画像全体が表示されるように前記画像表示手段による道路の縮尺を制御する。前記文字情報表示手段は、例えばレーン毎の道路交通情報をリスト状に表示する。
【0011】
本発明に係るナビゲーション装置におけるレーン毎の渋滞情報の表示方法は、レーン毎の渋滞情報を取得するステップと、取得した渋滞情報に基づきレーン毎の渋滞情報を文字情報で表示するステップと、取得した渋滞情報に基づき各レーンに対応する道路上に渋滞情報の画像を合成して表示するステップと、文字情報で表示された渋滞情報の中から特定のレーンがユーザによって選択されたとき、選択されたレーンの渋滞情報の画像が他のレーンの渋滞情報の画像よりも強調されるように表示するステップとを有する。好ましくは表示方法はさらに、選択されたレーンの渋滞情報の画像を表示するとき、当該選択された渋滞情報の画像の全体が表示されるように表示倍率を調整するステップを含む、
【0012】
本発明に係るナビゲーション装置が実行するレーン毎の渋滞情報の表示プログラムは、レーン毎の渋滞情報が取得されたとき、前記渋滞情報に基づきレーン毎の渋滞情報を文字情報で表示させ、かつ前記渋滞情報に基づき各レーンに対応する道路上に渋滞情報の画像を合成して表示させるステップと、文字情報で表示された渋滞情報の中から特定のレーンがユーザによって選択されたとき、選択されたレーンの渋滞情報の画像が他のレーンの渋滞情報の画像よりも強調されるように表示させるステップとを有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、文字情報で表示されたレーン毎の道路交通情報の中から特定のレーンが選択された場合に、選択されたレーンの道路交通情報を強調表示するようにしたので、ユーザは、所望のレーンの道路交通情報を視覚的に的確に確認することができる。また、選択された道路交通情報の全体が表示されるように道路地図の倍率を調整するようにしたので、ユーザによる道路地図画面のスクロールを省略し、操作性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例に係るナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す道路交通情報表示プログラムの機能ブロック図である。
【図3】道路交通情報のデータ構造の例である。
【図4】リストの表示例である。
【図5】本実施例のナビゲーション装置における道路交通情報の表示動作のフローチャートである。
【図6】選択されたレーンの渋滞情報の表示動作を示すフローチャートである。
【図7】図4に示す1レーンと2レーンの渋滞情報とリンクとの関係を模式的に示した図である。
【図8】図8(a)は、レーン選択される前の表示例、図8(b)は、レーン選択されたときの表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0016】
図1は、本実施例に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置1は、GPS受信機や自立航法センサ(ジャイロセンサや速度センサなど)により自車位置を検出する自車位置検出部10と、FMラジオ放送、衛星ラジオ放送、その他の通信手段を介して道路交通情報を受信する受信部20と、タッチパネル、リモコン、マウスまたは音声入力などからユーザの入力を受け取る入力部30と、ハードディスク装置やその他の記憶媒体によりデータを記憶する記憶部40と、外部機器を無線または有線を介して接続する外部I/F50と、ディスプレイに道路地図等を表示する表示部60と、音声を出力する音声出力部70と、プログラムを記憶するプログラムメモリ80と、データを一時的に記憶するデータメモリ90と、プログラムを実行することでナビゲーション動作を制御する制御部100とを含んで構成される。
【0017】
記憶部40は、ナビゲーション機能が実行されたときに表示される道路地図データを記憶している。道路地図データは、リンク(道路)データ、交差点データ、施設データなどを含む。リンクデータは、交差点と交差点とを連結する道路に関するデータであり、道路の始点と終点の経緯度を示すノードデータ、道路の種別(高速道路、国道、一般道など)、道路名称、幅員、規制(一方通行など)、レーン数、レーンの規制情報などを含んでいる。交差点データは、リンクとの接続情報、交差点の名称、交差点の右左折の規制などの情報を含んでいる。施設データは、POI(Point of Interest)の種別、位置情報などを含んでいる。
【0018】
プログラムメモリ80は、ナビゲーション機能を実行するためのプログラムを記憶し、当該プログラムは、例えば、目的地までの最適ルートを探索するプログラム、目的地までのルートを案内するプログラム、受信部20で受信した道路交通情報を表示するプログラム等を含んでいる。
【0019】
データメモリ90は、自車位置検出部10が検出した自車位置データ、記憶部40から読み出された自車位置周辺の道路地図データ、受信部20が受信した道路交通情報などを一時的に記憶する。
【0020】
図2は、本実施例における道路交通情報を表示プログラムの機能ブロック図である。道路交通情報を表示プログラム200は、受信部20またはデータメモリ90に蓄積された道路交通情報を取得する道路交通情報取得部210、取得した道路交通情報を解読する道路交通情報解読部212、解読された道路交通情報に基づきレーン毎の道路交通情報をテキストや数字を含む文字情報で表したリストを作成するリスト作成部214、解読された道路交通情報に基づき道路地図画面上に道路交通情報を識別するためのアイコンや図形などの画像を合成する道路交通情報合成部216、入力部30からのユーザ入力に応答してリスト内の複数のレーンの中から特定のレーンを選択するレーン選択部218を含んでいる。
【0021】
受信部20は、一定の時間間隔で道路交通情報を更新し、道路交通情報取得部210は、受信部20で更新された道路交通情報を取得する。図3は、道路交通情報のデータ構造例を示している。同図に示すように、道路交通情報は、例えば、コード化され、衛星ラジオ放送やFM多重化放送などに重畳されて配信される。道路交通情報が配信された時間順に、#01、#02、#03で示されている。1つの道路交通情報は、例えば、配信時刻、エリアコード、レーン情報、方向(上りまたは下り)、イベントコード、渋滞タイプ、範囲などを含んでいる。エリアコードは、当該道路交通情報の位置情報であり、イベントコードは、道路上にどのような事象が発生しているかを識別する情報であり、例えば、工事中、通行止め、渋滞、道路封鎖など識別する。渋滞タイプは、渋滞の程度を識別するための情報であり、例えば、時速20km以下の渋滞、時速30km以下の混雑、あるいは走行が順調であることを識別する。範囲は、発生している事象の範囲を識別するための情報であり、例えば、渋滞や混雑している範囲、工事中の範囲を識別する。
【0022】
道路交通情報解読部212は、上記のようなコード化された道路交通情報を解読し、解読結果をリスト作成部214および道路交通情報合成部216へ提供する。リスト作成部214は、解読された道路交通情報に基づき道路交通情報を文字情報で表したリストを作成する。
【0023】
図4は、リストの一例である。リストには、レーン毎の道路交通情報が列方向に配置されている。各レーンの道路交通情報は、テキスト、アルファベット、数字その他の記号などの文字情報によって表されている。図の例では、1番目の項目に「x号線上り1レーンは、地点P3からP5まで時速20Km以下の渋滞」が表示され、2番目の項目に「x号線の上り2レーンは、地点P1からP7まで時速30Km以下の混雑」と表示されている。リストには、渋滞情報の他にも、道路上に発生したイベント、例えば、交通事故、通行止め、工事中などの情報が表示される。例えば、4番目の項目には、工事中の文字情報が表されている。ここで、1番目の項目と2番目の項目から、同じ道路でありながら、あるレーンは渋滞であり、他のレーンは混雑があることがわかる。リストに表示される道路交通情報は、例えば、道路交通情報を受信した時間順に配列されることができる。あるいは、目的地までのルートが設定されている場合には、自車位置に近い順に配列することができる。
【0024】
好ましくはリストには、複数のタブが設定され、タブを選択することでリストを切替えることができる。図4の例では、「オンルート」と「オール」のタブが設定されている。「オンルート」のタブがユーザによって選択されると、自車が走行している道路上の道路交通情報のリストが表示され、「オール」のタブが選択されると、自車位置周辺または広域の道路交通情報のリストが表示される。
【0025】
道路交通情報合成部216は、作成されたリストを表示部60に表示させるとともに、道路地図データ上に道路交通情報の画像を合成して表示させる。道路交通情報合成部216は、ナビゲーション動作中に常時リストを表示させることができるが、ユーザがメニュー画面を介してリストの表示を指示したときにリストを表示させたり、受信部20が道路交通情報を受信したことに応答して表示するようにしてもよい。
【0026】
ナビゲーション動作が実行されると、制御部100は、自車位置検出部10からの自車位置情報に基づき記憶部40から自車位置周辺の道路地図データを読出し、これを表示部60に表示する。道路交通情報合成部216は、表示部60に表示される道路地図データ上に、解読した種々の道路交通情報の画像を合成させる。例えば、あるレーンの渋滞情報が取得された場合には、対応する道路の渋滞範囲が赤色(渋滞)またはオレンジ色(混雑)に表示されるようにポリゴン等の画像を合成させる。あるいは、道路工事、通行止め、交通事故があった場合には、それらの事象を識別できるようなアイコンを道路地図データ上に合成させる。
【0027】
レーン選択部218は、表示部60によってリストが表示されているとき、リスト中のいずれかの道路交通情報が選択されると、それに応じてレーンを選択し、その選択結果を道路交通情報合成部216へ提供する。例えば、図4に示すリストにおいて、ユーザが、リスト中の2番目の項目、すなわち「x号線の上り2レーンは、地点P1からP7まで時速30Km以下の混雑」を選択すると、レーン選択部218は、「x号線の上り2レーン」が選択されたことを示す選択結果を道路交通情報合成部216へ供給する。道路交通情報合成部216は、リスト内の選択された道路交通情報をハイライトさせるとともに、道路地図データ上において選択されたレーンの道路交通情報が識別または強調して表示されるように画像の合成を行う。
【0028】
道路地図画面上に表示される道路は、少なくとも上下のレーンを区分して表示することができるが、上りまたは下りの片側が複数のレーンであるとき、それらを区別して表示することができない場合がある。このような場合、同一リンクに複数レーンの重複した渋滞情報があると、それらの渋滞情報が重ね合わされ、例えば、前に受信したレーンの渋滞情報の上に次に受信したレーンの渋滞情報が上書きされる。本実施例では、レーン選択部218によってレーンが選択されると、道路交通情報合成部216は、選択されたレーンの渋滞情報が最上に表示されるように画像を合成する。画像の合成方法として、例えば、選択されたレーンの渋滞情報のみを表示したり、選択されたレーン以外の渋滞情報をフェードアウト(輝度を小さくする、あるいは明るさを暗くする)したり、反対に、選択されたレーンの渋滞情報の輝度を高くしたり、形状を変更するようにしても良い。
【0029】
次に、ナビゲーション装置における道路交通情報の表示動作について図5のフローチャートを参照して説明する。ナビゲーション装置1が起動され、自車位置検出部10により自車位置が検出されると、制御部100は、自車位置周辺の道路地図データを記憶部40から読出し、これを表示部60に表示する(ステップS101)。ディスプレイの道路地図画面には、自車位置を示す自車位置マークMが表示され、目的地までのルートが設定されている場合には、当該ルートも併せて表示される。
【0030】
受信部20は、衛星ラジオ放送やFM多重放送などから道路交通情報を受信すると(ステップS102)、受信された道路交通情報がデータメモリ90へ蓄積され、道路交通情報取得部210がこれを取得する。取得された道路交通情報は、道路交通情報解析部212によって解析され、解析結果に基づきリスト作成部214がレーン毎の道路交通情報のリストを作成する(ステップS103)。なお、道路交通情報がレーンを対象にした情報ではなく、道路を対象にした情報の場合には、道路毎の道路交通情報がリストに表示される。次に、道路交通情報合成部216は、道路地図データ上に、作成されたリストと道路交通情報の画像を合成する(ステップS104)。
【0031】
レーン選択部218は、表示されたリストの中からいずれかのレーンの道路交通情報が選択されたか否かを監視する(ステップS105)。ユーザによっていずれかの道路交通情報が選択されると、レーン選択部218が該当するレーンを選択する(ステップS106)。レーン選択に基づき道路交通情報合成部216は、リスト内の選択された道路交通情報の項目をハイライトし、これに同期して道路地図画面の対応する道路上に選択されたレーンの道路交通情報が強調表示されるように画像の合成を行う(ステップS107)。好ましくは、道路交通情報合成部216は、選択されたレーンの道路交通情報の全体が道路地図画面内に収まるように表示倍率を調整する。
【0032】
次に、レーンの渋滞情報の具体的な表示動作を図6のフローチャートを参照して説明する。レーン選択部218によってレーン選択の結果が道路交通情報合成部216に提供されると、道路交通情報合成部216は、選択されたレーンの渋滞情報が他のレーンの渋滞情報と重なっているか否かを判定する(ステップS201)。
【0033】
図7は、図4に示すリストの1レーンと2レーンの渋滞情報とリンクとの関係を模式的に示した図である。レーン1は、地点P1からP3までが混雑、レーン2は、地点P1からP7まで渋滞である。地点P1からP2がリンクL1に対応し、地点P2からP3がリンクL2に対応し、以後同様の関係で地点P6からP7がリンクL6に対応する。また、レーン1の渋滞情報が、レーン2の渋滞情報よりも先に取得されているため、レーン2の渋滞情報が上書きされ、道路地図画面では、リンクL1からL6までが混雑を示すオレンジ色で表示されているものとする。
【0034】
ユーザは、リストを参照し、レーン1の渋滞情報を表示させようとする場合には、図4に示すようにリスト中の1番目の項目を選択する。これにより、道路交通情報合成部216は、同一道路上においてレーン1の渋滞情報がレーン2の渋滞情報と重なっているか否かを判定する。この例では、レーン1とレーン2の地点P1からP3の渋滞情報が重複していることになる。
【0035】
次に、道路交通情報合成部216は、選択されたレーンの渋滞情報が他のレーンの渋滞情報に重複していると判定した場合には(ステップS201)、選択されたレーンの渋滞情報が一番上に表示されるように渋滞情報の合成を行う(ステップS202)。この例では、レーン1の地点P1からP3の渋滞情報が該当する道路上の一番上に上書きされるように合成される。次いで、道路画像情報合成部216は、選択されたレーンの渋滞情報に対応するリンク全体が表示可能な縮尺となるように表示倍率を調整する(ステップS203)。その結果、表示部60は、選択されたレーンの渋滞情報を強調表示する(ステップS204)。
【0036】
図8は、道路交通情報の表示例である。表示部60は、例えばディスプレイを2画面表示に分割し、一方の画面に道路交通情報のリスト300を表示し、他方の画面に道路地図画面310を表示する。図8(a)の道路地図画面310は、レーン1が選択される前の状態を示しており、自車位置Mが走行しているx号線のレーン2の渋滞情報320が表示されている。渋滞情報320は、混雑を示すオレンジ色で表示され、レーン1の渋滞情報はその下に隠れている。なお、地点P1、P2、P3、P4は、便宜上示してある。
【0037】
次に、ユーザがリスト300の中からレーン1の道路交通情報を選択すると、リスト内の選択された項目がハイライト表示され、同時に、道路地図画面310上において、レーン1の渋滞情報330が一番上なるように強調または識別表示される。渋滞情報330は、地点P1からP3までのリンクL1、L2が渋滞であることを示す赤色にて表示される。これにより、ユーザは、直感的に、レーン1の渋滞レベルとその範囲を確認することができる。なお、リンク2の渋滞情報320が併せて表示されているが、リンク1の渋滞情報330を際立たせるために、渋滞情報320をフェードアウトしたり、消去することも可能である。また、渋滞情報330の強調表示は、点滅させたり、渋滞情報320の幅よりも広くしたりすることも可能である。
【0038】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。第1の実施例は、ユーザのマニュアル操作によりレーンを選択したのに対して、第2の実施例は、自車が走行しているレーンに基づき道路地図画面に表示されるレーンを自動的に選択し、その渋滞情報の可視化を図るものである。
【0039】
レーン選択部218は、自車位置検出部10からの自車位置情報と記憶部40から読み出した道路地図データとを比較し、自車が走行しているレーンを判定し、当該判定結果に基づき自車が走行しているレーンを選択する。その選択結果は、道路交通情報合成部216に提供され、道路交通情報合成部216は、自車が走行しているレーンの渋滞情報が一番上に表示されるように画像の合成を行う。勿論、ユーザからのレーンの選択があった場合には、第1の実施例のときと同様に選択されたレーンの渋滞情報が一番上になって強調表示されるようにする。これにより、ユーザによる操作の手間を軽減することができる。
【0040】
また、目的地までの経路を探索するとき、経路探索機能が推奨レーンまで探索する(レーンの渋滞、事故を避けるため)場合には、レーン選択部218は、ユーザから何も選択されていないデフォルト状態において、推奨レーンを選択するようにしてもよい。なお、本発明における道路交通情報の表示は、目的地までのルートを設定しているときか否かを問わず、非誘導中においても利用することができる。
【0041】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0042】
1:車載用ナビゲーション装置 10:自車位置検出部
20:受信部 30:入力部
40:記憶部 50:外部I/F
60:表示部 70:音声出力部
80:プログラムメモリ 90:データメモリ
100:制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーン毎の道路交通情報を取得可能な取得手段と、
取得した道路交通情報に基づきレーン毎の道路交通情報を文字情報により表示する文字情報表示手段と、
取得した道路交通情報に基づき各レーンに対応する道路上に道路交通情報の画像を合成して表示する画像表示手段と、
入力手段と、
前記文字情報表示手段により表示されたレーン毎の道路交通情報の中から特定のレーンが前記入力手段によって選択されたとき、選択されたレーンの道路交通情報の画像が強調して表示されるように前記画像表示手段を制御する制御手段と、
を有するナビゲーション装置。
【請求項2】
前記画像表示手段は、1つの道路上に複数のレーンの道路交通情報があるとき、前に取得されたレーンの道路交通情報の画像に最新のレーンの道路交通情報の画像を合成して表示し、前記画像表示手段は、前記制御手段に制御されて前記入力手段により選択されたレーンの道路交通情報の画像を他のレーンの道路交通情報の画像上に合成して表示する、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記他のレーンの道路交通情報の画像は、選択されたレーンの道路交通情報の画像よりも低い輝度で表示される、請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記入力手段によって選択されたレーンの道路交通情報の画像全体が表示されるように前記画像表示手段による道路の縮尺を制御する、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記文字情報表示手段は、レーン毎の道路交通情報をリスト状に表示する、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
ナビゲーション装置におけるレーン毎の渋滞情報の表示方法であって、
レーン毎の渋滞情報を取得するステップと、
取得した渋滞情報に基づきレーン毎の渋滞情報を文字情報で表示するステップと、
取得した渋滞情報に基づき各レーンに対応する道路上に渋滞情報の画像を合成して表示するステップと、
文字情報で表示された渋滞情報の中から特定のレーンがユーザによって選択されたとき、選択されたレーンの渋滞情報の画像が他のレーンの渋滞情報の画像よりも強調されるように表示するステップと、
を有する表示方法。
【請求項7】
表示方法はさらに、選択されたレーンの渋滞情報の画像を表示するとき、当該選択された渋滞情報の画像の全体が表示されるように表示倍率を調整するステップを含む、請求項6に記載の表示方法。
【請求項8】
ナビゲーション装置が実行するレーン毎の渋滞情報の表示プログラムであって、
レーン毎の渋滞情報が取得されたとき、前記渋滞情報に基づきレーン毎の渋滞情報を文字情報で表示させ、かつ前記渋滞情報に基づき各レーンに対応する道路上に渋滞情報の画像を合成して表示させるステップと、
文字情報で表示された渋滞情報の中から特定のレーンがユーザによって選択されたとき、選択されたレーンの渋滞情報の画像が他のレーンの渋滞情報の画像よりも強調されるように表示させるステップと、
を有する表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−181156(P2010−181156A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−22277(P2009−22277)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】