説明

ナビゲーション装置及びコンピュータプログラム

【課題】目的地点の名称の読みが不明な場合でも、漢字による目的地点の設定及び検索することが可能なナビゲーション装置及びコンピュータプログラムに関する。
【解決手段】ナビゲーション装置の処理部11は、記憶部15が記憶する地点データベース151から目的地点の名称の漢字表記の先頭文字を抽出して抽出した先頭文字の一覧からなる選択画面を表示部14に表示する。処理部11は、受付部16が先頭文字一覧の中の1つの先頭文字を選択する操作を受付けることにより先頭文字を選択する。処理部11は、選択した先頭文字を有する名称を記憶部15に記憶された地点データベース151から検索して検索結果一覧からなる選択画面を表示部14に表示する。処理部11は、検索結果一覧の中の目的地点の名称を選択する操作を受付部16が受付けることにより名称を選択して設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車及び船舶等のナビゲーション装置に関し、より詳しくは、目的地点の名称の読みが不明であっても目的地点を検索することが可能なナビゲーション装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の現在位置を推定し、推定した現在位置から目的地点までの適切な経路を自動車の運転者に対して案内する自動車のナビゲーション装置が利用されている。ナビゲーション装置では、使用者の操作により目的地点の設定を受付け、GPS(Global
Positioning System)等の位置特定技術を用いて自動車の現在位置を特定し、光ディスク又はハードディスク等の記憶装置で記憶している地図データに基づいて現在位置から目的地点までの経路を探索する。その後、ナビゲーション装置は、自動車の走行に伴い、自動車の位置を逐次特定しながら、ディスプレイ上の表示又は音声等を用いて自動車の運転者に対して経路を案内する。
【0003】
ナビゲーション装置で目的地点の名称の設定を行う方法には、タッチパネル等の受付手段を用いて使用者の操作を受付けて設定を行う方法がある。目的地点の名称を設定したナビゲーション装置は、記憶装置に記憶しているデータから目的地点の名称を検索し、目的地点の名称に係るデータを読込む。得られたデータに基づき、最適経路を探索して経路案内等の情報を音声及びディスプレイ表示で運転者へ伝達する。ところが、初めての地を訪れた人は、特殊な地名及び道路名の正しい読みが分からない場合がある。このような場合に地名等の正しい読みだけでなく、その漢字の一般的な読みを受付けることにより目的地点の設定が可能であり、また、現在位置及び経路案内等の情報を正しい読み及び一般的な読みの音声で伝えることにより経路案内時に運転者が特殊な地名及び道路名の読みと道路標識に記された漢字の一致を認識し易くする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−141978号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、使用者が目的地点の名称の正しい読みだけでなく漢字の一般的な読みも分からない場合、目的地点を漢字に基づいて容易に設定することができないという問題がある。
【0005】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、記憶手段が記憶するデータから各目的地点の名称の漢字表記の先頭文字を抽出して表示し、その中の1つの先頭文字を使用者が選択することにより、目的地点の名称の漢字の読みが不明な場合でも、漢字による目的地点の名称の設定が可能であるナビゲーション装置及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【0006】
また、本発明の他の目的は、抽出した先頭文字が多数存在する場合に漢字の総画数又は漢字の部首を選択する操作を受付けることにより、使用者が容易に目的地点の名称の先頭文字を選択することが可能となるナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るナビゲーション装置は、地図上の複数地点の名称を含む各地点に係るデータを記憶する記憶手段を備え、該記憶手段が記憶するデータから目的地点の名称を検索し
、前記目的地点に係るデータに基づき目的地点までのナビゲーションを行うナビゲーション装置において、前記記憶手段が記憶する複数地点の名称から漢字表記の先頭文字を抽出して表示する先頭文字表示手段と、該先頭文字表示手段が表示した先頭文字の中の1つの先頭文字を受付ける先頭文字受付手段と、該先頭文字受付手段が受付けた先頭文字を有する名称を検索して検索結果を出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に係るナビゲーション装置は、前記先頭文字表示手段は、漢字の総画数を受付ける総画数受付手段を備えており、前記総画数受付手段が受付けた総画数を有する先頭文字を検索して表示するよう構成してあることを特徴とする。
【0009】
本発明に係るナビゲーション装置は、前記先頭文字表示手段は、漢字の部首を受付ける部首受付手段を備えており、前記部首受付手段が受付けた部首を有する先頭文字を検索して表示するよう構成してあることを特徴とする。
【0010】
本発明に係るコンピュータプログラムは、地図上の複数地点の名称を含む各地点に係るデータを記憶する記憶手段を備えるコンピュータを、前記記憶手段が記憶するデータから目的地点の名称を検索し、前記目的地点に係るデータに基づき目的地点までのナビゲーションを実行する手段として機能させるコンピュータプログラムにおいて、コンピュータを、前記記憶手段が記憶する複数地点の名称から漢字表記の先頭文字を抽出し表示する先頭文字表示手段、該先頭文字表示手段が表示した先頭文字から1つの先頭文字を受付ける先頭文字受付手段、該先頭文字受付手段が受付けた先頭文字を有する名称を検索して検索結果を出力する出力手段として機能させることを特徴とする。
【0011】
本発明にあっては、ナビゲーション装置は、記憶手段が記憶するデータから各目的地点の名称の漢字表記の先頭文字を抽出して表示し、その中の1つの先頭文字を選択する操作を受付ける。受付けた先頭文字を有する名称を検索して検索結果を表示する。
【0012】
本発明にあっては、総画数受付手段は漢字の総画数を選択する操作を受付け、先頭文字表示手段は受付けた総画数を有する先頭文字を検索して検索結果を表示する。
【0013】
本発明にあっては、部首受付手段は漢字の部首を選択する操作を受付け、先頭文字表示手段は受付けた部首を有する先頭文字を検索して検索結果を表示する。
【発明の効果】
【0014】
本発明にあっては、各地点の漢字表記の先頭文字を抽出し、その中の1つの先頭文字を選択する操作を受付ける。受付けた先頭文字を有する名称を検索することにより、読みが不明な漢字が目的地点の名称に含まれている場合でも、漢字による目的地点の名称の検索が可能となる。
【0015】
本発明にあっては、各地点の名称の漢字表記の先頭文字が多数存在する場合でも、漢字の総画数を選択する操作を受付けて、選択した総画数を有する先頭文字を検索して表示することにより、目的地点の名称の先頭文字を容易に選択することが可能となる。
【0016】
本発明にあっては、各地点の名称の漢字表記の先頭文字が多数存在する場合でも、漢字の部首を選択する操作を受付けて、選択した部首を有する先頭文字を検索して表示することにより、目的地点の名称の先頭文字を容易に選択することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
実施の形態1
図1は本発明のナビゲーション装置の内部構成を示すブロック図である。本発明のナビ
ゲーション装置は、ナビゲーション対象の自動車に設置されており、現在位置を推定しながら目的地点までの適切な経路を案内するナビゲーションを行うための装置である。ナビゲーション装置は、演算を行うためのCPUでなる処理部11を備え、処理部11には、演算に伴う一時的な情報を記憶するRAM12、及び本発明のコンピュータプログラム131を記憶するROM13が接続されている。本発明のナビゲーション装置はコンピュータであり、処理部11は、ROM13が記憶する本発明のコンピュータプログラム131に従って、本発明のナビゲーション装置に必要な処理を実行する構成となっている。
【0018】
また処理部11には、液晶ディスプレイ等の表示部(表示手段)14と、使用者の操作により各種の指示を受付ける受付部(受付手段)16とが接続されている。表示部14は、ナビゲーションを行うために必要な情報を画像又は文字の形で表示する。受付部16は、表示部14と組み合わせたタッチパネル及び各種のスイッチを用いて構成されている。また、処理部11には、ハードディスク又は不揮発性の半導体メモリ等から構成されており現在位置から目的地点までの地図データを、記憶している記憶部(記憶手段)15が接続されている。更に記憶部15は、地図データからなる地図データベース152並びに地図上の各地点の名称、住所及び地図データ内での座標を含む各地点に係るデータからなる地点データベース151を記憶している。地点データベース151はツリー階層構造をなしており、上位階層から下位階層の順に、都道府県名を含むデータの階層、区市町村名を含むデータの階層、丁目又は字を含むデータの階層、並びに地番又は戸番を含むデータの階層で構成されている。以下、それぞれの階層を県名ブロック、市町村名ブロック、地名ブロック及び番地名ブロックと記述する。
【0019】
目的地点までのナビゲーションを行う際には、処理部11は目的地点の名称を地点データベース151から検索する。さらに処理部11は、検索により得られた名称に係る目的地点の座標を地点データベース151から取得し、取得した座標に対応する地図データを地図データベース152から読み出して目的地点までのナビゲーションの処理を行う。なお記憶部15は、外部から受信した地点データ及び地図データ、又は光ディスク等の記憶媒体から読み出した地点データ及び地図データを一時的に記憶するメモリであってもよい。更に処理部11には、GPS衛星から送信されるGPS信号、自動車の加速度、又は自動車の車速パルス等、自動車の位置を推定するために必要な位置情報を取得する位置情報取得部17が接続されている。処理部11は、位置情報取得部17が取得した位置情報及び記憶部15が記憶する地図データベース152に基づいて自動車の現在位置を推定する処理を行う。
【0020】
次に、以上の構成からなるナビゲーション装置の処理部11が実行する本実施の形態1に係る目的地点の設定処理を説明する。処理部11は、記憶部15に記憶された地点データベース151から県名ブロックを読込む。図2(a)は県名ブロックのフォーマット例を示す説明図である。県名ブロックには、県名を区別する1から47までの県名番号が割り当てられており、それぞれの県名番号における地図上の代表点となる位置データが記憶されている。処理部11は、読込んだ県名ブロックに含まれる県名を抽出して県名一覧からなる選択画面を表示部14に表示する。図3(a)は使用者が県名を選択するための県名一覧からなる選択画面の例を示すイメージ図である。処理部11は、受付部16及び表示部14を組み合わせたタッチパネルを介して使用者が選択する操作を受付ける。受付部16が選択画面に表示されている「戻る」キーの操作を受付けた場合、処理部11は処理を終了する。受付部16が「戻る」キーの操作を受付けなかった場合、受付部16が県名一覧の中の1つの県名を選択する操作を受付けることにより、処理部11は県名を選択する。図3(a)では、使用者により「沖縄県」が選択されている。処理部11は、記憶部(記憶手段)15に記憶された地点データベース151から、選択した県名に関連付けられた市町村名ブロックを読込む。
【0021】
図2(b)は「沖縄県」の県番号47に関連付けられた市町村名ブロックのフォーマット例を示す説明図である。「沖縄県」に含まれる市町村名は、先頭文字の漢字によって分類され、それぞれの漢字を区別するための先頭文字番号が割り当てられている。また、同じ先頭文字を有する市町村名は、それぞれを区別するために異なる市町村番号が割り当てられている。従って、それぞれの市町村名は先頭文字番号と市町村番号との組み合わせで指定されている。各市町村名には代表点となる位置データが記憶されている。処理部11は、読込んだ市町村名ブロックに含まれる市町村名の先頭文字を抽出して先頭文字一覧からなる先頭文字選択画面を表示部14に表示する。図3(b)は使用者が市町村名の先頭文字を選択するための先頭文字一覧からなる選択画面の例を示すイメージ図である。受付部16が先頭文字を選択する操作を受付けることにより、処理部11は市町村名の先頭文字を選択する。図3(b)では使用者により「宜」が選択されている。処理部11は、選択した先頭文字を有する市町村名を市町村名ブロックから検索して市町村名一覧からなる市町村名選択画面を表示部14に表示する。図4(a)は市町村名一覧からなる市町村名選択画面の例を示すイメージ図である。受付部16が市町村名一覧の中の1つの市町村名を選択する操作を受付けることにより、処理部11は市町村名を選択する。図4(a)では、使用者により「宜野座村」が選択されている。
【0022】
処理部11は、記憶部15に記憶された地点データベース151から選択した市町村名に関連付けられた地名ブロックを読込む。図5(a)は「宜野座村」に関連付けられた地名ブロックのフォーマット例を示す説明図である。「宜野座村」に含まれる地名が先頭文字の漢字によって分類されており、それぞれの漢字を区別する先頭文字番号が割り当てられている。同じ先頭文字番号を有する地名は、それぞれ異なる地名番号が割り当てられている。従ってそれぞれの地名は先頭文字番号と地名番号との組み合わせで指定される。各地名には代表点となる位置データが記憶されている。処理部11は、読込んだ地名ブロックから地名の先頭文字を抽出して先頭文字一覧からなる先頭文字選択画面を表示部14に表示する。図4(b)は使用者が地名の先頭文字を選択するための先頭文字一覧からなる選択画面の例を示すイメージ図である。受付部16が先頭文字一覧の中の1つの先頭文字を選択する操作を受付けることにより、処理部11は先頭文字を選択する。図4(b)では、使用者により「惣」が選択されている。処理部11は、選択した先頭文字を有する地名を地名ブロックから検索し、地名一覧からなる地名選択画面を表示部14に表示する。図6(a)は使用者が地名を選択するための地名一覧からなる選択画面の例を示すイメージ図である。受付部16が地名一覧の中の1つの地名を選択する操作を受付けることにより、処理部11は地名を選択する。図6(a)では、使用者により「惣慶」が選択されている。
【0023】
処理部11は、記憶部15に記憶された地点データベース151から選択した地名に関連付けられた番地名ブロックを読込む。図5(b)は「惣慶」に関連付けられた番地名ブロックのフォーマット例を示す説明図である。「惣慶」に含まれる番地名に通し番号が割り当てられており、各番地名には代表点となる位置データが記憶されている。処理部11は、読込んだ番地名ブロックから番地名を抽出して番地名一覧からなる番地名選択画面を表示部14に表示する。図6(b)は使用者が番地名を選択するための番地名一覧からなる選択画面の例を示すイメージ図である。受付部16が番地名一覧の中の1つの番地名を選択する操作を受付けることにより、処理部11は番地名を選択する。図6(b)では、使用者により「2」が選択されている。処理部11は、目的地点の住所を設定して目的地の設定処理を終了する。
【0024】
図7及び図8は本発明のナビゲーション装置が使用者から目的地点の名称に関する情報を受付け、目的地点を設定する処理の手順を示すフローチャートである。ナビゲーション装置の処理部11は、ROM13が記憶するコンピュータプログラム131に従って以下の処理を実行する。処理部11は、記憶部(記憶手段)15に記憶された地点データベ
ース151から県名ブロックを読込み県名を抽出して図3(a)で示すように県名一覧からなる選択画面を表示部14に表示する(ステップS1)。処理部11は、受付部16が選択画面に表示された「戻る」キーの操作を受付けた否かを判定する(ステップS2)。受付部16が「戻る」キーの操作を受付けた場合(ステップS2でYES)、処理部11は処理を終了する。受付部16が「戻る」キーの操作を受付けなかった場合(ステップS2でNO)、処理部11は受付部16が使用者による県名一覧の中の1つの県名を選択する操作を受付けたか否かを判定する(ステップS3)。受付部16が操作を受付けなかった場合(ステップS3でNO)、処理部11は「戻る」キーの操作の受付を判定するステップS2に処理を戻す。受付部16が操作を受付けた場合(ステップS3でYES)、処理部11は、記憶部15に記憶された地点データベース151から選択した県名に関連付けられた市町村名ブロックを読込む(ステップS4)。図3(a)では使用者により「沖縄県」が選択されている。
【0025】
処理部11は、読込んだ市町村名ブロックに含まれる市町村名の先頭文字を抽出して図3(b)に示すように先頭文字一覧からなる先頭文字選択画面を表示部14に表示する(ステップS5)。処理部11は、受付部16が先頭文字選択画面に表示された「戻る」キーの操作を受付けたか否かを判定する(ステップS6)。受付部16が「戻る」キーの操作を受付けた場合(ステップS6でYES)、処理部11は、県名一覧からなる選択画面の表示を行うステップS1に処理を戻す。受付部16が「戻る」キーの操作を受付けなかった場合(ステップS6でNO)、処理部11は受付部16が使用者による先頭文字一覧の中の1つの先頭文字を選択する操作を受付けたか否かを判定する(ステップS7)。受付部16が操作を受付けなかった場合(ステップS7でNO)、処理部11は「戻る」キーの操作の受付を判定するステップS6に処理を戻す。受付部16が操作を受付けた場合(ステップS7でYES)、処理部11は選択した先頭文字を有する市町村名を市町村名ブロックから検索する(ステップS8)。図3(b)では使用者により「宜」が選択されている。
【0026】
次に図4(a)のように市町村名一覧からなる市町村名選択画面を表示する(ステップS9)。処理部11は、受付部16が選択画面に表示された「戻る」キーの操作を受付けたか否かを判定する(ステップS10)。受付部16が「戻る」キーの操作を受付けた場合(ステップS10でYES)、処理部11は市町村名の先頭文字一覧からなる選択画面の表示を行うステップS5に処理を戻す。受付部16が「戻る」キーの操作を受付けなかった場合(ステップS10でNO)、処理部11は受付部16が使用者による市町村名一覧の中の1つの市町村名を選択する操作を受付けたか否かを判定する(ステップS11)。受付部16が操作を受付けなかった場合(ステップS11でNO)、処理部11は「戻る」キーの操作を判定するステップS10に処理を戻す。受付部16が操作を受付けた場合(ステップS11でYES)、処理部11は記憶部15に記憶された地点データベース151から選択した市町村名に関連付けられた地名ブロックを読込む(ステップS12)。図4(a)では使用者により「宜野座村」が選択されている。
【0027】
処理部11は、読込んだ地名ブロックに含まれる地名の先頭文字を抽出して図4(b)のように先頭文字一覧からなる先頭文字選択画面を表示部14に表示する(ステップS13)。処理部11は、受付部16が選択画面に表示された「戻る」キーの操作を受付けたか否かを判定する(ステップS14)。受付部16が「戻る」キーの操作を受付けた場合(ステップS14でYES)、処理部11は市町村名一覧からなる選択画面の表示を行うステップS9に処理を戻す。受付部16が「戻る」キーの操作を受付けなかった場合(ステップS14でNO)、処理部11は受付部16が使用者による先頭文字一覧の中の1つの先頭文字を選択する操作を受付けたか否かを判定する(ステップS15)。受付部16が操作を受付けなかった場合(ステップS15でNO)、処理部11は「戻る」キーの操作の受付を判定するステップS14に処理を戻す。受付部16が操作を受付けた場合(ステップS15でYES)、処理部11は選択した先頭文字を有する地名を地名ブロックから検索する(ス
テップS16)。図4(b)では使用者により「惣」が選択されている。
【0028】
次に図6(a)のように地名一覧からなる地名選択画面を表示する(ステップS17)。処理部11は、受付部16が選択画面に表示された「戻る」キーの操作を受付けたか否かを判定する(ステップS18)。受付部16が「戻る」キーの操作を受付けた場合(ステップS18でYES)、処理部11はステップS13の地名の先頭文字一覧からなる選択画面の表示に処理を戻す。受付部16が「戻る」キーの操作を受付けなかった場合(ステップS18でNO)、処理部11は受付部16が使用者による地名一覧の中の1つの地名を選択する操作を受付けたか否かを判定する(ステップS19)。受付部16が操作を受付けなかった場合(ステップS19でNO)、処理部11は「戻る」キーの操作の受付を判定するステップS18に処理を戻す。受付部16が操作を受付けた場合(ステップS19でYES)、処理部11は記憶部15に記憶された地点データベース151から選択した地名に関連付けられた番地名ブロックを読込む(ステップS20)。図6(a)では使用者により「惣慶」が選択されている。
【0029】
処理部11は、読込んだ番地名ブロックから番地名を抽出して図6(b)のように番地名一覧からなる番地名選択画面を表示部14に表示する(ステップS21)。処理部11は、受付部16が選択画面に表示された「戻る」キーの操作を受付けたか否かを判定する(ステップS22)。受付部16が「戻る」キーの操作を受付けた場合(ステップS22でYES)、処理部11はステップS17の地名一覧からなる選択画面の表示に処理を戻す。受付部16が「戻る」キーの操作を受付けなかった場合(ステップS22でNO)、処理部11は受付部16が使用者による先頭文字一覧の中の1つの先頭文字を選択する操作を受付けたか否かを判定する(ステップS23)。受付部16が操作を受付けなかった場合(ステップS23でNO)、処理部11は、「戻る」キーの操作の受付を判定するステップS22に処理を戻す。受付部16が操作を受付けた場合(ステップS23でYES)、処理部11は目的地点の住所を設定して(ステップS24)目的地の設定処理を終了する。図6(b)では使用者により「2」が選択されている。処理部11は、設定した住所に係る地図データを地図データベース152から読込んで表示部14に表示する。
【0030】
以上記述した如く、本発明においては、処理部11は市町村名及び地名の先頭文字一覧からなる選択画面を表示して受付部16が受付けた使用者が選択する操作により目的地点の名称の先頭文字を選択する。処理部11は選択した先頭文字を有する名称を検索して検索結果を一覧として出力し、受付部16が検索結果一覧の中の1つの先頭文字を選択する操作を受付けることにより、使用者が目的地点の先頭文字に読みを知らない漢字が含まれている場合であっても、目的地の名称を設定することが可能となる。
【0031】
実施の形態2
実施の形態2は、総画数受付手段を備えるナビゲーション装置に関する。処理部11が市町村名ブロック及び地名ブロックから抽出した先頭文字が多数存在する場合、先頭文字一覧からなる選択画面により使用者が目的地点の名称の先頭文字を選択することは困難となる。そこで、先頭文字の漢字の総画数を受付けることにより、先頭文字一覧の絞込みを行う。記憶部15が記憶する地点データベース151に含まれる市町村名ブロック及び地名ブロックには、名称の先頭文字の総画数データが含まれている。図9は「沖縄県」の県名番号47に関連付けられた市町村名ブロックのフォーマット例を示す説明図である。「沖縄県」に含まれる市町村名は、先頭文字の漢字によって分類されており、それぞれの漢字を区別するための先頭文字番号が割り当てられている。また、同じ先頭文字を有する市町村名は、それぞれを区別するために異なる市町村番号が割り当てられている。各市町村名には先頭文字の総画数及び代表点となる位置データが記憶されている。
【0032】
次に処理部11が実行する実施の形態2に係る総画数受付手段による目的地点の設定処
理を説明する。処理部11は、受付部16が受付けた県名選択操作により県名を選択する。次に処理部11は、選択した県名に関連付けられた市町村名ブロックを地点データベース151から読込む。処理部11は、読込んだ市町村名ブロックに含まれる先頭文字の総画数を抽出して抽出した総画数一覧からなる選択画面を表示部14に表示する。図10(a)は総画数一覧からなる選択画面の例を示すイメージ図である。選択画面に表示される「戻る」キーを操作した場合の処理は実施の形態1と同様であり、説明を省略する。処理部11は、受付部16が受付けた使用者の総画数を選択する操作により総画数を選択する。図10(a)では、総画数として「8」が選択されている。処理部11は選択した総画数、選択した総画数から1を減算した総画数及び選択した総画数に1を加算した総画数を有する先頭文字を市町村名ブロックから検索して、それぞれの総画数で分類した先頭文字一覧からなる選択画面を表示部14に表示する。処理部11は、受付部16が先頭文字一覧の中の1つの先頭文字を選択する操作を受付けることにより先頭文字を選択する。図10(b)は先頭文字一覧からなる選択画面の例を示すイメージ図である。図10(b)では、総画数7、8、及び9を有する先頭文字が表示されており、「宜」が使用者により選択されている。使用者は、より少数となった先頭文字一覧の中の1つの先頭文字を容易に選択することが可能となる。
【0033】
図11は実施の形態2に係る総画数受付手段の処理の手順を示すフローチャートである。処理部11は、ROM13が記憶するコンピュータプログラム131に従って以下の処理を実行する。処理部11は、受付部16が県名を選択する操作を受付けることにより県名を選択する(ステップS31)。次に処理部11は、記憶部15に記憶された地点データベース151から選択した県名に関連付けられた市町村名ブロックを読込む(ステップS32)。処理部11は、読込んだ市町村名ブロックに含まれる先頭文字の総画数を抽出して図10(a)に示すように総画数一覧からなる総画数選択画面を表示部14に表示する(ステップS33)。処理部11は、受付部16が使用者による総画数一覧の中の1つの総画数を選択する操作を受付けることにより総画数を選択する(ステップS34)。次に処理部11は、選択した総画数、選択した総画数から1を減算した総画数及び選択した総画数に1を加算した総画数を有する先頭文字を市町村名ブロックから検索する(ステップS35)。処理部11は、それぞれの総画数で分類した先頭文字一覧からなる先頭文字選択画面を表示部14に表示する(ステップS36)。処理部11は、受付部16が使用者による先頭文字一覧の中の1つの先頭文字を選択する操作を受付けることにより先頭文字を選択して(ステップS37)先頭文字の選択処理を終了する。本実施の形態2においては、市町村名ブロックから目的地点の市町村名の先頭文字を選択する場合を示したが、地名ブロックから目的地点の地名の先頭文字を選択する場合にも、同様に行うことができる。
【0034】
以上の総画数受付手段により、処理部11が多数の先頭文字を抽出した場合にでも、処理部11は先頭文字を総画数によって絞込み、少数の先頭文字一覧からなる選択画面が表示される。従って、使用者は容易に目的地点の名称の先頭文字を選択することができる。また、使用者が選択した総画数だけでなく、選択した総画数に1を加算及び減算した合計3種類の総画数を有する先頭文字が、先頭文字選択画面に表示される。これにより、使用者が正しい総画数を認識しない状況において異なる総画数を選択した場合にでも、使用者が選択を意図していた先頭文字が選択画面に表示される可能性が増大する。また、先頭文字選択画面に3種類の総画数を有する先頭文字一覧が表示される例を示したが、これに限るものではなく、4種類以上、2種類又は使用者が選択した総画数のみを有する先頭文字一覧を選択画面に表示しても良い。また、総画数選択画面の表示及び総画数を選択する操作の受付を行わず、先頭文字の総画数によって分類した先頭文字一覧からなる先頭文字選択画面を表示して使用者が所望の先頭文字を選択し易くなるようにしても良い。
【0035】
本実施の形態2は以上の如き構成としてあり、その他の構成及び作用は実施の形態1と
同様であるので対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0036】
実施の形態3
実施の形態3は、部首受付手段を備えたナビゲーション装置に関する。本実施の形態3では、先頭文字の漢字の部首を受付けることにより、先頭文字一覧の絞込みを行う。記憶部15が記憶する地点データベース151に含まれる市町村名ブロック及び地名ブロックには、名称の先頭文字の部首データが含まれる。図12は「沖縄県」の県名番号47に関連付けられた市町村名ブロックのフォーマット例を示す説明図である。「沖縄県」に含まれる市町村名は、先頭文字の漢字によって分類されており、それぞれの漢字を区別するための先頭文字番号が割り当てられている。また、同じ先頭文字を有する市町村名は、それぞれを区別するために異なる市町村番号が割り当てられている。各市町村名には先頭文字の部首及び代表点となる位置データが記憶されている。また、それぞれの部首の種類を区別するための部首番号が割り当てられている。
【0037】
処理部11が実行する実施の形態3に係る部首受付手段による目的地点の設定処理を説明する。処理部11は、受付部16が受付けた県名選択操作により県名を選択する。次に処理部11は、選択した県名に関連付けられた市町村名ブロックを地点データベース151から読込む。処理部11は、読込んだ市町村名ブロックに含まれる部首を抽出して部首一覧からなる選択画面を表示部14に表示する。図13(a)は部首一覧からなる選択画面の例を示すイメージ図である。選択画面に表示される「戻る」キーを操作した場合の処理は実施の形態1と同様であり、説明を省略する。処理部11は、受付部16が受付けた使用者の部首を選択する操作により部首を選択する。図13(a)では、部首として「にんべん」、「さんずい」、「うかんむり」等が表示されており、使用者により「うかんむり」が選択されている。処理部11は、選択した部首を有する先頭文字を市町村名ブロックから検索して先頭文字一覧からなる選択画面を表示部14に表示する。処理部11は、受付部16が先頭文字一覧の中の1つの先頭文字を選択する操作を受付けることにより先頭文字を選択する。図13(b)は先頭文字一覧からなる選択画面の例を示すイメージ図である。図13(b)では、部首「うかんむり」を有する先頭文字が表示されており、「宜」が使用者により選択されている。使用者は先頭文字一覧が、より少数となるため、先頭文字一覧の中の1つの先頭文字を容易に選択することが可能となる。
【0038】
図14は実施の形態3に係る部首受付手段の処理の手順を示すフローチャートである。処理部11は、ROM13が記憶するコンピュータプログラム131に従って以下の処理を実行する。処理部11は、受付部16が県名を選択する操作を受付けることにより県名を選択する(ステップS41)。次に処理部11は、記憶部15に記憶された地点データベース151から選択した県名に関連付けられた市町村名ブロックを読込む(ステップS42)。処理部11は、読込んだ市町村名ブロックに含まれる市町村名の先頭文字の部首を抽出して図13(a)に示すように部首一覧からなる部首選択画面を表示部14に表示する(ステップS43)。処理部11は、受付部16が使用者による部首一覧の中の1つの部首を選択する操作を受付けることにより部首を選択する(ステップS44)。次に処理部11は、選択した部首を有する先頭文字を市町村名ブロックから検索する(ステップS45)。処理部11は、先頭文字一覧からなる先頭文字選択画面を表示部14に表示する(ステップS46)。次に処理部11は、受付部16が使用者による先頭文字一覧の中の1つの先頭文字を選択する操作を受付けることにより先頭文字を選択して(ステップS47)、先頭文字の選択処理を終了する。本実施の形態3においては、市町村名ブロックから目的地点の市町村名の先頭文字を選択する場合を示したが、地名ブロックから目的地点の地名の先頭文字を選択する場合にも、同様に行うことができる。
【0039】
本実施の形態3は以上の如き構成としてあり、その他の構成及び作用は実施の形態1及び2と同様であるので対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略す
る。
【0040】
実施の形態4
図15は実施の形態4に係るナビゲーション装置の内部構成を示すブロック図である。尚、図15において、本実施の形態4のナビゲーション装置と実施の形態1のナビゲーション装置との同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。ナビゲーション装置の処理部11には、EEPROM41及び記憶媒体読取部42が接続されている。EEPROM41は、本発明のコンピュータプログラム131を記憶する書き換え可能なメモリであり、フラッシュメモリ等である。処理部11は、EEPROM41が記憶する本発明のコンピュータプログラム131に従って、本発明のナビゲーション装置に必要な処理を実行する構成となっている。コンピュータプログラム131は、ナビゲーション装置に、記憶部15に記憶された地点データベース151に含まれる複数地点の名称から漢字表記の先頭文字を抽出させて表示させる。次にコンピュータプログラム131は表示させた先頭文字の中の1つの先頭文字を受付けさせ、受付けさせた先頭文字を有する名称を検索させ検索結果を出力させる。コンピュータプログラム131は、記憶媒体読取部42に挿入される記憶媒体43に記録されている。コンピュータプログラム131を記憶媒体43から記憶媒体読取部42を介してEEPROM41へ記憶させ、これを実行させても良い。
【0041】
また、本発明に係るコンピュータプログラム131は、CD−ROM又はDVD−ROM等の記憶媒体43だけでなく、メモリカード等の外部メモリに記憶させておくこともできる。この場合、処理部11に接続される図示しない外部メモリからコンピュータプログラム131を読み出してEEPROM41に記憶させる。さらに処理部11に接続された図示しない通信部と外部のサーバーコンピュータとの間で通信を確立し、係るコンピュータプログラムをEEPROM41へダウンロードしても良い。
【0042】
本実施の形態4は以上の如き構成としてあり、その他の構成及び作用は実施の形態1乃至3と同様であるので対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明のナビゲーション装置の内部構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1に係る県名ブロック及び市町村名ブロックのフォーマット例を示す説明図である。
【図3】実施の形態1に係る選択画面の例を示すイメージ図である。
【図4】実施の形態1に係る選択画面の例を示すイメージ図である。
【図5】実施の形態1に係る地名ブロック及び番地名ブロックのフォーマット例を示す説明図である。
【図6】実施の形態1に係る選択画面の例を示すイメージ図である。
【図7】実施の形態1に係る目的地点を設定する処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態1に係る目的地点を設定する処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態2に係る市町村名ブロックのフォーマット例を示す説明図である。
【図10】実施の形態2に係る選択画面の例を示すイメージ図である。
【図11】実施の形態2に係る総画数受付手段の処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態3に係る市町村名ブロックのフォーマット例を示す説明図である。
【図13】実施の形態3に係る選択画面の例を示すイメージ図である。
【図14】実施の形態3に係る部首受付手段の処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】実施の形態4に係るナビゲーション装置の内部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0044】
11 処理部
12 RAM
13 ROM
131 コンピュータプログラム
14 表示部
15 記憶部(記憶手段)
16 受付部(受付手段)
151 地点データベース
152 地図データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図上の複数地点の名称を含む各地点に係るデータを記憶する記憶手段を備え、該記憶手段が記憶するデータから目的地点の名称を検索し、前記目的地点に係るデータに基づき目的地点までのナビゲーションを行うナビゲーション装置において、
前記記憶手段が記憶する複数地点の名称から漢字表記の先頭文字を抽出して表示する先頭文字表示手段と、
該先頭文字表示手段が表示した先頭文字の中の1つの先頭文字を受付ける先頭文字受付手段と、
該先頭文字受付手段が受付けた先頭文字を有する名称を検索して検索結果を出力する出力手段と
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記先頭文字表示手段は、漢字の総画数を受付ける総画数受付手段を備えており、前記総画数受付手段が受付けた総画数を有する先頭文字を検索して表示するよう構成してあることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記先頭文字表示手段は、漢字の部首を受付ける部首受付手段を備えており、前記部首受付手段が受付けた部首を有する先頭文字を検索して表示するよう構成してあることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
地図上の複数地点の名称を含む各地点に係るデータを記憶する記憶手段を備えるコンピュータを、前記記憶手段が記憶するデータから目的地点の名称を検索し、前記目的地点に係るデータに基づき目的地点までのナビゲーションを実行する手段として機能させるコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータを、
前記記憶手段が記憶する複数地点の名称から漢字表記の先頭文字を抽出し表示する先頭文字表示手段、
該先頭文字表示手段が表示した先頭文字から1つの先頭文字を受付ける先頭文字受付手段、
該先頭文字受付手段が受付けた先頭文字を有する名称を検索して検索結果を出力する出力手段と
して機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−77351(P2008−77351A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−254854(P2006−254854)
【出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】